JP2009281236A - 多気筒内燃機関の制御装置 - Google Patents

多気筒内燃機関の制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】冷機始動後に気筒間の回転差により全気筒の平均燃料噴射量を調節する内燃機関の制御装置において、各気筒の発生トルクのばらつきによる空燃比のリッチ化を抑制し、未燃ガスの排出量の増加を防止する。
【解決手段】各気筒ごとに燃料噴射弁を設けられた多気筒内燃機関の制御装置であって、各気筒ごとに所定のクランク角度間の回転速度を計測する回転計測手段と、前記計測された回転速度から今回爆発気筒と前回爆発気筒の回転速度の差を算出する気筒間回転差算出手段と、冷機始動後に前記気筒間回転差算出手段により算出された気筒間の回転速度の差に応じて全気筒の燃料噴射弁の平均噴射量を調整する噴射量補正手段と、前記気筒間回転差算出手段により算出された今回爆発気筒と前回爆発気筒の回転速度の差を気筒ごとに平均化する気筒間回転差平均化手段と、前記気筒間回転差平均化手段により算出された気筒間の回転差の平均値をゼロに近づけるよう各気筒のトルクを調整するトルク調整手段とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、多気筒内燃機関の制御装置に係り、例えば、燃料制御、点火時期制御を含む機関制御を行う多気筒内燃機関の制御装置に関する。
内燃機関のガソリン燃料の蒸発特性にはばらつきがある。このため、冷機状態からの始動時において、蒸発しにくい重質ガソリンで内燃機関を始動すると、吸気ポート壁面や吸気バルブに燃料が多く付着するために燃焼室内(シリンダ内)の混合気がリーン化し、燃焼状態が悪化して未燃ガスの排出量が増加したり、回転落ちを生ずる場合がある。
また、燃料噴射弁や、空気量を計測するエアフローメータや吸気管圧力センサ、プレッシャレギュレータ等の部品の特性ばらつきによっても燃焼室内の混合気がリーン化して前述と同様の不具合を生ずる場合がある。
冷機状態からの機関始動時では、空燃比を検出するセンサが活性化しておらず、空燃比を検出できないため、一般には蒸発しにくい重質ガソリン使用時にリーン化して燃焼が不安定とならないように重質ガソリンに合わせて燃料噴射量を増量するようにしている。このため、蒸発しやすい軽質〜標準ガソリンで始動した時に、理論空燃比に対しリッチとなり、未燃ガス(HC)排出量が増加する。
このような燃料性状のばらつきや部品の特性ばらつきに起因した空燃比の変動に対して、1爆発ごとに回転速度(所定クランク角度間のクランク角速度)を検出し、機関始動後に、今回爆発ごとの回転速度の変動量に応じて燃料噴射量を制御することにより、空燃比のオーバリーン化やリッチ化を防止するようにした燃料制御装置がある(例えば、文献1)。
一般に、燃焼室内の混合気がリーン化すると、燃焼状態が不安定となり、1爆発ごとのシリンダ内圧力の変動量が増加する。このことから、特許文献1に示されている燃料制御装置等では、爆発が連続する気筒間の回転速度の差(気筒間の回転差)を検出することで、混合気の空燃比を推定して燃料噴射量を制御するようにしている。
特許文献1では、気筒間の回転差もしくは回転差のなまし値を、所定のしきい値と比較し、気筒間の回転差が所定のしきい値より大きい場合には、空燃比がリーンであると判定して燃料を所定の割合で増量補正することで、空燃比のオーバリーン化を抑制し、これに対し気筒間の回転差が所定のしきい値より小さい場合には、空燃比がリッチであると判定して所定の割合で燃料を減量補正することで、リッチ化によるHC排出量の増加を抑制している。
特許第3861937号公報
特許文献1等の技術では、冷機始動後のアイドリング時に気筒間の回転差から空燃比を推定して燃料噴射量(空燃比)をHC低減に適した理論空燃比付近となるよう制御しているが、気筒間の回転差はリーン化に伴う燃焼状態の不安定化以外に、気筒ごとの平均発生トルクのばらつき(気筒間の平均トルクの差)によっても発生する。
例として、燃料噴射弁の特性ばらつきに起因して気筒間の燃料噴射量にばらつきがある場合には、気筒間の平均トルクの差が増加する。これによって空燃比がリーンでなく燃焼状態が安定しているときでも、気筒間の回転差が増加するため空燃比をリーンと誤判定してしまい、燃料が過剰に増量される場合がある。このため、空燃比がリッチ化し、未燃ガス(HC)の排出量が増加してしまう。
各気筒の噴射量が均一である場合には、図4に示すように、全気筒の平均空燃比と気筒間の回転差は比較的高い相関が有ることから、気筒間の回転差により空燃比を推定できる。これに対し、各気筒の燃料噴射量にばらつきがあり、これにより各気筒の平均トルクにばらつきを生じている場合には、図5に示すように、全気筒の平均空燃比が理論空燃比(14.5)よりリッチで燃焼状態が安定しているときでも、気筒間の回転差が大きくなり、実際に燃焼が不安定となるリーン空燃比(16など)との判別性が低下する。すなわち平均空燃比と気筒間の回転差の相関が低くなり、空燃比の推定精度が低下する。
これにより、空燃比がリッチである場合でも、リーンと誤判定して燃料が過剰に増量され、HC排出量が増加することがある。
発明者らの実験によれば、冷機始動後に気筒間の回転差により燃料噴射量を調整するにあたり、燃料噴射量の気筒間ばらつきが±4%程度で燃焼状態が安定している場合であっても、気筒間の回転差が増加することによる燃料の増量で、全気筒の平均空燃比が理論空燃比に対し7%程度リッチ化するという結果が得られた。
これにより、燃料噴射量の少ない気筒を含むすべての気筒で燃料が過剰に増量され、未燃ガス(HC)排出量が各気筒の燃料噴射量にばらつきがない場合に比べて著しく増加することがわかった。
また、気筒間の燃料噴射量のばらつき以外に、気筒間の空気量のばらつきや、気筒間の圧縮比のばらつきにより、各気筒の平均トルクに差を生じた場合も、気筒間の燃料噴射量のばらつきがある場合と同様に、気筒間の回転差が増加し、平均空燃比のリッチ化が発生することがわかった。
本発明は、前記点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、気筒間の回転差により全気筒の平均噴射量を調節する燃料制御を行われる多気筒内燃機関の制御装置に適用して好適であり、燃焼状態の不安定化以外の要因により各気筒の発生トルクのばらつきを生じた場合に燃料が増量されることによる空燃比のリッチ化を抑制し、未燃ガスの排出量の増加を防止できる多気筒内燃機関の制御装置を提供することにある。
前記課題を解決するべく、本願の第1の発明の多気筒内燃機関の制御装置は、各気筒ごとに燃料噴射弁を設けられた多気筒内燃機関の制御装置であって、各気筒ごとに所定のクランク角度間の回転速度を計測する回転計測手段と、前記計測された回転速度から今回爆発気筒と前回爆発気筒の回転速度の差を算出する気筒間回転差算出手段と、冷機始動後に前記気筒間回転差算出手段により算出された気筒間の回転速度の差に応じて全気筒の燃料噴射弁の平均噴射量を調整する噴射量補正手段と、前記気筒間回転差算出手段により算出された今回爆発気筒と前回爆発気筒の回転速度の差を気筒ごとに平均化する気筒間回転差平均化手段と、前記気筒間回転差平均化手段により算出された気筒間の回転差の平均値をゼロに近づけるよう各気筒のトルクを調整するトルク調整手段とを有する。
本願の第2の発明の多気筒内燃機関の制御装置は、各気筒ごとに燃料噴射弁を設けられた多気筒内燃機関の制御装置であって、各気筒ごとに所定のクランク角度間の回転速度を計測する回転計測手段と、前記計測された回転速度から今回爆発気筒と前回爆発気筒の回転速度の差を算出する気筒間回転差算出手段と、冷機始動後に前記気筒間回転差算出手段により算出された気筒間の回転速度の差に応じて全気筒の燃料噴射弁の平均噴射量を調整する噴射量補正手段と、前記気筒間回転差算出手段により算出された今回爆発気筒と前回爆発気筒の回転速度の差を気筒ごとに平均化する気筒間回転差平均化手段と、前記気筒間回転差平均化手段により算出された気筒間の回転差の平均値をゼロに近づけるよう各気筒の燃料噴射弁の噴射量を調整する気筒間噴射量補正手段とを有する。
本願の第3の発明の多気筒内燃機関の制御装置は、前記気筒間噴射量補正手段が、全気筒の平均空燃比がトルクが最大となる空燃比に対しリーン側であるときに、前記気筒間回転差平均化手段により算出された気筒間の回転差の平均値をゼロに近づけるよう各気筒の燃料噴射弁の噴射量を調整する。
本願の第4の発明の多気筒内燃機関の制御装置は、前記気筒間噴射量補正手段が、前記気筒間回転差平均化手段により算出された気筒間の回転差の平均値をゼロに近づけるよう前記燃料噴射弁の噴射量補正値を気筒ごとに算出し、算出された各気筒の噴射量補正値により各気筒の燃料噴射弁の噴射量を調整するとともに、前記各気筒の噴射量補正値をメモリに記憶し、前記各気筒の噴射量補正値がメモリに記憶された後の始動において始動から前記所定期間が経過するまでの間は前記メモリに記憶された各気筒の噴射量補正値により前記燃料噴射弁の噴射量を調整する。
