JP7392733B2 - 二次電池用正極および二次電池 - Google Patents

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Description

本技術は、二次電池用正極および二次電池に関する。
携帯電話機などの多様な電子機器が普及しているため、小型かつ軽量であると共に高エネルギー密度を得ることが可能である電源として、二次電池の開発が進められている。この二次電池は、正極および負極と共に電解液を備えており、その二次電池の構成に関しては、様々な検討がなされている。
具体的には、塗布法を用いて正極の正極活物質層を形成する際に、塗布用の溶液(スラリー)を調製するための溶媒として有機溶剤(N-メチル-2-ピロリドン)が用いられており、二次電池の耐久性などを改善するために、正極活物質層中における有機溶剤の含有量が規定されている(例えば、特許文献1~6参照。)。
特開2016-126908号公報 特表2007-519186号公報 特開2002-252038号公報 特開2007-165089号公報 特開2009-224281号公報 特開2012-190552号公報
二次電池の課題を解決するために様々な検討がなされているが、その二次電池の電気抵抗特性およびサイクル特性は未だ十分でないため、改善の余地がある。
本技術はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、優れた電気抵抗特性および優れたサイクル特性を得ることが可能である二次電池用正極および二次電池を提供することにある。
本技術の一実施形態の二次電池用正極は、正極活物質層を含むと共に、その正極活物質層がN-メチル-2-ピロリドンを含むものである。この正極活物質層を幅方向において2つの端部領域とその2つの端部領域の間に位置する2つの中央領域とに4等分した際に、2つの端部領域中におけるN-メチル-2-ピロリドンの含有量に対する2つの中央領域中におけるN-メチル-2-ピロリドンの含有量の比は、4以上8以下である。
本技術の一実施形態の二次電池は、正極と負極と電解液とを備え、その正極が上記した本技術の一実施形態の二次電池用正極の構成と同様の構成を有するものである。
ここで、「幅方向」とは、二次電池用正極(または正極)の構成(平面形状)に応じて決定される方向である。
具体的には、二次電池用正極が所定の方向(長手方向)に延在している場合には、幅方向は、その長手方向と交差する方向(短手方向)である
または、二次電池用正極の平面形状が互いに同じ寸法を有する4つの辺(互いに対向する一対の辺および互いに対向する他の一対の辺)により画定される形状(正方形)である場合には、幅方向は、一対の辺が互いに対向する方向でもよいし、他の一対の辺が互いに対向する方向でもよい。
本技術の一実施形態の二次電池用正極または二次電池によれば、正極活物質層(2つの端部領域および2つの中央領域)がN-メチル-2-ピロリドンを含んでおり、2つの端部領域中におけるN-メチル-2-ピロリドンの含有量に対する2つの中央領域中におけるN-メチル-2-ピロリドンの含有量の比が4以上8以下であるので、優れた電気抵抗特性および優れたサイクル特性を得ることができる。
なお、本技術の効果は、必ずしもここで説明された効果に限定されるわけではなく、後述する本技術に関連する一連の効果のうちのいずれの効果でもよい。
本技術の一実施形態における二次電池(ラミネートフィルム型)の構成を表す斜視図である。 図1に示した巻回電極体の構成を表す断面図である。 図2に示した正極および負極のそれぞれの構成を表す平面図である。 変形例2の二次電池(積層電極体)の構成を表す斜視図である。 図4に示した積層電極体の構成を表す断面図である。 二次電池の適用例(電池パック:単電池)の構成を表すブロック図である。
以下、本技術の一実施形態に関して、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、説明する順序は、下記の通りである。

1.二次電池(二次電池用正極)
1-1.構成
1-2.物性
1-3.動作
1-4.製造方法
1-5.作用および効果
2.変形例
3.二次電池の用途
<1.二次電池(二次電池用正極)>
まず、本技術の一実施形態の二次電池に関して説明する。なお、本技術の一実施形態の二次電池用正極は、(以下、単に「正極」と呼称する。)は、ここで説明する二次電池の一部(一構成要素)であるため、その正極に関しては、以下で併せて説明する。
以下で説明する二次電池は、電極反応物質の吸蔵および放出を利用して電池容量が得られる二次電池であり、正極および負極と共に液状の電解質である電解液を備えている。この二次電池では、充電途中において負極の表面に電極反応物質が析出することを防止するために、その負極の充電容量は、正極の放電容量よりも大きくなっている。すなわち、負極の単位面積当たりの電気化学容量は、正極の単位面積当たりの電気化学容量よりも大きくなるように設定されている。
電極反応物質の種類は、特に限定されないが、アルカリ金属およびアルカリ土類金属などの軽金属である。アルカリ金属は、リチウム、ナトリウムおよびカリウムなどであると共に、アルカリ土類金属は、ベリリウム、マグネシウムおよびカルシウムなどである。
以下では、電極反応物質がリチウムである場合を例に挙げる。リチウムの吸蔵および放出を利用して電池容量が得られる二次電池は、いわゆるリチウムイオン二次電池であり、そのリチウムイオン二次電池では、リチウムがイオン状態で吸蔵および放出される。
ここでは、電池素子を収納するための外装部材として、柔軟性または可撓性を有する外装フィルム20を用いたラミネートフィルム型の二次電池に関して説明する。
<1-1.構成>
図1は、ラミネートフィルム型の二次電池の斜視構成を表している。図2は、図1に示した巻回電極体10の断面構成を表している。図3は、図2に示した正極11および負極12のそれぞれの平面構成を表している。
ただし、図1では、巻回電極体10と外装フィルム20とが互いに分離された状態を示している。図2では、巻回電極体10の一部だけを示している。図3では、正極11と負極12とが互いに分離された状態を示している。
この二次電池では、図1に示したように、袋状の外装フィルム20の内部に巻回型の電池素子(巻回電極体10)が収納されており、その巻回電極体10に正極リード14および負極リード15が接続されている。正極リード14および負極リード15のそれぞれは、外装フィルム20の内部から外部に向かって同様の方向に導出されている。
[外装フィルム]
外装フィルム20は、1枚のフィルム状部材であり、図1に示した矢印R(一点鎖線)の方向に折り畳み可能である。この外装フィルム20には、巻回電極体10を収容するための窪み部20U(いわゆる深絞り部)が設けられている。
具体的には、外装フィルム20は、融着層、金属層および表面保護層が内側からこの順に積層された3層のラミネートフィルムであり、その外装フィルム20が折り畳まれた状態では、融着層のうちの外周縁部同士が互いに融着されている。融着層は、ポリプロピレンなどの高分子化合物を含んでいる。金属層は、アルミニウムなどの金属材料を含んでいる。表面保護層は、ナイロンなどの高分子化合物を含んでいる。ただし、ラミネートフィルムである外装フィルム20の層数は、3層に限定されないため、1層でもよいし、2層または4層以上でもよい。
外装フィルム20と正極リード14との間には、密着フィルム21が挿入されていると共に、外装フィルム20と負極リード15との間には、密着フィルム22が挿入されている。密着フィルム21,22は、外気の侵入を防止する部材であり、正極リード14および負極リード15のそれぞれに対して密着性を有するポリオレフィン樹脂などのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。このポリオレフィン樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレンおよび変性ポリプロピレンなどである。ただし、密着フィルム21,22のうちの一方または双方は、省略されてもよい。
[巻回電極体]
