JP7382867B2 - 建物本体の支持構造 - Google Patents

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本発明は、建物本体の支持構造に関する。
建物は、地盤上に設けられた基礎梁と、基礎梁から立設された柱、梁などを含む建物本体とで構成され、従来、地盤に打設された杭によって建物を支持する構造として、上端に上方に開放された空間部を有する杭と、基礎梁の下面に取着されその下部が空間部にはめ込まれる截頭円錐形の杭頭キャップとを備え、杭頭キャップの下部に抜け止め部材を垂下させたものが提案されている(特許文献1参照)。
上記構造では、地震発生時に建物および杭頭キャップが杭に対して傾動することで杭頭に作用するモーメントが低減される。
特許第4863982号公報
しかしながら、上記従来技術では、地震により水平方向の力が建物本体に作用して建物本体が浮き上がるロッキングと呼ばれる現象が生じた場合、建物本体の浮き上がり量が過大となり建物本体が損傷することが懸念され、また、建物本体の浮き上がり後の降下により、杭頭キャップが杭の上部に勢いよくぶつかることで発生した衝撃力が建物本体に加わり建物本体が損傷することが懸念される。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、地震時の建物の柱の過大な浮き上がりや損傷を抑制し、かつ、浮き上がった建物本体が降下する際の衝撃を緩和する上で有利な建物本体の支持構造を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するため本発明は、基礎梁から立設された柱を含む建物本体の前記基礎梁上での支持構造であって、前記柱の柱脚に下方に開放された柱脚部が形成され、前記基礎梁と前記柱脚部とにわたり、前記建物本体の浮き上がりに対して浮き上がりを許容しつつ抵抗を生じ、かつ、前記建物本体の浮き上がり後の降下時に降下に対して降下を許容しつつ抵抗を生じる抵抗機構が設けられ、前記抵抗機構は、前記基礎梁の上面から上方に突設される下部小径部と、前記下部小径部の上部に設けられ前記下部小径部よりも断面積の大きい大径部とを有し前記柱脚部に挿入されるロッドと、前記下部小径部が貫通されて前記大径部よりも下方の前記柱脚部の箇所に位置し前記柱脚部の内周面にその外周部が取着された弾性部材とを含んで構成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記大径部は前記ロッドの長さ方向に沿った長さを有し、前記大径部の断面積は、前記大径部の前記長さ方向の中央が最も大きく形成されると共に前記長さ方向の中央から離れるにつれて次第に小さくなるように形成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記大径部の上端に、前記大径部よりも外径の小さい上部小径部が設けられていることを特徴とする。
また、本発明は、前記弾性部材は、その下部がその上部よりも弾性係数の大きな部材で形成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記基礎梁と前記柱脚との間に、前記基礎梁に対して前記柱脚の上方への変位を許容しつつ前記柱脚の水平方向の位置決めを行なう位置決め部が設けられ、前記抵抗機構は、前記位置決め部の内側に設けられていることを特徴とする。
また、本発明は、前記位置決め部は、前記基礎梁の上面に取着され、その上部が前記柱脚部にはめ込まれ前記基礎梁の上面から上方に離れるにつれて断面積が次第に小さくなる中空状の柱脚キャップを含んで構成され、前記抵抗機構は、前記柱脚キャップの内側を通って設けられていることを特徴とする。
また、本発明は、前記基礎梁と前記柱脚との間に、前記基礎梁に対して前記柱脚の上方への変位を許容しつつ前記柱脚の水平方向の位置決めを行なう位置決め部が設けられ、前記抵抗機構は、前記位置決め部と前記柱脚部とにわたって設けられていることを特徴とする。
