JP7386735B2 - 建物本体の支持構造 - Google Patents

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本発明は、建物本体の支持構造に関する。
建物は、地盤上に設けられた基礎梁と、基礎梁から立設された柱、梁などを含む建物本体とで構成され、従来、地盤に打設された杭によって建物を支持する構造として、上端に上方に開放された空間部を有する杭と、基礎梁の下面に取着されその下部が空間部にはめ込まれる截頭円錐形の杭頭キャップとを備え、杭頭キャップの下部に抜け止め部材を垂下させたものが提案されている(特許文献1参照)。
上記構造では、地震発生時に建物および杭頭キャップが杭に対して傾動することで杭頭に作用するモーメントが低減される。
特許第4863982号公報
しかしながら、上記従来技術では、地震により水平方向の力が建物本体に作用して建物本体が浮き上がるロッキングと呼ばれる現象が生じた場合、建物本体の浮き上がり量が過大となり建物本体が損傷することが懸念され、また、建物本体の浮き上がり後の降下により、杭頭キャップが杭の上部に勢いよくぶつかることで発生した衝撃力が建物本体に加わり建物本体が損傷することが懸念される。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、地震時の建物の柱の過大な浮き上がりや損傷を抑制し、かつ、浮き上がった建物本体が降下する際の衝撃を緩和する上で有利な建物本体の支持構造を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するため本発明は、基礎梁から立設された柱を含む建物本体の前記基礎梁上での支持構造であって、前記柱の柱脚に下方に開放された柱脚部が形成され、前記基礎梁と前記柱脚部とにわたり、前記建物本体の浮き上がりに対して浮き上がりを許容しつつ抵抗を生じ、かつ、前記建物本体の浮き上がり後の降下時に降下に対して降下を許容しつつ抵抗を生じる抵抗機構が設けられていることを特徴とする。
また、本発明は、前記抵抗機構は、前記基礎梁の上面から上方に突設され前記柱脚部に挿入されるロッドと、前記ロッドの上部に取着され前記柱脚部の内周面に圧接する摩擦部材とを含んで構成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記摩擦部材が圧接する前記内周面の箇所は、加工または表面処理が施されることで他の内周面の箇所に比べ前記摩擦部材に対する摩擦係数が大きい圧接用内周面として形成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記摩擦部材が圧接する前記内周面の箇所は、前記柱脚を構成する部材とは別の部材で他の内周面の箇所に比べ前記摩擦部材に対して大きな摩擦係数を有する材料により圧接用内周面として形成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記摩擦部材が圧接する前記内周面の箇所は、下部に位置する前記内周面の箇所が、上部に位置する前記内周面の箇所よりも前記摩擦部材に対する摩擦係数が大きく形成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記柱脚部は円柱状を呈し、前記摩擦部材は弾性変形可能なゴム材料で円板状に形成され、前記ロッドは前記摩擦部材の中心部に貫通され、前記摩擦部材は押さえ部材を介して前記ロッドの軸方向に圧縮されることで前記内周面に圧接されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記基礎梁と前記柱脚との間に、前記基礎梁に対して前記柱脚の上方への変位を許容しつつ前記柱脚の水平方向の位置決めを行なう位置決め部が設けられ、前記抵抗機構は、前記位置決め部の内側に設けられていることを特徴とする。
また、本発明は、前記位置決め部は、前記基礎梁の上面に取着され、その上部が前記柱脚部にはめ込まれ前記基礎梁の上面から上方に離れるにつれて断面積が次第に小さくなる中空状の柱脚キャップを含んで構成され、前記抵抗機構は、前記柱脚キャップの内側を通って設けられていることを特徴とする。
また、本発明は、前記基礎梁と前記柱脚との間に、前記基礎梁に対して前記柱脚の上方への変位を許容しつつ前記柱脚の水平方向の位置決めを行なう位置決め部が設けられ、前記抵抗機構は、前記位置決め部と前記柱脚部とにわたって設けられていることを特徴とする。
