JPH08261034A - エンジンの燃料制御装置 - Google Patents

エンジンの燃料制御装置

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JPH08261034A
JPH08261034A JP9028595A JP9028595A JPH08261034A JP H08261034 A JPH08261034 A JP H08261034A JP 9028595 A JP9028595 A JP 9028595A JP 9028595 A JP9028595 A JP 9028595A JP H08261034 A JPH08261034 A JP H08261034A
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amount
intake
valve
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勝彦 坂本
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哲也 高田
Tomoichiro Shimada
智一郎 島田
Hiroyuki Kusuki
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    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 直入率および持ち去り率に基づいて燃料噴射
量を補正するようにしたエンジンの燃料制御装置におい
て、開弁オーバーラップ期間の変更に伴うそれら直入率
および持ち去り率の変化に対応して適正な補正を行える
ようにする。 【構成】 インジェクタから噴射される燃料が吸気通路
内壁に付着することなく直接的に今回の吸気行程で燃焼
室に吸入される直入分と前回以前に噴射され通路内壁に
付着していた燃料が気化して今回の吸気行程で吸入され
る持ち去り分とを推定特性に基づいて算出し、その算出
値に基づいて燃料噴射量の設定値を補正するに際し、吸
・排気弁の開弁オーバーラップ期間が大きくなる状態で
は、開弁オーバーラップ期間の変更に伴う直入分および
持ち去り分の変化に対応して適正な補正が行えるよう推
定特性を変更する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンの燃料制御装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】燃料噴射式のエンジンでは、一般にエン
ジンの吸入空気量とエンジン回転数に基づいて燃料量を
演算し、これに加速増量,暖気増量,吸気温補正といっ
た各種の補正を加えて最終的な燃料量を設定するといっ
た制御が行われる。そして、その設定された噴射量すな
わち要求燃料量に相当する噴射パルスによりインジェク
タが駆動され、吸気通路に燃料が噴射される。
【0003】ところで、吸気通路への燃料の噴射は、通
常は吸気弁が開くまでに要求燃料噴射量を噴き終えるよ
うタイミングが設定され、また、特殊な場合では吸気行
程で噴くようタイミングが設定される場合もあるが、い
ずれにしても、上記のようにして設定された要求噴射量
というのは、吸気通路に噴射された燃料の全量が今回の
吸気行程において直接燃焼室に吸入されることを前提と
したものである。しかし、吸気通路内に燃料を噴射する
エンジンの場合、燃料の気化・霧化が十分でないため、
インジェクタから噴射された燃料の全部がその吸気行程
で燃焼室に吸入されるというものではなく、直入分とし
て一部は今回の吸気行程で直接燃焼室に吸入されるが、
他は一旦吸気通路の内壁面に付着し次回以降の吸気行程
で持ち去られて燃焼室に吸入される。それゆえ、各吸気
行程で燃焼室に吸入される燃料の量は、今回噴射された
燃料のうちの直入分に、前回以前に噴射され吸気通路の
内壁面に付着していた燃料が気化して今回の吸気行程で
吸入される持ち去り分を加えたものであって、上記要求
