JP7380841B2 - 二次電池 - Google Patents

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Description

本技術は、二次電池に関する。
携帯電話機などの多様な電子機器が普及しているため、小型かつ軽量であると共に高エネルギー密度が得られる電源として、二次電池の開発が進められている。この二次電池は、正極および負極と共に電解液を備えており、その二次電池の構成に関しては、様々な検討がなされている。
具体的には、サイクル特性などを改善するために、フッ素化環状炭酸エステル(ハロゲン原子を有する環状カーボネート)および不飽和環状炭酸エステル(不飽和結合を有する環状カーボネート)が添加剤として電解液に含有されている(例えば、特許文献1参照。)。この他、電解液に対する添加剤として、硫黄含有環状化合物(1,3-プロパンスルトンなど)およびジニトリル化合物(NC-R-CNで表される化合物)も用いられている(例えば、特許文献2,3参照。)。これらの場合には、各添加剤の含有量が規定されていると共に、それらの含有量の総和も規定されている(例えば、特許文献4~6参照。)。
特開2016-143449号公報 特開2016-048624号公報 特開2013-065540号公報 特開2011-192632号公報 特開2006-012806号公報 特開2004-342585号公報
二次電池の性能に関する様々な検討がなされているが、その二次電池の電気抵抗特性は未だ十分でないため、改善の余地がある。
本技術はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、優れた電気抵抗特性を得ることが可能な二次電池を提供することにある。
本技術の一実施形態の二次電池は、正極と、有機物を含む被膜が負極活物質層の表面に形成された負極と、硫黄含有環状化合物、フッ素化環状炭酸エステル、不飽和環状炭酸エステルおよび多ニトリル鎖状化合物を含む電解液とを備えたものである。
ガスクロマトグラフィー-質量分析法(Gas chromatography-mass spectrometry(GC/MS))を用いて電解液を質量分析すると、電解液中における硫黄含有環状化合物、フッ素化環状炭酸エステル、不飽和環状炭酸エステルおよび多ニトリル鎖状化合物のそれぞれの含有量は、多ニトリル鎖状化合物の含有量>フッ素化環状炭酸エステルの含有量>硫黄含有環状化合物の含有量>不飽和環状炭酸エステルの含有量という関係を満たすと共に、その硫黄含有環状化合物の含有量とフッ素化環状炭酸エステルの含有量と不飽和環状炭酸エステルの含有量と多ニトリル鎖状化合物の含有量との総和は、5.0重量%以上11.0重量%以下である。
X線光電子分光法(X-ray photoelectron spectroscopy(XPS))を用いて表面から20nmの深さまでの範囲において被膜を元素分析すると、炭素の元素濃度は80原子%以上94原子%以下である。
上記した「有機物を含む被膜が負極活物質層の表面に形成された負極」とは、二次電池が組み立て後において既に1サイクル以上充放電されていること、すなわち組み立て後の二次電池に対して後述する安定化処理が既に施されていることを意味している。この安定化処理は、有機物を含む被膜を負極活物質層の表面に形成するための充放電処理である。なお、安定化処理の詳細に関しては、後述する。
「硫黄含有環状化合物」とは、1個または2個以上の硫黄を構成元素として含む環状の化合物の総称である。「フッ素化環状炭酸エステル」とは、1個または2個以上のフッ素を構成元素として含む環状炭酸エステルの総称である。「不飽和環状炭酸エステル」とは、1個または2個以上の不飽和結合(炭素間二重結合)を含む環状炭酸エステルの総称である。「多ニトリル鎖状化合物」とは、2個以上のシアノ基を含む鎖状化合物の総称である。なお、硫黄含有環状化合物、フッ素化環状炭酸エステル、不飽和環状炭酸エステルおよび多ニトリル鎖状化合物のそれぞれの詳細に関しては、後述する。
本技術の一実施形態の二次電池によれば、電解液が硫黄含有環状化合物、フッ素化環状炭酸エステル、不飽和環状炭酸エステルおよび多ニトリル鎖状化合物を含んでおり、有機物を含む被膜が負極活物質層の表面に形成されていると共に、GC/MSを用いた電解液の質量分析およびXPSを用いた被膜の元素分析に関する一連の条件が満たされているので、優れた電気抵抗特性を得ることができる。
なお、本技術の効果は、必ずしもここで説明された効果に限定されるわけではなく、後述する本技術に関連する一連の効果のうちのいずれの効果でもよい。
本技術の一実施形態における二次電池の構成を表す斜視図である。 図1に示した電池素子の構成を表す断面図である。 二次電池の適用例の構成を表すブロック図である。
以下、本技術の一実施形態に関して、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、説明する順序は、下記の通りである。

1.二次電池
1-1.構成
1-2.物性
1-3.動作
1-4.製造方法
1-5.作用および効果
2.変形例
3.二次電池の用途
<1.二次電池>
まず、本技術の一実施形態の二次電池に関して説明する。
ここで説明する二次電池は、電極反応物質の吸蔵放出を利用して電池容量が得られる二次電池であり、正極および負極と共に、液状の電解質である電解液を備えている。この二次電池では、充電途中において負極の表面に電極反応物質が析出することを防止するために、その負極の充電容量は、正極の放電容量よりも大きくなっている。すなわち、負極の単位面積当たりの電気化学容量は、正極の単位面積当たりの電気化学容量よりも大きくなるように設定されている。
電極反応物質の種類は、特に限定されないが、具体的には、アルカリ金属およびアルカリ土類金属などの軽金属である。アルカリ金属の具体例は、リチウム、ナトリウムおよびカリウムなどであると共に、アルカリ土類金属の具体例は、ベリリウム、マグネシウムおよびカルシウムなどである。
以下では、電極反応物質がリチウムである場合を例に挙げる。リチウムの吸蔵放出を利用して電池容量が得られる二次電池は、いわゆるリチウムイオン二次電池である。このリチウムイオン二次電池では、リチウムがイオン状態で吸蔵放出される。
<1-1.構成>
図1は、二次電池の斜視構成を表していると共に、図2は、図1に示した電池素子10の断面構成を表している。ただし、図1では、電池素子10と外装フィルム20とが互いに分離された状態を示していると共に、図2では、電池素子10の一部だけを示している。
この二次電池は、図1に示したように、電池素子10と、外装フィルム20と、正極リード14と、負極リード15とを備えている。ここで説明する二次電池は、電池素子10を収納するための外装部材として、可撓性(または柔軟性)を有する外装部材(外装フィルム20)を用いたラミネートフィルム型の二次電池である。
[外装フィルム]
外装フィルム20は、図1に示したように、1枚のフィルム状の部材であり、矢印R(一点鎖線)の方向に折り畳み可能である。この外装フィルム20は、上記したように、電池素子10を収納しているため、後述する正極11および負極12と共に電解液を収納している。なお、外装フィルム20には、電池素子10を収容するための窪み部20U(いわゆる深絞り部)が設けられている。
具体的には、外装フィルム20は、融着層、金属層および表面保護層が内側からこの順に積層された3層のラミネートフィルムであり、その外装フィルム20が折り畳まれた状態では、互いに対向する融着層のうちの外周縁部同士が互いに融着されている。融着層は、ポリプロピレンなどの高分子化合物を含んでいる。金属層は、アルミニウムなどの金属材料を含んでいる。表面保護層は、ナイロンなどの高分子化合物を含んでいる。
ただし、外装フィルム20の構成(層数)は、特に、限定されないため、1層または2層でもよいし、4層以上でもよい。
外装フィルム20と正極リード14との間には、密着フィルム21が挿入されていると共に、外装フィルム20と負極リード15との間には、密着フィルム22が挿入されている。密着フィルム21,22のそれぞれは、外装フィルム20の内部に外気が侵入することを防止する部材であり、正極リード14および負極リード15のそれぞれに対して密着性を有するポリオレフィンなどの高分子化合物のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。このポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレンおよび変性ポリプロピレンなどである。ただし、密着フィルム21,22のうちの一方または双方は、省略されてもよい。
[電池素子]
電池素子10は、図1および図2に示したように、外装フィルム20の内部に収納されており、正極11、負極12、セパレータ13および電解液(図示せず)を含んでいる。
