JP7152915B2 - 燃料噴射制御装置及び燃料噴射制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポート噴射式内燃機関の各気筒における複数の吸気ポートの各々に備えられた燃料噴射弁のポート噴射を制御する燃料噴射制御装置及び燃料噴射制御方法に関する。
従来の燃料噴射制御装置及び燃料噴射制御方法として、例えば特許文献1に記載されるように、ポート噴射式内燃機関の各気筒における2つの吸気ポートの各々に備えられた燃料噴射弁のポート噴射を制御するものが知られている。そして、2つの吸気ポートのうち一方の吸気ポートについて備えられた第1燃料噴射弁は、吸気ポートの底壁に向けて燃料を噴射するように構成されている。また、他方の吸気ポートについて備えられた第2燃料噴射弁は、吸気バルブの傘部に向けて燃料を噴射するように構成されている。
特開2011-149333号公報
ところで、ポート噴射式内燃機関では、燃費改善を図る観点から、噴射燃料の筒内直入率及び筒内均質度を向上させる必要性が高まっている。このため、ポート噴射式内燃機関において上記の第1及び第2燃料噴射弁から噴射される燃料を微粒化及び低ペネトレーション化した燃料噴霧とし、かかる燃料噴霧を吸入空気の流れに乗せ易くすることが考えられる。
第1燃料噴射弁からの燃料噴霧は、吸入空気と衝突して吸入空気の流れ方向に偏るので、吸入空気量が増大するに従って吸入空気の流れに乗せ易くなる。また、第2燃料噴射弁からの燃料噴霧では、第1燃料噴射弁からの燃料噴霧と比較すると、噴射による運動量に占める吸入空気の流れ方向成分が大きい。このため、第2燃料噴射弁からの燃料噴霧は、吸入空気量が減少するに従って、噴射による運動量に占める吸入空気の流れ方向成分が増幅され難くなるので、吸入ポートの湾曲部において吸入空気の流れから逸脱し難くなる。
しかし、第1燃料噴射弁からの燃料噴霧は、吸入空気量が減少するに従って、吸入空気の流れ方向への偏りが低下するので、噴射方向により近い方向へ進行してポート底壁へ付着し易くなる。また、第2燃料噴射弁からの燃料噴霧は、吸入空気量が増大するに従って、噴射による運動量に占める吸入空気の流れ方向成分が増幅され易くなるので、吸入ポートの湾曲部において吸入空気の流れから逸脱してポート壁に付着し易くなる。このように、吸入空気量の増大時及び減少時のいずれにおいてもポート壁へ燃料が付着し易い状況が発生するため、内燃機関の燃費改善を十分に図ることができなくなるおそれがある。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、複数の吸気ポートの各々について備えられた燃料噴射弁が互いに異なる燃料噴射の指向性を有するポート噴射式内燃機関の燃費改善効果を向上させる燃料噴射制御装置及び燃料噴射制御方法を提供することを目的とする。
このため、本発明に係る燃料噴射制御装置及び燃料噴射制御方法は、内燃機関の各気筒における複数の吸気ポートの各々に備えられた燃料噴射弁の吸気行程と同期したポート噴射を制御するものであって、複数の吸気ポートのうち一部の第1吸気ポートに備えられた第1燃料噴射弁の燃料噴射方向が、第1吸気ポート以外の第2吸気ポートに備えられた第2燃料噴射弁の燃料噴射方向と比較して、吸入空気の流れ方向から乖離し、第1燃料噴射弁の燃料噴射方向及び第2燃料噴射弁の燃料噴射方向と内燃機関の吸入空気量又は該吸入空気量に関連する物理量とに基づいて、第1燃料噴射弁及び第2燃料噴射弁の噴射分担率を設定し、第1燃料噴射弁の噴射分担率に応じて算出した燃料噴射期間が吸気行程を超えて排気行程に跨るときに、排気行程における第1燃料噴射弁の燃料噴射期間に応じて第1燃料噴射弁の噴射分担率の減少補正を行うとともに、減少補正に伴って、第2燃料噴射弁の噴射分担率の増大補正を行う
本発明に係る燃料噴射制御装置及び燃料噴射制御方法によれば、複数の吸気ポートの各々について備えられた燃料噴射弁が互いに異なる燃料噴射の指向性を有するポート噴射式内燃機関の燃費改善効果を向上させることができる。
燃料噴射制御装置を適用した内燃機関の一例を示すシステム図である。 図1の内燃機関における燃料噴射弁の配置を模式的に示す説明図である。 燃料噴射制御装置の内部構成の一例を示すブロック図である。 燃料噴射弁の燃料噴射方向の一例を示す説明図であり、(a)は第1燃料噴射弁、(b)は第2燃料噴射弁である。 低吸入空気量での燃料噴霧状態を模式的に示す説明図であり、(a)は第1燃料噴射弁、(b)は第2燃料噴射弁である。 高吸入空気量での燃料噴霧状態を模式的に示す説明図であり、(a)は第1燃料噴射弁、(b)は第2燃料噴射弁である。 第1及び第2吸気ポートの燃料付着割合を示す説明図である。 第1及び第2燃料噴射弁の噴射分担率を示す説明図である。 燃料噴射制御処理の一例を示すフローチャートである。 燃料噴射タイミングの第1例を示す説明図である。 燃料噴射タイミングの第2例を示す説明図である。 吸入空気量の推定方法を示す説明図である。 燃料噴射弁の燃料噴射の指向性を説明する説明図である。
