JP2010065623A - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料噴霧の気化性能が異なる2つの燃料噴射弁を気筒毎に吸気通路に備えた内燃機関において、筒内冷却による機関の出力の向上を充分に達成することができるようにする。
【解決手段】第1燃料噴射弁と、該第1燃料噴射弁よりも気化性能が高い燃料噴霧を噴射する第2燃料噴射弁とを、気筒毎に吸気通路に備えた内燃機関において、吸気弁の開弁時期に略同期させて第1燃料噴射弁の噴射を開始させ、第1燃料噴射弁の噴射終了に略同期させて開始させた第2燃料噴射弁の噴射を、吸気弁の閉弁時期に略同期して終了させることで、機関の要求燃料量が噴射されるようにする。
【選択図】図4

Description

本発明は、第1燃料噴射弁と、該第1燃料噴射弁よりも気化性能が高い燃料噴霧を噴射する第2燃料噴射弁とを、気筒毎に吸気通路に備えた内燃機関の燃料噴射制御装置に関する。
特許文献1には、吸気通路に噴射角度の異なる2つの燃料噴射弁を配置し、機関運転状態に応じて、2つの燃料噴射弁の一方で又は2つの燃料噴射弁を併用して燃料を噴射させる内燃機関が記載されている。
特開2003−262175号公報
ところで、前記特許文献1において、2つの燃料噴射弁を併用する機関運転状態にあっては、排気行程から燃料を噴射しているため、吸気通路内で燃料噴霧が滞留し、吸気ポートに付着する燃料が増大し、燃料の気化潜熱を利用した筒内冷却による機関の出力の向上を、充分に達成することが難しいという問題があった。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、燃料噴霧の気化性能が異なる2つの燃料噴射弁を気筒毎に吸気通路に備えた内燃機関において、筒内冷却による機関の出力の向上を充分に達成することができるようにすることを目的とする。
そのため、本発明では、第1燃料噴射弁と、該第1燃料噴射弁よりも気化性能が高い燃料噴霧を噴射する第2燃料噴射弁とを、気筒毎に吸気通路に備えた内燃機関において、前記第1燃料噴射弁の燃料噴射を吸気弁の開弁と略同時に開始させ、前記吸気弁の開弁中に前記第1燃料噴射弁の燃料噴射を終了させる一方、前記吸気弁の開弁中に前記第2燃料噴射弁の燃料噴射を開始させ、前記第2燃料噴射弁の燃料噴射を前記吸気弁の閉弁と同期して終了させるようにした。
上記発明によると、第1燃料噴射弁及び第2燃料噴射弁による燃料噴射を、吸気弁の開期間内で行わせるから、吸入空気の流れによって燃料噴霧が直接筒内に導入されることで筒内での気化する割合が高くなり、気化潜熱による筒内冷却効果を得ることができ、筒内の充填効率が向上して機関の出力を向上させることができる。
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図1は、実施形態における車両用の内燃機関を示す。
図1に示す内燃機関1は、左右2つのバンクからなるV型機関であるが、直列機関や水平対向機関であってもよい。
内燃機関1の各気筒の燃焼室2内は、吸気ダクト3、吸気マニホールド4a,4b、吸気ポート5を介して大気側と連通している。
前記燃焼室2(シリンダ)の吸気口2aは、吸気弁6で開閉され、ピストン7が降下するときに前記吸気弁6が開くと、燃焼室2内に空気が吸引される。
一方、前記吸気マニホールド4a,4bのブランチ部40a,40bには、各気筒それぞれに第1燃料噴射弁8a、第2燃料噴射弁8bが介装されており、該燃料噴射弁8a,8bから噴射された燃料が空気と共に燃焼室2内に吸引される。
前記シリンダ2内の燃料は、点火プラグ9による火花点火によって着火燃焼し、このときの爆発力がピストン7を押し下げ、該押し下げ力によってクランク軸10が回転駆動される。
また、前記燃焼室2(シリンダ)の排気口2bは、排気弁11で開閉され、ピストン7が上昇するときに前記排気弁11が開くと、燃焼室2内に排気ガスが排気ポート12に排出される。
尚、前記吸気弁6及び排気弁11は、クランク軸からの回転力が伝達されるカム軸に一体的に設けたカムによって、軸方向に往復動し、各気筒の行程に合わせて開閉される。
但し、吸気弁6及び排気弁11が電磁アクチュエータによって開閉駆動される電磁駆動弁であってもよく、また、カム軸によって開閉される構成において、バルブ作動角の中心位相やバルブリフト量やバルブ作動角を可変とする可変動弁機構を備えることができる。
前記可変動弁機構としては、例えば特開2001−280167号公報や特開2007−127189号公報(米国特許出願公開第2007/0137614A1)に開示されるようなものがあり、更に、可変動弁機構に用いられるアクチュエータは、油圧アクチュエータ、モータ、電磁ブレーキなどのいずれであっても良い。
前記排気ポート12には、排気マニホールド13a,13bの各ブランチ部が接続され、更に、排気マニホールド13a,13bの各集合部は合流して、排気ダクト14に接続されている。
前記排気ダクト14には、排気を浄化するための触媒コンバータ15が介装されている。
また、前記吸気ダクト3には、電子制御スロットル16が介装されており、内燃機関1の吸入空気量が前記電子制御スロットル16で制御される。
尚、吸気弁6の閉時期やバルブリフト量を可変とする可変動弁機構、又は、電磁駆動式の吸気弁を備え、内燃機関1の吸入空気量を、吸気弁6の閉時期やバルブリフト量の調整によって制御するシステムであってもよい。
前記燃料噴射弁8a,8bによる燃料噴射量及び燃料噴射時期は、ECM(エンジン・コントロール・モジュール)21によって制御される。
前記ECM21は、マイクロコンピュータを含んで構成され、各種センサからの信号を入力し、該入力信号を予め記憶されているプログラムに従って演算処理して、前記燃料噴射弁8a,8bに対して噴射パルス信号を出力する。
前記燃料噴射弁8a,8bには、単位開弁時間当たりの噴射量が一定になるように、圧力調整された燃料が供給されるようになっており、前記燃料噴射弁8a,8bはその開弁時間に比例する量の燃料を噴射する。
前記各種センサとしては、アクセル開度ACCを検出するアクセル開度センサ22、内燃機関1の冷却水温度TW(機関温度)を検出する水温センサ23、内燃機関1が搭載される車両の走行速度(車速)VSPを検出する車速センサ24、クランク軸10が単位角度だけ回転する毎の単位クランク角信号POSと基準クランク角位置毎の基準クランク角信号REFとをそれぞれに出力するクランク角センサ25、各バンクの排気マニホールド13a,13bの集合部にそれぞれ配置され、排気中の酸素濃度に基づいて各バンクの空燃比AFをそれぞれに検出する空燃比センサ26a,26b、内燃機関1の吸入空気流量QAを検出するエアフローセンサ27、前記電子制御スロットル16の開度TVOを検出するスロットル開度センサ28、電子制御スロットル16下流側の吸気通路内の圧力(吸気管負圧)PBを検出する圧力センサ(負圧センサ)29などが設けられている。
図2(A)(B)は、前記燃料噴射弁8a,8bの配置及び噴霧特性を示す。
内燃機関1の各気筒には、2つの吸気口2aと2つの排気口2bが設けられ、これらを開閉すべく2つの吸気弁6と2つの排気弁11とが備えられる。
各気筒の吸気管30は、下流側に向けて2つに分岐して各吸気口2aに接続され、前記吸気管30の分岐部31よりも上流側の吸気管上部30aに燃料噴射弁8a,8bが配置され、更に、第1燃料噴射弁8aは、第2燃料噴射弁8bよりも下流側に配置されている。
尚、前記吸気管30は、吸気マニホールド4a,4bのブランチ部40a,40b、及び、シリンダヘッドに形成され、前記ブランチ部40a,40bに接続される吸気ポート5から構成されるものとする。
また、各燃料噴射弁8a,8bは、2つ吸気口2a(吸気弁6の傘部)それぞれに向けて2方向に燃料を噴射するが、第2燃料噴射弁8bは、吸気口2a(吸気弁6の傘部)の略全域を指向するように、2つ吸気口2aそれぞれに向かう噴霧の角度が第1燃料噴射弁8aの噴霧角よりも広角であり、第1燃料噴射弁8aは、吸気口2a(吸気弁6の傘部)のシリンダボア32に近い側の一部を指向するように、2つ吸気口2aそれぞれに向かう噴霧の角度が第2燃料噴射弁8bの噴霧角よりも狭角になるように設定されている。
吸気口2a(吸気弁6の傘部)のシリンダボア32に近い側とは、換言すれば、排気口2bから遠い側であり、吸気管の中心軸の延設方向の手前側(上流側)である。
図2中の矢印は、シリンダ内における吸気行程中(吸気弁6の開弁期間中)における吸入空気の流れを示す。
図2に示すように、筒内に導入される吸入空気の流れは、吸気口2a側のシリンダボア32に近い側の流れ61と排気口2b側への流れ62との2方向の流れが強く、シリンダボア32に近い側の流れ61に比較して排気口2b側への吸入空気の流れ62の方が強く、また、それぞれシリンダボア32に沿ってシリンダ内を下降してピストン上面に流れ、両方向から流れる吸入空気が衝突しながら点火プラグ付近に向けて上昇する所謂タンブル流が生じる。