また、本発明は、前記位置決め部は、前記基礎梁の上面に取着され、その上部が前記柱脚部にはめ込まれ前記基礎梁の上面から上方に離れるにつれて断面積が次第に小さくなる中実状の柱脚キャップを含んで構成され、前記抵抗機構は、前記柱脚キャップの上面と前記柱脚部とにわたって設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、基礎梁と柱脚部とにわたり、建物本体の浮き上がりに対して浮き上がりを許容しつつ抵抗を生じ、かつ、建物本体の浮き上がり後の降下時に降下に対して降下を許容しつつ抵抗を生じる抵抗機構が設けられているため、例えば地震などが発生し建物に水平方向の力が作用した場合、建物本体の過大な浮き上がりを抑制し、かつ、浮き上がった建物本体が降下する際の衝撃を緩和する上で有利となる。このため、建物本体の損傷を抑制し、建物本体に所在する人の不快感を軽減させる上で有利となる。
また、本発明によれば、抵抗機構は、基礎梁の上面から上方に突設され柱脚部に挿入されるロッドと、ロッドの上部に取着され柱脚部の内周面に圧接する摩擦部材とを含んで構成されている。
このため、建物本体の一側が大きく浮き上がる方向に変位しようとした場合、摩擦部材の外周面と柱脚部の内周面との摩擦抵抗により、建物本体の上方への変位に対しての抵抗を生じる。したがって、建物本体の浮き上がりを許容しつつ抵抗を生じ、建物本体の過大な浮き上がりを抑制する上で有利となる。
また、建物本体の浮き上がり後の降下時には、摩擦部材の外周面と柱脚部の内周面との摩擦抵抗により、建物本体の下方への変位に対しての抵抗を生じる。したがって、建物本体の浮き上がり後の降下時に降下に対して降下を許容しつつ抵抗を生じ、建物本体の衝撃を緩和する上で有利となる。
そのため、建物本体の損傷を抑制する上で有利となり、建物本体に所在する人の不快感を軽減させる上で有利となる。
また、本発明によれば、摩擦部材が圧接する柱脚部の内周面の箇所は、加工または表面処理が施されることで他の内周面の箇所に比べ摩擦部材に対する摩擦係数が大きい圧接用内周面として形成されているため、摩擦部材に作用する摩擦力を確保でき、建物本体の上方または下方への変位に対して発生する抵抗を大きく確保する上で有利となる。
また、本発明によれば、摩擦部材が圧接する柱脚部の内周面の箇所は、柱脚を構成する部材とは別の部材で他の内周面の箇所に比べ摩擦部材に対して大きな摩擦係数を有する材料により圧接用内周面として形成されているため、建物本体の上方または下方への変位に対してより大きな抵抗を生じさせる上で有利となる。
また、本発明によれば、摩擦部材が圧接する柱脚部の内周面の箇所は、下部に位置する内周面の箇所が、上部に位置する内周面の箇所よりも摩擦部材に対する摩擦係数が大きく形成されている。このため、建物本体の上方への僅かな変位に対しては、摩擦部材と上部に位置する内周面との摩擦抵抗により、建物本体の浮き上がりを許容しつつ第1の抵抗を生じ、建物本体の上方への大きな変位に対しては、摩擦部材と下部に位置する内周面との摩擦抵抗により、建物本体の浮き上がりを許容しつつ第1の抵抗よりも大きな第2の抵抗を生じ、建物本体の過大な浮き上がりを抑制する。そのため、建物本体の損傷を抑制する上で有利となり、建物本体に所在する人の不快感を軽減させる上で有利となり、また、摩擦部材の柱脚からの抜落を阻止する上で有利となる。
また、本発明によれば、摩擦部材は押さえ部材を介してロッドの軸方向に圧縮されることで柱脚部の内周面に圧接されているため、圧縮されない状態で柱脚部に挿入することで、摩擦部材の柱脚部への配置と、柱脚部からの取り外しを円滑に行う上で有利となる。
また、本発明によれば、基礎梁と柱脚との間に、基礎梁に対して柱脚の上方への変位を許容しつつ柱脚の水平方向の位置決めを行なう位置決め部を設け、抵抗機構を位置決め部の内側に設けると、地震時、建物本体に過大な水平力が加わることで一時的に建物本体の浮き上がりや水平方向へのずれが生じても、位置決め部により建物本体の水平方向の位置が元の位置に戻るため、地震の収束後に建物本体を水平に支持する上で有利となる。