本願の第5の発明の多気筒内燃機関の制御装置は、前記気筒間噴射量補正手段が、空燃比センサによりトルクが最大となる空燃比に対しリーン側である所定の目標空燃比となるよう噴射量のフィードバック制御を実施しているときに前記気筒間回転差平均化手段により算出された気筒間の回転差の平均値をゼロに近づけるよう各気筒の燃料噴射弁の噴射量補正値を算出し、前記各気筒の噴射量補正値をメモリに記憶し、前記各気筒の噴射量補正値がメモリに記憶された後の始動において、始動から前記空燃比センサによる噴射量のフィードバック制御が開始されるまでの間は前記メモリに記憶された各気筒の噴射量補正値により前記燃料噴射弁の噴射量を調整する。
本願の第6の発明の多気筒内燃機関の制御装置は、各気筒ごとに燃料噴射弁を設けられた多気筒内燃機関の制御装置であって、各気筒ごとに所定のクランク角度間の回転速度を計測する回転計測手段と、前記計測された回転速度から今回爆発気筒と前回爆発気筒の回転速度の差を算出する気筒間回転差算出手段と、冷機始動後に前記気筒間回転差算出手段により算出された気筒間の回転速度の差に応じて全気筒の燃料噴射弁の平均噴射量を調整する噴射量補正手段と、前記気筒間回転差算出手段により算出された今回爆発気筒と前回爆発気筒の回転速度の差を気筒ごとに平均化する気筒間回転差平均化手段と、前記気筒間回転差平均化手段により算出された気筒間の回転差の平均値をゼロに近づけるよう各気筒の点火時期を調整する気筒間点火時期補正手段とを有する。
本願の第7の発明の多気筒内燃機関の制御装置は、各気筒ごとに燃料噴射弁を設けられた多気筒内燃機関の制御装置であって、各気筒ごとに所定のクランク角度間の回転速度を計測する回転計測手段と、前記計測された回転速度から今回爆発気筒と前回爆発気筒の回転速度の差を算出する気筒間回転差算出手段と、冷機始動後に前記気筒間回転差算出手段により算出された気筒間の回転速度の差に応じて全気筒の燃料噴射弁の平均噴射量を調整する噴射量補正手段と、前記気筒間回転差算出手段により算出された今回爆発気筒と前回爆発気筒の回転速度の差を気筒ごとに平均化する気筒間回転差平均化手段と、始動後に全気筒の平均空燃比がトルクが最大となる空燃比に対しリーン側となるまでの間は前記気筒間回転差平均化手段により算出された気筒間の回転差の平均値をゼロに近づけるよう各気筒の点火時期を調整する気筒間点火時期補正手段と、始動後に全気筒の平均空燃比がトルクが最大となる空燃比に対しリーン側となった後は、前記気筒間回転差平均化手段により算出された気筒間の回転差の平均値をゼロに近づけるよう各気筒の燃料噴射弁の噴射量を調整する気筒間噴射量補正手段とを有する。
本願の第8の発明の多気筒内燃機関の制御装置は、各気筒ごとに燃料噴射弁を設けられた多気筒内燃機関の制御装置であって、各気筒ごとに所定のクランク角度間の回転速度を計測する回転計測手段と、前記計測された回転速度から今回爆発気筒と前回爆発気筒の回転速度の差を算出する気筒間回転差算出手段と、冷機始動後に前記気筒間回転差算出手段により算出された気筒間の回転速度の差に応じて全気筒の燃料噴射弁の平均噴射量を調整する噴射量補正手段と、前記気筒間回転差算出手段により算出された今回爆発気筒と前回爆発気筒の回転速度の差を気筒ごとに平均化する気筒間回転差平均化手段と、始動から所定のディレイ期間が経過後に前記気筒間回転差平均化手段により算出された気筒間の回転差の平均値をゼロに近づけるよう各気筒のトルクを調整するトルク調整手段とを有する。
第1の発明による多気筒内燃機関の制御装置によれば、冷機始動時に気筒間の回転差により全気筒の平均噴射量を調節する多気筒内燃機関において、燃焼状態の不安定化以外の要因により気筒間のトルク差を生じた場合でも、平均空燃比のリッチ化を抑制し、未燃ガスの排出量の増加を防止できる。
第2の発明による多気筒内燃機関の制御装置によれば、冷機始動時に気筒間の回転差により全気筒の平均噴射量を調節する多気筒内燃機関において、燃焼状態の不安定化以外の要因により気筒間のトルク差を生じた場合でも、空燃比のリッチ化を抑制するとともに気筒間の燃料噴射量のばらつきも抑制されるので一部気筒のリッチ化による未燃ガス排出量の増加を防止できる。
第3の発明による多気筒内燃機関の制御装置によれば、冷機始動時に気筒間の回転差により全気筒の平均噴射量を調節する多気筒内燃機関において、燃焼状態の不安定化以外の要因により気筒間のトルク差を生じた場合でも、気筒間のトルク差を抑制するための各気筒の噴射量補正値の算出精度を確保することができる。
第4の発明による多気筒内燃機関の制御装置によれば、冷機始動時に気筒間の回転差により全気筒の平均噴射量を調節する多気筒内燃機関において、燃焼状態の不安定化以外の要因により気筒間のトルク差を生じた場合でも、各気筒の噴射量補正値をメモリに記憶した後の冷機始動では始動直後から空燃比のリッチ化を抑制できる。
第5の発明による多気筒内燃機関の制御装置によれば、本発明の第5の構成によれば、冷機始動時に気筒間の回転差により全気筒の平均噴射量を調節する内燃機関の制御装置において、燃焼状態の不安定化以外の要因により気筒間のトルク差を生じた場合でも、気筒間のトルク差を抑制するための各気筒の噴射量補正値の算出精度を向上することができる。
第6の発明による多気筒内燃機関の制御装置によれば、冷機始動時に気筒間の回転差により全気筒の平均噴射量を調節する多気筒内燃機関において、燃焼状態の不安定化以外の要因により気筒間のトルク差を生じた場合に、メモリが初期化された直後の冷機始動においても始動直後から空燃比のリッチ化を抑制できる。
第7の発明による多気筒内燃機関の制御装置によれば、冷機始動時に気筒間の回転差により全気筒の平均噴射量を調節する多気筒内燃機関において、燃焼状態の不安定化以外の要因により気筒間のトルク差を生じた場合に、バックアップメモリが初期化された直後の冷機始動においても始動直後から空燃比のリッチ化を抑制し、さらに各気筒の噴射量補正値が算出された後は気筒間の燃料噴射量のばらつきも抑制されるので未燃ガスの排出量を最小化できる。
第8の発明による多気筒内燃機関の制御装置によれば、冷機始動時に気筒間の回転差により全気筒の平均噴射量を調節する多気筒内燃機関において、燃焼状態の不安定化以外の要因により気筒間のトルク差を生じた場合でも、気筒間のトルク差を抑制するための各気筒のトルク制御パラメータの算出精度を向上することができる。
このように、内燃機関の回転速度を検出する回転計測手段と、回転計測手段の信号に応じて燃料噴射量を制御する制御装置を設けた構成に、本発明を適用することで未燃ガス排出量の増加を防止できる。
以下、本発明の多気筒内燃機関の制御装置の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態による多気筒内燃機関の制御装置の構成を示し、該制御装置は、マイクロコンピュータによるコントローラ40を有する。コントローラ40は、回転計測手段1より所定クランク角度間の回転速度を示す信号を、吸入空気量計測手段14より吸入空気量を示す信号を入力する。回転計測手段1は、多気筒内燃機関の1爆発ごとに回転速度(所定クランク角度間の回転速度)を検出するものである。
コントローラ40は、気筒間回転差算出手段2と、気筒間回転差平均化手段3と、基本噴射量算出手段4と、平均噴射量補正手段5と、気筒間噴射量補正手段6と、基本点火時期算出手段8と、気筒間点火時期補正手段9とを有する。
気筒間回転差算出手段2は、気筒間の回転差として、今回爆発気筒と前回爆発気筒の回転速度の差を算出する。
気筒間回転差平均化手段3は、気筒間回転差算出手段2によって算出された気筒間の回転速度の差を所定のサイクル間で平均化し、各気筒の平均トルクと全気筒の平均トルクとの差に相当する指標を求める。
基本噴射量算出手段4は、運転状態に応じて、たとえば、回転計測手段1により検出される回転速度(エンジン回転数)と、吸入空気量計測手段14より吸入空気量に応じて基本噴射量を算出する。
平均噴射量補正手段5は、冷機始動後に気筒間の回転速度の差に応じて燃料噴射量を調整する燃料噴射量補正手段であり、気筒間回転差算出手段2によって算出された気筒間の回転速度差を入力し、冷機始動後のアイドル時に、気筒間の回転速度差、あるいはそのなまし値により全気筒の平均空燃比を推定し、全気筒の燃料噴射量を調整する。具体的には、気筒間の回転速度差もしくはそのなまし値を所定のしきい値を比較することにより、気筒間の回転差が前記しきい値を超えたときには、空燃比がリーンであると判定し、基本噴射量に対して全気筒の平均噴射量を所定の割合で増量する補正を実施し、これに対し、気筒間の回転差が前記しきい値を超えない場合には、空燃比がリッチであると判定し、全気筒の平均噴射量を所定の割合で減量するよう補正を実施する。
気筒間噴射量補正手段6は、気筒間の回転差平均値をゼロに近づけるよう、つまり、各気筒の平均トルクの差を減少させるよう、各気筒の燃料噴射量を補正し、補正された燃料噴射量を印加パルス幅として燃料噴射弁7に対し出力する。
基本点火時期算出手段8は、運転状態に応じて、たとえば、回転計測手段1により検出される回転速度(エンジン回転数)と、吸入空気量計測手段14より吸入空気量に応じて、基本点火時期を算出する。