以下、添付された図面を参照し、本発明を実施するための実施形態について詳述する。図1は、本発明の燃料噴射制御装置を適用した車両用の内燃機関の一例を示すシステム図であり、図2は、図1の内燃機関における燃料噴射弁の配置を模式的に示す説明図である。
内燃機関10は、吸気ポート内に燃料噴射を行う4サイクルのポート噴射式内燃機関である。ポート噴射式内燃機関においては、燃費改善を図る観点から、燃料噴射弁から噴射された燃料の筒内直入率及び筒内均質度を向上させることが一案として考えられる。そこで、内燃機関10では、燃料噴射弁から噴射される燃料を微粒化及び低ペネトレーション化した燃料噴霧とし、かかる燃料噴霧を吸入空気の流れに乗せるようにしている。このため、内燃機関10において、少なくとも燃料噴霧の微粒化に対応して小径化した噴孔を有する燃料噴射弁を用いることができるように、2つの燃料噴射弁に要求噴射量の燃料噴射を分担させている。
内燃機関10において、空気を吸入する吸気管12は、下流において第1吸気ポート14及び第2吸気ポート16に分岐接続され、第1吸気ポート14及び第2吸気ポート16の下流端はそれぞれ独立して気筒18に開口する。第1吸気ポート14が気筒18に開口する部分を第1吸気口14aといい、第2吸気ポート16が気筒18に開口する部分を第2吸気口16aというものとする。第1及び第2吸気口14a,16aにはそれぞれ吸気バルブ20が介装されている。吸気バルブ20は、内燃機関10のクランクシャフト(図示省略、以下同様)の回転に連動して第1及び第2吸気口14a,16aの開口方向に往復動することで、傘部20aにより第1吸気口14a及び第2吸気口16aを所定タイミングで開閉する。なお、吸気ポート14及び吸気ポート16は互いに略同一の形状を有し、吸気管12から吸気ポート14,16に分流した吸入空気は互いに略同一の流量になるものとする。
また、2つの独立した第1排気ポート22及び第2排気ポート24の上流端が気筒18に開口し、第1排気ポート22及び第2排気ポート24は下流側で合流して排気管(図示省略)に接続される。第1排気ポート22が気筒18に開口する部分を第1排気口22aといい、第2排気ポート24が気筒18に開口する部分を第2排気口24aというものとする。第1排気口22a及び第2排気口24aには排気バルブ26が介装されている。排気バルブ26は、内燃機関10のクランクシャフトの回転に連動して第1及び第2排気口22a,24aの開口方向に往復動することで、吸気バルブ20とは異なる所定タイミングで、傘部26aにより第1排気口22a及び第2排気口24aを開閉する。
内燃機関10は、第1吸気ポート14内に向けて燃料を噴射する第1燃料噴射弁28と、第2吸気ポート16内に向けて燃料を噴射する第2燃料噴射弁30と、を備えている。燃料噴射弁28,30は、例えば、吸気ポート14,16のうち対応する吸気ポートの近傍、あるいは吸気管12に取り付けられる。燃料噴射弁28,30は、電磁コイルの磁気吸引力によって弁体をリフトさせることで開弁して全開状態となり磁気吸引力の消失によって全閉状態となる電磁式燃料噴射弁である。このように、2つの燃料噴射弁28,30を用いることで燃料噴射弁1つ当たりの燃料噴射量を低減できるので、小径化した噴孔を有する燃料噴射弁を用いることができる。
燃料噴射弁28,30は、これらから噴射される燃料を微粒化するための種々の微粒化促進手段を有することができる。例えば、特開2017-210907号公報に記載されているように、燃料噴射弁28,30には、燃料が弁体から噴孔に向かう過程で燃料に旋回流を生起させ、ひいては、噴射燃料に旋回流を生起させる旋回室または溝が形成されている。また、特開2017-031952号公報に記載されているように、燃料噴射弁28,30の各々には、主噴孔及び副噴孔が形成され、主噴孔から噴射された燃料と副噴孔から噴射された燃料とを衝突させることで微粒化を促進するように構成されている。
微粒化促進手段は、燃料噴射弁28,30に備えられたものに限らず、燃料噴射弁28,30と別体で備えられてもよい。例えば、特開2017-133443号公報に記載されているように、内燃機関10には、燃料噴射弁28,30とは別に、空気等の流体を噴射する機能を有する流体噴射弁が備えられる。これにより、燃料噴射弁28,30から噴射した燃料と流体噴射弁から噴射した流体とのせん断力により噴射燃料を微粒化している。
