JP7380158B2 - 伸縮性回路基板および伸縮性デバイス - Google Patents

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Description

本開示は、伸縮性回路基板および伸縮性デバイスに関する。
近年、伸縮性エレクトロニクス(ストレッチャブルエレクトロニクスとも称する。)が注目を集めており、伸縮可能な伸縮性デバイスの開発が盛んになされている。例えば、特許文献1には、使用者の手の動きや形を検出するため手に装着される手袋型入力装置であって、伸縮可能な素材により構成された手袋の外側および/または内側に、伸縮性を有する特定の導電性インクを用いて、指関節の動作を検知するためのセンシングデバイスが形成されている手袋型入力装置が開示されている。
また、特許文献2には、伸縮予定方向において、第1及び第2の電子部品の間に介在する対向領域と、対向領域以外の非対向領域とを有する基材を含み、第1の接続部の少なくとも一部及び第2の接続部の少なくとも一部は、非対向領域に設けられ、少なくとも1つの配線が、非対向領域に設けられている伸縮性基板が開示されている。また、特許文献3には、圧力センサ付きグローブが開示されている。
特許第6447150号明細書 特許第6302568号明細書 米国特許第10180721号明細書
関節の屈曲運動により伸縮性回路基板における配線および素子の接続信頼性が低下する場合がある。本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、関節の屈曲運動による配線および素子の接続信頼性の低下を抑制した伸縮性回路基板を提供することを主目的とする。
本開示においては、伸縮性を有する基材と、上記基材の第1面側に位置する配線と、上記基材の第1面側に位置し、上記配線により電気的に接続された一対の素子と、を備える伸縮性回路基板であって、上記伸縮性回路基板は、関節に対応する関節対応領域を有し、上記関節対応領域は、上記関節の屈曲部の平面視上の中心を含む領域であり、平面視上、上記一対の素子は、上記屈曲部の軸方向に交差する交差方向に沿って、少なくとも一つの上記関節対応領域を介して対向するように配置されており、さらに、上記配線は、上記関節対応領域と重複しないように配置されている、伸縮性回路基板を提供する。
本開示においては、伸縮性を有する基材と、上記基材の第1面側に位置する配線と、上記基材の第1面側に位置し、上記配線により電気的に接続された一対の素子と、を備える伸縮性回路基板であって、上記伸縮性回路基板は、第1領域を有し、上記第1領域は、上記一対の素子を結ぶ線分の中点を中心とし、上記中心における上記基材の伸び率を100%とした場合に、上記基材の伸び率が95%以上となる領域であり、平面視上、上記配線は、上記第1領域と重複しないように配置されている、伸縮性回路基板を提供する。
また、本開示においては、中空構造を有する支持体と、上記支持体の内表面側または外表面側に配置された、上述した伸縮性回路基板と、を有する伸縮性デバイスを提供する。
また、本開示においては、指部を有する手袋と、上記指部の内表面側または外表面側に配置された伸縮性回路基板と、を有する伸縮性デバイスであって、上記伸縮性回路基板は、伸縮性を有する基材と、上記基材の第1面側に位置する配線と、上記基材の第1面側に位置し、上記配線により電気的に接続された一対の素子と、を備え、平面視上、上記指部の先端部から根元部までの長さをLとした場合に、上記一対の素子の一方は、上記指部の長手方向において、上記先端部の位置を基準として、L×2.5/10までの領域内に存在し、上記一対の素子の他方は、上記指部の長手方向において、上記先端部からL×3.5/10の位置を基準として、L×6.5/10までの領域内に存在し、上記指部の長手方向における中心線上、かつ、上記先端部からL×3/10の位置を中心とした場合に、上記配線は、平面視上、上記中心から半径2mmの範囲内の領域と重複しないように配置されている、伸縮性デバイスを提供する。
また、本開示においては、指部を有する手袋と、上記指部の内表面側または外表面側に配置された伸縮性回路基板と、を有する伸縮性デバイスであって、上記伸縮性回路基板は、伸縮性を有する基材と、上記基材の第1面側に位置する配線と、上記基材の第1面側に位置し、上記配線により電気的に接続された一対の素子と、を備え、平面視上、上記指部の先端部から根元部までの長さをLとした場合に、上記一対の素子の一方は、上記指部の長手方向において、上記先端部からL×3.5/10の位置を基準として、L×6.5/10までの領域内に存在し、上記一対の素子の他方は、上記指部の長手方向において、上記先端部からL×7.5/10の位置を基準として、L×9.5/10までの領域内に存在し、上記指部の長手方向における中心線上、かつ、上記先端部からL×7/10の位置を中心とした場合に、上記配線は、平面視上、上記中心から半径2mmの範囲内の領域と重複しないように配置されている、伸縮性デバイスを提供する。
本開示における伸縮性回路基板は、関節の屈曲運動による配線および素子の接続信頼性の低下を抑制できるという効果を奏する。
本開示における伸縮性デバイスを例示する概略平面図である。 本開示における伸縮性回路基板を例示する模式図である。 本開示における関節を説明する模式図である。 本開示における伸縮性回路基板を説明する模式図である。 本開示における伸縮性回路基板の効果を説明する概略側面図である。 本開示における伸縮性回路基板を例示する概略断面図である。 本開示における伸縮性回路基板を説明する模式図である。 本開示における伸縮性回路基板を説明する模式図である。 本開示における開口部を説明する模式図である。 本開示における薄肉部を説明する模式図である。 本開示における貫通部を説明する模式図である。 本開示における開口部を説明する模式図である。 本開示における薄肉部を説明する模式図である。 本開示における薄肉部を説明する模式図である。 本開示における貫通部を説明する模式図である。 本開示における伸縮性回路基板を説明する概略断面図である。 本開示における伸縮性回路基板を例示する模式図である。 本開示における蛇腹形状部を例示する模式図である。 本開示における伸縮性回路基板を例示する模式図である。 本開示における伸縮性回路基板を例示する模式図である。 本開示における伸縮性回路基板の製造方法を例示する概略断面図である。 本開示における伸縮性デバイスを例示する概略平面図である。
下記に、図面を参照しながら本開示における実施の形態を説明する。ただし、本開示は多くの異なる態様で実施することが可能であり、下記に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の形態に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表わされる場合があるが、あくまで一例であって、本開示における解釈を限定しない。
本明細書において、ある部材の上に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」あるいは「下に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含む。同様に、本明細書において、「ある部材の面側に」と表記する場合、特段の断りのない限りは、ある部材の面に接するように直接、他の部材を配置する場合と、ある部材の面に別の部材の介して他の部材を配置する場合との両方を含む。
A.伸縮性回路基板
本開示における伸縮性回路基板は、伸縮性を有する基材と、上記基材の第1面側に位置する配線と、上記基材の第1面側に位置し、上記配線により電気的に接続された一対の素子と、を備える伸縮性回路基板である。本開示において、「伸縮性」とは、伸び縮みすることができる性質、すなわち、常態である非伸長状態から伸長することができ、この伸長状態から解放したときに復元することができる性質をいう。非伸長状態とは、引張応力が加えられていないときの状態である。伸縮性は、ストレッチャブルともいう。
