JP4281829B2 - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、吸気系に燃料を噴射する吸気噴射用インジェクタと、燃焼室に燃料を噴射する筒内噴射用インジェクタとを備える内燃機関の燃料噴射制御装置に関するものである。
内燃機関の燃焼室に燃料を直接噴射する筒内噴射用インジェクタと、吸気ポートやサージタンクなどの吸気系に燃料を噴射する吸気噴射用インジェクタとを備える内燃機関が知られている(特許文献1等)。
この特許文献1に記載のものにあって、その機関始動時における燃料噴射制御では、まず、吸気噴射用インジェクタから所定期間燃料を噴射し、その後、筒内噴射用インジェクタから燃料を噴射するようにしている。このような燃料噴射制御を実施することにより、初爆、すなわち燃焼室での混合気の最初の燃焼は吸気系に噴射された燃料によって行われるようになる。そして、初爆以後は燃焼室内の温度が上昇するため、筒内噴射用インジェクタから噴射された燃料の気化は促進される。従って、特許文献1に記載される機関始動時の燃料噴射制御によれば、機関始動時にあって、筒内噴射用インジェクタから噴射された燃料が未燃成分として排出されることを抑えることができるようになる。
特開2001−73854号公報
ところで、吸気系に燃料を噴射する場合には、噴射された燃料が燃焼室内に流入するまでにある程度の時間を要する。そのため、上記従来のものでは機関始動時における燃焼室での混合気の最初の燃焼、すなわち初爆が遅くなり、機関始動性が悪化するおそれがある。
ここで、機関始動時にあって燃焼室内に燃料を直接噴射する場合には、燃料噴射から初爆までに要する時間を短縮することができ、良好な機関始動性を確保することができる。しかし、機関始動時のように燃焼室内の温度が低いときには、燃焼室内に直接噴射された燃料が同燃焼室の内壁やピストンに付着しやすく、この付着燃料が未燃成分として排出されるおそれがある。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、吸気噴射用インジェクタと筒内噴射用インジェクタとを備える内燃機関において、良好な機関始動性を確保するとともに、機関始動時における未燃成分の排出量を抑制することのできる内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載した発明では、内燃機関の吸気系に燃料を噴射する吸気噴射用インジェクタと、燃焼室に燃料を直接噴射する筒内噴射用インジェクタとを備える内燃機関の機関始動時における燃料噴射を制御する燃料噴射制御装置において、機関始動開始時に前記筒内噴射用インジェクタによる燃料噴射、及び前記吸気噴射用インジェクタによる燃料噴射を実行し、前記吸気噴射用インジェクタから噴射された燃料が燃焼室に到達するタイミング以降、前記筒内噴射用インジェクタによる燃料噴射を停止する制御手段を備えることをその要旨とする。
同構成によれば、機関始動開始時において、まず、筒内噴射用インジェクタによる燃料噴射が実行されることにより、燃料噴射後速やかに初爆が起きるようになる。その後、吸気系に噴射された燃料が燃焼室に到達すると、この初爆をきっかけとして初爆以降における混合気の連続した燃焼、すなわち完爆が起きるようになる。ここで、同構成では、機関始動開始時において吸気噴射用インジェクタによる燃料噴射を予め実行するようにしている。従って、吸気系に噴射された燃料は早い時期に燃焼室へ到達するようになり、機関始動開始から完爆までの時間をより短縮することができるようになる。このように上記構成によれば、機関始動時において、初爆及び完爆を速やかに生じさせることができるようになり、さらに良好な機関始動性を確保することができるようになる。
また、吸気噴射用インジェクタから噴射された燃料が燃焼室に到達するタイミング以降、筒内噴射用インジェクタによる燃料噴射を停止するようにしている。そのため、機関始動時にあって、燃焼室内に直接噴射された燃料が該燃焼室の内壁やピストンに付着する、といった不具合の発生を極力抑制することができる。また、燃焼室内に直接噴射された燃料が同燃焼室の内壁やピストンに付着する場合であっても、上述したような完爆によってその付着燃料は気化され、吸気系に噴射された燃料とともに燃焼される。ここで、同構成では、機関始動開始時において吸気噴射用インジェクタによる燃料噴射を予め実行するようにしている。そのため、吸気系に噴射された燃料は機関始動開始後の早い時期に燃焼室へ到達するようになり、もって筒内噴射用インジェクタの燃料噴射も機関始動開始後の早い時期に停止されるようになる。従って、例えば複数の気筒を備える内燃機関にあって、機関始動開始時に筒内噴射用インジェクタによる燃料噴射、すなわち筒内噴射を実行する場合であっても、全ての気筒への筒内噴射が完了する前に該筒内噴射は停止される。従って、同構成によれば、良好な機関始動性を確保しつつ、機関始動時における未燃成分の排出量をより好適に抑制することができるようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記制御手段は、前記タイミングを機関運転状態に基づいて算出することをその要旨とする。