巻回電極体10は、図1および図2に示したように、正極11と、負極12と、セパレータ13と、電解液(図示せず)とを備えている。この巻回電極体10は、セパレータ13を介して正極11および負極12が互いに積層されたのち、その正極11、負極12およびセパレータ13が巻回された構造体である。電解液は、正極11、負極12およびセパレータ13のそれぞれに含浸されている。
(正極)
正極11は、図2に示したように、正極集電体11Aと、その正極集電体11Aの両面に設けられた2個の正極活物質層11Bとを含んでいる。ただし、正極活物質層11Bは、正極集電体11Aの片面だけに設けられていてもよい。
この正極11(正極活物質層11B)は、後述するように、N-メチル-2-ピロリドン(以下、単に「NMP」と呼称する。)を含んでいる。
正極集電体11Aは、アルミニウム、ニッケルおよびステンレスなどの導電性材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。具体的には、正極集電体11Aは、上記した導電性材料(金属材料)を含む箔(金属箔)などである。
正極活物質層11Bは、リチウムを吸蔵および放出する正極活物質のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。ただし、正極活物質層11Bは、さらに、正極結着剤および正極導電剤などを含んでいてもよい。
正極活物質の種類は、特に限定されないが、リチウム含有遷移金属化合物などのリチウム含有化合物である。このリチウム含有遷移金属化合物は、リチウムと共に1種類または2種類以上の遷移金属元素を含んでおり、さらに、1種類または2種類以上の他元素を含んでいてもよい。他元素の種類は、任意の元素(ただし、遷移金属元素を除く。)であれば、特に限定されない。中でも、他元素は、長周期型周期表における2族~15族に属する元素であることが好ましい。なお、リチウム含有遷移金属化合物は、酸化物でもよいし、リン酸化合物、ケイ酸化合物およびホウ酸化合物などでもよい。
酸化物の具体例は、LiNiO2 、LiCoO2 、LiCo0.98Al0.01Mg0.012 、LiNi0.5 Co0.2 Mn0.3 2 、LiNi0.8 Co0.15Al0.052 、LiNi0.33Co0.33Mn0.332 、Li1.2 Mn0.52Co0.175 Ni0.1 2 、Li1.15(Mn0.65Ni0.22Co0.13)O2 およびLiMn2 4 などである。リン酸化合物の具体例は、LiFePO4 、LiMnPO4 、LiFe0.5 Mn0.5 PO4 およびLiFe0.3 Mn0.7 PO4 などである。
正極結着剤は、合成ゴムおよび高分子化合物などのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。合成ゴムは、スチレンブタジエン系ゴム、フッ素系ゴムおよびエチレンプロピレンジエンなどである。高分子化合物は、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミドおよびカルボキシメチルセルロースなどである。
正極導電剤は、炭素材料などの導電性材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。この炭素材料は、黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラックおよびケッチェンブラックなどである。ただし、正極導電剤は、金属材料および導電性高分子などでもよい。
なお、正極集電体11Aの両面において、正極活物質層11Bは、その正極集電体11Aの一部に設けられている。このため、正極集電体11Aのうちの正極活物質層11Bが設けられていない部分は、その正極活物質層11Bにより被覆されておらずに露出している。
具体的には、正極集電体11Aは、図3に示したように、長手方向(X軸方向)に延在しており、被覆部11AXおよび一対の非被覆部11AYを含んでいる。被覆部11AXは、長手方向における正極集電体11Aの中央部に位置しており、正極活物質層11Bが形成される部分である。一対の非被覆部11AYは、長手方向における正極集電体11Aの一端部および他端部に位置しており、正極活物質層11Bが形成されない部分である。これにより、被覆部11AXは、正極活物質層11Bにより被覆されているのに対して、一対の非被覆部11AYは、正極活物質層11Bにより被覆されておらずに露出している。図3では、正極活物質層11B(後述する形成領域R)に淡い網掛けを施している。
(負極)
負極12は、図2に示したように、負極集電体12Aと、その負極集電体12Aの両面に設けられた2個の負極活物質層12Bとを含んでいる。ただし、負極活物質層12Bは、負極集電体12Aの片面だけに設けられていてもよい。
負極集電体12Aは、銅、アルミニウム、ニッケルおよびステンレスなどの導電性材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。具体的には、負極集電体12Aは、上記した導電性材料(金属材料)を含む金属箔などである。
負極活物質層12Bは、リチウムを吸蔵および放出する負極活物質のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。ただし、負極活物質層12Bは、さらに、負極結着剤および負極導電剤などを含んでいてもよい。負極結着剤および負極導電剤のそれぞれに関する詳細は、正極結着剤および正極導電剤のそれぞれに関する詳細と同様である。
負極活物質の種類は、特に限定されないが、炭素材料および金属系材料などである。炭素材料は、易黒鉛化性炭素、難黒鉛化性炭素および黒鉛などである。金属系材料は、リチウムと合金を形成可能な金属元素および半金属元素を含む材料であり、より具体的には、ケイ素およびスズなどである。ただし、金属系材料は、単体でもよいし、合金でもよいし、化合物でもよいし、それらの2種類以上の混合物でもよい。
金属系材料の具体例は、SiB4 、SiB6 、Mg2 Si、Ni2 Si、TiSi2 、MoSi2 、CoSi2 、NiSi2 、CaSi2 、CrSi2 、Cu5 Si、FeSi2 、MnSi2 、NbSi2 、TaSi2 、VSi2 、WSi2 、ZnSi2 、SiC、Si3 4 、Si2 2 O、SiOv (0<v≦2または0.2<v<1.4)、LiSiO、SnOw (0<w≦2)、SnSiO3 、LiSnOおよびMg2 Snなどである。
負極活物質層12Bの形成方法は、特に限定されないが、塗布法、気相法、液相法、溶射法および焼成法(焼結法)などのうちのいずれか1種類または2種類以上である。
負極集電体12Aの両面において、負極活物質層12Bは、その負極集電体12Aの全体に設けられている。このため、負極集電体12Aの全体は、露出しておらずに負極活物質層12Bにより被覆されている。
具体的には、負極集電体12Aは、図3に示したように、長手方向(X軸方向)に延在しており、負極活物質層12Bは、一対の未対向部12BZを含んでいる。一対の未対向部12BZは、一対の非被覆部11AYに対向する部分である。すなわち、一対の未対向部12BZは、正極活物質層11Bに対向していないため、充放電反応に関与しない部分である。図3では、負極活物質層12Bに淡い網掛けを施している。
負極活物質層12Bが負極集電体12Aの両面の全体に設けられているのに対して、正極活物質層11Bが正極集電体11Aの両面の一部(被覆部11AX)だけに設けられているのは、充電時において正極活物質層11Bから放出されたリチウムが負極12の表面において析出することを防止するためである。
(セパレータ)
セパレータ13は、図2に示したように、正極11と負極12との間に介在しており、その正極11と負極12との接触に起因する短絡を防止しながらリチウムを通過させる絶縁性の多孔質膜である。ただし、セパレータ13は、1種類の多孔質膜からなる単層膜でもよいし、1種類または2種類以上の多孔質膜が互いに積層された多層膜でもよい。この多孔質膜は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンおよびポリエチレンなどの高分子化合物のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。
(電解液)
電解液は、溶媒および電解質塩を含んでいる。ただし、溶媒の種類は、1種類だけでもよいし、2種類以上でもよいと共に、電解質塩の種類は、1種類だけでもよいし、2種類以上でもよい。