気筒間点火時期補正手段9は、必要に応じて設けられ、気筒間の回転差平均値をゼロに近づけるよう、つまり、各気筒の平均トルクの差を減少させるよう、各気筒の点火時期を補正し、点火時期指令信号を点火コイル10へ出力する。
発明者らの検討によれば、燃料噴射弁7の特性ばらつき等により気筒間の燃料噴射量にばらつきがある場合では、前述のように空燃比がリーンでなく燃焼状態が安定しているにもかかわらず気筒間のトルク差が増加し、気筒間の回転差が増加するため、気筒間の回転差による空燃比の推定精度が低下することがわかった。
このため、気筒間の噴射量ばらつきがある場合では気筒間の回転差により噴射量補正を実施したときに、空燃比がリッチであるにも拘わらず、リーンと誤判定して燃料が過剰に増量されることによりHC排出量が増加してしまう。
また、気筒間の燃料噴射量ばらつき以外に、気筒間の空気量のばらつきがある場合や気筒間の圧縮比のばらつきがある場合も同様に、空燃比がリーンでないにも拘わらず気筒間の回転差が増加し、気筒間の回転差による空燃比の推定精度が低下することが確認された。
すなわち、気筒間の回転差により全気筒の平均燃料噴射量(平均空燃比)を制御するにあたり、リーン化時の燃焼状態の不安定化以外の要因によって気筒間のトルク差が増加すると、気筒間の回転差に応じて噴射量補正を実施したときに空燃比の制御誤差を生じることになる。
さらに発明者らの実験によれば、前述のような燃焼状態の不安定化以外のトルク変動要因がある場合には、気筒間のトルク差が継続的に生ずることから、気筒間の回転差を数十サイクルに渡って平均化した値(以後、気筒間の回転差平均値と称する)が増加することがわかった。
このことから、本発明による多気筒内燃機関の制御装置では、気筒間の回転差平均値を算出し、気筒間の回転差平均値をゼロに近づけるように各気筒の燃料噴射量または点火時期を制御するようにした。これにより、燃焼状態の不安定化以外の要因により気筒間のトルク差を生じた場合においても、図6に示されているように、平均空燃比と気筒間の回転差の相関性が、図5に示されている場合に比して向上し、空燃比の推定精度が向上することが確認された。
これは、各気筒の回転差平均値をゼロに近づけるように燃料噴射量あるいは点火時期を制御することで、燃焼状態以外の要因による気筒間のトルク差(回転差)が減少し、空燃比のリーン化に伴う燃焼状態の変動に対し、より強い相関性を有するようになったことによると考えられる。
ここで、リーン化に伴う燃焼状態の不安定化によっても一部気筒の回転差平均値が増加し、該気筒の回転差平均値をゼロに近づけるように制御したときに気筒間の回転差が減少し、空燃比と気筒間の回転差の相関性が低下することが考えられたが、発明者らの実験によれば、各気筒の回転差平均値をゼロに近づけるように、各気筒の燃料噴射量または点火時期を制御したときに、平均空燃比の推定精度の低下は殆ど無く、空燃比の制御誤差が増加することは無かった。
次に、本発明による制御装置を適用するエンジン(多気筒内燃機関)の構成を図2により説明する。吸気管11には、吸入空気量を検出するための吸入空気量計測手段14をなす吸気管圧力センサ19と、エンジンの吸入空気量を制御するためのスロットル弁12が設けられる。
インテークマニホールド13、吸気ポート16を経て燃焼室24に空気が導入される。吸気ポート16の上流には燃料噴射弁7が設けられる。燃料噴射弁7は吸気バルブ15に向けて燃料を噴射する。ここで、本発明は燃料噴射弁7をシリンダブロック20に配置し、燃焼室24内に燃料を噴射する筒内噴射方式のエンジンに適用してもよい。
図2では、一気筒分のしか示されていないが、多気筒内燃機関(本実施形態では、4気筒エンジン)として、燃焼室24は複数個(4個)あり、燃焼室24ごと、つまり各気筒毎に燃料噴射弁7が設けられている。
エンジンのクランク軸25には、回転計測手段1として、クランク角度検出用プレート17が取り付けられ、クランク角度センサ18が設けられる。各気筒毎に点火プラグ21、点火コイル10が設けられている。
エンジンには冷却水温を検出する冷却水温センサ27が取り付けられている。エンジンの排気管22には空燃比センサ26が設けられる。
吸気管圧力センサ19、冷却水温センサ27、クランク角度センサ18、空燃比センサ26等の信号は、コントローラ(制御装置)40に入力される。コントローラ40は、これらの入力信号より燃料噴射量、点火時期、スロットル開度を演算し、それぞれ燃料噴射弁7、点火コイル10、スロットル弁12に制御信号を出力する。
コントローラ40は、CPU41、制御プログラムと制御用データが記憶される読み出し専用メモリ(ROM)42、制御用変数等が記憶される書き込み可能なメモリ(RAM)43、入出力回路44とを有するマイクロコンピュータ式のものである。
本発明による制御装置により行われる燃料噴射制御の実施形態1について、図3を参照して説明する。
燃料噴射弁7の特性ばらつきにより、各気筒の燃料噴射量について図3(a)に示されているように、ばらつきがあるものとする。
エンジンが冷機状態からの始動後、図3(b)に示されているように、エンジン回転が安定してから、図3(d)に示されているように、気筒間の回転差に応じて全気筒の平均燃料噴射量を補正する。気筒間の回転差は、(今回爆発気筒の回転速度)−(前回爆発気筒の回転速度)で求められる。
気筒間の回転差が所定のしきい値より大きい場合には、所定の割合で全気筒の燃料噴射量を増量するよう補正し、これに対し、気筒間の回転差が所定のしきい値より小さい場合には、所定の割合で全気筒の燃料噴射量を減量するように補正を実施する。
上記しきい値は、空燃比がHC排出量の少ない理論空燃比(ストイキ)付近に制御されるように設定される。本補正制御は全気筒の燃料噴射量を同じ補正比率で制御するので、平均噴射量補正と称することとする。
ここで、前述のように気筒間の燃料噴射量ばらつきがある場合では、空燃比がストイキよりリッチである場合でも気筒間の回転差が大きくなり、前述のしきい値を超えることで燃料が増量されるために、図3(e)に示されているように、始動直後はストイキよりリッチな空燃比λ1に制御されることとなる。
本実施形態では、図3(c)に示されているように、始動後噴射量について、矢印で示される始動後増量KASが所定値KASL以下に減少した後、図3(f)に示されているように、気筒間の回転差の所定サイクル間の平均値(気筒ごとに算出される)を求め、各気筒の回転差の平均値に応じて各気筒の燃料噴射量を補正する。
各気筒の回転差の平均値は、前述の気筒間の回転差を、同一気筒について、KCYCサイクル間平均化したもので、気筒ごとに算出される。例として、4気筒エンジンで、点火順序が、#1→#3→#4→#2(#nは気筒番号を示す)である場合では、#3気筒の回転差平均値は、(#3気筒爆発時の回転速度)−(#1気筒爆発時の回転速度)の差分を、KCYCサイクル間平均化したものとする。ここで、KCYCは30サイクル等に設定される。
各気筒の回転差の平均値は、フリクショントルクと当該気筒のトルクの差分の平均値に相当し、アイドル回転がほぼ一定である場合では、フリクショントルクと全気筒の平均発生トルクとはほぼ等しいので、各気筒の回転差の平均値は、全気筒の平均発生トルクと当該気筒のトルクの差の平均値に相当する。
よって、当該気筒の平均トルクが全気筒の平均トルクに対し大きい場合では、始動後増量がKASL以下に減少した後において、図3(f)の1気筒、4気筒のように、当該気筒の回転差平均値は正の値となる。
このとき図3(g)に示されているように、当該気筒の燃料噴射量を当該気筒の回転差平均値がゼロに収束するよう、所定量減量することにより、当該気筒の平均トルクを減少させて全気筒の平均トルクとの差が減少するように制御する。
当該気筒の平均トルクが全気筒の平均トルクに対し小さい場合では、始動後増量がKASL以下に減少した後において、図3(f)の3気筒、2気筒のように、当該気筒の回転差平均値は負の値となる。
このとき、図3(g)に示されているように、当該気筒の燃料噴射量を当該気筒の回転差平均値が0に収束するよう所定量増量することにより、当該気筒の平均トルクを増加させて全気筒の平均トルクとの差が減少するように制御する。以後、KCYCサイクルごとに同様の制御を繰り返すことで、各気筒の平均トルクが全気筒の平均トルクに一致するように、すなわち各気筒の平均トルクが均一となるように制御される。これを気筒間噴射量補正と称することとする。
このように各気筒の回転差平均値をゼロに近づけるよう各気筒の燃料噴射量を制御することで各気筒の平均トルクが均一化する。これにより前述したように平均空燃比と気筒間の回転差の相関性が向上するので、気筒間の回転差による平均噴射量補正を実施したときに燃料増量頻度が適正化され、空燃比はストイキ近くのλ2に収束する。これにより各気筒の噴射量ばらつき等に起因して各気筒の平均トルクにばらつきがあるでも未燃ガスの排出を抑制することができる。
また、各気筒の平均トルクのばらつき要因としては、燃料噴射弁7の特性ばらつきに起因する気筒間の燃料噴射量のばらつきの影響が大きいことから、本制御により各気筒の平均トルクが均一となるように制御すると、各気筒の燃料噴射量のばらつきが減少するように補正され、一部気筒のリッチ化による未燃ガス排出量の増加も抑制される。