第2燃料噴射弁8bの燃料噴霧は、吸気通路中ないし筒内で気化しつつ、シリンダ内の吸入空気の流れに沿って流れながら空気と混合して混合気を形成する一方、第1燃料噴射弁8aの燃料噴霧の殆どが筒内に導入された後筒内で気化され、気化ガスがシリンダ内での吸気の流れに沿ってながれながら空気と混合して混合気を形成する。
前記第1燃料噴射弁8aの噴霧は、直接ピストン上面に衝突しないように筒内で気化される程度の貫通力を持たせるよう設定することが好ましく、これにより、ピストンに付着する付着燃料を低減し、燃焼性の悪化を低減できる。
尚、図1,2では、各燃料噴射弁8a,8bを吸気管30の上側に配置したが、下流側の第1燃料噴射弁8aを、吸気管30の下側に配置することができ、更に、第1燃料噴射弁8aからの燃料噴霧が、吸気管30内を横断して、吸気口2aのシリンダボア32に近い側の一部を指向するように配置することができる。
ここで、吸気管30の上側・下側とは、シリンダ軸方向において、クランク軸10により近い側を下側、クランク軸10からより遠い側を上側と称するものとする。
前記第1燃料噴射弁8aは、前述のように、第2燃料噴射弁8bよりも噴霧角が狭角に設定され、かつ、第2燃料噴射弁8bよりも単位時間当たりの燃料噴射量である燃料噴射率(cm3/min)が大きく、かつ、第2燃料噴射弁8bよりも燃料噴霧の粒径が大きくなるように設定されている。
ここで、第2燃料噴射弁8bの燃料噴霧の粒径が、第1燃料噴射弁8aの燃料噴霧の粒径よりも小さいことで、第2燃料噴射弁8bの燃料噴霧は、第1燃料噴射弁8aの燃料噴霧よりも気化性能が高い(気化し易い)。
一方、第1燃料噴射弁8aは、第2燃料噴射弁8bに比べて噴霧の流速が速く、かつ、貫通力が強く、高負荷運転域でも高い指向性を有する。
第1燃料噴射弁8a及び第2燃料噴射弁8bには、同じ圧力の燃料が供給されるようになっており、前記噴霧角,燃料噴射率(単位時間当たりの噴射量),粒径の違いは、噴孔の形状(向き,径,長さ)・配置・個数などの設定によって決定される。
上記のようにして、配置及び噴霧特性が設定される第1燃料噴射弁8a及び第2燃料噴射弁8bによる燃料噴射は、前記ECM21によって制御される。
前記ECM21は、後述するように、第1燃料噴射弁8a及び第2燃料噴射弁8bの噴射タイミングを制御し、2つの噴射弁を併用する場合に第1燃料噴射弁8a及び第2燃料噴射弁8bの噴射割合を制御し、また、第1燃料噴射弁8a及び第2燃料噴射弁8bに供給する燃圧を制御する。
例えば、吸入空気量が最大となる全負荷領域(WTO、即ち、スロットル全開領域)を含み、第1燃料噴射弁8aのみによる燃料噴射では機関要求トルクが得られない高負荷又は高回転高負荷領域では、第1燃料噴射弁8aと第2燃料噴射弁8bとを併用して、要求の燃料量を噴射させる。
また、第2燃料噴射弁8bは、気化性能が比較的高いので、機関始動時や暖機中、又は、アイドル運転時を含む低負荷領域では、第2燃料噴射弁8b単独で燃料噴射を行わせることで、気化効率を向上し、排気エミッションや機関始動性を良好とし、また、機関運転性を安定化させることができる。
また、低負荷と高負荷との間の負荷状態であり、第1燃料噴射弁8aのみでの燃料噴射によって機関要求トルクが得られる負荷領域である中負荷領域では、第1燃料噴射弁8a単独で噴射させたり、又は、第1燃料噴射弁8aと第2燃料噴射弁8bとを併用させたりすることができる。
前記第1燃料噴射弁8aは、噴射率が比較的高いので、多量の燃料噴射量を確保することができ、出力要求のある運転領域で使用することで、出力不足を抑制することができる。
以下では、高負荷域などの第1燃料噴射弁8aと第2燃料噴射弁8bとを併用して燃料噴射を行わせる場合のECM21による噴射制御の詳細を示す。
図3のフローチャートは、前記ECM21による噴射タイミングの設定処理及び噴射パルス信号の出力処理を示す。
図3のフローチャートに示すルーチンは、車両のイグニッションスイッチのオン状態で一定の周期毎に実行されるようになっている。
尚、後述するフローチャートについても、車両のイグニッションスイッチのオン状態で一定の周期毎に実行されるものとする。
ステップS101では、機関回転速度NE(機関回転数rpm)のデータを取り込む。
前記クランク角センサ25から出力される単位クランク角信号POS又は基準クランク角信号REFに基づいて算出される。
ステップS102では、基本噴射パルス幅TP(ms)のデータを取り込む。
前記基本噴射パルス幅TPは、例えば、前記エアフローセンサ27で検出される吸入空気流量QA(質量流量)と、クランク角センサ25から出力される単位クランク角信号POS又は基準クランク角信号REFに基づいて算出される機関回転速度NE(機関回転数rpm)と、定数Kとに基づいて、TP=K・QA/NEとして算出される。
定数Kは、基準噴射率MKBASEに適合する値であり、基準噴射率MKBASEでの燃料噴射を前記基本噴射パルス幅TPの時間だけ行わせることで、そのときのシリンダ吸入空気量に対して目標空燃比の形成に必要な量の燃料が噴射されることになる。
また、前記基本噴射パルス幅TPは、シリンダ吸入空気量に比例する値であり、内燃機関1の負荷(トルク)を代表するパラメータでもある。
尚、基本噴射パルス幅TPを吸気管負圧PBと機関回転速度NEとに基づいて算出することができ、また、基本噴射パルス幅TPをスロットル開度TVOと機関回転速度NEとに基づいて算出することができ、基本噴射パルス幅TPに噴射率(単位時間当たりの燃料噴射量)を乗算することで、基本燃料噴射量が求まる。
ステップS103では、基本噴射パルス幅TP(機関負荷)と機関回転速度NEとに基づいて、第1燃料噴射弁8aの噴射開始タイミングDBTITM1、及び、第2燃料噴射弁8bの噴射終了タイミングDBTITM2を演算する。
前記噴射開始タイミングDBTITM1及び噴射終了タイミングDBTITM2は、基本的に吸気弁6の開弁時期・閉弁時期に合わせて設定されるものであり、本実施形態では、基本噴射パルス幅TP(機関負荷)と機関回転速度NEとをパラメータとするマップを参照して、そのときの基本噴射パルス幅TP(機関負荷)及び機関回転速度NEに対応するタイミングDBTITM1,DBTITM2を検索する。
即ち、吸気弁6の開弁期間(バルブ作動角)を変更せずに、開弁期間の中心位相をクランク角に対して進角ないし遅角制御するバルブタイミング機構や、吸気弁6のバルブ作動角やバルブリフト量を変更制御する可変動弁機構などを単独乃至組み合わせて使用する場合、若しくは、吸気弁6を電磁駆動弁として構成する場合には、機関運転状態に応じて吸気弁6の開弁時期IVO及び/又は閉弁時期IVCが変更されるため、これに依存して噴射タイミングDBTITM1,DBTITM2が設定されるように、前記マップが設定されている。
尚、前記バルブタイミング機構や可変動弁機構を備えず、吸気弁6の開弁時期IVO・閉弁時期IVCが一定角度位置に固定される内燃機関にあっては、噴射タイミングDBTITM1,DBTITM2を一点データとして設定することができる。
前記マップのパラメータとしては、前記基本噴射パルス幅TPではなく、噴射パルス幅TI、即ち、基本噴射パルス幅TPを、冷機時や加速時の燃料を増量するための補正係数などを含む各種補正係数や、空燃比のズレを修正するための空燃比フィードバック補正係数や空燃比学習値、更に、無効パルス補正分などのうちの少なくとも1つに基づいて補正して算出されるパルス幅としてもよく、更に、機関出力トルクや機関負荷に相関する他のパラメータ(吸気管負圧、スロットル開度など)を用いることができる。
前記噴射開始タイミングDBTITM1は、第1燃料噴射弁8aの動作遅れや燃料噴霧の移送時間を考慮し、吸気弁6の開弁時期IVOにおいて燃料がシリンダに到達するように、換言すれば、第1燃料噴射弁8aから噴射された燃料が閉じている吸気弁6に衝突しない最も早いタイミングに設定される。
また、噴射終了タイミングDBTITM2は、第2燃料噴射弁8bの動作遅れや燃料噴霧の移送時間を考慮し、吸気弁6の閉弁時期IVCに全ての燃料がシリンダ内に入りきるように、換言すれば、第2燃料噴射弁8bから最後に噴射された燃料が、吸気弁6が閉じる前に吸気口2aを通過するように設定される。
即ち、第1燃料噴射弁8aの噴射開始タイミングDBTITM1は、開弁時期IVOよりも進角した時期に設定され、第2燃料噴射弁8bの噴射終了タイミングDBTITM2は、閉弁時期IVCよりも進角した時期に設定される。