吸気噴射用インジェクタから噴射された燃料が燃焼室に到達する上記タイミングは、吸気の流速や燃料の気化状態によって変化する。従って、同タイミングは、吸気の流速に関係する機関回転速度、吸入空気量、吸気管内圧力等や、燃料の気化状態に関係する吸気温度、冷却水温度、燃料の噴射圧力等といった機関運転状態に基づいて算出することができる。従って、請求項2に記載の発明によるように、前記制御手段は、前記タイミングを機関運転状態に基づいて算出する、といった構成を採用することにより、上記タイミングを好適に算出することができるようになり、筒内噴射用インジェクタによる燃料噴射の停止を好適に行うことができるようになる。
(第1の実施形態)
以下、この発明にかかる内燃機関の燃料噴射制御装置を具体化した第1の実施形態について、図1〜図5を併せ参照して説明する。
図1は、本実施形態にかかる燃料噴射制御装置が適用される内燃機関11の概略構成を示している。
同図1に示されるように、この装置は4サイクル4気筒の内燃機関11を中心として構成されている。この内燃機関11は、第1気筒#1〜第4気筒#4を備えており、これら各気筒12(図1ではそのうちの1つのみを図示)内にはピストン13が備えられている。ピストン13は、内燃機関11の出力軸であるクランクシャフト15にコンロッド14を介して連結され、そのコンロッド14によりピストン13の往復運動がクランクシャフト15の回転運動に変換されるようになっている。
上記各気筒12内にあってピストン13の上方には、燃焼室16が区画形成されている。この燃焼室16には、筒内噴射用インジェクタ17が各気筒12ごとに取り付けられている。筒内噴射用インジェクタ17には、周知の燃料供給機構を通じて所定の高圧燃料が供給されている。そして、この筒内噴射用インジェクタ17の開弁駆動により、燃料が燃焼室16内に直接噴射供給される。
また、燃焼室16には、その内部に形成される燃料と空気とからなる混合気に対して点火を行う点火プラグ18が取り付けられている。この点火プラグ18による上記混合気への点火タイミングは同点火プラグ18の上方に設けられたイグナイタ19によって調整される。
更に、上記燃焼室16には、吸気通路20及び排気通路21が連通されている。そして、燃焼室16と吸気通路20との連通部分、すなわち吸気ポート20aには、同吸気ポート20aに燃料を噴射する吸気噴射用インジェクタ22がこれも各気筒ごとに設けられている。この吸気噴射用インジェクタ22には、周知の機構を通じて所定圧の燃料が供給されている。そして、この吸気噴射用インジェクタ22の開弁駆動に伴って、燃料が吸気ポート20aに噴射される。また、吸気通路20には燃焼室16に導入される空気量を調量するスロットルバルブが設けられている。ちなみに、吸気通路20及び吸気ポート20a等は内燃機関11の吸気系を構成している。
内燃機関11の機関制御は、電子制御装置30により行われている。電子制御装置30は、機関制御に係る各種処理を実施する中央演算処理装置(CPU)、制御用のプログラムや機関制御に必要な情報を記憶するメモリ、筒内噴射用インジェクタ17や吸気噴射用インジェクタ22の駆動回路、並びにイグナイタ19等の駆動回路等を備えて構成されている。
電子制御装置30には、機関運転状態を検出する各種のセンサが接続されている。例えばクランクセンサ31によって機関出力軸であるクランクシャフト15の位相角、すなわちクランク角が検出され、これに基づいて機関回転速度NEが算出される。また、気筒判別センサ32は特定気筒のピストンが上死点にあることを検出し、クランクセンサ31及び気筒判別センサ32の出力信号に基づき、クランクシャフト15の位置を示すクランク角は確定される。またアクセルセンサ33によって、アクセル操作量ACCPが検出される。また、電子制御装置30には、吸気通路20内の圧力(吸気管内圧力Pin)を検出する圧力センサ34の検出信号が入力され、この検出信号に基づいて吸入空気量Qaが算出される。さらに電子制御装置30には、機関冷却水の温度(冷却水温THW)を検出する水温センサ35、吸気の温度(吸気温THA)を検出する温度センサ36、吸気噴射用インジェクタ22の燃料圧力(燃圧P)を検出する燃圧センサ37等、機関制御に必要なセンサの検出信号が入力されている。そして電子制御装置30は、こうした各種センサの検出信号によって把握される内燃機関11の運転状況に応じて、燃料噴射制御や点火時期制御を始めとする各種機関制御を実施する。
次に、通常運転時における内燃機関11の燃料噴射制御について説明する。
まずはじめに、本実施形態における燃料噴射の制御態様を図2に示す。同図2に示すように、本実施形態では、内燃機関11の機関回転速度NE及び機関負荷Lによって吸気噴射用インジェクタ22を用いるか、筒内噴射用インジェクタ17を用いるか、あるいはこれら双方を用いるかが設定される。なお、ここで内燃機関11の機関負荷Lとは、例えば同内燃機関11の1回転あたりの吸入空気量等によって定義される量である。
