以下、本開示の実施形態に係る配線基板の構成及びその製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は本開示の実施形態の一例であって、本開示はこれらの実施形態に限定して解釈されるものではない。また、本明細書において、「基板」、「基材」、「シート」や「フィルム」など用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。例えば、「基材」は、基板、シートやフィルムと呼ばれ得るような部材も含む概念である。更に、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」や「直交」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。また、本実施形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図面の寸法比率は説明の都合上実際の比率とは異なる場合や、構成の一部が図面から省略される場合がある。
以下、図1乃至図5を参照して、本開示の一実施形態について説明する。
(配線基板)
まず、本実施の形態に係る配線基板10について説明する。図1及び図2はそれぞれ、配線基板10を示す平面図及び断面図である。図2に示す断面図は、図1の配線基板10を線II-IIに沿って切断した場合の図である。
配線基板10は、基材20と、電子部品51と、配線52と、ドットパターン部3Aとを備える。以下、配線基板10の各構成要素について説明する。
〔基材〕
基材20は、伸縮性を有するよう構成された部材である。基材20は、電子部品51及び配線52側に位置する第1面21と、第1面21の反対側に位置する第2面22と、を含む。基材20の厚みは、例えば10μm以上10mm以下であり、より好ましくは20μm以上3mm以下である。基材20の厚みを10μm以上にすることにより、基材20の耐久性を確保することができる。また、基材20の厚みを10mm以下にすることにより、配線基板10の装着快適性を確保することができる。なお、基材20の厚みを小さくしすぎると、基材20の伸縮性が損なわれる場合がある。
なお、基材20の伸縮性とは、基材20が伸び縮みすることができる性質、すなわち、常態である非伸長状態から伸長することができ、この伸長状態から解放したときに復元することができる性質をいう。非伸長状態とは、引張応力が加えられていない時の基材20の状態である。本実施形態において、伸縮可能な基材は、好ましくは、破壊されることなく非伸長状態から1%以上伸長することができ、より好ましくは20%以上伸長することができ、更に好ましくは75%以上伸長することができる。このような能力を有する基材20を用いることにより、配線基板10が全体に伸縮性を有することができる。さらに、人の腕などの身体の一部に取り付けるという、高い伸縮が必要な製品や用途において、配線基板10を使用することができる。一般に、人の脇の下に取り付ける製品には、垂直方向において72%、水平方向において27%の伸縮性が必要であると言われている。また、人の膝、肘、臀部、足首、脇部に取り付ける製品には、垂直方向において26%以上42%以下の伸縮性が必要であると言われている。また、人のその他の部位に取り付ける製品には、20%未満の伸縮性が必要であると言われている。
また、非伸長状態にある基材20の形状と、非伸長状態から伸長された後に再び非伸長状態に戻ったときの基材20の形状との差が小さいことが好ましい。この差のことを、以下の説明において形状変化とも称する。基材20の形状変化は、例えば面積比で20%以下、より好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下である。形状変化の小さい基材20を用いることにより、後述する蛇腹形状部の形成が容易になる。
基材20の伸縮性を表すパラメータの例として、基材20の弾性係数を挙げることができる。基材20の弾性係数は、例えば10MPa以下であり、より好ましくは1MPa以下である。このような弾性係数を有する基材20を用いることにより、配線基板10全体に伸縮性を持たせることができる。基材20の弾性係数は、1kPa以上であってもよい。
基材20の弾性係数を算出する方法としては、基材20のサンプルを用いて、JIS K6251に準拠して引張試験を実施するという方法を採用することができる。また、基材20のサンプルの弾性係数を、ISO14577に準拠してナノインデンテーション法によって測定するという方法を採用することもできる。ナノインデンテーション法において用いる測定器としては、ナノインデンターを用いることができる。基材20のサンプルを準備する方法としては、配線基板10から基材20の一部をサンプルとして取り出す方法や、配線基板10を構成する前の基材20の一部をサンプルとして取り出す方法が考えられる。その他にも、基材20の弾性係数を算出する方法として、基材20を構成する材料を分析し、材料の既存のデータベースに基づいて基材20の弾性係数を算出するという方法を採用することもできる。なお、本願における弾性係数は、25℃の環境下における弾性係数である。
基材20の伸縮性を表すパラメータのその他の例として、基材20の曲げ剛性を挙げることができる。曲げ剛性は、対象となる部材の断面二次モーメントと、対象となる部材を構成する材料の弾性係数との積であり、単位はN・m2又はPa・m4である。基材20の断面二次モーメントは、配線基板10の伸縮方向に直交する平面によって、基材20のうち配線52と重なっている部分を切断した場合の断面に基づいて算出される。
基材20を構成する材料の例としては、例えば、エラストマーを挙げることができる。また、基材20の材料として、例えば、織物、編物、不織布などの布を用いることもできる。エラストマーとしては、一般的な熱可塑性エラストマーおよび熱硬化性エラストマーを用いることができ、具体的には、ポリウレタン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ニトリル系エラストマー、オレフィン系エラストマー、塩ビ系エラストマー、エステル系エラストマー、アミド系エラストマー、1,2-BR系エラストマー、フッ素系エラストマー、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、ポリスチレンブタジエン、ポリクロロプレン等を用いることができる。機械的強度や耐磨耗性を考慮すると、ウレタン系エラストマーを用いることが好ましい。また、基材20がシリコーンを含んでいてもよい。シリコーンは、耐熱性・耐薬品性・難燃性に優れており、基材20の材料として好ましい。
図1及び図2に示すように、基材20は、配線領域24及び非配線領域25を含む。配線領域24は、非配線領域25に隣接する領域である。
配線領域24は、配線52および電子部品51が位置する領域である。言い換えれば、配線領域24は、電気的に寄与する領域である。
非配線領域25は、配線52および電子部品51が位置しない領域である。言い換えれば、非配線領域25は、電気的に寄与しない領域である。図1に示す例において、非配線領域25は、配線領域24の周囲に位置する。
〔配線〕
配線52は、基材20の第1面21側において配線領域24内に位置し、電子部品51による電気信号の入出力等に用いられる、導電性を有する部材である。
「配線領域24内に位置する」とは、第1面21の法線方向に沿って見た場合すなわち平面視において、基材20の配線領域24に重なるように位置することをいう。
図1に示すように、配線52の一端及び他端は、2つの電子部品51にそれぞれ電気的に接続されている。図1に示すように、複数の配線52が2つの電子部品51の間に設けられていてもよい。
