JP7381958B1 - 冷媒輸送用ホースおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】柔軟性、水蒸気バリア性および耐熱性に優れる冷媒輸送用ホースを提供する。【解決手段】外層、補強層および内層を含む冷媒輸送用ホースであって、外層がポリイソブチレン骨格を有するエラストマー100質量部、架橋樹脂10~150質量部およびポリイソブチレン骨格を有するエラストマーの架橋剤2.5~25質量部を含む樹脂組成物からなり、外層を構成する樹脂組成物の水蒸気透過度が3.0g・mm/(m2・24h)以下であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、冷媒輸送用ホースおよびその製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、自動車のエアコンディショナーに使用される冷媒輸送用ホース、およびその冷媒輸送用ホースを製造する方法に関する。
自動車への軽量化要求が高まる中、これまで自動車に使われていたゴム製のホースを、ゴムに代えてバリア性の高い樹脂で作製し、薄肉化することにより、軽量化を実現しようとする取り組みがある。特に、現行の自動車のエアコンディショナーの冷媒輸送用ホースは主材料がゴムであり、その主材料をバリア性の高い樹脂で置き換えることができれば、軽量化が実現できる。
特開平4-145284号公報(特許文献1)には、フレオンガスのような冷媒を輸送するためのホースであって、その外管が熱可塑性ポリオレフィン樹脂とEPDMまたはブチル系ゴムとからなる熱可塑性エラストマーで形成されたものが記載されている。
特開平4-145284号公報
自動車のエアコンディショナー等は自動車の限られた狭いスペースに搭載されるため、冷媒輸送用ホースは、柔軟性に優れ狭いスペースでも取付け易いことが求められる。また、ホース外側からの水蒸気の透過は、エアーコンディショナー内部での水分の凍結を生じる原因となるため、冷媒輸送ホースの外管を形成する材料は水蒸気バリア性に優れることが必要とされる。さらに、エンジンルーム内の高温多湿の環境下で長期使用に耐える耐久性も求められる。
しかし、特許文献1に記載の樹脂ホースの外管は、熱可塑性ポリオレフィン樹脂を含む熱可塑性エラストマーで形成されているため、耐熱性が必ずしも十分ではない。
本発明は、柔軟性、水蒸気バリア性および耐熱性に優れる冷媒輸送用ホースを提供することを課題とする。
本発明(I)は、外層、補強層および内層を含む冷媒輸送用ホースであって、外層がポリイソブチレン骨格を有するエラストマー100質量部、架橋樹脂10~150質量部およびポリイソブチレン骨格を有するエラストマーの架橋剤2.5~25質量部を含む樹脂組成物からなり、外層を構成する樹脂組成物の水蒸気透過度が3.0g・mm/(m・24h)以下であることを特徴とする。
本発明(II)は、本発明(I)の冷媒輸送用ホースを製造する方法であって、前記方法が、ポリイソブチレン骨格を有するエラストマー、架橋性樹脂およびポリイソブチレン骨格を有するエラストマーの架橋剤を溶融混練して外層用組成物を調製する工程、およびホース押出成形時に外層用組成物にシラノール縮合触媒を添加し、シラノール縮合触媒を添加した組成物を押出成形して外層を形成する工程を含むことを特徴とする。
本発明は以下の実施態様を含む。
[1]外層、補強層および内層を含む冷媒輸送用ホースであって、外層がポリイソブチレン骨格を有するエラストマー100質量部、架橋樹脂10~150質量部およびポリイソブチレン骨格を有するエラストマーの架橋剤2.5~25質量部を含む樹脂組成物からなり、外層を構成する樹脂組成物の水蒸気透過度が3.0g・mm/(m・24h)以下である、冷媒輸送用ホース。
[2]ポリイソブチレン骨格を有するエラストマーの架橋剤が亜鉛華およびアルキルフェノールホルムアルデヒド系樹脂を含む、[1]に記載の冷媒輸送用ホース。
[3]外層を構成する樹脂組成物中の亜鉛華の含有量がポリイソブチレン骨格を有するエラストマー100質量部を基準として1~10質量部であり、アルキルフェノールホルムアルデヒド系樹脂の含有量がポリイソブチレン骨格を有するエラストマー100質量部を基準として1.5~15質量部である、[1]に記載の冷媒輸送用ホース。
[4]外層を構成する樹脂組成物中のポリイソブチレン骨格を有するエラストマーがブチルゴムまたは変性ブチルゴムであり、ポリイソブチレン骨格を有するエラストマーが動的架橋している、[1]に記載の冷媒輸送用ホース。
[5]外層を構成する樹脂組成物中の架橋樹脂が、熱可塑性樹脂をシラン化合物で変性してなるシラン変性樹脂が架橋したものである、[1]に記載の冷媒輸送用ホース。
[6]外層を構成する樹脂組成物中の架橋樹脂が、ポリオレフィンをシラン化合物で変性してなるシラン変性ポリオレフィンが架橋したものである、[1]に記載の冷媒輸送用ホース。
[7]外層を構成する樹脂組成物中の架橋樹脂が、ポリプロピレンをシラン化合物で変性してなるシラン変性ポリプロピレンが架橋したものである、[1]に記載の冷媒輸送用ホース。
[8]外層を構成する樹脂組成物が、ポリイソブチレン骨格を有するエラストマー100質量部を基準として、1~10質量部の老化防止剤を含む、[1]に記載の冷媒輸送用ホース。
[9]外層を構成する樹脂組成物の150℃における破断強度TB150が1.0MPa以上である、[1]に記載の冷媒輸送用ホース。
[10]外層を構成する樹脂組成物が架橋樹脂を含むマトリックスとマトリックス中に分散したポリイソブチレン骨格を有するエラストマーを含むドメインとを含み、マトリックスが架橋している、[1]に記載の冷媒輸送用ホース。
[11]外層を構成する樹脂組成物が架橋樹脂を含むマトリックスとマトリックス中に分散したポリイソブチレン骨格を有するエラストマーを含むドメインとを含み、ドメインが架橋している、[1]または[10]に記載の冷媒輸送用ホース。
[12]内層がエラストマー100質量部および熱可塑性樹脂30~170質量部を含む熱可塑性樹脂組成物からなり、熱可塑性樹脂組成物が熱可塑性樹脂を含むマトリックス中にエラストマーがドメインとして存在する海島構造を有し、熱可塑性樹脂が熱可塑性樹脂100質量部を基準として50~100質量部のポリアミドを含み、エラストマーがポリイソブチレン骨格を有するエラストマーを含み、熱可塑性樹脂組成物がさらにフェニレンジアミン系またはキノリン系老化防止剤および加工助剤を含む、[1]に記載の冷媒輸送用ホース。
[13][1]に記載の冷媒輸送用ホースを製造する方法であって、前記方法は、ポリイソブチレン骨格を有するエラストマー、架橋性樹脂およびポリイソブチレン骨格を有するエラストマーの架橋剤を溶融混練して外層用組成物を調製する工程、およびホース押出成形時に外層用組成物にシラノール縮合触媒を添加し、シラノール縮合触媒を添加した組成物を押出成形して外層を形成する工程を含む、方法。
