JP7351409B2 - 二次電池 - Google Patents
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Description
本技術は、二次電池に関する。
携帯電話機などの多様な電子機器が普及しているため、小型かつ軽量であると共に高エネルギー密度を得ることが可能である電源として、二次電池の開発が進められている。この二次電池は、正極および負極と共に電解質を備えている。
二次電池の構成は、電池特性に影響を及ぼすため、その二次電池の構成に関しては、様々な検討がなされている。具体的には、セパレータの熱収縮に起因して短絡の範囲が拡大することを防止するために、そのセパレータ(リードと対向する部分)に熱収縮防止層が設けられている(例えば、特許文献1参照。)。
二次電池の電池特性を改善するために様々な検討がなされているが、その二次電池のサイクル特性、膨れ特性および安全性は未だ十分でないため、改善の余地がある。
本技術はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、優れたサイクル特性、膨れ特性および安全性を得ることが可能である二次電池を提供することにある。
本技術の一実施形態の二次電池は、正極集電体および正極活物質層を含む正極と、その正極に対向する負極と、鎖状カルボン酸エステルを含む電解液と、ゴム系高分子化合物を含有する接着層を含む絶縁部材とを備え、その正極は正極集電体が露出した露出部を含み、その絶縁部材は負極に対向する側において接着層を介して露出部に接着されているものである。
本技術の一実施形態の二次電池によれば、電解液が鎖状カルボン酸エステルを含み、絶縁部材がゴム系高分子化合物を含有する接着層を含み、その絶縁部材が負極に対向する側において接着層を介して正極の露出部に接着されているので、優れたサイクル特性、膨れ特性および安全性を得ることができる。
なお、本技術の効果は、必ずしもここで説明された効果に限定されるわけではなく、後述する本技術に関連する一連の効果のうちのいずれの効果でもよい。
以下、本技術の一実施形態に関して、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、説明する順序は、下記の通りである。
1.二次電池
1-1.構成
1-2.動作
1-3.製造方法
1-4.作用および効果
2.変形例
3.二次電池の用途
1.二次電池
1-1.構成
1-2.動作
1-3.製造方法
1-4.作用および効果
2.変形例
3.二次電池の用途
<1.二次電池>
まず、本技術の一実施形態の二次電池に関して説明する。
まず、本技術の一実施形態の二次電池に関して説明する。
ここで説明する二次電池は、電極反応物質の吸蔵放出を利用して電池容量が得られる二次電池であり、正極および負極と共に電解質を備えている。この二次電池では、充電途中において負極の表面に電極反応物質が意図せずに析出することを防止するために、その負極の充電容量は、正極の放電容量よりも大きくなっている。すなわち、負極の単位面積当たりの電気化学容量は、正極の単位面積当たりの電気化学容量よりも大きくなるように設定されている。
電極反応物質の種類は、特に限定されないが、具体的には、アルカリ金属およびアルカリ土類金属などの軽金属である。アルカリ金属は、リチウム、ナトリウムおよびカリウムなどであると共に、アルカリ土類金属は、ベリリウム、マグネシウムおよびカルシウムなどである。
以下では、電極反応物質がリチウムである場合を例に挙げる。リチウムの吸蔵放出を利用して電池容量が得られる二次電池は、いわゆるリチウムイオン二次電池であり、そのリチウムイオン二次電池では、リチウムがイオン状態で吸蔵放出される。
<1-1.構成>
図1は、二次電池の斜視構成を表している。図2は、図1に示した電池素子10の平面構成を表していると共に、図3は、図2に示したA-A線に沿った電池素子10の断面構成を表している。ただし、図1では、電池素子10と外装フィルム20とが互いに分離された状態を示している。
図1は、二次電池の斜視構成を表している。図2は、図1に示した電池素子10の平面構成を表していると共に、図3は、図2に示したA-A線に沿った電池素子10の断面構成を表している。ただし、図1では、電池素子10と外装フィルム20とが互いに分離された状態を示している。
図4は、図1に示した電池素子10の断面構成を模式的に表していると共に、図5は、図1に示した電池素子10の巻回状態を模式的に表している。ただし、図4では、Y軸方向に延在する巻回軸Jと交差する電池素子10の断面を示している。図5では、図示内容を簡略化するために、太線を用いて正極11を示していると共に、細線を用いて負極12を示している。
図6は、図1に示した電池素子10の断面構成を拡大して表していると共に、図7は、図6に示したセパレータ13の断面構成を拡大して表している。ただし、図6では、正極11、負極12およびセパレータ13のそれぞれの一部だけを示していると共に、図7では、セパレータ13の一部だけを示している。
図8は、図1に示した電池素子10の主要部の断面構成を拡大して表している。ただし、図8では、絶縁テープ16の設置場所の近傍部分を示している。
この二次電池は、図1~図8に示したように、電池素子10と、外装フィルム20と、正極リード14と、負極リード15と、絶縁テープ16と、固定テープ23とを備えている。電池素子10は、外装フィルム20の内部に収納されていると共に、正極リード14および負極リード15のそれぞれは、外装フィルム20の内部から外部に向かって互いに共通する方向に導出されている。
ここで説明する二次電池は、電池素子10を収納するための外装部材として、可撓性(または柔軟性)を有する外装部材(外装フィルム20)を用いたラミネートフィルム型の二次電池である。
[外装フィルム]
外装フィルム20は、図1に示したように、1枚のフィルム状の部材であり、矢印R(一点鎖線)の方向に折り畳み可能である。この外装フィルム20は、上記したように、電池素子10を収納する可撓性の外装部材であるため、正極11、負極12および電解液と共に絶縁テープ16を収納している。なお、外装フィルム20には、電池素子10を収容するための窪み部20U(いわゆる深絞り部)が設けられている。
外装フィルム20は、図1に示したように、1枚のフィルム状の部材であり、矢印R(一点鎖線)の方向に折り畳み可能である。この外装フィルム20は、上記したように、電池素子10を収納する可撓性の外装部材であるため、正極11、負極12および電解液と共に絶縁テープ16を収納している。なお、外装フィルム20には、電池素子10を収容するための窪み部20U(いわゆる深絞り部)が設けられている。
具体的には、外装フィルム20は、融着層、金属層および表面保護層が内側からこの順に積層された3層のラミネートフィルムであり、その外装フィルム20が折り畳まれた状態では、互いに対向する融着層のうちの外周縁部同士が互いに融着されている。融着層は、ポリプロピレンなどの高分子化合物を含んでいる。金属層は、アルミニウムなどの金属材料を含んでいる。表面保護層は、ナイロンなどの高分子化合物を含んでいる。
ただし、外装フィルム20の構成(層数)は、特に、限定されないため、1層または2層でもよいし、4層以上でもよい。すなわち、外装フィルム20は、ラミネートフィルムに限られず、単層のフィルムでもよい。
外装フィルム20と正極リード14との間には、密着フィルム21が挿入されていると共に、外装フィルム20と負極リード15との間には、密着フィルム22が挿入されている。密着フィルム21,22のそれぞれは、外装フィルム20の内部に外気などが意図せずに侵入することを防止する部材であり、正極リード14および負極リード15のそれぞれに対して密着性を有するポリオレフィンなどの高分子化合物のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。このポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレンおよび変性ポリプロピレンなどである。ただし、密着フィルム21,22のうちの一方または双方は、省略されてもよい。
[固定テープ]
固定テープ23は、電池素子10の立体的形状(成型状態)を維持するために、その電池素子10に取り付けられた固定部材である。この固定テープ23は、図2および図3に示したように、後述する長軸K1(図4)と交差する方向において電池素子10の一端部(上面10M1)から他端部(下面10M2)まで延在しており、その上面10M1および下面10M2のそれぞれに固定されている。なお、図2では、固定テープ23に網掛けを施している。
固定テープ23は、電池素子10の立体的形状(成型状態)を維持するために、その電池素子10に取り付けられた固定部材である。この固定テープ23は、図2および図3に示したように、後述する長軸K1(図4)と交差する方向において電池素子10の一端部(上面10M1)から他端部(下面10M2)まで延在しており、その上面10M1および下面10M2のそれぞれに固定されている。なお、図2では、固定テープ23に網掛けを施している。
具体的には、後述するように、電池素子10の断面の形状は、長軸K1および短軸K2により規定される扁平形状である。この断面の形状が扁平形状である電池素子10は、正極11および負極12がセパレータ13を介して巻回されることにより、巻回体が作製されたのち、断面の形状が扁平形状となるように巻回体が押圧(成型)されることにより、作製されている。ここで説明した巻回体は、正極11、負極12およびセパレータ13のそれぞれに電解液が含浸されていないことを除いて、電池素子10の構成と同様の構成を有している。
この固定テープ23は、巻回体が押圧される方向、すなわち長軸K1と交差する方向に延在する帯状の接着部材である。固定テープ23の延在方向は、長軸K1と交差する方向であれば、特に限定されないため、短軸K2に沿った方向(Z軸方向)でもよいし、その短軸K2に対して傾斜した方向でもよい。ここでは、固定テープ23は、短軸K2に沿った方向に延在している。
また、固定テープ23は、一端部(上端部23E1)および他端部(下端部23E2)を有しているため、その固定テープ23では、上端部23E1が電池素子10の上面10M1に接着されていると共に、下端部23E2が電池素子10の下面10M2に接着されている。これにより、電池素子10は、長軸K1と交差する方向において上端部23E1および下端部23E2により挟まれている。このため、固定テープ23は、弾性変形に起因して電池素子10が押圧方向と反対方向に変形(復元)することを抑制する機能、すなわち電池素子10の立体的形状(成型状態)を維持する機能を果たしている。
固定テープ23の構成は、接着性を有するテープ状の部材であれば、特に限定されない。また、固定テープ23の個数および位置は、電池素子10の立体的形状を維持可能であれば、特に限定されない。
ここでは、二次電池は、図2に示したように、3個の固定テープ23(23A,23B,23C)を備えている。巻回軸Jに沿った方向(Y軸方向)において、固定テープ23Aは、正極リード14および負極リード15に近い側に配置されていると共に、固定テープ23B,23Cは、正極リード14および負極リード15から遠い側に配置されている。また、固定テープ23B,23Cは、間隔を隔てて互いに離隔されている。