この電池素子10は、正極11および負極12がセパレータ13を介して互いに積層されると共に、その正極11、負極12およびセパレータ13が巻回軸(Y軸方向に延在する仮想軸)を中心として巻回された構造体(巻回電極体)である。これにより、正極11および負極12は、セパレータ13を介して互いに対向している。
ここでは、電池素子10の立体的形状は、扁平形状である。すなわち、巻回軸と交差する電池素子10の断面(XZ面に沿った断面)の形状は、長軸および短軸により規定される扁平形状であり、より具体的には、扁平な略楕円形である。この長軸は、X軸方向に延在すると共に相対的に大きい長さを有する仮想軸であると共に、短軸は、X軸方向と交差するZ軸方向に延在すると共に相対的に小さい長さを有する仮想軸である。
(正極)
正極11は、図2に示したように、一対の面を有する正極集電体11Aと、その正極集電体11Aの両面に配置された2個の正極活物質層11Bとを含んでいる。ただし、正極活物質層11Bは、正極集電体11Aの片面だけに配置されていてもよい。
正極集電体11Aは、金属材料などの導電性材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでおり、その金属材料は、アルミニウム、ニッケルおよびステンレスなどである。
正極活物質層11Bは、リチウムを吸蔵放出可能である正極活物質のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでおり、さらに、正極結着剤および正極導電剤などを含んでいてもよい。
正極活物質の種類は、特に限定されないが、具体的には、リチウム遷移金属化合物などのリチウム含有化合物である。このリチウム遷移金属化合物は、リチウムと共に1種類または2種類以上の遷移金属元素を構成元素として含む化合物であり、さらに、1種類または2種類以上の他元素を含んでいてもよい。他元素の種類は、特に限定されないが、具体的には、長周期型周期表中の2族~15族に属する元素(ただし、遷移金属元素を除く。)である。リチウム遷移金属化合物の種類は、特に限定されないが、具体的には、酸化物、リン酸化合物、ケイ酸化合物およびホウ酸化合物などである。
酸化物の具体例は、LiNiO2 、LiCoO2 、LiCo0.98Al0.01Mg0.012 、LiNi0.5 Co0.2 Mn0.3 2 、LiNi0.8 Co0.15Al0.052 、LiNi0.33Co0.33Mn0.332 、Li1.2 Mn0.52Co0.175 Ni0.1 2 、Li1.15(Mn0.65Ni0.22Co0.13)O2 およびLiMn2 4 などである。リン酸化合物の具体例は、LiFePO4 、LiMnPO4 、LiFe0.5 Mn0.5 PO4 およびLiFe0.3 Mn0.7 PO4 などである。
正極結着剤は、合成ゴムおよび高分子化合物などのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。合成ゴムは、スチレンブタジエン系ゴム、フッ素系ゴムおよびエチレンプロピレンジエンなどである。高分子化合物は、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミドお
よびカルボキシメチルセルロースなどである。
正極導電剤は、炭素材料などの導電性材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでおり、その炭素材料は、黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラックおよびケッチェンブラックなどである。ただし、導電性材料は、金属材料および高分子化合物などでもよい。
正極活物質層11Bの形成方法は、特に限定されないが、具体的には、塗布法などのうちのいずれか1種類または2種類以上である。
(負極)
負極12は、図2に示したように、一対の面を有する負極集電体12Aと、その負極集電体12Aの両面に配置された2個の負極活物質層12Bおよび2個の被膜12Cとを含んでいる。ただし、負極活物質層12Bおよび被膜12Cは、負極集電体12Aの片面だけに配置されていてもよい。
負極集電体12Aは、金属材料などの導電性材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでおり、その金属材料は、銅、アルミニウム、ニッケルおよびステンレスなどである。
負極活物質層12Bは、リチウムを吸蔵放出可能である負極活物質のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでおり、さらに、負極結着剤および負極導電剤などを含んでいてもよい。負極結着剤に関する詳細は、正極結着剤に関する詳細と同様であると共に、負極導電剤に関する詳細は、正極導電剤に関する詳細と同様である。
負極活物質の種類は、特に限定されないが、具体的には、炭素材料および金属系材料などである。炭素材料は、易黒鉛化性炭素、難黒鉛化性炭素および黒鉛などであり、その黒鉛は、天然黒鉛および人造黒鉛などである。金属系材料は、リチウムと合金を形成可能である金属元素および半金属元素のうちのいずれか1種類または2種類以上を構成元素として含む材料であり、その金属元素および半金属元素は、ケイ素およびスズなどである。ただし、金属系材料は、単体でもよいし、合金でもよいし、化合物でもよいし、それらの2種類以上の混合物でもよい、それらの2種類以上の相を含む材料でもよい。
金属系材料の具体例は、SiB4 、SiB6 、Mg2 Si、Ni2 Si、TiSi2 、MoSi2 、CoSi2 、NiSi2 、CaSi2 、CrSi2 、Cu5 Si、FeSi2 、MnSi2 、NbSi2 、TaSi2 、VSi2 、WSi2 、ZnSi2 、SiC、Si3 4 、Si2 2 O、SiOv (0<v≦2)、LiSiO、SnOw (0<w≦2)、SnSiO3 、LiSnOおよびMg2 Snなどである。ただし、SiOv のvは、0.2<v<1.4を満たしていてもよい。
負極活物質層12Bの形成方法は、特に限定されないが、具体的には、塗布法、気相法、液相法、溶射法および焼成法(焼結法)などのうちのいずれか1種類または2種類以上である。
被膜12Cは、負極活物質層12Bの表面に形成されているため、その負極活物質層12Bの表面を被覆している。ただし、被膜12Cは、負極活物質層12Bの表面のうちの全部を被覆していてもよいし、負極活物質層12Bの表面のうちの一部だけを被覆していてもよい。後者の場合には、互いに離隔された複数の場所において複数の被膜12Cが負極活物質層12Bの表面を被覆していてもよい。
この被膜12Cは、後述するように、二次電池の組み立て後、その二次電池が1サイクル以上充放電されることにより形成された膜である。このため、組み立て後において1サイクル以上充放電された二次電池の負極12では、負極活物質層12Bの表面に被膜12Cが形成されている。
詳細には、「被膜12Cが負極活物質層12Bの表面に形成された負極12」とは、上記したように、二次電池が組み立て後において既に1サイクル以上充放電されていること、すなわち組み立て後の二次電池に対して後述する安定化処理が既に施されていることを意味している。この安定化処理は、有機物を含む被膜12Cを負極活物質層12Bの表面に形成するための充放電処理である。なお、組み立て後の二次電池が1サイクル以上充放電されていれば、環境温度、充放電回数(サイクル数)、充電条件および放電条件などの各種条件は、特に限定されないため、任意に設定可能である。
ここで説明する被膜12Cは、主に、充放電時において形成された分解物および反応物などのうちのいずれか1種類または2種類以上を含む堆積膜であり、その分解物および反応物などは、後述する電解液中に含まれている炭素含有成分のうちのいずれか1種類または2種類以上が分解および反応することにより形成された物質である。この「炭素含有成分」とは、炭素を構成元素として含んでいる電解液の含有成分(化合物)の総称である。このため、被膜12Cは、有機物を含んでおり、すなわち炭素を構成元素として含んでいる。
なお、充放電時には、被膜12Cを形成するために、炭素含有成分同士が互いに反応してもよいし、炭素含有成分が非炭素含有成分と反応してもよいし、双方でもよい。この「非炭素含有成分」とは、炭素を構成元素として含んでいない電解液の含有成分(化合物)の総称である。
有機物を含む被膜12Cが負極活物質層12Bの表面に形成されているかどうかを確認するためには、X線光電子分光法(X-ray Photoelectron Spectroscopy(XPS))を用いて負極12の表面(被膜12C)を元素分析する。この元素分析では、被膜12Cの表面から深さ方向(すなわち厚さ方向)に向かって20nmの深さまでの部分を分析範囲とする。このため、被膜12Cの厚さは、20nmよりも大きいことが好ましく、より具体的には、20nm~80nmである。充放電時においてリチウムの吸蔵放出が被膜12Cにより阻害されずに、その被膜12Cにより負極活物質層12Bの表面が電気化学的に保護されるからである。
