JP2023050792A - 流体輸送用ホース - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量で柔軟性と水蒸気バリア性に優れた流体輸送用ホースを提供する。【解決手段】内層、補強層および外層を含む流体輸送用ホースであって、内層が熱可塑性樹脂とエラストマーを含む熱可塑性樹脂組成物を含み、流体輸送用ホースがさらに繰り返し単位として1,1-ジハロエチレン基またはモノハロエチレン基を含むポリマーを含む第四の層を含むことを特徴とする。前記ポリマーは、好ましくはポリ塩化ビニリデンまたはポリ塩化ビニルである。このホースは、自動車のエアコンディショナーの冷媒を輸送するためのホースとして好ましく用いられる。【選択図】図1

Description

本発明は、流体輸送用ホースに関する。より詳しくは、本発明は、エアコンディショナー用冷媒や燃料等の流体を輸送するためのホースに関する。
従来より、流体輸送用ホースとしてゴムホースが用いられており、自動車のエアコンディショナーの冷媒を輸送するためのホースとしてもゴムホースが用いられてきたが、自動車の軽量化の要求に伴い、自動車エアコンディショナー冷媒輸送用ホースの軽量化も求められている。
そこで、ゴムホースを樹脂ホースに変更する試みがある。ゴムホースを樹脂ホースに変更することにより、ホースは軽量化するが、樹脂ホースは柔軟性(振動減衰性)が乏しい。
この問題を解決するために、特許文献1は、樹脂ホースを熱可塑性樹脂マトリックス中にエラストマーを分散してなる熱可塑性樹脂組成物で形成することを提案している。
特開2021-46490号公報
しかし、そのような熱可塑性樹脂組成物でホースを形成することにより、ホースの軽量化と柔軟性をある程度両立し得るが、熱可塑性樹脂組成物のマトリックスを構成する熱可塑性樹脂のガラス転移温度以下の温度では依然としてホースは硬いという問題がある。
本発明者らは、熱可塑性樹脂組成物を用いて形成した流体輸送用ホースにおいて、熱可塑性樹脂組成物の層の厚みを減らし、その分、ガラス転移温度の低いハロゲン化ビニリデン樹脂等の層を薄く配置することで、常温でも柔軟で水蒸気透過性の低い流体輸送用ホースが得られることを見いだし、本発明を完成した。
本発明は、内層、補強層および外層を含む流体輸送用ホースであって、内層が熱可塑性樹脂とエラストマーを含む熱可塑性樹脂組成物を含み、流体輸送用ホースがさらに繰り返し単位として1,1-ジハロエチレン基またはモノハロエチレン基を含むポリマーを含む第四の層を含むことを特徴とする。
本発明は、次の実施態様を含む。
[1]内層、補強層および外層を含む流体輸送用ホースであって、内層が熱可塑性樹脂とエラストマーを含む熱可塑性樹脂組成物を含み、流体輸送用ホースがさらに繰り返し単位として1,1-ジハロエチレン基またはモノハロエチレン基を含むポリマーを含む第四の層を含むことを特徴とする流体輸送用ホース。
[2]ポリマーのガラス転移温度が、熱可塑性樹脂のガラス転移温度より低いことを特徴とする[1]に記載の流体輸送用ホース。
[3]1,1-ジハロエチレン基が1,1-ジクロロエチレン基または1,1-ジフルオロエチレン基であり、モノハロエチレン基がモノクロロエチレン基またはモノフルオロエチレン基であることを特徴とする[1]または[2]に記載の流体輸送用ホース。
[4]熱可塑性樹脂が、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン-ビニルアルコール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリケトン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂およびポリフェニレンエーテル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする[1]~[3]のいずれかに記載の流体輸送用ホース。
[5]第四の層の平均厚みtと内層の平均厚みtの比(t/t)が0.001~0.5であることを特徴とする[1]~[4]のいずれかに記載の流体輸送用ホース。
[6]流体輸送用ホースの平均厚みをT、流体輸送用ホースの外径をDとしたとき、0.05D≦T≦0.25Dであることを特徴とする[1]~[5]のいずれかに記載の流体輸送用ホース。
[7]第四の層が内層より外側に配置されていることを特徴とする[1]~[6]のいずれかに記載の流体輸送用ホース。
[8]流体輸送用ホースの50℃における水分透過量が4.0mg/240h・cm以下であることを特徴とする[1]~[7]のいずれかに記載の流体輸送用ホース。
[9]熱可塑性樹脂組成物の10%モジュラスが10MPa以下であることを特徴とする[1]~[8]のいずれかに記載の流体輸送用ホース。
[10]熱可塑性樹脂組成物中のエラストマーの含有率が40~85質量%であることを特徴とする[1]~[9]のいずれかに記載の流体輸送用ホース。
[11]熱可塑性樹脂が連続相であり、エラストマーが分散相であり、エラストマーの少なくとも一部が架橋されていることを特徴とする[1]~[10]のいずれかに記載の流体輸送用ホース。
[12]外層が第二のエラストマーを含むことを特徴とする[1]~[11]のいずれかに記載の流体輸送用ホース。
[13]流体がエアコンディショナー用冷媒であることを特徴とする[1]~[12]のいずれかに記載の流体輸送用ホース。
本発明の流体輸送用ホースは、軽量で柔軟性と水蒸気バリア性に優れる。
図1は、本発明の流体輸送用ホースの1つの実施形態の断面図である。 図2は、本発明の流体輸送用ホースの別の実施形態の断面図である。