ここで、始動後増量KASが所定値KASL以下に減少した後から気筒間の回転差の平均値に応じて各気筒の燃料噴射量を補正するのは以下の理由による。
気筒間の回転差の平均値に応じて噴射量を補正することにより各気筒の平均トルクのばらつきを抑制するには、エンジンのトルク特性が、燃料噴射量を増やすにしたがってトルクが増加し、燃料噴射量を減らすに従ってトルクが減少する特性であること、すなわち、空燃比がリーン化するに従ってトルクが単調減少する特性を有することが必要条件となる。
一方、冷機始動直後では、吸気バルブや燃焼室内の壁面温度が低く、壁面に付着した燃料が蒸発しにくいため、一般に、重質ガソリンに合わせて始動後増量を多くしている。よって標準〜軽質ガソリンを使用した場合では、始動直後の空燃比はリッチとなる。このとき、図7に示す空燃比に対するエンジンの発生トルクの特性から、動作点の空燃比がトルク最大となる空燃比(一般に12.5〜13)に対しリッチ側となる場合があり、この領域では噴射量を減らす(リーン化する)にしたがってトルクが増加することとなる。
この領域で各気筒の回転差平均値により燃料噴射量の補正を実施すると、平均トルクの高い気筒のトルクが燃料噴射量を減量することで、さらに増加し、平均トルクの低い気筒のトルクが燃料噴射量を増量することで、さらに減少することになる。すなわち、気筒間のトルクばらつきが増加する方向に誤補正してしまい、各気筒の平均トルクを均一化することができない。また、このとき気筒間の燃料噴射量のばらつきが増加する方向に補正するので、燃料噴射量の多い気筒が増量補正により、さらにリッチ化し、未燃ガスの排出量が増加してしまう。
このことから、各気筒の回転差平均値により燃料噴射量を補正するにあたっては、燃料噴射量を減らす(リーン化する)にしたがってトルクが減少する領域、すなわち、トルク最大点となる空燃比に対しリーン側となる空燃比領域で各気筒の燃料噴射量補正値を算出することが必要となる。
よって、本実施形態では、図8に示されているように、トルク最大となる空燃比に対しリーン側となる空燃比で各気筒の燃料噴射量補正値を算出できるよう、矢印で示す始動後増量KASが所定値KASL以下となった後から回転差平均値により各気筒の燃料噴射量補正値を算出するようにしている。
ここで、始動後増量KASは、一般に、始動後の経過時間に対して値が設定されるので、始動後の経過時間を計測してトルク最大となる空燃比に対しリーンになる所定の経過時間を超えてから、前述の回転差平均値により各気筒の噴射補正値を算出するようにしてもよい。
本実施形態(実施形態1)による制御装置の制御ルーチンを、図9のフローチャートを参照して説明する。本制御ルーチンのプログラム処理は、コントローラ40のメモリ42に記憶され、CPU41により実行される。
本制御ルーチンは、始動後のアイドリング時に実施することから、まず、始動後であるかを判定する(ステップ100)。始動後の判定は、エンジン回転が上昇後に安定したときに始動後と判定する。
始動後と判定された場合には、気筒間の回転差DNを計算する(ステップ105)。気筒間の回転差DNの算出方法としては、まず、クランク角度センサ18の信号より点火後の所定のクランク角度θ間を変位する時間Tnを気筒ごとに計測し、回転速度NEを(式1)により算出する。ここでTnは今回爆発気筒の変位時間、NEnは今回爆発気筒の回転速度である。
NEn = 60・θ/360・Tn …(式1)
次に、今回爆発気筒の回転速度NEnより、気筒間の回転差(今回爆発気筒と前回爆発気筒の回転速度の差)DNnを(式2)によって算出する。ここで、(NEn−1)は前回爆発気筒の回転速度である。
DNn = NEn−(NEn−1) …(式2)
気筒間の回転差DNnの算出は各気筒の爆発の周期ごとに実施される。
ここで、気筒間の回転差を算出する際に、回転速度を算出せずにクランク角度θ間を変位する時間Tnより(式3)によって、簡易的に気筒間の回転差DNnを算出するようにしてもよい。
DNn = Tn−(Tn−1) …(式3)
なお、ステップ100の始動後判定が成立しない場合には、気筒間の回転差DNnの算出、および以下の燃料噴射量補正は実施しないようにする。
次に、各気筒の回転差平均値により気筒間燃料噴射量補正係数を算出する条件が成立しているかを判定する(ステップ110)。条件が成立していれば、各気筒の回転差平均値から気筒間燃料噴射量補正係数KCYLmを気筒ごとに算出する(ステップ120)。ここで、mは気筒番号である。
気筒間燃料噴射量補正係数を算出する条件が不成立であれば、気筒間燃料噴射量補正係数KCYLmを1とし(ステップ130)、気筒間燃料噴射量補正を実施しない。
次に、気筒間の回転差による平均燃料噴射量補正条件が成立しているかを判定する(ステップ140)。平均燃料噴射量補正条件が成立していれば、平均燃料噴射量補正係数KTRMを算出する(ステップ150)。これに対し、平均燃料噴射量補正条件が不成立であれば、KTRMを1とし(ステップ160)、平均燃料噴射量補正を実施しない。
次に、各気筒の噴射パルス幅TImを計算する(ステップ170)。エンジン回転数と吸入空気量、または吸気管圧力から算出される基本燃料噴射量TPに対し、(式4)のように、エンジン冷却水温に応じた補正係数KTW、始動後増量係数KAS、平均燃料噴射量補正係数KTRM、および気筒間燃料噴射量補正係数KCYLmにより補正を行い、各気筒の噴射パルス幅TImを算出する。
TIm←TP(1+KTW+KAS+..)KTRM・KCYLm …(式4)
ここで、気筒間燃料噴射量補正係数KCYLmは気筒ごとに噴射パルス幅を補正するのに対し、平均燃料噴射量補正係数KTRMは全気筒の噴射パルス幅に対し同じ割合で補正を実施することで、平均燃料噴射量を補正するようにしている。
図9のステップ110の気筒間燃料噴射量補正係数の算出条件判定の具体例について、図10に示されているフローチャートを参照して説明する。
気筒間の平均トルクのばらつき要因として、気筒間の燃料噴射量ばらつきの影響が大きく、気筒間の平均トルクのばらつき量は、点火プラグ周辺の混合気濃度に依るので、吸気ポートやシリンダ壁面への燃料付着量に影響される。したがって気筒間燃料噴射量補正、は平均燃料噴射量補正を実施するエンジン温度(エンジン冷却水温度など)の範囲で実施することが望ましい。
このため、まず、エンジン温度が所定の範囲TCL〜TCHであるかを判定する(ステップ210)。平均燃料噴射量補正は、燃料性状のばらつきにより、空燃比変動が発生する範囲として、冷機状態に相当する温度範囲、例えば−10〜35℃等の範囲で実施するので、気筒間燃料噴射量補正を実施する温度範囲TCL〜TCHも、上記範囲にあわせることが望ましい。
エンジン温度が所定の範囲TCL〜TCH内であれば、アイドリング中(アクセルが踏込まれていない状態)であるかを判定する(ステップ220)。アイドリング中であれば、始動後増量KASが所定値KASL以下であるかを判定する(ステップ230)。これは前述したように気筒間の回転差の平均値により気筒間燃料噴射量補正係数を正しく算出するには、空燃比動作点がトルク最大となる空燃比に対しリーン側であることが必要なためである。
ここで、前述したように、一般に、始動直後では重質ガソリン使用時のオーバリーン化を防止するため始動後増量KASを多くするよう設定するので、気筒間の回転差の平均値による気筒間燃料噴射量補正係数の算出は実施しないようにする(気筒間燃料噴射量補正係数算出条件は不成立とする)。このときには、後述する平均燃料噴射量補正のみ実施される。
また、前述したように、始動後増量KASは始動後の経過時間に対して設定される場合が多いので、予め始動後に空燃比がトルク最大となる空燃比に対し、リーン側となる経過時間を判定値KASLとして設定しておき、始動後の経過時間がKASLを超えたときに気筒間燃料噴射量補正係数算出条件が成立と判定する(ステップ240)。
ステップ210からステップ230までの判定のいずれかが不成立の場合は気筒間燃料噴射量補正係数算出条件が不成立と判定する(ステップ250)。
次に、気筒間燃料噴射量補正係数算出条件が成立と判定された場合に、図9のステップ120における気筒間燃料噴射量補正係数KCYLmの算出ルーチンについて、図11に示されているフローチャートを参照して説明する。
気筒間燃料噴射量補正では、気筒間の回転差について所定サイクル間の平均値(回転差平均値)を算出し、回転差平均値に応じて各気筒の燃料噴射量を補正する。
まず、回転差平均値を算出するために前述した気筒間の回転差の積算回数CNTが所定回数(KCYC×NC回)に達したかを判定する(ステップ310)。ここで、KCYCは平均化を実施するサイクル数、NCは気筒数である。サイクル数KCYCには気筒間の平均トルクの差を検出できるよう、例として30サイクル等を設定する。
積算回数CNTがKCYC×NC回に達していなければ、気筒間の回転差DNnの1サイクル間の平均値DNAVnを(式5)で算出する(ステップ320)。
DNAVn = (DNn+(DNn−1)+..