また、本発明は、前記位置決め部は、前記基礎梁の上面に取着され、その上部が前記柱脚部にはめ込まれ前記基礎梁の上面から上方に離れるにつれて断面積が次第に小さくなる中実状の柱脚キャップを含んで構成され、前記抵抗機構は、前記柱脚キャップの上面と前記柱脚部とにわたって設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、基礎梁と柱脚部とにわたり、建物本体の浮き上がりに対して浮き上がりを許容しつつ抵抗を生じ、かつ、建物本体の浮き上がり後の降下時に降下に対して降下を許容しつつ抵抗を生じる抵抗機構が設けられているため、例えば地震などが発生し建物に水平方向の力が作用した場合、建物本体の過大な浮き上がりを抑制し、かつ、浮き上がった建物本体が降下する際の衝撃を緩和する上で有利となる。このため、建物本体の損傷を抑制し、建物本体に所在する人の不快感を軽減させる上で有利となる。
また、本発明によれば、抵抗機構は、基礎梁の上面から上方に突設される下部小径部と、下部小径部の上部に設けられ下部小径部よりも断面積の大きい大径部とを有するロッドと、下部小径部が貫通されて大径部よりも下方の柱脚部の箇所に位置し柱脚部の内周面にその外周部が取着された弾性部材とを含んで構成されている。
このため、建物本体の一側が大きく浮き上がる方向に変位しようとする場合、また、建物本体の浮き上がり後に降下する場合、ロッドの外周面と弾性部材の内周面との摩擦抵抗と、大径部が弾性部材を押圧する際の抵抗とにより、建物本体の上方への変位、または下方への変位に対しての抵抗を生じる。
したがって、建物本体の浮き上がりを許容しつつ抵抗を生じ、建物本体の過大な浮き上がりを抑制する上で有利となるとともに、建物本体の浮き上がり後の降下時に降下に対して降下を許容しつつ抵抗を生じ、建物本体の衝撃を緩和する上で有利となる。そのため、建物本体の損傷を抑制する上で有利となり、建物本体に所在する人の不快感を軽減させる上で有利となる。
また、本発明によれば、大径部はロッドの長さ方向に沿った長さを有し、大径部の断面積は、大径部の長さ方向の中央が最も大きく形成されると共に長さ方向の中央から離れるにつれて次第に小さくなるように形成されているので、簡単な構造により上部構造物の浮き上がり時および浮き上がり後の降下時の双方に確実に抵抗を生じさせる上で有利となる。
また、本発明によれば、大径部の上端に、大径部よりも外径の小さい上部小径部が設けられているので、大径部が弾性部材の下面の下方に変位した後、上部構造体が降下する際に大径部を弾性部材の内部に円滑に戻す上で有利となる。
また、本発明によれば、弾性部材はその下部がその上部よりも弾性係数の大きな部材で形成されているため、建物本体の上方への僅かな変位に対しては、ロッドの外周部と摩擦部材の内周面との摩擦抵抗と、大径部が弾性部材を押圧する際の抵抗とにより、建物本体の浮き上がりを許容しつつ第1の抵抗を生じ、建物本体の上方への大きな変位に対しては、ロッドの外周部と摩擦部材の内周面との摩擦抵抗と、大径部が弾性部材を押圧して侵入する際の抵抗とにより、建物本体の浮き上がりを許容しつつ第1の抵抗よりも大きな第2の抵抗を生じ、建物本体の過大な浮き上がりを抑制する。そのため、建物本体の損傷を抑制する上で有利となり、建物本体に所在する人の不快感を軽減させる上で有利となり、また、摩擦部材の柱脚からの抜落を阻止する上で有利となる。
また、本発明によれば、基礎梁と柱脚との間に、基礎梁に対して柱脚の上方への変位を許容しつつ柱脚の水平方向の位置決めを行なう位置決め部を設け、抵抗機構を位置決め部の内側に設けると、地震時、建物本体に過大な水平力が加わることで一時的に建物本体の浮き上がりや水平方向へのずれが生じても、位置決め部により建物本体の水平方向の位置が元の位置に戻るため、地震の収束後に建物本体を水平に支持する上で有利となる。
また、位置決め部を、基礎梁の上面に取着され、その上部が柱脚部にはめ込まれ基礎梁の上面から上方に離れるにつれて断面積が次第に小さくなる中空状の柱脚キャップを含んで構成し、抵抗機構を、柱脚キャップの内側を通って設けると、柱脚が柱脚キャップに対してあらゆる方向に傾動可能となるため、仮に基礎梁が傾斜していても建物本体を水平に支持する上で有利となる。