このXPSを用いた元素分析の結果、炭素が検出された場合には、負極活物質層12Bの表面に被膜12Cが形成されており、すなわち組み立て後において既に二次電池が1サイクル以上充放電されていることになる。一方、XPSを用いた元素分析の結果、炭素が検出されなかった場合には、負極活物質層12Bの表面に被膜12Cが形成されておらず、すなわち組み立て後において未だ二次電池が充放電されていないことになる
なお、被膜12Cが形成されているかどうかを確認するために市販の二次電池を用いる場合には、その被膜12Cが既に形成されていると考えられる。市販の二次電池をユーザが使用する際に、初めから二次電池が安定に動作できるようにするために、その市販の二次電池では、市場に出荷される前の段階(製造段階)において被膜12Cをあらかじめ形成しておくために1サイクル以上の充放電処理が既に行われていることは一般的だからである。
(セパレータ)
セパレータ13は、図2に示したように、正極11と負極12との間に介在している絶縁性の多孔質膜であり、その正極11と負極12との接触を防止しながらリチウムイオンを通過させる。このセパレータ13は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンおよびポリエチレンなどの高分子化合物のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。
(電解液)
電解液は、溶媒と、電解質塩と、添加剤とを含んでいる。この電解液は、正極11、負極12およびセパレータ13のそれぞれに含浸されている。
(溶媒)
溶媒は、非水溶媒(有機溶剤)のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでおり、その非水溶媒を含んでいる電解液は、いわゆる非水電解液である。この非水溶媒は、エステル類およびエーテル類などであり、より具体的には、炭酸エステル系化合物、カルボン酸エステル系化合物およびラクトン系化合物などである。
炭酸エステル系化合物は、環状炭酸エステルおよび鎖状炭酸エステルなどである。環状炭酸エステルの具体例は、炭酸エチレンおよび炭酸プロピレンなどであると共に、鎖状炭酸エステルの具体例は、炭酸ジメチル、炭酸ジエチルおよび炭酸メチルエチルなどである。カルボン酸エステル系化合物は、鎖状カルボン酸エステルなどである。鎖状カルボン酸エステルの具体例は、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピルおよびトリメチル酢酸エチルなどである。ラクトン系化合物は、ラクトンなどである。ラクトンの具体例は、γ-ブチロラクトンおよびγ-バレロラクトンなどである。ただし、エーテル類は、上記したラクトン系化合物の他、1,2-ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,3-ジオキソランおよび1,4-ジオキサンなどでもよい。
また、非水溶媒は、ハロゲン化炭酸エステル、リン酸エステル、酸無水物、モノニトリル化合物およびイソシアネート化合物などである。電解液の化学的安定性が向上するからである。ただし、後述するフッ素化環状炭酸エステルは、ここで説明するハロゲン化炭酸エステルから除かれると共に、後述する硫黄含有環状化合物は、ここで説明する酸無水物から除かれる。
ハロゲン化炭酸エステルは、フッ素化鎖状炭酸エステルなどである。フッ素化鎖状炭酸エステルの具体例は、炭酸フルオロメチルメチル、炭酸ビス(フルオロメチル)および炭酸ジフルオロメチルメチルなどである。リン酸エステルの具体例は、リン酸トリメチルおよびリン酸トリエチルなどである。酸無水物は、環状ジカルボン酸無水物などである。環状ジカルボン酸無水物の具体例は、無水コハク酸、無水グルタル酸および無水マレイン酸などである。モノニトリル化合物の具体例は、アセトニトリルおよびアクリロニトリルなどである。イソシアネート化合物の具体例は、ヘキサメチレンジイソシアネートなどである。
中でも、溶媒は、鎖状カルボン酸エステルを含んでいることが好ましい。充放電反応を利用して被膜12Cが安定に形成されやすくなるからである。溶媒中における鎖状カルボン酸エステルの含有量は、特に限定されないが、中でも、10重量%~50重量%であることが好ましい。被膜12Cが十分に安定に形成されやすくなるからである。
(電解質塩)
電解質塩は、リチウム塩などの軽金属塩のうちのいずれか1種類または2種類以上である。ただし、後述する蓚酸金属塩は、ここで説明する電解質塩(リチウム塩)から除かれる。
リチウム塩の具体例は、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 )、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4 )、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3 SO3 )、ビス(フルオロスルホニル)イミドリチウム(LiN(FSO2 2 )、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(CF3 SO2 2 )およびリチウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド(LiC(CF3 SO2 3 )などである。
電解質塩の含有量は、特に限定されないが、溶媒に対して0.3mol/kg~3.0mol/kgである。高いイオン伝導性が得られるからである。
(添加剤)
添加剤は、被膜12Cの形成に関与する4種類の化合物(硫黄含有環状化合物、フッ素化環状炭酸エステル、不飽和環状炭酸エステルおよび多ニトリル鎖状化合物)を含んでいる。
(硫黄含有環状化合物)
「硫黄含有環状化合物」とは、上記したように、1個または2個以上の硫黄を構成元素として含む環状化合物の総称である。この硫黄含有環状化合物では、1個または2個以上の側鎖が環に結合されていてもよい。なお、硫黄含有環状化合物の種類は、1種類だけでもよいし、2種類以上でもよい。
ただし、硫黄含有環状化合物は、環を構成する元素として1個または2個以上の硫黄を含んでいる。このため、側鎖は硫黄を構成元素として含んでいるが環は硫黄を構成元素として含んでいない化合物は、ここで説明する硫黄含有環状化合物から除かれる。なお、環が硫黄を構成元素として含んでいれば、側鎖は硫黄を構成元素として含んでいてもよいし、側鎖は硫黄を構成元素として含んでいなくてもよい。
硫黄含有環状化合物の種類は、特に限定されないが、具体的には、環状スルホン酸エステル、環状ジスルホン酸無水物および環状カルボン酸スルホン酸無水物などである。環状スルホン酸エステルの具体例は、プロパンスルトン(1,3-プロパンスルトン)およびプロペンスルトン(1-プロペン1,3-スルトン)などである。環状ジスルホン酸無水物の具体例は、環状エタンジスルホン酸無水物および環状プロパンジスルホン酸無水物などである。環状カルボン酸スルホン酸無水物の具体例は、無水スルホ安息香酸、無水スルホプロピオン酸および無水スルホ酪酸などである。
(フッ素化環状炭酸エステル)
「フッ素化環状炭酸エステル」とは、上記したように、1個または2個以上のフッ素を構成元素として含む環状炭酸エステルの総称である。すなわち、フッ素化環状炭酸エステルは、環状炭酸エステルのうちの1個または2個以上の水素基がフッ素基により置換された化合物である。なお、フッ素化環状炭酸エステルの種類は、1種類だけでもよいし、2種類以上でもよい。
フッ素化環状炭酸エステルの具体例は、モノフルオロ炭酸エチレン(4-フルオロ-1,3-ジオキソラン-2-オン)およびジフルオロ炭酸エチレン(4,5-フルオロ-1,3-ジオキソラン-2-オン)などである。
(不飽和環状炭酸エステル)
「不飽和環状炭酸エステル」とは、上記したように、1個または2個以上の不飽和結合(炭素間二重結合)を含む環状炭酸エステルの総称である。この炭素間二重結合は、環中に含まれていてもよいし、その環に結合された1個または2個以上の側鎖中に含まれていてもよい。なお、不飽和環状炭酸エステルの種類は、1種類だけでもよいし、2種類以上でもよい。
不飽和環状炭酸エステルの具体例は、炭酸ビニレン(1,3-ジオキソール-2-オン)、炭酸ビニルエチレン(4-ビニル-1,3-ジオキソラン-2-オン)および炭酸メチレンエチレン(4-メチレン-1,3-ジオキソラン-2-オン)などである。
(多ニトリル鎖状化合物)
