JP3777881B2 - シートの搬送速度切換機構、および該搬送速度切換機構を備えた画像形成装置 - Google Patents
シートの搬送速度切換機構、および該搬送速度切換機構を備えた画像形成装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、駆動ローラのローラ軸に与える回転駆動力を変更して当該駆動ローラによるシートの搬送速度を第1または第2速度に選択的に切り換えるシートの搬送速度切換機構、および該搬送速度切換機構を備えた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プリンター、ファクシミリ装置および複写機などの画像形成装置には、給紙ユニットが装備されている。この給紙ユニットは、画像を形成すべき複写紙、転写紙、用紙およびOHP用透明シートなどのシートを駆動ローラによって所定位置に搬送するものである。近年、画像形成装置における処理内容が複雑化し、しかも単位時間当たりに処理することができるシート枚数、つまりスループットを向上させるために、シートの搬送速度を2段階に切り換えたいという要望が生じている。
【0003】
そこで、給紙ユニットに図9に示すような搬送速度切換機構を組み込む提案が従来よりなされている。この給紙ユニットは、図示を省略する駆動力発生部から与えられる回転駆動力に受けて回転する駆動ローラ91と、この駆動ローラ91と対向配置されて駆動ローラ91の回転に応じて従動回転する従動ローラ92とを備えており、これらのローラ91,92でシートSを搬送するように構成されている。また、駆動ローラ91に対して2種類の回転駆動力を伝達するために、搬送速度切換機構93が設けられている。
【0004】
この搬送速度切換機構93は、駆動力発生部で発生する2種類の回転駆動力(第1回転駆動力と第2回転駆動力)を選択的に駆動ローラ91に伝達するように構成されている。より具体的には、同図に示すように、第1および第2回転駆動力をそれぞれクラッチ931,932を介して駆動ローラ91に伝達可能に構成されている。そして、給紙ユニットを制御する制御ユニット(図示省略)からの指令に応じてクラッチ931,932がそれぞれ閉状態および開状態に切り換わると、駆動ローラ91には第1回転駆動力が伝達されてシートSは第1速度で搬送される。逆に、制御ユニットからの指令に応じてクラッチ931,932がそれぞれ開状態および閉状態に切り換わると、駆動ローラ91には第2回転駆動力が伝達されてシートSは第1速度よりも速い第2速度で搬送される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のように構成された搬送速度切換機構93によってシートSの搬送速度を変更する場合、例えばシートSの搬送速度を第1速度(低速)から第2速度(高速)に切り換える場合、クラッチ931を閉状態から開状態に切り換えて駆動ローラ91への第1回転駆動力の伝達を遮断した後に、クラッチ932を開状態から閉状態に切り換えて駆動ローラ91に対して第2回転駆動力を伝達する必要がある。そのため、駆動ローラ91への回転駆動力の伝達切換を同時に行うことができず、その結果、シートSの搬送速度切換に時間がかかってしまい、このことが画像形成装置の高スループット化を図る上での障害のひとつとなっている。
【0006】
この発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、シートの搬送速度を短時間で切り換えることができるシートの搬送速度切換機構を提供することを第1目的とする。
【0007】
また、この発明は、シートの搬送速度を短時間で切り換えて高スループットで画像形成を行うことができる画像形成装置を提供することを第2の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明の第1態様は、駆動ローラのローラ軸に与える回転駆動力を変更して当該駆動ローラによるシートの搬送速度を第1または第2速度に選択的に切り換えるシートの搬送速度切換機構であって、上記目的を達成するために、シートを第1速度で搬送するために必要な第1回転駆動力、およびシートを第1速度より高速の第2速度で搬送するために必要な第2回転駆動力を発生する駆動力発生部と、ローラ軸への第1回転駆動力の伝達と遮断とを選択的に切換る第1伝達切換部と、ローラ軸への第2回転駆動力の伝達と遮断とを選択的に切換る第2伝達切換部と、第1伝達切換部が伝達状態となる一方、第2伝達切換部が遮断状態となってローラ軸に第1回転駆動力が伝達されて駆動ローラが低速回転している時に、第2伝達切換部が遮断状態から伝達状態に切り換えられると、第1回転駆動力のローラ軸への伝達を遮断する同時に、第2回転駆動力をローラ軸に伝達する第3伝達切換部とを備え、第3伝達切換部は、第1回転駆動力を受けて回転する回転軸と、第1伝達切換部が伝達状態となると、第1回転駆動力を回転軸に伝達する第1伝達部と、第2伝達切換部が伝達状態となると、第2回転駆動力をローラ軸に伝達する第2伝達部と、回転軸とローラ軸との間に設けられ、第2回転駆動力を受けて高速回転するローラ軸に対して回転軸が相対的に逆方向に回転するのを許容するワンウェイクラッチとを有し、回転軸は、ローラ軸の一方端側において、ローラ軸と同軸上に配置されたことを特徴としている。
また、この発明の第2態様は、駆動ローラのローラ軸に与える回転駆動力を変更して当該駆動ローラによるシートの搬送速度を第1または第2速度に選択的に切り換えるシートの搬送速度切換機構であって、上記目的を達成するために、シートを第1速度で搬送するために必要な第1回転駆動力、およびシートを第1速度より高速の第2速度で搬送するために必要な第2回転駆動力を発生する駆動力発生部と、ローラ軸への第1回転駆動力の伝達と遮断とを選択的に切換る第1伝達切換部と、ローラ軸への第2回転駆動力の伝達と遮断とを選択的に切換る第2伝達切換部と、第1伝達切換部が伝達状態となる一方、第2伝達切換部が遮断状態となってローラ軸に第1回転駆動力が伝達されて駆動ローラが低速回転している時に、第2伝達切換部が遮断状態から伝達状態に切り換えられると、第1回転駆動力のローラ軸への伝達を遮断する同時に、第2回転駆動力をローラ軸に伝達する第3伝達切換部とを備え、第3伝達切換部は、第1回転駆動力を受けて回転する回転軸と、第1伝達切換部が伝達状態となると、第1回転駆動力を回転軸に伝達する第1伝達部と、第2伝達切換部が伝達状態となると、第2回転駆動力をローラ軸に伝達する第2伝達部と、回転軸とローラ軸との間に設けられ、第2回転駆動力を受けて高速回転するローラ軸に対して回転軸が相対的に逆方向に回転するのを許容するトルクリミッタとを有し、回転軸は、ローラ軸の一方端側において、ローラ軸と同軸上に配置されたことを特徴としている。
