JP7384294B2 - 溶鉄の精錬方法 - Google Patents

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Description

本発明は、処理前炭素濃度が3.0質量%以下の溶鉄を脱炭して溶鋼を得るにあたり、脱炭後の溶鉄中の窒素濃度を低減し、低窒素鋼を得る方法に関する。特に、処理前溶鉄の一部または全部が冷鉄源を溶解して得たものである場合に好適な方法である。
近年、地球温暖化防止の観点から、鉄鋼業界においても化石燃料の消費量を削減してCOガスの発生量を減少させる技術開発が進められている。従来の一貫製鉄所においては、鉄鉱石を炭素で還元して溶銑を製造している。この溶銑を製造するには鉄鉱石の還元等のために溶銑1tあたり500kg程度の炭素源を必要とする。一方、鉄スクラップなどの冷鉄源を原料として溶鋼を製造する場合には、鉄鉱石の還元に必要とされる炭素源が不要となり、冷鉄源を溶解するのに十分な熱量分のエネルギーのみを必要とする。そのため、CO排出量を大幅に低減可能となる。
冷鉄源を電気炉等の溶解炉で溶解して溶鋼を得る場合、出鋼時の窒素濃度は、高炉銑を転炉で精錬して出鋼する場合と比較して高位となる場合がある。高炉銑を転炉で精錬するプロセスでは、主に脱炭により発生する一酸化炭素気泡に窒素を吸着させて除去しており、出鋼時の窒素濃度は一般に低位となる。具体的には、高炉銑は4質量%程度の炭素を含有しており、脱炭精錬によって発生する一酸化炭素量は十分に多いため、窒素濃度20質量ppm程度の低窒素鋼溶製が可能である。しかしながら、冷鉄源を使用する場合、冷鉄源溶解後の溶鉄中炭素濃度は低位となり、一酸化炭素の発生量が限られているため、窒素を低濃度まで除去しにくい。冷鉄源溶解後の溶鉄に真空脱ガス処理などを施せば、ある程度の脱窒は可能である。しかし、脱窒反応が生じる領域は、真空槽内の真空雰囲気に接している溶鋼表面部に限定されるため、安定溶製可能な窒素濃度の上限は40質量ppm程度である。
ところで、一般に還元鉄は天然ガス等で還元して製造されているため、炭素を0.5質量%~2.0質量%含有している。このため、この還元鉄を溶解して得た溶鉄では脱炭精錬が必要になり、この際にある程度の脱窒は可能である。また、脱窒量を増加させるという観点では、電気炉等で還元鉄を溶解した溶鉄を、高炉銑と合わせ湯をするなどして溶鉄中炭素濃度を高めて、転炉で脱炭精錬を行うことが考えられる。しかしながら、今後、CO発生量低減のため、高炉銑の生産量が下がり冷鉄源の使用量が増加することが考えられる。そうすると、転炉装入時の炭素濃度が低下し、出鋼窒素濃度を十分に低下させることが困難となることが想定される。
このような想定のもと、低窒素鋼を得るための技術としては、下記のものが開示されている。たとえば、特許文献1には、転炉から出鋼した溶鋼に加炭し、Al脱酸したのち、真空脱ガス処理中に送酸して、脱炭精錬を行うことで、溶鋼中のN濃度[N]≦25質量ppmに低減する方法が提案されている。
また、特許文献2には、溶鋼の浴面上に加炭することなくCaOを投入してからAl含有物質を添加し、溶鋼中の窒素をスラグ中に窒化物として除去し、さらに、送酸を行うことで、窒素ガスとして気相中に除去し、窒素濃度を20質量ppm以下に低減する溶鋼の脱窒方法が提案されている。
また、特許文献3には、RH真空脱ガス処理装置において、浸漬管から供給する還流ガスとして炭化水素ガスを供給することで、気泡を微細化し、窒素濃度を20質量ppm以下に低減する真空精錬方法が提案されている。
特開2004-211120号公報 特開2007-211298号公報 特開2000-45013号公報
しかしながら、前記従来の技術には、未だ解決すべき以下のような問題があった。
特許文献1に記載の方法では、一酸化炭素気泡を発生させるために炭素源を追加で添加するため、CO発生量が増加するという課題と、真空脱ガス処理で再度脱炭を行うことによって処理時間が延長し、生産性が低下するという課題がある。
