<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。図1に示すように、本実施形態の局部洗浄装置1は、便器装置10に取り付けられている。図1に示すように、便器装置10は、便器11と、便座12と、便蓋13と、機能部14と、操作パネル15と、を有する。
便器11は上部が開口した凹部を有する洋式便器である。便座12は、便器11の開口部の周囲に取り付けられる略環状の座面である。便蓋13は、便座12の開口を覆うように開閉可能な蓋である。機能部14は、便器11の上部後方に配置され、便器装置10の各種機能を実行する制御部が設けられた部分である。機能部14には、便座12及び便蓋13が取り付けられるとともに、局部洗浄装置1が配置される。
操作パネル15は、機能部14から延出して便座12の機能部14側の側部に配置される。操作パネル15は、便器11の洗浄動作を行うように操作したり、局部洗浄装置1における洗浄動作を行うように操作したり、局部洗浄装置1の洗浄動作の各種操作モードを選択したりすることができるように構成されている。
局部洗浄装置1は、便座12の開口部における後方側で、機能部14の前端部側に配置される。なお、本明細書において、前方とは、便器装置10に対して使用者が位置する側をいい、後方とは使用者が位置する側に対向する側をいう。
局部洗浄装置1は、図2A及び図2Bに示すように、ハウジング2(本体部)と、洗浄水を吐出するノズルユニット3と、ノズル洗浄部4と、ノズル洗浄部4の前方側開口4a(先端側開口)を開閉するシャッター部5と、等を備える。
ノズルユニット3は、例えば、肛門洗浄用及びビデ用のノズルユニットである。ノズルユニット3傾斜方向に沿って延びる。
ノズルユニット3は、図2A~図3に示すように、ノズル31と、スライドレール32と、ノズル31を駆動させるノズル駆動機構33と、を有する。
ノズル31は、後方から前方に向かうに従って下方に傾斜して配置され、ハウジング2に対して進退可能に支持される。なお、本実施形態においては、ノズル31が傾斜する方向を「傾斜方向」ともいう。
ノズル31は、傾斜方向を長手方向として軸方向に延びる長尺の円柱状に形成される。ノズル31は、例えば、金属材料、樹脂材料、セラミック材料で形成される。なお、本実施形態においては、ノズル31を円柱状に形成したが、これに限定されない。
ノズル31は、吐水孔31aと、洗浄水を吐水孔31aに導く導水流路31b(図6B参照)と、を有する。吐水孔31aは、ノズル31における下方に位置する先端側の上面に形成される。吐水孔31aは、温水供給ユニット(図示省略)によって供給された洗浄水を吐出する。
ノズル31は、スライドレール32に支持されると共に、スライドレール32に対して進退可能である。ノズル31は、ノズル駆動機構33により駆動されて、ハウジング2に収容される収容位置(図2A参照)と、前方の斜め下方へ伸長する進出位置(図2B参照)とに、進退可能である。ノズル31は、不使用時に、ノズル洗浄部4の前方側開口4aを閉じた状態のシャッター部5の後方側の収容位置(図2A参照)においてハウジング2に収容され、使用時に、前方の斜め下方へ伸長する進出位置(図2B参照)に移動する。
ハウジング2は、図3に示すように、下面ハウジング21と、上面ハウジング22と、一対の側面ハウジング23と、を有する。下面ハウジング21と上面ハウジング22との間には、図2Aに示すように、収容位置に位置するノズル31が配置される。なお、下面ハウジング21と上面ハウジング22との間には、側方に開放する側部開口が形成されていてもよい。ノズル31の収容位置において、ノズル31の一部は、ハウジング2に側部開口を設けることで、ハウジング2の側部開口を介して外部に露出されていてもよく、汚れが付きやすいノズル31の上側が露出されていてもよい。
ノズル31の後端部は、図4及び図5に示すように、ノズル支持構造7により支持されている。ノズル支持構造7は、ノズル31の後端側において、スライドレール32に沿ってスライド移動可能に支持する。ノズル31は、シャッター部5以外のノズル31の周囲に配置されるハウジング2(周囲部材)やスライドレール32(周囲部材)等との間に隙間を確保した状態で、スライドレール32に支持される。ノズル31は、ノズル31とスライドレール32との間に隙間S1を確保した状態で、ノズル支持構造7により、スライドレール32に支持される。ノズル31は、収容位置(図2A参照)においても、進出位置(図2B参照)においても、収容位置(図2A参照)と進出位置(図2B参照)との間を移動する途中においても、シャッター部5以外のノズル31の周囲に配置されるハウジング2(周囲部材)やスライドレール32(周囲部材)等との間に隙間を確保した状態で、スライドレール32に支持される。
ノズル支持構造7は、ノズル31の後端に接続されるノズル取付部71と、ノズル取付部71の底面に配置される底面摺動部72と、ノズル取付部71の後端に接続される後方支持部73(支持部)と、後方側移動規制部79と、を備える。
ノズル取付部71は、ノズル31の後端部から、ノズル31とほぼ同じ径で、後方側に所定長さ延在する円筒状に形成される。
底面摺動部72は、後方支持部73の前側において、ノズル取付部71の底面に配置される。底面摺動部72は、ノズル31の進退方向の後方側において、ノズル31の底面よりも下方に突出して配置される。底面摺動部72は、ノズル31が延びる方向に延びる直方体形状に形成される。底面摺動部72は、ノズル31の後方側に配置され、ノズル31とスライドレール32との隙間S1を確保する。底面摺動部72は、スライドレール32の底板321の上面溝321aに摺動可能である。底面摺動部72は、スライドレール32と当接して配置されていてもよいし、スライドレール32に当接せずに配置されていてもよい。
後方支持部73は、ノズル取付部71の後端に接続される。後方支持部73は、ノズル31の進退方向の後方側に配置され、ノズル31をスライドレール32に支持させる。後方支持部73は、ノズル取付部71の後端に接続される支持接続部731と、支持接続部731から下方に延びる一対の支持足部732と、支持足部732から側方の外側に突出するスライド突起733と、を有する。