[14]外層を形成する工程の後に、外層を水または水蒸気と接触させて、外層を構成する樹脂組成物中のマトリックスを架橋する工程を含む[13]に記載の方法。
本発明の冷媒輸送用ホースは、柔軟性、水蒸気バリア性および耐熱性に優れる。
図1は、冷媒輸送用ホースの断面図である。 図2はホースの柔軟性の評価方法を示す図である。
本発明(I)は冷媒輸送用ホースに関する。
冷媒輸送用ホースとは、エアコンディショナーなどの冷媒を輸送するためのホースをいう。本発明の冷媒輸送用ホースは、特に、自動車のエアコンディショナーの冷媒を輸送するためのホースに好適に用いられる。エアコンディショナーの冷媒としてはハイドロフルオロカーボン(HFC)、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)、炭化水素、二酸化炭素、アンモニア、水などを挙げることができ、HFCとしてはR410A、R32、R404A、R407C、R507A、R134aなどが挙げられ、HFOとしてはR1234yf、R1234ze、1233zd、R1123、R1224yd、R1336mzzなどが挙げられ、炭化水素としてはメタン、エタン、プロパン、プロピレン、ブタン、イソブタン、ヘキサフルオロプロパン、ペンタンなどが挙げられる。
本発明の冷媒輸送用ホースは、外層、補強層および内層を含む。
本発明の冷媒輸送用ホースの一実施形態の断面図を図1に示す。ただし、本発明は図1に示されたものに限定されない。
冷媒輸送用ホース1は、内層2、内層2の外側に配置された補強層3および補強層3の外側に配置された外層4を含む。
外層は、ポリイソブチレン骨格を有するエラストマー100質量部、架橋樹脂10~150質量部およびポリイソブチレン骨格を有するエラストマーの架橋剤2.5~25質量部を含む樹脂組成物からなる。
ポリイソブチレン骨格を有するエラストマーは、ポリイソブチレン骨格を有する限り限定されないが、好ましくはブチルゴム(IIR)、変性ブチルゴム、スチレン-イソブチレン-スチレンブロック共重合体であり、より好ましくはブチルゴムまたは変性ブチルゴムである。
ポリイソブチレン骨格とは、複数のイソブチレンが重合して形成された化学構造、すなわち-[-CH-C(CH-]-(ただし、nは2以上の整数である。)で表される化学構造をいう。
ブチルゴムとは、イソブチレンと少量のイソプレンを共重合させて得られたイソブチレン-イソプレン共重合体をいい、IIRと略称される。
変性ブチルゴムとは、イソプレン骨格に二重結合とハロゲン等が存在するブチルゴムをいう。変性ブチルゴムは、好ましくはハロゲン化ブチルゴムであり、より好ましくは臭素化ブチルゴム、塩素化ブチルゴムであり、さらに好ましくは臭素化ブチルゴムである。
スチレン-イソブチレン-スチレンブロック共重合体はSIBSと略称される。
樹脂組成物がポリイソブチレン骨格を有するエラストマーを含むことにより、樹脂組成物の柔軟性および水蒸気バリア性が向上する。
ポリイソブチレン骨格を有するエラストマーは、動的架橋していることが好ましい。動的架橋していることにより、耐久性が向上する。
外層を構成する樹脂組成物は、架橋樹脂を含む。樹脂組成物は、架橋樹脂を含むことにより、耐熱性に優れる。
架橋樹脂とは、架橋した樹脂をいう。架橋樹脂は、限定するものではないが、好ましくは、シラン変性樹脂が架橋したものである。シラン変性樹脂とは、熱可塑性樹脂をシラン化合物で変性した樹脂をいう。シラン変性樹脂は、好ましくはポリオレフィン系熱可塑性樹脂をシラン化合物で変性して得られた樹脂であり、より好ましくはポリオレフィン系熱可塑性樹脂をシラン化合物で変性して得られた加水分解性シリル基(好ましくはアルコキシシリル基)を有する架橋性樹脂である。
すなわち、架橋樹脂は、好ましくは熱可塑性樹脂をシラン化合物で変性してなるシラン変性樹脂が架橋したものであり、より好ましくはポリオレフィンをシラン化合物で変性してなるシラン変性ポリオレフィンが架橋したものであり、さらに好ましくはポリプロピレンをシラン化合物で変性してなるシラン変性ポリプロピレンが架橋したものである。
シラン化合物は、限定するものではないが、好ましくは式(1)で表される化合物である。
-SiR 3-n (1)
ただし、Rはエチレン性不飽和炭化水素基であり、Rは炭化水素基であり、Yは加水分解可能な有機基であり、nは0~2の整数である。
は好ましくは炭素数2~10のエチレン性不飽和炭化水素基であり、たとえばビニル基、プロペニル基、ブテニル基、シクロヘキセニル基、γ-(メタ)アクリロイルオキシプロピル基等が挙げられる。
は好ましくは炭素数1~10の炭化水素基であり、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、デシル基、フェニル基等が挙げられる。
Yは好ましくは炭素数1~10の加水分解可能な有機基であり、たとえばメトキシ基、エトキシ基、ホルミルオキシ基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基等が挙げられる。
シラン化合物の具体例としては、たとえば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられ、これらの中でも、ビニルトリメトキシシランが好ましい。
シラン変性樹脂を構成するポリオレフィン系熱可塑性樹脂としては、限定するものではないが、ポリエチレン、エチレンとα-オレフィンの共重合体、ポリプロピレン、プロピレンと他のα-オレフィンの共重合体等が挙げられる。好ましくは、ポリプロピレン、プロピレンと他のα-オレフィンの共重合体であり、特に好ましくはポリプロピレンである。
加水分解性シリル基とは、加水分解によりシラノール基(≡Si-OH)を生成する基をいい、好ましくは式(2)で表される基である。
-SiR 3-n (2)
ただし、RおよびYは前述のとおりである。
架橋性樹脂とは、架橋反応が可能であるが、未だ架橋されていない樹脂をいう。架橋反応の種類は限定されず、過酸化物による架橋であってもよいが、好ましくは水分による架橋(水架橋)である。
シラン化合物で変性する方法は、限定するものではないが、グラフト化または共重合が挙げられる。グラフト化は、樹脂にシラン化合物をグラフト反応で付加する方法であり、より具体的には、ポリオレフィンの炭素-水素結合を開裂させて炭素ラジカルを発生させ、これにエチレン性不飽和炭化水素基を有するシラン化合物が付加する反応である。変性は、好ましくは、有機過酸化物等のラジカル発生剤の存在下に、樹脂と式(1)のシラン化合物とを溶融混錬することにより行うことができる。共重合は、好ましくは、樹脂を構成するモノマーと式(1)のシラン化合物とをラジカル共重合することによって行うことができる。
