JP2007270772A - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ブローバイガス中の蒸発燃料により生ずる実空燃比の目標空燃比からのずれを抑制することのできる内燃機関の燃料噴射制御装置を提供する。
【解決手段】電子制御装置の不揮発性メモリは、ブローバイガスに含まれ、かつ単位時間当たりに燃焼室に流入する蒸発燃料の量を蒸発燃料学習値fpcvとして記憶する。電子制御装置は、蒸発燃料により生ずる実空燃比の目標空燃比からのずれを補償すべく、不揮発性メモリに記憶された蒸発燃料学習値fpcvに基づき燃料噴射量を減量補正する。また、ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室に流入したときと流入しないときとで生ずる制御パラメータ(フィードバック補正値FAF、空燃比学習値KGi)のずれ量に基づき、単位時間当たりに燃焼室に流入する蒸発燃料を算出し蒸発燃料学習値fpcvを更新する(タイミングt3)。
【選択図】図8
【解決手段】電子制御装置の不揮発性メモリは、ブローバイガスに含まれ、かつ単位時間当たりに燃焼室に流入する蒸発燃料の量を蒸発燃料学習値fpcvとして記憶する。電子制御装置は、蒸発燃料により生ずる実空燃比の目標空燃比からのずれを補償すべく、不揮発性メモリに記憶された蒸発燃料学習値fpcvに基づき燃料噴射量を減量補正する。また、ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室に流入したときと流入しないときとで生ずる制御パラメータ(フィードバック補正値FAF、空燃比学習値KGi)のずれ量に基づき、単位時間当たりに燃焼室に流入する蒸発燃料を算出し蒸発燃料学習値fpcvを更新する(タイミングt3)。
【選択図】図8
Description
本発明は、内燃機関の燃料噴射制御装置に関し、より詳しくは、混合気の燃焼に伴い発生したブローバイガスを燃焼室に戻すようにした内燃機関に適用される燃料噴射制御装置に関するものである。
一般に、吸気通路からの吸入空気と燃料噴射弁からの噴射燃料との混合気が燃焼室で燃焼される内燃機関では、燃料噴射弁からの燃料噴射にかかる制御(燃料噴射制御)に際し、燃焼室への吸入空気量に応じた基本噴射量が算出され、この基本噴射量が補正されることで、燃料噴射弁から噴射すべき最終的な燃料噴射量が算出される。基本噴射量の補正に際しては、例えばフィードバック補正値及び空燃比学習値が制御パラメータとして用いられる(特許文献1参照)。フィードバック補正値は、目標空燃比に対する実空燃比の過渡的なずれを補償するためのものであり、空燃比センサによって検出される空燃比に基づき算出される。また、空燃比学習値は目標空燃比に対する実空燃比の定常的なずれを補償するためのものであり、機関運転領域毎に不揮発性メモリに記憶され、上記フィードバック補正値の基準値との偏差に基づき算出・更新される。そして、これらのフィードバック補正値及び空燃比学習値によって補正された燃料噴射量の燃料が燃料噴射弁から噴射されることで、実空燃比が目標空燃比に収束させられる。
特開平7−247889号公報
ところで、燃焼室には、燃料噴射弁からの噴射燃料とは別に、吸気通路から蒸発燃料が流入する場合がある。この蒸発燃料として、混合気の燃焼に伴い燃焼室からクランク室に漏出して吸気通路に戻されるブローバイガスに含まれるものがある。
上記ブローバイガス中の蒸発燃料が吸気通路から燃焼室に流入すると、その分、余分に燃焼室に燃料が供給された状態になる。これについては、フィードバック補正値及び空燃比学習値が燃料噴射量を減量させる側の値に変化して対処しようとするものの、一時的に実空燃比が目標空燃比に対して過剰にリッチになり、排気エミッションの悪化や燃費の低下を招く。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ブローバイガス中の蒸発燃料により生ずる実空燃比の目標空燃比からのずれを抑制することのできる内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、内燃機関の燃焼室で燃焼される混合気の実空燃比が機関運転状態に応じた目標空燃比に一致するように、燃料噴射弁からの燃料噴射量を所定の制御パラメータを用いて制御するようにした内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記混合気の燃焼に伴い発生するブローバイガスに含まれ、かつ単位時間当たりに前記燃焼室に流入する蒸発燃料の量を蒸発燃料学習値として記憶する蒸発燃料学習値記憶手段と、前記蒸発燃料により生ずる実空燃比の前記目標空燃比からのずれを補償すべく、前記蒸発燃料学習値記憶手段による蒸発燃料学習値に基づき前記燃料噴射量を減量補正する減量補正手段と、前記ブローバイガス中の蒸発燃料が前記燃焼室に流入したときと流入しないときとで生ずる前記制御パラメータのずれ量に基づき、前記単位時間当たりに燃焼室に流入する蒸発燃料を算出し、前記蒸発燃料学習値記憶手段における蒸発燃料学習値を更新する蒸発燃料学習値更新手段とを備えることを要旨としている。
請求項1に記載の発明は、内燃機関の燃焼室で燃焼される混合気の実空燃比が機関運転状態に応じた目標空燃比に一致するように、燃料噴射弁からの燃料噴射量を所定の制御パラメータを用いて制御するようにした内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記混合気の燃焼に伴い発生するブローバイガスに含まれ、かつ単位時間当たりに前記燃焼室に流入する蒸発燃料の量を蒸発燃料学習値として記憶する蒸発燃料学習値記憶手段と、前記蒸発燃料により生ずる実空燃比の前記目標空燃比からのずれを補償すべく、前記蒸発燃料学習値記憶手段による蒸発燃料学習値に基づき前記燃料噴射量を減量補正する減量補正手段と、前記ブローバイガス中の蒸発燃料が前記燃焼室に流入したときと流入しないときとで生ずる前記制御パラメータのずれ量に基づき、前記単位時間当たりに燃焼室に流入する蒸発燃料を算出し、前記蒸発燃料学習値記憶手段における蒸発燃料学習値を更新する蒸発燃料学習値更新手段とを備えることを要旨としている。
上記の構成によれば、蒸発燃料学習値記憶手段には、単位時間当たりに燃焼室に流入するブローバイガス中の蒸発燃料の量が蒸発燃料学習値として記憶されている。この蒸発燃料学習値は次のように更新される。すなわち、実空燃比を目標空燃比に一致させるべく燃料噴射量を制御する際には制御パラメータが用いられるところ、ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室に流入すると、この制御パラメータは、蒸発燃料が燃焼室に流入しないときとは異なる値を採り、制御パラメータにずれが生ずる。蒸発燃料学習値更新手段では、上記のようにブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室に流入したときと流入しないときとで生ずる制御パラメータのずれ量に基づき、単位時間当たりに燃焼室に流入する蒸発燃料量が算出され、これによって蒸発燃料学習値記憶手段における蒸発燃料学習値が更新される。
そして、蒸発燃料の燃焼室内への流入に応じ、減量補正手段により、蒸発燃料学習値に基づき燃料噴射量が減量補正される。従って、蒸発燃料が燃焼室に流入したときに、こうした蒸発燃料学習値を用いた燃料噴射量の減量補正を行わない場合に比べ、実空燃比の目標空燃比からのずれを抑制することが可能となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記制御パラメータは、前記目標空燃比に対する前記実空燃比の過渡的なずれを補償すべく、空燃比センサにより検出される空燃比に基づき算出されるフィードバック補正値と、前記目標空燃比に対する前記実空燃比の定常的なずれを補償すべく機関運転状態により区分された複数の学習領域毎に記憶され、かつ前記フィードバック補正値の基準値との偏差に基づき更新される空燃比学習値とからなることを要旨としている。
上記の構成によれば、フィードバック補正値は空燃比センサにより検出される空燃比に基づき算出される。このフィードバック補正値が制御パラメータとして燃料噴射量の制御に用いられることで、目標空燃比に対する実空燃比の過渡的なずれが補償される。また、空燃比学習値は、機関運転状態により区分された複数の学習領域毎に記憶されており、フィードバック補正値の基準値との偏差に基づき更新される。この空燃比学習値が制御パラメータとして燃料噴射量の制御に用いられることで、目標空燃比に対する実空燃比の定常的なずれが補償される。このように、フィードバック補正値及び空燃比学習値が制御パラメータとして用いられて燃料噴射量が制御されることで、実空燃比が目標空燃比に収束させられる。
そして、ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室に流入したときと流入しないときとで生ずる制御パラメータ(フィードバック補正値及び空燃比学習値)のずれ量に基づき、上記蒸発燃料学習値の更新が行われる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記蒸発燃料学習値更新手段は、前記フィードバック補正値及び前記空燃比学習値を用いた燃料噴射量の制御により前記実空燃比が前記目標空燃比に収束したとき、前記フィードバック補正値及び前記空燃比学習値に基づき蒸発燃料学習値を更新することを要旨としている。
ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室に流入して、実空燃比が目標空燃比よりもリッチ側にずれると、そのずれを補償すべくフィードバック補正値及び空燃比学習値が燃料噴射量を減量させる側へ変化する。この変化により、蒸発燃料の流入により生じた実空燃比の目標空燃比からのずれが小さくなっていく。そして、これらのフィードバック補正値及び空燃比学習値の組み合わせが蒸発燃料量に対応した値になると、蒸発燃料量分減量された量の燃料が噴射されることとなって実空燃比が目標空燃比に収束する。
この点、請求項3に記載の発明では、フィードバック補正値及び空燃比学習値を用いた燃料噴射量の制御により実空燃比が目標空燃比に収束したときに、それらのフィードバック補正値及び空燃比学習値に基づき蒸発燃料学習値が更新される。従って、更新後の蒸発燃料学習値は、実際の蒸発燃料量に対応した精度の高い値となる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記蒸発燃料学習値更新手段による蒸発燃料学習値の更新に応じ、前記減量補正手段による燃料噴射量の減量補正量に相当する量、前記フィードバック補正値及び前記空燃比学習値を、燃料噴射量を増量する側へ補正する制御パラメータ補正手段をさらに備えることを要旨としている。
更新された蒸発燃料学習値に基づく燃料噴射量の減量補正が行われるようになっても、更新時のフィードバック補正値及び空燃比学習値を用いた燃料噴射量の制御が継続されると、減量補正の分、燃料噴射量が過剰に減量されることになる。この点、請求項4に記載の発明では、フィードバック補正値及び空燃比学習値が、減量補正手段による燃料噴射量の減量補正量に相当する量、燃料噴射量を増量する側へ補正されることから、上記のように燃料噴射量が過剰に減量される現象が起こりにくくなる。
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記蒸発燃料学習値更新手段は、前記フィードバック補正値が所定の値に収束すること、及び前記空燃比学習値が変化しなくなることをそれぞれ条件とし、少なくとも一方の条件が満たされると前記フィードバック補正値及び前記空燃比学習値に基づき前記蒸発燃料学習値を更新することを要旨としている。
ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室に流入して実空燃比が目標空燃比よりもリッチ側にずれると、そのずれを補償すべくフィードバック補正値が燃料噴射量を減量させる側へ変化する。これに伴いフィードバック補正値の基準値との偏差も拡大し、同偏差に基づき更新される空燃比学習値も燃料噴射量を減量させる側へ変化する。
これらの変化により、蒸発燃料の流入により生じた実空燃比の目標空燃比からのずれが小さくなっていく。そして、フィードバック補正値及び空燃比学習値が蒸発燃料量に対応した値になると、蒸発燃料量を反映した量(蒸発燃料量分減量された量)の燃料が噴射されることとなって実空燃比が目標空燃比に収束する。
この状態では、フィードバック補正値が基準値からずれていることから、その後も空燃比学習値が燃料噴射量を減量させる側へ変化し続ける。この空燃比学習値の変化を相殺するために、フィードバック補正値は前記燃料噴射量を減量させる側への変化を停止し、基準値に近づく側へ変化し始める。そして、フィードバック補正値が所定の値に収束すると、それに伴い空燃比学習値も変化しなくなる。このときの空燃比学習値は、蒸発燃料の流入による実空燃比の目標空燃比からのずれを補償し得る値、すなわち蒸発燃料量に対応した値となっている。
この点、請求項5に記載の発明では、フィードバック補正値が所定の値に収束すること、及び空燃比学習値が変化しなくなることをそれぞれ条件とし、少なくとも一方の条件が満たされると、フィードバック補正値及び空燃比学習値に基づき蒸発燃料学習値が更新される。従って、更新後の蒸発燃料学習値は、実際の蒸発燃料量に対応した精度の高い値となる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記蒸発燃料学習値更新手段による蒸発燃料学習値の更新に応じ、前記減量補正手段による燃料噴射量の減量補正量に相当する量、前記空燃比学習値を、燃料噴射量を増量する側へ補正する制御パラメータ補正手段をさらに備えることを要旨としている。
更新された蒸発燃料学習値に基づく燃料噴射量の減量補正が行われるようになっても、更新時の空燃比学習値を用いた燃料噴射量の制御が継続されると、上記減量補正の分、燃料噴射量が過剰に減量されることになる。この点、請求項6に記載の発明では、空燃比学習値が、減量補正手段による燃料噴射量の減量補正量に相当する量、燃料噴射量を増量する側へ補正されることから、上記のように燃料噴射量が過剰に減量されることがなくなる。
請求項7に記載の発明は、請求項2〜6のいずれか1つに記載の発明において、前記空燃比学習値が記憶される複数の学習領域は、前記内燃機関への吸入空気量に応じて区分されており、前記蒸発燃料学習値更新手段は、前記複数の学習領域のうち吸入空気量の多い学習領域に記憶されている空燃比学習値を、前記蒸発燃料学習値の更新に際し、前記ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室に流入しないときの制御パラメータとして用いることを要旨としている。
ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室に流入した場合、その蒸発燃料が空燃比に及ぼす影響度合いはそのときの吸入空気量に応じて異なる。この影響度合いは吸入空気量が少ないときには大きく、吸入空気量が多くなるほど小さくなる。従って、複数の学習領域のうち吸入空気量の多い学習領域に記憶されている空燃比学習値は、ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室に流入しないときの値に近い値となる。そのため、請求項7に記載の発明によるように、吸入空気量の多い学習領域に記憶されている空燃比学習値を、蒸発燃料学習値の更新に際し、ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室に流入しないときの制御パラメータとして用いることで、単位時間当たりに燃焼室に流入する蒸発燃料として適切な値を算出することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項2〜6のいずれか1つに記載の発明において、前記ブローバイガス中の蒸発燃料は、前記内燃機関のクランク室内の機関オイルに混入している燃料が同機関オイルの温度上昇に伴い気化したものを含んでおり、前記複数の学習領域は、前記内燃機関の冷間始動時に空燃比学習値が記憶される学習領域を含んでおり、前記蒸発燃料学習値更新手段は、前記内燃機関の冷間始動時に記憶された空燃比学習値を、前記蒸発燃料学習値の更新に際し、前記ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室に流入しないときの制御パラメータとして用いることを要旨としている。
内燃機関の冷間始動時には、クランク室内の機関オイルの温度が低く、同機関オイルに混入している燃料が気化しにくい。この状況下で燃焼室に流入するブローバイガス中の蒸発燃料は少ない。吸入空気量に対し蒸発燃料量は無視できるほど少なく、蒸発燃料が空燃比に及ぼす影響度合いが小さい。
従って、内燃機関の冷間始動時に空燃比学習値を所定の学習領域に記憶すれば、その空燃比学習値は、ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室に流入しないときの値に近い値となる。そのため、請求項8に記載の発明によるように、内燃機関の冷間始動時に記憶された空燃比学習値を、蒸発燃料学習値の更新に際し、ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室に流入しないときの制御パラメータとして用いることで、単位時間当たりに燃焼室に流入する蒸発燃料を算出することができる。
請求項9に記載の発明は、請求項2〜8のいずれか1つに記載の発明において、前記蒸発燃料学習値更新手段は、前記フィードバック補正値及び空燃比学習値の少なくとも一方が、ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室に流入していないときの値に対し、燃料噴射量を減量させる側へ所定値以上乖離していると、同蒸発燃料が燃焼室に流入しているとして、前記制御パラメータのずれ量に基づく蒸発燃料学習値の更新を実行することを要旨としている。
蒸発燃料が燃焼室に流入しなければ、フィードバック補正値及び空燃比学習値を用いた燃料噴射量の制御により、混合気の実空燃比が目標空燃比に収束する。この状態で蒸発燃料が燃焼室に流入すると、その分、余分に燃焼室に燃料が供給された状態になって実空燃比がリッチになる。これに対しては、フィードバック補正値及び空燃比学習値として燃料噴射量を減量させる側の値が算出される。
この点、請求項9に記載の発明では、フィードバック補正値及び空燃比学習値の少なくとも一方が、ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室に流入していないときの値に対し、燃料噴射量を減量させる側へ所定値以上乖離していると、蒸発燃料が燃焼室に流入している可能性があるとして、制御パラメータのずれ量に基づく蒸発燃料学習値の更新が行われる。従って、蒸発燃料学習値の更新を、蒸発燃料が流入しているときに確実に行うことが可能となる。
請求項10に記載の発明は、請求項2〜9のいずれか1つに記載の発明において、前記空燃比学習値が記憶される複数の学習領域は、前記内燃機関への吸入空気量に応じて区分されており、前記蒸発燃料学習値更新手段は、実吸入空気量が、前記複数の学習領域のうち吸入空気量の少ない学習領域の値となったとき、その学習領域に記憶されている空燃比学習値を、前記蒸発燃料学習値の更新に際し、前記ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室に流入したときの制御パラメータとして用いることを要旨としている。
ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室に流入した場合、その蒸発燃料が空燃比に及ぼす影響度合いはそのときの吸入空気量に応じて異なる。この影響度合いは吸入空気量が多いときには小さく、吸入空気量が少なくなるに従い大きくなる。複数の学習領域のうち吸入空気量の少ない学習領域に記憶されている空燃比学習値は、蒸発燃料から大きく影響を受けた実空燃比の目標空燃比からのずれに対応した値となる。この空燃比学習値は、吸入空気量の多い学習領域に記憶され、かつ蒸発燃料から受ける影響が小さい実空燃比の目標空燃比からのずれに対応した空燃比学習値よりも精度の高い値となる。
従って、請求項10に記載の発明によるように、実吸入空気量が吸入空気量の少ない学習領域の値となったとき、その学習領域に記憶されている空燃比学習値を、ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室に流入したときの制御パラメータとして用いることで、単位時間当たりに燃焼室に流入する蒸発燃料を高い精度で算出することができる。
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10のいずれか1つに記載の発明において、前記減量補正手段は、前記蒸発燃料学習値を、そのときどきの機関回転速度及び機関一回転当たりの噴射回数にて除することにより一噴射当たりの燃料噴射量に影響を及ぼす蒸発燃料量を算出し、同蒸発燃料量により前記燃料噴射量を減量補正するものであることを要旨としている。
単位時間当たりに燃焼室に流入するブローバイガス中の蒸発燃料の量は、機関オイルの温度一定のもと機関運転状態に拘わらず略一定であると考えられる。そのため、請求項11に記載の発明によるように、蒸発燃料学習値を、そのときどきの機関回転速度及び機関一回転当たりの噴射回数で除することにより、一噴射当たりの燃料噴射量に影響を及ぼす蒸発燃料量を正確に求めることができる。また、この蒸発燃料量によって燃料噴射量を減量補正することで、ブローバイガス中の蒸発燃料により生ずる実空燃比の目標空燃比からのずれを確実に補償することが可能となる。
請求項12に記載の発明は、請求項1〜11のいずれか1つに記載の発明において、前記内燃機関は、燃料供給系で発生した蒸発燃料をキャニスタに一時的に吸着させ、所定の時期に前記燃焼室にパージする蒸発燃料処理装置を備えており、前記蒸発燃料学習値更新手段は、前記蒸発燃料学習値の更新を、前記蒸発燃料処理装置によるパージを停止させた状態で行うことを要旨としている。
上記の構成によれば、ブローバイガス中の蒸発燃料により生ずる空燃比のずれを補償するための蒸発燃料学習値を更新する際には、蒸発燃料処理装置によるパージが停止させられる。蒸発燃料処理装置のキャニスタに吸着された蒸発燃料は、吸気通路を通じて燃焼室へは流入しない。そのため、パージされる蒸発燃料を含まないかたちで、燃焼室に流入する蒸発燃料の量、この場合、燃焼室に流入するブローバイガス中の蒸発燃料の量、すなわち蒸発燃料学習値を精度よく算出して更新することが可能となる。
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の発明において、前記蒸発燃料学習値更新手段は、前回の更新時から所定時間が経過していることを条件に前記蒸発燃料学習値の更新を行うことを要旨としている。