[電池素子]
電池素子10は、図1~図7に示したように、正極11と、負極12と、セパレータ13と、液状の電解質である電解液とを備えており、その電解液は、正極11、負極12およびセパレータ13のそれぞれに含浸されている。ただし、図6および図7では、電解液の図示を省略している。
電池素子10は、図1~図7に示したように、正極11と、負極12と、セパレータ13と、液状の電解質である電解液とを備えており、その電解液は、正極11、負極12およびセパレータ13のそれぞれに含浸されている。ただし、図6および図7では、電解液の図示を省略している。
この電池素子10は、図1、図4~図6に示したように、正極11および負極12がセパレータ13を介して巻回方向Dに巻回された構造体であり、いわゆる巻回電極体である。ここでは、正極11および負極12がセパレータ13を介して互いに積層されていると共に、その正極11、負極12およびセパレータ13が巻回軸Jを中心として巻回方向Dに巻回されていることにより、巻回電極体である電池素子10が形成されている。すなわち、正極11および負極12は、セパレータ13を介して互いに対向しながら、そのセパレータ13と一緒に巻回されている。ただし、図5では、セパレータ13の図示を省略している。
巻回軸Jと交差する電池素子10の断面(XZ面に沿った断面)の形状は、図4に示したように、長軸K1および短軸K2により規定される扁平形状であり、より具体的には扁平な略楕円形である。この長軸K1は、X軸方向に延在すると共に相対的に大きい長さを有する軸(横軸)であると共に、短軸K2は、X軸方向と交差するZ軸方向に延在すると共に相対的に小さい長さを有する軸(縦軸)である。
(正極)
正極11は、図6に示したように、正極集電体11Aと、その正極集電体11Aの両面に設けられた2個の正極活物質層11Bとを含んでいる。ただし、正極活物質層11Bは、正極集電体11Aの片面だけに設けられていてもよい。
正極11は、図6に示したように、正極集電体11Aと、その正極集電体11Aの両面に設けられた2個の正極活物質層11Bとを含んでいる。ただし、正極活物質層11Bは、正極集電体11Aの片面だけに設けられていてもよい。
正極集電体11Aは、金属材料などの導電性材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでおり、その金属材料は、アルミニウム、ニッケルおよびステンレスなどである。正極活物質層11Bは、リチウムを吸蔵放出可能である正極活物質のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。ただし、正極活物質層11Bは、さらに、正極結着剤および正極導電剤などを含んでいてもよい。
正極活物質の種類は、特に限定されないが、具体的には、リチウム含有遷移金属化合物などのリチウム含有化合物である。このリチウム含有遷移金属化合物は、リチウムと共に1種類または2種類以上の遷移金属元素を含んでおり、さらに、1種類または2種類以上の他元素を含んでいてもよい。他元素の種類は、遷移金属元素以外の任意の元素であれば、特に限定されないが、具体的には、長周期型周期表中の2族~15族に属する元素である。リチウム含有遷移金属化合物の種類は、特に限定されないが、具体的には、酸化物、リン酸化合物、ケイ酸化合物およびホウ酸化合物などのうちのいずれでもよい。
酸化物の具体例は、LiNiO2 、LiCoO2 、LiCo0.98Al0.01Mg0.01O2 、LiNi0.5 Co0.2 Mn0.3 O2 、LiNi0.8 Co0.15Al0.05O2 、LiNi0.33Co0.33Mn0.33O2 、Li1.2 Mn0.52Co0.175 Ni0.1 O2 、Li1.15(Mn0.65Ni0.22Co0.13)O2 およびLiMn2 O4 などである。リン酸化合物の具体例は、LiFePO4 、LiMnPO4 、LiFe0.5 Mn0.5 PO4 およびLiFe0.3 Mn0.7 PO4 などである。
ここでは、正極活物質層11Bは、巻回方向Dにおける正極集電体11Aの途中だけに設けられている。このため、正極11の巻内側の端部では、正極集電体11Aが正極活物質層11Bにより被覆されておらずに露出していると共に、正極11の巻外側の端部では、正極集電体11Aが正極活物質層11Bにより被覆されておらずに露出している。
なお、巻内側の端部において正極集電体11Aが露出している正極11の詳細な構成に関しては、後述する(図8参照)。
正極結着剤は、合成ゴムおよび高分子化合物などのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。合成ゴムは、スチレンブタジエン系ゴム、フッ素系ゴムおよびエチレンプロピレンジエンなどである。高分子化合物は、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミドおよびカルボキシメチルセルロースなどである。
正極導電剤は、炭素材料などの導電性材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでおり、その炭素材料は、黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラックおよびケッチェンブラックなどである。ただし、導電性材料は、金属材料および高分子化合物などでもよい。
(負極)
負極12は、上記したように、正極11に対向している。この負極12は、図6に示したように、負極集電体12Aと、その負極集電体12Aの両面に設けられた2個の負極活物質層12Bとを含んでいる。ただし、負極活物質層12Bは、負極集電体12Aの片面だけに設けられていてもよい。
負極12は、上記したように、正極11に対向している。この負極12は、図6に示したように、負極集電体12Aと、その負極集電体12Aの両面に設けられた2個の負極活物質層12Bとを含んでいる。ただし、負極活物質層12Bは、負極集電体12Aの片面だけに設けられていてもよい。
負極集電体12Aは、金属材料などの導電性材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでおり、その金属材料は、銅、アルミニウム、ニッケルおよびステンレスなどである。負極活物質層12Bは、リチウムを吸蔵放出可能である負極活物質のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。ただし、負極活物質層12Bは、さらに、負極結着剤および負極導電剤などを含んでいてもよい。負極結着剤に関する詳細は、正極結着剤に関する詳細と同様であると共に、負極導電剤に関する詳細は、正極導電剤に関する詳細と同様である。
負極活物質の種類は、特に限定されないが、具体的には、炭素材料および金属系材料などである。炭素材料は、易黒鉛化性炭素、難黒鉛化性炭素および黒鉛などであり、その黒鉛は、天然黒鉛および人造黒鉛などである。金属系材料は、リチウムと合金を形成可能である金属元素および半金属元素のうちのいずれか1種類または2種類以上を含む材料であり、その金属元素および半金属元素は、ケイ素およびスズなどである。なお、金属系材料は、単体でもよいし、合金でもよいし、化合物でもよいし、それらの2種類以上の混合物でもよい、それらの2種類以上の相を含む材料でもよい。
金属系材料の具体例は、SiB4 、SiB6 、Mg2 Si、Ni2 Si、TiSi2 、MoSi2 、CoSi2 、NiSi2 、CaSi2 、CrSi2 、Cu5 Si、FeSi2 、MnSi2 、NbSi2 、TaSi2 、VSi2 、WSi2 、ZnSi2 、SiC、Si3 N4 、Si2 N2 O、SiOv (0<v≦2)、LiSiO、SnOw (0<w≦2)、SnSiO3 、LiSnOおよびMg2 Snなどである。ただし、SiOv のvは、0.2<v<1.4を満たしていてもよい。
負極活物質層12Bの形成方法は、特に限定されないが、具体的には、塗布法、気相法、液相法、溶射法および焼成法(焼結法)などのうちのいずれか1種類または2種類以上である。
ここでは、負極活物質層12Bは、巻回方向Dにおける負極集電体12Aの途中だけに設けられている。このため、負極12の巻内側の端部では、負極集電体12Aが負極活物質層12Bにより被覆されておらずに露出していると共に、負極12の巻外側の端部では、負極集電体12Aが負極活物質層12Bにより被覆されておらずに露出している。
(セパレータ)
セパレータ13は、図6に示したように、正極11と負極12との間に介在している絶縁性の多孔質膜であり、その正極11と負極12との接触を防止しながらリチウムイオンを通過させる。
セパレータ13は、図6に示したように、正極11と負極12との間に介在している絶縁性の多孔質膜であり、その正極11と負極12との接触を防止しながらリチウムイオンを通過させる。
ここでは、セパレータ13は、後述する高分子化合物層13Bを含む多層構造を有している。具体的には、多層構造を有するセパレータ13は、図7に示したように、多孔質層13Aと、その多孔質層13Aの両面に設けられた2個の高分子化合物層13Bとを含んでいる。正極11および負極12のそれぞれに対するセパレータ13の密着性が向上するため、電池素子10の位置ずれが発生しにくくなるからである。これにより、電解液の分解反応などが発生しても、二次電池が膨れにくくなる。ただし、高分子化合物層13Bは、多孔質層13Aの片面だけに設けられていてもよい。
多孔質層13Aは、正極11と負極12との間に介在しており、一対の面(対向面M1,M2)を有している。対向面M1は、正極11に対向する側における多孔質層13Aの表面であると共に、対向面M2は、負極12に対向する側における多孔質層13Aの表面である。また、多孔質層13Aは、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンおよびポリエチレンなどの高分子化合物のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。なお、多孔質層13Aは、単層でもよいし、多層でもよい。
高分子化合物層13Bは、多孔質層13Aの両面に設けられているため、対向面M1,M2のそれぞれに設けられている。この高分子化合物層13Bは、高分子化合物と共に複数の無機粒子を含んでいる。二次電池の発熱時において複数の無機粒子が放熱するため、その二次電池の耐熱性および安全性が向上するからである。なお、高分子化合物層13Bは、単層でもよいし、多層でもよい。
高分子化合物は、ポリフッ化ビニリデンなどのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。優れた物理的強度が得られると共に、電気化学的な安定性も得られるからである。複数の無機粒子は、酸化アルミニウム(アルミナ)、窒化アルミニウム、ベーマイト、酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン(チタニア)、酸化マグネシウム(マグネシア)および酸化ジルコニウム(ジルコニア)などの無機材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。