スライド突起733は、支持足部732の下方側における支持足部732の外側の側面において、支持足部732の下方側における支持足部732の外側の側面から外側に突出するように配置される。スライド突起733は、ノズル31の進退方向に延びる。スライド突起733は、スライドレール32の側壁322のガイド溝322a(後述)に配置され、後方支持部73は、スライドレール32の底板321の上面溝321aに沿って進退可能である。
後方側移動規制部79は、スライドレール32の長手方向の後端側において、上方側に枠状に延びる突出枠328に固定される。後方側移動規制部79は、ノズル31の後端に接続される後方支持部73の支持接続部731の後方側への移動を規制することで、ノズル31の後方側への移動を規制する。
ノズル支持構造7は、ガイド溝322aの範囲内において、ガイド溝322aに沿って進退可能である。ノズル支持構造7は、スライド突起733がガイド溝322aに配置されると共に底面摺動部72がスライドレール32の底板321の上面溝321aに沿って移動されることで、スライドレール32に対して進退可能な状態で、スライドレール32に支持される。つまり、ノズル31は、ノズル支持構造7を介して、スライドレール32に対して進退可能な状態で、スライドレール32に支持される。
ノズル支持構造7の後部には、図6A及び図6Bに示すように、ノズル駆動機構33のラック331(駆動用接続部材)(図6B参照)が接続されている。また、ノズル支持構造7の後部には、給水源からノズル31への給水を制御する給水弁(図示省略)、給水ポンプ及び流路を切り替える流路切り替え弁等(図示省略)が接続されている。
ノズル駆動機構33は、図6A及び図6Bに示すように、長尺状のラック331と、円板状のピニオン332と、モータ333と、を備える。ピニオン332は、ラック331に噛み合っており、モータ333の駆動により回転される。モータ333は、制御部(図示省略)からの駆動信号により、駆動される。
ラック331は、長尺状に形成され、一方側の面には、複数の歯が並んで形成されている。ラック331は、ノズル31を進退させるために用いられ、モータ333が駆動されることで、ピニオン332が回転され、ピニオン332が回転されることで、ピニオン332の歯に噛み合ったラック331が移動する。
ノズル31は、図2A及び図2Bに示すように、ノズル駆動機構33によって斜め下方に進出することで、その先端が、シャッター部5の内面を押すように構成される。ノズル31は、シャッター部5に当接してもよく、シャッター部5に当接しなくてもよい。シャッター部5は、機能部14(図1参照)側に固定されており、上部側に設けられた左右方向に延びる回動軸を中心に回動可能に構成される。ノズル31は、ノズル洗浄部4の前方側開口4a(後述)を閉じる方向に付勢されているシャッター部5を、上方に回動させながら開いてノズル洗浄部4の前方側開口4aの前方に突出させる。ノズル31及びノズル洗浄部4が進退方向に移動する場合において、シャッター部5は、進退方向に移動せずに、回動軸を中心に回動することで、ノズル洗浄部4の前方側開口4a(後述)を開閉する。
スライドレール32は、図3及び図4に示すように、ノズル31の下方に配置される。スライドレール32は、ノズル31を支持する。本実施形態においては、スライドレール32は、ノズル31を支持している状態において、ノズル31の径方向におけるスライドレール32側の下端部から上端部までにおいて、ノズル31の径方向の上方側の半分よりも、ノズル31の下方側に配置される。スライドレール32は、ハウジング2の下面ハウジング21に対して進退可能に、下面ハウジング21に支持される。スライドレール32は、例えば、金属材料により形成される。これにより、スライドレール32がノズル31を支持する場合において、ノズル31が金属材料やセラミック材料で形成されて重量が大きい場合においても、ノズル31の自重によるノズル31の垂れを抑制できる。
スライドレール32は、ノズル31が延びる傾斜方向に沿って延びる。スライドレール32は、図3に示すように、底板321と、一対の側壁322と、先端当接面部323と、を有する。
底板321の上面には、図4に示すように、上面溝321aが形成される。上面溝321aは、ノズル31の進退方向に延びる平面状に形成される。図4に示すように、ノズル31は、上面溝321aとノズル31との間に隙間S1が形成された状態で、スライドレール32に支持される。
側壁322には、図6A~図6Dに示すように、ガイド溝322aが形成される。ガイド溝322aは、側壁322の厚さ方向に貫通して斜め下方の傾斜方向に延びる長孔状に形成される。ガイド溝322aは、スライドレール32が進退する範囲に設けられる。ガイド溝322aには、ノズル31の後方側の端部に設けられるノズル支持構造7のスライド突起733が、進退可能に配置されている。これにより、スライド突起733がガイド溝322aに沿って進退可能に構成されることで、ノズル31は、ガイド溝322aに沿って進退可能である。
先端当接面部323は、図6Cに示すように、スライドレール32の側壁322の先端側の端面に設けられる。先端当接面部323は、スライドレール32が進出方向に移動した場合に、ノズル洗浄部4の前側カバー部材41の突起412に当接して、突起412を進出方向に移動させる。これにより、スライドレール32は、ノズル洗浄部4を進出方向に移動させることができる。
ノズル洗浄部4は、ノズル31の表面に洗浄水を吐出することにより、ノズル31の表面を洗浄する。ノズル洗浄部4は、図2A及び図2Bに示すように、局部洗浄装置1の先端側において、一対のノズル31の上方側に配置され、スライドレール32の移動に連動して進退可能である。なお、本実施形態では、ノズル洗浄部4を、スライドレール32の移動に連動して進退するように構成したが、これに限定されず、ノズル31の移動に連動して進退するように構成してもよい。