また、本開示における伸縮性回路基板は、関節に対応する関節対応領域を有し、上記関節対応領域は、上記関節の屈曲部の平面視上の中心を含む領域であり、平面視上、上記一対の素子は、上記屈曲部の軸方向に交差する交差方向に沿って、少なくとも一つの上記関節対応領域を介して対向するように配置されており、さらに、上記配線は、上記関節対応領域と重複しないように配置されていてもよい。
図1は、本開示における伸縮性デバイスを例示する概略平面図である。図2(a)は図1における伸縮性回路基板の拡大図であり、図2(b)は図2(a)のA-A断面図であり、図2(c)は図2(a)のB-B断面図である。
図1に示す伸縮性デバイス100は、支持体20と、支持体20の外表面側に配置された伸縮性回路基板10とを有する。また、図2(b)、(c)に示すように、伸縮性回路基板10は、伸縮性を有する基材1と、基材1の第1面1a側に位置する配線2と、基材1の第1面1a側に位置し、配線2により電気的に接続された一対の素子4と、を備える。図2(b)、(c)では、素子4aおよび素子4b、ならびに、素子4bおよび素子4cが、それぞれ、一対の素子を構成している。
さらに、図2(a)に示すように、伸縮性回路基板10は、関節に対応する関節対応領域Xを有する。ここで、関節について図3を用いて説明する。図3(a)は、関節を模式化した概略平面図であり、図3(b)は図3(a)のA-A断面図であり、図3(c)は屈曲後の関節を模式化した概略断面図である。図3(a)~(c)に示す関節200は、非屈曲部201aと、屈曲部202と、非屈曲部201bとをこの順に有する。図3(c)に示すように、非屈曲部201aおよび非屈曲部201bの相対位置は、屈曲部202の中心を軸にした屈曲運動により変化する。
図3(a)に示すように、関節200は、屈曲部202の平面視上の中心Cを有する。中心Cは、屈曲部202の回転軸Pに沿った方向における、屈曲部202の一方の端部から他方の端部までの中間地点をいう。すなわち、中心Cは、屈曲部202の回転軸Pに沿った方向において、一方の端部までの距離と、他方の端部までの距離とが等しくなる地点である。例えば、伸縮性回路基板を直接貼付して用いる場合、屈曲部202の端部の位置は、伸縮性回路基板が貼付される関節(標準的な関節)の平面視形状に基づいて設定される。一方、例えば、伸縮性回路基板を支持体に貼付する場合、屈曲部202の端部の位置は、支持体の平面視形状(例えば手袋の指部分の幅)に応じて設定される。また、図3(a)に示すように、本開示においては、屈曲部の軸方向をDとし、軸方向Dに直交する直交方向をDとする。
図4に示すように、関節対応領域Xは、関節の屈曲部の平面視上の中心Cを含む領域である。一対の素子4a、4bは、屈曲部の軸方向に交差する交差方向Dに沿って、関節対応領域Xを介して対向するように配置されている。さらに、配線2は、関節対応領域Xと重複しないように配置されている。
本開示によれば、配線が、平面視上、関節対応領域と重複しないように配置されていることから、関節の屈曲運動による配線および素子の接続信頼性の低下を抑制した伸縮性回路基板とすることができる。
ここで、図5は、本開示における伸縮性回路基板の効果を説明する概略側面図である。なお、図5では、便宜上、伸縮性回路基板における配線および素子のみを図示し、伸縮性回路基板を構成する他の部材については記載を省略している。図5(a)に示すように、従来の伸縮性回路基板では、配線2が、平面視上、関節対応領域Xと重複するように配置されていた。関節対応領域では、関節の屈曲運動により大きく伸縮するため、配線に大きな応力が加わる。配線を含む伸縮性回路基板は伸縮性を有することから、即座に、配線および素子の接続信頼性が低下する可能性は低いものの、関節の屈曲運動が繰り返されると、経時的に接続信頼性が低下する場合がある。
これに対して、図5(b)に示すように、本開示における伸縮性回路基板では、配線2が、平面視上、関節対応領域Xと重複しないように配置されている。関節対応領域では、関節の屈曲運動により大きく伸縮するが、その周辺領域は、関節の側面部に配置されるため、関節の屈曲運動による伸縮の増加は、格段に小さくなる。その結果、関節の屈曲運動が繰り返されても、経時的に接続信頼性が低下することを抑制できる。より具体的に、図6は、図5(b)におけるα方向から指関節を観察した場合の断面図に該当するが、伸縮性回路基板10が関節に配置されると、屈曲部の軸方向Dに直交する直交方向D(紙面の表裏方向)での断面視において曲面が形成される。関節対応領域Xでは、配線が関節の屈曲運動により大きく伸縮するが、関節対応領域Xよりも外側の周辺領域は、関節の側面部に配置されるため、関節の屈曲運動による伸縮の増加は、格段に小さくなる。その結果、関節の屈曲運動が繰り返されても、経時的に接続信頼性が低下することを抑制できる。
特許文献1には、使用者の手の動きや形を検出するため手に装着される手袋型入力装置であって、伸縮可能な素材により構成された手袋の外側および/または内側に、伸縮性を有する特定の導電性インクを用いて、指関節の動作を検知するためのセンシングデバイスが形成されている手袋型入力装置が開示されている。しかしながら、特許文献1には、配線を、平面視上、関節対応領域と重複しないように配置するという思想は、記載も示唆もされていない。また、特許文献2には、伸縮予定方向において、第1及び第2の電子部品の間に介在する対向領域と、対向領域以外の非対向領域とを有する基材を含み、第1の接続部の少なくとも一部及び第2の接続部の少なくとも一部は、非対向領域に設けられ、少なくとも1つの配線が、非対向領域に設けられている伸縮性基板が開示されているが、伸縮部での動作に追随されることを目的としており、屈曲する関節を前提とする技術ではない。
また、本開示における伸縮性回路基板は、第1領域を有し、上記第1領域は、上記一対の素子を結ぶ線分の中点を中心とし、上記中心における上記基材の伸び率を100%とした場合に、上記基材の伸び率が95%以上となる領域であり、平面視上、上記配線は、上記第1領域と重複しないように配置されていてもよい。
本開示によれば、配線が、平面視上、第1領域と重複しないように配置されていることから、配線および素子の接続信頼性の低下を抑制した伸縮性回路基板とすることができる。第1領域は、その中心が、一対の素子を結ぶ線分の中点として定義される領域である。「一対の素子を結ぶ線分」とは、一方の素子の重心と、他方の素子の重心とを結ぶ線分をいう。
1.伸縮性回路基板の構成
本開示における伸縮性回路基板は、関節に対応する関節対応領域を有していてもよい。関節対応領域は、上述したように、関節の屈曲部の平面視上の中心を含む領域である。さらに、関節対応領域は、下記(i)または(ii)により定義される。
(i)関節対応領域は、関節の屈曲部の平面視上の中心における基材の伸び率を100%とした場合に、基材の伸び率が95%以上となる領域である。具体的に、伸縮性回路基板における基材を準備し、関節(標準的な関節)の模型、または、支持体(例えば手袋)に接着する。次に、接着した基材に対して、関節の屈曲部の平面視上の中心に、直径1mmの円形のマークを付ける。次に、基材を、関節の屈曲限界まで屈曲させる。屈曲前後のマークの伸び率(直交方向Dにおける、(屈曲後のマーク長さ)/(屈曲前のマーク長さ))を求め、その値を100%の基準とする。次に、関節の屈曲部の平面視上の中心の周囲に、直径1mmの円形のマークを付ける。そのマークに対して、同様に、屈曲前後の伸び率を測定する。その値が95%以上となる場合は、関節対応領域の範囲内であると判断する。この操作を繰り返すことで、関節対応領域を設定することができる。
(ii)関節対応領域は、関節の屈曲部の平面視上の中心とする所定半径の円領域である。所定半径は、手指の関節の場合は2mmであり、手首の関節の場合は16mmであり、肘の関節の場合は8mmであり、肩の関節の場合は16mmであり、膝の関節の場合は16mmであり、足首の関節の場合は16mmであり、足指の関節の場合は2mmであり、腰の場合は60mmであり、首の場合は32mmであり、股関節の場合は40mmである。