溶媒は、非水溶媒(有機溶剤)を含んでおり、その非水溶媒を含んでいる電解液は、いわゆる非水電解液である。この非水溶媒は、エステル類およびエーテル類などであり、より具体的には、炭酸エステル系化合物、カルボン酸エステル系化合物およびラクトン系化合物などである。
炭酸エステル系化合物は、環状炭酸エステルおよび鎖状炭酸エステルなどである。環状炭酸エステルは、炭酸エチレンおよび炭酸プロピレンなどであると共に、鎖状炭酸エステルは、炭酸ジメチル、炭酸ジエチルおよび炭酸メチルエチルなどである。カルボン酸エステル系化合物は、酢酸エチル、プロピオン酸エチルおよびトリメチル酢酸エチルなどである。ラクトン系化合物は、γ-ブチロラクトンおよびγ-バレロラクトンなどである。エーテル類は、上記したラクトン系化合物の他、1,2-ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,3-ジオキソランおよび1,4-ジオキサンなどである。
また、非水溶媒は、不飽和環状炭酸エステル、ハロゲン化炭酸エステル、スルホン酸エステル、リン酸エステル、酸無水物、ニトリル化合物およびイソシアネート化合物などである。電解液の化学的安定性が向上するからである。
具体的には、不飽和環状炭酸エステルは、1個または2個以上の不飽和結合(炭素間二重結合)を含む環状炭酸エステルの総称であり、炭酸ビニレン、炭酸ビニルエチレンおよび炭酸メチレンエチレンなどである。ハロゲン化炭酸エステルは、1個または2個以上のハロゲンを構成元素として含む炭酸エステルの総称であり、モノフルオロ炭酸エチレンおよびジフルオロ炭酸エチレンなどである。スルホン酸エステルは、1,3-プロパンスルトンおよび1,3-プロペンスルトンなどである。リン酸エステルは、リン酸トリメチルなどである。
酸無水物は、環状カルボン酸無水物、環状ジスルホン酸無水物および環状カルボン酸スルホン酸無水物などである。環状カルボン酸無水物は、コハク酸無水物、グルタル酸無水物およびマレイン酸無水物などである。環状ジスルホン酸無水物は、エタンジスルホン酸無水物およびプロパンジスルホン酸無水物などである。環状カルボン酸スルホン酸無水物は、スルホ安息香酸無水物、スルホプロピオン酸無水物およびスルホ酪無水物などである。
ニトリル化合物は、1個または2個以上のシアノ基(-CN)を含む化合物の総称であり、アセトニトリル、アクリロニトリル、マロノニトリル、スクシノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、セバコニトリルおよびフタロニトリルなどである。イソシアネート化合物は、1個または2個以上のイソシアネート基(-NCO)を含む化合物の総称であり、ヘキサメチレンジイソシアネートなどである。
中でも、電解液は、ニトリル化合物を含んでいることが好ましく、スクシノニトリルおよびアジポニトリルの双方を含んでいることがより好ましい。後述するように、濃度比Cの適正化に応じて二次電池の電気抵抗の増加が抑制されながら、電解液の化学的安定性がより向上するからである。電解液中におけるニトリル化合物の含有量は、特に限定されないが、中でも、3重量%~8重量%であることが好ましい。電解液の化学的安定性が十分に向上するからである。
電解質塩は、リチウム塩などの軽金属塩のいずれか1種類または2種類以上である。このリチウム塩は、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 )、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4 )、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3 SO3 )、ビス(フルオロスルホニル)イミドリチウム(LiN(FSO2 2 )、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(CF3 SO2 2 )、リチウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド(LiC(CF3 SO2 3 )およびビス(オキサラト)ホウ酸リチウム(LiB(C2 4 2 )などである。電解質塩の含有量は、特に限定されないが、溶媒に対して0.3mol/kg~3.0mol/kgである。高いイオン伝導性が得られるからである。
[正極リードおよび負極リード]
正極リード14は、正極11(正極集電体11A)に接続されていると共に、負極リード15は、負極12(負極集電体12A)に接続されている。この正極リード14は、アルミニウムなどの導電性材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいると共に、負極リード15は、銅、ニッケルおよびステンレスなどの導電性材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。正極リード14および負極リード15のそれぞれの形状は、薄板状および網目状などである。
<1-2.物性>
この二次電池では、以下で説明するように、正極11中におけるNMPの含有状態(分布)に関して、所定の物性条件が満たされている。
具体的には、正極活物質層11Bは、図3に示したように、正極集電体11Aと同様に長手方向(X軸方向)に延在している。このため、正極活物質層11Bは、長手方向の寸法である長さと、短手方向(Y軸方向)の寸法である幅とを有している。
正極活物質層11Bを幅方向において4等分すると、その正極活物質層11Bは、2個の端部領域RE(RE1,RE2)と2個の中央領域RC(RC1,RC2)とに区分けされる。すなわち、端部領域RE1の幅と、中央領域RC1の幅と、中央領域RC2の幅と、端部領域RE2の幅とは、互いに同じである。図3において、端部領域RE1は、端部領域RE2よりも上側に位置していると共に、中央領域RC1,RC2は、端部領域RE1,RE2の間に位置している。また、中央領域RC1は、中央領域RC2よりも上側に位置している。
ここで、「幅方向」とは、上記したように、正極11の構成(平面形状)に応じて決定される方向である。具体的には、正極11が長手方向(X軸方向)に延在している場合には、幅方向は、その長手方向と交差する短手方向(Y軸方向)である
この場合において、端部領域RE1,RE2におけるNMPの含有量(濃度)に対する、中央領域RC1,RC2におけるNMPの含有量(濃度)の比(濃度比C)は、4~8である。この濃度比Cは、中央領域RC1,RC2におけるNMPの濃度/端部領域RE1,RE2におけるNMPの濃度で表される。
上記した濃度比Cに関する条件(濃度比Cの適正範囲)が満たされているのは、正極活物質層11B中におけるNMPの分布、すなわち端部領域RE1,RE2におけるNMPの濃度と中央領域RC1,RC2におけるNMPの濃度との関係が適正化されるため、正極11の電子伝導性が向上するからである。これにより、正極11の電気抵抗、特に、二次電池の使用初期における正極11の電気抵抗が低下する。また、二次電池の充放電が繰り返されても、放電容量が減少しにくくなる。なお、物性条件が満たされている理由の詳細に関しては、後述する。
中でも、濃度比Cは、4~6であることが好ましい。正極11の電子伝導性がより向上するため、その正極11の電気抵抗がより低下すると共に、二次電池の充放電が繰り返されても放電容量がより減少しにくくなるからである。この場合には、特に、二次電池の充放電が繰り返されても正極11の電子伝導性が低下しにくくなるため、その正極11の電気抵抗も増加しにくくなる。
この濃度比Cを調整する方法は、特に限定されない。一例を挙げると、後述するように、正極11の作製工程(正極合剤スラリーの調製時)において、その正極合剤スラリー中におけるNMPの含有量を変更することにより、所望の値となるように濃度比Cを調整可能である。すなわち、正極合剤スラリー中におけるNMPの含有量に応じて、2個の端部領域REにおけるNMPの濃度が変化すると共に、2個の中央領域RCにおけるNMPの濃度が変化するため、濃度比Cが変化する。具体的には、正極合剤スラリー中におけるNMPの含有量が増加すると、濃度比Cが増加すると共に、正極合剤スラリー中におけるNMPの含有量が減少すると、濃度比Cが減少する。