燃料噴射弁28,30には、燃料タンク32内の燃料(ガソリン)が燃料ポンプ34によって圧送されるようになっており、燃料の供給圧は、燃料ポンプ34の吐出量(モータ回転速度)の制御によって、低ペネトレーション噴霧に応じた目標圧に制御される。燃料噴射弁28,30が開弁したときの開度は一定(全開)であるので、燃料の供給圧が一定に保たれることで、燃料噴射弁28,30の燃料噴射量は、開弁により燃料噴射を開始してから閉弁により燃料噴射を終了するまでの期間である噴射期間に比例する。
燃料噴射弁28,30からそれぞれ吸気ポート14,16に噴射された燃料は、吸気バルブ20が開弁しているときにピストン38が下降することで、吸入空気とともに気筒18内の燃焼室36に吸引される。燃焼室36に吸引された燃料及び空気は、吸気バルブ20及び排気バルブ26が閉弁した状態でピストン38の上昇によって圧縮され、点火プラグ40の火花点火によって着火して燃焼する。燃焼室36における燃焼後の排気は、排気バルブ26の開弁により、第1排気ポート22及び第2排気ポート24から排出される。
燃料噴射弁28,30、燃料ポンプ34及び点火プラグ40は、エンジンコントロールユニット(以下、「ECU」という)42によって駆動制御される。図3に示すように、ECU42は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサ42Aを有している。また、ECU42は、フラッシュROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリ42Bと、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリ42Cと、外部デバイスとのインタフェースとなる入出力部42Dと、を有している。ECU42において、プロセッサ42A、不揮発性メモリ42B、揮発性メモリ42C及び入出力部42Dは、通信バス42Eによって相互に通信可能に接続される。
プロセッサ42Aは、不揮発性メモリ42Bに格納された制御プログラムを揮発性メモリ42Cに読み出すことで制御プログラムを実行する。また、入出力部42Dは、内燃機関10の運転状態を示す各種センサの出力信号を入力する。各種センサとして、内燃機関10のクランクシャフトの回転に同期する回転パルス信号SNEを出力するクランク角センサ44、内燃機関10の冷却水温度を示す温度検出信号STWを出力する水温センサ46、内燃機関10の吸入空気量を示す流量検出信号SQを出力するエアフローセンサ48等を設けてある。そして、プロセッサ42Aは、制御プログラムの実行により、内燃機関10の運転状態に基づいて、燃料噴射弁28,30、燃料ポンプ34及び点火プラグ40の駆動を制御している。特に、ECU42は、内燃機関10の制御装置の一機能として、燃料噴射弁28,30の燃料噴射を制御する燃料噴射制御装置を構成する。
燃料噴射制御装置としてのECU42は、燃料噴射弁28,30の噴射期間を噴射パルス幅とした噴射パルス信号(指示信号)を出力することで、燃料噴射弁28,30の弁体を開弁するタイミング及び期間を制御する。
図4は、燃料噴射弁28,30の燃料噴射方向の一例を示す。図中では吸気バルブ20の傘部20aは点線で示されているが、他の部分は省略されている。以下の図5及び図6において同様である。内燃機関10において、燃料噴射弁28,30はそれぞれ吸気ポート14,16内の下流に向けて燃料を噴射するが、燃料噴射弁28,30の燃料噴射の指向性が互いに異なる。
図4(a)に示すように、第1燃料噴射弁28は、第1吸気ポート14内に臨む噴孔28aの位置から第1吸気ポート14の内部空間を挟んで反対側のポート底壁14bに向けて燃料を噴射するように配置される。このように配置された第1燃料噴射弁28が無吸気状態で燃料を噴射したときに形成される燃料噴霧の進行方向に沿った燃料噴霧の中心軸線を噴射軸線X1というものとし、噴射軸線X1を第1燃料噴射弁28の燃料噴射方向とする。
一方、図4(b)に示すように、第2燃料噴射弁30は、第2吸気ポート16内に臨む噴孔30aの位置から第2吸気ポート16の内部空間を挟んで吸気バルブ20の傘部20aに向けて燃料を噴射するように配置される。このように配置された第2燃料噴射弁30が無吸気状態で燃料を噴射したときに形成される燃料噴霧の進行方向に沿った燃料噴霧の中心軸線を噴射軸線X2というものとし、噴射軸線X2を第2燃料噴射弁30の燃料噴射方向とする。
図5は、内燃機関10の吸入空気量が比較的少ない低吸入空気量での燃料噴霧状態を模式的に示す。第1燃料噴射弁28からの燃料噴霧は、吸入空気と衝突して吸入空気の流れ方向に偏る。しかし、図5(a)に示すように、低吸入空気量での第1燃料噴射弁28からの燃料噴霧では、吸入空気の流れ方向への偏りは小さい。このため、第1燃料噴射弁28からの燃料噴霧は、噴射軸線X1に近い方向へ進行してポート底壁14bへ付着し易い。一方、第2燃料噴射弁30からの燃料噴霧は、第1燃料噴射弁28からの燃料噴霧と比較すると、噴射による運動量に占める吸入空気の流れ方向成分が大きい。このため、図5(b)に示すように、低吸入空気量での第2燃料噴射弁30からの燃料噴霧では、噴射による運動量に占める吸入空気の流れ方向成分が増幅され難い。したがって、第2燃料噴射弁30からの燃料噴霧は、第2吸気ポート16が湾曲する湾曲壁16bにおいて吸入空気の流れから逸脱して湾曲壁16bに付着し難い。