本発明は流体輸送用ホースに関する。
輸送する流体としては、エアコンディショナー用冷媒、燃料、水素、ヘリウム、二酸化炭素、空気などが挙げられるが、なかでも、本発明の流体輸送用ホースは、自動車のエアコンディショナーの冷媒を輸送するためのホースに好適である。
エアコンディショナー用冷媒の具体例としては、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)、炭化水素、二酸化炭素、アンモニアなどを挙げることができ、HFCとしてはR410A、R32、R404A、R407C、R507A、R134aなどが挙げられ、HFOとしてはR1234yf、R1234ze、1233zd、R1123、R1224yd、R1336mzzなどが挙げられ、炭化水素としてはメタン、エタン、プロパン、プロピレン、ブタン、イソブタン、ヘキサフルオロプロパン、ペンタンなどが挙げられる。
燃料の具体例としては、ガソリン、アルコール混合ガソリン、灯油、軽油、重油、植物油、アルコールなどが挙げられる。
本発明の流体輸送用ホースは、内層、補強層、外層および第四の層を含む。
図1は、本発明の流体輸送用ホースの1つの実施形態の断面図を示す。図1の流体輸送用ホース10は、内層1、補強層2、外層3および第四の層4を含み、第四の層4が内層1と補強層2の間に配置されている。
図2は、本発明の流体輸送用ホースの別の実施形態の断面図を示す。図2の流体輸送用ホース20は、内層1、補強層2、外層3および第四の層4を含み、第四の層4が外層3の外側に配置されている。
第四の層は、繰り返し単位として1,1-ジハロエチレン基またはモノハロエチレン基を含むポリマーを含む。
1,1-ジハロエチレン基とは、-CH-CX-(ただし、Xはハロゲン原子である。)で表される基をいう。1,1-ジハロエチレン基は、ハロゲン化ビニリデン(CH=CX)の二重結合が開いて形成された基である。1,1-ジハロエチレン基としては、1,1-ジクロロエチレン基(-CH-CCl-)、1,1-ジフルオロエチレン基(-CH-CF-)、1,1-ジブロモエチレン基(-CH-CBr-)、1,1-ジヨードエチレン基(-CH-CI-)、1-クロロ-1-フルオロエチレン基(-CH-CClF-)、1-クロロ-1-ブロモエチレン基(-CH-CClBr-)などが挙げられるが、好ましくは1,1-ジクロロエチレン基(-CH-CCl-)または1,1-ジフルオロエチレン基(-CH-CF-)である。
モノハロエチレン基とは、-CH-CHX-(ただし、Xはハロゲン原子である。)で表される基をいう。モノハロエチレン基は、ハロゲン化ビニル(CH=CHX)の二重結合が開いて形成された基である。モノハロエチレン基としては、モノクロロエチレン基(-CH-CHCl-)、モノフルオロエチレン基(-CH-CHF-)、モノビロモエチレン基(-CH-CHBr-)、モノヨードエチレン基(-CH-CHI-)などが挙げられるが、好ましくはモノクロロエチレン基(-CH-CHCl-)またはモノフルオロエチレン基(-CH-CHF-)である。
繰り返し単位として1,1-ジハロエチレン基またはモノハロエチレン基を含むポリマーは、繰り返し単位として1,1-ジハロエチレン基およびモノハロエチレン基の一方のみを含んでもよいし、1,1-ジハロエチレン基およびモノハロエチレン基の両方を含んでもよい。また、繰り返し単位として1,1-ジハロエチレン基またはモノハロエチレン基を含むポリマーは、本発明の効果を阻害しない範囲で、1,1-ジハロエチレン基およびモノハロエチレン基以外の繰り返し単位を含んでもよい。
繰り返し単位として1,1-ジハロエチレン基またはモノハロエチレン基を含むポリマーの例としては、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリ(塩化ビニリデン-co-塩化ビニル)などが挙げられるが、好ましくはポリ塩化ビニリデン、ポリ(塩化ビニリデン-co-塩化ビニル)である。
第四の層は、本発明の効果を阻害しない範囲で、繰り返し単位として1,1-ジハロエチレン基またはモノハロエチレン基を含むポリマー以外のポリマーや各種添加剤を含んでもよい。
第四の層を配置することにより、熱可塑性樹脂組成物の層の厚みを減らすことができ、常温でも柔軟で水蒸気透過性の低い流体輸送用ホースを得ることができる。
第四の層は、好ましくは、内層より外側に配置される。第四の層が内層より外側に配置されることにより、第四の層の内側の層の外表面に塗工または押出により配置できるため、製造しやすい。
より好ましくは、第四の層は、内層1と補強層2の間に、または外層3の外側に配置される。
第四の層4が内層1と補強層2の間に配置されることにより、内層1と補強層2の接着性を高められる場合がある。
第四の層4が外層3の外側に配置されることにより、太陽光や紫外線などの光および酸素との反応による外層3の劣化が抑制される。
内層は、熱可塑性樹脂組成物を含む。熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂とエラストマーを含む。好ましくは、熱可塑性樹脂が連続相であり、エラストマーが分散相である。すなわち、熱可塑性樹脂組成物は、好ましくは、海島構造を有する。熱可塑性樹脂組成物が海島構造を有することにより、流体バリア性、柔軟性、耐熱性、押出加工性などを両立しやすい。