ここでは、多孔質層13Aおよび高分子化合物層13Bは、いずれも多層構造を有するセパレータ13の一部(一構成要素)であるため、その多孔質層13Aおよび高分子化合物層13Bは、互いに一体化されている。
(電解液)
電解液は、溶媒および電解質塩を含んでいる。
電解液は、溶媒および電解質塩を含んでいる。
溶媒は、非水溶媒(有機溶剤)のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでおり、その非水溶媒を含んでいる電解液は、いわゆる非水電解液である。
具体的には、溶媒は、鎖状カルボン酸エステルのうちのいずれか1種類または2種類以上である。充放電を繰り返しても放電容量が減少しにくくなるからである。
鎖状カルボン酸エステルの種類は、特に限定されないが、具体的には、酢酸メチル、酢酸エチル、トリメチル酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、酪酸メチルおよび酪酸エチルなどである。
溶媒中における鎖状カルボン酸エステルの含有量は、特に限定されないが、中でも、20重量%~60重量%であることが好ましい。後述する露出部11Zから絶縁テープ16が剥離しにくくなると共に、充放電を繰り返しても放電容量が十分に減少しにくくなるからである。
この他、溶媒は、他の溶媒のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいてもよい。他の溶媒は、エステル類およびエーテル類などであり、より具体的には、炭酸エステル系化合物およびラクトン系化合物などである。炭酸エステル系化合物は、環状炭酸エステルおよび鎖状炭酸エステルなどである。環状炭酸エステルは、炭酸エチレンおよび炭酸プロピレンなどであると共に、鎖状炭酸エステルは、炭酸ジメチル、炭酸ジエチルおよび炭酸メチルエチルなどである。ラクトン系化合物は、γ-ブチロラクトンおよびγ-バレロラクトンなどである。エーテル類は、上記したラクトン系化合物の他、1,2-ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,3-ジオキソランおよび1,4-ジオキサンなどである。
また、他の溶媒は、不飽和環状炭酸エステル、ハロゲン化炭酸エステル、スルホン酸エステル、リン酸エステル、酸無水物、ニトリル化合物およびイソシアネート化合物などである。電解液の化学的安定性が向上するからである。
具体的には、不飽和環状炭酸エステルは、炭酸ビニレン、炭酸ビニルエチレンおよび炭酸メチレンエチレンなどである。ハロゲン化炭酸エステルは、モノフルオロ炭酸エチレンおよびジフルオロ炭酸エチレンなどである。スルホン酸エステルは、1,3-プロパンスルトンおよび1,3-プロペンスルトンなどである。リン酸エステルは、リン酸トリメチルなどである。酸無水物は、環状カルボン酸無水物、環状ジスルホン酸無水物および環状カルボン酸スルホン酸無水物などである。環状カルボン酸無水物は、コハク酸無水物、グルタル酸無水物およびマレイン酸無水物などである。環状ジスルホン酸無水物は、エタンジスルホン酸無水物およびプロパンジスルホン酸無水物などである。環状カルボン酸スルホン酸無水物は、スルホ安息香酸無水物、スルホプロピオン酸無水物およびスルホ酪無水物などである。ニトリル化合物は、アセトニトリル、アクリロニトリル、マロノニトリル、スクシノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、セバコニトリルおよびフタロニトリルなどである。イソシアネート化合物は、ヘキサメチレンジイソシアネートなどである。
電解質塩は、リチウム塩などの軽金属塩のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。このリチウム塩は、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 )、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4 )、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3 SO3 )、ビス(フルオロスルホニル)イミドリチウム(LiN(FSO2 )2 )、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(CF3 SO2 )2 )、リチウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド(LiC(CF3 SO2 )3 )およびビス(オキサラト)ホウ酸リチウム(LiB(C2 O4 )2 )などである。電解質塩の含有量は、特に限定されないが、具体的には、溶媒に対して0.3mol/kg~3.0mol/kgである。高いイオン伝導性が得られるからである。
[正極リードおよび負極リード]
正極リード14は、正極11に接続された正極端子であり、アルミニウムなどの導電性材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。より具体的には、正極リード14は、正極活物質層11Bにより被覆されておらずに露出している正極集電体11Aに接続されている。正極リード14の形状は、薄板状および網目状などである。
正極リード14は、正極11に接続された正極端子であり、アルミニウムなどの導電性材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。より具体的には、正極リード14は、正極活物質層11Bにより被覆されておらずに露出している正極集電体11Aに接続されている。正極リード14の形状は、薄板状および網目状などである。
負極リード15は、負極12に接続された負極端子であり、銅、ニッケルおよびステンレスなどの導電性材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。この負極リード15は、負極活物質層12Bにより被覆されておらずに露出している負極集電体12Aに接続されている。負極リード15の形状は、正極リード14の形状と同様である。
ここでは、正極リード14は、巻回方向Dにおける正極11の巻内側の端部において、正極集電体11A(後述する露出部11Z)に接続されている。また、負極リード15は、巻回方向Dにおける負極12の巻内側の端部において、負極集電体12Aに接続されている。ただし、正極リード14および負極リード15は、互いに重ならないように配置されている。
正極リード14および負極リード15のそれぞれの数は、特に限定されないため、1本でもよいし、2本以上でもよい。この場合には、特に、正極リード14および負極リード15のそれぞれの数が2本以上であれば、二次電池の電気抵抗が低下する。なお、図1および図2では、正極リード14の数が1本であると共に負極リード15の数が1本である場合を示している。
[絶縁テープ]
絶縁テープ16は、正極11と負極12との短絡を防止すると共に充放電時においてリチウムが意図せずに析出することを防止する絶縁部材である。この絶縁テープ16は、接着性を有しており、正極11に設けられている。
絶縁テープ16は、正極11と負極12との短絡を防止すると共に充放電時においてリチウムが意図せずに析出することを防止する絶縁部材である。この絶縁テープ16は、接着性を有しており、正極11に設けられている。
具体的には、正極11は、図8に示したように、露出部11Zを含んでいる。ここでは、露出部11Zは、巻回方向Dにおける正極11の端部に配置されている。この露出部11Zは、正極11の一部であり、より具体的には正極集電体11Aが負極12(ここでは、負極活物質層12B)に対向していると共に正極活物質層11Bにより被覆されずに露出している部分である。
すなわち、巻回方向Dにおいて、負極12における負極活物質層12Bの形成範囲は、正極11における正極活物質層11Bの形成範囲よりも拡張されている。このため、巻回方向Dにおける正極11の端部(露出部11Z)では、正極集電体11Aが正極活物質層11Bにより被覆されておらずに露出しており、その露出している正極集電体11Aがセパレータ13を介して負極活物質層12Bに対向している。
ここでは、露出部11Zは、巻回方向Dにおける正極11の巻内側の端部に配置されているため、正極11は、巻内側の端部に露出部11Zを含んでいる。また、正極リード14は、露出部11Zに接続されているため、正極11(正極集電体11A)と電気的に接続されている。
この場合において、絶縁テープ16は、露出部11Zに設けられている。より具体的は、絶縁テープ16は、負極活物質層12Bに対向する側において、露出部11Zの表面に接着されている。
この絶縁テープ16は、接着層16Bを含んでいる。より具体的には、絶縁テープ16は、絶縁性の基材層16Aと、その基材層16Aの一面に設けられた接着層16Bとを含んでいるため、露出部11Zに対して接着層16Bを介して接着されている。
基材層16Aは、絶縁性の高分子化合物のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでおり、その高分子化合物は、ポリエチレンテレフタラート(polyethylene terephthalate(PET))およびポリエチレン(polyethylene(PE))などである。
接着層16Bは、ゴム系高分子化合物のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。この「ゴム系高分子化合物」とは、天然ゴムおよび合成ゴムなどのゴム弾性を有するポリマーを基材とした粘着剤(いわゆるゴム系粘着剤)であり、粘着付与剤などが導入された粘着剤も含む。ゴム系高分子化合物の具体例は、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ポリイソブチレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、フッ素ゴム、エピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴムおよびシリコーンゴムなどである。
接着層16Bがゴム系高分子化合物を含んでいるのは、電解液(溶媒)中の鎖状カルボン酸エステルにより接着層16Bが膨潤されにくくなるため、基材層16Aと露出部11Zとの間に鎖状カルボン酸エステルが染み込みにくくなるからである。これにより、露出部11Zに対する接着層16Bの接着強度が低下しにくくなるため、その露出部11Zから絶縁テープ16が剥離しにくくなる。よって、溶媒が鎖状カルボン酸エステルを含んでいても、正極11と負極12との短絡が発生しにくくなると共に、充放電時においてリチウムが析出しにくくなる。
露出部11Zにおける絶縁テープ16の設置範囲は、特に限定されない。このため、絶縁テープ16の設置範囲は、露出部11Zの表面の一部でもよいし、露出部11Zの表面の全体でもよい。もちろん、互いに分離された複数の絶縁テープ16が露出部11Zの表面に接着されていてもよい。図8では、露出部11Zの表面の全体に絶縁テープ16が接着されている場合を示している。
露出部11Zに対する絶縁テープ16の接着強度は、特に限定されないが、中でも、1mN/mm2 ~15mN/mm2 であることが好ましい。露出部11Zに対する絶縁テープ16の接着性が担保されるため、その絶縁テープ16が十分に剥離しにくくなるからである。この接着強度は、テンシロン万能試験機などの剥離試験機(180°剥離法)を用いて測定される。なお、接着層16Bの厚さは、上記した接着強度などに応じて任意に設定可能である。
