JP7390365B2 - レンズ鏡筒及び画像投射装置 - Google Patents
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Description
また、レンズの大口径化が進行し、こうしたレンズ間の位置調整機能を取り付けるための空間的な余裕は減少傾向にある。
そのため、カム回転中心軸を光軸から偏心することで省スペース化を図る構成(例えば特許文献1、2等参照)や、比較的小径なレンズの多い縮小側に取り付けたカム等によって拡大側の大径レンズを動かす構成(例えば特許文献3等参照)が知られているが、縮小側のレンズレイアウトに制限が生じてしまう等の課題があった。
なお、以降の説明では、レンズ鏡筒たるレンズユニット103の保持するレンズの光軸方向をZ方向、Z軸に垂直な方向のうち、図1に示す紙面上方向をY方向、Z方向とY方向とに垂直な方向をX方向とする。また、必要に応じて、レンズユニット103における+Z方向側たる投射面104側を拡大側、-Z方向側たる画像表示素子102側を縮小側と呼ぶ。
すなわち本実施形態において、レンズ鏡筒20は、少なくとも1つの反射ミラーを有する反射光学系たる反射部30を備える投射光学系の一部を構成し、複数のレンズ群を有する屈折光学系を用いたレンズ鏡筒である。
また、本実施形態のレンズ鏡筒20が保持するレンズ群は、図2に示すように、非円形レンズL16~L20を含んでいる。
本実施形態においては、特にレンズL18をZ軸方向に移動して位置調整を行う場合について説明するが、かかる構成に限定されるものではなく、何れの非円形レンズを移動させるものであっても良い。
レンズ鏡筒20は、レンズL1~L17、L19、L20を保持するための複数の鏡筒を有しているが、詳細な構成については省略する。
保持部50は、内側にZ軸方向に平行に延びる軸部たるガイド軸52a、52bを有している。ガイド軸52aは、上面51aと曲面51bとの接する位置の近傍に形成され、ガイド軸52bは、ガイド軸52aとはレンズ光軸を挟んで反対側に形成される。
なお、ガイド軸52aとガイド軸52bとは、レンズ光軸について点対称に配置するとしても良い。
また、保持部50は、Z方向に沿って延びた空隙たる可動部溝54を有している。
かかる可動部溝54に挿入されるように後述するローラ80が配置され、可動部40と固定されている。湾曲部60のA方向への回転によって、カム溝62によってZ方向に沿ってローラ80が動くから、追従して可動部40もZ方向へと駆動される。
湾曲部60は、Z軸に対する周方向に沿って平行なガイド溝61と、ガイド溝61に対して傾斜して形成された溝部であるカム溝62と、を有している。
ガイド溝61には、ローラ70と、ウェーブワッシャー71と平ワッシャー72と固定ネジ73とが図5に示すように係合して配置されている。
カム溝62には、ローラ80と、ウェーブワッシャー81と平ワッシャー82と固定ネジ83とが図5に示すように係合して配置されている。
このように湾曲部60は、ガイド溝61とカム溝62とを有し、かかる複数の溝に係合して配置される固定部材によって保持部50の側面に周方向たるA方向に移動可能なように保持される。
湾曲部60の外周面には、ギア形状63が形成されており、図示しないモーター等の駆動部材によって駆動される。ギア形状63は、湾曲部60をA方向に沿って回動させる操作部としての機能を有する。
なお、操作部の変形例として、湾曲部60の外周面に図8に示すように把持部64を取り付けることで、湾曲部60を駆動する構成であっても良い。
可動部40は、図6に示すように、外形の形状が保持部50の上面51aと曲面51bとに囲まれた領域に入る程度の大きさになっており、それぞれガイド軸52aとガイド軸52bとが挿入されるガイド孔42a、42bを有している。
可動部40は、かかる構成によって、保持部50の内側を、ガイド軸52aとガイド軸52bとに沿ってZ方向前後方向に移動可能に保持される。
同様に、ローラ80と、ウェーブワッシャー81と平ワッシャー82と固定ネジ83とは、可動部40に固定ネジ83が固定されるとともに、ローラ80とウェーブワッシャー81とで湾曲部60と係合することによって第2固定部材としての機能を有している。
なお、第2固定部材としてのローラ80と、ウェーブワッシャー81と平ワッシャー82と固定ネジ83との固定の態様は、図7と同様であって締結先である保持部50が可動部40へと変更するのみであるため、図示を省略する。