熱可塑性樹脂組成物を構成する熱可塑性樹脂は、好ましくは、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン-ビニルアルコール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリケトン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂およびポリフェニレンエーテル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む。なかでも好ましい熱可塑性樹脂は、ポリアミド樹脂、エチレン-ビニルアルコール樹脂、ポリエステル樹脂およびポリケトン樹脂である。
ポリアミド樹脂としては、ポリアミド6、ポリアミド6/12共重合体、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド6/66共重合体、ポリアミド46、ポリアミド6T、ポリアミド9T、ポリアミドMXD6などが挙げられるが、好ましくはポリアミド6、ポリアミド6/12共重合体、ポリアミド11、ポリアミド12である。
ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどが挙げられるが、好ましくはポリブチレンテレフタレートである。
エチレン-ビニルアルコール樹脂は、エチレン単位(-CHCH-)とビニルアルコール単位(-CH-CH(OH)-)とからなる共重合体であるが、エチレン単位およびビニルアルコール単位に加えて、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の構成単位を含有していてもよい。エチレン-ビニルアルコール樹脂を構成する全構成単位に対するエチレン単位の割合(モル%)を、以下、エチレン-ビニルアルコール樹脂の「エチレン含量」という。エチレン含量が38~48モル%のエチレン-ビニルアルコール樹脂が好ましい。エチレン-ビニルアルコール樹脂はエチレン-酢酸ビニル共重合体のケン化物であるが、そのケン化度は、好ましくは90%以上、より好ましくは98%以上である。エチレン-ビニルアルコール共重合体のケン化度が小さすぎるとガスバリア性が低下し、また熱安定性も低下する。
ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブテン(PB)、ポリペンテン、ポリヘキセンなどが挙げられるが、なかでもポリエチレン、ポリプロピレンが好ましい。
ポリケトン樹脂としては、ケトン-エチレンコポリマー、ケトン-エチレン-プロピレンターポリマーなどが挙げられるが、好ましくはケトン-エチレン-プロピレンターポリマーである。
ポリアセタール樹脂としては、パラホルムアルデヒドホモポリマー、パラホルムアルデヒド-オキシエチレンコポリマーなどが挙げられる。
ポリフェニレンスルフィド樹脂としては、架橋型ポリフェニレンスルフィド、直鎖型ポリフェニレンスルフィドなどが挙げられる。
ポリフェニレンエーテル樹脂としては、ポリフェニレンエーテル単体の他、ポリフェニレンエーテルを主成分としたポリマーアロイである変性ポリフェニレンエーテルなどが挙げられる。
熱可塑性樹脂組成物を構成するエラストマーは、好ましくは、ブチルゴム、変性ブチルゴム、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、エチレン-不飽和カルボン酸エステル共重合体、ポリアミドエラストマーおよびポリエステルエラストマーからなる群から選ばれる少なくとも1種である。
ブチルゴム(IIR)は、イソブテン-イソプレン共重合体であり、イソブテンと少量のイソプレンをフリーデルクラフト触媒を用い、塩化メチル溶媒中で-95℃前後の低温で共重合することにより製造できる。
変性ブチルゴムは、ブチルゴムを変性して得られるゴムをいうが、具体的には、ハロゲン化ブチルゴム、ハロゲン化イソブチレン-p-メチルスチレン共重合体などが挙げられる。なかでも臭素化イソブチレン-p-メチルスチレン共重合体が好ましい。
オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、エチレン-α-オレフィン共重合体、またはエチレン-不飽和カルボン酸共重合体もしくはその誘導体などが挙げられる。エチレン-α-オレフィン共重合体としては、エチレン-プロピレン共重合体(EPR)、エチレン-ブテン共重合体(EBR)、エチレン-ペンテン共重合体、エチレン-ヘキセン共重合体、エチレン-オクテン共重合体およびそれらの酸変性物などが挙げられる。エチレン-不飽和カルボン酸共重合体としては、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体などが挙げられる。
スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン-エチレン・プロピレン-スチレン共重合体(SEPS)、スチレン-エチレン・ブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン-ブタジエン-スチレン共重合体(SBS)、スチレン-イソブチレン-スチレンブロック共重合体(SIBS)、およびそれらの無水マレイン酸変性品などが挙げられるが、なかでもスチレン-イソブチレン-スチレンブロック共重合体(SIBS)、無水マレイン酸変性スチレン-エチレン・ブチレン-スチレンブロック共重合体が好ましい。
エチレン-不飽和カルボン酸エステル共重合体としては、エチレン-メチルアクリレート共重合体、エチレン-メチルメタクリレート共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-エチルメタクリレート共重合体、エチレン-ブチルアクリレート共重合体、エチレン-ブチルメタクリレート共重合体、およびそれらの酸変性物などが挙げられるが、なかでも無水マレイン酸変性エチレン-エチルアクリレート共重合体が好ましい。