同図2に示すように、本実施形態では、内燃機関11の各回転速度において、スロットルバルブを全開〜略全開としたときの負荷である最大の負荷(最大吸入空気量)の領域で、上記筒内噴射用インジェクタ17を用いて燃焼室16に燃料を供給する「筒内噴射」を実施する。なお、本実施形態における「筒内噴射」では、吸気行程中に筒内噴射用インジェクタ17から燃料が噴射され、その燃焼形態としては基本的に均質燃焼とされる。また、スロットルバルブの開度が全閉から中間の開度となるときの負荷である低負荷から中負荷の内燃機関11の運転領域においては、上記吸気噴射用インジェクタ22を用いて燃焼室16に燃料を供給する「ポート噴射」を実施する。そして、これらの間の領域においては、上記筒内噴射用インジェクタ17及び上記吸気噴射用インジェクタ22の双方を用いて燃焼室16に燃料を供給する「ポート+筒内噴射」を実施する。
このように本実施形態では、機関運転状態に応じて噴射形態を変更することにより、混合気の均質性確保と高負荷領域での内燃機関11の出力向上とを図っている。
すなわち、吸気噴射用インジェクタ22を用いると筒内噴射用インジェクタ17を用いる場合と比較して混合気の均質性を促進しやすい。このため、低負荷から中負荷の運転領域においては、吸気噴射用インジェクタ22を用いることで、混合気の均質性を確保することができる。一方、筒内噴射用インジェクタ17を用いて燃料噴射を行う場合には吸気噴射用インジェクタ22を用いて燃料噴射を行う場合と比較して、気化潜熱により混合気の温度を低下させすい。このため、高負荷運転領域においては、筒内噴射用インジェクタ17を用いることで吸気の充填効率が増大され、機関出力の向上が図られる。
次に、通常運転時における燃料噴射制御の処理手順について、図3を参照して説明する。ちなみに、図3に示す処理は、電子制御装置30により所定周期で繰り返し実行される処理である。
まずステップS100では、アクセル操作量ACCPや吸入空気量Qa、及び機関回転速度NE等から算出される機関負荷L等に基づいて基本燃料噴射量Qbが算出される。ここでの燃料噴射量の算出は、電子制御装置30のメモリにあらかじめ記憶された噴射量算出用の演算マップを参照して行われる。
ステップS110では、吸気噴射用インジェクタ22と筒内噴射用インジェクタ17とのそれぞれにより上記燃焼室16に供給される燃料の比率、すなわち各インジェクタから噴射される燃料噴射量の噴射割合を定めるポート噴射用噴射割合Rpと筒内噴射用噴射割合Rdとが機関運転状態に基づいて設定される。これら噴射割合は、先の図2に示した「ポート噴射」の領域では「Rp=1、Rd=0」となり、「筒内噴射」の領域では「Rp=0、Rd=1」となり、「ポート+筒内噴射」の領域では「0<Rp<1、0<Rd<1、Rp+Rd=1」を満たす範囲内で可変設定される。
ステップS120では、ポート噴射用噴射割合Rp及び基本燃料噴射量Qbに基づいて次式(1)から、吸気噴射用インジェクタ22によるポート噴射用燃料噴射量Qpが算出される。なお、補正係数Kは内燃機関11の冷却水温や空燃比制御等に基づいて設定される各種補正項である。
Qp=Rp×Qb×K …(1)
ステップS130では、筒内噴射用噴射割合Rd及び基本燃料噴射量Qbに基づいて次式(2)から、筒内噴射用インジェクタ17による筒内噴射用燃料噴射量Qdが算出される。なお、補正係数Kは内燃機関11の冷却水温や空燃比制御等に基づいて設定される各種補正項である。
Qd=Rd×Qb×K …(2)
この式(2)に示されるように、筒内噴射用噴射割合Rdが大きくなるほど、筒内噴射用インジェクタ17から噴射される燃料噴射量は増大される。
ステップS140では、機関回転速度NE、機関負荷L等に基づいて吸気噴射用インジェクタ22の燃料噴射時期が算出される。ここで算出される燃料噴射時期は、各気筒で吸気噴射用インジェクタ22から燃料噴射を開始させる時期を、各気筒の圧縮上死点を基準とするクランク角で表したものである。また、上記算出されたポート噴射用燃料噴射量Qp、及び機関回転速度NEに基づいて、その算出された燃料噴射量分の燃料を吸気噴射用インジェクタ22から噴射するために必要な燃料噴射期間が算出される。ここでの燃料噴射時期及び燃料噴射期間の算出についても、基本燃料噴射量Qbと同様に、電子制御装置30のメモリにあらかじめ記憶された噴射時期及び噴射期間算出用の演算マップを参照して行われる。
ステップS150では、機関回転速度NE、機関負荷L等に基づいて筒内噴射用インジェクタ17の燃料噴射時期が算出される。ここで算出される燃料噴射時期も、各気筒で筒内噴射用インジェクタ17から燃料噴射を開始させる時期を、各気筒の圧縮上死点を基準とするクランク角で表したものである。また、上記算出された筒内噴射用燃料噴射量Qd、及び機関回転速度NEに基づいて、その算出された燃料噴射量分の燃料を筒内噴射用インジェクタ17から噴射するために必要な燃料噴射期間が算出される。ここでの燃料噴射時期及び燃料噴射期間の算出についても、基本燃料噴射量Qbと同様に、電子制御装置30のメモリにあらかじめ記憶された噴射時期及び噴射期間算出用の演算マップを参照して行われる。