シラン変性樹脂は、好ましくはシラン変性ポリプロピレンである。シラン変性樹脂は、市販されており、本発明に使用するシラン変性樹脂として市販品を使用することができる。シラン変性樹脂の市販品としては、三菱ケミカル株式会社製「リンクロン」(登録商標)が挙げられる。
架橋樹脂の含有量は、ポリイソブチレン骨格を有するエラストマー100質量部を基準として、10~150質量部であり、好ましくは10~100質量部であり、より好ましくは10~80質量部である。架橋樹脂の含有量が少なすぎると、押出加工性が悪化し、多すぎると、柔軟性を確保することができない。
外層を構成する樹脂組成物は、架橋樹脂以外の樹脂を含むことができる。
架橋樹脂以外の樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂などを挙げることができる。ポリオレフィン樹脂としては、ポリプロピレンが挙げられる。シラン変性樹脂に加え、ポリプロピレンを含むことにより、樹脂成分の粘度が安定するため、熱時強度が発現しやすい相構造となる。また、ポリプロピレンの水蒸気バリア性が良好のため、組成物全体の水蒸気バリア性が良好となる。
外層を構成する樹脂組成物は、ポリイソブチレン骨格を有するエラストマーの架橋剤を含む。「ポリイソブチレン骨格を有するエラストマーの架橋剤」を以下単に「架橋剤」ともいう。樹脂組成物は、架橋剤を含むことにより、架橋後(動的架橋後)の耐熱性が向上する。
架橋剤は、好ましくは、亜鉛華およびアルキルフェノールホルムアルデヒド系樹脂を含む。架橋剤が亜鉛華およびアルキルフェノールホルムアルデヒド系樹脂を含むことにより、架橋後(動的架橋後)の樹脂組成物に、150℃の環境にも耐えることができる耐熱性を付与することができる。
亜鉛華とは、酸化亜鉛であり、化学式ZnOで表される亜鉛の酸化物をいう。亜鉛華は、市販されており、本発明に市販品を使用することができる。市販品の例としては、正同化学工業株式会社製酸化亜鉛3種が挙げられる。
アルキルフェノールホルムアルデヒド系樹脂とは、式(3)で表される化合物をいう。
式(3)中、Xはヒドロキシル基またはハロゲンであり、YおよびY′は水素またはアルキル基であり、Zはアルキル基またはハロゲンであり、nは0~20の整数である。XおよびZを構成するハロゲンは、好ましくは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素であり、より好ましくは臭素である。Y、Y′およびZを構成するアルキル基は、好ましくは炭素数1~8のアルキル基である。
式(3)で表される構造式は直鎖であるが、アルキルフェノールホルムアルデヒド系樹脂は、常法に従って合成し、分枝部分があってもよい。
なお、Xが臭素のものは臭素化アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂と称する。
アルキルフェノールホルムアルデヒド系樹脂は、市販されており、本発明に市販品を使用することができる。市販品の例としては、日立化成株式会社製アルキルフェノール-ホルムアルデヒドレジン「ヒタノール」(登録商標)2501Yが挙げられる。
架橋剤の含有量は、ポリイソブチレン骨格を有するエラストマー100質量部を基準として、2.5~25質量部であり、好ましくは2.5~20質量部であり、より好ましくは2.5~18質量部である。架橋剤の含有量が少なすぎると、エラストマーの動的架橋が不足し、熱時強度が低下する。多すぎると、樹脂のシラン架橋を阻害し、熱時強度が低下する。
亜鉛華の含有量は、ポリイソブチレン骨格を有するエラストマー100質量部を基準として、1~10質量部であり、好ましくは2~8質量部であり、より好ましくは3~8質量部である。亜鉛華の含有量が少なすぎると、エラストマーの動的架橋が不足し、熱時強度が低下する。多すぎると、樹脂のシラン架橋を阻害し、熱時強度が低下する。
アルキルフェノールホルムアルデヒド系樹脂の含有量は、ポリイソブチレン骨格を有するエラストマー100質量部を基準として、1.5~15質量部であり、好ましくは1.5~10質量部であり、より好ましくは2~10質量部である。アルキルフェノールホルムアルデヒド系樹脂の含有量が少なすぎると、エラストマーの動的架橋が不足し、熱時強度が低下する。多すぎると、樹脂のシラン架橋を阻害し、熱時強度が低下する。
外層を構成する樹脂組成物は、好ましくは、シラノール縮合触媒を含む。シラノール縮合触媒を含むことにより、架橋樹脂の形成時に、シラン変性樹脂の架橋が促進される。
シラノール縮合触媒としては、限定するものではないが、金属有機酸塩、チタネート、ホウ酸塩、有機アミン、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、無機酸、有機酸、無機酸エステルなどが挙げられる。
金属有機酸塩としては、限定するものではないが、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、酢酸第一錫、オクタン酸第一錫、ナフテン酸コバルト、オクチル酸鉛、ナフテン酸鉛、オクチル酸亜鉛、カプリル酸亜鉛、2-エチルヘキサン酸鉄、オクチル酸鉄、ステアリン酸鉄などが挙げられる。
チタネートとしては、限定するものではないが、チタン酸テトラブチルエステル、チタン酸テトラノニルエステル、ビス(アセチルアセトニトリル)ジ-イソプロピルチタネートなどが挙げられる。
有機アミンとしては、限定するものではないが、エチルアミン、ジブチルアミン、ヘキシルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルソーヤアミン、テトラメチルグアニジン、ピリジンなどが挙げられる。
アンモニウム塩としては、限定するものではないが、炭酸アンモニウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドなどが挙げられる。
ホスホニウム塩としては、限定するものではないが、テトラメチルホスホニウムハイドロオキサイドなどが挙げられる。
無機酸としては、限定するものではないが、硫酸、塩酸などが挙げられる。
有機酸としては、限定するものではないが、酢酸、ステアリン酸、マレイン酸、トルエンスルホン酸、アルキルナフチルスルホン酸等のスルホン酸などが挙げられる。無機酸エステルとしては、限定するものではないが、リン酸エステルなどが挙げられる。
シラノール縮合触媒は、好ましくは金属有機酸塩、スルホン酸、リン酸エステルであり、より好ましくは錫の金属カルボン酸塩、たとえばジオクチル錫ジラウレート、アルキルナフチルスルホン酸、エチルヘキシルリン酸エステルである。なお、シラノール縮合触媒は、1種類を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
シラノール縮合触媒の含有量は、特に限定されないが、シラン変性樹脂100質量部を基準として、好ましくは0.0001~0.5質量部、より好ましくは0.0001~0.3質量部である。