ここでは、図8に示したように、正極リード14が露出部11Zに接続されているため、その露出部11Zに接着されている絶縁テープ16は、正極リード14を被覆している。正極集電体11Aに対する正極リード14の接続状態が絶縁テープ16により保護されるため、その正極集電体11Aに対する正極リード14の接続状態が維持されやすくなるからである。これにより、二次電池が落下時の衝撃などを受けても、正極リード14が正極集電体11Aから脱落しにくくなる。
また、図7および図8に示したように、多層構造を有するセパレータ13が用いられているため、多孔質層13Aと絶縁テープ16との間に高分子化合物層13Bが介在している。多孔質層13Aおよび高分子化合物層13Bのそれぞれは、上記したように、多層構造を有するセパレータ13の一部であるため、その多孔質層13Aおよび高分子化合物層13Bは、互いに一体化されている。
なお、図8では、絶縁テープ16の構成を見やすくするために、その絶縁テープ16がセパレータ13から離隔された状態を示している。しかしながら、実際には、電池素子10の巻芯部では正極11および負極12がセパレータ13を介してきつく巻回されているため、絶縁テープ16がセパレータ13に密着している。
<1-2.動作>
二次電池の充電時には、正極11からリチウムが放出されると共に、そのリチウムが電解液を介して負極12に吸蔵される。また、二次電池の放電時には、負極12からリチウムが放出されると共に、そのリチウムが電解液を介して正極11に吸蔵される。この充放電時には、リチウムがイオン状態で吸蔵放出される。
二次電池の充電時には、正極11からリチウムが放出されると共に、そのリチウムが電解液を介して負極12に吸蔵される。また、二次電池の放電時には、負極12からリチウムが放出されると共に、そのリチウムが電解液を介して正極11に吸蔵される。この充放電時には、リチウムがイオン状態で吸蔵放出される。
<1-3.製造方法>
二次電池を製造する場合には、以下で説明する手順により、正極11および負極12を作製すると共に電解液を調製したのち、その正極11、負極12および電解液を用いて二次電池を作製する。以下では、既に説明した図1~図8のそれぞれの図示内容を随時引用する。
二次電池を製造する場合には、以下で説明する手順により、正極11および負極12を作製すると共に電解液を調製したのち、その正極11、負極12および電解液を用いて二次電池を作製する。以下では、既に説明した図1~図8のそれぞれの図示内容を随時引用する。
[正極の作製]
最初に、正極活物質と、必要に応じて正極結着剤および正極導電剤などとを混合することにより、正極合剤とする。続いて、有機溶剤などに正極合剤を投入することにより、ペースト状の正極合剤スラリーを調製する。最後に、正極集電体11Aの両面に正極合剤スラリーを塗布することにより、正極活物質層11Bを形成する。この場合には、上記したように、正極活物質層11Bが正極集電体11Aの一部に形成されるように、正極合剤スラリーの塗布範囲を調整する。こののち、ロールプレス機を用いて正極活物質層11Bを圧縮成型してもよい。この場合には、正極活物質層11Bを加熱してもよいし、圧縮成型を複数回繰り返してもよい。これにより、正極集電体11Aの両面に正極活物質層11Bが形成されるため、正極11が作製される。
最初に、正極活物質と、必要に応じて正極結着剤および正極導電剤などとを混合することにより、正極合剤とする。続いて、有機溶剤などに正極合剤を投入することにより、ペースト状の正極合剤スラリーを調製する。最後に、正極集電体11Aの両面に正極合剤スラリーを塗布することにより、正極活物質層11Bを形成する。この場合には、上記したように、正極活物質層11Bが正極集電体11Aの一部に形成されるように、正極合剤スラリーの塗布範囲を調整する。こののち、ロールプレス機を用いて正極活物質層11Bを圧縮成型してもよい。この場合には、正極活物質層11Bを加熱してもよいし、圧縮成型を複数回繰り返してもよい。これにより、正極集電体11Aの両面に正極活物質層11Bが形成されるため、正極11が作製される。
この正極11を作製する場合には、後述する巻回体の作製工程において正極11および負極12のそれぞれが巻回された際に、その正極11が巻内側の端部に露出部11Zを含むようにする。
[負極の作製]
上記した正極11の作製手順と同様の手順により、負極集電体12Aの両面に負極活物質層12Bを形成する。具体的には、負極活物質と、必要に応じて負極結着剤および負極導電剤などとを混合することにより、負極合剤としたのち、有機溶剤などに負極合剤を投入することにより、ペースト状の負極合剤スラリーを調製する。続いて、負極集電体12Aの両面に負極合剤スラリーを塗布することにより、負極活物質層12Bを形成する。この場合には、上記したように、負極活物質層12Bが負極集電体12Aの一部に形成されるように、負極合剤スラリーの塗布範囲を調整する。こののち、負極活物質層12Bを圧縮成型してもよい。これにより、負極集電体12Aの両面に負極活物質層12Bが形成されるため、負極12が作製される。
上記した正極11の作製手順と同様の手順により、負極集電体12Aの両面に負極活物質層12Bを形成する。具体的には、負極活物質と、必要に応じて負極結着剤および負極導電剤などとを混合することにより、負極合剤としたのち、有機溶剤などに負極合剤を投入することにより、ペースト状の負極合剤スラリーを調製する。続いて、負極集電体12Aの両面に負極合剤スラリーを塗布することにより、負極活物質層12Bを形成する。この場合には、上記したように、負極活物質層12Bが負極集電体12Aの一部に形成されるように、負極合剤スラリーの塗布範囲を調整する。こののち、負極活物質層12Bを圧縮成型してもよい。これにより、負極集電体12Aの両面に負極活物質層12Bが形成されるため、負極12が作製される。
[電解液の調製]
鎖状カルボン酸エステルを含む溶媒に電解質塩を投入する。これにより、溶媒中において電解質塩が分散または溶解されるため、電解液が調製される。
鎖状カルボン酸エステルを含む溶媒に電解質塩を投入する。これにより、溶媒中において電解質塩が分散または溶解されるため、電解液が調製される。
[セパレータの準備]
最初に、対向面M1,M2を有する多孔質層13Aを準備する。続いて、有機溶剤などに高分子化合物および複数の無機粒子を投入することにより、ペースト状のスラリーを調製する。最後に、多孔質層13Aの両面(対向面M1,M2)にスラリーを塗布することにより、高分子化合物層13Bを形成する。これにより、複数の無機粒子を含む高分子化合物層13Bが多孔質層13Aの両面に形成されるため、多層構造を有するセパレータ13が作製される。
最初に、対向面M1,M2を有する多孔質層13Aを準備する。続いて、有機溶剤などに高分子化合物および複数の無機粒子を投入することにより、ペースト状のスラリーを調製する。最後に、多孔質層13Aの両面(対向面M1,M2)にスラリーを塗布することにより、高分子化合物層13Bを形成する。これにより、複数の無機粒子を含む高分子化合物層13Bが多孔質層13Aの両面に形成されるため、多層構造を有するセパレータ13が作製される。
[二次電池の組み立て]
最初に、溶接法などを用いて正極11の端部(露出部11Zである正極集電体11A)に正極リード14を接続させると共に、溶接法などを用いて負極12の端部(負極集電体12A)に負極リード15を接続させる。
最初に、溶接法などを用いて正極11の端部(露出部11Zである正極集電体11A)に正極リード14を接続させると共に、溶接法などを用いて負極12の端部(負極集電体12A)に負極リード15を接続させる。
続いて、露出部11Zに絶縁テープ16を取り付ける。この場合には、露出部11Zに接続されている正極リード14が絶縁テープ16により被覆されるように、ゴム系高分子化合物を含む接着層16Bを介して露出部11Zに絶縁テープ16を接着させる。
続いて、セパレータ13を介して正極11および負極12を互いに積層させたのち、巻回軸Jを中心として正極11、負極12およびセパレータ13を巻回方向Dに巻回させることにより、巻回体(図示せず)を作製する。
続いて、巻回軸Jと交差する方向において巻回体を押圧することにより、その巻回軸Jと交差する断面の形状が扁平形状となるように巻回体を成型する。続いて、巻回体に固定テープ23(23A~23C)を貼り付ける。
続いて、窪み部20Uの内部に巻回体を収容したのち、矢印Rの方向に外装フィルム20を折り畳む。続いて、熱融着法などを用いて外装フィルム20(融着層)のうちの2辺の外周縁部同士を互いに接着させることにより、袋状の外装フィルム20の内部に巻回体を収納する。
最後に、袋状の外装フィルム20の内部に電解液を注入したのち、熱融着法などを用いて外装フィルム20(融着層)のうちの残りの1辺の外周縁部同士を互いに接着させる。この場合には、外装フィルム20と正極リード14との間に密着フィルム21を挿入すると共に、外装フィルム20と負極リード15との間に密着フィルム22を挿入する。これにより、巻回体に電解液が含浸されるため、電池素子10が作製される。よって、袋状の外装フィルム20の内部に電池素子10が封入されるため、二次電池が組み立てられる。
[二次電池の安定化]
組み立て後の二次電池を充放電させる。環境温度、充放電回数(サイクル数)および充放電条件などの各種条件は、任意に設定可能である。これにより、負極12などの表面に被膜が形成されるため、二次電池の状態が電気化学的に安定化する。よって、外装フィルム20を用いた二次電池、すなわちラミネートフィルム型の二次電池が完成する。
組み立て後の二次電池を充放電させる。環境温度、充放電回数(サイクル数)および充放電条件などの各種条件は、任意に設定可能である。これにより、負極12などの表面に被膜が形成されるため、二次電池の状態が電気化学的に安定化する。よって、外装フィルム20を用いた二次電池、すなわちラミネートフィルム型の二次電池が完成する。
<1-4.作用および効果>
この二次電池によれば、電解液は、鎖状カルボン酸エステルを含んでいる。また、絶縁テープ16は、ゴム系高分子化合物を含有する接着層16Bを含んでおり、負極12の負極活物質層12Bに対向する側において接着層16Bを介して正極11の露出部11Zに接着されている。よって、以下で説明する理由により、優れたサイクル特性、膨れ特性および安全性を得ることができる。
この二次電池によれば、電解液は、鎖状カルボン酸エステルを含んでいる。また、絶縁テープ16は、ゴム系高分子化合物を含有する接着層16Bを含んでおり、負極12の負極活物質層12Bに対向する側において接着層16Bを介して正極11の露出部11Zに接着されている。よって、以下で説明する理由により、優れたサイクル特性、膨れ特性および安全性を得ることができる。
比較例の二次電池として、絶縁テープ16の接着層16Bがゴム系高分子化合物以外の材料を含んでいることを除いて本実施形態の二次電池の構成と同様の構成を有している二次電池が考えられる。このゴム系高分子化合物以外の材料は、具体的には、アクリル系高分子化合物などである。接着層16Bがアクリル系高分子化合物などを含んでいる場合においても、その接着層16Bが接着性を有するため、その接着層16Bを介して露出部11Zに絶縁テープ16が接着可能である。
