JP2022117779A - ワンウェイクラッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】内接歯車式のワンウェイクラッチにおいて衝突音の発生を低減する。【解決手段】ワンウェイクラッチは、内歯車を有する第1回転部材、内歯車に噛み合う遊星歯車、及び遊星歯車に係合可能な係止部を含む第2回転部材を備える。第1回転部材及び第2回転部材は、遊星歯車と係止部とが係合した状態で相対回転を規制され、遊星歯車と係止部とが離脱した状態で所定方向の相対回転が許容される。ワンウェイクラッチは、遊星歯車を係止部に係止した係止位置から係止部から離脱した離脱位置にわたって遊星歯車の自転軸の外周面に当接し、係止位置から離脱位置にわたって遊星歯車に付勢力を付与する付勢手段を備える。付勢手段が係止位置から離脱位置にわたって遊星歯車に付与する付勢力が、遊星歯車が係止位置と離脱位置との間を移動する移動方向に対して交差する方向の成分を含む。【選択図】図2

Description

本発明は、ワンウェイクラッチに関し、特に、内接歯車式のワンウェイクラッチに関する。
従来、内接歯車式のワンウェイクラッチとして、特許文献1に記載されたものが知られている。このワンウェイクラッチは、内周部に内歯車を有する筒状のアウタ部材と、内歯車に噛み合う遊星歯車と、アウタ部材の内側に収容されるインナ部材とを有する。インナ部材には遊星歯車の歯に噛み合う係止エッジ部が設けられ、遊星歯車と係止エッジ部とが噛み合うことでインナ部材とアウタ部材との相対回転が規制される。一方、インナ部材を基準としてアウタ部材が特定の方向に回転しようとする場合は、遊星歯車が係止エッジ部から離脱することにより、インナ部材とアウタ部材との相対回転が許容される。
特開2017-198295号公報
しかしながら、特許文献1の構成において、インナ部材及びアウタ部材が相対回転する場合に、インナ部材の係止エッジ部に遊星歯車の歯が衝突して衝突音が発生することがあった。
そこで、本発明は、衝突音の発生を低減可能なワンウェイクラッチを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係るワンウェイクラッチの代表的な構成は、内周部に内歯車を有し、軸線を中心に回転可能な第1回転部材と、前記内歯車に噛み合い、自転軸を中心に自転可能かつ前記第1回転部材の軸線に対して公転可能な遊星歯車と、前記遊星歯車と係合して自転を停止させる係止部を有し、前記軸線を中心に回転可能な第2回転部材と、を備え、前記遊星歯車と前記係止部とが係合した状態で、前記第1回転部材及び前記第2回転部材の相対回転が規制され、前記遊星歯車と前記係止部とが離脱した状態で、前記第1回転部材及び前記第2回転部材の相対回転が許容される、ワンウェイクラッチであって、前記遊星歯車を前記係止部に係止した係止位置から前記係止部から離脱した離脱位置にわたって前記遊星歯車の自転軸の外周面に当接し、前記係止位置から前記離脱位置にわたって前記遊星歯車に付勢力を付与する付勢手段を備え、前記付勢手段が前記係止位置から前記離脱位置にわたって前記遊星歯車に付与する付勢力が、前記遊星歯車が前記係止位置と前記離脱位置との間を移動する移動方向に対して交差する方向の成分を含む、ことを特徴とする。
本発明によれば、衝突音の発生を低減することができる。
実施例1に係るワンウェイクラッチの分解図。 実施例1に係るワンウェイクラッチの連結状態(a)及び解除状態(b)を表す概略図。 実施例1における遊星歯車の解除状態と連結状態との間で遷移する場合の力の関係を説明するための模式図(a、b)。 実施例1における遊星歯車の解除状態と連結状態との間で遷移する場合の力の関係を説明するための模式図(a、b)。 内接歯車式のワンウェイクラッチの構成例を示す概略図。 画像形成装置の概略図。 実施例1に係るワンウェイクラッチを含む、画像形成装置のシート搬送系を表す模式図。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について説明する。
まず、内接歯車式のワンウェイクラッチの基本的な構成について説明する。図5に示すワンウェイクラッチ100は、内歯車114を有するアウタ部材(第1回転部材)110と、アウタ部材110に相対回転可能なインナ部材(第2回転部材)120と、内歯車114に噛み合う遊星歯車130と、を備えている。インナ部材120は、円筒状であるアウタ部材110の内側に配置され、インナ部材120に設けられた凹部126に遊星歯車130が収容されている。また、インナ部材120は、遊星歯車130の歯に係合可能な係止エッジ(係止部)127を有する。
以下で説明するように、ワンウェイクラッチ100は、同軸上の回転部材であるアウタ部材110及びインナ部材120を、特定方向への相対回転を許容した状態で連結する。以下、インナ部材120に対するアウタ部材110の回転方向を「第1方向R1」又は「第2方向R2」とする。
ただし、「インナ部材120に対するアウタ部材110の回転方向」とは、インナ部材120を基準とした場合のインナ部材120及びアウタ部材110の相対回転の方向を指す。従って、インナ部材120に対してアウタ部材110が回転する場合には、インナ部材120が回転しアウタ部材110が停止している場合、及び両者が異なる角速度で回転している場合が含まれる。第1方向R1は、図5における時計回り方向であり、第2方向R2は第1方向R1とは反対の回転方向、つまり図5における反時計回り方向である。
