JP7395380B2 - 駆動装置及び定着装置 - Google Patents

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Description

本発明は、駆動源の駆動を伝達する駆動装置、及び、このような駆動装置を備えた定着装置に関する。
定着装置として、2つの回転体により形成されるニップ部に記録材を挟持することで、記録材にトナー像を定着させる構成が従来から知られている。また、2つの回転体の加圧を解除する加圧解除機構を有する構成で、加圧解除機構の駆動と、回転体を駆動させるための駆動とを、一方向クラッチユニットにより、駆動源の回転方向を変えることで切り替える構成も提案されている(特許文献1)。
特許文献1に記載の構成の場合、一方向クラッチユニットは、入力ギアと、出力ギアと、入力ギアと出力ギアとの間に配置された駆動伝達部材とを有する。駆動伝達部材は、駆動源の正回転時に入力ギア及び出力ギアと係合して、入力ギアの駆動を出力ギアに伝達する。一方、駆動伝達部材は、駆動源の逆回転時に出力ギアとの係合が外れることで、入力ギアと出力ギアとの間の駆動伝達を解除する。また、駆動伝達部材は、出力ギアの内周面に弾性的に当接する弾性当接部を有する。この弾性当接部が出力ギアの内周面と当接していることで、駆動源が逆回転から正回転に切り替わった際に、駆動伝達部材が入力ギアと連れ回らないようにして、駆動伝達部材と出力ギアとの係合を可能としている。
特開2019-23695号公報
特許文献1に記載の構成の場合、入力ギア及び出力ギアをはすばギアとしており、駆動源の正回転時にスラスト力が発生する。ここで、このスラスト力が、駆動源の正回転時に入力ギアと出力ギアが互いに離れる方向に生じると、弾性当接部と出力ギアの内周面との掛かり量が浅くなる虞がある。この場合、弾性当接部による付勢力が低下したり、或いは、弾性当接部が出力ギアの内周面から外れてしまったりして、駆動伝達部材が出力ギアと十分に係合できずに、入力ギアと出力ギアとの間の駆動伝達が適切に行えなくなる虞がある。
一方、入力ギアと出力ギアとに互いに向き合う方向にスラスト力を発生させるようにしたとしても、そのスラスト力の合力が所定方向に大き過ぎると、次のような問題が発生する虞がある。即ち、入力ギアと出力ギアのうちの所定方向にあるギアの端面と、このギアのスラスト方向の移動を規制する規制部との摺動抵抗が大きくなったり、ギアの端面が規制部との摺動により摩耗してしまう虞がある。ギアの端面が摩耗すると摩耗粉が生じ、周辺にある部材(例えばギア)に付着して、作動不良が生じ易くなる。
本発明は、上述のような一方向クラッチユニットを有する構成で、入力ギアと出力ギアとの間の駆動伝達を適切に行え、ギアの端面の摩耗の発生を抑制できる構成を提供することを目的とする。
本発明の駆動装置は、正逆回転可能な駆動源により駆動される第1ギアと、第2ギアと、前記第1ギアと前記第2ギアとの間の駆動伝達経路に設けられた一方向クラッチユニットと、を備え、前記一方向クラッチユニットは、入力側係合部を有し、前記第1ギアから駆動が入力される入力ギアと、出力側係合部を有し、前記第2ギアに駆動を出力する出力ギアと、前記入力ギアと前記出力ギアとの間に配置され、前記入力側係合部と係合可能な第1係合部と、前記出力側係合部と係合可能な第2係合部と、を有し、前記駆動源の正回転時に前記第1係合部と前記入力側係合部とが係合すると共に前記第2係合部と前記出力側係合部とが係合することで前記入力ギアの駆動を前記出力ギアに伝達し、前記駆動源の逆回転時に前記第2係合部と前記出力側係合部との係合が外れることで前記入力ギアと前記出力ギアとの間の駆動伝達を実質的に解除する駆動伝達部材と、前記出力ギアと前記駆動伝達部材との何れか一方の部材に設けられ、他方の部材に対して弾性的に当接する弾性当接部と、を有し、前記入力ギアと前記出力ギアは、それぞれはすばギアであり、前記駆動源の正回転時に前記入力ギア及び前記出力ギアに生じるスラスト力の方向が互いに向き合う方向となるように、前記入力ギア及び前記出力ギアの歯のねじれ方向が規定されており、且つ、前記入力ギアのピッチ円直径をD1、前記出力ギアのピッチ円直径をD2、前記入力ギアの歯のねじれ角をβ1、前記出力ギアの歯のねじれ角をβ2とした場合に、D1>D2、且つ、β1>β2、又は、D1<D2、且つ、β1<β2を満たすように、前記入力ギア及び前記出力ギアのピッチ円直径及び歯のねじれ角が規定されていることを特徴とする。
また、本発明の駆動装置は、正逆回転可能な駆動源により駆動される第1ギアと、第2ギアと、前記第1ギアと前記第2ギアとの間の駆動伝達経路に設けられた一方向クラッチユニットと、を備え、前記一方向クラッチユニットは、入力側係合部を有し、前記第1ギアから駆動が入力される入力ギアと、出力側係合部を有し、前記第2ギアに駆動を出力する出力ギアと、前記入力ギアと前記出力ギアとの間に配置され、前記入力側係合部と係合可能な第1係合部と、前記出力側係合部と係合可能な第2係合部と、を有し、前記駆動源の正回転時に前記第1係合部と前記入力側係合部とが係合すると共に前記第2係合部と前記出力側係合部とが係合することで前記入力ギアの駆動を前記出力ギアに伝達し、前記駆動源の逆回転時に前記第2係合部と前記出力側係合部との係合が外れることで前記入力ギアと前記出力ギアとの間の駆動伝達を実質的に解除する駆動伝達部材と、前記出力ギアと前記駆動伝達部材との何れか一方の部材に設けられ、他方の部材に対して弾性的に当接する弾性当接部と、を有し、前記入力ギアと前記出力ギアは、それぞれはすばギアであり、前記駆動源の正回転時に前記入力ギア及び前記出力ギアに生じるスラスト力の方向が互いに向き合う方向となるように、前記入力ギア及び前記出力ギアの歯のねじれ方向が規定されており、且つ、前記駆動源の正回転時に前記入力ギアに生じるスラスト力をFa1、前記駆動源の正回転時に前記出力ギアに生じる力をFa2とした場合に、0.5×Fa2>Fa2-Fa1≧0を満たすように、前記入力ギア及び前記出力ギアの歯のねじれ角が規定されていることを特徴とする。
本発明によれば、一方向クラッチユニットを有する構成で、入力ギアと出力ギアとの間の駆動伝達および駆動伝達の解除を適切に行え、ギアの端面の摩耗の発生を抑制できる。
(a)第1の実施形態に係る画像形成装置の概略構成断面図、(b)開閉扉を開いた状態を示す画像形成装置の概略構成断面図。 第1の実施形態に係る定着装置の概略構成断面図。 第1の実施形態に係る定着装置の加圧解除機構を示す図。 第1の実施形態に係る定着装置が装置本体に装着されている状態を示す図。 第1の実施形態に係る定着装置を駆動側から見た図。 (a)第1の実施形態に係る駆動切替装置の斜視図、(b)同じく駆動カバーを省略した状態で示す斜視図。 (a)第1の実施形態に係る一方向クラッチユニットの分解斜視図、(b)(a)と反対側から見た分解斜視図。 (a)第1の実施形態に係る駆動伝達カムの斜視図、(b)(a)と反対側から見た斜視図。 (a)第1の実施形態に係る一方向クラッチユニットの平面図、(b)(a)のA-A断面図。 (a)第1の実施形態に係る一方向クラッチユニットの平面図、(b)(a)のB-B断面図。 (a)第1の実施形態に係る振り子ギアの分解斜視図、(b)同じく断面図。 (a)第1の実施形態に係る振り子ギアがアイドラギアと噛み合った状態を示す図、(b)この状態の突起部と規制溝との関係を示す図。 (a)第1の実施形態に係る振り子ギアがアイドラギアと噛み合ってない状態を示す図、(b)この状態の突起部と規制溝との関係を示す図。 (a)第1の実施形態に係る一方向クラッチユニットの平面図、(b)(a)のC-C断面図。 第1の実施形態に係る一方向クラッチユニットの側面図。 第2の実施形態に係る一方向クラッチユニット及びモータの側面図。
<第1の実施形態>
第1の実施形態について、図1ないし図15を用いて説明する。まず、本実施形態の画像形成装置500の概略構成について、図1(a)、(b)を用いて説明する。