【0009】
この発明では、ローラ軸に第1回転駆動力が伝達されて駆動ローラが回転している状態のまま、第2伝達切換部が遮断状態から伝達状態に切り換え可能となっており、この切換動作に応じて、第1回転駆動力のローラ軸への伝達が遮断される同時に、第2回転駆動力がローラ軸に伝達される。このため、シートの搬送速度が瞬間的に第1速度(低速)から第2速度(高速)に切り換えられる。
【0012】
さらに、この発明にかかる画像形成装置は、シートに画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段にシートを給紙する給紙手段と、前記画像形成手段によって画像が形成されたシートを、所定に排紙位置に搬送し、また前記シートを反転搬送する排紙手段と、前記排紙手段から反転搬送されてきたシートを表裏反転するとともに、前記給紙手段に再給紙する再給紙手段とを備えた画像形成装置であって、上記第2の目的を達成するため、前記再給紙手段を、シートを搬送するための駆動ローラと、請求項1ないし3のいずれかに記載の搬送速度切換機構とで構成している。
【0013】
この画像形成装置においても、請求項1ないし3のいずれかに記載の搬送速度切換機構が設けられており、上記したようにしてシートの搬送速度が瞬間的に第1速度(低速)から第2速度(高速)に切り換えられるため、搬送速度の切換時間を短縮して高スループット化を図ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
A.画像形成装置の全体構成
図1は、この発明にかかるシートの搬送速度切換機構を備えた画像形成装置を示す図である。この画像形成装置は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色のトナーを重ね合わせてフルカラー画像を形成したり、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成する装置である。この画像形成装置では、ケース1内部に、像担持体ユニット2、露光ユニット3、転写ユニット4および定着ユニット5が設けられ、これらによってシートに画像を形成する画像形成手段が構成されている。また、画像形成手段に対してシートを給紙し、画像形成済みのシートを所定の排紙位置(標準排紙トレイやマルチビンユニットなど)に排紙する給排紙ユニット6もケース1内に設けられている。
【0015】
そして、ホストコンピュータなどの外部装置から画像信号が制御ユニット7に与えられると、制御ユニット7が装置各部を制御してシートSに画像信号に対応する画像を形成する。すなわち、この画像形成装置では、像担持体ユニット2の感光体21にトナー像が形成され、さらに転写ユニット4の中間転写ベルト46に一次転写される。そして、この一次転写像(トナー像)が給排紙ユニット6によって転写位置に給送されてきたシートSに二次転写された後、このシートSが定着ユニット5に搬送され、定着処理を受ける。この定着処理済みのシートSは給排紙ユニット6の排紙部64によって所定の排紙位置に給送される。以下、装置各部の構成について説明した後、本発明の特徴部分について詳述する。
【0016】
B.装置各部の構成
B−1.ケース1
このケース1の上面部は標準排紙トレイ11として機能しており、ケース1の上面側部に開口された排紙口12を介して画像形成済みのシートSが1枚ずつ標準排紙トレイ11に排紙されるように構成されている。また、この画像形成装置に対しては、その上方側にマルチビンユニット(図示省略)を、また側方にフィニッシャー(図示省略)を、オプション装備可能となっており、画像形成済みシートSをマルチビンユニットおよびフィニッシャに搬送すべくケース1の上面および側面に開口13,14がそれぞれ設けられている。
【0017】
B−2.像担持体ユニット2および露光ユニット3
また、この画像形成装置では、ケース1内部に対して像担持体ユニット2が着脱自在となっている。この像担持体ユニット2は、同図の矢印方向に回転可能な感光体21を備えており、さらに感光体21の周りにその回転方向に沿って、帯電手段としての帯電ローラ22、現像手段としての現像器23Y,23C,23M,23K、およびクリーニング部24がそれぞれ配置されている。帯電ローラ22は感光体21の外周面に当接して外周面を均一に帯電させるものであり、この帯電ローラ22によって帯電された感光体21の外周面に向けて露光ユニット3からレーザ光Lが照射される。この露光ユニット3はホストコンピュータなどの外部装置より与えられた画像信号に応じてレーザ光Lを感光体21上に走査露光して感光体21上に画像信号に対応する静電潜像を形成する。
【0018】
こうして形成された静電潜像は現像部23によってトナー現像される。すなわち、この実施形態では現像部23として、イエロー用の現像器23Y、シアン用の現像器23C、マゼンタ用の現像器23M、およびブラック用の現像器23Kがこの順序で感光体21に沿って配置されている。これらの現像器23Y,23C,23M,23Kは、それぞれ感光体21に対して接離自在に構成されており、装置全体を制御する制御ユニット7からの指令に応じて上記4つの現像器23Y、23M、23C、23Bのうちの一の現像器が選択的に感光体21に当接し、対応する色のトナーを感光体21の表面に付与して感光体21上の静電潜像を顕在化する。
【0019】