インナ部材120に対してアウタ部材110が第1方向R1に回転しようとするとき、ワンウェイクラッチ100は連結される。即ち、第1方向R1に回転する内歯車114に伴って遊星歯車130が係止エッジ127に係合し(破線位置)、遊星歯車130の自転が停止する。遊星歯車130の自転が規制されることにより、係止エッジ127と、遊星歯車130に噛み合っている内歯車114の歯との相対位置が固定される。即ち、インナ部材120に対してアウタ部材110は第1方向R1に相対回転することを規制されている。
次に、インナ部材120に対してアウタ部材110が第2方向R2に回転するとき、ワンウェイクラッチ100の連結は解除される。即ち、遊星歯車130が、係止エッジ127から離間した位置で(実線位置)、第2方向R2に回転する内歯車114に伴って自転する。これにより、係止エッジ127に対して内歯車114が回転できるようになり、インナ部材120に対してアウタ部材110が第2方向R2に相対回転することが許容される。
ところで、図5に示す構成では、インナ部材120に対してアウタ部材110が第2方向R2に回転する場合に、遊星歯車130が係止エッジ127に衝突して衝突音が発生することがあった。例えば、係止エッジ127が図5の位置にある状態でアウタ部材110が第2方向R2に回転するとき、本来は遊星歯車130が係止エッジ127から離れた実線位置で自転することが期待される。しかし、実際には重力の作用によって遊星歯車130が破線位置まで落下することで係止エッジ127と干渉してしまい、内歯車114の回転に伴って遊星歯車130の歯が係止エッジ127に繰り返し衝突することがあった。
そこで、本実施の形態では、遊星歯車を付勢する付勢手段を配置することにより、このような衝突音の発生を低減する。以下、付勢手段を有するワンウェイクラッチの構成例について説明する。
〔実施例1〕
まず、実施例1に係るワンウェイクラッチについて、図1~図4を用いて説明する。図1はワンウェイクラッチ1の分解図である。図2(a)は、連結状態におけるクラッチ内部の様子を表す概略図である。図2(b)は、解除状態におけるクラッチ内部の様子を表す概略図である。図3(a)、図3(b)は遊星歯車30が解除状態から連結状態へ遷移する際に遊星歯車30に作用する力を説明するための模式図である。図4(a)、図4(b)は遊星歯車30が連結状態から解除状態へ遷移する際に遊星歯車30に作用する力を説明するための模式図である。
図1に示すように、ワンウェイクラッチ1は、アウタ部材10、インナ部材20、遊星歯車30、及び付勢バネ40を備えている。アウタ部材10は、内周部に内歯車14を有し、軸線X1を中心に回転可能な第1回転部材である。インナ部材20は、遊星歯車30と係合して自転を停止させる係止部である係止エッジ27を有し、軸線X1を中心に回転可能な第2回転部材である。付勢バネ40は付勢手段である。付勢バネ40については後述する。なお、本実施例において遊星歯車30及び付勢バネ40は2つずつ配置されるが、図1では一方側(図中奥側)の遊星歯車30及び付勢バネ40を図示し、他方側(図中手前側)の遊星歯車30及び付勢バネ40の図示を省略している。
アウタ部材10及びインナ部材20は、同軸上に、つまり共通の軸線X1の上に配置される。以下、特に断らない限り、軸線X1の方向を「軸方向」とする。また、軸方向から視て、軸線X1に直交する直線に沿った方向を「径方向」とし、軸線X1を中心とする円弧に沿った方向を「周方向」とする。
アウタ部材10及びインナ部材20は、それぞれ他の歯車と噛み合う外歯車15,25を備えている。通常、外歯車15,25のいずれか一方がモータ等の駆動源によって駆動される駆動歯車に噛み合い、外歯車15,25の他方が駆動対象に連結された従動歯車に噛み合うように構成される。アウタ部材10及びインナ部材20のどちらを駆動伝達経路における上流側(駆動源側)とするかは任意である。
アウタ部材10及びインナ部材20は、ワンウェイクラッチ1の主要な構成を内蔵するクラッチケースを構成している。即ち、アウタ部材10は、軸方向における一方の端部に円板状の側壁11を有する有底円筒状の形状を有する。インナ部材20は、組み立て後の状態でアウタ部材10の内側の空間を覆う円板状の側壁21を有している。インナ部材20は側壁21から軸方向に延びる筒状形状23を有し、筒状形状23の内周部には軸方向に貫通する穴が形成されている。アウタ部材10の側壁11は軸方向に延びる筒状形状13を有し、筒状形状13の内周部には軸方向に貫通する穴が形成されている。アウタ部材10及びインナ部材20は、軸部材(不図示)を筒状形状23の穴と筒状形状13の穴に挿通することで、共通の軸線X1を中心に相対回転可能に係合している。ワンウェイクラッチ1は、例えば、駆動伝達装置の装置本体に固定された軸部材を筒状形状23の穴と筒状形状13の穴に挿通することで、駆動伝達装置に組み付けられる。
なお、インナ部材20及びアウタ部材10を、共通の軸線X1を中心に相対回転可能に係合する構成は前述した構成に限定されるものではない。例えば、インナ部材20、アウタ部材10のいずれか一方に側壁から軸方向に延びるボスを設け、他方の側壁には前記ボスが嵌合する嵌合穴を設ける。そして、ボスと嵌合穴との嵌合により、インナ部材20及びアウタ部材10を、共通の軸線X1を中心に相対回転可能に係合しても良い。ボスの内周部には軸方向に貫通する穴が形成されている。ワンウェイクラッチ1は、例えば、駆動伝達装置の装置本体に固定された軸部材をボスの穴に挿通することで、駆動伝達装置に組み付けられる。