[画像形成装置]
本実施形態の画像形成装置500は、それぞれ像担持体としての感光ドラム2を有する4つの画像形成部(カートリッジ)1Y、1M、1C、1Bkを備えた電子写真方式のタンデム型のフルカラープリンタである。画像形成装置500は、装置本体500Aに接続された原稿読み取り装置(図示せず)又は装置本体500Aに対し通信可能に接続されたパーソナルコンピュータなどのホスト機器からの画像信号に応じてトナー像(画像)を記録材に形成する。記録材としては、用紙、プラスチックフィルム、布などのシート材が挙げられる。また、画像形成部1Y、1M、1C、1Bkは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を形成する。
なお、画像形成装置500が備える4つの画像形成部1Y、1M、1C、1Bkは、現像色が異なることを除いて実質的に同一の構成を有する。したがって、代表して画像形成部1Yについて説明し、その他の画像形成部については説明を省略する。
画像形成部1Yには、像担持体として円筒型の感光体、即ち、感光ドラム2が配設されている。感光ドラム2は、図中矢印方向に回転駆動される。感光ドラム2の周囲には帯電手段としての帯電ローラ3、現像装置4、転写手段としての一次転写ローラ5、クリーニング手段としてのクリーニング装置6が配置されている。感光ドラム2の図中下方には露光手段としての露光装置(本実施形態ではレーザースキャナ)7が配置されている。
各画像形成部の図1の上方には、中間転写装置80が配置されている。中間転写装置80は、中間転写体としての無端状の中間転写ベルト8が二次転写対向ローラ9とテンションローラ10に張設されて、矢印方向に周回移動(回転)するように構成されている。そして、中間転写ベルト8は、後述するように中間転写ベルト8に一次転写されたトナー像を担持して搬送する。二次転写対向ローラ9と中間転写ベルト8を挟んで対向する位置には、二次転写手段としての二次転写ローラ11が配置され、中間転写ベルト8上のトナー像を記録材に転写する二次転写部T2を構成している。二次転写部T2の記録材搬送方向下流には定着装置20が配置される。本実施形態では、画像形成部1Y、1M、1C、1Bk、露光装置7、中間転写装置80により、記録材にトナー像を形成する画像形成ユニット510を構成している。画像形成ユニット510や定着装置20は、装置本体内に配置されている。
画像形成装置500の下部には、記録材Pが収容されたカセット13A~13Cが配置されている。カセット13A~13Cは、画像形成装置500の装置本体500Aから着脱自在に構成されている。ユーザはカセット13A~13Cを引き抜き、装置本体500Aから取り外した後、各カセット13A、13B、13Cに大小各種幅サイズの記録材Pをセットし装置本体500Aへ挿入することで記録材Pの補給が完了する。
カセット13A~13Cに収納された記録材Pのうち、選択されたカセットの最上位に位置する記録材Pには、給送ローラ14が圧接して駆動するので、記録材Pが1枚ずつ分離給送される。また手差し給送が選択されているときは、手差しトレイ17にセットされた記録材Pが給送ローラ18によって1枚ずつ分離給送される。そして、カセット13A~13Cの何れか、或いは、手差しトレイ17から搬送された記録材Pは、搬送経路15を通り、レジストローラ対16によって二次転写部T2に搬送される。
上述のように構成される画像形成装置500により、例えば4色フルカラーの画像を形成するプロセスについて説明する。まず、画像形成動作が開始すると、回転する感光ドラム2の表面が帯電ローラ3によって一様に帯電される。次いで、感光ドラム2は、露光装置7から発せられる画像信号に対応したレーザ光により露光される。これにより、感光ドラム2上に画像信号に応じた静電潜像が形成される。感光ドラム2上の静電潜像は、現像装置4内に収容された現像剤としてのトナーによって顕像化され、可視像(トナー像)となる。
感光ドラム2上に形成されたトナー像は、中間転写ベルト8を挟んで配置される一次転写ローラ5との間で構成される一次転写部にて、中間転写ベルト8に一次転写される。この際、一次転写ローラ5には一次転写バイアスが印加される。一次転写後に感光ドラム2表面に残ったトナー(転写残トナー)は、クリーニング装置6によって除去される。除去されたトナーは、廃トナー搬送路(不図示)を通過し、廃トナー回収容器(不図示)で回収される。
このような動作をイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各画像形成部で順次行い、中間転写ベルト8上で4色のトナー像を重ね合わせる。その後、トナー像の形成タイミングに合わせてカセット13A~13Cに収容された記録材P又は手差しトレイ17に積載された記録材Pが二次転写部T2に搬送される。そして、二次転写ローラ11に二次転写バイアスを印加することにより、中間転写ベルト8上の4色のトナー像を、記録材P上に一括で二次転写する。二次転写部T2で転写しきれずに中間転写ベルト8に残留したトナーは、中間転写ベルトクリーナ12により除去される。除去されたトナーは、廃トナー搬送路(不図示)を通過し、廃トナー回収容器(不図示)で回収される。
次いで、記録材Pは、二次転写部T2から搬送経路19を通って定着装置20に搬送される。記録材P上のトナー像は、記録材Pが定着装置20で加熱、加圧されることで溶融、混合されて、フルカラーの画像として記録材Pに定着される。その後、記録材Pは、搬送経路21を通って排出ローラ対22により排出トレイ23に排出される。記録材Pの両面に画像を形成する両面画像形成時は、記録材Pが排出ローラ対22によって排出トレイ23上に送られていき、後端部が排出ローラ対22を通過する直前で排出ローラ対22の回転を逆転する。これにより、記録材Pがスイッチバックされて両面搬送経路24に導入される。そして、表裏反転状態になって再びレジストローラ対16まで搬送され、その後は前述したように二次転写部T2、定着装置20、排出ローラ対22を通って排出トレイ23に排出される。これにより、一連の画像形成プロセスが終了する。
なお、本実施形態の画像形成装置500は、例えばブラック単色の画像など、所望の単色または4色のうちいくつかの色用の画像形成部を用いて、単色またはマルチカラーの画像を形成することも可能である。
[開閉扉]
画像形成装置500は、記録材Pを装置本体500Aの片側で装置の下方から上方に縦方向に搬送する。このため、装置本体500Aの片側に開閉扉25を設け、搬送経路で記録材が詰まるジャムが発生した場合には、この開閉扉25を開くことで搬送経路を開放して、ジャム処理を可能としている。図1(a)は、画像形成装置500において開閉扉25が閉じている状態の図であり、図1(b)は、画像形成装置500において開閉扉25が開いている状態の図である。
開閉扉25は、装置本体500Aの下方に設けられた回動軸26を中心に回動可能に設けられ、搬送経路15、19、21にアクセス可能な開位置と、搬送経路15、19、21にアクセス不能な閉位置との間で開閉可能である。ここで、搬送経路にアクセス可能とは、搬送経路が開放されて、例えば記録材がジャムしている場合には、記録材を抜き取ることが可能な状態である。一方、搬送経路にアクセス不能とは、外部から搬送経路内の記録材に触れることができない状態である。したがって、画像形成中の記録材Pがジャムした場合には、開閉扉25を開くことによってジャムした記録材Pに対して、ユーザが簡単にアクセスすることが可能となる。
[定着装置]
次に、定着装置20について、図2及び図3を用いて説明する。本実施形態の定着装置20は、フィルム加熱方式の定着装置である。定着装置20は、第1回転体としての定着フィルム(エンドレスベルト)204と、第2回転体としての加圧ローラ201とを備える。定着装置20は、定着フィルム204と加圧ローラ201との間で記録材を挟持搬送して、記録材にトナー像を定着させるニップ部Nを形成する。具体的には、定着フィルム204は、後述するように定着フィルムユニット202を構成する。そして、加圧ローラ201に対して定着フィルムユニット202が加圧されることによりニップ部Nを形成し、記録材をニップ部Nで挟持搬送することによりトナー像を加熱する。