「多ニトリル鎖状化合物」とは、上記したように、2個以上のシアノ基を含む鎖状化合物の総称である。この多ニトリル鎖状化合物は、2個のシアノ基を含んでいてもよいし、3個以上のシアノ基を含んでいてもよい。なお、多ニトリル鎖状化合物の種類は、1種類だけでもよいし、2種類以上でもよい。
多ニトリル鎖状化合物の種類は、特に限定されないが、具体的には、2個のシアノ基を含むジニトリル鎖状化合物および3個のシアノ基を含むトリニトリル鎖状化合物などである。ジニトリル鎖状化合物の具体例は、マロノニトリル、スクシノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリルおよびセバコニトリルなどである。トリニトリル鎖状化合物の具体例は、1,3,6-ヘキサントリカルボニトリルなどである。
ここで、電解液が添加剤として4種類の化合物(硫黄含有環状化合物、フッ素化環状炭酸エステル、不飽和環状炭酸エステルおよび多ニトリル鎖状化合物)を含んでいるのは、後述する3つの物性条件が満たされることにより、二次電池の電気抵抗が増加しにくくなるからである。なお、二次電池の電気抵抗が増加しにくくなる理由の詳細に関しては、後述する。
(添加剤の含有量)
電解液中における硫黄含有環状化合物の含有量は、特に限定されないが、中でも、0.5重量%~1.2重量%であることが好ましい。電解液中におけるフッ素化環状炭酸エステルの含有量は、特に限定されないが、中でも、1.2重量%~4.0重量%であることが好ましい。電解液中における不飽和環状炭酸エステルの含有量は、特に限定されないが、中でも、0.1重量%~0.5重量%であることが好ましい。電解液中における多ニトリル鎖状化合物の含有量は、特に限定されないが、中でも、3.0重量%~7.0重量%であることが好ましい。二次電池の電気抵抗が十分に増加しにくくなるからである。
なお、添加剤が2種類以上の硫黄含有環状化合物を含んでいる場合には、上記した硫黄含有環状化合物の含有量は、各硫黄含有環状化合物の含有量の総和である。このように2種類以上の含有量の総和であることは、フッ素化環状炭酸エステル、不飽和環状炭酸エステルおよび多ニトリル鎖状化合物のそれぞれの含有量に関しても同様である。
また、硫黄含有環状化合物の含有量は、後述するように、完成後の二次電池から電解液を回収したのち、ガスクロマトグラフィー-質量分析法(Gas chromatography-mass spectrometry(GC/MS))を用いて電解液を質量分析することにより測定される。このようにGC/MSを用いた電解液の質量分析により含有量が測定されることは、フッ素化環状炭酸エステル、不飽和環状炭酸エステルおよび多ニトリル鎖状化合物のそれぞれの含有量に関しても同様である。
(環状エーテル化合物)
なお、添加剤は、さらに、環状エーテル化合物のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいてもよい。二次電池の電気抵抗がより増加しにくくなるからである。この「環状エーテル化合物」とは、酸素を構成元素として含む環状化合物の総称であり、その環状エーテル化合物では、1個または2個以上の側鎖が環に結合されていてもよい。ただし、環状エーテル合物は、環を構成する元素として1個または2個以上の酸素を含んでいる。このため、側鎖は酸素を構成元素として含んでいるが環は酸素を構成元素として含んでいない化合物は、ここで説明する環状エーテル化合物から除かれる。
環状エーテル化合物の具体例は、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、1,3-ジオキソラン、4-メチル-1,3-ジオキソラン、テトラヒドロピラン、1,3-ジオキサンおよび1,4-ジオキサンなどである。
電解液中における環状エーテル化合物の含有量は、特に限定されないが、中でも、0.5重量%~1.0重量%であることが好ましい。二次電池の電気抵抗が十分に増加しにくくなるからである。
(蓚酸金属塩)
また、添加剤は、さらに、蓚酸金属塩のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいてもよい。二次電池の電気抵抗がより増加しにくくなるからである。この「蓚酸金属塩」とは、1個または2個以上の蓚酸基(-O-C(=O)-C(=O)-O-)を含む金属塩の総称であり、その蓚酸金属塩は、金属イオンからなる正のイオン(カチオン)と、1個または2個以上の蓚酸基を含む負のイオン(アニオン)とを含んでいる。
カチオンである金属イオンの種類は、特に限定されないが、具体的には、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンおよびアルミニウムイオンなどの軽金属イオンである。アルカリ金属イオンの具体例は、リチウムイオン、ナトリウムイオンおよびカリウムイオンなどである。アルカリ土類金属イオンの具体例は、ベリリウムイオン、マグネシウムイオンおよびカルシウムイオンなどである。
アニオンは、1個または2個以上の蓚酸基が結合される中心原子を含んでいる。この中心原子の種類は、特に限定されないが、ホウ素原子(B)、リン原子(P)およびアルミニウム原子(Al)などである。
蓚酸金属塩の具体例は、ジフルオロオキサラトホウ酸リチウム、ビス(オキサラト)ホウ酸リチウムおよびジフルオロビス(オキサラト)リン酸リチウムなどである。
電解液中における蓚酸金属塩の含有量は、特に限定されないが、中でも、0.1重量%~0.2重量%であることが好ましい。二次電池の電気抵抗が十分に増加しにくくなるからである。
[正極リードおよび負極リード]
正極リード14は、正極11(正極集電体11A)に接続されており、アルミニウムなどの導電性材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。負極リード15は、負極12(負極集電体12A)に接続されており、銅、ニッケルおよびステンレスなどの導電性材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。正極リード14および負極リード15のそれぞれの形状は、薄板状および網目状などのうちのいずれかである。
ここでは、正極リード14および負極リード15のそれぞれは、図1に示したように、外装フィルム20の内部から外部に向かって互いに共通する方向に導出されている。ただし、正極リード14および負極リード15のそれぞれは、互いに異なる方向に導出されていてもよい。
また、ここでは、正極リード14の本数は、1本である。ただし、正極リード14の本数は、特に限定されないため、2本以上でもよい。特に、正極リード14の本数が2本以上であると、二次電池の電気抵抗が低下する。ここで正極リード14の本数に関して説明したことは、負極リード15の本数に関しても同様であるため、その負極リード15の本数は、1本に限らず、2本以上でもよい。
<1-2.物性>
この二次電池では、上記したように、電解液が添加剤として4種類の化合物(硫黄含有環状化合物、フッ素化環状炭酸エステル、不飽和環状炭酸エステルおよび多ニトリル鎖状化合物)を含んでいる場合において、二次電池の電気抵抗が増加しにくくなるようにするために、以下で説明する3つの物性条件が同時に満たされている。
[第1物性条件]
GC/MSを用いて電解液を質量分析することにより、電解液中における硫黄含有環状化合物、フッ素化環状炭酸エステル、不飽和環状炭酸エステルおよび多ニトリル鎖状化合物のそれぞれの含有量を測定する。
この場合において、硫黄含有環状化合物、フッ素化環状炭酸エステル、不飽和環状炭酸エステルおよび多ニトリル鎖状化合物のそれぞれの含有量は、多ニトリル鎖状化合物の含有量>フッ素化環状炭酸エステルの含有量>硫黄含有環状化合物の含有量>不飽和環状炭酸エステルの含有量という関係(大小関係)を満たしている。
すなわち、多ニトリル鎖状化合物の含有量は、フッ素化環状炭酸エステルの含有量よりも大きくなっている。また、フッ素化環状炭酸エステルの含有量は、硫黄含有環状化合物の含有量よりも大きくなっている。さらに、硫黄含有環状化合物の含有量は、不飽和環状炭酸エステルの含有量よりも大きくなっている。
[第2物性条件]
上記したように、GC/MSを用いて硫黄含有環状化合物、フッ素化環状炭酸エステル、不飽和環状炭酸エステルおよび多ニトリル鎖状化合物のそれぞれの含有量を測定した場合において、その硫黄含有環状化合物の含有量とフッ素化環状炭酸エステルの含有量と不飽和環状炭酸エステルの含有量と多ニトリル鎖状化合物の含有量との総和は、5.0重量%~11.0重量%である。
[第3物性条件]
XPSを用いて負極12の表面(被膜12C)を元素分析することにより、炭素の元素濃度(原子%)を特定した場合において、その炭素の元素濃度は、80原子%~94原子%である。ただし、XPSを用いた元素分析では、上記したように、被膜12Cの表面から深さ方向に向かって20nmの深さまでの部分を分析範囲とする。