遊星歯車30は、アウタ部材10の内歯車14に噛み合う歯31を有し、アウタ部材10及びインナ部材20の側壁11,21の間に収容される。遊星歯車30は、軸方向に突出するように設けられたボス部32(図1参照)を有し、ボス部32がインナ部材20の側壁21に形成された長穴22に嵌合している。ボス部32は遊星歯車30の自転軸である。
長穴22は、軸線X1に直交する直線に沿った径方向に対して交差する方向に延びている。すなわち、長穴22は、軸線X1を中心とする周方向に延びている。長穴22は、遊星歯車30を、軸線X1に平行な自転軸線X2を中心に自転可能、かつ軸線X1を中心に公転可能な状態で保持する。長穴22は、インナ部材20に設けられ、遊星歯車30を係止エッジ27に係止した係止位置と係止エッジ27から離脱した離脱位置との間で移動可能に案内するガイド部である。なお、ここではガイド部である長穴22として、遊星歯車30のボス部32が嵌合可能な深さの溝(溝部)を例示しているが、これに限らず、ボス部32が嵌合可能な貫通穴であってもよい。
長穴22の前記交差する方向に延びる壁面22a,22bは、前記係止位置から前記離脱位置にわたって、遊星歯車30を案内する案内面である。ここでは、長穴22の前記交差する方向に延びる壁面22a,22bのうち、軸線X1から遠い側の壁面22aが、前記案内面として機能する。長穴22の壁面のうちの軸線X1から遠い側の壁面22aは、遊星歯車30の自転軸線X2とアウタ部材10の内歯車14の間に設けられた壁面である。
インナ部材20には、図1に示すように遊星歯車30に係合可能な係止エッジ27が設けられている。インナ部材20は、側壁21から軸方向に突出する凸部28と凸部43を有し、係止エッジ27は凸部28の径方向外側の端部に設けられている。遊星歯車30は、係止エッジ27に係合する位置(係合位置)と、係止エッジ27から離脱する位置(離脱位置)との間で、インナ部材20に対して移動可能である。係止エッジ27は、遊星歯車30に係合して遊星歯車30の自転を停止させる係止部である。係止部は、図示した係止エッジ27の形状に限らず、遊星歯車30に係合した際にその自転を停止させるものであればよい。
付勢バネ40は、遊星歯車30を係止エッジ27に係止した係止位置から係止エッジ27から離脱した離脱位置にわたって遊星歯車30に付勢力を付与する付勢手段である。付勢バネ40が前記係止位置から前記離脱位置にわたって遊星歯車30に付与する付勢力は、遊星歯車30が前記係止位置と前記離脱位置との間を移動する移動方向に対して交差する方向の成分を含む。
本実施例の付勢バネ40は、ねじりコイルバネである。付勢バネ40は、インナ部材20の側壁21から軸方向に突出する支持軸29にコイル部44を支持されている。付勢バネ40は、コイル部44を挟んで、インナ部材20の凸部43に係合する係合部41と、遊星歯車30のボス部32の外周面に当接する当接部42と、を有している。コイル部44を挟んで、付勢バネ40の一方の端部は係合部41であり、付勢バネ40の他方の端部は当接部42である。
付勢バネ40の当接部42は、前記係止位置から前記離脱位置にわたって、遊星歯車30のボス部32の外周面に当接し、遊星歯車30を外側から付勢している。付勢バネ40の当接部42は、前記係止位置から前記離脱位置にわたって、遊星歯車30の自転軸線X2を挟んで、長穴22の壁面22a,22bのうちの軸線X1から遠い側の壁面22aと対向している。付勢バネ40の当接部42は、前記係止位置から前記離脱位置にわたって、遊星歯車30の自転軸線X2と軸線X1の間に設けられている。付勢バネ40は、遊星歯車30のボス部32の外周面を前記係止位置から前記離脱位置にわたって前記当接部42と前記長穴22の壁面22aとの間で挟持しつつ前記壁面22aに付勢する。このため、付勢バネ40が前記係止位置から前記離脱位置にわたって遊星歯車30に付与する付勢力は、遊星歯車30が前記係止位置と前記離脱位置との間を移動する移動方向に対して交差する方向の成分を含むこととなる。付勢バネ40の作用については後述する。
図2に示すように、本実施例において遊星歯車30は2つ配置され、凸部28及び付勢バネ40も、軸線X1を挟んで互いに反対となる位置に2つ配置される。ここでは、一方の遊星歯車30、凸部28及び付勢バネ40は、他方の遊星歯車30、凸部28及び付勢バネ40に対して、軸線X1を挟んで対称となる位置に配置される。
一方の遊星歯車30を第1遊星歯車としたとき、他方の遊星歯車30が第2遊星歯車に相当する。また、付勢バネ40のうち第1遊星歯車を付勢する付勢バネ40が第1付勢手段に相当し、第2遊星歯車を付勢する付勢バネ40が第2付勢手段に相当する。同様に、係止エッジ27のうち第1遊星歯車に係合する係止エッジ27が第1係止部に相当し、第2遊星歯車に係合する係止エッジ27が第2係止部に相当する。
図2(a)、図2(b)を用いて、ワンウェイクラッチ1の動作を説明する。図2(a)は、アウタ部材10とインナ部材20とが連結された連結状態を表している。この状態では、遊星歯車30が係止エッジ27に係合することで自転を停止しており、アウタ部材10とインナ部材20とが遊星歯車30を介して連結される。つまり、ワンウェイクラッチ1は、アウタ部材10がインナ部材20に対して第1方向R1に回転するような相対回転を規制するように構成されている。