ノズル洗浄部4は、前側カバー部材41と、前側カバー部材41の後端に接続される後側カバー部材42と、洗浄水導入接続口43と、引っ掛け部44と、ばね部材34と、を有する。
前側カバー部材41は、図2Aに示すように、断面略U字状の板材により、傾斜方向に延びて形成される。前側カバー部材41の前方側には、傾斜方向に開口する前方側開口4aが形成される。前側カバー部材41の上方側の内部には、ノズル31を洗浄する洗浄水が流通する流路411が形成される。
洗浄水の流路411は、図2Aに示すように、洗浄水導入接続口43から、前側カバー部材41の内部において、ノズルユニット3に向かって延びる。流路411の先端には、ノズル洗浄用吐水孔411aが形成される。ノズル洗浄用吐水孔411aは、ノズルユニット3において、前側カバー部材41の下面に形成され、洗浄水を下方に吐出する。
前側カバー部材41の内側の側面には、図6Aに示すように、突起412が形成される。突起412は、スライドレール32が進出方向に移動した場合に、スライドレール32の先端当接面部323に当接し、スライドレール32の進出方向への移動に伴って、進出方向に押されて移動する。これにより、ノズル洗浄部4は、スライドレール32が進出方向に移動した場合に、突起412がスライドレール32の先端当接面部323に当接した状態で進出方向に押されることで、進出方向に移動する。
ノズル洗浄部4が進出位置に位置する場合には、図3に示すように、ノズル31の後端部に設けられるノズル支持構造7は、ノズル洗浄部4の前方側開口4aよりも後方側に配置される。そのため、ノズル31の後端部は、ノズル洗浄部4の前側カバー部材41の下方に配置される。これにより、ノズル31が進出位置に位置された場合に、ノズル31の後端部は、前側カバー部材41の下方に配置されることで前側カバー部材41により覆われる。よって、ノズル31の後端部に接続されるノズル駆動機構33のラック331のノズル31側の部分に、汚れが付着することを抑制できると共に、ノズル31の吐水孔31aから吐出される洗浄水がかかることを抑制できる。
洗浄水導入接続口43は、図2A、図2B及び図7に示すように、前側カバー部材41の左右方向の中央の後部において、後方に向けて突出して形成され、後方に向けて開口する筒状に形成される。洗浄水導入接続口43は、図7に示すように、筒状の連結部材45を介して、給水ホース46(ホース部)に接続される。
後側カバー部材42は、図2A及び図2Bに示すように、前側カバー部材41の後端に接続される。後側カバー部材42は、それぞれ、前側カバー部材41よりも一段上方側に形成され、傾斜方向に延びる。
後側カバー部材42は、図6Dに示すように、ノズル31が延びる方向に延びるスライド溝421を有する。スライド溝421の後端には、後端壁324が形成される。後端壁324は、スライドレール32がハウジング2に対して進出方向に移動した場合に、ハウジング2の下面ハウジング21の規制部211に当接する。これにより、スライドレール32は、ノズル31の先端側への移動が規制される。
引っ掛け部44は、後側カバー部材42の側方に突出する。引っ掛け部44には、ばね部材34が引っ掛けられる。ノズル洗浄部4は、ばね部材34により、後方側に付勢されている。
ノズル洗浄部4は、給水ホース46が移動しない状態で、給水ホース46に対して進退可能である。具体的には、図7に示すように、給水ホース46の先端部には、筒状の連結部材45の後端部が接続されている。筒状の連結部材45には、筒状の洗浄水導入接続口43が、連結部材45の先端側から挿入されて、連結部材45に対して進退可能に取り付けられている。これにより、ノズル洗浄部4が進退方向に移動した場合に、ノズル洗浄部4は、連結部材45に対して進退することで、給水ホース46を移動させずに、給水ホース46に対して進退する。
次に、局部洗浄装置1の動作について説明する。
ノズルユニット3の動作を実行する場合には、ノズルユニット3の動作を実行するように、操作パネル15を操作する。これにより、ノズル駆動機構33のモータ333が駆動されることで、ピニオン332が回転して、ノズル31を進出方向に移動させるように、ピニオン332に噛み合うラック331が進出方向に移動される。
そして、ラック331に接続されたノズル31は、図6Aに示す収容位置から、スライドレール32に対して進出方向に移動する。ノズル31は、図6Bに示すように、進出方向に移動することで、シャッター部5を回動させて、ノズル洗浄部4の前方側開口4aを開く。ノズル31が、更に進出方向に移動されることで、図6Cに示すように、ノズル31の後部に形成さえるスライド突起733は、スライドレール32のガイド溝322aの前方側の端部に当接する。
ノズル31は、スライドレール32の先端当接面部323がノズル洗浄部4の前側カバー部材41の突起412に当接した状態で、図6Cに示す状態を経由して、スライドレール32と後側カバー部材42とが一体化された状態で更に進出方向に移動されることで、ノズル洗浄部4を進出方向に移動させる。そして、図6Dに示すように、ノズル洗浄部4の後側カバー部材42の後端側に形成される後端壁324は、ハウジング2の下面ハウジング21の規制部211に当接する。これにより、ノズル31は、図6Dに示す進出位置に移動される。
ノズル31が進出位置まで移動された後に、ノズル31の吐出動作が実行される。ノズル31の吐出動作においては、吐水孔31aから洗浄水が吐出される。ここで、ノズル31が進出位置に位置する場合には、ノズル31の後端部に接続されるノズル駆動機構33のラック331のノズル31側の部分は、前側カバー部材41の下方に配置されることで、前側カバー部材41により覆われる。これにより、ノズル31の後端部に接続されるノズル駆動機構33のラック331のノズル31側の部分に、汚れが付着することを抑制できると共に、ノズル31の吐水孔31aから吐出される洗浄水がかかることを抑制できる。よって、局部洗浄装置1の動作不良を防止できる。
