JP3033422B2 - 内燃機関の燃料噴射量制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射量制御装置

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JP3033422B2
JP3033422B2 JP6019573A JP1957394A JP3033422B2 JP 3033422 B2 JP3033422 B2 JP 3033422B2 JP 6019573 A JP6019573 A JP 6019573A JP 1957394 A JP1957394 A JP 1957394A JP 3033422 B2 JP3033422 B2 JP 3033422B2
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忠久 長縄
信尚 大川
千詞 加藤
茂 曽根
淳史 後藤
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、吸気バルブ、排気バ
ルブの開閉タイミング、即ちバルブタイミングを運転状
態に応じて制御するようにした内燃機関に係る。詳しく
は、バルブタイミングの制御に応じて燃料噴射量を制御
するようにした内燃機関の燃料噴射量制御装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、吸気バルブ、排気バルブの開閉タ
イミング、即ちバルブタイミングを内燃機関の運転状態
に応じて制御するようにしたバルブタイミング制御の技
術が既に知られている。この種のバルブタイミング制御
によれば、内燃機関の燃焼室に対する空気等の充填効率
等を運転状態に応じて適合させることが可能となる。
【0003】ところで、上記のような内燃機関であっ
て、燃焼室に対する燃料の供給をインジェクタ等の燃料
噴射装置により行うようにした内燃機関において、単に
バルブタイミングを制御するだけでは、燃焼室に対する
空気の充填効率や燃料の供給、即ち混合気の供給を最適
化することができない場合があった。
【0004】そこで、運転状態に応じて、吸気バルブの
(開閉)タイミング及びインジェクタ等による燃料噴射
タイミングを変化させることにより、最適な充填効率、
燃焼性能及び混合気形成を得ることを狙った従来技術
が、特開昭60−150459号公報の明細書及び図面
に開示されている。同公報の特許請求の範囲の欄には、
燃料噴射装置を有するエンジンにおいて、吸気バルブの
(開閉)タイミングを可変的に変更するタイミング可変
機構と、そのタイミング可変機構を運転状態に応じて制
御して吸気バルブの(開閉)タイミングを変化させると
共に、それに同期して燃料噴射装置の噴射タイミングを
変化させる趣旨が記載されている。詳しくは、同公報の
実施例の欄及び第5頁の図面第2図に記載されているよ
うに、低負荷運転時、高負荷低回転時に吸気バルブの
(開閉)タイミングがベースタイミングに対して変更さ
れるとき、その変更に同期して燃料噴射タイミングが変
化させられる。基本的には、吸気バルブの開き時期と同
じ変化量だけ変化させて燃料噴射タイミングが設定され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記公
報の従来技術では、吸気バルブの(開閉)タイミングが
ベースタイミングに対して進角側へ変更されたときに、
吸気バルブと排気バルブの両方が開く期間、即ちバルブ
オーバラップが生じる。しかも、そのバルブオーバラッ
プの期間に燃料噴射タイミングの期間が重なることにな
る。ここで、バルブオーバラップの際には、直前の排気
行程における既燃焼ガス(排気ガス)が燃焼室から吸気
通路へ吹き返されるおそれがある。従って、バルブオー
バラップの期間に重なってインジェクタより噴射される
燃料は、既燃焼ガスの吹き返しに伴って吸気通路へ吹き
戻されることになる。その場合、吹き戻された燃料が吸
気通路の内壁に付着することにより、吸気行程で燃焼室
に供給されるべき燃料量が減少してしまうおそれがあっ
た。又、既燃焼ガスが吸気通路へ吹き返される際には、
インジェクタ先端部の雰囲気圧力も上昇することから、
瞬間的にはインジェクタ先端部における燃料圧力が減少
することになる。この現象によっても、吸気行程で燃焼
室に供給されるべき燃料量が減少してしまうおそれがあ
った。その結果、燃焼室における空燃比がリーン化して
しまい、所望の空燃比が得られなくなり、延いてはエン
ジンの排気エミッションやドライバビリティに悪影響を
及ぼすというおそれがあった。
【0006】この発明は前述した事情に鑑みてなされた
ものであって、バルブタイミングを運転状態に応じて制
御するようにした内燃機関の燃料噴射量制御装置を前提
としている。そして、その目的は、バルブタイミングの
制御によるバルブオーバラップの期間と燃料噴射の期間
とが重なった際に、燃焼室に供給されるべき燃料量が減
少して空燃比がリーン化することを未然に防止すること
を可能にした内燃機関の燃料噴射量制御装置を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の第1の発明では、図1に示すよう
に、シリンダM1内にてピストンM2を上下動させるこ
とによりクランク軸M3を回転させるようにした内燃機
関M4と、シリンダM1内にてピストンM2の頂部に面
して形成され、ピストンM2に運動力を付与すべく燃料
を燃焼させるための燃焼室M5と、その燃焼室M5に通
じて設けられた吸気通路M6及び排気通路M7と、燃焼
室M5へ燃料を供給すべく吸気通路M6に燃料を噴射す
るための燃料噴射手段M8と、クランク軸M3の回転及
びピストンM2の上下動に同期して所定のタイミングで
駆動され、燃焼室M5に通じる吸気通路M6及び排気通
路M7をそれぞれ開閉するための吸気バルブM9及び排
気バルブM10と、吸気バルブM9及び排気バルブM1
0の少なくとも一方の開閉タイミングを可変とするため
に駆動される可変バルブタイミング機構M11と、ピス
トンM2の上下動位置を含む内燃機関M4に係る各種運
転パラメータを運転状態として検出するための運転状態
検出手段M12と、内燃機関M4の運転状態に応じた所
要量の燃料を燃焼室M5へ供給すべく、運転状態検出手
段M12の検出結果に基づいて燃料噴射手段M8を制御
するための燃料噴射制御手段M13と、内燃機関M4の
運転状態に応じてバルブタイミングを変更すべく、運転
状態検出手段M12の検出結果に基づいて可変バルブタ
イミング機構M11を制御するためのバルブタイミング
制御手段M14とを備えた内燃機関の燃料噴射量制御装
置において、燃料噴射制御手段M13により燃料噴射手
段M8が制御されているときに、その燃料噴射手段M8
より燃料が噴射される期間とバルブタイミング制御手段
M14により可変バルブタイミング機構M11が制御さ
れることにより生じる吸気バルブM9及び排気バルブM
10のバルブオーバラップとの重なり期間を演算する第
1の期間演算手段M15と、燃料噴射手段M8により噴
射される燃料量のうち、前記第1の期間演算手段M15
により演算された重なり期間の間に噴射される燃料量を
演算する第1の燃料量演算手段M16と、燃料噴射制御
手段M13の制御により燃料噴射手段M8からの燃料噴
射が終了した後であり、運転状態検出手段M12により
検出されるピストンM2の上死点後であり、且つ、バル
ブタイミング制御手段M14の制御により吸気バルブM
9が開かれている期間であると判断したときに、第1の
燃料量演算手段M16により演算される燃料量分を補足
的に噴射すべく、燃料噴射手段M8を制御する第1の補
足燃料噴射制御手段M17とを備えたことを趣旨として
いる。
【0008】同じく上記目的を達成するために、請求項
2に記載の第2の発明では、図2に示すように、シリン
ダM1内にてピストンM2を上下動させることによりク
ランク軸M3を回転させるようにした内燃機関M4と、
シリンダM1内にてピストンM2の頂部に面して形成さ
れ、ピストンM2に運動力を付与すべく燃料を燃焼させ
るための燃焼室M5と、その燃焼室M5に通じて設けら
れた吸気通路M6及び排気通路M7と、燃焼室M5へ燃
料を供給すべく吸気通路M6に燃料を噴射するための燃
料噴射手段M8と、クランク軸M3の回転及びピストン
M2の上下動に同期して所定のタイミングで駆動され、
燃焼室M5に通じる吸気通路M6及び排気通路M7をそ
れぞれ開閉するための吸気バルブM9及び排気バルブM
10と、吸気バルブM9及び排気バルブM10の少なく
とも一方の開閉タイミングを可変とするために駆動され
る可変バルブタイミング機構M11と、ピストンM2の
上下動位置及びクランク軸M3の回転角度を含む内燃機
関M4に係る各種運転パラメータを運転状態として検出
するための運転状態検出手段M12と、内燃機関M4の
運転状態に応じた所要量の燃料を燃焼室M5へ供給すべ
く、運転状態検出手段M12の検出結果に基づいて燃料
噴射手段M8を制御するための燃料噴射制御手段M13
と、内燃機関M4の運転状態に応じてバルブタイミング
を変更すべく、運転状態検出手段M12の検出結果に基
づいて可変バルブタイミング機構M11を制御するため
のバルブタイミング制御手段M14とを備えた内燃機関
の燃料噴射量制御装置において、燃料噴射制御手段M1
3により燃料噴射手段M8が制御されているときに、そ
の燃料噴射手段M8より燃料が噴射される期間とバルブ
タイミング制御手段M14により可変バルブタイミング
機構M11が制御されることにより生じる吸気バルブM
9及び排気バルブM10のバルブオーバラップとの重な
り期間を時間により演算する第2の期間演算手段M18
と、燃料噴射手段M8により噴射される燃料量のうち、
前記第2の期間演算手段M18により演算された重なり
期間の間に噴射される燃料量を演算する第2の燃料量演
算手段M19と、燃料噴射制御手段M13の制御により
燃料噴射手段M8からの燃料噴射が終了した後であり、
運転状態検出手段M12により検出されるピストンM2
の上死点後であり、且つ、バルブタイミング制御手段M
14の制御により吸気バルブが開かれている期間である
と判断したときに、第2の燃料量演算手段M19により
演算される燃料量分を補足的に噴射すべく、燃料噴射手
段M8を制御する第2の補足燃料噴射制御手段M20と
を備えたことを趣旨としている。
【0009】同じく上記目的を達成するために、請求項
3に記載の第3の発明では、図3に示すように、シリン
ダM1内にてピストンM2を上下動させることによりク
ランク軸M3を回転させるようにした内燃機関M4と、
シリンダM1内にてピストンM2の頂部に面して形成さ
れ、ピストンM2に運動力を付与すべく燃料を燃焼させ
るための燃焼室M5と、その燃焼室M5に通じて設けら
れた吸気通路M6及び排気通路M7と、燃焼室M5へ燃
料を供給すべく吸気通路M6に燃料を噴射するための燃
料噴射手段M8と、クランク軸M3の回転及びピストン
M2の上下動に同期して所定のタイミングで駆動され、
燃焼室M5に通じる吸気通路M6及び排気通路M7をそ
れぞれ開閉するための吸気バルブM9及び排気バルブM
10と、吸気バルブM9及び排気バルブM10の少なく
