JP2979872B2 - 内燃機関の排気浄化装置における暖機制御方法 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置における暖機制御方法

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JP2979872B2 JP4339277A JP33927792A JP2979872B2 JP 2979872 B2 JP2979872 B2 JP 2979872B2 JP 4339277 A JP4339277 A JP 4339277A JP 33927792 A JP33927792 A JP 33927792A JP 2979872 B2 JP2979872 B2 JP 2979872B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は内燃機関の排気浄化装
置に係り、詳しくは内燃機関からの排気ガスを浄化する
ための触媒を活性化させるべく、その温度を上昇させる
内燃機関の排気浄化装置における暖機制御方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、排気ガスを浄化するための触媒を
搭載した車両が軽負荷で定常走行状態を継続したときに
は、排気ガスによるエネルギーが不足してその触媒の温
度が低下することが知られている。そして、触媒温度が
低下した場合には、触媒が活性化されにくくなり、排気
ガスの浄化率が低下してしまうという問題が生じる。
【0003】そこで、上記の不具合を解消するための方
策として、例えば特開昭61−72876号公報に提案
された技術が知られている。この技術では、車両の軽負
荷定常走行状態が継続したときには、点火時期が遅角さ
れるようになっている。そして、この遅角により排気ガ
ス中の未燃焼成分が多くなるとともに、触媒を収容する
触媒コンバータ内でこの未燃焼成分が再燃焼される。そ
のため、触媒温度が上昇し、排気ガスの浄化率の低下が
防止される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、軽負荷定常
走行に移行する直前までは、高負荷走行が長時間継続さ
れており、触媒の温度が充分に高い状態となっている場
合もありうる。これに対し、上記従来技術では、運転状
態が軽負荷定常走行に移行した段階で、単に点火時期が
画一的に遅角制御されるだけであった。このため、触媒
の温度が充分に高い状態にあるにもかかわらず、一律に
遅角制御がなされた場合には、触媒の温度が過度に上昇
されてしまうおそれがあった。また、このような遅角制
御がなされることにより、不必要に燃費が悪化してしま
うおそれがあった。
【0005】さらに、上記従来技術では、軽負荷定常走
行状態においてのみ点火時期が遅角制御されるようにな
っているため、例えば燃料カット等、その他の触媒温度
の低下を来す要因に対しては何らの方策も考慮されてい
なかった。すなわち、燃料カットが行われた場合にも触
媒温度は低下するのであるが、該燃料カット中には燃料
噴射が行われないため、遅角制御を実行することは不可
能であった。その結果、排気ガスの浄化率が低下してし
まうという問題が依然としてあった。
【0006】この発明は前述した事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、内燃機関からの排気ガスを
浄化するための触媒の温度を上昇させる排気浄化装置の
暖機制御方法において、触媒温度を低下させる様々な要
因に対しても、触媒温度を過度に上昇させてしまうこと
なく適正値に制御して排気ガスの浄化率の向上を図ると
ともに、不要な燃費の悪化を抑制することの可能な内燃
機関の排気浄化装置における暖機制御方法を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明においては、内燃機関の運転状
態を検出し、その検出結果に基づいて現在の運転状態が
内燃機関からの排気ガスを浄化するための触媒の温度低
下を来す運転状態にあるか否かを判断して、その判断結
果に基づき、触媒の温度を上昇させる内燃機関の排気浄
化装置における暖機制御方法であって、内燃機関の運転
状態の検出結果に基づき、触媒の温度低下を来す運転状
態が開始されたものと判断したときの触媒の温度を推定
し、該推定される温度に応じて前記触媒の温度の上昇動
作の開始を遅延させることを特徴とする内燃機関の排気
浄化装置における暖機制御方法をその要旨としている。
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明におい
て、前記触媒の温度の上昇動作の開始後、その経過時間
を監視し、該時間が前記触媒の暖機を保証し得る所定の
時間に達したとき、同触媒の温度の上昇動作を停止する
ことをその要旨としている。
【0008】
【作用】請求項1記載の発明によれば、内燃機関の運転
状態の検出結果に基づいて現在の運転状態が内燃機関か
らの排気ガスを浄化するための触媒の温度低下を来す運
転状態にあるか否かが判断される。そして、触媒の温度
低下を来す運転状態が開始されたものと判断されたとき
の触媒の温度が推定され、この推定される触媒の温度に
応じて触媒の温度の上昇動作の開始が遅延される。
【0009】このため、触媒の温度低下を来す運転状態
が開始された場合であっても、その開始時に推定される
触媒の温度に基づいて、触媒の温度が未だ十分に高いよ
うな場合には、触媒の温度の上昇動作の開始が遅延され
る。従って、その遅延されている間は触媒の温度が上昇
しないため、異常に高温となることはない。
【0010】また、触媒温度は、触媒の温度低下を来す
要因に基づいて制御されるのではなく、触媒の温度低下
を来す運転状態の開始後に制御されることから、触媒の
温度低下を来す要因が特に限定されることはなく、その
運転状態の開始後で、かつ、遅延時間経過後には触媒の
温度は上昇され得る。請求項2記載の発明によれば、前
記触媒の温度の上昇動作の開始後の経過時間が触媒の温
度上昇を保証し得る所定の時間に達したとき、同触媒の
温度の上昇動作が停止されるため、この触媒の温度の上
昇動作が過度に続けられることによる悪影響の発生が防
止される。
【0011】
【実施例】
(第1実施例)以下、この発明における内燃機関の排気
浄化装置における暖機制御方法を具体化した第1実施例
を図1〜6に基づいて詳細に説明する。
【0012】図1はこの実施例におけるエンジンの制御
