JP3391082B2 - 車両の高度検出装置 - Google Patents

車両の高度検出装置

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JP3391082B2 JP03506994A JP3506994A JP3391082B2 JP 3391082 B2 JP3391082 B2 JP 3391082B2 JP 03506994 A JP03506994 A JP 03506994A JP 3506994 A JP3506994 A JP 3506994A JP 3391082 B2 JP3391082 B2 JP 3391082B2
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    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、内燃機関を搭載した
車両の使用環境における高度を検出するようにした高度
検出装置に係る。詳しくは、内燃機関の運転状態に基づ
いて高度検出を行うようにした車両の高度検出装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、高度(標高)により空気密度が
異なることから、内燃機関を搭載した車両では、その使
用環境における高度に合わせて、即ち空気密度の違いに
合わせて内燃機関の基本制御を行うことが望ましい。こ
の種の制御により、高度の違いにかかわらず、内燃機関
に係る所期の出力性能を確保し、車両に係る所期の走行
性能を確保することが可能である。
【0003】上記の車両で高度を検出するには、一般に
高度の代用値としての大気圧を検出する気圧計を用いる
ことが考えられる。しかし、車両に特別な気圧計を設け
ることは、それだけで部品点数を増大させることにな
り、構成上望ましくない。
【0004】そこで、特別な気圧計を設けることなく車
両の高度(高地)を検出するようにした技術が、特開平
3−185250号公報に開示されている(以下、この
技術を「第1の従来技術」という)。第1の従来技術で
は、内燃機関の運転状態を反映した各種運転パラメー
タ、即ち吸気通路におけるスロットルバルブの開度(ス
ロットル開度)の検出値、内燃機関の出力回転数(機関
回転数)の検出値、吸気通路における吸入空気量の検出
値の関係から、車両が高地にあるか否かの判断が行われ
ている。同様の技術思想で、スロットル開度の検出値、
機関回転数の検出値、吸気通路における吸気圧の検出値
の関係から、高地にあるか否かの判断を行うことも可能
である。
【0005】一方、内燃機関では、そのスロットルバル
ブとは別に、燃焼室に対する吸入空気量の充填効率を可
変とする手段を設けたものが挙げられる。例えば、吸入
空気量の充填効率を、内燃機関の燃費或いは出力性能の
向上を狙って可変とする手段としては、内燃機関の吸・
排気バルブの開閉タイミングを可変とするための可変バ
ルブタイミング機構(VVT)が挙げられる。又、同等
の目的で、吸気通路(吸気管)の長さ又は径を切り換え
るようにした可変吸気システム(ACIS)等が挙げら
れる。そして、この種の手段を備えた内燃機関にも、第
1の従来技術における高度(高地)検出装置を適用する
ことが考えられる。
【0006】例えば、特開平4−159426号公報で
は、吸気バルブの開閉タイミングを連続的に可変とする
VVTを備えた内燃機関において、吸気圧の検出値から
高度を検出することが開示されている(以下、この技術
を「第2の従来技術」という)。即ち、第2の従来技術
では、内燃機関の基本制御にも使用可能な吸気圧センサ
等の検出手段が吸気通路に設けられている。そして、電
子制御装置(ECU)では、イグニッションスイッチが
オンされた直後に、内燃機関が低回転であって、スロッ
トルバルブが全開であるときに、吸気圧が大気圧に等し
いものとして、吸気圧センサにより検出される吸気圧が
取り込まれる。つまり、内燃機関の始動直後のある条件
で吸気圧の検出値が取り込まれる。又、その検出値に基
づき、大気圧の高低に応じて内燃機関に供給されるべき
燃料噴射量が制御される。即ち、大気圧が空気密度を反
映したパラメータとして取り込まれ、燃料噴射量制御に
関する高度補正が行われる。ここで、上記のように限定
された運転条件でのみ大気圧が検出されるのは、上記の
運転条件では、VVTの制御状態にかかわらず大気圧が
適正に検出されるからである。
【0007】同様の技術思想で、エアフローメータ等に
より検出される吸入空気量の値に基づいて大気圧を検出
することも可能である。又、検出された大気圧の値を高
度に換算することも可能である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記第
2の従来技術では、極めて限られた運転条件でしか大気
圧が検出されないことから、大気圧の検出機会が限られ
るという問題があった。他の運転条件、例えば内燃機関
が適度に回転している車両走行中に、吸気圧より大気圧
を検出することも考えられるが、この場合には、VVT
の制御状態によって吸気圧の検出値が異なってしまう。
従って、第2の従来技術では、限られた運転条件以外で
大気圧を適正に検出することが困難であった。
【0009】一方、第2の従来技術とは異なり、吸気圧
センサに代わってエアフローメータを用いたシステムで
も、同様の問題が考えられる。又、VVTに代わって可
変吸気システムを有する内燃機関でも、同様の問題が考
えられる。
【0010】この発明は前述した事情に鑑みてなされた
ものであって、燃焼室に対する空気の充填効率を運転状
態に応じて可変とする手段を有する内燃機関を搭載した
車両において、特別な気圧計を用いることなく内燃機関
の運転状態に基づいて高度検出を行うようにした高度検
出装置を前提としている。そして、この発明の目的は、
充填効率を可変とする手段の制御状態にかかわらず、高
度検出を任意のタイミングで比較的頻繁に行うことを可
能にした車両の高度検出装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の第1の発明においては、図1に
示すように、内燃機関M1を搭載した車両M2の使用環
境における高度を検出するようにした高度検出装置であ
って、内燃機関M1の燃焼室M3に空気を供給するため
の吸気通路M4と、吸気通路M4に設けられ、その吸気
通路M4を通じて燃焼室M3に吸入される空気量を調節
するためのスロットルバルブM5と、そのスロットルバ
ルブM5の開度、機関回転数及び吸入空気量を含む内燃
機関M1に係る各種運転パラメータを運転状態として検
出するための運転状態検出手段M6と、スロットルバル
ブM5とは別に設けられ、燃焼室M3に対する空気の充
填効率を可変とするための充填効率可変手段M7と、内
燃機関M1の運転状態に応じて充填効率を変更すべく、
運転状態検出手段M6の検出結果に基づいて充填効率可
変手段M7を制御するための充填効率制御手段M8と、
運転状態検出手段M6により検出されるスロットルバル
ブM5の開度、機関回転数及び吸入空気量と、充填効率
制御手段M8による充填効率可変手段M7の制御状態と
の関係から、高度を判定するための第1の高度判定手段
M9とを備えたことを趣旨としている。
【0012】上記の目的を達成するために、請求項2に
記載の第2の発明においては、図2に示すように、内燃
機関M1を搭載した車両M2の使用環境における高度を
検出するようにした高度検出装置であって、内燃機関M
1の燃焼室M3に通じて設けられた吸気通路M4及び排
気通路M10と、吸気通路M4に設けられ、その吸気通
路M4を通じて燃焼室M3に吸入される空気量を調節す
るためのスロットルバルブM5と、そのスロットルバル
ブM5の開度、機関回転数及び吸入空気量を含む内燃機
関M1に係る各種運転パラメータを運転状態として検出
するための運転状態検出手段M6と、内燃機関M1の回
転に同期して所定のタイミングで駆動され、燃焼室M3
に通じる吸気通路M4及び排気通路M10をそれぞれ開
閉するための吸気バルブM11及び排気バルブM12
と、燃焼室M3に対する空気の充填効率を可変とすべ
く、吸気バルブM11及び排気バルブM12の少なくと
も一方の開閉タイミングを可変とするために駆動される
可変バルブタイミング機構M13と、内燃機関M1の運
転状態に応じてバルブタイミングを変更すべく、運転状
態検出手段M6の検出結果に基づいて可変バルブタイミ
ング機構M13を制御するためのバルブタイミング制御
手段M14と、運転状態検出手段M6により検出される
スロットルバルブM5の開度、機関回転数及び吸入空気
量との関係より高度を判定するための第2の高度判定手
段M15と、その第2の高度判定手段M15により判定
されるスロットルバルブM5の開度、機関回転数及び
入空気量との関係を、バルブタイミング制御手段M14
による可変バルブタイミング機構M13の制御状態によ
り補正するための高度判定補正手段M16とを備えたこ
とを趣旨としている。
【0013】上記の目的を併せて達成するために、請求
項3に記載の第3の発明においては、図3に示すよう
に、第2の発明において、バルブタイミング制御手段M
14の制御により可変バルブタイミング機構M13が駆
動されている途中では、第2の高度判定手段M15によ
る高度の判定を禁止するための高度判定禁止手段M17
を設けたことを趣旨としている。上記の目的を併せて達
成するために、請求項4に記載の第4の発明において
は、第2又は第3の発明において、前記スロットルバル
ブが高開度状態にあることを条件に前記第2の高度判定
手段による高度の判定を許容するための高度検出限定手
段を更に備えることを趣旨としている。
【0014】
【作用】上記第1の発明の構成によれば、図1に示すよ
うに、内燃機関M1の運転時にスロットルバルブM5が
開閉されることにより、吸気通路M4を通じて燃焼室M
3に吸入される空気量が調節される。
【0015】ここで、運転状態検出手段M6では、スロ
ットルバルブM5の開度、機関回転数及び吸入空気量を
含む内燃機関M1に係る各種運転パラメータが運転状態
として検出される。そして、充填効率制御手段M8によ
り、上記運転状態の検出結果に基づいて充填効率可変手
段M7が制御されることにより、燃焼室M3に対する空
気の充填効率が運転状態に応じて変更される。そして、
第1の高度判定手段M9では、スロットルバルブM5の
開度、機関回転数及び吸入空気量と、充填効率可変手段
M7の制御状態との関係から高度が判定され、車両M2
の使用環境における高度が検出される。即ち、基本的に
は、スロットルバルブM5の開度、機関回転数に対する
吸入空気量の関係より可能な高度判定に対し、充填効率