燃料量をそのまま噴射したのでは、実際に燃焼室に吸入
される燃料量との間にずれが生じるため要求されるエン
ジン性能が得られない。
【0004】そこで、インジェクタから噴射された燃料
が今回の吸気行程で直接燃焼室に吸入される直入分と、
前回以前に噴射され吸気通路の内壁面に付着していた燃
料が気化して燃焼室に吸入される持ち去り分を推定し
て、その推定した値に基づいた補正(所謂インマニウエ
ット補正)を行うことにより、特に加速時や減速時のよ
うな過渡状態での燃料噴射量設定の精度を高めようとい
う試みがなされている。
【0005】例えば特開平5−187288号公報に記
載されたものでは、直入分と持ち去り分を推定するの
に、吸気弁近傍での流速及びそれに起因する圧力変動が
吸気弁の開閉タイミング等によって変化し、それによっ
て直入率および持ち去り率が変化するということから、
直入分および持ち去り分を吸気弁のバルブタイミングに
応じて例えば高速バルブタイミング用と低速バルブタイ
ミング用に別個に設けたマップによって設定するように
している。
【0006】また、特開平5−55618号公報に記載
されたものでは、EGR導入による吸気ポート壁温上昇
の影響を補償して燃料噴射量を適切に設定し空燃比のず
れの発生を防止できるよう、EGRバルブが開かれてい
るときには直入率および持ち去り率を増加方向に補正す
るようにしている。
【0007】また、それとは別に、省エネルギーおよび
低公害の推進のため一層の燃費向上を達成することがエ
ンジンに課せられた重要な課題であり、その一つの手段
として、例えば吸気弁の開閉時期を早くすることにより
吸気弁と排気弁との開弁オーバラップ期間を変更するバ
ルブタイミング変更手段を設け、これを運転状態に応じ
て制御して、低速低負荷時に開弁オーバラップ期間を大
きくし、運転中の吸入負圧を小さくしてエンジンのポン
ピングロスを減少させるようにする可変バルブタイミン
グ(VVT)制御が知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】インジェクタから噴射
された燃料が今回の吸気行程で直接燃焼室に吸入される
直入分と、前回以前に噴射され吸気通路の内壁面に付着
していた燃料が気化して燃焼室に吸入される持ち去り分
を推定して、その推定した値に基づいた補正を行うこと
により、特に加速時や減速時のような過渡状態での燃料
噴射量設定の精度を高めるように試みが従来からあり、
一方、燃費向上を目的とした可変バルブタイミング制御
が従来から知られていることは上述の通りであるが、こ
れら二つの技術を併用しようとするとつぎのような問題
が発生する。
【0009】すなわち、低速低負荷時に例えば吸気弁の
開閉時期を早めて開弁オーバーラップ期間を大きくしポ
ンピングロスを低減する可変バルブタイミング制御を行
うエンジンにおいて、噴射された燃料が今回の吸気行程
で直接燃焼室に吸入される直入分と前回以前に噴射され
吸気通路の内壁面に付着していた燃料が気化して燃焼室
に吸入される持ち去り分の推定値に基づく上述のような
燃料噴射量の補正を行うと、低速低負荷で開弁オーバー
ラップ期間が大きくなる領域では排気の吹き返しによる
所謂内部EGRによって吸気質量流量が増加し、また吸
気温度が上昇するため、通常の開弁オーバーラップ期間
で運転している時と比べて補正のための直入率および持
ち去り率の要求値がずれる。
【0010】直入率および持ち去り率は主として温度条
件(冷却水温)と充填効率によって定まるものであっ
て、そのうち、直入率は、温度条件でいえば低温ほど燃
料噴霧の粒径が大きくなり燃料粘度が大きくなって吸気
ポート内壁面に付着する割合が増えるため小さくなり、
高温になると、噴霧の粒径が小さくなり燃料粘度が小さ
くなるため大きくなる。また、充填効率でいえば、低負
荷で充填効率が小さいと吸気質量流量が小さく、噴射さ
れた燃料を燃焼室に運び込む運動エネルギーが小さくな
るために直入率は小さくなり、高負荷で充填効率が大き
いと、吸気質量流量が大きくて運動エネルギーが大きく