この「アクリル系高分子化合物」とは、アクリルモノマーが選択されると共に共重合されることにより、所望の機能を有するアクリルポリマーが合成された粘着剤(いわゆるアクリル系粘着剤)である。このアクリル系高分子化合物は、アクリルポリマーを基材とした粘着剤であり、イソシアネートおよびエポキシなどの架橋剤が添加されたことに応じて架橋点が導入された粘着剤も含むと共に、アクリル酸およびアクリル酸ヒドロキシエチルなどの官能基含有モノマーが導入された粘着剤も含む。
しかしながら、比較例の二次電池では、電解液が鎖状カルボン酸エステルを含んでいる場合において、接着層16Bがアクリル系高分子化合物などを含んでいる。この場合には、鎖状カルボン酸エステルにより接着層16Bが膨潤されやすくなるため、基材層16Aと露出部11Zとの間に鎖状カルボン酸エステルが染み込みやすくなる。これにより、露出部11Zに対する接着層16Bの接着強度が低下しやすくなるため、その露出部11Zから絶縁テープ16が剥離しやすくなる。ここで説明した絶縁テープ16の剥離は、一部剥離および全部剥離のうちの一方または双方を含んでいる。
これらのことから、比較例の二次電池では、絶縁テープ16の剥離に起因して、正極11(正極集電体11A)と負極12(負極集電体12A)とがセパレータ13を介して直接的に対向する領域が形成されやすくなる。この場合には、セパレータ13が熱的要因などに起因して収縮すると、正極11と負極12との短絡が発生しやすくなるため、安全性が低下する。よって、優れた安全性を得ることが困難であると共に、優れたサイクル特性および膨れ特性を得ることも困難である。
これに対して、本実施形態の二次電池では、電解液が鎖状カルボン酸エステルを含んでいる場合において、接着層16Bがゴム系高分子化合物を含んでいる。この場合には、鎖状カルボン酸エステルにより接着層16Bが膨潤されにくくなるため、基材層16Aと露出部11Zとの間に鎖状カルボン酸エステルが染み込みにくくなる。これにより、露出部11Zに対する接着層16Bの接着強度が低下しにくくなるため、その露出部11Zから絶縁テープ16が剥離しにくくなる。
これらのことから、本実施形態の二次電池では、露出部11Zに対する絶縁テープ16の接着状態が維持されやすくなるため、正極11と負極12との短絡が発生しにくくなるため、安全性が向上する。よって、優れた安全性を得ることができると共に、優れたサイクル特性および膨れ特性を得ることもできる。
詳細には、電解液中における鎖状カルボン酸エステルの含有量を増加させると、サイクル特性が向上する反面、絶縁テープ16(接着層16B)が膨潤されやすくなるため、安全性が低下する傾向にある。また、絶縁テープ16において接着層16Bの量(厚さ)を増加させると、その接着層16Bが膨潤されにくくなるため、安全性が向上する反面、その接着層16Bの一部が電解液と反応しやすくなるため、サイクル特性および膨れ特性が低下する傾向にある。しかしながら、接着層16Bがゴム系高分子化合物を含んでいる本実施形態の二次電池では、電解液中における鎖状カルボン酸エステルの含有量を増加させても、接着層16Bが膨潤されにくくなるため、安全性が向上すると共に、その接着層16Bの一部が電解液と反応しにくくなるため、サイクル特性および膨れ特性のそれぞれが向上する。よって、優れたサイクル特性、膨れ特性および安全性を得ることができる。
特に、ゴム系高分子化合物がイソプレンゴムなどを含んでいれば、接着層16Bが鎖状カルボン酸エステルにより十分に膨潤されにくくなるため、より高い効果を得ることができる。
また、露出部11Zに対する絶縁テープ16の接着強度が1mN/mm2 ~15mN/mm2 であれば、その露出部11Zに対する絶縁テープ16の接着性が担保される。よって、絶縁テープ16が露出部11Zから十分に剥離しにくくなるため、より高い効果を得ることができる。
また、正極11および負極12が巻回されていれば、その正極11(露出部11Z)が湾曲していても絶縁テープ16が十分に剥離しにくくなるため、より高い効果を得ることができる。この場合には、露出部11Zが正極11の巻内側の端部に配置されていれば、蓄熱しやすい(熱がこもりやすい)電池素子10(巻回電極体)の巻芯部においても短絡が効果的に発生しにくくなると共にリチウムが効果的に析出しにくくなるため、さらに高い効果を得ることができる。
また、巻回軸Jと交差する電池素子10の断面の形状が扁平形状であると共に、長軸K1と交差する方向において電池素子10の上面10M1および下面10M2のそれぞれに固定テープ23が固定されていれば、その固定テープ23により電池素子10の立体的形状(成型状態)が維持される。よって、正極11、負極12およびセパレータ13の巻回状態が維持されることに起因してセパレータ13が熱収縮しにくくなるため、より高い効果を得ることができる。
また、多層構造を有するセパレータ13を用いれば、正極11と負極12との間に多孔質層13Aが介在すると共に、その多孔質層13Aと絶縁テープ16との間に複数の無機粒子を含む高分子化合物層13Bが介在する。この場合には、複数の無機粒子により、二次電池の耐熱性が担保されながら、多孔質層13Aにより、リチウムイオンの移動性が担保される。よって、安全性が担保されながら充放電反応が円滑かつ安定に進行可能になるため、より高い効果を得ることができる。
また、正極リード14が露出部11Zに接続されていると共に、絶縁テープ16が正極リード14を被覆していれば、その露出部11Zに対する正極リード14の接続状態が絶縁テープ16により保護される。よって、二次電池が落下時の衝撃などを受けても、正極リード14が正極集電体11Aから脱落しにくくなるため、より高い効果を得ることができる。
また、可撓性の外装フィルム20が正極11、負極12および電解液と共に絶縁テープ16を収納していれば、内圧の上昇に起因して変形しやすい外装フィルム20を用いた場合、すなわち外装フィルム20の可撓性に起因して二次電池の膨れが顕在化しやすい場合においても、その二次電池の膨れが効果的に抑制されるため、より高い効果を得ることができる。
また、二次電池がリチウムイオン二次電池であれば、リチウムの吸蔵現象および放出現象を利用して十分な電池容量が安定に得られるため、より高い効果を得ることができる。
<2.変形例>
次に、二次電池の変形例に関して説明する。上記した二次電池の構成は、以下で説明するように、適宜、変更可能である。ただし、以下で説明する一連の変形例に関しては、任意の2種類以上が互いに組み合わされてもよい。
次に、二次電池の変形例に関して説明する。上記した二次電池の構成は、以下で説明するように、適宜、変更可能である。ただし、以下で説明する一連の変形例に関しては、任意の2種類以上が互いに組み合わされてもよい。
[変形例1]
図8では、正極集電体11A(露出部11Z)がセパレータ13を介して負極12(負極活物質層12B)に対向しており、その露出部11Zに絶縁テープ16が接着されている。
図8では、正極集電体11A(露出部11Z)がセパレータ13を介して負極12(負極活物質層12B)に対向しており、その露出部11Zに絶縁テープ16が接着されている。
しかしながら、図8に対応する図9に示したように、負極12が露出部12Zを含んでいるため、正極集電体11A(露出部11Z)がセパレータ13を介して負極12(露出部12Z)に対向しており、その露出部11Zに絶縁テープ16が接着されていてもよい。この露出部12Zは、負極集電体12Aが負極活物質層12Bにより被覆されずに露出している部分である。この場合においても、絶縁テープ16を利用して正極11と負極12との短絡が発生しにくくなるため、同様の効果を得ることができる。
[変形例2]
図8では、露出部11Zが正極11の巻内側の端部に配置されており、その露出部11Zに絶縁テープ16が接着されている。しかしながら、露出部11Zの位置および絶縁テープ16の位置のそれぞれは、特に限定されない。
図8では、露出部11Zが正極11の巻内側の端部に配置されており、その露出部11Zに絶縁テープ16が接着されている。しかしながら、露出部11Zの位置および絶縁テープ16の位置のそれぞれは、特に限定されない。
具体的には、露出部11Zが正極11の巻外側の端部に配置されており、その露出部11Zに絶縁テープ16が接着されていてもよい。または、露出部11Zが正極11の巻内側の端部および巻外側の端部のそれぞれに配置されており、それぞれの露出部11Zに絶縁テープ16が接着されていてもよい。これらの場合においても、絶縁テープ16が露出部11Zから剥離しにくくなるため、同様の効果を得ることができる。
ただし、上記したように、蓄熱しやすい電池素子10の巻芯部においても、短絡が発生することを効果的に防止すると共に、リチウムが析出することを効果的に防止するためには、露出部11Zが正極11の巻外側の端部に配置されており、その露出部11Zに絶縁テープ16が接着されていることが好ましい。
[変形例3]
図8では、絶縁テープ16が正極リード14を被覆している。しかしながら、絶縁テープ16は、正極リード14を被覆していなくてもよい。より具体的には、絶縁テープ16は、露出部11Zのうち、正極リード14の設置領域を除いた領域だけに接着されていてもよい。この場合においても、正極リード14の設置領域を除いた領域では絶縁テープ16が露出部11Zから剥離しにくくなるため、同様の効果を得ることができる。
図8では、絶縁テープ16が正極リード14を被覆している。しかしながら、絶縁テープ16は、正極リード14を被覆していなくてもよい。より具体的には、絶縁テープ16は、露出部11Zのうち、正極リード14の設置領域を除いた領域だけに接着されていてもよい。この場合においても、正極リード14の設置領域を除いた領域では絶縁テープ16が露出部11Zから剥離しにくくなるため、同様の効果を得ることができる。
ただし、上記したように、絶縁テープ16を利用して露出部11Zに対する正極リード14の接着状態を保護(維持)するためには、その絶縁テープ16は正極リード14を被覆していることが好ましい。
[変形例4]
図2および図3では、二次電池が3個の固定テープ23(23A,23B,23C)を備えている。しかしながら、固定テープ23の有無、個数および位置は、特に限定されないため、任意に設定可能である。
図2および図3では、二次電池が3個の固定テープ23(23A,23B,23C)を備えている。しかしながら、固定テープ23の有無、個数および位置は、特に限定されないため、任意に設定可能である。
具体的には、電池素子10に固定テープ23が設けられていなくてもよい。または、電池素子10に設けられている固定テープ23の数は、1個でもよいし、2個でもよいし、4個以上でもよい。ただし、固定テープ23の数が2個以上である場合には、1個以上の固定テープ23が正極リード14および負極リード15に近い側に配置されていると共に、残りの1個以上の固定テープ23が正極リード14および負極リード15から遠い側に配置されていることが好ましい。固定テープ23を利用して電池素子10の立体的形状(成型状態)が維持されやすくなるからである。これらの場合においても、絶縁テープ16が露出部11Zから剥離しにくくなるため、同様の効果を得ることができる。