ノズル31の吐水動作の終了後に、ノズル31は、ノズル駆動機構33に駆動されて後退方向に移動することで、図6Dに示す進出位置から、図6Aに示す収容位置に移動される。ノズル31が進出位置から収容位置に移動する途中において、ばね部材34の付勢力によりノズル洗浄部4が後退方向に移動すると共に、スライドレール32が後退方向に移動する。
ここで、ノズル31が後退方向に移動する際には、ノズル洗浄部4のノズル洗浄用吐水孔411aからは、ノズル31の表面を洗浄するための洗浄水が吐出される。ノズル31は、ノズル洗浄用吐水孔411aから洗浄水が吐出された状態で、後退方向に移動する。これにより、ノズル洗浄部4は、ノズル31を洗浄する。
以上のように構成される局部洗浄装置1は、ノズル31がハウジング2に対して2段階で進退可能であるため、ハウジング2の収容スペースが小さい場合であっても、長尺に延伸できる。
第1実施形態によれば、以下の効果が奏される。本実施形態に係る局部洗浄装置1は、ハウジング2と、ハウジング2に対して進退可能なスライドレール32と、スライドレール32に支持されると共に、スライドレール32に対して進退可能なノズル31と、を備える。そのため、ノズル31がスライドレール32に支持されて進退するため、ノズル31を、ハウジング2に干渉させずに進退させることができる。これにより、ノズル31を格納するシリンダを設けずに、ノズル31の一部が外部に露出された状態であっても、ノズル31を進退させることができる。よって、ノズル31に付着した汚れが他の部品に広がることを抑制できる。
本実施形態においては、スライドレール32は、ノズル31の下方に配置される。そのため、スライドレール32は、ノズル31を下方側から支持できる。これにより、スライドレール32がノズル31を支持する場合に、ノズル31の自重によるノズル31の垂れを抑制できる。スライドレール32がノズル31を支持する場合において、例えば、ノズル31が金属材料やセラミック材料で形成されて重量が大きい場合においても、ノズル31の自重によるノズル31の垂れを抑制できる。
本実施形態においては、スライドレール32の移動に連動して進退可能なノズル洗浄部4を更に備える。そのため、ノズル31が進出位置に位置された場合に、ノズル31の後端部に接続されるノズル駆動機構33のラック331のノズル31側の部分をノズル洗浄部4により覆うことができる。これにより、ノズル31の後端部に接続されたノズル駆動機構33のラック331のノズル31側の部分に、汚れが付着することを抑制できると共に、ノズル31の吐水孔31aから吐出される洗浄水がかかることを抑制できる。よって、局部洗浄装置1の動作不良を防止できる。ノズル洗浄部4が移動した位置によっては、進出状態のノズル31を洗浄することができる。
本実施形態においては、ノズル洗浄部4に接続される給水ホース46を備え、ノズル洗浄部4は、進退する場合に、給水ホース46が移動しない状態で、給水ホース46に対して進退する。具体的には、ノズル洗浄部4は、給水ホース46に接続される連結部材45に対して進退可能に取り付けられる。これにより、ノズル洗浄部4が進退しても給水ホース46が移動しないため、給水ホース46には、進退に伴う際に生じる力が作用しない。よって、給水ホース46は劣化しにくいため、給水ホース46の劣化による動作不良を低減できる。
本実施形態においては、ノズル31は、ノズル31とスライドレール32との間に隙間S1を確保した状態で、スライドレール32に支持される。これにより、ノズル31がスライドレール32に接触しないため、ノズル31に付着した汚れがスライドレール32に広がることを抑制できる。ノズル31の外周面に施した防汚コートや塗装等が剥がれることを抑制できると共に、ノズル31の外周面が傷つくことを抑制できる。
本実施形態においては、ノズル31の進退方向の後方側に配置されノズル31をスライドレール32に支持させる後方支持部73と、ノズル31の進退方向の後方側においてノズル31の底面よりも下方に突出して配置されスライドレール32に摺動可能な底面摺動部72と、を備える。これにより、ノズル31とスライドレール32との間に隙間S2を確保した状態で、ノズル31の底面よりも下方に突出して配置される底面摺動部72がスライドレール32に摺動される。よって、簡易な構成で、ノズル31とスライドレール32との間に隙間S1を確保することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態の局部洗浄装置1Aは遮蔽部6を備えている点において、第1実施形態の局部洗浄装置1と主に異なる。また、第2実施形態の局部洗浄装置1Aは、第1実施形態と比べると、第1実施形態のノズル洗浄部4が移動するのに対して、ノズル洗浄部4が移動しない点において、第1実施形態の局部洗浄装置1と異なる。第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成については、同様の符号を付して説明を省略する。
第2実施形態の局部洗浄装置1Aは、図8A~図9に示すように、ハウジング2A(本体部)と、ノズルユニット3と、ノズル洗浄部4と、ノズル洗浄部4の前方側開口4aを開閉するシャッター部5と、遮蔽部6と、等を備える。第2実施形態のハウジング2Aは、第1実施形態のノズル洗浄部4の後側カバー部材42に対応する部材を有していない。
遮蔽部6は、ノズル31の後部に配置される。ノズル31は、シャッター部5以外のノズル31の周囲に配置されるハウジング2A(周囲部材)やスライドレール32(周囲部材)や遮蔽部6(周囲部材)等との間に隙間を確保した状態で、スライドレール32に支持される。