なり、また噴霧の拡がりが狭くなるために直入率が大き
くなる。また、持ち去り率は、温度条件でいえば低温ほ
ど一旦付着した燃料が気化しにくく、燃料粘度も大きく
て流れにくいために小さくなり、高温になると、気化し
やすくなり、また、燃料粘度が小さくなるため、持ち去
り率が大きくなる。また、充填効率との関係でいえば、
低負荷で充填効率が小さいと吸気質量流量が小さく、付
着している燃料を持ち去る運動エネルギーが小さいため
に持ち去り率は小さくなり、高負荷で充填効率が大きい
と、吸気質量流量が大きくて運動エネルギーが大きくな
るために持ち去り率が大きくなる。そこで、噴射量補正
のための直入率の要求値および持ち去り率の要求値を推
定するのに、上記特性に基づいて冷却水温と充填効率を
パラメータとするマップを設定するが、低速低負荷で開
弁オーバーラップ期間が大きくなると、内部EGRによ
って吸気質量流量が増加するとともに吸気温度が上昇す
ることによって直入率と持ち去り率はマップ値より大き
な値となるので、マップで推定した要求値では適正な補
正ができなくなる。
【0011】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たものであって、直入率および持ち去り率に基づいて燃
料噴射量を補正するようにしたエンジンの燃料制御装置
において、開弁オーバーラップ期間の変更に伴うそれら
直入率および持ち去り率の変化に対応して適正な補正を
行えるようにすることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によるエンジンの
燃料制御装置は、図1にその構成を示すように、吸気弁
と排気弁とが同時に開弁状態にある開弁オーバーラップ
期間を運転状態に応じて変更するバルブタイミング変更
手段を備えたエンジンの燃料制御装置であって、エンジ
ンの燃焼室に連通する吸気通路に燃料を噴射するインジ
ェクタと、エンジンの運転状態を検出する運転状態検出
手段と、インジェクタにより噴射する燃料の量をエンジ
ンの運転状態に基づいて設定する燃料噴射量設定手段
と、インジェクタから噴射される燃料が吸気通路に付着
することなく直接的に今回の吸気行程で前記燃焼室に吸
入される直入分と前回以前に噴射され前記吸気通路の内
壁面に付着していた燃料が気化して今回の吸気行程で前
記燃焼室に吸入される持ち去り分とをエンジンの運転状
態に応じて所定の推定特性に基づいて算出し、その算出
した直入分および持ち去り分の値に基づいて燃料噴射量
の設定値を補正する燃料噴射量補正手段と、直入分およ
び持ち去り分の推定特性のうち少なくとも一方を開弁オ
ーバーラップ期間の変更に伴って変更する推定特性変更
手段を備えたことを特徴とする。
【0013】上記構成において、インジェクタは吸気行
程の前に燃料噴射を終了するよう制御されるものであっ
てよく、推定特性変更手段は開弁オーバーラップ期間が
大きい程前記直入分および持ち去り分の推定特性のうち
少なくとも持ち去り分の推定特性を算出値が相対的に大
きくなるよう変更するものであってよい。
【0014】また、推定特性変更手段は開弁オーバーラ
ップ期間が大きい程直入分の推定特性を算出値が相対的
に大きくなるよう変更するものであってよい。
【0015】また、バルブタイミング変更手段は低速低
負荷時に開弁オーバーラップ期間を大きくするものであ
ってよい。
【0016】また、バルブタイミング変更手段は吸気弁
および排気弁のうち少なくとも吸気弁の開弁タイミング
を変えるものであってよい。
【0017】
【作用】吸気弁と排気弁の開弁オーバーラップ期間は、
例えば吸気弁および排気弁のうち少なくとも吸気弁の開
弁タイミングを変えることによりエンジンの運転状態に
応じて変更され、例えば低速低負荷時にはポンピングロ
スを低減し燃費を向上させるよう開弁オーバーラップ期
間が大きくされる。また、インジェクタによりエンジン
の吸気通路に噴射される燃料の量は基本的には運転状態
検出手段の出力に基づいて設定される。そして、インジ