このように噴射タイミングDBTITM1,DBTITM2を設定することで、第1燃料噴射弁8aから噴射された燃料噴霧が、吸気弁6に到達すると略同時に吸気弁6の開弁が開始されるから、第1燃料噴射弁8aから噴射された燃料噴霧は、吸気弁6の開弁直後に吸気弁6を通過することになり、吸気弁6上流側の吸気通路内で殆ど滞留することなく筒内に導入される。
従って、第1燃料噴射弁8aから噴射された燃料噴霧が、吸気通路の壁面に付着することが防止される。
また、第2燃料噴射弁8bから噴射された燃料噴霧が、全て筒内に導入された直後に吸気弁6が閉弁されることになるから、第2燃料噴射弁8bから噴射される燃料を全て筒内に導入させることが可能となる。
尚、第1燃料噴射弁8aの噴射開始タイミングDBTITM1を吸気弁6の開弁時期IVOと一致させ、また、第2燃料噴射弁8bの噴射終了タイミングDBTITM2を吸気弁6の閉弁時期IVCと一致させても良い。
ステップS104では、後述するフローチャートで算出される、第1燃料噴射弁8aの最終噴射パルス幅DBSETIF1、及び、第2燃料噴射弁8bの最終噴射パルス幅DBSETIF2のデータを読み込む。
ステップS105では、前記噴射開始タイミングDBTITM1において前記最終噴射パルス幅DBSETIF1の噴射パルス信号を第1燃料噴射弁8aに出力し、噴射開始タイミングDBTITM1から最終噴射パルス幅DBSETIF1の間だけ、第1燃料噴射弁8aを開弁させて燃料を噴射させる。
ステップS106では、前記噴射終了タイミングDBTITM2から、前記最終噴射パルス幅DBSETIF2に相当するクランク角度だけ前の時点を第2燃料噴射弁8bの噴射開始タイミングに設定し、この噴射開始タイミングにおいて前記最終噴射パルス幅DBSETIF2の噴射パルス信号を第2燃料噴射弁8bに出力し、最終噴射パルス幅DBSETIF1の間だけ、第2燃料噴射弁8bを開弁させて燃料を噴射させる。
但し、第1燃料噴射弁8aの噴射は、吸気弁6の閉弁時期IVCよりも前に終了し、かつ、第2燃料噴射弁8bの噴射は、吸気弁6の開弁時期IVOよりも後から開始されるように、各噴射弁の噴射率などが予め設定されているものとする。
以上より、吸気弁6が開いている間に要求燃料量の全てを、第1燃料噴射弁8aと第2燃料噴射弁8bとから噴射させることができる。
図4のフローチャートは、前記最終噴射パルス幅DBSETIF1,DBSETIF2の算出処理を示す。
ステップS201では、前記基本噴射パルス幅TPを、冷機時や加速時の燃料を増量するための補正係数などを含む各種補正係数、空燃比のズレを修正するための空燃比フィードバック補正係数や空燃比学習値、更に、無効パルス補正分などに基づいて補正して、噴射パルス幅TIを算出する。
ステップS202では、図3のフローチャートのステップS103で算出した第1燃料噴射弁8aの噴射開始タイミングDBTITM1のデータを読込む。
ステップS203では、図3のフローチャートのステップS103で算出した第2燃料噴射弁8bの噴射終了タイミングDBTITM2のデータを読込む。
ステップS204では、第1燃料噴射弁8aの噴射開始タイミングDBTITM1から第2燃料噴射弁8bの噴射終了タイミングまでの時間として、燃料噴射期間DBITSE12を算出する。
前記噴射期間DBITSE12は、吸気弁6の開弁時期IVOから閉弁時期IVCまでの間の期間に相当する。
ステップS205では、第1燃料噴射弁8aのパルス幅DBLSETI1と第2燃料噴射弁8bのパルス幅DBLSETI2とを設定する。
ここでは、初期設定値として、DBLSETI1=DBITSE12、DBLSETI2=0に設定し、第1燃料噴射弁8aによる燃料噴射を、燃料噴射期間DBITSE12の全域で継続して行わせる一方で、第2燃料噴射弁8bによる燃料噴射を行わない設定とする。
ステップS206では、実燃料噴射量と目標燃料噴射量の差DBLTIFMを演算する。
具体的には、第1燃料噴射弁8aの燃料噴射量を、第1燃料噴射弁8aのパルス幅DBLSETI1と第1燃料噴射弁8aの噴射率MKDBL1とから算出し、第2燃料噴射弁8bの燃料噴射量を、第2燃料噴射弁8bのパルス幅DBLSETI2と第2燃料噴射弁8bの噴射率MKDBL2とから算出し、両噴射量の合計を実燃料噴射量とする。
実燃料噴射量=DBLSETI1×MKDBL1+DBLSETI2×MKDBL2
一方、噴射パルス幅TIの元になった基本噴射パルス幅TPは、基準噴射率MKBASEで要求の燃料量が噴射されるように算出されているから、噴射パルス幅TI×MKBASEが目標燃料噴射量に相当する。
そして、差DBLTIFMを、DBLTIFM=(DBLSETI1×MKDBL1+DBLSETI2×MKDBL2)−(TI×MKBASE)として算出する。
初期設定状態では、DBLSETI1=DBITSE12、DBLSETI2=0であり、第1燃料噴射弁8aによる燃料噴射を、燃料噴射期間DBITSE12の全域で継続して行わせた場合に噴射される燃料量(噴射可能な最大燃料量)と、目標燃料噴射量との差が算出されることになる。
尚、第1燃料噴射弁8a及び第2燃料噴射弁8bにおける噴射パルス幅(通電時間)TIと噴射量との相関は、図15に示すように、ある噴射パルス幅(通電時間)TIs(例えば2.5ms)を超える領域では、噴射パルス幅(通電時間)TIの増大に比例して噴射量が増大するのに対し、前記噴射パルス幅(通電時間)TIsを下回る領域では、噴射パルス幅(通電時間)TIと噴射量とが正確な比例関係を示さずに、噴射量がばらつきを示す特性を有し、更に、噴射パルス幅(通電時間)TIsを下回る燃料噴射弁の開弁遅れ時間が存在する。
従って、噴射パルス幅(通電時間)TIによって噴射量を高精度に制御するためには、第1燃料噴射弁8a及び第2燃料噴射弁8bのパルス幅を、前記TIs以上とする必要があり、このとき、噴射パルス幅(通電時間)TIに対する実際の噴射量qdynは、噴射率をQ(cm3/min)、前記TIsにおける噴射量をqTIsとすると、以下の式(1)から算出されることになる。
式(1)・・・「qdyn=(Q/60)×(TI−TIs)+qTIs」
ここで、前記差DBLTIFMの演算において、上記噴射量qdynの演算式(式(1))を適用すると、以下の式(2)のようになる。
式(2)・・・「DBLTIFM={(MKDBL1/60)×(DBLSETI1−TIs)+DBLQ1}+{(MKDBL2/60)×(DBLSETI2−TIs)+DBLQ2}−{(MKBASE/60)×(TI−TIs)+DBLQBA}」
式2において、DBLQ1は、第1燃料噴射弁8aにおけるTIsでの燃料噴射量、DBLQ2は、第2燃料噴射弁8bにおけるTIsにおける燃料噴射量、DBLQBAは、基準噴射率MKBASEでのTIsにおける燃料噴射量である。
尚、上記式(2)による演算に代えて、図16〜図18に示すように、各噴射率での噴射特性テーブルを予め記憶し、各テーブルに基づいて各噴射パルス幅DBLSETI1,DBITSE12,TIを噴射量DBLQDYN1,DBLQDYN2,BASQDYNに変換し、前記差DBLTIFMを下記式(3)に従って演算させることができる。
式(3)・・・「DBLTIFM=(DBLQDYN1+DBLQDYN2)−BASQDYN」
ステップS207では、目標燃料噴射量よりも実燃料噴射量が多いか否か、即ち、DBLTIFM>0であるか否かを判断する。
そして、目標燃料噴射量よりも実燃料噴射量が多い場合には、ステップS208へ進む。
ステップS208では、第1燃料噴射弁8aの噴射パルス幅DBLSETI1を予め記憶された補正値だけ減算補正する一方、第2燃噴射弁8bの噴射パルス幅DBLSETI2を前記補正値だけ加算補正する。
即ち、第1燃料噴射弁8aの噴射パルス幅DBLSETI1を減らし、減らした分だけ第2燃噴射弁8bの噴射パルス幅DBLSETI2を増大させる。
ここで、DBLSETI1+DBLSETI2=DBITSE12の関係は保持され、噴射パルス幅DBLSETI1,DBLSETI2は、第1燃料噴射弁8aの噴射終了に同期して第2燃料噴射弁8bの噴射を開始させる設定となる。
即ち、図5に示すように、第1燃料噴射弁8aの燃料噴射を吸気行程の開始(開弁時期IVO)に同期して開始させ、第2燃料噴射弁8bの噴射を、第1燃料噴射弁8aの噴射終了に同期して開始させ、吸気行程の終期(閉弁時期IVC)で第2燃料噴射弁8bの噴射を終了させる。
初期設定状態では、DBLSETI1=DBITSE12、DBLSETI2=0であり、第1燃料噴射弁8aによる燃料噴射を、燃料噴射期間DBITSE12の全域で継続して行わせた場合に噴射される燃料量と、目標燃料噴射量との差が算出されるから、目標燃料噴射量よりも実燃料噴射量が多いということは、第1燃料噴射弁8aの噴射率MKDBL1での噴射を燃料噴射期間DBITSE12の全域で行わせた場合に、過剰に燃料が噴射されることになる。