上述した請求項12に記載の発明によるように、ブローバイガス中の蒸発燃料についての蒸発燃料学習値の学習の際にパージを停止させると、その分、キャニスタに吸着した蒸発燃料をパージさせる機会が減る。この点、請求項13に記載の発明では、蒸発燃料学習値についての前回の更新が終了した時点から所定時間が経過するまでは、蒸発燃料学習値の次の更新が行われない。これに伴い、蒸発燃料処理装置によるパージが停止されない。従って、蒸発燃料学習値の更新が頻繁に行われて、パージの機会が不要に減少されないようにすることができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態について図1〜図8を参照して説明する。
図1に示すように、車両には、その動力源として、ガソリンエンジンからなる内燃機関11が搭載されている。内燃機関11は、複数の気筒(シリンダ)12を有するシリンダブロック13と、その上に取付けられたシリンダヘッド14とを備えている。各気筒12に往復動可能に収容されたピストン15は、コネクティングロッド16を介し、内燃機関11の出力軸であるクランクシャフト17に連結されている。
図1に示すように、車両には、その動力源として、ガソリンエンジンからなる内燃機関11が搭載されている。内燃機関11は、複数の気筒(シリンダ)12を有するシリンダブロック13と、その上に取付けられたシリンダヘッド14とを備えている。各気筒12に往復動可能に収容されたピストン15は、コネクティングロッド16を介し、内燃機関11の出力軸であるクランクシャフト17に連結されている。
気筒12毎の燃焼室18には、内燃機関11の外部の空気を同燃焼室18に導くための吸気通路19が接続されている。吸気通路19には、スロットルバルブ21が回動可能に設けられている。スロットルバルブ21に駆動連結されたアクチュエータ22は、運転者によるアクセルペダル23の踏込み操作等に応じて作動し、スロットルバルブ21を回動させる。吸気通路19を流れる空気の量(吸入空気量GA)は、スロットルバルブ21の回動角度(スロットル開度)に応じて変化する。また、気筒12毎の燃焼室18には、同燃焼室18で生じた燃焼ガスを内燃機関11の外部へ排出するための排気通路24が接続されている。排気通路24には、排気浄化触媒25を内蔵した触媒コンバータ26が設けられている。
上記シリンダヘッド14には、それぞれバルブスプリング27により付勢された吸気バルブ28及び排気バルブ29が気筒12毎に設けられている。吸気バルブ28は、クランクシャフト17にて回転駆動される吸気カムシャフト31により押し下げられ、吸気通路19の各気筒12における開口部を開閉する。また、排気バルブ29は、クランクシャフト17にて回転駆動される排気カムシャフト32により押し下げられ、排気通路24の各気筒12における開口部を開閉する。
吸気通路19には、燃料噴射弁33が各気筒12に対応して取り付けられている。この燃料噴射弁33から噴射された燃料は、吸気通路19を流れる吸入空気と混ざり合って混合気となり燃焼室18に流入する。なお、燃料噴射弁33から気筒12毎の燃焼室18内へ直接燃料が噴射される構成であってもよい。
シリンダヘッド14に取り付けられた気筒12毎の点火プラグ34は、点火コイル35を介してイグナイタ36に接続されている。各点火プラグ34には、イグナイタ36からの点火信号に基づき点火コイル35から出力される高電圧が印加される。そして、燃焼室18内の前記混合気は点火プラグ34の火花放電によって着火され、燃焼する。このときに生じた高温高圧の燃焼ガスによりピストン15が往復動される。ピストン15の往復運動は、コネクティングロッド16を介してクランクシャフト17に伝達され、同クランクシャフト17が回転させられて内燃機関11の駆動力(トルク)が得られる。
上記内燃機関11では、圧縮行程及び膨張行程で、燃焼室18内のガスが燃料とともに、ピストンリング37と気筒12の壁面との隙間や、ピストンリング37とピストン15との隙間を通り、クランクシャフト17が収容されている空間であるクランク室38に漏出する。上記ガスはブローバイガスと呼ばれ、機関オイルを劣化させる原因となり得る。ブローバイガス中の燃料の少なくとも一部は次のようにして生ずる。燃料噴射弁33からの噴射燃料が十分に霧化しない機関低温時等には、その噴射燃料が気筒12の壁面に多く付着する傾向にある。この付着燃料は、ピストン15の往復動に伴いピストンリング37によってクランク室38に掻き落とされて、同クランク室38内の機関オイルに混入する。この燃料は機関オイルの温度上昇に伴って気化する。
なお、本実施形態とは異なり、燃焼室18に燃料を直接噴射するタイプの内燃機関11では、気筒12の壁面に燃料噴射弁33からの噴射燃料が直接当たるため、機関低温時に多量の燃料が同壁面に付着しやすく、上記ブローバイガス中の燃料も多くなる傾向にある。
そこで、内燃機関11には、ブローバイガスをクランク室38、シリンダブロック13、シリンダヘッド14内の動弁室39、吸気通路19等を通じて燃焼室18に戻して再燃焼させるブローバイガス還流装置41が設けられている。ブローバイガス還流装置41は、クランク室38と、吸気通路19のスロットルバルブ21よりも下流とをつなぐブローバイガス通路43を備えている。ブローバイガス還流装置41では、スロットルバルブ21の下流で発生する負圧(大気圧を基準としてそれよりも低い圧力)がブローバイガス通路43を通じてクランク室38に作用する。この吸気負圧により、燃焼室18からクランク室38に漏出したブローバイガスが燃料を含んだ状態でブローバイガス通路43を通って吸気通路19に吸引される。
車両には、内燃機関11の運転状態を含む同車両の各部の状態を検出するために、各種センサが設けられている。これらのセンサとして、本実施形態ではクランク角センサ51、水温センサ52、エアフロメータ53、スロットルセンサ54、アクセルセンサ55、酸素センサ56等が用いられている。
クランク角センサ51は、クランクシャフト17が一定角度回転する毎にパルス状の信号を発生する。この信号は、クランクシャフト17の回転角度であるクランク角や、単位時間当りのクランクシャフト17の回転数である機関回転速度NEの算出に用いられる。水温センサ52は、内燃機関11の内部を流れる冷却水の温度(冷却水温度THW)を検出し、エアフロメータ53は、吸気通路19を流れる空気の量(吸入空気量GA)を検出する。スロットルセンサ54は、スロットルバルブ21のスロットル開度を検出し、アクセルセンサ55は運転者によるアクセルペダル23の踏込み量を検出する。
酸素センサ56は、混合気の空燃比を検出する空燃比センサとして用いられており、排気通路24に設けられており、排気中の酸素の濃度に応じた信号を出力する。酸素センサ56は、空燃比が理論空燃比をまたいで変化するときに出力電圧Voが急変する特性を有する。この出力電圧Voは、空燃比が理論空燃比よりも大きい(空燃比が理論空燃比に対してリーン)のときには、理論空燃比に対応した出力電圧(基準電圧Vd)よりも小さな値を示す。また、上記出力電圧Voは、空燃比が理論空燃比よりも小さい(空燃比が理論空燃比に対してリッチ)のときには、上記基準電圧Vdよりも大きな値を示す。従って、出力電圧Voに基づき、排気がリーンに対応した状態であるか、又はリッチに対応した状態であるかを検出することが可能である(図2参照)。
車両には、前記センサ51〜56等の各種信号に基づいて、内燃機関11等の各部を制御する電子制御装置61が設けられている。電子制御装置61はマイクロコンピュータを中心として構成されている。電子制御装置61では、中央処理装置(CPU)が、読出し専用メモリ(ROM)に記憶されている制御プログラム、初期データ、制御マップ等に従って演算処理を行い、その演算結果に基づいて、内燃機関11の運転や車両の走行にかかる各種制御を実行する。CPUによる演算結果は、ランダムアクセスメモリ(RAM)において一時的に記憶される。さらに電子制御装置61は、同装置61に対する電力供給が停止された後にも各種データを記憶保持する不揮発性メモリ62を備えている。この不揮発性メモリ62は、後述する空燃比学習値KGiを記憶する手段として機能するほか、蒸発燃料学習値fpcvを記憶する蒸発燃料学習値記憶手段として機能する。
電子制御装置61が行う制御としては、例えばアクチュエータ22の駆動制御(スロットル制御)、燃料噴射弁33の駆動制御(燃料噴射制御)、点火プラグ34の駆動制御(点火時期制御)等が挙げられる。電子制御装置61は、例えばスロットル制御に際し、アクセルセンサ55によるアクセルペダル23の踏み込み量やクランク角センサ51による機関回転速度NEに基づいてスロットル開度の制御目標値(目標スロットル開度)を算出する。そして、電子制御装置61は、スロットルセンサ54による実際のスロットル開度が上記目標スロットル開度に一致するようにアクチュエータ22の駆動を制御する。
また、点火時期制御では、上記スロットルセンサ54によるスロットル開度やクランク角センサ51による機関回転速度NEに基づいて点火時期の制御目標値(目標点火時期)を算出し、イグナイタ36を制御することによりその目標点火時期において点火プラグ34に点火動作をさせる。上記混合気は、点火プラグ34の点火に伴う火花放電によって着火されて燃焼する。
さらに、電子制御装置61は燃料噴射制御に際し、次式(i)に従って、燃料噴射弁33に対する制御目標値(燃料噴射量)を算出し、同燃料噴射量に基づき燃料噴射弁33に対する通電を制御する。この通電により燃料噴射弁33が開弁して上記燃料噴射量の燃料が噴射される。
燃料噴射量=基本噴射量*フィードバック補正値FAF*空燃比学習値KGi
*その他の補正係数*減量補正値fqcv
・・・(i)
上記式(i)中の基本噴射量は、そのときの機関運転状態に必要な基本となる燃料量であり、例えば機関回転速度NE及び吸入空気量GAに基づき算出される。
*その他の補正係数*減量補正値fqcv
・・・(i)
上記式(i)中の基本噴射量は、そのときの機関運転状態に必要な基本となる燃料量であり、例えば機関回転速度NE及び吸入空気量GAに基づき算出される。
また、フィードバック補正値FAFは、燃料噴射弁33の燃料噴射量をフィードバック制御するための補正値(補正係数)であり、上述した酸素センサ56の出力電圧Voに応じて図2に示すように変化する。フィードバック補正値FAFは、例えば「1.0」を制御基準値とし、混合気の実空燃比が理論空燃比よりもリーンである場合には制御基準値よりも大きな値に設定され、実空燃比が理論空燃比よりもリッチである場合には制御基準値よりも小さな値に設定される。従って、フィードバック補正値FAFが乗算される燃料噴射量は、混合気がリーンである場合には増量補正され、リッチである場合には減量補正される。そして、このようにフィードバック補正値FAFに基づいて燃料噴射量が補正されることにより、目標空燃比に対する実空燃比の過渡的なずれが補償される。
実空燃比が理論空燃比に対し定常的にずれる傾向を有していない場合、フィードバック補正値FAFは、制御基準値(=1.0)を中心としてその近傍で変動する。従って、フィードバック補正値FAFの平均値は略「1.0」になる。これに対し、定常的にずれる傾向を有している場合には、フィードバック補正値FAFは、制御基準値(=1.0)とは異なる値を中心としてその近傍で変動する。従って、フィードバック補正値FAFの平均値は、そのずれの傾向に応じて「1.0」とは異なる値に収束するようになる。上記の定常的なずれは、内燃機関11の個体差や、燃料噴射弁33の噴射特性あるいはエアフロメータ53の出力特性における個体差、さらにはそれら個体差の経時変化等々により生ずるものである。
上記式(i)中の空燃比学習値KGiは、目標空燃比に対する実空燃比の定常的なずれを補償するための補正値(補正係数)である。この空燃比学習値KGiが用いられて燃料噴射量が補正されることにより、フィードバック補正値FAFが過度に「1.0」から離れた値とならないようにされる。