可変手段M7の制御状態がパラメータとして加えられ
る。
【0016】従って、スロットルバルブM5の開度が変
化していないにもかかわらず、充填効率可変手段M7に
よりく空気の充填効率が変化したとしても、その変化を
補償して高度検出が行われる。
【0017】上記第2の発明の構成によれば、図2に示
すように、内燃機関M1の運転時に、その回転に同期し
て、吸気バルブM11及び排気バルブM12が所定のタ
イミングで駆動される。この駆動により、燃焼室M3に
通じる吸気通路M4及び排気通路M10がそれぞれ開閉
され、燃焼室M3における吸気及び排気が行われる。
【0018】ここで、バルブタイミング制御手段M14
により、運転状態の検出結果に基づいて可変バルブタイ
ミング機構M13が制御されることにより、内燃機関M
1の運転状態に応じてバルブタイミングが変更される。
この制御により、吸気バルブM11及び排気バルブM1
2の少なくとも一方の開閉タイミングが変更され、バル
ブオーバラップが変更され、もって、燃焼室M3に対す
る空気の充填効率が変更される。
【0019】そして、第2の高度判定手段M15では、
スロットルバルブM5の開度、機関回転数及び吸入空気
量との関係より高度が判定される。又、高度判定補正手
段M16では、第2の高度判定手段M15により判定さ
れるスロットルバルブM5の開度、機関回転数及び吸入
空気量との関係が、可変バルブタイミング機構M13の
制御状態をパラメータとして補正される。即ち、スロッ
トルバルブM5の開度、機関回転数に対する吸入空気量
の基本的な関係より可能な高度判定が、可変バルブタイ
ミング機構M13の制御状態により補正される。そし
て、その補正の結果として、車両M2の使用環境におけ
る高度が検出される。
【0020】従って、第2の発明においても、第1の発
明と同等の作用が得られる。加えて、高度判定のため
に、スロットルバルブM5の開度、機関回転数及び吸入
空気量との関係で予め設定されるべきデータと、その補
正のために、可変バルブタイミング機構M13の制御状
態に関して予め設定されるべきデータとを別々に設ける
ことが可能となる。
【0021】上記第3の発明の構成によれば、図3に示
すように、第2の発明の構成において、可変バルブタイ
ミング機構M13が駆動されている途中では、高度判定
禁止手段M17により第2の高度判定手段M15による
高度の判定が禁止される。
【0022】従って、第3の発明においても、第2の発
明と同等の作用が得られる。加えて、可変バルブタイミ
ング機構M13の作動により燃焼室M3に対する空気の
充填効率が変化しつつあるときに、誤って高度が判定さ
れることがない。上記第4の発明の構成によれば、第2
又は第3の発明の構成において、スロットルバルブM5
が高開度状態にあることを条件に、高度検出限定手段に
より第2の高度判定手段M15による高度の判定が許容
される。従って、スロットルバルブM5が高開度の状態
で大気圧の大きさが吸入空気量に良好に反映されるとき
のみに、高度が判定される。
【0023】
【実施例】
(第1実施例)以下、上記第1の発明における車両の高
度検出装置を具体化した第1実施例を図4〜図10に基
づいて詳細に説明する。
【0024】図4は、この実施例で、車両としての自動
車Amに搭載されたガソリンエンジンシステムを示す概
略構成図である。内燃機関としてのエンジン1には複数
のシリンダ2が設けられている。各シリンダ2にはピス
トン3が上下動可能にそれぞれ設けられている。ピスト
ン3はクランク軸1aに連結されており、ピストン3を
上下動させることにより、クランク軸1aが回転され
る。各シリンダ2内ではピストン3の頂部に面する側が
それぞれ燃焼室4となっている。各燃焼室4には点火プ
ラグ5がそれぞれ設けられている。又、各燃焼室4に
は、吸気ポート6a及び排気ポート7aを通じて、吸気
通路6及び排気通路7がそれぞれ連通されている。吸気
ポート6a及び排気ポート7aには、開閉用の吸気バル
ブ8及び排気バルブ9がそれぞれ設けられている。これ
ら吸気バルブ8及び排気バルブ9を開閉するために、吸
気側カムシャフト10及び排気側カムシャフト11がそ
れぞれ設けられている。各カムシャフト10,11の一
端には、吸気側タイミングプーリ12、排気側タイミン
グプーリ13がそれぞれ設けられている。各タイミング
プーリ12,13は、タイミングベルト14を介してク
ランク軸1aに駆動連結されている。
【0025】従って、エンジン1の運転時には、クラン
ク軸1aからタイミングベルト14及び各タイミングプ
ーリ12,13を介して各カムシャフト10,11に回
転力が伝達され、各カムシャフト10,11の回転によ
り吸気バルブ8及び排気バルブ9が開閉される。各バル
ブ8,9は、クランク軸1aの回転及びピストン3の上
下動に同期して、即ち吸気行程、圧縮行程、爆発・膨張
行程及び排気行程よりなるエンジン1の一連の4行程に
同期して、所定の開閉タイミングで駆動される。
【0026】吸気通路6の入口側にはエアクリーナ15
が設けられている。各シリンダ2の吸気ポート6aの近
傍には、燃焼室4へ燃料を供給するための燃料噴射用の
インジェクタ16がそれぞれ設けられている。周知のよ
うに、各インジェクタ16は通電により開弁される電磁
弁であり、各インジェクタ16には、図示しない燃料ポ
ンプより圧送される燃料が供給される。
【0027】そして、吸気通路6にはエアクリーナ15
を通じて外気(空気)が取り込まれる。その空気の取り
込みと同時に、各インジェクタ16から燃料が噴射され
ることにより、空気と燃料との混合気が、吸入行程にお
ける吸気バルブ8の開きに同期して燃焼室4に吸入され
る。更に、エンジン1では、燃焼室4に吸入された混合
気が点火プラグ5の作動により爆発・燃焼されることに
より、ピストン3に運動力が付与され、クランク軸1a
に回転力が付与される。このクランク軸1aの回転力に
より自動車Amが駆動される。そして、燃焼後の既燃焼
ガス(排気ガス)は、排気行程における排気バルブ9の
開きに同期して、燃焼室4から排気ポート7aを通じて
排出され、排気通路7を通じて外部へと排出される。
【0028】吸気通路6の途中には、図示しないアクセ
ルペダルの操作に連動して開閉されるスロットルバルブ
17が設けられている。そして、このスロットルバルブ
17が開閉されることにより、吸気通路6における空気
の取り込み量、即ち吸入空気量Qが調節される。そのス
ロットルバルブ17の下流側には、吸気脈動を平滑化さ
せるためのサージタンク18が設けられている。
【0029】エアクリーナ15の近傍には、吸気温セン
サ41が設けられている。この吸気温センサ41では、
吸気通路6における吸気の温度(吸気温)THAが検出
され、その大きさに応じた信号が出力される。又、エア
クリーナ15の下流側には、エアフローメータ42が設
けられている。このエアフローメータ42では、吸気通
路6における吸入空気量Qが検出され、その大きさに応
じた信号が出力される。スロットルバルブ17の近傍に
は、スロットルセンサ43が設けられている。このスロ
ットルセンサ43では、スロットルバルブ17の開度
(スロットル開度)TAが検出され、その大きさに応じ
た信号が出力される。併せて、スロットルセンサ43で
は、スロットルバルブ17が全閉位置に配置されたとき
にそのことを指示するためのアイドル信号IDLが出力
される。
【0030】一方、排気通路7の途中には、排気ガスを
浄化するための三元触媒19を内蔵してなる触媒コンバ
ータ20が設けらている。又、排気通路7の途中には、
酸素センサ44が設けられている。この酸素センサ44
では、排気中の酸素濃度Oxが検出され、その大きさに
応じた信号が出力される。
【0031】エンジン1には、水温センサ45が設けら
れてい。この水温センサ45では、エンジン1の内部を
流れる冷却水の温度(冷却水温)THWが検出され、そ
の大きさに応じた信号が出力される。
【0032】各点火プラグ5には、ディストリビュータ
21にて分配された点火信号が印加される。ディストリ
ビュータ21ではイグナイタ22から出力される高電圧
がクランク軸1aの回転、即ちクランク角度に同期して
各点火プラグ5に分配される。そして、各点火プラグ5
の点火タイミングは、イグナイタ22からの高電圧出力
タイミングにより決定される。
【0033】ディストリビュータ21には、排気側カム
シャフト11に連結されて、クランク軸1aの回転に同
期して回転される図示しないロータが内蔵されている。
又、ディストリビュータ21には、回転数センサ46及
び気筒判別センサ47が設けられている。回転数センサ
46では、ロータの回転からクランク軸1aの回転数
(エンジン回転数)NEが検出され、その大きさに応じ
た信号が出力される。気筒判別センサ47では、同じく
ロータの回転に応じてクランク軸1aの基準位置(クラ
ンク角基準位置)GPが所定の割合で検出され、それに
応じた信号が出力される。この実施例では、エンジン1
の一連の4行程に対してクランク軸1aが2回転するも
のとして、回転数センサ46では1パルス当たり30°
CAの割合でクランク角度が検出され、エンジン回転数
NEを指示する信号として出力される。又、気筒判別セ
ンサ47では1パルス当たり360°CAの割合でクラ
ンク角度が検出され、クランク角基準位置GPを指示す
る信号として出力される。従って、エンジン回転数NE
及びクランク角基準位置GPの両信号を併用することに
より、各シリンダ2におけるピストン3の上下動位置が
検出可能である。
【0034】この実施例において、吸気側タイミングプ
ーリ12には、油圧により駆動される周知の可変バルブ
タイミング機構(以下単に「VVT」という)23が設
けられている。このVVT23は吸気バルブ8の開閉タ
イミングを可変にするために駆動される。そして、この
VVT23により、スロットルバルブ17とは別に設け
られた充填効率可変手段が構成されている。
【0035】図5に示すように、VVT23は吸気側カ
ムシャフト10の先端部において、タイミングプーリ1
2と一体に設けられている。VVT23はハウジング2
4を備え、そのハウジング24の内部にカムシャフト1
0の先端が組み込まれている。又、ハウジング24の内
部において、ハウジング24とカムシャフト10との間
には、両者24,10を連結する図示しないリングギヤ
が介在されている。リングギヤは環状をなし、ハウジン
グ24の内部においてカムシャフト10の軸方向に沿っ
て往復動可能に収容されている。そして、ハウジング2
4がタイミングプーリ12と一体に回転駆動されること
により、リングギヤを介してカムシャフト10がタイミ
ングプーリ12と一体的に回転駆動される。又、リング