定着フィルムユニット202は、加熱部材であるセラミックヒータ203と、略円筒状の定着フィルム204と、ヒータホルダ205と、定着フランジ206と、加圧ステイ207とを備える。ヒータホルダ205は、セラミックヒータ203を保持する。定着フランジ206は、定着フィルム204の回転方向と交差する長手方向(幅方向)の両端部の位置を規制すると共に、定着フィルム204の回転を案内する。加圧ステイ207は、ヒータホルダ205の強度を確保するために定着フィルム204の内面側に配置される。また、ニップ部Nは、加圧解除機構208(図3)により加圧解除可能となっている。
定着装置20について、詳細を以下に説明する。セラミックヒータ203は、細長薄板状のセラミック基板と、この基板面に具備させた通電発熱抵抗体層を基本構成とする。そして、発熱抵抗体層に対する通電により全体に急峻な立ち上がり特性で昇温する、低熱容量のヒータである。セラミックヒータ203は、ヒータホルダ205の下面(定着フィルム204側の面)に長手方向に沿って形成された嵌め込み溝205a内に嵌め込まれて支持される。
定着フィルム204は、記録材Pに熱を伝達する耐熱性の円筒状部材であり、ヒータホルダ205に外嵌させてある。定着フィルム204は、離形層、弾性層、基層、内面コート層の4層複合構造のフィルムである。離型層は厚さ100μm以下、好ましくは20~70μmのフッ素樹脂材料である。フッ素樹脂層としては、例えばPTFE、PFAなどが挙げられる。弾性層は、熱容量を小さくするために、厚さとしては1000μm以下、好ましくは500μm以下のゴム材料である。例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。基層は厚さとして100μm以下、好ましくは50μm以下20μm以上の耐熱性材料である。例えば、SUS、ニッケルなどの金属フィルムやポリイミドなどの樹脂材料である。内面コート層は、耐熱性を持つ樹脂層である。例えば、ポリイミド、ポリイミドアミド、PEEK、PTFE、FEP、PFAなどが挙げられる。
加圧ステイ207は、ヒータホルダ205の裏面(セラミックヒータ203が配置された側と反対側の面)に押し当てることで、ヒータホルダ205に長手方向の強度を持たせ、且つ、ヒータホルダ205を矯正させるための部材である。
ヒータホルダ205は、定着フィルム204の内側に設けられている耐熱性・断熱性の部材である。ヒータホルダ205の材料としては、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂、PFA樹脂、PTFE樹脂、LCP樹脂等の絶縁性及び耐熱性の良い材料が用いられる。また、ヒータホルダ205は、上述したように、セラミックヒータ203を支持できるように嵌め込み溝205aが設けられ、定着フィルム204を介して、加圧ローラ201と圧接することでニップ部Nを形成する。
定着フランジ206は、加圧ステイ207の長手方向両端に嵌め込まれ、定着フィルム204の回転を案内すると共に、定着フィルム204の抜け出しを阻止している。また、定着フランジ206は、定着装置20の側板209(図3)に嵌合保持される。
加圧ローラ201は、芯金と、芯金周りに同心一体にローラ状に成形被覆させた、シリコーンゴム・フッ素ゴム・フッ素樹脂などの耐熱性・弾性材層とで構成されており、表層に離型層を設けてある。離型層は厚さ100μm以下、好ましくは20~70μmのフッ素樹脂材料である。フッ素樹脂層としては、例えばPTFE、PFAなどが挙げられる。芯金の両端部には、PEEK、PPS、LCP等の耐熱性樹脂よりなる軸受部材210を装着することで、加圧ローラ201は、側板209に軸受部材210を介して回転自由に支持されている(図3)。
また、本実施形態の場合、図3に示すように、定着フィルム204(図2)を加圧部材211によって、加圧ローラ201に加圧することで、ニップ部Nを形成している。このような加圧部材211は、加圧弾性部材としてのバネ212を張架して、バネ212の弾性力により定着フランジ206を加圧ローラ201方向に加圧する(押し付ける)ものである。
[加圧解除機構]
加圧解除機構208は、加圧部材211を移動させて、ニップ部Nを加圧状態と加圧解除状態とに切り替えるものである。このような加圧解除機構208は、回転カム301と、加圧部材211に形成され、回転カム301のカム面と接触するカム接触面211aとを備える。回転カム301は、画像形成装置500に設けられた後述する駆動源としてのモータ302により駆動切替装置303を介して駆動される(図6(a)、(b))。そして、カム面を加圧部材211のカム接触面211aに接触、又は、離間させることで、ニップ部Nの加圧と加圧解除とを行う。
図3に示すように、ニップ部Nの加圧時において、回転カム301の位相は、加圧部材211のカム接触面211aと接触しないようにしている。これにより、加圧部材211がバネ212の弾性力により定着フランジ206を加圧して、ニップ部Nが加圧される。
一方、加圧解除時は、回転カム301の位相が図3の状態から略180°回転し、回転カム301が加圧部材211のカム接触面211aと接触して、加圧部材211をバネ212の弾性力に抗して押し上げる。これにより、ニップ部Nの圧が解除される。
このように構成される定着装置20は、図4に示すように、画像形成装置500の装置本体500Aに装着され、駆動切替装置303により駆動される。駆動切替装置303は、装置本体500Aに装着された定着装置20の長手方向片側に備えられ、定着装置20の装置本体500Aへの着脱に伴い、定着装置20に設けられた各駆動部としてのギアと接続又は分離する。
定着装置20は、図5の定着装置20の駆動切替装置303側の側面図に示すように、各駆動部としての加圧ローラギア304、カムギア305を備えている。回転体ギアとしての加圧ローラギア304は、ニップ部Nで記録材を搬送する部材としての加圧ローラ201に駆動を伝達する搬送駆動部である。具体的には、加圧ローラギア304は、加圧ローラ201の芯金に固定され、加圧ローラ201と共に回転する。
また、カムギア305は、加圧解除機構208の回転カム301に駆動を伝達する加圧解除駆動部である。具体的には、カムギア305は、回転カム301の回転軸に固定され、回転カム301と共に回転する。これら各ギア304、305は、次述する駆動切替装置303の各駆動経路によって、それぞれ駆動伝達可能に接続され、駆動切替装置303の動作に応じてそれぞれ駆動が伝達される。
[駆動切替装置]
次に、駆動切替装置303について、図6(a)、(b)を用いて説明する。図6(a)は、駆動切替装置303全体の斜視図である。図6(b)は、駆動切替装置303の駆動列が分かりやすいように駆動カバー306を省略し、定着装置20の加圧ローラギア304、及び、カムギア305とともに表している斜視図である。
駆動切替装置303は、駆動源としてのモータ302の駆動を加圧ローラ201(図2)に駆動伝達する駆動伝達機構としての第1駆動伝達部300Aと、モータ302の駆動を回転カム301(図3)に駆動伝達する第2駆動伝達部300Bとを備える。
モータ302は、正逆回転可能なDCブラシレスモータであり、駆動支持フレーム307の背面側に対して位置決め固定されている。モータ302は、不図示の電源から給電されることで回転駆動する。なお、モータ302は、DCブラシレスモータに限らず、正逆回転できるものであれば、例えばステッピングモータなど他のモータであっても良い。