また、位置決め部を、基礎梁の上面に取着され、その上部が柱脚部にはめ込まれ基礎梁の上面から上方に離れるにつれて断面積が次第に小さくなる中空状の柱脚キャップを含んで構成し、抵抗機構を、柱脚キャップの内側を通って設けると、柱脚が柱脚キャップに対してあらゆる方向に傾動可能となるため、仮に基礎梁が傾斜していても建物本体を水平に支持する上で有利となる。
また、本発明によれば、基礎梁と柱脚との間に、基礎梁に対して柱脚の上方への変位を許容しつつ柱脚の水平方向の位置決めを行なう位置決め部を設け、抵抗機構を位置決め部と柱脚部とにわたって設けると、地震時、建物本体に過大な水平力が加わることで一時的に建物本体の浮き上がりや水平方向へのずれが生じても、位置決め部により建物本体の水平方向の位置が元の位置に戻るため、地震の収束後に建物本体を水平に支持する上で有利となる。
また、位置決め部を、基礎梁の上面に取着され、その上部が柱脚部にはめ込まれ基礎梁の上面から上方に離れるにつれて断面積が次第に小さくなる中実状の柱脚キャップを含んで構成し、抵抗機構を、柱脚キャップの上面と柱脚部とにわたって設けると、柱脚が柱脚キャップに対してあらゆる方向に傾動可能となるため、仮に基礎梁が傾斜していても建物本体を水平に支持する上で有利となる。
第1の実施の形態の建物本体の支持構造の構成を示す説明図である。 第1の実施の形態の建物本体の支持構造において建物本体の浮き上がりが発生した場合を示す説明図である。 第2の実施の形態の建物本体の支持構造の構成を示す説明図である。 第2の実施の形態の建物本体の支持構造において建物本体の浮き上がりが発生した場合を示す説明図である。 第3の実施の形態の建物本体の支持構造の構成を示す説明図である。 第3の実施の形態の建物本体の支持構造において建物本体の浮き上がりが発生した場合を示す説明図である。
(第1の実施の形態)
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、本実施の形態の建物本体の支持構造10Aは、水平方向に延在する基礎梁12から立設された複数の柱14を含む建物本体16を基礎梁12上で支持するものであり、抵抗機構20Aを含んでいる。
すなわち、建物18は、建物本体16と基礎梁12とを含んで構成され、建物18は、体育館、倉庫、鉄塔などの構造物であり、建物本体16は、基礎梁12から立設された複数の柱14、それら柱14間に架け渡された複数の梁などを含んで構成されている。
基礎梁12として、鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨造(S造)のもの、あるいは、木製の基礎梁など従来公知の様々なものが使用可能である。
なお、図中符号22は基礎梁12上に設けられた床スラブを示し、符号2202は、後述する柱脚キャップ30を基礎梁12の上面1202に取着するための開口を示す。
柱14は、柱本体24と、柱本体24の下部を構成する柱脚2402と、柱脚部26とを含んで構成されている。
なお、柱14として、鋼管柱、RC柱(鉄筋コンクリート柱)、SRC柱(鉄骨鉄筋コンクリート柱)、SC柱(鉄骨コンクリート柱)、あるいは木造柱など従来公知の様々なものが使用可能であり、本実施の形態では、鋼管柱である。
柱本体24は、基礎梁12の上面1202から立設され、柱脚2402の下面は基礎梁12の上面1202に対向している。
柱脚部26は、柱脚2402の下方に開放状に形成されている。
本実施の形態では、柱本体24は鋼管柱であるため、円柱状の空間部が柱本体24の内部で柱本体24の全長にわたって形成されている。
なお、柱本体24がRC柱などの鋼管柱以外の柱を用いた場合には、柱脚部26を柱脚2402に予め形成しておく。
また、図中符号25は、柱脚部26の下部の外周面の全周に沿って設けられた補強用のリングであり、リング25は溶接によって柱脚部26に接合されている。
更に本実施の形態では、位置決め部28が設けられている。
位置決め部28は、基礎梁12と柱脚2402との間に設けられ、基礎梁12に対して柱脚2402の上方への変位を許容しつつ柱脚2402の水平方向の位置決めを行なうものである。
本実施の形態では、位置決め部28は柱脚キャップ30と柱脚2402を含んで構成されている。
柱脚キャップ30は、鋼製であり、キャップ本体3002と、蓋板部3004とを備えている。
キャップ本体3002は、基礎梁12の上面1202から上方に離れるにつれて断面積が次第に小さくなる中空状を呈し、本実施の形態では、截頭円錐形の中空の枠状を呈し、キャップ本体3002の上部は柱脚部26にはめ込まれ、言い換えると柱脚2402の下端にはめ込まれている。
