以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)の一実施形態について説明する。まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。
図1は、実施形態に係るプリンタの概略構成図である。
同図において、このプリンタは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック(以下、Y、C、M、Kと記す)のトナー像を形成するための4つのプロセスユニット160Y,160C,160M,160Kを備えている。これらは、画像形成物質として、互いに異なる色のY,C,M,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。Kトナー像を形成するためのプロセスユニット160Kを例にすると、潜像担持体たるドラム状の感光体161K、現像装置162K、帯電装置163K、ドラムクリーニング装置164K、除電装置等を備えている。画像形成ユニットたるプロセスユニット160Kは、プリンタ本体に脱着可能であり、一度に消耗部品を交換できるようになっている。
帯電装置163Kは、駆動手段によって図中時計回りに回転せしめられる感光体161Kの表面を一様帯電せしめる。一様帯電せしめられた感光体161Kの表面は、レーザー光Lによって露光走査されてK用の静電潜像を担持する。このK用の静電潜像は、Kトナーを用いる現像装置162KによってYトナー像に現像される。そして、後述する中間転写ベルト179上に中間転写される。ドラムクリーニング装置164Kは、中間転写工程を経た後の感光体161K表面に付着している転写残トナーを除去する。また、上記除電装置は、クリーニング後の感光体161Kの残留電荷を除電する。この除電により、感光体161Kの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。他色のプロセスユニット160Y,160C,160Mにおいても、同様にして感光体161Y,161C,161M上にY,C,Mトナー像が形成されて、後述する中間転写ベルト179上に中間転写される。なお、感光体161Kにおける筒状のドラム部は、中空のアルミ素管のおもて面に有機感光層が被覆されたものである。このドラム部の軸線方向の両端部にそれぞれドラム軸を有するフランジが取り付けられて、感光体161Kを構成している。現像装置162Kは、内部に収容されたKトナーを、現像ローラ162aKの回転に伴って、現像ローラ162aKと感光体161Kとの対向領域である現像領域で、感光体161Kの表面に形成されたK用の静電潜像に付着させ、Kトナー像に現像する。
図1を用いてK用のプロセスユニット160Kについて説明したが、Y,C,M用のプロセスユニット160Y,160C,160Mにおいても、同様のプロセスにより、感光体161Y,161C,161Mの表面にY,C,Mトナー像が形成される。
先に示した図1において、プロセスユニット160Y,160C,160M,160Kの鉛直方向上方には、光書込ユニット165が配設されている。潜像書込装置たる光書込ユニット165は、画像情報に基づいてレーザーダイオードから発したレーザー光Lにより、プロセスユニット160Y,160C,160M,160Kにおける感光体161Y,161C,161M,161Kを光走査する。この光走査により、感光体161Y,161C,161M,161K上にY,C,M,K用の静電潜像が形成される。かかる構成においては、光書込ユニット165と、プロセスユニット160Y,160C,160M,160Kとにより、3つ以上の潜像担持体にそれぞれ互いに異なる色の可視像たるY,C,M,Kトナー像を作像する作像手段として機能している。
なお、光書込ユニット165は、光源から発したレーザー光を、ポリゴンモータによって回転駆動したポリゴンミラーで主走査方向に偏光せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体に照射するものである。LEDアレイの複数のLEDから発したLED光によって光書込を行うものを採用してもよい。
プロセスユニット160Y,160C,160M,160Kの鉛直方向下方には、無端状の中間転写ベルト179を張架しながら図中反時計回り方向に無端移動せしめるベルト装置たる転写ユニット175が配設されている。また、転写ユニット175は、駆動ローラ176、テンションローラ177、一次転写ローラ174Y,174C,174M,174K、二次転写ローラ178、ベルトクリーニング装置171、クリーニングバックアップローラ172なども備えている。中間転写ベルト179は、そのループ内側に配設された駆動ローラ176、テンションローラ177、クリーニングバックアップローラ172及び4つの一次転写ローラ174Y,174C,174M,174Kによって張架されている。そして、駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動される駆動ローラ176の回転力により、同方向に無端移動せしめられる。
4つの一次転写ローラ174Y,174C,174M,174Kは、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト179を感光体161Y,161C,161M,161Kとの間に挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ベルト179のおもて面と、感光体161Y,161C,161M,161Kとが当接するY,C,M,K用の一次転写ニップが形成されている。一次転写ローラ174Y,174C,174M,174Kには、転写バイアス電源によってそれぞれ一次転写バイアスが印加されている。これにより、感光体161Y,161C,161M,161Kの静電潜像と、一次転写ローラ174Y,174C,174M,174Kとの間に転写電界が形成される。なお、一次転写ローラ174Y,174C,174M,174Kに代えて、転写チャージャーや転写ブラシなどを採用してもよい。
Y用のプロセスユニット160Yの感光体161Y表面に形成されたYトナーは、感光体161Yの回転に伴って上述のY用の一次転写ニップに進入すると、転写電界やニップ圧の作用により、感光体161Y上から中間転写ベルト179上に一次転写される。このようにしてYトナー像が一次転写せしめられた中間転写ベルト179は、その無端移動に伴ってM,C,K用の一次転写ニップを通過する際に、感光体161M,161C,161K上のM,C,Kトナー像が、Yトナー像上に順次重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト179上には4色トナー像が形成される。
転写ユニット175の二次転写ローラ178は、中間転写ベルト179のループ外側に配設されて、ループ内側のテンションローラ177との間に中間転写ベルト179を挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ベルト179のおもて面と、二次転写ローラ178とが当接する二次転写ニップが形成されている。二次転写ローラ178には、転写バイアス電源によって二次転写バイアスが印加される。この印加により、二次転写ローラ178と、アース接続されているテンションローラ177との間には、二次転写電界が形成される。
転写ユニット175の鉛直方向下方には、記録紙Pを複数枚重ねた紙束の状態で収容している給紙カセット141がプリンタの筐体に対してスライド着脱可能に配設されている。この給紙カセット141は、紙束の一番上の記録紙Pに給紙ローラ142を当接させており、これを所定のタイミングで図中反時計回り方向に回転させることで、その記録紙Pを給紙路に向けて送り出す。
給紙路の末端付近には、レジスト駆動ローラ143a,レジスト従動ローラ143bからなるレジストローラ対143が配設されている。このレジストローラ対143は、給紙カセット141から送り出された記録部材たる記録紙をローラ間に挟み込むとすぐに両ローラの回転を停止させる。そして、挟み込んだ記録紙を上述の二次転写ニップ内で中間転写ベルト179上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで回転駆動を再開して、記録紙Pを二次転写ニップに向けて送り出す。