ポリアミドエラストマー(TPA)は、ハードセグメントがポリアミド(たとえばポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12)であり、ソフトセグメントがポリエーテル(たとえばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール)である熱可塑性エラストマーである。ポリアミドエラストマーは市販されており、本発明に市販品を用いることができる。ポリアミドエラストマーの市販品としては、宇部興産株式会社製「UBESTA」(登録商標)XPAシリーズ、アルケマ社製「PEBAX」(登録商標)などが挙げられる。
ポリエステルエラストマー(TPEE)は、ハードセグメントがポリエステル(たとえばポリブチレンテレフタレート)であり、ソフトセグメントがポリエーテル(たとえばポリテトラメチレングリコール)またはポリエステル(たとえば脂肪族ポリエステル)である熱可塑性エラストマーである。ポリエステルエラストマーは市販されており、本発明に市販品を用いることができる。ポリエステルエラストマーの市販品としては、東洋紡株式会社製「ペルプレン」(登録商標)、東レ・デュポン株式会社製「ハイトレル」(登録商標)などが挙げられる。
熱可塑性樹脂組成物中のエラストマーの含有率は、好ましくは40~85質量%であり、より好ましくは45~80質量%であり、さらに好ましくは50~75質量%である。エラストマーの含有率が上記の数値範囲内にあることにより、流体バリア性、柔軟性、耐熱性、押出加工性などを両立しやすい。
熱可塑性樹脂組成物中の熱可塑性樹脂の含有率は、好ましくは15~60質量%であり、より好ましくは20~55質量%であり、さらに好ましくは25~50質量%である。
熱可塑性樹脂組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、熱可塑性樹脂およびエラストマー以外の成分を含んでもよい。熱可塑性樹脂およびエラストマー以外の成分としては、架橋剤、充填材、可塑剤、軟化剤、滑剤、老化防止剤などが挙げられる。
熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と、エラストマーと、所望により各種添加剤とを、二軸混練押出機などで、溶融混錬することにより、製造することができる。
熱可塑性樹脂組成物中のエラストマーは、少なくともその一部が架橋されていることが好ましく、動的架橋されていることがより好ましい。エラストマーの一部または全部が架橋されていることにより、永久ひずみが小さく、耐疲労性が優れる。エラストマーの動的架橋は、熱可塑性樹脂組成物を製造する際に、熱可塑性樹脂およびエラストマーを、架橋剤とともに、溶融混錬することにより実施することができる。
架橋剤としては、通常のゴムの架橋剤が使用可能であり、硫黄、2価金属酸化物、ジアミン、過酸化物、変性アルキルフェノール等の加硫用樹脂などが挙げられるが、なかでもN-フェニル-N′-(1,3-ジメチルブチル)-p-フェニレンジアミン(6PPD)、3,3′-ジアミノジフェニルスルホン(3,3′-DAS)、酸化亜鉛が好ましい。
内層を構成する熱可塑性樹脂組成物の10%モジュラスは、好ましくは10MPa以下であり、より好ましくは0.3~9MPaであり、さらに好ましくは0.5~8MPaである。10%モジュラスが上記の数値範囲内にあることにより、ホースの柔軟性(振動減衰性)が良く、ホース製造時に加工しやすい剛性が得られる。
10%モジュラスは、熱可塑性樹脂組成物を550mm幅T型ダイス付40mmφ単軸押出機(株式会社プラ技研)を用いて、シリンダーおよびダイスの温度を組成物中で融点の最も高い材料の融点+20℃に設定し、冷却ロール温度50℃の条件で平均厚み0.2mmのシートを成形し、そのシートを所定の大きさに切り出し、室温、500mm/minの引張速度で引張試験を行い、10%伸張での応力(10%モジュラス)を求めることにより測定することができる。
補強層は、通常、金属線材または有機繊維を編組して形成されたブレード層またはスパイラル層からなる。金属線材としては、鋼線、銅および銅合金の線、アルミニウムおよびアルミニウム合金の線、マグネシウム合金の線、チタンおよびチタン合金の線などが挙げられるが、好ましくは鋼線である。金属線材の線径は、好ましくは0.25~0.40mmである。有機繊維としては、ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール(PBO)繊維、アラミド繊維、炭素繊維などが挙げられるが、好ましくはPBO繊維である。有機繊維の線径は、好ましくは0.25~0.30mmである。
外層は、好ましくは、第二のエラストマーを含む。第二のエラストマーとは、内層を構成する熱可塑性樹脂組成物に含まれるエラストマーとは異なる種類のエラストマーである場合があることを意味する。
外層を構成する第二のエラストマーは、限定するものではないが、熱可塑性エラストマー、加硫ゴムなどが挙げられるが、好ましくは熱可塑性エラストマーである。熱可塑性エラストマーとしては、限定するものではないが、熱可塑性樹脂とエラストマーを含む熱可塑性樹脂組成物、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリウレタンエラストマーが挙げられる。
