JP7420605B2 - 上部構造物の支持構造 - Google Patents

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本発明は、上部構造物の支持構造に関する。
地盤に打設された杭によって建物(上部構造物)を支持する構造として、上端に上方に開放された空間部を有する杭と、建物の下面に取着されその下部が空間部にはめ込まれる截頭円錐形の杭頭キャップとを備え、杭頭キャップの下部に抜け止め部材を垂下させたものが提案されている(特許文献1参照)。
上記構造では、地震発生時に建物および杭頭キャップが杭に対して傾動することで杭頭に作用するモーメントが低減される。
特許第4863982号公報
しかしながら、上記従来技術では、地震や台風あるいは津波などの災害により水平方向の力が建物に作用して建物が浮き上がるロッキングと呼ばれる現象が生じた場合、建物の浮き上がり量が過大となり建物が損傷することが懸念され、また、建物の浮き上がり後の降下により、杭頭キャップが杭の上部に勢いよくぶつかることで発生した衝撃力が建物に加わり建物が損傷することが懸念される。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、上部構造物の過大な浮き上がりを抑制し、かつ、浮き上がった上部構造物が降下する際の衝撃を緩和する上で有利な上部構造物の支持構造を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するため本発明は、杭頭に上方に開放された空間部を有する杭を介して上部構造物を支持する上部構造物の支持構造であって、前記上部構造物と前記空間部とにわたり、前記上部構造物の浮き上がりに対して浮き上がりを許容しつつ抵抗を生じ、かつ、前記上部構造物の浮き上がり後の降下時に降下に対して降下を許容しつつ抵抗を生じる抵抗機構が設けられ、前記空間部の下部に底部が設けられ、前記抵抗機構は、前記上部構造物の下面と、前記底部とにわたって設けられたダンパーを含んで構成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記ダンパーは、前記上部構造物の下面に対して、及び、前記底部に対して揺動可能に結合されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記上部構造物と前記杭頭との間に、前記杭頭に対して前記上部構造物の上方への変位を許容しつつ前記上部構造物の水平方向の位置決めを行なう位置決め部が設けられ、前記抵抗機構は、前記位置決め部の内側に設けられていることを特徴とする。
また、本発明は、前記位置決め部は、前記上部構造物の下面に取着され、その下部が前記空間部にはめ込まれ前記上部構造物の下面から下方に離れるにつれて断面積が次第に小さくなる中空状の杭頭キャップを含んで構成され、前記抵抗機構は、前記杭頭キャップの内側を通って設けられていることを特徴とする。
また、本発明は、前記上部構造物と前記杭頭との間に、前記杭頭に対して前記上部構造物の上方への変位を許容しつつ前記上部構造物の水平方向の位置決めを行なう位置決め部が設けられ、前記抵抗機構は、前記位置決め部と前記空間部とにわたって設けられていることを特徴とする。
また、本発明は、前記位置決め部は、前記上部構造物の下面に取着されその下部が前記空間部にはめ込まれ前記上部構造物の下面から下方に離れるにつれて断面積が次第に小さくなる中実状の杭頭キャップを含んで構成され、前記抵抗機構は、前記杭頭キャップの下面と前記空間部とにわたって設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、上部構造物と杭の空間部とにわたり、上部構造物の浮き上がりに対して浮き上がりを許容しつつ抵抗を生じ、かつ、上部構造物の浮き上がり後の降下時に降下に対して降下を許容しつつ抵抗を生じる抵抗機構が設けられているため、例えば地震などが発生し建物に水平方向の力が作用した場合、上部構造物の過大な浮き上がりを抑制し、かつ、浮き上がった上部構造物が降下する際の衝撃を緩和する上で有利となる。このため、上部構造物の損傷を抑制し、上部構造物に所在する人の不快感を軽減させる上で有利となる。