すなわち、湾曲部60をA方向に移動させることで、ガイド溝61に係合したローラ70と、カム溝62に係合したローラ80とのZ方向の距離が変動することとなる。
ローラ70は保持部50に固定され、ローラ80は可動部40に固定されているから、湾曲部60のA方向の移動によってカム溝62に沿ってローラ80はローラ70に対してZ方向に移動する。したがって可動部40は保持部50に対してZ方向に移動することとなる。なお、このときの可動部40の移動方向は、ガイド軸52aとガイド軸52bに沿ってZ方向のみに規制されることとなる。このように、ガイド軸52a、ガイド軸52bによって、可動部40の移動方向はZ方向のみとなるように規制されている。
また、本実施形態においては、1つの非円形レンズL18を動かす構成についてのみ述べたが、カム溝62を複数条形成するとすれば、複数のレンズを同時に動かすことが可能なのは言うまでもない。
レンズ鏡筒200は、非円形レンズLと、その周囲に配置されたカム溝を有する円筒状のカム構造201を有しており、カム構造201がZ軸の周囲を回転することで、非円形レンズLがZ方向前後に移動するような構成を有している。
レンズ鏡筒200においては、カム構造201を機能させるためには、円筒状のカム構造201を回転させることで非円形レンズLを駆動する必要がある。すなわち、非円形レンズで切除したDカット部分にもカム構造201が存在するため、特に反射光学系を併用する画像投射装置においては、光線のケラレを防ぐことが難しいという問題が生じていた。
かかる問題を解決するためには、例えば図10に示すように、縮小側の円形レンズの周囲にカム構造201を配置し、拡大側の非円形レンズLを繰り出すように駆動する構成も考えられるが、遠隔位置を前後方向に駆動させる都合上、どうしても外形寸法の増大を招くという課題も生じていた。
かかる構成により、ガイド溝61とカム溝62との間隔ZXを湾曲部60のA方向の回転によって自由に変更することができるから、保持部50と可動部40とのZ方向の位置を調整して、非円形レンズL18の位置調整を行うことができる。
かかる構成により、ウェーブワッシャー71、81によってガタつきを抑えて湾曲部60を回転させることができる。
かかる構成によれば、把持部64を用いて湾曲部60をA方向に移動させることで、非円形レンズL18のZ方向への調整を外部から容易に行うことが可能となる。
本実施形態では、レンズ鏡筒200は、軸部としての機能を有するガイド軸52aと、ガイド軸52bとを有している。
また、ガイド軸52aと可動部40とは、2つのガイド軸52a、52bの中心を結んだ直線O’に平行な溝部43aで係合する。
かかる構成により、図11(b)、(c)においてそれぞれ示すように、ガイド軸52a、52bに対する接触面積を低減することができて、より滑らかな可動部40の移動が可能となる。
また、本実施形態においては、主基準側であるガイド軸52b側では、可動部40とガイド軸52bとは丸穴で係合する。すなわち、可動部40は溝部43aとともに貫通孔43bを備えている。このような構成により、ガイド軸52b側では主としてZ方向への直動規制が行われ、直動精度を高めるため、Z方向前後の2箇所で貫通孔43bとガイド軸52bとが係合している。
また、従基準側であるガイド軸52aは、直線O’に平行な溝部43aと係合することで主に可動部40の回転規制として作用している。仮に従基準側も貫通孔とした場合には、ガイド軸間距離の誤差(部品精度、熱膨張等)が作動に影響を及ぼすため、誤差を逃がせるように、ガイド軸52a、52bのうちどちらか一方と可動部40との係合部を丸穴状としたときには、他の一方をこのように2つのガイド軸52a、52bの中心を結んだ直線O’に平行な溝状とすることが望ましい。
なお、レンズユニット103以外の構成について、既に述べた第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を適宜省略する。
画像投射装置100は、図12に示すように、光源101と、投射するべき画像を表示して光源101からの光束に画像情報を付与する画像表示素子102と、画像表示素子102を透過した光束を投射面104において結像するためのレンズが複数備えられたレンズユニット105と、を有している。