外層を構成する熱可塑性樹脂組成物としては、内層を構成する熱可塑性樹脂組成物として使用できるものと同様の熱可塑性樹脂組成物を使用することができる。すなわち、外層を構成する熱可塑性樹脂組成物は、好ましくは、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン-ビニルアルコール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリケトン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂およびポリフェニレンエーテル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂と、ブチルゴム、変性ブチルゴム、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、エチレン-不飽和カルボン酸エステル共重合体、ポリアミドエラストマーおよびポリエステルエラストマーからなる群から選ばれる少なくとも1種のエラストマーを含む。
外層を構成する熱可塑性樹脂組成物の特に好ましい例は、ポリアミド12と臭素化イソブチレン-p-メチルスチレン共重合体からなる熱可塑性樹脂組成物、ポリプロピレンと臭素化イソブチレン-p-メチルスチレン共重合体からなる熱可塑性樹脂組成物である。
ポリエステルエラストマー(TPEE)は、ハードセグメントがポリエステル(たとえばポリブチレンテレフタレート)であり、ソフトセグメントがポリエーテル(たとえばポリテトラメチレングリコール)またはポリエステル(たとえば脂肪族ポリエステル)である熱可塑性エラストマーである。ポリエステルエラストマーは市販されており、本発明に市販品を用いることができる。ポリエステルエラストマーの市販品としては、東洋紡株式会社製「ペルプレン」(登録商標)、東レ・デュポン株式会社製「ハイトレル」(登録商標)などが挙げられる。
ポリアミドエラストマー(TPA)は、ハードセグメントがポリアミド(たとえばポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12)であり、ソフトセグメントがポリエーテル(たとえばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール)である熱可塑性エラストマーである。ポリアミドエラストマーは市販されており、本発明に市販品を用いることができる。ポリアミドエラストマーの市販品としては、宇部興産株式会社製「UBESTA」(登録商標)XPAシリーズ、アルケマ社製「PEBAX」(登録商標)などが挙げられる。
ポリウレタンエラストマーは、ウレタン結合を有するハードセグメントと、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネートなどのソフトセグメントからなるブロック共重合体である。ポリウレタンエラストマーは市販されており、本発明に市販品を用いることができる。ポリウレタンエラストマーの市販品としては、BASF社製「エラストラン」(登録商標)、日本ミラクトラン製「ミラクトラン」(登録商標)、大日精化工業製「レザミン」(登録商標)などが挙げられる。
外層は、本発明の効果を阻害しない範囲で、第二のエラストマー以外の成分を含んでもよい。
第四の層を構成するポリマーのガラス転移温度は、内層の熱可塑性樹脂組成物を構成する熱可塑性樹脂のガラス転移温度より低いことが好ましい。第四の層を構成するポリマーのガラス転移温度が内層の熱可塑性樹脂組成物を構成する熱可塑性樹脂のガラス転移温度より低いことにより、熱可塑性樹脂組成物のガラス転移温度以下であっても柔軟なホースが得られやすい。
内層の熱可塑性樹脂組成物を構成する熱可塑性樹脂が2種以上存在する場合は、第四の層を構成するポリマーのガラス転移温度は、内層の熱可塑性樹脂組成物を構成するいずれの熱可塑性樹脂のガラス転移温度よりも低いことが好ましい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)等による熱分析にて測定することができる。
流体輸送用ホースの各層の平均厚みは、限定するものではないが、内層の平均厚みは、好ましくは0.05~3.5mmであり、より好ましくは0.07~3.2mmであり、さらに好ましくは0.09~3.0mmである。外層の平均厚みは、好ましくは0.05~3.5mmであり、より好ましくは0.07~3.2mmであり、さらに好ましくは0.09~3.0mmである。第四の層の平均厚みは、好ましくは0.002~0.5mmであり、より好ましくは0.005~0.4mmであり、さらに好ましくは0.007~0.3mmである。
第四の層の平均厚みtと内層の平均厚みtの比(t/t)は、好ましくは0.001~0.5であり、より好ましくは0.003~0.4であり、さらに好ましくは0.005~0.3である。比t/tが上記の数値範囲内にあることにより、ホースの柔軟性と水分透過量を両立しやすい。
流体輸送用ホースの平均厚みをT、流体輸送用ホースの外径をDとしたとき、0.05D≦T≦0.25Dであることが好ましい。換言すれば、流体輸送用ホースの平均厚みTと流体輸送用ホースの外径Dの比(T/D)は、好ましくは0.05~0.25であり、より好ましくは0.06~0.23であり、さらに好ましくは0.07~0.21である。比T/Dが上記の数値範囲内にあることにより、流体輸送用ホースが軽量であるという特徴を有する。
流体輸送用ホースの50℃における水分透過量は、好ましくは4.0mg/240h・cm以下であり、より好ましくは3.8mg/240h・cm以下であり、さらに好ましくは3.6mg/240h・cm以下である。水分透過量が上記の数値範囲内にあることにより、ホース外側から輸送流体に混入する水分が少なく、コンプレッサーの故障を抑制することができる。水分透過量は、JIS K6330-9「ゴム及び樹脂ホース試験方法-第10部:液体透過性試験」に準拠して測定することができる。