蓋板部3004は、キャップ本体3002の下縁よりも大きな輪郭を有する正方形の鋼板で構成され、蓋板部3004の中心には、後述するロッド32のフランジ3202を収容する孔部3005が形成されている。
蓋板部3004は、キャップ本体3002の軸心と蓋板部3004の中心とを合致させた状態でキャップ本体3002の下縁と蓋板部3004の上面とが溶接で接合されている。
蓋板部3004は、基礎梁12の上面1202にボルトB1とナットN1を介して締結されている。
キャップ本体3002の上部が柱脚部26にはめ込まれた状態でキャップ本体3002の上部は柱脚2402(柱脚部26)の内周面2404の下縁2406に摩擦接触している。
なお、本明細書において、截頭円錐形は部分球形状、球面形状などの形状を広く含む。
本発明において柱脚キャップ30は省略可能であるが、柱脚キャップ30を用いることにより以下の効果が奏される。
1)柱脚2402の柱脚部26にキャップ本体3002をはめ込むことで、柱脚2402がキャップ本体3002に対してあらゆる方向に傾動可能となるため、柱脚部26の損傷が避けられる。
2)地震時、建物本体16に過大な水平力が加わることで一時的に建物本体16の浮き上がりや水平方向へのずれが生じても、キャップ本体3002が柱脚2402の柱脚部26にはめ込まれることで建物本体16の水平方向の位置が元の位置に戻るため、地震の収束後に建物本体16を水平に支持する上で有利となる。
なお、基礎梁12に対して柱脚2402の上方への変位を許容しつつ柱脚2402の水平方向の位置決めを行う位置決め部28は柱脚キャップ30に限定されず、従来公知の様々な構造が適用可能であるが、柱脚キャップ30を用いると上述の効果を奏する点で有利となる。
また、本実施の形態では、柱24が断面形状が円形の鋼管柱で構成されている場合について説明したが、柱は角柱であってもよく、その場合、柱脚キャップは、基礎梁12の上面1202から上方に離れるにつれて断面積が次第に小さくなる中空状、あるいは、中実状を呈していればよく、具体的には截頭角錐形となる。
抵抗機構20Aは、柱脚2402と基礎梁12とにわたって設けられている。
抵抗機構20Aは、建物本体16の浮き上がりに対して浮き上がりを許容しつつ抵抗を生じ、かつ、建物本体16の浮き上がり後の降下時に降下に対して降下を許容しつつ抵抗を生じるものである。
本実施の形態の抵抗機構20Aは、ロッド32と、摩擦部材34とを含んで構成されている。
ロッド32は、建物18の基礎梁12の上面1202から柱脚キャップ30の内側を通り柱脚キャップ30の上方に突設され、柱脚部26に挿入されている。
ロッド32は、その下端フランジ3202が基礎梁12の上面1202にボルトB2、ナットN2を介して締結されることで配設されている。
したがって、抵抗機構20Aは、柱脚キャップ30の内側を通って設けられ、言い換えると、抵抗機構20Aは、位置決め部28の内側に設けられている。
なお、柱脚キャップ30が中実の截頭円錐形を呈している場合には、柱脚キャップ30の上面は、基礎梁12の上面1202を構成するため、ロッド32は柱脚キャップ38の上面から突設されることになる。
その場合、抵抗機構20Aは、柱脚キャップ30の上面と柱脚2402(柱脚部26)とにわたって設けられ、言い換えると、抵抗機構20Aは、位置決め部28と柱脚2402(柱脚部26)とにわたって設けられることになる。
摩擦部材34は、ロッド32の外周面3204と柱脚2402(柱脚部26)の内周面2404との間で柱脚キャップ30よりも上方のロッド32の上部に取着され、内周面2404に圧接されている。
本実施の形態では、摩擦部材34は弾性変形可能なゴム材料で円板状に形成され、円形の上面3402と下面3404と、それら上面3402と下面3404を接続する外周面3406とを備えている。
ロッド32は摩擦部材34の中心部に貫通されている。
摩擦部材34は、ロッド32の雄ねじ3206に螺合する一対のナットN3と、一対のワッシャW(押さえ部材)を介してロッド32の軸方向に圧縮されており、この圧縮により、摩擦部材34が半径方向外方に向かって膨張することで摩擦部材34は、その外周面3406が柱脚2402(柱脚部26)の内周面2404に圧接された状態となっている。
したがって、摩擦部材34はロッド32と一体的に柱脚部26内を上下に変位可能となっている。