+DNn−(NC+1))/NC …(式5)
平均値DNAVnを算出後、気筒間の回転差DNnの絶対値が所定の範囲DNBD以内であるかを判定する(ステップ325)。気筒間の回転差DNnの絶対値が所定の範囲DNBD以内であれば、DNn−DNAVnを気筒ごとに積算する(ステップ330)。
ここで、DNn−DNAVnは1サイクル間の平均トルクと今回爆発気筒のトルクの差に相当する。mは気筒番号であり、DNnがどの気筒に対応するのか予め判定されているものとし、対応気筒の積算メモリSUMDNCmに対し、DNn−DNAVnを積算する。
積算後に、積算回数CNTを1インクリメントする(ステップ340)。
ステップ325で、気筒間の回転差DNnの絶対値が所定の範囲DNBDを超えているときには上記積算を実施しない。これは、ある気筒の燃焼状態が極端に悪化している場合や失火が発生している場合に、燃焼悪化気筒と正常燃焼気筒とのトルク差が増加することで、正常燃焼気筒の回転差平均値が正方向に増加し、正常燃焼気筒の燃料噴射量を誤って減量してしまうことを防止するためである。
ステップ310で、積算回数CNTがKCYC×NC回に達したときは、各気筒についてDNn−DNAVnの積算をKCYC回実施しているので、気筒ごとに積算メモリSUMDNCmをサイクル数KCYCで除算することによりm気筒の回転差平均値AVEDNmを算出する(ステップ350)。
次に、m気筒の回転差平均値AVEDNmより各気筒の燃料噴射量補正係数KCYLmの調整量KCYLSTEPmを算出する(ステップ360)。ここで、燃料噴射量補正係数KCYLmはKCYCサイクルごとに更新され、1回の更新あたりの調整量をKCYLSTEPmとする。
調整量KCYLSTEPは、m気筒の回転差平均値AVEDNに対して、図12に示す関数で予め設定されており、m気筒の回転差平均値AVEDNmが負(回転低下側)であれば、m気筒の調整量KCYLSTEPmを増量に設定し、m気筒の回転差平均値AVEDNmが正(回転上昇側)であれば、m気筒の調整量KCYLSTEPmを減量に設定する。
調整量KCYLSTEPは回転差平均値AVEDNの回転差を生じているとき、その回転差をほぼゼロとする燃料噴射量補正値を予め実験により求めておき設定するようにする。
次に、各気筒の燃料噴射量補正係数KCYLmを(式6)により算出する(ステップ370)。
KCYLm = KCYLm(前回計算値)+RT×KCYLSTEPm …(式6)
ここで、RTは補正ゲインである。
上式により燃料噴射量補正係数KCYLmを調整量KCYLSTEPmで調整することにより、回転差平均値AVEDNが負となる気筒(全気筒の平均トルクに対しトルクが低い気筒)は、燃料噴射量を増量され、トルクが増加する方向に制御される。これに対し、回転差平均値AVEDNが正となる気筒(全気筒の平均トルクに対しトルクが高い気筒)は燃料噴射量を減量され、トルクが減少する方向に制御される。
次のKCYCサイクルでも同様の処理を行うため、SUMDNm、CNTを初期化する(ステップ380)。
これらの処理をKCYCサイクルごとに繰り返すことで各気筒の回転差平均値が0となるように(各気筒の平均トルクが均一となるように)制御される。
次に、燃料性状(蒸発率)のばらつきや燃料系部品の特性ばらつき等によらず始動後の空燃比をHCの低減に適した空燃比範囲に制御するための平均燃料噴射量補正の制御ルーチンについて説明する。図9のステップ140の平均燃料噴射量補正条件の判定について、図13に示されているフローチャートを参照して説明する。
平均燃料噴射量補正は、燃料蒸発率が低下し燃料噴射量の増量が必要な冷機状態で実施する必要があるので、エンジン温度(冷却水温度等)が、所定の範囲TWL〜TWH内であることを判定する(ステップ410)。
エンジン温度が上記範囲内であれば、アイドリング中(アクセルが踏込まれていない状態)であるかを判定する(ステップ420)。アイドリング中であれば、空燃比センサ26が活性前であるかを判定する(ステップ430)。空燃比センサ26が活性前であれば、平均燃料噴射量の補正条件が成立していると判定する(ステップ440)。
ステップ410〜ステップ430のいずれかの条件が不成立であれば、平均燃料噴射量の補正条件が不成立と判定する(ステップ450)。
次に、図9のステップ150の平均燃料噴射量補正補正係数KTRMの算出ルーチンについて、図14に示されているフローチャートを参照して説明する。
まず、空燃比を推定するための指標IDXを算出する(ステップ500)。ここでは、前述した気筒間の回転差DNnを空燃比を推定するための指標IDXとする。
次に、指標IDXと所定のしきい値SLを比較する(ステップ510)。指標IDXは回転低下時に負の値となり、しきい値SLは回転の低下を検出するよう負の値が設定される。
指標IDXがしきい値SL以下となったとき(回転が低下したとき)は、空燃比がリーンであるとして、平均燃料噴射量補正補正係数KTRMを所定値KSTPAだけ増量する(ステップ530)。これにより、オーバーリーン化によるドライバビリティの悪化を防止する。
指標IDXがしきい値SL以下でないとき(回転が低下していないとき)は、空燃比がリッチであるとして、平均燃料噴射量補正補正係数KTRMを所定値KSTPDだけ減量する(ステップ520)。
これは、平均空燃比がリッチである場合に燃料噴射量を減量することで未燃ガス(HC)の排出量を最小化するためである。
1爆発ごとに、上記のように平均燃料噴射量補正補正係数KTRMを算出することにより、図9のステップ170で前述したように、平均燃料噴射量補正補正係数KTRMによる噴射パルス幅の補正が実施され、始動後の空燃比をHC低減に適したストイキ近くに制御することができる。
ここで、指標IDX(気筒間の回転差)は、空燃比が一定の場合でも1爆発ごとに変動するが、補正1回あたりの調整量KSTPA、KSTPDの値を少なく設定することにより、空燃比をストイキ付近に安定して制御することができる。
なお、ステップ500で、空燃比の推定精度を向上するため、気筒間の回転差DNnを所定サイクル数で平均化(なまし処理)した指標をIDXとするようにしてもよい。
気筒間の回転差DNnの平均化を実施するサイクル数は、空燃比がリーン側に変動したときの制御の応答性が悪化しないよう、1〜10サイクルの範囲などとする。
さらに、また、運転状態の変動等により気筒間の回転差が変動して空燃比の推定精度が低下することを防止するため、(式7)により指標IDXを算出するようにしてもよい。ここで、NEn−2は前々回の回転速度である。
IDX = −{(NEn−(NEn−1))−((NEn−1)
−(NEn−2))} …(式7)
(式7)で運転状態の変動がある場合は回転が数回の爆発に亘って上昇または下降することが多い。運転状態の変動による気筒間の回転差への影響については、(式7)の回転差(NEn−(NEn−1))および((NEn−1)−(NEn−2))の両方に影響すると考えられるので、両者の差分を算出することにより、運転状態の変動による影響分を減少させることができる。
前述したように、始動後増量KAS≦KASLとなった後では、気筒間の燃料噴射量補正が実施され、燃焼状態以外の要因により気筒間の回転差(気筒間のトルク差)を生じた場合でも空燃比と気筒間の回転差の相関性が確保されるので、平均燃料噴射量補正を実施したときに気筒間のトルク差による空燃比のリッチ化を防止でき、HCの排出量を最小化することができる。
実施形態1では、各気筒の平均トルクを均一化するのに各気筒の燃料噴射量を制御するようにしたが、他のトルク制御手段、例えば、気筒ごとに吸排気バルブの動作タイミングやリフト量を調整できる調整機構を備えたエンジンにおいては、バルブ動作タイミングやリフト量を気筒ごとに調整し、各気筒の空気量を調整することで各気筒の平均トルクを均一化するようにしてもよい。また、気筒ごとに吸入空気量を調整できるスロットル弁を備えたエンジンでは、各気筒のスロットル弁開度を調整して平均トルクを均一化するようにしてもよい。
前述したように、気筒間燃料噴射量補正ではトルク最大となる空燃比に対し、リーン側となる空燃比領域で各気筒の燃料噴射量補正係数を算出することが必要となるため、始動直後で空燃比がトルク最大となる空燃比に対し、リッチ側であるときには各気筒の燃料噴射量補正係数を算出することができない。
このため、燃焼状態以外の要因により気筒間のトルク差を生じている場合に、始動直後に前述した気筒間の回転差による平均燃料噴射量補正を実施すると、各気筒の平均トルクを均一とすることができず、空燃比がリッチ化する場合がある。
このことに鑑み、実施形態2として、上述の実施形態と同様に始動後の空燃比がトルク最大となる空燃比に対しリーン側となってから気筒間の燃料噴射量補正係数を算出するが、算出された気筒間燃料噴射量補正係数をバックアップメモリ(エンジン停止時でも記憶が保持されるメモリ)に記憶し、次回以降の始動ではバックアップメモリに記憶された気筒間燃料噴射量補正係数により各気筒の燃料噴射量を補正することで、始動直後から気筒間のトルク差を低減してもよい。これにより、空燃比のリッチ化を防止できる。
この実施形態2の制御装置による燃料噴射制御を、図15を参照して説明する。
図15(a)のように、バックアップメモリが初期化されている状態(バッテリが外されバックアップメモリの記憶内容が消去されている状態など)からの初回の始動では、空燃比がトルク最大となる空燃比に対し、リーン側となってから、気筒間燃料噴射量補正係数の算出を実施する。