とも一方の開閉タイミングを可変とするために駆動され
る可変バルブタイミング機構M11と、ピストンM2の
上下動位置及びクランク軸M3の回転角度を含む内燃機
関M4に係る各種運転パラメータを運転状態として検出
するための運転状態検出手段M12と、内燃機関M4の
運転状態に応じた所要量の燃料を燃焼室M5へ供給すべ
く、運転状態検出手段M12の検出結果に基づいて燃料
噴射手段M8を制御するための燃料噴射制御手段M13
と、内燃機関M4の運転状態に応じてバルブタイミング
を変更すべく、運転状態検出手段M12の検出結果に基
づいて可変バルブタイミング機構M11を制御するため
のバルブタイミング制御手段M14とを備えた内燃機関
の燃料噴射量制御装置において、燃料噴射制御手段M1
3により燃料噴射手段M8が制御されているときに、そ
の燃料噴射手段M8より燃料が噴射される期間とバルブ
タイミング制御手段M14により可変バルブタイミング
機構M11が制御されることにより生じる吸気バルブM
9及び排気バルブM10のバルブオーバラップの開始時
点から運転状態検出手段M12により検出されるピスト
ンM2の上死点までの期間との重なり期間を演算する第
3の期間演算手段M21と、燃料噴射手段M8により噴
射される燃料量のうち、前記第3の期間演算手段M21
により演算された重なり期間の間に噴射される燃料量を
演算する第3の燃料量演算手段M22と、燃料噴射制御
手段M13の制御により燃料噴射手段M8からの燃料噴
射が終了した後であり、運転状態検出手段M12により
検出されるピストンM2の上死点後であり、且つ、バル
ブタイミング制御手段M14の制御により吸気バルブM
9が開かれている期間であると判断したときに、第3の
燃料量演算手段M22により演算される燃料量分を補足
的に噴射すべく、燃料噴射手段M8を制御する第3の補
足燃料噴射制御手段M23とを備えたことを趣旨として
いる。
【0010】同じく上記目的を達成するために、請求項
4に記載の第4の発明では、第1、2又は3の発明の構
成において、第1、2又は3の燃料量演算手段により演
算される燃料量を、バルブオーバラップの期間中に燃焼
室から吸気通路へ吹き返される排気の量に基づいて補正
するための燃料量補正手段を設けたことを趣旨としてい
る。
【0011】同じく上記目的を達成するために、請求項
5に記載の第5の発明では、第4の発明の構成におい
て、燃料量補正手段が内燃機関の負荷相当値に基づいて
補正を行うことを趣旨としている。
【0012】同じく上記目的を達成するために、請求項
6に記載の第6の発明では、第4の発明の構成におい
て、燃料量補正手段がバルブオーバラップの期間に対応
するクランク軸の回転角度量に基づいて補正を行うこと
を趣旨としている。
【0013】
【作用】上記第1の発明の構成によれば、図1に示すよ
うに、内燃機関M4の運転時に、ピストンM2の上下動
及びクランク軸M3の回転に同期して、吸気バルブM9
及び排気バルブM10が所定のタイミングで駆動され
る。この駆動により、燃焼室M5に通じる吸気通路M6
及び排気通路M7がそれぞれ開閉され、燃焼室M5にお
ける吸気及び排気が行われる。その吸気の際に、燃料噴
射手段M8より燃料が噴射されることにより、吸気通路
M6から燃焼室M5へ吸入される空気と共に燃料が燃焼
室M5へ供給される。又、燃焼室M5で供給された燃料
と空気との混合気が燃焼室M5で燃焼されることによ
り、ピストンM2に運動力が付与されてクランク軸M3
が回転される。更に、排気の際には、燃焼室M5での既
燃焼ガスが(排気ガス)排気通路M7へと排出される。
【0014】ここで、運転状態検出手段M12では、ピ
ストンM2の上下動位置を含む内燃機関M4に係る各種
運転パラメータが運転状態として検出される。そして、
燃料噴射制御手段M13では、上記運転状態の検出結果
に基づいて燃料噴射手段M8が制御され、内燃機関M4
の運転状態に応じた所要量の燃料が噴射される。又、バ
ルブタイミング制御手段M14では、上記運転状態の検
出結果に基づいて可変バルブタイミング機構M11が制
御され、内燃機関M4の運転状態に応じてバルブタイミ
ングが変更される。この制御により、吸気バルブM9及
び排気バルブM10の少なくとも一方の開閉タイミング
が変更されて、バルブオーバラップが変更される。
【0015】そして、燃料噴射手段M8が制御されてい
るときに、第1の期間演算手段M15では、燃料噴射手
段M8より燃料が噴射される期間とバルブオーバラップ
との重なり期間が演算される。又、第1の燃料量演算手
段M16では、上記演算された重なり期間に基づき、そ
の重なり期間の間に燃料噴射手段8より噴射される燃
料量が演算される。そして、第1の補足燃料噴射制御手
段M17では、燃料噴射手段M8からの燃料噴射終了後
であり、ピストンM2の上死点後であり、且つ、吸気バ
ルブM9の開き期間であると判断されたときに、上記演
算された燃料量分を補足的に噴射すべく、燃料噴射手段
M8の制御が行われる。
【0016】ここで、燃料噴射手段M8より燃料が噴射
されている途中で、ピストンM2が上死点に達するより
も前にバルブオーバラップが生じた場合には、既燃焼ガ
スが燃焼室M5から吸気通路M6へ吹き返されるおそれ
がある。その場合、燃料噴射手段M8より噴射された燃
料が吸気通路M6へ吹き戻されて吸気通路M6の内壁に
付着することになる。しかし、この発明の構成によれ
ば、上記吹き戻しにより燃焼室M5に供給されることの
ない燃料量分が、燃料噴射終了後であって、ピストンM
2の上死点後の吸気バルブM9の開き期間中、即ち燃料
の吹き戻しのおそれの無い期間中に、燃料噴射手段M8
より補足的に噴射される。従って、燃焼室M5に供給さ
れるべき燃料量のうち、吹き戻しにより不足する燃料量
分が補償される。
【0017】上記第2の発明の構成によれば、第1の発
明の構成とは異なり、図2に示すように、第2の期間演
算手段M18では、燃料噴射手段M8より燃料が噴射さ
れる期間とバルブオーバラップとの重なり期間が時間に
より演算される。又、第2の燃料量演算手段M19で
は、上記演算された時間に基づき、重なり期間の間に燃
料噴射手段8より噴射され燃料量が演算される。そ
して、第2の補足燃料噴射制御手段M20では、燃料の
吹き戻しのおそれの無い期間であると判断されたとき
に、上記演算された燃料量分を補足的に噴射すべく、燃
料噴射手段M8の制御が行われる。
【0018】従って、上記第1の発明の作用とは異な
り、燃料噴射の期間とバルブオーバラップとの重なり期
間が時間により決定されることから、その重なり期間に
噴射される燃料量分がより精度良く且つ簡単に求められ
る。よって、燃焼室M5に供給されるべき燃料量のう
ち、吹き戻しにより不足する燃料量分がより精度良く補
償される。
【0019】上記第3の発明の構成によれば、第1の発
明の構成とは異なり、図3に示すように、第3の期間演
算手段M21では、燃料噴射手段M8より燃料が噴射さ
れる期間とバルブオーバラップの開始時点からピストン
M2の上死点までの期間との重なり期間が演算される。
又、第3の燃料量演算手段M22では、上記演算された
時間に基づき、重なり期間の間に燃料噴射手段8より
噴射される燃料量が演算される。そして、第3の補足燃
料噴射制御手段M23では、燃料の吹き戻しのおそれの
無い期間であると判断されたときに、上記演算された燃
料量分を補足的に噴射すべく、燃料噴射手段M8の制御
が行われる。
【0020】従って、上記第1の発明の作用と同様に、
上記重なり期間に噴射される燃料量分が求められ、燃焼
室M5に供給されるべき燃料量のうち、吹き戻しにより
不足する燃料量分が補償される。これは、実質的に燃料
が吹き戻されるのがピストンM2の上死点までであるこ
とに基づいて行われる手法である。
【0021】上記第4の発明の構成によれば、第1、2
又は3の発明における第1、2又は3の燃料量演算手段
により演算される燃料量が、燃料量補正手段により、排
気の吹き返し量に基づいて補正される。
【0022】従って、第1、2又は3の発明の作用に対
して、上記重なり期間中に噴射され燃料のうち、排気
の吹き返しにより燃焼室へ吸入されないであろう燃料量
が、排気の吹き返し量を予測することにより精度良く求
められる。よって、燃焼室に供給されるべき燃料量のう
ち、吹き戻しにより不足する燃料量分がより精度良く補
償される。
【0023】上記第5の発明の構成によれば、第4の発
明の燃料量補正手段による燃料量の補正が、内燃機関の
負荷相当値に基づいて排気の吹き返し量が予測されるこ
とにより行われる。従って、第4の発明と同様の作用が
得られる。
【0024】上記第6の発明の構成によれば、第4の発
明の燃料量補正手段による燃料量の補正が、バルブオー
バラップの期間に対応するクランク軸の回転角度量に基
づいて排気の吹き返し量が予測されることにより行われ
る。従って、第4の発明と同様の作用が得れる。
【0025】
【実施例】
(第1実施例)以下、上記第1,2,4〜6の発明にお
ける内燃機関の燃料噴射量制御装置を自動車のガソリン
エンジンに具体化した第1実施例を図4〜図16に基づ
いて詳細に説明する。
【0026】図4はこの実施例における内燃機関の燃料
噴射量制御装置を含むガソリンエンジンシステムを示す
概略構成図である。内燃機関としてのエンジン1には複
数のシリンダ2が設けられている。各シリンダ2にはピ
ストン3が上下動可能にそれぞれ設けられている。ピス
トン3はクランク軸1aに連結されており、ピストン3
を上下動させることにより、クランク軸1aが回転され
る。各シリンダ2内ではピストン3の頂部に面する側が
それぞれ燃焼室4となっている。各燃焼室4には点火プ
ラグ5がそれぞれ設けられている。又、各燃焼室4に
は、吸気ポート6a及び排気ポート7aを通じて、吸気
通路6及び排気通路7がそれぞれ連通されている。吸気
ポート6a及び排気ポート7aには、開閉用の吸気バル
ブ8及び排気バルブ9がそれぞれ設けられている。これ
ら吸気バルブ8及び排気バルブ9を開閉するために、吸
気側カムシャフト10及び排気側カムシャフト11がそ
れぞれ設けられている。各カムシャフト10,11の一
端には、吸気側タイミングプーリ12、排気側タイミン
グプーリ13がそれぞれ設けられている。各タイミング
プーリ12,13は、タイミングベルト14を介してク
ランク軸1aに駆動連結されている。
【0027】従って、エンジン1の運転時には、クラン
ク軸1aからタイミングベルト14及び各タイミングプ
ーリ12,13を介して各カムシャフト10,11に回
転力が伝達され、各カムシャフト10,11の回転によ
り吸気バルブ8及び排気バルブ9が開閉される。各バル
ブ8,9は、クランク軸1aの回転及びピストン3の上
下動に同期して、即ち吸気行程、圧縮行程、爆発・膨張
行程及び排気行程よりなるエンジン1の一連の4行程に
同期して、所定の開閉タイミングで駆動される。
【0028】吸気通路6の入口側にはエアクリーナ15
が設けられている。各シリンダ2の吸気ポート6aの近
傍には、燃焼室4へ燃料を供給するための燃料噴射手段
としてのインジェクタ16がそれぞれ設けられている。
周知のように、各インジェクタ16は通電により開弁さ
れる電磁弁であり、各インジェクタ16には、図示しな