空燃比学習値KGiは、フィードバック補正値FAFが大きくなるほど大きい値にされるとともに、フィードバック補正値FAFが小さくなるほど小さい値とされる。従って、空燃比学習値KGiによって燃料噴射量を補正することで、フィードバック補正値FAFが「1.0」を含む所定範囲内で変化(収束)するようになる。
また、上記のような空燃比のずれ量は機関運転状態に応じて異なるものとなる。そのため、空燃比学習値KGiの学習は機関運転状態、ここでは吸入空気量GAに応じて区分された複数の領域(学習領域Ri)毎に行われる。より具体的には、吸入空気量GAの採り得る領域が4つに区分され、それらの領域が、吸入空気量GAの少ない方から多くなる方へ順に、第1の学習領域R1、第2の学習領域R2、第3の学習領域R3及び第4の学習領域R4とされている。空燃比学習値KGiはこれらの学習領域Ri(i=1〜4)毎の値として各別に設定されて、不揮発性メモリ62に記憶されている。
なお、ブローバイガス中の蒸発燃料が吸気通路19を通じて燃焼室18に流入すると、実空燃比が理論空燃比に対してリッチ側へずれる傾向となるため、フィードバック補正値FAF及び空燃比学習値KGiがこうしたずれを補償すべく燃料噴射量を減量する値に変化する。
上述したフィードバック補正値FAF及び空燃比学習値KGiは、混合気の実空燃比が目標空燃比に一致するように燃料噴射量を制御する際に用いられる制御パラメータに相当する。
また、上記式(i)中の減量補正値fqcvは、ブローバイガス中の蒸発燃料により生ずる空燃比の目標空燃比からのずれを補償すべく燃料噴射量を減量補正する際に用いられる補正値である。電子制御装置61による上記減量補正値fqcvを用いた燃料噴射量の減量補正処理は、減量補正手段に相当する。
次に、上記フィードバック補正値FAF、空燃比学習値KGi及び減量補正値fqcvの各算出態様について説明する。
図4のフローチャートは、フィードバック補正値FAFを算出するためのルーチンを示している。このルーチンの一連の処理は、電子制御装置61により所定の制御周期毎に繰り返し実行される。
図4のフローチャートは、フィードバック補正値FAFを算出するためのルーチンを示している。このルーチンの一連の処理は、電子制御装置61により所定の制御周期毎に繰り返し実行される。
電子制御装置61は、まずステップ110において、フィードバック補正値FAFを用いた燃料噴射量のフィードバック(F/B)制御を行うための実行条件が成立しているか否かを判定する。ここでは、次の各条件が成立しているか否かについて判定する。
[a]機関始動時ではない。
[b]燃料カットが行われていない。
[c]酸素センサ56が活性化している。
[a]機関始動時ではない。
[b]燃料カットが行われていない。
[c]酸素センサ56が活性化している。
上記各条件[a]〜[c]のうち少なくとも一つが成立していないと、実行条件が満たされていないとしてステップ120へ移行し、フィードバック補正値FAFを制御基準値である「1.0」に設定する。この場合、フィードバック補正値FAFに基づく燃料噴射量の補正は実質的に行われないことになる。
これに対し、上記条件[a]〜[c]の全てが成立していると、実行条件が満たされているとしてステップ130へ移行し、今回の制御周期における酸素センサ56の出力電圧Vo(i) が基準電圧Vd未満であるかどうかを判定する。この判定条件が満たされている(Vo(i) <Vd)と、実空燃比が理論空燃比よりもリーン側の値である。この場合には、ステップ140において、前回の制御周期における酸素センサ56の出力電圧Vo(i-1) が基準電圧Vd未満であったかどうかを判定する。
この判定条件が満たされている(Vo(i-1) <Vd)と、実空燃比が理論空燃比よりもリーン側の値にある状態が継続されていると判断し、ステップ150において、フィードバック補正値FAFに所定の積分量RI(RI>0)を加算し、その加算結果を新たなフィードバック補正値FAFとして設定する。
そのため、フィードバック補正値FAFが例えば図3の点P4に位置する状態にあるとすると、積分量RIの加算が行われることにより、フィードバック補正値FAFが点P5に位置する状態へ変化する。こうした積分量RIの加算が所定の周期毎に継続して実行される積分制御を通じて、フィードバック補正値FAFは徐々に大きくなる。この積分制御が行われるときのフィードバック補正値FAFの増加傾向は、積分量RIが大きくなるほど急になり、同積分量RIが小さくなるほど緩やかになる。
そして、上述のようなフィードバック補正値FAFを徐々に大きくする処理が継続されると、空燃比が理論空燃比に対してリーン側からリッチ側へ変化し、これにともなって出力電圧Voが基準電圧Vdよりも小さい値から大きい値へ変化する。
これに対し、上記ステップ140の判定条件が満たされていない(Vo(i-1) ≧Vd)と、実空燃比が理論空燃比よりもリッチ側の値からリーン側の値へ反転したと判断し、ステップ160において、フィードバック補正値FAFに所定のスキップ量RS(RS>0)を加算し、その加算結果を新たなフィードバック補正値FAFとして設定する。なお、スキップ量RSとしては積分量RIよりも十分に大きな値が設定されている。
そのため、フィードバック補正値FAFが、例えば図3の点P3に位置する状態にあるとすると、スキップ量RSの加算が行われることにより、フィードバック補正値FAFが点P4に位置する状態へ変化する。こうしたスキップ量RSを加算する制御(いわゆるスキップ制御)を通じて、フィードバック補正値FAFは上記積分制御時よりも大きく変化する。
スキップ量RSは、空燃比が理論空燃比に対してリーン側からリッチ側へと一気に反転しない値に設定されている。従って、フィードバック補正値FAFにスキップ量RSが加算された後においても、空燃比が理論空燃比よりもリーンであるとともに出力電圧Voが基準電圧Vdよりも小さい状態が続く。
一方、上記ステップ130の判定条件が満たされていない(Vo(i) ≧Vd)と、実空燃比が理論空燃比よりもリッチ側の値であると判断しステップ170へ移行する。ステップ170では、前回の制御周期における酸素センサ56の出力電圧Vo(i-1) が基準電圧Vd以上であったかどうかを判定する。この判定条件が満たされている(Vo(i-1) ≧Vd)と、実空燃比が理論空燃比よりもリッチ側の値にある状態が継続されていると判断し、ステップ180において、フィードバック補正値FAFから所定の積分量LI(LI>0)を減算した値を新たなフィードバック補正値FAFとして設定する。
そのため、フィードバック補正値FAFが、例えば図3の点P1に位置する状態にあるとすると、積分量LIの減算が行われることにより、フィードバック補正値FAFが点P2に位置する状態へ変化する。こうした積分量LIの減算が所定の周期毎に継続して実行される制御(いわゆる積分制御)を通じて、フィードバック補正値FAFは徐々に小さくなる。この積分制御が行われるときのフィードバック補正値FAFの減少傾向は、積分量LIが大きくなるほど急になり、同積分量LIが小さくなるほど緩やかになる。
そして、上述のようなフィードバック補正値FAFを徐々に小さくする処理が継続されると、空燃比が理論空燃比に対してリッチ側からリーン側へ変化し、これにともなって出力電圧Voが基準電圧Vdよりも大きい値から小さい値へ変化する。
これに対し、ステップ170の判定条件が満たされていない(Vo(i-1) <Vd)と、実空燃比が理論空燃比よりもリーン側の値からリッチ側の値へ反転したと判断し、ステップ190において、フィードバック補正値FAFから所定のスキップ量LS(LS>0)を減算した値を新たなフィードバック補正値FAFとして設定する。なお、スキップ量LSとしては積分量LIよりも十分に大きい値が設定されている。
そのため、フィードバック補正値FAFが、例えば図3の点P6に位置する状態にあるとすると、スキップ量LSの減算が行われることにより、フィードバック補正値FAFが点P7に位置する状態へ変化する。こうしたスキップ量LSを減算するスキップ制御を通じて、フィードバック補正値FAFは上記積分制御時よりも大きく変化する。
スキップ量LSは、空燃比が理論空燃比に対してリッチ側からリーン側へと一気に反転しない値に設定されている。従って、フィードバック補正値FAFからスキップ量LSが減算された後においても、空燃比が理論空燃比よりもリッチであるとともに出力電圧Voが基準電圧Vdよりも大きい状態が続く。
そして、上記ステップ120,150,160,180,190のいずれかの処理を経た後、フィードバック補正値算出ルーチンを一旦終了する。
次に、図5のフローチャートは空燃比学習値を学習(算出・更新)するための空燃比学習ルーチンを示している。このルーチンの一連の処理は、電子制御装置61により所定の制御周期毎に繰り返し実行される。
次に、図5のフローチャートは空燃比学習値を学習(算出・更新)するための空燃比学習ルーチンを示している。このルーチンの一連の処理は、電子制御装置61により所定の制御周期毎に繰り返し実行される。
電子制御装置61は、まずステップ210において、空燃比学習制御の実行条件が成立しているか否かを判定する。ここでは、次の各条件が成立しているか否かについて判定する。
[a]冷却水温度THWが暖機完了時の温度以上である。
[b]燃料噴射量のフィードバック制御が実行されている。
[a]冷却水温度THWが暖機完了時の温度以上である。
[b]燃料噴射量のフィードバック制御が実行されている。
上記各条件[a],[b]のうち少なくとも一つが成立していないと、実行条件が満たされていないとして、空燃比学習ルーチンを一旦終了する。
これに対し、上記各条件[a],[b]の全てが成立していると、実行条件が満たされているとして、ステップ220へ移行する。ステップ220では、酸素センサ56の出力電圧Voが基準電圧Vdをまたいで変化したとき、すなわち上記スキップ制御が行われたときのフィードバック補正値FAFについて、前回のスキップ制御時のフィードバック補正値FAF(FAFS1)と前々回のスキップ制御時のフィードバック補正値FAF(FAFS2)との平均値FAFAVを算出する。
これに対し、上記各条件[a],[b]の全てが成立していると、実行条件が満たされているとして、ステップ220へ移行する。ステップ220では、酸素センサ56の出力電圧Voが基準電圧Vdをまたいで変化したとき、すなわち上記スキップ制御が行われたときのフィードバック補正値FAFについて、前回のスキップ制御時のフィードバック補正値FAF(FAFS1)と前々回のスキップ制御時のフィードバック補正値FAF(FAFS2)との平均値FAFAVを算出する。
ステップ230では、平均値FAFAVが判定値A未満であるかどうかを判定する。なお、判定値Aは、フィードバック補正値FAFの制御基準値である「1.0」よりも小さい値に設定されている。この判定条件が満たされている(FAFAV<A)と、実空燃比が理論空燃比に対してリッチ側にずれる傾向がある。この場合には、ステップ240において、実空燃比についての上記傾向を補償するために、不揮発性メモリ62に記憶されている空燃比学習値KGiをより小さい値に更新する。ここでは、現在の学習領域Riに対応する空燃比学習値KGiから所定値LGを減じ、減算した後の値(KGi−LG)を新たな空燃比学習値KGiとして設定する。そして、ステップ240の処理を経た後に空燃比学習ルーチンを一旦終了する。
これに対し、上記ステップ230の判定条件が満たされていない(FAFAV≧A)と、実空燃比が理論空燃比に対してリッチ側にずれる傾向はない。この場合には、ステップ250において、平均値FAFAVが判定値B以上であるかどうかを判定する。なお、判定値Bは、フィードバック補正値FAFの制御基準値である「1.0」よりも大きい値に設定されている。このステップ250の判定条件が満たされている(FAFAV≧B)と、実空燃比が理論空燃比に対してリーン側にずれる傾向があると判断する。この場合には、ステップ260において、実空燃比についての上記傾向を補償するために、不揮発性メモリ62に記憶されている空燃比学習値KGiをより大きい値に更新する。ここでは、現在の学習領域Riに対応する空燃比学習値KGiに所定値RGを加え、その加算結果(=KGi+RG)を新たな空燃比学習値KGiとして設定する。そして、ステップ260の処理を経た後に空燃比学習ルーチンを一旦終了する。