なお、シラノール縮合触媒は、樹脂とシラノール縮合触媒とを配合したシラノール縮合触媒含有マスターバッチとして用いることが好ましい。このシラノール縮合触媒含有マスターバッチに用いることのできる樹脂としては、ポリオレフィンなどが挙げられ、好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、それらの共重合体などである。
シラノール縮合触媒を、樹脂とシラノール縮合触媒とを配合したシラノール縮合触媒含有マスターバッチとして用いる場合、マスターバッチ中のシラノール縮合触媒の含有量は、限定するものではないが、好ましくは0.1~5.0質量%である。なお、シラノール縮合触媒含有マスターバッチは、市販品を用いることができ、たとえば三菱ケミカル株式会社製「PZ010」を用いることができる。
外層を構成する樹脂組成物は、好ましくは、老化防止剤を含む。老化防止剤を含むことにより、架橋前の樹脂組成物を成形する際の押出成形性が良くなる。
老化防止剤としては、限定するものではないが、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系熱安定剤、金属不活性化剤、イオウ系耐熱安定剤などが挙げられ、好ましくはヒンダードフェノール系酸化防止剤であり、より好ましくはペンタエリトリトールエステル構造を含むヒンダードフェノール系酸化防止剤である。ヒンダードフェノール系酸化防止剤の具体例としては、BASFジャパン株式会社製IRGANOX(登録商標)1010(ペンタエリトリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート])が挙げられる。
老化防止剤の含有量は、ポリイソブチレン骨格を有するエラストマー100質量部を基準として、好ましくは1~10質量部であり、より好ましくは2~8質量部であり、さらに好ましくは3~7質量部である。
外層を構成する樹脂組成物は、ポリイソブチレン骨格を有するエラストマー以外のエラストマー、架橋樹脂以外の樹脂、シラノール縮合触媒および老化防止剤以外の添加剤を、本発明の効果を阻害しない範囲で含むことができる。
外層を構成する樹脂組成物は、いかなる相構造を有していてもよいが、好ましくは、海島構造または共連続構造を有し、より好ましくは、架橋樹脂を含むマトリックス(海相)と、マトリックス中に分散したポリイソブチレン骨格を有するエラストマーを含むドメイン(島相)とからなる海島構造を有する。
マトリックスは、好ましくは、架橋している。マトリックスの架橋が耐熱性に寄与する。
ドメインは、好ましくは、架橋している。ドメインの架橋が耐熱性に寄与する。
より好ましくは、マトリックスおよびドメインの両方が架橋している。
共連続構造であれば柔軟性に優れる。
外層を構成する樹脂組成物の水蒸気透過度は、3.0g・mm/(m・24h)以下であり、好ましくは2.5g・mm/(m・24h)以下であり、より好ましくは2.0g・mm/(m・24h)以下である。
水蒸気透過度が高すぎると、外気中の湿気が冷媒輸送用ホースの中に浸透し、エアーコンディショナー内部での水分の凍結を生じる原因となる。本発明は、外層を構成する材料に水蒸気を透過しにくい材料を用いることにより、外からの水分の侵入を効果的に遮断する。
水蒸気透過係数は次のように定義される。水蒸気透過係数は規定の温度・湿度条件下で、面積1mあたりで厚さが1mmでの24時間に透過する水蒸気量である。
水蒸気透過度は、水蒸気透過試験機を用いて、温度60℃、相対湿度95%で測定する。
外層を構成する樹脂組成物は、150℃における破断強度TB150が、好ましくは1.0MPa以上であり、より好ましくは1.2~30MPaであり、さらに好ましくは1.5~25MPaである。樹脂組成物の150℃における破断強度TB150を上記数値範囲内にするには、ゴムの架橋度合いが重要である。
破断強度は、JIS K6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-引張特性の求め方」に規定されている測定方法に準拠して測定することができる。
補強層は、限定するものではないが、たとえば編組した繊維の層である。
補強層は、限定するものではないが、好ましくは、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維、PBO繊維、ビニロン繊維またはレーヨン繊維を含む。
内層は、限定するものではないが、好ましくは、エラストマー100質量部および熱可塑性樹脂30~170質量部を含む熱可塑性樹脂組成物からなり、熱可塑性樹脂組成物が熱可塑性樹脂を含むマトリックス中にエラストマーがドメインとして存在する海島構造を有し、熱可塑性樹脂が熱可塑性樹脂100質量部を基準として50~100質量部のポリアミドを含み、エラストマーがポリイソブチレン骨格を有するエラストマーを含み、熱可塑性樹脂組成物がさらにフェニレンジアミン系またはキノリン系老化防止剤および加工助剤を含む。
内層を構成する熱可塑性樹脂組成物のマトリックスを構成する熱可塑性樹脂は、限定するものではないが、好ましくは、熱可塑性樹脂100質量部を基準として50~100質量部のポリアミドを含み、より好ましくは、熱可塑性樹脂100質量部を基準として75~100質量部のポリアミドを含み、さらに好ましくは、熱可塑性樹脂100質量部を基準として95~100質量部のポリアミドを含む。上記数値範囲内のポリアミドを含むことにより、ガスバリア性が確保できる。
ポリアミドとしては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン6/66共重合体、ナイロン6/12共重合体、ナイロン46、ナイロン6T、ナイロン9T、ナイロンMXD6などが挙げられるが、なかでもナイロン6、ナイロン6/12共重合体が好ましい。
内層を構成する熱可塑性樹脂組成物のマトリックスを構成する熱可塑性樹脂は、ポリアミド以外の樹脂を含むことができる。ポリアミド以外の樹脂としては、限定するものではないが、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリケトンなどが挙げられる。
内層を構成する熱可塑性樹脂組成物のドメインを構成するエラストマーは、ポリイソブチレン骨格を有するエラストマーを含む。ポリイソブチレン骨格を有するエラストマーとは、前述のとおりである。
内層を構成する熱可塑性樹脂組成物中の熱可塑性樹脂の含有量は、内層を構成する熱可塑性樹脂組成物中のエラストマー100質量部を基準として、好ましくは30~170質量部であり、より好ましくは35~169質量部であり、さらに好ましくは40~100質量部である。エラストマーの含有量が上記数値範囲内にあることにより、エラストマーがドメインとなる海島構造の分散形態を確保し、柔軟性とガスバリア性が確保できる。