また、本発明によれば、抵抗機構は、上部構造物の下面と、空間部の下部に設けられた底部とにわたって設けられたダンパーを含んで構成されているため、上部構造物の一側が大きく浮き上がる方向に変位しようとする場合、また、上部構造物の浮き上がり後に降下する場合、ダンパーによる抵抗により、上部構造物の上方への変位、または下方への変位に対しての抵抗を生じる。
また、本発明によれば、ダンパーは、上部構造物の下面に対して、及び、底部に対して揺動可能に結合されているので、上部構造物の浮き上がり時、および、浮き上がり後の降下時に、上部構造物が底部に対して水平方向に変位してもダンパーが揺動することでダンパーに無理な力が加わることを抑制し、ダンパーの耐久性の向上を図る上で有利となる。
したがって、上部構造物の浮き上がりを許容しつつ抵抗を生じ、上部構造物の過大な浮き上がりを抑制する上で有利となるとともに、上部構造物の浮き上がり後の降下時に降下に対して降下を許容しつつ抵抗を生じ、上部構造物の衝撃を緩和する上で有利となる。そのため、上部構造物の損傷を抑制する上で有利となり、上部構造物に所在する人の不快感を軽減させる上で有利となる。
また、本発明によれば、上部構造物と杭頭との間に、杭頭に対して上部構造物の上方への変位を許容しつつ上部構造物の水平方向の位置決めを行なう位置決め部を設け、抵抗機構を位置決め部の内側に設けると、地震時、上部構造物に過大な水平力が加わることで一時的に上部構造物の浮き上がりや水平方向へのずれが生じても、位置決め部により上部構造物の水平方向の位置が元の位置に戻るため、地震の収束後に上部構造物を水平に支持する上で有利となる。
また、位置決め部を、上部構造物の下面に取着され、その下部が空間部にはめ込まれ上部構造物の下面から下方に離れるにつれて断面積が次第に小さくなる中空状の杭頭キャップを含んで構成し、抵抗機構を、杭頭キャップの内側を通って設けると、杭頭キャップが杭頭の空間部に対しあらゆる方向に傾動可能となるため、仮に杭が傾斜していても上部構造物を水平に支持する上で有利となる。
また、本発明によれば、上部構造物と杭頭との間に、杭頭に対して上部構造物の上方への変位を許容しつつ上部構造物の水平方向の位置決めを行なう位置決め部を設け、抵抗機構を位置決め部と空間部とにわたって設けると、地震時、上部構造物に過大な水平力が加わることで一時的に上部構造物の浮き上がりや水平方向へのずれが生じても、位置決め部により上部構造物の水平方向の位置が元の位置に戻るため、地震の収束後に上部構造物を水平に支持する上で有利となる。
また、位置決め部を、上部構造物の下面に取着されその下部が空間部にはめ込まれ上部構造物の下面から下方に離れるにつれて断面積が次第に小さくなる中実状の杭頭キャップを含んで構成し、抵抗機構を、杭頭キャップの下面と空間部とにわたって設けると、杭頭キャップが杭頭の空間部に対しあらゆる方向に傾動可能となるため、仮に杭が傾斜していても上部構造物を水平に支持する上で有利となる。
実施の形態の上部構造物の支持構造の構成を示す説明図である。 実施の形態の上部構造物の支持構造において上部構造物の浮き上がりが発生した場合を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、本実施の形態の上部構造物の支持構造10Fは、上部構造物12を支持するものであり、杭18と、抵抗機構20Fとを備えている。
上部構造物12は、体育館、倉庫、鉄塔などの構造物であり、水平方向に延在する基礎梁14と、基礎梁14から立設された複数の柱16とを含んで構成されている。
基礎梁14として、鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨造(S造)のもの、あるいは、木製の基礎梁など従来公知の様々なものが使用可能である。
杭18は、杭本体22と、空間部24とを含んで構成されている。なお、杭18として、RC杭などのコンクリート杭、鋼管杭、あるいは、木製杭など従来公知の様々な杭が使用可能であり、本実施の形態では、鋼管杭である。
杭本体22は地盤Gに打設され、杭頭2202の上面は地盤G上に露出されている。
空間部24は、杭頭2202に上方に開放状に形成されている。
本実施の形態では、杭本体22は鋼管杭であるため、空間部24は杭本体22の内部で杭本体22の全長にわたって形成され、空間部24は杭本体22の内周面で円柱状に形成されている。なお、杭本体22がコンクリート杭などのように空間部を有していない杭の場合には、空間部24を杭頭2202に予め形成しておく。