図6は、内燃機関10の吸入空気量が比較的多い高吸入空気量での燃料噴霧状態を模式的に示す。図6(a)に示すように、高吸入空気量での第1燃料噴射弁28からの燃料噴霧では、吸入空気の流れ方向への偏りが大きいので、吸入空気の流れに乗り易くなる。一方、図6(b)に示すように、高吸入空気量での第2燃料噴射弁30からの燃料噴霧では、噴射による運動量に占める吸入空気の流れ方向成分が増幅され易い。したがって、第2燃料噴射弁30からの燃料噴霧は、湾曲壁16bにおいて吸入空気の流れから逸脱して湾曲壁16bに付着し易い。
図7は、内燃機関10の吸入空気量に対する吸気ポート14,16の燃料付着割合を模式的に示す。吸気ポート14の燃料付着割合[%]は、燃料噴射弁28,30が同一の噴射量で燃料を噴射したときの吸気ポート14,16の燃料付着量の和(総燃料付着量)に対して、吸気ポート14における燃料付着量の割合を示すものである。吸気ポート16の燃料付着割合についても同様である。したがって、任意の吸入空気量において、第1吸気ポート14の燃料付着割合と第2吸気ポート16の燃料付着割合との和は100[%]となる。なお、この燃料付着割合は、燃料噴射弁28,30の総燃料噴射量がECU42の燃料噴射制御における制御範囲内であれば、任意の吸入空気量で概ね一定であるものとする。
図5及び図6の吸入空気量に応じた燃料噴霧状態によれば、図7に示すように、吸入空気量が減少するに従って、第1吸気ポート14の燃料付着割合が上昇するとともに、これに応じて第2吸気ポート16の燃料付着割合が低下する。また、吸入空気量が増大するに従って、第1吸気ポート14の燃料付着割合が低下するとともに、これに応じて第2吸気ポート16の燃料付着割合が上昇する。燃料噴射の指向性が異なる燃料噴射弁28、30が同一の燃料噴射量で燃料を噴射したときに、吸入空気量に応じて吸気ポート14,16の一方に集中して燃料付着が発生すると、吸気ポート14,16の総燃料付着量を著しく増大させることになる。これは、少なくとも筒内直入率を向上させて内燃機関10の燃費改善を図るという目的に相反する結果を招くことになる。
図8は、内燃機関10の吸入空気量に対する燃料噴射弁28,30の噴射分担率を示す。第1燃料噴射弁28の噴射分担率は、1回の燃焼サイクルにおいて燃料噴射弁28,30が気筒18内に噴射する燃料の総燃料噴射量のうち第1燃料噴射弁28が噴射する燃料噴射量の比率である。第2燃料噴射弁30の噴射分担率についても同様である。したがって、任意の吸入空気量において第1燃料噴射弁28の噴射分担率と第2燃料噴射弁30の噴射分担率との和は100[%]となる。
吸気ポート14,16における総燃料付着量を低減させるために、燃料噴射弁28,30の噴射分担率は、図7の燃料付着割合を考慮して以下のように設定される。すなわち、第1吸気ポート14に集中する燃料付着を抑えるべく、図8に示すように、吸入空気量が減少するに従って、第1燃料噴射弁28の噴射分担率を減少させるとともに、これに応じて第2燃料噴射弁30の噴射分担率を増大させる。また、第2吸気ポートに集中する燃料付着を抑えるべく、図8に示すように、吸入空気量が増大するに従って、第1燃料噴射弁28の噴射分担率を増大させるとともに、これに応じて第2燃料噴射弁30の噴射分担率を減少させる。
燃料噴射弁28,30の噴射分担率は、内燃機関10の吸入空気量に対する吸気ポート14,16の燃料付着割合に基づいて設定することができる。例えば、第1燃料噴射弁28の噴射分担率と第2吸気ポート16の燃料付着割合とを各吸入空気量において同一の又は近似する値に設定し、これに応じて第2燃料噴射弁30の噴射分担率を設定してもよい。
ただし、第1燃料噴射弁28の噴射分担率と第2燃料噴射弁30の噴射分担率とが、100:0または0:100に設定されることはない。これは、燃料噴射弁28,30のいずれか一方の噴射分担率を100[%]とすると、気筒18内において燃料噴霧の偏在が発生し、筒内均質度を著しく低下させるおそれがあるためである。換言すれば、燃料噴射弁28、30の噴射分担率は、筒内均質度を著しく低下させない範囲内で設定される必要がある。
図9は、ECU42のプロセッサ42Aが、イグニッションスイッチのオン操作によってECU42に電源が供給されたことを契機に、内燃機関10の制御処理のサブルーチンとして繰り返し実行する燃料噴射制御処理の一例を示す。