本開示において、一対の素子は、屈曲部の軸方向に交差する交差方向に沿って、少なくとも一つの関節対応領域を介して対向するように配置されていてもよい。一対の素子は、一つの関節対応領域を介して対向するように配置されていてもよく、二以上の関節対応領域を介して対向するように配置されていてもよい。図4では、交差方向Dと直交方向Dとが一致しており、両者のなす角は0°であるが、交差方向Dと直交方向Dとは一致していなくてもよい。例えば、図7では、交差方向Dと直交方向Dとが一致していない。両方向のなす角度は、例えば45°以下であり、30°以下であってもよく、15°以下であってもよい。
また、図4では、第1素子4aおよび第2素子4bが、平面視上、中心Cを通過する直交軸Qと重複している。このように、一対の素子の少なくとも一方は、平面視上、中心Cを通過する直交軸Qと重複していてもよい。これに対して、図7では、第1素子4aおよび第2素子4bが、平面視上、中心Cを通過する直交軸Qと重複するように配置されていない。このように、一対の素子の少なくとも一方は、平面視上、中心Cを通過する直交軸Qと重複していなくてもよい。
図4および図7では、一対の素子を結ぶ線分(第1素子4aの中心と、第2素子4bの中心とを結ぶ線分)が、平面視上、中心Cと重複しているが、上記線分は、平面視上、中心Cと重複していなくてもよい。なお、上記線分の方向は、通常、上述した交差方向Dと一致する。
上述したように、本開示における伸縮性回路基板は、平面視上、一対の素子が、屈曲部の軸方向に交差する交差方向に沿って、少なくとも一つの関節対応領域を介して対向するように配置されており、さらに、配線が、関節対応領域と重複しないように配置されていてもよい。この構造を、特定構造と称する。本開示における伸縮性回路基板は、特定構造を1個有していてもよく、2個以上有していてもよい。後者の場合、特定構造の数は、2個以上であってもよく、4個以上であってもよく、6個以上であってもよく、8個以上であってもよく、10個以上であってもよい。
例えば、本開示における関節が、手指の関節である場合、伸縮性回路基板は、1本の手指において、1個の特定構造を有していてもよく、2個の特定構造を有していてもよい。前者の場合、1個の特定構造は、第1関節(最も指先に近い関節)に対応する関節対応領域を有する構造であってもよく、第2関節(2番目に指先に近い関節)に対応する関節対応領域を有する構造であってもよい。後者の場合、2個の特定構造は、第1関節に対応する関節対応領域を有する構造と、第2関節に対応する関節対応領域を有する構造との両方である。伸縮性回路基板は、5本全ての手指において、それぞれ1個または2個の特定構造を有していてもよい。
また、図8(a)に示すように、第1素子4aの端子部41aは、第2素子4bと対向するように配置されていてもよい。同様に、第2素子4bの端子部41bは、第1素子4aと対向するように配置されていてもよい。このように、一対の素子における一方の素子の端子部は、他方の素子と対向するように配置されていてもよい。また、図8(b)に示すように、第1素子4aの端子部41aは、第2素子4bと対向しないように配置されていてもよい。同様に、第2素子4bの端子部41bは、第1素子4aと対向しないように配置されていてもよい。このように、一対の素子における一方の素子の端子部は、他方の素子と対向しないように配置されていてもよい。
本開示においては、伸縮性回路基板を構成する部材が、開口部を有し、平面視上、上記開口部が、上記関節対応領域の少なくとも一部と重複していてもよい。開口部が、関節対応領域の少なくとも一部と重複していることで、屈曲運動をスムーズに行うことができ、つけ心地が向上する。
図9(a)は、本開示における開口部を説明する概略平面図であり、図9(b)~(d)は、それぞれ、図9(a)のA-A断面図に相当する。図9(a)では、平面視上、開口部y1が、関節対応領域Xの少なくとも一部と重複している。図9(b)では、伸縮性回路基板10を構成する基材1が、開口部y1を有している。一方、図9(c)に示すように、伸縮性回路基板10を構成する保護層5が、開口部y1を有していてもよく、図9(d)に示すように、伸縮性回路基板10を構成する保護層5および支持フィルム3が、開口部を有していてもよい。伸縮性回路基板を構成する部材としては、後述するように、例えば、基材、支持フィルム、調整層、保護層、補助部材、伸縮制御部が挙げられる。また、伸縮性回路基板を構成する部材は、平面視上、上記素子と重複する部分に開口部を有しなくてもよい。
本開示においては、伸縮性回路基板を構成する部材が、平面視上、上記素子と重複する部分の厚さに比べて薄い薄肉部を有し、平面視上、上記薄肉部が、上記関節対応領域の少なくとも一部と重複していてもよい。薄肉部が、関節対応領域の少なくとも一部と重複していることで、屈曲運動をスムーズに行うことができ、つけ心地が向上する。
図10(a)は、本開示における薄肉部を説明する概略平面図であり、図10(b)、(c)は、それぞれ、図10(a)のA-A断面図に相当する。図10(a)では、平面視上、薄肉部y2が、関節対応領域Xの少なくとも一部と重複している。図10(b)では、伸縮性回路基板10を構成する基材1が、薄肉部y2を有している。基材1の薄肉部y2は、平面視上、素子4と重複する部分の基材1の厚さに比べて薄い部分である。一方、図10(c)に示すように、伸縮性回路基板10を構成する保護層5が、薄肉部y2を有していてもよい。保護層5の薄肉部y2は、平面視上、素子4と重複する部分の保護層5の厚さに比べて薄い部分である。伸縮性回路基板を構成する部材としては、後述するように、例えば、基材、支持フィルム、調整層、保護層、補助部材、伸縮制御部が挙げられる。
本開示においては、伸縮性回路基板が、一方の面から他方の面まで貫通する貫通部を有し、平面視上、上記貫通部が、上記関節対応領域の少なくとも一部と重複していてもよい。貫通部が、関節対応領域の少なくとも一部と重複していることで、屈曲運動をスムーズに行うことができ、つけ心地が向上する。
図11(a)は、本開示における貫通部を説明する概略平面図であり、図11(b)、(c)は、それぞれ、図11(a)のA-A断面図に相当する。図11(a)では、平面視上、貫通部y3が、関節対応領域Xの少なくとも一部と重複している。図11(b)では、縮性回路基板10が、一方の面から他方の面まで貫通する貫通部y3を有している。なお、図11(c)に示すように、伸縮性回路基板10における基材1と、支持体20とが接着されることで、伸縮性デバイス100が得られる。
開口部、薄肉部および貫通部は、それぞれ、平面視上、関節対応領域の少なくとも一部と重複していることが好ましい。例えば図12(a)に示すように、開口部y1は、平面視上、関節対応領域Xの全部と重複していてもよく、図12(b)に示すように、開口部y1は、平面視上、関節対応領域Xの一部のみと重複していてもよい。また、開口部y1の平面視形状は、特に限定されないが、矩形(例えば図9(a))、円形(例えば図12(a))および楕円形が挙げられる。図12では、開口部を例示しているが、上記の事項は、薄肉部および貫通部についても同様である。
開口部、薄肉部および貫通部は、それぞれ、パターン状に形成されていてもよい。例えば図13(a)は、本開示における薄肉部を説明する概略平面図であり、図13(b)は、図13(a)のA-A断面図である。図13(a)、(b)では、ドット形状の薄肉部y2がパターン状に形成されている。