また、摩擦部材34は、その厚さ方向に圧縮されない状態では柱本体24の柱脚部26に挿入可能な外径で形成され、柱本体24の柱脚部26に挿入された後に圧縮されることで外周面3406が柱脚2402(柱脚部26)の内周面2404に圧接される。
これにより、摩擦部材34の柱脚部26への配置と、柱脚部26からの取り外しが円滑になされるように図られている。
摩擦部材34は、建物本体16が基礎梁12に対して浮き上がっていない建物本体16の静止状態で、柱脚部26において、柱脚キャップ30よりも上方に離れた初期位置に位置して柱本体24の内周面2404を圧接する(図1参照)。そして、建物本体16に水平力が作用して建物本体16の浮き上がると柱14も浮き上がり、その結果、摩擦部材34が柱脚部26における初期位置から降下する(図2参照)。
建物本体16の浮き上がり、降下時に摩擦部材34が柱脚部26内を上下に変位する上下範囲の箇所は、初期位置からその下方の所定の範囲の箇所であり、あるいは、初期位置から柱脚2402の下端までの範囲の箇所である。
この摩擦部材34が圧接する内周面2404の上下範囲の箇所は、加工または表面処理を施されることで他の内周面2404の箇所に比べ摩擦係数が大きい圧接用内周面2408として形成されている。
これにより、摩擦部材34に作用する摩擦力を確保でき、建物本体16の浮き上がり(上方への変位)、降下(下方への変位)に対して抵抗機構20Aにより発生する抵抗を大きく確保する上で有利となる。
この場合、加工として、例えば、グラインダーによる内周面2404の目荒し加工や、サンドブラスト処理を採用することができる。
また、表面処理として、内周面2404に黒錆を形成させる処理や、エッチングなどの化学的な粗面化処理を採用することができる。
次に作用効果について説明する。
図1に示すように、地震や台風などが発生していない建物本体16の静止状態では、柱脚キャップ30の上部は柱脚2402の柱脚部26にはめ込まれ、摩擦部材34は初期位置に位置し、その外周3406面は柱脚2402(柱脚部26)の内周面2404に圧接された状態となっている。
小規模、中規模な地震が発生し、あるいは、台風による横風を受け、建物本体16に水平力が作用し、そのモーメントにより建物本体16が傾動し、建物本体16の一側が浮き上がる方向に変位しようとする。
この場合、摩擦部材34の外周面3406と柱脚2402(柱脚部26)の内周面2404との摩擦抵抗により、建物本体16の上方への変位に対しての抵抗を生じ、したがって、建物本体16の浮き上がりを抑制し、建物本体16の損傷を抑制する上で有利となり、さらに建物本体16に所在する人の不快感を軽減させる上で有利となる。
また、大規模の地震が発生し、あるいは、大型の台風による横風を受け、建物本体16に大きな水平力が作用し、そのモーメントにより建物本体16が傾動し、建物本体16の一側が大きく浮き上がる方向に変位しようとする。
この場合、摩擦部材34の外周面3406と柱脚2402(柱脚部26)の内周面2404との摩擦抵抗により、建物本体16の上方への変位に対しての抵抗を生じる。
したがって、建物本体16の浮き上がりを許容しつつ抵抗を生じ、建物本体16の過大な浮き上がりを抑制する上で有利となる。そのため、建物本体16の損傷を抑制する上で有利となり、建物本体16に所在する人の不快感を軽減させる上で有利となる。
また、建物本体16の浮き上がり後の降下時には、摩擦部材34の外周面3406と柱脚2402(柱脚部26)の内周面2404との摩擦抵抗により、建物本体16の下方への変位に対しての抵抗を生じる。
したがって、建物本体16の浮き上がり後の降下時に降下に対して降下を許容しつつ抵抗を生じ、建物本体16の衝撃を緩和する上で有利となる。そのため、建物本体16の損傷を抑制する上で有利となり、建物本体16に所在する人の不快感を軽減させる上で有利となる。
(第2の実施の形態)
次に図3、4を参照して、第2の実施の形態の建物本体の支持構造10Bについて説明する。
なお、以下の実施の形態では、第1の実施の形態と同様な箇所、部材に同一の符号を付して説明を省略する。
第2の実施の形態は、第1の実施の形態の変形例である。