第1駆動伝達部300Aは、モータギア302a、加圧ローラギア304、揺動ギア310を含む揺動ユニット308、揺動ギア加圧バネ325、一方向クラッチユニット100を備える。第2駆動伝達部300Bは、一方向クラッチユニット100の入力ギア101、アイドラギア311、カムギア305、振り子ギア312、アイドラギア313、314、315を備える。
まず、第1駆動伝達部300Aの各構成について説明する。駆動ギア及び第1ギアとしてのモータギア302aは、モータ302により駆動されるギアである。モータギア302aは、後述する入力ギア101と噛み合うように配置されており、モータギア302aと入力ギア101とが噛み合う位置の片側がモータ302に支持され、この噛み合う位置の他側が支持されていない片持ちのギアである。回転体ギアとしての加圧ローラギア304は、上述したように加圧ローラ201と共に回転するギアである。揺動ユニット308は、揺動ギア310が加圧ローラギア304と噛み合う第1位置と、揺動ギア310と加圧ローラギア304との噛み合いが解除される第2位置との間で、揺動軸326を中心に揺動可能に配置されている。付勢手段としての揺動ギア加圧バネ325は、揺動ユニット308を第1位置に向けて付勢する。一方向クラッチユニット100は、モータギア302aと揺動ギア310との間の駆動伝達経路に設けられている。
モータ302及びモータギア302aは、駆動支持フレーム307に取り付けられ、一方向クラッチユニット100の入力ギア101に駆動が伝達されている。一方向クラッチユニット100から加圧ローラギア304への駆動伝達経路として、揺動ユニット308内に揺動中心ギア309と揺動ギア310を備える。具体的には、モータ302が正回転した場合には、モータギア302aと噛み合う入力ギア101が回転し、後述するように、入力ギア101の駆動が一方向クラッチユニット100を構成する出力ギア103に伝達される。出力ギア103は第2ギアとしての揺動中心ギア309と噛み合っており、揺動中心ギア309は揺動ギア310と噛み合っている。このため、出力ギア103の駆動は、揺動中心ギア309を介して揺動ギア310に伝達される。第1位置では揺動ギア310が加圧ローラギア304と噛み合っているので、加圧ローラギア304に駆動が伝達される。即ち、揺動ユニット308が、一方向クラッチユニット100の出力ギア103から加圧ローラギア304に駆動を伝達する定着駆動伝達部に相当する。揺動ユニット308及び一方向クラッチユニット100の詳しい構成については後述する。
次に、第2駆動伝達部300Bの各構成について説明する。カムギア305は、上述したように回転カム301(図3)と共に回転するギアである。カム駆動伝達部としての振り子ギア312は、モータギア302aとカムギア305との間の駆動伝達経路に設けられている。振り子ギア312は、詳しくは後述するが、モータ302の正回転時にモータギア302aとカムギア305との間の駆動伝達を解除し、モータ302の逆回転時にモータギア302aの駆動をカムギア305に伝達する。アイドラギア311は、一方向クラッチユニット100の入力ギア101と振り子ギア312との間に配置され、入力ギア101の駆動を振り子ギア312に伝達する。
アイドラギア313、314、315は、振り子ギア312とカムギア305との間に配置され、振り子ギア312からカムギア305まで駆動を伝達する。一方向クラッチユニット100からカムギア305への駆動伝達経路には、順にアイドラギア311、振り子ギア312、アイドラギア313、314、315が配置される。上述の第1駆動伝達部300A及び第2駆動伝達部300Bを構成する各ギアは、駆動支持フレーム307と駆動カバー306により軸方向の両側が支持されている。
[一方向クラッチユニット]
一方向クラッチユニット100について、図7(a)ないし図8を用いて説明する。図7(a)、(b)に示すように、一方向クラッチユニット100は、入力ギア101、駆動伝達部材としての駆動伝達カム102、出力ギア103を有する。入力ギア101と出力ギア103は、軸104に嵌合されており、駆動伝達カム102は軸104にクリアランスを持って挿通されている。これら入力ギア101、出力ギア103及び駆動伝達カム102は、軸104に対してそれぞれ相対回転自在に支持されている。これにより、入力ギア101、出力ギア103及び駆動伝達カム102がそれぞれ互いに相対回転可能である。特に、駆動伝達カム102は、軸104に対して軸方向に移動可能なようにクリアランスを持って挿通されている。
入力ギア101は、環状リブにより凹形状に形成されており、環状リブの外周にはモータギア302a(図6(b))と噛み合うギア歯101bが形成されている。即ち、入力ギア101は、モータギア302aから駆動が入力されるギアである。なお、モータギア302aと入力ギア101との間にアイドラギアを配置し、アイドラギアを介して入力ギア101に駆動が入力されていても良い。
入力ギア101には、ギア歯101bと軸方向に隣接してアイドラギア311(図6(b))と噛み合うギア歯101cも形成されている。即ち、入力ギア101の回転は、アイドラギア311にも伝達される。
また、入力ギア101の環状リブに囲まれた空間SPには、入力側係合部として複数(図示の例では3つ)の係合リブ101aが設けられており、後述する駆動伝達カム102の入力側正転時係合部102bとの係合面となる。
出力ギア103は、環状リブにより凹形状に形成されており、環状リブの外周には揺動中心ギア309(図6(b))と噛み合うギア歯103cが形成されている。即ち、出力ギア103は、揺動中心ギア309を介して揺動ギア310に駆動を出力するギアである。なお、出力ギア103と揺動中心ギア309との間にアイドラギアを配置し、アイドラギアを介して揺動中心ギア309に駆動が出力されても良い。
出力ギア103は、一部に形成された円筒部としての環状リブの内周面103aを、後述する駆動伝達カム102に配置された弾性当接部102aが弾性的に当接する面としている。詳しくは後述するが、駆動伝達カム102は、弾性当接部102aの付勢力により、入力ギア101の回転方向の切り替えによる、駆動伝達カム102の移動方向の切り替えを可能にしている。
また、出力ギア103の環状リブの内周には、駆動伝達カム102の出力側正転時係合部102cと係合する、出力側係合部としてのカム部103bが設けられている。カム部103bは、周方向一方の面(端面)を軸方向に沿った平面部と、この平面部の軸方向頂点から周方向他方に軸方向の突出量が少なくなるように傾斜した傾斜面とからなるカム形状を周方向に複数配置することで形成されている。
駆動伝達カム102は、入力ギア101と出力ギア103との間に移動可能に配置されている。図8(a)に示すように、駆動伝達カム102の入力ギア101に対向する面には、入力ギア101側に突出する複数(図示の例では3つ)の突出部102gが設けられている。そして、突出部102gの周方向片側の端面を第1係合部としての入力側正転時係合部102b、突出部102gの周方向他側の端面を入力側逆転時係合部102eとしている。また、隣り合う突出部102gの間には、入力側正転時係合部102bに向かう程、入力ギア101側に傾斜した第3係合部としての入力側傾斜面102dを設けている。入力側傾斜面102dは、入力側正転時係合部102bと滑らかに接続している。
入力側正転時係合部102bは、モータ302(図6(a)、(b))の正回転時に入力ギア101の係合リブ101aに係合する。これにより、駆動伝達カム102は、モータ302の正回転時に入力ギア101の駆動が伝達される。また、入力側逆転時係合部102eは、モータ302の逆回転時に入力ギア101の係合リブ101aに係合する。これにより、駆動伝達カム102は、モータ302の逆回転時にも入力ギア101の駆動が伝達される。更に、入力側傾斜面102dは、係合リブ101aと係合可能である。入力側傾斜面102dは、後述するように、モータ302の回転が逆回転から正回転に切り替わった時に入力側傾斜面102dと係合リブ101aとの係合により駆動伝達カム102が出力ギア103に向かう方向(所定方向)に移動する。