二次転写ニップで記録紙に密着せしめられた中間転写ベルト179上の4色トナー像は、二次転写電界やニップ圧の影響を受けて記録紙P上に一括二次転写され、記録紙Pの白色と相まって、フルカラートナー像となる。なお、二次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト179には、記録紙に転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、中間転写ベルト179のおもて面に当接しているベルトクリーニング装置171によってベルト表面からクリーニングされる。中間転写ベルト179のループ内側に配設されたクリーニングバックアップローラ172は、ベルトクリーニング装置171によるベルトのクリーニングをループ内側からバックアップする。
表面にフルカラートナー像が形成された記録紙Pは、二次転写ニップを通過すると、二次転写ローラ178や中間転写ベルト179から曲率分離する。そして、転写後搬送路を経由して、定着手段たる定着装置140に送り込まれる。定着装置140には、ハロゲンランプ等の発熱源145aを内包する定着ローラ145と、定着ローラ145に所定の圧力で当接しながら回転する加圧ローラ147とが設けられており、定着ローラ145と加圧ローラ147とによって定着ニップを形成している。定着装置140内に送り込まれた記録紙は、その未定着トナー像担持面を定着ローラ145に密着させるようにして、定着ニップに挟まれる。そして、加熱や加圧の影響によってトナー像中のトナーが軟化さしめられて、フルカラー画像が定着せしめられる。
操作部に対する入力操作や、パーソナルコンピュータ等から送られてくる制御信号などにより、片面プリントモードが設定されている場合、定着装置140内から排出された記録紙Pは、正転する排紙ローラ対181によって、そのまま機外へと排出される。そして、筐体の上カバーの上面であるスタック部150にスタックされる。
また、排紙ローラ対181は、定着装置140から搬送される記録紙Pをスタック部150へ排出する一方で、両面プリントモードが設定されている場合には、排紙ローラ対181を逆転させて記録紙Pを再給紙路170側へスイッチバックさせる。すなわち、排紙ローラ対181は、一対の排紙ローラ181a,181bを備え、排紙センサ182により、記録紙Pが排紙ローラ181a,181bに端部が挟まれたニップ状態を検出したら、排紙ローラ181a,181bを逆転させる。これにより、記録紙Pが両面ローラ183により搬送され再給紙路170を通って、その裏面に転写可能な向きに表裏が反転した状態で、再度、二次転写ニップへと搬送される。そして、二次転写ニップを通過し記録紙Pの裏面にトナー像が形成された後、定着装置140でトナー像が記録紙Pに定着され、排紙ローラ対181によりスタック部150へと排出される。
次に、本プリンタが備える駆動装置の一例について説明する。
[実施例1]
図2は、実施例1に係る駆動装置30の概略断面図である。
この実施例1に係る駆動装置30は、定着ローラ145とレジスト駆動ローラ143aと給紙ローラ142を駆動するものであり、定着ローラ145、レジスト駆動ローラ143aおよび給紙ローラ142の軸方向一端側に設けられている。
定着ローラ145とレジスト駆動ローラ143aと給紙ローラ142を駆動する駆動源たるモータ1は、ブラケット31のローラ側の面とは反対側の面に固定されている。モータ1のモータ軸は、ブラケット31を貫通しており、モータ軸の外周には歯が形成されておりモータギヤ1aとなっている。
ブラケット31と、ブラケット31のローラ側の面に対向する側板32との間には、定着ローラ145に駆動伝達を行う定着駆動伝達機構301と、レジスト駆動ローラ143aと給紙ローラ142に駆動伝達を行うレジスト給紙駆動伝達機構302とが配設されている。
定着駆動伝達機構301は、定着アイドラギヤ2と、定着ギヤ3とを備えている。定着アイドラギヤ2は、ブラケット31と側板32とに固定された第一固定軸Sに回転自在に支持されており、モータギヤ1aと噛み合う第一外歯ギヤ2aと、定着ギヤ3と噛み合う第二外歯ギヤ2bとを有している。定着ギヤ3は、軸受32aを介して側板32に回転自在に支持された定着ローラ145の定着軸145bに一体的に回転するように取り付けられている。
レジスト給紙駆動伝達機構302は、レジスト給紙アイドラギヤ4、速度切替装置としての速度切替機構D、分岐ギヤ12、給紙アイドラギヤ16、給紙クラッチギヤ14、給紙電磁クラッチ13を有している。レジスト給紙アイドラギヤ4は、ブラケット31と側板32とに固定された第二固定軸tに回転自在に支持されている。
速度切替機構Dは、減速比が互いに異なる二系統の駆動伝達経路を有している。第一駆動伝達経路D1は、入力駆動伝達部材たる第一入力ギヤ6aと、出力駆動伝達部材たる第一出力ギヤ10と、駆動伝達切り替え手段たる第一電磁クラッチ8とを有している。第二駆動伝達経路D2は、入力駆動伝達部材たる第二入力ギヤ6bと、出力駆動伝達部材たる第二出力ギヤ11と、駆動伝達切り替え手段たる第二電磁クラッチ9とを有している。
第一入力ギヤ6aと第二入力ギヤ6bは一体で構成されており、その一体物であるレジスト給紙駆動伝達部材102が、ブラケット31と側板32とに固定された第三固定軸uに回転自在に支持されている。
第一出力ギヤ10と、第一電磁クラッチ8と、第二出力ギヤ11と、第二電磁クラッチ9は、軸受32b,31aを介して側板32とブラケット31とに回転自在に支持されたレジスト駆動ローラ143aのレジスト軸7に設けられている。第一出力ギヤ10と第二出力ギヤ11は、レジスト軸7に回転自在に支持されている。第一電磁クラッチ8と第二電磁クラッチ9は、レジスト軸7に固定されている。第一電磁クラッチ8は、軸方向から第一出力ギヤ10と係合しており、第二電磁クラッチ9は、軸方向から第二出力ギヤ11と係合している。
速度切替機構Dは、第一電磁クラッチ8と第二電磁クラッチ9のON/OFFを制御して、第一駆動伝達経路D1と第二駆動伝達経路D2との間で駆動伝達経路を切り替えることにより、速度の切り替えを行うことができる。
また、レジスト軸7には、分岐ギヤ12がレジスト軸7と一体的に回転するように取り付けられており、この分岐ギヤ12には、給紙アイドラギヤ16が噛み合っている。給紙アイドラギヤ16は、ブラケット31と側板32とに固定された第四固定軸vに回転自在に支持されている。給紙アイドラギヤ16には、給紙クラッチギヤ14が噛み合っている。この給紙クラッチギヤ14と給紙電磁クラッチ13は、軸受32c,31bを介して側板32とブラケット31に回転自在に支持された給紙ローラ142の給紙軸15に設けられている。
図3は、第二電磁クラッチ9の概略構成図である。
第二電磁クラッチ9は、軸固定部9e、電磁コイル部9d、ロータ部9c、アーマチュア9b、駆動連結部材9fなどを備えている。軸固定部9eには、レジスト軸7が挿入される挿入穴を有しており、その挿入穴の断面は、円形形状の一部が切り欠かれた略角丸四角形状となっている。レジスト軸7には、この挿入穴に嵌合するように、挿入穴と相似形状の断面略角丸四角形状を有している。レジスト軸7の断面略角丸四角形状は、第二電磁クラッチ9が取り付けられた箇所まで延びている。軸固定部9eの断面略角丸四角形状部分を、レジスト軸7の断面略角丸四角形状部分と嵌合させることにより、軸固定部9eを、レジスト軸7と連れ回りするように固定している。
軸固定部9eには、電磁コイル部9dが、軸固定部9eに対して回転自在に取り付けられている。一方、ロータ部9cは、軸固定部9eと一体で回転するよう軸固定部9eに固定されている。アーマチュア9bは、第二レジスト出力ギヤ側に延びる一対の駆動爪9aを備えた駆動連結部材9fに取り付けられている。第二出力ギヤ11の第二電磁クラッチ9との対向面には、一対の駆動連結穴11aが形成されており、これら駆動連結穴11aに駆動連結部材9fの駆動爪9aが嵌合している。これにより、第二電磁クラッチ9と第二出力ギヤ11とが、一体で回転可能となっている。
第二電磁クラッチ9のOFF時は、駆動連結部材9fはフリーな状態となっており、軸固定部9eに対して空回り可能な状態となっている。これにより、第二出力ギヤ11からレジスト軸7への駆動伝達が遮断され、駆動連結部材9fと第二出力ギヤ11とがレジスト軸7に対して空回りする。