また、本発明によれば、基礎梁と柱脚との間に、基礎梁に対して柱脚の上方への変位を許容しつつ柱脚の水平方向の位置決めを行なう位置決め部を設け、抵抗機構を位置決め部と柱脚部とにわたって設けると、地震時、建物本体に過大な水平力が加わることで一時的に建物本体の浮き上がりや水平方向へのずれが生じても、位置決め部により建物本体の水平方向の位置が元の位置に戻るため、地震の収束後に建物本体を水平に支持する上で有利となる。
また、位置決め部を、基礎梁の上面に取着され、その上部が柱脚部にはめ込まれ基礎梁の上面から上方に離れるにつれて断面積が次第に小さくなる中実状の柱脚キャップを含んで構成し、抵抗機構を、柱脚キャップの上面と柱脚部とにわたって設けると、柱脚が柱脚キャップに対してあらゆる方向に傾動可能となるため、仮に基礎梁が傾斜していても建物本体を水平に支持する上で有利となる。
第1の実施の形態の建物本体の支持構造の構成を示す説明図である。 第1の実施の形態の建物本体の支持構造において建物本体の浮き上がりが発生した場合を示す説明図である。 第2の実施の形態の建物本体の支持構造の構成を示す説明図である。 第2の実施の形態の建物本体の支持構造において建物本体の浮き上がりが発生した場合を示す説明図である。
(第1の実施の形態)
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、本実施の形態の建物本体の支持構造10Dは、水平方向に延在する基礎梁12から立設された複数の柱14を含む建物本体16を基礎梁12上で支持するものであり、抵抗機構20Dを含んでいる。
すなわち、建物18は、建物本体16と基礎梁12とを含んで構成され、建物18は、体育館、倉庫、鉄塔などの構造物であり、建物本体16は、基礎梁12から立設された複数の柱14、それら柱14間に架け渡された複数の梁などを含んで構成されている。
基礎梁12として、鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨造(S造)のもの、あるいは、木製の基礎梁など従来公知の様々なものが使用可能である。
なお、図中符号22は基礎梁12上に設けられた床スラブを示し、符号2202は、後述する柱脚キャップ30を基礎梁12の上面1202に取着するための開口を示す。
柱14は、柱本体24と、柱本体24の下部を構成する柱脚2402と、柱脚部26とを含んで構成されている。
なお、柱14として、鋼管柱、RC柱(鉄筋コンクリート柱)、SRC柱(鉄骨鉄筋コンクリート柱)、SC柱(鉄骨コンクリート柱)、あるいは木造柱など従来公知の様々なものが使用可能であり、本実施の形態では、鋼管柱である。
柱本体24は、基礎梁12の上面1202から立設され、柱脚2402の下面は基礎梁12の上面1202に対向している。
柱脚部26は、柱脚2402に下方に開放状に形成されている。
本実施の形態では、柱本体24は鋼管柱であるため、円柱状の空間部が柱本体24の内部で柱本体24の全長にわたって形成されている。
なお、柱本体24がRC柱などの鋼管柱以外の柱を用いた場合には、柱脚部26を柱脚2402に予め形成しておく。
また、図中符号25は、柱脚部26の下部の外周面の全周に沿って設けられた補強用のリングであり、リング25は溶接によって柱脚部26に接合されている。
更に本実施の形態では、位置決め部28が設けられている。
位置決め部28は、基礎梁12と柱脚2402との間に設けられ、基礎梁12に対して柱脚2402の上方への変位を許容しつつ柱脚2402の水平方向の位置決めを行なうものである。
本実施の形態では、位置決め部28は柱脚キャップ30と柱脚2402を含んで構成されている。
柱脚キャップ30は、鋼製であり、キャップ本体3002と、蓋板部3004とを備えている。
キャップ本体3002は、基礎梁12の上面1202から上方に離れるにつれて断面積が次第に小さくなる中空状を呈し、本実施の形態では、截頭円錐形の中空の枠状を呈し、キャップ本体3002の上部は柱脚部26にはめ込まれ、言い換えると柱脚2402の下端にはめ込まれている。