開口部、薄肉部および貫通部の平面視形状の一例としては、ドット形状が挙げられる。ドット形状としては、例えば、円形、楕円形、矩形が挙げられる。例えば図13(a)に示す薄肉部y2は、円形のドット形状を有する。また、図13(a)では、同じ大きさの薄肉部y2のみが形成されている。一方、図14では、異なる大きさの薄肉部y2が形成されている。その場合、図14に示すように、平面視上、最も大きな薄肉部y2が、中心Cと重複するように配置されていることが好ましい。屈曲運動をよりスムーズに行うことができ、つけ心地が向上するからである。さらに、薄肉部y2の大きさは、中心Cから外側に向けて、連続的または断続的に小さくなることが好ましい。同様に、薄肉部y2の密度は、中心Cから外側に向けて、連続的または断続的に小さくなることが好ましい。図13および図14では、薄肉部を例示しているが、上記の事項は、開口部および貫通部についても同様である。
開口部、薄肉部および貫通部の平面視形状の他の例としては、スリット形状が挙げられる。例えば図15(a)に示す貫通部y3は、スリット形状を有する。図15(a)に示すように、スリット形状を有する貫通部y3の長手方向は、軸方向Dに直交する直交方向Dと交差していることが好ましい。貫通部y3が伸縮性を発揮しやすいからである。貫通部y3の長手方向と、直交方向Dとのなす角は、例えば5°以上であり、10°以上であってもよく、30°以上であってもよく、45°以上であってもよく、60°以上であってもよい。
また、図15(a)では、直交方向Dに沿って配置された複数の貫通部y3を有するストライブ構造部sが、軸方向Dに沿って3列配置されている。一方、図15(b)では、直交方向Dに沿って配置された複数の貫通部y3を有するストライブ構造sが、軸方向Dに沿って5列配置されている。図15(a)に示すように、隣り合うストライブ構造sは、直交方向Dにおいて重複しないように配置されていてもよく、図15(b)に示すように、隣り合うストライブ構造sは、直交方向Dにおいて一部重複するように配置されていてもよい。
また、開口部、薄肉部および貫通部として、それぞれ、ドット形状のものと、スリット形状のものと、が形成されていてもよい。例えば図15(d)では、貫通部3として、ドット形状を有する貫通部y3’と、スリット形状を有する貫通部y3’’とが形成されている。さらに、図15(d)においては、平面視上、ドット形状を有する貫通部y3’は、中心Cと重複するように配置されている。図15では、貫通部を例示しているが、上記の事項は、開口部および薄肉部についても同様である。
また、図16(a)に示すように、平面視上、伸縮性回路基板10は、関節の屈曲部の回転軸Pと直交し、かつ、中心Cを通過する直交軸Qを基準として、一方のみに配線2を有していてもよい。また、図16(b)に示すように、平面視上、基材1に、配線2および素子4の配置に対応した外形加工が施されていてもよい。
また、本開示における伸縮性回路基板は、第1領域を有し、上記第1領域は、上記一対の素子を結ぶ線分の中点を中心とし、上記中心における上記基材の伸び率を100%とした場合に、上記基材の伸び率が95%以上となる領域であり、平面視上、上記配線は、上記第1領域と重複しないように配置されていてもよい。第1領域は、関節の屈曲部の平面視上の中心を含んでいてもよい。また、本開示においては、上述する関節対応領域に関する記載を、第1領域に関する記載として読み替えることができる。
また、本開示における伸縮性回路基板は、第2領域を有し、上記第2領域は、上記一対の素子を結ぶ線分の中点を中心とする所定半径の円領域であり、平面視上、上記配線は、上記第2領域と重複しないように配置されていてもよい。所定半径については、上述した内容と同様である。第2領域は、関節の屈曲部の平面視上の中心を含んでいてもよい。また、本開示においては、上述する関節対応領域に関する記載を、第2領域に関する記載として読み替えることができる。
2.伸縮性回路基板の部材
本開示における伸縮性回路基板は、基材と、配線と、素子と、を少なくとも備える。また、伸縮性回路基板は、基材、配線および素子に加えて、後述する各部材を備えていてもよい。
図17(a)は、本開示における伸縮性回路基板を例示する概略平面図であり、図17(b)は図17(a)のA-A断面図である。図17(a)、(b)に示す伸縮性回路基板10は、基材1と、支持フィルム3と、配線2と、保護層5とを、この順に有している。伸縮性回路基板10において、配線2は、基材1の第1面1aの法線方向における山部51および谷部52が基材1の第1面1aの面内方向に沿って繰り返し現れる蛇腹形状部50を有する。本開示においては、図17(a)、(b)に示すように、蛇腹形状部50の山部51および谷部52が繰り返し現れる方向を第1方向Dと称する場合がある。第1方向Dと、上述した直交方向Dとのなす角は、平面視上、例えば30°以下であり、20°以下であってもよく、10°以下であってもよい。
(1)基材
本開示における基材は、伸縮性を有する。また、基材は、配線側に位置する第1面と、第1面の反対側に位置する第2面と、を含む。なお、本開示における第1面および第2面は、部材によらず、同一方向側の面をいう。
基材は、伸縮性を有する。基材の伸縮性を表すパラメータの例として、復元率が挙げられる。基材の復元率は、常態(非伸長状態)を基準として50%(初期の長さの1.5倍)に伸長した後、この伸長状態から解放したときの復元率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。なお、復元率の上限は100%である。また、復元率は、幅25mmの試験片を準備し、試験片を50%伸長して1時間保持した後、伸長を解放して1時間放置して復元させ、下記の計算式により求めることができる。
復元率(%)=(伸長直後の長さ-復元後の長さ)÷(伸長直後の長さ-引張前の長さ)×100
なお、伸長直後の長さとは、50%伸長した状態の長さをいう。
また、基材の伸縮性を表すパラメータの他の例として、伸長率が挙げられる。基材は、破壊されることなく非伸長状態から1%以上伸長することができることが好ましく、より好ましくは20%以上伸長することができ、さらに好ましくは75%以上伸長することができる。このような伸縮性を有する基材を用いることにより、伸縮性回路基板が全体に伸縮性を有することができる。
基材のヤング率は、例えば10MPa以下であり、1MPa以下であってもよい。また、基材のヤング率は、例えば1kPa以上である。なお、各部材のヤング率は、室温(25℃)でのヤング率である。基材のヤング率の測定方法としては、基材のサンプルを用いて、JIS K6251に準拠して引張試験を実施するという方法を採用することができる。また、基材のヤング率を求める方法としては、ISO14577に準拠してナノインデーション法による測定方法を採用することもできる。具体的には、基材のヤング率は、ナノインデンターを用いて測定することができる。基材のサンプルを準備する方法としては、伸縮性回路基板から基材の一部をサンプルとして取り出す方法や、伸縮性回路基板を構成する前の基材の一部をサンプルとして取り出す方法が挙げられる。その他にも、基材のヤング率を求める方法として、基材を構成する材料を分析し、材料の既存のデータベースに基づいて基材のヤング率を求めるという方法を採用することもできる。なお、基材以外の各部材のヤング率を求める方法についても、上記と同様である。
基材の材料としては、例えばエラストマーが挙げられる。エラストマーとしては、例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、アミド系エラストマー、ニトリル系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、エステル系エラストマー、1,2-ポリブタジエン系エラストマー、フッ素系エラストマー、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、ポリスチレンブタジエン、ポリクロロプレン等が挙げられる。機械的強度や耐磨耗性を考慮すると、ウレタン系エラストマーを用いることが好ましい。また、基材がシリコーンを含んでいてもよい。シリコーンは、耐熱性、耐薬品性、難燃性に優れており、基材の材料として好ましい。また、基材の材料として、例えば、不織布、織布、編物等の布を用いることもできる。