ステップS160では、各インジェクタ毎に算出された燃料噴射時期及び燃料噴射期間に基づいて、燃料噴射信号が気筒毎に生成され、各気筒に対応して設けられた吸気噴射用インジェクタ22及び筒内噴射用インジェクタ17にその燃料噴射信号が各々出力される。こうして燃料噴射信号が出力されている期間、吸気噴射用インジェクタ22や筒内噴射用インジェクタ17からの燃料噴射が行われる。そしてこれにより、各気筒の燃焼室16には、機関運転状況に応じた適切な時期に、適切な量の燃料が噴射供給されるようになる。
次に、内燃機関11の始動時における燃料噴射制御について説明する。図4は、この燃料噴射制御における処理手順を示すフローチャートであり、第1気筒#1〜第4気筒#4に対応してそれぞれ設けられた筒内噴射用インジェクタ17及び吸気噴射用インジェクタ22のうち、第n気筒(n=1〜4)に対応した筒内噴射用インジェクタ17及び吸気噴射用インジェクタ22の噴射制御を示している。
電子制御装置30は、現在の機関運転状態が機関始動開始時であること、及び現在のクランクシャフト15の位相角、すなわちクランク角が確定していること等を条件に、このフローチャートに示される処理を所定周期毎に繰り返し実行する。なお、本処理は上記制御手段を構成する。
この処理が開始されるとまず、第n気筒の筒内噴射用インジェクタ17について、機関始動開始時の最初の燃料噴射、すなわち初回噴射が終了しているか否かが判断される(S200)。この判断は、初回噴射フラグFFnが「1」であるか否かに基づいて判定される。初回噴射フラグFFnは個々の筒内噴射用インジェクタ17についてそれぞれ初回噴射が完了すると「1」に設定されるフラグであり、その初期値は「0」とされている。例えば第1気筒#1に対応した筒内噴射用インジェクタ17からの初回噴射が終了していると「FF1=1」とされる。
そして、第n気筒の筒内噴射用インジェクタ17についてその初回噴射が終了していない旨判断されると(S200:NO)、すなわち初回噴射フラグFFn=「0」である場合には、第n気筒の筒内噴射用インジェクタ17による燃料噴射(筒内噴射)が実行される(S210)。このときには上記筒内噴射用噴射割合Rdが「1」に設定されるとともに、ポート噴射用噴射割合Rpが「0」に設定される。そして、機関始動時に対応したマップを参照して上記基本燃料噴射量Qb、燃料噴射時期、及び燃料噴射期間が設定され、先の図3に示したような一連の燃料噴射制御が行われる。なお、本実施形態では、機関始動時における筒内噴射用インジェクタ17の燃料噴射が、当該筒内噴射用インジェクタ17に対応した気筒の吸気行程中に実行されるよう上記マップを構築しているが、例えば圧縮行程中に実行されるようにしてもよい。
そして、初回噴射フラグFFnが「1」に設定され、本処理は一旦終了される。
他方、上記ステップS200の処理において、第n気筒の筒内噴射用インジェクタ17についてその初回噴射が終了している旨判断されると(S200:YES)、すなわち初回噴射フラグFFn=「1」である場合には、第n気筒の吸気噴射用インジェクタ22による燃料噴射(ポート噴射)が実行される(S230)。このときには上記筒内噴射用噴射割合Rdが「0」に設定されるとともに、ポート噴射用噴射割合Rpが「1」に設定される。そして、機関始動時に対応したマップを参照して上記基本燃料噴射量Qb、燃料噴射時期、及び燃料噴射期間が設定され、先の図3に示したような一連の燃料噴射制御が行われる。なお、本実施形態では、機関始動時における吸気噴射用インジェクタ22の燃料噴射が、当該吸気噴射用インジェクタ22に対応する気筒の排気行程中に実行されるよう上記マップを構築しているが、例えば吸気行程中に実行されるようにしてもよい。
このように、本処理が実行されることにより機関始動時における第n気筒での燃料噴射では、初回噴射のみ筒内噴射用インジェクタ17による燃料噴射(筒内噴射)が実行され、2回目以降の燃料噴射は吸気噴射用インジェクタ22による燃料噴射(ポート噴射)に切り替えられる。
そして、本処理が繰り返し実行されることにより、各気筒での機関始動時における燃料噴射では、初回の燃料噴射のみ筒内噴射用インジェクタ17による燃料噴射(筒内噴射)が実行され、2回目以降の燃料噴射は吸気噴射用インジェクタ22による燃料噴射(ポート噴射)に切り替えられる。
次に、こうした機関始動時の燃料噴射制御による制御態様の一例について、図5に示すタイミングチャートを参照して説明する。なお、同図5に示すクランクカウンタは上記クランク角を示す値であり、クランクシャフト15の回転に伴ってカウントアップされる。また、同クランクカウンタはクランク角の確定がなされると、その確定されたクランク角に対応した値に設定される。そして、クランクシャフト15が2回転するとクランクカウンタの値は「0」にリセットされる。
まず、機関始動が開始されて(時刻t0)、クランク角の確定がなされると(時刻t1)、第1気筒#1〜第4気筒#4といった各気筒における初回の燃料噴射として、各気筒に対応して設けられた筒内噴射用インジェクタ17による燃料噴射が実行される。そして、2回目以降の燃料噴射については、各気筒に対応して設けられた吸気噴射用インジェクタ22によって行われる。例えば、第1気筒#1では機関始動開始時にあってその初回の燃料噴射のみ、第1気筒#1に対応した筒内噴射用インジェクタ17から燃料が噴射され、2回目以降の燃料噴射は、第1気筒#1に対応した吸気噴射用インジェクタ22によって行われる。そしてこのような気筒単位の燃料噴射が第2気筒#2〜第4気筒#4についてもそれぞれ実行される。