蓋板部3004は、キャップ本体3002の下縁よりも大きな輪郭を有する正方形の鋼板で構成され、蓋板部3004の中心には、後述するロッド32のフランジ3202を収容する孔部3005が形成されている。
蓋板部3004は、キャップ本体3002の軸心と蓋板部3004の中心とを合致させた状態でキャップ本体3002の下縁と蓋板部3004の上面とが溶接で接合されている。
蓋板部3004は、基礎梁12の上面1202にボルトB1とナットN1を介して締結されている。
キャップ本体3002の上部が柱脚部26にはめ込まれた状態でキャップ本体3002の上部は柱脚2402(柱脚部26)の内周面2404の下縁2406に摩擦接触している。
なお、本明細書において、截頭円錐形は部分球形状、球面形状などの形状を広く含む。
本発明において柱脚キャップ30は省略可能であるが、柱脚キャップ30を用いることにより以下の効果が奏される。
1)柱脚2402の柱脚部26にキャップ本体3002をはめ込むことで、柱脚2402がキャップ本体3002に対してあらゆる方向に傾動可能となるため、柱脚部26の損傷が避けられる。
2)地震時、建物本体16に過大な水平力が加わることで一時的に建物本体16の浮き上がりや水平方向へのずれが生じても、キャップ本体3002が柱脚2402の柱脚部26にはめ込まれることで建物本体16の水平方向の位置が元の位置に戻るため、地震の収束後に建物本体16を水平に支持する上で有利となる。
なお、基礎梁12に対して柱脚2402の上方への変位を許容しつつ柱脚2402の水平方向の位置決めを行う位置決め部28は柱脚キャップ30に限定されず、従来公知の様々な構造が適用可能であるが、柱脚キャップ30を用いると上述の効果を奏する点で有利となる。
また、本実施の形態では、柱24が断面形状が円形の鋼管柱で構成されている場合について説明したが、柱は角柱であってもよく、その場合、柱脚キャップは、基礎梁12の上面1202から上方に離れるにつれて断面積が次第に小さくなる中空状、あるいは、中実状を呈していればよく、具体的には截頭角錐形となる。
抵抗機構20Dは、基礎梁12と柱脚2402の柱脚部26とにわたって設けられている。
抵抗機構20Dは、建物本体16の浮き上がりに対して浮き上がりを許容しつつ抵抗を生じ、かつ、建物本体16の浮き上がり後の降下時に降下に対して降下を許容しつつ抵抗を生じるものである。
本実施の形態の抵抗機構20Dは、ロッド42と、弾性部材44とを含んで構成されている。
ロッド42は、建物本体16の基礎梁12の上面1202から柱脚キャップ30の内側を通り柱脚キャップ30の上方に突設され、柱脚部26に挿入されている。
したがって、抵抗機構20Dは、柱脚キャップ30の内側を通って設けられ、言い換えると、抵抗機構20Dは、位置決め部28の内側に設けられている。
なお、柱脚キャップ30が中実の截頭円錐形を呈している場合には、柱脚キャップ30の上面は、基礎梁12の上面1202を構成するため、ロッド32は柱脚キャップ38の上面から突設されることになる。
その場合、抵抗機構20Dは、柱脚キャップ30の上面と柱脚部26とにわたって設けられ、言い換えると、抵抗機構20Dは、位置決め部28と柱脚部26とにわたって設けられることになる。
ロッド42は、その下端フランジ3202が基礎梁12の上面1202にボルトB2、ナットN2を介して締結されることで配設されている。
なお、柱脚キャップ30が中実状の截頭円錐形を呈している場合には、第1の実施の形態と同様に、ロッド42は柱脚キャップ30の上面から突設され柱脚キャップ30の上面と柱脚部26とにわたって設けられることになる。
ロッド42は、下部小径部4204と、大径部4206と、上部小径部4208とを含んで構成されている。
下部小径部4204は、建物本体16の基礎梁12の上面1202から上方に突設され、下部に下端フランジ3202が接続された棒状の部材である。