ェクタから噴射される燃料が吸気通路内壁に付着するこ
となく直接的に今回の吸気行程で燃焼室に吸入される直
入分と前回以前に噴射され吸気通路内壁に付着していた
燃料が気化して今回の吸気行程で燃焼室に吸入される持
ち去り分とがエンジンの運転状態に基づいて予め設定さ
れた推定特性に基づいて算出され、その算出値に基づい
て燃料噴射量の設定値が補正される。また、その際、開
弁オーバーラップ期間の変更に伴う直入分および持ち去
り分の変化に対応して適正な補正が行えるよう、開弁オ
ーバーラップ期間の変更に伴って直入分および持ち去り
分の推定特性のうちの少なくとも一方が変更される。
【0018】開弁オーバーラップ期間の変更に伴う推定
特性の変更は、例えば開弁オーバーラップ期間が大きい
程少なくとも持ち去り分について算出値が相対的に大き
くなるよう推定特性を変更するものとされ、あるいは、
開弁オーバーラップ期間が大きい程直入分について算出
値が相対的に大きくなるよう推定特性を変更するものと
され、あるいは開弁オーバーラップ期間が大きいほど持
ち去り分と直入分の両方について算出値が大きくなるよ
う推定特性を変更するものとされ、その結果、低速低負
荷時等において開弁オーバーラップ期間が大きくなった
状態で、内部EGRによる吸気質量流量の増加と吸気温
度の上昇に起因して直入率と持ち去り率が大きくなり通
常時の推定特性からずれるのに対応した適正な補正が可
能となる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図2〜図6に基づい
て説明する。
【0020】図2は本発明の一実施例のシステム図であ
る。図において、1はエンジン本体であり、シリンダ室
2を形成するシリダブロック3と、コネクティングロッ
ド4を介し図示しない出力軸(クランクシャフト)に連
結されてシリンダ2内を往復移動するよう配置されたピ
ストン5と、シリンダ室2の一端を覆いピストン5のヘ
ッドとの間に燃焼室を画定するようシリダブロック3に
連結されたシリンダヘッド6とで構成されている。そし
て、シリンダヘッド6には燃焼室凹部7が形成され、該
燃焼室凹部7に開口するよう左右に吸気ポート8および
排気ポート9が形成され、それらポート8.9の燃焼室
側開口部にはポペット式の吸気弁10および排気弁11
がそれぞれ配置されている。また、シリンダヘッド6に
は中央部に点火プラグ12が配置されている。そして、
吸気ポート8の上流には図示しないエアクリーナとの間
に吸気通路13が設けられ、該吸気通路13には、サー
ジタンク13aが設けられて、サージタンク13aより
上流側には上流側から順に、吸入空気量を検出するホッ
トワイヤ式のエアフローセンサ14と、吸気量を調整す
るスロットル弁15が設けられ、サージタンク13aの
下流には燃料噴射用のインジェクタ16が配設されてい
る。また、排気ポート9には排気通路17が接続され、
排気通路17の途中には触媒コンバータ18が設けられ
ている。
【0021】シリンダヘッド6の上部には、出力軸に同
期して回転し吸気弁10および排気弁11を駆動してそ
れぞれ所定のタイミングで吸気ポート8および排気ポー
ト9を開閉するよう、吸気用カム19および排気用カム
20が配設されている。このうち、吸気用カム19は、
軸方向に移動することによってバルブタイミイグおよび
リフト量を変更可能なカムプロフィールを有するもの
で、可変バルブタイミイグ機構21を構成している。
【0022】コントロールユニット22には、エアフロ
ーセンサ3からの吸入空気量信号,図示しないディスト
リビュータに付設されたクランク角センサ23からのク
ランク角信号および回転信号,シリンダブロック3に付
設された水温センサ24からの冷却水温信号等が制御情
報として入力される。
【0023】可変バルブタイミイグ機構21はコントロ
ールユニット21により制御される。そして、低速低負
荷時には燃費向上のため吸気弁10と排気弁11の開弁
オーバーラップ期間を大きくしポンピングロスを減少さ
せるよう、吸気弁10の開閉時期が通常よりも早められ