なお、上記ステップ250の判定条件が満たされていない(FAFAV<B)と、実空燃比が理論空燃比に対してリーン側にずれる傾向はない。すなわち、平均値FAFAVが「A<FAFAV<B」の範囲にあるとき、平均値FAFAVが制御基準値「1.0」の近傍で変動しており、実空燃比が理論空燃比からずれる傾向はない。この場合には、空燃比学習値KGiの更新を行うことなく空燃比学習ルーチンを一旦終了する。このように、空燃比学習ルーチンでは、フィードバック補正値FAF(平均値FAFAV)の基準値(制御基準値)との偏差に基づき空燃比学習値KGiが算出・更新される。
図6のフローチャートは、減量補正値fqcvを算出するための減量補正値算出ルーチンを示している。このルーチンの一連の処理は、電子制御装置61により所定の制御周期毎に繰り返し実行される。
このルーチンでは、電子制御装置61はまずステップ310において、次式(ii)に基づいて減量補正値fqcvを算出する。
減量補正値fqcv=蒸発燃料学習値fpcv
/(機関回転速度NE*機関一回転当たりの噴射回数)
・・・(ii)
上記蒸発燃料学習値fpcvは、単位時間当たりに燃焼室18に流入するブローバイガス中の蒸発燃料量である。蒸発燃料学習値fpcvは、上記不揮発性メモリ62に記憶されており、後述する蒸発燃料学習ルーチンにおいて別途算出・更新される。
減量補正値fqcv=蒸発燃料学習値fpcv
/(機関回転速度NE*機関一回転当たりの噴射回数)
・・・(ii)
上記蒸発燃料学習値fpcvは、単位時間当たりに燃焼室18に流入するブローバイガス中の蒸発燃料量である。蒸発燃料学習値fpcvは、上記不揮発性メモリ62に記憶されており、後述する蒸発燃料学習ルーチンにおいて別途算出・更新される。
ここで、単位時間当たりに燃焼室18に流入するブローバイガス中の蒸発燃料の量は、機関オイルの温度一定のもとでは、機関運転状態に拘わらず略一定であると考えられる。そのため、上記式(ii)によるように、蒸発燃料学習値fpcvを、そのときどきの機関回転速度NE及び機関一回転当たりの噴射回数で除することにより、一噴射当たりの燃料噴射量に影響を及ぼす蒸発燃料量が減量補正値fqcvとして求められる。また、この蒸発燃料量(減量補正値fqcv)によって燃料噴射量を減量補正すること(上記式(i)参照)で、ブローバイガス中の蒸発燃料により生ずる実空燃比の目標空燃比からのずれが補償される。
上記ステップ310の処理を経た後、次回の制御周期での減量補正値fqcvの算出に備え、ステップ320〜350の処理を行うことで、蒸発燃料学習値fpcvを更新する。これは、クランク室38内における蒸発燃料の量が、同蒸発燃料の燃焼室18への流入により次第に減少してゆく現象に蒸発燃料学習値fpcvを対応させるためである。
ステップ320では、上記ステップ310での蒸発燃料学習値fpcvから所定値Dを減算し、その減算結果を新たな蒸発燃料学習値fpcvとして設定する。所定値Dは蒸発燃料量の減少量に対応した値に設定されている。次に、ステップ330において、上記ステップ320での蒸発燃料学習値fpcvが「0」よりも小さいか否かを判定する。この判定条件が満たされている(fpcv<0)と、ステップ340において、「0」を新たな蒸発燃料学習値fpcvとして設定する。すなわち、蒸発燃料学習値fpcvが所定値Dを用いた減量補正により「0」よりも小さな値にならないようにガードする。そして、不揮発性メモリ62に記憶されている値を、この設定した蒸発燃料学習値fpcv(=0)に更新する。また、上記ステップ330での判定条件が満たされていない(fpcv≧0)と、ステップ350において、不揮発性メモリ62に記憶されている値を上記ステップ320での蒸発燃料学習値fpcvに更新する。上記ステップ340,350の処理を経た後に、減量補正値算出ルーチンを一旦終了する。
図7のフローチャートは、蒸発燃料学習値fpcvを算出・更新するための蒸発燃料学習ルーチンを示している。このルーチンの一連の処理は電子制御装置61により、フラグFに基づき所定の制御周期毎に繰り返し実行される。フラグFは、蒸発燃料学習値fpcvを算出中でないかどうかを判定するためのものであり、非算出中には「0」に設定され、算出中には「1」に切り替えられる。
蒸発燃料学習ルーチンでは電子制御装置61は、まずステップ410において、エアフロメータ53による吸入空気量GAが所定値Eよりも少ないかどうかを判定する。所定値Eは、上述した吸入空気量GAについての第1の学習領域R1の上限値に対応した値である。第1の学習領域R1は前述したように、吸入空気量GAの採り得る領域のうち、吸入空気量GAの最も少ない領域である。従って、このように吸入空気量GAの少ない第1の学習領域R1では、ブローバイガス中の蒸発燃料が、吸入空気量GAと燃料量との重量比である空燃比に及ぼす影響が大きいといえる。
複数の学習領域Riのうち吸入空気量GAの少ない第1の学習領域R1に記憶されている空燃比学習値KGiは、蒸発燃料から大きく影響を受けた実空燃比の目標空燃比からのずれに対応した値となる。この空燃比学習値KGiは、吸入空気量GAの多い学習領域Ri(例えば第4の学習領域R4)に記憶され、かつ蒸発燃料から受ける影響が小さい実空燃比の目標空燃比からのずれに対応した空燃比学習値KGiよりも精度の高い値となる。
従って、吸入空気量GAの少ない学習領域Ri(第1の学習領域R1)に記憶されている空燃比学習値KGiが、ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室18に流入したときの制御パラメータとして用いられることで、単位時間当たりに燃焼室18に流入する蒸発燃料が高い精度で算出される。
上記ステップ410の判定条件が満たされていない(GA≧E)と、蒸発燃料が空燃比に及ぼす影響が小さいことから、この機関運転領域で蒸発燃料学習値fpcvを算出してもさほど高い精度の値が得られないとして、蒸発燃料学習ルーチンを一旦終了する。従って、この場合には蒸発燃料学習値fpcvの算出・更新は行われない。これに対し、ステップ410の判定条件が満たされていると、ステップ420においてフラグFが「0」であるかどうか、すなわち蒸発燃料学習値fpcvの非計算中であるかどうかを判定する。
上記ステップ420の判定条件が満たされていない(F=1(計算中))とステップ440へ移行する。これに対し、ステップ420の判定条件が満たされている(F=0(非計算中))と、ステップ430において、ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室18に流入している可能性があるかどうかを判定する。
この判定に際しては次の点が考慮されている。一般に、蒸発燃料が燃焼室18に流入しなければ、フィードバック補正値FAF及び空燃比学習値KGiを用いた燃料噴射量の制御により、混合気の実空燃比が目標空燃比に収束させられる。この状態で蒸発燃料が燃焼室18に流入すると、その分、余分に燃焼室18に燃料が供給された状態になって実空燃比がリッチになる。これに対しては、フィードバック補正値FAF及び空燃比学習値KGiとして燃料噴射量を減量させる側の値が算出される。そのため、このフィードバック補正値FAF及び空燃比学習値KGiの変化態様により、蒸発燃料の燃焼室18への流入の可能性を判定することが可能である。
そこで、ステップ430では、フィードバック補正値FAFが、ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室18に流入していないときの値(例えば1.0)に対し、燃料噴射量を減量させる側へ所定値G以上乖離しているかどうかを判定する。ここで、所定値Gは、吸気通路19にブローバイガス中の蒸発燃料が流入していない状態から流入した状態に切替った場合に生ずるフィードバック補正値FAFの変化量に基づいて設定されている。
ステップ430の判定条件が満たされていないと、ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室18に流入している可能性が低いと判断し、蒸発燃料学習ルーチンを一旦終了する。この場合には、蒸発燃料学習値fpcvの算出・更新が行われない。これに対し、ステップ430の判定条件が満たされていると、目標空燃比よりもリッチとなっている空燃比を目標空燃比に一致させるべくフィードバック補正値FAFが減量側の値を採っていると考えられる。このことから、ブローバイガスからの蒸発燃料が燃焼室18に流入している可能性が高いと判断し、次のステップ440〜460へ移行する。
なお、上記ステップ430ではフィードバック補正値FAFのみに基づいて蒸発燃料の燃焼室18への流入の可能性の有無を判定したが、空燃比学習値KGiのみ、又はフィードバック補正値FAF及び空燃比学習値KGiの両方を用いて、判定を行うようにしてもよい。
ステップ440〜460では、単位時間当たりに燃焼室18に流入する蒸発燃料量である蒸発燃料学習値fpcvを算出する処理を行う。この算出に際しては、次の点が考慮されている。実空燃比を目標空燃比に一致させるべく燃料噴射量を制御する際には制御パラメータ(フィードバック補正値FAF、空燃比学習値KGi)が用いられる。ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室18に流入すると、これらの制御パラメータは、蒸発燃料が燃焼室18に流入しないときとは異なる値を採り、制御パラメータにずれが生ずる。従って、このずれ量は蒸発燃料の燃焼室18への流入量に対応していることとなる。こうした現象に着目し、本実施形態では蒸発燃料が燃焼室18に流入したときと流入しないときとで生ずる上記制御パラメータのずれ量に基づき蒸発燃料学習値fpcvを算出するようにしている。
ステップ440では、第1の燃料噴射量qcを次式(iii )により算出する。第1の燃料噴射量qcは、ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室18に流入している可能性の高い状況下で、現在の吸入空気で目標空燃比を実現するために必要な燃料噴射量である。
qc=気筒当たりの吸入空気量*係数*現学習領域Riでの空燃比学習値KGi
*フィードバック補正値FAF
・・・(iii )
上記式(iii )中の係数は、理論空燃比(=14.5)を目標空燃比とした場合、「1/14.5」である。また、現学習領域Riは、上述したようにステップ410での吸入空気量GAの属する学習領域Riである。ここでは、現学習領域Riは、吸入空気量GAが少なく蒸発燃料が空燃比に及ぼす影響の大きな第1の学習領域R1である。これらの空燃比学習値KGi及びフィードバック補正値FAFは、蒸発燃料が燃焼室18に流入したときの制御パラメータに相当する。このようにして、上記式(iii )により、蒸発燃料が燃焼室18に流入しているときに、目標空燃比を実現するために燃料噴射弁33から噴射される燃料量が、第1の燃料噴射量qcとして求められる。
*フィードバック補正値FAF
・・・(iii )