本実施の形態の抵抗機構20Bでは、建物本体16の浮き上がり、降下時に摩擦部材34が柱脚部26内を上下に変位する上下範囲の箇所、すなわち摩擦部材34が圧接する内周面2404の上下範囲の箇所は、柱脚2402を構成する部材とは別の部材で他の内周面2404の箇所に比べ摩擦部材34に対して大きな摩擦係数を有する材料を用いて圧接用内周面2410として形成されている。
このように柱脚2402(柱脚部26)の内周面2404を、柱脚2402を構成する部材とは別の部材で形成すると、建物本体16の上方または下方への変位に対してより大きな抵抗を生じさせる上で有利となる。したがって、建物本体16の浮き上がりに対して建物本体16の過大な浮き上がりを抑制する上でより有利となり、また、建物本体16の浮き上がり後の降下に対して建物本体16の衝撃を緩和する上で有利となる。そのため、建物本体16の損傷を抑制する上でより有利となり、建物本体16に所在する人の不快感を軽減させる上でより有利となる。
このような大きな摩擦係数を有する材料として、合成樹脂材料やゴム材料など従来公知の様々な材料が採用可能である。
(第3の実施の形態)
次に図5、6を参照して、第3の実施の形態の建物本体の支持構造10Cについて説明する。
第3の実施の形態は、第1、第2の実施の形態の変形例である。
本実施の形態の抵抗機構20Cでは、建物本体16の浮き上がり、降下時に摩擦部材34が柱脚部26内を上下に変位する内周面2402の上下範囲の箇所、すなわち摩擦部材34が圧接する内周面2404の上下範囲の箇所を、上部に位置する内周面2404の箇所(上部圧接用内周面2414)と下部に位置する内周面2404の箇所(下部圧接用内周面2412)とで摩擦係数を異ならせて形成されている。
詳細には、内周面2404の上下範囲の箇所を、上部圧接用内周面2414と、上部圧接用内周面1412よりも摩擦部材34に対する摩擦係数が大きい下部圧接用内周面2412とで構成したものである。
このように下部圧接用内周面2412と上部圧接用内周面2414とで摩擦係数を異ならせる方法として、例えば、第1の実施の形態のように下部圧接用内周面2412と上部圧接用内周面2414とに対して加工または表面処理を施してもよく、あるいは、第2の実施の形態のように下部圧接用内周面2412と上部圧接用内周面と2414を、柱脚2402を構成する部材とは別の部材で形成してもよい。
例えば、下部圧接用内周面2412の摩擦部材に対する摩擦係数μは1.0程度、上部圧接用内周面2414の摩擦部材に対する摩擦係数μは0.1から0.2程度に設定されている。
第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果に加え、以下の効果を奏する。
大規模の地震が発生し、あるいは、大型の台風による横風を受け、建物本体16に大きな水平力が作用し、そのモーメントにより建物本体16が傾動し、建物本体16の一側が浮き上がる方向に変位しようとする。
この場合、建物本体16の上方への僅かな変位に対しては、摩擦部材34と上部圧接用内周面2414との摩擦抵抗により、建物本体16の浮き上がりを許容しつつ第1の抵抗を生じ、建物本体16の損傷を抑制する上で有利となり、建物本体16に所在する人の不快感を軽減させる上で有利となる。
また、建物本体16の上方への大きな変位に対しては、摩擦部材34と下部圧接用内周面2412との摩擦抵抗により、建物本体16の浮き上がりを許容しつつ第1の抵抗よりも大きな第2の抵抗を生じ、建物本体16の浮き上がりに対して建物本体16の過大な浮き上がりを抑制する上でより有利となり、したがって、建物本体16の損傷を抑制する上で有利となり、建物本体16に所在する人の不快感を軽減させる上で有利となり、また、摩擦部材34の柱脚2402からの抜落を阻止する上で有利となる。
また、上記の実施の形態にかかる建物本体の支持構造は、柱脚キャップの強度を柱の強度よりも弱く設計してもよい。そうすると、建物本体が浮き上がり後に降下することで柱が柱脚キャップに落下して衝撃を受けた場合に、柱脚キャップを主に損傷させることができるため、構造物の修繕時に柱脚キャップのみを交換すれば足りる。
また、第1~第3の実施の形態にかかる建物本体の支持構造では、1つの柱に対して1つのロッドを設けた構成としていたが、柱脚部の大きさが許せば2つ以上のロッドを設けた構成としてもよい。これにより、さらに大きな抵抗を生じさせることができるが、1つのロッドを設けた構成の場合はコストを抑えて支持構造を提供することができる。