また、特許文献2に記載の方法では、少なくとも3kg/t-溶鋼の金属Alを添加する必要があるとの記載があり、コスト上昇が著しい。また、金属Alを添加したのちに再度溶鋼中のAlを酸化除去する必要がある。そのため、処理時間の増加による生産性の低下と、スラグ排出量の増加が課題である。
また、特許文献3に記載の方法では、炭化水素ガス供給後に溶鉄中の水素濃度が上昇するため、脱水素処理を行う必要がある。そのため、処理時間が増加し生産性が低下するという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、冷鉄源使用量が増加した条件において、著しい生産性の低下やコスト上昇を伴わず、またスラグ発生量やCO発生量を増大させることなく、低窒素鋼を安定的に製造する溶鉄の精錬方法を提案することにある。
発明者らはこれらの問題に鑑み、転炉等の大気圧下で脱炭精錬を行うプロセスにて脱窒を促進する方法を鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
上記課題を有利に解決する本発明にかかる溶鉄の精錬方法は、炭素濃度[C]を0.5質量%以上3.0質量%以下とした処理前溶鉄を容器に収容し、該処理前溶鉄に大気圧下で酸素を吹精するとともに、水素ガスもしくは炭化水素ガスまたはそれらの混合ガスを吹き込んで前記処理前溶鉄の脱炭および脱窒処理を行なうものである。
また、本発明にかかる溶鉄の精錬方法は、
(a)前記脱炭および脱窒処理を施した後の処理後溶鉄の窒素濃度[N]を30質量ppm以下とすること、
(b)前記脱炭および脱窒処理を施した後の処理後溶鉄に、さらに真空脱ガス処理を施すこと、
(c)前記処理前溶鉄は冷鉄源を溶解して得たものを含むこと、
(d)前記処理前溶鉄が、前記冷鉄源を溶解炉で溶解して得た1次溶鉄と、炭素濃度が2.0質量%以上の溶銑を混合したものであること、
(e)前記冷鉄源が還元鉄を含むこと、
(f)前記容器が転炉であること、
などが、より好ましい解決手段になり得るものと考えられる。
本発明によれば、冷鉄源使用量が増加した条件において、著しい生産性の低下やコスト上昇を伴わず、またスラグ発生量やCO発生量を増大させることなく、処理後の溶鋼中窒素濃度[N]が30質量ppm以下の低窒素鋼を安定的に製造することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について具体的に説明する。
第一工程として、製鋼用溶解炉において、電気エネルギーを用いて、鉄源の溶解および昇熱を行う。ここで、製鋼用溶解炉としては、アーク炉や誘導炉のような電気炉を用いることができる。この際、鉄源とはスクラップや還元鉄のような固体鉄源だけでなく、別プロセスで溶解した溶鉄を利用してもよい。また、固体鉄源の溶解および、鉄源の昇熱のために供給する熱エネルギーは電気エネルギーだけではなく、補填的に金属の燃焼熱等を使用してもよい。これらのエネルギーは、再生可能エネルギーであることがCO排出量削減の観点から好ましい。
第二工程として、取鍋などの容器に出湯する。冷鉄源として還元鉄を用いた場合には還元鉄中に含有されている脈石に起因するスラグが大量に発生するので、必要に応じ除滓を行うことが好ましい。除滓はスラグドラッガーなどで行ってもよい。取鍋のフリーボード高さ(取鍋上端から溶鉄表面までの高さ)が不十分な場合は、電気炉からの出湯前に炉体を傾動して流滓後に出湯してもよい。また、電気炉からの出湯前に炉体を傾動して流滓後に出湯し、取鍋などの容器に溶鉄とともに流出したスラグをさらに除滓してもよい。