内層を構成する熱可塑性樹脂組成物は、好ましくは、フェニレンジアミン系またはキノリン系老化防止剤を含む。熱可塑性樹脂組成物がフェニレンジアミン系またはキノリン系老化防止剤を含むことにより、耐熱老化性が向上する。
フェニレンジアミン系老化防止剤とは、二級アミンを置換基として2つ有する芳香族環を分子構造に持つ老化防止剤をいうが、好ましくは、N-フェニル-N′-(1,3-ジメチルブチル)-p-フェニレンジアミン、N-フェニル-N′-(1-メチルヘプチル)-p-フェニレンジアミン、N-フェニル-N′-イソプロピル-p-フェニレンジアミン、N,N′-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミンおよびN,N′-ジフェニル-p-フェニレンジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくはN-フェニル-N′-(1,3-ジメチルブチル)-p-フェニレンジアミンである。
キノリン系老化防止剤とは、キノリン骨格を分子構造に持つ老化防止剤をいうが、好ましくは、2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン重合体である。
内層を構成する熱可塑性樹脂組成物中のフェニレンジアミン系老化防止剤またはキノリン系老化防止剤の含有量(フェニレンジアミン系老化防止剤とキノリン系老化防止剤の両方を含む場合は、フェニレンジアミン系老化防止剤の含有量とキノリン系老化防止剤の含有量の合計)は、熱可塑性樹脂とエラストマーの合計量100質量部を基準として、好ましくは0.1~10質量部であり、より好ましくは0.1~5.0質量部である。
内層を構成する熱可塑性樹脂組成物は、好ましくは、加工助剤を含む。加工助剤は、熱可塑性樹脂組成物の押出加工性の改善に寄与する。
加工助剤は、特に限定するものではないが、好ましくは、脂肪酸、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステルおよび脂肪酸アミドから選ばれる少なくとも1種である。
脂肪酸としては、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、オレイン酸、リノール酸などが挙げられるが、好ましくはステアリン酸である。
脂肪酸金属塩としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウムなどが挙げられるが、好ましくはステアリン酸カルシウムである。
脂肪酸エステルとしては、グリセリンモノステアレート、ソルビタンステアレート、ステアリルステアレート、エチレングリコールジステアレートなどが挙げられる。
脂肪酸アミドとしては、ステアリン酸モノアミド、オレイン酸モノアミド、エチレンビスステアリン酸アミドなどが挙げられる。
内層を構成する熱可塑性樹脂組成物中の加工助剤の含有量は、熱可塑性樹脂とエラストマーの合計量100質量部を基準として、好ましくは0.2~10質量部であり、より好ましくは1~8質量部であり、さらに好ましくは1~5質量部である。
内層を構成する熱可塑性樹脂組成物は、好ましくは、粘度安定剤を含む。粘度安定剤を含むことにより、熱可塑性樹脂組成物を押出成形する際に粘度の上昇が抑えられ、滞留物発生を効果的に減らすことができるので、加工性が良好になる。
粘度安定剤としては、2価金属酸化物、アンモニウム塩、カルボン酸塩などが挙げられる。
2価金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化銅、酸化カルシウム、酸化鉄などが挙げられるが、好ましくは酸化亜鉛または酸化マグネシウムであり、より好ましくは酸化亜鉛である。
アンモニウム塩としては、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、アルキルアンモニウムなどが挙げられる。
カルボン酸塩としては、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸亜鉛、酢酸銅、シュウ酸ナトリウム、シュウ酸アンモニウム、シュウ酸カルシウム、シュウ酸鉄などが挙げられる。
粘度安定剤は、もっとも好ましくは酸化亜鉛である。
内層を構成する熱可塑性樹脂組成物中の粘度安定剤の含有量は、熱可塑性樹脂とエラストマーの合計量100質量部を基準として、好ましくは0.1~30質量部であり、より好ましくは0.5~20質量部であり、さらに好ましくは0.5~5質量部である。
粘度安定剤の50質量%以上がマトリックスに含まれることが好ましい。粘度安定剤の50質量%以上がマトリックスに含まれることにより、熱可塑性樹脂組成物を押出成形する際に粘度の上昇が抑えられ、滞留物発生を効果的に減らすことができるので、加工性が良好になる。
内層を構成する熱可塑性樹脂組成物は、前記した成分以外に、種々の添加剤を含むことができる。
冷媒輸送用ホースの製造方法は、特に限定されないが、次のようにして製造することができる。まず内層を押出成形によりチューブ状に押出し、次いでそのチューブ上に補強層となる繊維を編組し、さらにその繊維上に外層を押出成形により被覆することで製造することができる。
本発明の冷媒輸送用ホースを製造する方法は、好ましくは、ポリイソブチレン骨格を有するエラストマー、架橋性樹脂およびポリイソブチレン骨格を有するエラストマーの架橋剤を溶融混練して外層用組成物を調製する工程、およびホース押出成形時に外層用組成物にシラノール縮合触媒を添加し、シラノール縮合触媒を添加した組成物を押出成形して外層を形成する工程を含む。
架橋性樹脂とは、前述の架橋樹脂の架橋前の樹脂をいう。架橋性樹脂は、好ましくは、前述のシラン変性樹脂である。
ポリイソブチレン骨格を有するエラストマー、架橋性樹脂およびポリイソブチレン骨格を有するエラストマーの架橋剤を溶融混練して外層用組成物を調製する工程を、以下、単に「溶融混練工程」ともいう。
溶融混練は、限定するものではないが、混錬機、単軸または二軸混練押出機などを用いて行うことができる。
溶融混練の温度は、溶融混練ができる限りにおいて限定されないが、好ましくは170~240℃である。
溶融混練の時間は、目的の混錬物を調製できる限りにおいて限定されないが、好ましくは2~10分である。
溶融混練工程では、ポリイソブチレン骨格を有するエラストマーと、架橋性樹脂と、ポリイソブチレン骨格を有するエラストマーの架橋剤と、必要に応じて老化防止剤、加工助剤、粘度安定剤などの各種添加剤とを混錬機などに投入して溶融混練する。
ただし、溶融混錬工程ではシラノール縮合触媒は添加しないことが好ましい。溶融混錬工程でシラノール縮合触媒を添加した場合は、溶融混錬工程で調製した外層用組成物は、大気中の水蒸気と接触すると、外層用組成物中の架橋性樹脂が徐々に架橋し、架橋した後の外層用組成物は成形がしにくくなる。したがって、シラノール縮合触媒は、成形時に外層用組成物組成物に添加することが好ましい。