この濃度比Cを求めるためには、以下で説明するように、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)を用いて正極11を分析する。
具体的には、TOF-SIMSを用いて2個の端部領域RE(RE1,RE2)および2個の中央領域RC(RC1,RC2)のそれぞれを分析する。これにより、2個の端部領域REでは、NMPに起因するピークPREが検出されると共に、2個の中央領域RCでは、NMPに起因するピークPRCが検出される。
ピークPREの強度は、2個の端部領域REのそれぞれにおけるNMPの含有量を表す指標であり、そのNMPの濃度の大小に応じて増減する。ピークPRCは、2個の中央領域RCにおけるNMPの含有量を表す指標であり、そのNMPの濃度の大小に応じて増減する。ただし、ピークPREを検出するために2個の端部領域REを分析する場合には、端部領域RE1だけを分析してもよいし、端部領域RE2だけを分析してもよいし、端部領域RE1,RE2の双方を分析してもよい。同様に、ピークPRCを検出するために2個の中央領域RCを分析する場合には、中央領域RC1だけを分析してもよいし、中央領域RC2だけを分析してもよいし、中央領域RC1,RC2の双方を分析してもよい。
この場合において、ピークPREの強度に対するピークPRCの強度の比(ピーク強度比T=ピークPRCの強度/ピークPREの強度)は、上記したように、濃度比Cに対応しているため、4~8、好ましくは4~6である。
なお、上記した濃度比Cに関する条件(ピーク強度比Tに関する条件)が満たされていれば、正極活物質層11B中におけるNMPの含有量は、特に限定されない。中でも、NMPの含有量は、65μl/m2 (=65mm3 /m2 )~125μl/m2 (=125mm3 /m2 )である。正極11の電気抵抗が安定に低下すると共に、二次電池の充放電が繰り返されても放電容量が安定して減少しにくくなるからである。ここで説明するNMPの含有量は、端部領域RE1,RE2および中央領域RC1,RC2を含む正極活物質層11Bの全体におけるNMPの含有量である。
正極活物質層11B中におけるNMPの含有量を測定する場合には、ガスクロマトグラフ質量分析装置(GC-MS:Gas Chromatograph-Mass Spectrometer )を用いて正極活物質層11Bを分析する。このGC-MSとしては、アジレント・テクノロジー株式会社製のGC/MSシステム Agilent 5977Aなどを使用可能である。この場合には、端部領域RE1,RE2および中央領域RC1,RC2のそれぞれ(4箇所)においてNMPの含有量を測定したのち、その4箇所におけるNMPの含有量の平均値を算出することにより、上記した正極活物質層11Bの全体におけるNMPの含有量とする。
[濃度比の算出方法(ピーク強度比の算出方法)]
濃度比Cを算出するためにピーク強度比Tを算出するための具体的な手順は、以下で説明する通りである。
(二次電池の準備)
最初に、正極11の作製工程および巻回電極体10の作製工程(電解液の含浸工程)などを行うことにより、二次電池を組み立てたのち、その二次電池を1サイクルだけ充放電させる。この充放電処理は、いわゆるSEI(Solid Electrolyte Interphase)被膜を負極12の表面に形成するために行われる二次電池の安定化処理(または活性化処理)である。二次電池の安定化処理の詳細(充放電条件を含む。)に関しては、後述する。
なお、市販の二次電池を用いる場合には、上記した二次電池の安定化処理は不要である。市販の二次電池では、一般的に、市場に二次電池が出荷される前の段階(製造段階)において、その二次電池の安定化処理が既に行われているからである。
(正極の回収)
続いて、二次電池を解体することにより、正極11を回収する。これにより、図3に示したように、2個の端部領域RE(RE1,RE2)および2個の中央領域RC(RC1,RC2)を含む正極活物質層11Bが得られる。
(正極の分析)
続いて、TOF-SIMSを用いて正極11(正極活物質層11B)を分析することにより、NMPに起因するピークPRE,PRCを検出する。この場合には、端部領域RE1,RE2のうちの一方または双方を分析することにより、ピークPREを検出すると共に、中央領域RC1,RC2のうちの一方または双方を分析することにより、ピークPRCを検出する。
TOF-SIMSを用いた正極活物質層11Bの分析では、NMPの存在に起因する正二次イオンのピーク(TOF-SIMSピーク)が検出されるかどうかを調べる。この正二次イオンとは、C5 8 NO+ およびC5 10NO+ のうちの一方または双方である。この場合において、分析装置としては、ION-TOF社製のTOF-SIMS Vを用いる。分析条件としては、一次イオン=Bi3+(9.7952×1011ions/cm2 )、イオン銃の加速電圧=25keV、分析モード=バンチングモード、照射イオンの電流(パルスビームでの計測)=0.3pA、パルス周波数=10kHz、質量範囲=1amu~800amu、走査範囲=200μm×200μm、質量分解能M/ΔM=6800(C2 5 +),5900(CH2 -)とする。
ここで、TOF-SIMSを用いて正極活物質層11Bを分析する場合には、分析領域RXの内部を分析する。この分析範囲RXは、図3に示したように、正極活物質層11Bの形成領域Rから外周領域RYを除いた領域である。ここで説明した形成領域RXは、正極活物質層11Bの全体の領域である。また、外周領域RYは、正極活物質層11Bの外縁の位置とその外縁から内側に向かって距離S(mm)の位置との間の領域であり、いわゆる枠型の領域である。この距離Sは、ピーク強度比Tを複数回繰り返して算出した場合における値の安定性(ばらつき具合)、すなわちピーク強度比Tの算出精度などに応じて任意に設定可能であるが、具体的には、1mm~5mm程度である。図3では、分析領域RXに濃い網掛けを施している。
分析領域RXの内部において正極活物質層11Bを分析するのは、ピークPRE,PRCのそれぞれの強度の測定精度を担保することにより、ピーク強度比Tを正確かつ安定に算出するためである。
また、TOF-SIMSを用いて正極活物質層11Bを分析する場合には、分析領域RXの内部のうち、図3に示した分析線Lに沿った複数の位置において分析する。この分析線Lは、幅方向(Y軸方向)に延在する基準線であり、正極活物質層11Bの分析位置を決定するために利用される。分析線Lの位置は、分析領域RXを横断する位置であれば、任意に設定可能である。
具体的には、2個の端部領域REにおいて正極活物質層11Bを分析する場合には、分析線Lに沿った互いに異なる5箇所の位置において分析する。5箇所の分析位置は、特に限定されないが、互いに適度に離間された位置であることが好ましい。分析位置の数が5箇所であれば、端部領域RE1,RE2のそれぞれにおける分析位置の数は、任意に設定可能である。
同様に、2個の中央領域RCにおいて正極活物質層11Bを分析する場合には、分析線Lに沿った互いに異なる5箇所の位置において分析する。5箇所の分析位置は、特に限定されないが、互いに適度に離間された位置であることが好ましい。
なお、TOF-SIMSを用いて正極活物質層11Bを分析する場合には、正極11を分析すればよい。すなわち、正極11が正極活物質層11Bと共に正極集電体11Aを含んでいる場合には、正極集電体11Aから正極活物質層11Bを剥離させたのち、その正極活物質層11Bを分析しなければならないわけではない。正極集電体11Aの上に正極活物質層11Bが設けられている状態において、その正極活物質層11Bを分析すればよい。
正極活物質層11BにはNMPが含浸されるのに対して、正極集電体11Aは、上記したように、金属箔などであるため、その正極集電体11AにはNMPがほとんど含浸されないからである。これにより、正極集電体11Aの有無は、TOF-SIMSを用いた正極活物質層11Bの分析結果にほとんど影響を及ぼさないため、正極集電体11Aの上に正極活物質層11Bが設けられている状態において、その正極活物質層11Bを分析してもよい。
(ピークの強度の測定)