すなわち第2の実施形態において、レンズユニット105は、複数のレンズ群を有する屈折光学系を用いたレンズ鏡筒であって、投射面104へ向けて光を投射する投射光学系としての機能を有している。
また、本実施形態のレンズユニット105が保持するレンズ群は、図13に示すように、非円形レンズL21等を含んでいる。
本実施形態においては、特にレンズL21をZ軸方向に移動して位置調整を行う場合について説明するが、かかる構成に限定されるものではなく、その他の位置に配置された非円形レンズを移動させるものであっても良い。
また、図13においては、説明のためレンズユニット105の非円形レンズL21の曲面側を下にして図示したが、実際の配置としては例えば図12に示したように画像投射装置100の投射方向が上方である場合には曲面側を上にして配置される。
レンズユニット105は、レンズL21以外にも複数のレンズを保持するための複数の鏡筒を有して良いが、詳細な構成については省略する。
保持部50は、内側にZ軸方向に平行に延びる軸部たるガイド軸52a、52bを有している。ガイド軸52aは、上面51aと曲面51bとの接する位置の近傍に形成され、ガイド軸52bは、ガイド軸52aとはレンズ光軸を挟んで反対側に形成される。
なお、ガイド軸52aとガイド軸52bとは、レンズ光軸について点対称に配置するとしても良い。
また、保持部50は、Z方向に沿って延びた空隙たる可動部溝54を有している。
かかる可動部溝54に挿入されるように後述するローラ80が配置され、可動部40と固定されている。湾曲部60のA方向への回転によって、カム溝62によってZ方向に沿ってローラ80が動くから、追従して可動部40もZ方向へと駆動される。
湾曲部60は、Z軸に対する周方向に沿って平行なガイド溝61と、ガイド溝61に対して傾斜して形成された溝部であるカム溝62と、を有している。
ガイド溝61には、ローラ70と、ウェーブワッシャー71と平ワッシャー72と固定ネジ73とが図5に示したように係合して配置されている。
カム溝62には、ローラ80と、ウェーブワッシャー81と平ワッシャー82と固定ネジ83とが図5に示したように係合して配置されている。
このように湾曲部60は、ガイド溝61とカム溝62とを有し、かかる複数の溝に係合して配置される固定部材によって保持部50の側面に周方向たるA方向に移動可能なように保持される。
湾曲部60の外周面には、ギア形状63が形成されており、モーター等の駆動部材によって駆動される。ギア形状63は、湾曲部60をA方向に沿って回動させる操作部としての機能を有する。
可動部40は、図6に示したのと同様に、外形の形状が保持部50の上面51aと曲面51bとに囲まれた領域に入る程度の大きさになっており、それぞれガイド軸52aとガイド軸52bとが挿入されるガイド孔42a、42bを有している。
可動部40は、かかる構成によって、保持部50の内側を、ガイド軸52aとガイド軸52bとに沿ってZ方向前後方向に移動可能に保持される。
同様に、ローラ80と、ウェーブワッシャー81と平ワッシャー82と固定ネジ83とは、可動部40に固定ネジ83が固定されるとともに、ローラ80とウェーブワッシャー81とで湾曲部60と係合することによって第2固定部材としての機能を有している。
なお、第2固定部材としてのローラ80と、ウェーブワッシャー81と平ワッシャー82と固定ネジ83との固定の態様は、図7と同様であって締結先である保持部50が可動部40へと変更するのみであるため、図示を省略する。
すなわち、湾曲部60をA方向に移動させることで、ガイド溝61に係合したローラ70と、カム溝62に係合したローラ80とのZ方向の距離が変動することとなる。
ローラ70は保持部50に固定され、ローラ80は可動部40に固定されているから、湾曲部60のA方向の移動によってカム溝62に沿ってローラ80はローラ70に対してZ方向に移動する。したがって可動部40は保持部50に対してZ方向に移動することとなる。なお、このときの可動部40の移動方向は、ガイド軸52aとガイド軸52bに沿ってZ方向のみに規制されることとなる。このように、ガイド軸52a、ガイド軸52bによって、可動部40の移動方向はZ方向のみとなるように規制されている。
また、本実施形態においては、1つの非円形レンズL21を動かす構成についてのみ述べたが、カム溝62を複数条形成するとすれば、複数のレンズを同時に動かすことが可能なのは言うまでもない。