流体輸送用ホースの製造方法は、限定するものではないが、次の方法を例示することができる。
図1に示す流体輸送用ホースの場合は、まず、内層用の熱可塑性樹脂組成物をチューブ状に押し出す。このチューブを内層とし、内層の外表面をコロナ処理した後、第四の層用のポリマーのラテックスを塗工して、または内層の外側に第四の層用のポリマーを押し出して、第四の層を形成する。さらに、第四の層の外側に補強層として有機繊維または金属線材のブレード層またはスパイラル層を形成し、さらにその外側に外層用の熱可塑性樹脂組成物を押し出して外層とすることにより、流体輸送用ホースを製造することができる。
図2に示す流体輸送用ホースの場合は、まず、内層用の熱可塑性樹脂組成物をチューブ状に押し出す。このチューブを内層とし、さらに、内層の外側に補強層として有機繊維または金属線材のブレード層またはスパイラル層を形成し、さらにその外側に外層用の熱可塑性樹脂組成物を押し出して外層とし、外層の外表面をコロナ処理した後、第四の層用のポリマーのラテックスを塗工して、または外層の外側に第四の層用のポリマーを押し出して、第四の層を形成することにより、流体輸送用ホースを製造することができる。
[原材料]
以下の実施例および比較例において使用した原材料は次のとおりである。
(熱可塑性樹脂)
PA6: ポリアミド6、宇部興産株式会社製「UBEナイロン」(登録商標)1022B、ガラス転移温度54℃
PA6/12: ポリアミド6/12共重合体、宇部興産株式会社製「UBEナイロン」(登録商標)7024B、ガラス転移温度43℃
PA12: ポリアミド12、宇部興産株式会社製「UBESTA」(登録商標)3012U、ガラス転移温度37℃
EVOH: エチレン-ビニルアルコール共重合体(エチレン含量38モル%)、三菱ケミカル株式会社製「ソアノ-ル」(登録商標)K3850B、ガラス転移温度38℃
PBT: ポリブチレンテレフタレート、三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製「ノバデュラン」(登録商標)5010R5、ガラス転移温度45℃
POK: ポリケトン、HYOSUNG社製「POKETONE」(登録商標)M330A、ガラス転移温度15℃
(エラストマー)
BrIPMS: 臭素化イソブチレン-p-メチルスチレン共重合体、エクソンモービル・ケミカル社製「EXXPRO」(登録商標)3745
SIBS: スチレン-イソブチレン-スチレンブロック共重合体、株式会社カネカ製「SIBSTAR」(登録商標)102T-UC
MahSEBS: 無水マレイン酸変性スチレン-エチレン・ブチレン-スチレンブロック共重合体、旭化成株式会社製「タフテック」(登録商標)M1943
MahEBR: 無水マレイン酸変性エチレン-1-ブテン共重合体、三井化学株式会社製「タフマー」(登録商標)MH7010
EBR: エチレン-1-ブテン共重合体、三井化学株式会社製「タフマー」(登録商標)DF710
(架橋剤)
6PPD: N-フェニル-N′-(1,3-ジメチルブチル)-p-フェニレンジアミン、フレキシス社製「サントフレックス」(登録商標)
ZnO: 酸化亜鉛、正同化学工業株式会社製酸化亜鉛3種
3,3′-DAS: 3,3′-ジアミノジフェニルスルホン、三井化学ファイン株式会社製
(補強層)
補強糸: ポリエチレンテレフタレート繊維
(外層用第二のエラストマー)
TPEE: ポリエステル系熱可塑性エラストマー、東レ・デュポン株式会社製「ハイトレル」(登録商標)SB754
PA12/BrIPMS: PA12(宇部興産株式会社製ポリアミド12「UBESTA」(登録商標)3012U)35質量部、BrIPMS(エクソンモービル・ケミカル社製臭素化イソブチレン-p-メチルスチレン共重合体「EXXPRO」(登録商標)3745)60質量部、6PPD(フレキシス社製N-フェニル-N′-(1,3-ジメチルブチル)-p-フェニレンジアミン「サントフレックス」(登録商標))2質量部およびZnO(正同化学工業株式会社製酸化亜鉛3種)3質量部を、シリンダー温度をPA12の融点+20℃に設定した二軸混練押出機(株式会社日本製鋼所製)に導入し、滞留時間約5分で溶融混練して調製したPA12とBrIPMSを含む組成物。
PP/BrIIR: PP(株式会社プライムポリマー製ポリプロピレン「プライムポリプロ」(登録商標)J108M)30質量部およびBrIIR(LANXESS RUBBER社製ブロモブチルゴム「X_BUTYL」(登録商標)BB X2)70質量部を、シリンダー温度をPPの融点+20℃に設定した二軸混練押出機(株式会社日本製鋼所製)に導入し、滞留時間約5分で溶融混練して調製したPPとBrIIRを含む組成物。
(第四の層用ポリマー)
PVDC-1: 塩化ビニリデンと他のモノマーを乳化重合したラテックス、旭化成株式会社製「サランラテックス」(登録商標)L584B
PVDC-2: 塩化ビニリデンと他のモノマーを乳化重合したラテックス、旭化成株式会社製「サランラテックス」(登録商標)L509
PVDC-3: 塩化ビニリデンと他のモノマーを乳化重合したラテックス、旭化成株式会社製「サランラテックス」(登録商標)L536B
PVDF-1: フッ化ビニリデン単独重合体、株式会社クレハ製「KFポリマー」(登録商標)#1300
PVDF-2: フッ化ビニリデン共重合体、株式会社クレハ製「KFポリマー」(登録商標)#2950