図2(b)は、アウタ部材10とインナ部材20との連結が解除された解除状態を表している。この状態では、遊星歯車30は係止エッジ27から離脱している。アウタ部材10がインナ部材20に対して第2方向R2に回転する場合、内歯車14の回転に伴って、遊星歯車30が係止エッジ27から離間した状態で自転し、アウタ部材10はインナ部材20に対して空転する。つまり、ワンウェイクラッチ1は、アウタ部材10がインナ部材20に対して第2方向R2に回転するような相対回転を許容するように構成されている。
次に、連結状態と解除状態との間で遷移する場合の動作、及び付勢バネ40の作用について説明する。
図3(a)に示すように、遊星歯車30は、ボス部32が長穴22に嵌合した状態でインナ部材20に保持されている。遊星歯車30は、ボス部32が長穴22に嵌合した状態でインナ部材20に保持されている。遊星歯車30は、インナ部材20に対して、自転軸であるボス部32を中心に自転可能に保持されている。遊星歯車30の自転軸であるボス部32は、インナ部材20に対して、長穴22に沿って移動可能である。遊星歯車30の長穴22に沿った移動範囲のうち、係止エッジ27に近い方の端部が前記係合位置であり、係止エッジ27から遠い方の端部が前記離脱位置である。
図3(a)、図3(b)に示すように、遊星歯車30が係止エッジ27から離脱した離脱位置にある状態で、アウタ部材10がインナ部材20に対して第1方向R1に回転しようとすると、ワンウェイクラッチ1は解除状態から連結状態に遷移する。このとき、遊星歯車30は、内歯車14との噛み合い面から受ける力F11と、付勢バネ40の付勢力F12とを受ける。また、遊星歯車30には重力Fgが作用する。
前述したように、付勢バネ40の当接部42は、前記係止位置から前記離脱位置にわたって、遊星歯車30のボス部32の外周面に当接し、遊星歯車30を外側から付勢している。付勢バネ40の当接部42は、前記係止位置から前記離脱位置にわたって、遊星歯車30の自転軸線X2を挟んで、長穴22の壁面22a,22bのうちの軸線X1から遠い側の壁面22aと対向している。このため、遊星歯車30は、前記係止位置から前記離脱位置にわたって前記付勢バネ40の当接部42と前記長穴22の壁面22aとの間で挟持され、前記係止位置から前記離脱位置にわたって前記付勢バネ40の付勢力F12を受ける。すなわち、付勢バネ40の付勢力F12は、前記係止位置から前記離脱位置にわたって遊星歯車30に付与する付勢力である。付勢バネ40の付勢力F12は、遊星歯車30が前記係止位置と前記離脱位置との間を移動する移動方向(長穴22に沿った方向)に対して交差する方向の成分を含む。この付勢バネ40の付勢力F12により、遊星歯車30のボス部32は、インナ部材20の長穴22の壁面のうちの軸線X1から遠い側の壁面22aに押し付けられる。内歯車14との噛み合い面から受ける力F11が働くとき、長穴22の壁面22aと遊星歯車30のボス部32には摩擦力F13が働く。
図3(a)の遊星歯車30の重力方向上側に係止エッジ27がある関係の場合、これらの力が F11+Fg>F13 の関係であるときに、遊星歯車30は係止エッジ27に近付けるように力が作用し、遊星歯車30は係止エッジ27に係合する。
図3(b)の遊星歯車30の重力方向下側に係止エッジ27がある関係の場合、これらの力が F11>F13+Fg の関係であるときに、遊星歯車30は係止エッジ27に近付けるように力が作用し、遊星歯車30は係止エッジ27に係合する。
図4(a)、図4(b)に示すように、遊星歯車30が係止エッジ27に係止した係止位置にある状態で、アウタ部材10がインナ部材20に対して第2方向R2に回転しようとすると、ワンウェイクラッチ1は連結状態から解除状態に遷移する。このとき、遊星歯車30は、内歯車14との噛み合い面から受ける力F14と、付勢バネ40の付勢力F15とを受ける。また、遊星歯車30には重力Fgが作用する。
前述した付勢バネ40の付勢力F12と同様に、付勢バネ40の付勢力F15は、前記係止位置から前記離脱位置にわたって遊星歯車30に付与する付勢力である。付勢バネ40の付勢力F15は、遊星歯車30が前記係止位置と前記離脱位置との間を移動する移動方向(長穴22に沿った方向)に対して交差する方向の成分を含む。この付勢バネ40の付勢力F15により、遊星歯車30のボス部32は、インナ部材20の長穴22の壁面のうちの軸線X1から遠い側の壁面22aに押し付けられる。内歯車14との噛み合い面から受ける力F14が働くとき、長穴22の壁面22aと遊星歯車30のボス部32には摩擦力F16が働く。
図4(a)の遊星歯車30の重力方向上側に係止エッジ27がある関係の場合、これらの力が F14+Fg>F16 の関係であるときに、遊星歯車30は係止エッジ27から離れるように力が作用し、遊星歯車30は係止エッジ27から離脱する。
図4(b)の遊星歯車30の重力方向下側に係止エッジ27がある関係の場合、これらの力が F14>F16+Fg の関係であるときに、遊星歯車30は係止エッジ27から離れるように力が作用し、遊星歯車30は係止エッジ27から離脱する。
ここで、図3(b)に示すように、遊星歯車30に対して係止エッジ27が下方となる位置関係であるときに、遊星歯車30に作用する重力Fgは、遊星歯車30を係止エッジ27に接近させようとする力として働く。これに対し、付勢バネ40は、前記係止位置から前記離脱位置にわたって遊星歯車30のボス部32を長穴22の壁面22aとの間で挟持しつつ前記壁面22aに付勢している。この付勢バネ40が前記係止位置から前記離脱位置にわたって遊星歯車30のボス部32を長穴22の壁面22aに付勢する付勢力F12は、遊星歯車30が前記係止位置と前記離脱位置との間を移動する移動方向に対して交差する方向の成分を含む。このため、遊星歯車30のボス部32が長穴22から受ける垂直抗力は付勢バネ40の付勢力F12に対応し、ボス部32へ働く摩擦力F13は遊星歯車30がその場へ留まろうとする力として働く。従って、これらの力が F13>Fg (ただし、Fgの符号は常に正とする)の関係であれば、遊星歯車30に対して係止エッジ27が下方となる位置関係であるときでも、遊星歯車30は係止エッジ27に接近しなくなる。また、前述の関係(F13>Fg)が成り立つ付勢力F12は、遊星歯車30が離脱位置に遷移した後も継続的に作用するため、遊星歯車30は重力Fgに抗して離脱位置に保持される。
