WO2023248829A1 - 二次電池用電解液および二次電池 - Google Patents

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Abstract

二次電池は、正極と、負極と、三重結合化合物およびフルオロリン酸塩を含む電解液とを備える。三重結合化合物は、式(1)で表される化合物および式(2)で表される化合物のうちの少なくとも一方を含む。フルオロリン酸塩は、式(3)で表される化合物および式(4)で表される化合物のうちの少なくとも一方を含む。

Description

二次電池用電解液および二次電池
 本技術は、二次電池用電解液および二次電池に関する。
 携帯電話機などの多様な電子機器が普及しているため、小型かつ軽量であると共に高エネルギー密度が得られる電源として二次電池の開発が進められている。この二次電池は、正極および負極と共に電解液(二次電池用電解液)を備えており、その二次電池の構成に関しては、様々な検討がなされている。
 具体的には、活性水素を有していないアルキニル基またはアルキニレン基を有する酸素含有脂肪族化合物が電解液に含有されている(例えば、特許文献1参照。)。また、炭素間三重結合を有する化合物が電解液に含有されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2001-256995号公報 特表2019-520687号公報
 二次電池の構成に関する様々な検討がなされているが、その二次電池の電池特性は未だ十分でないため、改善の余地がある。
 優れた電池特性を得ることが可能である二次電池用電解液および二次電池が望まれている。
 本技術の一実施形態の二次電池用電解液は、三重結合化合物をおよびフルオロリン酸塩を含むものである。三重結合化合物は、式(1)で表される化合物および式(2)で表される化合物のうちの少なくとも一方を含む。フルオロリン酸塩は、式(3)で表される化合物および式(4)で表される化合物のうちの少なくとも一方を含む。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003
(R1~R4のそれぞれは、アルキル基である。)
 M1PF ・・・(3)
(M1は、アルカリ金属元素である。)
 M2PFO ・・・(4)
(M2は、アルカリ金属元素である。)
 本技術の一実施形態の二次電池用は、正極と負極と電解液とを備え、その電解液が上記した本技術の一実施形態の二次電池用電解液の構成と同様の構成を有するものである。
 本技術の一実施形態の二次電池用電解液または二次電池によれば、その二次電池用電解液が三重結合化合物をおよびフルオロリン酸塩を含んでいるので、優れた電池特性を得ることができる。
 なお、本技術の効果は、必ずしもここで説明された効果に限定されるわけではなく、後述する本技術に関連する一連の効果のうちのいずれの効果でもよい。
本技術の一実施形態における二次電池の構成を表す断面図である。 図1に示した電池素子の構成を表す断面図である。 変形例1における二次電池の構成を表す断面図である。 二次電池の適用例の構成を表すブロック図である。
 以下、本技術の一実施形態に関して、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、説明する順序は、下記の通りである。

 1.二次電池用電解液
  1-1.構成
  1-2.製造方法
  1-3.作用および効果
 2.二次電池
  2-1.構成
  2-2.動作
  2-3.製造方法
  2-4.作用および効果
 3.変形例
 4.二次電池の用途
<1.二次電池用電解液>
 まず、本技術の一実施形態の二次電池用電解液(以下、単に「電解液」と呼称する。)に関して説明する。
<1-1.構成>
 ここで説明する電解液は、電気化学デバイスである二次電池に用いられる液状の電解質である。ただし、電解液は、二次電池以外の他の電気化学デバイスに用いられてもよい。他の電気化学デバイスの具体例は、キャパシタなどである。
[三重結合化合物]
 電解液は、三重結合化合物のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでおり、その三重結合化合物は、炭素間三重結合(-C≡C-)を有する化合物である。
 具体的には、三重結合化合物は、式(1)で表される化合物および式(2)で表される化合物のうちの一方または双方を含んでいる。すなわち、三重結合化合物は、式(1)に示した化合物および式(2)に示した化合物のうちのいずれか一方だけを含んでいてもよいし、その式(1)に示した化合物および式(2)に示した化合物の双方を含んでいてもよい。
 以下では、式(1)に示した化合物を「第1三重結合化合物」と呼称すると共に、式(2)に示した化合物を「第2三重結合化合物」と呼称する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004
(R1~R4のそれぞれは、アルキル基である。)
 電解液が三重結合化合物を含んでいるのは、その電解液を用いた二次電池において、充放電が繰り返されても放電容量の減少が抑制されるからである。
 詳細には、三重結合化合物と後述するフルオロリン酸塩との相乗作用により、優れた電気化学的安定性を有する被膜が負極22の表面に形成されるため、その被膜の電気化学的耐久性が向上する。この被膜は、後述するように、組み立て後の二次電池の安定化処理(初期の充放電処理)により、負極22の表面に形成される。これにより、充放電が繰り返されても、負極22の表面における電解液の分解反応が抑制されるため、放電容量の減少が抑制される。この場合には、充放電時において被膜の分解物が電解液中に滲み出すことも抑制される。
 なお、上記した被膜は、負極22の表面に形成されるだけでなく、正極21の表面にも形成されてもよい。これにより、充放電を繰り返しても、正極21の表面における電解液の分解反応が抑制されると共に、その正極21の腐食も抑制される。
(第1三重結合化合物)
 第1三重結合化合物は、式(1)から明らかなように、炭素間三重結合と共に1個の炭酸エステル基(-C(=O)-O-R2)を有する化合物である。
 R1およびR2のそれぞれの種類は、上記したように、アルキル基であれば、特に限定されない。この場合において、R1の種類とR2の種類とは、互いに同じでもよいし、互いに異ってもよい。
 なお、アルキル基の炭素数は、特に限定されない。また、アルキル基は、直鎖状でもよいし、分岐状でもよい。
 アルキル基の具体例は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基およびデシル基などである。
 中でも、アルキル基の炭素数は、1~7であることが好ましい。アルキル基の炭素数が多くなりすぎないため、第1三重結合化合物の溶解性および相溶性が向上するからである。
(第2三重結合化合物)
 第2三重結合化合物は、式(2)から明らかなように、炭素間三重結合と共に2個の炭酸エステル基(-C(=O)-O-R3および-C(=O)-O-R4)を有する化合物である。
 R3およびR4に関する詳細は、上記したR1およびR2に関する詳細と同様である。また、アルキル基に関する詳細は、上記した通りである。すなわち、アルキル基の炭素数は、特に限定されないが、中でも、1~7であることが好ましい。アルキル基の炭素数が多くなりすぎないため、第2三重結合化合物の溶解性および相溶性が向上するからである。
(具体例)
 三重結合型化合物の具体例は、以下で説明する通りである。ただし、以下で説明する三重結合化合物の具体例は、あくまで一例であるため、その三重結合化合物の具体例は、以下で説明する化合物以外の化合物でもよい。
 第1三重結合化合物の具体例は、式(1-1)~式(1-10)のそれぞれで表される化合物などである。
 詳細には、式(1-1)に示した化合物は、2-オクチン酸メチルである。式(1-2)に示した化合物は、2-ノニン酸メチルである。式(1-3)に示した化合物は、2-ヘキシン酸メチルである。式(1-4)に示した化合物は、2-ヘプチン酸メチルである。式(1-5)に示した化合物は、2-ペンチン酸エチルである。式(1-6)に示した化合物は、2-ブチン酸エチルである。式(1-7)に示した化合物は、2-デシン酸メチルである。式(1-8)に示した化合物は、2-ブチン酸メチルである。式(1-9)に示した化合物は、2-へプチン酸プロピルである。式(1-10)に示した化合物は、2-へプチン酸ブチルである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000005
 第2三重結合化合物の具体例は、式(2-1)~式(2-8)のそれぞれで表される化合物などである。詳細には、式(2-1)に示した化合物は、2-ブチン二酸ジイソプロピルである。式(2-2)に示した化合物は、2-ブチン二酸ジプロピルである。式(2-3)に示した化合物は、2-ブチン二酸ジブチルである。式(2-4)に示した化合物は、2-ブチン二酸ジペンチルである。式(2-5)に示した化合物は、2-ブチン二酸ジヘキシルである。式(2-6)に示した化合物は、2-ブチン二酸ビス(2,2-ジメチルプロピル)である。式(2-7)に示した化合物は、2-ブチン二酸ジオクチルである。式(2-8)に示した化合物は、2-ブチン二酸ビス(2-エチルヘキシル)である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000006
(含有量)
 電解液における三重結合化合物の含有量は、特に限定されないが、中でも、0.01重量%~5重量%であることが好ましい。負極22の表面に形成される被膜の電気化学的耐久性が十分に向上するからである。