大径部4206は、下部小径部4204の上部に設けられ下部小径部4204よりも断面積が大きく、ロッド42の下部小径部4204の長さ方向に沿った長さを有している。
大径部4206の長さ方向に直交する断面積は、大径部4204の長さ方向の中央4206Aが最も大きく形成され、長さ方向の中央4206Aから離れるにつれて次第に小さくなるように形成されている。
なお、本実施の形態の大径部4206は、断面が円形となる球体に形成されているが、断面が楕円形となる長球や扁球などの楕円体でもよい。
上部小径部4208は、大径部4206の上端から上方に突設され、大径部4206よりも外径が小さく形成されている。
本実施の形態では、上部小径部4208は、下部小径部4204と同じ外径を有する棒状の部材である。
上部小径部4208の上端は、上方に向かって次第に半径が小さくなる円錐面4208Aで形成されている。これにより、弾性部材44の貫通孔4408にロッド42が円滑に貫通されるように図られている。
弾性部材44は、下部小径部4204が貫通されて大径部4206よりも下方の柱脚部26の箇所に位置し、柱脚2402(柱脚部26)の内周面2404にその外周部が取着されている。
本実施の形態では、弾性部材44は、弾性変形可能なゴム材料で円板状に形成され、円形の上面4402と下面4404と、それら上面4402と下面4404を接続する外周面4406とを備えている。
弾性部材44を柱脚2402(柱脚部26)の内周面2404に取着する方法としては、例えば、弾性部材44の外周面4406と柱脚2402(柱脚部26)の内周面2404の全周にわたって接着剤により固定させたり、弾性部材44を配置した箇所の柱脚2402の外周面からボルトを挿入して固定させたり、またその両方を用いて固定させてもよい。さらに、柱脚2402の内部において、直角に屈曲したブラケットを、弾性部材44の上面4402と柱脚2402(柱脚部26)の内周面2404、弾性部材44の下面4404と柱脚2402(柱脚部26)の内周面2404にそれぞれボルトで固定し、弾性部材44を固定させてもよく、従来公知の様々の取り付け構造が採用可能である。これにより、弾性部材44は、柱脚2402の長手方向に移動不能となっている。
また、ロッド42は弾性部材44の中心部の貫通孔4408に貫通されている。貫通孔4408の内径は下部小径部4204の外径より僅かに小さく形成されているため、下部小径部4204の外周面4210と貫通孔4408の内周面4410とは弾接している。
ロッド42は、建物本体16が基礎梁12に対して浮き上がっていない建物本体16の静止状態で、下部小径部4204が貫通され大径部4206の下方の柱脚部26に弾性部材44がある初期位置に位置している(図1参照)。そして、建物本体16に水平力が作用して建物本体16の浮き上がると弾性部材44が取着された柱14も浮き上がり、その結果、ロッド42の大径部4206が弾性部材44の貫通孔4408を押し広げ弾性部材44を圧縮変形させながら内部に侵入していく(図2参照)。
このように大径部4206が弾性部材44の貫通孔4408を押し広げ弾性部材44を圧縮変形させながら侵入していくと、弾性部材44から大径部4206に作用する反力により大径部4206に抵抗が生じる。
次に作用効果について説明する。
図1に示すように、地震や台風などが発生していない建物本体16の静止状態では、柱脚キャップ30の上部は柱脚2402の柱脚部26にはめ込まれ、ロッド42は初期位置に位置した状態となっている。
小規模、中規模な地震が発生し、あるいは、台風による横風を受け、建物本体16に水平力が作用し、そのモーメントにより建物本体16が傾動し、建物本体16の一側が浮き上がる方向に変位しようとする。
この場合、ロッド42の外周面4210と弾性部材44の貫通孔4408の内周面4410との摩擦抵抗と、大径部4206が弾性部材44を押圧して貫通孔4408を押し広げる際の抵抗とにより、建物本体16の上方への変位に対しての抵抗を生じる。したがって、建物本体16の浮き上がりを抑制し、建物本体16の損傷を抑制する上で有利となり、さらに建物本体16に所在する人の不快感を軽減させる上で有利となる。