<1-3.動作>
二次電池の充電時には、正極11からリチウムが放出されると共に、そのリチウムが電解液を介して負極12に吸蔵される。また、二次電池の放電時には、負極12からリチウムが放出されると共に、そのリチウムが電解液を介して正極11に吸蔵される。これらの充放電時には、リチウムがイオン状態で吸蔵放出される。
<1-4.製造方法>
二次電池を製造する場合には、以下で説明する手順により、正極11および負極12を作製すると共に電解液を調製したのち、その正極11、負極12および電解液を用いて二次電池を作製する。
[正極の作製]
最初に、正極活物質と正極結着剤などとが互いに混合された正極合剤を有機溶剤などに投入することにより、ペースト状の正極合剤スラリーを調製したのち、正極集電体11Aの両面に正極合剤スラリーを塗布することにより、正極活物質層11Bを形成する。こののち、ロールプレス機などを用いて正極活物質層11Bを圧縮成型してもよい。この場合には、正極活物質層11Bを加熱してもよいし、圧縮成型を複数回繰り返してもよい。これにより、正極集電体11Aの両面に正極活物質層11Bが形成されるため、正極11が作製される。
[負極の作製]
最初に、負極活物質と負極結着剤などとが互いに混合された負極合剤を有機溶剤などに投入することにより、ペースト状の負極合剤スラリーを調製したのち、負極集電体12Aの両面に負極合剤スラリーを塗布することにより、負極活物質層12Bを形成する。こののち、上記した正極11の作製手順と同様に、ロールプレス機などを用いて負極活物質層12Bを圧縮成型してもよい。続いて、後述するように、二次電池を組み立てたのち、その二次電池の安定化処理(充放電処理)を行う。これにより、有機物を含む被膜12Cが負極活物質層12Bの表面に形成される。よって、負極集電体12Aの両面に負極活物質層12Bおよび被膜12Cが形成されるため、負極12が作製される。
[電解液の調製]
溶媒に電解質塩を投入したのち、その溶媒に添加剤(硫黄含有環状化合物、フッ素化環状炭酸エステル、不飽和環状炭酸エステルおよび多ニトリル鎖状化合物)を添加する。これにより、溶媒中において電解質塩および添加剤のそれぞれが分散または溶解されるため、電解液が調製される。なお、電解液を調製する場合には、溶媒にさらに他の添加剤(環状エーテル化合物および蓚酸金属塩のうちの一方または双方)を添加してもよい。
[二次電池の組み立て]
最初に、溶接法などを用いて正極11(正極集電体11A)に正極リード14を接続させると共に、溶接法などを用いて負極12(負極集電体12A)に負極リード15を接続させる。
続いて、セパレータ13を介して正極11および負極12を互いに積層させたのち、その正極11、負極12およびセパレータ13を巻回させることにより、巻回体を作製する。この巻回体は、正極11、負極12およびセパレータ13のそれぞれに電解液が含浸されていないことを除いて、電池素子10の構成と同様の構成を有している。続いて、プレス機などを用いて巻回体を押圧することにより、扁平形状となるように巻回体を成型する。
続いて、窪み部20Uの内部に巻回体を収容したのち、外装フィルム20を折り畳むことにより、その外装フィルム20同士を互いに対向させる。続いて、熱融着法などを用いて、互いに対向する外装フィルム20(融着層)のうちの2辺の外周縁部同士を互いに融着させることにより、袋状の外装フィルム20の内部に巻回体を収納する。
最後に、袋状の外装フィルム20の内部に電解液を注入したのち、熱融着法などを用いて外装フィルム20(融着層)のうちの残りの1辺の外周縁部同士を互いに融着させる。この場合には、外装フィルム20と正極リード14との間に密着フィルム21を挿入すると共に、外装フィルム20と負極リード15との間に密着フィルム22を挿入する。これにより、巻回体に電解液が含浸されるため、電池素子10が作製される。よって、袋状の外装フィルム20の内部に電池素子10が封入されるため、二次電池が組み立てられる。
[二次電池の安定化]
組み立て後の二次電池を充放電させる。環境温度、充放電回数(サイクル数)、充電条件および放電条件などの各種条件は、任意に設定可能である。これにより、上記したように、有機物を含む被膜12Cが負極活物質層12Bの表面に形成されるため、二次電池の状態が電気化学的に安定化する。よって、外装フィルム20を用いた二次電池、すなわちラミネートフィルム型の二次電池が完成する。
<1-5.作用および効果>
この二次電池によれば、電解液が添加剤(硫黄含有環状化合物、フッ素化環状炭酸エステル、不飽和環状炭酸エステルおよび多ニトリル鎖状化合物)を含んでおり、負極12において有機物を含む被膜12Cが負極活物質層12Bの表面に形成されていると共に、GC/MSを用いた電解液の質量分析およびXPSを用いた被膜12Cの元素分析に関して上記した3つの物性条件が同時に満たされている。よって、以下で説明する理由により、優れた電気抵抗特性を得ることができる。
電解液の溶媒が炭酸エステル系化合物などを含んでいる場合には、電解質塩の解離性およびイオンの移動度などが向上するため、優れたサイクル特性などが得られる反面、充放電が繰り返されると溶媒の分解反応が進行するため、電気抵抗が増加してしまう。なぜなら、溶媒の分解反応に起因して負極12などの表面に形成される被膜は、高い電気抵抗を有しているため、その分解反応の進行に応じて被膜が形成され続けると、その被膜の存在に起因して負極12などの電気抵抗が増加するからである。
この溶媒の分解反応に起因した電気抵抗の増加を抑制するためには、電解液の量を増加させることが考えられる。しかしながら、単に電解液の量を増加させるだけでは、二次電池の内部に過剰量の電解液が存在することになるため、その二次電池の外観などが損なわれるだけでなく、エネルギー密度も減少してしまう。
そこで、電解液の量を増加させる代わりに、溶媒よりも優先的に分解しやすい性質を有する添加剤を電解液に添加することが考えられる。この添加剤は、二次電池の安定化処理(充放電処理)時において有機物を含む被膜を負極12の表面に形成するために消費されると、その後も電解液中に残留するため、充放電が繰り返されると、負極12の表面に被膜を継続的に形成するために消費される。これにより、充放電が繰り返されても溶媒の分解反応が抑制されるため、電気抵抗が増加しにくくなる。
この場合には、特に、互いに異なる2種類以上の添加剤を併用すると、溶媒の分解反応が継続的に抑制されやすくなる。なぜなら、添加剤の分解性(分解しやすさ)は、その添加剤の種類に応じて異なるため、互いに異なる分解性を有する2種類以上の添加剤を併用することにより、各添加剤の分解反応が開始してから完了までに要する期間を互いにずらすことができるからである。これにより、全部の添加剤が完全に分解しきる時期、すなわち分解反応に起因して添加剤が枯渇する時期は遅くなるため、溶媒が分解し始める時期も遅くなる。よって、二次電池において電気抵抗が増加し始める時期は遅くなるため、その電気抵抗の増加を抑制することができるという利点が得られる。
しかしながら、上記した利点を得るためには、単に2種類以上の添加剤を併用するだけでは足りず、実際には、各添加剤の分解性(例えば、分解速度など)を的確に把握した上で、2種類以上の添加剤の組み合わせに応じて、それらの添加剤の含有量(各添加剤の含有量およびそれらの含有量の総和)を適正化する必要がある。なぜなら、2種類以上の添加剤を併用しても、各添加剤の含有量およびそれらの含有量の総和が適正化されていないと、各添加剤の分解反応が開始または完了する時期を互いに適正にずらすことができないと共に、場合によっては各添加剤の分解反応がほぼ同時に完了してしまうからである。特に、充放電が繰り返された際に、初期の充放電時において全部の添加剤の分解反応が完了すると、その初期の充放電時から溶媒が分解し始めるため、そもそも2種類以上の添加剤を併用する意義がなくなってしまう。
これらの技術的背景を踏まえた上で、本実施形態の二次電池では、上記したように、電解液が添加剤として4種類の化合物(硫黄含有環状化合物、フッ素化環状炭酸エステル、不飽和環状炭酸エステルおよび多ニトリル鎖状化合物)を含んでいる場合において、分析結果(GC/MSおよびXPS)に関する3つの物性条件が同時に満たされることにより、有機物を含む被膜12Cが負極活物質層12Bの表面に形成されている。
この場合には、互いに分解性が異なる4種類の化合物が添加剤として用いられると共に、各添加剤の含有量(各添加剤の含有量間の大小関係)およびそれらの含有量の総和が適正化される。これにより、各添加剤の分解反応が開始または完了する時期は互いに適正にずれるように設定されるため、溶媒が分解し始める時期は十分に遅くなる。すなわち、溶媒の分解反応に起因して電気抵抗が増加し始める時期は十分に遅くなるため、その電気抵抗の増加は効果的に抑制される。よって、電気抵抗が増加しにくくなるため、優れた電気抵抗特性を得ることができる。