クラッチON時は、電磁コイル部9dに電流が流れ、電磁力が発生する。電磁力が発生すると、金属円盤のアーマチュア9bが、電磁力により、電磁コイル部9dへ引き寄せられ、アーマチュア9bと一体の駆動連結部材9fが、ロータ部9c側へスライド移動する。そして、アーマチュア9bがロータ部9cに吸着し、第二出力ギヤ11に伝達された駆動力が第二電磁クラッチ9を介してレジスト軸7に伝達される。これにより、レジスト駆動ローラ143aが回転駆動する。
本実施形態の第二電磁クラッチ9では、駆動連結部材9fが軸方向にスライド移動可能に設ければよく、第二出力ギヤ11は、レジスト軸7に対して回転可能にすればよく、第二出力ギヤ11を軸方向にスライド移動可能に構成する場合に比べてレジスト軸7との隙間を小さくできる。これにより、第二出力ギヤ11がレジスト軸7に対して傾くのを抑制することができる。
第一電磁クラッチ8および給紙電磁クラッチ13の構成は、第二電磁クラッチ9と同一の構成である。
本実施形態では、記録紙Pの種類に応じて画像形成速度を変更して、高画質を得るのに適した搬送速度で二次転写ニップや定着ニップを記録紙が通過するようにしている。例えば、厚紙のときは、二次転写ローラ178の回転速度や定着ローラ145の回転速度を、普通紙のときに比べて遅くして、二次転写ニップや定着ニップを通過する記録紙の速度を落としている。また、レジストローラ対143と二次転写ローラ178との間で紙の引っ張り合いや送りすぎないよう、レジスト駆動ローラ143aについては、二次転写ローラ178の回転速度との速度比が、普通紙のときと同じ速度比に維持されるように、回転速度を変更している。また、同様な理由で、給紙ローラ142とレジスト駆動ローラ143aとの速度比も、普通紙のときと同じ速度比に維持されるように、回転速度を変更している。
レジスト駆動ローラ143aと定着ローラ145の回転速度の関係は、二次転写ローラ178の回転速度を基準とすると、以下のようになる。すなわち、普通紙のときの二次転写ローラ178の回転速度をVfとすると、レジスト駆動ローラ143aの回転速度は、Vf×(1+α)、定着ローラ145の回転速度は、Vf×(1+β)の関係となっている。厚紙のときは、二次転写ローラ178の回転速度をVfからVt(Vf>Vt)に変更し、レジスト駆動ローラ143aの回転速度は、Vf×(1+α)、定着ローラ145の回転速度は、Vt×(1+β+γ)の関係となっている。例えば、α=0.004、β=−0.006、γ=0.006、普通紙のときの二次転写ローラ178の回転速度Vf=178[mm/s]のとき、定着ローラ145の回転速度は、176.932[mm/s]となる。また、レジスト駆動ローラ143aの回転速度は、178.712[mm/s]となる。従って、このときのレジスト駆動ローラ143aと、定着ローラ145の相対速度比は、約1%である。
厚紙のときの二次転写ローラ178の回転速度Vtが、普通紙のときの回転速度に対して半分の速度89[mm/s]に設定したときは、定着ローラ145の回転速度は89[mm/s]となる。また、レジスト駆動ローラ143aの回転速度は、89.36[mm/s]となる。従って、このときのレジスト駆動ローラ143aと、定着ローラ145の相対速度比は、約0.4%である。
このように、本実施形態では、普通紙と厚紙のときとで、レジスト駆動ローラ143aと、定着ローラ145の相対速度比が異なる。従って、モータ1の回転速度を切り替えただけでは、定着ローラ145およびレジスト駆動ローラ143aのいずれか一方しか、規定の回転速度にすることができない。そのため、本実施形態では、駆動装置30のレジスト給紙駆動伝達機構302に互いに速度伝達比が異なる二系統の駆動伝達経路を備えた速度切替機構Dを設けている。これにより、定着ローラ145に関しては、モータ1の回転速度を調整することで、普通紙と厚紙とで定着ローラ145を規定の回転速度にできる。一方、レジスト駆動ローラ143aについては、速度切替機構Dにより駆動伝達経路を切り替えることで、厚紙のときの二次転写ローラ178との相対速度比を、普通紙のときと同じ速度比にできる。
本実施例1においては、モータギヤ1aの歯数をZ1、レジスト給紙アイドラギヤ4の歯数をZ2、第一入力ギヤ6aの歯数をZ3、第一出力ギヤ10の歯数をZ4とすると、第一駆動伝達経路D1を用いて駆動伝達を行うときの速度伝達比V1は、以下のようになる。
V1=(Z2/Z1)×(Z3/Z2)×(Z4/Z3)
=(Z4/Z1)・・・・(1)
また、第二入力ギヤ6bの歯数をZ6、第二出力ギヤ11の歯数をZ7とすると、第二駆動伝達経路D2を用いて駆動伝達を行うときの速度伝達比V2は、以下のようになる。
V2=(Z2/Z1)×(Z3/Z2)×(Z6/Z5)
=(Z3/Z1)×(Z6/Z5)・・・・(2)
第一駆動伝達経路D1を用いたときと、第二駆動伝達経路D2を用いたときとの相対速度比(V1/V2)は、(Z4/Z3)×(Z5/Z6)となる。よって、相対速度比は、第一駆動伝達経路D1の速度伝達比(Z4/Z3)と、第二駆動伝達経路D2の速度伝達比(Z5/Z6)とにより決まる。このように、本実施形態では、第一駆動伝達経路D1の2つのギヤ(第一入力ギヤ6aおよび第一出力ギヤ10)と、第二駆動伝達経路D2の2つのギヤ(第二入力ギヤ6bおよび第二出力ギヤ11)により相対速度比を調整することができる。
具体的には、第一駆動伝達経路D1を構成するギヤ(第一入力ギヤ6aと第一出力ギヤ10)のモジュールと、第二駆動伝達経路D2を構成するギヤ(第二入力ギヤ6bと第二出力ギヤ11)のモジュールを異ならせる。一例を挙げると、第一駆動伝達経路D1を構成する第一入力ギヤ6aと第一出力ギヤ10のモジュール0.5、第一入力ギヤ6aの歯数Z3を60歯、第一出力ギヤ10の歯数Z4を61歯とする。また、第二駆動伝達経路D2を構成する第二入力ギヤ6bと第二出力ギヤ11のモジュール0.6、第二入力ギヤ6bの歯数Z5を50歯、第二出力ギヤ11の歯数Z6を51歯とする。この例の第一駆動伝達経路D1を用いたときと、第二駆動伝達経路D2を用いたときとの相対速度比(V1/V2)が、0.3%となる。
また、各駆動伝達経路を構成するギヤのねじれ角を互いに異ならせることで、上記相対速度比(V1/V2)を、1%以下にすることができる。例えば、第一駆動伝達経路D1の第一入力ギヤ6aと第一出力ギヤ10のモジュール0.5、ねじれ角0°(平歯)とし、第一入力ギヤ6aの歯数Z3を60歯、第一出力ギヤ10の歯数Z4を61歯とする。第二駆動伝達経路D2を構成する第二入力ギヤ6bと第二出力ギヤ11のモジュール0.5、ねじれ角を8°(はす歯)、第二入力ギヤ6bの歯数Z5を59歯、第二出力ギヤ11の歯数Z6を60歯とする。この例の第一駆動伝達経路D1を用いたときと、第二駆動伝達経路D2を用いたときとの相対速度比(V1/V2)が、0.03%となる。
このように、本実施例1では、各駆動伝達経路を構成するギヤの歯数100歯未満で、相対速度比を1%以下にすることができる。これにより各駆動伝達経路のギヤを小径にして、相対速度比を1%以下にすることができ、装置の小型化を図ることができる。これは、駆動力を伝達する状態と駆動力の伝達を遮断する状態とを切り替え可能な駆動伝達切り替え手段たる電磁クラッチを各駆動伝達経路に設けることで、各駆動伝達経路に駆動力を伝達し、各駆動伝達経路内で、駆動力を出力するか否かを選択することができる。これにより、駆動伝達経路に駆動力を入力するためのギヤ(本実施例1の第一入力ギヤ6a、第二入力ギヤ6b)と、駆動を出力ためのギヤ(本実施例1の第一出力ギヤ10、第二出力ギヤ11)とを駆動伝達経路毎に設けることができるからである。
図4は、駆動装置30の制御の一例を示す制御フロー図である。
まず、本プリンタの制御部は、搬送される記録紙Pが厚紙か否かをチェックする(S1)。搬送される記録紙Pの紙厚の情報は、例えば、給紙カセットに記録紙をセットしたときに、操作表示部を操作してユーザーがセットした記録紙の紙厚情報を入力させることで、把握することができる。また、レジストローラ対143よりも搬送方向上流側に紙厚検知センサを設けて、紙厚検知センサで紙厚を検知することで、搬送される記録紙Pの紙厚を把握してもよい。