基材の厚さは、例えば10μm以上であり、20μm以上であってもよく、25μm以上であってもよい。また、基材の厚さは、例えば10mm以下であり、3mm以下であってもよく、1mm以下であってもよい。
例えば図17(b)では、基材1の第1面1aに蛇腹形状部が現れているが、基材1の第2面1bには蛇腹形状部が現れていない。一方、本開示においては、基材の第2面に蛇腹形状部が現れていてもよい。また、本開示においては、基材が、後述する支持体の機能を兼ね備えていてもよい。
(2)配線
本開示における配線は、基材の第1面側に位置し、導電性を有する。さらに、配線は、基材の第1面側に位置し、上述した蛇腹形状部を有することが好ましい。図17(b)において、配線2は、基材1の第1面1a側に位置し、蛇腹形状部50を有している。配線が蛇腹形状部を有することで、伸縮性の高い配線とすることができる。一方、配線が蛇腹形状部を有しない場合、特に、配線が蛇腹形状部を有しない導電性ペーストである場合、伸長により配線が細くなり、抵抗が高くなることが懸念される。
蛇腹形状部の振幅は、例えば1μm以上であり、10μm以上であってもよく、50μm以上であってもよく、100μm以上であってもよい。また、蛇腹形状部の振幅は、例えば500μm以下であり、400μm以下であってもよく、300μm以下であってもよい。
蛇腹形状部の振幅は、図18に示すように、符号S、Sで表すことができ、隣り合う山部と谷部との間の、基材の第1面の法線方向における距離である。振幅Sは、配線2の基材側の面とは反対側の面における蛇腹形状部50の、基材の法線方向における振幅である。また、振幅Sは、配線2の基材側の面における蛇腹形状部50の、基材の法線方向における振幅である。
蛇腹形状部の振幅は、例えば、配線の長さ方向における一定の範囲にわたって、隣り合う山部と谷部との間の、基材の第1面の法線方向における距離を測定し、それらの平均を求めることにより算出される。配線の長さ方向における一定の範囲は、例えば10mmである。隣り合う山部と谷部との間の距離を測定する測定器としては、レーザー顕微鏡を用いた非接触式の測定器を用いてもよく、接触式の測定器を用いてもよい。また、断面写真等の画像に基づいて、隣り合う山部と谷部との間の距離を測定してもよい。
蛇腹形状部の周期は、例えば10μm以上であり、50μm以上であってもよく、100μm以上であってもよい。また、蛇腹形状部の周期は、例えば1000μm以下であり、750μm以下であってもよく、500μm以下であってもよい。なお、蛇腹形状部の周期は、図18に示すように、符号Fで表すことができ、第1方向Dにおける、隣り合う山部の間隔である。
蛇腹形状部の周期は、例えば、配線の長さ方向における一定の範囲にわたって、第1方向における、隣り合う山部の間隔を測定し、それらの平均を求めることにより算出される。配線の長さ方向における一定の範囲は、例えば10mmである。隣り合う山部の間隔を測定する測定器としては、レーザー顕微鏡を用いた非接触式の測定器を用いてもよく、接触式の測定器を用いてもよい。また、断面写真等の画像に基づいて、隣り合う山部の間隔を測定してもよい。
配線のヤング率は、例えば100MPa以上であり、200MPa以上であってもよい。また、配線のヤング率は、例えば300GPa以下であり、200GPa以下であってもよく、100GPa以下であってもよい。
配線の材料は、それ自体が伸縮性を有していてもよく、伸縮性を有していなくてもよい。伸縮性を有さない材料としては、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、白金、クロム等の金属、これらの金属を含む合金が挙げられる。一方、伸縮性を有する材料としては、例えば、導電性粒子およびエラストマーを含有する導電性組成物が挙げられる。この場合、配線は、導電性粒子およびエラストマーを含む。導電性粒子としては、例えば、金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、白金、カーボン等の粒子が挙げられる。また、エラストマーとしては、例えば、スチレン系エラストマー、アクリル系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、ポリブタジエン、ポリクロロプレンが挙げられる。
配線の平面視形状は、特に限定されないが、中でも図17(a)に例示するように直線部を有することが好ましい。また、配線は、電極として機能してもよい。電極としては、例えば、太陽電池用の電極、有機エレクトロルミネッセンス用の電極が挙げられる。
配線の厚さは、特に限定されない。例えば、配線の材料が伸縮性を有さない場合、配線の厚さは、例えば25nm以上であり、50nm以上であってもよく、100nm以上であってもよい。また、この場合、配線の厚さは、例えば50μm以下であり、10μm以下であってもよく、5μm以下であってもよい。一方、配線の材料が伸縮性を有する場合、配線の厚さは、例えば5μm以上であり、10μm以上であってもよく、20μm以上であってもよい。また、この場合、配線の厚さは、例えば60μm以下であり、50μm以下であってもよく、40μm以下であってもよい。また、配線の幅は、例えば、50μm以上、10mm以下である。
配線の形成方法は、特に限定されない。例えば、配線の材料が伸縮性を有さない場合、例えば蒸着法、スパッタリング法、めっき法、金属箔の転写・圧着等の方法により金属膜を形成し、その後、フォトリソグラフィ法により金属膜をパターニングする方法が挙げられる。一方、配線の材料が伸縮性を有する場合、例えば、一般的な印刷法により導電性粒子およびエラストマーを含有する導電性組成物をパターン状に印刷する方法が挙げられる。また、配線は、その端部において、フレキシブルプリント回路基板(FPC)等の接続部材に接続されていてもよい。
(3)素子
本開示における素子は、基材の第1面側に位置し、上記配線により電気的に接続された一対の素子を有する。図2(b)において、素子4は、基材1の第1面1a側に位置し、配線2により電気的に接続された一対の素子4a、4bと、配線2により電気的に接続された一対の素子4b、4cと、を有する。また、伸縮性回路基板は、素子を表面に有していてもよく、内部に有していてもよい。
素子は、能動素子であってもよく、受動素子であってもよく、機構素子であってもよい。素子としては、例えば、センサ、トランジスタ、LSI(Large-Scale Integration)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)、リレー、LED、OLED、LCD等の発光素子、ブザー等の発音素子、振動を発する振動素子、ペルチェ素子、電熱線、抵抗器、キャパシタ、インダクタ、圧電素子、スイッチ、コネクタ、アンテナが挙げられる。
センサとしては、例えば、温度センサ、圧力センサ、光センサ、光電センサ、近接センサ、せん断力センサ、磁気センサ、レーザーセンサ、マイクロ波センサ、湿度センサ、歪みセンサ、ジャイロセンサ、加速度センサ、変位センサ、ガスセンサ、GPSセンサ、超音波センサ、臭いセンサ、脳波センサ、電流センサ、振動センサ、脈波センサ、心電センサ、光度センサが挙げられる。センサは、心拍、脈拍、心電、血圧、体温、血中酸素濃度、筋電、脳波等の生体情報を測定することができる生体センサであってもよい。
素子および配線を接続する電気接合部を補強するため、素子の周囲をポッティング剤等の樹脂で覆うことができる。これにより、素子および配線の電気接合部の機械的な信頼性を向上させることができる。素子は、蛇腹形状部を有していてもよく、蛇腹形状部を有していなくてもよい。また、配線の一部を、素子として利用してもよい。
伸縮性回路基板に含まれる素子の数は、2個以上であれば特に限定されず、2個であってもよく、3個以上であってもよく、6個以上であってもよく、9個以上であってもよく、12個以上であってもよく、15個以上であってもよい。
(4)支持フィルム