続いて、TOF-SIMSを用いた正極活物質層11Bの分析結果に基づいて、NMPに起因するピークPRE,PRCのそれぞれの強度を測定する。この場合には、2個の端部領域REにおける5箇所の位置において測定されたピークPREの強度の平均値を算出することにより、そのピークPREの強度とする。また、2個の中央領域RCにおける5箇所の位置において測定されたピークPRCの強度の平均値を算出することにより、そのピークPRCの強度とする。すなわち、ピークPRE,PRCのそれぞれの強度は、いわゆる平均強度である。
ピークPRE,PRCのそれぞれの強度を測定するために平均値を用いるのは、2個の端部領域REおよび2個の中央領域RCのそれぞれにおけるNMPの濃度のばらつきがピークPRE,PRCのそれぞれの強度に与える影響を低減させるためである。
(ピーク強度比の算出)
最後に、ピークPRE,PRCのそれぞれの強度に基づいて、ピーク強度比T=ピークPRCの強度/ピークPREの強度を算出する。これにより、ピーク強度比Tが得られるため、そのピーク強度比Tに対応する濃度比Cが得られる。
<1-3.動作>
この二次電池は、以下で説明するように動作する。充電時には、正極11からリチウムが放出されると共に、そのリチウムが電解液を介して負極12に吸蔵される。また、放電時には、負極12からリチウムが放出されると共に、そのリチウムが電解液を介して正極11に吸蔵される。これらの場合には、リチウムがイオン状態で吸蔵および放出される。
<1-4.製造方法>
二次電池を製造する場合には、以下で説明する手順により、正極11および負極12を作製すると共に電解液を調製したのち、二次電池を組み立てる。
[正極の作製]
最初に、正極活物質と、必要に応じて正極結着剤および正極導電剤などとを混合することにより、正極合剤とする。続いて、NMPに正極合剤を投入することにより、ペースト状の正極合剤スラリーを調製する。続いて、正極集電体11Aの両面に正極合剤スラリーを塗布することにより、正極活物質層11Bを形成する。最後に、真空環境中において正極活物質層11Bを加熱することにより、その正極活物質層11Bを真空乾燥させる。
こののち、ロールプレス機などを用いて正極活物質層11Bを圧縮成型してもよい。この場合には、正極活物質層11Bを加熱してもよいし、圧縮成型を複数回繰り返してもよい。これにより、正極集電体11Aの両面に正極活物質層11Bが形成されるため、正極11が作製される。
[負極の作製]
上記した正極11の作製手順と同様の手順により、負極集電体12Aの両面に負極活物質層12Bを形成する。具体的には、負極活物質と、必要に応じて負極結着剤および負極導電剤などとを混合することにより、負極合剤としたのち、有機溶剤などに負極合剤を投入することにより、ペースト状の負極合剤スラリーを調製する。続いて、負極集電体12Aの両面に負極合剤スラリーを塗布することにより、負極活物質層12Bを形成する。こののち、負極活物質層12Bを圧縮成型してもよい。これにより、負極集電体12Aの両面に負極活物質層12Bが形成されるため、負極12が作製される。
[電解液の作製]
溶媒に電解質塩を投入する。これにより、溶媒中において電解質塩が分散または溶解されるため、電解液が調製される。
[二次電池の組み立て]
最初に、溶接法などを用いて正極11(正極集電体11A)に正極リード14を接続させると共に、溶接法などを用いて負極12(負極集電体12A)に負極リード15を接続させる。続いて、セパレータ13を介して正極11および負極12を互いに積層させたのち、その正極11、負極12およびセパレータ13を巻回させることにより、巻回体を作製する。
続いて、窪み部20Uの内部に巻回体が収容された状態において外装フィルム20を折り畳んだのち、熱融着法などを用いて外装フィルム20(融着層)のうちの2辺の外周縁部同士を互いに接着させることにより、袋状の外装フィルム20の内部に巻回体を収納する。最後に、袋状の外装フィルム20の内部に電解液を注入したのち、熱融着法などを用いて外装フィルム20(融着層)のうちの残りの1辺の外周縁部同士を互いに接着させる。この場合には、外装フィルム20と正極リード14との間に密着フィルム21を挿入すると共に、外装フィルム20と負極リード15との間に密着フィルム22を挿入する。これにより、巻回体に電解液が含浸されるため、巻回電極体10が作製される。よって、袋状の外装フィルム20の内部に巻回電極体10が封入されるため、二次電池が組み立てられる。
最後に、二次電池の状態を安定化させるために、その二次電池を充放電させる。環境温度、充放電回数(サイクル数)および充放電条件などの各種条件は、任意に設定可能である。これにより、負極12などの表面にSEI膜が形成されるため、ラミネートフィルム型の二次電池が完成する。
<1-5.作用および効果>
このラミネートフィルム型の二次電池によれば、正極11の正極活物質層11BがNMPを含んでおり、濃度比Cが4~8である。
この場合には、正極活物質層11B中におけるNMPの含有状態(分布)、すなわち2個の端部領域RE(RE1,RE2)におけるNMPの濃度と2個の中央領域RC(RC1,RC2)におけるNMPの濃度との関係が適正化されるため、正極11の電子伝導性が向上する。これにより、正極11の電気抵抗、特に、二次電池の使用初期における正極11の電気抵抗が低下すると共に、充放電を繰り返しても放電容量が減少しにくくなる。よって、優れた電気抵抗特性よび優れたサイクル特性を得ることができる。
特に、濃度比Cが4~6であれば、正極11の電気抵抗がより低下すると共に、二次電池の充放電が繰り返されても放電容量がより減少しにくくなるため、より高い効果を得ることができる。
また、正極活物質層11B中におけるNMPの含有量が65mm3 /m2 ~125mm3 /m2 であれば、正極11の電気抵抗が安定に低下すると共に、放電容量が安定して減少しにくくなるため、より高い効果を得ることができる。
また、電解液がニトリル化合物を含んでおり、そのニトリル化合物がアセトニトリルなどを含んでいれば、上記した濃度比Cの適正化に応じて二次電池の電気抵抗の増加が抑制されながら、電解液の化学的安定性がより向上するため、より高い効果を得ることができる。この場合には、ニトリル化合物がスクシノニトリルおよびアジポニトリルを含んでいれば、電解液の化学的安定性が十分に向上するため、さらに高い効果を得ることができる。また、電解液中におけるニトリル化合物の含有量が3重量%~8重量%であれば、電解液の化学的安定性が十分に向上するため、さらに高い効果を得ることができる。
また、二次電池がリチウムイオン二次電池であれば、リチウムの吸蔵および放出を利用して十分な電池容量が安定に得られるため、より高い効果を得ることができる。
この他、ラミネートフィルム型の二次電池に用いられている正極11によれば、正極活物質層11BがNMPを含んでおり、濃度比Cが4~8である。よって、上記した理由により、正極11を用いた二次電池において優れた電気抵抗特性および優れたサイクル特性を得ることができる。
<2.変形例>
次に、上記した二次電池の変形例に関して説明する。二次電池の構成は、以下で説明するように、適宜、変更可能である。ただし、以下で説明する一連の変形例のうちの任意の2種類以上は、互いに組み合わされてもよい。
[変形例1]
濃度比Cを適正化(濃度比C=4~8)するために、正極合剤スラリー中におけるNMPの含有量を変更した。しかしながら、濃度比Cを適正化する方法は、特に限定されないため、他の方法でもよい。
具体的には、正極11を作製したのち、その正極11(正極活物質層11B)の表面にNMPを塗布(散布を含む。)してもよい。この場合には、中央領域RC1,RC2におけるNMPの濃度が端部領域RE1,RE2におけるNMPの濃度よりも大きくなるように、NMPの塗布量を調整する。これにより、濃度比Cを制御可能である。
この場合においても、濃度比Cが適正化されるため、同様の効果を得ることができる。もちろん、濃度比Cを適正化するために2種類以上の方法を併用してもよい。
[変形例2]
図1および図2では、巻回型の電池素子(巻回電極体10)を用いた。しかしながら、図1に対応する図4および図2に対応する図5に示したように、巻回電極体10の代わりに積層型の電池素子(積層電極体50)を用いてもよい。
図4および図5に示したラミネートフィルム型の二次電池は、巻回電極体10(正極11、負極12およびセパレータ13)、正極リード14および負極リード15の代わりに、積層電極体50(正極51、負極52およびセパレータ53)、正極リード54および負極リード55を備えていることを除いて、図1および図2に示したラミネートフィルム型の二次電池の構成と同様の構成を有している。