ギヤをその軸方向へ移動させて配置を変えることによ
り、タイミングプーリ12とカムシャフト10との回転
方向における相対位置が変更される。
【0036】この実施例では、リングギヤを軸方向へ移
動させるために、リングギヤの両端に潤滑油を利用した
油圧が供給される。即ち、図4に示すように、オイルパ
ン25、油圧ポンプ26及びオイルフィルタ27等によ
りエンジン1の潤滑系が構成されている。そして、エン
ジン1の運転に連動して油圧ポンプ26が駆動されるこ
とにより、オイルパン25より潤滑油が吸い上げられて
油圧ポンプ26より吐出される。吐出された潤滑油はオ
イルフィルタ27を通過した後、所定の圧力をもってV
VT23へ供給可能となっている。ここで、上記リング
ギヤの両端に油圧を選択的に供給するために、VVT2
3とオイルパン25及びフィルタ27との間に形成され
た各油圧供給路には、リニアソレノイドバルブ(LS
V)28が設けられている。このLSV28は電磁式の
四方弁であり、その開度がデューティ制御される。LS
V28が制御されることにより、VVT23においてリ
ングギヤ両端に対する油圧の供給が選択的に制御され
る。
【0037】そして、LSV28が制御されてリングギ
ヤの一端に油圧が供給されることにより、リングギヤが
一方向へ移動されながら回動して、カムシャフト10に
捩じりが付与される。この結果、カムシャフト10とタ
イミングプーリ12との回転方向における相対位置が変
えら、吸気バルブ8の開閉タイミングが進角される。即
ち、図6(b)に示すように、吸気バルブ8の開き・閉
じが早められ、吸気行程における吸気バルブ8と排気バ
ルブ9とのバルブオーバラップが大きくなる方向へ変え
られる。
【0038】一方、LSV28が制御されてリングギヤ
の他端に油圧が供給されることにより、リングギヤが反
対方向へ移動されながら回動して、カムシャフト10に
反対方向の捩じりが付与される。この結果、吸気バルブ
8の開閉タイミングが遅角される。即ち、図6(a)に
示すように、吸気バルブ8の開き・閉じが遅らされ、吸
気行程におけるバルブオーバラップが無くなる方向へ変
えられる。
【0039】上記のようにVVT23が駆動されること
により、吸気バルブ8の開閉タイミングが変更され、吸
気バルブ8と排気バルブ9とのバルブオーバラップが変
更される。この実施例では、バルブオーバラップが、図
6(a)に示す最大遅角時の状態と、図6(b)に示す
最大進角時の大きさとの間で連続的に変更可能である。
そして、バルブオーバラップが変更されることにより、
燃焼室4に対する空気の充填効率が連続的に変更され
る。
【0040】ここで、この実施例では、図4に示すよう
に、吸気側カムシャフト10に対応して、カム回転角セ
ンサ48が設けられている。このカム回転角センサ48
では、カムシャフト10の実際の回転位相を示す回転角
(カム回転角)θCAMが所定の割合で検出され、それ
を指示する信号として出力される。
【0041】そして、図4に示すように、各インジェク
タ16、イグナイタ22及びLSV28は電子制御装置
(以下単に「ECU」という)50に電気的に接続され
ている。この実施例では、ECU50により充填効率制
御手段及び第1の高度判定手段が構成されている。又、
ECU50には前述した吸気温センサ41、エアフロー
メータ42、スロットルセンサ43、酸素センサ44、
水温センサ45、回転数センサ46、気筒判別センサ4
7及びカム回転角センサ48がそれぞれ接続されてい
る。そして、ECU50はこれら各センサ等41〜48
からの出力信号に基づき、各インジェクタ16、イグナ
イタ22及びLSV28を好適に駆動制御する。又、こ
の実施例では、エアフローメータ42、スロットルセン
サ43及び回転数センサ46等により、スロットル開度
TAと吸入空気量Qを含むエンジン1に係る各種運転パ
ラメータを運転状態として検出するための運転状態検出
手段が構成されている。
【0042】次に、上記のECU50に係る電気的構成
について図7のブロック図に従って説明する。ECU5
0は中央処理装置(CPU)51、所定の制御プログラ
ム等を予め記憶した読み出し専用メモリ(ROM)5
2、CPU51の演算結果等を一時記憶するためのラン
ダムアクセスメモリ(RAM)53、予め記憶されたデ
ータを保存するためのバックアップRAM54等を備え
ている。そして、ECU50はそれら各部材51〜54
と、アナログ/デジタル変換器を含む外部入力回路55
と、外部出力回路56等とをバス57により接続してな
る理論演算回路として構成されている。
【0043】外部入力回路55には、前述した各センサ
等41〜48等がそれぞれ接続されている。外部出力回
路56には、各インジェクタ16、イグナイタ22及び
LSV28がそれぞれ接続されている。そして、CPU
51は外部入力回路55を介して入力される各センサ4
1〜48等の検出信号を入力値として読み込む。又、C
PU51は各センサ41〜48から読み込んだ入力値に
基づき、燃料噴射量制御、点火時期制御及びバルブタイ
ミング制御等を実行するために、各インジェクタ16、
イグナイタ22及びLSV28等を好適に制御する。つ
まり、この実施例では、エアフローメータ42により検
出される吸入空気量Qの値を用いて燃料噴射量等の制御
が実行されるガソリンエンジンシステムが構成されてい
る。又、CPU51は、バルブタイミング制御に応じた
高度検出の演算を実行する。
【0044】ここで、バルブタイミング制御とは、上記
のようにVVT23を作動させることによりバルブオー
バラップを制御することである。又、高度検出の演算と
は、自動車Amの使用環境における高度を検出するため
の演算である。この実施例では、高度の代用値としての
大気圧PAを検出するようになっている。しかも、その
大気圧PAを、特別な気圧計を設けることなく検出する
ようになっている。
【0045】次に、前述したECU50により実行され
る各種制御のうち、バルブタイミング制御の処理内容に
つて説明する。図8はエンジン1の運転時に、吸気バル
ブ8の開閉タイミングを変更すべくECU50により実
行される「バルブタイミング制御ルーチン」を示すフロ
ーチャートである。このルーチンの処理は所定時間毎の
定時割り込みで実行される。
【0046】処理がこのルーチンへ移行すると、ステッ
プ100において、各センサ等42,43,46,48
等の検出値に基づき、吸入空気量Q、スロットル開度T
A、エンジン回転数NE及びカム回転角θCAM等に係
る各入力値を読み込む。併せて、故障診断フラグXFA
ILを読込む。この故障診断フラグXFAILは別途の
「故障診断ルーチン」にて設定されるものであり、VV
T23の制御系を構成するカム回転角センサ48が正常
である場合に「0」に設定される。この実施例では、
「故障診断ルーチン」に関する詳しい説明は省略する。
【0047】続いて、ステップ101において、故障診
断フラグXFAILが「0」であるか否かを判断する。
ここで、故障診断フラグXFAILが「0」でない場合
には、カム回転角センサ48が故障しているものとし
て、通常時のバルブタイミング制御を実行することな
く、その後の処理を一旦終了する。これに対し、故障診
断フラグXFAILが「0」である場合には、カム回転
角センサ48が正常であることから、通常時のバルブタ
イミング制御を実行するものとして、ステップ102へ
移行する。
【0048】ステップ102においては、エンジン回転
数NEの入力値が所定の基準値N1よりも小さいか否か
を判断する。この基準値N1はエンジン1のアイドリン
グ時等における低い回転数に相当する。ここで、エンジ
ン回転数NEの値が基準値N1よりも小さい場合には、
ステップ103へ移行する。そして、ステップ103に
おいて、図6(a)に示すようにバルブオーバラップが
無くなるように、即ち吸気バルブ8の開閉タイミングが
最大遅角側のタイミングとなるようにLSV28をデュ
ーティ制御し、その後の処理を一旦終了する。
【0049】一方、ステップ102において、エンジン
回転数NEの値が基準値N1よりも小さくない場合に
は、ステップ104へ移行する。そして、ステップ10
4において、スロットル開度TA及びエンジン回転数N
E等の入力値に基づき、現在の運転状態に応じた目標の
バルブタイミング進角値θVTAを算出する。このバル
ブタイミング進角値θVTAは、スロットル開度TA及
びエンジン回転数NE等の大きさに応じて予め定めら
れ、ROM52に予め記憶された図示しない進角値マッ
プを参照して求められる。
【0050】又、ステップ105においては、LSV2
8を制御するための目標制御量DVを、タイミング進角
値θVTAの算出値に基づいて算出する。この目標制御
量DVは、バルブタイミング進角値θVTAの大きさに
応じて予め定められ、ROM52に予め記憶された図示
しない制御量マップを参照して求められる。
【0051】そして、ステップ106において、目標制
御量DVの算出値に基づきLSV28をデューティ制御
する。この制御により、VVT23の駆動が制御され、
もってバルブオーバラップがエンジン1の運転状態に応
じて好適な状態に調整される。
【0052】その後、ステップ107において、実際の
カム回転角θCAMの値が目標のバルブタイミング進角
値θVTAの値と一致しているか否かを判断する。そし
て、カム回転角θCAMの値がバルブタイミング進角値
θVTAの値と一致していない場合には、LSV28の
制御を継続するものとして、ステップ106へジャップ
し、ステップ106,107の処理を繰り返す。カム回
転角θCAMの値がバルブタイミング進角値θVTAと
一致している場合には、LSV28の制御を終了するも
のとして、その後の処理を一旦終了する。この実施例で
は、ステップ106,107の処理を実行するECU5
0が、バルブタイミングが目標値となるようにVVT2
3をフィードバック制御するためのフィードバック制御
手段に相当している。
【0053】以上がバルブタイミング制御の処理内容で
ある。そして、この実施例では、「バルブタイミング制
御ルーチン」の処理を実行するECU50が、エンジン
1の運転状態に応じてバルブタイミングを変更すべく、
VVT23を制御するためのバルブタイミング制御手段
に相当している。この実施例では、カム回転角センサ4
8より得られる実際のカム回転角θCAMに基づき、V
VT23がフィードバック制御されることから、バルブ
タイミングの制御精度を向上させることができる。
【0054】次に、上記のバルブタイミング制御に対応
して行われる高度の検出、即ち大気圧PAの検出のため
の演算について説明する。図9はECU50により実行
される「大気圧検出ルーチン」を示すフローチャートで