 なお、電解液が第1三重結合化合物および第2三重結合化合物の双方を含んでいる場合において、上記した電解液における三重結合化合物の含有量は、その電解液における第1三重結合化合物の含有量と電解液における第2三重結合化合物の含有量との和である。
 三重結合化合物の含有量を測定する場合には、電解液を分析することにより、三重結合化合物の含有量を算出する。なお、電解液を備えた二次電池を用いる場合には、その二次電池を解体することにより、電解液を回収する。
 電解液の分析方法は、特に限定されないが、具体的には、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法、核磁気共鳴分光法(NMR)およびガスクロマトグラフ質量分析法(GC-MS)などのうちのいずれか1種類または2種類以上である。
[フルオロリン酸塩]
 また、電解液は、フルオロリン酸塩のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでおり、そのフルオロリン酸塩は、フッ素(F)、リン(P)および酸素(O)を構成元素として含む塩である。
 具体的には、フルオロリン酸塩は、式(3)で表される化合物および式(4)で表される化合物のうちの一方または双方を含んでいる。すなわち、フルオロリン酸塩は、式(3)に示した化合物および式(4)に示した化合物のうちのいずれか一方だけを含んでいてもよいし、その式(3)に示した化合物および式(4)に示した化合物の双方を含んでいてもよい。
 以下では、式(3)に示した化合物を「第1フルオロリン酸塩」と呼称すると共に、式(4)に示した化合物を「第2フルオロリン酸塩」と呼称する。
 M1PF ・・・(3)
(M1は、アルカリ金属元素である。)
 M2PFO ・・・(4)
(M2は、アルカリ金属元素である。)
 電解液がフルオロリン酸塩を含んでいるのは、上記したように、そのフルオロリン酸塩と三重結合化合物との相乗作用により、負極22の表面に形成される被膜の電気化学的耐久性が向上するからである。これにより、充放電が繰り返されても、負極22の表面における電解液の分解反応が抑制されるため、放電容量の減少が抑制される。
 なお、フルオロリン酸塩は、上記したように、負極22の表面に被膜を形成する役割を果たす他、後述する電解質塩として役割を果たす場合もある。
(第1フルオロリン酸塩)
 第1フルオロリン酸塩は、式(3)から明らかなように、いわゆるジフルオロリン酸塩である。
 M1の種類は、上記したように、アルカリ金属元素であれば、特に限定されない。アルカリ金属元素の具体例は、リチウム、ナトリウムおよびカリウムなどである。
 中でも、アルカリ金属元素は、リチウムであることが好ましい。二次電池がリチウムイオン二次電池である場合において、第1フルオロリン酸塩が電解質塩としても十分に機能するからである。
(第2フルオロリン酸塩)
 第2フルオロリン酸塩は、式(4)から明らかなように、いわゆるモノフルオロリン酸塩である。
 M2に関する詳細は、上記したM1に関する詳細と同様である。すなわち、アルカリ金属元素の種類は、特に限定されないが、中でも、リチウムであることが好ましい。二次電池がリチウムイオン二次電池である場合において、第2フルオロリン酸塩が電解質塩としても十分に機能するからである。
(具体例)
 フルオロリン酸塩の具体例は、以下で説明する通りである。ただし、以下で説明するフルオロリン酸塩の具体例は、あくまで一連であるため、そのフルオロリン酸塩の具体例は、以下で説明する化合物以外の化合物でもよい。
 第1フルオロリン酸塩の具体例は、ジフルオロリン酸リチウム、ジフルオロリン酸ナトリウムおよびジフルオロリン酸カリウムなどである。
 第2フルオロリン酸塩の具体例は、モノフルオロリン酸ジリチウム、モノフルオロリン酸ジナトリウムおよびモノフルオロリン酸ジカリウムなどである。
(含有量)
 電解液におけるフルオロリン酸塩の含有量は、特に限定されないが、中でも、0.01重量%~2重量%であることが好ましい。負極22の表面に形成される被膜の電気化学的耐久性が十分に向上するからである。
 なお、電解液が第1フルオロリン酸塩および第2フルオロリン酸塩の双方を含んでいる場合において、上記した電解液におけるフルオロリン酸塩の含有量は、その電解液における第1フルオロリン酸塩の含有量と電解液における第2フルオロリン酸塩の含有量との和である。
 フルオロリン酸塩の含有量の測定手順に関する詳細は、上記した三重結合化合物の含有量の測定手順に関する詳細と同様である。
[溶媒]
 なお、電解液は、さらに、溶媒を含んでいてもよい。この溶媒は、非水溶媒(有機溶剤)のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでおり、その非水溶媒を含んでいる電解液は、いわゆる非水電解液である。
 非水溶媒は、エステル類およびエーテル類などであり、より具体的には、炭酸エステル系化合物、カルボン酸エステル系化合物およびラクトン系化合物などである。
 炭酸エステル系化合物は、環状炭酸エステルおよび鎖状炭酸エステルなどである。環状炭酸エステルの具体例は、炭酸エチレンおよび炭酸プロピレンなどである。鎖状炭酸エステルの具体例は、炭酸ジメチル、炭酸ジエチルおよび炭酸エチルメチルなどである。
 カルボン酸エステル系化合物は、鎖状カルボン酸エステルなどである。鎖状カルボン酸エステルの具体例は、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、トリメチル酢酸エチル、酪酸メチルおよび酪酸エチルなどである。
 ラクトン系化合物は、ラクトンなどである。ラクトンの具体例は、γ-ブチロラクトンおよびγ-バレロラクトンなどである。
 なお、エーテル類は、1,2-ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,3-ジオキソランおよび1,4-ジオキサンなどでもよい。
[電解質塩]
 また、電解液は、さらに、電解質塩を含んでいてもよい。この電解質塩は、リチウム塩などの軽金属塩である。
 リチウム塩の具体例は、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCFSO)、ビス(フルオロスルホニル)イミドリチウム(LiN(FSO)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(CFSO)、リチウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド(LiC(CFSO)、ビス(オキサラト)ホウ酸リチウム(LiB(C)、ジフルオロオキサラトホウ酸リチウム(LiBF(C))、ジフルオロジ(オキサラト)ホウ酸リチウム(LiPF(C)、テトラフルオロオキサラトリン酸リチウム(LiPF(C))、モノフルオロリン酸リチウム(LiPFO)およびジフルオロリン酸リチウム(LiPF)などである。
 電解質塩の含有量は、特に限定されないが、具体的には、溶媒に対して0.3mol/kg~3.0mol/kgである。高いイオン伝導性が得られるからである。
[添加剤]
 なお、電解液は、さらに、添加剤のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいてもよい。
(不飽和環状炭酸エステル、フッ素化環状炭酸エステルおよびシアノ化環状炭酸エステル)
 具体的には、添加剤は、不飽和環状炭酸エステル、フッ素化環状炭酸エステルおよびシアノ化環状炭酸エステルのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。電解液の電気化学的安定性が向上するからである。これにより、充放電時において電解液の分解反応がより抑制されるため、充放電が繰り返されても放電容量の減少がより抑制される。
 不飽和環状炭酸エステルは、不飽和炭素結合(炭素間二重結合)を含む環状炭酸エステルである。不飽和炭素結合の数は、特に限定されないため、1個だけでもよいし、2個以上でもよい。
 この不飽和環状炭酸エステルは、炭酸ビニレン系化合物、炭酸ビニルエチレン系化合物および炭酸メチレンエチレン系化合物のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。
 炭酸ビニレン系化合物は、炭酸ビニレン型の構造を有する不飽和環状炭酸エステルである。炭酸ビニレン系化合物の具体例は、炭酸ビニレン(1,3-ジオキソール-2-オン)、炭酸メチルビニレン(4-メチル-1,3-ジオキソール-2-オン)、炭酸エチルビニレン(4-エチル-1,3-ジオキソール-2-オン)、4,5-ジメチル-1,3-ジオキソール-2-オン、4,5-ジエチル-1,3-ジオキソール-2-オン、4-フルオロ-1,3-ジオキソール-2-オンおよび4-トリフルオロメチル-1,3-ジオキソール-2-オンなどである。
 炭酸ビニルエチレン系化合物は、炭酸ビニルエチレン型の構造を有する不飽和環状炭酸エステルである。炭酸ビニルエチレン系化合物の具体例は、炭酸ビニルエチレン(4-ビニル-1,3-ジオキソラン-2-オン)、4-メチル-4-ビニル-1,3-ジオキソラン-2-オン、4-エチル-4-ビニル-1,3-ジオキソラン-2-オン、4-n-プロピル-4-ビニル-1,3-ジオキソラン-2-オン、5-メチル-4-ビニル-1,3-ジオキソラン-2-オン、4,4-ジビニル-1,3-ジオキソラン-2-オンおよび4,5-ジビニル-1,3-ジオキソラン-2-オンなどである。