現像部23で現像されたトナー像は、ブラック用現像器23Kとクリーニング部24との間に位置する一次転写領域R1で転写ユニット4の中間転写ベルト46上に一次転写される。なお、この転写ユニット4の構造については後で詳述する。
【0020】
この一次転写領域R1から周方向(同図の矢印方向)に進んだ位置にクリーニング部24が配置されている。このクリーニング部24は、一次転写後に、感光体21の外周面に残留付着しているトナーを掻き落とすクリーナブレード241と、このクリーナブレード241によって掻き落とされたトナーを受ける受け部242とを備えている。
【0021】
B−3.転写ユニット4
次に、転写ユニット4の構成について説明する。この実施形態では、転写ユニット4は、駆動ローラ41と、4本の従動ローラ42〜45と、これら各ローラ41〜45に掛け渡された中間転写ベルト46と、この中間転写ベルト46に転写された中間トナー像をシートSに二次転写する二次転写ローラ48とを備えている。そして、カラー画像をシートSに転写する場合には、感光体21上に形成される各色のトナー像を中間転写ベルト46上に重ね合わせてカラー像を形成し、シートSに転写してフルーカラー画像を得る。また、モノクロ画像をシートSに転写する場合には、感光体21上にブラックトナー像のみを中間転写ベルト46上に形成し、シートSに転写してモノクロ画像を得る。
【0022】
より具体的に説明すると、転写ユニット4は以下のように構成されている。すなわち、同図に示すように、一次転写領域R1のクリーニング部24側(同図の右手側)に駆動ローラ41が配置されている。この駆動ローラ41の端部にはギヤが固定されており、このギヤが感光体21の駆動用ギヤと噛み合うことで、駆動ローラ41は感光体21と略同一の周速で回転駆動される。そして、この駆動ローラ41の回転にともなって中間転写ベルト46が感光体21と略同一の周速で図示矢印方向に循環駆動される。また、駆動ローラ41には、中間転写ベルト46を介して電極ローラ47が外周側より当接されており、この電極ローラ47を介して、中間転写ベルト46に一次転写電圧が印加される。
【0023】
一方、一次転写領域R1の現像部23側(同図の左手側)に従動ローラ45が配置され、駆動ローラ41との間で中間転写ベルト46に対して張力を与えている。これによって、両ローラ41,46の間に位置するベルト部分が感光体21に圧接され、一次転写部が形成される。
【0024】
残りのローラのうち従動ローラ42はテンションローラであり、図示しない付勢手段によって中間転写ベルト46に対して張力を与えている。また、従動ローラ43は二次転写領域R2を形成するバックアップローラである。
【0025】
このバックアップローラ43には、中間転写ベルト46を挟んで二次転写ローラ48が対向配置されている。この二次転写ローラ48は、図示しない接離機構により中間転写ベルト46に対して接離可能となっており、二次転写時には中間転写ベルト46に押し付けられる。そして、この圧接状態で、二次転写ローラ48に二次転写電圧が印加されて中間転写ベルト46に転写されているトナー像が給排紙ユニット6によって二次転写領域R2に給送されてきたシートSに転写される(二次転写)。
【0026】
また、従動ローラ44はベルトクリーナ49のためのバックアップローラである。このベルトクリーナ49は、中間転写ベルト46と接触してその外周面に残留付着しているトナーを掻き落すクリーナブレード491と、このクリーナブレード491によって掻き落されたトナーを受ける受け部492とを備えている。このベルトクリーナ49は、図示しない接離機構によって中間転写ベルト46に対して接離可能となっている。
【0027】
B−4.定着ユニット5
転写ユニット4によってトナー像が転写されたシートSは、後述する給排紙ユニット6によって所定の給紙経路630(同図中の2点鎖線)に沿って、二次転写領域R2の下流側に配設された定着ユニット5に搬送される。この定着ユニット5は、2つの定着部51,52によって形成されている。メイン定着部51では、給紙経路630の上方側に配置されたヒートローラ511と、このヒートローラ511に対して下方側より圧接された加圧ローラ512とで構成されており、搬送されてくるシートSに転写されているトナー像をシートSに定着する。一方、補助定着部52では、給紙経路の下方側に配置されたヒートローラ521と、このヒートローラ521に対して上方側より圧接された加圧ローラ522とで構成されており、メイン定着部51で発生するシートSのカールを緩和している。このようにして画像が形成されたシートSは、給排紙ユニット6によってさらに給紙経路630に沿って標準排紙トレイ11やマルチビンユニットなどに向けて給紙される。
【0028】
B−5.給排紙ユニット6
給排紙ユニット6は、複数枚のシートSを積層状態で収納可能なカセット61および手差しトレイ62と、カセット61または手差しトレイ62からシートSを給紙経路630に沿って二次転写領域R2および定着ユニット5に搬送する給紙部63と、定着済みのシートSを標準排紙トレイ11、マルチビンユニットあるいはフィニッシャに選択的に排紙したり、搬送されてきたシートSを再給紙部側に反転給紙する排紙部64と、排紙部64でのシートSの排紙経路641a,641bを選択的に切換る切換部65と、排紙部64から搬送されたシートSを再度給紙部63に給紙する再給紙部66と、で構成されている。以下、この給排紙ユニット6の構成について図1および図2を参照しつつ説明する。なお、図2は、給排紙ユニットの構成を示す図であり、図中の2点鎖線はシートの搬送経路を示し、実線(太線)は駆動源たる駆動モータからの駆動力の伝達経路を示している。
【0029】
この給排紙ユニット6は、図2に示すように、給紙部63を駆動するための駆動モータ67aと、排紙部64および再給紙部66を駆動するための駆動モータ67bとを備えている。そして、これらの駆動モータ67a,67bの駆動力を給排紙ユニット6の各部に伝達してシート搬送を行っている。
【0030】
B−5−1.給紙部63