PVC: ポリ塩化ビニル、大洋塩ビ株式会社製「塩ビホモポリマー」TH-700
[比較例1]
低圧ゴムホース(内層:EPDM組成物、補強層:PET繊維、外層:EPDM組成物)を比較例1のホースとした。
ただし、EPDM組成物は、EPDM(住友化学工業株式会社製、エスプレン532T)100質量部、ステアリン酸(花王株式会社製、ルーナックS30)1質量部、酸化亜鉛(三井金属鉱業株式会社製、酸化亜鉛2種)5質量部、カーボンブラック(東海カーボン株式会社製、シース卜SO)100質量部、ナフテンオイル(出光興産株式会社製、ダイアナプロセスNM-280)70質量部、チウラム系加硫促進剤(三新化学工業株式会社製、サンセラーTT-G)1質量部、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤(三新化学工業株式会社製、サンセラーBZ-G)1質量部、および硫黄(大都産業株式会社製、イオウPTC)1質量部を配合し、バンバリーミキサー(株式会社神戸製鋼所製)およびロール(日本ロール製造株式会社製)を用いて混練することにより調製した。
[比較例2]
PA6を内径15.0mm、厚み0.3mmでチューブ状に押出した。このチューブを内層とし、内層の外側に補強層として、ポリエステル繊維のブレード層を2層編組した。さらにその外側にTPEEを厚み0.5mmで押し出して外層とし、ホースを作製した。
[比較例3]
PA12 35質量部、BrIPMS 60質量部、6PPD 2質量部およびZnO 3質量部を、シリンダー温度をPA12の融点+20℃に設定した二軸混練押出機(株式会社日本製鋼所製)に導入し、滞留時間約5分で溶融混練し、溶融混練物を吐出口に取り付けられたダイスからストランド状に押出した。得られたストランド状押出物を樹脂用ペレタイザーでペレット化し、ペレット状の熱可塑性樹脂組成物を得た。
ペレット状の熱可塑性樹脂組成物を内径15.0mm、厚み0.9mmでチューブ状に押出した。このチューブを内層とし、内層の外側に補強層として、ポリエステル繊維のブレード層を2層編組した。さらにその外側にPA12/BrIPMSを厚み0.5mmで押し出して外層とし、ホースを作製した。
[実施例1~13、17および18]
熱可塑性樹脂、エラストマーおよび架橋剤を、表1~表3に示す配合で、シリンダー温度を熱可塑性樹脂の融点+20℃に設定した二軸混練押出機(株式会社日本製鋼所製)に導入し、滞留時間約5分で溶融混練し、溶融混練物を吐出口に取り付けられたダイスからストランド状に押出した。得られたストランド状押出物を樹脂用ペレタイザーでペレット化し、ペレット状の熱可塑性樹脂組成物を得た。
ペレット状の熱可塑性樹脂組成物を表1~表3に示す内径および厚みでチューブ状に押出した。このチューブを内層とし、内層の外表面をコロナ処理した後、第四の層用ポリマーを塗工し、表1~表3に示す厚みで第四の層を形成した。さらにその外側に補強層として、ポリエステル繊維のブレード層を2層編組した。さらにその外側に外層用の第二のエラストマーを表1~表3に示す厚みで押し出して外層とし、ホースを作製した。
[実施例14~16]
熱可塑性樹脂、エラストマーおよび架橋剤を、表3に示す配合で、シリンダー温度を熱可塑性樹脂の融点+20℃に設定した二軸混練押出機(株式会社日本製鋼所製)に導入し、滞留時間約5分で溶融混練し、溶融混練物を吐出口に取り付けられたダイスからストランド状に押出した。得られたストランド状押出物を樹脂用ペレタイザーでペレット化し、ペレット状の熱可塑性樹脂組成物を得た。
ペレット状の熱可塑性樹脂組成物を表3に示す内径および厚みでチューブ状に押し出した。このチューブを内層とし、内層の外表面をコロナ処理した後、内層の外側に第四の層用ポリマーを表3に示す厚みで押し出して第四の層を形成した。さらにその外側に補強層として、ポリエステル繊維のブレード層を2層編組した。さらにその外側に外層用の第二のエラストマーを表3に示す厚みで押し出して外層とし、ホースを作製した。
[比較例4]
高圧ゴムホース(内層:EPDM組成物、補強層:PET繊維、外層:EPDM組成物)を比較例4のホースとした。
ただし、EPDM組成物は、比較例1において用いたものと同じものを用いた。
[比較例5および6]
PA6 30質量部、PA6/12 10質量部、BrIPMS 55質量部、6PPD 2質量部およびZnO 3質量部を、シリンダー温度をPA6の融点+20℃に設定した二軸混練押出機(株式会社日本製鋼所製)に導入し、滞留時間約5分で溶融混練し、溶融混練物を吐出口に取り付けられたダイスからストランド状に押出した。得られたストランド状押出物を樹脂用ペレタイザーでペレット化し、ペレット状の熱可塑性樹脂組成物を得た。
ペレット状の熱可塑性樹脂組成物を表4に示す内径および厚みでチューブ状に押し出した。このチューブを内層とし、内層の外側に補強層として、ポリエステル繊維のブレード層を2層編組した。さらにその外側にPA12/BrIPMSを表4に示す厚みで押し出して外層とし、ホースを作製した。
[実施例19および20]
熱可塑性樹脂、エラストマーおよび架橋剤を、表4に示す配合で、シリンダー温度を熱可塑性樹脂の融点+20℃に設定した二軸混練押出機(株式会社日本製鋼所製)に導入し、滞留時間約5分で溶融混練し、溶融混練物を吐出口に取り付けられたダイスからストランド状に押出した。得られたストランド状押出物を樹脂用ペレタイザーでペレット化し、ペレット状の熱可塑性樹脂組成物を得た。