このようにして実行される機関始動時の燃料噴射制御によれば、機関始動開始時において、まず、筒内噴射用インジェクタ17による燃料噴射が実行されることにより、燃料噴射後速やかに初爆が起きる(時刻t2)。そしてその後、吸気噴射用インジェクタ22による燃料噴射に切り替えられて、吸気ポート20aに噴射された燃料が燃焼室16に到達すると、先の初爆をきっかけとして初爆以降における混合気の連続した燃焼、すなわち完爆が起きる(時刻t3以降)。従って機関始動時において、速やかに初爆を生じさせてこれを完爆につなげることができ、もって良好な機関始動性が確保されるようになる。
また、筒内噴射用インジェクタ17による燃料噴射を実行した後、燃料の噴射態様を吸気噴射用インジェクタ22による燃料噴射に切り替えるようにしているため、機関始動時にあって、筒内噴射用インジェクタ17により燃焼室16内に直接噴射された燃料が該燃焼室16の内壁やピストン13に付着する、といった不具合の発生が極力抑制される。また、燃焼室16内に直接噴射された燃料が同燃焼室16の内壁やピストン13に付着する場合であっても、上述したような完爆によってその付着燃料は気化され、吸気ポート20aに噴射された燃料とともに燃焼される。このように燃焼室16の内壁やピストン13への燃料付着が極力抑制されるため、機関始動時における未燃成分の排出量も抑制されるようになる。
特に上記実施形態では、機関始動時にあって気筒毎における初回の燃料噴射のみ、燃焼室16内へ燃料を直接噴射するようにしている。このように、機関始動時における筒内噴射用インジェクタ17の燃料噴射を極力抑えることにより、未燃成分の排出量はより抑制される。また、このように筒内噴射用インジェクタ17による燃料噴射の回数が予め設定されているため、筒内噴射用インジェクタ17による燃料噴射から吸気噴射用インジェクタ22による燃料噴射への切り替え時期も容易に把握することができ、噴射形態の切り替えを容易に行うことができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)機関始動開始時に筒内噴射用インジェクタ17による燃料噴射を実行し、その後、吸気噴射用インジェクタ22による燃料噴射に切り替えるようにしている。そのため、機関始動開始時において、速やかに初爆が起きるようになる。そしてその後、吸気噴射用インジェクタ22による燃料噴射に切り替えられることにより、先の初爆をきっかけとして初爆以降における混合気の連続した燃焼、すなわち完爆が起きるようになる。このように上記実施形態によれば、機関始動時において、速やかに初爆を生じさせてこれを完爆につなげることができ、もって良好な機関始動性を確保することができるようになる。
(2)筒内噴射用インジェクタ17による燃料噴射を実行した後、吸気噴射用インジェクタ22による燃料噴射に切り替えるようにしている。そのため、機関始動時にあって、燃焼室16の内壁やピストン13への燃料付着を極力抑制することができる。従って良好な機関始動性を確保しつつ、機関始動時における未燃成分の排出量も好適に抑制することができるようになる。
(3)機関始動開始時にあって、気筒毎における初回の燃料噴射として筒内噴射用インジェクタ17による燃料噴射を実行し、2回目以降の燃料噴射を吸気噴射用インジェクタ22による燃料噴射に切り替えるようにしている。従って、機関始動時における筒内噴射用インジェクタ17からの燃料噴射を極力抑えることができるようになり、未燃成分の排出量をより抑制することができるようになる。また、このように筒内噴射用インジェクタ17による燃料噴射の回数が予め設定されているため、筒内噴射用インジェクタ17による燃料噴射から吸気噴射用インジェクタ22による燃料噴射への切り替えを容易に行うことができるようになる。
(第2の実施形態)
次に、この発明にかかる内燃機関の燃料噴射制御装置を具体化した第2の実施形態について、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
上記第1の実施形態では、機関始動時にあって初回噴射のみ筒内噴射用インジェクタ17から燃料を噴射させ、この2回目以降の燃料噴射は吸気噴射用インジェクタ22による燃料噴射に切り替えるようにした。
一方、本実施形態では、機関始動開始時に筒内噴射用インジェクタ17による燃料噴射、及び吸気噴射用インジェクタ22による燃料噴射を実行するようにしている。そして、この吸気噴射用インジェクタ22から噴射された燃料が燃焼室16に到達するタイミング以降、筒内噴射用インジェクタ17による燃料噴射を停止するようにしており、始動時における燃料噴射制御、すなわち先の図4に示した燃料噴射制御にかかる処理手順が上記第1の実施形態とは異なっている。
図6は、本実施形態の燃料噴射制御における処理手順を示すフローチャートを示している。