本実施形態では、図15(b)および(c)の実線のように、空燃比センサ26が活性化した後に、空燃比センサ26でストイキ(理論空燃比)λs付近となるよう、平均燃料噴射量のフィードバック制御を実施しているとき(期間IIのとき)に、気筒間燃料噴射量補正係数の算出を実施している。
ストイキでは、一般に、トルク最大となる空燃比に対し、リーン側であるので、気筒間燃料噴射量補正係数の算出が可能である。また、空燃比センサ26で空燃比を安定して制御するので、気筒間燃料噴射量補正係数を高精度に算出できる。
なお、空燃比センサ活性前の期間では、気筒間燃料噴射量補正係数の算出を停止し、気筒間の回転差による平均空燃比補正のみ実施される。
図15(b)の平均燃料噴射量補正は、空燃比センサ活性前は気筒間の回転差により平均燃料噴射量の補正を実施し、空燃比センサ活性後は空燃比センサにより平均燃料噴射量の補正を実施する。
気筒間燃料噴射量補正係数の算出方法は、前述の実施形態と同様であり、空燃比センサ26によりストイキ近くとなるよう、平均燃料噴射量のフィードバック制御を実施しているとき(期間IIのとき)に、各気筒の回転差平均値より算出された気筒間燃料噴射量補正係数により、図15(d)、(e)に示すように、各気筒の回転差平均値が徐々にゼロに収束するように各気筒の燃料噴射量が補正される。
なお、気筒間燃料噴射量補正係数の算出は、冷機始動後のアイドリング中に限定されず、暖機後のアイドリング中に実施するようにしてもよい。
本実施形態では、算出された気筒間燃料噴射量補正係数は、エンジンが停止した後でも学習値としてバックアップメモリにその値が保持される。
そして、その後の冷機始動において、バックアップメモリに記憶された気筒間燃料噴射量補正係数の学習値により始動直後から(期間III)各気筒の燃料噴射量を補正することにより、燃焼状態の不安定化以外の要因による気筒間のトルク差を始動直後から低減する。
これにより、期間IIIで、図15(b)のように、気筒間の回転差による平均燃料噴射量補正を実施したときに、図15(c)のように、空燃比のリッチ化が抑制され、すなわち空燃比を早期にストイキ付近に制御することができる。このことから、気筒間燃料噴射量補正係数を一旦算出した後の始動では、前述の実施形態より、さらにHC排出量を低減することができる。
なお、燃料噴射弁7が交換される場合や、燃料噴射弁7の特性の経時変化等を考慮して、空燃比センサ26による燃料噴射量のフィードバック制御を再度実施したとき(期間IV)では、各気筒の回転差平均値より気筒間燃料噴射量補正係数の算出を再び実施するようにしている。
燃焼室内に燃料を噴射する筒内噴射エンジンで、点火プラグ周辺の燃料混合気の濃度を高めるように噴射する場合では、空燃比センサ26で検出される空燃比(燃焼ガスの空燃比)がストイキ近くであっても、点火プラグ周辺の空燃比がトルク最大となる空燃比近くまでリッチ化する場合がある。
その結果、図16のように、空燃比センサ26で検出される空燃比(全気筒の平均空燃比)をストイキλsに制御したときに、各気筒の燃料噴射量ばらつきに対するトルクの変化量(実線)が減少し、気筒間の燃料噴射量ばらつきが各気筒の回転差平均値として検出されにくくなり、気筒間の燃料噴射量ばらつきを補正できない場合がある。
このようなエンジンにおいては、空燃比センサによる燃料噴射量のフィードバック制御を実施するときの目標空燃比を一時的にストイキλsよりリーンな空燃比λLに設定して、すなわち空燃比変化量に対するトルク変化量が大きい動作点に設定することにより、各気筒の燃料噴射量ばらつきに対するトルク変化量が点線のように大きくなるようにする。
これにより、各気筒の回転差平均値により、各気筒の燃料噴射量ばらつきを補正することが可能となる。
また、吸気ポートに噴射弁を設けるポート噴射エンジンにおいても、燃焼室壁面の付着燃料が少ない場合には、点火プラグ周辺の混合気濃度がトルク最大となる空燃比の方向にリッチ化することが考えられるので、上述の燃料噴射制御が適用できる。
なお、本実施形態の制御装置の構成および本発明を適用するエンジン制御装置の構成は、前述の実施形態1とそれと同様である。
実施形態2による制御装置の制御ルーチンを、図17のフローチャートを参照して説明する。ステップ100、ステップ105の処理は実施形態1と同様である。
ステップ600の気筒間燃料噴射量補正係数算出条件の判定ルーチンについて、図18のフローチャートを参照して説明する。
まず、エンジン温度(冷却水温度等)が所定の範囲TCL〜TCHであるかを判定する(ステップ700)。気筒間燃料噴射量補正係数を算出する温度範囲TCL〜TCHは、気筒間の回転差による平均燃料噴射量補正を実施する温度範囲に限定されず、暖機運転後でエンジン温度が高い状態を含むようにしてもよい。暖機運転後に気筒間燃料噴射量補正係数の算出を実施する場合は、算出された気筒間燃料噴射量補正係数はバックアップメモリに学習値として記憶され、その後の冷機始動時に各気筒の燃料噴射量補正に使用される。
ステップ220のアイドリングの判定は実施形態1と同様である。
ステップ700、ステップ220がいずれも成立しているときには、空燃比が気筒間燃料噴射量補正係数の算出に適した条件となっているかを判定する(ステップ710)。
気筒間燃料噴射量補正係数を算出する空燃比は、前述したようにトルク最大となる空燃比に対しリーン側であることが要求される。実施形態2では、空燃比センサ26による平均燃料噴射量のフィードバック制御中で空燃比が目標空燃比に収束しているかを判定する。空燃比フィードバック制御中で空燃比が目標空燃比に収束していれば、気筒間燃料噴射量補正係数算出条件が成立していると判定する(ステップ240)。
前述したように空燃比フィードバック制御の目標空燃比をストイキに対しリーン側に設定し、気筒間の燃料噴射量ばらつきの検出精度を向上させる場合には、気筒間燃料噴射量補正係数の算出に必要な所定期間だけ、空燃比フィードバック制御の目標空燃比をリーン側にシフトさせ、目標空燃比に収束したときに気筒間燃料噴射量補正係数算出条件が成立していると判定する。
また、本判定は、空燃比フィードバック制御中であるという条件のほかに、実施形態1と同様に、始動後増量が所定値以下となった場合や、始動後の経過時間が所定値以上となった場合に気筒間燃料噴射量補正係数算出条件が成立していると判定するようにしてもよい。
ステップ700、ステップ220、ステップ710のいずれかが不成立であれば気筒間燃料噴射量補正係数算出条件が不成立と判定する(ステップ250)。
図17のステップ600で気筒間燃料噴射量補正係数算出条件が成立していないときには、気筒間燃料噴射量補正係数が学習されているか、すなわち前回までの運転で気筒間燃料噴射量補正係数が算出され、算出された気筒間燃料噴射量補正係数がバックアップメモリに記憶されているかを判定する(ステップ610)。気筒間燃料噴射量補正係数が学習されていれば、燃料噴射量補正係数KCYLmにバックアップメモリに記憶された気筒間燃料噴射量補正係数(学習値)を読み込む(ステップ620)。
ステップ610で、気筒間燃料噴射量補正係数が算出されていない状態であれば、燃料噴射量補正係数KCYLmを0として、気筒間燃料噴射量補正を実施しないようにする(ステップ630)。
前述したように実施形態1では、始動直後は空燃比がトルク最大となる空燃比に対しリッチ側で有る場合を考慮して各気筒の回転差平均値による気筒間燃料噴射量補正係数の算出は実施しないが、実施形態2では、前回の運転までに気筒間燃料噴射量補正係数が算出されバックアップメモリに記憶されれば、始動直後から記憶された気筒間燃料噴射量補正係数を用いて各気筒の燃料噴射量を補正し、各気筒の平均トルクを均一化できるので、気筒間の回転差による平均燃料噴射量補正を実施したときの空燃比のリッチ化を防止し、早期にストイキ付近に制御できる。これにより始動直後からHC排出量を低減することができる。
なお、図17のステップ140からステップ160までの平均燃料噴射量補正係数の算出方法およびステップ170の噴射パルス幅の算出方法は実施形態1と同様である。
実施形態2では、気筒間燃料噴射量補正係数が算出されバックアップメモリに記憶されると、以後の始動では記憶された気筒間燃料噴射量補正係数(学習値)により各気筒の燃料噴射量を補正することで始動直後から各気筒の平均トルクを均一化し、平均燃料噴射量補正時の空燃比のリッチ化を防止するようにした。
ここで、実施形態2では、バッテリが外されるなどしてバックアップメモリが初期化された直後の始動では、空燃比がトルク最大となる空燃比に対しリーン側となるまで(気筒間燃料噴射量補正係数算出条件が成立されるまで)気筒間燃料噴射量補正が実施されず、平均燃料噴射量補正時の空燃比のリッチ化を抑制することができない。
これに対し、実施形態3では、バックアップメモリが初期化された後の初回の始動において、始動直後の気筒間燃料噴射量補正係数の算出ができない期間でも各気筒の平均トルクを均一化し平均燃料噴射量補正時の空燃比のリッチ化を抑制するようにした。
図19を参照して実施形態3による制御装置の動作を説明する。バックアップメモリが初期化された後の初回の始動において、始動後から図19(d)のように各気筒についてKCYCサイクル間の回転差平均値を算出する。
始動直後では、前述したように空燃比がトルク最大となる空燃比に対し、リッチ側となる場合があり、空燃比がリッチ側であるときは、トルク最大となる空燃比に対し、リーン側である場合に対し、空燃比変化に対するトルク変化の方向が逆となる。このため、各気筒の回転差の平均値により各気筒の燃料噴射量を補正すると、各気筒の平均トルクの差が増加する方向に誤補正してしまい、気筒間のトルク差を抑制できない。