また、大規模の地震が発生し、あるいは、大型の台風による横風を受け、建物本体16に大きな水平力が作用し、そのモーメントにより建物本体16が傾動し、建物本体16の一側が大きく浮き上がる方向に変位しようとする。
この場合、ロッド42の外周面4210と弾性部材44の貫通孔4408の内周面4410との摩擦抵抗と、大径部4206が弾性部材44を押圧して貫通孔4408を押し広げ弾性部材44を圧縮変形させながら侵入する際の抵抗とにより、建物本体16の上方への変位に対しての抵抗を生じる。
したがって、建物本体16の浮き上がりを許容しつつ抵抗を生じ、建物本体16の過大な浮き上がりを抑制する上で有利となる。そのため、建物本体16の損傷を抑制する上で有利となり、建物本体16に所在する人の不快感を軽減させる上で有利となる。
また、建物本体16の浮き上がり後の降下時には、ロッド42の外周面4210と弾性部材44の貫通孔4408の内周面4410との摩擦抵抗と、大径部4206が弾性部材44を押圧して貫通孔4408を押し広げ弾性部材44を圧縮変形させながら抜けていく際の抵抗とにより、建物本体16の下方への変位に対しての抵抗を生じる。
したがって、建物本体16の浮き上がり後の降下時に降下に対して降下を許容しつつ抵抗を生じ、建物本体16の衝撃を緩和する上で有利となる。そのため、建物本体16の損傷を抑制する上で有利となり、建物本体16に所在する人の不快感を軽減させる上で有利となる。
(第2の実施の形態)
次に図3、図4を参照して、第2の実施の形態の建物本体の支持構造10Eについて説明する。
第2の実施の形態は、第1の実施の形態の変形例である。
本実施の形態の抵抗機構20Eの弾性部材46は、下部に位置する弾性部材(下部弾性部材4602)と、上部に位置する弾性部材(上部弾性部材4604)とで弾性係数を異ならせて形成されている。
詳細には、弾性部材46を、下部弾性部材4602が上部弾性部材4604よりも弾性係数の大きな部材で構成したものである。
第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果に加え、以下の効果を奏する。
大規模の地震が発生し、あるいは、大型の台風による横風を受け、建物本体16に大きな水平力が作用し、そのモーメントにより建物本体16が傾動し、建物本体16の一側が浮き上がる方向に変位しようとする。
この場合、建物本体16の上方への僅かな変位に対しては、ロッド42の外周部4210と弾性部材46の貫通孔4608の内周面4610との摩擦抵抗と、大径部4206が上部弾性部材4604を押圧して貫通孔4408を押し広げる際の抵抗とにより、建物本体16の浮き上がりを許容しつつ第1の抵抗を生じ、建物本体16の損傷を抑制する上で有利となり、建物本体16に所在する人の不快感を軽減させる上で有利となる。
また、建物本体16の上方への大きな変位に対しては、ロッド42の外周部4210と弾性部材46の貫通孔4608の内周面4610との摩擦抵抗と、大径部4206が下部弾性部材4602を押圧して貫通孔4208を押し広げ弾性部材46を圧縮変形させながら侵入する際の抵抗とにより、建物本体16の浮き上がりを許容しつつ第1の抵抗よりも大きな第2の抵抗を生じ、建物本体16の損傷を抑制する上で有利となり、建物本体16に所在する人の不快感を軽減させる上で有利となり、また、弾性部材46の柱脚からの抜落を阻止する上で有利となる。
また、上記の実施の形態にかかる建物本体の支持構造は、柱脚キャップの強度を柱の強度よりも弱く設計してもよい。そうすると、建物本体が浮き上がり後に降下することで柱が柱脚キャップに落下して衝撃を受けた場合に、柱脚キャップを主に損傷させることができるため、構造物の修繕時に柱脚キャップのみを交換すれば足りる。
また、第1、第2の実施の形態にかかる建物本体の支持構造では、1つの柱に対して1つのロッドを設けた構成としていたが、柱脚部の大きさが許せば2つ以上のロッドを設けた構成としてもよい。これにより、さらに大きな抵抗を生じさせることができるが、1つのロッドを設けた構成の場合はコストを抑えて支持構造を提供することができる。