電子制御装置30は、現在の機関運転状態が機関始動開始時であること、及び現在のクランクシャフト15の位相角、すなわちクランク角が確定していること等を条件に、このフローチャートに示される処理を所定周期毎に繰り返し実行する。
本処理が開始されるとまず、吸気噴射用インジェクタ22による燃料噴射(ポート噴射)、及び筒内噴射用インジェクタ17による燃料噴射(筒内噴射)がともに実行される(S300)。このときには上記筒内噴射用噴射割合Rdが機関始動に対応した始動用筒内割合α(α>0)に設定されるとともに、ポート噴射用噴射割合Rpも機関始動に対応した始動用吸気割合β(β>0)に設定される。そして、機関始動時に対応したマップを参照して上記基本燃料噴射量Qb、吸気噴射用インジェクタ22及び筒内噴射用インジェクタ17の各燃料噴射時期や各燃料噴射期間が設定され、先の図3に示したような一連の燃料噴射制御が行われる。なお、本実施形態でも、機関始動時における吸気噴射用インジェクタ22の燃料噴射は当該吸気噴射用インジェクタ22に対応する気筒の排気行程中に実行されるようにしている。また、機関始動時における筒内噴射用インジェクタ17の燃料噴射は当該筒内噴射用インジェクタ17に対応した気筒の吸気行程中に実行されるようにしている。
次に、現在の機関運転状態を示す各種パラメータが読み込まれる(S310)。ここでは、機関回転速度NE、吸気管内圧力Pin、吸気温THA、冷却水温THW、燃圧Pが読み込まれ、これら各パラメータに基づいてポート噴射による燃料が気筒内に導入されたか否か、すなわち吸気噴射用インジェクタ22から噴射された燃料が燃焼室16に到達したか否かが判断される(S320)。
一般に、吸気噴射用インジェクタ22から噴射された燃料が燃焼室16に到達するタイミングは、吸気の流速や燃料の気化状態によって変化する。例えば機関回転速度NEが高くなるほど、あるいは吸気管内圧力Pinが小さくなるほど吸気の流速は速くなり、上記タイミングはより早い時期になる。また、吸気温THA、冷却水温THW、あるいは燃圧Pが高くなるほど燃料の気化は促進されるため、燃焼可能な濃度の混合気が燃焼室16に到達するタイミングもより早くなる。そこで、本実施形態では機関運転状態を示す上記各パラメータに基づき、マップ等を参照して上記タイミングに相当するクランク角を算出するようにしている。そして、クランクセンサ31によって検出される現在の実際のクランク角が、この算出されたクランク角に到達しているか否かを判定することにより、吸気噴射用インジェクタ22から噴射された燃料が燃焼室16に到達したか否かを判断している。
そして、ポート噴射による燃料が未だ気筒内に導入されていない旨判断される場合には(S320:NO)、本処理は一旦終了される。その後、再びステップS300からステップS320までの処理が実行されて、ポート噴射による燃料が気筒内に導入されるまでは、筒内噴射及びポート噴射がともに実行される。
一方、ポート噴射による燃料が気筒内に導入された旨判断される場合には(S320:YES)、この判断がなされた以降の筒内噴射が停止される(S340)。このときには上記筒内噴射用噴射割合Rdが「0」に設定されるとともに、ポート噴射用噴射割合Rpが「1」に設定される。そして、機関始動時に対応したマップを参照して上記基本燃料噴射量Qb、燃料噴射時期、及び燃料噴射期間が設定され、先の図3に示したような一連の燃料噴射制御が行われることにより、ポート噴射のみが継続して実行される。そして、本処理は一旦終了される。
次に、こうした機関始動時の燃料噴射制御による制御態様の一例について、図7に示すタイミングチャートを参照して説明する。
まず、機関始動が開始されて(時刻t0)、クランク角の確定がなされると(時刻t1)、第1気筒#1〜第4気筒#4といった各気筒に対応して設けられた筒内噴射用インジェクタ17及び吸気噴射用インジェクタ22からは、上記設定される燃料噴射時期及び燃料噴射期間による燃料噴射が実行される。そして、吸気噴射用インジェクタ22から噴射された燃料が燃焼室16に到達すると、そのタイミング以降、筒内噴射用インジェクタ17による燃料噴射は停止される。(この一例ではクランク角確定後、最初に吸気ポート20aに噴射された燃料、すなわち第3気筒#3に対応した吸気噴射用インジェクタ22から噴射された燃料が、第1気筒#1と第3気筒#3において筒内噴射が行われた後、燃焼室16に到達している。そしてこの燃料到達以降の筒内噴射、すなわち第4気筒#4や第2気筒#2における筒内噴射は停止されている。)
このようにして実行される機関始動時の燃料噴射制御によれば、機関始動開始時において、まず、筒内噴射用インジェクタ17による燃料噴射が実行されることにより、燃料噴射後速やかに初爆が起きる(時刻t2)。そしてその後、吸気ポート20aに噴射された燃料が燃焼室16に到達すると、この初爆をきっかけとして完爆が起きる(時刻t3以降)。ここで、本実施形態では、機関始動開始時において吸気噴射用インジェクタ22による燃料噴射を予め実行するようにしている。そのため、第1の実施形態と比較して、吸気ポート20aに噴射された燃料はより早い時期に燃焼室16へ到達するようになり、機関始動開始から完爆までの時間はより短縮されるようになる。従って、本実施形態によれば、機関始動時において、初爆及び完爆を速やかに生じさせることができるようになり、さらに良好な機関始動性が確保されるようになる。