ある。このルーチンの処理は所定時間毎の定時割り込み
で実行される。
【0055】処理がこのルーチンへ移行すると、ステッ
プ200において、各センサ42,43,45,46等
の各検出値に基づき、吸入空気量Q、スロットル開度T
A、冷却水温THW及びエンジン回転数NE等に係る各
入力値を読み込む。
【0056】続いて、ステップ201において、カム回
転角センサ48の検出値に基づき、カムシャフト10の
実際のカム回転角θCAMに係る入力値を読み込む。そ
して、ステップ202において、冷却水温THWの入力
値が所定の基準値TH1よりも大きいか否かを判断す
る。この基準値TH1は、無暖機状態のエンジン1にお
ける温度に相当する。ここで、冷却水温THWの値が基
準値N1よりも大きくない場合には、以下の大気圧PA
の検出を禁止するものとして、その後の処理を一旦終了
する。冷却水温THWの値が基準値N1よりも大きい場
合には、大気圧PAの検出を許容するものとして、ステ
ップ203へ移行する。この実施例では、ステップ20
2の処理を実行するECU50が、エンジン1の暖機
前、即ち低温時に、大気圧PAの検出を禁止するための
低温時禁止手段に相当している。
【0057】ステップ203においては、スロットル開
度TAの値が所定の基準値K1以上であるか否かを判断
する。この基準値K1は全開状態を含む高開度に相当す
る。ここで、スロットル開度TAの値が基準値K1以上
でない場合には、大気圧PAの検出を禁止するものとし
てその後の処理を一旦終了する。スロットル開度TAの
値が基準値K1以上である場合には、大気圧PAを検出
すべくステップ204へ移行する。この実施例では、ス
テップ203の処理を実行するECU50が、スロット
ルバルブ17が高開度状態であるときのみに大気圧PA
の検出を許容するための高度検出限定手段に相当してい
る。
【0058】ステップ204においては、スロットル開
度TA、エンジン回転数NE及びカム回転角θCAMの
各入力値に基づき、標準大気圧の下における標準的な単
位吸入空気量GNに係る標準値GNTAを算出する。こ
こで、単位吸入空気量GNとは、クランク軸1aの1回
転当たりにおける吸入空気量Qに相当するものである。
この実施例では、標準値GNTAが予め定められたマッ
プを参照して求められる。このマップは、図10に示す
ように、スロットル開度TA及びカム回転角θCAMに
対する標準値GNTAの関係をなす三次元マップが、エ
ンジン回転数NEの大きさ毎に複数設定され、ROM5
2に記憶されたものである。又、このマップにおいて、
カム回転角θCAMが進角側の値になるほど、バルブオ
ーバラップは大きくなる。この実施例では、ステップ2
04の処理を実行するECU50が、スロットル開度T
A及びエンジン回転数NEのパラメータに加え、VVT
23の制御状態を反映したカム回転角θCAMをパラメ
ータとして単位吸入空気量GNに係る標準値GNTAを
算出するための標準吸入空気量算出手段に相当してい
る。
【0059】続いて、ステップ205において、吸入空
気量Q及びエンジン回転数NEの入力値に基づき、その
ときの実際の単位吸入空気量GNを算出する。即ち、単
位吸入空気量GNは、吸入空気量Qの値をエンジン回転
数NEの値で除算することにより求められる。
【0060】そして、ステップ206において、実際の
単位吸入空気量GNの値が標準値GNTA以上であるか
否かを判断する。ここで、単位吸入空気量GNの値が標
準値GNTA以上でない場合には、ステップ207にお
いて、前回の大気圧PAの値から所定の補正値K2を減
算した結果を新たな大気圧PAの値として設定し、その
後の処理を一旦終了する。これに対し、単位吸入空気量
GNの値が標準値GNTA以上である場合には、ステッ
プ208において、前回の大気圧PAの値に所定の補正
値K2を加算した結果を新たな大気圧PAの値として設
定し、その後の処理を一旦終了する。
【0061】上記のようにして高度の代用値としての大
気圧PAが検出される。そして、この実施例では、上記
フローチャートにおけるステップ204〜208の処理
を実行するECU50が、スロットル開度TA及び吸入
空気量QとVVT23の制御状態との関係から、高度の
代用値としての大気圧PAを判定するための第1の高度
判定手段に相当している。
【0062】この実施例では、上記のように検出される
大気圧PAの値が、各種制御の補正のために用いられ
る。具体的には、ECU50による燃料噴射量制御に際
して、高度に応じた空気密度の違いを補正するために、
大気圧PAの値が使用される。又、エンジン1の始動時
に実行される始動時噴射量制御、エンジン1の減速・加
速等の過渡時に実行される過渡時噴射量制御等に際し
て、大気圧PAの値が高度補正のために用いられる。或
いは、上記検出される大気圧PAの値を、高度を直接示
す値に換算して使用することもできる。
【0063】以上説明したように、この実施例によれ
ば、エンジン1の運転時にECU50では、吸入空気量
Q、スロットル開度TA、エンジン回転数NE及びカム
回転角θCAM等の値に基づき、運転状態に応じて変更
されるべきバルブタイミング進角値θVTAが求められ
る。又、その求められたバルブタイミング進角値θVT
Aに基づいてVVT23の駆動が制御されることによ
り、吸気バルブ8の開閉タイミングが変更され、バルブ
オーバラップが変更される。そして、この変更により、
燃焼室4に対する空気の充填効率が、スロットルバルブ
17の開閉による吸入空気量Qの調節とは別に変更され
る。
【0064】そして、ECU50では、吸入空気量Q、
スロットル開度TA及びエンジン回転数NEの各値と、
VVT23の制御状態を示すカム回転各θCAMの関係
から、自動車Amの使用環境に係る大気圧PAが検出さ
れる。即ち、基本的には、エンジン回転数NEの値を一
定とした場合に、スロットル開度TAに対する吸入空気
量Qの関係より可能な大気圧PAの判定に対し、VVT
23の制御状態を示すカム回転角θCAMの値がパラメ
ータとして加えられる。従って、スロットル開度TAが
変化していないにもかかわらず、VVT23の作動によ
り燃焼室4に対する空気の充填効率が変化したとして
も、その変化を補償して大気圧APが検出される。その
結果、VVT23を有するエンジン1であっても、特別
な気圧計を用いることなく、エンジン1の運転状態に基
づいて大気圧PAの値を適正に検出することができる。
【0065】しかも、この実施例では、内燃機関の始動
直後等の限られた条件下でしか大気圧を検出できなかっ
た第2の従来技術とは異なり、VVT23の制御状態の
違いにかかわらず、大気圧PAの検出を任意のタイミン
グで比較的頻繁に行うことができる。例えば、自動車A
mの走行中に、比較的頻繁に大気圧PAを検出すること
ができる。従って、各種噴射量制御等の高度補正のため
に使用されるべき大気圧PAの値が、比較的頻繁に更新
されることになり、各種噴射量制御等の精度を高めるこ
とにも寄与できる。
【0066】加えて、この実施例では、エンジン1の低
温時に大気圧PAの検出が禁止されることから、エンジ
ン1の始動直後等の不安定な状態で大気圧PAの検出が
行われることはない。その意味から大気圧PAの検出精
度を向上させることができる。
【0067】併せて、この実施例では、スロットルバル
ブ17が高開度の状態であるときに大気圧PAが検出さ
れる。スロットルバルブ17が高開度の状態にあるとき
は、大気圧PAの大きさを比較的良好に反映した吸入空
気量Qが得られる。従って、その意味からも大気圧PA
の検出精度を向上させることができる。
【0068】更に、この実施例では、エンジン1の運転
状態に応じてバルブオーバラップが適度に調整されるこ
とから、燃焼室4に対する空気の充填効率が必要に応じ
て高められることになる。その結果、特にエンジン1の
高負荷・高速域では、エンジン1の出力増大を有効に図
ることができる。又、バルブオーバラップの適度な調整
により、燃焼室4より排出されるべき排気ガスが必要に
応じて適度な量だけ燃焼室4に再吸入される。即ち、エ
ンジン1の内部EGRが適度に行われる。その結果、エ
ンジン1の運転負荷域に応じて排気ガス中の窒素酸化物
を適宜に低減させることができ、内部EGRにより有効
な排気浄化を図ることができる。
【0069】加えて、この実施例では、アイドリング状
態のようにエンジン1が低負荷状態にある場合には、バ
ルブオーバラップが無くなるようにVVT23が制御さ
れる。このため、低負荷状態において、バルブオーバラ
ップが大き過ぎて燃焼室4から吸気ポート6aへ排気の
吹き返しが起こることがなくなり、低負荷状態におい
て、エンジン1の運転が不安定となることはない。
【0070】(第2実施例)次に、上記第1〜第3の発
明における車両の高度検出装置を具体化した第2実施例
を図11及び図12に従って説明する。尚、この実施例
を含む以下の各実施例において、前記第1実施例と同じ
構成については、同一の符号を付して説明を省略し、特
に異なった点を中心に説明する。
【0071】この実施例では、ECU50により充填効
率制御手段、第1の高度判定手段、バルブタイミング制
御手段、第2の高度判定手段、高度判定補正手段及び高
度判定禁止手段が構成されている。そして、この実施例
は、前記第1実施例と「大気圧検出ルーチン」の内容の
点で異なっている。即ち、図12はこの実施例でECU
50により実行される「大気圧検出ルーチン」を示すも
のである。
【0072】処理がこのルーチンへ移行すると、ステッ
プ300において、各センサ42,43,45,46等
の各検出値に基づき、吸入空気量Q、スロットル開度T
A、冷却水温THW及びエンジン回転数NE等に係る各
入力値を読み込む。
【0073】続いて、ステップ301において、冷却水
温THWの入力値が所定の基準値TH1よりも大きいか
否かを判断する。冷却水温THWの値が基準値N1より
も大きくない場合には、以下の大気圧PAの検出を禁止
するものとして、その後の処理を一旦終了する。冷却水
温THWの値が基準値N1よりも大きい場合には、大気
圧PAの検出を許容するものとして、ステップ302へ
移行する。この実施例では、ステップ301の処理を実
行するECU50が、エンジン1の低温時に大気圧PA
の検出を禁止するための低温時禁止手段に相当してい
る。
【0074】ステップ302においては、スロットル開
度TAの入力値が所定の基準値K1以上であるか否かを
判断する。ここで、スロットル開度TAの値が基準値K
1以上でない場合には、大気圧PAの検出を禁止するも
のとして、その後の処理を一旦終了する。スロットル開
度TAの値が基準値K1以上である場合には、大気圧P
Aを検出すべくステップ303へ移行する。この実施例