これに対し、実施形態3では、各気筒の回転差の平均値により、各気筒の点火時期を補正することにより、始動直後から各気筒の平均トルクの差を減少させるようにしている。
一般に、冷機始動後のアイドリング時(ファーストアイドル)では、点火時期は、図20に示されているように、トルク最大となる点火時期に対し遅角側であるため、空燃比によらず点火時期の遅角に対するトルク特性の傾斜は単調減少となる。
このことから図19(f)のように、回転差平均値の低い気筒は点火時期を進角させてトルクを増加させ、回転差平均値の高い気筒は点火時期を遅角させてトルクを減少させるようにする。
このように、各気筒の回転差平均値に応じて各気筒の点火時期を補正することにより、始動後の空燃比によらず各気筒の平均トルクを均一化することが可能である。各気筒の点火時期を補正する場合には、各気筒の燃料噴射量のばらつきは補正されないが、平均燃料噴射量補正時の平均空燃比のリッチ化は図19(c)のように、発生せず気筒間の燃料噴射量ばらつきが有る場合でもHC排出量の増加を抑制できる。以後、これを気筒間点火時期補正と称する。
このように、。実施形態3では、バックアップメモリが初期化された後の初回の始動において始動直後から平均燃料噴射量補正時の空燃比のリッチ化を防止し、HC排出量の増加を抑制できる。
尚、実施形態3では、空燃比センサ26が活性化し、空燃比センサ26による燃料噴射量のフィードバック制御が開始された後は、実施形態2と同様に各気筒の燃料噴射量を補正することで、各気筒の燃料噴射量を均一化し、各気筒の平均トルクを均一化するとともに一部気筒のリッチ化による未燃ガスの排出を防止するようにしている。
実施形態3の制御ルーチンを、図21に示されているフローチャートを参照して説明する。
ステップ100、ステップ105は、実施形態2と同様である。
ステップ600で気筒間燃料噴射量補正条件が不成立で、ステップ610で気筒間燃料噴射量補正係数が学習されていない場合(前回の運転までに気筒間燃料噴射量補正係数が算出されていない場合)には、ステップ630で気筒間燃料噴射量補正を停止するが、ステップ800で気筒間点火時期補正を実施するようにする。なお、ステップ600、ステップ120、ステップ610、ステップ620、ステップ630の処理は、実施形態2と同様である。
ステップ800の気筒間点火時期補正の処理ルーチンについて、図22に示されているフローチャートを参照して説明する。
まず、気筒間点火時期補正条件が成立しているかを判定する(ステップ900)。気筒間点火時期補正条件は、平均燃料噴射量補正を実施する条件(実施形態1のステップ140)と同様の条件でよい。
気筒間点火時期補正条件が不成立のときには、気筒間点火時期補正量ACYLm(mは気筒番号)を0として、気筒間点火時期補正を停止する(ステップ930)。
ステップ900で、気筒間点火時期補正条件が成立時には、実施形態1と同様に、ステップ310〜ステップ340およびステップ350の処理で、各気筒について気筒間回転差の平均値AVEDNmを算出する。
次に、気筒間回転差の平均値AVEDNmより各気筒の点火時期補正量ACYLmの調整量ACYLSTEPmを算出する(ステップ910)。
調整量ACYLSTEPは気筒間回転差の平均値AVEDNに対して、図23に示す関数で予め設定されており、m気筒の回転差平均値AVEDNmが負(回転低下側)の場合には、m気筒の調整量ACYLSTEPmを所定の進角量に設定し、m気筒の回転差平均値AAVEDNmが正(回転上昇側)の場合には、m気筒の調整量ACYLSTEPmを所定の遅角量に設定する。
調整量ACYLSTEPは、回転差平均値がAVEDNのとき、回転差平均値をほぼゼロとする点火時期補正量を予め実験により求めておき、設定するようにする。
次に、図22のステップ920で、各気筒の点火時期補正量ACYLmを(式8)により算出する。
ACYLm = ACYLm(前回計算値)+RT・ACYLSTEPm …(式8)
ここで、RTは補正ゲインである。(式8)により、ACYLmをKCYCサイクルごとにACYLSTEPmで補正することにより、回転差平均値が低い気筒(全気筒の平均トルクに対しトルクが低い気筒)は点火時期が進角され、トルクが増加する方向に制御される。回転差平均値が高い気筒(全気筒の平均トルクに対しトルクが高い気筒)は、点火時期が遅角され、トルクが減少する方向に制御される。
次のKCYCサイクルでも同様の処理を行うため、ステップ380で、実施形態1と同様にSUMDNm、CNTを初期化する。
これらの処理をKCYCサイクルごとに繰り返すことで、各気筒の回転差平均値がゼロとなるように(各気筒の平均トルクが均一となるように)制御される。
ステップ940で、各気筒の点火時期ADVmの算出を行う。点火時期ADVmは基本点火時期ADVB、点火時期リタード補正量ADVRTD、各気筒の点火時期補正量ACYLmの加算により算出される。
ここで、気筒間点火時期補正量の算出にあたり、図24(a)のように、各気筒の燃料噴射量にばらつきがあるとき、図24(d)の期間A〜期間Bのように、始動後の空燃比がトルク最大となる空燃比近くで変化する場合、図24(e)のように、燃料噴射量ばらつきに対する各気筒の回転差平均の変化方向が逆転することが考えられる。これは、空燃比変化に対するトルク変化の方向がトルク最大となる空燃比の前後で逆転することによる。
期間A〜Cは、それぞれ気筒間点火時期補正量の算出期間(KCYCサイクル)に相当するが、気筒間点火時期補正量の算出期間に対し、空燃比の変化が急激な場合には、期間Aに対し期間Bでは燃料噴射量ばらつきに対する回転差平均値の方向が逆転するので、期間Aの回転差平均値からで算出した気筒間点火時期補正量(f)により期間Bで点火時期補正を実施すると、気筒間の回転差を増加させる方向に誤補正することが考えられる。
気筒間点火時期補正量の算出期間に対し、空燃比の変化が遅い場合には、回転差平均値の方向と量が緩やかに変化するので、気筒間点火時期補正で回転差平均値の変化に追従するよう制御でき各気筒の平均トルクを均一化することができるが、始動直後に空燃比が急激に変化する場合では、回転差平均値の方向と量が急変するので点火時期を誤補正することが考えられる。
このような場合は、点火時期の誤補正を防止するために、空燃比の変化が小さくなる期間(期間C以後など)から気筒間点火時期補正量の算出を実施するようにしてもよい。
上記の制御を実施する場合は、始動後に空燃比の変化が小さくなるタイミングを予め始動後のディレイ期間KDLYとして設定しておき、始動後の経過時間がKDLYを超えてから気筒間の点火時期補正量の算出を実施する。本例では始動時、アイドリングの目標回転を超えてからKDLY経過後から気筒間の点火時期補正量の算出を実施するようにしている。
また、本実施形態では、各気筒の点火時期を補正することにより、各気筒の平均トルクを均一化するよう制御しているが、図25に示すように、空気量に対するトルクの特性もほぼ単調増加であることから、気筒ごとに吸排気バルブの動作タイミングやリフト量を調整できる調整機構を備えたエンジンや気筒ごとにスロットル弁を備えたエンジンでは、バルブ動作タイミング、バルブのリフト量、スロットル弁開度を気筒ごとに調整し各気筒の空気量を調整することで各気筒の平均トルクを均一化するようにしてもよい。
図21の平均燃料噴射量補正の処理(ステップ140〜ステップ160)および、噴射パルス幅の計算(ステップ170)は、実施形態1と同様であり、気筒間の回転差に応じて全気筒の平均燃料噴射量が調整される。
本実施形態では、前述のように、気筒間点火時期補正によりバックアップメモリが初期化された後の初回の始動において、始動直後の気筒間燃料噴射量補正係数の算出ができない期間でも、各気筒の平均トルクを均一化するように制御する。これにより、燃焼状態の不安定化以外の要因による気筒間の回転差への影響分が減少するので、バックアップメモリが初期化直後の始動から、平均燃料噴射量補正時の空燃比のリッチ化およびこれによるHC排出量の増加を抑制することができる。
尚、本実施形態は、気筒間燃料噴射量補正係数の算出条件が成立してからは、気筒間燃料噴射量補正係数の算出値により、各気筒の燃料噴射量を調整するので気筒間の燃料噴射量ばらつきが補正され、実施形態1、2と同様に、一部気筒がリッチ化することによるHC排出量の増加を防止できる。
本発明による多気筒内燃機関の制御装置の一つの実施形態を示す構成図。 本発明による制御装置を適用する多気筒内燃機関の一つの実施形態を示す構成図。 本発明による多気筒内燃機関の制御装置の実施形態1の動作を示すタイムチャート。 各気筒の燃料噴射量が均一である場合の平均空燃比と気筒間回転差の関係を示すグラフ。 各気筒の燃料噴射量にばらつきがある場合の平均空燃比と気筒間回転差の関係を示すグラフ。 本発明の制御を適用したときの平均空燃比と気筒間回転差の関係を示すグラフ。 空燃比とトルクの関係を示すグラフ。 気筒間燃料噴射量補正の実施タイミングを示すタイムチャート。 実施形態1による制御装置の制御フローチャート。 実施形態1による気筒間燃料噴射量補正の制御フローチャート。 実施形態1による気筒間燃料噴射量補正の他の制御フローチャート。 実施形態1による気筒間の回転差平均値に対する燃料噴射量調整値の設定を示すグラフ。 実施形態1による平均燃料噴射量補正の制御フローチャート。 実施形態1による平均燃料噴射量補正の他の制御フローチャート。 本発明による多気筒内燃機関の制御装置の実施形態2の動作を示すタイムチャート。 気筒間の燃料噴射量ばらつきとトルク変化量の関係を示すグラフ。 実施形態2による制御装置の制御フローチャート。 実施形態2の気筒間燃料噴射量補正の制御フローチャート。 本発明による多気筒内燃機関の制御装置の実施形態3の動作を示すタイムチャート。 点火時期とトルクの関係を示すグラフ。 実施形態3による制御装置の制御フローチャート。 実施形態3の気筒間点火時期補正の制御フローチャート。 気筒間の回転差平均値に対する点火時期調整値の設定を示すグラフ。 気筒間点火時期補正の実施タイミング例を示すタイムチャート。 空気量とトルクの関係を示すグラフ。