また、吸気噴射用インジェクタ22から噴射された燃料が燃焼室16に到達するタイミング以降、筒内噴射用インジェクタ17による燃料噴射を停止するようにしている。そのため、機関始動時にあって、筒内噴射用インジェクタ17により燃焼室16内に直接噴射された燃料が該燃焼室16の内壁やピストン13に付着する、といった不具合の発生が極力抑制される。また、燃焼室16内に直接噴射された燃料が同燃焼室16の内壁やピストン13に付着する場合であっても、上述したような完爆によってその付着燃料は気化され、吸気ポート20aに噴射された燃料とともに燃焼される。ここで、本実施形態では、機関始動開始時において吸気噴射用インジェクタ22による燃料噴射を予め実行するようにしている。そのため、吸気ポート20aに噴射された燃料は機関始動開始後の早い時期に燃焼室16へ到達するようになり、もって筒内噴射用インジェクタ17の燃料噴射も機関始動開始後の早い時期に停止されるようになる。従って、複数の気筒を備える上記内燃機関11にあって、機関始動開始時に筒内噴射用インジェクタ17による燃料噴射を実行する場合であっても、全ての気筒への筒内噴射が完了する前に該筒内噴射は停止されるようになる。そのため、第1の実施形態と比較して、機関始動時における未燃成分の排出量がより抑制されるようになる。
以上説明したように、本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)機関始動開始時に筒内噴射用インジェクタ17による燃料噴射、及び吸気噴射用インジェクタ22による燃料噴射を実行し、吸気噴射用インジェクタ22から噴射された燃料が燃焼室16に到達するタイミング以降、筒内噴射用インジェクタ17による燃料噴射を停止するようにしている。そのため、機関始動開始時において、速やかに初爆が起きるようになる。そしてその後、吸気ポート20aに噴射された燃料が燃焼室16に到達することにより、その初爆をきっかけとして完爆が起きるようになる。ここで、上記実施形態では、機関始動開始時において吸気噴射用インジェクタ22による燃料噴射を予め実行するようにしている。そのため、第1の実施形態と比較して、吸気ポート20aに噴射された燃料はより早い時期に燃焼室16へ到達するようになり、機関始動開始から完爆までの時間をより短縮することができるようになる。従って機関始動時において、初爆及び完爆を速やかに生じさせることができるようになり、さらに良好な機関始動性を確保することができるようになる。
(2)吸気噴射用インジェクタ22から噴射された燃料が燃焼室16に到達するタイミング以降、筒内噴射用インジェクタ17による燃料噴射を停止するようにしている。そのため、機関始動時にあって、筒内噴射用インジェクタ17により燃焼室16内に直接噴射された燃料が該燃焼室16の内壁やピストン13に付着する、といった不具合の発生を極力抑制することができる。また、燃焼室16内に直接噴射された燃料が同燃焼室16の内壁やピストン13に付着する場合であっても、上述したような完爆によってその付着燃料は好適に気化され、吸気ポート20aに噴射された燃料とともに燃焼される。ここで、上記実施形態では、機関始動開始時において吸気噴射用インジェクタ22による燃料噴射を予め実行するようにしている。そのため、吸気ポート20aに噴射された燃料は機関始動開始後の早い時期に燃焼室16へ到達するようになり、もって筒内噴射用インジェクタ17の燃料噴射も機関始動開始後の早い時期に停止されるようになる。従って、複数の気筒を備える内燃機関11にあって、機関始動開始時に筒内噴射用インジェクタ17による燃料噴射を実行する場合であっても、全ての気筒への筒内噴射が完了する前に該筒内噴射は停止される。従って、良好な機関始動性を確保しつつ、機関始動時における未燃成分の排出量をより好適に抑制することができるようになる。
(3)吸気噴射用インジェクタ22から噴射された燃料が燃焼室16に到達する上記タイミングは、吸気の流速や燃料の気化状態によって変化する。従って、同タイミングは、吸気の流速に関係する機関回転速度NE、吸気管内圧力Pin等や、燃料の気化状態に関係する吸気温THA、冷却水温THW、燃圧Pといった機関運転状態に基づいて算出することができる。そこで、上記実施形態では、吸気噴射用インジェクタ22から噴射された燃料が燃焼室16に到達するタイミングを機関運転状態に基づいて算出するようにしており、これにより同タイミングを好適に算出することができる。そしてこれにより筒内噴射用インジェクタ17による燃料噴射の停止を好適に行うことができるようになる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更して実施することもできる。