一方、第1燃料噴射弁8aの噴射率MKDBL1に比較して、第2燃料噴射弁8bの噴射率MKDBL2は低いから、燃料噴射期間DBITSE12内で第1燃料噴射弁8aの噴射期間を減らし、その分第2燃料噴射弁8bの噴射期間を増やせば、前記実燃料噴射量は減ることになる。
従って、目標燃料噴射量よりも実燃料噴射量が多い場合に、噴射パルス幅DBLSETI1を減算補正する一方、噴射パルス幅DBLSETI2を前記減算分だけ加算補正することは、実燃料噴射量を減らして目標燃料噴射量に近づける処理になる。
ステップS208で、噴射パルス幅DBLSETI1を減算補正する一方、噴射パルス幅DBLSETI2を前記減算分だけ加算補正すると、再びステップS206へ戻り、噴射パルス幅を補正した結果に基づいて前記差DBLTIFMを再度算出する。
そして、ステップS207でDBLTIFM≦0であると判別されるようになるまで、ステップS206〜208の処理を繰り返し、ステップS207でDBLTIFM≦0であると判断されると、ステップS209へ進む。
ステップS209では、DBLTIFM≦0であると判断される直前のDBLTIFM>0であると判断されていたときの差DBLTIFMBを第1燃料噴射弁8aの噴射率MKDBL1に基づいて噴射パルス幅に変換し、DBLTIFM≦0であると判断される直前のDBLTIFM>0であると判断されていたときの噴射パルス幅DBLSETIB1(前回値)から、DBLTIFMB/MKDBL1を減算し、該減算結果にDBLSETIB1(前回値)を置き換える
具体的には、以下の式(4)を演算する。
式(4)・・・「DBLSETIB1=DBLSETIB1−DBLTIFMB/MKDBL1」
これにより、第1燃料噴射弁8aの噴射パルス幅DBLSETIB1のみを補正することで、前記差DBLTIFMを零にすることになる。
ところで、前記式(1)を、噴射パルス幅TIを求める式に変換すると、以下の式(5)のようになる。
式(5)・・・「TI=(qdyn−qTIs)×(60/Q)+TIs」
従って、前記式(4)は、実際の噴射特性を考慮すると、式(6)のように書き換えることができる。
式(6)・・・「DBLSETIB1=DBLSETIB1−{(60/MKDBL1)×(DBLTIFMB−DBLQ1)+TIs}」
ステップS208で用いる補正値を微小値とすれば、DBLTIFMが略零になった時点で、ステップS206〜ステップS208のループを抜け出すことになり、そのときの噴射パルス幅DBLSETI1,DBLSETI2による噴射で目標燃料噴射量を噴射させることができることになる。
しかし、微小な補正を繰り返すと、演算負荷が大きく、また、演算に時間を要するため、前記補正値をあまり小さい値に設定することは好ましくないが、補正値を大きくすると、DBLTIFM≦0と判断された時点で、差DBLTIFMの絶対値が大きくなってしまい、目標燃料噴射量に対して実燃料噴射量が少なくなってしまう。
そこで、目標燃料噴射量よりも実燃料噴射量が多く、かつ、その差が最も小さい状態であったときを基準に、差DBLTIFMを零にする補正を施し、演算負荷を抑制しつつ燃料噴射量が不足することを防止する。
また、第1燃料噴射弁8a側のパルス幅DBLSETIB1から減算することで、第2燃料噴射弁8bから微粒化噴霧で噴射させる量を減少させることが無いので、その分の気化低減を防止できる。
但し、第2燃料噴射弁8b側のパルス幅DBLSETIB2から減算してもよく(DBLSETIB2←DBLSETIB2−DBLTIFMB/MKDBL2)、噴射率の小さい側のパルス幅を減算することで、目標燃料噴射量と実燃料噴射の差分の燃料噴射量を精度よく減量でき、噴射量のバラツキを抑制することができる。
尚、ステップS208での補正の結果、DBLTIFM=0となれば、目標燃料噴射量と実燃料噴射量が一致するので、第1燃料噴射弁8aのパルスDBLSETIB1を減算する必要はない。
ステップS210では、第1燃料噴射弁8a側のパルス幅DBLSETIB1から減算したDBLTIFMB/MKDBL1だけ、第2燃料噴射弁8bの噴射開始タイミング及び噴射終了タイミングを進角させる。
この場合、第1燃料噴射弁8aの噴射終了に同期して第2燃料噴射弁8bの噴射が開始されるが、第2燃料噴射弁8bの噴射終了は、噴射期間DBITSE12の終期(閉弁時期IVC)よりもDBLTIFMB/MKDBL1だけ早まることになる。
第2燃料噴射弁8bの噴射終了が早まれば、第2燃料噴射弁8bの噴射終了から点火までの時間が長く取れ、第2燃料噴射弁8bからの燃料噴霧の全量が気化してから点火を行わせることができる。
但し、第2燃料噴射弁8bの噴射開始タイミング及び噴射終了タイミングの進角を行わない構成とすることができ、その場合、第2燃料噴射弁8bの噴射終了タイミングは閉弁時期IVCのままとなり、第1燃料噴射弁8aの噴射終了タイミングと第2燃料噴射弁8bの噴射開始タイミングとの間に間隔が開くことになるが、間隔が開くことで、第1燃料噴射弁8aと第2燃料噴射弁8bの燃料噴霧の干渉を低減することが可能となる。
また、第1燃料噴射弁8aの噴射に続けて第2燃料噴射弁8bの噴射を行わせる場合に、第1燃料噴射弁8aと第2燃料噴射弁8bとの間に距離があり、また、第1燃料噴射弁8aを下流側に配置しているため、第2燃料噴射弁8bの噴射開始タイミングを第1燃料噴射弁8aの噴射終了タイミングよりやや早めに設定することがきる。
このとき、吸気流速や取り付け位置等の関係から第1燃料噴射弁8aの燃料噴霧に干渉しない範囲で第2燃料噴射弁8bの噴射開始タイミングを設定することが好ましい。
また、上記の場合、吸気流速が速くなるほど第2燃料噴射弁8bの燃料噴霧が第1燃料噴射弁8aの取り付け位置を通過するまでの時間が短くなるため、機関回転速度NEが速くなって吸気流速が速くなるほど、第1燃料噴射弁8aの噴射終了タイミングに近づく方向に、第2燃料噴射弁8bの噴射開始タイミングをより遅く変更することが好ましい。
また、低負荷時ほど同時噴射期間が長くなるように第2燃料噴射弁8bの噴射開始タイミングを、第1燃料噴射弁8aの噴射終了タイミングよりも早め、高負荷になるにつれて上記噴射終了タイミングに近づくように設定することができる。
また、第1燃料噴射弁8aの噴射終了タイミングと第2燃料噴射弁8bの噴射開始タイミングとが略一致する状態を維持し、かつ、第1燃料噴射弁8aの噴射開始タイミング及び第2燃料噴射弁8bの噴射終了タイミングが、それぞれ開弁時期IVO、閉弁時期IVCに略一致する状態を維持しつつ、前記差DBLTIFMを解消させるようにできる。
具体的には、前記差DBLTIFMが小さくなるに従って、前記ステップS208で用いる補正値を小さく変更することができる。
また、差DBLTIFM>0で実際量が目標よりも多い場合に、DBLTIFM=(MKDBL1−MKDBL2)×tを満たす時間tだけ、パルス幅DBLSETIB1を減らし、かつ、パルス幅DBLSETIB2を増やせば、差DBLTIFM=0にでき、差DBLTIFM<0で実際量が目標よりも少ない場合に、DBLTIFM=(MKDBL1−MKDBL2)×tを満たす時間tだけ、パルス幅DBLSETIB1を増やし、かつ、パルス幅DBLSETIB2を減らせば、差DBLTIFM=0にできる。
ステップS211では、前記パルス幅の前回値DBLSETIB1,DBLSETIB2を最終噴射パルス幅DBSETIF1,DBSETIF2にセットする。
以上により、吸気弁6の開弁期間(吸気行程)中に目標燃料噴射量を噴射するための第1及び第2燃料噴射弁8a,8bの各噴射期間となる噴射パルス幅DBSETIF1,DBSETIF2が設定される。
前記ステップS204で設定される燃料噴射期間DBITSE12は、吸気弁6の開弁時期IVO及び閉弁時期IVCに応じて設定されるため、該噴射期間DBITSE12でそれぞれの噴射弁8a,8bの噴射期間を設定する必要があり、また、本実施形態のように、第1燃料噴射弁8a及び第2燃料噴射弁8bの噴射率(単位時間当たりの燃料噴射量)が異なる場合には、同一噴射期間であっても噴射率の違いによって噴射量が異なるため、噴射率を考慮する必要がある。
そこで、上記ステップS206からステップS208の処理を繰り返して実行することで、開弁期間中に確実に目標燃料噴射量を噴射することが可能な噴射パルス幅を設定できる。
また、第1燃料噴射弁8aは、噴射開始タイミングを基点に噴射終了タイミングが最終噴射パルス幅DBSETIF1に基づいて設定され、第2燃料噴射弁8bは、噴射終了タイミングを基点に噴射開始タイミングが最終噴射パルス幅DBSETIF2に基づいて設定される。
そして、各噴射弁8a,8bの噴射期間の加算値が燃料噴射期間DBITSE12と略一致するから、第1燃料噴射弁8aと第2燃料噴射弁8bの噴射期間が重なることが殆ど無く、第1燃料噴射弁8aと第2燃料噴射弁8bの噴霧干渉を低減することができる。