ステップS101(図中では「S101」と略記する。以下同様)では、プロセッサ42Aは、回転パルス信号SNEに基づいて機関回転速度NEを検出するとともに、流量検出信号SQに基づいて吸入空気量Qを検出する。
ステップS102では、プロセッサ42Aは、機関回転速度NE及び吸入空気量Qに基づいて、1回の燃焼サイクルにおいて燃料噴射弁28,30が気筒18内に噴射する燃料の総燃料噴射量を演算する。そして、プロセッサ42Aは、総燃料噴射量を示す噴射期間として、噴射パルス信号のパルス幅(要求噴射量TIBASE)を演算する。
要求噴射量TIBASEは、基本噴射パルス幅(基本燃料噴射量)TPに基づいて演算され、基本噴射パルス幅TPは、ステップS101で検出された機関回転速度NE及び吸入空気量Qに基づいて演算される。基本噴射パルス幅TPは、例えば、機関回転速度及び吸入空気量に対して基本噴射パルス幅を関連付けた基本噴射パルス幅マップを参照することで設定される。基本噴射パルス幅マップは、実験やシミュレーションにより予め求められ、不揮発性メモリ42B等に記憶されている。プロセッサ42Aは、機関回転速度NE及び吸入空気量Qを検出するたびに、基本噴射パルス幅マップを参照して、機関回転速度NE及び吸入空気量Qに対応する基本噴射パルス幅を基本噴射パルス幅TPとして設定する。検出された機関回転速度NE及び吸入空気量Qが基本噴射パルス幅マップに記憶された機関回転速度及び吸入空気量に対応していない場合には、機関回転速度NE及び吸入空気量Qに対応する基本噴射パルス幅を公知の補間技術を用いて演算してもよい。これは、以下において他のマップを参照する場合にも同様に適用できる。
さらに、プロセッサ42Aは、水温センサ46から出力された温度検出信号STWに基づいて検出した冷却水温度TWなどに基づいて、各種補正係数COEFを演算する。そして、プロセッサ42Aは、各種補正係数COEFや、燃料噴射弁28,30の作動遅れを補償する補正値Tsで基本噴射パルス幅TPを補正する。これにより、プロセッサ42Aは、下式に示すように、1燃焼サイクルにおいて燃料噴射弁28,30が気筒18内に噴射する燃料の総燃料噴射量に相当する要求噴射量TIBASEを算出する。
TIBASE=TP×COEF+Ts
ステップS103では、プロセッサ42Aは、第1燃料噴射弁28の噴射分担率TI1RATIO[%]を設定する。具体的には、プロセッサ42Aは、図8の吸入空気量と燃料噴射弁28,30の噴射分担率との関係を実験又はシミュレーション等によって予め数値化して不揮発性メモリ42Bに記憶しておいた噴射分担率マップを参照する。そして、プロセッサ42Aは、噴射分担率マップにおいて、ステップS101で検出した吸入空気量Qに対応する第1燃料噴射弁28の噴射分担率を噴射分担率TI1RATIOとして設定する。
ステップS104では、プロセッサ42Aは、第2燃料噴射弁30の噴射分担率TI2RATIO[%]を設定する。任意の吸入空気量における燃料噴射弁28,30の2つの噴射分担率の和は100[%]であるので、プロセッサ42Aは、100[%]から、ステップS103で演算した噴射分担率TI1RATIOを減算して噴射分担率TI2RATIOを設定する。あるいは、プロセッサ42Aは、上記噴射分担率マップを参照して吸入空気量Qに対応する噴射分担率TI2RATIOを設定してもよい。
ステップS105では、プロセッサ42Aは、要求噴射量TIBASE及び第1燃料噴射弁28の噴射分担率TI1RATIOに基づいて、下式のように、第1燃料噴射弁28の燃料噴射量TI1を演算する。燃料噴射量TI1は、第1燃料噴射弁28の噴射期間に相当し、第1燃料噴射弁28に対する噴射パルス信号のパルス幅に反映される。換言すれば、第1燃料噴射弁28の噴射分担率TI1RATIOは、要求噴射量TIBASEを示す噴射パルス信号のパルス幅のうち、第1燃料噴射弁28に対する噴射パルス信号のパルス幅の比率に反映される。
TI1=TIBASE×TI1RATIO/100
ステップS106では、プロセッサ42Aは、要求噴射量TIBASE及び第2燃料噴射弁30の噴射分担率TI2RATIOに基づいて、下式のように、第2燃料噴射弁30の燃料噴射量TI2を演算する。燃料噴射量TI2は、第2燃料噴射弁30の噴射期間に相当し、第2燃料噴射弁30に対する噴射パルス信号のパルス幅として反映される。換言すれば、第2燃料噴射弁30の噴射分担率TI2RATIOは、要求噴射量TIBASEを示す噴射パルス信号のパルス幅のうち、第2燃料噴射弁30に対する噴射パルス信号のパルス幅の比率に反映される。
TI2=TIBASE×TI2RATIO/100
ステップS107では、プロセッサ42Aは、運転者または車両の要求により燃料をカットする必要(燃料カット要求)があるか否かを判定する。プロセッサ42Aは、燃料カット要求があると判定した場合には(YES)、処理をステップS101へ戻す一方、燃料カット要求がないと判定した場合には(NO)、処理をステップS108へ進める。