上記式(iii )中の係数は、理論空燃比(=14.5)を目標空燃比とした場合、「1/14.5」である。また、現学習領域Riは、上述したようにステップ410での吸入空気量GAの属する学習領域Riである。ここでは、現学習領域Riは、吸入空気量GAが少なく蒸発燃料が空燃比に及ぼす影響の大きな第1の学習領域R1である。これらの空燃比学習値KGi及びフィードバック補正値FAFは、蒸発燃料が燃焼室18に流入したときの制御パラメータに相当する。このようにして、上記式(iii )により、蒸発燃料が燃焼室18に流入しているときに、目標空燃比を実現するために燃料噴射弁33から噴射される燃料量が、第1の燃料噴射量qcとして求められる。
次に、ステップ450では、第2の燃料噴射量qhを次式(iv)により算出する。第2の燃料噴射量qhは、ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室18に流入していないと仮定した場合に、現在の量の吸入空気で目標空燃比(理論空燃比)を実現するために必要な燃料噴射量である。
qh=気筒当たりの吸入空気量*係数
*吸入空気量の多い学習領域Riでの空燃比学習値KGi
・・・(iv)
上記式(iv)中の係数は、上記式(iii )中のそれと同じである。なお、式(iv)を式(iii )に対応させたものにしようとすると、式(iv)の右辺にフィードバック補正値FAFを乗算することとなる。ただし、式(iv)は蒸発燃料の燃焼室18への流入のない理想状態を前提としているため、フィードバック補正値FAFは目標空燃比(理論空燃比)に対応した値(=1.0)となる。従って、フィードバック補正値FAFが式(iv)に及ぼす影響は実質的にないことになる。そのため、式(iv)ではフィードバック補正値FAFについての乗算項が省略されている。
*吸入空気量の多い学習領域Riでの空燃比学習値KGi
・・・(iv)
上記式(iv)中の係数は、上記式(iii )中のそれと同じである。なお、式(iv)を式(iii )に対応させたものにしようとすると、式(iv)の右辺にフィードバック補正値FAFを乗算することとなる。ただし、式(iv)は蒸発燃料の燃焼室18への流入のない理想状態を前提としているため、フィードバック補正値FAFは目標空燃比(理論空燃比)に対応した値(=1.0)となる。従って、フィードバック補正値FAFが式(iv)に及ぼす影響は実質的にないことになる。そのため、式(iv)ではフィードバック補正値FAFについての乗算項が省略されている。
ここで、ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室18に流入した場合、その蒸発燃料が空燃比に及ぼす影響度合いはそのときの吸入空気量GAに応じて異なる。この影響度合いは吸入空気量GAが少ないときには大きく、吸入空気量GAが多くなるほど小さくなる。従って、複数の学習領域Riのうち吸入空気量GAの多い学習領域に記憶されている空燃比学習値KGiは、ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室18に流入しないときの値に近い値となる。
そこで、上記式(iv)中の空燃比学習値KGiとしては、式(iii )中のものとは異なり、吸入空気量GAが多く蒸発燃料が空燃比に及ぼす影響の小さな学習領域Riで学習されたもの、例えば、第4の学習領域R4で学習された空燃比学習値KGiが用いられる。この空燃比学習値KGi及びフィードバック補正値FAFは、ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室18に流入しないときの制御パラメータに相当する。このようにして、上記式(iv)により、蒸発燃料が燃焼室18に流入していないと仮定した場合に、目標空燃比を実現するために燃料噴射弁33から噴射されるべき燃料量が、第2の燃料噴射量qhとして求められる。
なお、ステップ440,450の処理については、上記とは逆の順に行われてもよい。すなわち、第2の燃料噴射量qhを算出した後、第1の燃料噴射量qcを算出するようにしてもよい。
そして、ステップ440,450の処理を経た後のステップ460では、蒸発燃料学習値fpcvを次式(v)により算出する。
蒸発燃料学習値fpcv=(第2の燃料噴射量qh−第1の燃料噴射量qc)
*機関回転速度NE*機関一回転当たりの噴射回数
・・・(v)
蒸発燃料学習値fpcvは、上述したように単位時間当たりに燃焼室18に流入する蒸発燃料量である。一方、第2の燃料噴射量qhは、ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室18に流入していないと仮定した場合に、現在の吸入空気で目標空燃比を実現するために必要な燃料噴射量である。また、第1の燃料噴射量qcは、ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室18に流入している可能性の高い状況下で、現在の量の吸入空気で目標空燃比を実現するために必要な燃料噴射量である。従って、それらの偏差(=qh−qc)は、ブローバイガス中の蒸発燃料について、単位時間当たりに燃焼室18に流入する量に相当する。
蒸発燃料学習値fpcv=(第2の燃料噴射量qh−第1の燃料噴射量qc)
*機関回転速度NE*機関一回転当たりの噴射回数
・・・(v)
蒸発燃料学習値fpcvは、上述したように単位時間当たりに燃焼室18に流入する蒸発燃料量である。一方、第2の燃料噴射量qhは、ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室18に流入していないと仮定した場合に、現在の吸入空気で目標空燃比を実現するために必要な燃料噴射量である。また、第1の燃料噴射量qcは、ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室18に流入している可能性の高い状況下で、現在の量の吸入空気で目標空燃比を実現するために必要な燃料噴射量である。従って、それらの偏差(=qh−qc)は、ブローバイガス中の蒸発燃料について、単位時間当たりに燃焼室18に流入する量に相当する。
次に、ステップ470において、蒸発燃料学習値fpcvを更新する更新条件が成立しているかどうかを判定する。更新条件としては、例えば「フィードバック補正値FAFが所定の値に収束すること」、及び「空燃比学習値KGiが変化しなくなること」をそれぞれ条件とし、少なくとも一方の条件が満たされていることが挙げられる。具体的には、前者の条件が満たされているかどうかについては、例えば、フィードバック補正値FAFが、所定の値(例えば1.0)を含む所定の範囲(例えば、0.95〜1.05)に属しているかどうかを判定する。また、後者の条件が満たされているかどうかについては、例えば、空燃比学習値KGiが変化しない状態が、予め定めた制御周期続いたかどうかを判定する。
上記ステップ470の判定条件が満たされていないと、蒸発燃料学習値fpcvを更新するタイミングではないと判断する。同蒸発燃料学習値fpcvの算出を継続すべく、ステップ480においてフラグFを、蒸発燃料学習値fpcvの算出中である旨を示す「1」に設定し、その後に、蒸発燃料学習ルーチンを一旦終了する。なお、このフラグFは、次回の制御周期におけるステップ420での判定処理に用いられる。この場合、F=1であることから、ステップ420の判定条件が満たされず、ステップ430の処理を経ることなく、ステップ440へ移行する。
これに対し、上記ステップ470の判定条件が満たされていると、蒸発燃料学習値fpcvを更新するタイミングになったと判断し、ステップ490へ移行してフラグFを「0」に設定する。続いて、ステップ500において、不揮発性メモリ62に記憶されている蒸発燃料学習値fpcvを、現制御周期で算出した蒸発燃料学習値fpcvに更新する。
ここで、仮に、更新された蒸発燃料学習値fpcvに基づく燃料噴射量の減量補正が行われるようになっても、更新時の空燃比学習値KGiを用いた燃料噴射量の制御が継続されるものとすると、減量補正の分、燃料噴射量が過剰に減量されることになる。そこで、ステップ500では、蒸発燃料学習値fpcvに基づく減量補正値fqcvによる減量補正量に相当する分、空燃比学習値KGiを、燃料噴射量を増量する側へ補正する処理も行う。この補正により、上記のように燃料噴射量が過剰に減量されることがなくなる。そして、ステップ500の処理を経た後に、この蒸発燃料学習ルーチンを一旦終了する。
上記蒸発燃料学習ルーチンにおいては、電子制御装置61によるステップ440〜460,500の処理が蒸発燃料学習値更新手段に相当し、ステップ460において空燃比学習値KGiを補正する処理が制御パラメータ補正手段に相当する。
なお、上記のように更新された蒸発燃料学習値fpcvは減量補正値fqcvの算出に用いられる。すなわち、この蒸発燃料学習値fpcvに基づき上記式(ii)に従って減量補正値fqcvが算出される。そして、上記式(i)に従い、燃料噴射量が減量補正値fqcvによって減量補正される。従って、蒸発燃料が燃焼室18に流入した場合にこうした蒸発燃料学習値fpcvを用いた燃料噴射量の減量補正を行わない場合には実空燃比が目標空燃比からずれるが、蒸発燃料学習値fpcvを燃料噴射量に反映することでこのずれが抑制される。
上述した図4〜図7の各ルーチンが行われると、燃焼室18への蒸発燃料の流入に伴い、フィードバック補正値FAF、空燃比学習値KGi、蒸発燃料学習値fpcv及び空燃比が例えば図8に示すように変化する。この例は、タイミングt1で蒸発燃料が流入を開始し、その後も流入が継続している場合を示している。
タイミングt1よりも前には、ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室18に流入していない。フィードバック補正値FAF及び空燃比学習値KGiがともに安定しており、実空燃比が目標空燃比に収束している。蒸発燃料学習値fpcvは「0」を維持している。
クランク室38内の機関オイルの温度上昇に伴い、同機関オイル中の燃料が気化を始め、タイミングt1で燃焼室18への蒸発燃料の流入が開始されると、その分、混合気に占める燃料量が多くなり、空燃比がリッチ側へずれようとする。そのため、このずれを補償すべくフィードバック補正値FAFが燃料噴射量を減量させる側の値に変化する(減少する)。このフィードバック補正値FAFの変化に伴い空燃比学習値KGiもまた燃料噴射量を減量させる側の値に変化する(減少する)。
上記フィードバック補正値FAF及び空燃比学習値KGiの変化により、蒸発燃料の流入により生じた実空燃比の目標空燃比からのずれが小さくなっていく。そして、タイミングt2において、フィードバック補正値FAF及び空燃比学習値KGiが蒸発燃料量に対応した値、すなわち蒸発燃料による空燃比のずれを吸収できる値になると、蒸発燃料量を減量した量の燃料が噴射されて実空燃比が目標空燃比に収束する。
このタイミングt2では、フィードバック補正値FAFが制御基準値(=1.0)に対し減量側にずれている。このため、その後も空燃比学習値KGiが燃料噴射量を減量させる側へ変化し続ける。この空燃比学習値KGiの変化を打ち消すために、フィードバック補正値FAFは燃料噴射量を減量させる側への変化を停止し、制御基準値(=1.0)に近づく側へ変化し始める。
そして、タイミングt3で、フィードバック補正値FAFが制御基準値(=1.0)に収束すると、それに伴い空燃比学習値KGiも変化しなくなる。このときの空燃比学習値KGiは、これのみで、蒸発燃料の流入による実空燃比の目標空燃比からのずれを補償し得る値、すなわち蒸発燃料量に対応した値となっている。
上記タイミングt3では更新条件が満たされ(ステップ470:YES)、そのときに算出された蒸発燃料学習値fpcvによって不揮発性メモリ62に記憶されている蒸発燃料学習値fpcvが更新される(ステップ500)。この更新された蒸発燃料学習値fpcvを用いて減量補正値fqcvが算出され、燃料噴射量が減量補正される。