遮蔽部6は、ノズル31の後端部に接続されるラック331(駆動用接続部材)の少なくとも一部を覆うように配置される。遮蔽部6は、図8A及び図9に示すように、ノズル31の後部の外形よりも大きい形状に形成される。本実施形態では、遮蔽部6は、ノズル31の後端部の径よりも大きい径を有する円弧状に形成される。遮蔽部6は、先端側がノズル31の後端部に重なるように配置され、後方側に延びる。遮蔽部6の外形は、ハウジング2Aによりノズル31を覆うように構成した場合には、ノズル31を覆うハウジング2Aの内形とほぼ同じ大きさに形成することもできる。その場合は、遮蔽部6の外形をハウジング2Aの内形とほぼ同じ大きさに形成することで、後方側に洗浄水や汚れが飛ぶことを抑制できる。なお、遮蔽部6の外形とハウジング2Aの内形とは上側部分のみほぼ同じ大きさに形成しても良いし、ハウジング2A以外の部材を遮蔽部6の外形とほぼ同じ大きさにすることで後方側に洗浄水や汚れが飛ぶことを抑制する構造としても良い。
遮蔽部6は、図9に示すように、ノズル31が進出位置に位置する場合に、ノズル洗浄部4のノズル洗浄用吐水孔411aの下方に配置される。これにより、ノズル31が進出位置に位置する場合において、ノズル洗浄部4のノズル洗浄用吐水孔411aから洗浄水が吐出された場合に、ノズル31の後端部に接続されたノズル駆動機構33のラック331のノズル31側の部分に、ノズル洗浄部4のノズル洗浄用吐水孔411aから吐出される洗浄水がかかることを抑制できる。
第2実施形態においては、ノズル洗浄部4が移動しないように構成される。ノズル洗浄部4が移動しない場合において、ノズル31の後端部は、図9に示すように、ノズル31が進出位置に位置する場合に、ノズル31の先端側の前方側開口4aを開閉するシャッター部5よりも後方側に配置される。
以上説明した第2実施形態の局部洗浄装置1Aによれば、前述した第1実施形態の効果に加え、以下の効果を奏する。本実施形態においては、ノズル31の後端部に接続されるラック331と、ラック331の少なくとも一部を覆うように配置される遮蔽部6と、を備える。そのため、ノズル31の後端部に接続されるノズル駆動機構33のラック331のノズル31側の部分を遮蔽部6により覆うことができる。これにより、ノズル31の後端部に接続されたノズル駆動機構33のラック331のノズル31側の部分に、汚れが付着することを抑制できると共に、ノズル31の吐水孔31aから吐出される洗浄水がかかることを抑制できる。よって、局部洗浄装置1Aの動作不良を防止できる。
本実施形態においては、遮蔽部6は、ノズル31の後端部の径よりも大きい径を有する円弧状に形成される。そのため、ノズル洗浄部4のノズル洗浄用吐水孔411aから吐出された洗浄水や、ノズル31の吐水孔31aから吐出された洗浄水が、ノズル31にかかった場合に、ノズル31にかかった洗浄水は、ノズル31の後端部の径よりも大きい径の遮蔽部6の厚みの部分により遮断されて、遮蔽部6側に移動しにくい。よって、ノズル31の後端部に接続されたノズル駆動機構33のラック331のノズル31側の部分に、洗浄水がかかることを抑制できる。
また、本実施形態においては、ノズル31の後端部は、ノズル31が進出位置に位置する場合に、ノズル31の先端側の前方側開口4aを開閉するシャッター部5よりも後方側に配置される。より具体的には、ノズル31の後端部は、開状態のシャッター部5の前端よりも後方側に配置される。そのため、ノズル31が進出位置に位置された場合に、ノズル31の後端部に接続されるノズル駆動機構33のラック331のノズル31側の部分をノズル洗浄部4により覆うことができる。これにより、ノズル31の後端部に接続されたノズル駆動機構33のラック331のノズル31側の部分に、汚れが付着することを抑制できると共に、ノズル31の吐水孔31aから吐出される洗浄水がかかることを抑制できる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態のノズルユニット3Bは、第1実施形態のノズルユニット3の変形形態である。第3実施形態においては、ハウジング2B(本体部)と、ノズルユニット3Bと、について主に説明する。第3実施形態で説明しない構成は、第1実施形態の説明が援用される。
第3実施形態のノズルユニット3Bは、図10及び図11に示すように、ノズル31Bと、スライドレール35と、ノズル31Bを進退させるノズル駆動機構(図示省略)と、を有する。ノズル駆動機構(図示省略)の構成は、第1実施形態と同様の構成でもよいし、別の構成でもよい。
ノズル31Bの後端部には、ノズル支持摺動部311Bが設けられる。ノズル支持摺動部311Bは、端部円柱部312と、下部突出摺動部313と、を有する。
端部円柱部312の外径は、ノズル31Bと同じ外径で形成され、ノズル31Bの後端部において、ノズル31Bの軸方向に短い長さで延びる。
下部突出摺動部313は、端部円柱部312の下端部から下方に突出して設けられることで、ノズル31Bの下部に設けられる。ノズル31Bの下方に配置される下部突出摺動部313の幅は、ノズル31Bの軸方向に直交する方向の最大幅と同じ端部円柱部312の外径の幅よりも小さく形成される。下部突出摺動部313には、軸方向に貫通する貫通孔313aが形成される。貫通孔313aに、スライドレール35のスライド棒状部351(後述)が挿通されることで、下部突出摺動部313は、スライドレール35に進退可能に取り付けられる。貫通孔313aの内部の後方側の端部には、円筒状の摺動部材315が配置される。摺動部材315は、例えば、滑りが良好な樹脂材料により形成される。
スライドレール35は、図10及び図11に示すように、スライド棒状部351と、ノズル側端部係止部352と、ハウジング側端部スライド部材353と、を有する。
スライド棒状部351は、断面が円形に形成され、ノズル31Bの進退方向に延びる棒状に形成される。スライド棒状部351は、ノズル31Bの下部突出摺動部313の貫通孔313aに配置される摺動部材315に挿通されることで、下部突出摺動部313の貫通孔313aに挿通され、ハウジング2Bに対して進退可能である。
スライド棒状部351は、断面が円形に形成される棒状に形成され、ノズル支持摺動部311Bの貫通孔313aに挿通されてスライド移動可能に構成されており、周面が摺動面を構成する。ノズル31Bの下方に配置されるスライド棒状部351の幅は、ノズル31Bの軸方向に直交する最大幅と同じ端部円柱部312の外径の幅よりも小さく形成される。スライド棒状部351の一端部には、ノズル側端部係止部352が固定され、スライド棒状部351の他端部には、ハウジング側端部スライド部材353が固定される。