正極51(正極集電体51Aおよび正極活物質層51B)、負極52(負極集電体52Aおよび負極活物質層52B)、セパレータ53、正極リード54および負極リード55のそれぞれの構成は、以下で説明することを除いて、正極11(正極集電体11Aおよび正極活物質層11B)、負極12(負極集電体12Aおよび負極活物質層12B)、セパレータ13、正極リード14および負極リード15のそれぞれの構成と同様である。
なお、正極51の平面形状が互いに同じ寸法を有する4個の辺(互いに対向する一対の辺および互いに対向する他の一対の辺)により画定される形状(正方形)である場合には、幅方向は、上記したように、一対の辺が互いに対向する方向(X軸方向)でもよいし、他の一対の辺が互いに対向する方向(Y軸方向)でもよい。
積層電極体50では、正極51および負極52がセパレータ53を介して交互に積層されている。正極51、負極52およびセパレータ53の積層数は、特に限定されない。ここでは、複数の正極51および複数の負極52が複数のセパレータ53を介して互いに積層されている。電解液は、正極51、負極52およびセパレータ53のそれぞれに含浸されており、その電解液の構成は、上記した通りである。正極51は、正極集電体51Aおよび正極活物質層51Bを含んでいると共に、負極52は、負極集電体52Aおよび負極活物質層52Bを含んでいる。
ただし、図4および図5に示したように、複数の正極集電体51Aのそれぞれは、正極活物質層51Bが形成されていない突出部51ATを含んでいると共に、複数の負極集電体52Aのそれぞれは、負極活物質層52Bが形成されていない突出部52ATを含んでいる。この突出部52ATは、突出部51ATと重ならない位置に配置されている。複数の突出部51ATは、互いに接合されることにより、1本のリード状の接合部51Zを形成していると共に、複数の突出部52ATは、互いに接合されることにより、1本のリード状の接合部52Zを形成している。正極リード54は、接合部51Zに接続されていると共に、負極リード55は、接合部52Zに接続されている。
図4および図5に示したラミネートフィルム型の二次電池の製造方法は、巻回電極体10(正極リード14および負極リード15)の代わりに積層電極体50(正極リード54および負極リード55)を作製することを除いて、図1および図2に示したラミネートフィルム型の二次電池の製造方法と同様である。
積層電極体50を作製する場合には、最初に、正極集電体51A(突出部51ATを除く。)の両面に正極活物質層51Bが形成された正極51と、負極集電体52A(突出部52ATを除く。)の両面に負極活物質層52Bが形成された負極52とを作製したのち、複数のセパレータ53を介して複数の正極51および複数の負極52を互いに積層させることにより、積層体を形成する。続いて、溶接法などを用いて複数の突出部51ATを互いに接合させることにより、接合部51Zを形成すると共に、溶接法などを用いて複数の突出部52ATを互いに接合させることにより、接合部52Zを形成する。続いて、溶接法などを用いて接合部51Zに正極リード54を接続させると共に、溶接法などを用いて接合部52Zに負極リード55を接続させる。最後に、積層体が収納された袋状の外装フィルム20の内部に電解液を注入したのち、その外装フィルム20を封止する。これにより、積層体に電解液が含浸されるため、積層電極体50が作製される。
この積層電極体50を用いた場合においても、巻回電極体10を用いた場合と同様の効果を得ることができる。
[変形例3]
図4および図5に示したラミネートフィルム型の二次電池において、正極リード54の数および負極リード55の数は、特に限定されない。すなわち、正極リード54の数は、1本だけに限られず、2本以上でもよいと共に、負極リード55の数は、1本だけに限られず、2本以上でもよい。正極リード54の数および負極リード55の数を変更した場合においても、同様の効果を得ることができる。
[変形例4]
図1および図2に示したラミネートフィルム型の二次電池では、多孔質膜であるセパレータ13を用いた。しかしながら、ここでは具体的に図示しないが、多孔質膜であるセパレータ13の代わりに、高分子化合物層を含む積層型のセパレータを用いてもよい。
具体的には、積層型のセパレータは、上記した多孔質膜である基材層と、その基材層の片面または両面に設けられた高分子化合物層とを含んでいる。正極11および負極12のそれぞれに対するセパレータの密着性が向上するため、巻回電極体10の位置ずれが発生しにくくなるからである。これにより、電解液の分解反応などが発生しても、二次電池が膨れにくくなる。高分子化合物層は、ポリフッ化ビニリデンなどの高分子化合物を含んでいる。物理的強度に優れていると共に、電気化学的に安定だからである。
なお、基材層および高分子化合物層のうちの一方または双方は、複数の無機粒子および複数の樹脂粒子などの複数の粒子のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいてもよい。二次電池の発熱時において複数の粒子が放熱するため、二次電池の耐熱性および安全性が向上するからである。無機粒子の種類は、特に限定されないが、酸化アルミニウム(アルミナ)、窒化アルミニウム、ベーマイト、酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン(チタニア)、酸化マグネシウム(マグネシア)および酸化ジルコニウム(ジルコニア)などの粒子である。
積層型のセパレータを作製する場合には、高分子化合物および有機溶剤などを含む前駆溶液を調製したのち、基材層の片面または両面に前駆溶液を塗布する。
この積層型のセパレータを用いた場合においても、正極11と負極12との間においてリチウムが移動可能になるため、同様の効果を得ることができる。
[変形例5]
図1および図2に示したラミネートフィルム型の二次電池では、液状の電解質である電解液を用いた。しかしながら、ここでは具体的に図示しないが、電解液の代わりに、ゲル状の電解質である電解質層を用いてもよい。
電解質層を用いた巻回電極体10では、セパレータ13および電解質層を介して正極11および負極12が互いに積層されたのち、その正極11、負極12、セパレータ13および電解質層が巻回されている。この電解質層は、正極11とセパレータ13との間に介在していると共に、負極12とセパレータ13との間に介在している。
具体的には、電解質層は、電解液と共に高分子化合物を含んでおり、その電解質層中では、電解液が高分子化合物により保持されている。電解液の構成は、上記した通りである。高分子化合物は、ポリフッ化ビニリデンなどを含んでいる。電解質層を形成する場合には、電解液、高分子化合物および有機溶剤などを含む前駆溶液を調製したのち、正極11および負極12の両面に前駆溶液を塗布する。
この電解質層を用いた場合においても、正極11と負極12との間において電解質層を介してリチウムが移動可能になるため、同様の効果を得ることができる。
<3.二次電池の用途>
次に、上記した二次電池の用途(適用例)に関して説明する。
二次電池の用途は、主に、駆動用の電源または電力蓄積用の電力貯蔵源などとして二次電池を利用可能である機械、機器、器具、装置およびシステム(複数の機器などの集合体)などであれば、特に限定されない。電源として用いられる二次電池は、主電源でもよいし、補助電源でもよい。主電源とは、他の電源の有無に関係なく、優先的に用いられる電源である。補助電源は、主電源の代わりに用いられる電源でもよいし、必要に応じて主電源から切り替えられる電源でもよい。二次電池を補助電源として用いる場合には、主電源の種類は二次電池に限られない。