い燃料ポンプより圧送される燃料が供給される。
【0029】そして、吸気通路6にはエアクリーナ15
を通じて外気(空気)が取り込まれる。その空気の取り
込みと同時に、各インジェクタ16から燃料が噴射され
ることにより、空気と燃料との混合気が、吸入行程にお
ける吸気バルブ8の開きに同期して燃焼室4に吸入され
る。更に、エンジン1では、燃焼室4に吸入された混合
気が点火プラグ5の作動により爆発・燃焼されることに
より、ピストン3に運動力が付与され、クランク軸1a
に回転力が付与される。そして、燃焼後の既燃焼ガス
(排気ガス)は、排気行程における排気バルブ9の開き
に同期して、燃焼室4から排気ポート7aを通じて排出
され、排気通路7を通じて外部へと排出される。
【0030】吸気通路6の途中には、図示しないアクセ
ルペダルの操作に連動して開閉されるスロットルバルブ
17が設けられている。そして、このスロットルバルブ
17が開閉されることにより、吸気通路6に対する空気
の取り込み量、即ち吸気量が調節される。そのスロット
ルバルブ17の下流側には、吸気脈動を平滑化させるた
めのサージタンク18が設けられている。
【0031】エアクリーナ15の近傍には、吸気温セン
サ41が設けられている。この吸気温センサ41では、
吸気通路6における吸気の温度(吸気温)THAが検出
され、その大きさに応じた信号が出力される。スロット
ルバルブ17の近傍には、スロットルセンサ42が設け
られている。このスロットルセンサ42では、スロット
ルバルブ17の開度(スロットル開度)TAが検出さ
れ、その大きさに応じた信号が出力される。併せて、ス
ロットルセンサ42では、スロットルバルブ17が全閉
位置に配置されたときにそのことを指示するためのアイ
ドル信号IDLが出力される。更に、サージタンク18
には、吸気圧センサ43が設けられている。この吸気圧
センサ43では、サージタンク18内における吸気の圧
力(吸気圧)PMが検出され、その大きさに応じた信号
が出力される。
【0032】一方、排気通路7の途中には、排気ガスを
浄化するための三元触媒19を内蔵してなる触媒コンバ
ータ20が設けらている。又、排気通路7の途中には、
酸素センサ44が設けられている。この酸素センサ44
では、排気中の酸素濃度Oxが検出され、その大きさに
応じた信号が出力される。
【0033】エンジン1には、水温センサ45が設けら
れてい。この水温センサ45では、エンジン1の内部を
流れる冷却水の温度(冷却水温)THWが検出され、そ
の大きさに応じた信号が出力される。
【0034】各点火プラグ5には、ディストリビュータ
21にて分配された点火信号が印加される。ディストリ
ビュータ21ではイグナイタ22から出力される高電圧
がクランク軸1aの回転、即ちクランク角度に同期して
各点火プラグ5に分配される。そして、各点火プラグ5
の点火タイミングは、イグナイタ22からの高電圧出力
タイミングにより決定される。
【0035】ディストリビュータ21には、排気側カム
シャフト11に連結されて、クランク軸1aの回転に同
期して回転される図示しないロータが内蔵されている。
又、ディストリビュータ21には、回転数センサ46及
び気筒判別センサ47が設けられている。回転数センサ
46では、ロータの回転からクランク軸1aの回転数
(エンジン回転数)NEが検出され、その大きさに応じ
た信号が出力される。気筒判別センサ47では、同じく
ロータの回転に応じてクランク軸1aの基準位置(クラ
ンク角基準位置)GPが所定の割合で検出され、それに
応じた信号が出力される。この実施例では、エンジン1
の一連の4行程に対してクランク軸1aが2回転するも
のとして、回転数センサ46では1パルス当たり30°
CAの割合でクランク角度が検出され、エンジン回転数
NEを指示する信号として出力される。又、気筒判別セ
ンサ47では1パルス当たり360°CAの割合でクラ
ンク角度が検出され、クランク角基準位置GPを指示す
る信号として出力される。従って、エンジン回転数NE
及びクランク角基準位置GPの両信号を併用することに
より、各シリンダ2におけるピストン3の上下動位置が
検出可能である。
【0036】この実施例において、吸気側タイミングプ
ーリ12には、油圧により駆動される可変バルブタイミ
ング機構(以下単に「VVT」という)23が設けられ
ている。このVVT23は吸気バルブ8の開閉タイミン
グを可変にするために駆動される。
【0037】図5に示すように、VVT23は吸気側カ
ムシャフト10の先端部において、タイミングプーリ1
2と一体に設けられている。VVT23はハウジング2
4を備え、そのハウジング24の内部にカムシャフト1
0の先端が組み込まれている。又、ハウジング24の内
部において、ハウジング24とカムシャフト10との間
には、両者24,10を連結するリングギヤ25が介在
されている。リングギヤ25は環状をなし、ハウジング
24の内部においてカムシャフト10の軸方向(図5に
おける左右方向)へ往復動可能に収容されている。そし
て、ハウジング24がタイミングプーリ12と一体に回
転駆動されることにより、リングギヤ25を介してカム
シャフト10がタイミングプーリ12と一体的に回転駆
動される。又、リングギヤ25をその軸方向へ移動させ
て配置を変えることにより、タイミングプーリ12とカ
ムシャフト10との回転方向における相対位置が変更さ
れる。
【0038】この実施例では、リングギヤ25を軸方向
へ移動させるために、ハウジング24の内部においてリ
ングギヤ25の両端には二つの油圧室26,27が設け
られている。各油圧室26,27には、カムシャフト1
0等に形成された2系統の油圧供給路28,29が連通
されている。そして、各油圧室26,27には、エンジ
ン1の潤滑油を利用した油圧が供給される。即ち、図4
に示すように、オイルパン30、油圧ポンプ31及びオ
イルフィルタ32等によりエンジン1の潤滑系が構成さ
れている。そして、エンジン1の運転に連動して油圧ポ
ンプ31が駆動されることにより、オイルパン30より
潤滑油が吸い上げられて油圧ポンプ31より吐出され
る。吐出された潤滑油はオイルフィルタ32を通過した
後、所定の圧力をもってVVT23へ供給可能となって
いる。ここで、上記リングギヤ25の両端の各油圧室2
6,27へ油圧を選択的に供給するために、VVT23
とオイルパン30及びオイルフィルタ32との間におけ
る各油圧供給路28,29には、リニアソレノイドバル
ブ(LSV)33が設けられている。このLSV33は
電磁式の四方弁であり、その開度がデューティ制御され
る。LSV33が制御されることにより、VVT23に
おける各油圧室26,27に対する油圧の供給が選択的
に制御される。
【0039】そして、LSV33が制御されてリングギ
ヤ25の一端に油圧が供給されることにより、リングギ
ヤ25が一方向へ移動されながら回動して、カムシャフ
ト10に捩じりが付与される。この結果、カムシャフト
10とタイミングプーリ12との回転方向における相対
位置が変えられ、吸気バルブ8の開閉タイミングが進角
される。即ち、図6(b)に示すように、吸気バルブ8
の開き・閉じが早められ、吸気行程における吸気バルブ
8と排気バルブ9とのバルブオーバラップが大きくなる
方向へ変えられる。
【0040】一方、LSV33が制御されてリングギヤ
25の他端に油圧が供給されることにより、リングギヤ
25が反対方向へ移動されながら回動して、カムシャフ
ト10に反対方向の捩じりが付与される。この結果、吸
気バルブ8の開閉タイミングが遅角される。即ち、図6
(a)に示すように、吸気バルブ8の開き・閉じが遅ら
され、吸気行程におけるバルブオーバラップが無くなる
方向へ変えられる。
【0041】上記のようにVVT23が駆動されること
により、吸気バルブ8の開閉タイミングが変更され、吸
気バルブ8と排気バルブ9とのバルブオーバラップが変
更される。この実施例では、バルブオーバラップが、図
6(a)に示す最大遅角時の状態と、図6(b)に示す
最大進角時の大きさとの間で連続的に変更可能である。
【0042】ここで、この実施例では、図4に示すよう
に、吸気側カムシャフト10に対応して、カム回転角セ
ンサ48が設けられている。このカム回転角センサ48
では、カムシャフト10の実際の回転位相を示す回転角
(カム回転角)θCAMが所定の割合で検出され、カム
回転角θCAMを指示する信号として出力される。そし
て、図4に示すように、各インジェクタ16、イグナイ
タ22及びLSV33は電子制御装置(以下単に「EC
U」という)50に電気的に接続されている。この実施
例では、ECU50により燃料噴射制御手段、バルブタ
イミング制御手段、第1の期間演算手段、第1の燃料量
演算手段、第1の補足燃料噴射制御手段、第2の期間演
算手段、第2の燃料量演算手段、第2の補足燃料噴射制
御手段及び燃料量補正手段等が構成されている。又、E
CU50には前述した吸気温センサ41、スロットルセ
ンサ42、吸気圧センサ43、酸素センサ44、水温セ
ンサ45、回転数センサ46、気筒判別センサ47及び
カム回転角センサ48がそれぞれ接続されている。そし
て、ECU50はこれら各センサ41〜48からの出力
信号に基づき、各インジェクタ16、イグナイタ22及
びLSV33を好適に駆動制御する。又、この実施例で
は、吸気温センサ41、スロットルセンサ42、吸気圧
センサ43、酸素センサ44、回転数センサ46及び気
筒判別センサ47等により、ピストン3の上下動位置を
含むエンジン1に係る各種運転パラメータを運転状態と
して検出するための運転状態検出手段が構成されてい
る。
【0043】次に、上記のECU50に係る電気的構成
について図7のブロック図に従って説明する。ECU5
0は中央処理装置(CPU)51、所定の制御プログラ
ム等を予め記憶した読み出し専用メモリ(ROM)5
2、CPU51の演算結果等を一時記憶するためのラン
ダムアクセスメモリ(RAM)53、予め記憶されたデ
ータを保存するためのバックアップRAM54等を備え
ている。そして、ECU50はそれら各部材51〜54
と、アナログ/デジタル変換器を含む外部入力回路55
と、外部出力回路56等とをバス57により接続してな
る理論演算回路として構成されている。
【0044】外部入力回路55には、前述した各センサ
41〜48等がそれぞれ接続されている。外部出力回路
56には、各インジェクタ16、イグナイタ22及びL
SV33がそれぞれ接続されている。そして、CPU5
1は外部入力回路55を介して入力される各センサ41
〜48等の検出信号を入力値として読み込む。又、CP
U51は各センサ41〜48から読み込んだ入力値に基
づき、燃料噴射量制御、点火時期制御及びバルブタイミ
ング制御等を実行するために、各インジェクタ16、イ
グナイタ22及びLSV33等を好適に制御する。
【0045】次に、前述したECU50により実行され
る各種制御のうち、バルブタイミング制御の処理内容に
つて説明する。図8はエンジン1の運転時に、吸気バル
ブ8の開閉タイミングを変更させるためにECU50に
より実行される「バルブタイミング制御ルーチン」を示
すフローチャートである。このルーチンの処理は、所定
時間毎の定時割り込みで実行される。