 炭酸メチレンエチレン系化合物は、炭酸メチレンエチレン型の構造を有する不飽和環状炭酸エステルである。炭酸メチレンエチレン系化合物の具体例は、炭酸メチレンエチレン(4-メチレン-1,3-ジオキソラン-2-オン)、4,4-ジメチル-5-メチレン-1,3-ジオキソラン-2-オンおよび4,4-ジエチル-5-メチレン-1,3-ジオキソラン-2-オンなどである。ここでは、炭酸メチレンエチレン系化合物として、1個のメチレン基だけを有する化合物を例示したが、その炭酸メチレンエチレン系化合物は、2個以上のメチレン基を有していてもよい。
 なお、不飽和炭素結合を含む環状炭酸エステルは、フッ素化環状炭酸エステルおよびシアノ化環状炭酸エステルのいずれかには該当せずに、不飽和環状炭酸エステルに該当することとする。
 フッ素化環状炭酸エステルは、フッ素を構成元素として含む環状炭酸エステルである。フッ素の数は、特に限定されないため、1個だけでもよいし、2個以上でもよい。すなわち、フッ素化環状炭酸エステルは、環状炭酸エステルのうちの1個または2個以上の水素がフッ素により置換された化合物である。
 フッ素化環状炭酸エステルの具体例は、フルオロ炭酸エチレン(4-フルオロ-1,3-ジオキソラン-2-オン)およびジフルオロ炭酸エチレン(4,5-ジフルオロ-1,3-ジオキソラン-2-オン)などである。
 なお、フッ素を構成元素として含む環状炭酸エステルは、不飽和環状炭酸エステルおよびシアノ化環状炭酸エステルのいずれかには該当せずに、フッ素化環状炭酸エステルに該当することとする。
 シアノ化環状炭酸エステルは、シアノ基を含む環状炭酸エステルである。シアノ基の数は、特に限定されないため、1個だけでもよいし、2個以上でもよい。すなわち、シアノ化環状炭酸エステルは、環状炭酸エステルのうちの1個または2個以上の水素がシアノ基により置換された化合物である。
 シアノ化環状炭酸エステルの具体例は、シアノ炭酸エチレン(4-シアノ-1,3-ジオキソラン-2-オン)およびジシアノ炭酸エチレン(4,5-ジシアノ-1,3-ジオキソラン-2-オン)などである。
 なお、シアノ基を含む環状炭酸エステルは、不飽和環状炭酸エステルおよびフッ素化環状炭酸エステルのいずれかには該当せずに、シアノ化環状炭酸エステルに該当することとする。
(スルホン酸エステル、硫酸エステル、亜硫酸エステル、ジカルボン酸無水物、ジスルホン酸無水物、スルホン酸カルボン酸無水物およびスルホ安息香酸イミド)
 また、添加剤は、スルホン酸エステル、硫酸エステル、亜硫酸エステル、ジカルボン酸無水物、ジスルホン酸無水物、スルホン酸カルボン酸無水物およびスルホ安息香酸イミドのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。電解液の電気化学的安定性が向上するからである。これにより、充放電時において電解液の分解反応がより抑制されるため、充放電が繰り返されても放電容量の減少がより抑制される。
 スルホン酸エステルの具体例は、1,3-プロパンスルトン、1-プロペン-1,3-スルトン、1,4-ブタンスルトン、2,4-ブタンスルトンおよびメタンスルホン酸プロパルギルエステルなどである。
 硫酸エステルの具体例は、1,3,2-ジオキサチオラン2,2-ジオキシド、1,3,2-ジオキサチアン2,2-ジオキシド、4-メチルスルホニルオキシメチル-2,2-ジオキソ-1,3,2-ジオキサチオランなどである。
 亜硫酸エステルの具体例は、1,3-プロパンスルトン、1-プロペン-1,3-スルトン、1,4-ブタンスルトン、2,4-ブタンスルトンおよびメタンスルホン酸プロパルギルエステルなどである。亜硫酸エステルの具体例は、1,3,2-ジオキサチオラン2-オキシドおよび4-メチル-1,3,2-ジオキサチオラン2-オキシドなどである。
 ジカルボン酸無水物の具体例は、1,4-ジオキサン-2,6-ジオン、コハク酸無水物およびグルタル酸無水物などである。
 ジスルホン酸無水物の具体例は、1,2-エタンジスルホン酸無水物、1,3-プロパンジジスルホン酸無水物およびヘキサフルオロ1,3-プロパンジスルホン酸無水物などである。
 スルホン酸カルボン酸無水物の具体例は、2-スルホ安息香酸無水物および2,2-ジオキソオキサチオラン-5-オンなどである。
 スルホ安息香酸イミドの具体例は、o-スルホベンズイミドおよびN-メチルサッカリンなどである。
(ニトリル化合物)
 また、添加剤は、ニトリル化合物のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。電解液の電気化学的安定性が向上するからである。これにより、充放電時において電解液の分解反応がより抑制されるため、充放電が繰り返されても放電容量の減少がより抑制される。この場合には、電解液の分解反応に起因するガスの発生も抑制される。
 このニトリル化合物は、1個または2個以上のシアノ基(-CN)を含む化合物である。ニトリル化合物の具体例は、オクタンニトリル、ベンゾニトリル、フタロニトリル、スクシノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、セバコニトリル、1,3,6-ヘキサントリカルボニトリル、3,3’-オキシジプロピオニトリル、3-ブトキシプロピオニトリル、エチレングリコールビスプロピオニトリルエーテル、1,2,2,3-テトラシアノプロパン、テトラシアノプロパン、フマロニトリル、7,7,8,8-テトラシアノキノジメタン、シクロペンタンカルボニトリル、1,3,5-シクロヘキサントリカルボニトリルおよび1,3-ビス(ジシアノメチリデン)インダンなどである。
 ただし、上記したシアノ化環状炭酸エステルは、ここで説明したニトリル化合物から除かれる。
<1-2.製造方法>
 電解液を製造する場合には、溶媒に電解質塩を添加したのち、その溶媒に三重結合化合物およびフルオロリン酸塩を添加する。これにより、溶媒中において電解質塩、三重結合化合物およびフルオロリン酸塩のそれぞれが溶解または分散されるため、電解液が調製される。
<1-3.作用および効果>
 この電解液によれば、その電解液が三重結合化合物およびフルオロリン酸塩を含んでいる。この三重結合化合物は、第1三重結合化合物および第2三重結合化合物のうちの一方または双方を含んでいると共に、フルオロリン酸塩は、第1フルオロリン酸塩および第2フルオロリン酸塩のうちの一方または双方を含んでいる。
 この場合には、上記したように、電解液を用いた二次電池において、三重結合化合物とフルオロリン酸塩との相乗作用により、優れた電気化学的耐久性を有する被膜が負極22の表面に形成される。これにより、充放電が繰り返されても、負極22の表面における電解液の分解反応が抑制されるため、放電容量の減少が抑制される。よって、充放電が繰り返されても高い放電容量が得られるため、優れた電池特性を得ることができる。
 特に、三重結合化合物に関する式(1)および式(2)のそれぞれにおいてアルキル基の炭素数が1~7であれば、その三重結合化合物の溶解性および相溶性が向上するため、より高い効果を得ることができる。
 また、フルオロリン酸塩に関する式(3)および式(4)のそれぞれにおいてアルカリ金属元素がリチウムであれば、二次電池がリチウムイオン二次電池である場合においてフルオロリン酸塩が電解質塩としても十分に機能するため、より高い効果を得ることができる。
 また、電解液における三重結合化合物の含有量が0.01重量%~5重量%であれば、負極22の表面に形成される被膜の電気化学的耐久性が十分に向上するため、より高い効果を得ることができる。
 また、電解液におけるフルオロリン酸塩の含有量が0.01重量%~2重量%であれば、負極22の表面に形成される被膜の電気化学的耐久性が十分に向上するため、より高い効果を得ることができる。
 また、電解液が不飽和環状炭酸エステル、フッ素化環状炭酸エステルおよびシアノ化環状炭酸エステルのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいれば、電解液の分解反応がより抑制されるため、より高い効果を得ることができる。
 また、電解液がスルホン酸エステル、硫酸エステル、亜硫酸エステル、ジカルボン酸無水物、ジスルホン酸無水物、スルホン酸カルボン酸無水物およびスルホ安息香酸イミドのうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいれば、電解液の分解反応がより抑制されるため、より高い効果を得ることができる。
<2.二次電池>
 次に、上記した電解液を用いた二次電池に関して説明する。
 ここで説明する二次電池は、電極反応物質の吸蔵放出を利用して電池容量が得られる二次電池であり、正極および負極と共に電解液を備えている。
 この二次電池では、負極の充電容量が正極の放電容量よりも大きくなっている。すなわち、負極の単位面積当たりの電気化学容量は、正極の単位面積当たりの電気化学容量よりも大きくなるように設定されている。充電途中において負極の表面に電極反応物質が析出することを防止するためである。
 電極反応物質の種類は、特に限定されないが、具体的には、アルカリ金属およびアルカリ土類金属などの軽金属である。アルカリ金属は、リチウム、ナトリウムおよびカリウムなどであると共に、アルカリ土類金属は、ベリリウム、マグネシウムおよびカルシウムなどである。
 以下では、電極反応物質がリチウムである場合を例に挙げる。リチウムの吸蔵放出を利用して電池容量が得られる二次電池は、いわゆるリチウムイオン二次電池である。このリチウムイオン二次電池では、リチウムがイオン状態で吸蔵放出される。
<2-1.構成>
 図1は、二次電池の断面構成を表していると共に、図2は、図1に示した電池素子20の断面構成を表している。