装置を示す概略構成図である。自動車に搭載された内燃
機関としてのエンジン1は複数気筒よりなり、エンジン
1を構成するシリンダブロック2には気筒数分のシリン
ダボア3が形成されている。シリンダブロック2の上側
には各シリンダボア3を閉塞するようにシリンダヘッド
4が組み付けられている。各シリンダボア3にはピスト
ン5が上下動可能に設けられ、そのピストン5がコンロ
ッド6を介して図示しないクランクシャフトに結されて
いる。そして、シリンダボア3の内部において、ピスト
ン5とシリンダヘッド4とで囲まれた空間が燃焼室7と
なっている。また、シリンダボア3やコンロッド6等の
各部には、エンジン1の運転時に図示しないオイルパン
内の潤滑オイルが供給されるようになっている。
【0013】シリンダヘッド4には、各燃焼室7のそれ
ぞれに対応して点火プラグ8が設けられている。また、
シリンダヘッド4には、各燃焼室7に連通する吸気ポー
ト9及び排気ポート10がそれぞれ設けられ、これら各
ポート9,10には吸気通路11及び排気通路12がそ
れぞれ連通して接続されている。さらに、吸気ポート9
及び排気ポート10の燃焼室7に連通する各開口端に
は、開閉用の吸気バルブ13及び排気バルブ14がそれ
ぞれ設けられている。これら吸気バルブ13及び排気バ
ルブ14は、図示しないカムシャフトを含む動弁装置に
よりクランクシャフトの回転に連動して開閉されるよう
になっている。また、これら各バルブ13,14の開閉
タイミングは、クランクシャフトの回転に同期して開閉
される。すなわち、各バルブ13,14は吸気行程、圧
縮行程、爆発・膨張行程及び排気行程の一連の行程に同
期して、所定のタイミングで開閉されるようになってい
る。
【0014】吸気通路11の入口側にはエアクリーナ1
5が設けられている。また、吸気通路11の途中には、
同通路11を通過する空気の脈動を平滑化させるための
サージタンク16が設けられている。さらに、このサー
ジタンク16の下流側にて、各気筒毎の吸気ポート9の
近傍には、燃料噴射用のインジェクタ17がそれぞれ設
けられている。これらインジェクタ17には図示しない
燃料タンクから、燃料ポンプによって所定圧力の燃料が
供給されるようになっている。一方、排気通路12の出
口側には、排気を浄化するための三元触媒を内蔵してな
る触媒コンバータ18が設けられている。
【0015】そして、エンジン1にはエアクリーナ15
から取り込まれた外気が、サージタンク16を含む吸気
通路11を通じて導入される。また、その外気の導入と
同時に各インジェクタ17から燃料が噴射されることに
より、その外気と燃料との混合気が吸入行程における吸
気バルブ13の開きに同期して燃焼室7に取り込まれ
る。さらに、燃焼室7に取り込まれた混合気が点火プラ
グ8によって点火されることにより、その混合気が爆発
・燃焼してエンジン1に駆動力が得られる。そして、爆
発・燃焼後の排気ガスは、排気行程における排気バルブ
14の開きに同期して排気通路12へと導かれ、その排
気通路12から触媒コンバータ18等を通じて外部へ排
出される。
【0016】サージタンク16の上流側には、図示しな
いアクセルペダルの操作に連動して開閉されるスロット
ルバルブ19が設けられている。そして、このスロット
ルバルブ19が開閉されることにより、吸気通路11へ
の外気の取り込み量、すなわち吸入空気量Qが調節され
る。スロットルバルブ19の近傍には、同バルブ19の
開度、すなわちスロットル開度TAを検出するスロット
ルセンサ31が設けられている。このスロットルセンサ
31は、スロットル開度TAの信号を出力すると共に、
スロットルバルブ19が全閉位置にあるときのみ「オ
ン」されるいわばアイドル接点によりアイドル信号を出
力するようになっている。また、エアクリーナ15の下
流側には、吸気通路11への吸入空気量Qを検出するエ
アフローメータ32が設けられている。併せて、エアク
リーナ15とエアフローメータ32との間には、吸気通
路11に取り込まれる空気の温度、すなわち吸気温TH
Aを検出する吸気温センサ33が設けられている。
【0017】さらに、排気通路12の途中には、排気中
の酸素濃度OXを検出する、すなわち、排気通路12に
おける排気空燃比を検出する酸素センサ34が設けられ
ている。また、シリンダブロック2には、エンジン1の
冷却水の温度、すなわち冷却水温THWを検出する水温
センサ35が設けられている。
【0018】各気筒毎の点火プラグ8には、ディストリ
ビュータ20にて分配された点火信号が印加される。デ
ィストリビュータ20はイグナイタ21から出力される
高電圧をクランクシャフトの回転、すなわちクランク角
に同期して各点火プラグ8に分配するためのものであ
る。そして、各点火プラグ8の点火タイミングは、イグ
ナイタ21からの高電圧出力タイミングによって決定さ
れる。
【0019】ディストリビュータ20にはクランクシャ
フトの回転に連動して回転される図示しないロータが内
蔵されている。そして、ディストリビュータ20には、
そのロータの回転からエンジン1の回転数、すなわちエ
ンジン回転数NEを検出する回転数センサ36が設けら
れている。同じくディストリビュータ20には、そのロ
ータの回転に応じてエンジン1のクランク角基準信号を
所定の割合で検出する気筒判別センサ37が設けられて
いる。この実施例では、エンジン1における一連の行程
に対してクランクシャフトが2回転するものとし、回転
数センサ36は1パルス当たり30°CAの割合でクラ
ンク角を検出する。また、気筒判別センサ37は1パル
ス当たり360°CAの割合でクランク角を検出する。
【0020】併せて、この実施例の吸気通路11には、
スロットルバルブ19を迂回して同バルブ19の上流側
と下流側とを互いに連通させるバイパス通路22が設け
られている。このバイパス通路22の途中には、周知の
リニアソレノイド式のアイドルスピードコントロールバ
ルブ(ISCV)23が設けられている。そして、IS
CV23が所定の制御信号に基づいて駆動制御されるこ
とにより、バイパス通路22が開閉されるようになって
いる。このISCV23はスロットルバルブ19が全閉
となるエンジン1のアイドリング時等に、そのアイドリ
ングを安定させるために作動させるものである。従っ
て、エンジン1のアイドリング時に、ISCV23の開
度及びその開弁時間が制御されることにより、つまりI
SC制御が行われることによりバイパス通路22を流れ
る空気量が調節され、燃焼室7への吸入空気量Qが調節
される。また、上記の調節によってエンジン1のトルク