なお、本実施例では付勢バネ40が遊星歯車30を軸線X1から遠ざける方向に付勢する構成を例示したが、これに限定されるものではなく、付勢バネ40が遊星歯車30を軸線X1に近づける方向に付勢する構成であってもよい。
この場合、長穴22の壁面22a,22bのうち、軸線X1に近い側の壁面22bが、遊星歯車30を案内する案内面として機能する。長穴22の壁面のうちの軸線X1に近い側の壁面22bは、前記係止位置から前記離脱位置にわたって、遊星歯車30の自転軸線X2と軸線X1の間に設けられる。また図示していないが、付勢バネ40の当接部42は、前記係止位置から前記離脱位置にわたって、遊星歯車30の自転軸線X2を挟んで、長穴22の壁面22a,22bのうちの軸線X1に近い側の壁面22bと対向する。付勢バネ40の当接部42は、前記係止位置から前記離脱位置にわたって、遊星歯車30の自転軸線X2とアウタ部材10の内歯車14の間に設けられる。この構成においても、付勢バネ40は、遊星歯車30のボス部32の外周面を前記係止位置から前記離脱位置にわたって前記当接部42と前記長穴22の壁面22bとの間で挟持しつつ前記壁面22bに付勢する。
上述したように、本実施例では、遊星歯車30を付勢する付勢バネ40を設けたことで、アウタ部材10及びインナ部材20が相対回転する場合に、遊星歯車30と係止エッジ27との衝突を回避可能である。これにより、衝突音の発生を低減することができる。また、遊星歯車30と係止エッジ27との衝突が回避されるから、遊星歯車30の歯31又は係止エッジ27の欠損も低減することができる。
なお、アウタ部材10及びインナ部材20が相対回転する場合の遊星歯車30と係止エッジ27との衝突を回避する他の方法として、遊星歯車30の歯31にグリスを塗布することが挙げられる。グリスの塗布により、遊星歯車30と内歯車14又はインナ部材20との粘着性が高まるため、遊星歯車30が重力等により離脱位置から係合位置へ移動してしまう可能性を低減することができる。しかしながら、この方法では、グリスの塗布量を精確に管理する必要があり製造工数及びコストの増大につながる他、グリスの気化又は劣化が生じた場合にワンウェイクラッチ1の動作が不安定となる懸念がある。また、グリスを塗布することで、遊星歯車30の回転抵抗も大きくなるため、ワンウェイクラッチ1が滑る際の動力損失が大きくなる懸念もある。
一方、本実施例では、遊星歯車30と係止エッジ27との衝突を回避する目的でグリスを用いる必要がないため、このような不都合を回避又は低減することができる。ただし、本実施例の構成にグリスを併用しても構わない。
また、本実施例では、付勢バネ40を遊星歯車30のボス部32の外周面に当接し、遊星歯車30を付勢する付勢バネ40を遊星歯車30のボス部32の外側から付勢している。したがって、遊星歯車30は、前記係止位置から前記離脱位置にわたって前記付勢バネ40と前記長穴22の壁面との間で挟持され、前記係止位置から前記離脱位置にわたって前記付勢バネ40の付勢力を受けることとなる。このため、付勢バネ40の公差を厳しく縛る必要がなくなる。
[画像形成装置への適用例]
上記実施例1で説明したワンウェイクラッチ1を含む駆動伝達装置の例として、画像形成装置の内部において、シートを搬送するためのローラ部材にモータの動力を伝達する装置について説明する。画像形成装置とは、プリンタ、複写機、及び複合機等の、記録媒体であるシートを搬送し、シートに画像を形成する装置一般を指す。
図6に示す画像形成装置200は、記録媒体であるシートPに画像を形成する電子写真方式のフルカラーレーザープリンタである。シートPとしては、普通紙及び封筒等の紙、光沢紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート等のプラスチックフィルム、並びに布等を用いることができる。画像形成装置200の装置本体201には、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックのトナー像を形成する4つの画像形成部PY,PM,PC,PKと、中間転写ベルト221とを備えた画像形成エンジン210が収容されている。画像形成部PY~PKは、像担持体である感光ドラム211を有し、感光ドラム211にトナー像を形成する。感光ドラム211に担持されたトナー像は中間転写体である中間転写ベルト221を介してシートPに転写される。