後述するように、配線52は、引張応力によって伸長した状態の基材20に設けられる。この場合、基材20から引張応力が取り除かれて基材20が収縮するとき、配線52は、図3に示すように、蛇腹状に変形して蛇腹形状部57を有するようになる。
蛇腹形状部57は、基材20の第1面21の法線方向における山部及び谷部を含む。図3において、符号53は、配線52の表面に現れる山部を表し、符号54は、配線52の裏面に現れる山部を表す。また、符号55は、配線52の表面に現れる谷部を表し、符号56は、配線52の裏面に現れる谷部を表す。表面とは、配線52の面のうち基材20から遠い側に位置する面であり、裏面とは、配線52の面のうち基材20に近い側に位置する面である。また、図3において、符号26及び27は、配線領域24において基材20の第1面21に現れる山部及び谷部を表す。第1面21に山部26及び谷部27が現れるように基材20が変形することにより、配線52が蛇腹状に変形して蛇腹形状部57を有するようになる。基材20の第1面21の山部26が、配線52の蛇腹形状部57の山部53,54に対応し、基材20の第1面21の谷部27が、配線52の蛇腹形状部57の谷部55,56に対応している。
以下の説明において、第1面21の面内方向のうち、蛇腹形状部57の山部及び谷部が繰り返し現れる方向のことを、第1方向D1とも称する。図3に示す例において、配線52は、第1方向D1に平行に延びている。また、基材20は、第1方向D1に平行な長辺を含む長方形の形状を有している。図示はしないが、配線基板10は、第1方向D1とは異なる方向に延びる配線52を含んでいてもよい。また、図示はしないが、基材20が長方形の形状を有する場合に、長辺が延びる方向が第1方向D1とは異なっていてもよい。なお、図3においては、蛇腹形状部57の複数の山部及び谷部が一定の周期F1で並ぶ例が示されているが、これに限られることはない。図示はしないが、蛇腹形状部57の複数の山部及び谷部は、第1方向D1に沿って不規則に並んでいてもよい。例えば、第1方向D1において隣り合う2つの山部の間の間隔が一定でなくてもよい。
図3において、符号S1は、配線52の表面における蛇腹形状部57の、基材20の法線方向における振幅を表す。振幅S1は、例えば1μm以上であり、より好ましくは10μm以上である。振幅S1を10μm以上とすることにより、基材20の伸張に追従して配線52が変形し易くなる。また、振幅S1は、例えば500μm以下であってもよい。
振幅S1は、例えば、配線52の長さ方向における一定の範囲にわたって、隣り合う山部53と谷部55との間の、第1面21の法線方向における距離を測定し、それらの平均を求めることにより算出される。「配線52の長さ方向における一定の範囲」は、例えば10mmである。隣り合う山部53と谷部55との間の距離を測定する測定器としては、レーザー顕微鏡などを用いた非接触式の測定器を用いてもよく、接触式の測定器を用いてもよい。また、断面写真などの画像に基づいて、隣り合う山部53と谷部55との間の距離を測定してもよい。後述する振幅S2、S3、S4の算出方法も同様である。
図3において、符号S2は、配線52の裏面における蛇腹形状部57の振幅を表す。振幅S2は、振幅S1と同様に、例えば1μm以上であり、より好ましくは10μm以上である。また、振幅S2は、例えば500μm以下であってもよい。また、図3において、符号S3は、配線領域24のうち蛇腹形状部57に重なる部分において基材20の第1面21に現れる山部26及び谷部27の振幅を表す。図3に示すように配線52の裏面が基材20の第1面21上に位置している場合、基材20の第1面21の山部26及び谷部27の振幅S3は、配線52の裏面における蛇腹形状部57の振幅S2に等しい。
なお、図3においては、基材20の第2面22には蛇腹形状部が現れない例を示したが、これに限られることはない。図4に示すように、基材20の第2面22にも蛇腹形状部が現れていてもよい。図4において、符号28及び29は、配線領域24において基材20の第2面22に現れる山部及び谷部を表す。図4に示す例において、第2面22の山部28は、第1面21の谷部27に重なる位置に現れ、第2面22の谷部29は、第1面21の山部26に重なる位置に現れている。なお、図示はしないが、基材20の第2面22の山部28及び谷部29の位置は、第1面21の谷部27及び山部26に重なっていなくてもよい。また、基材20の第2面22の山部28及び谷部29の数又は周期は、第1面21の山部26及び谷部27の数又は周期と同一であってもよく、異なっていてもよい。例えば、基材20の第2面22の山部28及び谷部29の周期が、第1面21の山部26及び谷部27の周期よりも大きくてもよい。この場合、基材20の第2面22の山部28及び谷部29の周期は、第1面21の山部26及び谷部27の周期の1.1倍以上であってもよく、1.2倍以上であってもよく、1.5倍以上であってもよく、2.0倍以上であってもよい。なお、「基材20の第2面22の山部28及び谷部29の周期が、第1面21の山部26及び谷部27の周期よりも大きい」とは、基材20の第2面22に山部及び谷部が現れない場合を含む概念である。
図4において、符号S4は、配線領域24のうち蛇腹形状部57に重なる部分において基材20の第2面22に現れる山部28及び谷部29の振幅を表す。第2面22の振幅S4は、第1面21の振幅S3と同一であってもよく、異なっていてもよい。例えば、第2面22の振幅S4が、第1面21の振幅S3よりも小さくてもよい。例えば、第2面22の振幅S4が、第1面21の振幅S3の0.9倍以下であってもよく、0.8倍以下であってもよく、0.6倍以下であってもよい。また、第2面22の振幅S4は、第1面21の振幅S3の0.1倍以上であってもよく、0.2倍以上であってもよい。基材20の厚みが小さい場合、第1面21の振幅S3に対する第2面22の振幅S4の比率が大きくなり易い。なお、「基材20の第2面22の山部28及び谷部29の振幅が、第1面21の山部26及び谷部27の振幅よりも小さい」とは、基材20の第2面22に山部及び谷部が現れない場合を含む概念である。
また、図4においては、第2面22の山部28及び谷部29の位置が、第1面21の谷部27及び山部26の位置に一致する例を示したが、これに限られることはない。例えば、第2面22の山部28及び谷部29の位置が、第1面21の谷部27及び山部26の位置からずれていてもよい。この場合、ずれ量は、例えば0.1×F1以上であり、0.2×F1以上であってもよい。
配線52の材料としては、蛇腹形状部57の解消及び生成を利用して基材20の伸張及び収縮に追従することができる材料であればよい。配線52の材料は、それ自体が伸縮性を有していてもよく、伸縮性を有していなくてもよい。
配線52に用いられ得る、それ自体は伸縮性を有さない材料としては、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、白金、クロム等の金属や、これらの金属を含む合金が挙げられる。配線52の材料自体が伸縮性を有さない場合、配線52としては、金属膜を用いることができる。
配線52に用いられる材料自体が伸縮性を有する場合、材料の伸縮性は、例えば、基材20の伸縮性と同様である。配線52に用いられ得る、それ自体が伸縮性を有する材料としては、例えば、導電性粒子およびエラストマーを含有する導電性組成物が挙げられる。導電性粒子としては、配線に使用できるものであればよく、例えば、金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、白金、カーボン等の粒子が挙げられる。中でも、銀粒子が好ましく用いられる。
好ましくは、配線52は、変形に対する耐性を有する構造を備える。例えば、配線52は、ベース材と、ベース材の中に分散された複数の導電性粒子とを有する。この場合、ベース材として、樹脂などの変形可能な材料を用いることにより、基材20の伸縮に応じて配線52も変形することができる。また、変形が生じた場合であっても複数の導電性粒子の間の接触が維持されるように導電性粒子の分布や形状を設定することにより、配線52の導電性を維持することができる。