これにより、吸気弁6が開いている間を燃料噴射期間とし、機関に必要な燃料量を第1燃料噴射弁8aと第2燃料噴射弁8bとから噴霧干渉無く噴射することができ、出力性能及び排気性能が向上する。
以上の本実施形態においては、以下のような効果が得られる。
「気化潜熱効果による充填効率の向上」
上記実施形態によると、吸気弁6の開弁時期IVOに同期して、燃料噴射が第1燃料噴射弁8aで開始される一方、吸気弁6の閉弁時期IVCに同期して第2燃料噴射弁8bの噴射が終了され、吸気弁6の開弁中に機関が要求する量の燃料を噴射する構成であり、これにより、吸入空気の流れによって燃料噴霧が直接筒内に導入されることで、筒内で気化する燃料の割合が高くなり、気化潜熱による筒内冷却効果を得ることができる。
また、第1燃料噴射弁8aの噴射開始を吸気弁6の開弁時期IVOに同期させることで、吸気弁6の開弁直後の吹き返しガスによって第1燃料噴射弁8aの燃料噴霧の一部が気化し、気化潜熱によって吹き返しガスを冷却する効果もあるため、筒内冷却と合わせて充填効率を向上させることができる。
更に、吸気弁6の閉弁時期IVCに同期して第2燃料噴射弁8bの噴射を終了させることで、吸気導入状態での第2燃料噴射弁8bの噴射期間をできるだけ長く取ることが可能となり、第2燃料噴射弁8bの依存度を上げることができ、気化特性上有利となる。
従って、高負荷域で、上記実施形態に示すように、第1,第2燃料噴射弁8a,8bを併用して吸気弁6の開弁中(吸気行程中)に燃料を噴射させれば、筒内の充填効率が向上して機関の出力を向上させることができる。
「燃料付着量の低減による排気性能の向上」
上記実施形態では、燃料噴霧の粒径が小さい(気化性能が高い)第2燃料噴射弁8bによる燃料噴射を、燃料噴霧の粒径がより大きな第1燃料噴射弁8aの噴射後に開始させることで、吸気通路内で燃料噴霧を滞留させること無く筒内に導入し、ポート壁流を低減しつつ筒内で積極的に気化を行わせることが可能となり、第1燃料噴射弁8a及び第2燃料噴射弁8bの双方の燃料噴霧による筒内冷却効果を得ることができる。
従って、均質混合気を形成でき、高い燃焼安定性を確保でき、排気性能の向上を得ることができ、また、機関出力トルクを向上させることができる。
また、吸気弁6の開弁直後は、高温の筒内燃焼ガスが吸気通路に吹き返されるので、比較的気化性能の低い第1燃料噴射弁8aからの噴射を行わせることで、吹き返される高温の燃焼ガスによって気化が促進されるため、吸気通路や筒内壁面への燃料付着を低減させることができる。
更に、吹き返しが終了し、筒内に空気が吸入される場合においても、筒内での燃料の気化によって筒内冷却効果を得ることができるので、さらなる排気性能の向上や出力向上を得ることができる。
また、第1燃料噴射弁8aから噴射された燃料噴霧は、第2燃料噴射弁8bの燃料噴霧に比較して気化時間を必要とすることから、第1燃料噴射弁8aの噴射を先行させることで、筒内での気化時間を稼ぐことができ、筒内での気化率を向上させることができる。
また、上述のように、第1燃料噴射弁8aと第2燃料噴射弁8bとの噴射が重複する期間が殆どなく、燃料噴霧の干渉によって粒径が大きくなり、気化特性の悪化を低減することができる。
次に、噴射パルス幅DBSETIF1,DBSETIF2の算出処理の第2実施形態を、図6のフローチャートに従って説明する。
尚、図6のフローチャートに示す処理は、前記図4のフローチャートに代えて実行されることになる。
ステップS301では、機関回転速度NEのデータを読み込む。
ステップS302では、基本噴射パルス幅TP(ms)のデータを読み込む。
ステップS303では、基本噴射パルス幅TP(機関負荷)と機関回転速度NEとに基づいて第1燃料噴射弁8aと第2燃料噴射弁8bの噴射パルス幅DBLSETI1,DBLSETI2を算出する。
ステップS304では、前記噴射パルス幅DBLSETI1,DBLSETI2を、各燃料噴射弁8a,8bの最終的な噴射パルス幅DBSETIF1,DBSETIF2にセットする。
本実施形態では、基本噴射パルス幅TP(機関負荷)と機関回転速度NEとに対応して第1燃料噴射弁8aの噴射パルス幅DBLSETI1を記憶したマップと、基本噴射パルス幅TP(機関負荷)と機関回転速度NEとに対応して第2燃料噴射弁8bの噴射パルス幅DBLSETI2を記憶したマップとをそれぞれ予め備え、これらのマップを参照して、そのときの基本噴射パルス幅TP(機関負荷)と機関回転速度NEとに対応する噴射パルス幅DBLSETI1,DBLSETI2を求める。
尚、1つのマップで、噴射パルス幅DBLSETI1,DBLSETI2を求めるようにすることができる。
また、第1燃料噴射弁8aと第2燃料噴射弁8bとのうちの一方の噴射パルス幅をマップなどから求め、他方の噴射パルス幅を、一方の噴射パルス幅との総和で機関要求燃料量を噴射できるパルス幅として求めることができる。
また、基本噴射パルス幅TPではなく、噴射パルス幅TI、即ち、基本射パルス幅TPに冷機時や加速時の燃料を増量するための補正係数などを含む各種補正係数や、空燃比のズレを修正するための空燃比フィードバック補正係数や空燃比学習値、更に、無効パルス補正分などのうちの少なくとも1つに基づいて補正して算出されるパルス幅に基づいて、噴射パルス幅DBLSETI1,DBLSETI2を求めることができる。
上記の基本噴射パルス幅TP(機関負荷)と機関回転速度NEとに基づいて算出される噴射パルス幅DBLSETI1,DBLSETI2は、図4のフローチャートに示した第1実施形態と同様に、吸気弁6の開弁時期IVOに同期して第1燃料噴射弁8aの噴射を開始させ、第1燃料噴射弁8aの噴射終了に同期させて開始された第2燃料噴射弁8bの噴射を、吸気弁6の閉弁時期IVC以前に終了させることで、機関の要求燃料量が噴射できるように設定されている。
従って、上記第2実施形態によると、第1実施形態と同様の効果を備えると共に、各燃料噴射弁8a,8bの噴射パルス幅DBLSETI1,DBLSETI2を機関運転状態に応じて予めマップに記憶しておき、機関運転状態(基本噴射パルス幅TP乃至噴射パルス幅TI(機関負荷)や機関回転速度NE)に基づいてマップを参照して設定するので、演算処理を低減することができ、マイコンの演算負荷を低減することができ、比較的安価なマイコンを使用することで製品コストを低減することができる。
図7のフローチャートは、噴射パルス幅制御の第3実施形態を示し、この第3実施形態は、燃料圧力を調整しつつ第1燃料噴射弁8aと第2燃料噴射弁8bの噴射パルス幅を設定することを特徴とする。
ステップS401では、前記基本噴射パルス幅TPを、冷機時や加速時の燃料を増量するための補正係数などを含む各種補正係数、空燃比のズレを修正するための空燃比フィードバック補正係数や空燃比学習値、更に、無効パルス補正分などに基づいて補正して、噴射パルス幅TIを算出する。
ステップS402では、図3のフローチャートのステップS103で算出した第1燃料噴射弁8aの噴射開始タイミングDBTITM1のデータを読込む。
ステップS403では、図3のフローチャートのステップS103で算出した第2燃料噴射弁8bの噴射終了タイミングDBTITM2のデータを読込む。
ステップS404では、燃料噴射パルス幅TIと機関回転速度NEとに基づいて、第2燃料噴射弁8bの噴射パルス幅DBLSETI2を算出する。
そして、第1燃料噴射弁8aの噴射パルス幅DBLSETI1を、噴射期間から前記噴射パルス幅DBLSETI2を減算した残り時間に設定する(DBLSETI1=噴射期間−DBLSETI2)。
これにより、噴射開始タイミングDBTITM1から噴射パルス幅DBLSETI1の噴射を開始させ、第1燃料噴射弁8aの噴射が終了した時点で噴射パルス幅DBLSETI2の噴射を開始させることで、噴射終了タイミングDBTITM2で第2燃料噴射弁8bの噴射が終了する設定となる。
図8は、第1燃料噴射弁8aの噴射終了時期の進角・遅角変化に対する充填効率・トルク・排気中のHC濃度の変化を示した図である。
尚、図中の点線は、第1燃料噴射弁8aよりも燃料噴霧が微粒化される(粒径が小さい)噴霧での特性を示す。
この図8に示すように、吸気弁6のバルブリフト量が最大値となるタイミング付近で、第1燃料噴射弁8aの燃料噴射を終了させると、充填効率は向上するが、燃焼性の悪化(トルクの低下、HC濃度の増大)が生じる。
これは、第1燃料噴射弁8aの燃料噴霧の粒径が比較的大きく、筒内で気化できない燃料量が増加し、混合気形成の不均一化や壁面付着量の増加が起こるからである。
前記混合気形成の不均一化や壁面付着量の増加は、特に高回転高負荷域で生じる可能性が高い。これは、出力増大要求に伴う燃料噴射量の増大に対して、高回転であるが故に気化時間が短くなることで、粒径の大きい第1燃料噴射弁8aでは、混合気を均一化することが困難であり、また、壁面への付着が多くなってしまうためである。