ステップS108では、プロセッサ42Aは、燃料噴射量TI1に基づいて第1燃料噴射弁28に燃料噴射を行わせるとともに、燃料噴射量TI2に基づいて第2燃料噴射弁30に燃料噴射を行わせる。
このように、プロセッサ42Aは、演算された燃料噴射量に基づいて、燃料噴射弁28,30に燃料噴射を行わせるが、燃料噴射弁28,30に燃料噴射を行わせるタイミングは以下の第1例又は第2例に従って設定される。
図10は、燃料噴射弁28,30の燃料噴射タイミングの第1例を示す。図の上側から下側に向けて順に、吸気バルブ20及び排気バルブ26の開度、低吸入空気量での燃料噴射弁28,30の燃料噴射タイミング、高吸入空気量での燃料噴射弁28,30の燃料噴射タイミングがクランク角に対して示されている。低吸入空気量の場合には、第1燃料噴射弁28の噴射期間(燃料噴射量TI1に相当)に対して第2燃料噴射弁30の噴射期間(燃料噴射量TI2に相当)が長くなる。一方、高吸入空気量の場合には、第1燃料噴射弁28の噴射期間に対して第2燃料噴射弁30の噴射期間が短くなる。
ところで、内燃機関10では、噴射燃料の筒内直入率及び筒内均質度を向上させて燃費改善を図るため、燃料噴射弁28,30から噴射される燃料を微粒化及び低ペネトレーション化した燃料噴霧とし、かかる燃料噴霧を吸入空気の流れに乗せるようにしている。したがって、吸気バルブ20が開弁してから閉弁するまで(IVOからIVCまで)の吸気行程に燃料噴射弁28,30の噴射期間(TI1,TI2)を包含させる、すなわち、燃料噴射弁28,30の噴射期間を吸気行程に同期させることが望ましい。
また、吸気行程において、吸気ポート14,16のうち一方で新気のみを吸入し、かつ、他方で燃料噴射を行っている期間が長くなると、燃料噴霧と新気とが気筒18内に偏って流入し、筒内均質度を低下させるおそれがある。したがって、燃料噴射弁28,30において、相対的に噴射期間が長い一方の燃料噴射弁が燃料噴射を行っている間に、相対的に噴射期間が短い他方の燃料噴射弁が燃料噴射を行うようにすることが望ましい。燃料噴射弁28,30の各噴射期間が互いに同一であれば噴射開始タイミング及び噴射終了タイミングを互いに一致させるとよい。
そこで、図10に示すように、例えば、燃料噴射弁28,30において燃料噴射を終了する噴射終了タイミングIEを吸気行程内で共通にする。そして、燃料噴射を開始する噴射開始タイミングISを噴射期間(TI1,TI2に相当)に応じて噴射終了タイミングIEから遡ったタイミングとすればよい。噴射終了タイミングIEは、燃料噴射弁28,30のうち一方の噴射期間が最大となるときに、噴射開始タイミングISが吸気行程に収まるように設定すればよい。
図11は、燃料噴射弁28,30の燃料噴射タイミングの第2例を示す。図11では、図10に対して、吸気ポート14,16の流速Vを追加して示している。吸気行程ではピストン38がクランクシャフトの回転に連動して下降することで新気を吸入するが、吸気ポート14,16の吸入空気の流速Vは、例えば、吸気バルブ20が最大開度となる前の吸気行程の比較的前半で最大となる場合がある。そこで、吸気行程における吸入空気の流速Vのクランク角による偏り(あるいは時間的偏り)を考慮して、吸入空気の流速Vが所定流速Vth以上となる高流速範囲において、燃料噴射弁28,30に燃料噴射を行わせるようにすることができる。具体的には、噴射開始タイミングIS及び噴射終了タイミングIEは、第1例の設定条件に加えて、燃料噴射弁28,30の噴射期間が高流速範囲に含まれることを条件として設定する。なお、吸入空気の流速Vは、吸入空気量Qを吸気管12又は吸気ポート14,16の断面積で除算した値に基づいて、あるいは流速検出用センサによって検出可能である。
このようなECU42によれば、第1燃料噴射弁28からの燃料噴霧は、吸入空気量が減少するに従ってポート底壁14bへ付着し易くなるので、第1燃料噴射弁28の噴射分担率を減少させることでポート底壁14bへの燃料付着を低減している。要求噴射量は、第1燃料噴射弁28の噴射分担率の減少に応じて第2燃料噴射弁30の噴射分担率を増大させることで担保される。また、第2燃料噴射弁30からの燃料噴霧は、吸入空気量が増大するに従って湾曲壁16bへ付着し易くなるので、第2燃料噴射弁30の噴射分担率を減少させることで湾曲壁16bへの燃料付着を低減している。要求噴射量は、第2燃料噴射弁30の噴射分担率の減少に応じて第1燃料噴射弁28の噴射分担率を増大させることで担保される。これにより、吸気ポート14,16における総燃料付着量の増大を抑制できるので、噴射燃料の筒内直入率及び筒内均質度の向上による内燃機関10の燃費改善効果を十分に図ることが可能となる。