ただし、上記したように、電池素子10の立体的形状を維持するためには、その電池素子10に固定テープ23が設けられていることが好ましい。
[変形例5]
図7では、多層構造を有するセパレータ13が多孔質層13Aおよび高分子化合物層13Bを含んでいるため、その多孔質層13Aおよび高分子化合物層13Bが一体化されている。しかしながら、正極11と負極12との間に多孔質層13Aが介在すると共に、その多孔質層13Aと絶縁テープ16との間に高分子化合物層13Bが介在すれば、セパレータ13の構成は、特に限定されない。
図7では、多層構造を有するセパレータ13が多孔質層13Aおよび高分子化合物層13Bを含んでいるため、その多孔質層13Aおよび高分子化合物層13Bが一体化されている。しかしながら、正極11と負極12との間に多孔質層13Aが介在すると共に、その多孔質層13Aと絶縁テープ16との間に高分子化合物層13Bが介在すれば、セパレータ13の構成は、特に限定されない。
具体的には、高分子化合物層13Bは、あらかじめ多孔質層13Aの上に形成されていないため、その多孔質層13Aとは別体化されていてもよい。この場合には、セパレータ13は、多孔質層13Aからなる単層型のセパレータ13であると共に、その多孔質層13Aから分離された高分子化合物層13Bは、単層型のセパレータ13と絶縁テープ16との間に挿入される。
または、高分子化合物層13Bは、あらかじめ多孔質層13Aの上に形成されておらずに、あらかじめ絶縁テープ16の上に形成されているため、単層型のセパレータ13(多孔質層13A)とは別体化されていてもよい。この場合には、セパレータ13は、多孔質層13Aからなる単層型のセパレータ13であると共に、絶縁テープ16および高分子化合物層13Bは、互いに一体化されている。
これらの場合においても、正極11と負極12との間に多孔質層13Aが介在すると共に、その多孔質層13Aと絶縁テープ16との間に高分子化合物層13Bが介在するため、同様の効果を得ることができる。
[変形例6]
液状の電解質である電解液を用いた。しかしながら、ここでは具体的に図示しないが、電解液の代わりに、ゲル状の電解質である電解質層を用いてもよい。
液状の電解質である電解液を用いた。しかしながら、ここでは具体的に図示しないが、電解液の代わりに、ゲル状の電解質である電解質層を用いてもよい。
電解質層を用いた電池素子10では、セパレータ13および電解質層を介して正極11および負極12が交互に積層されている。この電解質層は、正極11とセパレータ13との間に介在していると共に、負極12とセパレータ13との間に介在している。
具体的には、電解質層は、電解液と共に高分子化合物を含んでおり、その電解質層中では、電解液が高分子化合物により保持されている。電解液の構成は、上記した通りである。高分子化合物は、ポリフッ化ビニリデンなどを含んでいる。電解質層を形成する場合には、電解液、高分子化合物および有機溶剤などを含む前駆溶液を調製したのち、正極11および負極12のそれぞれの片面または両面に前駆溶液を塗布する。
この電解質層を用いた場合においても、正極11と負極12との間において電解質層を介してリチウムイオンが移動可能になるため、同様の効果を得ることができる。
<3.二次電池の用途>
次に、上記した二次電池の用途(適用例)に関して説明する。
次に、上記した二次電池の用途(適用例)に関して説明する。
二次電池の用途は、主に、駆動用の電源または電力蓄積用の電力貯蔵源などとして二次電池を利用可能である機械、機器、器具、装置およびシステム(複数の機器などの集合体)などであれば、特に限定されない。電源として用いられる二次電池は、主電源でもよいし、補助電源でもよい。主電源とは、他の電源の有無に関係なく、優先的に用いられる電源である。補助電源は、主電源の代わりに用いられる電源でもよいし、必要に応じて主電源から切り替えられる電源でもよい。二次電池を補助電源として用いる場合には、主電源の種類は二次電池に限られない。
二次電池の用途の具体例は、以下の通りである。ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、携帯電話機、ノート型パソコン、コードレス電話機、ヘッドホンステレオ、携帯用ラジオ、携帯用テレビおよび携帯用情報端末などの電子機器(携帯用電子機器を含む。)である。電気シェーバなどの携帯用生活器具である。バックアップ電源およびメモリーカードなどの記憶用装置である。電動ドリルおよび電動鋸などの電動工具である。着脱可能な電源としてノート型パソコンなどに搭載される電池パックである。ペースメーカおよび補聴器などの医療用電子機器である。電気自動車(ハイブリッド自動車を含む。)などの電動車両である。非常時などに備えて電力を蓄積しておく家庭用バッテリシステムなどの電力貯蔵システムである。なお、二次電池の電池構造は、上記したラミネートフィルム型および円筒型でもよいし、それら以外の他の電池構造でもよい。また、電池パックおよび電池モジュールなどとして、複数の二次電池が用いられてもよい。
中でも、電池パックおよび電池モジュールは、電動車両、電力貯蔵システムおよび電動工具などの比較的大型の機器などに適用されることが有効である。電池パックは、後述するように、単電池を用いてもよいし、組電池を用いてもよい。電動車両は、二次電池を駆動用電源として作動(走行)する車両であり、上記したように、二次電池以外の駆動源を併せて備えた自動車(ハイブリッド自動車など)でもよい。電力貯蔵システムは、二次電池を電力貯蔵源として用いるシステムである。家庭用の電力貯蔵システムでは、電力貯蔵源である二次電池に電力が蓄積されているため、その電力を利用して家庭用の電気製品などを使用可能である。
ここで、二次電池のいくつかの適用例に関して具体的に説明する。以下で説明する適用例の構成は、あくまで一例であるため、適宜、変更可能である。
図10は、電池パックのブロック構成を表している。ここで説明する電池パックは、1個の二次電池を用いた簡易型の電池パック(いわゆるソフトパック)であり、スマートフォンに代表される電子機器などに搭載される。
この電池パックは、図10に示したように、電源41と、回路基板42とを備えている。この回路基板42は、電源41に接続されていると共に、正極端子43、負極端子44および温度検出端子45を含んでいる。この温度検出端子45は、いわゆるT端子である。
電源41は、1個の二次電池を含んでいる。この二次電池では、正極リードが正極端子43に接続されていると共に、負極リードが負極端子44に接続されている。この電源41は、正極端子43および負極端子44を介して外部と接続可能であるため、その正極端子43および負極端子44を介して充放電可能である。回路基板42は、制御部46と、スイッチ47と、熱感抵抗素子(PTC(Positive Temperature Coefficient)素子)48と、温度検出部49とを含んでいる。ただし、PTC素子48は省略されてもよい。
制御部46は、中央演算処理装置(CPU:Central Processing Unit )およびメモリなどを含んでおり、電池パック全体の動作を制御する。この制御部46は、必要に応じて、電源41の使用状態の検出および制御を行う。
なお、制御部46は、電源41(二次電池)の電池電圧が過充電検出電圧または過放電検出電圧に到達すると、スイッチ47を切断することにより、電源41の電流経路に充電電流が流れないようにする。また、制御部46は、充電時または放電時において大電流が流れると、スイッチ47を切断することにより、充電電流を遮断する。過充電検出電圧および過放電検出電圧は、特に限定されない。一例を挙げると、過充電検出電圧は、4.2V±0.05Vであると共に、過放電検出電圧は、2.4V±0.1Vである。
スイッチ47は、充電制御スイッチ、放電制御スイッチ、充電用ダイオードおよび放電用ダイオードなどを含んでおり、制御部46の指示に応じて電源41と外部機器との接続の有無を切り換える。このスイッチ47は、金属酸化物半導体を用いた電界効果トランジスタ(MOSFET:Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor )などを含んでおり、充放電電流は、スイッチ47のON抵抗に基づいて検出される。
温度検出部49は、サーミスタなどの温度検出素子を含んでおり、温度検出端子45を用いて電源41の温度を測定すると共に、その温度の測定結果を制御部46に出力する。温度検出部49により測定される温度の測定結果は、異常発熱時において制御部46が充放電制御を行う場合および残容量の算出時において制御部46が補正処理を行う場合などに用いられる。
本技術の実施例に関して説明する。
(実験例1-1~1-11)
以下で説明するように、図1~図8に示したラミネートフィルム型の二次電池(リチウムイオン二次電池)を作製したのち、その二次電池のサイクル特性、膨れ特性および安全性を評価した。
以下で説明するように、図1~図8に示したラミネートフィルム型の二次電池(リチウムイオン二次電池)を作製したのち、その二次電池のサイクル特性、膨れ特性および安全性を評価した。
[二次電池の作製]
以下の手順により、二次電池を作製した。
以下の手順により、二次電池を作製した。
(正極の作製)
最初に、正極活物質(コバルト酸リチウム(LiCoO2 ))96質量部と、正極結着剤(ポリフッ化ビニリデン)3質量部と、正極導電剤(カーボンブラック)1質量部とを混合することにより、正極合剤とした。続いて、有機溶剤(N-メチル-2-ピロリドン)に正極合剤を投入したのち、その有機溶剤を撹拌することにより、ペースト状の正極合剤スラリーを調製した。続いて、コーティング装置を用いて正極集電体11A(アルミニウム箔,厚さ=12μm)の両面に正極合剤スラリーを塗布したのち、その正極合剤スラリーを乾燥させることにより、正極活物質層11Bを形成した。この場合には、正極集電体11Aの両端部に正極活物質層11Bが形成されないように正極合剤スラリーの塗布範囲を調整することにより、正極集電体11Aを部分的に露出させた。最後に、ロールプレス機を用いて正極活物質層11Bを圧縮成型した。これにより、正極集電体11Aの両面に正極活物質層11Bが形成されたため、露出部11Zを含む正極11が作製された。
最初に、正極活物質(コバルト酸リチウム(LiCoO2 ))96質量部と、正極結着剤(ポリフッ化ビニリデン)3質量部と、正極導電剤(カーボンブラック)1質量部とを混合することにより、正極合剤とした。続いて、有機溶剤(N-メチル-2-ピロリドン)に正極合剤を投入したのち、その有機溶剤を撹拌することにより、ペースト状の正極合剤スラリーを調製した。続いて、コーティング装置を用いて正極集電体11A(アルミニウム箔,厚さ=12μm)の両面に正極合剤スラリーを塗布したのち、その正極合剤スラリーを乾燥させることにより、正極活物質層11Bを形成した。この場合には、正極集電体11Aの両端部に正極活物質層11Bが形成されないように正極合剤スラリーの塗布範囲を調整することにより、正極集電体11Aを部分的に露出させた。最後に、ロールプレス機を用いて正極活物質層11Bを圧縮成型した。これにより、正極集電体11Aの両面に正極活物質層11Bが形成されたため、露出部11Zを含む正極11が作製された。
(負極の作製)