ペレット状の熱可塑性樹脂組成物を表4に示す内径および厚みでチューブ状に押し出した。このチューブを内層とし、内層の外表面をコロナ処理した後、第四の層用ポリマーを塗工し、表4に示す厚みで第四の層を形成した。さらにその外側に補強層として、ポリエステル繊維のブレード層を2層編組した。さらにその外側に外層用の第二のエラストマーを表4に示す厚みで押し出して外層とし、ホースを作製した。
[ホースの評価]
実施例1~20および比較例1~6のホースについて、水分透過量、曲げ剛性力およびホース質量を評価した。評価結果を表1~表4に示す。
[水分透過量の評価方法]
ホースを所定の長さに切断し、JIS K6330-9「ゴム及び樹脂ホース試験方法-第10部:液体透過性試験」に準拠して、50℃での水分透過量を測定した。
水分透過量が2.70mg/240h・cm以下であれば、優れている。
[曲げ剛性力の評価方法]
ホースを所定の長さに切断し、JIS K6330-9「ゴム及び樹脂ホース試験方法-第9部 ホースおよび管の曲げ特性」に準拠して、25℃で曲げ半径120mmにおける曲げ剛性力を測定した。
曲げ剛性力が32.5N以下であれば、優れている。
[ホース質量の評価方法]
長さ300mmに切断したホースを天秤にて質量を測定し、長さ1mあたりの質量を算出した。
実施例1~18ならびに比較例2および3については、ホース質量が比較例1のホース質量の80%以下であれば、軽量化のメリットがあると判断される。実施例19および20ならびに比較例5および6については、ホース質量が比較例4のホース質量の80%以下であれば、軽量化のメリットがあると判断される。
Figure 2023050792000002
Figure 2023050792000003
Figure 2023050792000004
Figure 2023050792000005
本発明のホースは、流体輸送用ホースとして、特にエアコンディショナー用冷媒や燃料等の流体を輸送するためのホースとして、好適に利用することができる。
1 内層
2 補強層
3 外層
4 第四の層4
10 流体輸送用ホース
20 流体輸送用ホース

Claims (13)

  1. 内層、補強層および外層を含む流体輸送用ホースであって、内層が熱可塑性樹脂とエラストマーを含む熱可塑性樹脂組成物を含み、流体輸送用ホースがさらに繰り返し単位として1,1-ジハロエチレン基またはモノハロエチレン基を含むポリマーを含む第四の層を含むことを特徴とする流体輸送用ホース。
  2. ポリマーのガラス転移温度が、熱可塑性樹脂のガラス転移温度より低いことを特徴とする請求項1に記載の流体輸送用ホース。
  3. 1,1-ジハロエチレン基が1,1-ジクロロエチレン基または1,1-ジフルオロエチレン基であり、モノハロエチレン基がモノクロロエチレン基またはモノフルオロエチレン基であることを特徴とする請求項1または2に記載の流体輸送用ホース。
  4. 熱可塑性樹脂が、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン-ビニルアルコール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリケトン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂およびポリフェニレンエーテル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の流体輸送用ホース。
  5. 第四の層の平均厚みtと内層の平均厚みtの比(t/t)が0.001~0.5であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の流体輸送用ホース。
  6. 流体輸送用ホースの平均厚みをT、流体輸送用ホースの外径をDとしたとき、0.05D≦T≦0.25Dであることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の流体輸送用ホース。
  7. 第四の層が内層より外側に配置されていることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の流体輸送用ホース。
  8. 流体輸送用ホースの50℃における水分透過量が4.0mg/240h・cm以下であることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の流体輸送用ホース。
  9. 熱可塑性樹脂組成物の10%モジュラスが10MPa以下であることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の流体輸送用ホース。
  10. 熱可塑性樹脂組成物中のエラストマーの含有率が40~85質量%であることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の流体輸送用ホース。
  11. 熱可塑性樹脂が連続相であり、エラストマーが分散相であり、エラストマーの少なくとも一部が架橋されていることを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の流体輸送用ホース。
  12. 外層が第二のエラストマーを含むことを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載の流体輸送用ホース。
  13. 流体がエアコンディショナー用冷媒であることを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の流体輸送用ホース。
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