では、ステップ302の処理を実行するECU50が、
スロットルバルブ17が高開度状態であるときのみに大
気圧PAの検出を許容するための高度検出限定手段に相
当している。
【0075】ステップ303においては、カム回転角セ
ンサ48により検出される実際のカム回転角θCAMに
係る入力値を読み込む。併せて、「バルブタイミング制
御ルーチン」にてVVT23を制御するために求められ
るバルブタイミング進角値θVTAの値を読み込む。
【0076】そして、ステップ304においては、カム
回転角θCAMとバルブタイミング進角値θVTAとの
差の絶対値が「0」にほぼ等しいか否かを判断する。即
ち、目標値であるバルブタイミング進角値θVTAと実
際のカム回転角θCAMとがほぼ等しいか否か、つまり
は、VVT23が駆動途中ではないか否かが判断され
る。ここで、カム回転角θCAMとバルブタイミング進
角値θVTAとの差の絶対値が「0」にほぼ等しくない
場合には、VVT23が駆動途中であるものとして、大
気圧PAの検出を禁止すべく、その後の処理を一旦終了
する。カム回転角θCAMとバルブタイミング進角値θ
VTAとの差の絶対値が「0」にほぼ等しい場合には、
VVT23が駆動途中ではないものとして、大気圧PA
の検出を許容すべく、ステップ305へ移行する。この
実施例では、ステップ303,304の処理を実行する
ECU50が、VVT23の駆動途中で、高度の代用値
としての大気圧PAの判定を禁止するための高度判定禁
止手段に相当している。
【0077】ステップ305においては、スロットル開
度TA及びエンジン回転数NEの各入力値に基づき、標
準的な単位吸入空気量GNに係る標準値GNTAを算出
する。この実施例では、標準値GNTAが予め定められ
たマップを参照して求められる。このマップは、図11
に示すように、スロットル開度TAに対する標準値GN
TAの関係をなす二次元マップが、エンジン回転数NE
の大きさ毎に複数設定され、ROM52に記憶されたも
のである。この実施例では、ステップ305の処理を実
行するECU50が、スロットル開度TA及びエンジン
回転数NEのパラメータに基づき、単位吸入空気量GN
に係る標準値GNTAを算出するための標準吸入空気量
算出手段に相当している。
【0078】その後、ステップ306において、今回求
められた標準値GNTAを、実際のカム回転角θCAM
の大きさにより補正することにより、補正後標準値GN
TAaを算出する。ここでは、カム回転角θCAMの大
きさに応じて予め設定された補正係数を標準値GNTA
に乗算することにより、補正後標準値GNTAが求めら
れる。この実施例では、ステップ306の処理を実行す
るECU50が、スロットル開度TAに対する単位吸入
空気量GNの標準値GNTAの関係を、VVT23の制
御状態により補正するための高度判定補正手段に相当し
ている。
【0079】続いて、ステップ307において、吸入空
気量Q及びエンジン回転数NEの入力値に基づき、その
ときの実際の単位吸入空気量GNを算出する。そして、
ステップ308において、今回の単位吸入空気量GNの
値が補正後標準値GNTAa以上であるか否かを判断す
る。ここで、単位吸入空気量GNの値が補正後標準値G
NTAa以上でない場合には、ステップ309におい
て、大気圧PAの値を所定の補正値K2により減算補正
してその後の処理を一旦終了する。単位吸入空気量GN
の値が補正後標準値GNTAa以上である場合には、ス
テップ310において、大気圧PAの値を補正値K2に
より加算補正してその後の処理を一旦終了する。
【0080】上記のようにして高度の代用値としての大
気圧PAが検出される。そして、この実施例では、上記
フローチャートにおけるステップ305〜310の処理
を実行するECU50が、スロットル開度TAと単位吸
入空気量GNとの関係から、高度の代用値としての大気
圧PAを検出するための第2の高度判定手段に相当して
いる。
【0081】以上説明したように、この実施例でも、E
CU50では、各センサ42,43,46より検出され
る吸入空気量Q、スロットル開度TA及びエンジン回転
数NEの各値の関係より大気圧PAが判定される。又、
ECU50では、その大気圧PAの判定に際して、吸入
空気量Q、スロットル開度TA及びエンジン回転数NE
の各値の関係が、VVT23の制御状態を示すカム回転
角θCAMの値により補正される。即ち、エンジン回転
数NEを一定とした場合に、スロットル開度TAに対す
る吸入空気量Qの基本的な関係より可能な大気圧PAの
判定が、VVT23の制御状態を示すカム回転各θCA
Mの値により補正される。そして、その補正の結果とし
て、自動車Amの使用環境における大気圧PAが検出さ
れる。
【0082】従って、この実施例においても、前記第1
実施例と同様の作用及び効果を得ることができる。加え
て、この実施例では、大気圧PAの判定のために、スロ
ットル開度TA、エンジン回転数NE及び吸入空気量Q
の関係において予め設定されるべきデータである、図1
1に示すような各二次元マップと、その補正のために、
VVT23の制御状態に関して予め設定されるべきデー
タとを別々に設けることが可能となる。その結果、VV
T23の制御状態を反映して大気圧PAを検出するため
に、図10に示すような各三次元マップを不要として、
図11に示すような各二次元マップを使用することがで
きる。そのため、マップの設計を相対的に簡易に行うこ
とができ、マップを記憶するために費やされるべきRO
M52における記憶容量を少なくすることができる。
【0083】併せて、この実施例では、VVT23の駆
動途中に大気圧PAの判定が禁止されることから、VV
T23の作動により燃焼室4に対する空気の充填効率が
変化しつつあるときに、誤って大気圧PAが判定される
ことはない。その意味から、大気圧PAの検出精度、そ
の検出値の信頼性を向上させることができる。
【0084】(第3実施例)次に、上記第1及び第2の
発明における車両の高度検出装置を具体化した第3実施
例を図13〜図15に従って説明する。
【0085】この実施例のガソリンエンジンシステムで
は、前記第1及び第2の実施例において、吸気バルブ8
の開閉タイミングが所定の範囲内で任意に連続的に変更
可能なVVT23とは異なり、吸気バルブ8の開閉タイ
ミングを単に進角側と遅角側の二段に切換え可能なVV
T23が使用されている。又、この実施例では、カム回
転角センサ48が省略され、VVT23が、フィードバ
ック制御されることなく、単にECU50からの指令に
基づいて一義的に制御される。そして、ECU50によ
り、充填効率制御手段及び第1の高度判定手段、バルブ
タイミング制御手段、第2の高度判定手段及び高度判定
補正手段が構成されている。この実施例は、前記第1及
び第2の実施例と「バルブタイミング制御ルーチン」及
び「大気圧検出ルーチン」の内容の点で異なっている。
【0086】即ち、図13はECU50により実行され
る「バルブタイミング制御ルーチン」を示すものであ
る。処理がこのルーチンへ移行すると、ステップ410
において、各センサ43,46の各検出値に基づき、ス
ロットル開度TA及びエンジン回転数NEに係る各入力
値を読み込む。
【0087】続いて、ステップ420においては、スロ
ットル開度TA及びエンジン回転数NEの各入力値に基
づき、エンジン1の運転状態が第1運転領域にあるか否
かを判断する。即ち、図14に示すように、エンジン1
の運転状態が、低負荷・低回転の領域に相当する第1運
転領域にあるのか、中高負荷・中高回転の領域に相当す
る第2運転領域にあるのかを判断する。そして、第1運
転領域にある場合には、ステップ430において、バル
ブタイミングを遅角側へ切換えるようVVT23を制御
し、その後の処理を一旦終了する。一方、第2運転領域
である場合には、ステップ440において、バルブタイ
ミングを進角側へ切換えるようVVT23を制御し、そ
の後の処理を一旦終了する。
【0088】以上がバルブタイミング制御の処理内容で
ある。この実施例では、上記の「バルブタイミング制御
ルーチン」の処理を実行するECU50が、エンジン1
の運転状態に応じてバルブタイミングを変更すべくVV
T23を制御するためのバルブタイミング制御手段に相
当している。
【0089】そして、上記のバルブタイミング制御に対
応して大気圧PAを検出するための演算が実行される。
即ち、図15はECU50により実行される「大気圧検
出ルーチン」を示すものである。
【0090】処理がこのルーチンへ移行すると、ステッ
プ500において、各センサ42,43,45,46等
の各検出値に基づき、吸入空気量Q、スロットル開度T
A及びエンジン回転数NE等に係る各入力値を読み込
む。
【0091】続いて、ステップ501において、スロッ
トル開度TAの入力値が所定の基準値K1以上であるか
否かを判断する。ここで、スロットル開度TAの値が基
準値K1以上でない場合には、大気圧PAの検出を禁止
するものとして、その後の処理を一旦終了する。スロッ
トル開度TAの値が基準値K1以上である場合には、大
気圧PAを検出すべく、ステップ502へ移行する。こ
の実施例では、ステップ501の処理を実行するECU
50が、スロットルバルブ17が高開度状態であるとき
のみに大気圧PAの検出を許容するための高度検出限定
手段に相当している。
【0092】ステップ502においては、「バルブタイ
ミング制御ルーチン」にて設定されているVVT23の
制御状態を読み込む。即ち、LSV28に対する指令状
態を読み込む。
【0093】そして、ステップ503においては、VV
T23の制御状態が進角側のそれであるか否かを判断す
る。ここで、VVT23の制御状態が進角側のそれであ
る場合には、ステップ504において、スロットル開度
TA及びエンジン回転数NEの各入力値に基づき、進角
側のバルブタイミングに適合した単位吸入空気量GNに
係る標準値GNTA1を算出する。この実施例では、標
準値GNTA1が予め定められ、ROM52に記憶され
た図示しない二次元マップを参照して求められる。VV
T23の制御状態が進角側のそれでない場合には、ステ
ップ505において、スロットル開度TA及びエンジン
回転数NEの各入力値に基づき、遅角側のバルブタイミ
ングに適合した単位吸入空気量GNに係る標準値GNT
A2を算出する。この実施例では、標準値GNTA2が
予め定められ、ROM52に記憶された図示しない二次
元マップを参照して求められる。この実施例では、ステ
ップ502〜ステップ505の処理を実行するECU5
0が、スロットル開度TAに対する標準的な単位吸入空
気量GNの標準値GNTAの関係を、VVT23の制御
状態により補正するための高度判定補正手段に相当して
いる。