【0046】処理がこのルーチンへ移行すると、ステッ
プ100において、各センサ42,43,46,48等
の検出値に基づきスロットル開度TA、吸気圧PM、エ
ンジン回転数NE及びカム回転角θCAM等に係る各入
力値を読み込む。併せて、故障診断フラグXFAILを
読込む。この故障診断フラグXFAILは別途の「故障
診断ルーチン」にて設定されるものであり、VVT23
の制御系を構成するカム回転角センサ48が正常である
場合に「0」に設定される。この実施例では、「故障診
断ルーチン」に関する詳しい説明は省略する。
【0047】続いて、ステップ101において、故障診
断フラグXFAILが「0」であるか否かを判断する。
ここで、故障診断フラグXFAILが「0」でない場合
には、カム回転角センサ48が故障しているものとし
て、通常時のバルブタイミング制御を実行することな
く、その後の処理を一旦終了する。これに対し、故障診
断フラグXFAILが「0」である場合には、カム回転
角センサ48が正常であることから、通常時のバルブタ
イミング制御を実行するものとして、ステップ102へ
移行する。
【0048】ステップ102においては、エンジン回転
数NEの入力値が所定の基準値N1よりも小さいか否か
を判断する。この基準値N1はエンジン1のアイドリン
グ時等における低い回転数に相当する。このステップ1
02の処理を実行するECU50は、エンジン1の運転
状態が低回転域にあるか否かを判断するための判断手段
に相当している。ここで、エンジン回転数NEの値が基
準値N1よりも小さい場合には、ステップ103へ移行
する。そして、ステップ103において、図6(a)に
示すようにバルブオーバラップが無くなるように、即ち
吸気バルブ8の開閉タイミングが最大遅角側のタイミン
グとなるようにLSV33をデューティ制御し、その後
の処理を一旦終了する。このステップ103の処理を実
行するECU50は、バルブオーバラップを無くすため
の制御手段に相当している。
【0049】一方、ステップ102において、エンジン
回転数NEの値が基準値N1よりも小さくない場合に
は、ステップ104へ移行する。そして、ステップ10
4において、スロットル開度TA及びエンジン回転数N
E等の入力値に基づき、現在の運転状態に応じた目標の
バルブタイミング進角値θVTAを算出する。このバル
ブタイミング進角値θVTAは、スロットル開度TA及
びエンジン回転数NE等の大きさに応じて予め定められ
た図示しない進角値マップを参照して求められる。この
ステップ104の処理を実行するECU50は、エンジ
ン1の運転状態に応じたバルブタイミングの目標値を演
算するための演算手段に相当している。
【0050】又、ステップ105においては、LSV3
3を制御するための目標制御量DVを、タイミング進角
値θVTAの算出値に基づいて算出する。この目標制御
量DVは、バルブタイミング進角値θVTAと実カム回
転角θCAMに応じて予め定められた図示しない制御量
マップを参照して求められる。このステップ105の処
理を実行するECU50は、バルブタイミングの目標値
に応じてアクチュエータであるLSV33を制御するた
めの指令値を演算するための演算手段に相当している。
【0051】そして、ステップ106において、目標制
御量DVの算出値に基づきLSV33をデューティ制御
する。この制御により、VVT23の駆動が制御され、
もってバルブオーバラップがエンジン1の運転状態に応
じて好適な状態に調整される。このステップ106の処
理を実行するECU50は、指令値に基づいてアクチュ
エータであるLSV33を駆動制御するための駆動制御
手段に相当している。
【0052】その後、ステップ107において、実際の
カム回転角θCAMの値が目標のバルブタイミング進角
値θVTAの値と一致しているか否かを判断する。そし
て、カム回転角θCAMの値がバルブタイミング進角値
θVTAの値と一致していない場合には、LSV33の
制御を継続するものとして、ステップ106へジャップ
し、ステップ106,107の処理を繰り返す。カム回
転角θCAMの値がバルブタイミング進角値θVTAと
一致している場合には、LSV33の制御を終了するも
のとして、その後の処理を一旦終了する。これらステッ
プ106,107の処理を実行するECU50は、バル
ブタイミングが目標値になるようにフィードバック制御
するためのフィードバック制御手段に相当している。
【0053】以上が通常時におけるバルブタイミング制
御の処理内容である。この実施例では、カム回転角セン
サ48より得られる実際のカム回転角θCAMに基づ
き、VVT23がフィードバック制御されることから、
バルブタイミングの制御精度を向上させることができ
る。
【0054】次に、上記のようなバルブタイミング制御
に対応して行われる燃料噴射量制御について説明する。
図9はECU50により実行される「燃料噴射量制御ル
ーチン」を示すフローチャートである。このルーチンの
処理は、各シリンダ2毎の吸気行程に対応して所定のク
ランク角度毎の割り込みで実行される。
【0055】処理がこのルーチンへ移行すると、ステッ
プ200において、各センサ41〜43,45,46等
の各検出値に基づき、吸気温THA、スロットル開度T
A、吸気圧PM、冷却水温THW及びエンジン回転数N
E等に係る各入力値を読み込む。
【0056】又、ステップ210において、空燃比補正
係数FAFを読み込む。この空燃比補正係数FAFは、
各燃焼室4における空燃比の値を所定値に収束させる空
燃比フィードバック制御のために求められるものであ
り、酸素センサ44により検出される酸素濃度Oxの値
に基づいて別途の処理ルーチンにより演算されるもので
ある。
【0057】続いて、ステップ220において、吸気圧
PM及びエンジン回転数NE等の各入力値に基づき、基
本噴射時間TIbを演算する。この基本噴射時間TIb
は、吸気圧PM及びエンジン回転数NEの関係で予め定
められた図示しない三次元マップを参照して求められ
る。この基本噴射時間TIbは、現在の運転状態に応じ
て各燃焼室4に供給されるべき基本燃料量に相当し、そ
の基本燃料量をインジェクタ16より噴射するのに要す
る時間、即ちインジェクタ16の開弁時間に相当してい
る。このステップ220の処理を実行するECU50
は、エンジン1の基本的な運転状態に応じた基本燃料量
を演算するための演算手段に相当している。
【0058】次に、ステップ230において、吸気温T
HAの入力値に基づき吸気温補正係数FTHAを演算す
る。この吸気温補正係数FTHAは、各燃焼室4に供給
されるべき基本燃料量を、吸気温THAの値に基づいて
補正するためのものであり、吸気温THAとの関係で予
め定められた図示しない二次元マップを参照して求めら
れる。このステップ230の処理を実行するECU50
は、基本燃料量を吸気温THAに応じて補正するための
補正手段に相当している。
【0059】更に、ステップ240において、冷却水温
THWの入力値に基づき冷却水温補正係数FTHWを演
算する。この冷却水温補正係数FTHWは、各燃焼室4
に供給されるべき基本燃料量を、冷却水温THWの値に
基づいて補正するためのものであり、冷却水温THWと
の関係で予め定められた図示しない二次元マップを参照
して求められる。このステップ240の処理を実行する
ECU50は、基本燃料量を冷却水温THWに応じて補
正するための補正手段に相当している。
【0060】続いて、ステップ250において、今回求
められた基本噴射時間TIb、空燃比補正係数FAF、
吸気温補正係数FTHA及び冷却水温補正係数FTHW
に基づき、各燃焼室4に供給されるべき最終的な燃料量
に相当する噴射時間TIを演算する。即ち、噴射時間T
Iは、基本噴射時間TIbに対して各補正係数FAF,
FTHA,FTHWを乗算することにより求められる。
このステップ250の処理を実行するECU50は、エ
ンジン1の各種運転状態に応じた最終的な目標燃料量を
演算するための演算手段に相当している。
【0061】そして、ステップ260において、今回求
められた噴射時間TIに基づいてインジェクタ16の開
閉タイミング及び開弁時間を制御することにより、1回
分の燃料噴射を実行する。このステップ260の処理を
実行するECU50は、最終的な目標噴射量に基づきア
クチュエータであるインジェクタ16を駆動制御するた
めの駆動制御手段に相当している。このステップ260
の処理を終了した後は、次の処理タイミングを待って再
びこのルーチンの処理を開始する。
【0062】上記の「燃料噴射量制御ルーチン」で噴射
時間が決まると、噴射開始時期が決定される。この噴射
開始時期は、基本的には、各シリンダ2における吸気行
程開始前の所定のタイミングで噴射が終了するように決
定される。そして、噴射時間が長くなってくると、前の
気筒の噴射とタイミングが重なる可能性がある。しか
し、同時に複数のインジェクタ16を開弁すると燃料圧
力の変化等により、噴射量に影響が生じるため、前の気
筒の噴射タイミングと重ならないように、噴射開始時期
が前の気筒の噴射完了後の所定タイミングとして決定さ
れる。この場合には、噴射完了は吸気行程、吸気バルブ
8の開き時期と重なることもある。
【0063】ところで、上記制御により燃料が噴射され
ている途中で、ピストン3が上死点TDCに達するより
も前に、バルブタイミング制御によりバルブオーバラッ
プが生じた場合には、既燃焼ガスが燃焼室4から吸気通
路6へ吹き返されるおそれがある。その場合、インジェ
クタ16より噴射される燃料は、既燃焼ガスの吹き返し
に伴い吸気通路6へと吹き戻されて吸気通路6の内壁に
付着することになる。つまり、噴射時間TIに基づいて
噴射された燃料の一部が燃焼室4へ供給されなくなる事
態が生じる。従って、その不足燃料量分を補足するため
の燃料噴射が必要となる。そこで、この実施例では、そ
の不足燃料量分を補足するための補足燃料噴射制御の処
理が実行される。
【0064】図10はECU50により実行される「補
足燃料噴射制御ルーチン」を示すフローチャートであ
る。このルーチンの処理は、各シリンダ2毎の吸気行程
に対応して所定のクランク角度毎の割り込みで実行され
る。
【0065】処理がこのルーチンへ移行すると、ステッ
プ300において、各センサ42,43,46〜48等
の各検出値に基づき、スロットル開度TA、吸気圧P
M、エンジン回転数NE、クランク角基準位置GP及び
カム回転角θCAM等に係る各入力値を読み込む。
【0066】続いて、ステップ301において、前述し
た「燃料噴射量制御ルーチン」にて求められた最新の噴
射時間TIを読み込む。ステップ302において、今回
読み込まれた噴射時間TIに基づき、燃料の噴射終了タ
イミングIEtをクランク角度を単位として演算する。
即ち、図11〜図13に示すように、インジェクタ16
の閉弁時期に相当する噴射終了タイミングIEtを求め
る。このステップ302の処理を実行するECU50
は、燃料噴射の終了時期を演算するための演算手段に相
当している。
【0067】又、ステップ303において、今回読み込
まれた噴射時間TIに基づき燃料の噴射開始タイミング
IStをクランク角度を単位として演算する。即ち、図
11〜図13に示すように、インジェクタ16の開弁時