も調節されるようになっている。
【0021】そして、各インジェクタ17、イグナイタ
21、ISCV23は電子制御装置(以下単に「EC
U」という)51に電気的に接続され、同ECU51の
作動によってそれらの駆動タイミングが制御される。こ
のECU51には前述したスロットルセンサ31、エア
フローメータ32、吸気温センサ33、酸素センサ3
4、水温センサ35、回転数センサ36及び気筒判別セ
ンサ37がそれぞれ接続されている。そして、ECU5
1はエンジン1の点火時期制御、燃料噴射量制御及びI
SC制御等を司るために、各センサ31,33〜37及
びエアフロメータ32からの出力信号に基づき、各イン
ジェクタ17、イグナイタ21及びISCV23を好適
に駆動制御するようになっている。
【0022】ここで、ECU51の電気的構成を図2の
ブロック図に従って説明する。ECU51は中央処理装
置(CPU)52、所定の制御プログラム等を予め記憶
した読み出し専用メモリ(ROM)53、CPU52の
演算結果等を一時記憶するランダムアクセスメモリ(R
AM)54、記憶されたデータを保存するバックアップ
RAM55、タイマカウンタ56等とを備えている。そ
して、ECU51はこれら各部と外部入力回路57及び
外部出力回路58等とをバス59によって接続してなる
理論演算回路として構成されている。この実施例におい
て、ROM53には、後述する「遅角量算出ルーチン」
等の制御プログラムや各種のマップ等が予め記憶されて
いる。また、この実施例において、タイマカウンタ56
は所定時間毎の割り込み信号を出力すると共に、同時に
複数のカウント動作を行うようになっている。
【0023】外部入力回路57には、前述したスロット
ルセンサ31、エアフローメータ32、吸気温センサ3
3、酸素センサ34、水温センサ35、回転数センサ3
6、及び気筒判別センサ37等がそれぞれ接続されてい
る。また、外部出力回路58には、各インジェクタ1
7、イグナイタ21及びISCV23がそれぞれ接続さ
れている。
【0024】そして、CPU52は外部入力回路57を
介して入力される各センサ31,33〜37及びエアフ
ロメータ32からの各信号を入力値として読み込む。ま
た、CPU51はそれら読み込んだ入力値に基づき、各
インジェクタ17、イグナイタ21及びISCV23を
好適に駆動制御する。
【0025】次に、上記のように構成されたエンジンの
制御装置における点火時期制御のための処理動作につい
て図3〜図5に従って説明する。図3,4に示すフロー
チャートは、ECU51により実行される各処理のう
ち、軽負荷定常走行が行われることにより触媒コンバー
タ18の暖機制御を行うに際し、イグナイタ21の駆動
タイミングを制御して点火時期を遅角させるための「遅
角量算出ルーチン」を示すもので、所定時間毎の定時割
り込みで実行される。なお、軽負荷定常走行が行われる
ことにより、エンジン1から排出される排気ガスの量が
中・高負荷走行に比べて激減するため、一般に触媒コン
バータ18の触媒温度THCは低下する。
【0026】処理がこのルーチンに移行すると、まずス
テップ101において、回転数センサ36及びエアフロ
メータ32からの検出信号に基づきエンジン回転数N
E、1回転当たりの吸入空気量QN(1分間の吸入空気
量Qをエンジン回転数NEで除算した値)等を読み込
む。
【0027】次に、ステップ102においては、軽負荷
定常走行フラグFKEIを読み込む。この軽負荷定常走
行フラグFKEIは、別途のルーチンで設定されたもの
であり、軽負荷定常走行が行われた場合には「1」に設
定され、そうでない場合、すなわち、中・高負荷走行が
行われた場合には「0」に設定される。
【0028】続くステップ103において、今回のルー
チンで読み込まれた軽負荷定常走行フラグFKEIが
「1」であるか否かを判断する。そして、軽負荷定常走
行フラグFKEIが「1」でない場合には、現在軽負荷
定常走行が行われていないものと判断する。すなわち、
現在の運転状態が、少なくとも軽負荷定常走行によって
触媒温度THCの低下を来す運転状態にはないものと判
断してステップ104へ移行する。
【0029】ステップ104においては、触媒温度推定
カウント値CSKEIをカウントアップさせるためのカ
ウントアップ値CUPを算出する。ここで、触媒温度推
定カウント値CSKEIは、触媒温度THCを推定する
ためのパラメータである。また、このカウント値CSK
EIが「A」以下となったときには、触媒の温度が暖機
を要する温度(注意温度)にまで低下したものと推定さ
れるようになっている。さらに、このカウント値CSK
EIが「A−10」以下となったときには、触媒の温度
がある程度まで上昇し、暫くの間は触媒の温度上昇の必
要がないものと推定されるようになっている(これらに
ついては後述する)。なお、この処理におけるカウント
アップ値CUPは、前述したエンジン回転数NE、1回
転当たりの吸入空気量QN等に基づき、図示しないマッ
プを参照して算出される。
【0030】また、ステップ105においては、触媒温
度推定カウント値CSKEIの上限たる触媒温度推定カ
ウント上限値CMAXを算出する。この処理における触
媒温度推定カウント上限値CMAXは、前記カウントア
ップ値CUPと同様、エンジン回転数NE、1回転当た
りの吸入空気量QN等に基づき、図示しないマップを参
照して算出される。但し、上記カウントアップ値CUP
及び触媒温度推定カウント上限値CMAXは、共にエン
ジン1が高回転、高負荷であるほど大きい値に設定され
る。
【0031】次に、ステップ106においては、現在の
触媒温度推定カウント値CSKEIがその上限値CMA
Xよりも大きいか否かを判断する。そして、触媒温度推
定カウント値CSKEIがその上限値CMAXよりも大
きくない場合には、ステップ107において、その触媒
温度推定カウント値CSKEIに今回のルーチンで算出
されたカウントアップ値CUPを加算する。そして、そ
の値を新たに触媒温度推定カウント値CSKEIとして
設定する。
【0032】次に、ステップ108において、点火時期
の遅角量ARTDを「0」に設定し、その後の処理を一
旦終了する。一方、前記ステップ106において、触媒
温度推定カウント値CSKEIがその上限値CMAXよ
りも大きい場合には、ステップ109へ移行する。そし
て、ステップ109において、触媒温度推定カウント値
CSKEIをカウントダウンさせるためのカウントダウ
ン値CDOWNを算出する。この処理におけるカウント