本開示における伸縮性回路基板は、基材と配線との間に、配線を支持する支持フィルムを有していてもよい。例えば、図19(a)~(d)では、伸縮性回路基板10が、基材1および配線2の間に支持フィルム3を有している。また、支持フィルムは、蛇腹形状部を有することが好ましい。蛇腹形状部については、上述した通りである。
基材と配線との間に支持フィルムが位置している場合、伸縮性回路基板の製造方法において、支持フィルムに接合された基材から引張応力が取り除かれて基材が収縮するとき、支持フィルムおよび配線に蛇腹形状部が形成される。支持フィルムの特性や寸法は、このような蛇腹形状部が形成され易くなるよう設定されていることが好ましい。
支持フィルムは、例えば、基材のヤング率よりも大きいヤング率を有する。支持フィルムのヤング率は、例えば100MPa以上であり、1GPa以上であってもよい。また、支持フィルムのヤング率は、基材のヤング率に対して、例えば、100倍以上、50000倍以下であり、1000倍以上、10000倍以下であってもよい。このように支持フィルムのヤング率を設定することにより、蛇腹形状部の周期が小さくなり過ぎることを抑制することができる。また、蛇腹形状部において局所的な折れ曲がりが生じることを抑制することができる。また、支持フィルムのヤング率が大きすぎると、弛緩時の基材の復元が難しくなり、また基材の割れや折れが発生し易くなる。
支持フィルムの材料としては、例えば、樹脂が挙げられる。樹脂の具体例としては、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリオレフィン、シクロオレフィンポリマー、アクリル樹脂が挙げられる。また、支持フィルムは、平面視上、配線の少なくとも一部と重複するように位置していることが好ましい。また、支持フィルムは、基材の第1面側の全面に位置していてもよく、基材の第1面側に部分的に位置していてもよい。
支持フィルムの厚さは、例えば500nm以上であり、1μm以上であってもよい。一方、支持フィルムの厚さは、例えば10μm以下であり、5μm以下であってもよい。支持フィルムの厚さが薄すぎると、支持フィルムの製造工程や、支持フィルム上に部材を形成する工程における、支持フィルムの取り扱いが難しくなる。また、支持フィルムの厚さが厚すぎると、弛緩時の基材の復元が難しくなり、目標の基材の伸縮が得られなくなる場合がある。また、伸縮性回路基板が、基材および配線の間に支持フィルムを有する場合、基材および支持フィルムの間に接着層を有することが好ましい。
(5)調整層
本開示における伸縮性回路基板は、基材の第1面側に位置し、配線よりも小さいヤング率を有し、蛇腹形状部を有する調整層を有していてもよい。例えば、図19(a)~(d)では、伸縮性回路基板10が、基材1の第1面1a側に位置し、蛇腹形状部を有する調整層8を有している。
調整層を設けることで、配線に生じる湾曲や屈曲の程度が局所的に大きくなった場合であっても、湾曲や屈曲の程度が局所的に大きい箇所での応力集中を低減することができる。伸縮性を有する伸縮性回路基板の製造方法において、配線が蛇腹状に変形する際、変形の度合いが、伸長の際の基材伸びのばらつきや、基材上の金属薄膜の分布密度の差等に起因して、位置によってばらついてしまう。配線の変形の度合いにばらつきがあると、配線に生じる湾曲や屈曲の程度が局所的に大きくなることがある。配線に生じる湾曲や屈曲の程度が局所的に大きい箇所では、応力が集中する。また、一般に、基材にはエラストマーが用いられ、配線には金属や合金等が用いられることから、配線のヤング率は基材のヤング率よりも非常に大きい。すなわち、配線は基材よりも硬く変形しにくい。そのため、配線に生じる湾曲や屈曲の程度が局所的に大きい箇所では、応力が集中しやすくなる。配線において応力が集中する箇所では、折れ等の破損が生じたり、また、伸縮性回路基板を繰り返し伸縮した際に抵抗値が上昇したりしてしまう。これに対し、配線よりも小さいヤング率を有する、すなわち配線よりも柔らかく変形しやすい調整層が位置していることにより、応力を分散させることができる。そのため、配線に生じる湾曲や屈曲の程度が局所的に大きくなった場合であっても、湾曲や屈曲の程度が局所的に大きい箇所での応力集中を低減することができる。
調整層のヤング率は、配線のヤング率よりも小さい。また、調整層のヤング率は、基材のヤング率よりも大きいことが好ましい。すなわち、調整層は、配線および基材の中間のヤング率を有することが好ましい。配線よりも柔らかくて変形しやすく、基材よりも硬くて変形しにくい調整層を設けることで、応力集中を低減することができる。
また、基材および配線の間に支持フィルムが位置する場合、調整層のヤング率は、支持フィルムのヤング率よりも小さくてもよく、支持フィルムのヤング率と同じであってもよく、支持フィルムのヤング率よりも大きくてもよい。中でも、調整層のヤング率は、支持フィルムのヤング率よりも小さいことが好ましい。
また、調整層のヤング率は、例えば1GPa以下であり、100MPa以下であってもよく、10MPa以下であってもよい。また、調整層のヤング率は、例えば10kPa以上であり、1MPa以上であってもよい。
調整層の材料は、伸縮性を有していてもよく、伸縮性を有していなくてもよい。伸縮性を有する材料としては、例えば、エラストマーが挙げられる。エラストマーとしては、例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、アミド系エラストマー、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、ポリスチレンブタジエン、ポリクロロプレンが挙げられる。一方、伸縮性を有しない材料としては、例えば樹脂が挙げられる。樹脂として、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂のいずれも用いることができる。
調整層は、平面視上、配線の少なくとも一部と重複するように位置していることが好ましい。また、調整層は、基材の第1面側の全面に位置していてもよく、基材の第1面側に部分的に位置していてもよい。
調整層は、基材の第1面側に位置していればよい。例えば、調整層は、基材と配線との間に位置していてもよく、配線の基材とは反対の面側に位置していてもよい。また、伸縮性回路基板が、基材および配線の間に支持フィルムを有する場合、調整層は、支持フィルムと配線との間に位置していてもよく、配線の支持フィルムとは反対の面側に位置していてもよく、基材と支持フィルムとの間に位置していてもよい。
調整層は、通常、粘着性を有さない。伸縮性回路基板が、基材および配線の間に支持フィルムを有する場合、基材および支持フィルムの間に接着層を有する場合があるが、調整層は、そのような接着層とは区別される。ここで、粘着性を有さないとは、調整層の粘着力が0.01N/25mm以下であることをいい、0.005N/25mm以下であってもよく、0.001N/25mm以下であってもよい。
粘着力の測定方法としては、調整層のサンプルを用いて180°剥離試験を実施する方法を採用することができる。180°剥離試験においては、まず、25mm幅の試験片を採取し、試験片の調整層側の面に、25mm幅のガラス板を貼り合せる。次に、引張試験機を用いて、引張速度:1200mm/分、剥離角:180°、温度:20℃、湿度:50%の条件で、ガラス板に対する粘着力(N/25mm)を測定する。
調整層の厚さは、例えば0.1μm以上であり、1μm以上であってもよく、10μm以上であってもよい。また、調整層の厚さは、例えば1mm以下であり、500μm以下であってもよく、100μm以下であってもよい。
(6)保護層
本開示における伸縮性回路基板は、基材の第1面側に位置し、配線の基材とは反対の面側に位置する保護層を有していてもよい。例えば、図2(b)では、伸縮性回路基板10が、基材1の第1面1a側に位置し、配線2の基材1とは反対の面側に位置する保護層5を有している。保護層を設けることで、伸縮性回路基板の構成部材(例えば配線)を保護することができる。また、保護層は、絶縁性を有していてもよい。