期に相当する噴射開始タイミングIStを求める。この
ステップ303の処理を実行するECU50は、燃料噴
射の開始時期を演算するための演算手段に相当してい
る。
【0068】次に、ステップ304において、吸気圧P
M及びエンジン回転数NE等の各入力値に基づき、エン
ジン1の負荷状態を反映した負荷相当値GNを演算す
る。この負荷相当値GNは、吸気圧PMの値から換算さ
れる吸気量をエンジン回転数NEの値により除算するこ
とにより求められるものである。ここで、図14に示す
ように、同一のバルブオーバラップ期間に対する排気吹
き返し量は、エンジン1の負荷状態、即ち負荷相当値G
Nに応じて異なる。つまり、排気吹き返し量は負荷相当
値GNが大きくなるほど直線的に小さくなる。これは、
排気の吹き返しが排気圧力と吸気圧力との差圧の影響を
受けるため、その差圧をエンジン1の負荷で代用するこ
とが可能であるという認識に基づくものである。従っ
て、このような排気吹き返し量の違いを把握するために
負荷相当値GNが求められる。このステップ304の処
理を実行するECU50は、エンジン1の運転状態か
ら、その負荷相当値GNを演算するための演算手段に相
当している。
【0069】続いて、ステップ305において、カム回
転角θCAMの入力値に基づき、今回のバルブタイミン
グ制御により得られる吸気バルブ8の開きタイミングI
VToをクランク角度を単位として演算する。即ち、図
11〜図13に示すように、吸気バルブ8の開きタイミ
ングIVToを求める。このステップ305の処理を実
行するECU50は、実際のバルブタイミングから、そ
の開き時期を演算するための演算手段に相当している。
【0070】そして、ステップ306において、今回求
められた吸気バルブ8の開きタイミングIVTo、予め
定められた固定値としての排気バルブ9の閉じタイミン
グEVTc(クランク角度を単位とする)等の値に基づ
き、バルブオーバラップ角度VOAの値を演算する。即
ち、図11〜図13に示すように、吸気バルブ8の開き
タイミングIVToと排気バルブ9の閉じタイミングE
VTcとの間のバルブオーバラップに対応するバルブオ
ーバラップ角度VOAの値を求める。ここで、図15に
示すように、同一時間に対する排気吹き返し量は、バル
ブオーバラップ角度VOAの大きさに応じて異なる。つ
まり、排気吹き返し量はバルブオーバラップ角度VOA
が大きくなるほど二次曲線的に大きくなる。これは、各
バルブ8,9の動作特性であるバルブリフトカーブが変
化しないという前提では、バルブオーバラップが大きい
ほどそのバルブオーバラップ期間中の各バルブ8,9の
開口面積が大きくなるという認識に基づくものである。
従って、このような排気吹き返し量の違いを把握するた
めにバルブオーバラップ角度VOAが求められている。
このステップ306の処理を実行するECU50は、バ
ルブオーバラップの期間に対するクランク軸1aの回転
角度量を演算するための回転角度量演算手段に相当して
いる。
【0071】その後、ステップ307において、排気バ
ルブ9の閉じタイミングEVTc、吸気バルブ8の開き
タイミングIVTo及びインジェクタ16による噴射終
了タイミングIEt及びエンジン回転数NEに基づき、
バルブオーバラップ角度VOAの期間と噴射時間TIの
期間との重なり時間OTを演算する。即ち、図12及び
図13に示すように、吸気バルブ8の開きタイミングI
VToから噴射終了タイミングIEtまでの期間に対応
する時間を重なり時間OTとして求めるのである。即
ち、 OT=k*(IVTo−IEt)/NE として求められる。
【0072】ここで、バルブオーバラップ角度VOAの
期間と噴射時間TIの期間との重なり期間を時間により
決定するのは、エンジン1の高回転時と低回転時とで、
同一時間を要するバルブオーバラップにおいて、それに
対応するクランク角度が異なるからである。即ち、図1
6に示すように、バルブオーバラップに要する時間が同
じであっても、高回転時における所要クランク角度θA
の方が低回転時における所要クランク角度θBよりも大
きいからである。このステップ307の処理を実行する
ECU50は、バルブオーバラップの期間と燃料噴射の
期間との重なり期間を演算するための第1の期間演算手
段に相当すると共に、バルブオーバラップの期間と燃料
噴射の期間との重なり期間を時間により演算するための
第2の期間演算手段に相当している。
【0073】そして、ステップ308においては、今回
求められた重なり時間OTが「0」よりも小さいか否
か、即ちマイナスの値であるか否かを判断する。このス
テップ308の処理を実行するECU50は、バルブオ
ーバラップの期間と燃料噴射の期間とが重なっているか
否かを判断するための判断手段に相当している。ここ
で、重なり時間OTがマイナスの値でない場合には、図
11に示すように、バルブオーバラップの期間(バルブ
オーバラップ角度VOA)と噴射時間TIの期間とが互
いに重なっていないものとして、そのままその後の処理
を一旦終了する。
【0074】一方、ステップ308において、重なり時
間OTがマイナスの値である場合には、図12及び図1
3に示すように、バルブオーバラップの期間(バルブオ
ーバラップ角度VOA)と噴射時間TIの期間とが互い
に重なっているものとして、ステップ309へ移行す
る。
【0075】そして、ステップ309においては、今回
求められた重なり時間OT、バルブオーバラップ角度V
OA及び負荷相当値GN等に基づき、補足噴射時間TI
Cを演算する。即ち、バルブオーバラップの期間(バル
ブオーバラップ角度VOA)と噴射時間TIの期間との
重なり時間OTの間に、既燃焼ガスの吹き返しに伴って
吹き戻される燃料量を補足するために噴射されるべき燃
料量に相当する噴射時間を求めるのである。ここで、補
足噴射時間TICは重なり時間OTに基づいて求められ
ると共に、その演算をバルブオーバラップ角度VOA
と、負荷相当値GNとに基づいて補正することにより求
められる。補足噴射時間TICは、重なり時間OTとの
関係で予め定められた図示しないマップを参照して求め
られる。更に、その値がバルブオーバラップ角度VOA
との関係で予め定められた補正係数により補正されると
共に、負荷相当値GNとの関係で予め定められた補正係
数により補正される。このステップ309の処理を実行
するECU50は、バルブオーバラップの期間と燃料噴
射の期間との重なり期間の間に噴射される燃料量を演算
するための第1の燃料量演算手段に相当すると共に、時
間により演算された重なり期間の間に噴射される燃料量
を演算するための第2の燃料量演算手段に相当してい
る。
【0076】続いて、ステップ310において、噴射終
了タイミングIEtと吸気行程での上死点TDCとの差
αを演算する。即ち、図12及び図13に示すように、
差αを求めるのである。そして、ステップ311におい
ては、上記の差αが「0」よりも小さいか否か、即ちマ
イナスの値であるか否かを判断する。これらステップ3
10,311の処理を実行するECU50は、燃料噴射
が吸気行程での上死点TDCよりも前に終了したか否か
を判断するための判断手段に相当している。
【0077】ここで、ステップ311において、差αが
マイナスの値である場合には、図12に示すように、噴
射終了タイミングIEtが上死点TDCよりも前である
ものとして、ステップ312へ移行する。ステップ31
2においては、図12に示すように、上死点TDCのタ
イミングで、補足噴射時間TICに基づきインジェクタ
16を制御することにより、補足的な燃料の噴射を実行
し、その後の処理を一旦終了する。このステップ312
の処理を実行するECU50は、所期の燃料噴射が上死
点TDCよりも前に終了した場合に、上死点TDCに達
するのを待って補足的な燃料噴射を実行すべく、アクチ
ュエータであるインジェクタ16を駆動制御するための
駆動制御手段に相当している。
【0078】一方、ステップ311において、差αがマ
イナスの値でない場合には、図13に示すように、噴射
終了タイミングIEtが上死点TDCよりも後であるも
のとして、ステップ313へ移行する。ステップ313
においては、図13に示すように、噴射時間TIによる
噴射に継続して、噴射終了タイミングIEtより補足噴
射時間TICに基づいてインジェクタ16を制御するこ
とにより、補足的な燃料の噴射を実行し、その後の処理
を一旦終了する。このステップ313の処理を実行する
ECU50は、燃料噴射が上死点TDC又はそれ以降に
終了した場合に、所期の燃料噴射に引き続いて補足的な
燃料噴射を実行すべくアクチュエータであるインジェク
タ16を駆動制御するための駆動制御手段に相当してい
る。これら、ステップ312,313の処理を実行する
ECU50は、第1及び第2の補足燃料噴射制御手段に
相当している。
【0079】以上説明したように、この実施例によれ
ば、各種センサ41〜48の検出値に基づき、ピストン
3の上下動位置を含むエンジン1に係る各種運転パラメ
ータが運転状態として検出される。そして、ECU50
によれば、検出される各種運転パラメータに基づき、エ
ンジン1の運転状態に応じて噴射されるべき燃料量に相
当する噴射時間TIが求められる。そして、その噴射時
間TIに基づいてインジェクタ16が制御されることに
より、所要量の燃料が吸ポート6aへ向かって噴射さ
れる。又、ECU50によれば、同じく検出される各種
運転パラメータに基づき、エンジン1の運転状態に応じ
て変更されるべき吸気バルブ8のバルブタイミング進角
値θVTAが求められる。そして、そのバルブタイミン
グ進角値θVTAに基づいてVVT23が制御されるこ
とにより、吸気バルブ8の開閉タイミングが変更され、
延いては吸気バルブ8と排気バルブ9とのバルブオーバ
ラップが変更される。
【0080】ここで、噴射時間TIに基づきインジェク
タ16が制御されているときに、ECU50では、その
噴射時間TIの期間とバルブオーバラップの期間との重
なり時間OTが求められる。又、ECU50では、その
重なり時間OTと、バルブオーバラップ角度VOAと、
エンジン1の負荷相当値GNとに基づいて、補足噴射時
間TICが求められる。即ち、重なり時間OTの間にイ
ンジェクタ16より噴射され、吹き戻しにより燃焼室4
へ供給されることのな燃料量分が求められる。そし
て、ECU50では、所期の噴射時間TIに基づく燃料
噴射終了後であって、ピストン3の上死点TDCの後で
あり、且つ吸気バルブ8の開き期間であると判断された
ときに、上記の補足噴射時間TICに基づき、インジェ
クタ16の制御が行われる。つまり、吹き戻しにより燃
焼室4に供給されることのなかった燃料量分が、燃料の
吹き戻しのおそれのない期間中にインジェクタ16より
補足的に噴射される。
【0081】従って、燃焼室4に供給されるべき燃料量
のうち、吹き戻しによる不足燃料量分が補償される。そ
の結果、バルブタイミングの制御によるバルブオーバラ
ップの期間と燃料噴射の期間とが重なった際に、燃焼室
4に供給されるべき燃料量が減少して空燃比がリーン化
することを未然に防止することができる。延いては、エ
ンジン1の排気エミッションやドライバビリティの悪化
を未然に防止することができる。