ダウン値CDOWNも、前記したカウントアップ値CU
Pと同様に、エンジン回転数NE、1回転当たりの吸入
空気量QN等に基づき図示しないマップを参照して算出
される。
【0033】そして、続くステップ110において、触
媒温度推定カウント値CSKEIから今回のルーチンで
算出されたカウントダウン値CDOWNを減算し、その
値を新たに触媒温度推定カウント値CSKEIとして設
定する。つまり、軽負荷定常走行が行われていない場合
には、上記ステップ107又はステップ110の処理に
より、触媒温度推定カウント値CSKEIはその上限値
CMAXに収束されるのである(但し、上限値CMAX
は変動する)。そして、ステップ108へ移行し、点火
時期の遅角量ARTDを「0」に設定し、その後の処理
を一旦終了する。
【0034】以上の一連の処理における運転状態等は、
図5のタイミングチャートの時刻t1の直前までの状態
等に相当する。すなわち、時刻t1の直前までにおいて
は、軽負荷定常走行が行われないので、軽負荷定常走行
フラグFKEIは「0」に設定される。そして、触媒温
度推定カウント値CSKEIが上限値CMAXよりも大
きければ、該触媒温度推定カウント値CSKEIにはカ
ウントアップ値CUPが加算される。また、図示しない
が、触媒温度推定カウント値CSKEIが上限値CMA
Xよりも大きくなければ、該触媒温度推定カウント値C
SKEIからはカウントダウン値CDOWNが減算され
る。さらに、遅角量ARTDは「0」であるので、遅角
制御は実行されない。
【0035】さて、前記ステップ103において、軽負
荷定常走行フラグFKEIが「1」の場合には、現在軽
負荷定常走行が行われているものと判断する。すなわ
ち、現在の運転状態が、少なくとも軽負荷定常走行によ
って触媒温度THCの低下を来す運転状態にあるものと
判断し、ステップ111へ移行する。ステップ111に
おいては、触媒温度推定カウント値CSKEIをカウン
トダウンさせるためのカウントダウン値CDOWNを算
出する。この処理におけるカウントダウン値CDOWN
も、エンジン回転数NE、1回転当たりの吸入空気量Q
N等に基づき図示しないマップを参照して算出される。
但し、この実施例では、上記マップは前述した軽負荷定
常走行が行われていないときにおけるカウントダウン値
CDOWN算出用のマップとは異なっている。
【0036】次に、ステップ112においては、現在の
触媒温度推定カウント値CSKEIから今回のルーチン
で算出されたカウントダウン値CDOWNを減算し、そ
の値を新たに触媒温度推定カウント値CSKEIとして
設定する。
【0037】続くステップ113において、触媒温度推
定カウント値CSKEIが予め定められた所定値「A」
よりも大きいか否かを判断する。そして、触媒温度推定
カウント値CSKEIが「A」よりも大きい場合には、
現在軽負荷定常走行中ではあるが、それまでの運転状態
の履歴から、触媒の温度は注意温度までは低下しておら
ず、まだ充分に高いものとして、その後の処理を一旦終
了する。
【0038】これらの一連の処理における運転状態等
は、図5のタイミングチャートの時刻t1から時刻t2
の直前までの状態等に相当する。すなわち、時刻t1か
ら時刻t2の直前までにおいては、軽負荷定常走行が行
われているので、軽負荷定常走行フラグFKEIは
「1」に設定される。そして、この軽負荷定常走行が継
続されることにより触媒温度THCは低下していくとと
もに、触媒温度推定カウント値CSKEIはさらにカウ
ントダウンされていく。但し、現時点では、触媒温度推
定カウント値CSKEIは依然として「A」よりも大き
い。従って、触媒温度THCは現在低下しつつあるもの
の、未だ下限許容値までは低下していないものとして遅
角量ARTDは「0」のままに設定され、遅角制御は実
行されない。
【0039】また、ステップ113において、触媒温度
推定カウント値CSKEIが「A」よりも大きくない場
合には、軽負荷定常走行が継続された結果、触媒温度T
HCが低下してしまい、該触媒温度THCを上昇させる
必要があるものとして、ステップ114へ移行する。
【0040】ステップ114においては、触媒温度推定
カウント値CSKEIが前述した所定値「A」よりも
「10」だけ少ない所定値「A−10」よりも大きいか
否かを判断する。そして、触媒温度推定カウント値CS
KEIが「A−10」よりも大きい場合、すなわち触媒
温度推定カウント値CSKEIが「A−10」〜「A」
の範囲内にあるときには、これ以降遅角制御を実行すべ
くステップ115において、最大遅角量ARTDMAX
を算出する。この処理における最大遅角量ARTDMA
Xも、エンジン回転数NE、1回転当たりの吸入空気量
QN等に基づき図示しないマップを参照して算出され
る。
【0041】次に、ステップ116においては、遅角量
ARTDが今回のルーチンで算出された最大遅角量AR
TDMAX以上か否かを判断する。そして、遅角量AR
TDが最大遅角量ARTDMAX以上でない場合には、
ステップ117へ移行する。
【0042】ステップ117においては、現在の遅角量
ARTDに対し予め定められた所定値αを加算し、その
値を新たに遅角量ARTDとして設定する。そして、今
回のルーチンで設定された遅角量ARTDは別途のルー
チンにおいて遅角制御に用いられる制御量として使用さ
れる。
【0043】その後、ステップ118へ移行し、遅角量
ARTD、エンジン回転数NE等に基づいてISCV2
3の開度増大量ISCUPを算出する。そして、今回の
ルーチンで算出された開度増大量ISCUPは別途のル
ーチンにおいてISC制御に用いられる制御量として使
用される。そして、その後の処理を一旦終了する。
【0044】これらの一連の処理における運転状態等
は、図5のタイミングチャートの時刻t2から時刻t3
の直前までの状態等に相当する。すなわち、時刻t2か
ら時刻t3の直前までにおいては、軽負荷定常走行が行
われているので、軽負荷定常走行フラグFKEIは
「1」に設定される。このとき、触媒温度推定カウント
値CSKEIは既に「A」よりも小さくなっている。そ
して、触媒温度推定カウント値CSKEIが「A」より
も小さく、かつ、「A−10」よりも大きいということ
から、現時点では、触媒温度THCは昇温を要する温度
にまで低下してしまっており、さらにその温度は低下し
つつあるものと認識される。このため、遅角量ARTD
が上昇制御されていき、その値に基づいて遅角制御が実
行されるのである。換言すれば、前記時刻t1におい
て、既に軽負荷定常走行が行われているのに対し、この