保護層のヤング率は、配線のヤング率よりも小さいことが好ましい。保護層のヤング率は、例えば1GPa以下であり、100MPa以下であってもよく、10MPa以下であってもよい。また、保護層のヤング率は、例えば10kPa以上であり、1MPa以上であってもよい。
保護層の材料は、伸縮性を有していることが好ましい。伸縮性を有する材料としては、例えば、エラストマーが挙げられる。エラストマーとしては、例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、アミド系エラストマー、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、ポリスチレンブタジエン、ポリクロロプレンが挙げられる。
保護層は、平面視上、配線の少なくとも一部と重複するように位置していることが好ましい。また、保護層は、例えば、基材の第1面側の全面に位置していてもよく、基材の第1面側に部分的に位置していてもよい。また、保護層の基材とは反対側の面は、平坦であることが好ましい。
保護層の厚さは、例えば100μm以上であり、500μm以上であってもよく、1000μm以上であってもよい。また、保護層の厚さは、例えば10mm以下であり、5mm以下であってもよく、2mm以下であってもよい。
(7)補強部材
本開示における伸縮性回路基板は、基材の第1面側、基材の第2面側、または基材の内部に位置する補強部材を有していてもよい。例えば図2(b)では、伸縮性回路基板10は、平面視上、素子4の端部と重複する位置に補強部材7を有している。
補強部材を設けることにより、素子または端子部の近傍において配線に大きな山部が生じることを抑制することができる。これにより、良好な電気接合が維持できる。
補強部材は、基材のヤング率よりも大きいヤング率を有することが好ましい。補強部材のヤング率は、例えば1GPa以上であり、より好ましくは10GPa以上である。補強部材のヤング率は、基材のヤング率の100倍以上であってもよく、1000倍以上であってもよい。補強部材のヤング率は、500GPa以下であってもよい。また、補強部材7のヤング率は、基材のヤング率の500000倍以下であってもよい。
補強部材の材料としては、例えば、銅、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属材料;一般的な熱可塑性エラストマー;アクリル系、ウレタン系、エポキシ系、ポリエステル系、エポキシ系、ビニルエーテル系、ポリエン・チオール系、シリコーン系等のオリゴマー、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系、ポリエステル系、エポキシ系、ビニルエーテル系、ポリエン・チオール系、シリコーン系等のポリマーが挙げられる。補強部材の厚さは、例えば10μm以上である。
(8)粘着層
本開示における伸縮性回路基板は、基材の第2面側に、粘着層を有していてもよい。粘着層を設けることにより、例えば、伸縮性回路基板を対象物に貼付することができる。粘着層は、蛇腹形状部を有していてもよく、有していなくてもよい。
粘着層の材料としては、一般的な粘着剤を用いることができ、例えば、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤が挙げられる。また、粘着層の厚さは、例えば、10μm以上、100μm以下である。粘着層の形成方法としては、例えば、粘着剤を塗布する方法が挙げられる。また、粘着層の基材とは反対の面側に、剥離層が配置されていてもよい。
(9)第1の伸縮制御部
本開示における伸縮性回路基板は、基材の第1面側、基材の第2面側、または基材の内部に位置し、第1方向に沿って並ぶ複数の第1の伸縮制御部を有していてもよい。第1の伸縮制御部は、平面視上、配線の少なくとも一部と重複するように位置していることが好ましい。
図20(a)は、本開示における伸縮性回路基板を例示する概略平面図であり、図20(b)は図20(a)のA-A断面図である。図20(a)、(b)において、伸縮性回路基板10は、蛇腹形状部50の山部51および谷部52が繰り返し現れる第1方向Dに沿って並ぶ複数の第1の伸縮制御部91を有している。
第1の伸縮制御部を設けることにより、蛇腹形状部の周期または振幅を制御することができる。このため、配線に局所的に大きな湾曲や屈曲が生じることを抑制することができる。これにより、配線が破損することを抑制することができる。
第1の伸縮制御部のヤング率は、基材のヤング率よりも大きくてもよく、基材のヤング率以下であってもよい。第1の伸縮制御部の材料の一例としては、金属材料が挙げられる。金属材料としては、例えば、銅、アルミニウム、ステンレス鋼が挙げられる。一方、第1の伸縮制御部の材料の他の例としては、スチレン系エラストマー、アクリル系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、ポリブタジエン、ポリクロロプレンが挙げられる。第1の伸縮制御部の厚さは、例えば、1μm以上、100μm以下である。
(10)第2の伸縮制御部
本開示における伸縮性回路基板は、基材の第1面側、基材の第2面側、または基材の内部に位置し、平面視上、素子の端部と重複する位置に第2の伸縮制御部を有していてもよい。図20(a)、(b)において、伸縮性回路基板10は、素子4の端部と重複する位置に第2の伸縮制御部92を有している。
第2の伸縮制御部を設けることにより、素子の近傍において配線に大きな山部が生じること抑制することができる。これにより、素子と配線との間の電気接合部が破損することを抑制することができる。なお、第2の伸縮制御部のヤング率、材料、厚さ等については、上記第1の伸縮制御部と同様である。
3.伸縮性回路基板
本開示における伸縮性回路基板は、関節に用いられる。関節の種類は、特に限定されないが、例えば、ヒト等の動物の関節、医療用ロボット、産業用ロボット等のロボットの関節が挙げられる。また、動物の関節としては、例えば、手指の関節、手首の関節、肘の関節、肩の関節、膝の関節、足首の関節、足指の関節、腰、首、股関節が挙げられる。伸縮性回路基板は、ヒト等の動物の皮膚、または、ロボットの表面に対して、直接貼付して用いてもよく、支持体を介して用いてもよい。
本開示における伸縮性回路基板の製造方法としては、例えば、伸縮性を有する基材を伸長する伸長工程と、基材を伸長した状態で、基材の一方の面側に配線を配置する配線配置工程と、配線配置工程後、基材の引張応力を取り除く解放工程と、を有する製造方法が挙げられる。
図21(a)~(e)は、本開示における伸縮性回路基板の製造方法を例示する工程図である。まず、図21(a)に示すように、基材1および接着層9を有する第1積層体を準備する。次に、図21(b)に示すように、支持フィルム3、配線2および素子4を有する第2積層体を準備する。次に、図21(c)に示すように、第1積層体(基材1を含む積層体)を伸長する。次に、図21(d)に示すように、第1積層体を伸長させた状態で、第1積層体上に、第2積層体(配線2および素子4を含む積層体)を配置する。次に、図21(e)に示すように、基材1の引張応力を取り除く。この際、伸縮性を有する基材1が収縮するのに伴い、配線2、支持フィルム3および接着層9が変形し、蛇腹形状部が形成される。最後に、図21(f)に示すように、配線2および素子4を覆う保護層5を形成する。これにより、伸縮性回路基板10が得られる。このような製造方法を用いた場合、蛇腹形状部を構成する山部および谷部の振幅および周期は、均一ではなく、不均一となる。なお、図21では、解放工程の前に素子を配置しているが、解放工程の後に素子を配置してもよい。
B.伸縮性デバイス
本開示における伸縮性デバイスは、中空構造を有する支持体と、上記支持体の内表面側または外表面側に配置された、上述した伸縮性回路基板と、を有する。