ホース押出成形時に外層用組成物にシラノール縮合触媒を添加し、シラノール縮合触媒を添加した組成物を押出成形して外層を形成する工程を、以下、単に「外層形成工程」ともいう。
押出成形時とは、押出成形と同時または押出成形前6時間以内をいう。
押出成形は、限定するものではないが、混練押出機を用いて行うことができ、好ましくは二軸混練押出機を用いて行う。
シラノール縮合触媒の添加は、混練押出機に投入する前に外層用組成物に添加してもよいし、外層用組成物とシラノール縮合触媒を同時に混練押出機に投入してもよいし、外層用組成物とシラノール縮合触媒を混練押出機の別々の投入口に投入してもよい。
シラノール縮合触媒は、それ自体を直接、外層用組成物に添加してもよいが、樹脂とシラノール縮合触媒とを配合したシラノール縮合触媒含有マスターバッチとして添加することが好ましい。
シラノール縮合触媒を添加した組成物を、補強層の外表面に押出成形して外層を形成する。
押出成形の条件は、外層を形成することができる限り、限定されない。
本発明の冷媒輸送用ホースを製造する方法は、好ましくは、外層形成工程の後に、外層を水または水蒸気と接触させて、外層を構成する樹脂組成物中のマトリックスを架橋させる工程(以下、単に「水接触工程」ともいう。)を含む。水接触工程を実施することにより、外層を構成する樹脂組成物中の架橋性樹脂が架橋し、外層の耐熱性が向上する。
外層形成工程によって形成された外層は、大気中の水蒸気と接触すると、外層中の架橋性樹脂が徐々に架橋し、架橋樹脂を生成し、外層が架橋するが、迅速に外層を架橋させたいときは、水接触工程を実施することが好ましい。
水または水蒸気と接触させる方法は、限定するものではないが、水浴中に浸漬する方法、水を噴霧する方法、水蒸気を含む雰囲気に置く方法などが挙げられるが、好ましくは、水蒸気を含む雰囲気に置く方法である。水蒸気を含む雰囲気に置く方法では、温度が室温~200℃、好ましくは室温~100℃、相対湿度が30~100%、好ましくは40~90%の空気中に、1分~1月、好ましくは1時間~1週間、より好ましくは1~4日、静置する。より具体的には、温度25℃、相対湿度50%の空気中に72時間以上静置するのが好ましい。
架橋性樹脂がシラン変性樹脂の場合、水接触工程により、外層中のシラン変性樹脂の加水分解性シリル基(好ましくはアルコキシシリル基)が加水分解してシラノール基を生成し、シラノール基同士が縮合反応してシロキサン結合(Si-O-Si)を形成して架橋し、架橋した外層が得られる。
[原材料]
以下の実施例および比較例において使用した原材料は次のとおりである。
(外層用原材料)
IIR: エクソンモービル・ケミカル社製ブチルゴム「エクソンブチル」268
Br-IIR: エクソンモービル・ケミカル社製臭素化ブチルゴム「Exxon Bromobutyl」2255
架橋性樹脂: 三菱ケミカル株式会社製シラン変性ポリプロピレン「リンクロン」(登録商標)XPM800HM
ポリプロピレン: 株式会社プライムポリマー製プロピレンホモポリマー「プライムポリプロ」(登録商標)J108M
PP/EPDM: エクソンモービル・ジャパン合同会社製PP/EPDM熱可塑性エラストマー「サントプレーン」(登録商標)111-35
樹脂系架橋剤-1: 日立化成株式会社製アルキルフェノール-ホルムアルデヒドレジン「ヒタノール」(登録商標)2501Y
樹脂系架橋剤-2:田岡化学工業株式会社製臭素化アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂「タッキロール」(登録商標)250-I
亜鉛華: 正同化学工業株式会社製酸化亜鉛3種
シラノール縮合触媒: 三菱ケミカル株式会社製シラン架橋剤マスターバッチ「触媒MB」PZ010
老化防止剤-1: BASFジャパン株式会社製ヒンダードフェノール系酸化防止剤「IRGANOX」(登録商標)1010
(内層用原材料)
ブチル系ゴム: エクソンモービル・ケミカル社製臭素化イソブチレン-p-メチルスチレン共重合体ゴム「EXXPRO」(登録商標)3745
ナイロン6: 宇部興産株式会社製ナイロン6「UBEナイロン」(登録商標)1011FB
ナイロン6/12: 宇部興産株式会社製ナイロン6/12共重合体「UBEナイロン」(登録商標)7024B
老化防止剤-2: Solutia社製フェニレンジアミン系老化防止剤「SANTOFLEX」(登録商標)6PPD(物質名:N-フェニル-N′-(1,3-ジメチルブチル)-p-フェニレンジアミン)
粘度安定剤: 正同化学工業株式会社製酸化亜鉛3種
加工助剤-1: 千葉脂肪酸株式会社製工業用ステアリン酸
加工助剤-2: 堺化学工業株式会社製ステアリン酸カルシウムSC-PG
[外層用樹脂組成物の調製]
外層用樹脂組成物A1~A11、A′1およびA′2は次の方法にて調製した。シラノール縮合触媒以外の各原材料を、表1に示す配合比率で、二軸混練押出機(株式会社日本製鋼所製)に投入し、235℃で3分間混練した。混練物を押出機から連続的にストランド状に押出し、水冷後、カッターで切断することにより、ペレット状の外層用樹脂組成物A1~A11、A′1およびA′2を得た。シラノール縮合触媒は、水蒸気透過度、柔軟性、押出加工性および破断強度の測定・評価の際には押出機によるシート成形時に添加し、冷媒輸送用ホースの作製の際には、外層用樹脂組成物のチューブ状押出時に添加した。
外層用樹脂組成物A′3としては、市販のPP/EPDM熱可塑性エラストマー「サントプレーン」(登録商標)111-35(マトリックスがポリプロピレンであり、ドメインがエチレン-プロピレン-ジエン共重合体である熱可塑性エラストマー)を用いた。
外層用樹脂組成物A1~A11およびA′1~A′3について、水蒸気透過度、柔軟性、押出加工性および150℃における破断強度TB150を測定・評価した。測定・評価結果を表1に示す。
[内層用熱可塑性樹脂組成物の調製]
各原材料を、表2に示す配合比率で、二軸混練押出機(株式会社日本製鋼所製)に投入し、235℃で3分間混練した。混練物を押出機から連続的にストランド状に押出し、水冷後、カッターで切断することにより、ペレット状の内層用熱可塑性樹脂組成物B1~B4を得た。
[冷媒輸送用ホースの作製]
予め離型剤を塗布したマンドレル上に、内層用熱可塑性樹脂組成物を、押出機により表3~表5に示す厚さのチューブ状に押出した。その上に編組機を使用してポリエステルの補強糸を編組し、その上に、シラノール縮合触媒を添加した外層用樹脂組成物を押出機により表3~表5に示す厚さのチューブ状に押出して、マンドレルを抜き取ることで、内層/補強層/外層からなるホースを作製した。
作製したホースについて、温度25℃および相対湿度50%の空気中に72時間以上静置して、外層用樹脂組成物を架橋した後、耐熱性、耐水分透過性、耐冷媒透過性および柔軟性を評価した。評価結果を表3~表5に示す。
測定・評価方法は、以下のとおりである。