実施例では、時刻t2になるまで遅角制御が遅延される
のである。そして、この遅角制御の実行により、排気ガ
ス中の未燃焼成分が多くなるとともに、触媒コンバータ
18内でこの未燃焼成分が再燃焼される。従って、触媒
コンバータ18の触媒温度THCが許容下限値以下とな
るのが抑制され、遅角制御のさらなる実行により触媒温
度THCが徐々に上昇するのである。また、一方で、遅
角制御が遅延されることから、遅延制御が行われるとき
には触媒温度THCは昇温を要する温度にまで確実に低
下している。このため、この遅角制御の実行開始によっ
て触媒温度THCがいきなり許容上限値を超えてしまう
ことはない。
【0045】また、従来ならば、同図2点鎖線で示すよ
うに、遅角制御の実行開始に伴って、エンジンのトルク
が激減してしまうのであるが、この実施例では、遅角量
ARTD、エンジン回転数NE等に基づいてISCV2
3の開度増大量ISCUPが算出される。このため、同
図実線で示すように、このISCV23の開度制御によ
ってエンジントルクの低下が抑制される。
【0046】一方、ステップ116において、遅角量A
RTDが最大遅角量ARTDMAX以上の場合には、上
記したステップ118の処理を実行し、その後の処理を
一旦終了する。すなわち、遅角量ARTDは最大遅角量
ARTDMAX又は、それに近い値に保持される。
【0047】この一連の処理における運転状態等は、図
5のタイミングチャートの時刻t3から時刻t4の直前
までの状態等に相当する。すなわち、時刻t3から時刻
t4の直前までにおいては、軽負荷定常走行が行われて
いるので、軽負荷定常走行フラグFKEIは「1」に設
定される。このとき、上記と同様に触媒温度推定カウン
ト値CSKEIが「A」よりも小さいということから、
遅角量ARTDが最大遅角量ARTDMAX又は、それ
に近い値に保持された状態で遅角制御が実行されるので
ある。この遅角制御の実行により、触媒温度THCがさ
らに上昇するのである。
【0048】また、このときにも、ISCV23の開度
増大量ISCUPが算出され、ISCV23の開度制御
が行われるため、エンジントルクの低下が抑制される。
さて、前記ステップ114において、触媒温度推定カウ
ント値CSKEIが所定値「A−10」よりも小さい場
合には、ステップ119へ移行する。このステップ11
9においては、遅角量ARTDが「0」よりも大きいか
否か、すなわち、遅角量ARTDが「0」でないか否か
を判断する。そして、遅角量ARTDが「0」よりも大
きい(つまり「0」でない)と判断した場合には、ステ
ップ120へ移行する。
【0049】ステップ120においては、現在の遅角量
ARTDから予め定められた所定値β(この実施例では
β<α)を減算し、その値を新たに遅角量ARTDとし
て設定する。そして、今回のルーチンで設定された遅角
量ARTDは別途のルーチンにおいて遅角制御に用いら
れる制御量として使用される。その後、上記ステップ1
18の処理を実行し、その後の処理を一旦終了する。
【0050】これらの一連の処理における運転状態等
は、図5のタイミングチャートの時刻t4から時刻t5
の直前までの状態等に相当する。すなわち、時刻t4か
ら時刻t5の直前までにおいては、軽負荷定常走行が行
われているので、軽負荷定常走行フラグFKEIは
「1」に設定される。このとき、触媒温度推定カウント
値CSKEIは既に「A−10」よりも小さくなってい
る。そして、触媒温度推定カウント値CSKEIが「A
−10」よりも小さいということから、現時点では、触
媒温度THCはある程度の値にまで上昇したものと認識
される。このため、後に遅角制御を解除するための過程
として遅角量ARTDが徐々に低下され、その低下され
つつある遅角量ARTDに基づいて遅角制御が実行され
るのである。この遅角制御の実行により、触媒コンバー
タ18の触媒温度THCはきわめて徐々に低下するか、
あるいはほぼ一定の値に保持されるのである(場合によ
ってはきわめて徐々に上昇することもある)。従って、
遅角制御の実行(継続)によって触媒温度THCが許容
上限値を超えてしまうことがない。
【0051】また、このときにも、ISCV23の開度
増大量ISCUPが算出され、ISCV23の開度制御
が行われるため、エンジントルクの低下が抑制される。
一方、前記ステップ119において、遅角量ARTDが
「0」よりも大きくない(つまり「0」である)と判断
した場合には、触媒温度THCをある程度まで上昇させ
るための遅角制御が完了したものとしてステップ121
へ移行する。
【0052】ステップ121においては、触媒温度推定
カウント値CSKEIを予め定められた所定値CTEI
として設定する。但し、この所定値CTEIは前述した
所定値「A」よりも大きいものとする。そして、その後
の処理を一旦終了する。
【0053】これらの一連の処理における運転状態等
は、図5のタイミングチャートの時刻t5の状態等に相
当する。すなわち、時刻t5においては、軽負荷定常走
行が行われているので、軽負荷定常走行フラグFKEI
は「1」に設定される。このとき、遅角量ARTDは既
に「0」となっており、遅角制御は完了している。その
ため、暫くの間は遅角制御を行って触媒温度THCを上
昇させる必要がないものとして触媒温度推定カウント値
CSKEIを「A」よりも大きい所定値CTEIに設定
するのである。
【0054】そして、例えばこの軽負荷定常走行状態が
継続された場合、しばらくして触媒温度推定カウント値
CSKEIが所定値「A」以下となった時刻t6からt
7の直前においては、時刻t2からt3までと同様の処
理、すなわちステップ113〜ステップ118までの処
理が行われる。その結果、再度遅角制御が行われること
により触媒温度THCが上昇制御されるとともに、IS
CV23の開度制御が行われるため、エンジントルクの
低下が抑制される。
【0055】その後、例えば時刻t7において、軽負荷
定常走行が行われなくなった場合、すなわち、走行状態
が中・高負荷走行状態に移行した場合には、前述した時
刻t1の直前までと同様の処理がなされる。
【0056】以上、説明したように、この実施例の暖機
制御方法によれば、軽負荷定常走行が行われ、触媒温度
THCの低下を招来する走行条件となったとしても、す
ぐには遅角制御が実行されないようにした。すなわち、
触媒温度推定カウント値CSKEIが「A」よりも小さ
くなったときに、はじめて、現時点では触媒温度THC
が昇温を要する温度にまで低下してしまっており、さら