搬送されてくる記録紙が厚紙ではないとき(S1のNo)は、第一電磁クラッチ8をOFFにし、第二電磁クラッチ9をONにして(S4)、第二駆動伝達経路D2を用いてレジスト駆動ローラ143aに駆動力を伝達するように設定する。そして、モータ1を第二の回転速度Vbで駆動する(S5)。これにより、定着ローラ145およびレジスト駆動ローラ143a、二次転写ローラ178の回転速度Vfに対して、所定の速度比で回転駆動する。
一方、搬送されてくる記録紙が厚紙のとき(S1のYes)は、第一電磁クラッチ8をONにし、第二電磁クラッチ9をOFFにして(S2)、第一駆動伝達経路D1を用いてレジスト駆動ローラ143aに駆動力を伝達するように設定する。そして、モータ1を第二の回転速度Vbよりも遅い第一の回転速度Vaで駆動する(S3)。
モータ1を第二の回転速度Vbよりも遅い第一の回転速度Vaで駆動することにより、定着ローラ145は、遅い回転速度で回転駆動する。これにより、厚紙であっても定着ニップにおいて、記録紙上のトナー像を十分に加熱することができ、トナー像を良好に溶融させることができ、良好な定着性を得ることができる。本実施形態においては、第一の回転速度Vaを第二の回転速度Vbに対して、0.3%〜0.6%落としている。
一方、厚紙のとき、レジスト駆動ローラ143aは、第一駆動伝達経路D1を介して駆動力が伝達され回転駆動する。第一駆動伝達経路D1は、モータ1を第一の回転速度Vaで駆動したとき、レジスト駆動ローラ143aの回転速度が、厚紙のときの二次転写ローラ178の回転速度vtに対して、普通紙のときと同じ速度比となるように設定されている。これにより、厚紙のとき定着ローラ145の回転速度を落とすべくモータ1の回転速度を落としても、レジストローラ対143と二次転写ローラ178との速度比を維持することができる。これにより、厚紙のときでも、二次転写ニップへ記録紙を良好に搬送することができ、良好に中間転写ベルト179上のトナー像を、記録紙に二次転写することができる。
また、上述したようにレジスト給紙駆動伝達機構302を介して駆動力が伝達される給紙ローラ142について、レジスト駆動ローラ143aとの相対速度比を、普通紙のときと厚紙のときとで同じ相対速度比に維持されるように、回転速度を変更する必要がある。
図5は、従来の駆動装置30'の概略断面図である。
図5に示すように、従来の駆動装置30’においては、給紙アイドラギヤ16を、速度切替機構Dの第一駆動伝達経路D1の出力駆動伝達部材たる第一出力ギヤ10に噛み合せており、第一出力ギヤ10から、駆動力が伝達される構成となっていた。
かかる構成においては、給紙ローラ142への駆動伝達経路は、モータギヤ1a→レジスト給紙アイドラギヤ4→第一入力ギヤ6a→第一出力ギヤ10→給紙アイドラギヤ16→給紙クラッチギヤ14である。この構成においては、第一電磁クラッチ8と第二電磁クラッチ9のON/OFF制御で、第一駆動伝達経路D1と第二駆動伝達経路D2との間で駆動伝達経路が切り替わっても、給紙ローラ142への駆動伝達経路が切り替わることがなく、上記駆動経路で給紙ローラ142に駆動力が伝達される。その結果、従来においては、厚紙のときと普通紙のときとで、レジスト駆動ローラ143aと給紙ローラ142との速度比が変わってしまう。よって、普通紙搬送時または厚紙搬送時において、給紙ローラ142とレジストローラ対143との間で紙の引っ張り合いや送りすぎによる紙の座屈などが発生するおそれがある。
これに対し、本実施例1においては、先の図2に示すように、速度切替機構Dが駆動力を出力する出力対象部材であるレジスト軸7に分岐ギヤ12を設け、レジスト軸7を介して給紙ローラ142へ駆動力が伝達される。これにより、第一電磁クラッチ8がONのときは、レジスト駆動ローラ143aと同様に、第一駆動伝達経路D1を介して駆動力が給紙ローラ142に伝達される。一方、第二電磁クラッチ9がONのときは、第二駆動伝達経路D2を介して駆動力が給紙ローラ142に伝達される。これにより、給紙ローラ142は、レジスト駆動ローラ143aと同様に、速度切替機構Dにより速度が変更され、給紙ローラ142とレジスト駆動ローラ143aとの相対速度比を、厚紙のときと普通紙のときとで、同じ相対速度比に維持することができる。
このように、本実施例1の駆動装置30は、給紙ローラ142とレジスト駆動ローラ143aとの相対速度比は変更せずに、定着ローラ145と、給紙ローラ142およびレジスト駆動ローラ143aとの相対速度比を変更することができる。
[実施例2]
図6は、実施例2に係る駆動装置30Aの概略構成図であり、(a)は、概略断面図であり、(b)は、ブラケット側から見た概略図である。
この実施例2の駆動装置30Aは、実施例1の変形であり、速度切替機構Dの第一駆動伝達経路D1を、ベルト部材を用いて駆動伝達を行うように構成し、第二駆動伝達経路D2を、複数の外歯ギヤからなるギヤ列で構成したものである。以下の説明では、実施例1と同一の点は説明を省略する。
第一駆動伝達経路D1は、第一入力プーリ6cと、第一出力プーリ43と、歯付きベルトたる第一タイミングベルト42と、第一電磁クラッチ8とで構成されている。第二駆動伝達経路D2は、第二入力ギヤ6bと、第二中継ギヤ45と、第二クラッチギヤ44と、第二電磁クラッチ9と、第二出力ギヤ11とで構成されている。
第一入力プーリ6cと第二入力ギヤ6bとは一体物であり、その一体物が第二固定軸tに回転自在に支持されている。また、第一出力プーリ43は、レジスト軸7に回転自在に支持されている。第一電磁クラッチ8は、レジスト軸7に固定されており、第一出力プーリ43と軸方向から係合している。第一タイミングベルト42は、第一入力プーリ6cと第一出力プーリ43とに張架されている。
第二入力ギヤ6bは、モータギヤ1aと噛み合っている。第二中継ギヤ45は、ブラケット31と側板32とに軸受31c,32dを介して回転自在に支持された回転軸xに、回転軸xと一体的に回転するように設けられており、第二入力ギヤ6bと噛み合っている。また、この回転軸xには、第二クラッチギヤ44と第二電磁クラッチ9とが設けられている。第二クラッチギヤ44は、回転軸xに対して回転自在に支持されており、第二電磁クラッチ9は、回転軸xに固定されており、第二クラッチギヤ44と軸方向から係合している。第二クラッチギヤ44には、レジスト軸7と一体的に回転するようにレジスト軸7に取り付けられた第二出力ギヤ11が噛み合っている。
モータギヤ1aの歯数をZ1、第二入力ギヤ6bの歯数をZ2、第一入力プーリ6cの歯数をZ3、第一出力プーリ43の歯数をZ4とすると、第一駆動伝達経路D1を用いた速度伝達比V1は、以下の式となる。
V1=(Z2/Z1)×(Z4/Z3)・・・・(式3)
また、第二中継ギヤ45の歯数をZ5、第二クラッチギヤ44の歯数をZ6、第二出力ギヤ11の歯数をZ7とすると、第二駆動伝達経路D2を用いた速度伝達比V1は、以下の式となる。
V2=(Z2/Z1)×(Z5/Z2)×(Z7/Z6)
=(Z5/Z1)×(Z7/Z6)・・・・(式4)
上記式3と、式4から、第一駆動伝達経路D1を用いたときと、第二駆動伝達経路D2を用いたときとの相対速度比(V1/V2)は、以下のようになる。
(V1/V2)=(Z2/Z1)×(Z4/Z3)
×(Z1/Z5)×(Z6/Z7)
=(Z4/Z3)×{(Z2/Z5)×(Z6/Z7)}・(式5)
このように、実施例2においても、相対速度比が実施例1と同様、第一駆動伝達経路D1の速度伝達比(Z4/Z3)と、第二駆動伝達経路D2の速度伝達比((Z5/Z2)×(Z7/Z6))とにより決まる。このように、実施例2においても、第一駆動伝達経路D1の複数の駆動伝達部材(第一入力プーリ6cおよび第一出力プーリ43)と、第二駆動伝達経路D2の複数の駆動伝達部材(第二入力ギヤ6b、第二中継ギヤ45、第二クラッチギヤ44および第二出力ギヤ11)により相対速度比を調整することができる。これにより、各駆動伝達経路を構成するギヤやプーリの歯数が、100歯未満でも、相対速度比を1%未満にすることができる。
従って、この実施例2でも、実施例1と同様に、各駆動伝達経路の歯数を100歯以下で、相対速度比を1%以下にすることができ、ギヤやプーリの大径化を抑制することができ、装置の大型化を抑制することができる。