二次電池の用途の具体例は、以下の通りである。ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、携帯電話機、ノート型パソコン、コードレス電話機、ヘッドホンステレオ、携帯用ラジオ、携帯用テレビおよび携帯用情報端末などの電子機器(携帯用電子機器を含む。)である。電気シェーバなどの携帯用生活器具である。バックアップ電源およびメモリーカードなどの記憶用装置である。電動ドリルおよび電動鋸などの電動工具である。着脱可能な電源としてノート型パソコンなどに搭載される電池パックである。ペースメーカおよび補聴器などの医療用電子機器である。電気自動車(ハイブリッド自動車を含む。)などの電動車両である。非常時などに備えて電力を蓄積しておく家庭用バッテリシステムなどの電力貯蔵システムである。なお、二次電池の電池構造は、上記したラミネートフィルム型でもよいし、それら以外の他の電池構造でもよい。また、電池パックおよび電池モジュールなどとして、複数の二次電池が用いられてもよい。
中でも、電池パックおよび電池モジュールは、電動車両、電力貯蔵システムおよび電動工具などの比較的大型の機器などに適用されることが有効である。電池パックは、後述するように、単電池を用いてもよいし、組電池を用いてもよい。電動車両は、二次電池を駆動用電源として作動(走行)する車両であり、上記したように、二次電池以外の駆動源を併せて備えた自動車(ハイブリッド自動車など)でもよい。電力貯蔵システムは、二次電池を電力貯蔵源として用いるシステムである。家庭用の電力貯蔵システムでは、電力貯蔵源である二次電池に電力が蓄積されているため、その電力を利用して家庭用の電気製品などを使用可能である。
ここで、二次電池の適用例に関して具体的に説明する。以下で説明する適用例の構成は、あくまで一例であるため、適宜、変更可能である。
図6は、単電池を用いた電池パックのブロック構成を表している。ここで説明する電池パックは、1個の二次電池を用いた簡易型の電池パック(いわゆるソフトパック)であり、スマートフォンに代表される電子機器などに搭載される。
この電池パックは、図6に示したように、電源61と、回路基板62とを備えている。この回路基板62は、電源61に接続されていると共に、正極端子63、負極端子64および温度検出端子(いわゆるT端子)65を含んでいる。
電源61は、1個の二次電池を含んでいる。この二次電池では、正極リードが正極端子63に接続されていると共に、負極リードが負極端子64に接続されている。この電源61は、正極端子63および負極端子64を介して外部と接続可能であるため、その正極端子63および負極端子64を介して充放電可能である。回路基板62は、制御部66と、スイッチ67と、熱感抵抗素子(PTC(Positive Temperature Coefficient)素子)68と、温度検出部69とを含んでいる。ただし、PTC素子68は省略されてもよい。
制御部66は、中央演算処理装置(CPU:Central Processing Unit )およびメモリなどを含んでおり、電池パック全体の動作を制御する。この制御部66は、必要に応じて電源61の使用状態の検出および制御を行う。
なお、制御部66は、電源61(二次電池)の電池電圧が過充電検出電圧または過放電検出電圧に到達すると、スイッチ67を切断させることにより、電源61の電流経路に充電電流が流れないようにする。また、制御部66は、充電時または放電時において大電流が流れると、スイッチ67を切断させることにより、充電電流を遮断する。過充電検出電圧および過放電検出電圧は、特に限定されない。一例を挙げると、過充電検出電圧は、4.2V±0.05Vであると共に、過放電検出電圧は、2.4V±0.1Vである。
スイッチ67は、充電制御スイッチ、放電制御スイッチ、充電用ダイオードおよび放電用ダイオードなどを含んでおり、制御部66の指示に応じて電源61と外部機器との接続の有無を切り換える。このスイッチ67は、金属酸化物半導体を用いた電界効果トランジスタ(MOSFET:Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor )などを含んでおり、充放電電流は、スイッチ67のON抵抗に基づいて検出される。
温度検出部69は、サーミスタなどの温度検出素子を含んでおり、温度検出端子65を用いて電源61の温度を測定すると共に、その温度の測定結果を制御部66に出力する。温度検出部69により測定される温度の測定結果は、異常発熱時において制御部66が充放電制御を行う場合および残容量の算出時において制御部66が補正処理を行う場合などに用いられる。
本技術の実施例に関して説明する。
(実験例1-1~1-12)
以下で説明するように、図1および図2に示したラミネートフィルム型の二次電池(リチウムイオン二次電池)を作製したのち、その二次電池の電池特性を評価した。
[二次電池の作製]
以下の手順により、二次電池を作製した。
(正極の作製)
最初に、正極活物質(リチウム含有遷移金属化合物(酸化物)であるLiCoO2 )91質量部と、正極結着剤(ポリフッ化ビニリデン)3質量部と、正極導電剤(黒鉛)6質量部とを混合することにより、正極合剤とした。続いて、NMPに正極合剤を投入したのち、そのNMPを撹拌することにより、ペースト状の正極合剤スラリーを調製した。続いて、コーティング装置を用いて正極集電体11A(帯状のアルミニウム箔,厚さ=12μm)の両面に正極合剤スラリーを塗布したのち、その正極合剤スラリーを乾燥させることにより、正極活物質層11Bを形成した。最後に、ロールプレス機を用いて正極活物質層11Bを圧縮成型した。これにより、正極集電体11Aの両面に正極活物質層11Bが形成されたため、正極11が作製された。
この正極11を作製する場合には、後述するように、濃度比Cを変化させるために、正極合剤スラリー中におけるNMPの含有量を変化させた。
(負極の作製)
最初に、負極活物質(炭素材料である人造黒鉛)93質量部と、負極結着剤(ポリフッ化ビニリデン)7質量部とを混合することにより、負極合剤とした。続いて、有機溶剤(NMP)に負極合剤を投入したのち、その有機溶剤を撹拌することにより、ペースト状の負極合剤スラリーを調製した。続いて、コーティング装置を用いて負極集電体12A(帯状の銅箔,厚さ=15μm)の両面に負極合剤スラリーを塗布したのち、その負極合剤スラリーを乾燥させることにより、負極活物質層12Bを形成した。最後に、ロールプレス機を用いて負極活物質層12Bを圧縮成型した。これにより、負極集電体12Aの両面に負極活物質層12Bが形成されたため、負極12が作製された。
(電解液の調製)
溶媒(炭酸エチレンおよび炭酸ジエチル)に電解質塩(六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 ))を加えたのち、その溶媒を撹拌した。溶媒の混合比(重量比)は、炭酸エチレン:炭酸ジエチル=50:50とした。電解質塩の含有量は、溶媒に対して1mol/kgとした。
(二次電池の組み立て)
最初に、正極集電体11Aにアルミニウム製の正極リード14を溶接したと共に、負極集電体12Aに銅製の負極リード15を溶接した。続いて、セパレータ13(微多孔性ポリエチレンフィルム,厚さ=15μm)を介して正極11および負極12を互いに積層させたのち、その正極11、負極12およびセパレータ13を巻回させることにより、巻回体を作製した。
続いて、窪み部20Uに収容された巻回体を挟むように外装フィルム20を折り畳んだのち、その外装フィルム20のうちの2辺の外周縁部同士を互いに熱融着することにより、袋状の外装フィルム20の内部に巻回体を収納した。外装フィルム20としては、融着層(ポリプロピレンフィルム,厚さ=30μm)と、金属層(アルミニウム箔,厚さ=40μm)と、表面保護層(ナイロンフィルム,厚さ=25μm)とが内側からこの順に積層されたアルミラミネートフィルムを用いた。
続いて、袋状の外装フィルム20の内部に電解液を注入したのち、減圧環境中において外装フィルム20のうちの残りの1辺の外周縁部同士を熱融着した。この場合には、外装フィルム20と正極リード14との間に密着フィルム21(ポリプロピレンフィルム,厚さ=5μm)を挿入したと共に、外装フィルム20と負極リード15との間に密着フィルム22(ポリプロピレンフィルム,厚さ=5μm)を挿入した。これにより、巻回体に電解液が含浸されたため、巻回電極体10が形成された。よって、外装フィルム20の内部に巻回電極体10が封入されたため、二次電池が組み立てられた。
最後に、二次電池の状態を安定化させるために、その二次電池を1サイクル充放電させた。環境温度および充放電条件は、後述するサイクル特性を調べる場合の条件と同様にした。これにより、負極12などの表面にSEI膜が形成されたため、ラミネートフィルム型の二次電池が完成した。