給紙部63は、カセット61からシートSを搬出するためにカセット61に収納されたシートSのうち最上位のシートSと接触するようにピックアップローラ631が配設されている。そして、このピックアップローラ631によりカセット61から搬出されるシートSを確実に1枚ずつに分離するために、カセット61の出口側(図1の右手側)に分離ローラ対632が設けられている。こうして、カセット61に収納されているシートSを1枚ずつ確実に二次転写領域R2に向けて取り出すことができるようになっている。このようなシートSの取出構成については、手差しトレイ62側でも同様である。すなわち、手差しトレイ62に収納されているシートSは、ピックアップローラ633により手差しトレイ62から搬出され、さらに分離ローラ対634によって1枚ずつ確実に二次転写領域R2に向けて送り出されている。
【0031】
カセット61から送り出されたシートSは第2および第3中継ローラ対635,636を介してゲートローラ対637に給送される一方、手差しトレイ62から送り出されたシートSは第3中継ローラ対636に直接搬送され、この第3中継ローラ対636を介してゲートローラ対637に給送される。なお、この画像形成装置では、オプションで装置下部へのカセット増設が可能となっており、増設カセット(図示省略)から開口15を介してケース1内に給送されてきたシートを上記と同様にゲートローラ対637に給送すべく、開口15の近傍に第1中継ローラ対638が配設されている。
【0032】
上記のようにしてカセット61、手差しトレイ62あるいは増設カセットからゲートローラ対637に給送されてきたシートSは、ゲートローラ対637によりレジスト処理された後、所定のタイミングで二次転写領域R2、つまり中間転写ベルト46と二次転写ローラ48との間に給紙される。このように、この実施形態では、構成要素631〜638によって給紙部63が形成されており、カセット61、手差しトレイ62および増設カセットから二次転写領域R2、さらに排紙部64に至るまでのシートSの搬送経路が給紙経路630となっている。
【0033】
なお、駆動モータ67aから各ローラ対632,634〜638への駆動力伝達経路(図2の1点鎖線)には給紙側クラッチ68a1〜68a5が介挿されており、後述する制御ユニット7からの指令に応じてクラッチ68a1〜68a5が開閉制御されてシートSの給紙制御が行われる。
【0034】
B−5−2.排紙部64
二次転写領域R2でトナー像が転写され、さらに定着ユニット5で定着処理を受けたシートS(画像形成済みシート)は排紙部64に給紙される。この排紙部64は2つの排紙経路641a,641bを有しており、一方の排紙経路641aは定着ユニット5から標準排紙トレイ11に延びるとともに、他方の排紙経路641bは排紙経路641aとほぼ平行に、再給紙部66とマルチビンユニットとの間に延びている。これらの排紙経路641a,641bに沿って3つの駆動ローラ642c〜644cが所定間隔を隔て、しかも両排紙経路641a,641bに挟まれるように配設されている。また、各駆動ローラ642c〜644cに対応して、排紙経路641a側に従動ローラ642a〜644aがそれぞれ配設されるとともに、排紙経路641b側に従動ローラ642b〜644bがそれぞれ配設されている。
【0035】
上記3つの駆動ローラのうち定着ユニット5および再給紙部66に近接して設けられた駆動ローラ642cは図1の紙面において反時計方向にのみ回転するように構成されている。このように、この排紙部64では、駆動ローラ642cと従動ローラ642aとで排紙入口ローラ対645が構成され、定着済みのシートSを排紙部64内に引き込む搬入手段として機能し、第2排紙経路641aに沿ってシートSを標準排紙トレイ11に向けて搬送する。一方、駆動ローラ642cと従動ローラ642bとでスイッチバック出口ローラ対646が構成され、第1排紙経路641bに沿って搬送されてきたシートを排紙部64から搬送する搬出手段として機能し、第2排紙経路641aあるいは第1排紙経路641bで一時的に待機されたシートSを再給紙部66に向けて搬送する。
【0036】
残りの駆動ローラ643c,644cは、駆動ローラ642cとは異なり、正逆回転可能となっており、駆動ローラ643c,644cの配設位置において第1および第2排紙ローラ対643,644をそれぞれ構成している。そして、駆動ローラ643c,644cの回転方向に応じて両排紙経路641a,641bでシートSを相反する方向に搬送可能となっている。例えば、図1の紙面において駆動ローラ643c,644cが反時計方向に回転すると、第2排紙経路641aに沿ってシートSを標準排紙トレイ11側に向けて搬送可能となると同時に、第1排紙経路641bに沿ってシートSを再給紙部66側に搬送可能となる。なお、駆動ローラ643c,644cの回転方向が反転すると、シートSは上記とは反転した方向に搬送される。
【0037】
排紙経路641aには、標準排紙トレイ11の近傍位置において第3排紙ローラ対647が配設されている。この第3排紙ローラ対647は、排紙経路641aを挟み込むように駆動ローラ647cおよび従動ローラ647aが回転自在に配置されている。この第3排紙ローラ対647は第2排紙経路641aに沿って搬送されてきたシートSを標準排紙トレイ11に積層排出する。なお、図1への図示を省略しているが、駆動ローラ647cの回転軸のうち少なくとも一方の回転軸にコルゲーションローラが取付けられて、シートSに排紙方向とほぼ直交する方向に強制力を加えてシートのカール低減・除去を図っている。
【0038】
なお、駆動モータ67bから各駆動ローラ642c〜644c,647cへの駆動力伝達経路(図2の1点鎖線)には排紙側クラッチ68b1,68b2が介挿されており、後述する制御ユニット7からの指令に応じてクラッチ68b1,68b2が開閉制御されて、シートの標準排紙トレイ11などへの排紙および再給紙部66へのスイッチバック搬送動作が制御される。
【0039】