にその温度は低下しつつあるものと認識するようにし
た。そして、その認識に基づいて遅角制御を実行するよ
うにした。従って、その遅角制御によって触媒コンバー
タ18の触媒温度THCが許容下限値以下となるのが抑
制される。そして、遅角制御のさらなる実行により触媒
温度THCを上昇させることができる。
【0057】また、これとともに、触媒温度推定カウン
ト値CSKEIが「A」となるまで遅角制御を遅延させ
ることから、その遅延されている間は触媒温度THCが
上昇しない。さらに、触媒温度推定カウント値CSKE
Iが「A−10」よりも大きくなくなった場合には、遅
角量ARTDを小さくして触媒温度THCの急激な上昇
を抑制するようにしている。そのため、触媒温度THC
が許容上限値を超えて過度に上昇してしまうことがな
く、該触媒温度THCを適正値に制御することができ、
ひいては、排気ガスの浄化率の向上を図ることができ
る。また、触媒温度THCを過度に上昇させてしまうこ
とによる不要な燃費の悪化を抑制することができる。
【0058】また、従来ならば、図5の2点鎖線で示す
ように、遅角制御の実行開始に伴って、エンジンのトル
クが激減してしまうのであるが、この実施例では、遅角
量ARTD、エンジン回転数NE等に基づいて開度増大
量ISCUPが算出され、その値に基づいてISCV2
3の開度が制御される。このため、同図実線で示すよう
に、エンジントルクの低下を抑制することができる。そ
の結果、上記エンジントルクの低下がないことからドラ
イバビリティの向上を図ることができる。
【0059】(第2実施例)次に、この発明における内
燃機関の排気浄化装置における暖機制御方法を具体化し
た第2実施例を図6〜9に基づいて詳細に説明する。な
お、この実施例において、前記第1実施例と同じ部材に
ついては同一の符号を付して説明を省略し、異なる点を
中心に説明する。
【0060】図6に示すように、この実施例では、排気
通路12の途中の触媒コンバータ18よりも上流側にお
いて、電気ヒータ付触媒24が設けられている点で前述
した第1実施例とは大きく異なっている。この電気ヒー
タ付触媒24は、触媒に電気ヒータを一体に設けたもの
である。そして、エンジン1の冷間始動時等において、
バッテリ電源VBと電気ヒータ付触媒24との間に介在
されたヒータスイッチ25が「オン」されることによ
り、電気ヒータが通電されて加熱される。この加熱によ
り、触媒温度THCが上昇し、触媒自体の活性化が早め
られて、排気の浄化が一層早められるようになってい
る。
【0061】そして、この実施例では、上記したインジ
ェクタ17、イグナイタ21及びISCV23の外に、
上記のヒータスイッチ25がECU51に電気的に接続
され、同ECU51の作動によってそれぞれの駆動タイ
ミングが制御される。すなわち、ECU51は、エアフ
ロメータ32及び各センサ31,33〜37からの出力
信号に基づき、インジェクタ17、イグナイタ21、I
SCV23及びヒータスイッチ25を好適に制御するの
である。
【0062】次に、前述したECU51にて実行される
暖機制御処理について図7,8のフローチャートに従っ
て、図9のタイミングチャートを参照しつつ説明する。
図7,8に示すフローチャートは、ECU51により実
行される各処理のうち、軽負荷定常走行が行われた場合
に、電気ヒータ付触媒24への通電時間等を制御して電
気ヒータ付触媒24の暖機制御を行う際の「電気ヒータ
付触媒制御ルーチン」を示すもので、所定時間毎の定時
割り込みで実行される。
【0063】処理がこのルーチンに移行すると、まずス
テップ201〜ステップ207においては、前記第1実
施例におけるステップ101〜ステップ107と同様の
処理を行う。
【0064】そして、ステップ208において、ヒータ
スイッチ25を「オフ」させてその後の処理を一旦終了
する。また、ステップ209,ステップ210の処理に
ついても、前記第1実施例におけるステップ109,ス
テップ110の処理と同様の処理を行う。すなわち、カ
ウントアップ値CUP又はカウントダウン値CDOWN
を算出し、触媒温度推定カウント値CSKEIをその上
限値CMAXに収束させる。
【0065】以上の一連の処理における運転状態等は、
図9のタイミングチャートの時刻t11の直前までの状
態等に相当する。すなわち、時刻t11の直前までにお
いては、軽負荷定常走行が行われないので、軽負荷定常
走行フラグFKEIは「0」に設定される。そして、触
媒温度推定カウント値CSKEIが上限値CMAXより
も大きければ、該触媒温度推定カウント値CSKEIに
はカウントアップ値CUPが加算される。また、図示し
ないが、触媒温度推定カウント値CSKEIが上限値C
MAXよりも大きくなければ、該触媒温度推定カウント
値CSKEIからはカウントダウン値CDOWNが減算
される。さらに、このとき、軽負荷定常走行が行われな
いので触媒温度THCは低下せず、従って、電気ヒータ
付触媒24を通電する必要はなく、ヒータスイッチ25
はオフされたままとなる。
【0066】さて、前記ステップ203において、軽負
荷定常走行フラグFKEIが「1」の場合には、軽負荷
定常走行が行われているものと判断し、ステップ211
へ移行する。ステップ211及び次のステップ212に
おいては、前記第1実施例のステップ111及びステッ
プ112と同様の処理を行う。すなわち、軽負荷定常走
行が行われている場合のカウントダウン値CDOWNを
算出し、現在の触媒温度推定カウント値CSKEIから
そのカウントダウン値CDOWNを減算し、その値を新
たに触媒温度推定カウント値CSKEIとして設定す
る。
【0067】続くステップ213においては、触媒温度
推定カウント値CSKEIが予め定められた所定値
「C」よりも大きいか否かを判断する。そして、触媒温
度推定カウント値CSKEIが「C」よりも大きい場合
には、現在軽負荷定常走行中ではあるが、それまでの運
転状態の履歴から、触媒の温度は注意温度までは低下し
ておらず、まだ充分に高いものとして、その後の処理を
一旦終了する。
【0068】これらの一連の処理における運転状態等
は、図9のタイミングチャートの時刻t11から時刻t
12の直前までの状態等に相当する。すなわち、時刻t
11から時刻t12の直前までにおいては、軽負荷定常
走行が行われているので、軽負荷定常走行フラグFKE
Iは「1」に設定される。そして、この軽負荷定常走行
が継続されることにより触媒温度THCは低下していく
とともに触媒温度推定カウント値CSKEIはさらにカ
ウントダウンされていく。但し、現時点では、触媒温度