ハウジング2Bは、上面が下方に窪む円弧状に形成される。ハウジング2Bは、ノズル31Bの進退方向に延びる部材により形成される。ハウジング2Bは、円弧状の上面の幅方向の中央において、ノズル31Bの進退方向に延びるハウジング溝部24を有する。ハウジング溝部24には、スライド棒状部351の他端部に接続されるハウジング側端部スライド部材353が、進退可能に配置される。
以上のように構成されるノズルユニット3Bは、ノズル駆動機構(図示省略)が駆動されることで、ノズル31B及びスライドレール35がハウジング2Bの後端側に配置される収容位置(図示省略)と、ノズル31Bが進出した進出位置(図10参照)と、の間を移動可能である。
ノズル31Bは、ノズル駆動機構(図示省略)が駆動されることで、ノズル31B及びスライドレール35がハウジング2Bの後端側に配置される収容位置(図示省略)から、スライドレール35に対して進出方向に移動される。そして、ノズル31Bの下部突出摺動部313に、ノズル31Bのノズル側端部係止部352が当接した後には、ノズル31B及びスライドレール35が一体化されて、一体化されたノズル31B及びスライドレール35は、ハウジング2Bに対して進出方向に移動されることで、図10に示す進出位置に移動される。
このように、第3実施形態のノズルユニット3Bは、第1実施形態のノズルユニット3と同様に、ハウジング2Bに対して2段階で進退可能であるため、ハウジング2Bの収容スペースが小さい場合であっても、長尺に延伸できる。ノズル31Bがスライドレール35に支持されて進退するため、ノズル31Bを、ハウジング2Bに干渉させずに進退させることができ、ノズル31Bを格納するシリンダを設けずに、ノズル31Bの一部が外部に露出された状態で、ノズル31Bを進退させることができる。これにより、ノズル31Bに付着した汚れが他の部品に広がることを抑制できる。
以上説明した第3実施形態のノズルユニット3Bによれば、前述した第1実施形態の効果に加え、以下の効果を奏する。本実施形態においては、ノズル31Bの下方に配置されるスライドレール32Bの幅は、ノズル31Bの軸方向に直交する方向の最大幅よりも小さい。これにより、スライドレール35のスライド棒状部351は、ノズル31Bの下方に隠れるため、スライドレール32Bには、汚れがより付着しにくい。
本実施形態においては、スライドレール35を構成するスライド棒状部351は、断面が円形の棒状に形成される。そのため、スライドレール35を構成する部材の形状を管理する場合に、スライド棒状部351の外径を管理すればよいため、スライドレール35を構成する部材の形状を管理するために必要な重要寸法の数を少なくすることができ、スライドレール35を構成する部材の形状を管理しやすい。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態のノズルユニット3Cは、第1実施形態のノズルユニット3の変形形態であり、第3実施形態のノズルユニット3Bと異なる実施形態である。第4実施形態においては、ハウジング2C(本体部)と、ノズルユニット3Cと、について主に説明する。第4実施形態で説明しない構成は、第1実施形態の説明が援用される。
第4実施形態のノズルユニット3Cは、図12に示すように、ノズル31Cと、スライドレール36と、ノズル31Cを進退させるノズル駆動機構(図示省略)と、を有する。ノズル駆動機構(図示省略)の構成は、第1実施形態と同様の構成でもよいし、別の構成でもよい。
ノズル31Cの内部には、ノズル31Cの傾斜方向の後端部から先端側に向けて延びるスライド孔317が設けられる。スライド孔317の内部の後端部には、円筒状の摺動部材318が配置される。摺動部材318は、例えば、滑りが良好な樹脂材料により形成される。
スライドレール36は、スライド棒状部361と、ノズル側端部係止部362と、ハウジング側端部スライド部材363と、を有する。
スライド棒状部361は、断面が円形に形成され、ノズル31Cの進退方向に延びる棒状に形成される。スライド棒状部361は、スライド孔317の後端部に配置される摺動部材318に挿入されることで、ノズル31Cの後端部に設けられるスライド孔317に挿入され、ハウジング2Cに対して進退可能である。
スライド棒状部361は、断面が円形に形成される棒状に形成され、ノズル31Cのスライド孔317に挿入される。スライド棒状部361は、スライド移動可能に構成されており、周面が摺動面を構成する。ノズル31Cの内部に配置されるスライド棒状部361の幅は、ノズル31Bの軸方向に直交する最大幅よりも小さく形成される。スライド棒状部361の一端部には、ノズル側端部係止部362が固定され、スライド棒状部361の他端部には、ハウジング側端部スライド部材363が固定される。
ハウジング2Cは、上面が下方に窪む円弧状に形成される。ハウジング2Cは、ノズル31Cの進退方向に延びる部材により形成される。ハウジング2Cは、円弧状の上面の幅方向の両端側において、ノズル31Cの進退方向に延びる一対のハウジング溝部25を有する。ハウジング溝部25には、スライド棒状部351の他端部に接続されるハウジング側端部スライド部材363が、進退可能に配置される。
以上のように構成されるノズルユニット3Cは、ノズル駆動機構(図示省略)が駆動されることで、ノズル31C及びスライドレール36がハウジング2Cの後端側に配置される収容位置(図示省略)と、ノズル31Cが進出した進出位置(図12参照)と、の間を移動可能である。
ノズル31Cは、ノズル駆動機構(図示省略)が駆動されることで、ノズル31C及びスライドレール36がハウジング2Cの後端側に配置される収容位置(図示省略)から、スライドレール36に対して進出方向に移動される。そして、ノズル31Cのスライド孔317の後端部に設けられた摺動部材318に、ノズル31Cのノズル側端部係止部362が当接した後には、ノズル31C及びスライドレール36が一体化されて、一体化されたノズル31C及びスライドレール36は、ハウジング2Cに対して進出方向に移動されることで、図12に示す進出位置に移動される。