また、タイミングベルトを用いて構成した第一駆動伝達経路D1を、厚紙時の駆動伝達経路に用い、第二駆動伝達経路D2を、普通紙などの厚紙以外のときの駆動伝達経路に用いるのが好ましい。駆動伝達経路として、タイミングベルトを用いて構成するよりも外歯ギヤのみで構成したほうが摩耗等に強く、繰り返し使用に対する耐久性が高い。一方で、駆動伝達経路としては、外歯ギヤのみで構成した場合は、大きな負荷変動が生じた場合、歯同士が突き当たり、歯が損傷したり、騒音が発生したりするおそれがある。これに対し、タイミングベルトを用いて構成した場合は、タイミングベルトが弾性変形して、その負荷変動を吸収することができ、負荷変動に対する耐久性が高く静音性も高い。
よって、レジストローラ対143に進入したときやレジストローラ対143を抜けたときの負荷変動が大きい厚紙のときに、タイミングベルトを用いて構成した第一駆動伝達経路D1を用いる。そして、一般的に使用頻度の高い普通紙などの厚紙以外のときに、外歯ギヤのみで構成した第二駆動伝達経路D2を用いる。これにより、繰り返し使用に対する耐久性と、負荷変動に対する耐久性の両立を図ることができ、かつ、装置の静音性を高めることができる。
また、この実施例2においては、第一電磁クラッチ8をレジスト軸7に設け、第二電磁クラッチ9を回転軸xに設けて、各電磁クラッチ8,9を互いに異なる軸に設けている。また、第一電磁クラッチ8、第二電磁クラッチ9、および給紙電磁クラッチ13は、軸方向一端側であるブラケット側から見た時、駆動装置30のいずれの駆動伝達部材と重ならないように、構成している。具体的には、同軸上に設けられた駆動伝達部材に対して、最もブラケット31側に配置している。すなわち、第一電磁クラッチ8は、分岐ギヤ12、第二出力ギヤ11および第一出力プーリ43よりも、ブラケット31側に配置している。また、第二電磁クラッチ9は、第二中継ギヤ45、第二クラッチギヤ44よりも、ブラケット31側に配置している。また、給紙電磁クラッチ13は、給紙クラッチギヤ14よりもブラケット31側に配置しているのである。また、第二電磁クラッチ9よりもブラケット側に配置された第一タイミングベルト42を、第二電磁クラッチ9に対して紙面と直交する方向にずらして配置し、第一タイミングベルト42が、ブラケット側から見た時、第二電磁クラッチ9と重ならないようにしている(図7(b)参照)。
側板32には、ブラケット31を固定するためスタッド35が設けられており、ブラケット31はその4角をネジ33によりスタッド35に固定されている。
図7は、ブラケット31を取り外した実施例2の駆動装置30Aの概略構成図であり、(a)は、概略断面図であり、(b)は、ブラケット側から見た概略図である。
一般的に、電磁クラッチは、ギヤやプーリなどの駆動伝達部材に比べて寿命が短く、定期的に交換が必要となってくる。
上述したように、本実施例2では、各電磁クラッチ8、9、13を互いに異なる軸に設け、同軸上に設けられた駆動伝達部材に対して、軸方向一端側であるブラケット側に配置している。また、第一タイミングベルト42よりも装置の内側に配置された第二電磁クラッチ9が、軸方向において第一タイミングベルト42と重ならないように、回転軸xを配置している。これにより、各電磁クラッチ8、9、13は、図7(b)に示すように、ブラケット側から見た時、駆動装置のいずれの駆動伝達部材とも重なっていない。従って、上記ネジ33を取り外して、モータ1とともにブラケット31を取り外すと、図7(b)に示すように、各電磁クラッチ8、9、13が露出する。これにより、同軸上に配置された駆動伝達部材を軸から取り外すことなく、各電磁クラッチの交換を行うことができ、電磁クラッチの交換作業を簡素化することができる。
[実施例3]
図8は、実施例3の駆動装置30Bの概略構成図であり、(a)は、概略断面図であり、(b)は、ブラケット側から見た概略図である。
この実施例3の駆動装置30Bは、実施例2の変形であり、各電磁クラッチ8,9,13が固定された軸x,7,15を受けるブラケット31に取り付けられた軸受31a,31b,31cの直径を、各電磁クラッチ8,9,13の外径以上にしたものである。各軸受31a,31b,31cは、ネジ311a,311b,311cによりブラケット31に固定されている。
図9は、各軸受31a,31b,31cをブラケット31から取り外した実施例3の駆動装置30Bの概略構成図であり、(a)は、概略断面図であり、(b)は、ブラケット側から見た概略図である。
図9に示すように、レジスト軸7を受ける軸受31aをブラケット31から取り外すと、レジスト軸7に固定され、分岐ギヤ12や第二出力ギヤ11よりもブラケット側に配置された第一電磁クラッチ8が露出する。これより、ブラケット31に設けられた軸受31aが嵌る穴131bから、第一電磁クラッチ8にアクセスでき、第一電磁クラッチ8の交換を行うことができる。
また、給紙軸15を受ける軸受31bをブラケット31から取り外すと、給紙軸15に固定され、給紙クラッチギヤ14よりもブラケット側に配置された給紙電磁クラッチ13が露出する。これより、ブラケット31に設けられた軸受31bが嵌る穴131cから、給紙電磁クラッチ13にアクセスでき、給紙電磁クラッチ13の交換を行うことができる。
また、回転軸xを受ける軸受31cをブラケット31から取り外すと、回転軸xに固定され、第二中継ギヤ45や第二クラッチギヤ44よりもブラケット側に配置された第二電磁クラッチ9が露出する。これより、ブラケット31に設けられた軸受31cが嵌る穴131aから、第二電磁クラッチ9にアクセスでき、第二電磁クラッチ9の交換を行うことができる。
この実施例3の駆動装置30Bは、電磁クラッチの交換に際して、軸受のみを取り外せばよく、大きなブラケット31をモータ1とともに取り外すものに比べて、電磁クラッチの交換作業を容易に行うことができる。
[実施例4]
図10は、実施例4に係る駆動装置30Cの概略断面図である。
この実施例4は、実施例1の変形であり、速度切替機構Dの第一駆動伝達経路D1と第二駆動伝達経路D2の両方を、タイミングベルトを用いて構成したものである。第一駆動伝達経路D1は、先の実施例と同様、第一入力プーリ6cと、レジスト軸7に取り付けられた第一出力プーリ43と、第一入力プーリ6cと第一出力プーリ43とに張架された歯付きベルトたる第一タイミングベルト42と、第一出力プーリ43と軸方向から係合し、レジスト軸7に取り付けられた第一電磁クラッチ8とで構成されている。
第二駆動伝達経路D2は、回転軸xに支持された第二入力プーリ17と、レジスト軸7に取り付けられた第二出力プーリ19と、第二入力プーリ17と第二出力プーリ19とに張架された歯付きベルトたる第二タイミングベルト18と、第二入力プーリ17と軸方向から係合し、回転軸xに取り付けられた第二電磁クラッチ9とで構成されている。
また、回転軸xの第一入力プーリ6cと第二入力プーリ17との間には、レジスト給紙アイドラギヤ4と噛み合うレジスト給紙入力ギヤ41が設けられており、第一入力プーリ6cとレジスト給紙入力ギヤ41とが一体的に形成されている。そして、その一体物が回転軸xと一体的に回転するように回転軸xに取り付けられている。
本実施例4でも、第一駆動伝達経路D1の入力伝達部材である第一入力プーリ6cの歯数と第一駆動伝達経路D1の出力伝達部材である第一出力プーリ43の歯数との比と、第二駆動伝達経路D2の入力伝達部材である第二入力プーリ17の歯数と第二駆動伝達経路D2の出力伝達部材である第二出力プーリ19の歯数との比とで、相対速度比(V1/V2)が決まる。よって、第一入力プーリ6cの歯数と第一出力プーリ43の歯数と第二入力プーリ17の歯数と第二出力プーリ19の歯数とにより、第一駆動伝達経路D1を用いたときと、第二駆動伝達経路D2を用いたときとの相対速度比(V1/V2)を調整することができる。
例えば、一方の駆動伝達経路のタイミングベルトとしてS2M形式のタイミングベルトを用い、他方の駆動伝達経路のタイミングベルトとしてS3M形式のタイミングベルトを用い、タイミングベルトの歯形を互いに異ならせることで、各プーリの歯数100歯以下で、相対速度比(V1/V2)1%以下にすることができる。
また、各駆動伝達経路を、タイミングベルトを用いた構成とすることで、レジスト駆動ローラ143aや給紙ローラ142がモータ1から離れた位置に配置されていたとき、複数のギヤが噛み合ったギヤ列で各駆動伝達経路を構成した場合に比べて、部品点数を削減してレジスト駆動ローラ143aや給紙ローラ142に駆動伝達を行うことができる。これにより、装置のコスト上昇を抑制することができる。
[実施例5]
図11は、実施例5に係る駆動装置30Dの概略断面図である。
この実施例5に係る駆動装置30Dは、速度切替機構Dよりも駆動伝達方向上流側に上段速度切替機構Eを設けたものである。