[水蒸気透過度の測定]
シラノール縮合触媒を添加した外層用樹脂組成物の試料を、550mm幅T型ダイス付40mmφ単軸押出機(株式会社プラ技研製)を用いて、シリンダーおよびダイスの温度を試料組成物中の最も融点の高いポリマー成分の融点+10℃に設定し、冷却ロール温度50℃、引き取り速度3m/minの条件で平均厚み0.2mmのシートに成形した。作製したシートを、温度25℃および相対湿度50%の空気中に72時間以上静置して、架橋した樹脂組成物のシートを作製した。
得られたシートを切り出し、GTRテック株式会社製水蒸気透過試験機を用いて、温度60℃、相対湿度95%で水蒸気透過度を測定した。
[外層用樹脂組成物の柔軟性の評価]
水蒸気透過度の測定において作製した平均厚み0.2mmの架橋させたシートを、JIS 3号ダンベル形状に打ち抜き、JIS K6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-引張特性の求め方」に規定されている測定方法に準拠して、温度25℃および速度500mm/minの条件下で引張試験を行い、得られた応力ひずみ曲線から10%伸張時における応力(10%モジュラス)を求めた。
10%モジュラスは柔軟性の指標であり、10%モジュラスが小さいほど柔軟性が優れる。柔軟性は、10%モジュラスが10MPa以下のときは〇、10%モジュラスが10MPaを超えるときは×として評価した。
[押出加工性の評価]
シラノール縮合触媒を添加した外層用樹脂組成物の試料を、550mm幅T型ダイス付40mmφ単軸押出機(株式会社プラ技研製)を用いて、シリンダーおよびダイスの温度を試料組成物中の最も融点の高いポリマー成分の融点+10℃に設定し、冷却ロール温度50℃、引き取り速度3m/minの条件で平均厚み0.2mmのシートに成形した。問題なく成形できる場合を○、軽微な粒や穴開きやシート端部の切れなどが発生する場合は△、深刻な粒や穴開きやシート端部の切れなどが発生する場合を×として評価した。
[破断強度の測定]
水蒸気透過度の測定において作製した平均厚み0.2mmのシートを、温度25℃および相対湿度50%の空気中に72時間以上静置して、架橋した樹脂組成物のシートを作製した。架橋した樹脂組成物のシートを、JIS 3号ダンベル形状に打ち抜き、JIS K6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-引張特性の求め方」に規定されている測定方法に準拠して、温度150℃および速度500mm/minの条件下で引張試験を行い、得られた応力ひずみ曲線から破断したときの応力を求め、それを150℃における破断強度TB150とした。
[耐熱性の評価]
150℃のオーブンに240時間放置した試験サンプルを内圧3.5MPaまで加圧し、5分間保持する気密試験にて、熱老化後の加締め部分のシール性を確認した。漏洩がない場合を〇、漏洩がある場合を×として評価した。
[耐水分透過性の評価]
50℃のオーブンに5時間放置したそれぞれの試験サンプルを用い、この試験サンプルの内容積の80%に相当する体積の乾燥剤を試験サンプルの中に充填し、密封した。この試験サンプルを温度50℃、相対湿度95%の雰囲気下に放置し、120時間後から360時間後の乾燥剤の質量の増加量を測定し、240時間分の質量の増加量を試験サンプルの内表面積で除して、水蒸気透過係数[mg/(240h・cm)]を算出した。水蒸気透過係数の数値が小さい程、耐水分透過性に優れていることを意味する。この数値が3以下であれば、実用上十分な耐水分透過性を有していると評価できる。表3~表5では、この数値が3以下の場合を〇、この数値が3超の場合を×として評価した。
[耐冷媒透過性の評価]
SAE J2064 AUG2015に準拠して測定を行った。長さ1.07mのそれぞれの試験サンプルの中に、試験サンプルの内容積1cmあたり70%±3%の冷媒(HFO-1234yf)を封入した。この試験サンプルを80℃の雰囲気下に25日放置し、25日期間中の最後の所定期間(5日間~7日間)での1日あたりの質量の減少量(冷媒透過量)[kg/day]を測定し、この減少量を試験サンプルの内表面積で除した数値を、1年間あたりの数値に換算することで、冷媒透過係数[kg/(m・year)]を算出した。冷媒透過係数の数値が小さい程、耐冷媒透過性に優れていることを意味する。この数値が3以下であれば、実用上十分な耐冷媒透過性を有していると評価できる。表3~表5では、この数値が3以下の場合を〇、この数値が3超の場合を×として評価した。
[ホースの柔軟性の評価]
図2に示すように、それぞれの試験サンプルSに対して、長手方向一方端部をクランプなどの固定具によって固定し、固定位置から所定長さL(120+ホース外径/2)×π[mm]だけ離間した他方端部にバネ秤を取り付けて引張り、破線で示す状態から実線で示す状態に試験サンプルSを半円弧状に屈曲させる。そして、ホース内側半径Rが120mmの屈曲状態において水平方向に引っ張っているバネ秤によって計測される引張力Fを評価指標とした。この引張力Fの値が小さい程、試験サンプルSは屈曲し易くて柔軟性に優れていることを意味する。この引張力Fが20N以下であれば、実用上十分な柔軟性を有していると評価できる。表3~表5では、この引張力Fが20N以下の場合を〇、この引張力Fが20N超の場合を×として評価した。
本開示は、以下の発明を包含する。
発明[1] 外層、補強層および内層を含む冷媒輸送用ホースであって、外層がポリイソブチレン骨格を有するエラストマー100質量部、架橋樹脂10~150質量部およびポリイソブチレン骨格を有するエラストマーの架橋剤2.5~25質量部を含む樹脂組成物からなり、外層を構成する樹脂組成物の架橋後の水蒸気透過度が3.0g・mm/(m・24h)以下である、冷媒輸送用ホース。
発明[2] ポリイソブチレン骨格を有するエラストマーの架橋剤が亜鉛華およびアルキルフェノールホルムアルデヒド系樹脂を含む、発明[1]に記載の冷媒輸送用ホース。
発明[3] 外層を構成する樹脂組成物中の亜鉛華の含有量がポリイソブチレン骨格を有するエラストマー100質量部を基準として1~10質量部であり、アルキルフェノールホルムアルデヒド系樹脂の含有量がポリイソブチレン骨格を有するエラストマー100質量部を基準として1.5~15質量部である、発明[1]または[2]に記載の冷媒輸送用ホース。
発明[4] 外層を構成する樹脂組成物中のポリイソブチレン骨格を有するエラストマーがブチルゴムまたは変性ブチルゴムであり、ポリイソブチレン骨格を有するエラストマーが動的架橋している、発明[1]~[3]のいずれか一つに記載の冷媒輸送用ホース。
発明[5] 外層を構成する樹脂組成物中の架橋樹脂が、熱可塑性樹脂をシラン化合物で変性してなるシラン変性樹脂が架橋したものである、発明[1]~[4]のいずれか一つに記載の冷媒輸送用ホース。