推定カウント値CSKEIは依然として「C」よりも大
きい。従って、触媒温度THCは現在低下しつつあるも
のの、未だ注意温度までは低下していないものとしてヒ
ータスイッチ25は「オフ」されたままに保持され、電
気ヒータ付触媒24の通電制御は実行されない。
【0069】また、ステップ213において、触媒温度
推定カウント値CSKEIが「C」よりも大きくない場
合には、軽負荷定常走行が継続された結果、触媒温度T
HCが注意温度よりも低くなってしまったものとして、
ステップ214へ移行する。ステップ214において
は、触媒温度推定カウント値CSKEIが前述した所定
値「C」よりも少ない所定値たる「D」よりも大きいか
否かを判断する。そして、触媒温度推定カウント値CS
KEIが「D」よりも大きい場合、すなわち触媒温度推
定カウント値CSKEIが「D」〜「C」の範囲内にあ
るときには、これ以降通電制御を実行すべくステップ2
15において、ヒータスイッチ25を「オン」させる。
この「オン」動作により、電気ヒータ付触媒24のヒー
タが通電され、触媒が昇温される。
【0070】これらの一連の処理における運転状態等
は、図9のタイミングチャートの時刻t12から時刻t
13の直前までの状態等に相当する。すなわち、時刻t
12から時刻t13の直前までにおいては、軽負荷定常
走行が行われているので、軽負荷定常走行フラグFKE
Iは「1」に設定される。このとき、触媒温度推定カウ
ント値CSKEIは既に「C」よりも小さくなってい
る。そして、触媒温度推定カウント値CSKEIが
「C」よりも小さく、かつ、「D」よりも大きいという
ことから、現時点では、触媒温度THCは加熱を要する
注意温度以下まで低下してしまっており、さらにその温
度は低下しつつあるものと認識される。このため、ヒー
タスイッチ25の「オン」動作が継続され、電気ヒータ
付触媒24が加熱されるのである。換言すれば、前記時
刻t11において、既に軽負荷定常走行が行われている
のに対し、この実施例では、時刻t12になるまで通電
制御が遅延されるのである。そして、この通電制御の実
行により、排気ガス中の未燃焼成分が多くなるととも
に、電気ヒータ付触媒24内でこの未燃焼成分が再燃焼
される。従って、電気ヒータ付触媒24の触媒温度TH
Cが許容下限値以下となるのが抑制され、通電制御のさ
らなる実行により触媒温度THCが徐々に上昇するので
ある。また、一方で、通電制御が遅延されることから、
通電制御が行われるときには触媒温度THCは注意温度
以下まで確実に低下している。このため、同図2点鎖線
で示すような従来技術とは異なり、この通電制御の実行
開始に伴っていきなり触媒温度THCが許容上限値を超
えてしまうことはない。
【0071】また、ステップ214において、触媒温度
推定カウント値CSKEIが「D」よりも大きくない場
合には、ステップ216へ移行する。このステップ21
6においては、触媒温度推定カウント値CSKEIが
「0」か否かを判断する。そして、触媒温度推定カウン
ト値CSKEIが「0」でないと判断した場合には、触
媒温度推定カウント値CSKEIが「D」以下ではある
が、まだ「0」よりも大きいものとしてステップ218
へ移行する。そして、ステップ218において、ヒータ
スイッチ25を「オフ」し、その後の処理を一旦終了す
る。
【0072】これらの一連の処理における運転状態等
は、図5のタイミングチャートの時刻t14から時刻t
15の直前までの状態等に相当する。すなわち、時刻t
14から時刻t15の直前までにおいては、軽負荷定常
走行が行われているので、軽負荷定常走行フラグFKE
Iは「1」に設定される。このとき、触媒温度推定カウ
ント値CSKEIは既に「D」よりも小さくなってい
る。そして、触媒温度推定カウント値CSKEIが
「D」よりも小さいということから、現時点では、触媒
温度THCはある程度の値にまで上昇したものと認識さ
れる。このため、ヒータスイッチ25が一旦「オフ」さ
れるのである。この「オフ」動作に伴い、電気ヒータ付
触媒24の触媒温度THCは徐々に低下する。従って、
通電制御の実行(継続)によって触媒温度THCが許容
上限値を超えてしまうことがない。
【0073】一方、前記ステップ216において、触媒
温度推定カウント値CSKEIが「0」であると判断し
た場合には、触媒温度THCをある程度まで上昇させる
ための通電制御が完了したものとしてステップ217へ
移行する。
【0074】ステップ217においては、触媒温度推定
カウント値CSKEIを予め定められた所定値CTEI
として設定する。但し、この所定値CTEIは前述した
所定値「C」よりも大きいものとする。そして、ステッ
プ218においてヒータスイッチ25を「オフ」状態を
維持し、その後の処理を一旦終了する。
【0075】これらの一連の処理における運転状態等
は、図9のタイミングチャートの時刻t4の状態等に
相当する。すなわち、時刻t4においては、軽負荷定
常走行が行われているので、軽負荷定常走行フラグFK
EIは「1」に設定される。このとき、触媒温度推定カ
ウント値CSKEIは「0」となっており、通電制御は
完了しているとともに、触媒温度THCはある程度まで
上昇している。そのため、暫くの間は通電制御を行って
触媒温度THCを上昇させる必要がないものとして触媒
温度推定カウント値CSKEIお「C」よりも大きい所
定値CTKEIに設定するのである。
【0076】そして、例えばこの軽負荷定常走行状態が
継続された場合、しばらくして触媒温度推定カウント値
CSKEIが所定値「C」以下となった時刻t15から
t16の直前においては、時刻t12からt13までと
同様の処理、すなわちステップ213〜ステップ215
までの処理が行われる。その結果、再度通電制御が行わ
れることにより触媒温度THCが上昇制御される。
【0077】その後、例えば時刻t6において、軽負荷
定常走行が行われなくなった場合、すなわち、走行状態
が中・高負荷走行状態に移行した場合には、前述した時
刻t1の直前までと同様の処理がなされる。
【0078】以上、説明したように、この実施例の暖機
制御方法によれば、軽負荷定常走行が行われ、触媒温度
THCの低下を招来する走行条件となったとしても、す
ぐには通電制御が実行されないようにした。すなわち、
触媒温度推定カウント値CTKEIが「C」よりも小さ
くなったときに、はじめて、現時点では触媒温度THC
が加熱を要する注意温度以下まで低下してしまってお
り、さらにその温度は低下しつつあるものと認識するよ