配線52のベース材を構成する材料としては、一般的な熱可塑性エラストマーおよび熱硬化性エラストマーを用いることができ、例えば、スチレン系エラストマー、アクリル系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、ポリブタジエン、ポリクロロプレン等を用いることができる。中でも、ウレタン系、シリコーン系構造を含む樹脂やゴムが、その伸縮性や耐久性などの面から好ましく用いられる。また、配線52の導電性粒子を構成する材料としては、例えば銀、銅、金、ニッケル、パラジウム、白金、カーボン等の粒子を用いることができる。中でも、銀粒子が好ましく用いられる。
配線52の厚みは、基材20の伸縮に耐え得る厚みであればよく、配線52の材料等に応じて適宜選択される。
例えば、配線52の材料が伸縮性を有さない場合、配線52の厚みは、25nm以上50μm以下の範囲内とすることができ、50nm以上10μm以下の範囲内であることが好ましく、100nm以上5μm以下の範囲内であることがより好ましい。
また、配線52の材料が伸縮性を有する場合、配線52の厚みは、5μm以上60μm以下の範囲内とすることができ、10μm以上50μm以下の範囲内であることが好ましく、20μm以上40μm以下の範囲内であることがより好ましい。
配線52の幅は、例えば50μm以上且つ10mm以下である。
配線52の形成方法は、材料等に応じて適宜選択される。例えば、基材20上または後述する支持基板40上に蒸着法やスパッタリング法やめっき法等により金属膜を形成した後、フォトリソグラフィ法により金属膜をパターニングする方法が挙げられる。また、配線52の材料自体が伸縮性を有する場合、例えば、基材20上または支持基板40上に一般的な印刷法により上記の導電性粒子およびエラストマーを含有する導電性組成物をパターン状に印刷する方法が挙げられる。これらの方法のうち、材料効率がよく安価に製作できる印刷法が好ましく用いられ得る。
蛇腹形状部57が配線52に形成されていることの利点について説明する。上述のように、基材20は、10MPa以下の弾性係数を有する。このため、配線基板10に引張応力を加えた場合、基材20は、弾性変形によって伸長することができる。ここで、仮に配線52も同様に弾性変形によって伸長すると、配線52の全長が増加し、配線52の断面積が減少するので、配線52の抵抗値が増加してしまう。また、配線52の弾性変形に起因して配線52にクラックなどの破損が生じてしまうことも考えられる。
これに対して、本実施の形態においては、配線52が蛇腹形状部57を有している。このため、基材20が伸張する際、配線52は、蛇腹形状部57の起伏を低減するように変形することによって、すなわち蛇腹形状を解消することによって、基材20の伸張に追従することができる。このため、基材20の伸張に伴って配線52の全長が増加することや、配線52の断面積が減少することを抑制することができる。このことにより、配線基板10の伸張に起因して配線52の抵抗値が増加することを抑制することができる。また、配線52にクラックなどの破損が生じてしまうことを抑制することができる。
〔電子部品〕
電子部品51は、基材20の第1面21側において配線領域24内に位置し、配線52に電気的に接続されている。図2に示す例において、電子部品51は、第1面21上において配線領域24内に位置する。また、図3に示す例において、電子部品51は、配線52に接続される電極511を有する。図3に示す例において、電極511は、電子部品51の側面に位置している。電極511は、電子部品51の下面に位置していてもよい。この場合、電子部品51は、配線52上に搭載され、はんだや導電性接着剤などの接続部を介して配線52に電気的に接続されていてもよい。電子部品51は、能動部品であってもよく、受動部品であってもよく、機構部品であってもよい。
電子部品51の例としては、トランジスタ、LSI(Large-Scale Integration)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)、リレー、LED、OLED、LCDなどの発光素子、センサ、ブザー等の発音部品、振動を発する振動部品、冷却発熱をコントロールするペルチェ素子や電熱線などの冷発熱部品、抵抗器、キャパシタ、インダクタ、圧電素子、スイッチ、コネクタなどを挙げることができる。電子部品51の上述の例のうち、センサが好ましく用いられる。センサとしては、例えば、温度センサ、圧力センサ、光センサ、光電センサ、近接センサ、せん断力センサ、生体センサ、レーザーセンサ、マイクロ波センサ、湿度センサ、歪みセンサ、ジャイロセンサ、加速度センサ、変位センサ、磁気センサ、ガスセンサ、GPSセンサ、超音波センサ、臭いセンサ、脳波センサ、電流センサ、振動センサ、脈波センサ、心電センサ、光度センサ等を挙げることができる。これらのセンサのうち、生体センサが特に好ましい。生体センサは、心拍や脈拍、心電、血圧、体温、血中酸素濃度等の生体情報を測定することができる。
〔ドットパターン部〕
ドットパターン部3Aは、配線領域24と非配線領域25との間で配線基板10の曲げ剛性を均一化することを意図して設けられた、非配線領域25における配線基板10の曲げ剛性を制御する部材である。ドットパターン部3Aは、非配線領域25内に位置し、第1面21の面内方向に間隔を空けて並ぶ複数のドット部300を有する。
「非配線領域25内に位置する」とは、第1面21の法線方向に沿って見た場合すなわち平面視において、基材20の非配線領域25に重なるように位置することをいう。
図1に示す例において、ドットパターン部3Aは、第1面21上において非配線領域25内に位置する。また、ドットパターン部3Aの複数のドット部300は、第1方向D1および第1方向D1に直交する方向に沿って間隔を空けて並んでいる。また、各ドット部300は、平面視において円形状を有する。ドット部300の形状は、円形状に限定されず、例えば、矩形状などの多角形状であってもよい。
また、図1に示す例において、複数のドット部300は、いずれも導電性を有し、配線52と電気的に絶縁されている。より詳しくは、ドット部300は、配線52と同一の材料で構成され、第1面21の面内方向において配線52から離れて配置されている。また、ドット部300は、配線52と同一の形成方法で形成することができる。
ここで、既述したように、配線領域24内には、配線52および電子部品51が配置されるため、配線52および電子部品51によって配線領域24における配線基板10の曲げ剛性が増加する。もし、非配線領域25内に曲げ剛性を制御する部材が設けられていない場合、配線領域24における曲げ剛性に対して非配線領域25における曲げ剛性が小さくなり過ぎることで、配線領域24と非配線領域25との間で配線基板10の伸縮具合にばらつきが生じる。伸縮具合のばらつきが生じることで、配線基板10に反りが生じる恐れがある。
これに対して、本実施の形態によれば、非配線領域25にドットパターン部3Aが設けられていることで、配線領域24における曲げ剛性と非配線領域25における曲げ剛性とを均一化することができる。これにより、配線領域24と非配線領域25との間で配線基板10の伸縮具合を揃えることができるので、配線基板10に反りが発生することを抑制することができる。