【0082】しかも、この実施例では、噴射時間TIの
期間とバルブオーバラップの期間との重なり期間を時間
に換算した重なり時間OTに基づき、補足噴射時間TI
Cが求められる。従って、上記の重なり期間を単にクラ
ンク角度で決定した場合とは異なり、その重なり期間に
噴射される燃料量がより精度良く求められ、吹き戻しに
より不足する燃料量分がより精度良く補償される。その
結果、バルブオーバラップの期間と燃料噴射の期間とが
重なった際に、燃焼室4に供給されるべき燃料量が減少
して空燃比がリーン化することを、より一層確実に防止
することができる。
【0083】加えて、この実施例では、補足噴射時間T
ICを求めるために、その演算がエンジン1の負荷相当
値GNに基づいて補正される。従って、上記の重なり時
間OTの間に噴射される燃料量分、つまりは、吸気通路
6に吹き戻されて不足する燃料量分が、エンジン1の負
荷状態を反映してより精度良く求められる。即ち、吹き
戻しにより吸気通路6の内壁に付着する燃料量は、エン
ジン1の負荷状態、つまりはエンジン1の単位回転数当
たりの吸気量によっても異なる。よって、エンジン1の
負荷状態によっても補足噴射時間TICが補正されるこ
とから、燃焼室4に供給されるべき燃料量のうち、吹き
戻しにより不足する燃料量分がより一層精度良く補償さ
れる。その意味からも、燃焼室4に供給されるべき燃料
量が減少して空燃比がリーン化することを一層確実に防
止することができる。
【0084】併せて、この実施例では、補足噴射時間T
ICを求めるために、その演算がバルブオーバラップに
対応したクランク角度であるバルブオーバラップ角度V
OAの大きさに基づいて補正される。従って、上記の重
なり時間OTの間に吸気通路6に吹き戻されて不足する
燃料量分が、バルブオーバラップの間のクランク角度の
変化量の違いを反映してより精度良く求められる。よっ
て、燃焼室4に供給されるべき燃料量のうち、吹き戻し
により不足する燃料量分がより一層精度良く補償され
る。その意味からも、燃焼室4に供給されるべき燃料量
が減少して空燃比がリーン化することを一層確実に防止
することができる。
【0085】つまり、この実施例では、補足噴射時間T
ICが重なり時間OTに基づいて求められると共に、そ
の演算がバルブオーバラップ角度VOAと、負荷相当値
GNとに基づいて補正されることから、それら各パラメ
ータの相乗効果により補足噴射時間TICが極めて精度
良く求められることになる。その結果、空燃比のリーン
化を極めて正確に、且つ適正に防止することができる。
その意味から、エンジン1の排気エミッションやドライ
バビリティの悪化をより一層確実に防止することができ
る。
【0086】又、この実施例では、補足噴射時間TIC
に基づく燃料噴射が、吸気バルブ8の開き期間中に行わ
れることから、その間は、霧状の燃料が燃焼室4へ直接
供給されることになる。従って、燃焼室4では、補足的
に供給された霧状燃料が気化することになり、その気化
熱により燃焼室4内の温度が下がり、空気の充填効率が
向上する。その意味から、ノッキングの抑制を図ること
ができ、エンジン1の出力を向上させることができる。
特に、バルブオーバラップが大きい場合には、高温の既
燃焼ガスが吸気通路6へ吹き返されることになり、上死
点TDCの後に燃焼室4に吸入される混合気の温度も高
くなる。その意味から、上記ノッキングの抑制は有効な
ものである。
【0087】更に、この実施例では、エンジン1の運転
状態に応じてバルブオーバラップが適度に調整されるこ
とから、燃焼室4での空気の充填効率が必要に応じて高
められることになる。その結果、特にエンジン1の高負
荷・高速域では、エンジン1の出力増大を有効に図るこ
とができる。又、バルブオーバラップの適度な調整によ
り、燃焼室4より排出されるべき排気ガスが必要に応じ
て適度な量だけ燃焼室4に再吸入される。即ち、エンジ
ン1の内部EGRが適度に行われる。その結果、エンジ
ン1の運転負荷域に応じて排気ガス中の窒素酸化物を適
宜に低減させることができ、内部EGRにより有効な排
気浄化を図ることができる。
【0088】加えて、この実施例では、アイドリング状
態のようにエンジン1が低負荷状態にある場合には、バ
ルブオーバラップが無くなるようにVVT23の駆動が
制御される。このため、低負荷状態において、バルブオ
ーバラップが大き過ぎて燃焼室4から吸気ポート6aへ
排気の吹き返しが起こることがなくなり、低負荷状態に
エンジン1の運転が不安定になることはない。
【0089】(第2実施例)次に、上記第3〜6の発明
における内燃機関の燃料噴射量制御装置を自動車のガソ
リンエンジンに具体化した第2実施例を図17及び図1
8に基づいて説明する。尚、この実施例において前記第
1実施例と同じ構成については、同一の符号を付して説
明を省略し、以下には特に異なった点を中心に説明す
る。
【0090】この実施例では、ECU50により燃料噴
射制御手段、バルブタイミング制御手段、第3の期間演
算手段、第3の燃料量演算手段及び第3の補足燃料噴射
制御手段が構成されている。又、この実施例では、前記
第1実施例と「補足燃料噴射量制御ルーチン」の処理内
容の点で異なっている。
【0091】即ち、図18に示すフローチャートはこの
実施例における「補足燃料噴射制御ルーチン」の処理内
容を示すものであり、前記第1実施例における図10の
フローチャートと基本的に同じである。そして、この実
施例のフローチャートでは、そのステップ400の処理
内容のみが、図10のフローチャートにおけるステップ
307の処理内容と異なっている。つまり、図10のス
テップ307では、排気バルブ9の閉じタイミングEV
Tc、吸気バルブ8の開きタイミングIVTo及びイン
ジェクタ16による噴射終了タイミングIEtに基づ
き、バルブオーバラップ角度VOAの期間と噴射時間T
Iの期間との重なり時間OTを演算した。これに対し
て、この実施例では、図18のステップ400におい
て、上死点TDC、吸気バルブ8の開きタイミングIV
To及びインジェクタ16による噴射終了タイミングI
Etに基づき、バルブオーバラップ角度VOAの期間と
噴射時間TIの期間との重なり時間OTを演算するよう
にしている。即ち、図17に示すように、バルブオーバ
ラップにおける吸気バルブ8の開きタイミングIVTo
から上死点TDCまでの期間βに対する噴射時間TIの
期間の重なり時間OTが求められる。このように、重な
り時間OTを限定した期間で求めるのは、バルブオーバ
ラップにおける既燃焼ガスの吹き返しが、吸気行程前の
排気行程でピストン3が上死点TDCに達するまでの間
だけで起こるからであり、上死点TDC以降は問題にす
る必要がないからである。このステップ400の処理を
実行するECU50は、バルブオーバラップ開始時点か
らピストン3の上死点TDCまでの期間と燃料噴射の期
間との重なり期間を演算するための第3の期間演算手段
に相当している。
【0092】従って、この実施例においても、前記第1
実施例と同様の作用及び効果を得ることができる。尚、
この発明は次のような別の実施例に具体化することもで
きる。以下の各実施例においても、前記各実施例と同様
の作用及び効果を得ることができる。
【0093】(1)前記各実施例では、所期の噴射時間
TIに基づいて実行される燃料噴射の期間と、バルブタ
イミング制御によるバルブオーバラップの期間との重な
り期間を重なり時間OTとして時間により決定した。こ
れに対し、その重なり期間を単にクランク角度により決
定してもよい。
【0094】(2)前記各実施例では、補足噴射時間T
ICを重なり時間OTに基づいて求めると共に、その演
算をバルブオーバラップ角度VOAと、負荷相当値GN
とに基づいて補正した。これに対し、次のような構成と
することもできる。
【0095】即ち、補足噴射時間TICを重なり時間O
Tに基づいて求めると共に、その演算をバルブオーバラ
ップ角度VOA、又は、負荷相当値GNに基づいて補正
すること。
【0096】補足噴射時間TICを単に重なり時間OT
のみに基づいて求めること。この場合は、バルブオーバ
ラップ角度VOAや負荷相当値GNによる補正がない分
だけ多少の精度低下はみられるものの、前記各実施例と
ほぼ同等の作用及び効果を得ることができる。
【0097】補足噴射時間TICを単にクランク角度に
より決定される重なり期間に基づいて求めると共に、そ
の演算をバルブオーバラップ角度VOAと、負荷相当値
GNとに基づいて補正すること。
【0098】補足噴射時間TICを単にクランク角度に
より決定される重なり期間に基づいて求めると共に、そ
の演算をバルブオーバラップ角度VOA、又は、負荷相
当値GNに基づいて補正すること。
【0099】補足噴射時間TICを単にクランク角度に
より決定される重なり期間のみに基づいて求めること。
この場合は、重なり期間が時間により決定されない分
と、バルブオーバラップ角度VOAや負荷相当値GNに
よる補正がない分だけ多少の精度の低下はみられるもの
の、前記各実施例とほぼ同等の作用及び効果を得ること
ができる。
【0100】(3)前記各実施例では、カム回転角セン
サ48により検出されるカム回転角θCAMに基づいて
吸気バルブ8の開きタイミングIVToを演算するよう
にした。これに対し、VVT23を制御するための指令
値としてのバルブタイミング進角値θVTAに基づいて
吸気バルブ8の開きタイミングIVToを演算するよう
にしてもよい。この場合は、カム回転角センサ48を省
略することも可能となり、その分だけバルブタイミング
制御の構成を簡略化することができる。
【0101】(4)前記各実施例では、吸気側のカムシ
ャフト10に設けられたVVT23により吸気バルブ8
の開閉タイミングのみを変更することにより、バルブオ
ーバラップを調整するようにした。これに対し、排気側
のカムシャフト11にVVTを設け、そのVVTにより
排気バルブ9の開閉タイミングのみを変更することによ
り、バルブオーバラップを調整するようにしてもよい。
或いは、吸気側及び排気側の両カムシャフト10,11
にVVTをそれぞれ設け、それら各VVTにより吸気バ
ルブ8、排気バルブ9の開閉タイミングをそれぞれ変更
することにより、バルブオーバラップを調整するように
してもよい。この場合も、前記各実施例と同等の作用及
び効果を得ることができる。特に、排気側のカムシャフ
ト11のみにVVTを設けた場合には、図10に示すス
テップ307、図18に示すステップ400の各処理
で、閉じタイミングEVTcを用いて重なり時間OTを
求めることとなる。
【0102】(5)前記各実施例では、油圧により駆動
されるVVT23を用いたが、ステップモータ等の電気
的なアクチュエータにより駆動されるVVTを用いても
よい。この場合も、前記各実施例と同等の作用及び効果
を得ることができる。
【0103】(6)前記各実施例では、吸気バルブ8の
開閉タイミングを、所定の最進角側から最遅角側の範囲
内で連続的に変更可能なVVT23を適用したが、これ
に限られるものではなく、吸気バルブの開閉タイミング
を所定の最進角側から最遅角側の範囲内で二段階に切換
え可能なVVTを適用するようにしてもよい。この場合
も、前記各実施例と同等の作用及び効果を得ることがで
きる。