なお、前述の実施形態において、吸入空気量Qは、エアフローセンサ48の流量検出信号SQから検出していたが、これに代えて、内燃機関10の運転状態から推定することができる。例えば、図12に示すように、内燃機関10の負荷及び回転速度と吸入空気量とを実験やシミュレーション等によって予め関連付けて不揮発性メモリ42Bに記憶しておいた吸入空気量推定マップを用いて、吸入空気量Qを推定することができる。プロセッサ42Aは、内燃機関10の負荷LDATA及び機関回転速度NEを検出するたびに、吸入空気量推定マップを参照して、負荷LDATA及び機関回転速度NEに対応する吸入空気量を吸入空気量Qとして推定する。内燃機関10の負荷は、例えば、吸入負圧、過給圧、アクセル開度等、内燃機関10の発生トルクと密接に関連する状態量に基づいて検出可能である。したがって、プロセッサ42Aは、吸入空気量に関連する物理量(例えば、内燃機関10の負荷及び機関回転速度)と燃料噴射弁28,30の燃料噴射の指向性とに基づいて、燃料噴射弁28,30の各噴射分担率を設定することができる。
前述の内燃機関10では、燃料噴射弁28,30の各燃料噴射量は、燃料の供給圧及び燃料噴射弁28,30の開度が一定であるものとして、噴射期間に比例するものとして説明した。これに代えて、内燃機関10において、燃料噴射弁28,30の単位時間当たりの各燃料噴射量を調節できるようにしてもよい。この場合、噴射分担率TI1RATIO及び噴射分担率TI2RATIOは、単位時間当たりの各燃料噴射量と各噴射期間との組み合せに反映される。
例えば、燃料噴射弁28,30の各弁体のリフト量をリニアに変更させて、燃料噴射弁28,30の各開度を制御できるように構成することで、燃料噴射弁28,30の単位時間当たりの各燃料噴射量を調節する。また、燃料噴射弁28,30の各噴射期間を互いに同一に設定し、かつ、燃料の供給圧を一定に制御する。この場合、噴射分担率TI1RATIO及び噴射分担率TI2RATIOは、燃料噴射弁28,30の単位時間当たりの各燃料噴射量すなわち開度(弁体のリフト量)に反映される。第1燃料噴射弁28の噴射期間と第2燃料噴射弁30の噴射期間とは、筒内均質度向上の観点から、噴射開始及び終了タイミングを一致させることが望ましい。なお、燃料噴射弁28,30の各噴射期間は、例えば燃料噴射弁28,30の各燃料噴射量が互いに著しく異なる等、燃料噴射弁28,30の各噴射分担率を開度のみで反映できない場合には、異ならせて設定してもよい。
前述の実施形態において、燃料噴射弁28,30の噴射期間のうち噴射終了タイミングIEを共通にしてから噴射開始タイミングISを設定していた。これに代えて、吸気行程中の所定のタイミング(クランク角)が噴射期間の中央となるように、噴射開始タイミングIS及び噴射終了タイミングIEを設定してもよい。例えば、燃料噴射弁28,30の燃料噴射タイミングの第2例(図11参照)では、吸気ポート14,16内の流速が最大となるタイミング(クランク角)が燃料噴射弁28,30の噴射期間の中央となるように、噴射開始タイミングIS及び噴射終了タイミングIEを設定してもよい。
ECU42では、プロセッサ42Aが、燃料噴射弁28,30に吸気行程に同期して燃料を噴射させるものとしたが、吸気行程とその前の排気行程に跨って燃料を噴射することを除外するものではない。例えば、吸入空気量Qが増大するに従って第1燃料噴射弁28の燃料噴射量TI1を増大させるが、機関回転速度NEの上昇に伴って吸気行程時間が短くなると、燃料噴射量TI1の燃料を吸気行程だけで噴射することができない状態が考えられる。この場合には、プロセッサ42Aは、第1燃料噴射弁28に排気行程と吸気行程とに跨って燃料を噴射させることができる。しかし、排気行程において第1燃料噴射弁28に燃料噴射を行わせると、吸入空気量Qが零であるか極めて少ないため、第1吸気ポート14における燃料付着量が増大する。このため、第1燃料噴射弁28の噴射分担率TI1RATIOを排気行程における噴射期間に応じて減少補正してもよい。また、第1燃料噴射弁28の噴射分担率TI1RATIOの減少補正に伴って第2燃料噴射弁30の噴射分担率TI2RATIOを増大補正してもよい。
前述の実施形態において、第1燃料噴射弁28の燃料噴射方向として噴射軸線X1を図4(a)に示すように設定し、第2燃料噴射弁30の燃料噴射方向として噴射軸線X2を図4(b)に示すように設定した。しかし、燃料噴射弁28,30の燃料噴射の指向性は図4(a),(b)に示すものに限られない。すなわち、図13に示すように、第1燃料噴射弁28の燃料噴射方向(噴射軸線X1)が、第2燃料噴射弁30の燃料噴射方向(噴射軸線X2)と比較して、吸入空気の流れ方向から乖離していればよい。これにより、吸気ポート14,16の各燃料付着割合が吸入空気量の増大(減少)に従って逆転するように、互いに異なっていればよい。