最初に、負極活物質(黒鉛,メジアン径D50=15μm)97質量部と、負極結着剤(スチレンブタジエンゴム共重合体のアクリル酸変性体)1.5質量部と、増粘剤(カルボキシメチルセルロース)1.5質量部とを混合することにより、負極合剤とした。続いて、水性溶媒(純水)に負極合剤を投入したのち、その有機溶剤を撹拌することにより、ペースト状の負極合剤スラリーを調製した。続いて、コーティング装置を用いて負極集電体12A(銅箔,厚さ=15μm)の両面に負極合剤スラリーを塗布したのち、その負極合剤スラリーを乾燥させることにより、負極活物質層12Bを形成した。この場合には、塗布後の負極合剤スラリーを熱処理(温度=200℃)した。また、負極集電体12Aの両端部に負極活物質層12Bが形成されないように負極合剤スラリーの塗布範囲を調整することにより、負極集電体12Aを部分的に露出させた。最後に、ロールプレス機を用いて負極活物質層12Bを圧縮成型した。これにより、負極集電体12Aの両面に負極活物質層12Bが形成されたため、負極12が作製された。
最初に、負極活物質(黒鉛,メジアン径D50=15μm)97質量部と、負極結着剤(スチレンブタジエンゴム共重合体のアクリル酸変性体)1.5質量部と、増粘剤(カルボキシメチルセルロース)1.5質量部とを混合することにより、負極合剤とした。続いて、水性溶媒(純水)に負極合剤を投入したのち、その有機溶剤を撹拌することにより、ペースト状の負極合剤スラリーを調製した。続いて、コーティング装置を用いて負極集電体12A(銅箔,厚さ=15μm)の両面に負極合剤スラリーを塗布したのち、その負極合剤スラリーを乾燥させることにより、負極活物質層12Bを形成した。この場合には、塗布後の負極合剤スラリーを熱処理(温度=200℃)した。また、負極集電体12Aの両端部に負極活物質層12Bが形成されないように負極合剤スラリーの塗布範囲を調整することにより、負極集電体12Aを部分的に露出させた。最後に、ロールプレス機を用いて負極活物質層12Bを圧縮成型した。これにより、負極集電体12Aの両面に負極活物質層12Bが形成されたため、負極12が作製された。
(電解液の調製)
溶媒(環状炭酸エステルである炭酸エチレンおよび鎖状カルボン酸エステルであるプロピオン酸プロピル(PP))との混合物に電解質塩(六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 ))を添加したのち、その溶媒を撹拌した。溶媒中における鎖状カルボン酸エステルの含有量(重量%)は、表1に示した通りである。電解質塩の含有量は、溶媒に対して1mol/kgとした。これにより、溶媒中において電解質塩が溶解されたため、電解液が調製された。
溶媒(環状炭酸エステルである炭酸エチレンおよび鎖状カルボン酸エステルであるプロピオン酸プロピル(PP))との混合物に電解質塩(六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 ))を添加したのち、その溶媒を撹拌した。溶媒中における鎖状カルボン酸エステルの含有量(重量%)は、表1に示した通りである。電解質塩の含有量は、溶媒に対して1mol/kgとした。これにより、溶媒中において電解質塩が溶解されたため、電解液が調製された。
なお、比較のために、鎖状カルボン酸エステルを用いなかったことを除いて同様の手順により、電解液を調製した。
(セパレータの作製)
ここでは、多層構造を有するセパレータ13を用いた。多層構造を有するセパレータ13を作製する場合には、最初に、有機溶剤(N-メチル-2-ピロリドン)に高分子化合物(ポリフッ化ビニリデン)および複数の無機粒子(酸化アルミニウム,メジアン径D50=0.3μm)を投入したのち、その有機溶剤を撹拌することにより、分散液を調製した。この場合には、混合比(重量比)を高分子化合物:複数の無機粒子=20:80とした。続いて、分散液中に多孔質層13A(微多孔性ポリエチレンフィルム,厚さ=12μm)を浸漬させた。続いて、分散液中から多孔質層13Aを取り出したのち、水性溶媒(純水)を用いて多孔質層13Aを洗浄することにより、有機溶剤を除去した。最後に、熱風(温度=80℃)を用いて多孔質層13Aを乾燥させた。これにより、高分子化合物および複数の無機粒子を含む高分子化合物層13B(総厚=5μm)が多孔質層13Aの両面に形成されたため、多層構造を有するセパレータ13が作製された。
ここでは、多層構造を有するセパレータ13を用いた。多層構造を有するセパレータ13を作製する場合には、最初に、有機溶剤(N-メチル-2-ピロリドン)に高分子化合物(ポリフッ化ビニリデン)および複数の無機粒子(酸化アルミニウム,メジアン径D50=0.3μm)を投入したのち、その有機溶剤を撹拌することにより、分散液を調製した。この場合には、混合比(重量比)を高分子化合物:複数の無機粒子=20:80とした。続いて、分散液中に多孔質層13A(微多孔性ポリエチレンフィルム,厚さ=12μm)を浸漬させた。続いて、分散液中から多孔質層13Aを取り出したのち、水性溶媒(純水)を用いて多孔質層13Aを洗浄することにより、有機溶剤を除去した。最後に、熱風(温度=80℃)を用いて多孔質層13Aを乾燥させた。これにより、高分子化合物および複数の無機粒子を含む高分子化合物層13B(総厚=5μm)が多孔質層13Aの両面に形成されたため、多層構造を有するセパレータ13が作製された。
なお、比較のために、多層構造を有するセパレータ13の代わりに、単層構造を有するセパレータ13(微多孔性ポリエチレンフィルム,厚さ=15μm)も用いた。
(二次電池の組み立て)
最初に、正極11の端部(露出部11Zである正極集電体11A)に正極リード14(アルミニウム箔)を溶接すると共に、負極12の端部(負極集電体12A)に負極リード15(銅箔)を溶接した。
最初に、正極11の端部(露出部11Zである正極集電体11A)に正極リード14(アルミニウム箔)を溶接すると共に、負極12の端部(負極集電体12A)に負極リード15(銅箔)を溶接した。
続いて、正極リード14を被覆するように絶縁テープ16を露出部11Zに貼り付けた。この絶縁テープ16としては、基材層16A(PET,厚さ=10μm)および接着層16Bが互いに積層された接着テープを用いることにより、その接着層16Bを介して露出部11Zに絶縁テープ16を接着させた。接着層16Bの含有材料(高分子化合物の種類)および厚さ(μm)は、表1に示した通りである。ここでは、ゴム系高分子化合物としてスチレンブタジエンゴムを用いた。
なお、比較のために、接着層16Bがゴム系高分子化合物の代わりにアクリル系高分子化合物を含んでいることを除いて同様の構成を有する絶縁テープ16も用いた。ここでh、アクリル系高分子化合物としてアクリル酸アルキルエステルを主成分とする高分子化合物を用いた。
続いて、多層構造を有するセパレータ13を介して正極11および負極12を互いに積層させたのち、巻回軸Jを中心として正極11、負極12およびセパレータ13を巻回方向Dに巻回させることにより、巻回体を作製した。続いて、プレス機を用いて、巻回軸Jと交差する方向において巻回体を押圧(プレス圧=1N/cm2 )することにより、断面の形状が扁平形状となるように巻回体を成型した。続いて、巻回体に3個の固定テープ23A~23C(ポリエチレンテープ,厚さ=30μm)を貼り付けた。
なお、比較のために、巻回体に固定テープ23A~23Cを貼り付けなかったことを除いて同様の手順により、その巻回体を成型した。
続いて、窪み部20Uの内部に収容された巻回体を挟むように外装フィルム20を折り畳んだのち、その外装フィルム20のうちの2辺の外周縁部同士を互いに熱融着することにより、袋状の外装フィルム20の内部に巻回体を収納した。この外装フィルム20としては、融着層(ポリプロピレンフィルム,厚さ=30μm)と、金属層(アルミニウム箔,厚さ=40μm)と、表面保護層(ナイロンフィルム,厚さ=25μm)とが内側からこの順に積層されたアルミラミネートフィルムを用いた。
最後に、袋状の外装フィルム20の内部に電解液を注入したのち、減圧環境中において外装フィルム20のうちの残りの1辺の外周縁部同士を互いに熱融着した。この場合には、外装フィルム20と正極リード14との間に密着フィルム21(ポリプロピレンフィルム,厚さ=5μm)を挿入したと共に、外装フィルム20と負極リード15との間に密着フィルム22(ポリプロピレンフィルム,厚さ=5μm)を挿入した。こののち、電解液が注入された外装フィルム20を48時間放置した。これにより、積層体に電解液が含浸されたため、電池素子10が形成された。よって、外装フィルム20の内部に電池素子10が封入されたため、二次電池が組み立てられた。
(二次電池の安定化)
常温環境中(温度=23℃)において、二次電池を加熱(温度=60℃)したのち、プレス機を用いて巻回体の押圧方向と同様の方向において二次電池を押圧(プレス圧=20kgf/cm2 )しながら、その二次電池を2サイクル充放電させた。
常温環境中(温度=23℃)において、二次電池を加熱(温度=60℃)したのち、プレス機を用いて巻回体の押圧方向と同様の方向において二次電池を押圧(プレス圧=20kgf/cm2 )しながら、その二次電池を2サイクル充放電させた。
充電時には、0.1Cの電流で電池電圧が4.45Vに到達するまで定電流充電したのち、その4.45Vの電圧で電流が0.05Cに到達するまで定電圧充電した。放電時には、0.1Cの電流で電池電圧が3.0Vに到達するまで定電流放電した。0.1Cとは、電池容量(理論容量)を10時間で放電しきる電流値であると共に、0.05Cとは、上記した電池容量を20時間で放電しきる電流値である。
これにより、負極12などの表面に被膜が形成されたため、二次電池の状態が安定化した。よって、ラミネートフィルム型の二次電池が完成した。
[サイクル特性、膨れ特性および安全性の評価]
二次電池のサイクル特性、膨れ特性および安全性を評価したところ、表1に示した結果が得られた。
二次電池のサイクル特性、膨れ特性および安全性を評価したところ、表1に示した結果が得られた。
(サイクル特性)
サイクル特性を調べる場合には、最初に、常温環境(温度=23℃)において二次電池を充放電させることにより、放電容量(1サイクル目の放電容量)を測定した。続いて、同環境においてサイクル数が500サイクルに到達するまで二次電池を繰り返して充放電させることにより、放電容量(500回目の放電容量)を測定した。最後に、容量維持率(%)=(500サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100を算出した。
サイクル特性を調べる場合には、最初に、常温環境(温度=23℃)において二次電池を充放電させることにより、放電容量(1サイクル目の放電容量)を測定した。続いて、同環境においてサイクル数が500サイクルに到達するまで二次電池を繰り返して充放電させることにより、放電容量(500回目の放電容量)を測定した。最後に、容量維持率(%)=(500サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100を算出した。
充放電条件は、充電時の電流を0.1Cから2Cに変更したと共に、放電時の電流を0.1Cから0.5Cに変更したことを除いて、二次電池の状態を安定化させた場合の充放電条件と同様にした。2Cとは、電池容量を0.5時間で放電しきる電流値であると共に、0.5Cとは、電池容量を2時間で放電しきる電流値である。
(膨れ特性)