特に、硫黄含有環状化合物の含有量が0.5重量%~1.2重量%、フッ素化環状炭酸エステルの含有量が1.2重量%~4.0重量%、不飽和環状炭酸エステルの含有量が0.1重量%~0.5重量%、多ニトリル鎖状化合物の含有量が3.0重量%~7.0重量%であれば、上記した3つの物性条件が同時に満たされやすくなる。よって、二次電池の電気抵抗が十分に増加しにくくなるため、より高い効果を得ることができる。
また、電解液がさらに添加剤として環状エーテル化合物を含んでおり、その電解液中における環状エーテル化合物の含有量が0.5重量%~1.0重量%であれば、二次電池の電気抵抗がより増加しにくくなるため、より高い効果を得ることができる。
また、電解液がさらに添加剤として蓚酸金属塩を含んでおり、その電解液中における蓚酸金属塩の含有量が0.1重量%~0.2重量%であれば、二次電池の電気抵抗がより増加しにくくなるため、より高い効果を得ることができる。
また、電解液の溶媒が鎖状カルボン酸エステルを含んでおり、その溶媒中における鎖状カルボン酸エステルの含有量が10重量%~50重量%であれば、被膜12Cが十分に安定に形成されやすくなるため、より高い効果を得ることができる。
また、二次電池がリチウムイオン二次電池であれば、リチウムの吸蔵放出を利用して十分な電池容量が安定に得られるため、より高い効果を得ることができる。
<2.変形例>
次に、二次電池の変形例に関して説明する。上記した二次電池の構成は、以下で説明するように、適宜、変更可能である。ただし、以下で説明する一連の変形例は、互いに組み合わされてもよい。
[変形例1]
多孔質膜であるセパレータ13を用いた。しかしながら、ここでは具体的に図示しないが、多孔質膜であるセパレータ13の代わりに、高分子化合物層を含む積層型のセパレータを用いてもよい。
具体的には、積層型のセパレータは、一対の面を有する多孔質膜と、その多孔質膜の片面または両面に配置された高分子化合物層とを含んでいる。正極11および負極12のそれぞれに対するセパレータの密着性が向上するため、電池素子10の位置ずれが発生しにくくなるからである。これにより、電解液の分解反応などが発生しても、二次電池が膨れにくくなる。高分子化合物層は、物理的強度に優れていると共に電気化学的に安定であるポリフッ化ビニリデンなどの高分子化合物を含んでいる。
なお、多孔質膜および高分子化合物層のうちの一方または双方は、複数の絶縁性粒子のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいてもよい。二次電池の発熱時において複数の絶縁性粒子が放熱するため、その二次電池の安全性(耐熱性)が向上するからである。絶縁性粒子は、無機粒子および樹脂粒子などである。無機粒子の具体例は、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、ベーマイト、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化マグネシウムおよび酸化ジルコニウムなどの粒子である。樹脂粒子の具体例は、アクリル樹脂およびスチレン樹脂などの粒子である。
積層型のセパレータを作製する場合には、高分子化合物および有機溶剤などを含む前駆溶液を調製したのち、多孔質膜の片面または両面に前駆溶液を塗布する。この場合には、必要に応じて前駆溶液に複数の絶縁性粒子を添加してもよい。
この積層型のセパレータを用いた場合においても、正極11と負極12との間においてリチウムイオンが移動可能になるため、同様の効果を得ることができる。
[変形例2]
液状の電解質である電解液を用いた。しかしながら、ここでは具体的に図示しないが、電解液の代わりに、ゲル状の電解質である電解質層を用いてもよい。
電解質層を用いた電池素子10では、セパレータ13および電解質層を介して正極11および負極12が互いに積層されたのち、その正極11、負極12、セパレータ13および電解質層が巻回されている。この電解質層は、正極11とセパレータ13との間に介在していると共に、負極12とセパレータ13との間に介在している。
具体的には、電解質層は、電解液と共に高分子化合物を含んでおり、その電解質層中では、電解液が高分子化合物により保持されている。漏液が防止されるからである。電解液の構成は、上記した通りである。高分子化合物は、ポリフッ化ビニリデンなどを含んでいる。電解質層を形成する場合には、電解液、高分子化合物および有機溶剤などを含む前駆溶液を調製したのち、正極11および負極12のそれぞれの片面または両面に前駆溶液を塗布する。
この電解質層を用いた場合においても、正極11と負極12との間において電解質層を介してリチウムイオンが移動可能になるため、同様の効果を得ることができる。
<3.二次電池の用途>
次に、上記した二次電池の用途(適用例)に関して説明する。
二次電池の用途は、主に、駆動用の電源または電力蓄積用の電力貯蔵源などとして二次電池を利用可能である機械、機器、器具、装置およびシステム(複数の機器などの集合体)などであれば、特に限定されない。電源として用いられる二次電池は、主電源でもよいし、補助電源でもよい。主電源とは、他の電源の有無に関係なく、優先的に用いられる電源である。補助電源は、主電源の代わりに用いられる電源でもよいし、必要に応じて主電源から切り替えられる電源でもよい。二次電池を補助電源として用いる場合には、主電源の種類は二次電池に限られない。
二次電池の用途の具体例は、以下の通りである。ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、携帯電話機、ノート型パソコン、コードレス電話機、ヘッドホンステレオ、携帯用ラジオ、携帯用テレビおよび携帯用情報端末などの電子機器(携帯用電子機器を含む。)である。電気シェーバなどの携帯用生活器具である。バックアップ電源およびメモリーカードなどの記憶用装置である。電動ドリルおよび電動鋸などの電動工具である。着脱可能な電源としてノート型パソコンなどに搭載される電池パックである。ペースメーカおよび補聴器などの医療用電子機器である。電気自動車(ハイブリッド自動車を含む。)などの電動車両である。非常時などに備えて電力を蓄積しておく家庭用バッテリシステムなどの電力貯蔵システムである。なお、二次電池の電池構造は、上記したラミネートフィルム型および円筒型でもよいし、それら以外の他の電池構造でもよい。また、電池パックおよび電池モジュールなどとして、複数の二次電池が用いられてもよい。
中でも、電池パックおよび電池モジュールは、電動車両、電力貯蔵システムおよび電動工具などの比較的大型の機器などに適用されることが有効である。電池パックは、後述するように、単電池を用いてもよいし、組電池を用いてもよい。電動車両は、二次電池を駆動用電源として作動(走行)する車両であり、上記したように、二次電池以外の駆動源を併せて備えた自動車(ハイブリッド自動車など)でもよい。電力貯蔵システムは、二次電池を電力貯蔵源として用いるシステムである。家庭用の電力貯蔵システムでは、電力貯蔵源である二次電池に電力が蓄積されているため、その電力を利用して家庭用の電気製品などを使用可能である。
ここで、二次電池の適用例の一例に関して具体的に説明する。以下で説明する適用例の構成は、あくまで一例であるため、適宜、変更可能である。
図3は、電池パックのブロック構成を表している。ここで説明する電池パックは、1個の二次電池を用いた簡易型の電池パック(いわゆるソフトパック)であり、スマートフォンに代表される電子機器などに搭載される。
この電池パックは、図3に示したように、電源41と、回路基板42とを備えている。この回路基板42は、電源41に接続されていると共に、正極端子43、負極端子44および温度検出端子45を含んでいる。ここで説明する温度検出端子45は、いわゆるT端子である。
電源41は、1個の二次電池を含んでいる。この二次電池では、正極リードが正極端子43に接続されていると共に、負極リードが負極端子44に接続されている。この電源41は、正極端子43および負極端子44を介して外部と接続可能であるため、その正極端子43および負極端子44を介して充放電可能である。回路基板42は、制御部46と、スイッチ47と、熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient(PTC)素子)48と、温度検出部49とを含んでいる。ただし、PTC素子48は省略されてもよい。
制御部46は、中央演算処理装置(CPU:Central Processing Unit )およびメモリなどを含んでおり、電池パック全体の動作を制御する。この制御部46は、必要に応じて電源41の使用状態の検出および制御を行う。