図1は、本開示における伸縮性デバイスを例示する概略平面図である。図1に示す伸縮性デバイス100は、中空構造を有し、指部を有する手袋である支持体20と、支持体20における指部の外表面側に配置された伸縮性回路基板10とを有する。
本開示によれば、上述した伸縮性回路基板を用いることにより、耐久性が良好な伸縮性デバイスとすることができる。
1.支持体
支持体は、中空構造を有する。支持体は、関節を被覆可能であることが好ましい。支持体としては、例えば、手袋;靴下、ストッキング、パンティストッキング、タイツ、レギンス、スパッツ等のレッグウェア;リストバンド;足首サポーター、膝サポーター、腰サポーター、肩サポーター、腕サポーター、肘サポーター、手首サポーター、指サポーター、太ももサポーター、ふくらはぎサポーター、足首カバー、腕カバー、脚カバー、膝カバー、肘カバー等のサポーター類;インナーウェア、スポーツウェア、水着、トップス、ボトムス等の衣服;帽子;ヘアバンド;指サックが挙げられる。支持体の材料は特に限定されず、一般的な材料を用いることができる。
2.伸縮性回路基板
伸縮性回路基板は、支持体の内表面側または外表面側に配置される。伸縮性回路基板として、例えば、上記「A.伸縮性回路基板」に記載されたものを用いることができる。
3.伸縮性デバイス
本開示における伸縮性デバイスは、支持体および伸縮性回路基板を有する。本開示における伸縮性デバイスは、ヒト等の動物の身体に装着して使用可能なウェアラブルデバイスであることが好ましい。本開示における伸縮性デバイスの製造方法としては、例えば、支持体に伸縮性回路基板を接着する方法が挙げられる。
また、図22に示すように、支持体20における指部の先端部Tから根元部Rまでの長さをLとする。素子4aおよび素子4bは、一対の素子を構成している。素子4aは、指部の長手方向において、先端部Tの位置を基準として、L×2.5/10までの領域内に存在し、素子4bは、指部の長手方向において、先端部TからL×3.5/10の位置を基準として、L×6.5/10までの領域内に存在している。また、指部の長手方向における中心線m上、かつ、先端部TからL×3/10の位置を中心C1とする。配線2は、平面視上、中心C1から半径2mmの範囲内の領域と重複しないように配置されている。
同様に、図22では、素子4bおよび素子4cが、一対の素子を構成している。素子4bは、指部の長手方向において、先端部TからL×3.5/10の位置を基準として、L×6.5/10までの領域内に存在し、素子4cは、指部の長手方向において、先端部TからL×7.5/10の位置を基準として、L×9.5/10までの領域内に存在している。また、指部の長手方向における中心線m上、かつ、先端部TからL×7/10の位置を中心C2とする。配線2は、平面視上、中心C2から半径2mmの範囲内の領域と重複しないように配置されている。
本開示は、上記実施形態に限定されない。上記実施形態は、例示であり、本開示における特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示における技術的範囲に包含される。
1 … 基材
2 … 配線
3 … 支持フィルム
4 … 素子
5 … 保護層
6 … 粘着層
10 … 伸縮性回路基板
20 … 支持体
100 … 伸縮性デバイス

Claims (10)

  1. 伸縮性を有する基材と、
    前記基材の第1面側に位置する配線と、
    前記基材の第1面側に位置し、前記配線により電気的に接続された一対の素子と、を備える伸縮性回路基板であって、
    前記伸縮性回路基板は、関節に対応する関節対応領域を有し、
    前記関節対応領域は、前記関節の屈曲部の平面視上の中心を含む領域であり、
    平面視上、前記一対の素子は、前記屈曲部の軸方向に交差する交差方向に沿って、少なくとも一つの前記関節対応領域を介して対向するように配置されており、さらに、前記配線は、前記関節対応領域と重複しないように配置されている、伸縮性回路基板。
  2. 前記配線は、前記基材の第1面の面内方向の1つである第1方向に沿って並ぶ複数の山部および谷部を含む蛇腹形状部を有する、請求項1に記載の伸縮性回路基板。
  3. 前記伸縮性回路基板を構成する部材が、開口部を有し、
    平面視上、前記開口部が、前記関節対応領域の少なくとも一部と重複している、請求項1または請求項2に記載の伸縮性回路基板。
  4. 前記伸縮性回路基板を構成する部材が、平面視上、前記素子と重複する部分の厚さに比べて薄い薄肉部を有し、
    平面視上、前記薄肉部が、前記関節対応領域の少なくとも一部と重複している、請求項1または請求項2に記載の伸縮性回路基板。
  5. 前記伸縮性回路基板が、一方の面から他方の面まで貫通する貫通部を有し、
    平面視上、前記貫通部が、前記関節対応領域の少なくとも一部と重複している、請求項1または請求項2に記載の伸縮性回路基板。
  6. 伸縮性を有する基材と、
    前記基材の第1面側に位置する配線と、
    前記基材の第1面側に位置し、前記配線により電気的に接続された一対の素子と、を備える伸縮性回路基板であって、
    前記伸縮性回路基板は、第1領域を有し、
    前記第1領域は、前記一対の素子を結ぶ線分の中点を中心とし、前記中心における前記基材の伸び率を100%とした場合に、前記基材の伸び率が95%以上となる領域であり、
    平面視上、前記配線は、前記第1領域と重複しないように配置されている、伸縮性回路基板。
  7. 中空構造を有する支持体と、
    前記支持体の内表面側または外表面側に配置された、請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載の伸縮性回路基板と、を有する伸縮性デバイス。
  8. 前記支持体は、指部を有する手袋であり、
    前記指部の内表面側または外表面側に、前記伸縮性回路基板が配置されている、請求項7に記載の伸縮性デバイス。
  9. 指部を有する手袋と、
    前記指部の内表面側または外表面側に配置された伸縮性回路基板と、を有する伸縮性デバイスであって、
    前記伸縮性回路基板は、伸縮性を有する基材と、前記基材の第1面側に位置する配線と、前記基材の第1面側に位置し、前記配線により電気的に接続された一対の素子と、を備え、
    平面視上、前記指部の先端部から根元部までの長さをLとした場合に、
    前記一対の素子の一方は、前記指部の長手方向において、前記先端部の位置を基準として、L×2.5/10までの領域内に存在し、
    前記一対の素子の他方は、前記指部の長手方向において、前記先端部からL×3.5/10の位置を基準として、L×6.5/10までの領域内に存在し、
    前記指部の長手方向における中心線上、かつ、前記先端部からL×3/10の位置を中心とした場合に、前記配線は、平面視上、前記中心から半径2mmの範囲内の領域と重複しないように配置されている、伸縮性デバイス。
  10. 指部を有する手袋と、
    前記指部の内表面側または外表面側に配置された伸縮性回路基板と、を有する伸縮性デバイスであって、
    前記伸縮性回路基板は、伸縮性を有する基材と、前記基材の第1面側に位置する配線と、前記基材の第1面側に位置し、前記配線により電気的に接続された一対の素子と、を備え、
    平面視上、前記指部の先端部から根元部までの長さをLとした場合に、
    前記一対の素子の一方は、前記指部の長手方向において、前記先端部からL×3.5/10の位置を基準として、L×6.5/10までの領域内に存在し、
    前記一対の素子の他方は、前記指部の長手方向において、前記先端部からL×7.5/10の位置を基準として、L×9.5/10までの領域内に存在し、
    前記指部の長手方向における中心線上、かつ、前記先端部からL×7/10の位置を中心とした場合に、前記配線は、平面視上、前記中心から半径2mmの範囲内の領域と重複しないように配置されている、伸縮性デバイス。
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