符号の説明
1 回転計測手段
2 気筒間回転差算出手段
3 気筒間回転差平均化手段
4 基本燃料量算出手段
5 平均噴射量補正手段
6 気筒間噴射量補正手段
7 燃料噴射弁
8 基本点火時期算出手段
9 気筒間点火時期補正手段
10 点火コイル
13 インテークマニホールド
14 吸入空気量計測手段
16 吸気ポート
17 クランク角度検出プレート
18 クランク角度センサ
19 吸気管圧力センサ
26 空燃比センサ
27 冷却水温センサ
40 コントローラ(制御装置)

Claims (14)

  1. 各気筒ごとに燃料噴射弁を設けられた多気筒内燃機関の制御装置であって、
    各気筒ごとに所定のクランク角度間の回転速度を計測する回転計測手段と、
    前記計測された回転速度から今回爆発気筒と前回爆発気筒の回転速度の差を算出する気筒間回転差算出手段と、
    冷機始動後に、前記気筒間回転差算出手段により算出された気筒間の回転速度の差に応じて全気筒の燃料噴射弁の平均噴射量を調整する噴射量補正手段と、
    前記気筒間回転差算出手段により算出された今回爆発気筒と前回爆発気筒の回転速度の差を気筒ごとに平均化する気筒間回転差平均化手段と、
    前記気筒間回転差平均化手段により算出された気筒間の回転差の平均値をゼロに近づけるよう各気筒のトルクを調整するトルク調整手段と、
    を有することを特徴とする多気筒内燃機関の制御装置。
  2. 前記トルク調整手段は、各気筒の燃料噴射量、点火時期、各気筒の吸排気バルブの動作タイミング、各気筒の吸気バルブのリフト量、各気筒に設けられるスロットル弁の開度のいずれかを調整することを特徴とする請求項1に記載の多気筒内燃機関の制御装置。
  3. 各気筒ごとに燃料噴射弁を設けられた多気筒内燃機関の制御装置であって、
    各気筒ごとに所定のクランク角度間の回転速度を計測する回転計測手段と、
    前記計測された回転速度から今回爆発気筒と前回爆発気筒の回転速度の差を算出する気筒間回転差算出手段と、
    冷機始動後に、前記気筒間回転差算出手段により算出された気筒間の回転速度の差に応じて全気筒の燃料噴射弁の平均噴射量を調整する噴射量補正手段と、
    前記気筒間回転差算出手段により算出された今回爆発気筒と前回爆発気筒の回転速度の差を気筒ごとに平均化する気筒間回転差平均化手段と、
    前記気筒間回転差平均化手段により算出された気筒間の回転差の平均値をゼロに近づけるよう各気筒の燃料噴射弁の噴射量を調整する気筒間噴射量補正手段を設けたことを特徴とする多気筒内燃機関の制御装置。
  4. 前記気筒間噴射量補正手段は、全気筒の平均空燃比がトルクが最大となる空燃比に対しリーン側であるときに、前記気筒間回転差平均化手段により算出された気筒間の回転差の平均値をゼロに近づけるよう各気筒の燃料噴射弁の噴射量を調整することを特徴とする請求項3に記載の多気筒内燃機関の制御装置。
  5. 前記気筒間噴射量補正手段は、始動から所定期間が経過した後に、前記気筒間回転差平均化手段により算出された気筒間の回転差の平均値をゼロに近づけるよう各気筒の燃料噴射弁の噴射量を調整することを特徴とする請求項3または4に記載の多気筒内燃機関の制御装置。
  6. 前記気筒間噴射量補正手段は、始動後の噴射量が所定値以下となるまでの期間を前記所定期間とし、前記所定期間が経過した後に前記気筒間回転差平均化手段により算出された気筒間の回転差の平均値をゼロに近づけるよう各気筒の燃料噴射弁の噴射量を調整することを特徴とする請求項5に記載の多気筒内燃機関の制御装置。
  7. 前記気筒間噴射量補正手段は、前記気筒間回転差平均化手段により算出された気筒間の回転差の平均値をゼロに近づけるよう前記燃料噴射弁の噴射量補正値を気筒ごとに算出し、算出された各気筒の噴射量補正値により各気筒の燃料噴射弁の噴射量を調整するとともに、前記各気筒の噴射量補正値をメモリに記憶し、前記各気筒の噴射量補正値がメモリに記憶された後の始動において始動から前記所定期間が経過するまでの間は前記メモリに記憶された各気筒の噴射量補正値により前記燃料噴射弁の噴射量を調整することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の多気筒内燃機関の制御装置。
  8. 前記気筒間噴射量補正手段は、空燃比センサによりトルクが最大となる空燃比に対しリーン側である所定の目標空燃比となるよう噴射量のフィードバック制御を実施しているときに前記気筒間回転差平均化手段により算出された気筒間の回転差の平均値をゼロに近づけるよう各気筒の燃料噴射弁の噴射量補正値を算出し、前記各気筒の噴射量補正値をメモリに記憶し、前記各気筒の噴射量補正値がメモリに記憶された後の始動において、始動から前記空燃比センサによる噴射量のフィードバック制御が開始されるまでの間は前記メモリに記憶された各気筒の噴射量補正値により前記燃料噴射弁の噴射量を調整することを特徴とする請求項4に記載の多気筒内燃機関の制御装置。
  9. 前記目標空燃比は理論空燃比であることを特徴とする請求項8に記載の多気筒内燃機関の制御装置。
  10. 前記気筒間噴射量補正手段は、前記気筒ごとの噴射量補正値を算出するタイミングにおいて噴射量のフィードバック制御の前記目標空燃比を理論空燃比に対しリーン側にずらすとともに、前記リーン側にずらした目標空燃比に制御されているときに前記前記気筒間回転差平均化手段により算出された気筒間の回転差の平均値をゼロに近づけるよう前記燃料噴射弁の噴射量補正値を気筒ごとに算出し、算出された各気筒の噴射量補正値により各気筒の燃料噴射弁の噴射量を調整することを特徴とする請求項8または9に記載の多気筒内燃機関の制御装置。
  11. 各気筒ごとに燃料噴射弁を設けられた多気筒内燃機関の制御装置であって、
    各気筒ごとに所定のクランク角度間の回転速度を計測する回転計測手段と、
    前記計測された回転速度から今回爆発気筒と前回爆発気筒の回転速度の差を算出する気筒間回転差算出手段と、
    冷機始動後に前記気筒間回転差算出手段により算出された気筒間の回転速度の差に応じて全気筒の燃料噴射弁の平均噴射量を調整する噴射量補正手段と、
    前記気筒間回転差算出手段により算出された今回爆発気筒と前回爆発気筒の回転速度の差を気筒ごとに平均化する気筒間回転差平均化手段と、
    前記気筒間回転差平均化手段により算出された気筒間の回転差の平均値をゼロに近づけるよう各気筒の点火時期を調整する気筒間点火時期補正手段と、
    を有する多気筒内燃機関の制御装置。
  12. 各気筒ごとに燃料噴射弁を設けられた多気筒内燃機関の制御装置であって、
    各気筒ごとに所定のクランク角度間の回転速度を計測する回転計測手段と、
    前記計測された回転速度から今回爆発気筒と前回爆発気筒の回転速度の差を算出する気筒間回転差算出手段と、
    冷機始動後に前記気筒間回転差算出手段により算出された気筒間の回転速度の差に応じて全気筒の燃料噴射弁の平均噴射量を調整する噴射量補正手段と、
    前記気筒間回転差算出手段により算出された今回爆発気筒と前回爆発気筒の回転速度の差を気筒ごとに平均化する気筒間回転差平均化手段と、
    始動後に全気筒の平均空燃比がトルクが最大となる空燃比に対しリーン側となるまでの間は前記気筒間回転差平均化手段により算出された気筒間の回転差の平均値をゼロに近づけるよう各気筒の点火時期を調整する気筒間点火時期補正手段と、
    始動後に全気筒の平均空燃比がトルクが最大となる空燃比に対しリーン側となった後は、前記気筒間回転差平均化手段により算出された気筒間の回転差の平均値をゼロに近づけるよう各気筒の燃料噴射弁の噴射量を調整する気筒間噴射量補正手段と、
    を有する多気筒内燃機関の燃料制御装置。
  13. 各気筒ごとに燃料噴射弁を設けられた多気筒内燃機関の制御装置であって、
    各気筒ごとに所定のクランク角度間の回転速度を計測する回転計測手段と、
    前記計測された回転速度から今回爆発気筒と前回爆発気筒の回転速度の差を算出する気筒間回転差算出手段と、冷機始動後に前記気筒間回転差算出手段により算出された気筒間の回転速度の差に応じて全気筒の燃料噴射弁の平均噴射量を調整する噴射量補正手段と、
    前記気筒間回転差算出手段により算出された今回爆発気筒と前回爆発気筒の回転速度の差を気筒ごとに平均化する気筒間回転差平均化手段と、
    始動から所定のディレイ期間が経過後に前記気筒間回転差平均化手段により算出された気筒間の回転差の平均値をゼロに近づけるよう各気筒のトルクを調整するトルク調整手段と、
    を有することを特徴とする多気筒内燃機関の制御装置。
  14. 前記トルク調整手段は、各気筒の燃料噴射量、点火時期、各気筒の吸排気バルブの動作タイミング、各気筒の吸気バルブのリフト量、各気筒に設けられるスロットル弁の開度のいずれかを調整することを特徴とする請求項13に記載の多気筒内燃機関の制御装置。
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