画像形成部PY~PKは、現像に用いるトナーの色が異なる以外は同様に構成されるため、イエローの画像形成部PYを例に画像形成部の構成及びトナー像の形成プロセス(画像形成動作)について説明する。画像形成部PYは、感光ドラム211の他に、帯電手段としての帯電ローラ212、露光手段としての露光装置213Y、現像手段としての現像装置214、及びドラムクリーナを有する。感光ドラム211は、外周部に感光層を有するドラム状の感光体であり、中間転写ベルト221の回転方向R1に沿った方向に回転する。帯電ローラ212は、感光ドラム211の表面を一様に帯電させ、露光装置213Yは、画像情報に応じて変調されたレーザ光を感光ドラム211に照射して感光ドラム211の表面に静電潜像を書き込む画像書き込み動作を行う。現像装置214は、トナーを含む現像剤を収容し、感光ドラム211にトナーを供給することで静電潜像をトナー像に現像する。感光ドラム211に形成されたトナー像は、一次転写装置である一次転写ローラ225によって中間転写ベルト221に一次転写される。転写後に感光ドラム211に残留した残トナーは、ドラムクリーナによって除去される。
中間転写ベルト221は、二次転写内ローラ222、張架ローラ223、テンションローラ224、及び一次転写ローラ225に巻き掛けられ、図中反時計回り方向に回転駆動される。上述の画像形成動作は各画像形成部PY~PKにおいて並行して進められ、4色のトナー像が互いに重なるように多重転写されることで、中間転写ベルト221にフルカラーのトナー像が形成される。このトナー像は、中間転写ベルト221に担持されて、二次転写ローラ243と二次転写内ローラ222の間のニップ部として構成される転写部(二次転写部)に搬送される。転写手段としての二次転写ローラ243にトナーの帯電極性とは逆極性のバイアス電圧が印加されると、中間転写ベルト221に担持されたトナー像がシートPに二次転写される。転写後に中間転写ベルト221に残留した残トナーは、ベルトクリーナ226によって除去される。
トナー像を転写されたシートPは、定着装置250へと受け渡される。定着装置250は、シートPを挟持して搬送する定着ローラ対251と、ハロゲンランプ等の熱源とを有し、シートPに担持されたトナー像に圧力及び熱を加える。これにより、トナー粒子が溶融・固着して、シートPに定着した定着画像が得られる。
次に、画像形成装置200によるシートPの搬送動作について説明する。給送カセット231,232は、シートPを収納し、装置本体201に引抜可能に装着される。給送カセット231,232に収納されたシートPは、給送ユニット240によって1枚ずつ給送される。給送ユニット240は、シートPを給送カセット231,232から送り出すピックアップローラ40aと、ピックアップローラ40aからシートPを受取って搬送する給送ローラ40bとを備える。また、給送ユニット240は、給送ローラ40bによって搬送されるシートPを他のシートPから分離する分離ローラ40cを備える。なお、給送ユニット240はシートPを給送する給送手段の一例であり、吸引ファンによってベルト部材にシートPを吸着して搬送するベルト方式や、パッドを用いた摩擦分離方式の給送
手段を用いてもよい。また、装置本体201の側部に設けられた手差しトレイ233に対してユーザは直接シートPをセット可能であり、手差しトレイ233にセットされたシートPは給送ユニットによって給送される。
給送ユニット240から送り出されたシートPは、プレレジストレーションローラ対(以下、プレレジローラ対とする)241を介してレジストレーションローラ対(以下、レジローラ対とする)242に搬送される。レジストレーション手段の一例であるレジローラ対242は、シートPの前端、つまりシートの搬送方向における下流端に当接することでシートPの斜行を補正する。その後、レジローラ対242は画像形成部PY~PKによる画像形成動作の進行度に合わせたタイミングでシートPを二次転写部に送り込む。二次転写部においてトナー像を転写され、定着装置250によって画像の定着が行われたシートPはシート排出部260に受け渡され、定着後ローラ対261によってシートPの搬送経路を切換可能な切換部材264に向けて搬送される。
シートPに対する画像形成が完了している場合には、第1面(表面)に画像を形成されたシートPは排出ローラ対262によって排出トレイ280に排出される。シートPの第2面(裏面)に画像を形成する場合、シートPは切換部材264によって搬送ローラ対263を介して反転搬送部270に受け渡される。反転搬送部270は、シートPを反転搬送(スイッチバック)する反転ローラ対271と、反転ローラ対271によってスイッチバックされたシートPをレジローラ対242へ向けて案内する両面パス279とを備える。反転ローラ対271は、シートPを排出トレイ280の上方の排出空間に向けて所定距離搬送した後、逆方向にシートPを搬送することで、シートPを両面パス279に送り込む。両面パス279には、詳しくは後述するように複数の搬送ローラ対(272,273,274)が配置され、シートPを再びレジローラ対242へ向けて搬送する。そして、二次転写部及び定着装置250を通過することで第2面に画像を形成されたシートPは、排出ローラ対262によって排出トレイ280に排出される。
なお、上記画像形成エンジン210は画像形成手段の一例であり、例えば、感光体に形成したトナー像を転写部においてシートに直接転写する直接転写方式であってもよい。また、画像形成手段の構成は、インクジェット方式やオフセット印刷方式であってもよい。
図7に示すように、画像形成装置200は、シートPを給送・搬送するためのシート搬送系として、給送パス249と、画像形成パス259と、両面パス279とを含む。これらのパスにおけるシートの搬送空間は装置本体201に支持されるガイド部材によって構成される。
給送パス249は、シートPを給送するための搬送路であり、給送ユニット240及びプレレジローラ対241が配置される。給送ユニット240は給送モータM1によって駆動され、プレレジローラ対241はプレレジモータM2によって駆動される。