第三工程として、必要に応じ高炉銑等の溶銑と合わせ湯を行うことで、溶鉄中の炭素濃度[C]を0.5質量%以上3.0質量%以下に調整して反応容器に装入し、上吹きランス等から酸素ガスを供給して脱炭精錬を行う。処理前溶鉄の炭素濃度[C]が0.5質量%未満の場合、脱炭時のCOガス発生量が少ないので脱窒が不十分になるおそれがある。一方、炭素濃度が3.0質量%超えの場合、CO発生量低減効果が小さくなる。なお、合わせ湯を行なう場合、合わせ湯として使用する溶銑は炭素濃度が2.0質量%以上の溶銑が好ましく、高炉より出銑されたままの溶銑、もしくは、高炉から出銑された後、脱珪、脱りんおよび脱硫のいずれかまたは2以上の処理を組み合わせて施されたものであっても良い。反応容器として、フリーボードの高さ(反応容器上端から溶鉄表面までの高さ)の点から転炉が好ましい。酸素吹精が可能な容器であれば、取鍋等でもよい。また、酸素吹精は上吹きランスから酸素を供給する方法のみならず、底吹き羽口から酸素を供給してもよい。上吹きランスからの酸素の供給と底吹き羽口からの酸素の供給とを併用してもよい。
次に、脱炭のための酸素ガス供給開始とともに、炉底に設置したポーラスプラグ等から水素ガスもしくは炭化水素ガスまたはそれらの混合ガスからなる水素原子を含有するガスを供給する。水素原子を含有するガスを溶鉄中に供給すると、ガス分子の解離反応が起きた上で一旦水素原子が溶鉄中に溶解し、再度微細水素ガス気泡として発生すると考えられる。ここで発生する微細気泡と溶鉄界面との間で脱窒反応が進行すると考えられる。そのため、冷鉄源を溶解した溶鉄を使用して脱炭精錬を行う際に、一酸化炭素の気泡発生量が不十分であっても、脱炭精錬後の窒素濃度を低位にすることが可能になる。もって、脱炭および脱窒処理を同時に行うことが可能となる。発明者らは鋭意検討を重ねた結果、水素原子を含有するガスの供給量は、溶鉄トンあたり0.1~0.3Nm/min程度の流量が適正であることを見出した。ここで「Nm」は、標準状態におけるガスの体積を意味する。本明細書では、ガスの標準状態を0℃、1atm(101325Pa)とする。脱炭精錬終了時に酸素ガスの供給を停止すると同時に水素原子を含有するガスの供給を停止する。水素原子を含有するガスの停止後は、底吹きプラグ詰まり抑制のために、アルゴンガスなどの不活性ガスの供給に切り替えることが好ましい。水素原子を含有するガスの供給は、ポーラスプラグに限られず、インジェクションランス(浸漬ランス)や、単管、二重管を用いて供給してもよい。
処理後溶鉄の窒素濃度[N]が30質量ppm以下となるよう処理を行うと、鋼片などの粗鋼段階の製品窒素濃度Nが30質量ppm以下の低窒素鋼が製造できるので好ましい。なお、水素ガス流量を増加させたり、ガス体積当たりの水素含有量が多い炭化水素系のガスを使用したりするなどして水素原子の供給量が多くなるよう処理条件を調整し、処理後溶鉄の窒素濃度[N]が20質量ppm以下となるよう処理を行うと極低窒素鋼となり、さらに好ましい。
第四工程として、上記脱炭精錬の終了後、真空脱ガス処理を行ない、その他所定の成分に調整したのちに鋳造を行うことが好ましい。脱炭精錬後に真空脱ガス処理を実施することで、脱水素を行うことが可能となる。本実施形態では、真空脱ガス処理において、水素原子を含有するガスを供給した特許文献3に記載の技術と比較して生産性低下も抑止することが可能である。真空脱ガス処理は、RH式真空処理装置やDH式真空処理装置、取鍋を真空室内に設置する設備などを用いることができる。
150t規模電気炉に冷鉄源としてのスクラップまたは還元鉄を装入して溶解し、取鍋に出湯後、スラグの除滓を行った。試験に用いた還元鉄は、天然ガスで還元することによって製造した還元鉄であり、炭素濃度を分析したところ、1.0質量%であった。出湯後の取鍋内溶鉄と高炉銑とを転炉装入鍋にて合わせ湯して、溶鉄量を300tに調整した。その溶鉄の成分分析を行った後、転炉に装入して脱炭吹錬を行った。合わせ湯に使用した高炉銑に含有する炭素量は4.3質量%であった。冷鉄源を溶解した溶鉄と、高炉銑との配合比率は種々変更し、転炉装入時の炭素濃度[C](質量%)も種々変化させた。脱炭に必要な酸素ガスは上吹きランスから供給し、転炉装入前の溶鉄中の炭素その他分析値(添え字iで表記)をもとに酸素ガスの供給量は決定した。酸素ガスの供給開始とともに、転炉炉底に設置したポーラスプラグから水素ガス、プロパンガスまたは50体積%水素-50体積%プロパン混合ガスの供給を行った。