図14に示すように、吸気弁6の開弁直後は、高温の筒内燃焼ガスが吸気通路に吹き返されるので、比較的気化性能の低い(粒径が比較的大きい)第1燃料噴射弁8aからの燃料噴霧であっても、吹き返される高温の燃焼ガスによって充分に気化させることができ、高い燃焼性を示すが、前記吹き返し期間を過ぎると高温の燃焼ガスによる気化促進の効果がなくなって燃焼性が悪化し、トルクが低下し、HC濃度の増大してしまう。
このため、第1燃料噴射弁8aの燃料噴射は、吸気弁6の開弁タイミングを噴射開始タイミングとする一方で、燃焼性が低下し始めるバルブリフトとなる前に終了させることが好ましく、更に、前記吸気弁6の開弁直後の吹き返し期間で第1燃料噴射弁8aの燃料噴射を行わせ、係る第1燃料噴射弁8aの噴射期間の終了後に、より気化性能が高い第2燃料噴射弁8bの噴射を行わせることがより好ましい。
本実施形態では、第2燃料噴射弁8bの噴射パルス幅DBLSETI2を燃料噴射パルス幅TIと機関回転速度NEと基づいて予め設定されたマップから参照して設定するが、このマップは、噴射終了タイミングDBTITM2(吸気弁6の閉弁時期IVC)を基点にして、第2燃料噴射弁8bの噴射開始タイミングが、吸気弁6のバルブリフト量が最大となる時期より前に設定され、かつ、第1燃料噴射弁8aの噴射終了時期が、機関出力トルクの低下が発生する直前(図8におけるクランク角位置CAS:吹き返し期間の終期)に設定されるように、予め設定されており、第2燃料噴射弁8bの噴射開始タイミングは第1燃料噴射弁8aの噴射終了タイミングと一致させるものとする。
従って、第2燃料噴射弁8bの噴射パルス幅DBLSETI2を、噴射期間から減算した結果を、噴射パルス幅DBLSETI1とすることで、機関出力トルクの低下が発生する直前のタイミングで第1燃料噴射弁8aの噴射を終了させることができ、燃焼性の悪化(トルクの低下、HC濃度の増大)を抑止できる。
尚、第1燃料噴射弁8aのパルス幅DBLSETI1を、機関出力トルクの低下が発生する直前のタイミングで第1燃料噴射弁8aの噴射を終了させることができる値としてマップから求め、第2燃料噴射弁8bの噴射パルス幅DBLSETI2は、噴射期間DBITSE12から第1燃料噴射弁8aのパルス幅DBLSETI1を減算して求めるようにすることができる。
ステップS405では、実燃料噴射量と目標燃料噴射量の差DBLTIFMを演算する。
具体的には、第1燃料噴射弁8aの燃料噴射量を、第1燃料噴射弁8aのパルス幅DBLSETI1、第1燃料噴射弁8aの噴射率MKDBL1、設定燃圧に応じた噴射率補正値MKDBHOSから算出し、第2燃料噴射弁8bの燃料噴射量を、第2燃料噴射弁8bのパルス幅DBLSETI2、第2燃料噴射弁8bの噴射率MKDBL2、設定燃圧に応じた噴射率補正値MKDBHOSから算出し、第1燃料噴射弁8aの燃料噴射量と第2燃料噴射弁8bの燃料噴射量との合計を実燃料噴射量とする。
一方、目標燃料噴射量は、燃料噴射パルス幅TIと基準噴射率MKBASEとから算出する。
そして、実燃料噴射量と目標燃料噴射量の差DBLTIFMを、DBLTIFM=(DBLSETI1×MKDBL1×MKDBHOS+DBLSETI2×MKDBL2×MKDBHOS)−TI×MKBASEとして算出する。
ここでも、前記ステップS206と同様に、前記式(1)を適用して、差DBLTIFMを、式(7)に従って演算させることができる。
式(7)・・・「DBLTIFM={(MKDBL1/60)×(DBLSETI1−TIs)+DBLQ1}×MKDBHOS+{(MKDBL2/60)×(DBLSETI2−TIs)+DBLQ2}×MKDBHOS−{(MKBASE/60)×(TI−TIs)+DBLQBA}」
更に、上記式(7)による演算に代えて、図16〜図18に示すように、各噴射率での噴射特性テーブルを予め記憶し、各テーブルに基づいて各噴射パルス幅DBLSETI1,DBITSE12,TIを噴射量DBLQDYN1,DBLQDYN2,BASQDYNに変換し、前記差DBLTIFMを下記式(8)に従って演算させることができる。
式(8)・・・「DBLTIFM=(DBLQDYN1×MKDBHOS+DBLQDYN2×MKDBHOS)−BASQDYN」
ステップS406では、目標燃料噴射量より実燃料噴射量の方が多いか否か、換言すれば、DBLTIFM≧0であるか否かを判定する。
ここで、目標燃料噴射量より実燃料噴射量の方が少ない(DBLTIFM<0)場合には、ステップS407へ進んで目標燃圧の増大設定を行い、目標燃料噴射量より実燃料噴射量の方が多い(DBLTIFM≧0)場合には、目標燃圧を確定すべくステップS408へ進む。
即ち、本実施形態では、噴射率が高い第1燃料噴射弁8aの噴射を終了させるタイミングを、吸気弁6のバルブリフトが最大になる前に制限するために、第1燃料噴射弁8aの噴射終了後から吸気弁6の閉弁時期IVCまでの間、第2燃料噴射弁8bによる噴射を行わせたとしても、目標燃料噴射量より実燃料噴射量の方が少なくなる場合があり、その場合には、燃圧を上げることで、第1,第2燃料噴射弁8a,8bの噴射率を上げて、噴射割合を変えずに実燃料噴射量を増やすようにする。
ステップS407では、目標燃圧TRFUPRを補正値だけ増大補正し、該増大による噴射率の変化を補正するための噴射率補正値MKDBHOSを、噴射率MKDBL1,MKDBL2を適合させた基準燃圧BAFUPRと補正後の目標燃圧TRFUPRとから、MKDBHOS=(TRFUPR/BAFUPR)1/2として算出する。
そして、目標燃圧TRFUPRの増大修正に基づいて、噴射率補正値MKDBHOSを更新すると、ステップS405に戻り、目標燃圧TRFUPRの増大修正に応じて噴射率が増大変化した状態での実燃料噴射量と目標燃料噴射量の差DBLTIFMを演算させ、ステップS406で、目標燃料噴射量より実燃料噴射量の方が多いと判定されるようになるまで、ステップS407の処理を繰り返し、目標燃料噴射量より実燃料噴射量の方が多いと判定されると、ステップS408へ進む。
ステップS408では、目標燃圧値TRFUPRを最終燃圧値DBLFUPRとする。
ステップS409では、実燃料噴射量と目標燃料噴射量の差DBLTIFM、即ち、目標燃料噴射量よりも実燃料噴射量が多い分(余分分)だけ、第1燃料噴射弁8aの噴射パルス幅DBLSETI1を減算補正する。
具体的には、以下の式(9)に従って、噴射パルス幅DBLSETI1を算出する。
式(9)・・・「DBLSETI1=DBLSETI1−DBLTIFM/(MKDBL1×MKDBHOS)」
ここで、上記の式(9)に前記式(5)を適用して書き換えると、式(10)のようになる。
式(10)・・・「DBLSETI1=DBLSETI1−{(60/MKDBL1)×(DBLTIFM−DBLQ1)+TIs}×MKDBHOS)」
ステップS410では、ステップS409で第1燃料噴射弁8aの噴射パルス幅DBLSETI1を減算補正した分(DBLTIFM/(MKDBL1×MKDBHOS))だけ、第2燃料噴射弁8bの噴射期間を進角方向にシフトさせる。
即ち、第1燃料噴射弁8aの噴射終了タイミングが早まる分だけ、第2燃料噴射弁8bの噴射開始タイミングを早めることで、第2燃料噴射弁8bの噴射終了タイミングは、吸気弁6の閉弁時期IVCよりも早まることになる。
ステップS411では、第1燃料噴射弁8aと第2燃料噴射弁8bのパルス幅DBLSETI1,DBLSETI2を、最終噴射パルス幅DBSETIF1、DBSETIF2とする。
尚、ステップS410の処理を省略してもよく、この場合、第2燃料噴射弁8bの噴射終了タイミングは閉弁時期IVCのままとなり、第1燃料噴射弁8aの噴射終了タイミングと第2燃料噴射弁8bの噴射開始タイミングとの間に間隔が開くことになるが、間隔が開くことで、第1燃料噴射弁8aと第2燃料噴射弁8bの燃料噴霧の干渉を低減することが可能となる。
また、第1燃料噴射弁8aの噴射に続けて第2燃料噴射弁8bの噴射を行わせる場合に、第1燃料噴射弁8aと第2燃料噴射弁8bとの間に距離があり、また、第1燃料噴射弁8aを下流側に配置しているため、第2燃料噴射弁8bの噴射開始タイミングを第1燃料噴射弁8aの噴射終了タイミングよりやや早めに設定することがきる。
このとき、吸気流速や取り付け位置等の関係から第1燃料噴射弁8aの燃料噴霧に干渉しない範囲で第2燃料噴射弁8bの噴射開始タイミングを設定することが好ましい。
また、上記の場合、吸気流速が速くなるほど第2燃料噴射弁8bの燃料噴霧が第1燃料噴射弁8aの取り付け位置を通過するまでの時間が短くなるため、機関回転速度NEが速くなって吸気流速が速くなるほど、第1燃料噴射弁8aの噴射終了タイミングに近づく方向に、第2燃料噴射弁8bの噴射開始タイミングを遅く変更することが好ましい。