配線領域24における曲げ剛性と非配線領域25における曲げ剛性とを均一化する観点から、非配線領域25の単位面積当たりのドットパターン部3Aの体積と弾性係数との積は、配線領域24の単位面積当たりの配線52の体積と弾性係数との積と同程度であることが望ましい。より詳しくは、非配線領域25の単位面積当たりのドットパターン部3Aの体積と弾性係数との積は、配線領域24の単位面積当たりの配線52の体積と弾性係数との積の0.5倍以上2倍以下であることが好ましく、0.8倍以上1.3倍以下であることが更に好ましい。非配線領域25の単位面積当たりのドットパターン部3Aの体積と弾性係数との積は、非配線領域25を複数の単位面積毎の領域に区画した場合における各領域毎のドットパターン部3Aの体積と弾性係数との積を平均した平均値であってもよい。また、配線領域24の単位面積当たりの配線52の体積と弾性係数との積は、配線領域24を複数の単位面積毎の領域に区画した場合における各領域毎の配線52の体積と弾性係数との積を平均した平均値であってもよい。また、ドットパターン部3Aおよび後述する各変形例で説明される非配線領域25内のパターン部の弾性係数を算出する方法は、上述の基材20の弾性係数を算出する方法と同様であってもよく、異なっていてもよい。
(配線基板の製造方法)
以下、図5(a)~(c)を参照して、配線基板10の製造方法について説明する。
まず、図5(a)に示すように、伸縮性を有する基材20を準備する基材準備工程を実施する。続いて、図5(b)に示すように、基材20に引張応力Tを加えて基材20を伸長させる第1工程を実施する。
基材20を伸長させた後、図5(b)に示すように、引張応力Tによって伸長した状態の基材20の第1面21上において、配線領域24内に、電子部品51及び配線52を設ける第2工程を実施する。また、図5(b)に示すように、引張応力Tによって伸長した状態の基材20の第1面21上において、非配線領域25内に、ドットパターン部3Aを設ける第3工程を実施する。このとき、ドットパターン部3Aは、配線52と同一の材料および形成方法で形成することが望ましい。配線52と同一の材料および形成方法でドットパターン部3Aを形成することで、第3工程を第2工程と同時に行うことができる。
ドットパターン部3Aを設けた後、基材20から引張応力Tを取り除く第4工程を実施する。これにより、図5(c)において矢印Cで示すように、基材20が収縮し、基材20に設けられている配線52にも変形が生じる。
以上説明したように、本実施の形態においては、非配線領域25内にドットパターン部3Aが設けられていることで、配線領域24における曲げ剛性と非配線領域25における曲げ剛性とを均一化することができる。これにより、配線領域24と非配線領域25との間で配線基板10の伸縮具合を揃えることができるので、配線基板10に反りが発生することを抑制することができる。
配線基板10の用途としては、ヘルスケア分野、医療分野、介護分野、エレクトロニクス分野、スポーツ・フィットネス分野、美容分野、モビリティ分野、畜産・ペット分野、アミューズメント分野、ファッション・アパレル分野、セキュリティ分野、ミリタリー分野、流通分野、教育分野、建材・家具・装飾分野、環境エネルギー分野、農林水産分野、ロボット分野などを挙げることができる。例えば、人の腕などの身体の一部に取り付ける製品を、本実施の形態による配線基板10を用いて構成する。配線基板10は伸張することができるので、例えば配線基板10を伸長させた状態で身体に取り付けることにより、配線基板10を身体の一部により密着させることができる。このため、良好な着用感を実現することができる。また、配線基板10が伸張した場合に配線52の抵抗値が低下することを抑制することができるので、配線基板10の良好な電気特性を実現することができる。他にも配線基板10は伸長することができるので、人などの生体に限らず曲面や立体形状に沿わせて設置や組込むことが可能である。それらの製品の一例としては、バイタルセンサ、マスク、補聴器、歯ブラシ、絆創膏、湿布、コンタクトレンズ、義手、義足、義眼、カテーテル、ガーゼ、薬液パック、包帯、ディスポーザブル生体電極、おむつ、家電製品、スポーツウェア、リストバンド、はちまき、手袋、水着、サポーター、ボール、ラケット、薬液浸透美容マスク、電気刺激ダイエット用品、懐炉、自動車内装、シート、インパネ、ベビーカー、ドローン、車椅子、タイヤ、首輪、リード、ハプティクスデバイス、ランチョンマット、帽子、服、メガネ、靴、インソール、靴下、ストッキング、インナーウェア、マフラー、耳あて、鞄、アクセサリー、指輪、付け爪、時計、個人ID認識デバイス、ヘルメット、パッケージ、ICタグ、ペットボトル、文具、書籍、カーペット、ソファ、寝具、照明、ドアノブ、花瓶、ベッド、マットレス、座布団、ワイヤレス給電アンテナ、電池、ビニールハウス、ロボットハンド、ロボット外装を挙げることができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、必要に応じて図面を参照しながら、変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
(ドットパターン部の変形例)
以下、図6乃至図12を参照して、ドットパターン部のいくつかの変形例について説明する。
〔ドットパターン部の第1変形例〕
これまでは、第1面21上において非配線領域25内にドットパターン部3Aが位置する例について説明した。これに対して、図6に示すように、ドットパターン部3Aは、非配線領域25内において基材20の内部に埋め込まれていてもよい。
〔ドットパターン部の第2変形例〕
また、図7に示すように、ドットパターン部3Aは、第1面21と反対側の基材20の第2面22上において非配線領域25内に位置していてもよい。
〔ドットパターン部の第3変形例〕
また、図8に示すように、ドットパターン部3Aは、支持基板40上において非配線領域25内に位置していてもよい。
より詳しくは、図8に示す例において、配線基板10は、図1に示す配線基板10の構成に加えて、更に、支持基板40を備える。支持基板40は、基材20の第1面21側に位置し、基材20よりも低い伸縮性を有し、配線を支持する部材である。より詳しくは、支持基板40は、第1面21と配線52との間に位置し、基材20の弾性係数よりも大きい弾性係数を有する。支持基板40の弾性係数を算出する方法は、上述の基材20の弾性係数を算出する方法と同様であってもよく、異なっていてもよい。例えば、支持基板40の弾性係数を算出する方法として、支持基板40のサンプルを用いて、ASTM D882に準拠して引張試験を実施するという方法を採用することができる。
図8に示す例において、支持基板40は、基材20側に位置する第2面42と、第2面42の反対側に位置する第1面41と、を含む。支持基板40は、その第1面41上において、配線領域24内に電子部品51及び配線52を支持し、非配線領域25内にドットパターン部3Aを支持している。
また、支持基板40は、その第2面42側において基材20の第1面21に接合されている。例えば、基材20と支持基板40との間に、接着剤を含む接着層60が設けられていてもよい。接着層60を構成する材料としては、例えばアクリル系接着剤、シリコーン系接着剤等を用いることができる。接着層60の厚みは、例えば5μm以上且つ200μm以下である。また、図示はしないが、非接着表面を分子修飾させて、分子接着結合させる方法によって支持基板40の第2面42が基材20の第1面21に接合されていてもよい。この場合、基材20と支持基板40との間に接着層が設けられていなくてもよい。
支持基板40の厚みは、例えば500nm以上10μm以下であり、より好ましくは1μm以上5μm以下である。支持基板40の厚みが小さすぎると、支持基板40の製造工程や、支持基板40上に部材を形成する工程における、支持基板40のハンドリングが難しくなる。支持基板40の厚みが大きすぎると、弛緩時の基材20の復元が難しくなり、目標の基材20の伸縮が得られなくなる。
支持基板40を構成する材料としては、例えば、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、アクリル樹脂等を用いることができる。その中でも、耐久性や耐熱性がよいポリエチレンナフタレートかポリイミドが好ましく用いられ得る。