所定の酸素量を供給し終わったのちに、水素ガス、プロパンガスまたは水素とプロパンの混合ガスの供給を停止し、底吹きガスをアルゴンガスに切り替えて取鍋に出鋼し、溶鋼中の成分分析(添え字fで表記)を行った。その後、取鍋を真空脱ガス装置にて真空処理を行い、所定の成分に調整したのち、鋳造を行った。
比較条件として、転炉での脱炭精錬時に、アルゴンガスを底吹きガスとして供給した場合の条件での試験を行った。また、転炉での脱炭精錬時にアルゴンガスのみを底吹きして供給したうえで、取鍋に出鋼後、真空脱ガス処理中に還流ガスとして水素ガスもしくは炭化水素ガスを供給した条件での試験を行った。
(試験1~3)
電気炉にてスクラップを溶解して得た溶鉄と、高炉銑との合わせ湯を転炉装入鍋にて行い、溶鉄量を300tに調整した。電気炉出湯時の炭素濃度[C]は0.2~0.3質量%であった。高炉銑と電気炉溶鉄との配合比率を変化させたところ、合わせ後の炭素濃度[C]は2.5~3.5質量%であった。このように合わせた溶鉄を転炉に装入し、脱炭精錬を行った。脱炭のための酸素ガスを供給している間、転炉炉底に設置したポーラスプラグからは、アルゴンガスを40Nm/min供給した。転炉から出鋼後に成分分析を行い、さらに真空脱ガス処理を行った。このときの還流ガスはアルゴンガスを用いた。脱ガス処理終了後に連続鋳造機で鋳造を行った。
その結果、転炉装入炭素濃度[C]が3.0質量%を超える条件では、転炉出鋼窒素濃度[N](質量ppm)、粗鋼窒素濃度N(質量ppm)とも低位となる結果であった。しかしながら、転炉装入炭素濃度[C]が3.0質量%を下回る水準では、転炉出鋼窒素濃度[N]、粗鋼窒素濃度Nとも高位であった。
(試験4~7)
電気炉にてスクラップを溶解して得た溶鉄と、高炉銑との合わせ湯を転炉装入鍋にて行い、溶鉄量を300tに調整した。電気炉出湯炭素濃度[C]は0.2~0.3質量%であった。高炉銑と電気炉溶鉄との配合比率を変化させたところ、合わせ後の炭素濃度[C]は2.5~2.8質量%であった。このように合わせた溶鉄を転炉に装入し、脱炭精錬を行った。脱炭のための酸素ガスを供給している間、転炉炉底に設置したポーラスプラグからは、アルゴンガスを40Nm/min供給した。転炉から出鋼後に成分分析を行い、さらに真空脱ガス処理を行った。このときの還流ガスは水素ガスもしくはプロパンガスを用いた。脱ガス処理終了後に連続鋳造機で鋳造を行った。
その結果、転炉出鋼窒素濃度[N]は高位であったが、真空脱ガス処理中に脱窒反応が促進され、粗鋼窒素濃度Nは低位となった。しかしながら、粗鋼水素濃度H(質量ppm)が高位となった。
(試験8~11)
電気炉にてスクラップを溶解して得た溶鉄と、高炉銑との合わせ湯を転炉装入鍋にて行い、溶鉄量を300tに調整した。電気炉出湯炭素濃度[C]は0.2~0.3質量%であった。高炉銑と電気炉溶鉄との配合比率を変化させたところ、合わせ後の炭素濃度[C]は2.5~2.8質量%であった。このように合わせた溶鉄を転炉に装入し、脱炭精錬を行った。脱炭のための酸素ガスを供給している間、転炉炉底に設置したポーラスプラグからは、アルゴンガスを40Nm/min供給した。転炉から出鋼後に成分分析を行い、さらに真空脱ガス処理を行った。このときの還流ガスは水素ガスもしくはプロパンガスを用いた。真空脱ガス処理中に成分分析を行い、水素濃度が所定の濃度以下となるまで、真空処理を継続した。脱ガス処理終了後に連続鋳造機で鋳造を行った。
その結果、転炉出鋼窒素濃度[N]は高位であったが、真空脱ガス処理中に脱窒反応が促進され、粗鋼窒素濃度Nは低位となった。さらに、粗鋼水素濃度Hも低位となった。しかしながら、真空脱ガス処理時間が大幅に増加した。
(試験12~26)