・第1の実施形態では、機関始動開始時にあって内燃機関11の気筒毎における初回の燃料噴射のみ、筒内噴射用インジェクタ17による燃料噴射を実行するようにした。他方、機関始動開始時にあって各気筒に対応して設けられた個々の筒内噴射用インジェクタ17による燃料噴射、すなわち筒内噴射を実行する。そして個々の筒内噴射用インジェクタ17について、連続した燃料噴射の回数を測定し、この回数が予め設定された値(例えば2回)に達したときに、筒内噴射用インジェクタ17による燃料噴射を吸気噴射用インジェクタ22による燃料噴射に切り替えるようにしてもよい。この場合であっても、第1の実施形態に類した効果を得ることができる。
・第2の実施形態では、吸気噴射用インジェクタ22から噴射された燃料が燃焼室16に到達するタイミングを、機関回転速度NE、吸気管内圧力Pin、吸気温THA、冷却水温THW、及び燃圧Pに基づいて算出するようにした。ここで、吸入空気量Qaが増大するほど吸気の流速は速くなり、吸気噴射用インジェクタ22から噴射された燃料が燃焼室16に到達するタイミングより早い時期になる。そこで、これら各パラメータに吸入空気量Qaを加えるようにしてもよい。また、これら各パラメータのうち少なくともいずれか1つを用いて同タイミングを算出するようにしてもよい。他方、吸気噴射用インジェクタ22から最初の燃料噴射が実行されたときを起点として、そこからの経過時間に基づいて同タイミングを把握するようにしてもよい。
・燃料噴射態様として「ポート噴射」及び「筒内噴射」のみを実施する内燃機関であっても、本発明は同様に適用することができる。また、筒内噴射用インジェクタ17を利用した成層燃焼を実施する内燃機関であっても本発明は同様に適用することができる。
・上述したように、筒内噴射用噴射割合Rdとポート噴射用噴射割合Rpとはそれらの和が「1」になるように変更される。すなわち、筒内噴射用噴射割合Rdとポート噴射用噴射割合Rpとは互いに負の相関関係にある。従って、上記各実施形態及びその変形例において、筒内噴射用噴射割合Rdに基づき設定される各種値をポート噴射用噴射割合Rpに基づいて設定するようにしてもよい。逆に、ポート噴射用噴射割合Rpに基づき設定される各種値を筒内噴射用噴射割合Rdに基づいて設定するようにしてもよい。
また、筒内噴射用インジェクタ17及び吸気噴射用インジェクタ22の燃料噴射量を筒内噴射用噴射割合Rdやポート噴射用噴射割合Rpといった噴射割合に基づいて設定するのではなく、機関運転状態に基づいて直接設定するようにしてもよい。
・上記各実施形態では吸気管内圧力Pinに基づいて吸入空気量Qaを算出するようにしたが、エアフロメータ等を用いて吸入空気量を検出するようにしてもよい。
・上記吸気噴射用インジェクタ22は、吸気ポート20aにそれぞれ設けられたインジェクタであったが、これを例えば吸気通路20の途中に設けられるサージタンクに取り付けられるインジェクタとすることや、機関始動時のみ吸気通路20に燃料を噴射するインジェクタ、いわゆるコールドスタートインジェクタとすることもできる。要は、内燃機関の吸気系に燃料を噴射するインジェクタであればよい。
・上記内燃機関11は4気筒の内燃機関であったが、この他の気筒数を有する内燃機関であっても、本発明は同様な原理に基づき適用することができる。
本発明にかかる内燃機関の燃料噴射制御装置についてその第1の実施形態の全体構成を示す概略図。 同実施形態において、内燃機関の運転状態と燃料の噴射態様との関係を示す図。 同実施形態における燃料噴射制御の処理手順を示すフローチャート。 同実施形態における機関始動時の燃料噴射制御についてその処理手順を示すフローチャート。 同実施形態における機関始動時の燃料噴射制御についてその制御態様の一例を示すタイミングチャート。 第2の実施形態における機関始動時の燃料噴射制御についてその処理手順を示すフローチャート。 同実施形態における機関始動時の燃料噴射制御についてその制御態様の一例を示すタイミングチャート。
符号の説明
11…内燃機関、12…気筒、13…ピストン、14…コンロッド、15…クランクシャフト、16…燃焼室、17…筒内噴射用インジェクタ、18…点火プラグ、19…イグナイタ、20…吸気通路、20a…吸気ポート、21…排気通路、22…吸気噴射用インジェクタ、30…電子制御装置、31…クランクセンサ、32…気筒判別センサ、33…アクセルセンサ、34…圧力センサ、35…水温センサ、36…温度センサ、37…燃圧センサ。

Claims (2)

  1. 内燃機関の吸気系に燃料を噴射する吸気噴射用インジェクタと、燃焼室に燃料を直接噴射する筒内噴射用インジェクタとを備える内燃機関の機関始動時における燃料噴射を制御する燃料噴射制御装置において、
    機関始動開始時に前記筒内噴射用インジェクタによる燃料噴射、及び前記吸気噴射用インジェクタによる燃料噴射を実行し、前記吸気噴射用インジェクタから噴射された燃料が燃焼室に到達するタイミング以降、前記筒内噴射用インジェクタによる燃料噴射を停止する制御手段を備える
    ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記タイミングを機関運転状態に基づいて算出する
    請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
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