 この二次電池は、図1および図2に示したように、主に、電池缶11と、一対の絶縁板12,13と、電池素子20と、正極リード25と、負極リード26とを備えている。ここで説明する二次電池は、円筒状の電池缶11の内部に電池素子20が収納されている円筒型の二次電池である。
[電池缶]
 電池缶11は、図1に示したように、電池素子20などを収納する収納部材である。この電池缶11は、開放された一端部および閉塞された他端部を有しているため、中空の構造を有している。また、電池缶11は、鉄、アルミニウム、鉄合金およびアルミニウム合金などの金属材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。なお、電池缶11の表面には、ニッケルなどの金属材料が鍍金されていてもよい。
 電池缶11の開放された一端部には、電池蓋14、安全弁機構15および熱感抵抗素子(PTC素子)16がガスケット17を介して加締められている。これにより、電池缶11は、電池蓋14により密閉されている。ここでは、電池蓋14は、電池缶11の形成材料と同様の材料を含んでいる。安全弁機構15およびPTC素子16のそれぞれは、電池蓋14の内側に設けられており、その安全弁機構15は、PTC素子16を介して電池蓋14と電気的に接続されている。ガスケット17は、絶縁性材料を含んでおり、そのガスケット17の表面には、アスファルトなどが塗布されていてもよい。
 この安全弁機構15では、内部短絡および外部加熱などに起因して電池缶11の内圧が一定以上に到達すると、ディスク板15Aが反転するため、電池蓋14と電池素子20との電気的接続が切断される。大電流に起因する異常な発熱を防止するために、PTC素子16の電気抵抗は、温度の上昇に応じて増加する。
[絶縁板]
 絶縁板12,13は、図1に示したように、電池素子20を介して互いに対向するように配置されている。これにより、電池素子20は、絶縁板12,13により挟まれている。
[電池素子]
 電池素子20は、図1および図2に示したように、正極21と、負極22と、セパレータ23と、電解液(図示せず)とを含む発電素子である。
 この電池素子20は、いわゆる巻回電極体である。すなわち、正極21および負極22は、セパレータ23を介して互いに積層されていると共に、そのセパレータ23を介して互いに対向しながら巻回されている。電池素子20の巻回中心に設けられている巻回中心空間20Sには、センターピン24が挿入されている。ただし、センターピン24は省略されてもよい。
(正極)
 正極21は、図2に示したように、正極集電体21Aおよび正極活物質層21Bを含んでいる。
 正極集電体21Aは、正極活物質層21Bが設けられる一対の面を有している。この正極集電体21Aは、金属材料などの導電性材料を含んでおり、その導電性材料の具体例は、アルミニウムなどである。
 正極活物質層21Bは、リチウムを吸蔵放出可能である正極活物質のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。ただし、正極活物質層21Bは、さらに、正極結着剤および正極導電剤などの他の材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいてもよい。正極活物質層21Bの形成方法は、特に限定されないが、具体的には、塗布法などである。
 ここでは、正極活物質層21Bは、正極集電体21Aの両面に設けられているため、正極21は、2個の正極活物質層21Bを含んでいる。ただし、ただし、正極活物質層21Bは、正極21が負極22に対向する側において正極集電体21Aの片面だけに設けられているため、正極21は、1個の正極活物質層21Bだけを含んでいてもよい。
 正極活物質の種類は、特に限定されないが、具体的には、リチウム含有化合物などである。このリチウム含有化合物は、リチウムと共に1種類または2種類以上の遷移金属元素を構成元素として含む化合物であり、さらに、1種類または2種類以上の他元素を構成元素として含んでいてもよい。他元素の種類は、リチウムおよび遷移金属元素のそれぞれ以外の元素であれば、特に限定されないが、具体的には、長周期型周期表中の2族~15族に属する元素である。リチウム含有化合物の種類は、特に限定されないが、具体的には、酸化物、リン酸化合物、ケイ酸化合物およびホウ酸化合物などである。
 酸化物の具体例は、LiNiO、LiCoO、LiCo0.98Al0.01Mg0.01、LiNi0.5 Co0.2 Mn0.3 およびLiMnなどである。リン酸化合物の具体例は、LiFePO、LiMnPOおよびLiFe0.5 Mn0.5 POなどである。
 正極結着剤は、合成ゴムおよび高分子化合物などの材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。合成ゴムの具体例は、スチレンブタジエン系ゴム、フッ素系ゴムおよびエチレンプロピレンジエンなどである。高分子化合物の具体例は、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミドおよびカルボキシメチルセルロースなどである。
 正極導電剤は、炭素材料などの導電性材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでおり、その炭素材料の具体例は、黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラックおよびケッチェンブラックなどである。ただし、導電性材料は、金属材料および高分子化合物などでもよい。
(負極)
 負極22は、図2に示したように、負極集電体22Aおよび負極活物質層22Bを含んでいる。
 負極集電体22Aは、負極活物質層22Bが設けられる一対の面を有している。この負極集電体22Aは、金属材料などの導電性材料を含んでおり、その導電性材料の具体例は、銅などである。
 負極活物質層22Bは、リチウムを吸蔵放出可能である負極活物質のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいる。ただし、負極活物質層22Bは、さらに、負極結着剤および負極導電剤などの他の材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいてもよい。負極活物質層22Bの形成方法は、特に限定されないが、具体的には、塗布法、気相法、液相法、溶射法および焼成法(焼結法)などのうちのいずれか1種類または2種類以上である。
 ここでは、負極活物質層22Bは、負極集電体22Aの両面に設けられているため、負極22は、2個の負極活物質層22Bを含んでいる。ただし、ただし、負極活物質層22Bは、負極22が正極21に対向する側において負極集電体22Aの片面だけに設けられているため、負極22は、1個の負極活物質層22Bだけを含んでいてもよい。
 負極活物質の種類は、特に限定されないが、具体的には、炭素材料および金属系材料などである。高いエネルギー密度が得られるからである。
 炭素材料の具体例は、易黒鉛化性炭素、難黒鉛化性炭素および黒鉛(天然黒鉛および人造黒鉛)などである。
 金属系材料は、リチウムと合金を形成可能である金属元素および半金属元素のうちのいずれか1種類または2種類以上を構成元素として含む材料であり、その金属元素および半金属元素の具体例は、ケイ素およびスズなどである。この金属系材料は、単体でもよいし、合金でもよいし、化合物でもよいし、それらの2種類以上の混合物でもよいし、それらの2種類以上の相を含む材料でもよい。金属系材料の具体例は、TiSiおよびSiO(0<x≦2、または0.2<x<1.4)などである。
 負極結着剤に関する詳細は、正極結着剤に関する詳細と同様であると共に、負極導電剤に関する詳細は、正極導電剤に関する詳細と同様である。
(セパレータ)
 セパレータ23は、図2に示したように、正極21と負極22との間に介在している絶縁性の多孔質膜であり、その正極21と負極22との接触(短絡)を防止しながらリチウムイオンを通過させる。このセパレータ23は、ポリエチレンなどの高分子化合物を含んでいる。
(電解液)
 電解液は、正極21、負極22およびセパレータ23のそれぞれに含浸されており、上記した構成を有している。すなわち、電解液は、三重結合化合物およびフルオロリン酸塩を含んでいる。
[正極リードおよび負極リード]
 正極リード25は、図1および図2に示したように、正極21の正極集電体21Aに接続されており、アルミニウムなどの導電性材料を含んでいる。この正極リード25は、安全弁機構15を介して電池蓋14と電気的に接続されている。
 負極リード26は、図1および図2に示したように、負極22の負極集電体22Aに接続されており、ニッケルなどの導電性材料を含んでいる。この負極リード26は、電池缶11と電気的に接続されている。
<2-2.動作>
 二次電池は、以下のように動作する。
 充電時には、電池素子20において、正極21からリチウムが放出されると共に、そのリチウムが電解液を介して負極22に吸蔵される。一方、放電時には、電池素子20において、負極22からリチウムが放出されると共に、そのリチウムが電解液を介して正極21に吸蔵される。これらの充電時および放電時には、リチウムがイオン状態で吸蔵および放出される。
<2-3.製造方法>
 二次電池を製造する場合には、以下で説明する一例の手順により、正極21および負極22を作製すると共に、電解液を調製したのち、その正極21および負極22と共に電解液を用いて二次電池を組み立てると共に、その組み立て後の二次電池の安定化処理を行う。なお、電解液を調製する手順は、上記した通りである。