このように、第4実施形態のノズルユニット3Cは、第1実施形態のノズルユニット3と同様に、ハウジング2Cに対して2段階で進退可能であるため、ハウジング2Cの収容スペースが小さい場合であっても、長尺に延伸できる。ノズル31Cがスライドレール36に支持されて進退するため、ノズル31Cを、ハウジング2Cに干渉させずに進退させることができ、ノズル31Cを格納するシリンダを設けずに、ノズル31Cの一部が外部に露出された状態で、ノズル31Cを進退させることができる。これにより、ノズル31Cに付着した汚れが他の部品に広がることを抑制できる。
以上説明した第4実施形態のノズルユニット3Cによれば、前述した第1実施形態の効果に加え、以下の効果を奏する。本実施形態においては、スライドレール36を構成するスライド棒状部361は、ノズル31Cの内部に設けられるスライド孔317に挿入されてスライドされる。そのため、スライドレール36のスライド棒状部361がノズル31Cの内部に隠れるため、スライドレール32Bには、汚れがより付着しにくい。また、スライドレール36のスライド棒状部361がノズル31Cの内部に隠れるため、小型化に寄与する。
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態について説明する。第5実施形態のノズルユニット3Dは、第1実施形態のノズルユニット3の変形形態である。第5実施形態においては、ノズルユニット3Dについて主に説明する。第5実施形態で説明しない構成は、第1実施形態の説明が援用される。
第5実施形態のノズルユニット3Dは、第1実施形態のノズルユニット3のノズル支持構造7及びスライドレール32に代えて、ノズル支持構造8及びスライドレール38を備える。
ノズル31Dの後端部は、図13及び図14に示すように、ノズル支持構造8により支持されている。ノズル支持構造8は、ノズル31Dの後端側において、スライドレール38に沿ってスライド移動可能に支持する。ノズル31Dは、ノズル31Dとスライドレール32との間に隙間S2を確保した状態で、ノズル支持構造8により、スライドレール38に支持される。
ノズル支持構造8は、ノズル31Dの後端に接続される後方支持部83(支持部)と、後方側移動規制部89と、を備える。後方支持部83は、ノズル31の進退方向の後方側に配置され、ノズル31をスライドレール38に支持させる。後方支持部83は、ノズル31Dの後端に接続されてノズル31Dの後端を支持する支持接続部831(支持部本体)と、支持接続部831から下方に延びる一対の支持足部832と、支持足部832から側方の外側に突出するスライド突起833(延在部)と、を有する。
一対の支持足部832は、ノズル31Dの幅方向の両端部側に配置される。一対の支持足部832は、ノズル31の幅方向の両端部側の下面から下方に延びる第1支持足部縦板部832aと、第1支持足部縦板部832aの下端部から下方に延びる第2支持足部横板部832bと、を有する。第2支持足部横板部832bは、第1支持足部縦板部832aよりも後方側に延在する。
スライド突起833は、第2支持足部横板部832bの外側の側面において、第2支持足部横板部832bの外側の側面から外側に突出するように配置される。スライド突起833は、ノズル31の進退方向に延びる。スライド突起833は、後方支持部83の後方側に延在する。本実施形態においては、スライド突起833は、ノズル31Dの後端に接続される後方支持部83の支持接続部831の後端部よりも後方側に延在する。スライド突起833は、スライドレール38の側壁382ガイド溝382aに配置される。
後方側移動規制部89は、スライドレール38の長手方向の中央よりも後方側において、上方側に枠状に延びる突出枠388に固定される。後方側移動規制部89は、ノズル31Dの後端に接続される後方支持部83の支持接続部831の後方側への移動を規制することで、ノズル31Dの後方側への移動を規制する。ノズル31Dが後方側移動規制部89により後方側への移動が規制された状態において、スライド突起833は、ノズル31Dの後方側への移動を規制する規制部である後方側移動規制部89よりも後方側に延在する。
ノズル支持構造8は、ガイド溝382aの範囲内において、ガイド溝382aに沿って進退可能である。ノズル支持構造8は、スライド突起833aがガイド溝382aに配置されてガイド溝382aに沿って移動されることで、スライドレール38に対して進退可能な状態で、スライドレール38に支持される。つまり、ノズル31は、ノズル支持構造8を介して、スライドレール38に対して進退可能な状態で、スライドレール38に支持される。
本実施形態においては、ノズル31Dは、ノズル31Dとスライドレール38との間に隙間S2を確保した状態で、スライドレール38に支持される。これにより、第1実施形態と同様に、ノズル31Dがスライドレール38に接触しないため、ノズル31Dに付着した汚れがスライドレール38に広がることを抑制できる。ノズル31Dの外周面に施した防汚コートや塗装等が剥がれることを抑制できると共に、ノズル31Dの外周面が傷つくことを抑制できる。
本実施形態においては、ノズル31Dの進退方向の後方側に配置されノズル31Dをスライドレール38に支持させる後方支持部83を備え、後方支持部83は、ノズル31Dの後端を支持する支持接続部831と、支持接続部831よりも後方側に延在するスライド突起833と、を有する。これにより、支持接続部831よりも後方側に延在するスライド突起833によりノズル31Dの後端を支持できるため、ノズル31Dとスライドレール38との間に隙間S2を確保した状態で、ノズル31Dの先端側が自重により垂れることを抑制できる。よって、簡易な構成で、ノズル31Dとスライドレール38との間に隙間S2を確保することができる。
<第6実施形態>