画像形成パス259は、シートPを搬送しながら画像形成を行うための搬送路であり、レジローラ対242、二次転写ローラ243及び二次転写内ローラ222、並びに定着ローラ対251が配置される。レジローラ対242はレジモータM3によって駆動され、二次転写内ローラ222はITB(Intermediate transfer belt)モータM4によって駆動され、定着ローラ対251は定着モータM5によって駆動される。
両面パス279は、両面印刷を行う場合に画像形成パス259から送り出されたシートPを画像形成パス259へ向けて再度搬送するための搬送路であり、第1両面ローラ対272、第2両面ローラ対273、及び第3両面ローラ対274が配置される。反転ローラ対271は、画像形成パス259からのシートPを受取って反転させ、両面パス279に送り込む。また、反転ローラ対271は、排出ローラ対262がシートPを排出する排出トレイ280より上段の排出トレイ280にシートPを排出することもできる。第1~第3の両面ローラ対272~274は、両面パス279において反転ローラ対271からレジローラ対242に向かう方向(以下、特に断らない限り「シート搬送方向」とする)に沿ってこの順に配置される。
反転ローラ対271及び第1両面ローラ対272は反転モータM7によって駆動され、第2両面ローラ対273及び第3両面ローラ対274は両面モータM8によって駆動される。シート搬送方向において第1両面ローラ対272と第2両面ローラ対273の間には、シートを検知可能な検知手段として両面センサ276が配置されている。また、レジローラ対242の上流側の近傍位置には、他の検知手段としてレジセンサ244が配置されている。これらのセンサは、例えばシートによって遮光されたことを検知可能な光電センサを用いることができる。
上記実施例1のワンウェイクラッチ1は、反転モータM7から第1両面ローラ対272に駆動力を伝達する駆動伝達装置の一部として好適に配置することができる。
反転モータM7が正転方向に回転すると、反転ローラ対271はシートを排出トレイへ向けて搬送する。このとき、反転モータM7からの駆動力は、ワンウェイクラッチ1の作用により第1両面ローラ対272へ伝達されない。反転モータM7が逆転方向に回転すると、反転ローラ対271は第1両面ローラ対272へ向けてシートを搬送する。このとき、反転モータM7からの駆動力はワンウェイクラッチ1を介して第1両面ローラ対272に伝達され、第1両面ローラ対272はシートを図中下方に向かって搬送する。
このような動作を実現するには、ワンウェイクラッチ1を、反転モータM7が正転方向に回転するときに解除状態となり、反転モータM7が逆転方向に回転するときに連結状態となるように配置すればよい。例えば、アウタ部材10を反転モータM7に連結し、インナ部材20を第1両面ローラ対272に連結すると共に、反転モータM7が正転方向に回転する場合に、アウタ部材10がインナ部材20に対して上記第2方向R2に回転するような配置とすればよい。ただし、上述した通り、インナ部材20を駆動源である反転モータM7に連結し、アウタ部材10を駆動対象である第1両面ローラ対272に連結することも可能である。
ここで、反転モータM7と第1両面ローラ対272との間にワンウェイクラッチ1を配置することで、次のような動作が可能となる。反転モータM7の逆転により第1両面ローラ対272に搬送される先行シートP1の先端が第2両面ローラ対273に受け渡され、かつ、先行シートP1の後端が反転ローラ対271のニップ部を抜けた状態で、反転モータM7を正転させる。すると、両面モータM8により第2両面ローラ対273が駆動されて先行シートP1の搬送が行われている状態で、反転ローラ対271による後続シートP2の搬送が開始する。このとき、ワンウェイクラッチ1は解除状態となっており、先行シートP1は第2両面ローラ対273によって第1両面ローラ対272から引き抜かれるようにして搬送される。
つまり、先行シートP1が第1両面ローラ対272にまだ挟持されている段階で反転モータM7を正転させても、ワンウェイクラッチ1が滑ることで第1両面ローラ対272と第2両面ローラ対273による先行シートの引張り合いが防止できる。このため、ワンウェイクラッチ1を配置しない場合に比べて、先行シートP1が第1両面ローラ対272のニップ部を抜けるまで反転モータM7の正転を継続させる必要がなく、反転ローラ対271による後続シートP2の搬送開始を早めることができる。従って、両面印刷において反転ローラ対271が後続シートP2を反転させる場合、及び反転ローラ対271が後続シートP2をそのまま排出トレイに排出する場合のそれぞれにおいて、画像形成装置200の生産性を向上可能である。
なお、上述の構成はワンウェイクラッチ1の画像形成装置における一つの適用例であり、画像形成装置の他の部位に適用することもできる。例えば、給送モータM1と給送ユニット240のピックアップローラ40a及び給送ローラ40bの各々との間にワンウェイクラッチ1を配置することが考えられる(図6、図7参照)。これにより、例えば、シートが給送ローラ40bより下流のローラ対(例えばプレレジローラ対241)に到達した後に給送モータM1の駆動を停止しても、ワンウェイクラッチ1を滑らせてシートの搬送を継続させることが可能となる。
また、画像形成装置は、画像形成手段を含む装置本体に、画像形成されたシートに綴じ処理等の処理を施すシート処理装置や、原稿となるシートを搬送しながら原稿画像を読み取る画像読取装置が付属する場合がある。このような付属機器において、シートを搬送するためのローラ等の駆動対象に駆動源からの駆動力を伝達する駆動伝達経路に、本実施例のワンウェイクラッチを配置してもよい。