[正極の作製]
 最初に、正極活物質、正極結着剤および正極導電剤を互いに混合させることにより、正極合剤とする、続いて、溶媒に正極合剤を投入することにより、ペースト状の正極合剤スラリーを調製する。この溶媒は、水性溶媒でもよいし、有機溶剤でもよい。続いて、正極集電体21Aの両面に正極合剤スラリーを塗布することにより、正極活物質層21Bを形成する。続いて、ロールプレス機などを用いて正極活物質層21Bを圧縮成型してもよい。最後に、正極活物質層21Bを加熱してもよいし、圧縮成型を複数回繰り返してもよい。これにより、正極集電体21Aの両面に正極活物質層21Bが形成されるため、正極21が作製される。
[負極の作製]
 上記した正極21の作製手順と同様の手順により、負極22を形成する。具体的には、最初に、負極活物質、負極結着剤および負極導電剤が互いに混合された混合物(負極合剤)を溶媒に投入することにより、ペースト状の負極合剤スラリーを調製する。続いて、負極集電体22Aの両面に負極合剤スラリーを塗布することにより、負極活物質層22Bを形成する。こののち、負極活物質層22Bを圧縮成型してもよい。これにより、負極集電体22Aの両面に負極活物質層22Bが形成されるため、負極22が作製される。
[二次電池の組み立て]
 最初に、溶接法などの接合法を用いて、正極21の正極集電体21Aに正極リード25を接続させると共に、溶接法などの接合法を用いて、負極22の負極集電体22Aに負極リード26を接続させる。続いて、セパレータ23を介して正極21および負極22を互いに積層させたのち、その正極21、負極22およびセパレータ23を巻回させることにより、巻回中心空間20Sを有する巻回体(図示せず)を作製する。この巻回体は、正極21、負極22およびセパレータ23のそれぞれに電解液が含浸されていないことを除いて、電池素子20の構成と同様の構成を有している。続いて、巻回体の巻回中心空間20Sにセンターピン24を挿入する。
 続いて、絶縁板12,13により巻回体が挟まれた状態において、電池缶11の内部に巻回体および絶縁板12,13を収納する。この場合には、溶接法などの接合法を用いて正極リード25を安全弁機構15に接続させると共に、溶接法などの接合法を用いて負極リード26を電池缶11に接続させる。続いて、電池缶11の内部に電解液を注入することにより、その電解液を巻回体に含浸させる。これにより、正極21、負極22およびセパレータ23のそれぞれに電解液が含浸されるため、電池素子20が作製される。
 最後に、電池缶11の内部に電池蓋14、安全弁機構15およびPTC素子16を収納したのち、ガスケット17を介して電池缶11を加締める。これにより、電池缶11に電池蓋14、安全弁機構15およびPTC素子16が固定されると共に、その電池缶11の内部に電池素子20が封入されるため、二次電池が組み立てられる。
[二次電池の安定化]
 組み立て後の二次電池を充放電させる。環境温度、充放電回数(サイクル数)および充放電条件などの各種条件は、任意に設定可能である。これにより、正極21および負極22のそれぞれの表面に被膜が形成されるため、二次電池の状態が電気化学的に安定化する。よって、二次電池が完成する。
<2-4.作用および効果>
 この二次電池によれば、その二次電池が電解液を備えており、その電解液が上記した構成を有している。この場合には、上記した理由により、充放電が繰り返されても、負極22の表面における電解液の分解反応が抑制されるため、放電容量の減少が抑制される。よって、優れた電池特性を得ることができる。
 特に、二次電池がリチウムイオン二次電池であれば、リチウムの吸蔵放出を利用して十分な電池容量が安定に得られるため、より高い効果を得ることができる。
<3.変形例>
 上記した二次電池の構成は、以下で説明するように、適宜、変更可能である。ただし、以下で説明する一連の変形例のうちの任意の2種類以上は、互いに組み合わされてもよい。
[変形例1]
 図3は、変形例1における二次電池の断面構成を表しており、より具体的には、負極22に含まれている負極活物質220の断面構成を拡大して模式的に示している。ここで説明する二次電池は、負極活物質220を含んでいることを除いて、既に説明した二次電池の構成と同様の構成を有している。
 負極活物質層22Bは、図3に示したように、複数の粒子状である負極活物質(負極活物質220)を含んでおり、その負極活物質220は、中心部221および被覆部222を含んでいる。ただし、図3では、1個の負極活物質220だけを示している。
 中心部221は、リチウムを吸蔵放出可能である材料のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでおり、その材料は、上記した炭素材料および金属系材料などを含んでいる。
 被覆部222は、中心部221の表面を被覆している。ただし、被覆部222は、中心部221の表面のうちの全体を被覆していてもよいし、その中心部221の表面のうちの一部だけを被覆していてもよい。後者の場合には、互いに離隔された複数の場所において、複数の被覆部222が中心部221の表面を被覆していてもよい。
 この被覆部222は、二次電池の製造工程において、組み立て後の二次電池に安定化処理(初期の充放電)を施すことにより形成されている。この安定化処理では、反応性を有する中心部221の表面を被覆するように被覆部222が形成されるため、その被覆部222を利用して中心部221の表面の反応性が低下する。これにより、負極活物質220の表面の反応性が低下するため、その負極活物質220の表面における電解液の分解反応が抑制される。よって、その後の充放電時においても電解液の分解反応が抑制されるため、その二次電池の状態が電気化学的に安定化する。
 なお、安定化処理では、上記したように、中心部221の表面に被覆部222が形成されるだけでなく、正極活物質の表面にも被膜が形成される場合もある。正極活物質の表面における電解液の分解反応も抑制されるからである。
 特に、被覆部222は、ニッケルを構成元素として含んでいる。被覆部222中におけるニッケルの状態は、特に限定されないため、単体でもよいし、化合物でもよいし、合金でもよいし、それらの2種類以上でもよい。
 被覆部222がニッケルを構成元素として含んでいるのは、その被覆部222の物理的強度が向上するため、充放電が繰り返されても被覆部222が維持されやすくなるからである。これにより、電解液の分解反応がより抑制されるため、充放電が繰り返されても放電容量の減少がより抑制される。
 なお、被覆部222にニッケルを構成元素として含有させる方法、言い替えればニッケルの供給源は、特に限定されない。
 具体的には、ニッケルの供給源として正極21を用いる場合には、正極活物質層21Bは、さらに、ニッケル粉を含んでいてもよい。このニッケル粉は、いわゆる粉末状のニッケルである。正極活物質層21B中におけるニッケル粉の含有量は、特に限定されないため、任意に設定可能である。
 この場合には、正極合剤にさらにニッケル粉を添加することを除いて同様の手順により、正極21を作製する。
 または、ニッケルの供給源として電解液を用いる場合には、その電解液は、さらに、ニッケル化合物のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいてもよい。このニッケルは、ニッケルを構成元素として含む化合物である。ニッケル化合物の種類は、特に限定されないが、具体的には、酢酸ニッケルなどである。電解液中におけるニッケル化合物の含有量は、特に限定されないため、任意に設定可能である。
 この場合には、溶媒にさらにニッケル化合物を添加することを除いて同様の手順により、電解液を調製する。
 もちろん、ここではニッケルの供給源として正極21および電解液のうちのいずれかを用いる場合に関して説明したが、そのニッケルの供給源として正極21および電解液の双方を用いてもよい。
 この場合には、被覆部222がニッケルを構成元素として含んでいるため、その被覆部222の物理的強度がより向上する。これにより、充放電が繰り返されても、電解液の分解反応がより抑制されるため、放電容量の減少がより抑制される。よって、より高い効果を得ることができる。
[変形例2]
 二次電池の電池構造が円筒型である場合に関して説明した。しかしながら、ここでは具体的に図示しないが、電池構造の種類は、特に限定されないため、ラミネートフィルム型、角型、コイン型およびボタン型などでもよい。
[変形例3]
 多孔質膜であるセパレータ23を用いた。しかしながら、ここでは具体的に図示しないが、高分子化合物層を含む積層型のセパレータを用いてもよい。
 具体的には、積層型のセパレータは、一対の面を有する多孔質膜と、その多孔質膜の片面または両面に設けられた高分子化合物層とを含んでいる。正極21および負極22のそれぞれに対するセパレータの密着性が向上するため、電池素子20の位置ずれ(巻きずれ)が抑制されるからである。これにより、電解液の分解反応などが発生しても、二次電池の膨れが抑制される。高分子化合物層は、ポリフッ化ビニリデンなどの高分子化合物を含んでいる。ポリフッ化ビニリデンなどは、物理的強度に優れていると共に、電気化学的に安定だからである。
 なお、多孔質膜および高分子化合物層のうちの一方または双方は、複数の絶縁性粒子のうちのいずれか1種類または2種類以上を含んでいてもよい。二次電池の発熱時において複数の絶縁性粒子が放熱を促進させるため、その二次電池の安全性(耐熱性)が向上するからである。絶縁性粒子は、無機材料および樹脂材料のうちの一方または双方を含んでいる。無機材料の具体例は、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、ベーマイト、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化マグネシウムおよび酸化ジルコニウムなどである。樹脂材料の具体例は、アクリル樹脂およびスチレン樹脂などである。