また、図中符号25は、杭本体22の上部の外周面の全周に沿って設けられた補強用のリングであり、リング25は溶接によって杭本体22に接合されている。
更に本実施の形態では、位置決め部26が設けられている。
位置決め部26は、上部構造物12と杭頭2202との間に設けられ、杭頭2202に対して上部構造物12の上方への変位を許容しつつ上部構造物12の水平方向の位置決めを行なうものである。
本実施の形態では、位置決め部26は杭頭キャップ28と杭頭2202とを含んで構成されている。
杭頭キャップ28は、鋼製であり、キャップ本体2802と、蓋板部2804とを備えている。
キャップ本体2802は、上部構造物基礎梁14の下面1402から下方に離れるにつれて断面積が次第に小さくなる中空状を呈し、本実施の形態では、截頭円錐形の中空の枠状を呈し、キャップ本体2802の下部は空間部24にはめ込まれ、言い換えると杭頭2202の上端にはめ込まれている。
蓋板部2804は、キャップ本体2802の上縁よりも大きな輪郭を有する正方形の鋼板で構成され、蓋板部2804の中心には、後述する上端フランジ3002を収容する孔部2805が形成されている。
蓋板部2804は、キャップ本体2802の軸心と蓋板部2804の中心とを合致させた状態でキャップ本体2802の上縁と蓋板部2804の下面とが溶接で接合されている。
蓋板部2804は、基礎梁14の下面1402にボルトB1とナットN1を介して締結されている。
キャップ本体2802の下部が空間部24にはめ込まれた状態でキャップ本体2802の下部は杭18の内周面1802の上縁1804に摩擦接触している。
なお、本明細書において、杭頭キャップ28を形成する截頭円錐形には、部分球形状、球面形状などの形状を広く含む。
本発明において杭頭キャップ28は省略可能であるが、杭頭キャップ28を用いることにより以下の効果が奏される。
1)杭頭2202の空間部24にキャップ本体2802をはめ込むことで、キャップ本体2802が杭頭2202の空間部24に対しあらゆる方向に傾動可能となるため、杭頭2202の損傷が避けられる。
2)地震時、上部構造物12に過大な水平力が加わることで一時的に上部構造物12の浮き上がりや水平方向へのずれが生じても、キャップ本体2802が杭頭2202の空間部24にはめ込まれることで上部構造物12の水平方向の位置が元の位置に戻るため、地震の収束後に基礎梁14を水平に支持する上で有利となる。
なお、杭頭2202に対して上部構造物12の上方への変位を許容しつつ上部構造物12の水平方向の位置決めを行なう位置決め部26は杭頭キャップ28に限定されず、従来公知の様々な構造が適用可能であるが、杭頭キャップ28を用いると上述の効果を奏する点で有利となる。
また、本実施の形態では、杭18が断面形状が円形の鋼管杭で構成されている場合について説明したが、杭は断面矩形であってもよく、その場合、杭頭キャップは、基礎梁14の下面1202から下方に離れるにつれて断面積が次第に小さくなる中空状、あるいは、中実状を呈していればよく、具体的には截頭角錐形となる。
抵抗機構20Fは、上部構造物12と杭18の空間部24とにわたって設けられている。
抵抗機構20Fは、上部構造物12の浮き上がりに対して浮き上がりを許容しつつ抵抗を生じ、かつ、上部構造物12の浮き上がり後の降下時に降下に対して降下を許容しつつ抵抗を生じるものである。
本実施の形態では空間部24の下部に底部64が設けられており、抵抗機構20Fは、上部構造物12の下面1402と、底部64とにわたって設けられたダンパー50を含んで構成されている。
したがって、抵抗機構20Fは、杭頭キャップ28の内側を通って設けられ、言い換えると、抵抗機構20Fは、位置決め部26の内側に設けられている。
ダンパー50は、シリンダ52と、シリンダ52の内部に挿通されたピストンロッド54と、ピストンヘッド56とを含んで構成され、それら部材は金属製である。
シリンダ52は、円筒状の周壁5202と、周壁5202の軸心方向の両端部にそれぞれ設けられた円板状の第1端壁5204および第2端壁5206とを備えている。
ピストンロッド54は、第1端壁5204の中心部にシール部材(不図示)を介して液密に挿通され、第1端壁5204を貫通して配置されている。
ピストンヘッド56はシリンダ52の内部でピストンロッド54の一方の端部に取り付けられ、ピストンヘッド56の外周面5602は、シール部材(不図示)を介してシリンダ52の周壁5202の内周面に液密に接しており、ピストンロッド54の軸方向の移動によりピストンヘッド56はシリンダ52の周壁5202の内周面に対して摺動する。