【0094】その後、ステップ504又はステップ50
5から移行してステップ506においては、吸入空気量
Q及びエンジン回転数NEの入力値に基づき実際の単位
吸入空気量GNを算出する。
【0095】そして、ステップ507において、今回の
単位吸入空気量GNの値が標準値GNTA1以上、又は
標準値GNTA2以上であるか否かを判断する。ここ
で、単位吸入空気量GNの値が標準値GNTA1以上、
又は標準値GNTA2以上でない場合には、ステップ5
08において、大気圧PAの値を補正値K2により減算
補正してその後の処理を一旦終了する。単位吸入空気量
GNの値が標準値GNTA1以上、又は標準値GNTA
2以上である場合には、ステップ509において、大気
圧PAの値を補正値K2により加算補正してその後の処
理を一旦終了する。
【0096】上記のようにして高度の代用値としての大
気圧PAが検出される。そして、この実施例では、上記
フローチャートにおけるステップ502〜509の処理
を実行するECU50が、スロットル開度TAと単位吸
入空気量GNとの関係から、高度の代用値としての大気
圧PAしを検出するための第2の高度判定手段に相当し
ている。
【0097】以上説明したように、この実施例では、制
御状態を二段に切換え可能なVVT23を備えたエンジ
ン1が使用されている。そして、ECU50では、大気
圧PAの判定に際して、VVT23の制御状態、つまり
はバルブタイミングの切換え状態に適合して予め設定さ
れた二種類の二次元マップが選択的に使用され、吸入空
気量Q、スロットル開度TA及びエンジン回転数NEの
関係から大気圧PAが判定される。そして、その判定の
結果として、自動車Amの使用環境における大気圧PA
が検出される。
【0098】従って、この実施例では、VVT23の駆
動途中に大気圧PAの検出が禁止されることを除いて、
前記第2実施例とほぼ同等の作用及び効果を得ることが
できる。加えて、この実施例では、カム回転角センサ4
8が省略されていることから、その分だけバルブタイミ
ング制御の構成を簡略化することができる。
【0099】(第4実施例)次に、上記第1の発明にお
ける車両の高度検出装置を具体化した第4実施例を図1
6〜図19に従って説明する。
【0100】この実施例では、充填効率可変手段とし
て、前述した各実施例におけるVVT23に代わって可
変吸気システム(ACIS)が使用されている。図16
は、この実施例のガソリンエンジンシステムを示す概略
構成図である。このエンジンシステムでは、図4に示さ
れるVVT23とそれに関わるLSV28及びカム回転
角センサ48等が省略され、それに代わって吸気制御バ
ルブ61を含む可変吸気システムが設けられている。即
ち、吸気通路6において、サージタンク18の下流に
は、別のサージタンク62が設けられている。このサー
ジタンク62には、その入口を開閉するために吸気制御
バルブ61が設けられている。吸気制御バルブ61はダ
イヤフラム式のアクチュエータ63により開閉される。
このアクチュエータ63はダイヤフラム室63a及び作
動ロッド63b等により構成されている。そして、ダイ
ヤフラム室63aに対する負圧の導入が制御されること
により、作動ロッド63bが伸縮され、もって吸気制御
バルブ61が開閉される。アクチュエータ63を作動さ
せるために、ダイヤフラム室63aにはエアパイプ64
の一端が接続されている。エアパイプ64の途中には、
三方式の電磁バルブよりなるバキューム・スイッチング
・バルブ(以下、単に「VSV」という)65と、バキ
ュームタンク66が設けられている。又、エアパイプ6
4の他端は、上流側のサージタンク18に連通されてい
る。そして、そのサージタンク18にて発生する吸気負
圧が、エアパイプ64、バキュームタンク66及びVS
V65を通じてアクチュエータ63のダイヤフラム室6
3aに導入可能となっている。
【0101】従って、VSV65が「オフ」されること
より、アクチュエータ63のダイヤフラム室63aがエ
アパイプ64を通じてバキュームタンク66に連通され
る。これにより、ダイヤフラム室63aへの負圧の導入
が許容され、アクチュエータ63が作動して吸気制御バ
ルブ61が閉じられる。一方、VSV65が「オン」さ
れることにより、アクチュエータ63のダイヤフラム室
63aが大気へ開放される。これにより、ダイヤフラム
室63aに大気が導入され、アクチュエータ63が作動
して吸気制御バルブ61が開かれる。そして、このよう
な吸気制御バルブ61の開閉がエンジン1の運転状態に
応じて切換えられることにより、吸気通路6の実質的な
長さが二段に変えられ、低速回転域から高速回転域まで
の全域にわたってエンジン1の出力トルクの向上が図ら
れる。
【0102】この実施例では、図17に示すように、エ
ンジン1の基準回転数α(例えば「α=4000rp
m」とする。)よりも低い低速回転域で、吸気制御バル
ブ61が閉じられる。これにより、吸気通路6が実質的
に長くなり、燃焼室4に対する空気の充填効率のピーク
が低速回転域へ移行する。そして、同図に2点鎖線で示
すように、低速回転域でピークを有する低速トルク特性
が得られる。これに対し、基準回転数αよりも高い高速
回転域では、吸気制御バルブ61が開かれる。これによ
り、吸気通路6が実質的に短くなり、空気の充填効率の
ピークが高速回転域へ移行する。そして、同図に破線で
示すように、高速回転域でピークを有する高速トルク特
性が得られる。この実施例では、上記のように吸気制御
バルブ61、サージタンク62、アクチュエータ63及
びVSV65等により可変吸気システム(ACIS)が
構成されている。そして、基準回転数αを基準に吸気制
御バルブ61が開閉されることにより、図17に太線で
示すように低速回転域から高速回転域まで広い範囲にわ
たってトルクアップが図られる。
【0103】図18はECU50により実行される「可
変吸気制御ルーチン」を示すフローチャートである。こ
のルーチンの処理は所定時間毎の定時割り込みで実行さ
れる。
【0104】処理がこのルーチンへ移行すると、ステッ
プ610において、回転数センサ46の検出値に基づき
エンジン回転数NEの値を読み込む。続いて、ステップ
620において、その読み込まれたエンジン回転数NE
の値が基準回転数αよりも小さいか否かを判断する。
【0105】そして、ステップ620において、エンジ
ン回転数NEの値が基準回転数αよりも小さい場合に
は、エンジン1の運転状態が低速回転域にあるものとし
て、ステップ630へ移行する。そして、ステップ63
0において、吸気制御バルブ61を閉じるためにVSV
65を「オフ」し、その後の処理を一旦終了する。これ
により、エンジン1のトルク特性が、図17に2点鎖線
及び太線で示すように、低速回転域に適した低速トルク
特性に切り換えられる。
【0106】一方、ステップ620において、エンジン
回転数NEの値が基準回転数αよりも小さくない場合に
は、エンジン1の運転状態が高速回転域にあるものとし
て、ステップ640へ移行する。そして、ステップ64
0において、吸気制御バルブ61を開くためにVSV6
5を「オン」し、その後の処理を一旦終了する。これに
より、エンジン1のトルク特性が、図17に破線及び太
線で示すように、高速回転域に適した高速トルク特性に
切り換えられる。
【0107】以上のように、エンジン回転数NEの変化
に応じて可変吸気システムが制御されることにより、燃
焼室4に対する空気の充填効率が変更され、エンジン回
転数NEの広い範囲にわたって、エンジン1のトルクア
ップが図られる。そして、この実施例では、上記の「可
変吸気制御ルーチン」の処理を実行するECU50が、
エンジン1の運転状態に応じて空気の充填効率を変更す
べく、可変吸気システムを制御するための充填効率制御
手段に相当している。
【0108】そして、上記の可変吸気制御に対応して大
気圧PAを検出するための演算が実行される。即ち、図
19はこの実施例でECU50により実行される「大気
圧検出ルーチン」を示すものである。
【0109】処理がこのルーチンへ移行すると、ステッ
プ600において、各センサ42,43,46等の各検
出値に基づき、吸入空気量Q、スロットル開度TA及び
エンジン回転数NE等に係る各入力値を読み込む。
【0110】続いて、ステップ601において、スロッ
トル開度TAの入力値が所定の基準値K1以上であるか
否かを判断する。そして、スロットル開度TAの値が基
準値K1以上でない場合には、大気圧PAの検出を禁止
するものとしてその後の処理を一旦終了する。スロット
ル開度TAの値が基準値K1以上である場合には、大気
圧PAを検出するためにステップ602へ移行する。こ
の実施例では、ステップ601の処理を実行するECU
50が、スロットルバルブ17が高開度状態であるとき
のみに大気圧PAの検出を許容するための高度検出限定
手段に相当している。
【0111】ステップ602においては、「可変吸気制
御ルーチン」にて設定される可変吸気システム(ACI
S)の制御状態を読み込む。即ち、VSV65に対する
指令状態を読み込む。
【0112】そして、ステップ603において、可変吸
気システムの制御状態が高速回転域側のそれであるか否
かを判断する。ここで、可変吸気システムの制御状態が
高速回転域側のそれである場合には、ステップ604に
おいて、スロットル開度TA及びエンジン回転数NEの
各入力値に基づき、高速回転域の吸気状態に適合した単
位吸入空気量GNに係る標準値GNTA3を算出する。
この実施例では、標準値GNTA3が予め定められ、R
OM52に記憶された図示しない二次元マップを参照し
て求められる。一方、ステップ603において、可変吸
気システムの制御状態が高速回転域側のそれでない場合
には、ステップ605において、スロットル開度TA及
びエンジン回転数NEの各入力値に基づき、低速回転域
の吸気状態に適合した単位吸入空気量GNに係る標準値
GNTA4を算出する。この実施例では、標準値GNT
A4が予め定められ、ROM52に記憶された図示しな
い二次元マップを参照して求められる。この実施例で
は、ステップ602〜ステップ605の処理を実行する
ECU50が、スロットル開度TAに対する標準値GN
TAの関係を、可変吸気システム(ACIS)の制御状
態により補正するための高度判定補正手段に相当してい
る。
【0113】又、ステップ604又はステップ605か
ら移行してステップ606においては、吸入空気量Q及
びエンジン回転数NEの入力値に基づき、そのときの実
際の単位吸入空気量GNを算出する。
【0114】そして、ステップ607において、今回の
単位吸入空気量GNが標準値GNTA3以上、又は標準
値GNTA4以上であるか否かを判断する。ここで、単