また、同じ震度や横風であっても建物の構造やアスペクト比によってそれぞれの建物本体の変位は異なるため、個々の建物に合わせて建物本体の変位に対する抵抗を生じさせるよう設計することで、上述した効果を発揮させる上で有利となる。
10A、10B、10C 建物本体の支持構造
12 基礎梁
1202 上面
14 柱
16 建物本体
18 建物
20A、20B、20C 抵抗機構
22 床スラブ
2202 開口
24 柱本体
2402 柱脚
2404 内周面
2406 下縁
2408、2410 圧接用内周面
2412 下部圧接用内周面
2414 上部圧接用内周面
26 柱脚部
28 位置決め部
30 柱脚キャップ
3002 キャップ本体
3004 フランジ部
32 ロッド
3202 上端フランジ
3204 外周面
34 摩擦部材
3406 外周面

Claims (7)

  1. 基礎梁から立設された柱を含む建物本体の前記基礎梁上での支持構造であって、
    前記柱の柱脚に下方に開放された円柱状の空間部を有する柱脚部が形成され、
    前記基礎梁と前記柱脚部とにわたり、前記建物本体の浮き上がりに対して浮き上がりを許容しつつ抵抗を生じ、かつ、前記建物本体の浮き上がり後の降下時に降下に対して降下を許容しつつ抵抗を生じる抵抗機構が設けられ
    前記抵抗機構は、
    前記基礎梁の上面から上方に突設され前記柱脚部に挿入されるロッドと、
    前記ロッドの上部に取着され前記柱脚部の内周面に圧接する円板状の摩擦部材と、を含んで構成され、
    前記柱脚は、前記基礎梁から離れた上方に位置し、
    前記基礎梁と前記柱脚との間に、前記基礎梁に対して前記柱脚の上方への変位を許容しつつ前記柱脚の水平方向の位置決めを行なう位置決め部が設けられ、
    前記位置決め部は、前記基礎梁の上面に取着され、その上部が前記柱脚部にはめ込まれ前記基礎梁の上面から上方に離れるにつれて断面積が次第に小さくなる截頭円錐形の柱脚キャップを含んで構成されている、
    ことを特徴とする建物本体の支持構造。
  2. 前記摩擦部材が圧接する前記内周面の箇所は、加工または表面処理が施されることで他の内周面の箇所に比べ前記摩擦部材に対する摩擦係数が大きい圧接用内周面として形成されている、
    ことを特徴とする請求項記載の建物本体の支持構造。
  3. 前記摩擦部材が圧接する前記内周面の箇所は、前記柱脚を構成する部材とは別の部材で他の内周面の箇所に比べ前記摩擦部材に対して大きな摩擦係数を有する材料により圧接用内周面として形成されている、
    ことを特徴とする請求項記載の建物本体の支持構造。
  4. 前記摩擦部材が圧接する前記内周面の箇所は、下部に位置する前記内周面の箇所が、上部に位置する前記内周面の箇所よりも前記摩擦部材に対する摩擦係数が大きく形成されている、
    ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項記載の建物本体の支持構造。
  5. 記摩擦部材は弾性変形可能なゴム材料で形成され、
    前記ロッドは前記摩擦部材の中心部に貫通され、前記摩擦部材は押さえ部材を介して前記ロッドの軸方向に圧縮されることで前記内周面に圧接されている、
    ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項記載の建物本体の支持構造。
  6. 前記柱脚キャップは、中実状であって、
    前記抵抗機構は、前記柱脚キャップの内側を通って設けられている、
    ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項記載の建物本体の支持構造。
  7. 前記柱脚キャップは、中実状であって、
    前記抵抗機構は、前記柱脚キャップの上面と前記柱脚部とにわたって設けられている、
    ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項記載の建物本体の支持構造。
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JP2006233445A (ja) 2005-02-22 2006-09-07 Hitachi Metals Techno Ltd 制震柱脚構造及びこれを用いた制震構造物

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