 積層型のセパレータを作製する場合には、高分子化合物および溶媒などを含む前駆溶液を調製したのち、多孔質膜の片面または両面に前駆溶液を塗布する。この場合には、必要に応じて、前駆溶液に複数の絶縁性粒子を添加してもよい。
 この積層型のセパレータを用いた場合においても、正極21と負極22との間においてリチウムイオンが移動可能になるため、同様の効果を得ることができる。この場合には、特に、上記したように、二次電池の安全性が向上するため、より高い効果を得ることができる。
[変形例4]
 液状の電解質である電解液を用いた。しかしながら、ここでは具体的に図示しないが、ゲル状の電解質である電解質層を用いてもよい。
 電解質層を用いた電池素子20では、セパレータ23および電解質層を介して正極21および負極22が互いに積層されていると共に、その正極21、負極22、セパレータ23および電解質層が巻回されている。この電解質層は、正極21とセパレータ23との間に介在していると共に、負極22とセパレータ23との間に介在している。
 具体的には、電解質層は、電解液と共に高分子化合物を含んでおり、その電解液は、高分子化合物により保持されている。電解液の漏液が防止されるからである。電解液の構成は、上記した通りである。高分子化合物は、ポリフッ化ビニリデンなどを含んでいる。電解質層を形成する場合には、電解液、高分子化合物および溶媒などを含む前駆溶液を調製したのち、正極21および負極22のそれぞれの片面または両面に前駆溶液を塗布する。
 この電解質層を用いた場合においても、正極21と負極22との間において電解質層を介してリチウムイオンが移動可能になるため、同様の効果を得ることができる。この場合には、特に、上記したように、電解液の漏液が防止されるため、より高い効果を得ることができる。
<4.二次電池の用途>
 二次電池の用途(適用例)は、特に限定されない。電源として用いられる二次電池は、電子機器および電動車両などにおいて、主電源でもよいし、補助電源でもよい。主電源とは、他の電源の有無に関係なく、優先的に用いられる電源である。補助電源は、主電源の代わりに用いられる電源でもよいし、主電源から切り替えられる電源である。
 二次電池の用途の具体例は、以下の通りである。ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、携帯電話機、ノート型パソコン、ヘッドホンステレオ、携帯用ラジオおよび携帯用情報端末などの電子機器である。バックアップ電源およびメモリーカードなどの記憶用装置である。電動ドリルおよび電動鋸などの電動工具である。電子機器などに搭載される電池パックである。ペースメーカおよび補聴器などの医療用電子機器である。電気自動車(ハイブリッド自動車を含む。)などの電動車両である。非常時などに備えて電力を蓄積しておく家庭用または産業用のバッテリシステムなどの電力貯蔵システムである。これらの用途では、1個の二次電池が用いられてもよいし、複数個の二次電池が用いられてもよい。
 電池パックは、単電池を用いてもよいし、組電池を用いてもよい。電動車両は、駆動用電源として二次電池を用いて作動(走行)する車両であり、その二次電池以外の他の駆動源を併せて備えたハイブリッド自動車でもよい。家庭用の電力貯蔵システムでは、電力貯蔵源である二次電池に蓄積された電力を利用して、家庭用の電気製品などを使用可能である。
 ここで、二次電池の適用例の一例に関して具体的に説明する。以下で説明する適用例の構成は、あくまで一例であるため、適宜、変更可能である。
 図4は、電池パックのブロック構成を表している。ここで説明する電池パックは、1個の二次電池を用いた電池パック(いわゆるソフトパック)であり、スマートフォンに代表される電子機器などに搭載される。
 この電池パックは、図4に示したように、電源51と、回路基板52とを備えている。この回路基板52は、電源51に接続されていると共に、正極端子53、負極端子54および温度検出端子55を含んでいる。
 電源51は、1個の二次電池を含んでいる。この二次電池では、正極リードが正極端子53に接続されていると共に、負極リードが負極端子54に接続されている。この電源51は、正極端子53および負極端子54を介して外部と接続可能であるため、充放電可能である。回路基板52は、制御部56と、スイッチ57と、PTC素子58と、温度検出部59とを含んでいる。ただし、PTC素子58は、省略されてもよい。
 制御部56は、中央演算処理装置(CPU)およびメモリなどを含んでおり、電池パック全体の動作を制御する。この制御部56は、必要に応じて電源51の使用状態の検出および制御を行う。
 なお、制御部56は、電源51(二次電池)の電圧が過充電検出電圧または過放電検出電圧に到達すると、スイッチ57を切断することにより、電源51の電流経路に充電電流が流れないようにする。過充電検出電圧は、特に限定されないが、具体的には、4.20V±0.05Vであると共に、過放電検出電圧は、特に限定されないが、具体的には、2.40V±0.1Vである。
 スイッチ57は、充電制御スイッチ、放電制御スイッチ、充電用ダイオードおよび放電用ダイオードなどを含んでおり、制御部56の指示に応じて電源51と外部機器との接続の有無を切り換える。このスイッチ57は、金属酸化物半導体を用いた電界効果トランジスタ(MOSFET)などを含んでおり、充放電電流は、スイッチ57のON抵抗に基づいて検出される。
 温度検出部59は、サーミスタなどの温度検出素子を含んでいる。この温度検出部59は、温度検出端子55を用いて電源51の温度を測定すると共に、その温度の測定結果を制御部56に出力する。温度検出部59により測定される温度の測定結果は、異常発熱時において制御部56が充放電制御を行う場合および残容量の算出時において制御部56が補正処理を行う場合などに用いられる。
 本技術の実施例に関して説明する。
<実験例1~18および比較例1~5>
 以下で説明するように、二次電池を製造したのち、その二次電池の電池特性を評価した。
[二次電池の製造]
 以下で説明する手順により、図1および図2に示した円筒型のリチウムイオン二次電池を製造した。
(正極の作製)
 最初に、正極活物質(リチウム含有化合物(酸化物)であるコバルト酸リチウム(LiCoO))91質量部と、正極結着剤(ポリフッ化ビニリデン)3質量部と、正極導電剤(黒鉛)6質量部とを互いに混合させることにより、正極合剤とした。続いて、溶媒(有機溶剤であるN-メチル-2-ピロリドン)に正極合剤を投入したのち、その溶媒を撹拌することにより、ペースト状の正極合剤スラリーを調製した。続いて、コーティング装置を用いて正極集電体21A(厚さ=12μmである帯状のアルミニウム箔)の両面に正極合剤スラリーを塗布したのち、その正極合剤スラリーを乾燥させることにより、正極活物質層21Bを形成した。最後に、ロールプレス機を用いて正極活物質層21Bを圧縮成型した。これにより、正極21が作製された。
(負極の作製)
 最初に、負極活物質93質量部と、負極結着剤(ポリフッ化ビニリデン)7質量部とを互いに混合させることにより、負極合剤とした。この負極活物質としては、炭素材料(人造黒鉛)63質量部と、金属系材料(酸化ケイ素(SiO))30質量部との混合物を用いた。続いて、溶媒(有機溶剤であるN-メチル-2-ピロリドン)に負極合剤を投入したのち、その溶媒を撹拌することにより、ペースト状の負極合剤スラリーを調製した。続いて、コーティング装置を用いて負極集電体22A(厚さ=15μmである帯状の銅箔)の両面に負極合剤スラリーを塗布したのち、その負極合剤スラリーを乾燥させることにより、負極活物質層22Bを形成した。最後に、ロールプレス機を用いて負極活物質層22Bを圧縮成型した。これにより、負極22が作製された。
(電解液の調製)
 溶媒(環状炭酸エステルである炭酸エチレンおよび鎖状炭酸エステルである炭酸ジメチル)を準備した。溶媒の混合比(重量比)は、炭酸エチレン:炭酸ジメチル=20:80とした。続いて、溶媒に電解質塩(リチウム塩である六フッ化リン酸リチウム(LiPF))を添加したのち、その溶媒を撹拌した。電解質塩の含有量は、溶媒に対して1.2mol/kgとした。最後に、電解質塩が添加された溶媒に三重結合化合物およびフルオロリン酸塩を添加したのち、その溶媒を撹拌した。三重結合化合物の分類、種類および含有量(重量%)のそれぞれと、フルオロリン酸塩の分類、種類および含有量(重量%)とは、表1に示した通りである。これにより、電解液が調製された。
 具体的には、第1三重結合化合物として、2-オクチン酸メチル(OCM)と、2-ノニン酸メチル(NNM)と、2-ヘキシン酸メチル(HXM)と、2-ヘプチン酸メチル(HPM)と、2-ペンチン酸エチル(PNE)と、2-ブチン酸エチル(BTE)と、2-デシン酸メチル(DCM)とを用いた。第2三重結合化合物として、2-ブチン酸二酸ジイソプロピル(BTDI)を用いた。
 また、第1フルオロリン酸塩として、ジフルオロリン酸リチウム(DFPL)と、ジフルオロリン酸ナトリウム(DFPN)とを用いた。第2フルオロリン酸塩として、モノフルオロリン酸ジリチウム(MFPL)を用いた。
 なお、比較のために、表2に示したように、三重結合化合物およびフルオロリン酸のうちの一方または双方を用いなかったことを除いて同様の手順により、電解液を調製した。