ピストンヘッド56によってシリンダ52の内部は、第1シリンダ室52Aと第2シリンダ室52Bとに区画されており、ピストンヘッド56には、第1シリンダ室52Aと第2シリンダ室52Bを連通する流路56Aが貫通形成されている。
本実施の形態では、ピストンヘッド56の周囲でその周方向に180度の間隔をおいて2つの流路56Aが形成されているが、流路の個数は1つでも3つ以上でもよい。
第1シリンダ室52Aおよび第2シリンダ室52Bには、粘性を有する流体である作動流体、例えばシリコンオイルが封入されている。
シリンダ52には、例えば、第1シリンダ室52Aおよび第2シリンダ室52Bそれぞれに作動流体を封入するための注入口(不図示)が、周壁5202または第2端壁5206に連通して形成されている。
そして、注入口から第1シリンダ室52Aおよび第2シリンダ室52Bに作動流体が注入された後には、注入口は閉塞プラグ(不図示)により閉塞される。
ピストンロッド54の他方の端部は、取り付け部材を介して第1接続フランジ58に接続されている。
具体的には、例えば、ピストンロッド54の他方の端部と第1接続フランジ58に形成された取り付け孔に挿通したピン5802(取り付け部材)によりピストンロッド54と第1接続フランジ58とを接続することで、ピストンロッド54と第1接続フランジ58とを揺動可能に結合している。
第1接続フランジ58は、その上部に設けられた上端フランジ3002が基礎梁14の下面1402にボルトB2、ナットN2を介して締結されている。
第2端壁5206には、第2端壁5206から突設する基板部60が設けられ、基板部60は取り付け部材を介して、底部64の上面6402に固定して設けられた第2接続フランジ62に接続されている。
具体的には、例えば、基板部60と第2接続フランジ62に形成された取り付け孔に挿通したピン6202(取り付け部材)により基板部60と第2接続フランジ62とを接続することで、基板部60と第2接続フランジ62とを揺動可能に結合している。
従って、ダンパー50は、ピストンロッド54と第1接続フランジ58により上部構造物12の下面1402に対して揺動可能に結合され、基板部60と第2接続フランジ62により底部64に対して揺動可能に結合されている。
なお、杭頭キャップ28が中実状の截頭円錐形を呈している場合には、ダンパー50は杭頭キャップ28の下面に接続され、杭頭キャップ28の下面と底部64とにわたって設けられ、言い換えると、抵抗機構20Fは、位置決め部26と空間部24とにわたって設けられることになる。
ダンパー50は、上部構造物12が杭頭2202に対して浮き上がっていない上部構造物12の静止状態で、ピストンヘッド56がシリンダ62の下部の初期位置に位置し(図1参照)、上部構造物12の浮き上がりによりピストンヘッド56は初期位置から上昇する(図2参照)。
このようにピストンヘッド56が上昇し、作動流体が第1シリンダ室52Aから流路56Aを通過して第2シリンダ室52Bに移動する際に抵抗が生じる。また、ピストンヘッド56が下降する場合も同様に抵抗が生じる。
次に作用効果について説明する。
図1に示すように、地震や台風などが発生していない上部構造物12の静止状態では、杭頭キャップ28の下部は杭頭2202の空間部24にはめ込まれ、ピストンヘッド56は初期位置に位置した状態となっている。
小規模、中規模な地震が発生し、あるいは、台風による横風を受け、上部構造物12に水平力が作用し、そのモーメントにより上部構造物12が傾動し、上部構造物12の一側が浮き上がる方向に変位しようとする。
この場合、上部構造物12に接続されたピストンヘッド56が上昇し作動流体が移動する際の抵抗により、上部構造物12の上方への変位に対しての抵抗を生じる。したがって、上部構造物12の浮き上がりを抑制し、上部構造物12の損傷を抑制する上で有利となり、さらに上部構造物12に所在する人の不快感を軽減させる上で有利となる。
また、大規模の地震が発生し、あるいは、大型の台風による横風を受け、上部構造物12に大きな水平力が作用し、そのモーメントにより上部構造物12が傾動し、上部構造物12の一側が浮き上がる方向により速い速度で変位しようとする。
この場合、ピストンヘッド56が上昇し作動流体がより速く移動しようとする際の抵抗により、上部構造物12の上方への変位に対してより大きな抵抗を生じる。