前述の内燃機関10において、吸気ポートは2つとして説明したが、3つ以上であることを除外するものではない。この場合、3つ以上の吸気ポートのうちの一部の第1吸気ポートのそれぞれに備えられた第1燃料噴射弁と第1吸気ポート以外の第2吸気ポートのそれぞれに備えられた第2燃料噴射弁との間で燃料噴射の指向性が互いに異なる。そして、ECU42は、第1燃料噴射弁及び第2燃料噴射弁の燃料噴射の指向性と内燃機関の吸入空気量に関連する物理量とに基づいて、第1燃料噴射弁及び第2燃料噴射弁の各噴射分担率を設定する。これにより、前述の実施形態と同様の効果を奏することができる。
10…内燃機関、14…第1吸気ポート、16…第2吸気ポート、18…気筒、20…吸気バルブ、20a…傘部、28…第1燃料噴射弁、28a…噴孔、30…第2燃料噴射弁、30a…噴孔、42…ECU、42A…プロセッサ、48…エアフローセンサ、X1…第1燃料噴射燃の噴射軸線、X2…第2燃料噴射弁の噴射軸線、Q…吸入空気量、NE…機関回転速度、LDATA…負荷、TI1RATIO…第1燃料噴射弁の噴射分担率、TI2RATIO…第2燃料噴射弁の噴射分担率、TI1…第1燃料噴射弁の燃料噴射量、TI2…第2燃料噴射弁の燃料噴射量、IS…噴射開始タイミング、IE…噴射終了タイミング

Claims (6)

  1. 内燃機関の各気筒における複数の吸気ポートの各々に備えられた燃料噴射弁の吸気行程と同期したポート噴射を制御する燃料噴射制御装置であって、
    前記複数の吸気ポートのうち一部の第1吸気ポートに備えられた第1燃料噴射弁の燃料噴射方向が、前記第1吸気ポート以外の第2吸気ポートに備えられた第2燃料噴射弁の燃料噴射方向と比較して、吸入空気の流れ方向から乖離し
    前記第1燃料噴射弁の前記燃料噴射方向及び前記第2燃料噴射弁の前記燃料噴射方向と前記内燃機関の吸入空気量又は該吸入空気量に関連する物理量とに基づいて、前記第1燃料噴射弁及び前記第2燃料噴射弁の噴射分担率を設定し、
    前記第1燃料噴射弁の前記噴射分担率に応じて算出した燃料噴射期間が前記吸気行程を超えて排気行程に跨るときに、前記排気行程における前記第1燃料噴射弁の燃料噴射期間に応じて前記第1燃料噴射弁の前記噴射分担率の減少補正を行うとともに、前記減少補正に伴って、前記第2燃料噴射弁の前記噴射分担率の増大補正を行うように構成された、燃料噴射制御装置。
  2. 前記第1燃料噴射弁の燃料噴射方向は、前記第1燃料噴射弁の噴口が前記第1吸気ポートに臨む位置から前記第1吸気ポートの内部空間を挟んで反対側のポート壁に向かう方向であり、前記第2燃料噴射弁の燃料噴射方向は、前記第1燃料噴射弁の燃料噴射方向よりも吸気バルブの傘部に向かう方向寄りである、請求項1に記載の燃料噴射制御装置。
  3. 前記吸入空気量が増大するに従って、前記第1燃料噴射弁の噴射分担率を増大させるとともに、前記第1燃料噴射弁の噴射分担率の増大に応じて前記第2燃料噴射弁の噴射分担率を減少させる、請求項1又は請求項2に記載の燃料噴射制御装置。
  4. 前記第1燃料噴射弁及び前記第2燃料噴射弁は、前記吸気行程において前記内燃機関の吸入空気の流速が所定値以上であるときに燃料を噴射する、請求項1~請求項3のいずれか1つに記載の燃料噴射制御装置。
  5. 前記第1燃料噴射弁及び前記第2燃料噴射弁の各燃料噴射量が噴射期間に比例する場合、一方の燃料噴射弁の噴射分担率が他方の燃料噴射弁の噴射分担率以上である場合には、前記他方の燃料噴射弁の噴射開始タイミング及び噴射終了タイミングが前記一方の燃料噴射弁の噴射期間に含まれる、請求項1~請求項4のいずれか1つに記載の燃料噴射制御装置。
  6. 内燃機関の各気筒における複数の吸気ポートの各々に備えられた燃料噴射弁の吸気行程と同期したポート噴射を制御する燃料噴射制御方法であって、
    前記複数の吸気ポートのうち一部の第1吸気ポートに備えられた第1燃料噴射弁の燃料噴射方向が、前記第1吸気ポート以外の第2吸気ポートに備えられた第2燃料噴射弁の燃料噴射方向と比較して、吸入空気の流れ方向から乖離し、
    前記第1燃料噴射弁の前記燃料噴射方向及び前記第2燃料噴射弁の前記燃料噴射方向と前記内燃機関の吸入空気量又は該吸入空気量に関連する物理量とに基づいて、前記第1燃料噴射弁及び前記第2燃料噴射弁の噴射分担率を設定し、
    前記第1燃料噴射弁の前記噴射分担率に応じて算出した燃料噴射期間が前記吸気行程を超えて排気行程に跨るときに、前記排気行程における前記第1燃料噴射弁の燃料噴射期間に応じて前記第1燃料噴射弁の前記噴射分担率の減少補正を行うとともに、前記減少補正に伴って、前記第2燃料噴射弁の前記噴射分担率の増大補正を行う、燃料噴射制御方法。
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