また、低負荷時ほど同時噴射期間が長くなるように第2燃料噴射弁8bの噴射開始タイミングを、第1燃料噴射弁8aの噴射終了タイミングよりも早め、高負荷になるにつれて上記噴射終了タイミングに近づくように設定することができる。
以上のように、第3実施形態は、第1燃料噴射弁8aの噴射終了タイミングを、吸気弁6のバルブリフト量が最大になる前に制限する(吹き返し期間の終期に設定する)一方で、目標燃料噴射量が得られるように燃圧を補正する構成である。
これによって、第2燃料噴射弁8bによる噴射割合を増加するため、微粒化噴霧の増加、及び、燃圧上昇により微粒化が促進され、これによって、以下の効果が得られ、出力性能及び排気性能が向上する。
「混合気の均一化」
第3実施形態では、燃料圧力を上昇させ、かつ、気化性能が高い(粒径が小さい)燃料噴霧を形成する第2燃料噴射弁8bの噴射期間が長いので、気化効率が向上し、燃料噴霧の気化に要する時間を短縮することができるので、燃焼性を向上させることができる。
また、第1実施例に比較しても、微粒化噴霧(第2燃料噴射弁8bの噴射期間)の増大により、気化効率を向上させることができるので、機関出力を向上させることができる。
また、噴射率の高い第1燃料噴射弁8aを併用することで、機関が要求する燃料噴射量を噴射することができ、機関出力トルクの不足を解消することができる。
更に、第1燃料噴射弁8aの噴射終了時期を機関出力トルクが低下するバルブリフト状態となる前(吹き返し期間の終期)に設定し、気化性能が低い(粒径が大きな)噴霧で燃料噴射させると、機関出力トルクが低下するクランク角領域では第2燃料噴射弁8bを使用して燃料を噴射することで、微粒化による気化特性が向上でき、燃焼性が向上し、機関出力トルクの低下を抑制することができる。
「充填効率の向上」
第1実施形態と同様に、第3実施形態によると、吸気弁6の開弁時期IVOに略同期して、燃料噴射が第1燃料噴射弁8aで開始される一方、吸気弁6の閉弁時期IVCに略同期して第2燃料噴射弁8bの噴射が終了され、吸気弁6の開弁中に機関が要求する量の燃料を噴射する構成であり、これにより、吸入空気の流れによって燃料噴霧が直接筒内に導入されることで、筒内で気化する燃料の割合が高くなり、気化潜熱による筒内冷却効果を得ることができる。
従って、高負荷域で、上記実施形態に示すように、第1,第2燃料噴射弁8a,8bを併用して吸気弁6の開弁中(吸気行程中)に燃料を噴射させれば、筒内の充填効率が向上して機関の出力を向上させることができる。
「燃料付着量の低減による排気性能の向上」
第1燃料噴射弁8aの噴射終了時期を、最大バルブリフトになる前に設定するので、バルブリフトが大きくなって吸入空気量が大きくなることでガス流動が速くなり、燃料噴霧が筒内壁面に付着し易くなる状態において、噴霧粒径が小さく気化性能が高い第2燃料噴射弁8bで燃料が噴射されるから、筒内壁面への付着を低減し、燃焼性の悪化を低減することができる。
次に、燃圧制御の他の実施形態となる第4実施形態を、図9のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS501では、機関回転速度NEのデータを読み込み、ステップS502では、基本噴射パルス幅TPのデータを読み込む。
ステップS503では、基本噴射パルス幅TP(機関負荷)と機関回転速度NEとに基づいて目標燃圧値TRFUPRを算出する。
具体的には、予め基本噴射パルス幅TP(機関負荷)と機関回転速度NEとに対応して目標燃圧値TRFUPRを記憶したマップを備えており、該マップからそのときの基本噴射パルス幅TP(機関負荷)と機関回転速度NEとに対応する目標燃圧値TRFUPRを検索する。
尚、上記の目標燃圧値TRFUPRの算出において、基本噴射パルス幅TPではなく、燃料噴射パルス幅TIを用いることができる。
ステップS504では、目標燃圧値TRFUPRを最終燃圧値DBLFUPRに設定する。
前記目標燃圧値TRFUPRは、第1燃料噴射弁8aの噴射終了時期を、最大バルブリフトになる前に設定し、その後の燃料噴射を第2燃料噴射弁8bによって行わせる場合に、目標燃料噴射量を噴射させることができる燃圧として、予め設定されている。
従って、第4実施形態によると、目標燃圧値を予め記憶しておくことで演算処理負荷の低減を図ることが可能となり、これにより、マイコンの負荷を低減することができ、比較的安価なマイコンを使用することで製品コストを低減することができる。
次に、前記目標燃圧DBLFUPRに基づく、燃圧フィードバック制御を説明する。
前記目標燃圧に基づく燃圧フィードバック制御は、図10に示すような燃料供給装置を用いて行われる。
図10において、燃料タンク51内に電動式の燃料ポンプ52が配置されており、該燃料ポンプ52は、燃料タンク51内の燃料を吸い込んで、燃料供給管53を介して燃料ギャラリー管54に燃料を圧送する。
前記燃料ギャラリー管54には、各気筒の第1,第2燃料噴射弁8a,8bが接続されており、第1,第2燃料噴射弁8a,8bが開弁されると、燃料ギャラリー管54内の燃料を噴射する。
前記燃料ギャラリー管54内の燃料圧力を検出する燃圧センサ55が設けられており、該燃圧センサ55の検出信号は、FPCM(フューエル・ポンプ・コントロール・モジュール)56に入力される。
マイクロコンピュータを内蔵するFPCM56は、前記ECM21と通信ライン57で結ばれており、該通信ライン57を介して前記ECM21からの目標燃圧の信号を読み込む。
そして、前記FPCM56は、前記燃圧センサ55で検出される実際の燃圧が、前記目標燃圧に近づくように、前記燃料ポンプ52の印加電圧(燃料ポンプ52の吐出量)を、通電のオン・オフのデューティ比を変化させることでフィードバック制御する。
図11のフローチャートは、燃圧フィードバック制御を示し、第3又は第4実施形態に記載の燃料圧力制御に適用可能である。
ステップS601では、最終燃圧値DBLFUPRのデータを読み込む。
ステップS602では、前記燃圧センサ55で検出される実際の燃圧FUPRのデータを読み込む。
ステップS603では、前記最終燃圧値DBLFUPRと実際の燃圧FUPRとの偏差(エラー)に基づく、比例・積分・微分動作によってデューティ比のフィードバック補正分F/Bを算出する。
ステップS604では、機関回転速度NEのデータを読み込む。
ステップS605では、基本噴射パルス幅TPのデータを読み込む。
ステップS606では、基本噴射パルス幅TPと機関回転速度NEとから、燃料消費量に見合う基本デューティ比BDUTYを演算する。
ステップS607では、基本デューティ比BDUTYとフィードバック補正分F/Bとを加算して、出力デューティ比PFDUTYを算出する。
前記出力デューティ比PFDUTYに基づいて前記燃料ポンプ52の通電のオン・オフを制御することで、燃料ポンプ52の吐出量を変化させる。
次に、第1燃料噴射弁8aの噴射開始タイミングの補正制御を、図12のフローチャートに基づいて説明する。
本補正制御は、第1、第2、第3実施形態に適用可能であり、吸気弁6の開弁時期IVOを変更可能な可変動弁機構(可変バルブタイミング機構)を備える場合に、吸気弁6の開弁時期IVOが吸気上死点よりも進角すると、第1燃料噴射弁8aの噴射開始タイミングを吸気上死点に変更するものである。
ステップS701では、第1燃料噴射弁8aの噴射開始タイミングDBTITM1のデータを読み込む。
ステップS702では、第1燃料噴射弁8aの噴射開始タイミングDBTITM1が、吸気上死点TDCよりも早い(進角している)か否かを判定する。
噴射開始タイミングDBTITM1が吸気上死点TDC(ピストン上死点)よりも早い(進角している)場合にはステップS703へ進み、噴射開始タイミングDBTITM1が吸気上死点TDC以降である場合には、そのまま一連の処理を終了させる。
ステップS703では、第1燃料噴射弁8aの噴射開始タイミングDBTITM1を、吸気TDC若しくは吸気TDCよりも僅かに遅角した角度位置に設定する。
吸気上死点TDC前の吸気弁6の開弁中に燃料を噴射すると、ピストンが上死点TDCに向けて上昇している状態であるため、吸気通路への吹き返しが大きく、これにより、吸気通路内での燃料噴霧が乱れてしまい、ポート壁流となる(吸気ポートの壁面に付着する)割合が増大して、気化効率が低下するおそれがある。
このため、吸気上死点TDCよりも進角した角度位置で吸気弁6が開弁する場合は、吸気上死点TDC若しくはそれよりもやや遅角側に第1燃料噴射弁8aの噴射開始タイミングを変更することで、ポート壁流(吸気ポートの壁面に対する燃料の付着)による燃焼性の悪化を抑制することができる。
尚、吸気弁6の開弁時期IVOが吸気上死点よりも進角した位置に固定の内燃機関において、吸気上死点TDC若しくは吸気上死点TDCよりも僅かに遅角した角度位置を、第1燃料噴射弁8aの噴射開始タイミングDBTITM1とすることができる。