二次電池の完成後、その二次電池から回収された正極11に関してTOF-SIMSを用いて正極活物質層11Bを分析したところ、表1に示した濃度比C(ピーク強度比T)が得られた。なお、正極活物質層11B中におけるNMPの含有量(mm3 /m2 )は、表1に示した通りである。
[電池特性の評価]
二次電池の電池特性(電気抵抗特性およびサイクル特性)を評価したところ、表1に示した結果が得られた。
(電気抵抗特性)
電気抵抗特性を調べる場合には、最初に、常温環境中(温度=23℃)において二次電池を充電させた。この場合には、0.5Cの電流で電圧が3.8Vに到達するまで定電流充電したのち、その3.8Vの電圧で総充電時間が2時間に到達するまで定電圧充電した。0.5Cとは電池容量(理論容量)を2時間で放電しきる電流値である。続いて、同環境中において二次電池を放電させることにより、電圧降下量を測定した。この場合には、0.5Cの電流で放電したと共に、放電開始時から1秒経過後の電圧降下量を測定した。最後に、電圧降下量に基づいて二次電池の直流抵抗(初期抵抗(mΩ))を算出した。
(サイクル特性)
サイクル特性を調べる場合には、最初に、常温環境中(温度=23℃)において二次電池を1サイクル充放電させることにより、放電容量(1サイクル目の放電容量)を測定した。続いて、同環境中において充放電のサイクル数が500サイクルに到達するまで二次電池を繰り返して充放電させることにより、放電容量(500サイクル目の放電容量)を測定した。最後に、容量維持率(%)=(500サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100を算出した。
充電時には、0.1Cの電流で電圧が4.2Vに到達するまで定電流充電したのち、その4.2Vの電圧で電流が0.02Cに到達するまで定電圧充電した。放電時には、0.1Cの電流で電圧が3Vに到達するまで定電流放電した。0.1Cとは電池容量(理論容量)を10時間で放電しきる電流値であり、0.02Cとは上記した電池容量を50時間で放電しきる電流値である。
Figure 0007392733000001
[考察]
表1に示したように、二次電池の電池特性(電気抵抗特性およびサイクル特性)は、濃度比Cに応じて大きく変動した。
具体的には、濃度比Cが4~8である場合(実験例1-3~1-5)には、濃度比Cが4よりも小さい場合(実験例1-1,1-2)および濃度比Cが8よりも大きい場合(実験例1-6,1-7)と比較して、初期抵抗が低く抑えられながら、容量維持率が大幅に増加した。
特に、濃度比Cが4~6であると(実験例1-3,1-4)、容量維持率がより増加した。また、正極活物質層11B中におけるNMPの含有量が65mm3 /m2 ~125mm3 /m2 であると(実験例1-9~1-11)、NMPの含有量が65mm3 /m2 よりも小さい場合(実験例1-8)およびNMPの含有量が125mm3 /m2 よりも大きい場合(実験例1-12)と比較して、初期抵抗が十分に抑えられながら、十分な容量維持率が得られた。
(実験例2-1~2-4)
表2に示したように、電解液の組成を変更したことを除いて同様の手順により、二次電池を作製したと共に電池特性を評価した。この場合には、電解液にニトリル化合物(スクシノニトリル(SN)およびアジポニトリル(ADN))を添加した。電解液中におけるニトリル化合物の含有量(重量%)は、表2に示した通りである。ただし、スクシノニトリルとアジポニトリルとの混合比(重量比)は、4:1とした。
Figure 0007392733000002
表2に示したように、濃度比Cに関して上記した適正条件(濃度比C=4~8)が満たされている場合には、電解液中におけるニトリル化合物の有無に応じて、初期抵抗および容量維持率のそれぞれが変化した。
具体的には、電解液がニトリル化合物を含んでいる場合(実験例2-1~2-4)には、電解液がニトリル化合物を含んでいない場合(実験例1-3)と比較して、初期抵抗がより低下するか、容量維持率がより増加した。この場合には、電解液中におけるニトリル化合物の含有量が3重量%~8重量%であると、初期抵抗が十分に低下しながら、十分に高い容量維持率が得られた。
[まとめ]
表1および表2に示した結果から、正極11の正極活物質層11BがNMPを含んでおり、濃度比Cが4~8であると、電気抵抗特性が改善されたと共に、サイクル特性も改善された。よって、二次電池において優れた電気抵抗特性および優れたサイクル特性が得られた。
以上、一実施形態および実施例を挙げながら本技術に関して説明したが、その本技術の構成は、一実施形態および実施例において説明された構成に限定されないため、種々に変形可能である。
具体的には、液状の電解質(電解液)およびゲル状の電解質(電解質層)を用いる場合に関して説明したが、その電解質の種類は、特に限定されないため、固体状の電解質(固体電解質)を用いてもよい。
また、二次電池の電池構造がラミネートフィルム型である場合に関して説明したが、その電池構造は、特に限定されないため、円筒型、角型、コイン型およびボタン型などの他の電池構造でもよい。
また、電池素子の素子構造が巻回型および積層型である場合に関して説明したが、その電池素子の素子構造は、特に限定されないため、電極(正極および負極)がジグザグに折り畳まれた九十九折り型などの他の素子構造でもよい。
さらに、電極反応物質がリチウムである場合に関して説明したが、その電極反応物質は、特に限定されない。具体的には、電極反応物質は、上記したように、ナトリウムおよびカリウムなどの他のアルカリ金属でもよいし、ベリリウム、マグネシウムおよびカルシウムなどのアルカリ土類金属でもよい。この他、電極反応物質は、アルミニウムなどの他の軽金属でもよい。
本明細書中に記載された効果は、あくまで例示であるため、本技術の効果は、本明細書中に記載された効果に限定されない。よって、本技術に関して、他の効果が得られてもよい。

Claims (5)

  1. 正極活物質層を含むと共に、前記正極活物質層がN-メチル-2-ピロリドンを含む正極と、
    負極と、
    電解液と
    を備え、
    前記正極活物質層を幅方向において2つの端部領域と前記2つの端部領域の間に位置する2つの中央領域とに4等分した際に、前記2つの端部領域中における前記N-メチル-2-ピロリドンの含有量に対する、前記2つの中央領域中における前記N-メチル-2-ピロリドンの含有量の比は、4以上8以下であり、
    前記正極活物質層中における前記N-メチル-2-ピロリドンの含有量は、65mm 3 /m 2 以上125mm 3 /m 2 以下である、
    リチウムイオン二次電池。
  2. 前記比は、4以上6以下である、
    請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
  3. 前記電解液は、ニトリル化合物を含み、
    前記ニトリル化合物は、アセトニトリル、アクリロニトリル、マロノニトリル、スクシノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、セバコニトリルおよびフタロニトリルのうちの少なくとも1種を含み、
    前記電解液中における前記ニトリル化合物の含有量は、3重量%以上8重量%以下である、
    請求項1または請求項に記載のリチウムイオン二次電池。
  4. 前記ニトリル化合物は、前記スクシノニトリルおよび前記アジポニトリルを含む、
    請求項記載のリチウムイオン二次電池。
  5. 正極活物質層を含むと共に、前記正極活物質層がN-メチル-2-ピロリドンを含み、
    前記正極活物質層を幅方向において2つの端部領域と前記2つの端部領域の間に位置する2つの中央領域とに4等分した際に、前記2つの端部領域中における前記N-メチル-2-ピロリドンの含有量に対する、前記2つの中央領域中における前記N-メチル-2-ピロリドンの含有量の比は、4以上8以下であり、
    前記正極活物質層中における前記N-メチル-2-ピロリドンの含有量は、65mm 3 /m 2 以上125mm 3 /m 2 以下である、
    リチウムイオン二次電池用正極。
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