したがって、上部構造物12の浮き上がりを許容しつつより大きな抵抗を生じ、上部構造物12の過大な浮き上がりを抑制する上で有利となる。そのため、上部構造物12の損傷を抑制する上で有利となり、上部構造物12に所在する人の不快感を軽減させる上で有利となる。
また、上部構造物12の浮き上がり後の降下時には、ピストンヘッド56が下降し作動流体が移動する際の抵抗により、上部構造物12の下方への変位に対しての抵抗を生じる。
したがって、上部構造物12の浮き上がり後の降下時に降下に対して降下を許容しつつ抵抗を生じ、上部構造物12の衝撃を緩和する上で有利となる。そのため、上部構造物12の損傷を抑制する上で有利となり、上部構造物12に所在する人の不快感を軽減させる上で有利となる。
なお、ダンパー50は、ピストンヘッド56がシリンダ62内を移動する際に抵抗を生じるものであればよく、実施の形態の構造に限定されず、従来公知の様々な構造のダンパーが使用可能である。
また、上記の実施の形態にかかる上部構造物の支持構造は、杭頭キャップの強度を杭の強度よりも弱く設計してもよい。そうすると、上部構造物が浮き上がり後に降下することで杭頭キャップが杭に落下して衝撃を受けた場合に、杭頭キャップを主に損傷させることができるため、構造物の修繕時に杭頭キャップのみを交換すれば足りる。
また、実施の形態にかかる上部構造物の支持構造では、1つの杭に対して1つのロッドを設けた構成としていたが、空間部の大きさが許せば2つ以上のロッドを設けた構成としてもよい。これにより、さらに大きな抵抗を生じさせることができるが、1つのロッドを設けた構成の場合はコストを抑えて支持構造を提供することができる。
また、同じ震度や横風であっても建物の構造やアスペクト比によってそれぞれの上部構造物の変位は異なるため、個々の上部構造物に合わせて上部構造物の変位に対する抵抗を生じさせるよう設計することで、上述した効果を発揮させる上で有利となる。
10F 上部構造物の支持構造
12 上部構造物
14 基礎梁
1402 下面
16 柱
18 杭
1802 内周面
1804 上縁
20F 抵抗機構
22 杭本体
2202 杭頭
24 空間部
26 位置決め部
28 杭頭キャップ
2802 キャップ本体
2804 フランジ部
3002 上端フランジ
50 ダンパー
52 シリンダ
5202 周壁
5204 第1端壁
5206 第2端壁
52A 第1シリンダ室
52B 第2シリンダ室
54 ピストンロッド
56 ピストンヘッド
56A 流路
58 第1接続フランジ
60 基板部
62 第2接続フランジ
64 底部

Claims (4)

  1. 杭頭に上方に開放された空間部を有する杭を介して上部構造物を支持する上部構造物の支持構造であって、
    前記上部構造物と前記空間部の下部で前記杭の内周部に前記杭と一体的に設けられた底部とにわたり、前記上部構造物の浮き上がり時および浮き上がり後の降下時に抵抗を生じるダンパーが設けられ、
    前記ダンパーは、前記上部構造物に対して、及び、前記底部に対して揺動可能に結合され、
    前記上部構造物と前記杭頭との間に、前記杭頭に対して前記上部構造物の上方への変位および水平方向への変位を許容しつつ前記上部構造物の水平方向の位置決めを行なう位置決め部が設けられている、
    ことを特徴とする上部構造物の支持構造。
  2. 前記ダンパーは、前記位置決め部の内側に設けられている、
    ことを特徴とする請求項1記載の上部構造物の支持構造。
  3. 前記位置決め部は、前記上部構造物の下面に取着され、その下部が前記空間部にはめ込まれ前記上部構造物の下面から下方に離れるにつれて断面積が次第に小さくなる中空状の杭頭キャップを含んで構成され、
    前記ダンパーは、前記杭頭キャップの内側を通って設けられている、
    ことを特徴とする請求項2記載の上部構造物の支持構造。
  4. 前記位置決め部は、前記上部構造物の下面に取着されその下部が前記空間部にはめ込まれ前記上部構造物の下面から下方に離れるにつれて断面積が次第に小さくなる中実状の杭頭キャップを含んで構成され、
    前記ダンパーは、前記杭頭キャップの下面と前記底部とにわたって設けられている、
    ことを特徴とする請求項1記載の上部構造物の支持構造。
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