図8(b)に示すように、駆動伝達カム102の出力ギア103に対向する面には、第2係合部としての出力側正転時係合部102cと、第4係合部としての出力側傾斜面102fとが設けられている。即ち、駆動伝達カム102の出力ギア103に対向する面には、出力ギア103のカム部103bと同様のカム形状を周方向に複数形成している。カム形状の数もカム部103bと同じとしている。但し、駆動伝達カム102と出力ギア103とが対向して配置された状態で、カム形状の向きが反対となるように形成されており、カム形状同士が互いに噛み合い可能となっている。
したがって、駆動伝達カム102のカム形状の周方向他方の面(端面)を軸方向に沿った平面部とし、この平面部を出力側正転時係合部102cとしている。また、この平面部の軸方向頂点から周方向一方に軸方向の突出量が少なくなるように傾斜した傾斜面を出力側傾斜面102fとしている。
このように出力側正転時係合部102cは、周方向に複数形成されており、それぞれ出力ギア103のカム部103bの平面部と係合可能である。また、出力側傾斜面102fは、複数の出力側正転時係合部102cの間に周方向一方から他方に向かって出力ギア103に向かう方向に傾斜した面であり、それぞれ出力ギア103のカム部103bの傾斜面と係合可能である。
出力側正転時係合部102cは、モータ302の正回転時に出力ギア103のカム部103bの平面部と係合する。これにより、駆動伝達カム102は、モータ302の正回転時に出力ギア103に駆動を伝達する。また、出力側傾斜面102fは、カム部103bの傾斜面と係合可能である。出力側傾斜面102fは、後述するように、モータ302の回転が正回転から逆回転に切り替わった時に出力側傾斜面102fとカム部103bとの係合により駆動伝達カム102が入力ギア101に向かう方向(所定方向と逆方向)に移動する。
また、駆動伝達カム102の外周には、周方向に等間隔に設けられた複数(図示の例では3つ)の弾性当接部102aが設けられている。複数の弾性当接部102aは、それぞれ先端部が駆動伝達カム102の径方向外方に突出している。そして、駆動伝達カム102を入力ギア101と出力ギア103との間に配置した状態で、複数の弾性当接部102aが出力ギア103の環状リブの内周面103aに弾性的に当接する。
駆動伝達カム102は、複数の弾性当接部102aが出力ギア103の内周面103aに弾性的に当接していることで、モータ302の回転が逆回転から正回転に切り替わった時に出力ギア103側に移動可能となる。仮に、弾性当接部102aがない場合、モータ302の回転が逆回転から正回転に切り替わった時に、駆動伝達カム102は、入力ギア101に連れ回って回転してしまい、係合リブ101aが入力側傾斜面102dと係合しない。係合リブ101aが入力側傾斜面102dと係合しなければ、駆動伝達カム102が出力ギア103に向かって移動する力が発生しない。駆動伝達カム102が出力ギア103に向かって移動しなければ、駆動伝達カム102と出力ギア103との間で動力が伝達されない。
一方、弾性当接部102aを備える構成では、モータ302の回転が逆回転から正回転に切り替わった時に弾性当接部102aと出力ギア103の内周面103aとの摩擦力により駆動伝達カム102が入力ギア101の回転に対してその場に留まろうとする。これにより、駆動伝達カム102と入力ギア101とが相対回転して、係合リブ101aが入力側傾斜面102dと係合し、駆動伝達カム102が出力ギア103に向かう力が発生する。そして、駆動伝達カム102と出力ギア103との間で動力伝達が可能となる。
[正逆回転時の一方向クラッチユニットの動作]
次に、正逆回転時の一方向クラッチユニット100の動作について、図9及び図10を用いて説明する。図9(a)、(b)は、モータ302の回転が逆回転から正回転に切り替わって、一方向クラッチユニット100が連結解除から連結になる過程を説明する図である。即ち、入力ギア101と出力ギア103との駆動伝達が解除された状態から駆動伝達される状態を示す図である。
連結解除状態においてモータ302が正回転して入力ギア101が図9(a)の矢印C方向に回転すると、入力ギア101に設けられた係合リブ101aが、駆動伝達カム102の入力側傾斜面102dを押す。そして、駆動伝達カム102が出力ギア103の方向(図9(b)の矢印方向)に付勢される。これにより、図9(b)に示すように入力ギア101の係合リブ101aと駆動伝達カム102の入力側正転時係合部102b(図7(a))が係合すると共に、出力ギア103のカム部103bと駆動伝達カム102の出力側正転時係合部102cが係合する。この結果、入力ギア101と出力ギア103との駆動連結が完了する。
次に、駆動連結解除に関して説明する。図10(a)、(b)は、モータ302の回転が正回転から逆回転に切り替わって、連結状態から連結解除になる過程を説明する図である。即ち、入力ギア101と出力ギア103との駆動伝達状態から駆動伝達が解除される状態を示す図である。
連結状態においてモータ302が逆回転して入力ギア101が図10(a)の矢印D方向に回転すると、入力ギア101に設けられた係合リブ101aが、駆動伝達カム102の入力側逆転時係合部102e(図7(a))を押す。そして、駆動伝達カム102を同方向(矢印D方向)に回転させる。矢印D方向に回転した駆動伝達カム102は、出力ギア103のカム部103bの傾斜面と駆動伝達カム102の出力側傾斜面102f(図8(b))との係合により、入力ギア101の方向(図10(b)の矢印方向)に移動する。この結果、駆動伝達カム102の出力側正転時係合部102cと出力ギア103のカム部103bとの係合がずれ、入力ギア101と出力ギア103との駆動連結解除の動作が完了する。
[振り子ギア]
次に、モータ302の駆動を回転カム301(図3)に駆動伝達する第2駆動伝達部300B(図6(b))が有する振り子ギア312の構成及び動作について、図11(a)ないし図13(b)を用いて説明する。なお、図12(a)、図13(a)は、主に振り子ギア312の位置について示している。図12(b)、図13(b)では突起部319cと駆動カバー306に設けられた規制溝317との位置関係を示している。
振り子ギア312は、図11(a)に示すように、ギア部材318と、ホルダ部材319と、弾性部材320で構成されている。ギア部材318は、円筒状に形成され、外周面にギア歯が形成されており、図12(a)に示すように、アイドラギア311、313と噛み合う。ホルダ部材319は、複数の円形のリブ319aがギア部材318の内周面318aに挿入されることで内嵌され、ギア部材318を回転自在に支持する。
弾性部材320は、板バネにより構成され、図11(b)に示すように、ホルダ部材319に固定すると共に、ギア部材318の大径部の内周面318bに矢印F方向に弾性的に当接している。そして、ギア部材318を揺動させる際にギア部材318に回転負荷を与えることで、振り子ギア312に揺動力を発生させる。
また、ホルダ部材319には、ギア部材318の軸方向に貫通し、この軸方向に直交する方向に長い長孔部319bが形成されている。そして、図6(b)、図12(a)、図13(a)に示すように、長孔部319bに駆動支持フレーム307に突設された軸321を通すことで、ホルダ部材319が駆動支持フレーム307に対して移動可能に保持される。したがって、振り子ギア312は、軸321が長孔部319b内で移動可能な範囲で揺動可能である。