また、かかるレンズ位置調整機構により、レンズユニット105内部に侵入する意図しない光、所謂ゴースト光の低減にも寄与する。
かかる構成により、ガイド溝61とカム溝62との間隔ZXを湾曲部60のA方向の回転によって自由に変更することができるから、保持部50と可動部40とのZ方向の位置を調整して、非円形レンズL21の位置調整を行うことができる。
かかる構成により、ウェーブワッシャー71、81によってガタつきを抑えて湾曲部60を回転させることができる。
このように、本発明にかかるレンズ鏡筒は、所謂反射型投射光学系に限定されるものではない。
30 反射光学系(反射部)
31 反射光学系(反射ミラー)
40 可動部
41 内壁面
50 保持部
60 湾曲部
61 ガイド溝
62 カム溝
63 ギア形状
64 把持部
70 第1固定部材(ローラ)
71 第1固定部材(ウェーブワッシャー)
80 第2固定部材(ローラ)
81 第2固定部材(ウェーブワッシャー)
100 画像投射装置
102 画像表示素子
103 レンズユニット
104 反射ミラー
105 レンズユニット
L18 非円形レンズ
L21 非円形レンズ
Z 光軸方向
Claims (8)
- 少なくとも1つの反射ミラーを有する反射光学系を備える投射光学系の一部を構成し、複数のレンズ群を有する屈折光学系を用いたレンズ鏡筒であって、
前記複数のレンズ群のうち少なくとも1つが非円形レンズを含み、
前記非円形レンズを保持する内壁面を有し、前記非円形レンズを含むレンズ群を前記非円形レンズの光軸方向に移動可能な可動部と、
前記可動部の外周側に配置されて前記可動部と前記光軸方向に沿って形成された軸部とを保持する保持部と、
前記保持部の外周側に配置され、曲率を有する側面に互いに対して傾斜した複数の溝を備えた湾曲部と、
を有し、
前記複数の溝のうち一方に前記保持部に固定される第1固定部材が係合し、他の一方に前記可動部に固定される第2固定部材が係合し、
前記第1固定部材と第2固定部材とはそれぞれローラと、前記ローラと湾曲部の間に挟持されるウェーブワッシャーとで構成されることを特徴とするレンズ鏡筒。 - 投射面に光を投射する投射光学系の一部を構成し、複数のレンズ群を有する屈折光学系を用いたレンズ鏡筒であって、
前記複数のレンズ群のうち少なくとも1つが非円形レンズを含み、
前記非円形レンズを保持する内壁面を有し、前記非円形レンズを含むレンズ群を前記非円形レンズの光軸方向に移動可能な可動部と、
前記可動部の外周側に配置されて前記可動部と前記光軸方向に沿って形成された軸部とを保持する保持部と、
前記保持部の外周側に配置され、曲率を有する側面に互いに対して傾斜した複数の溝を備えた湾曲部と、
を有し、
前記複数の溝のうち一方に前記保持部に固定される第1固定部材が係合し、他の一方に前記可動部に固定される第2固定部材が係合し、
前記第1固定部材と第2固定部材とはそれぞれローラと、前記ローラと湾曲部の間に挟持されるウェーブワッシャーとで構成されることを特徴とするレンズ鏡筒。 - 請求項1または2に記載のレンズ鏡筒であって、
前記複数の溝のうち少なくとも1つは前記光軸方向に対する周方向に沿って延びたガイド溝であって、他は前記ガイド溝に対して傾斜したカム溝であることを特徴とするレンズ鏡筒。 - 請求項1乃至3の何れか1つに記載のレンズ鏡筒であって、
前記軸部を2つ有し、
前記軸部と前記可動部とは、前記2つの軸部の中心を結んだ直線に平行な溝部で係合することを特徴とするレンズ鏡筒。 - 請求項1乃至4の何れか1つに記載のレンズ鏡筒であって、
前記湾曲部を回転させるための操作部を有することを特徴とするレンズ鏡筒。 - 請求項5に記載のレンズ鏡筒であって、
前記操作部は把持部を有することを特徴とするレンズ鏡筒。 - 請求項5または6に記載のレンズ鏡筒であって、
前記湾曲部の前記側面に形成されたギア形状を有し、
前記操作部は前記ギア形状と係合して前記湾曲部を回転させることを特徴とするレンズ鏡筒。 - 請求項1乃至7の何れか1つに記載のレンズ鏡筒と、
投影する画像を表示するための画像表示素子と、
光源と、を有する画像投射装置であって、
前記湾曲部を回転させることで前記複数のレンズ群の間隔を調整することを特徴とする画像投射装置。
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