発明[6] 外層を構成する樹脂組成物中の架橋樹脂が、ポリオレフィンをシラン化合物で変性してなるシラン変性ポリオレフィンが架橋したものである、発明[1]~[5]のいずれか一つに記載の冷媒輸送用ホース。
発明[7] 外層を構成する樹脂組成物中の架橋樹脂が、ポリプロピレンをシラン化合物で変性してなるシラン変性ポリプロピレンが架橋したものである、発明[1]~[6]のいずれか一つに記載の冷媒輸送用ホース。
発明[8] 外層を構成する樹脂組成物が、ポリイソブチレン骨格を有するエラストマー100質量部を基準として、1~10質量部の老化防止剤を含む、発明[1]~[7]のいずれか一つに記載の冷媒輸送用ホース。
発明[9] 外層を構成する樹脂組成物の150℃における破断強度TB150が1.0MPa以上である、発明[1]~[8]のいずれか一つに記載の冷媒輸送用ホース。
発明[10] 外層を構成する樹脂組成物が架橋樹脂を含むマトリックスとマトリックス中に分散したポリイソブチレン骨格を有するエラストマーを含むドメインとを含み、マトリックスが架橋している、発明[1]~[9]のいずれか一つに記載の冷媒輸送用ホース。
発明[11] 外層を構成する樹脂組成物が架橋樹脂を含むマトリックスとマトリックス中に分散したポリイソブチレン骨格を有するエラストマーを含むドメインとを含み、ドメインが架橋している、発明[1]~[10]のいずれか一つに記載の冷媒輸送用ホース。
発明[12] 内層がエラストマー100質量部および熱可塑性樹脂30~170質量部を含む熱可塑性樹脂組成物からなり、熱可塑性樹脂組成物が熱可塑性樹脂を含むマトリックス中にエラストマーがドメインとして存在する海島構造を有し、熱可塑性樹脂が熱可塑性樹脂100質量部を基準として50~100質量部のポリアミドを含み、エラストマーがポリイソブチレン骨格を有するエラストマーを含み、熱可塑性樹脂組成物がさらにフェニレンジアミン系またはキノリン系老化防止剤および加工助剤を含む、発明[1]~[11]のいずれか一つに記載の冷媒輸送用ホース。
発明[13] 発明[1]~[12]のいずれか一つに記載の冷媒輸送用ホースを製造する方法であって、前記方法は、ポリイソブチレン骨格を有するエラストマー、架橋性樹脂およびポリイソブチレン骨格を有するエラストマーの架橋剤を溶融混練して外層用組成物を調製する工程、およびホース押出成形時に外層用組成物にシラノール縮合触媒を添加し、シラノール縮合触媒を添加した組成物を押出成形して外層を形成する工程を含む、方法。
発明[14] 外層を形成する工程の後に、外層を水または水蒸気と接触させて、外層を構成する樹脂組成物中のマトリックスを架橋する工程を含む発明[13]に記載の方法。
本発明の冷媒輸送用ホースは、自動車等のエアコンディショナー等の冷媒を輸送するために好適に利用することができる。
1 冷媒輸送用ホース
2 内層
3 補強層
4 外層
F 引張力
L 所定長さ
R ホース内側半径
S 試験サンプル

Claims (14)

  1. 外層、補強層および内層を含む冷媒輸送用ホースであって、外層がポリイソブチレン骨格を有するエラストマー100質量部、架橋樹脂10~150質量部およびポリイソブチレン骨格を有するエラストマーの架橋剤2.5~25質量部を含む樹脂組成物からなり、外層を構成する樹脂組成物の水蒸気透過度が3.0g・mm/(m・24h)以下である、冷媒輸送用ホース。
  2. ポリイソブチレン骨格を有するエラストマーの架橋剤が亜鉛華およびアルキルフェノールホルムアルデヒド系樹脂を含む、請求項1に記載の冷媒輸送用ホース。
  3. 外層を構成する樹脂組成物中の亜鉛華の含有量がポリイソブチレン骨格を有するエラストマー100質量部を基準として1~10質量部であり、アルキルフェノールホルムアルデヒド系樹脂の含有量がポリイソブチレン骨格を有するエラストマー100質量部を基準として1.5~15質量部である、請求項1に記載の冷媒輸送用ホース。
  4. 外層を構成する樹脂組成物中のポリイソブチレン骨格を有するエラストマーがブチルゴムまたは変性ブチルゴムであり、ポリイソブチレン骨格を有するエラストマーが動的架橋している、請求項1に記載の冷媒輸送用ホース。
  5. 外層を構成する樹脂組成物中の架橋樹脂が、熱可塑性樹脂をシラン化合物で変性してなるシラン変性樹脂が架橋したものである、請求項1に記載の冷媒輸送用ホース。
  6. 外層を構成する樹脂組成物中の架橋樹脂が、ポリオレフィンをシラン化合物で変性してなるシラン変性ポリオレフィンが架橋したものである、請求項1に記載の冷媒輸送用ホース。
  7. 外層を構成する樹脂組成物中の架橋樹脂が、ポリプロピレンをシラン化合物で変性してなるシラン変性ポリプロピレンが架橋したものである、請求項1に記載の冷媒輸送用ホース。
  8. 外層を構成する樹脂組成物が、ポリイソブチレン骨格を有するエラストマー100質量部を基準として、1~10質量部の老化防止剤を含む、請求項1に記載の冷媒輸送用ホース。
  9. 外層を構成する樹脂組成物の150℃における破断強度TB150が1.0MPa以上である、請求項1に記載の冷媒輸送用ホース。
  10. 外層を構成する樹脂組成物が架橋樹脂を含むマトリックスとマトリックス中に分散したポリイソブチレン骨格を有するエラストマーを含むドメインとを含み、マトリックスが架橋している、請求項1に記載の冷媒輸送用ホース。
  11. 外層を構成する樹脂組成物が架橋樹脂を含むマトリックスとマトリックス中に分散したポリイソブチレン骨格を有するエラストマーを含むドメインとを含み、ドメインが架橋している、請求項1または10に記載の冷媒輸送用ホース。
  12. 内層がエラストマー100質量部および熱可塑性樹脂30~170質量部を含む熱可塑性樹脂組成物からなり、熱可塑性樹脂組成物が熱可塑性樹脂を含むマトリックス中にエラストマーがドメインとして存在する海島構造を有し、熱可塑性樹脂が熱可塑性樹脂100質量部を基準として50~100質量部のポリアミドを含み、エラストマーがポリイソブチレン骨格を有するエラストマーを含み、熱可塑性樹脂組成物がさらにフェニレンジアミン系またはキノリン系老化防止剤および加工助剤を含む、請求項1に記載の冷媒輸送用ホース。
  13. 請求項1に記載の冷媒輸送用ホースを製造する方法であって、前記方法は、ポリイソブチレン骨格を有するエラストマー、架橋性樹脂およびポリイソブチレン骨格を有するエラストマーの架橋剤を溶融混練して外層用組成物を調製する工程、およびホース押出成形時に外層用組成物にシラノール縮合触媒を添加し、シラノール縮合触媒を添加した組成物を押出成形して外層を形成する工程を含む、方法。
  14. 外層を形成する工程の後に、外層を水または水蒸気と接触させて、外層を構成する樹脂組成物中のマトリックスを架橋させる工程を含む請求項13に記載の方法。
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