なお、制御部46は、電源41(二次電池)の電池電圧が過充電検出電圧または過放電検出電圧に到達すると、スイッチ47を切断することにより、電源41の電流経路に充電電流が流れないようにする。また、制御部46は、充電時または放電時において大電流が流れると、スイッチ47を切断することにより、充電電流を遮断する。過充電検出電圧および過放電検出電圧は、特に限定されない。一例を挙げると、過充電検出電圧は、4.2V±0.05Vであると共に、過放電検出電圧は、2.4V±0.1Vである。
スイッチ47は、充電制御スイッチ、放電制御スイッチ、充電用ダイオードおよび放電用ダイオードなどを含んでおり、制御部46の指示に応じて電源41と外部機器との接続の有無を切り換える。このスイッチ47は、金属酸化物半導体を用いた電界効果トランジスタ(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor (MOSFET))などを含んでおり、充放電電流は、スイッチ47のON抵抗に基づいて検出される。
温度検出部49は、サーミスタなどの温度検出素子を含んでおり、温度検出端子45を用いて電源41の温度を測定すると共に、その温度の測定結果を制御部46に出力する。温度検出部49により測定される温度の測定結果は、異常発熱時において制御部46が充放電制御を行う場合および残容量の算出時において制御部46が補正処理を行う場合などに用いられる。
本技術の実施例に関して説明する。
(実験例1~44)
以下で説明するように、図1および図2に示したラミネートフィルム型の二次電池(リチウムイオン二次電池)を作製したのち、その二次電池の電気抵抗特性を評価した。
[二次電池の作製]
以下の手順により、二次電池を作製した。
(正極の作製)
最初に、正極活物質(LiCoO2 )91質量部と、正極結着剤(ポリフッ化ビニリデン)3質量部と、正極導電剤(黒鉛)6質量部とを混合することにより、正極合剤とした。続いて、有機溶剤(N-メチル-2-ピロリドン)に正極合剤を投入したのち、その有機溶剤を撹拌することにより、ペースト状の正極合剤スラリーを調製した。続いて、コーティング装置を用いて正極集電体11A(厚さ=12μmである帯状のアルミニウム箔)の両面に正極合剤スラリーを塗布したのち、その正極合剤スラリーを乾燥させることにより、正極活物質層11Bを形成した。最後に、ロールプレス機を用いて正極活物質層11Bを圧縮成型した。これにより、正極集電体11Aの両面に正極活物質層11Bが形成されたため、正極11が作製された。
(負極の作製)
最初に、負極活物質(人造黒鉛)93質量部と、負極結着剤(ポリフッ化ビニリデン)7質量部とを混合することにより、負極合剤とした。続いて、有機溶剤(N-メチル-2-ピロリドン)に負極合剤を投入したのち、その有機溶剤を撹拌することにより、ペースト状の負極合剤スラリーを調製した。続いて、コーティング装置を用いて負極集電体12A(厚さ=15μmである帯状の銅箔)の両面に負極合剤スラリーを塗布したのち、その負極合剤スラリーを乾燥させることにより、負極活物質層12Bを形成した。続いて、ロールプレス機を用いて負極活物質層12Bを圧縮成型した。最後に、後述する二次電池の安定化処理を行うことにより、有機物を含む被膜12Cを負極活物質層12Bの表面に形成した。これにより、負極集電体12Aの両面に負極活物質層12Bおよび被膜12Cが形成されたため、負極12が作製された。
(電解液の調製)
最初に、溶媒に電解質塩(六フッ化リン酸リチウム)を加えたのち、その溶媒を撹拌した。溶媒としては、環状炭酸エステルである炭酸エチレン(EC)および炭酸プロピレン(PC)と、鎖状炭酸エステルである炭酸ジエチル(DEC)と、鎖状カルボン酸エステルであるプロピオン酸プロピル(PrPr)とを用いた。溶媒の混合比(体積比)は、EC:PC:DEC:PrPr=10:5:15:25とした。電解質塩の含有量は、溶媒に対して1mol/kgとした。
最後に、溶媒に添加剤(硫黄含有環状化合物、フッ素化環状炭酸エステル、不飽和環状炭酸エステルおよび多ニトリル鎖状化合物)を加えたのち、その溶媒を撹拌した。これにより、溶媒中において電解質塩および添加剤のそれぞれが分散または溶解されたため、電解液が調製された。
硫黄含有環状化合物としては、環状スルホン酸エステルであるプロパンスルトン(PS)と、環状ジスルホン酸無水物である環状プロパンジスルホン酸無水物(PSAH)とを用いた。なお、環状スルホン酸エステルと環状ジスルホン酸無水物とを併用する場合には、混合比(重量比)を1:1とした。
フッ素化環状炭酸エステルとしては、モノフルオロ炭酸エチレン(FEC)と、ジフルオロ炭酸エチレン(DFEC)とを用いた。
不飽和環状炭酸エステルとしては、炭酸ビニレン(VC)と、炭酸ビニルエチレン(VEC)とを用いた。
多ニトリル鎖状化合物としては、ジニトリル鎖状化合物であるスクシノニトリル(SN)およびアジポニトリル(ADN)と、トリニトリル鎖状化合物である1,3,6-ヘキサントリカルボニトリル(HTN)とを用いた。なお、ジニトリル鎖状化合物とトリニトリル鎖状化合物とを併用する場合には、混合比(重量比)を1:1とした。
(二次電池の組み立て)
最初に、正極集電体11Aにアルミニウム製の正極リード14を溶接したと共に、負極集電体12Aに銅製の負極リード15を溶接した。続いて、セパレータ13(厚さ=15μmである微多孔性ポリエチレンフィルム)を介して正極11および負極12を互いに積層させたのち、その正極11、負極12およびセパレータ13を巻回させることにより、巻回体を作製した。
続いて、窪み部20Uに収容された巻回体を挟むように外装フィルム20を折り畳んだのち、その外装フィルム20のうちの2辺の外周縁部同士を互いに熱融着することにより、袋状の外装フィルム20の内部に巻回体を収納した。この外装フィルム20としては、融着層(厚さ=30μmであるポリプロピレンフィルム)と、金属層(厚さ=40μmであるアルミニウム箔)と、表面保護層(厚さ=25μmであるナイロンフィルム)とが内側からこの順に積層されたアルミラミネートフィルムを用いた。
続いて、袋状の外装フィルム20の内部に電解液を注入したのち、減圧環境中において外装フィルム20のうちの残りの1辺の外周縁部同士を熱融着した。この場合には、外装フィルム20と正極リード14との間に密着フィルム21(厚さ=5μmであるポリプロピレンフィルム)を挿入したと共に、外装フィルム20と負極リード15との間に密着フィルム22(厚さ=5μmであるポリプロピレンフィルム)を挿入した。これにより、巻回体に電解液が含浸されたため、電池素子10が作製された。よって、外装フィルム20の内部に電池素子10が封入されたため、二次電池が組み立てられた。
(二次電池の安定化)
恒温槽(温度=70℃)中において二次電池を1サイクル充放電させた。充電時には、0.1Cの電流において電圧が4.2Vに到達するまで定電流充電したのち、その4.2Vの電圧において電流が0.05Cに到達するまで定電圧充電した。放電時には、0.1Cの電流で電圧が2.5Vに到達するまで定電流放電した。0.1Cとは、電池容量(理論容量)を10時間で放電しきる電流値であると共に、0.05Cとは、上記した電池容量を20時間で放電しきる電流値である。これにより、上記したように、有機物を含む被膜12Cが負極活物質層12Bの表面に形成されため、ラミネートフィルム型の二次電池が完成した。
完成後の二次電池から電解液を回収したのち、GC/MSを用いて電解液を質量分析した。これにより、表1~表3に示したように、電解液中における硫黄含有環状化合物、フッ素化環状炭酸エステル、不飽和環状炭酸エステルおよび多ニトリル鎖状化合物のそれぞれの含有量(重量%)が測定された。
なお、表1~表3のそれぞれの「総和(重量%)」の欄には、硫黄含有環状化合物の含有量とフッ素化環状炭酸エステルの含有量と不飽和環状炭酸エステルの含有量と多ニトリル鎖状化合物の含有量との総和を示している。
表1~表3のそれぞれの「大小関係」の欄には、硫黄含有環状化合物の含有量>フッ素化環状炭酸エステルの含有量>不飽和環状炭酸エステルの含有量>多ニトリル鎖状化合物の含有量という関係(大小関係)が成立しているか否かを表している。具体的には、「成立」は、上記した大小関係が成立していることを示していると共に、「不成立」は、上記した大小関係が成立していないことを示している。
また、完成後の二次電池から負極12を回収したのち、XPSを用いて被膜12Cを元素分析した。これにより、表1~表3に示したように、炭素の元素濃度(原子%)が測定された。
[電気抵抗特性の評価]
二次電池の電気抵抗特性を評価したところ、表1~表3に示した結果が得られた。