位吸入空気量GNの値が標準値GNTA3以上、又は標
準値GNTA4以上でない場合には、ステップ608に
おいて、大気圧PAの値を補正値K2により減算補正し
てその後の処理を一旦終了する。単位吸入空気量GNの
値が標準値GNTA3以上、又は標準値GNTA4以上
である場合には、ステップ609において、大気圧PA
の値を補正値K2により加算補正してその後の処理を一
旦終了する。
【0115】上記のようにして高度の代用値としての大
気圧PAが検出される。そして、この実施例では、上記
フローチャートにおけるステップ602〜609の処理
を実行するECU50が、スロットル開度TAと単位吸
入空気量GNとの関係から、高度の代用値としての大気
圧PAを検出するための第1の高度判定手段に相当して
いる。
【0116】以上説明したように、この実施例では、吸
気状態を二段に切換え可能な可変吸気システムを備えた
エンジン1が使用されている。そして、ECU50で
は、大気圧PAの判定に際して、可変吸気システムの制
御状態に適合して予め補正設定された二種類の二次元マ
ップが選択的に使用され、吸入空気量Q、スロットル開
度TA及びエンジン回転数NEの関係から大気圧PAが
判定される。そして、その判定の結果として自動車Am
の使用環境における大気圧PAが検出される。
【0117】従って、この実施例では、スロットル開度
TAが変化していないにもかかわらず、可変吸気システ
ムの作動により燃焼室4に対する空気の充填効率が変化
したとしても、その変化を補償して大気圧APが検出さ
れる。その結果、可変吸気システムを有するエンジン1
であっても、特別な気圧計を用いることなく、エンジン
1の運転状態に基づいて大気圧PAの値を適正に検出す
ることができる。しかも、この実施例でも、可変吸気シ
ステムの制御状態にかかわらず、大気圧PAの検出を任
意のタイミングで比較的頻繁に行うことができる。
【0118】加えて、この実施例でも、スロットル開度
TAが全開に近い状態で大気圧PAが検出されることか
ら、大気圧PAの大きさを良好に反映した吸入空気量Q
が得られ、大気圧PAの検出精度を向上させることがで
きる。
【0119】尚、この発明は以下のような別の実施例に
具体化することもできる。 (1)前記第1及び第2の実施例では、カム回転角セン
サ48により検出されるカム回転角θCAMの値と、目
標値としてのバルブタイミング進角値θVTAとが一致
するようにVVT23をフィードバック制御するように
構成した。これに対し、前記第1及び第2の実施例の構
成において、カム回転角センサ48を省略し、単に目標
値としてのバルブタイミング進角値θVTAの値に基づ
いてVT23を一義的に制御するように構成してもよ
い。この場合、VVT23の制御状態を反映した単位吸
入空気量GNの標準値GNTAは、スロットル開度T
A、エンジン回転数NE及びバルブタイミング進角値θ
VTAをパラメータとして算出することができる。この
場合も、前記第1及び第2の実施例とほぼ同等の作用及
び効果を得ることができる。
【0120】(2)前記第4実施例では、吸気通路6に
おける吸気状態を、エンジン1の回転域に合わせて二段
に切換え可能な可変吸気システムを設けた。これに対
し、吸気通路6における吸気状態を、エンジン1の回転
域に合わせて任意に連続的に変更可能な可変吸気システ
ムを設けてもよい。この場合、可変吸気システムの制御
状態を補償して大気圧PAを検出するために、同システ
ムを制御するための指令値、或いは同システムを構成す
る吸気制御バルブ等の作動部材の位置に係る検出値と、
スロットル開度TA及びエンジン回転数NEとをパラメ
ータとして使用することができる。この場合も、前記第
4実施例と同等の作用及び効果を得ることができる。
【0121】(3)前記各実施例では、エアフローメー
タ42により検出される吸入空気量Qの値を用いて燃料
噴射量等の制御を実行するガソリンエンジンシステムに
具体化した。これに対し、前記各実施例の構成におい
て、エアフローメータ42に代わって、サージタンク1
8内の吸気圧PMを検出するための吸気圧センサを設け
る。そして、同センサにより検出される吸気圧PMの値
を用いて燃料噴射量等の制御を実行するガソリンエンジ
ンシステムに具体化することもできる。この場合、VV
T23、可変吸気システムの制御状態を反映した単位吸
入空気量GNの標準値GNTAに代わって、VVT2
3、可変吸気システムの制御状態を反映した吸気圧PM
の標準値PMTAを求めることになる。そして、その標
準値PMTAと実際の吸気圧PMとの値を比較すること
により、大気圧PAを検出することができる。この場合
も前記各実施例と同等の作用及び効果を得ることができ
る。
【0122】(4)前記各実施例では、VVT23又は
可変吸気システムの制御状態を補償して大気圧PAを検
出するために、VVT23又は可変吸気システムの制御
状態に応じて単位吸入空気量GNに係る標準値GNTA
の値を補正したり、上記制御状態に応じて使用されるべ
き標準値GNTA1〜GNTA4のマップを切り換える
ようにした。これに対し、スロットル開度TAとエンジ
ン回転数NEとの関係から求められる標準値GNTAに
より大気圧PAを判定し、その判定された大気圧PAを
VVT23又は可変吸気システムの制御状態に応じて補
正することにより、大気圧PAを検出するようにしても
よい。この場合も、前記各実施例と同等の作用及び効果
を得ることができる。
【0123】(5)前記第2実施例では、VVT23を
備えたエンジン1において、そのVVT23の駆動途中
に大気圧PAの検出を禁止するように構成した。これに
対し、可変吸気システムを備えたエンジンにおいて、同
システムの駆動途中に同じく大気圧PAの検出を禁止す
るように構成してもよい。又、大気圧PAの検出を禁止
する方法としては、VVT23又は可変吸気システムを
制御するための指令値が、実際の制御状態を示す検出値
と一致するまでの間で禁止することが考えられる。その
外に、VVT23又は可変吸気システムの制御が開始さ
れてから、その制御が終了するのに充分な所定時間の間
だけ大気圧PAの検出を禁止することも考えられる。こ
れらの場合も、前記第2実施例と同等の作用及び効果を
得ることかできる。
【0124】(6)前記第1〜第3の実施例では、吸気
側のカムシャフト10に設けられたVVT23により吸
気バルブ8の開閉タイミングのみを変更することによ
り、バルブオーバラップを調整するようにした。これに
対し、排気側のカムシャフト11にVVTを設け、その
VVTにより排気バルブ9の開閉タイミングのみを変更
することにより、バルブオーバラップを調整するように
してもよい。或いは、吸気側及び排気側の両カムシャフ
ト10,11にVVTをそれぞれ設け、それら各VVT
により吸気バルブ8、排気バルブ9の開閉タイミングを
それぞれ変更することにより、バルブオーバラップを調
整するようにしてもよい。この場合も、前記第1〜第3
の実施例と同等の作用及び効果を得ることができる。
【0125】(7)前記第1〜第3の実施例では、油圧
により駆動されるVVT23を用いたが、ステップモー
タ等の電気的なアクチュエータにより駆動されるVVT
を用いてもよい。この場合も、前記第1〜第3の実施例
と同等の作用及び効果を得ることができる。
【0126】以下、上記各実施例から把握できる請求項
以外の技術的思想について、それらの効果と共に記載す
る。 (イ)請求項1に記載した第1の発明において、前記充
填効率可変手段を、前記吸気通路の長さ又は径を変更可
能にした可変吸気システムにより構成した車両の高度検
出装置。
【0127】この構成によれば、燃焼室に対する空気の
充填効率を運転状態に応じて可変とする可変吸気システ
ムを有する内燃機関を搭載した車両において、特別な気
圧計を用いることなく内燃機関の運転状態から高度検出
を行うことができる。併せて、可変吸気システムの制御
状態にかかわらず、高度検出を任意のタイミングで比較
的頻繁に行うことができる。
【0128】(ロ)請求項1に記載した第1の発明にお
いて、前記充填効率可変手段を、前記吸気通路の長さ又
は径を変更可能にした可変吸気システムにより構成し、
前記充填効率制御手段により前記可変吸気システムが駆
動されている途中では、前記第1の高度判定手段による
高度の判定を禁止するための高度判定禁止手段を設けた
車両の高度検出装置。
【0129】この構成によれば、上記(イ)に記載の技
術的思想における効果に加えて、可変吸気システムによ
り燃焼室に対する空気の充填効率が変化しつつあるとき
に、誤って高度が判定されることがなく、高度の検出精
度、その検出信頼性を高めることができる。
【0130】(ハ)請求項1に記載した第1の発明にお
いて、前記内燃機関が所定温度よりも低い低温状態であ
るときに、前記第1の高度判定手段による高度の判定を
禁止するための低温時禁止手段を設けた車両の高度検出
装置。
【0131】この構成によれば、第1の発明の効果に加
えて、内燃機関の始動直後等の不安定な状態で高度の検
出が行われることがなく、高度の検出精度を高めること
ができる。
【0132】尚、この明細書において、発明の構成に係
る手段及び部材は、以下のように定義されるものとす
る。 (a)前記可変バルブタイミング機構(VVT)は、内
燃機関の負荷状態に応じてバルブタイミングを変化させ
るもののみならず、負荷状態に応じてバルブリフト量を
変化させるものを含むことを意味する。又、タイミング
プーリとカムシャフトとの回転位相を変化させることに
よりバルブタイミングを変化させるもの、或いは、カム
シャフト上の複数のカムを選択的に使用することによ
り、吸気バルブ・排気バルブの開閉タイミング又はリフ
ト量を変化させるものを含むものとする。更に、個々の
吸気バルブ・排気バルブを個別に開閉駆動するためのア
クチュエータを設け、そのアクチュエータの駆動時期、
駆動量を変更することにより、バルブタイミング又はバ
ルブリフト量を変化させるものを含むものとする。
【0133】(b)前記可変吸気システム(ACIS)
は、内燃機関の運転領域の違いに応じて吸気通路の実質
的な長さ又は径を変化させるものを意味し、サージタン
ク等に設けられた一つ又は複数の吸気制御バルブの開閉
により切り換えるもののみならず、トロンボーン式に連
続して変化をするものを含むものとする。
【0134】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1に記載の
第1の発明によれば、内燃機関の運転状態に応じて充填
効率可変手段を制御することにより、燃焼室に対する空
気の充填効率を変更する。そして、スロットルバルブの
開度及び吸入空気量と、充填効率可変手段の制御状態と
の関係から、車両の使用環境における高度を判定するよ