次に、第2燃料噴射弁8bの噴射終了タイミングの補正制御を、図13のフローチャートに基づいて説明する。
本補正制御は、第1、第2、第3実施形態に適用可能であり、吸気弁6の閉弁時期IVCを変更可能な可変動弁機構(可変バルブタイミング機構)を備える場合に、吸気弁6の閉弁時期IVCが吸気下死点BDCよりも遅角している(遅い)場合には、第2燃料噴射弁8bの噴射終了タイミングを吸気下死点BDCに変更するものである。
ステップS801では、第2燃料噴射弁8bの噴射終了タイミングDBTITM2のデータを読み込む。
ステップS802では、第2燃料噴射弁8bの噴射終了タイミングDBTITM2が、吸気下死点BDCよりも遅いか否かを判定する。
噴射終了タイミングDBTITM2が吸気下死点BDCよりも遅い(遅角している)場合にはステップS803へ進み、噴射終了タイミングDBTITM2が吸気下死点BDC以前(吸気下死点BDC若しくはより進角したクランク角位置)である場合には、そのまま一連の処理を終了させる。
ステップS803では、第2燃料噴射弁8bの噴射終了タイミングDBTITM2を吸気下死点BDC若しくは吸気下死点BDCよりも僅かに進角した位置に設定する。
吸気下死点BDC後の吸気弁6の開弁中に燃料を噴射すると、ピストンが上死点に向けて上昇している状態であるため、吸気通路への吹き返しが大きく、これにより、吸気通路内での燃料噴霧が乱れてしまい、ポート壁流となる(吸気ポートの壁面に付着する)割合が増大して、気化効率が低下するおそれがある。
このため、吸気下死点BDC後に吸気弁6が閉弁する場合は、吸気下死点BDC若しくはそれよりもやや進角側に第2燃料噴射弁8bの噴射終了タイミングDBTITM2を変更することで、ポート壁流(吸気ポートの壁面に対する燃料の付着)による燃焼性の悪化を抑制することができる。
尚、吸気弁6の閉弁時期IVCが吸気下死点よりも遅角した位置に固定の内燃機関において、吸気下死点BDC若しくは吸気下死点BDCよりも進角した角度位置を、第2燃料噴射弁8bの噴射終了タイミングDBTITM2とすることができる。
ところで、吸気通路に第1,第2燃料噴射弁8a,8bを備えると共に、筒内に燃料を直接噴射する第3燃料噴射弁を備える内燃機関にも、本願発明は適用可能である。
また、第1燃料噴射弁8aに対する燃料の供給圧と、第2燃料噴射弁8bに対する燃料の供給圧とを異ならせることができる。
更に、各気筒に2つの吸気口2a及びこれらを開閉する吸気弁6を備える構成に限定されず、各気筒に1つ或いは3つの吸気口2a及びこれらを開閉する吸気弁6を備える内燃機関であっても良い。
また、各気筒に複数の吸気口2a及びこれらを開閉する吸気弁6を備える構成において、第1燃料噴射弁8a及び第2燃料噴射弁8bが共に複数の吸気口2aそれぞれに向けて燃料を噴射する必要はなく、第1燃料噴射弁8aと第2燃料噴射弁8bとのうちの少なくとも一方が、複数の吸気口2aのうちの1つのみに向けて燃料を噴射する構成とすることができる。
本発明の実施形態における内燃機関のシステム図である。 本発明の実施形態における第1,第2燃料噴射弁の配置及び噴霧特性を示す図である。 本発明の実施形態における噴射タイミング制御を示すフローチャートである。 本発明に係る噴射パルス幅制御の第1実施形態を示すフローチャートである。 本発明の実施形態における噴射パルス幅及び噴射タイミングを示すタイムチャートである。 本発明に係る噴射パルス幅制御の第2実施形態を示すフローチャートである。 本発明に係る噴射パルス幅制御の第3実施形態を示すフローチャートである。 本発明における第1燃料噴射弁の噴射終了時期と充填効率・トルク・HCとの相関を示すタイムチャートである。 本発明に係る燃圧制御の他の実施形態を示すフローチャートである。 本発明の実施形態における燃圧の可変システムを示す図である。 本発明の実施形態における燃圧のフィードバック制御を示すフローチャートである。 本発明の実施形態における第1燃料噴射弁の噴射開始タイミングの補正処理を示すフローチャートである。 本発明の実施形態における第2燃料噴射弁の噴射終了タイミングの補正処理を示すフローチャートである。 本発明の実施形態における吸入空気量の変化と第1燃料噴射弁の噴射期間との相関を示すタイムチャートである。 本発明の実施形態における燃料噴射弁の噴射パルス幅TI(通電時間)と噴射量との相関を示す線図である。 本発明の実施形態における第1燃料噴射弁8aの噴射パルス幅DBLSTI1から噴射量DBLQDYN1を求めるテーブルを示す線図である。 本発明の実施形態における第2燃料噴射弁8bの噴射パルス幅DBLSTI2から噴射量DBLQDYN2を求めるテーブルを示す線図である。 本発明の実施形態における基準噴射率での噴射パルス幅TIから噴射量BASQDYNを求めるテーブルを示す線図である。
符号の説明
1…内燃機関、2…燃焼室、3…吸気ダクト、4a,4b…吸気マニホールド、5…吸気ポート、6…吸気弁、7…ピストン、8a…第1燃料噴射弁、8b…第2燃料噴射弁、9…点火プラグ、10…クランク軸、11…排気弁、16…電子制御スロットル、21…ECM(エンジン・コントロール・モジュール)、22…アクセル開度センサ、23…水温センサ、24…車速センサ、25…クランク角センサ、26a,26b…空燃比センサ、27…エアフローセンサ、28…スロットル開度センサ、29…圧力センサ

Claims (8)

  1. 第1燃料噴射弁と、該第1燃料噴射弁よりも気化性能が高い燃料噴霧を噴射する第2燃料噴射弁とを、気筒毎に吸気通路に備えた内燃機関の燃料噴射制御装置であって、
    前記第1燃料噴射弁の燃料噴射を吸気弁の開弁と略同時に開始させ、前記吸気弁の開弁中に前記第1燃料噴射弁の燃料噴射を終了させる一方、
    前記吸気弁の開弁中に前記第2燃料噴射弁の燃料噴射を開始させ、前記第2燃料噴射弁の燃料噴射を前記吸気弁の閉弁と同期して終了させることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 前記内燃機関が、前記吸気弁の開弁時期を可変とする可変動弁機構を備え、
    該可変動弁機構の作動により前記吸気弁の開弁時期が、ピストン上死点よりも進角した場合、ピストン上死点若しくはピストン上死点よりも遅角側で前記第1燃料噴射弁の燃料噴射を開始させることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 前記第1燃料噴射弁の噴射終了時期と前記第2燃料噴射弁の噴射開始時期とを一致させることを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  4. 前記第1燃料噴射弁からの燃料噴霧と前記第2燃料噴射弁からの燃料噴霧とが前記吸気通路内で干渉しないように、前記第1燃料噴射弁の噴射終了時期及び前記第2燃料噴射弁の噴射開始時期を制御することを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  5. 前記第1燃料噴射弁の噴射終了後、遅れて前記第2燃料噴射弁の噴射を開始させることを特徴とする請求項4記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  6. 前記吸気弁の開弁直後の筒内ガスが吸気通路側に吹き返す吹き返し期間において前記第1燃料噴射弁からの燃料噴射を行わせ、前記吹き返し期間の終了時点から前記第2燃料噴射弁による燃料噴射を開始させることを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  7. 機関運転状態に基づいて機関の要求燃料噴射量を算出し、
    前記吸気弁の開弁期間と前記要求燃料噴射量とに基づいて、前記第1燃料噴射弁の噴射期間と前記第2燃料噴射弁の噴射期間とをそれぞれ設定する一方、
    前記両噴射期間で前記要求燃料噴射量が噴射されるように、前記第1燃料噴射弁及び前記第2燃料噴射弁の燃料圧力を調整することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  8. 予め決められた燃料圧力下で、前記第1燃料噴射弁が前記噴射期間だけ噴射し、前記第2燃料噴射弁が前記噴射期間だけ噴射した場合の燃料噴射量を推定し、
    前記推定した燃料噴射量と前記要求燃料噴射量とに基づいて目標燃料圧力を算出し、前記目標燃料圧力となるように、前記第1燃料噴射弁及び前記第2燃料噴射弁の燃料圧力を調整することを特徴とする請求項7記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
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