モータ302が逆回転し、モータギア302aから入力ギア101(図6(b))を介してアイドラギア311が、図12(a)の矢印G方向に回転すると、このアイドラギア311と噛み合う振り子ギア312内のギア部材318に回転駆動力が伝達される。振り子ギア312は、弾性部材320による回転負荷とギア部材318がアイドラギア311から受ける駆動力により、図13(a)の位置に振り子ギア312があっても、図12(a)の位置に移動する。そして、ギア部材318とアイドラギア313とが噛み合い、アイドラギア311からの駆動が振り子ギア312を介してアイドラギア313に伝達される。この結果、アイドラギア313の駆動が、図6(b)に示したように、アイドラギア314、315を介してカムギア305に伝達され、回転カム301が回転する。
また、ホルダ部材319には、突起部319cが備えられていて、図12(b)に示すように、駆動カバー306に形成された規制溝317に突起部319cが侵入するようにしている。この規制溝317は、突起部319cとの係合により振り子ギア312の揺動範囲を規制するものである。振り子ギア312は、突起部319cが規制溝317の一部に突き当たることで、それ以上揺動しなくなる。その後は、ギア部材318は、その位置で、弾性部材320の回転負荷に拘らず、ホルダ部材319に設けられたリブ319aを回転軸として回転する。
一方、モータ302が正回転し、モータギア302aから入力ギア101(図6(b))を介してアイドラギア311が、図13(a)の矢印H方向に回転すると、振り子ギア312は図12(a)に示す位置から図13(a)に示す位置に移動する。これにより、振り子ギア312にギア部材318とアイドラギア313との噛み合いが外れ、振り子ギア312からアイドラギア313への駆動伝達が解除される。その時の突起部319cと規制溝317の位置関係は、図13(b)に示すようになり、この位置で振り子ギア312の移動が規制されている。
以上のように、本実施形態では、一方向クラッチユニット100と、振り子ギア312により、モータ302の正逆回転によって加圧ローラ201の駆動と加圧解除機構208の駆動を切り替えている。
[入力ギアと出力ギアに生じるスラスト力について]
前述したように、一方向クラッチユニット100では、モータ302の回転が逆回転から正回転に切り替わった時に、駆動伝達カム102が出力ギア103に向かう力が発生し、駆動伝達カム102と出力ギア103との間で動力伝達が可能となる。この際、駆動伝達カム102の弾性当接部102aと出力ギア103の内周面103aとの摩擦力によって、駆動伝達カム102が入力ギア101と連れ回らないようにして、駆動伝達カム102が出力ギア103に向かうようにしている。
ここで、図14(a)、(b)に示すように、入力ギア101と出力ギア103が離れてしまうと、弾性当接部102aと出力ギア103の内周面103aとの掛かりが浅くなったり、もしくは外れてしまったりする可能性がある。そうなると弾性当接部102aによって必要な摩擦力を発生させることができず、駆動伝達カム102が出力ギア103に向かって移動することができなくなる。
このために本実施形態では、入力ギア101と出力ギア103をはすばギアにして、モータ302の正回転時に入力ギア101及び出力ギア103に発生するスラスト力が、互いに向き合う方向となるように、はすばギアの歯のねじれ方向を規定している。即ち、モータ302の正回転時にモータギア302aから入力ギア101に駆動が入力されると、上述のように、入力ギア101の駆動が駆動伝達カム102を介して出力ギア103に伝達される。この際、入力ギア101には、モータギア302aとの噛み合いにより、出力ギア103に近づく方向のスラスト力が作用するように、入力ギア101のギア歯101bのねじれ方向が規定されている。一方、出力ギア103には、揺動中心ギア309との噛み合いにより、入力ギア101に近づく方向のスラスト力が作用するように、出力ギア103のギア歯103cのねじれ方向が規定されている。
このように本実施形態では、モータ302の正回転時に入力ギア101及び出力ギア103に発生するスラスト力が互いに向き合う方向となるように、言い換えれば、互いに近づく方向となるように、はすばギアの歯のねじれ方向を規定している。これにより、モータ302の正回転時に入力ギア101と出力ギア103が離れることなく、弾性当接部102aが出力ギア103の内周面103aに、より確実に付勢されるようにしている。
一方、入力ギア101と出力ギア103とに互いに向き合う方向にスラスト力を発生させるようにしたとしても、そのスラスト力の合力が所定方向に大き過ぎると、次のような問題が発生する虞がある。例えば、スラスト力の合力が図14(b)の右方に発生した場合、入力ギア101と出力ギア103のうちの右側の入力ギア101の端面101dと、このギアのスラスト方向の移動を規制する規制部104aとの当接力が大きくなる。本実施形態の場合、規制部104aは、軸104の外周面から径方向外方に突出したフランジ部である。
入力ギア101の端面101dと規制部104aとの当接力が大きくなると、端面101dと規制部104aとの摺動抵抗が大きくなったり、端面101dが規制部104aとの摺動により摩耗してしまう虞がある。なお、前述したように、入力ギア101、出力ギア103及び駆動伝達カム102は、軸104に対してそれぞれ相対回転自在に支持されている。
したがって、スラスト力の合力は、できるだけ小さい方が望ましい。例えば、互いに向き合う方向に生じる入力ギア101と出力ギア103のスラスト力が、互いに同程度ならば、スラスト合力は小さくなる。但し、どちらか一方のスラスト力の方が大幅に大きいと、スラスト合力が一方向に大きく生じてしまう。
そこで、本実施形態では、モータ302の正回転時に入力ギア101及び出力ギア103に生じるスラスト力の方向が互いに向き合う方向となるようにすると共に、入力ギア101及び出力ギア103のピッチ円直径及びねじれ角を、次のように規定している。
即ち、図15に示すように、入力ギア101のピッチ円直径をD1、出力ギア103のピッチ円直径をD2、入力ギア101のギア歯101bのねじれ角をβ1、出力ギア103のギア歯103cのねじれ角をβ2とする。この場合に、
D1>D2、且つ、β1>β2
又は、
D1<D2、且つ、β1<β2
を満たすように、D1、D2、β1、β2の関係を規定している。
本実施形態では、モータ302の正回転時に入力ギア101と出力ギア103にかかる軸104上のトルクは同じであるため、ピッチ円直径が小さいはすばギアの方がスラスト力が大きくなる。また、はすばギアの歯のねじれ角が小さい方が発生するスラスト力が小さくなる。したがって、ピッチ円直径が小さい方のはすばギアのねじれ角を小さくすることで、スラスト力の差を小さくしている。本実施形態では、入力ギア101の方がピッチ円直径が大きいため、D1>D2、且つ、β1>β2を満たすようにしている。
このようにD1、D2、β1、β2の関係を規定することで、モータ302の正回転時に入力ギア101と出力ギア103に生じるスラスト力の差を小さくでき、スラスト合力が一方向に大きくなることを抑制できる。
特に、本実施形態では、入力ギア101及び出力ギア103に生じるスラスト力の合力が略0となるように、入力ギア101及び出力ギア103のピッチ円直径及び歯のねじれ角を規定している。即ち、図15に示すように、モータ302の正回転時に入力ギア101に生じるスラスト力をFa1、モータ302の正回転時に出力ギア103に生じる力をFa2とする。この場合に、スラスト力の合力Fa2-Fa1が略0となるようにしている。なお、図15では、便宜上、Fa2の方向を正方向としている。また、本実施形態の場合、略0とは、1.2≧Fa2/Fa1≧1を満たす範囲としている。
具体的に説明する。まず、入力ギア101及び出力ギア103の軸104上に発生するトルクをT(mNm)とする。また、入力ギア101の歯数をZ1、モジュールをm1、ピッチ円直径D1(mm)、ねじれ角をβ1、発生するスラスト力をFa1(N)とする。また、出力ギア103の歯数をZ2、モジュールをm2、ピッチ円直径D2(mm)、ねじれ角をβ2、発生するスラスト力をFa2(N)とする。この場合に、それぞれのギアのピッチ円直径D1、D2は、次のように表される。