図5(a)~(c)に示す例においては、引張応力Tによって伸長した状態の基材20上に、配線52、電子部品51およびドットパターン部3Aを設ける。これに対して、本変形例の配線基板10は、例えば、以下の製造方法によって製造することができる。まず、図9(a)に示すように、基材準備工程を実施した後、図9(b)に示すように、基材20上ではなく、支持基板40の第1面41に、配線52、電子部品51およびドットパターン部3Aを設ける。
支持基板40上に配線52、電子部品51およびドットパターン部3Aを設けた後、基材20に引張応力Tを加えて基材20を伸長させる。
基材20を伸長させた後、図9(c)に示すように、引張応力Tによって伸長した状態の基材20の第1面21上に、配線52、電子部品51およびドットパターン部3Aが設けられた支持基板40を、第2面42側から接合する。この際、基材20と支持基板40との間に接着層60を設けてもよい。
基材20上に支持基板40を接合した後、図9(d)に示すように、基材20から引張応力Tを取り除く。これにより、図9(d)において矢印Cで示すように、基材20が収縮し、支持基板40及び配線52にも変形が生じる。支持基板40の弾性係数は、基材20の弾性係数よりも大きい。このため、支持基板40及び配線52の変形を、蛇腹形状部の生成として生じさせることができる。
本変形例によれば、非伸長状態の支持基板40上に配線52、電子部品51およびドットパターン部3Aを安定的に搭載することができるので、蛇腹形状部57を有する配線基板10の製造の容易性を向上させることができる。
〔ドットパターン部の第5変形例〕
図8においては、支持基板40の第1面41にドットパターン部3Aが設けられている例について説明した。これに対して、図10に示すように、ドットパターン部3Aは、支持基板40の第2面42に設けられていてもよい。
〔ドットパターン部の第6変形例〕
これまでは、ドットパターン部3Aが配線52と同一の材料で構成されている例について説明した。これに対して、ドットパターン部3Aは、図11および図12に示すように配線領域24内に設けられた伸縮制御部30と同様に基材20の伸縮を制御してもよい。
より詳しくは、図11および図12に示す例において、配線基板10は、配線領域24内に位置し、基材20の伸縮を制御する伸縮制御部30を備える。
伸縮制御部30は、基材20の伸縮を制御するために配線基板10に設けられた部材である。図12に示す例において、伸縮制御部30は、配線領域24内において電子部品51上に位置する第1伸縮制御部31と、配線領域24内において配線52上または基材20の第1面21上に位置する第2伸縮制御部32とを有する。
伸縮制御部31,32は、基材20の弾性係数よりも大きい弾性係数を有してもよい。伸縮制御部31,32の弾性係数は、例えば10GPa以上500GPa以下であり、より好ましくは1GPa以上300GPa以下である。伸縮制御部31,32の弾性係数が低すぎると、伸縮の制御がしにくい場合がある。また、伸縮制御部31,32の弾性係数が高すぎると、基材20が伸縮した際に、割れやひびなど構造の破壊が伸縮制御部31,32に起こる場合がある。伸縮制御部31,32の弾性係数は、基材20の弾性係数の1.1倍以上5000倍以下であってもよく、より好ましくは10倍以上3000倍以下である。このような伸縮制御部31,32を基材20に設けることにより、基材20のうち伸縮制御部31,32と重なる部分が伸縮することを抑制することができる。これにより、基材20を、伸縮が生じやすい部分と、伸縮が生じにくい部分とに区画することができる。このことにより、基材20に現れる蛇腹形状部57の周期や振幅などを制御することができる。
伸縮制御部31,32の弾性係数を算出する方法は、伸縮制御部31,32の形態に応じて適宜定められる。例えば、伸縮制御部31,32の弾性係数を算出する方法は、上述の基材20の弾性係数を算出する方法と同様であってもよく、異なっていてもよい。例えば、伸縮制御部31,32の弾性係数を算出する方法として、伸縮制御部31,32のサンプルを用いて、ASTM D882に準拠して引張試験を実施するという方法を採用することができる。
伸縮制御部31,32の弾性係数が基材20の弾性係数よりも大きい場合、伸縮制御部31,32を構成する材料として、金属材料を用いることができる。金属材料の例としては、銅、アルミニウム、ステンレス鋼等を挙げることができる。また、伸縮制御部31,32を構成する材料として、一般的な熱可塑性エラストマーや、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系、ポリエステル系、エポキシ系、ビニルエーテル系、ポリエン・チオール系又はシリコーン系等のオリゴマー、ポリマーなどを用いてもよい。伸縮制御部31,32を構成する材料がこれらの樹脂である場合、伸縮制御部31,32は、透明性を有していてもよい。また、伸縮制御部31,32は、遮光性、例えば紫外線を遮蔽する特性を有していてもよい。例えば、伸縮制御部31,32は黒色であってもよい。また、伸縮制御部31,32の色と基材20の色とが同一であってもよい。伸縮制御部31,32の厚みは、例えば1μm以上100μm以下である。
若しくは、伸縮制御部31,32の弾性係数は、基材20の弾性係数以下であってもよい。伸縮制御部31,32の弾性係数は、例えば10MPa以下であり、1MPa以下であってもよい。伸縮制御部31,32の弾性係数は、基材20の弾性係数の1倍以下であってもよく、0.8倍以下であってもよい。この場合、伸縮制御部31,32の弾性係数が基材20の弾性係数よりも大きい場合に比べて、基材20に現れる蛇腹形状部57の振幅が大きくなるので、配線基板10の伸縮性も大きくなる。また、伸縮制御部31,32の弾性係数が基材20の弾性係数以下の場合であっても、基材20のうち伸縮制御部31,32に重なる部分と伸縮制御部31,32に重ならない部分との間で、伸縮性の差が生じる。すなわち、基材20を、伸縮が生じやすい部分と、伸縮が生じにくい部分とに区画することができる。このことにより、基材20に現れる蛇腹形状部57の周期や振幅などを制御することができる。
伸縮制御部31,32の弾性係数が基材20の弾性係数以下の場合、伸縮制御部31,32を構成する材料として、一般的な熱可塑性エラストマーおよび熱硬化性エラストマーを用いることができ、例えば、スチレン系エラストマー、アクリル系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、ポリブタジエン、ポリクロロプレンが挙げられる。伸縮制御部31,32の厚みは、例えば1μm以上100μm以下である。
なお、電子部品51上に位置する第1伸縮制御部31の弾性係数と配線52上または第1面21上に位置する第2伸縮制御部32の弾性係数とは、同一であってもよい。この場合、第1伸縮制御部31及び第2伸縮制御部32を同一の工程で同時に形成することができるので、伸縮制御部31,32の形成工程が簡便になる。また、第1伸縮制御部31の弾性係数と第2伸縮制御部32の弾性係数とは、異なっていてもよい。この場合、第1伸縮制御部31の弾性係数が、第2伸縮制御部32の弾性係数よりも高いことが好ましい。
第1伸縮制御部31の材料や厚みと第2伸縮制御部32の材料や厚みとは、同一であってもよい。この場合、伸縮制御部31,32の形成工程が簡便になる。また、第1伸縮制御部31の材料や厚みと第2伸縮制御部32の材料や厚みとは、異なっていてもよい。この場合、第1伸縮制御部31の厚みが、第2伸縮制御部32の厚みよりも小さいことが好ましい。なぜなら、電子部品51の方が一般に、配線52よりも厚いからである。第1伸縮制御部31の厚みを第2伸縮制御部32の厚みよりも小さくすることにより、部品周囲領域232と配線領域24との間における凹凸や段差を小さくすることができる。これにより、引っかかりによる素子剥がれが生じることを抑制できる。また、使用者が配線基板10を備える電子デバイスを装着した時の違和感を低減することができる。