【0104】(7)前記各実施例では、前記補足燃料量
(補足噴射時間TIC)を演算により求めたが、前記重
なり期間中にセンサにより検出される燃料流量により補
足燃料量を演算するようにしてもよい。
【0105】(8)前記各実施例では、負荷相当値GN
により補正することにより補足燃料量(補足噴射時間T
IC)を演算したが、排気圧と吸気圧との差圧により補
正することにより補足燃料量を演算してもよい。
【0106】(9)前記補足燃料量(補足噴射時間TI
C)を演算するのに、燃料状態を示す各種パラメータ
(温度、圧力、燃料の種類等)を用いてもよい。これ
は、燃料が霧化状態にある場合に、上記各種パラメータ
の違いに起因して、燃料の吹き戻しにより壁面に付着す
る燃料量が変化する可能性があるからである。
【0107】(10)前記重なり時間OTの時期により
補足燃料量(補足噴射時間TIC)を補正しても良い。
これは、同じ重なり時間OTでも、その重なり時間OT
の生じた時期により、排気の吹き返しによる燃料の吹き
戻しの程度が変化するためである。
【0108】(11)前記各実施例では、バルブオーバ
ラップの期間中にも燃料を噴射し続けたが、正規の燃料
噴射行程中でも、バルブオーバラップと同時に一旦、燃
料の噴射を停止させ、吸気上死点の後に噴射を再開する
ことも可能である。
【0109】以下に、この発明の各実施例から把握でき
る請求項以外の技術的思想について、それらの効果と共
に記載する。 (イ)請求項1に記載した第1の発明において、前記第
1の燃料量演算手段により演算される燃料量を、前記内
燃機関の負荷相当値に基づいて補正すると共に、前記バ
ルブオーバラップの期間に対応する前記クランク軸の回
転角度量に基づいて補正するようにした内燃機関の燃料
噴射量制御装置。
【0110】この構成によれば、バルブタイミングの制
御によるバルブオーバラップの期間と燃料噴射の期間と
が重なった際に、燃焼室に供給されるべき燃料量が減少
して空燃比がリーン化することを極めて正確に且つ適正
に防止することができる。
【0111】(ロ)請求項2に記載した第2の発明にお
いて、前記第2の燃料量演算手段により演算される燃料
量を、前記内燃機関の負荷相当値に基づいて補正すると
共に、前記バルブオーバラップの期間に対応する前記ク
ランク軸の回転角度量に基づいて補正するようにした内
燃機関の燃料噴射量制御装置。
【0112】この構成によれば、バルブタイミングの制
御によるバルブオーバラップの期間と燃料噴射の期間と
が重なった際に、燃焼室に供給されるべき燃料量が減少
して空燃比がリーン化することを極めて正確に且つ適正
に防止することができる。
【0113】(ハ)請求項3に記載した第3の発明にお
いて、前記第3の燃料量演算手段により演算される燃料
量を、前記内燃機関の負荷相当値に基づいて補正すると
共に、前記バルブオーバラップの期間に対応する前記ク
ランク軸の回転角度量に基づいて補正するようにした内
燃機関の燃料噴射量制御装置。この構成によれば、バル
ブタイミングの制御によるバルブオーバラップの期間と
燃料噴射の期間とが重なった際に、燃焼室に供給される
べき燃料量が減少して空燃比がリーン化することを極め
て正確に且つ適正に防止することができる。
【0114】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1に記載の
第1の発明によれば、内燃機関の運転状態に応じて燃料
噴射手段を制御すると共に、内燃機関の運転状態に応じ
て可変バルブタイミング機構を制御する。その際、燃料
噴射手段より燃料が噴射される期間と、可変バルブタイ
ミング機構の制御によるバルブオーバラップとの重なり
期間を求め、その重なり期間の間に噴射され燃料量分
を演算する。そして、燃料噴射手段からの燃料噴射終了
後であって、ピストンの上死点後の吸気バルブの開き期
間中、即ち燃料の吹き戻しのおそれの無い期間中に、上
記重なり期間に対応して演算された燃料量分を燃料噴射
手段より補足的に噴射するようにしている。
【0115】従って、燃焼室に供給されるべき燃料量の
うち、吹き戻しにより不足する燃料量分が補償される。
その結果、バルブタイミングの制御によるバルブオーバ
ラップの期間と燃料噴射の期間とが重なった際に、燃焼
室に供給されるべき燃料量が減少して空燃比がリーン化
することを未然に防止することができるという優れた効
果を発揮する。
【0116】請求項2に記載の第2の発明によれば、内
燃機関の運転状態に応じて燃料噴射手段を制御すると共
に、内燃機関の運転状態に応じて可変バルブタイミング
機構を制御する。その際、燃料噴射手段より燃料が噴射
される期間と、可変バルブタイミング機構の制御による
バルブオーバラップとの重なり期間を時間により決定し
て求め、その重なり期間の間に噴射され燃料量分を演
算する。そして、燃料噴射手段からの燃料噴射終了後で
あって、ピストンの上死点後の吸気バルブの開き期間中
に、上記重なり期間に対応して演算された燃料量分を燃
料噴射手段より補足的に噴射するようにしている。
【0117】従って、第1の発明の作用とは異なり、上
記重なり期間が時間により決定されることから、その重
なり期間に噴射される燃料量分がより精度良く求めら
れ、燃焼室に供給されるべき燃料量のうち、吹き戻しに
より不足する燃料量分がより精度良く補償される。その
結果、バルブタイミングの制御によるバルブオーバラッ
プの期間と燃料噴射の期間とが重なった際に、燃焼室に
供給されるべき燃料量が減少して空燃比がリーン化する
ことを、より一層確実に防止することができるという優
れた効果を発揮する。
【0118】請求項3に記載の第3の発明によれば、内
燃機関の運転状態に応じて燃料噴射手段を制御すると共
に、内燃機関の運転状態に応じて可変バルブタイミング
機構を制御する。その際、燃料噴射手段より燃料が噴射
される期間と、バルブオーバラップの開始時点からピス
トンの上死点までの期間との重なり期間を求め、その重
なり期間の間に噴射され燃料量分を演算する。そし
て、燃料噴射手段からの燃料噴射終了後であって、ピス
トンの上死点後の吸気バルブの開き期間中に、上記重な
り期間に対応して演算された燃料量分を燃料噴射手段よ
り補足的に噴射するようにしている。
【0119】従って、燃焼室に供給されるべき燃料量の
うち、吹き戻しにより不足する燃料量分が補償される。
その結果、バルブタイミングの制御によるバルブオーバ
ラップの期間と燃料噴射の期間とが重なった際に、燃焼
室に供給されるべき燃料量が減少して空燃比がリーン化
することを未然に防止することができるという優れた効
果を発揮する。
【0120】請求項4に記載の第4の発明によれば、第
1、2又は3の発明の構成において、第1、2又は3の
燃料量演算手段により演算される燃料量を、バルブオー
バラップの期間中に燃焼室から吸気通路へ吹き返される
排気の量に基づいて補正するようにしている。
【0121】従って、第1、2又は3の発明の作用に対
して、上記重なり期間中に燃焼室へ吸入されないであろ
う燃料量が、排気の吹き返し量を予測することにより精
度良く求められ、燃焼室に供給されるべき燃料量のう
ち、吹き戻しにより不足する燃料量分が補償される。そ
の結果、バルブタイミングの制御によるバルブオーバラ
ップの期間と燃料噴射の期間とが重なった際に、燃焼室
に供給されるべき燃料量が減少して空燃比がリーン化す
ることを、より一層確実に防止することができるという
優れた効果を発揮する。
【0122】請求項5に記載の第5の発明によれば、第
4の発明の燃料量補正手段による燃料量の補正が、内燃
機関の負荷相当値に基づき排気の吹き返し量を予測する
ことにより行われる。その結果、バルブタイミングの制
御によるバルブオーバラップの期間と燃料噴射の期間と
が重なった際に、燃焼室に供給されるべき燃料量が減少
して空燃比がリーン化することを、より一層確実に防止
することができるという優れた効果を発揮する。
【0123】請求項6に記載の第6の発明によれば、第
4の発明の燃料量補正手段による燃料量の補正が、バル
ブオーバラップの期間に対応するクランク軸の回転角度
量に基づいて排気吹き返し量を予測することにより行わ
れる。その結果、バルブタイミングの制御によるバルブ
オーバラップの期間と燃料噴射の期間とが重なった際
に、燃焼室に供給されるべき燃料量が減少して空燃比が
リーン化することを、より一層確実に防止することがで
きるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の基本的な概念構成を示す概念構成
図である。
【図2】第2の発明の基本的な概念構成を示す概念構成
図である。
【図3】第3の発明の基本的な概念構成を示す概念構成
図である。
【図4】第1,2,4〜6の発明を具体化した第1実施
例において、内燃機関の燃料噴射量制御装置を含むガソ
リンエンジンシステムを示す概略構成図である。
【図5】第1実施例において、VVT等を示す側面図で
ある。
【図6】第1実施例において、吸気バルブと排気バルブ
とのバルブオーバラップを示す説明図である。
【図7】第1実施例において、ECU等の構成を示すブ
ロック図である。
【図8】第1実施例において、ECUにより実行される
「バルブタイミング制御ルーチン」を示すフローチャー
トである。
【図9】第1実施例において、ECUにより実行される
「燃料噴射量制御ルーチン」を示すフローチャートであ
る。
【図10】第1実施例において、ECUにより実行され
る「補足燃料噴射制御ルーチン」を示すフローチャート
である。
【図11】第1実施例において、排気バルブの開閉、吸
気バルブの開閉及びインジェクタの開閉の関係を説明す
る線図である。
【図12】第1実施例において、同じく排気バルブの開
閉、吸気バルブの開閉及びインジェクタの開閉の関係を
説明する線図である。
【図13】第1実施例において、同じく排気バルブの開
閉、吸気バルブの開閉及びインジェクタの開閉の関係を
説明する線図である。
【図14】第1実施例において、負荷相当値と、同一バ
ルブオーバラップ期間に対する排気(既燃焼ガス)吹き
返し量との関係を示すグラフである。
【図15】第1実施例において、バルブオーバラップ角
度と、同一時間に対する排気(既燃焼ガス)吹き返し量
との関係を示すグラフである。
【図16】第1実施例において、高回転時のバルブオー
バラップと低回転時のバルブオーバラップとを比較して
示すタイムチャートである。
【図17】第3〜6の発明を具体化した第2実施例にお
いて、排気バルブの開閉、吸気バルブの開閉及びインジ
ェクタの開閉の関係を説明する線図である。
【図18】第2実施例において、ECUにより実行され
る「補足燃料噴射制御ルーチン」を示すフローチャート
である。
【符号の説明】
1…内燃機関としてのエンジン、1a…クランク軸、2
…シリンダ、3…ピストン、4…燃焼室、6…吸気通
路、7…排気通路、8…吸気バルブ、9…排気バルブ、
16…燃料噴射手段としてのインジェクタ、23…可変
バルブタイミング機構(VVT)、41…吸気温セン
サ、42…スロットルセンサ、43…吸気圧センサ、4
5…水温センサ、46…回転数センサ、47…気筒判別
センサ(41〜47等により運転状態検出手段が構成さ
れている)、50…ECU(50により燃料噴射制御手