また、同じ震度や横風であっても建物の構造やアスペクト比によってそれぞれの建物本体の変位は異なるため、個々の建物に合わせて建物本体の変位に対する抵抗を生じさせるよう設計することで、上述した効果を発揮させる上で有利となる。
10D、10E 建物本体の支持構造
12 基礎梁
1202 上面
14 柱
16 建物本体
18 建物
20D、20E 抵抗機構
22 床スラブ
2202 開口
24 柱本体
2402 柱脚
2404 内周面
2406 下縁
26 柱脚部
28 位置決め部
30 柱脚キャップ
3002 キャップ本体
3004 フランジ部
32、42 ロッド
3202 下端フランジ
4204 下部小径部
4206 大径部
4208 上部小径部
44、46 弾性部材
4406 外周面
4408、4608 貫通孔
4410、4610 内周面
4602 下部弾性部材
4604 上部弾性部材

Claims (8)

  1. 基礎梁から立設された柱を含む建物本体の前記基礎梁上での支持構造であって、
    前記柱の柱脚に下方に開放された柱脚部が形成され、
    前記基礎梁と前記柱脚部とにわたり、前記建物本体の浮き上がり時および浮き上がり後の降下時に抵抗を生じる抵抗機構が設けられ、
    前記抵抗機構は、前記基礎梁の上面から上方に突設される下部小径部と、前記下部小径部の上部に設けられ前記下部小径部よりも断面積の大きい大径部とを有し前記柱脚部に挿入されるロッドと、
    前記下部小径部が貫通されて前記大径部よりも下方の前記柱脚部の箇所に位置し前記柱脚部の内周面にその外周部が取着された弾性部材とを含み、
    前記基礎梁と前記柱脚との間に、前記基礎梁に対して前記柱脚の上方への変位および水平方向への変位を許容しつつ前記柱脚の水平方向の位置決めを行なう位置決め部が設けられている、
    ことを特徴とする建物本体の支持構造。
  2. 前記大径部は前記ロッドの長さ方向に沿った長さを有し、
    前記大径部の断面積は、前記大径部の前記長さ方向の中央が最も大きく形成されると共に前記長さ方向の中央から離れるにつれて次第に小さくなるように形成されている、
    ことを特徴とする請求項1記載の建物本体の支持構造。
  3. 前記大径部の上端に、前記大径部よりも外径の小さい上部小径部が設けられている、
    ことを特徴とする請求項2記載の建物本体の支持構造。
  4. 前記弾性部材は、その下部がその上部よりも弾性係数の大きな部材で形成されている、
    ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項記載の建物本体の支持構造。
  5. 記抵抗機構は、前記位置決め部の内側に設けられている、
    ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項記載の建物本体の支持構造。
  6. 前記位置決め部は、前記基礎梁の上面に取着され、その上部が前記柱脚部にはめ込まれ前記基礎梁の上面から上方に離れるにつれて断面積が次第に小さくなる中空状の柱脚キャップを含んで構成され、
    前記抵抗機構は、前記柱脚キャップの内側を通って設けられている、
    ことを特徴とする請求項5記載の建物本体の支持構造。
  7. 記抵抗機構は、前記位置決め部と前記柱脚部とにわたって設けられている、
    ことを特徴とする請求項1~4の何れか1項記載の建物本体の支持構造。
  8. 前記位置決め部は、前記基礎梁の上面に取着され、その上部が前記柱脚部にはめ込まれ前記基礎梁の上面から上方に離れるにつれて断面積が次第に小さくなる中実状の柱脚キャップを含んで構成され、
    前記抵抗機構は、前記柱脚キャップの上面と前記柱脚部とにわたって設けられている、
    ことを特徴とする請求項7記載の建物本体の支持構造。
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