 表1および表2に示した「分類」の意味は、以下で説明する通りである。三重結合化合物に関して、「第1」は第1三重結合化合物を表していると共に、「第2」は第2三重結合化合物を表している。フルオロリン酸塩に関して、「第1」は第1フルオロリン酸塩を表していると共に、「第2」は第2フルオロリン酸塩を表している。
(二次電池の組み立て)
 最初に、正極21の正極集電体21Aに正極リード25(アルミニウム箔)を溶接したと共に、負極22の負極集電体22Aに負極リード26(銅箔)を溶接した。
 続いて、セパレータ23(厚さ=15μmである微多孔性ポリエチレンフィルム)を介して正極21および負極22を互いに積層させたのち、その正極21、負極22およびセパレータ23を巻回させることにより、巻回中心空間20Sを有する巻回体を作製した。続いて、巻回体の巻回中心空間20Sにセンターピン24を挿入した。
 続いて、電池缶11の内部に巻回体と共に絶縁板12,13を収納した。この場合には、安全弁機構15に正極リード25を溶接したと共に、電池缶11に負極リード26を溶接した。続いて、電池缶11の内部に電解液を注入した。これにより、巻回体に電解液が含浸されたため、電池素子20が作製された。
 最後に、電池缶11の内部に電池蓋14、安全弁機構15およびPTC素子16を収納したのち、ガスケット17を介して電池缶11を加締めた。これにより、電池缶11が封止されたため、二次電池が組み立てられた。
(二次電池の安定化)
 常温環境中(温度=23℃)において二次電池を1サイクル充放電させた。充電時には、0.1Cの電流で電圧が4.2Vに到達するまで定電流充電したのち、その4.2Vの電圧で電流が0.05Cに到達するまで定電圧充電した。放電時には、0.1Cの電流で電圧が3.0Vに到達するまで定電流放電した。0.1Cとは、電池容量(理論容量)を10時間で放電しきる電流値であると共に、0.05Cとは、その電池容量を20時間で放電しきる電流値である。これにより、二次電池が完成した。
 なお、二次電池の完成後、ICP発光分光分析法を用いて、電解液における三重結合化合物の含有量(重量%)と、電解液におけるフルオロリン酸塩の含有量(重量%)とを測定した結果は、表1および表2に示した通りである。
[電池特性の評価]
 以下で説明する手順により、電池特性としてサイクル特性を評価したところ、表1および表2に示した結果が得られた。
 最初に、高温環境中(温度=50℃)において二次電池を充電したのち、同環境中において充電状態の二次電池を静置(静置時間=3時間)した。充電時には、1Cの電流で電圧が4.2Vに到達するまで定電流充電したのち、その4.2Vの電圧で電流が0.05Cに到達するまで定電圧充電した。1Cとは、電池容量を1時間で放電しきる電流値である。
 続いて、同環境中において二次電池を放電させることにより、放電容量(1サイクル目の放電容量)を測定した。放電時には、3Cの電流で電圧が3.0Vに到達するまで定電流放電した。3Cとは、電池容量を1/3時間で放電しきる電流値である。
 続いて、同環境中においてサイクル数が100サイクルに到達するまで二次電池を繰り返して充放電させることにより、放電容量(100サイクル目の放電容量)を測定した。2サイクル目以降の充放電条件は、1サイクル目の充放電条件と同様にした。
 最後に、容量維持率(%)=(100サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100という計算式に基づいて、サイクル特性を評価するための指標である容量維持率を算出した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000007
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000008
[考察]
 表1および表2に示したように、容量維持率は、電解液の構成に応じて変動した。
 以下では、電解液が三重結合化合物およびフルオロリン酸塩の双方を含んでいない場合(比較例1)の容量維持率を比較基準とする。
 電解液が三重結合化合物だけを含んでいる場合(比較例2,3)には、容量維持率が僅かに増加した。また、電解液がフルオロリン酸塩だけを含んでいる場合(比較例4,5)においても同様に、容量維持率が僅かに増加した。
 これらの結果(比較例1~5)を考慮すると、電解液が三重結合化合物およびフルオロリン酸塩の双方を含んでいても、容量維持率が僅かしか増加しないと予想される。
 しかしながら、実際には、上記した予想とは異なる結果が得られた。すなわち、電解液が三重結合化合物およびフルオロリン酸塩の双方を含んでいる場合(実施例1~18)には、容量維持率が著しく増加した。
 容量維持率が著しく増加した理由は、上記したように、三重結合化合物とフルオロリン酸塩との相乗作用により、優れた電気化学的耐久性を有する被膜が負極22の表面に形成されたからであると考えられる。
 特に、電解液が三重結合化合物およびフルオロリン酸塩の双方を含んでいる場合(実施例1~18)には、以下で説明する一連の傾向が得られた。
 第1に、三重結合化合物として第1三重結合化合物および第2三重結合化合物のうちのいずれを用いても、高い容量維持率が得られた。第2に、フルオロリン酸塩として第1フルオロリン酸塩および第2フルオロリン酸塩のうちのいずれを用いても、高い容量維持率が得られた。第3に、電解液中における三重結合化合物の含有量が0.01重量%~5重量%であると、容量維持率がより増加した。第4に、電解液中におけるフルオロリン酸塩の含有量が0.01重量%~2重量%であると、容量維持率がより増加した。
<実施例19~24>
 表3に示したように、電解液に添加剤(不飽和環状炭酸エステル、フッ素化環状炭酸エステルまたはシアノ化環状炭酸エステル)を含有させたことを除いて実施例3と同様の手順により、二次電池を作製したのち、電池特性を評価した。添加剤の分類、種類および含有量(重量%)は、表3に示した通りである。
 具体的には、不飽和環状炭酸エステルとして、炭酸ビニレン(VC)を用いた。フッ素化環状炭酸エステルとして、フルオロ炭酸エチレン(FEC)を用いた。シアノ化環状炭酸エステルとしては、シアノ炭酸エチレン(CEC)を用いた。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000009
 表3に示したように、電解液が添加剤(不飽和環状炭酸エステル、フッ素化環状炭酸エステルまたはシアノ化環状炭酸エステル)を含んでいる場合(実施例19~24)には、その電解液が添加剤を含んでいない場合(実施例3)と比較して、容量維持率がより増加した。
<実施例25~44>
 表4および表5に示したように、電解液に添加剤(スルホン酸エステル、硫酸エステル、亜硫酸エステル、ジカルボン酸無水物、ジスルホン酸無水物、スルホン酸カルボン酸無水物またはスルホ安息香酸イミド)を含有させたことを除いて実施例3と同様の手順により、二次電池を作製したのち、電池特性を評価した。添加剤の分類、種類および含有量(重量%)は、表4および表5に示した通りである。
 具体的には、スルホン酸エステルとして、1,3-プロパンスルトン(PS)、1-プロペン-1,3-スルトン(PRS)、1,4-ブタンスルトン(BS1)、2,4-ブタンスルトン(BS2)およびメタンスルホン酸プロパルギルエステル(MSP)を用いた。
 硫酸エステルとして、1,3,2-ジオキサチオラン2,2-ジオキシド(OTO)、1,3,2-ジオキサチアン2,2-ジオキシド(OTA)および4-メチルスルホニルオキシメチル-2,2-ジオキソ-1,3,2-ジオキサチオラン(SOTO)を用いた。
 亜硫酸エステルとして、1,3,2-ジオキサチオラン2-オキシド(DTO)および4-メチル-1,3,2-ジオキサチオラン2-オキシド(MDTO)を用いた。
 ジカルボン酸無水物として、1,4-ジオキサン-2,6-ジオン(DOD)、コハク酸無水物(SA)およびグルタル酸無水物(GA)を用いた。
 ジスルホン酸無水物として、1,2-エタンジスルホン酸無水物(ESA)、1,3-プロパンジジスルホン酸無水物(PSA)およびヘキサフルオロ1,3-プロパンジスルホン酸無水物(FPSA)を用いた。
 スルホン酸カルボン酸無水物として、2-スルホ安息香酸無水物(SBA)および2,2-ジオキソオキサチオラン-5-オン(DOTO)を用いた。
 スルホ安息香酸イミドとして、o-スルホベンズイミド(SBI)およびN-メチルサッカリン(NMS)を用いた。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000010
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000011
 表4および表5に示したように、電解液が添加剤(スルホン酸エステル、硫酸エステル、亜硫酸エステル、ジカルボン酸無水物、ジスルホン酸無水物、スルホン酸カルボン酸無水物またはスルホ安息香酸イミド)を含んでいる場合(実施例25~44)には、その電解液が添加剤を含んでいない場合(実施例3)と比較して、容量維持率がより増加した。
<実施例45,46>
 表6に示したように、負極活物質として負極活物質220(中心部221および被覆部222)を用いたことを除いて実施例3と同様の手順により、二次電池を作製したのち、電池特性を評価した。
 ニッケルの供給源として正極21を用いる場合には、正極合剤にニッケル粉(メジアン径D50=0.2μm)を添加したことを除いて同様の手順の手順により、正極21を作製した。この場合には、正極導電剤の一部をニッケル粉に置き換えると共に、正極合剤中におけるニッケル粉の含有量を0.01質量部とした。