うにしている。
【0135】従って、スロットルバルブの開度が変化し
ていないにもかかわらず、充填効率可変手段により吸入
空気量が変化したとしても、その変化を補償して高度検
出が行われる。その結果、充填効率可変手段を有する内
燃機関を搭載した車両において、特別な気圧計を用いる
ことなく内燃機関の運転状態から高度検出を行うことが
できる。併せて、充填効率可変手段の制御状態にかかわ
らず、高度検出を任意のタイミングで比較的頻繁に行う
ことができるという優れた効果を発揮する。
【0136】請求項2に記載の第2の発明によれば、内
燃機関の運転状態に応じて可変バルブタイミング機構を
制御することにより、燃焼室に対する空気の充填効率を
変更する。そして、スロットルバルブの開度と吸入空気
量との関係より車両の使用環境における高度を判定す
る。更に、その高度の判定に際して、スロットルバルブ
の開度と吸入空気量との関係を、可変バルブタイミング
機構の制御状態により補正するようにしている。
【0137】従って、第1の発明と同等な作用に加え
て、高度判定のために、スロットルバルブの開度と吸入
空気量との関係において予め設定されるべきデータと、
その補正のために、可変バルブタイミング機構の制御状
態に関して予め設定されるべきデータとを別々に設ける
ことが可能となる。その結果、第1の発明と同等な効果
に加えて、可変バルブタイミング機構の制御状態を反映
して高度を検出するために、三次元マップの使用を不要
とすることができる。延いては、マップの設計を相対的
に簡易にすることができ、マップを記憶するために費や
されるべき記憶手段の容量を少なくすることができると
いう優れた効果を発揮する。
【0138】請求項3に記載の第3の発明によれば、第
2の発明において、可変バルブタイミング機構が駆動さ
れている途中では、高度判定を禁止するようにしてい
る。従って、第2の発明の作用に加えて、可変バルブタ
イミング機構の駆動途中に誤って高度が判定されること
がない。その結果、第2の発明の効果に加えて、高度の
検出精度、その検出値の信頼性を高めることができると
いう優れた効果を発揮する。請求項4に記載の第4の発
明によれば、第2又は第3の発明において、スロットル
バルブが高開度状態にあることを条件に、高度の判定を
許容するようにしている。従って、スロットルバルブが
高開度の状態で大気圧の大きさが吸入空気量に良好に反
映されるときのみに、高度が判定される。その結果、第
2又は第3の発明の効果に加えて、高度の検出精度を更
に高めることができるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の基本的な概念構成を示す概念構成
図である。
【図2】第2の発明の基本的な概念構成を示す概念構成
図である。
【図3】第3の発明の基本的な概念構成を示す概念構成
図である。
【図4】第1の発明を具体化した第1実施例において、
車両の高度検出装置を含むガソリンエンジンシステムを
示す概略構成図である。
【図5】第1実施例において、VVT等を示す側面図で
ある。
【図6】(a),(b)は第1実施例において、吸気バ
ルブと排気バルブとのバルブオーバラップを示す説明図
である。
【図7】第1実施例において、ECU等の構成を示すブ
ロック図である。
【図8】第1実施例において、ECUにより実行される
「バルブタイミング制御ルーチン」を示すフローチャー
トである。
【図9】第1実施例において、ECUにより実行される
「大気圧検出ルーチン」を示すフローチャートである。
【図10】第1実施例において、「大気圧検出ルーチ
ン」にて大気圧検出のために使用される三次元マップで
ある。
【図11】第1〜第3の発明を具体化した第2実施例に
おいて、大気圧検出のために使用される二次元マップで
ある。
【図12】第2実施例において、ECUにより実行され
る「大気圧検出ルーチン」を示すフローチャートであ
る。
【図13】第1及び第2の発明を具体化した第3実施例
において、ECUにより実行される「バルブタイミング
制御ルーチン」を示すフローチャートである。
【図14】第3実施例において、「バルブタイミング制
御ルーチン」にて運転領域の判定のために使用されるマ
ップである。
【図15】第3実施例において、ECUにより実行され
る「大気圧検出ルーチン」を示すフローチャートであ
る。
【図16】第1の発明を具体化した第4実施例におい
て、車両の高度検出装置を含むガソリンエンジンシステ
ムを示す概略構成図である。
【図17】第4実施例において、可変吸気システムの制
御結果を示すグラフである。
【図18】第4実施例において、ECUにより実行され
る「可変吸気制御ルーチン」を示すフローチャートであ
る。
【図19】第4実施例において、ECUにより実行され
る「大気圧検出ルーチン」を示すフローチャートであ
る。
【符号の説明】
1…内燃機関としてのエンジン、4…燃焼室、6…吸気
通路、7…排気通路、8…吸気バルブ、9…排気バル
ブ、17…スロットルバルブ、23…VVT(23によ
り充填効率可変手段が構成されている)、42…エアフ
ローメータ、43…スロットルセンサ、45…水温セン
サ、46…回転数センサ(42,43,45,46等に
より運転状態検出手段が構成されている)、50…EC
U(50により充填効率制御手段、第1の高度判定手
段、バルブタイミング制御手段、第2の高度判定手段、
高度判定補正手段及び高度判定禁止手段が構成されてい
る)、61…吸気制御バルブ、62…サージタンク(6
1,62等により充填効率可変手段としての可変吸気シ
ステムが構成されている)、Am…自動車。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 曽根 茂 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車 株式会社 内 (72)発明者 後藤 淳史 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車 株式会社 内 (72)発明者 長縄 忠久 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車 株式会社 内 (56)参考文献 特開 平1−208537(JP,A) 特開 平6−29378(JP,A) 特開 平5−248294(JP,A) 特開 平5−180048(JP,A) 特開 平5−187303(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01L 13/00 - 13/02 F02D 41/00 - 45/00 F02D 17/00 - 17/04 F02D 29/00 - 29/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関を搭載した車両の使用環境にお
    ける高度を検出するようにした高度検出装置であって、 前記内燃機関の燃焼室に空気を供給するための吸気通路
    と、 前記吸気通路に設けられ、その吸気通路を通じて前記燃
    焼室に吸入される空気量を調節するためのスロットルバ
    ルブと、 前記スロットルバルブの開度、機関回転数及び吸入空気
    量を含む前記内燃機関に係る各種運転パラメータを運転
    状態として検出するための運転状態検出手段と、 前記スロットルバルブとは別に設けられ、前記燃焼室に
    対する空気の充填効率を可変とするための充填効率可変
    手段と、 前記内燃機関の運転状態に応じて前記充填効率を変更す
    べく、前記運転状態検出手段の検出結果に基づいて前記
    充填効率可変手段を制御するための充填効率制御手段
    と、 前記運転状態検出手段により検出される前記スロットル
    バルブの開度、機関回転数及び前記吸入空気量と、前記
    充填効率制御手段による前記充填効率可変手段の制御状
    態との関係から、前記高度を判定するための第1の高度
    判定手段とを備えたことを特徴とする車両の高度検出装
    置。
  2. 【請求項2】 内燃機関を搭載した車両の使用環境にお
    ける高度を検出するようにした高度検出装置であって、 前記内燃機関の燃焼室に通じて設けられた吸気通路及び
    排気通路と、 前記吸気通路に設けられ、その吸気通路を通じて前記燃
    焼室に吸入される空気量を調節するためのスロットルバ
    ルブと、 前記スロットルバルブの開度、機関回転数及び吸入空気
    量を含む前記内燃機関に係る各種運転パラメータを運転
    状態として検出するための運転状態検出手段と、 前記内燃機関の回転に同期して所定のタイミングで駆動
    され、前記燃焼室に通じる前記吸気通路及び前記排気通
    路をそれぞれ開閉するための吸気バルブ及び排気バルブ
    と、 前記燃焼室に対する空気の充填効率を可変とすべく、前
    記吸気バルブ及び前記排気バルブの少なくとも一方の開
    閉タイミングを可変とするために駆動される可変バルブ
    タイミング機構と、 前記内燃機関の運転状態に応じてバルブタイミングを変
    更すべく、前記運転状態検出手段の検出結果に基づいて
    前記可変バルブタイミング機構を制御するためのバルブ
    タイミング制御手段と、 前記運転状態検出手段により検出される前記スロットル
    バルブの開度、機関回転数及び前記吸入空気量との関係
    より前記高度を判定するための第2の高度判定手段と、 前記第2の高度判定手段により判定される前記スロット
    ルバルブの開度、機関回転数及び前記吸入空気量との関
    係を、前記バルブタイミング制御手段による前記可変バ
    ルブタイミング機構の制御状態により補正するための高
    度判定補正手段とを備えたことを特徴とする車両の高度
    検出装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の車両の高度検出装置に
    おいて、前記バルブタイミング制御手段の制御により前
    記可変バルブタイミング機構が駆動されている途中で
    は、前記第2の高度判定手段による高度の判定を禁止す
    るための高度判定禁止手段を設けたことを特徴とする車
    両の高度検出装置。
  4. 【請求項4】 前記スロットルバルブが高開度状態にあ
    ることを条件に前記第2の高度判定手段による高度の判
    定を許容するための高度検出限定手段を更に備える請求
    項2又は3に記載の車両の高度検出装置。
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