ところで、第1排紙経路641bでは、第1排紙ローラ対643を構成する従動ローラ643bの直上位置に切換フラップ648が設けられ、排紙経路641bに沿って搬送されてくるシートSの排紙先を切換可能となっている。すなわち、切換フラップ648が同図の実線位置に位置している時には、シートSは排紙経路641bに沿ってそのまま搬送されてマルチビンユニットに向けて排紙される一方、切換フラップ648が排紙経路641b上に位置すると、シートSは排紙経路641bから離れ、開口14を介してフィニッシャに排紙される。
【0040】
また、上記のように構成された第1排紙ローラ対643と、排紙入口ローラ対645およびスイッチバック出口ローラ対646との間には、シートSの搬送経路を2つの排紙経路641a,461bの間で切換る切換部65が配設されており、この切換部65の切換フラップ651,652を切換制御することでシートSの搬送経路が選択的に切換られる。
【0041】
B−5−3.再給紙部66
再給紙部66は、図1に示すように、スイッチバック出口ローラ対646から搬送されてきたシートSを再給紙経路664に沿って給紙部63のゲートローラ対637に搬送するものであり、再給紙経路664に沿って配設された3つの再給紙ローラ対661〜663で構成されている。再給紙ローラ対661〜663の各々では、再給紙経路664の下方側に駆動ローラ661a〜663aが配設されるとともに、その駆動ローラ661a〜663aに対向当接して従動ローラが配設されている。このように、排紙部64から搬送されてきたシートSを再給紙経路664に沿ってゲートローラ対637に戻すことによって給紙部63においてシートSの非画像形成面が中間転写ベルト46を向いて当該面に画像を二次転写可能となる。
【0042】
ここでは、駆動モータ67bから上記駆動ローラ661a〜663aへの駆動力伝達経路(図2の実線)には再給紙側クラッチ68c1〜68c3が介挿されており、後述する制御ユニット7からの指令に応じてクラッチ68c1〜68c3が開閉制御されて、シートのゲートローラ対637への再給紙動作が制御される。
【0043】
なお、この再給紙部66を構成する再給紙ローラ対661〜663への駆動力の伝達および遮断を制御してシートの搬送速度を変更する搬送速度切換機構および動作制御については、後の「C.再給紙部66での搬送速度切換機構および動作」の項において詳述する。
【0044】
B−6.制御ユニット7
図3は、図1の画像形成装置を制御する制御ユニットの概要構成を示すブロック図である。この制御ユニット7は、装置全体をコントロールするための種々の演算処理および制御指令を行うCPU711と、制御データや演算結果などを一時的に記憶するためのRAM712と、CPU711で行う演算プログラムなどを記憶するROM713とを有する制御部71を備えている。この制御部71は、通信インターフェース77を介してホストコンピュータなどの外部装置と接続されており、この通信インターフェース77を介して外部装置から画像信号などを入力可能となっている。また、この画像信号は通信インターフェース77を介して画像メモリ78にも直接入力され、画像信号に基づく画像データを記憶することができるようになっている。
【0045】
制御部71は、通信インターフェース77以外にも、画像メモリ78、操作ボタンや表示パネルなどからなる操作表示部79、像担持体ユニット2の動作を制御するための像担持体ユニットコントローラ72、露光ユニット3の動作を制御する露光ユニットコントローラ73、転写ユニット4の動作を制御する転写ユニットコントローラ74、定着ユニット5の動作を制御する定着ユニットコントローラ75、および給排紙ユニット6の動作を制御する給排紙ユニットコントローラ76と電気的に接続されて装置各部に制御指令を与えて装置全体を制御する。なお、この発明は、給排紙ユニット6における駆動機構およびその動作と密接に関係するので、給排紙ユニットコントローラ76について、さらに説明する。
【0046】
この給排紙ユニットコントローラ76は、図3に示すように、モータドライバ761、3つのクラッチドライバ762〜764、ソレノイドドライバ765、および給排紙ユニット6の各部に配設されてシートSを検出するセンサ群766(766a〜766l)とで構成されている。これらのうちモータドライバ761は給排紙ユニット6の駆動源となる駆動モータ67a,67bを駆動制御するためのものであり、駆動モータ67aの駆動力が給紙側クラッチ68a1〜68a5を介して給紙部63に伝達されるとともに、駆動モータ67bの駆動力が排紙側クラッチ68b1,68b2および再給紙側クラッチ68c1〜68c3を介して排紙部64および再給紙部66に伝達されてシートSの搬送が行われる。
【0047】
また、給紙部63内に設けられた給紙側クラッチ群68a(68a1〜68a5)をクラッチドライバ762が、排紙部64内に設けられた排紙側クラッチ群68b(68b1,68b2)をクラッチドライバ763が、また再給紙部66内に設けられた再給紙側クラッチ群68c(68c1〜68c3)をクラッチドライバ764が、それぞれ開閉制御するように構成されている。
【0048】
さらに、排紙部64においては、上記したように3つの切換フラップ641,642,648が設けられており、フラップ切換用ソレノイド群(ソレノイド655a,655bなど)によって回動駆動されるが、この実施形態ではフラップ切換用ソレノイド群を制御すべくソレノイドドライバ765が設けられている。
【0049】
C.再給紙部66での搬送速度切換機構および動作
次に、再給紙部66における搬送速度切換機構および動作について、さらに詳述する。
【0050】
図4は、この発明にかかるシートの搬送速度切換機構の一の実施形態を示す図である。この搬送速度切換機構665は、再給紙ローラ対661〜663を構成する駆動ローラ661a〜663aのローラ軸661b〜663bに互いに異なる第1および第2回転駆動力を選択的に伝達してシートの搬送速度を低速または高速に切り換える。以下、同図を参照しながら、まず搬送速度切換機構665の構成について説明する。
【0051】