電気抵抗特性を調べる場合には、最初に、常温環境中(温度=23℃)において、バッテリテスタを用いて二次電池の電気抵抗(初期抵抗(mΩ))を測定した。続いて、高温環境中(温度=45℃)において二次電池を400サイクル充放電させたのち、バッテリテスタを用いて二次電池の電気抵抗(高温サイクル後抵抗(mΩ))を再び測定した。充放電条件は、上記した二次電池の安定化処理の充放電条件と同様にした。最後に、抵抗増加率(%)=[(高温サイクル後抵抗-初期抵抗)/初期抵抗]×100を算出した。なお、表1~表3のそれぞれには、抵抗増加率と共に初期抵抗を示している。
Figure 0007380841000001
Figure 0007380841000002
Figure 0007380841000003
[考察]
表1~表3に示したように、電解液が添加剤(硫黄含有環状化合物、フッ素化環状炭酸エステル、不飽和環状炭酸エステルおよび多ニトリル鎖状化合物)を含んでいると共に有機物を含む被膜12Cが負極活物質層12Bの表面に形成されている二次電池の電気抵抗特性は、GC/MSを用いた電解液の質量分析結果およびXPSを用いた被膜12Cの元素分析結果に応じて大きく変動した。
具体的には、下記の3つの物性条件が同時に満たされている場合(実験例1~17)には、その3つの物性条件が同時に満たされていない場合(実験例18~44)と比較して、抵抗増加率が大幅に減少した。
・第1物性条件
多ニトリル鎖状化合物の含有量>フッ素化環状炭酸エステルの含有量>硫黄含有環状化合物の含有量>不飽和環状炭酸エステルの含有量という大小関係が満たされている。
・第2物性条件
硫黄含有環状化合物の含有量とフッ素化環状炭酸エステルの含有量と不飽和環状炭酸エステルの含有量とジニトリル鎖状化合物の含有量との総和は、5.0重量%~11.0重量%である。
・第3物性条件
炭素の元素濃度は、80原子%~94原子%である。
特に、3つの物性条件が同時に満たされている場合には、硫黄含有環状化合物の含有量が0.5重量%~1.2重量%、フッ素化環状炭酸エステルの含有量が1.2重量%~4.0重量%、不飽和環状炭酸エステルの含有量が0.1重量%~0.5重量%、多ニトリル鎖状化合物の含有量が3.0重量%~7.0重量%であると、抵抗増加率が十分に減少した。
(実験例45~55)
表4に示したように、溶媒の組成を変更したと共に電解液にさらに他の添加剤(環状エーテル化合物および蓚酸金属塩)を含有させたことを除いて同様の手順により、二次電池を作製したと共に電気抵抗特性を評価した。
溶媒の組成を変更する場合には、表4に示したように、溶媒中における鎖状カルボン酸エステル(PrPr)の含有量(重量%)を変更したと共に、その鎖状カルボン酸エステルとして新たにプロピオン酸エチル(PrEt)を用いた。なお、鎖状カルボン酸エステルの含有量を変更する場合には、鎖状炭酸エステルの含有量と鎖状カルボン酸エステルの含有量との和が一定となるように、その鎖状カルボン酸エステルの含有量の増減に応じて鎖状炭酸エステルの含有量を増減させた。
環状エーテル化合物としては、1,4-ジオキサン(DOX)を用いたと共に、蓚酸金属塩としては、ジフルオロオキサラトホウ酸リチウム(LiFOB)を用いた。電解液中における環状エーテル化合物および蓚酸金属塩のそれぞれの含有量(重量%)は、表4に示した通りである。
Figure 0007380841000004
表4に示したように、溶媒の組成を変更したと共に電解液にさらに他の添加剤を含有させても、3つの物性条件が同時に満たされている場合(実験例45~55)には、抵抗増加率が大幅に減少した。
特に、電解液がさらに環状エーテル化合物を含んでおり、その電解液中における環状エーテル化合物の含有量が0.5重量%~1.0重量%である場合には、抵抗増加率がより減少したと共に、場合によっては初期抵抗も低下した。また、電解液がさらに蓚酸金属塩を含んでおり、その電解液中における蓚酸金属塩の含有量が0.1重量%~0.2重量%である場合には、抵抗増加率が十分に減少しながら、初期抵抗がより低下した。
この他、電解液の溶媒が鎖状カルボン酸エステルを含んでいる場合には、その溶媒中における鎖状カルボン酸エステルの含有量が10重量%~50重量%であると、初期抵抗が十分に低下しながら、抵抗増加率も十分に減少した。
[まとめ]
表1~表4に示した結果から、電解液が硫黄含有環状化合物、フッ素化環状炭酸エステル、不飽和環状炭酸エステルおよび他ニトリル鎖状化合物を含んでいると共に、有機物を含む被膜12Cが負極活物質層12Bの表面に形成されている二次電池において、GC/MSを用いた電解液の質量分析およびXPSを用いた被膜12Cの元素分析に関して上記した3つの物性条件が同時に満たされていると、抵抗増加率が大幅に減少した。よって、二次電池において優れた電気抵抗特性が得られた。
以上、一実施形態および実施例を挙げながら本技術に関して説明したが、その本技術の構成は、一実施形態および実施例において説明された構成に限定されないため、種々に変形可能である。
二次電池の電池構造がラミネートフィルム型である場合に関して説明したが、その電池構造は、特に限定されない。具体的には、電池構造は、円筒型、角型、コイン型およびボタン型などでもよい。
また、電池素子の素子構造が巻回型である場合に関して説明したが、その素子構造は、特に限定されない。具体的には、素子構造は、電極(正極および負極)が積層された積層型および電極(正極および負極)がジグザグに折り畳まれた九十九折り型などでもよい。
さらに、電極反応物質がリチウムである場合に関して説明したが、その電極反応物質は、特に限定されない。具体的には、電極反応物質は、上記したように、ナトリウムおよびカリウムなどの他のアルカリ金属でもよいし、ベリリウム、マグネシウムおよびカルシウムなどのアルカリ土類金属でもよい。この他、電極反応物質は、アルミニウムなどの他の軽金属でもよい。
本明細書中に記載された効果は、あくまで例示であるため、本技術の効果は、本明細書中に記載された効果に限定されない。よって、本技術に関して、他の効果が得られてもよい。

Claims (6)

  1. 正極と、
    有機物を含む被膜が負極活物質層の表面に形成された負極と、
    硫黄含有環状化合物、フッ素化環状炭酸エステル、不飽和環状炭酸エステルおよび多ニトリル鎖状化合物を含む電解液と
    を備え、
    ガスクロマトグラフィー-質量分析法(Gas chromatography-mass spectrometry(GC/MS))を用いて前記電解液を質量分析すると、
    前記電解液中における前記硫黄含有環状化合物、前記フッ素化環状炭酸エステル、前記不飽和環状炭酸エステルおよび前記多ニトリル鎖状化合物のそれぞれの含有量は、前記多ニトリル鎖状化合物の含有量>前記フッ素化環状炭酸エステルの含有量>前記硫黄含有環状化合物の含有量>前記不飽和環状炭酸エステルの含有量という関係を満たすと共に、
    前記硫黄含有環状化合物の含有量と、前記フッ素化環状炭酸エステルの含有量と、前記不飽和環状炭酸エステルの含有量と、前記多ニトリル鎖状化合物の含有量との総和は、5.0重量%以上11.0重量%以下であり、
    X線光電子分光法(X-ray photoelectron spectroscopy(XPS))を用いて表面から20nmの深さまでの範囲において前記被膜を元素分析すると、
    炭素の元素濃度は、80原子%以上94原子%以下である、
    二次電池。
  2. 前記硫黄含有環状化合物の含有量は、0.5重量%以上1.2重量%以下であり、
    前記フッ素化環状炭酸エステルの含有量は、1.2重量%以上4.0重量%以下であり、
    前記不飽和環状炭酸エステルの含有量は、0.1重量%以上0.5重量%以下であり、
    前記多ニトリル鎖状化合物の含有量は、3.0重量%以上7.0重量%以下である、
    請求項1記載の二次電池。
  3. 前記電解液は、さらに、環状エーテル化合物を含み、
    前記電解液中における前記環状エーテル化合物の含有量は、0.5重量%以上1.0重量%以下である、
    請求項1または請求項2に記載の二次電池。
  4. 前記電解液は、さらに、蓚酸金属塩を含み、
    前記電解液中における前記蓚酸金属塩の含有量は、0.1重量%以上0.2重量%以下である、
    請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の二次電池。
  5. 前記電解液は、溶媒および電解質塩を含み、
    前記溶媒は、鎖状カルボン酸エステルを含み、
    前記溶媒中における前記鎖状カルボン酸エステルの含有量は、10重量%以上50重量%以下である、
    請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の二次電池。
  6. リチウムイオン二次電池である、
    請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の二次電池。
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