る。
【0024】一方、インジェクタ16による燃料噴射量
はやはりコントロールユニット21によって制御され
る。燃料噴射量の制御では、よく知られているようにエ
ンジン回転数と吸入空気量に基づいて基本噴射量が設定
され、それに水温等による補正が加えられる。また、イ
ンジェクタ16から噴射される燃料が吸気ポート8近傍
の通路内壁に付着することなく直接的に今回の吸気行程
で燃焼室に吸入される直入分と前回以前に噴射され通路
内壁に付着していた燃料が気化して今回の吸気行程で吸
入される持ち去り分とがエンジンの運転状態に基づいて
予め設定された推定特性(マップ)に基づいて算出さ
れ、その算出値に基づいて燃料噴射量の設定値が補正さ
れる。また、その際、低速低負荷時で開弁オーバーラッ
プ期間が大きくなった状態では、内部EGRによる吸気
質量流量の増加と吸気温度の上昇に起因して直入率と持
ち去り率が大きくなり通常時の推定特性からずれるの
で、開弁オーバーラップ期間の変更に伴う直入分および
持ち去り分の変化に対応して適正な補正が行えるよう、
開弁オーバーラップ期間の変更に伴って直入分および持
ち去り分の推定特性(マップ)が変更される。すなわ
ち、低速低負荷時で開弁オーバーラップ期間が大きい時
には、直入分および持ち去り分の値が通常より大きくな
るよう推定特性(マップ)が変更される。なお、直入分
および持ち去り分のうちの一方を変更するようにしても
よく、その場合は、持ち去り分を変更するのがよい。
【0025】図3に示すように、あるサイクルにおいて
インジェクタ16から吸気ポート8内(吸気通路13
内)に噴射された燃料は、そのサイクルの吸気行程(今
回の吸気行程)で直接的にシリンダ室2内(燃焼室凹部
7内)に入る直入分F1と、そのサイクルでは直接的に
シリンダ室2内に入らずに吸気ポート8の内壁に付着す
る付着分F2とに分かれる。そして、吸気ポート8の内
壁には、付着分F2が蓄積されて燃料溜まり(以下、こ
れをインマニウェットF3という)が形成される。そし
て、このインマニウェットF3の燃料保持量(インマニ
ウェット量という)の一部が吸入空気の流れによりある
いは重力により、気化してあるいは液状のままでシリン
ダ室2内に持ち去される。これが持ち去り分F4であ
る。したがって、あるサイクルにおいてシリンダ室2内
に供給される燃料の量は、直入分F1に持ち去り分F4
加えたものとなる。そこで、各サイクルにおいて、直入
分F1と持ち去り分F4の合計が要求燃料量(目標空燃比
を保持するのに必要な燃料の量)と一致するよう燃料噴
射量が設定される。
【0026】すなわち、燃料噴射量の制御においては、
実際に噴射すべき燃料噴射量(噴射パルス幅)をτeと
し、要求燃料量(パルス幅相当)をτaとし、インマニ
ウェット量(パルス幅相当)をτmとし、直入分F1
燃料噴射量(パルス幅相当)τeに対する比率をα(以
下、これを直入率αという)とし、持ち去り分F4のイ
ンマニウェット量τmに対する比率をβ(以下、これを
持ち去り率βという)として、次の式1および式2を満
たすように燃料噴射量τeが設定される。
【数1】 τa=α・τe+β・τm…………………………………………………式1
【数2】 τm(i)=(1−α)・τe(i−1)+(1−β)・τm(i−1) …………………………………………………式2 なお、式2において、τm(i)は今回のτmであり、
τe(i−1)は前回のτeであり、τm(i−1)は
前回のτmである。そこで、各サイクルにおいて、まず
式2により今回のτmが演算され、続いて、このτmを
用いて式1によりτeが演算される。
【0027】直入率αはエンジン水温(thw)とインジ
ェクタ取り付け部位における吸気流速(Qcyl)をパラ
メータとしたマップで求められ、持ち去り率βもまたエ
ンジン水温(thw)と吸気流速(Qcyl)のマップで求め
られる。図4は吸気流速(Qcyl)を吸気充填効率(C
e)に置き換えて示す直入率αのマップであり、図5は
同じく吸気流速(Qcyl)を吸気充填効率(Ce)に置