D1=Z1×m1/cos(β1)[mm]
D2=Z2×m2/cos(β2)[mm]
また、スラスト力Fa1、Fa2は、次のように表される。
Fa1=T×(D1/2)×tan(β1)[N]
Fa2=T×(D2/2)×tan(β2)[N]
そして、2つのギアのスラスト合力Faが、
Fa=Fa2-Fa1=0
となるように、ねじれ角β1、β2の値を設定すれば良い。
例えば、軸104上に発生するトルクTを580mNm、入力ギア101の歯数Z1を67、モジュールm1を0.6、ねじれ角をβ1として、出力ギア103の歯数Z2を27、モジュールm2を0.8、ねじれ角をβ2とする。
この場合に、入力ギア101に発生するスラスト力Fa1[N]は、
Fa1=580/(67×0.6/cosβ1/2)×tanβ1
=28.856×cosβ1×tanβ1
=28.856×sinβ1[N]
となる。一方、出力ギア103に発生するスラスト力Fa2[N]は、
Fa2=580/(27×0.8/cosβ2/2)×tanβ2
=53.704×cosβ2×tanβ2[N]
=53.704×sinβ2
となる。よってねじれ角β1とβ2が、
53.704×sinβ2-28.856×sinβ1=0[N]
の関係を略満たすように形成すれば良い。例えば、ねじれ角β1を20°に設定した場合は、ねじれ角β2は10.6°にすれば良い。
これにより、モータ302が正回転時に入力ギア101と出力ギア103が離れることによる駆動連結不良を防ぎ、且つ、スラスト合力によるギア端面と規制部との摺動抵抗及びギア端面摩耗を抑制することが可能となる。即ち、上述のような一方向クラッチユニット100を有する構成で、入力ギア101と出力ギア103との間の駆動伝達を適切に行え、ギアの端面の摺動抵抗の抑制及び端面の摩耗の発生を抑制できる。
<第2の実施形態>
第2の実施形態について、図16を用いて説明する。上述の第1の実施形態では、モータ302の正回転時に入力ギア101及び出力ギア103に生じるスラスト力の合力が略0となるように、はすばギアの歯のねじれ方向などを規定した。これに対して本実施形態では、部品公差などを考慮して、スラスト力の合力が略0とならなくても、スラスト力の合力の方向がモータギア302a側に向くようにしている。その他の構成及び作用は、上述の第1の実施形態と同様であるため、同一の構成には同一の符号を付し、図示及び説明を省略又は簡略にし、以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
上述の第1の実施形態のように、入力ギア101及び出力ギア103に生じるスラスト力の合力が略0となるようにはすばギアの歯のねじれ方向などを規定したとしても、各ギアの部品公差などのばらつきがあるため、スラスト力を釣り合わせることは難しい。このため、実際には、部品ばらつきによりスラスト合力がどちらかに傾いて、入力ギア101及び出力ギア103は一方に寄ってしまう虞がある。
ここで、本実施形態においても、図16に示すように、入力ギア101はモータギア302aに接続している。モータギア302aは、モータ302の正回転時に入力ギア101に生じるスラスト力の方向(図16のFa1の方向)に関して、モータギア302aと入力ギア101とが噛み合う位置よりも上流側を支持された片持ちのギアである。このようにモータギア302aが片持ちとなっているギアの場合、軸倒れが発生した際に、噛み合うギアの位置が軸根元(支持されている側)から離れるほど、ギア同士の軸間が離れてしまい、歯飛びやギア破損など発生し易くなる。
そこで、本実施形態では、図16に示すように、入力ギア101と出力ギア103のスラスト合力Faが部品ばらつき等を考慮したうえで、最小のスラスト力で入力ギア101側(ギアの根元方向)に寄るようにはすばギアのねじれ角度を規定している。ここで、第1の実施形態と同様に、モータ302の正回転時に入力ギア101に生じるスラスト力をFa1、モータ302の正回転時に出力ギア103に生じる力をFa2とする。本実施形態では、Fa1とFa2との関係を次のようにしている。即ち、0.5×Fa2>Fa2-Fa1≧0を満たすように、入力ギア101及び出力ギア103の歯のねじれ角を規定している。
即ち、本実施形態においても、Fa2-Fa1が略0となるように、入力ギア101の歯のねじれ角β1及び出力ギア103の歯のねじれ角β2を規定する。但し、ねじれ角のばらつきなどにより、スラスト力Fa1、Fa2にもばらつきが生じる。このため、このばらつきを考慮して、入力ギア101及び出力ギア103の歯のねじれ角を、0.5×Fa2>Fa2-Fa1≧0を満たすように規定している。なお、0.3×Fa2>Fa2-Fa1≧0を満たすことがより好ましい。
例えば、はすばギアのねじれ角度のばらつきが1.5°あるとする。これにはギア自身のねじれ角のばらつきの他、軸の傾きや嵌合ガタによるねじれ角の傾きも含まれる。この時、第1の実施形態で示した具体例の値は、入力ギア101のねじれ角β1が20°、出力ギア103のねじれ角β2が10.6°であった。これらの値にねじれ角度のばらつきが1.5°を考慮すると、ねじれ角β1は、18.5°から21.5°の範囲でばらつく可能性があり、ねじれ角β2は、9.1°から12.1°の範囲でばらつく可能性がある。このとき、ねじれ角β1、β2の関係でばらつきが最大(公差最大)となるのは、ねじれ角β1が21.5°、ねじれ角β2が9.1°の場合である。
このような公差最大時の入力ギア101のスラスト力をFa1[N]、公差最大時の出力ギア103のスラスト力をFa2[N]とする。この場合に、Fa1、Fa2は、
Fa1=28.856×sin(21.5°)=10.576[N]
Fa2=53.704×sin(9.1°)=8.484[N]
となる。そして、スラスト合力Fa=Fa2-Fa1は、
Fa=8.484-10.576=-2.09[N]
となる。なお、図16でも、便宜上、Fa2の方向を正方向としている。
このように公差最大時には、入力ギア101と出力ギア103は、出力ギア103方向(図16のマイナス方向)、つまりモータギア302aの根元から離れる方向に寄ってしまう。
そこで、本実施形態では、このねじれ角のばらつきを考慮しても、入力ギア101側(モータギア302aの根元側)に寄せるために、以下の式を満たすようにはすばギアのねじれ角の称呼値を規定する。
Fa2-Fa1≧0
また、スラスト合力Fa(Fa2-Fa1)は、最大でもスラスト力Fa2の50%以下に抑えることが望ましいため、以下の式を満たすようにする。
0.5×Fa2≧Fa2-Fa1≧0
具体的には、入力ギア101の称呼ねじれ角β1´を20°とした場合、公差最大時(ねじれ角21.5°)のスラスト荷重Fa1′は10.576[N]である。このスラスト荷重Fa1′に対してスラスト合力Faが上式を満たすための最小の出力ギア103のねじれ角β2は11.4°となる(53.704×sin(11.4°)=10.615[N])。更に、これに対してねじれ角β2の公差1.5°分を考慮しても、上式を満たすように、称呼値ねじれ角β2´を12.9°にする。
これにより、スラスト合力Faを最小限に抑えてギアの端面摩耗を抑えつつ、入力ギア101及び出力ギア103をモータギア302aの根元方向に寄せることができるため、ギアの歯飛びや破損も抑制することが可能となる。
なお、モータ302の逆回転時には、軸104上にかかるトルクは正回転時と比較して低いトルクであるため、正回転時にモータギア302aの根元方向に入力ギア101及び出力ギア103が寄るように設定することが望ましい。
[他の実施形態]
上述の説明では、弾性当接部102aを一方の部材としての駆動伝達カム102に設け、他方の部材としての出力ギア103に弾性的に当接させた構成について説明した。但し、弾性当接部は、出力ギアに設け、駆動伝達部材としての駆動伝達カムに弾性的に当接させる構成であっても良い。この場合でも、モータ302の逆回転時に出力ギアと駆動伝達カムとの間に摩擦力が発生し、出力ギアが入力ギアに連れ回って回転し、同様の問題が発生し得る。