電気炉にてスクラップを溶解して得た溶鉄と、高炉銑との合わせ湯を転炉装入鍋にて行い、溶鉄量を300tに調整した。電気炉出湯炭素濃度[C]は0.2~0.3質量%であった。高炉銑と電気炉溶鉄との配合比率を変化させたところ、合わせ後の炭素濃度[C]は0.6~2.8質量%であった。このように合わせた溶鉄を転炉に装入し、脱炭精錬を行った。脱炭のための酸素ガスを供給している間、転炉炉底に設置したポーラスプラグからは、水素ガスもしくはプロパンガスまたはそれらの混合ガスを40Nm/min供給した。転炉から出鋼後に成分分析を行い、さらに真空脱ガス処理を行った。このときの還流ガスはアルゴンガスを用いた。脱ガス処理終了後に連続鋳造機で鋳造を行った。
その結果、転炉出鋼窒素濃度[N]、粗鋼窒素濃度Nいずれも低位となった。転炉出鋼水素濃度[H]は高位となったが、真空脱ガス処理を行うことで、粗鋼水素濃度Hは低位となった。また、真空脱ガス処理時間の延長も見られなかった。
(試験27~41)
電気炉にて還元鉄を溶解して得た溶鉄と、高炉銑との合わせ湯を転炉装入鍋にて行い、溶鉄量を300tに調整した。電気炉出湯炭素濃度[C]は1.0~1.1質量%であった。高炉銑と電気炉溶鉄との配合比率を変化させたところ、溶解ままの試験No.31、36および41の炭素濃度[C]は0.9質量%、その他の合わせ後の炭素濃度[C]は1.4~2.9質量%であった。このように溶解まま、または、合わせた溶鉄を転炉に装入し、脱炭精錬を行った。脱炭のための酸素ガスを供給している間、転炉炉底に設置したポーラスプラグからは、水素ガスもしくはプロパンガスまたはそれらの混合ガスを40Nm/min供給した。転炉から出鋼後に成分分析を行い、さらに真空脱ガス処理を行った。このときの還流ガスはアルゴンガスを用いた。脱ガス処理終了後に連続鋳造機で鋳造を行った。
その結果、転炉出鋼窒素濃度[N]、粗鋼窒素濃度Nいずれも低位となった。転炉出鋼水素濃度[H]は高位となったが、真空脱ガス処理を行うことで、粗鋼水素濃度Hは低位となった。真空脱ガス処理時間の延長も見られなかった。
以上の試験条件および結果をまとめて、表1-1~1-3に示す。表中製品成分は、粗鋼成分として、鋳造した鋳片から採取して成分分析した値である。
Figure 0007384294000001
Figure 0007384294000002
Figure 0007384294000003
本発明にかかる溶鉄の精錬方法によれば、冷鉄源使用量が増加した条件において、著しい生産性の低下やコスト上昇なく、またスラグ発生量やCO発生量を増大させることなく、窒素濃度が30質量ppm以下の低窒素鋼を安定的に製造することが可能となる。既存の一貫製鉄所において、高炉銑と冷鉄源とを併用しつつ、CO排出量の低減と高級鋼の製造とを両立することが可能であるので産業上有用である。

Claims (7)

  1. 炭素濃度[C]を0.5質量%以上3.0質量%以下とした処理前溶鉄を容器に収容し、該処理前溶鉄に大気圧下で酸素を吹精するとともに、水素ガスもしくは炭化水素ガスまたはそれらの混合ガスを溶鉄トンあたり0.1Nm /min以上0.3Nm /min未満の流量で吹き込んで前記処理前溶鉄の脱炭および脱窒処理を行ない、
    前記脱炭および脱窒処理を施した後の処理後溶鉄の窒素濃度[N] を30質量ppm以下とする、溶鉄の精錬方法。
  2. 前記脱炭および脱窒処理を施した後の処理後溶鉄に、さらに真空脱ガス処理を施す、請求項1に記載の溶鉄の精錬方法。
  3. 前記処理前溶鉄は、冷鉄源を溶解して得たものを含む、または、冷鉄源を溶解炉で溶解して得た1次溶鉄と炭素濃度が2.0質量%以上の溶銑とを混合したものである、請求項1または2に記載の溶鉄の精錬方法。
  4. 前記冷鉄源が還元鉄を含む、請求項に記載の溶鉄の精錬方法。
  5. 前記容器が転炉である、請求項1または2に記載の溶鉄の精錬方法。
  6. 前記容器が転炉である、請求項に記載の溶鉄の精錬方法。
  7. 前記容器が転炉である、請求項に記載の溶鉄の精錬方法。
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