この実施例5に係る駆動装置30Dは、モータ1のモータギヤ1aがハスバギヤとなっている。このモータギヤ1aには、ハスバギヤとしての定着移動ギヤ21とレジスト給紙移動ギヤ28とが噛み合っている。定着移動ギヤ21は、ブラケット31と側板32とに固定された第一定着側固定軸S1に回転自在に支持されており、軸方向両側面に駆動連結爪21a,21bがそれぞれ複数設けられている。レジスト給紙移動ギヤ28は、第一レジスト側固定軸t1に回転自在に支持されており、定着移動ギヤ21と同様、軸方向両側面に駆動連結爪28a,28bがそれぞれ複数設けられている。
この定着移動ギヤ21から定着ローラ145への駆動伝達経路は、第一定着駆動伝達経路R1と、第二定着駆動伝達経路R2の二系統ある。第一定着駆動伝達経路R1は、定着入力プーリ22と定着タイミングベルト23と定着出力プーリ24とによって構成されている。第二定着駆動伝達経路R2は、定着入力ギヤ25と定着出力ギヤ26とによって構成されている。
定着入力プーリ22は、第一定着側固定軸S1のモータ側に回転自在に支持されており、定着移動ギヤ21と対向するローラ側の側面には、複数の駆動連結爪21bが嵌り込む複数の駆動連結穴22aが、駆動連結爪21bの回転軌道上に形成されている。また、この第一定着側固定軸S1のローラ側には、定着入力ギヤ25が回転自在に支持されている。定着入力ギヤ25の定着移動ギヤ21と対向するモータ側の側面には、複数の駆動連結爪21aが嵌り込む複数の駆動連結穴25aが、駆動連結爪21aの回転軌道上に形成されている。
この第一定着側固定軸S1と平行にブラケット31と側板32とに固定された第二定着固定軸S2には、定着出力プーリ24と定着出力ギヤ26とを備えた定着駆動伝達出力部材101が回転自在に取り付けられている。定着駆動伝達出力部材101の定着出力プーリ24と、定着入力プーリ22とに定着タイミングベルト23が張架されている。また、定着駆動伝達出力部材101の定着出力ギヤ26は、定着入力ギヤ25と、定着ローラ145の定着軸145bのモータ側端部に設けられた定着ギヤ3と噛み合っている。
第一定着駆動伝達経路R1を用いたときの速度伝達比と、第二定着駆動伝達経路R2を用いたときの速度伝達比が同じ値となるように、各駆動伝達部材が構成されている。よって、モータ1の回転速度が同じであれば、いずれの駆動伝達経路を経ても定着ローラ145は、同じ速度で回転するように構成されている。
また、レジスト給紙移動ギヤ28から速度切替機構Dへの駆動伝達経路は、第一レジスト給紙駆動伝達経路E1と、第二レジスト給紙駆動伝達経路E2の二系統ある。また、第一レジスト給紙駆動伝達経路E1と、第二レジスト給紙駆動伝達経路E2の速度伝達比を互いに異ならせており、第一レジスト給紙駆動伝達経路E1と、第二レジスト給紙駆動伝達経路E2と、レジスト給紙移動ギヤ28とで、上段速度切替機構Eが構成されている。
第一レジスト給紙駆動伝達経路E1は、第一レジスト給紙入力プーリ61と第一レジスト給紙タイミングベルト62と第一レジスト給紙出力プーリ63とによって構成されている。第二レジスト給紙駆動伝達経路E2は、第二レジスト給紙入力ギヤ64と、速度切替機構Dの第一入力ギヤ6aとによって構成されている。
第一レジスト給紙駆動伝達経路E1の第一レジスト給紙入力プーリ61は、第一レジスト側固定軸t1のモータ側に回転自在に支持されている。レジスト給紙移動ギヤ28と対向するローラ側の側面には、複数の駆動連結爪28bが嵌り込む複数の駆動連結穴61aが、駆動連結爪28bの回転軌道上に形成されている。この第一レジスト側固定軸t1のローラ側には、第二レジスト給紙入力ギヤ64が回転自在に支持されている。この第二レジスト給紙入力ギヤ64のレジスト給紙移動ギヤ28と対向するモータ側の側面には、複数の駆動連結爪28aが嵌り込む複数の駆動連結穴64aが、駆動連結爪28aの回転軌道上に形成されている。
この第一レジスト側固定軸t1と平行に、ブラケット31と側板32とに固定された第二レジスト側固定軸t2には、第一レジスト給紙出力プーリ63と速度切替機構Dの第一入力ギヤ6aおよび第二入力ギヤ6bを有するレジスト給紙駆動伝達部材102が回転自在に支持されている。レジスト給紙駆動伝達部材102の第一レジスト給紙出力プーリ63と、第一レジスト給紙入力プーリ61とに第一レジスト給紙タイミングベルト62が張架されている。また、第二レジスト給紙入力ギヤ64は、第一入力ギヤ6aと噛み合っている。
図11において、モータ1を駆動することで、ハスバギヤである定着移動ギヤ21と、レジスト給紙移動ギヤ28にはスラスト力が働く。ハスバギヤであるモータギヤ1aのねじれ方向が左で、定着移動ギヤ21およびレジスト給紙移動ギヤ28のねじれ方向が右の場合、モータ1をローラ側から見て時計回り(CW)方向に回転させたとき、定着移動ギヤ21およびレジスト給紙移動ギヤ28は、モータ側へスラスト移動する。その結果、定着移動ギヤ21は、駆動連結爪21bが定着入力プーリ22の駆動連結穴22aに嵌り込み、定着移動ギヤ21と定着入力プーリ22とが係合することで、定着移動ギヤ21と定着入力プーリ22とが一体的に回転駆動する。定着入力プーリ22は、定着タイミングベルト23を介して定着駆動伝達出力部材101の定着出力プーリ24に伝達され、定着駆動伝達出力部材101が駆動される。そして、定着駆動伝達出力部材101が有する定着出力ギヤ26を介して、定着軸145bに設けられた定着ギヤ3を駆動する。これにより、定着ローラ145は、第一定着駆動伝達経路R1から伝達された駆動力によってモータ1の回転方向と同方向に回転する。
また、モータ1を時計回りの回転方向で駆動することで、レジスト給紙移動ギヤ28がモータ側へ移動して、駆動連結爪28bが第一レジスト給紙入力プーリ61の駆動連結穴61aに嵌り込む。これにより、レジスト給紙移動ギヤ28と第一レジスト給紙入力プーリ61とが係合し、レジスト給紙移動ギヤ28と第一レジスト給紙入力プーリ61とが一体で回転駆動する。第一レジスト給紙入力プーリ61が回転駆動することにより、駆動力が、第一レジスト給紙タイミングベルト62を介して第二レジスト側固定軸t2に回転自在に取り付けられたレジスト給紙駆動伝達部材102の第一レジスト給紙出力プーリ63に伝達される。これにより、レジスト給紙駆動伝達部材102が回転駆動する。次に、レジスト給紙駆動伝達部材102が有する第一入力ギヤ6aを介して第一出力ギヤ10を駆動し、第二入力ギヤ6bを介して第二出力ギヤ11を駆動する。そして、第一電磁クラッチ8および第二電磁クラッチ9のいずれか一方をONにすることで、第一出力ギヤ10または第二出力ギヤ11からレジスト駆動ローラ143aおよび給紙ローラ142に駆動が伝達され、レジスト駆動ローラ143aおよび給紙ローラ142をモータ1の回転方向と同方向に回転駆動する。
一方、図11において、モータ1を反時計回り方向(CCW)に駆動することで、定着移動ギヤ21は、ローラ側へ移動する。その結果、定着移動ギヤ21の駆動連結爪21aが、定着入力ギヤ25の駆動連結穴25aに嵌り込む。これにより、定着移動ギヤ21と定着入力ギヤ25とが係合し、定着移動ギヤ21と定着入力ギヤ25とが一体で回転駆動する。そして、定着入力ギヤ25が、定着出力ギヤ26を駆動することで、定着ギヤ3が定着出力ギヤ26により駆動される。これにより、定着ローラ145は、第二定着駆動伝達経路R2から伝達された駆動力により、モータ1の回転方向とは逆方向の時計回り(CW)方向に駆動される。
また、モータ1を反時計回り(CCW)方向に駆動することで、レジスト給紙移動ギヤ28がローラ側へ移動して、レジスト給紙移動ギヤ28の駆動連結爪28aが第二レジスト給紙入力ギヤ64の駆動連結穴64aに嵌り込む。これにより、レジスト給紙移動ギヤ28と第二レジスト給紙入力ギヤ64とが係合し、レジスト給紙移動ギヤ28と第二レジスト給紙入力ギヤ64とが一体で駆動する。そして、第二レジスト給紙入力ギヤ64に噛み合う第一入力ギヤ6aに駆動力が伝達され、レジスト給紙駆動伝達部材102が回転駆動する。次に、レジスト給紙駆動伝達部材102の第一入力ギヤ6aを介して第一出力ギヤ10を駆動し、レジスト給紙駆動伝達部材102の第二入力ギヤ6bを介して第二出力ギヤ11が回転駆動する。そして、第一電磁クラッチ8および第二電磁クラッチ9のいずれか一方をONにすることで、第一出力ギヤ10または第二出力ギヤ11からレジスト駆動ローラ143aおよび給紙ローラ142に駆動が伝達され、レジスト駆動ローラ143aおよび給紙ローラ142をモータ1の回転方向と逆方向(CW方向)に回転駆動する。