また、タイミングt3では、空燃比学習値KGiは、減量補正値fqcvによる減量補正が打ち消されるように補正される(ステップ500)。また、タイミングt3以降には、蒸発燃料学習値fpcvが所定の制御周期毎に所定値Dずつ減量される。
以上詳述した本実施形態によれば、次の効果が得られる。
(1)ブローバイガスに含まれ、かつ単位時間当たりに燃焼室18に流入する蒸発燃料の量を、蒸発燃料学習値fpcvとして不揮発性メモリ62に記憶しておく。ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室18に流入したときと流入しないときとで生ずる制御パラメータ(フィードバック補正値FAF、空燃比学習値KGi)のずれ量に基づき、単位時間当たりに燃焼室18に流入する蒸発燃料の量を算出し、蒸発燃料学習値fpcvを更新する。そして、蒸発燃料により生ずる実空燃比の目標空燃比からのずれを補償すべく、蒸発燃料学習値fpcvに基づき燃料噴射量を減量補正するようにしている。
(1)ブローバイガスに含まれ、かつ単位時間当たりに燃焼室18に流入する蒸発燃料の量を、蒸発燃料学習値fpcvとして不揮発性メモリ62に記憶しておく。ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室18に流入したときと流入しないときとで生ずる制御パラメータ(フィードバック補正値FAF、空燃比学習値KGi)のずれ量に基づき、単位時間当たりに燃焼室18に流入する蒸発燃料の量を算出し、蒸発燃料学習値fpcvを更新する。そして、蒸発燃料により生ずる実空燃比の目標空燃比からのずれを補償すべく、蒸発燃料学習値fpcvに基づき燃料噴射量を減量補正するようにしている。
従って、蒸発燃料が燃焼室18に流入したときに、こうした蒸発燃料学習値fpcvを用いた燃料噴射量の減量補正を行わない場合に比べ、実空燃比の目標空燃比からのずれを抑制することができる。
(2)フィードバック補正値FAFが所定の値(制御基準値)に収束すること、及び空燃比学習値KGiが変化しなくなることをそれぞれ条件とし、少なくとも一方の条件が満たされると、フィードバック補正値FAF及び空燃比学習値KGiに基づき蒸発燃料学習値fpcvを更新するようにしている。このときのフィードバック補正値FAF及び空燃比学習値KGiは、蒸発燃料の流入による実空燃比の目標空燃比からのずれを補償し得る値、すなわち蒸発燃料量に対応した値になっている。そのため、更新後には、実際の蒸発燃料量に対応した精度の高い蒸発燃料学習値fpcvを得ることができる。
(3)更新された蒸発燃料学習値fpcvに基づく燃料噴射量の減量補正が行われるようになっても、更新時の空燃比学習値KGiを用いた燃料噴射量の制御が継続されると、減量補正の分だけ燃料噴射量が過剰に減量される。この点、本実施形態では、空燃比学習値KGiを、燃料噴射量の減量補正量に相当する量、燃料噴射量を増量する側へ補正するようにしている。そのため、上記のように燃料噴射量が過剰に減量されるのを抑制することができる。
(4)ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室18に流入した場合、その蒸発燃料が空燃比に及ぼす影響度合いは吸入空気量GAが少ないときには大きく、吸入空気量GAが多くなるほど小さくなる。そのため、複数の学習領域Riのうち吸入空気量GAの多い学習領域Riに記憶されている空燃比学習値KGiは、ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室18に流入しないときの値に近い値となる。
この点、本実施形態では、吸入空気量GAの多い学習領域Ri(第4の学習領域R4)に記憶されている空燃比学習値KGiを、蒸発燃料学習値fpcvの更新に際し、ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室18に流入しないときの制御パラメータとして用いるようにしている。そのため、単位時間当たりに燃焼室18に流入する蒸発燃料として適切な値を算出することができる。
(5)蒸発燃料が吸気通路19に流入しなければ、フィードバック補正値FAF及び空燃比学習値KGiを用いた燃料噴射量の制御により、混合気の実空燃比が目標空燃比に収束する。この状態で蒸発燃料が吸気通路19に流入すると、その分、余分に燃焼室18に燃料が供給された状態になって実空燃比が目標空燃比よりもリッチになる。これに対しては、フィードバック補正値FAF及び空燃比学習値KGiとして燃料噴射量を減量させる側の値が算出される。
この点、本実施形態では、フィードバック補正値FAFが、ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室18に流入していないときの値(=1.0)に対し、燃料噴射量を減量させる側へ所定値G以上ずれていると、蒸発燃料が燃焼室18に流入している可能性があるとして、制御パラメータのずれ量に基づく蒸発燃料学習値fpcvの更新を行うようにしている。従って、蒸発燃料学習値fpcvの更新を、蒸発燃料が流入しているときに確実に行うことができるようになる。
(6)蒸発燃料が空燃比に及ぼす影響度合いと吸入空気量GAとの上記関係より、複数の学習領域Riのうち吸入空気量GAの少ない学習領域(第1の学習領域R1)に記憶されている空燃比学習値KGiは、蒸発燃料から大きく影響を受けた実空燃比の目標空燃比からのずれに対応した値となる。この空燃比学習値は、吸入空気量GAの多い学習領域(第4の学習領域R4)に記憶され、かつ蒸発燃料から受ける影響が小さい実空燃比の目標空燃比からのずれに対応した空燃比学習値よりも精度の高い値となる。
この点、本実施形態では、実際の吸入空気量GAが吸入空気量の少ない学習領域Ri(第1の学習領域R1)の値となったとき、その学習領域Riに記憶されている空燃比学習値KGiを、ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室18に流入したときの制御パラメータとして用いるようにしている。そのため、この空燃比学習値KGiと、蒸発燃料が燃焼室18に流入しないときの空燃比学習値KGiとのずれに基づき、単位時間当たりに燃焼室18に流入する蒸発燃料を高い精度で算出することができる。
(7)単位時間当たりに燃焼室18に流入するブローバイガス中の蒸発燃料の量は、機関オイルの温度一定のもと機関運転状態に拘わらず略一定であると考えられる。この点、本実施形態では、蒸発燃料学習値fpcvを、そのときどきの機関回転速度NE及び機関一回転当たりの噴射回数で除算するようにしている。この除算により、一噴射当たりの燃料噴射量に影響を及ぼす蒸発燃料量を正確に求めることができる。また、この蒸発燃料量によって燃料噴射量を減量補正することで、ブローバイガス中の蒸発燃料により生ずる実空燃比の目標空燃比からのずれを確実に補償することができる。
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
・本発明は、図9に示すように、蒸発燃料処理装置71を備えた内燃機関11にも適用可能である。蒸発燃料処理装置71は、燃料タンク72等の燃料供給系で発生した蒸発燃料を捕集して大気中に放出することなくこれを処理するためのものであり、蒸発燃料を吸着する吸着材が内蔵されたキャニスタ73を備えている。
・本発明は、図9に示すように、蒸発燃料処理装置71を備えた内燃機関11にも適用可能である。蒸発燃料処理装置71は、燃料タンク72等の燃料供給系で発生した蒸発燃料を捕集して大気中に放出することなくこれを処理するためのものであり、蒸発燃料を吸着する吸着材が内蔵されたキャニスタ73を備えている。
キャニスタ73には、燃料タンク72に繋がるベーパ通路74と、吸気通路19におけるスロットルバルブ21よりも下流側に繋がるパージ通路75と、キャニスタ73に大気を導入するための大気導入通路76とが接続されている。また、パージ通路75を開閉するパージ制御弁77が設けられている。なお、図9において図1と同様の部材、箇所等については同一の符号が付されている。
この蒸発燃料処理装置71によると、燃料タンク72等の燃料供給系で発生する蒸発燃料は、燃料タンク72からベーパ通路74を通じてキャニスタ73内に導入され、吸着材によって一旦吸着される。この状態にあって、パージ制御弁77が開かれると、大気導入通路76を通じてキャニスタ73内に大気が導入され、この大気とともに吸着材に吸着されている燃料がパージ通路75を通り、パージガスとして吸気通路19に排出(パージ)される。このパージガスの流量は、パージ制御弁77の開度調整によって制御される。
上記蒸発燃料処理装置71を備えた内燃機関11では、パージ制御弁77が開かれてパージガスが吸気通路19に流入すると、蒸発燃料学習値fpcvの算出精度を低下させる要因となり得る。そこで、図7の蒸発燃料学習ルーチンにおいて、蒸発燃料学習値fpcvの算出に際し、パージを停止させる処理を追加してもよい。
具体的には、図10に示すように、ステップ430とステップ440との間にステップ435の処理を加える。ステップ435では、上記パージ制御弁77を強制的に閉弁させてパージをカット(停止)する。このカットにより、蒸発燃料(パージガス)は、吸気通路19を通じて燃焼室18へは流入しない。そのため、パージガスを含まないかたちで、燃焼室18に流入する蒸発燃料の量、この場合、燃焼室18に流入するブローバイガス中の蒸発燃料の量(蒸発燃料学習値fpcv)を精度よく算出することが可能となる。
また、図11に示すように、ステップ500の処理の直後にステップ505の処理を加える。ステップ505では、上述したパージ制御弁77の強制的な閉弁を終了して、パージを許可する。この許可に応じ、パージ制御弁77の開度が適宜に調整されることで、キャニスタ73内の吸着材に吸着されている燃料がパージ通路75を通じて吸気通路19にパージされる。
・上記のように、蒸発燃料学習値fpcvの学習に際しパージをカット(停止)すると、その分、キャニスタ73の吸着材に吸着した蒸発燃料を吸気通路19にパージさせる機会が減る。
そこで、上記図10及び図11の蒸発燃料学習ルーチンにおいて、蒸発燃料学習値fpcvの算出に先立ち、ステップ405の処理を加えてもよい。このステップ405では、蒸発燃料学習値fpcvの前回の更新時から所定時間Tが経過しているかどうかを判定する。そして、この判定条件が満たされている場合にステップ410以降の一連の処理を行い、満たされていない場合には、そのまま蒸発燃料学習ルーチンを一旦終了する。このようにすると、蒸発燃料学習値fpcvについての前回の更新時点から所定時間Tが経過するまでは、蒸発燃料学習値fpcvの次の更新が行われない。これに伴いパージのカットも行われない。従って、蒸発燃料学習値fpcvの更新が頻繁に行われて、パージの機会が不要に減少されないようにすることができる。
・内燃機関11の冷間始動時には、クランク室38内の機関オイルの温度が低く、同機関オイルに混入している燃料が気化しにくい。この状況下で燃焼室18に流入するブローバイガス中の蒸発燃料は少ない。吸入空気量GAに対し蒸発燃料量は無視できるほど少なく、蒸発燃料が空燃比に及ぼす影響度合いが小さい。
そこで、複数の学習領域Riの1つとして第5の学習領域R5を別途設け、内燃機関11の冷間始動時に空燃比学習値KGiを算出し第5の学習領域R5に記憶する。記憶された空燃比学習値KGiは、ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室18に流入しないときの値に近い値となる。そして、上記第5の学習領域R5に記憶された空燃比学習値KGiを、蒸発燃料学習値fpcvの更新に際し、ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室18に流入しないときの制御パラメータとして用いるようにしてもよい。このようにしても、単位時間当たりに燃焼室18に流入する蒸発燃料を適切に算出することができる。