また、上述の説明では、定着装置として、フィルム加熱方式の構成を説明した。但し、定着装置は、第1回転体、第2回転体が、それぞれローラであっても、複数のローラにより張架される無端状のベルトであっても良いし、一方の回転体がローラで他方の回転体がこのようなベルトであっても良い。
20・・・定着装置/100・・・一方向クラッチユニット/101・・・入力ギア/101a・・・係合リブ(入力側係合部)/101b・・・ギア歯(歯)/102・・・駆動伝達カム(駆動伝達部材)/102a・・・弾性当接部/102b・・・入力側正転時係合部(第1係合部)/102c・・・出力側正転時係合部(第2係合部)/102d・・・入力側傾斜面(第3係合部)/102f・・・出力側傾斜面(第4係合部)/103・・・出力ギア/103a・・・内周面/103b・・・カム部(出力側係合部)/103c・・・ギア歯(歯)/201・・・加圧ローラ(第2回転体)/202・・・定着フィルムユニット/204・・・定着フィルム(第1回転体)/300A・・・第1駆動伝達部(駆動伝達機構)/301・・・回転カム/302・・・モータ(駆動源)/302a・・・モータギア(第1ギア)/304・・・加圧ローラギア(回転体ギア)/305・・・カムギア/308・・・揺動ユニット(定着駆動伝達部)/309・・・揺動中心ギア(第2ギア)/310・・・揺動ギア/312・・・振り子ギア(カム駆動伝達部)/N・・・ニップ部

Claims (8)

  1. 正逆回転可能な駆動源により駆動される第1ギアと、
    第2ギアと、
    前記第1ギアと前記第2ギアとの間の駆動伝達経路に設けられた一方向クラッチユニットと、を備え、
    前記一方向クラッチユニットは、
    入力側係合部を有し、前記第1ギアから駆動が入力される入力ギアと、
    出力側係合部を有し、前記第2ギアに駆動を出力する出力ギアと、
    前記入力ギアと前記出力ギアとの間に配置され、前記入力側係合部と係合可能な第1係合部と、前記出力側係合部と係合可能な第2係合部と、を有し、前記駆動源の正回転時に前記第1係合部と前記入力側係合部とが係合すると共に前記第2係合部と前記出力側係合部とが係合することで前記入力ギアの駆動を前記出力ギアに伝達し、前記駆動源の逆回転時に前記第2係合部と前記出力側係合部との係合が外れることで前記入力ギアと前記出力ギアとの間の駆動伝達を実質的に解除する駆動伝達部材と、
    前記出力ギアと前記駆動伝達部材との何れか一方の部材に設けられ、他方の部材に対して弾性的に当接する弾性当接部と、を有し、
    前記入力ギアと前記出力ギアは、それぞれはすばギアであり、前記駆動源の正回転時に前記入力ギア及び前記出力ギアに生じるスラスト力の方向が互いに向き合う方向となるように、前記入力ギア及び前記出力ギアの歯のねじれ方向が規定されており、且つ、前記入力ギアのピッチ円直径をD1、前記出力ギアのピッチ円直径をD2、前記入力ギアの歯のねじれ角をβ1、前記出力ギアの歯のねじれ角をβ2とした場合に、
    D1>D2、且つ、β1>β2
    又は、
    D1<D2、且つ、β1<β2
    を満たすように、前記入力ギア及び前記出力ギアのピッチ円直径及び歯のねじれ角が規定されている、
    ことを特徴とする駆動装置。
  2. 前記駆動源の正回転時に前記入力ギアに生じるスラスト力をFa1、前記駆動源の正回転時に前記出力ギアに生じる力をFa2とした場合に、
    1.2≧Fa2/Fa1≧1
    を満たすように、前記入力ギア及び前記出力ギアのピッチ円直径及び歯のねじれ角が規定されている、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の駆動装置。
  3. 正逆回転可能な駆動源により駆動される第1ギアと、
    第2ギアと、
    前記第1ギアと前記第2ギアとの間の駆動伝達経路に設けられた一方向クラッチユニットと、を備え、
    前記一方向クラッチユニットは、
    入力側係合部を有し、前記第1ギアから駆動が入力される入力ギアと、
    出力側係合部を有し、前記第2ギアに駆動を出力する出力ギアと、
    前記入力ギアと前記出力ギアとの間に配置され、前記入力側係合部と係合可能な第1係合部と、前記出力側係合部と係合可能な第2係合部と、を有し、前記駆動源の正回転時に前記第1係合部と前記入力側係合部とが係合すると共に前記第2係合部と前記出力側係合部とが係合することで前記入力ギアの駆動を前記出力ギアに伝達し、前記駆動源の逆回転時に前記第2係合部と前記出力側係合部との係合が外れることで前記入力ギアと前記出力ギアとの間の駆動伝達を実質的に解除する駆動伝達部材と、
    前記出力ギアと前記駆動伝達部材との何れか一方の部材に設けられ、他方の部材に対して弾性的に当接する弾性当接部と、を有し、
    前記入力ギアと前記出力ギアは、それぞれはすばギアであり、前記駆動源の正回転時に前記入力ギア及び前記出力ギアに生じるスラスト力の方向が互いに向き合う方向となるように、前記入力ギア及び前記出力ギアの歯のねじれ方向が規定されており、且つ、前記駆動源の正回転時に前記入力ギアに生じるスラスト力をFa1、前記駆動源の正回転時に前記出力ギアに生じる力をFa2とした場合に、
    0.5×Fa2>Fa2-Fa1≧0
    を満たすように、前記入力ギア及び前記出力ギアの歯のねじれ角が規定されている、
    ことを特徴とする駆動装置。
  4. 前記第1ギアは、前記入力ギアと噛み合うように配置されており、前記駆動源の正回転時に前記入力ギアに生じるスラスト力の方向に関して、前記第1ギアと前記入力ギアとが噛み合う位置よりも上流側を支持された片持ちのギアである、
    ことを特徴とする、請求項1ないし3の何れか1項に記載の駆動装置。
  5. 前記一方の部材は、前記駆動伝達部材であり、
    前記他方の部材は、前記出力ギアであり、
    前記弾性当接部は、前記出力ギアの一部に形成された円筒部の内周面に弾性的に当接する、
    ことを特徴とする、請求項1ないし4の何れか1項に記載の駆動装置。
  6. 前記駆動伝達部材は、前記入力ギアと前記出力ギアとの間に移動可能に配置され、前記入力側係合部と係合可能な第3係合部と、前記出力側係合部と係合可能な第4係合部と、を有し、前記駆動源の回転が逆回転から正回転に切り替わった時に前記第3係合部と前記入力側係合部の係合により所定方向に移動して前記第2係合部が前記出力側係合部と係合し、前記駆動源の回転が正回転から逆回転に切り替わった時に前記第4係合部と前記出力側係合部との係合により前記所定方向と逆方向に移動して前記第2係合部と前記出力側係合部との係合が外れる、
    ことを特徴とする、請求項1ないし5の何れか1項に記載の駆動装置。
  7. 請求項1ないし6の何れか1項に記載の駆動装置と、
    第1回転体と、
    前記第1回転体との間で記録材を挟持搬送して、記録材にトナー像を定着させるニップ部を形成する第2回転体と、
    前記第2回転体と共に回転する回転体ギアと、
    前記出力ギアから前記回転体ギアに駆動を伝達する定着駆動伝達部と、を備えた、
    ことを特徴とする定着装置。
  8. 前記第1回転体と前記第2回転体との間の加圧を解除させる回転カムと、
    前記回転カムと共に回転するカムギアと、
    前記第1ギアと前記カムギアとの間の駆動伝達経路に設けられ、前記駆動源の正回転時に前記第1ギアと前記カムギアとの間の駆動伝達を解除し、前記駆動源の逆回転時に前記第1ギアの駆動を前記カムギアに伝達するカム駆動伝達部と、を備えた、
    ことを特徴とする、請求項7に記載の定着装置。
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