この搬送速度切換機構665では、同図に示すように、ケース1(図1)に固定された支持部材171,172に対して回転自在に支持された回転軸665aに2つのギヤ665b,665cが取り付けられ、ギヤ665bが駆動モータ67bからの回転駆動力を受けて回転軸665aおよびギヤ665b,665cが一体的に回転するように構成されている。
【0052】
このように回転するギヤ665bは2つのギヤを介してクラッチ68c1に連結されており、モータ67bの回転駆動力はこれらのギヤ比で決定される第1変速比で変速された後、第1回転駆動力としてクラッチ68c1に伝達される。このクラッチ68c1は、制御部71からの指令に応じてクラッチドライバ764によって開閉駆動されるものであり、閉状態(伝達状態)に切り換えられると、上記のようにして伝達された第1回転駆動力をさらに支持部材171,173に対して回転自在に支持されている回転軸665dに伝達して回転軸665dを回転させる。この回転軸665dは、ローラ軸661bの一方端側(同図の左手側)でローラ軸661bと同軸上に配置されており、その先端側(同図の右手側)には、ワンウェイクラッチ665eが取り付けられるとともに、さらにカップリング665fを介してワンウェイクラッチ665eが駆動ローラ661aのローラ軸661bに連結されている。
【0053】
一方、ギヤ665cはギヤ665gを介してクラッチ68c2に連結されており、モータ67bの回転駆動力はクラッチ68c2に伝達される。このクラッチ68c2は、制御部71からの指令に応じてクラッチドライバ764によって開閉駆動されるものであり、閉状態(伝達状態)に切り換えられると、上記のようにして伝達された回転駆動力をさらに支持部材174,175に対して回転自在に支持されている回転軸665hに伝達して回転軸665hを回転させる。また、この回転軸665hの先端側(同図の右手側)には、ギヤ665iが取り付けられ、ローラ軸661bに固着されたギヤ665jと噛合している。したがって、クラッチ68c2を閉状態に切り換えると、ギヤ665cに与えられた回転駆動力はギヤ665c,665g,665h,665jのギヤ比で決定される第2変速比で変速された後、第2回転駆動力としてローラ軸661bに伝達される。
【0054】
また、このローラ軸661bに固着されているギヤ665jは輪列665kによって駆動ローラ662aのローラ軸662bに伝達されて駆動ローラ661aと同期して駆動ローラ662aが回転するように構成されている。さらに、ローラ軸662bに伝達された回転駆動力は輪列665lによってクラッチ68c3に伝達されており、このクラッチ68c3が閉状態(伝達状態)に切り換えられると、駆動ローラ663aのローラ軸663bにも回転駆動力が伝達されて駆動ローラ661a,662aと同期して駆動ローラ663aが回転するように構成されている。
【0055】
このように、この実施形態では、回転駆動力を発生する駆動モータ(駆動源)67bからの回転駆動力をギヤ665bおよびこれに連結する2つのギヤによって第1変速比で変速して第1回転駆動力を得るとともに、前記回転駆動力をギヤ665c,665g,665h,665jによって第2変速比で変速して第2回転駆動力を得ている。なお、この実施形態では、第2回転駆動力をローラ軸661b〜663bに与えると、第1回転駆動力をローラ軸661b〜663bに与えた場合よりも、高速で駆動ローラ661a〜663aが回転し、シートを高速で搬送することができるように、ギヤ比を設定している。
【0056】
また、上記のようにして得られる第1および第2回転駆動力は、クラッチ68c1,68c2の開閉状態を切り換えることによって選択的にローラ軸661b〜663bに伝達される。その詳細については、次の動作説明において説明する。
【0057】
図5は、上記のように構成された搬送速度切換機構665による搬送速度の制御動作を示すタイミングチャートである。また、図6ないし図8は搬送速度切換機構によるシート動作を示す模式図である。なお、同図中の各センサおよびクラッチは以下のとおりである。すなわち、
第1再給送センサ:図2中のセンサ766k
第2再給送センサ:図2中のセンサ766l
ゲート部センサ:図2中のセンサ766e
低速用クラッチ:図2中のクラッチ68c1
高速用クラッチ:図2中のクラッチ68c2
連結用クラッチ:図2中のクラッチ68c3
である。
【0058】
まず、排紙部64からシートSが再給紙部66に向けて搬送されて、そのシートSの先端部が第1再給送センサ766kに到達する(図6:時刻T1)と、センサ766kの出力レベルがHレベルからLレベルに切り換わり、このレベル変化を受けて制御部71が開状態(遮断状態)にあるクラッチ68c1〜68c3のうち低速用クラッチ68c1のみを開状態(遮断状態)から閉状態(伝達状態)に切り換える。これによって、上記のようにして得られる第1回転駆動力が回転軸665d、ワンウェイクラッチ665eおよびカップリング665fを介して駆動ローラ661aのローラ軸661bに与えられるとともに、さらに輪列665kを介して駆動ローラ662aのローラ軸662bにも与えられて、シートSを搬送速度VLで搬送可能となる。
【0059】
そして、シートSは搬送速度VLで給紙部63側に搬送されていき、やがてシートSの先端部が第2再給送センサ766lに到達する(図7:時刻T2)。すると、センサ766lの出力レベルがHレベルからLレベルに切り換わり、このレベル変化を受けて制御部71が高速用クラッチ68c2および連結用クラッチ68c3を開状態(遮断状態)から閉状態(伝達状態)に切り換える。これによって、上記のようにして得られる第2回転駆動力がギヤ665jに伝達される。
【0060】