き換えて示す持ち去り率βのマップである。ここで、直
入率αおよび持ち去り率βはバルブタイミングによって
二通りに設定される。すなわち、開弁オーバーラップ期
間が大きなるよう吸気弁10の開閉時期が早められ時
は、図4および図5にそれぞれ破線で示すように、通常
時に対して直入率αがずれた設定とされ、持ち去り率β
もずれた設定とされる。
【0028】要求燃料量τaの設定は次のように行われ
る。
【0029】まず、吸入空気量Qとエンジン回転数Nと
から次の式3および式4により吸気充填効率Ceが演算
される。
【数3】 Ce0=Ka・Q/N………………………………………………………式3
【数4】 Ce=Kc・Ce’+(1−Kc)・Ce0……………………………式4 なお、式3および式4において、Ce0はなまし前のC
eであり、Kaは換算係数(定数)であり、Kcはなま
し係数(定数)であり、Ce’は前回のCeである。
【0030】また、吸気充填効率Ceとエンジン回転数
Nとに基づいて次の式5により、吸気流速Qcylが演算
される。
【数5】 Qcyl=(1/Ka)・Ce・N…………………………………………式5 なお、式5においてKaは換算係数(定数)である。
【0031】また、冷却水温Twに応じて暖機増量率C
wが演算される。ここで、暖機増量率Cwは冷却水温T
wに対する特性を示すマップが予め記憶されていて、そ
のマップを検索することにより演算される。
【0032】そして、次の式6によって要求噴射量τa
が演算される。
【数6】 τa=Kf・Cw・Ce…………………………………………………式6 なお、式6においてKfは燃料噴射定数である。
【0033】また、燃料噴射量τeは、次の式7によっ
て演算される。
【数7】 τe(i)=[τa(i)−β・τm(i)]/α…………………式7
【0034】そして、バッテリ電圧Vsに応じて無効噴
射時間(パルス幅)τvが演算され、τeにτvを加え
た噴射パルス幅で燃料噴射が実行される。
【0035】図6はこの実施例の燃料噴射制御の制御ル
ーチンを示すフローチャートである。この制御ルーチン
はステップS1〜S16からなり、クランク角信号に基
づいて上死点毎に実行される。そして、ステップS1で
エアフローセンサ14の出力信号Q(吸入空気量)を読
み込み、次いで、ステップS2でエンジン回転数Nを読
み込む。
【0036】次に、ステップS3で前述の式3により吸
気充填効率Ce0(なまし前の値)を演算し、次いで、
ステップS4で前述の式4によりなまし処理をした吸気
充填効率Ceを求める。
【0037】そして、ステップS5で前述の式5により
インジェクタ取り付け部位における吸気流速Qcylを
演算し、次いで、ステップS6で冷却水温Twを読み込
む。
【0038】次に、ステップS7で可変バルブタイミン
グ機構21を吸気弁の開閉時期を早めるよう制御する吸
気弁早め条件が成立しているか否かを判定する。
【0039】そして、吸気弁早め条件が成立していると
きは、ステップS8で図4のマップに基づいて吸気弁早
め時の直入率α1を算出し、ステップS9で図5のマッ
プに基づいて吸気弁早め時の持ち去り率β1を算出す
る。
【0040】また、吸気弁早め条件が成立していないと
きは、ステップS10で図4のマップに基づいて通常時
の直入率α2を算出し、ステップS11で図5のマップ
に基づいて通常時の持ち去り率β2を算出する。
【0041】その後、ステップS12でマップにより冷
却水温に応じた燃料増量率を演算する。
【0042】次に、ステップS13で上述の式6により
要求噴射量τaを演算する。
【0043】次に、ステップS14でバッテリ電圧Vs
を読み込む。そして、ステップS15でバッテリ電圧V
sに応じて無効噴射時間τvを演算する。なお、無効噴
射時間τvはバッテリ電圧Vsが低いほど長くなるよう
設定するものである。
【0044】次に、ステップS16で上述の式7により
燃料噴射量τe演算し、τeにτvを加えた噴射パルス
幅で噴射を実行する。そして、リターンする。