・ブローバイガス通路43に、ブローバイガスの流量を調整するためのバルブを設ける。複数の学習領域Riの1つとして第6の学習領域R6を別途設け、上記バルブを制的に閉じて蒸発燃料を含むブローバイガスの燃焼室18への流入を遮断し、このときの空燃比学習値KGiを第6の学習領域R6に記憶する。記憶された空燃比学習値KGiは、ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室18に流入しないときの値に相当する。そして、上記第6の学習領域R6に記憶された空燃比学習値KGiを、蒸発燃料学習値fpcvの更新に際し、ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室18に流入しないときの制御パラメータとして用いるようにしてもよい。このようにしても、単位時間当たりに燃焼室18に流入する蒸発燃料を適切に算出することができる。
・図7及び図11におけるステップ470の更新条件を変え、上記実施形態とは異なるタイミングで蒸発燃料学習値fpcvを更新するようにしてもよい。
詳しくは、図8に示すように、ブローバイガス中の蒸発燃料がタイミングt1で燃焼室18に流入し始め、実空燃比が目標空燃比よりもリッチ側にずれると、そのずれを補償すべくフィードバック補正値FAF及び空燃比学習値KGiが燃料噴射量を減量させる側へ変化する。そして、これらのフィードバック補正値FAF及び空燃比学習値KGiの組み合わせが蒸発燃料量に対応した値になると、蒸発燃料量分減量された量の燃料が噴射されることとなって実空燃比が目標空燃比に収束する(タイミングt2)。
詳しくは、図8に示すように、ブローバイガス中の蒸発燃料がタイミングt1で燃焼室18に流入し始め、実空燃比が目標空燃比よりもリッチ側にずれると、そのずれを補償すべくフィードバック補正値FAF及び空燃比学習値KGiが燃料噴射量を減量させる側へ変化する。そして、これらのフィードバック補正値FAF及び空燃比学習値KGiの組み合わせが蒸発燃料量に対応した値になると、蒸発燃料量分減量された量の燃料が噴射されることとなって実空燃比が目標空燃比に収束する(タイミングt2)。
そこで、実空燃比が目標空燃比に収束していることを更新条件とする。そして、この更新条件が満たされている場合に、その時点のフィードバック補正値FAF及び空燃比学習値KGiに基づき蒸発燃料学習値fpcvを算出・更新する。このようにしても、上記実施形態と同様、更新後の蒸発燃料学習値fpcvは、実際の蒸発燃料量に対応した精度の高い値となる。
なお、更新された蒸発燃料学習値fpcvに基づく燃料噴射量の減量補正が行われるようになっても、更新時のフィードバック補正値FAF及び空燃比学習値KGiを用いた燃料噴射量の制御が継続されると、減量補正の分、燃料噴射量が過剰に減量されることになる。
そこで、蒸発燃料学習値fpcvの更新に応じ、燃料噴射量の減量補正量に相当する量、フィードバック補正値FAF及び空燃比学習値KGiを、燃料噴射量を増量する側へ補正するようにしてもよい。電子制御装置61によるこの補正処理は制御パラメータ補正手段に相当する。こうした補正を行うことで、上記のように燃料噴射量が過剰に減量されることがなくなる。
・上記と関連するが、実空燃比が目標空燃比に収束するタイミングt2よりも前のタイミングで、その時点のフィードバック補正値FAF及び空燃比学習値KGiに基づき蒸発燃料学習値fpcvを算出・更新するようにしてもよい。この場合、蒸発燃料学習値fpcvの精度は、タイミングt2以降に蒸発燃料学習値fpcvを算出・更新する場合ほど高くない。しかし、この蒸発燃料学習値fpcvに基づき燃料噴射量を減量補正すれば、こうした減量補正を行わない場合よりも実空燃比の目標空燃比からのずれを抑制することができる。
11…内燃機関、18…燃焼室、33…燃料噴射弁、38…クランク室、56…酸素センサ(空燃比センサ)、61…電子制御装置(学習値更新手段、減量補正手段、制御パラメータ補正手段)、62…不揮発性メモリ(蒸発燃料学習値記憶手段)、71…蒸発燃料処理装置、73…キャニスタ、fpcv…蒸発燃料学習値、FAF…フィードバック補正値(制御パラメータ)、GA…吸入空気量、KGi…空燃比学習値(制御パラメータ)、NE…機関回転速度、Ri…学習領域。
Claims (13)
- 内燃機関の燃焼室で燃焼される混合気の実空燃比が機関運転状態に応じた目標空燃比に一致するように、燃料噴射弁からの燃料噴射量を所定の制御パラメータを用いて制御するようにした内燃機関の燃料噴射制御装置において、
前記混合気の燃焼に伴い発生するブローバイガスに含まれ、かつ単位時間当たりに前記燃焼室に流入する蒸発燃料の量を蒸発燃料学習値として記憶する蒸発燃料学習値記憶手段と、
前記蒸発燃料により生ずる実空燃比の前記目標空燃比からのずれを補償すべく、前記蒸発燃料学習値記憶手段による蒸発燃料学習値に基づき前記燃料噴射量を減量補正する減量補正手段と、
前記ブローバイガス中の蒸発燃料が前記燃焼室に流入したときと流入しないときとで生ずる前記制御パラメータのずれ量に基づき、前記単位時間当たりに燃焼室に流入する蒸発燃料を算出し、前記蒸発燃料学習値記憶手段における蒸発燃料学習値を更新する蒸発燃料学習値更新手段と
を備えることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。 - 前記制御パラメータは、前記目標空燃比に対する前記実空燃比の過渡的なずれを補償すべく、空燃比センサにより検出される空燃比に基づき算出されるフィードバック補正値と、前記目標空燃比に対する前記実空燃比の定常的なずれを補償すべく機関運転状態により区分された複数の学習領域毎に記憶され、かつ前記フィードバック補正値の基準値との偏差に基づき更新される空燃比学習値とからなる請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
- 前記蒸発燃料学習値更新手段は、前記フィードバック補正値及び前記空燃比学習値を用いた燃料噴射量の制御により前記実空燃比が前記目標空燃比に収束したとき、前記フィードバック補正値及び前記空燃比学習値に基づき蒸発燃料学習値を更新する請求項2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
- 前記蒸発燃料学習値更新手段による蒸発燃料学習値の更新に応じ、前記減量補正手段による燃料噴射量の減量補正量に相当する量、前記フィードバック補正値及び前記空燃比学習値を、燃料噴射量を増量する側へ補正する制御パラメータ補正手段をさらに備える請求項3に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
- 前記蒸発燃料学習値更新手段は、前記フィードバック補正値が所定の値に収束すること、及び前記空燃比学習値が変化しなくなることをそれぞれ条件とし、少なくとも一方の条件が満たされると前記フィードバック補正値及び前記空燃比学習値に基づき前記蒸発燃料学習値を更新する請求項2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
- 前記蒸発燃料学習値更新手段による蒸発燃料学習値の更新に応じ、前記減量補正手段による燃料噴射量の減量補正量に相当する量、前記空燃比学習値を、燃料噴射量を増量する側へ補正する制御パラメータ補正手段をさらに備える請求項5に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
- 前記空燃比学習値が記憶される複数の学習領域は、前記内燃機関への吸入空気量に応じて区分されており、
前記蒸発燃料学習値更新手段は、前記複数の学習領域のうち吸入空気量の多い学習領域に記憶されている空燃比学習値を、前記蒸発燃料学習値の更新に際し、前記ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室に流入しないときの制御パラメータとして用いる請求項2〜6のいずれか1つに記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。 - 前記ブローバイガス中の蒸発燃料は、前記内燃機関のクランク室内の機関オイルに混入している燃料が同機関オイルの温度上昇に伴い気化したものを含んでおり、
前記複数の学習領域は、前記内燃機関の冷間始動時に空燃比学習値が記憶される学習領域を含んでおり、
前記蒸発燃料学習値更新手段は、前記内燃機関の冷間始動時に記憶された空燃比学習値を、前記蒸発燃料学習値の更新に際し、前記ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室に流入しないときの制御パラメータとして用いる請求項2〜6のいずれか1つに記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。 - 前記蒸発燃料学習値更新手段は、前記フィードバック補正値及び空燃比学習値の少なくとも一方が、ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室に流入していないときの値に対し、燃料噴射量を減量させる側へ所定値以上乖離していると、同蒸発燃料が燃焼室に流入しているとして、前記制御パラメータのずれ量に基づく蒸発燃料学習値の更新を実行する請求項2〜8のいずれか1つに記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
- 前記空燃比学習値が記憶される複数の学習領域は、前記内燃機関への吸入空気量に応じて区分されており、
前記蒸発燃料学習値更新手段は、実吸入空気量が、前記複数の学習領域のうち吸入空気量の少ない学習領域の値となったとき、その学習領域に記憶されている空燃比学習値を、前記蒸発燃料学習値の更新に際し、前記ブローバイガス中の蒸発燃料が燃焼室に流入したときの制御パラメータとして用いる請求項2〜9のいずれか1つに記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。 - 前記減量補正手段は、前記蒸発燃料学習値を、そのときどきの機関回転速度及び機関一回転当たりの噴射回数にて除することにより一噴射当たりの燃料噴射量に影響を及ぼす蒸発燃料量を算出し、同蒸発燃料量により前記燃料噴射量を減量補正するものである請求項1〜10のいずれか1つに記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
- 前記内燃機関は、燃料供給系で発生した蒸発燃料をキャニスタに一時的に吸着させ、所定の時期に前記燃焼室にパージする蒸発燃料処理装置を備えており、
前記蒸発燃料学習値更新手段は、前記蒸発燃料学習値の更新を、前記蒸発燃料処理装置によるパージを停止させた状態で行う請求項1〜11のいずれか1つに記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。 - 前記蒸発燃料学習値更新手段は、前回の更新時から所定時間が経過していることを条件に前記蒸発燃料学習値の更新を行う請求項12に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
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2006
- 2006-03-31 JP JP2006099750A patent/JP2007270772A/ja active Pending
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