ここで、第2回転駆動力がギヤ665jに与えられる直前およびその後について詳細に検討する。第2回転駆動力のギヤ665jへの伝達直前まで、ローラ軸661bには第1回転駆動力が伝達されて駆動ローラ661aが低速回転しているが、高速用クラッチ68c2が閉状態(伝達状態)に切り換えられると、ワンウェイクラッチ665eの作用によって、第1回転駆動力のローラ軸661bへの伝達が遮断される同時に、第2回転駆動力がローラ軸661bに伝達される。なんとなれば、このワンウェイクラッチ665eは、第2回転駆動力を受けて高速回転するローラ軸661bに対して回転軸665dが相対的に逆方向に回転するのを許容するように取り付けられており、第2回転駆動力によってローラ軸661bが高速回転すると、第1回転駆動力によって低速回転している回転軸665dがワンウェイクラッチ665eで空転し、ローラ軸661b側への回転駆動力の伝達が遮断されるためである。
【0061】
このように、この実施形態では、高速用クラッチ68c2を開状態(遮断状態)から閉状態(伝達状態)に切り換えるのに応じて、第1回転駆動力のローラ軸661bへの伝達が遮断される同時に、第2回転駆動力がローラ軸661bに伝達されるため、図5に示すように、駆動ローラ661a,662aによるシートSの搬送速度を瞬間的に第1速度(低速)VLから第2速度(高速)VHに切り換えることができる。なお、この実施形態では、高速用クラッチ68c2の切換と同時に、連結用クラッチ68c3も開状態から閉状態に切り換えて駆動ローラ663aを高速回転させている。
【0062】
搬送速度VHで再給紙経路664に沿って搬送されるシートSは、時刻T2後しばらくすると、その先端部がゲート部センサ766eを通過する(時刻T3)。すると、センサ766eの出力レベルがHレベルからLレベルに切り換わり、制御部71はこのレベル変化を検知してから所定時間ΔT34だけ経過した後(図8:時刻T4)、高速用クラッチ68c2を閉状態(伝達状態)から開状態(遮断状態)に切り換えて、搬送速度を高速VHから低速VLに切り換えるとともに、連結用クラッチ68c3も閉状態(伝達状態)から開状態(遮断状態)に切り換えて駆動ローラ663aへの回転駆動力の伝達を遮断し、次の画像形成処理を開始するまでシートSをゲートローラ対637の位置で待機させる。
【0063】
以上のように、この実施形態にかかるシートの搬送速度切換機構665を再給紙部66に組み込むことで次の効果が得られる。すなわち、高速用クラッチ68c2を開状態(遮断状態)から閉状態(伝達状態)に切り換えると、第1回転駆動力のローラ軸661bへの伝達を遮断する同時に、第2回転駆動力をローラ軸661bに伝達して駆動ローラ661a〜663aによるシートSの搬送速度を瞬間的に第1速度(低速)VLから第2速度(高速)VHに切り換えることができ、画像形成装置の高スループット化を図る上で有益である。
【0064】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、高速用クラッチ68c2を開状態(遮断状態)から閉状態(伝達状態)に切り換えると、第1回転駆動力のローラ軸661bへの伝達を遮断する同時に、第2回転駆動力をローラ軸661bに伝達するための構成、つまり第3伝達切換部を次のように構成している。すなわち、第1回転駆動力を受けて回転する回転軸665dを設け、ギヤ665bおよび2枚のギヤで回転軸665dに伝達する第1伝達部を構成して低速用クラッチ(第1伝達切換部)68c1が閉状態(伝達状態)となると、第1回転駆動力をギヤ665bおよび2枚のギヤで回転軸665dに伝達する。
【0065】
また、ギヤ665c,665g,665h,665jによって第2伝達部を構成して高速用クラッチ(第2伝達切換部)68c2が閉状態(伝達状態)となると、第2回転駆動力をローラ軸661bに伝達する。そして、両クラッチ68c1,68c2がとも閉状態(伝達状態)となった場合には、ワンウェイクラッチ665eによって、第2回転駆動力を受けて高速回転するローラ軸661bに対して回転軸665dが相対的に逆方向に回転するのを許容するように構成している。ここで、ワンウェイクラッチ665eの代わりにトルクリミッタを用いることができる。
【0066】
また、上記実施形態では、駆動モータ67bからの回転駆動力を搬送速度切換機構665中のギヤのギヤ比を設定することで第1および第2回転駆動力を発生させている。つまり、この実施形態では、駆動モータ67bと、低速用クラッチ68c1に回転駆動力を伝達するギヤ群からなる第1変速部と、ギヤ665c,665g,665h,665jからなる第2変速部とで駆動力発生部が構成されており、この駆動力発生部がシートを第1速度で搬送するために必要な第1回転駆動力、およびシートを前記第1速度より高速の第2速度で搬送するために必要な第2回転駆動力を発生させている。しかしながら、駆動力発生部の構成は、これに限定されるものではなく、予め第1および第2回転駆動力を用意し、それぞれを低速用クラッチ68c1および高速用クラッチ68c2に伝達するように構成してもよい。
【0067】
また、上記実施形態では、この発明にかかるシートの搬送速度切換機構を再給紙部66に組み込んでいるが、給紙部63や排紙部64に組み込んでも同様の効果が得られる。
【0068】
また、上記実施形態では、この発明にかかるシートの搬送速度切換機構をカラー画像形成装置に装備しているが、モノクロ画像形成装置に装備して上記と同様の作用効果(シートSの搬送速度を瞬間的に第1速度(低速)VLから第2速度(高速)VHに切り換え、画像形成装置の高スループット化を図ることができる)を発揮させることができる。また、本発明にかかるシートの搬送速度切換機構を適用可能な画像形成装置の画像形成方式は、電子写真方式に限定されるものではなく、インクジェット方式や熱転写方式も含まれる。
【0069】
さらに、上記実施形態では、画像を形成するための複写紙や転写紙などのシートを搬送する場合について説明したが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、複写すべき原稿などのシートを搬送する原稿搬送装置に対して本発明にかかるシートの搬送速度切換機構を適用してもよい。