伸縮制御部31,32の特性を、弾性係数に替えて曲げ剛性によって表してもよい。伸縮制御部31,32の断面二次モーメントは、配線基板10の伸縮方向に直交する平面によって伸縮制御部31,32を切断した場合の断面に基づいて算出される。伸縮制御部31,32の曲げ剛性は、基材20の曲げ剛性の1.1倍以上であってもよく、より好ましくは2倍以上であり、更に好ましくは10倍以上である。
若しくは、伸縮制御部31,32の曲げ剛性は、基材20の曲げ剛性以下であってもよい。例えば、伸縮制御部31,32の曲げ剛性は、基材20の曲げ剛性の1倍以下であってもよく、0.8倍以下であってもよい。
伸縮制御部31,32の形成方法は、材料等に応じて適宜選択される。例えば、基材20上または既述した支持基板40上に蒸着法やスパッタリング法等により金属膜を形成した後、フォトリソグラフィ法により金属膜をパターニングする方法が挙げられる。また、基材20上または支持基板40上にスピンコート法などの印刷法等により全面に有機層などの樹脂膜を形成した後、フォトリソグラフィ法により樹脂膜をパターニングする方法が挙げられる。また、例えば、基材20上または支持基板40上に一般的な印刷法により伸縮制御部31,32の材料をパターン状に印刷する方法が挙げられる。これらの方法のうち、材料効率がよく安価に製作できる印刷法が好ましく用いられ得る。
ここで、既述した配線52の蛇腹形状部57を構成する山部53,54の高さ及び谷部55,56の深さは、基材20の厚みのばらつきや、基材20に設けられる配線52の分布密度の差などに起因して、位置によってばらつくことがある。山部53,54の高さ及び谷部55,56の深さが位置によってばらつくと、配線52に生じる湾曲や屈曲の程度が局所的に大きくなり、配線52が破損してしまうことが考えられる。
これに対して、本変形例によれば、基材20に伸縮制御部30を設けることにより、蛇腹形状部57の周期や振幅などを制御することができる。このため、配線52に局所的に大きな湾曲や屈曲が生じることを抑制することができる。このことにより、配線52が破損してしまうことを抑制することができる。
また、仮に、電子部品51上に第1伸縮制御部31が設けられていない場合、電子部品51の電極511の近傍において配線52の山部53の振幅が大きくなることがある。この場合、電子部品51の電極511と配線52との間の電気接合部に大きな応力が加わり、電気接合部が破損してしまうことが考えられる。これに対して、本変形例においては、上述のように電子部品51上に第1伸縮制御部31が設けられているため、電子部品51の電極511の近傍において配線52に大きな山部53が生じることを抑制することができる。これにより、電子部品51の電極511と配線52との間の電気接合部が破損してしまうことを抑制することができる。
また、仮に、配線領域24に第2伸縮制御部32が設けられていない場合、蛇腹形状部57の周期が局所的に大きくなり、この結果、蛇腹形状部57の山部53の高さが局所的に大きくなることがある。この結果、山部53又は山部53に隣接する谷部55において配線52に大きな応力が加わり、配線52が破損してしまうことが考えられる。これに対して、本変形例においては、基材20の第1面21の面内方向において山部53及び谷部55が繰り返し現れる第1方向D1に沿って複数の第2伸縮制御部32が周期的に並んでいる。これにより、基材20には、伸縮が生じやすい部分と、伸縮が生じにくい部分とが、配線52が延びる方向に沿って周期的に繰り返し存在するようになる。この場合、基材20を弛緩させたとき、配線52に、第2伸縮制御部32の周期に対応した周期F1を有する蛇腹形状部57が生じ易くなる。すなわち、第2伸縮制御部32によって蛇腹形状部57の周期F1を制御することができる。蛇腹形状部57の周期F1を制御することで、蛇腹形状部57の周期F1が乱れて蛇腹形状部57の山部53の高さが局所的に大きくなることを抑制することができる。このことにより、配線52に大きな応力が加わって配線52が破損してしまうことを抑制することができる。
そして、このような配線領域24内に位置する伸縮制御部30と同様に、ドットパターン部3Aの各ドット部300は、基材20の伸縮を制御する。ドット部300は、例えば、伸縮制御部30と同一の材料で構成されている。ドット部300は、絶縁性を有していてもよい。また、ドット部300は、伸縮制御部30と同一の形成方法で形成してもよい。
本変形例によれば、配線領域24内に伸縮制御部30が設けられた構成において非配線領域25内にドットパターン部3Aが設けられていることで、配線領域24における曲げ剛性と非配線領域25における曲げ剛性とを均一化することができる。これにより、配線領域24と非配線領域25との間で配線基板10の伸縮具合を揃えることができるので、配線基板10に反りが発生することを抑制することができる。
配線領域24における曲げ剛性と非配線領域25における曲げ剛性とを均一化する観点から、非配線領域25の単位面積当たりのドットパターン部3Aの体積と弾性係数との積は、配線領域24の単位面積当たりの伸縮制御部30の体積と弾性係数との積と同程度であることが望ましい。より詳しくは、非配線領域25の単位面積当たりのドットパターン部3Aの体積と弾性係数との積は、配線領域24の単位面積当たりの伸縮制御部30の体積と弾性係数との積の0.5倍以上2倍以下であることが好ましく、1倍以上1.5倍以下であることが更に好ましい。配線領域24の単位面積当たりの伸縮制御部30の体積と弾性係数との積は、配線領域24を複数の単位面積毎の領域に区画した場合における各領域毎の伸縮制御部30の体積と弾性係数との積を平均した平均値であってもよい。
(格子パターン部を備えた配線基板)
以下、図13乃至図20を参照して、格子パターン部を備えた配線基板および格子パターン部のいくつかの変形例について説明する。これまでは、非配線領域25内にドットパターン部3Aを備えた配線基板10の例について説明した。これに対して、図13および図14に示す例において、配線基板10は、ドットパターン部3Aに替えて、非配線領域25内に位置する格子パターン部3Bを備える。
ドットパターン部3Aと同様に、格子パターン部3Bは、配線領域24と非配線領域25との間で配線基板10の曲げ剛性を均一化することを意図して設けられた、非配線領域25における配線基板10の曲げ剛性を制御する部材である。図13に示す例において、格子パターン部3Bは、第1面21上において非配線領域25内に位置する。また、格子パターン部3Bは、複数の第1線部301と、複数の第2線部302とを有する。複数の第1線部301は、面内方向の1つである第2方向の一例としての第1方向D1に沿って延伸し、第1方向D1に直交する方向に間隔すなわちピッチを空けて並んでいる。複数の第2線部302は、第1方向D1に直交する方向に沿って延伸し、第1方向D1に間隔を空けて並び、第1線部301に交差している。
また、図13及び図14に示す例において、格子パターン部3Bは、導電性を有し、配線52と電気的に絶縁されている。より詳しくは、格子パターン部3Bは、配線52と同一の材料で構成され、第1面21の面内方向において配線52から離れて配置されている。
配線領域24における曲げ剛性と非配線領域25における曲げ剛性とを均一化する観点から、格子パターン部3Bを構成する第1線部301および第2線部302の少なくとも一方は、その延伸方向に直交する方向の線幅が配線52の線幅の0.5倍以上2倍以下であることが好ましく、0.8倍以上1.3倍以下であることが更に好ましい。また、格子パターン部3Bを構成する第1線部301および第2線部302の少なくとも一方は、その延伸方向に直交する方向のピッチが、配線52のピッチの0.5倍以上2倍以下であることが好ましく、0.8倍以上1.3倍以下であることが更に好ましい。