さらに、本開示に係るワンウェイクラッチは、画像形成装置以外の装置を含む任意の機械において、所定方向の相対回転を許容した状態で2つの回転部材を連結する装置として適用可能である。
1…ワンウェイクラッチ
10…アウタ部材(第1回転部材)
14…内歯車
15,25…外歯車
20…インナ部材(第2回転部材)
22…長穴
22a,22b…壁面
27…係止エッジ(係止部)
28,43…凸部
29…支持軸
30…遊星歯車
32…ボス部(自転軸)
40…付勢バネ(付勢手段)
41…係合部
42…当接部
44…コイル部
F11,F14…力
F12,F15…付勢力
F13,F16…摩擦力
Fg …重力
X1…軸線
X2…遊星歯車の自転軸線

Claims (9)

  1. 内周部に内歯車を有し、軸線を中心に回転可能な第1回転部材と、
    前記内歯車に噛み合い、自転軸を中心に自転可能かつ前記軸線に対して公転可能な遊星歯車と、
    前記遊星歯車と係合して自転を停止させる係止部を有し、前記軸線を中心に回転可能な第2回転部材と、を備え、
    前記遊星歯車と前記係止部とが係合した状態で、前記第1回転部材及び前記第2回転部材の相対回転が規制され、
    前記遊星歯車と前記係止部とが離脱した状態で、前記第1回転部材及び前記第2回転部材の相対回転が許容される、ワンウェイクラッチであって、
    前記遊星歯車を前記係止部に係止した係止位置から前記係止部から離脱した離脱位置にわたって前記遊星歯車の自転軸の外周面に当接し、前記係止位置から前記離脱位置にわたって前記遊星歯車に付勢力を付与する付勢手段を備え、
    前記付勢手段が前記係止位置から前記離脱位置にわたって前記遊星歯車に付与する付勢力が、前記遊星歯車が前記係止位置と前記離脱位置との間を移動する移動方向に対して交差する方向の成分を含む、
    ことを特徴とするワンウェイクラッチ。
  2. 前記第2回転部材に設けられ、前記遊星歯車を前記係止位置から前記離脱位置にわたって前記軸線に直交する直線に沿った径方向に対して交差する方向に移動可能に案内するガイド部を備え、
    前記付勢手段は、前記係止位置から前記離脱位置にわたって前記遊星歯車の自転軸を前記ガイド部との間で挟持しつつ前記ガイド部に付勢する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のワンウェイクラッチ。
  3. 前記ガイド部は、前記軸線を中心とする周方向に延び、前記遊星歯車の自転軸を回転可能に保持する長穴であり、
    前記遊星歯車の自転軸は、前記付勢手段の付勢力により、前記長穴の前記周方向に延びる壁面のうちの前記軸線から遠い側の壁面又は前記軸線に近い側の壁面に当接する、
    ことを特徴とする請求項2に記載のワンウェイクラッチ。
  4. 前記ガイド部は、前記軸線に直交する直線に沿った径方向に対して交差する方向に延び、前記交差する方向に前記遊星歯車を案内する案内面を有し、
    前記付勢手段は、前記係止位置から前記離脱位置にわたって、前記遊星歯車の自転軸線を挟んで前記案内面と対向し、前記遊星歯車の自転軸の外周面に当接する当接部を有し、前記遊星歯車の自転軸の外周面を前記係止位置から前記離脱位置にわたって前記当接部と前記案内面との間で挟持しつつ前記案内面に付勢する、
    ことを特徴とする請求項2に記載のワンウェイクラッチ。
  5. 前記案内面は、前記係止位置から前記離脱位置にわたって、前記遊星歯車の自転軸線と前記第1回転部材の内歯車の間に設けられ、
    前記当接部は、前記係止位置から前記離脱位置にわたって、前記遊星歯車の自転軸線と前記第1回転部材の軸線の間に設けられている、
    ことを特徴とする請求項4に記載のワンウェイクラッチ。
  6. 前記案内面は、前記係止位置から前記離脱位置にわたって、前記遊星歯車の自転軸線と前記第1回転部材の軸線の間に設けられ、
    前記当接部は、前記係止位置から前記離脱位置にわたって、前記遊星歯車の自転軸線と前記第1回転部材の内歯車の間に設けられている、
    ことを特徴とする請求項4に記載のワンウェイクラッチ。
  7. 前記付勢手段は、一方の端部において前記第2回転部材に係合し、他方の端部において前記係止位置から前記離脱位置にわたって前記遊星歯車の自転軸の外周面に当接するバネである、
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のワンウェイクラッチ。
  8. 前記バネは、前記第2回転部材に設けられて軸方向に突出する支持軸に支持されたねじりコイルバネであり、前記遊星歯車の自転軸の外周面に当接し、前記自転軸の外側から付勢している、
    ことを特徴とする請求項7に記載のワンウェイクラッチ。
  9. 前記遊星歯車は、前記軸線を挟んで互いに反対となる位置に設けられた第1遊星歯車及び第2遊星歯車を含み、
    前記係止部は、前記第1遊星歯車に係合する第1係止部及び前記第2遊星歯車に係合する第2係止部を含み、
    前記付勢手段は、前記第1遊星歯車を付勢する第1付勢手段及び前記第2遊星歯車を付勢する第2付勢手段を含む、
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のワンウェイクラッチ。
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