【0070】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、ローラ軸に第1回転駆動力が伝達されて駆動ローラが回転している状態のまま、第2伝達切換部を遮断状態から伝達状態に切り換えると、第1回転駆動力のローラ軸への伝達が遮断される同時に、第2回転駆動力がローラ軸に伝達されるように構成しているため、シートの搬送速度を瞬間的に第1速度(低速)から第2速度(高速)に切り換えることができる。このようにシートの搬送速度を短時間で切り換えることができる。また、このように構成されたシートの搬送速度切換機構を画像形成装置に組み込むことで、シートの搬送速度を短時間で切り換えて高スループットで画像形成を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかるシートの搬送速度切換機構を備えた画像形成装置を示す図である。
【図2】給排紙ユニットの構成を示す模式図である。
【図3】図1の画像形成装置を制御する制御ユニットの概要構成を示すブロック図である。
【図4】この発明にかかるシートの搬送速度切換機構の一の実施形態を示す図である。
【図5】図4の搬送速度切換機構による搬送速度の制御動作を示すタイミングチャートである。
【図6】図4の搬送速度切換機構によるシート動作を示す模式図である。
【図7】図4の搬送速度切換機構によるシート動作を示す模式図である。
【図8】図4の搬送速度切換機構によるシート動作を示す模式図である。
【図9】従来の搬送速度切換機構を示す模式図である。
【符号の説明】
2…像担持体ユニット
3…露光ユニット
4…転写ユニット
5…定着ユニット
6…給排紙ユニット
7…制御ユニット
67b…駆動モータ(駆動源)
68c1…低速用クラッチ(第1伝達切換部)
68c2…高速用クラッチ(第2伝達切換部)
68c3…連結用クラッチ
71…制御部
661a〜663a…駆動ローラ
661b〜663b…ローラ軸
665…搬送速度切換機構
665b,665c,665g,665i,665j…ギヤ
665d…回転軸
665e…ワンウェイクラッチ
Claims (4)
- 駆動ローラのローラ軸に与える回転駆動力を変更して当該駆動ローラによるシートの搬送速度を第1または第2速度に選択的に切り換えるシートの搬送速度切換機構であって、
シートを第1速度で搬送するために必要な第1回転駆動力、およびシートを前記第1速度より高速の第2速度で搬送するために必要な第2回転駆動力を発生する駆動力発生部と、
前記ローラ軸への第1回転駆動力の伝達と遮断とを選択的に切換る第1伝達切換部と、
前記ローラ軸への第2回転駆動力の伝達と遮断とを選択的に切換る第2伝達切換部と、
前記第1伝達切換部が伝達状態となる一方、前記第2伝達切換部が遮断状態となって前記ローラ軸に第1回転駆動力が伝達されて前記駆動ローラが低速回転している時に、前記第2伝達切換部が遮断状態から伝達状態に切り換えられると、第1回転駆動力の前記ローラ軸への伝達を遮断する同時に、第2回転駆動力を前記ローラ軸に伝達する第3伝達切換部とを備え、
前記第3伝達切換部は、
第1回転駆動力を受けて回転する回転軸と、
前記第1伝達切換部が伝達状態となると、第1回転駆動力を前記回転軸に伝達する第1伝達部と、
前記第2伝達切換部が伝達状態となると、第2回転駆動力を前記ローラ軸に伝達する第2伝達部と、
前記回転軸と前記ローラ軸との間に設けられ、第2回転駆動力を受けて高速回転する前記ローラ軸に対して前記回転軸が相対的に逆方向に回転するのを許容するワンウェイクラッチとを有し、
前記回転軸は、前記ローラ軸の一方端側において、前記ローラ軸と同軸上に配置された
ことを特徴とするシートの搬送速度切換機構。 - 駆動ローラのローラ軸に与える回転駆動力を変更して当該駆動ローラによるシートの搬送速度を第1または第2速度に選択的に切り換えるシートの搬送速度切換機構であって、
シートを第1速度で搬送するために必要な第1回転駆動力、およびシートを前記第1速度より高速の第2速度で搬送するために必要な第2回転駆動力を発生する駆動力発生部と、
前記ローラ軸への第1回転駆動力の伝達と遮断とを選択的に切換る第1伝達切換部と、
前記ローラ軸への第2回転駆動力の伝達と遮断とを選択的に切換る第2伝達切換部と、
前記第1伝達切換部が伝達状態となる一方、前記第2伝達切換部が遮断状態となって前記ローラ軸に第1回転駆動力が伝達されて前記駆動ローラが低速回転している時に、前記第2伝達切換部が遮断状態から伝達状態に切り換えられると、第1回転駆動力の前記ローラ軸への伝達を遮断する同時に、第2回転駆動力を前記ローラ軸に伝達する第3伝達切換部とを備え、
前記第3伝達切換部は、
第1回転駆動力を受けて回転する回転軸と、
前記第1伝達切換部が伝達状態となると、第1回転駆動力を前記回転軸に伝達する第1伝達部と、
前記第2伝達切換部が伝達状態となると、第2回転駆動力を前記ローラ軸に伝達する第2伝達部と、
前記回転軸と前記ローラ軸との間に設けられ、第2回転駆動力を受けて高速回転する前記ローラ軸に対して前記回転軸が相対的に逆方向に回転するのを許容するトルクリミッタとを有し、
前記回転軸は、前記ローラ軸の一方端側において、前記ローラ軸と同軸上に配置された
ことを特徴とするシートの搬送速度切換機構。 - 前記駆動力発生部は、
回転駆動力を発生する駆動源と、
前記回転駆動力を第1変速比で変速して第1回転駆動力を得る第1変速部と、
前記回転駆動力を第2変速比で変速して第2回転駆動力を得る第2変速部と
を備える請求項1または2に記載のシートの搬送速度切換機構。 - シートに画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段にシートを給紙する給紙手段と、
前記画像形成手段によって画像が形成されたシートを、所定に排紙位置に搬送し、また前記シートを反転搬送する排紙手段と、
前記排紙手段から反転搬送されてきたシートを表裏反転するとともに、前記給紙手段に再給紙する再給紙手段とを備えた画像形成装置であって、
前記再給紙手段が、
シートを搬送するための駆動ローラと、
請求項1ないし3のいずれかに記載の搬送速度切換機構と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
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