この実施例5においては、レジスト駆動ローラ143aおよび給紙ローラ142への駆動伝達経路が、第一レジスト給紙駆動伝達経路E1および第一駆動伝達経路D1を経る駆動伝達経路と、第二レジスト給紙駆動伝達経路E2および第一駆動伝達経路D1を経る駆動伝達経路と、第一レジスト給紙駆動伝達経路E1および第二駆動伝達経路D2を経る駆動伝達経路と、第二レジスト給紙駆動伝達経路E2および第二駆動伝達経路D2を経る駆動伝達経路の4通りある。従って、第一レジスト給紙駆動伝達経路E1と第二レジスト給紙駆動伝達経路E2の速度伝達比を互いに異ならせ、第一駆動伝達経路D1と第二駆動伝達経路D2の速度伝達比を互いに異ならせることにより、4通りの速度切り替えを行うことができる。これにより、より細かに紙厚に応じて、モータ1の速度を切り替えて定着ローラ145の速度を切り替えるとともに、レジストローラ対143と、二次転写ローラ178と、給紙ローラ142とを所定の関係が維持された回転速度で回転させることができる。
このように、複数段、速度切替機構を設けることで、ひとつの速度切替機構で、速度切り替えを行う場合に比べて、駆動伝達経路を少なくすることができる。例えば、上段速度切替機構Eの駆動伝達経路が3、下段の速度切替機構Dの駆動伝達経路が3の場合は、6個の駆動伝達経路で3×3=9通りの速度切り替えを行うことができるのである。
また、上段速度切替機構Eの第一レジスト給紙駆動伝達経路E1と第二レジスト給紙駆動伝達経路E2の切り替えを、スラスト移動可能なハスバギヤたるレジスト給紙移動ギヤ28で行うことができ、電磁クラッチやワンウェイクラッチを各駆動伝達経路に設ける場合に比べて、部品点数を削減することができ、装置のコストダウンを図ることができる。
また、上段速度切替機構Eにおいても、各駆動伝達経路において、それぞれ入力伝達部材(第二レジスト給紙入力ギヤ64、第一レジスト給紙入力プーリ61)と、出力伝達部材(第一入力ギヤ6a、第一レジスト給紙出力プーリ63)とを設けることができ、2部材を用いて、速度伝達比を調整することができる。よって、上段速度切替機構Eにおいても、各駆動伝達経路の歯数を100歯以下で、相対速度比を1%以下にすることができる。
[実施例6]
図12は、実施例6に係る駆動装置30Eの概略断面図である。
この実施例6に係る駆動装置30Eは、第一レジスト給紙駆動伝達経路E1を第一レジスト給紙入力ギヤ51と、第一レジスト給紙アイドラギヤ52と、第一レジスト給紙出力ギヤ53とで構成したものである。以下の説明では、実施例5と同一の構成については、説明を省略する。
第一レジスト給紙入力ギヤ51は、第一レジスト側固定軸t1のモータ側に回転自在に支持されている。第一レジスト給紙入力ギヤ51のレジスト給紙移動ギヤ28と対向するローラ側の側面には、複数の駆動連結爪28bが嵌り込む複数の駆動連結穴51aが、駆動連結爪28bの回転軌道上に形成されている。第一レジスト給紙出力ギヤ53は、第一入力ギヤ6a,第二入力ギヤ6bを備え、第二レジスト側固定軸t2に回転自在に支持されたレジスト給紙駆動伝達部材102に設けられている。
第一レジスト給紙駆動伝達経路E1を、第一レジスト給紙入力ギヤ51と、第一レジスト給紙アイドラギヤ52と、第一レジスト給紙出力ギヤ53とで構成しギヤ数を奇数としている。これにより、実施例5と同様に、第一レジスト給紙駆動伝達経路E1を介して駆動伝達したときのレジスト駆動ローラ143aの回転方向を、モータ1の回転方向と逆方向に回転駆動させることができる。よって、モータ1をローラ側見て時計回り方向に回転させて、第二レジスト給紙駆動伝達経路E2を介して駆動伝達したときと、モータ1をローラ側見て反時計回り方向に回転させて、第一レジスト給紙駆動伝達経路E1を介して駆動伝達したときとで、レジスト駆動ローラ143aおよび給紙ローラ142の回転方向を、同一の方向にすることができる。
また、定着ローラ145に駆動伝達する第一定着駆動伝達経路R1および第二定着駆動伝達経路R2の一方を、偶数のギヤ列で構成し、他方を奇数のギヤ列で構成してもよい。
[実施例7]
図13は、実施例7に係る駆動装置30Fの概略断面図である。
この実施例7に係る駆動装置30Fは、第一レジスト給紙駆動伝達経路E1を、内歯歯車を用いて駆動伝達を行うように構成し、第二レジスト給紙駆動伝達経路E2を、複数の外歯ギヤが噛み合ったギヤ列で駆動伝達を行うように構成したものである。具体的には、第一レジスト給紙駆動伝達経路E1を内歯ギヤ66と、第一レジスト給紙出力ギヤ53とで構成し、第二レジスト給紙駆動伝達経路E2を第二レジスト給紙入力ギヤ64と第二レジスト給紙出力ギヤ68とで構成した。
レジスト給紙移動ギヤ28を回転自在に支持する第一レジスト側固定軸t1には、内歯ギヤ66と、第二レジスト給紙入力ギヤ64とが、レジスト給紙移動ギヤ28を挟んで対向するように回転自在に支持されている。内歯ギヤ66のレジスト給紙移動ギヤ28と対向する側面と、第二レジスト給紙入力ギヤ64のレジスト給紙移動ギヤ28と対向する側面とには、駆動連結爪28a,28bが嵌り込む駆動連結穴66a,64aが、駆動連結爪28a,28bの回転軌道上に形成されている。
第二レジスト側固定軸t2に回転自在に支持されたレジスト給紙駆動伝達部材102は、第一レジスト給紙出力ギヤ53、第二レジスト給紙出力ギヤ68、第一入力ギヤ6aおよび第二入力ギヤ6bを有している。
この実施例7においても、実施例5、6と同様に第一レジスト給紙駆動伝達経路E1を介して駆動伝達したときのレジスト駆動ローラ143aおよび給紙ローラ142の回転方向を、モータ1の回転方向と逆方向に回転駆動させることができる。一方、第二レジスト給紙駆動伝達経路E2を介して駆動伝達したときのレジスト駆動ローラ143aおよび給紙ローラ142の回転方向を、モータ1の回転方向と同方向に回転駆動させることができる。これにより、モータ1をローラ側見て時計回り方向に回転させて、第二レジスト給紙駆動伝達経路E2を介して駆動伝達したときと、モータ1をローラ側見て反時計回り方向に回転させて、第一レジスト給紙駆動伝達経路E1を介して駆動伝達したときとで、レジスト駆動ローラ143aの回転方向を、同一の方向にすることができる。
また、第一レジスト給紙駆動伝達経路E1を、内歯ギヤ66を用いて構成することで、第一レジスト給紙出力ギヤ53との噛み合い部を内歯ギヤ66で覆うことができ、噛み合い部で発生する騒音を、内歯ギヤ66により遮蔽することができる。また、外歯ギヤ同士の噛み合いに比べて外歯ギヤと内歯ギヤとの噛み合いのほうが噛み合い率を上げることができ、騒音や振動の発生を抑制することができる。これにより、駆動装置の静音性を高めることができる。このため、内歯ギヤ66を用いた駆動伝達経路としては、使用頻度が多い普通紙のときの駆動伝達経路として用いるのが好ましい。
[実施例8]
図14は、実施例8に係る駆動装置30Gの概略断面図である。
この実施例8に係る駆動装置30Gは、実施例5の変形例であり、モータ1を、側板32のローラ側側面に取り付けている。また、モータギヤ1aから駆動力が伝達され定着移動ギヤ21とレジスト給紙移動ギヤ28とに駆動力を伝達する駆動入力部材65を設けている。この駆動入力部材65は、筒状形状をしており、内周面に内歯65aが形成され、外周面に外歯65bが形成されている。駆動入力部材65は、ブラケット31と側板32とに固定された固定軸u1に回転自在に支持されており、内歯65aにモータギヤ1aが噛み合っている。外歯65bは、はす歯であり、この外歯65bに定着移動ギヤ21とレジスト給紙移動ギヤ28とが噛み合っている。
この実施例8においては、モータ1を、側板32のローラ側側面に取り付けることで、モータ音を側板32やブラケット31により遮ることができる。よって、モータ1をブラケット31のローラ側と反対側の面に設ける場合に比べて、モータ音を外部に漏れ難くすることができる。これにより、装置の静音化を図ることができる。また、モータ1を、側板32のローラ側側面に取り付けることで、モータ1をブラケット31のローラ側と反対側の面に設ける場合に比べて、駆動装置を軸方向に短くすることができる。これにより、装置の小型化を図ることができる。