【0045】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されているの
で、運転状態により開弁オーバーラップ期間を変更する
バルブタイミング制御を行うエンジンにおいて直入率お
よび持ち去り率を考慮した燃料制御を行うに際し、開弁
オーバーラップ期間の変更に伴うそれら直入率および持
ち去り率の変化に対応して適正な噴射量設定を行うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエンジンの燃料制御装置の全体構
成図である。
【図2】本発明の一実施例のシステム図である。
【図3】本発明の一実施例における噴射燃料の挙動を示
す模式図である。
【図4】本発明の一実施例における直入率の推定特性を
示す図である。
【図5】本発明の一実施例における持ち去り率の推定特
性を示す図である。
【図6】本発明の一実施例における燃料噴射制御を実行
するフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン本体 2 シリンダ室 7 燃焼室凹部 8 吸気ポート 9 排気ポート 10 吸気弁 11 排気弁 13 吸気通路 16 インジェクタ 21 可変バルブタイミング機構 22 コントロールユニット
フロントページの続き (72)発明者 楠木 寛之 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸気弁と排気弁とが同時に開弁状態にあ
    る開弁オーバーラップ期間を運転状態に応じて変更する
    バルブタイミング変更手段を備えたエンジンの燃料制御
    装置であって、エンジンの燃焼室に連通する吸気通路に
    燃料を噴射するインジェクタと、エンジンの運転状態を
    検出する運転状態検出手段と、前記インジェクタにより
    噴射する燃料の量をエンジンの運転状態に基づいて設定
    する燃料噴射量設定手段と、前記インジェクタから噴射
    される燃料が前記吸気通路に付着することなく直接的に
    今回の吸気行程で前記燃焼室に吸入される直入分と前回
    以前に噴射され前記吸気通路の内壁面に付着していた燃
    料が気化して今回の吸気行程で前記燃焼室に吸入される
    持ち去り分とをエンジンの運転状態に応じて所定の推定
    特性に基づいて算出し、その算出した直入分および持ち
    去り分の値に基づいて前記燃料噴射量の設定値を補正す
    る燃料噴射量補正手段と、前記直入分および持ち去り分
    の推定特性のうち少なくとも一方を前記開弁オーバーラ
    ップ期間の変更に伴って変更する推定特性変更手段を備
    えたことを特徴とするエンジンの燃料制御装置。
  2. 【請求項2】 前記インジェクタは吸気行程の前に燃料
    噴射を終了するよう制御されるものであり、前記推定特
    性変更手段は前記開弁オーバーラップ期間が大きい程前
    記直入分および持ち去り分の推定特性のうち少なくとも
    持ち去り分の推定特性を算出値が相対的に大きくなるよ
    う変更するものである請求項1記載のエンジンの燃料制
    御装置。
  3. 【請求項3】 前記推定特性変更手段は前記開弁オーバ
    ーラップ期間が大きい程前記直入分の推定特性を算出値
    が相対的に大きくなるよう変更するものである請求項1
    または2記載のエンジンの燃料制御装置。
  4. 【請求項4】 前記バルブタイミング変更手段は低速低
    負荷時に前記開弁オーバーラップ期間を大きくするもの
    である請求項1,2または3記載のエンジンの燃料制御
    装置。
  5. 【請求項5】 前記バルブタイミング変更手段は前記吸
    気弁および前記排気弁のうち少なくとも吸気弁の開弁タ
    イミングを変えるものである請求項4記載のエンジンの
    燃料制御装置。
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