 ニッケルの供給源として電解液を用いる場合には、三重結合化合物およびフルオロリン酸塩が添加された溶媒にさらにニッケル化合物(酢酸ニッケル・4水和物)を添加したことを除いて同様の手順の手順により、電解液を作製した。この場合には、電解液中におけるニッケル化合物の含有量を1重量%とした。
 負極22を作製する場合には、負極活物質(人造黒鉛)の代わりに中心部221(人造黒鉛)を用いたことを除いて同様の手順を用いた。これにより、組み立て後の二次電池に安定化処理において、ニッケルを構成元素として含む被覆部222が中心部221の表面に形成された。よって、中心部221および被覆部222を含む負極活物質220が形成されたため、その負極活物質220を含む負極22が作製された。
 なお、二次電池の完成後、その二次電池を解体することにより、負極活物質220を回収したのち、走査型電子顕微鏡(株式会社ハイテク製の走査型電子顕微鏡 SU3800/SU3900)、エネルギー分散型X線分析装置(EDS)およびX線光電子分光分析装置(EDX)を用いて負極活物質220を分析した結果は、表6に示した通りである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000012
 表6に示したように、中心部221および被覆部222を含む負極活物質220を用いた場合(実施例45,46)には、その負極活物質220を用いなかった場合(実施例3)と比較して、容量維持率がより増加した。
[まとめ]
 表1~表6に示した結果から、電解液が三重結合化合物およびフルオロリン酸塩を含んでいると、高い容量維持率が得られたため、サイクル特性が改善された。よって、電解液を用いた二次電池において、優れた電池特性を得ることができた。
 以上、一実施形態および実施例を挙げながら本技術に関して説明したが、その本技術の構成は、一実施形態および実施例において説明された構成に限定されないため、種々に変形可能である。
 具体的には、電池素子の素子構造が巻回型である場合に関して説明した。しかしながら、電池素子の素子構造は、特に限定されないため、積層型および九十九折り型などの他の素子構造でもよい。積層型では、正極および負極がセパレータを介して交互に積層されていると共に、九十九折り型では、正極および負極がセパレータを介して互いに対向しながらジグザグに折り畳まれている。
 また、電極反応物質がリチウムである場合に関して説明したが、その電極反応物質は、特に限定されない。具体的には、電極反応物質は、上記したように、ナトリウムおよびカリウムなどの他のアルカリ金属でもよいし、ベリリウム、マグネシウムおよびカルシウムなどのアルカリ土類金属でもよい。この他、電極反応物質は、アルミニウムなどの他の軽金属でもよい。
 本明細書中に記載された効果は、あくまで例示であるため、本技術の効果は、本明細書中に記載された効果に限定されない。よって、本技術に関して、他の効果が得られてもよい。
 なお、本技術は、以下のような構成を取ることもできる。

<1>
 正極と、
 負極と、
 三重結合化合物およびフルオロリン酸塩を含む電解液と
 を備え、
 前記三重結合化合物は、式(1)で表される化合物および式(2)で表される化合物のうちの少なくとも一方を含み、
 前記フルオロリン酸塩は、式(3)で表される化合物および式(4)で表される化合物のうちの少なくとも一方を含む、
 二次電池。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000013
(R1~R4のそれぞれは、アルキル基である。)
 M1PF ・・・(3)
(M1は、アルカリ金属元素である。)
 M2PFO ・・・(4)
(M2は、アルカリ金属元素である。)
<2>
 前記アルキル基の炭素数は、1以上7以下である、
 <1>に記載の二次電池。
<3>
 前記アルカリ金属元素は、リチウムである、
 <1>または<2>に記載の二次電池。
<4>
 前記電解液における前記三重結合化合物の含有量は、0.01重量%以上5重量%以下である、
 <1>ないし<3>のいずれか1つに記載の二次電池。
<5>
 前記電解液における前記フルオロリン酸塩の含有量は、0.01重量%以上2重量%以下である、
 <1>ないし<4>のいずれか1つに記載の二次電池。
<6>
 前記電解液は、さらに、不飽和環状炭酸エステル、フッ素化環状炭酸エステルおよびシアノ化環状炭酸エステルのうちの少なくとも1種を含む、
 <1>ないし<5>のいずれか1つに記載の二次電池。
<7>
 前記電解液は、さらに、スルホン酸エステル、硫酸エステル、亜硫酸エステル、ジカルボン酸無水物、ジスルホン酸無水物、スルホン酸カルボン酸無水物およびスルホ安息香酸イミドのうちの少なくとも1種を含む、
 <1>ないし<6>のいずれか1つに記載の二次電池。
<8>
 前記負極は、負極活物質を含み、
 前記負極活物質は、
 電極反応物質を吸蔵放出する中心部と、
 前記中心部の表面を被覆すると共にニッケルを構成元素として含む被覆部と
 を含む、
 <1>ないし<7>のいずれか1つに記載の二次電池。
<9>
 リチウムイオン二次電池である、
 <1>ないし<8>のいずれか1つに記載の二次電池。
<10>
 三重結合化合物をおよびフルオロリン酸塩を含み、
 前記三重結合化合物は、式(1)で表される化合物および式(2)で表される化合物のうちの少なくとも一方を含み、
 前記フルオロリン酸塩は、式(3)で表される化合物および式(4)で表される化合物のうちの少なくとも一方を含む、
 二次電池用電解液。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000014
(R1~R4のそれぞれは、アルキル基である。)
 M1PF ・・・(3)
(M1は、アルカリ金属元素である。)
 M2PFO ・・・(4)
(M2は、アルカリ金属元素である。)

Claims (10)

  1.  正極と、
     負極と、
     三重結合化合物およびフルオロリン酸塩を含む電解液と
     を備え、
     前記三重結合化合物は、式(1)で表される化合物および式(2)で表される化合物のうちの少なくとも一方を含み、
     前記フルオロリン酸塩は、式(3)で表される化合物および式(4)で表される化合物のうちの少なくとも一方を含む、
     二次電池。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
    (R1~R4のそれぞれは、アルキル基である。)
     M1PF ・・・(3)
    (M1は、アルカリ金属元素である。)
     M2PFO ・・・(4)
    (M2は、アルカリ金属元素である。)
  2.  前記アルキル基の炭素数は、1以上7以下である、
     請求項1に記載の二次電池。
  3.  前記アルカリ金属元素は、リチウムである、
     請求項1または請求項2に記載の二次電池。
  4.  前記電解液における前記三重結合化合物の含有量は、0.01重量%以上5重量%以下である、
     請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の二次電池。
  5.  前記電解液における前記フルオロリン酸塩の含有量は、0.01重量%以上2重量%以下である、
     請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の二次電池。
  6.  前記電解液は、さらに、不飽和環状炭酸エステル、フッ素化環状炭酸エステルおよびシアノ化環状炭酸エステルのうちの少なくとも1種を含む、
     請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の二次電池。
  7.  前記電解液は、さらに、スルホン酸エステル、硫酸エステル、亜硫酸エステル、ジカルボン酸無水物、ジスルホン酸無水物、スルホン酸カルボン酸無水物およびスルホ安息香酸イミドのうちの少なくとも1種を含む、
     請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の二次電池。
  8.  前記負極は、負極活物質を含み、
     前記負極活物質は、
     電極反応物質を吸蔵放出する中心部と、
     前記中心部の表面を被覆する被覆部と
     を含み、
     前記被覆部は、ニッケルを構成元素として含む、
     請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の二次電池。
  9.  リチウムイオン二次電池である、
     請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の二次電池。
  10.  三重結合化合物をおよびフルオロリン酸塩を含み、
     前記三重結合化合物は、式(1)で表される化合物および式(2)で表される化合物のうちの少なくとも一方を含み、
     前記フルオロリン酸塩は、式(3)で表される化合物および式(4)で表される化合物のうちの少なくとも一方を含む、
     二次電池用電解液。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
    (R1~R4のそれぞれは、アルキル基である。)
     M1PF ・・・(3)
    (M1は、アルカリ金属元素である。)
     M2PFO ・・・(4)
    (M2は、アルカリ金属元素である。)
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