また、モータギヤ1aを駆動入力部材65の内歯65aに噛み合わせることで、モータギヤ1aとの噛み合い率を高めることができ、回転ムラや騒音・振動の発生を抑制することができる。
また、初段の噛み合いであるモータギヤ1aとの噛み合いが騒音の付与率が最も高い。この騒音の付与率が高い初段のモータギヤ1aとの噛み合いを内歯65aの一つにすることで、初段のモータギヤ1aに定着移動ギヤ21とレジスト給紙移動ギヤ28とが噛み合う構成に比べて、騒音を抑制することができる。
上記実施例1〜実施例8においては、レジスト駆動ローラ143aにモータ1の駆動力を伝達するレジスト給紙駆動伝達機構302に速度切替装置を設けた例について説明したが、定着ローラ145にモータ1の駆動力を伝達する定着駆動伝達機構301に速度切替装置を設けてもよい。
また、上記実施例5〜8においては、上段速度切替機構Eの第一レジスト給紙駆動伝達経路E1と第二レジスト給紙駆動伝達経路E2との切り替えを、レジスト給紙移動ギヤ28を設け、モータ1の正転/逆転により行っているが、これに限られない。例えば、第一レジスト給紙駆動伝達経路E1と第二レジスト給紙駆動伝達経路E2にクラッチなどの駆動伝達切り替え手段を設け、各レジスト給紙駆動伝達経路の駆動伝達切り替え手段を制御して、駆動伝達経路を切り替えてもよい。かかる構成の場合は、定着駆動伝達機構301を1系統の駆動伝達経路にすることができる。また、上記実施例5〜8においては、速度切り替え機構は、2段であるが、2段以上であってもよい。また、実施例1〜8においては、速度切替機構Dは、二系統の駆動伝達経路であるが、3系統以上駆動伝達経路を設けて、そのうちのひとつから、レジスト駆動ローラ143aや給紙ローラ142に駆動伝達するように構成してもよい。
また、レジスト給紙駆動伝達機構302により、二次転写ローラ178と、レジスト駆動ローラ143aと、給紙ローラ142とに駆動力を伝達するようにしてもよい。また、レジスト給紙駆動伝達機構302により、二次転写ローラ178と、レジスト駆動ローラ143aとに駆動力を伝達する構成でもよい。
以上に説明したものは一例であり、以下の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
ひとつのモータ1などの駆動源により3つ以上の回転体(本実施形態では、定着ローラ145、レジスト駆動ローラ143aおよび給紙ローラ142)を回転駆動させる駆動装置30において、2つの回転体(本実施形態では、レジスト駆動ローラ143aおよび給紙ローラ142)に前記駆動源の駆動力を伝達するレジスト給紙駆動伝達機構302などの第一駆動伝達部と、前記2つの回転体とは別の回転体(本実施形態では、定着ローラ145)に前記駆動源の駆動力を伝達する定着駆動伝達機構301などの第二駆動伝達部とを有し、前記第一駆動伝達部または前記第二駆動伝達部に速度切替機構Dなどの速度切替装置を設けた。
これによれば、前記第一駆動伝達部または前記第二駆動伝達部に設けた速度切替装置によって、2つの回転体またはこれらとは別の回転体の速度を切り替えることにより、2つの回転体の速度比を維持して、前記別の回転体と、前記2つの回転体との速度比を変更することができる。
(態様2)
態様1において、速度切替機構Dなどの速度切替装置は、レジスト軸7などの出力対象部材を同方向に回転させ、かつ、速度伝達比が互いに異なる複数の駆動伝達経路(本実施形態では、第一駆動伝達経路D1と第二駆動伝達経路D2)を有し、複数の駆動伝達経路それぞれに、複数の駆動伝達部材(第一入力ギヤ6aと第一出力ギヤ10、第二入力ギヤ6bと第二出力ギヤ11)と、駆動力を伝達する状態と駆動力の伝達を遮断する状態とを切り替え可能な駆動伝達切り替え手段(第一電磁クラッチ8,第二電磁クラッチ9)とを設けた。
これによれば、複数の駆動伝達部材を複数の駆動伝達経路でそれぞれ個別に設けている。これにより、各駆動伝達経路において非共通の複数の駆動伝達部材の歯数を互いに異ならせて、各駆動伝達経路の速度伝達比を互いに異ならせることができる。よって、各駆動伝達経路の各駆動伝達部材の歯数が100歯以下でも、一方の駆動伝達経路による出力対象部材の速度と、他方の駆動伝達経路による出力対象部材との速度との比を、1%以下にすることができる。これにより、装置の小型化を図ることができる。
また、態様1では、複数の駆動伝達部材を複数の駆動伝達経路でそれぞれ個別に設けることで、一方の駆動伝達経路を、ベルト駆動伝達とし、他方の駆動伝達経路をギヤ列とするなど、駆動伝達の方式を各駆動伝達経路で互いに異ならせて、速度伝達比を1%以下に微調整することも可能となる。
また、複数の駆動伝達経路それぞれに電磁クラッチなどの駆動伝達切り替え手段を有しているので、出力対象部材の回転速度の切り替えを、各駆動伝達経路の駆動伝達切り替え手段を制御することにより行うことができる。
(態様3)
態様2において、前記2つの回転体(本実施形態では、レジスト駆動ローラ143aと、給紙ローラ142)は、レジスト軸7などの出力対象部材を介して駆動力が伝達される。
これによれば、実施形態で説明したように、2つの回転体は、速度切替機構Dなどの速度切替装置により速度が変更され、速度比を維持することができる。
(態様4)
態様2または3において、当該駆動装置30は、前記3つ以上の回転体の軸方向一端側に配置されるものであり、速度切替機構Dなどの速度切替装置の各駆動伝達経路に設けられた電磁クラッチ8,9などの各駆動伝達切り替え手段を、互いに異なる軸に設け、前記軸方向一端側から見た時、各駆動伝達切り替え手段が、レジスト給紙駆動伝達機構302などの第一駆動伝達部を構成する複数の駆動伝達部材(分岐ギヤ12、給紙アイドラギヤ16、給紙クラッチギヤ14等)、定着駆動伝達機構301などの第二駆動伝達部を構成する複数の駆動伝達部材(定着アイドラギヤ2、定着ギヤ3)、および、速度切替機構Dなどの速度切替装置の各駆動伝達経路の複数の駆動伝達部材(第二入力ギヤ6b、第一入力プーリ6c、第二中継ギヤ45、第二クラッチギヤ44、第二出力ギヤ11、第一タイミングベルト42、第一出力プーリ43等)のいずれとも重ならないように配置した。
これによれば、実施例2で説明したように、駆動伝達切り替え手段と同軸上の配置された駆動伝達部材を取り外すことなく、駆動伝達切り替え手段を取り外すことができ、駆動伝達切り替え手段の交換を容易に行うことができる。
(態様5)
態様4において、電磁クラッチ8,9などの駆動伝達切り替え手段が設けられた軸(回転軸X,レジスト軸7)を受け、この軸に設けられた駆動伝達切り替え手段よりも前記軸方向一端側に配置された軸受31c,31aなどの軸受部材の直径が、前記駆動伝達切り替え手段の外径よりも大径であり、かつ、前記軸受部材を介して前記軸を支持するブラケット31などの側板に対して前記軸受部材を着脱可能に設けた。
これによれば、実施例3で説明したように、軸受31c,31aなどの軸受部材を取り外すことにより、ブラケット31などの側板に設けられた軸受部材を嵌める穴から、駆動伝達切り替え手段にアクセスにして、駆動伝達切り替え手段を交換することができる。これにより、ブラケット31などの側板を取り外して、駆動伝達切り替え手段を交換する場合に比べて、駆動伝達切り替え手段の交換を容易に行うことができる。
(態様6)
態様1乃至5いずれかにおいて、レジスト給紙駆動伝達機構302などの第一駆動伝達部は、レジスト駆動ローラ143aなどのレジストローラと、給紙ローラ142に駆動力を伝達し、定着駆動伝達機構301などの第二駆動伝達部は、定着ローラ145に前記駆動力を伝達する。
これによれば、実施形態で説明したように、レジスト駆動ローラ143aなどのレジストローラと、給紙ローラ142との速度比を変更せずに、定着ローラ145とレジストローラとの速度比を変更することができる。
(態様7)
画像を形成する画像形成手段と、複数の出力回転体を駆動する駆動手段とを備えた画像形成装置において、前記駆動手段として、態様1乃至6いずれかの駆動装置を用いた。
これによれば、ひとつの駆動源で、2つの回転体の速度比を替えずに、別の回転体の速度と、2つの回転体との速度比を変更することができる。2つの回転体を駆動する駆動源と、前記別の回転体を駆動する駆動源とを別々に設ける装置に比べて、モータ騒音を低減することができ、装置の静音化を図ることができる。また、モータ数を削減することができ、装置のコストダウンや、装置の小型化を図ることができる。