次に、本発明の第6実施形態について説明する。第6実施形態のノズルユニット3Eは、第1実施形態のノズルユニット3の変形形態である。第6実施形態においては、ノズルユニット3Eについて主に説明する。第6実施形態で説明しない構成は、第1実施形態の説明が援用される。
第6実施形態のノズルユニット3Eは、第1実施形態のノズルユニット3のノズル支持構造7に代えて、ノズル支持構造9を備える。第1実施形態のノズル31及びスライドレール32の構成は、第1実施形態と同様である。
ノズル31の後端部は、図15及び図16に示すように、ノズル支持構造9により支持されている。ノズル支持構造9は、ノズル31の後端側において、スライドレール32に沿ってスライド移動可能に支持する。ノズル31Eは、ノズル31とスライドレール32との間に隙間S3を確保した状態で、ノズル支持構造9により、スライドレール32に支持される。
ノズル支持構造9は、ノズル31の後端に接続されるノズル取付部91と、ノズル取付部91の側部から側方に突出する側部摺動部92と、ノズル取付部91の後端に接続される後方支持部93(支持部)と、を備える。
ノズル取付部91は、ノズル31の後端部から、ノズル31とほぼ同じ径で、後方側に所定長さ延在する円筒状に形成される。
側部摺動部92は、後方支持部93の前側において、ノズル取付部91の下方側の側部から側方に突出して形成される。側部摺動部92は、ノズル31の進退方向の後方側において、ノズル31の側方に突出して配置される。側部摺動部92は、ノズル31が延びる方向に延びる直方体形状に形成される。側部摺動部92は、ノズル31の後方側に配置され、ノズル31とスライドレール32との隙間S3を確保する。側部摺動部92は、スライドレール32の側壁322の上面322bに摺動可能である。
後方支持部93は、ノズル取付部91の後端に接続される。後方支持部93は、ノズル31の進退方向の後方側に配置され、ノズル31をスライドレール32に支持させる。後方支持部93は、ノズル取付部91の後端に接続される支持接続部931と、支持接続部931から下方に延びる一対の支持足部932と、支持足部932から側方の外側に突出するスライド突起933と、を有する。
スライド突起933は、支持足部932の下方側における支持足部932の外側の側面において、支持足部932の下方側における支持足部932の外側の側面から外側に突出するように配置される。スライド突起733は、ノズル31の進退方向に延びる。スライド突起933は、スライドレール32のガイド溝322a(後述)に配置され、後方支持部93は、スライドレール32の側壁322の上面322bに沿って進退可能である。
スライド突起933は、ガイド溝322aの範囲内において、ガイド溝322aに沿って進退可能である。ノズル支持構造9は、スライド突起933がガイド溝322aに配置されると共に側部摺動部92がスライドレール32の側壁322の上面322bに沿って移動されることで、スライドレール32に対して進退可能な状態で、スライドレール32に支持される。つまり、ノズル31は、ノズル支持構造9を介して、スライドレール32に対して進退可能な状態で、スライドレール32に支持される。
本実施形態においては、ノズル31は、ノズル31とスライドレール32との間に隙間S3を確保した状態で、スライドレール32に支持される。これにより、第1実施形態と同様に、ノズル31がスライドレール32に接触しないため、ノズル31に付着した汚れがスライドレール32に広がることを抑制できる。ノズル31の外周面に施した防汚コートや塗装等が剥がれることを抑制できると共に、ノズル31の外周面が傷つくことを抑制できる。
本実施形態においては、ノズル31の進退方向の後方側に配置されノズル31をスライドレール32に支持させる後方支持部93と、ノズル31の進退方向の後方側においてノズル31の側方に突出して配置されスライドレール32に摺動可能な側部摺動部92を有する。これにより、ノズル31とスライドレール32との間に隙間S3を確保した状態で、ノズル31の側方に突出して配置される側部摺動部92がスライドレール32に摺動される。よって、簡易な構成で、ノズル31とスライドレール32との間に隙間S3を確保することができる。
以上、本発明の局部洗浄装置1の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。例えば、前記実施形態では、本体部を、ハウジング2,2A,2Bにより構成しているが、本体部としては、ノズルを収容しない形態も含まれる。つまり、本体部は、スライドレールの基点となるものであればよく、ノズルを収容する構造でなくてもよい。
前記実施形態においては、スライドレールを1つ設けているが、これに限定されない。例えば、ノズルのガタを防止する観点や、強度確保の観点から、スライドレールを複数設けてもよい。
前記第2実施形態においては、遮蔽部6を、ノズル31の後部の外形よりも大きい形状に形成したが、これに限定されない。例えば、遮蔽部6を、ノズル31の後部の外形よりも小さい形状に形成して、ノズル31の後端部に接続されるラック331(駆動用接続部材)の少なくとも一部を覆うように構成してもよい。
前記第1実施形態においては、ノズル31の底面よりも下方に突出して配置される底面摺動部72を備えて構成した。前記第5実施形態においては、支持接続部831よりも後方側に延在するスライド突起833を備えて構成した。前記第6実施形態においては、ノズル31の側方に突出して配置される側部摺動部92を備えて構成した。しかし、これに限定されない。底面摺動部72、スライド突起833及び側部摺動部92の2つ以上を併せて備えて構成してもよい。
前記第1実施形態においては、シャッター部5以外のノズル31の周囲に配置される周囲部材を、ハウジング2やスライドレール32とした。第2実施形態においては、シャッター部5以外のノズル31の周囲に配置される周囲部材を、ハウジング2Aやスライドレール32や遮蔽部6とした。しかし、シャッター部5以外のノズル31の周囲に配置される周囲部材は、シャッター部5以外のノズル31の周囲に配置される部材であれば特に限定されない。