段、バルブタイミング制御手段、第1の期間演算手段、
第1の燃料量演算手段、第1の補足燃料噴射制御手段、
第2の期間演算手段、第2の燃料量演算手段、第2の補
足燃料噴射制御手段、第3の期間演算手段、第3の燃料
量演算手段、第3の補足燃料噴射制御手段及び燃料量補
正手段が構成されている)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 千詞 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車 株式会社 内 (72)発明者 曽根 茂 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車 株式会社 内 (72)発明者 後藤 淳史 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車 株式会社 内 (56)参考文献 特開 平4−339153(JP,A) 特開 平5−231223(JP,A) 特開 平4−303141(JP,A) 特開 昭63−97842(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/00 - 41/40 F02D 13/02 F02D 43/00 301

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ内にてピストンを上下動させる
    ことによりクランク軸を回転させるようにした内燃機関
    と、 前記シリンダ内にて前記ピストンの頂部に面して形成さ
    れ、前記ピストンに運動力を付与すべく燃料を燃焼させ
    るための燃焼室と、 前記燃焼室に通じて設けられた吸気通路及び排気通路
    と、 前記燃焼室へ燃料を供給すべく前記吸気通路に燃料を噴
    射するための燃料噴射手段と、 前記クランク軸の回転及び前記ピストンの上下動に同期
    して所定のタイミングで駆動され、前記燃焼室に通じる
    前記吸気通路及び前記排気通路をそれぞれ開閉するため
    の吸気バルブ及び排気バルブと、 前記吸気バルブ及び前記排気バルブの少なくとも一方の
    開閉タイミングを可変とするために駆動される可変バル
    ブタイミング機構と、 前記ピストンの上下動位置を含む前記内燃機関に係る各
    種運転パラメータを運転状態として検出するための運転
    状態検出手段と、 前記内燃機関の運転状態に応じた所要量の燃料を前記燃
    焼室へ供給すべく、前記運転状態検出手段の検出結果に
    基づいて前記燃料噴射手段を制御するための燃料噴射制
    御手段と、 前記内燃機関の運転状態に応じてバルブタイミングを変
    更すべく、前記運転状態検出手段の検出結果に基づいて
    前記可変バルブタイミング機構を制御するためのバルブ
    タイミング制御手段とを備えた内燃機関の燃料噴射量制
    御装置において、 前記燃料噴射制御手段により前記燃料噴射手段が制御さ
    れているときに、その燃料噴射手段より燃料が噴射さ
    期間と前記バルブタイミング制御手段により前記可変
    バルブタイミング機構が制御されることにより生じる前
    記吸気バルブ及び前記排気バルブのバルブオーバラップ
    との重なり期間を演算する第1の期間演算手段と、前記燃料噴射手段により噴射される燃料量のうち、前記
    第1の期間演算手段により演算された重なり期間の間に
    噴射される燃料量を演算する第1の燃料量演算手段と、 前記燃料噴射制御手段の制御により前記燃料噴射手段か
    らの燃料噴射が終了した後であり、前記運転状態検出手
    段により検出される前記ピストンの上死点後であり、且
    つ、前記バルブタイミング制御手段の制御により前記吸
    気バルブが開かれている期間であると判断したときに、
    前記第1の燃料量演算手段により演算される燃料量分を
    補足的に噴射すべく、前記燃料噴射手段を制御する第
    の補足燃料噴射制御手段とを備えたことを特徴とする内
    燃機関の燃料噴射量制御装置。
  2. 【請求項2】 シリンダ内にてピストンを上下動させる
    ことによりクランク軸を回転させるようにした内燃機関
    と、 前記シリンダ内にて前記ピストンの頂部に面して形成さ
    れ、前記ピストンに運動力を付与すべく燃料を燃焼させ
    るための燃焼室と、 前記燃焼室に通じて設けられた吸気通路及び排気通路
    と、 前記燃焼室へ燃料を供給すべく前記吸気通路に燃料を噴
    射するための燃料噴射手段と、 前記クランク軸の回転及び前記ピストンの上下動に同期
    して所定のタイミングで駆動され、前記燃焼室に通じる
    前記吸気通路及び前記排気通路をそれぞれ開閉するため
    の吸気バルブ及び排気バルブと、 前記吸気バルブ及び前記排気バルブの少なくとも一方の
    開閉タイミングを可変とするために駆動される可変バル
    ブタイミング機構と、 前記ピストンの上下動位置及び前記クランク軸の回転角
    度を含む前記内燃機関に係る各種運転パラメータを運転
    状態として検出するための運転状態検出手段と、 前記内燃機関の運転状態に応じた所要量の燃料を前記燃
    焼室へ供給すべく、前記運転状態検出手段の検出結果に
    基づいて前記燃料噴射手段を制御するための燃料噴射制
    御手段と、 前記内燃機関の運転状態に応じてバルブタイミングを変
    更すべく、前記運転状態検出手段の検出結果に基づいて
    前記可変バルブタイミング機構を制御するためのバルブ
    タイミング制御手段と を備えた内燃機関の燃料噴射量制御装置において、 前記燃料噴射制御手段により前記燃料噴射手段が制御さ
    れているときに、その燃料噴射手段より燃料が噴射さ
    期間と前記バルブタイミング制御手段により前記可変
    バルブタイミング機構が制御されることにより生じる前
    記吸気バルブ及び前記排気バルブのバルブオーバラップ
    との重なり期間を時間により演算する第2の期間演算手
    段と、前記燃料噴射手段により噴射される燃料量のうち、前記
    第2の期間演算手段により演算された重なり期間の間に
    噴射される燃料量を演算する第2の燃料量演算手段と、 前記燃料噴射制御手段の制御により前記燃料噴射手段か
    らの燃料噴射が終了した後であり、前記運転状態検出手
    段により検出される前記ピストンの上死点後であり、且
    つ、前記バルブタイミング制御手段の制御により前記吸
    気バルブが開かれている期間であると判断したときに、
    前記第2の燃料量演算手段により演算される燃料量分を
    補足的に噴射すべく、前記燃料噴射手段を制御する第
    の補足燃料噴射制御手段とを備えたことを特徴とする内
    燃機関の燃料噴射量制御装置。
  3. 【請求項3】 シリンダ内にてピストンを上下動させる
    ことによりクランク軸を回転させるようにした内燃機関
    と、 前記シリンダ内にて前記ピストンの頂部に面して形成さ
    れ、前記ピストンに運動力を付与すべく燃料を燃焼させ
    るための燃焼室と、 前記燃焼室に通じて設けられた吸気通路及び排気通路
    と、 前記燃焼室へ燃料を供給すべく前記吸気通路に燃料を噴
    射するための燃料噴射手段と、 前記クランク軸の回転及び前記ピストンの上下動に同期
    して所定のタイミングで駆動され、前記燃焼室に通じる
    前記吸気通路及び前記排気通路をそれぞれ開閉するため
    の吸気バルブ及び排気バルブと、 前記吸気バルブ及び前記排気バルブの少なくとも一方の
    開閉タイミングを可変とするために駆動される可変バル
    ブタイミング機構と、 前記ピストンの上下動位置及び前記クランク軸の回転角
    度を含む前記内燃機関に係る各種運転パラメータを運転
    状態として検出するための運転状態検出手段と、 前記内燃機関の運転状態に応じた所要量の燃料を前記燃
    焼室へ供給すべく、前記運転状態検出手段の検出結果に
    基づいて前記燃料噴射手段を制御するための燃料噴射制
    御手段と、 前記内燃機関の運転状態に応じてバルブタイミングを変
    更すべく、前記運転状態検出手段の検出結果に基づいて
    前記可変バルブタイミング機構を制御するためのバルブ
    タイミング制御手段とを備えた内燃機関の燃料噴射量制
    御装置において、 前記燃料噴射制御手段により前記燃料噴射手段が制御さ
    れているときに、その燃料噴射手段より燃料が噴射さ
    期間と前記バルブタイミング制御手段により前記可変
    バルブタイミング機構が制御されることにより生じる前
    記吸気バルブ及び前記排気バルブのバルブオーバラップ
    の開始時点から前記運転状態検出手段により検出される
    前記ピストンの上死点までの期間との重なり期間を演算
    する第3の期間演算手段と、前記燃料噴射手段により噴射される燃料量のうち、前記
    第3の期間演算手段に より演算された重なり期間の間に
    噴射される燃料量を演算する第3の燃料量演算手段と、 前記燃料噴射制御手段の制御により前記燃料噴射手段か
    らの燃料噴射が終了した後であり、前記運転状態検出手
    段により検出される前記ピストンの上死点後であり、且
    つ、前記バルブタイミング制御手段の制御により前記吸
    気バルブが開かれている期間であると判断したときに、
    前記第3の燃料量演算手段により演算される燃料量分を
    補足的に噴射すべく、前記燃料噴射手段を制御する第
    の補足燃料噴射制御手段とを備えたことを特徴とする内
    燃機関の燃料噴射量制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3に記載の内燃機関の
    燃料噴射量制御装置において、前記第1、2又は3の燃
    料量演算手段により演算される燃料量を、前記バルブオ
    ーバラップの期間中に前記燃焼室から前記吸気通路へ吹
    き返される排気の量に基づいて補正するための燃料量補
    正手段を設けたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射量
    制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の内燃機関の燃料噴射量
    制御装置において、前記燃料量補正手段が前記内燃機関
    の負荷相当値に基づいて補正を行うことを特徴とする内
    燃機関の燃料噴射量制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の内燃機関の燃料噴射量
    制御装置において、前記燃料量補正手段が前記バルブオ
    ーバラップの期間に対応する前記クランク軸の回転角度
    量に基づいて補正を行うことを特徴とする内燃機関の燃
    料噴射量制御装置。
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