膨れ特性を調べる場合には、最初に、常温環境(温度=23℃)において二次電池を充電させたのち、その二次電池の厚さ(保存前の厚さ)を測定した。充電条件は、上記したサイクル特性を調べた場合の充電条件と同様にした。続いて、高温環境(温度=60℃)において充電状態の二次電池を保存(保存時間=1ヶ月間)したのち、その二次電池の厚さ(保存後の厚さ)を測定した。最後に、膨れ率(%)=[(保存後の厚さ-保存前の厚さ)/保存前の厚さ]×100を算出した。
膨れ特性を調べる場合には、最初に、常温環境(温度=23℃)において二次電池を充電させたのち、その二次電池の厚さ(保存前の厚さ)を測定した。充電条件は、上記したサイクル特性を調べた場合の充電条件と同様にした。続いて、高温環境(温度=60℃)において充電状態の二次電池を保存(保存時間=1ヶ月間)したのち、その二次電池の厚さ(保存後の厚さ)を測定した。最後に、膨れ率(%)=[(保存後の厚さ-保存前の厚さ)/保存前の厚さ]×100を算出した。
(安全性)
安全性を調べる場合には、二次電池を用いて加熱安全性試験を行った。具体的には、最初に、常温環境(温度=23℃)において二次電池を充電させた。充電条件は、上記したサイクル特性を調べた場合の充電条件と同様にした。続いて、恒温槽の内部に充電状態の二次電池を設置したのち、その恒温槽の内部温度(雰囲気温度)を昇温(昇温速度=5℃/分)させることにより、その二次電池を加熱した。この場合には、雰囲気温度が130℃に到達したのち、その雰囲気温度の状態を1時間保持した。また、加熱過程において、二次電池の電圧を測定することにより、その電圧の挙動を調べた。最後に、電圧の挙動に基づいて、加熱後の二次電池の状態を判定した。具体的には、電圧が急激に低下しなかった場合には、内部短絡が発生しなかったと判断したため、「A」と判定した。一方、約2.0Vまで電圧が急激に低下した場合には、内部短絡が発生したと判断したため、「C」と判定した。
安全性を調べる場合には、二次電池を用いて加熱安全性試験を行った。具体的には、最初に、常温環境(温度=23℃)において二次電池を充電させた。充電条件は、上記したサイクル特性を調べた場合の充電条件と同様にした。続いて、恒温槽の内部に充電状態の二次電池を設置したのち、その恒温槽の内部温度(雰囲気温度)を昇温(昇温速度=5℃/分)させることにより、その二次電池を加熱した。この場合には、雰囲気温度が130℃に到達したのち、その雰囲気温度の状態を1時間保持した。また、加熱過程において、二次電池の電圧を測定することにより、その電圧の挙動を調べた。最後に、電圧の挙動に基づいて、加熱後の二次電池の状態を判定した。具体的には、電圧が急激に低下しなかった場合には、内部短絡が発生しなかったと判断したため、「A」と判定した。一方、約2.0Vまで電圧が急激に低下した場合には、内部短絡が発生したと判断したため、「C」と判定した。
なお、加熱後の二次電池の状態を判定したのち、その二次電池を解体することにより、セパレータ13の状態を目視で調べたと共に、絶縁テープ16の剥離強度(mN/mm2 )を測定した。絶縁テープ16の剥離強度の測定方法は、上記した通りである。
セパレータ13の状態を調べた結果、そのセパレータ13が熱収縮していた場合には、そのセパレータ13の収縮量(mm)を測定した。この収縮量とは、セパレータ13の外縁の位置(熱収縮後の位置)が元々の位置(熱収縮前の位置)から内側に後退した量(距離)である。なお、セパレータ13が著しく収縮していた場合には、そのセパレータ13の収縮量を測定できなかった(測定不可)。
[考察]
表1に示したように、二次電池のサイクル特性、膨れ特性および安全性は、電解液の組成および絶縁テープ16の構成に応じて大きく変動した。
表1に示したように、二次電池のサイクル特性、膨れ特性および安全性は、電解液の組成および絶縁テープ16の構成に応じて大きく変動した。
具体的には、電解液が鎖状カルボン酸エステルを含んでいると共に、絶縁テープ16の接着層16Bがアクリル系高分子化合物を含んでいる場合(実験例1-11)には、短絡が発生した。また、電解液が鎖状カルボン酸エステルを含んでいないと共に、絶縁テープ16の接着層16Bがゴム系高分子化合物を含んでいる場合(実験例1-1)には、短絡は発生しなかったが、容量維持率が著しく減少した。
これに対して、電解液が鎖状カルボン酸エステルを含んでいると共に、絶縁テープ16の接着層16Bがゴム系高分子化合物を含んでいる場合(実験例1-2~1-10)には、短絡が発生しなかったと共に、膨れ率が抑えられながら高い容量維持率が得られた。
この場合には、特に、以下で説明する傾向が得られた。第1に、溶媒中における鎖状カルボン酸エステルの含有量が20重量%~60重量%であると、容量維持率がより増加した。第2に、電池素子10に固定テープ23A~23Cが取り付けられていると、セパレータ13がより熱収縮しにくくなった。第3に、多層構造を有するセパレータ13を用いると、単層構造を有するセパレータ13を用いた場合と比較して、セパレータ13がより熱収縮しにくくなった。
(実験例2-1~2-7)
表2に示したように、絶縁テープ16の接着強度を変更したことを除いて同様の手順により、二次電池を作製したと共にサイクル特性、膨れ特性および安全性を評価した。絶縁テープ16の接着強度を変更するためには、その絶縁テープ16の厚さを変化させた。
表2に示したように、絶縁テープ16の接着強度を変更したことを除いて同様の手順により、二次電池を作製したと共にサイクル特性、膨れ特性および安全性を評価した。絶縁テープ16の接着強度を変更するためには、その絶縁テープ16の厚さを変化させた。
電解液が鎖状カルボン酸エステルを含んでいると共に、絶縁テープ16の接着層16Bがゴム系高分子化合物を含んでいる場合(実験例2-1~2-7)には、その絶縁テープ16の接着強度が1mN/mm2 ~15mN/mm2 であると、高い容量維持率が維持されながら膨れ率がより減少した。
[まとめ]
表1および表2に示した結果から、電解液が鎖状カルボン酸エステルを含んでおり、絶縁テープ16がゴム系高分子化合物を含有する接着層16Bを含んでおり、その絶縁テープ16が負極12に対向する側において接着層16Bを介して正極11の露出部11Zに接着されていると、短絡の発生が防止された上、膨れ率が抑えられながら高い容量維持率が得られた。よって、二次電池において優れたサイクル特性、膨れ特性および安全性が得られた。
表1および表2に示した結果から、電解液が鎖状カルボン酸エステルを含んでおり、絶縁テープ16がゴム系高分子化合物を含有する接着層16Bを含んでおり、その絶縁テープ16が負極12に対向する側において接着層16Bを介して正極11の露出部11Zに接着されていると、短絡の発生が防止された上、膨れ率が抑えられながら高い容量維持率が得られた。よって、二次電池において優れたサイクル特性、膨れ特性および安全性が得られた。
以上、一実施形態および実施例を挙げながら本技術に関して説明したが、その本技術の構成は、一実施形態および実施例において説明された構成に限定されないため、種々に変形可能である。
具体的には、二次電池の電池構造がラミネートフィルム型である場合に関して説明したが、その電池構造は、特に限定されないため、円筒型、角型、コイン型およびボタン型などの他の電池構造でもよい。
また、電池素子の素子構造が巻回型である場合に関して説明したが、その電池素子の素子構造は、特に限定されないため、電極(正極および負極)が積層された積層型および電極(正極および負極)がジグザグに折り畳まれた九十九折り型などの他の素子構造でもよい。
さらに、電極反応物質がリチウムである場合に関して説明したが、その電極反応物質は、特に限定されない。具体的には、電極反応物質は、上記したように、ナトリウムおよびカリウムなどの他のアルカリ金属でもよいし、ベリリウム、マグネシウムおよびカルシウムなどのアルカリ土類金属でもよい。この他、電極反応物質は、アルミニウムなどの他の軽金属でもよい。
本明細書中に記載された効果は、あくまで例示であるため、本技術の効果は、本明細書中に記載された効果に限定されない。よって、本技術に関して、他の効果が得られてもよい。
Claims (11)
- 正極集電体および正極活物質層を含む正極と、
前記正極に対向する負極と、
鎖状カルボン酸エステルを含む電解液と、
ゴム系高分子化合物を含有する接着層を含む絶縁部材と
を備え、
前記正極は、前記正極集電体が露出した露出部を含み、
前記絶縁部材は、前記負極に対向する側において前記接着層を介して前記露出部に接着されている、
二次電池。 - 前記ゴム系高分子化合物は、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ポリイソブチレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、フッ素ゴム、エピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴムおよびシリコーンゴムのうちの少なくとも1種を含む、
請求項1記載の二次電池。 - 前記露出部に対する前記絶縁部材の接着強度は、1mN/mm2 以上15mN/mm2 以下である、
請求項1または請求項2に記載の二次電池。 - 前記電解液は、前記鎖状カルボン酸エステルを含有する溶媒を含み、
前記溶媒中における前記鎖状カルボン酸エステルの含有量は、20重量%以上60重量%以下である、
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の二次電池。 - 前記負極および前記正極は、巻回されている、
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の二次電池。 - 前記露出部は、前記正極の巻内側の端部に配置されている、
請求項5記載の二次電池。 - 前記負極および前記正極が巻回軸を中心として巻回されることにより、電池素子が形成されており、
前記巻回軸と交差する前記電池素子の断面の形状は、長軸および短軸により規定される扁平形状であり、
さらに、前記長軸と交差する方向において前記電池素子の一端部から他端部まで延在すると共に、前記一端部および前記他端部のそれぞれに固定された固定部材を備えた、
請求項5または請求項6に記載の二次電池。 - さらに、
前記負極と前記正極との間に介在する多孔質層と、
前記多孔質層と前記絶縁部材との間に介在すると共に、複数の無機粒子を含む高分子化合物層と
を備えた、請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の二次電池。 - さらに、前記露出部に接続された正極端子を備え、
前記絶縁部材は、前記正極端子を被覆している、
請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の二次電池。 - さらに、前記負極、前記正極、前記絶縁部材および前記電解液を収納する可撓性の外装部材を備えた、
請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の二次電池。 - リチウムイオン二次電池である、
請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の二次電池。
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