図13および図14に示す配線基板10は、例えば、以下の製造方法によって製造することができる。まず、図15(a)に示すように、伸縮性を有する基材20を準備する基材準備工程を実施する。続いて、図15(b)に示すように、基材20に引張応力Tを加えて基材20を伸長させる第1工程を実施する。
基材20を伸長させた後、図15(b)に示すように、引張応力Tによって伸長した状態の基材20の第1面21上において、配線領域24内に、電子部品51及び配線52を設ける第2工程を実施する。また、図15(b)に示すように、引張応力Tによって伸長した状態の基材20の第1面21上において、非配線領域25内に、格子パターン部3Bを設ける第3工程を実施する。このとき、格子パターン部3Bは、配線52と同一の材料および形成方法で形成することが望ましい。配線52と同一の材料および形成方法で格子パターン部3Bを形成することで、第3工程を第2工程と同時に行うことができる。
格子パターン部3Bを設けた後、基材20から引張応力Tを取り除く第4工程を実施する。これにより、図15(c)において矢印Cで示すように、基材20が収縮し、基材20に設けられている配線52にも変形が生じることで、蛇腹形状部57を有する配線基板10が得られる。
図13および図14に示す例によれば、非配線領域25内に格子パターン部3Bが設けられていることで、配線領域24における曲げ剛性と非配線領域25における曲げ剛性とを均一化することができる。これにより、配線領域24と非配線領域25との間で配線基板10の伸縮具合を揃えることができるので、配線基板10に反りが発生することを抑制することができる。
〔格子パターン部の第1変形例〕
これまでは、第1面21上において非配線領域25内に格子パターン部3Bが位置する例について説明した。これに対して、図16に示すように、格子パターン部3Bは、非配線領域25内において基材20の内部に埋め込まれていてもよい。
〔格子パターン部の第2変形例〕
また、図17に示すように、格子パターン部3Bは、第1面21と反対側の基材20の第2面22上において非配線領域25内に位置していてもよい。
〔格子パターン部の第3変形例〕
また、図18および図19に示すように、配線領域24内に伸縮制御部30を備えた構成において、格子パターン部3Bは、伸縮制御部30と同様に基材20の伸縮を制御してもよい。この場合、格子パターン部3Bは、伸縮制御部30と同一の材料で構成してもよい。なお、伸縮制御部30を構成する線部の一例である複数の第2伸縮制御部32は、第1方向D1に直交する方向に沿って延伸し、第1方向D1に沿って間隔を空けて並んでいる。
配線領域24における曲げ剛性と非配線領域25における曲げ剛性とを均一化する観点から、格子パターン部3Bを構成する第1線部301および第2線部302の少なくとも一方は、その延伸方向に直交する方向の線幅が第2伸縮制御部32の線幅の0.5倍以上2倍以下であることが好ましく、0.8倍以上1.3倍以下であることが更に好ましい。また、格子パターン部3Bを構成する第1線部301および第2線部302の少なくとも一方は、その延伸方向に直交する方向のピッチが第2伸縮制御部32のピッチの0.5倍以上2倍以下であることが好ましく、0.8倍以上1.3倍以下であることが更に好ましい。
〔格子パターン部の第4変形例〕
また、図20に示すように、格子パターン部3Bは、支持基板40上において非配線領域25内に位置していてもよい。
(凹パターン部を備えた配線基板)
以下、図21乃至図29を参照して、凹パターン部を備えた配線基板および凹パターン部のいくつかの変形例について説明する。これまでは、非配線領域25内にドットパターン部3Aまたは格子パターン部3Bを備えた配線基板10の例について説明した。これに対して、図21および図22に示す例において、配線基板10は、ドットパターン部3Aおよび格子パターン部3Bに替えて、配線領域24内において支持基板40に設けられた凹パターン部3Cを有する。本変形例の配線基板10は、図8に示した配線基板10に対して、ドットパターン部3Aを省略し、凹パターン部3Cを追加した構成に相当する。
ドットパターン部3Aおよび格子パターン部3Bと同様に、凹パターン部3Cは、配線領域24と非配線領域25との間で配線基板10の曲げ剛性を均一化することを意図して設けられた、配線領域24における配線基板10の曲げ剛性を制御する部材である。図22に示す例において、凹パターン部3Cは、支持基板40の第1面41に設けられている。また、凹パターン部3Cは、第1方向D1および第1方向D1に直交する方向に間隔を空けて並ぶ複数のドット状の凹部310を有する。凹パターン部3Cは、例えば、支持基板40に対するレーザ加工によって形成することができる。
図21および図22に示される配線基板10は、例えば、以下の製造方法によって製造することができる。まず、図23(a)に示すように、伸縮性を有する基材20を準備する。続いて、図23(b)に示すように、支持基板40上に、配線52、電子部品51および凹パターン部3Cを設ける。その後、基材20に引張応力Tを加えて基材20を伸長させる。
基材20を伸長させた後、図23(c)に示すように、引張応力Tによって伸長した状態の基材20の第1面21上に、配線52、電子部品51および凹パターン部3Cが設けられた支持基板40を、第2面42側から接合する。この際、基材20と支持基板40との間に接着層60を設けてもよい。
基材20上に支持基板40を接合した後、図23(d)に示すように、基材20から引張応力Tを取り除く。これにより、図23(d)において矢印Cで示すように、基材20が収縮し、支持基板40及び配線52にも変形が生じることで、蛇腹形状部57を有する配線基板10が得られる。
図21および図22に示す例によれば、配線領域24内に凹パターン部3Cが設けられていることで、配線52および電子部品51によって増加した配線領域24の曲げ剛性を、凹パターン部3Cによって減少させることができる。これにより、配線52および電子部品51が設けられた配線領域24における曲げ剛性と、配線52および電子部品51が設けられていない非配線領域25における曲げ剛性とを均一化することができる。これにより、配線領域24と非配線領域25との間で配線基板10の伸縮具合を揃えることができるので、配線基板10に反りが発生することを抑制することができる。
〔凹パターン部の第1変形例〕
図21および図22では、配線領域24内において支持基板40に凹パターン部3Cが設けられた例について説明した。これに対して、図24および図25に示すように、非配線領域25内においても、支持基板40に凹パターン部3Dが設けられていてもよい。
配線領域24内の凹パターン部3Cと同様に、非配線領域25内の凹パターン部3Dは、配線領域24と非配線領域25との間で配線基板10の曲げ剛性を均一化することを意図して設けられた、非配線領域25における配線基板10の曲げ剛性を制御する部材である。図25に示す例において、非配線領域25内の凹パターン部3Dは、支持基板40の第1面41に設けられている。また、非配線領域25内の凹パターン部3Dは、第1方向D1および第1方向D1に直交する方向に間隔を空けて並ぶ複数のドット状の凹部311を有する。非配線領域25内の凹パターン部3Dは、例えば、支持基板40に対するレーザ加工によって形成することができる。
〔凹パターン部の第2変形例〕
図21および図22では、配線領域24内において支持基板40にドット状の凹パターン部3Cが設けられた例について説明した。これに対して、図26および図27に示すように、凹パターン部3Cは、第1方向D1に沿って延伸し、第1方向D1に直交する方向に沿って間隔を空けて並ぶ複数の線状の凹部310を有していてもよい。
〔凹パターン部の第3変形例〕
また、配線領域24内において支持基板40に線状の凹部310を有する凹パターン部3Cが設けられた構成において、更に、図28および図29に示すように、非配線領域25内において支持基板40に格子状の凹パターン部3Eが設けられていてもよい。