うにした。そして、その認識に基づいて通電制御を実行
するようにした。従って、この実施例においても前記第
1実施例とほぼ同様の効果を奏する。
【0079】なお、この発明は前記実施例に限定される
ものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で構成の一
部を適宜に変更して次のように実施することもできる。 (1)前記第1及び第2実施例では、軽負荷定常走行が
行われたか否かを触媒温度の低下を来す運転状態にある
か否かの判断条件としたが、電気ヒータ付触媒24での
通電制御を行うに際しては、例えば燃料カットが行われ
たか否かを上記判断条件としてもよい。また、これらの
触媒温度の低下を来す要因(軽負荷定常走行及び燃料カ
ット)を組み合わせて判断するようにしてもよい。さら
に、その他の触媒温度の低下を来す要因も組み合わせて
判断するようにしてもよい。以上のことから、この発明
は、触媒の温度低下を来す要因に基づいて制御されるの
ではなく、触媒の温度低下を来す運転状態の開始後に制
御されることから、触媒の温度低下を来す要因が特に限
定されることはない。従って、その要因が何であれ、触
媒の温度低下を来す運転状態の開始後で、かつ、遅延時
間経過後には触媒の温度は上昇され得る。
【0080】(2)前記第1実施例では、遅角量ART
D及び遅角時間を共に制御するようにしたが、遅角制御
を行うに際し、遅角量ARTDを一定として遅角時間の
みを制御するようにしてもよい。
【0081】(3)前記第2実施例では、電気ヒータ付
触媒24に供給される通電量を一定とし、通電時間を制
御するようにしたが、通電制御を行うに際し、電気ヒー
タ付触媒24とヒータスイッチ25との間に図示しない
電流制御回路を設け、この電流制御回路をECU51に
より制御することにより、バッテリ電源VBから電気ヒ
ータ付触媒24へ供給される電流量を調整するようにし
てもよい。このような構成とすることにより、通電時間
及び通電量を制御することが可能となる。
【0082】(4)前記第1実施例では、ISCV23
の開度増大量ISCUPを算出し、ISCV23の開度
を開度増大量ISCUPに基づいて制御してエンジント
ルクの低下を抑制するようにしたが、このような制御は
行わなくともよい。また、第2実施例においてこのよう
なトルク制御を盛り込むような構成としてもよい。
【0083】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の
明によれば、内燃機関からの排気ガスを浄化するための
触媒の温度を上昇させる排気浄化装置の暖機制御方法に
おいて、触媒の温度低下を来す運転状態が開始されたも
のと判断したときの触媒の温度を推定し、この推定され
る触媒の温度に応じて触媒の温度の上昇動作の開始を遅
延させるようにした。そのため、触媒温度を低下させる
様々な要因に対しても、触媒温度を過度に上昇させてし
まうことなく適正値に制御して排気ガスの浄化率の向上
を図ることができるとともに、不要な燃費の悪化を抑制
することができるという優れた効果を奏する。また、請
求項2記載の発明によれば、前記触媒の温度の上昇動作
の開始後の経過時間が触媒の温度上昇を保証し得る所定
の時間に達したとき、同触媒の温度の上昇動作が停止す
るため、この触媒の温度の上昇動作が過度に続けられる
ことによって悪影響が生じるのを防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を具体化した第1実施例における車両
に搭載されたエンジンの排気浄化装置を示す概略構成図
である。
【図2】第1実施例においてECUの電気的構成を示す
ブロック図である。
【図3】第1実施例においてECUにより実行される
「遅角量算出ルーチン」の処理動作を示すフローチャー
トである。
【図4】第1実施例においてECUにより実行される
「遅角量算出ルーチン」の処理動作を示すフローチャー
トである。
【図5】第1実施例において時間に伴って変化する運転
状態等を説明するタイミングチャートである。
【図6】この発明を具体化した第2実施例における車両
に搭載されたエンジンの排気浄化装置を示す概略構成図
である。
【図7】第2実施例においてECUにより実行される
「電気ヒータ付触媒制御ルーチン」の処理動作を示すフ
ローチャートである。
【図8】第2実施例においてECUにより実行される
「電気ヒータ付触媒制御ルーチン」の処理動作を示すフ
ローチャートである。
【図9】第2実施例において時間に伴って変化する運転
状態等を説明するタイミングチャートである。
【符号の説明】
1…内燃機関としてのエンジン、18…触媒コンバー
タ、24…電気ヒータ付触媒、51…ECU。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F01N 3/20 - 3/38 F02D 45/00 314 F02P 5/15

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の運転状態を検出し、その検出
    結果に基づいて現在の運転状態が前記内燃機関からの排
    気ガスを浄化するための触媒の温度低下を来す運転状態
    にあるか否かを判断して、その判断結果に基づき、前記
    触媒の温度を上昇させる内燃機関の排気浄化装置におけ
    る暖機制御方法であって、 前記内燃機関の運転状態の検出結果に基づき、前記触媒
    の温度低下を来す運転状態が開始されたものと判断した
    ときの触媒の温度を推定し、該推定される温度に応じて
    前記触媒の温度の上昇動作の開始を遅延させることを特
    徴とする内燃機関の排気浄化装置における暖機制御方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の内燃機関の排気浄化装置
    における暖機制御方法において、 前記触媒の温度の上昇動作の開始後、その経過時間を監
    視し、該時間が前記触媒の暖機を保証し得る所定の時間
    に達したとき、同触媒の温度の上昇動作を停止すること
    を特徴とする内燃機関の排気浄化装置における暖機制御
    方法。
JP4339277A 1992-12-18 1992-12-18 内燃機関の排気浄化装置における暖機制御方法 Expired - Fee Related JP2979872B2 (ja)

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