図28に示す例において、非配線領域25内の凹パターン部3Eは、複数の線状の第1凹部321と、複数の線状の第2凹部322とを有する。複数の第1凹部321は、第1方向D1に沿って延伸し、第1方向D1に直交する方向に沿って間隔を空けて並んでいる。複数の第2凹部322は、第1方向D1に直交する方向に沿って延伸し、第1方向D1に間隔を空けて並び、第1凹部321に交差している。
(べたパターン部を備えた配線基板)
以下、図30乃至図35を参照して、べたパターン部を備えた配線基板およびべたパターン部のいくつかの変形例について説明する。これまでは、非配線領域25内にドットパターン部3A、格子パターン部3Bまたは凹パターン部3D,3Eを備えた配線基板10の例について説明した。これに対して、図30に示す例において、配線基板10は、非配線領域25内に位置するべたパターン部3Fを備える。
上述した非配線領域25内のパターン部3A,3B,3D,3Eと同様に、べたパターン部3Fは、配線領域24と非配線領域25との間で配線基板10の曲げ剛性を均一化することを意図して設けられた、非配線領域25における配線基板10の曲げ剛性を制御する部材である。図30に示す例において、べたパターン部3Fは、第1面21上において非配線領域25内に全面的に位置する。
また、図30に示す例において、べたパターン部3Fは、導電性を有し、配線52と電気的に絶縁されている。より詳しくは、べたパターン部3Fは、配線52と同一の材料で構成され、第1面21の面内方向において配線52から離れて配置されている。
配線領域24における曲げ剛性と非配線領域25における曲げ剛性とを均一化する観点から、非配線領域25の単位面積当たりのべたパターン部3Fの体積と弾性係数との積は、配線領域24の単位面積当たりの配線52の体積と弾性係数との積の0.5倍以上2倍以下であることが好ましく、0.8倍以上1.3倍以下であることが更に好ましい。
図30に示す配線基板10は、例えば、以下の製造方法によって製造することができる。まず、図31(a)に示すように、伸縮性を有する基材20を準備する基材準備工程を実施する。続いて、図31(b)に示すように、基材20に引張応力Tを加えて基材20を伸長させる第1工程を実施する。
基材20を伸長させた後、図31(b)に示すように、引張応力Tによって伸長した状態の基材20の第1面21上において、配線領域24内に、電子部品51及び配線52を設ける第2工程を実施する。また、図31(b)に示すように、引張応力Tによって伸長した状態の基材20の第1面21上において、非配線領域25内にべたパターン部3Fを設ける第3工程を実施する。このとき、べたパターン部3Fを配線52と同一の材料で形成することで、第3工程を第2工程と同時に行うことができる。
べたパターン部3Fを設けた後、基材20から引張応力Tを取り除く第4工程を実施する。これにより、図31(c)において矢印Cで示すように、基材20が収縮し、基材20に設けられている配線52にも変形が生じることで、蛇腹形状部57を有する配線基板10が得られる。
図30に示す例によれば、非配線領域25内にべたパターン部3Fが設けられていることで、配線領域24における曲げ剛性と非配線領域25における曲げ剛性とを均一化することができる。これにより、配線領域24と非配線領域25との間で配線基板10の伸縮具合を揃えることができるので、配線基板10に反りが発生することを抑制することができる。
〔べたパターン部の第1変形例〕
これまでは、第1面21上において非配線領域25内にべたパターン部3Fが位置する例について説明した。これに対して、図32に示すように、べたパターン部3Fは、非配線領域25内において基材20の内部に埋め込まれていてもよい。
〔べたパターン部の第2変形例〕
また、図33に示すように、べたパターン部3Fは、第1面21と反対側の基材20の第2面22上において非配線領域25内に位置していてもよい。
〔べたパターン部の第3変形例〕
また、図34に示すように、べたパターン部3Fは、支持基板40上において非配線領域25内に位置していてもよい。
〔べたパターン部の第4変形例〕
また、図35に示すように、配線領域24内に伸縮制御部30を備えた構成において、べたパターン部3Fは、伸縮制御部30と同様に基材20の伸縮を制御してもよい。この場合、べたパターン部3Fは、伸縮制御部30と同一の材料で構成してもよい。
配線領域24における曲げ剛性と非配線領域25における曲げ剛性とを均一化する観点から、非配線領域25の単位面積当たりのべたパターン部3Fの体積と弾性係数との積は、配線領域24の単位面積当たりの伸縮制御部30の体積と弾性係数との積の0.5倍以上2倍以下であることが好ましく、0.8倍以上1.3倍以下であることが更に好ましい。
(配線の変形例)
これまでは、第1方向D1に沿って延伸し、第1方向D1に沿って並ぶ複数の山部および谷部を含む蛇腹形状部57を有する配線52を備えた配線基板10の例について説明した。これに対して、図36に示すように、配線基板10は、更に、平面視において配線52に交差するように第1方向D1に交差する方向に延伸する第2配線52Aと、配線52と第2配線52Aとの交差位置において配線52と第2配線52Aとの間に位置する絶縁層7とを備えていてもよい。絶縁層7は、基材20の弾性係数よりも大きい弾性係数を有していてもよい。絶縁層7の弾性係数は、1GPa以上であることが好ましい。絶縁層7が柔らかすぎると、絶縁層7上の第2配線52Aが外部応力などで断線してしまう場合がある。絶縁層7の弾性係数を算出する方法は、基材20の弾性係数を算出する方法と同様であってもよく、異なっていてもよい。絶縁層7を構成する材料としては、一般的な熱可塑性エラストマーおよび熱硬化性エラストマーを用いることができ、例えば、スチレン系エラストマー、アクリル系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、ポリブタジエン、ポリクロロプレンが挙げられる。第2配線52Aの材料は、配線52と同じであってもよい。第2配線52Aは、第1方向D1に交差する方向に沿って並ぶ複数の山部および谷部を有する蛇腹形状部を備えていてもよい。
図36に示す例において、非配線領域25の単位面積当たりのドットパターン部3Aの体積と弾性係数との積は、配線領域24の単位面積当たりの配線52および第2配線52Aの体積と弾性係数との積の0.5倍以上2倍以下であることが好ましく、0.8倍以上1.3倍以下であることが更に好ましい。
(電子部品の変形例)
また、図37に示すように、図36に示した構成において、更に、電子部品51として、センサ511と、コンデンサ512とを備えてもよい。図37に示すように、センサ511は、配線52と第2配線52Aとの交差位置において第2配線52A上に位置していてもよい。
上述の実施の形態及び各変形例においては、配線基板10が、電子部品51を備える例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、配線基板10は、電子部品51を備えていなくてもよい。例えば、電子部品51が搭載されていない状態の基材20に蛇腹形状部57が生じていてもよい。また、電子部品51が搭載されていない状態の支持基板40が基材20に貼り合されてもよい。また、配線基板10は、電子部品51が搭載されていない状態で出荷されてもよい。
また、上述した実施形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。例えば、上述した各種のパターン部3A,3B,3D,3E,3Fのうち、2種類以上のパターン部が、同一の配線基板10の非配線領域25内に位置していてもよい。また、配線52の1つが接地線として用いられる場合、上述した各種のパターン部3A,3B,3D,3E,3Fは、当該接地線に接続されていてもよい。