JP2018148150A - 伸縮性基板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】伸張に対する耐久性を向上できる伸縮性基板を提供する。【解決手段】伸縮性基板10は、伸縮性を有する伸縮性基材20と、伸縮性基材20上に設けられた第1の樹脂部30と、第1の樹脂部30上に設けられた第2の樹脂部40と、第2の樹脂部40上に設けられた導体部50と、を備え、第1の樹脂部30のヤング率は、伸縮性基材20のヤング率以下であり、第2の樹脂部40のヤング率は、第1の樹脂部30のヤング率よりも高い。【選択図】 図2

Description

本発明は、伸縮性基板及びその製造方法に関するものである。
伸縮性基板として、伸縮性基材と、この伸縮性基材上に形成され、導電性微粒子及びエラストマーを含む導電パターンとを備え、エラストマーを架橋剤により架橋していないものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2014−236103号公報
一般に伸縮性基板では、伸縮性基材の変形に対して導体パターンが追従できなくなると、当該導体パターンにクラックが発生して、導体パターンの導電性が低下してしまうおそれがあるという問題がある。
一方で、上記の伸縮性基板のように、エラストマーを架橋剤により架橋せず高い柔軟性を付与することで、伸縮性基材の変形によって導体パターンにクラックが発生するのを抑制することが考えられるが、この場合、エラストマーの架橋密度が低下してしまうため、耐久性に劣るという問題がある。
本発明が解決しようとする課題は、導電性の低下を抑えつつ、耐久性を向上できる伸縮性基板及びその製造方法を提供することである。
[1]本発明に係る伸縮性基板は、伸縮性を有する基材と、前記基材上に設けられた第1の樹脂部と、前記第1の樹脂部上に設けられた第2の樹脂部と、前記第2の樹脂部上に設けられた導体部と、を備え、前記第1の樹脂部のヤング率は、前記基材のヤング率以下であり、前記第2の樹脂部のヤング率は、前記第1の樹脂部のヤング率よりも高い伸縮性基板である。
[2]上記発明において、前記導体部を覆うように前記第2の樹脂部上に設けられた第3の樹脂部をさらに備えてもよい。
[3]上記発明において、前記第3の樹脂部のヤング率は、前記第1の樹脂部のヤング率よりも高くてもよい。
[4]上記発明において、前記第2の樹脂部を構成する材料と前記第3の樹脂部を構成する材料とは、実質的に同一の材料であってもよい。
[5]上記発明において、前記第2の樹脂部のヤング率は、前記導体部のヤング率よりも低くてもよい。
[6]上記発明において、前記基材は、複数の繊維から構成された布であり、前記第1の樹脂部は、前記布の一方の主面に貼り付けられていてもよい。
[7]本発明に係る伸縮性基板の製造方法は、伸縮性を有する基材を準備する第1の工程と、前記基材上に第1の樹脂材料を配置する第2の工程と、前記第1の樹脂材料を硬化して、第1の樹脂部を形成する第3の工程と、前記第1の樹脂部上に第2の樹脂材料を配置する第4の工程と、前記第2の樹脂材料を硬化して、第2の樹脂部を形成する第5の工程と、前記第2の樹脂部上に導体部を形成する第6の工程と、を備え、前記第1の樹脂部のヤング率は、前記基材のヤング率以下であり、前記第2の樹脂部のヤング率は、前記第1の樹脂部のヤング率よりも高い伸縮性基板の製造方法である。
[8]本発明に係る伸縮性基板の製造方法は、転写基材、前記転写基材上に設けられた第3の樹脂部、前記第3の樹脂部上に設けられた導体部、前記導体部を覆うように前記第3の樹脂部上に設けられた第2の樹脂部、及び前記第2の樹脂部上に設けられた第1の樹脂部を備える中間体を準備する第7の工程と、前記中間体のうち前記第1の樹脂部を、伸縮性を有する基材に押し付ける第8の工程と、前記第3の樹脂部から前記転写基材を剥離する第9の工程と、を備え、前記第1の樹脂部のヤング率は、前記基材のヤング率以下であり、前記第2の樹脂部のヤング率は、前記第1の樹脂部のヤング率よりも高い伸縮性基板の製造方法である。
本発明によれば、基材と導体部との間に介在する第1の樹脂部が緩和層として機能するため、導体部にクラックが発生し難くなり、導体部の導電性が低下するのを抑制することができる。
また、耐久性に劣る第1の樹脂部を、当該第1の樹脂部のヤング率よりも高いヤング率を有する第2の樹脂部によって保護することで、伸縮性基板の耐久性を向上することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る外部回路同士を接続する伸縮性基板を示す斜視図である。 図2は、本発明の第1実施形態に係る伸縮性基板の幅方向に沿って切断した断面図である。 図3(A)〜図3(D)は、本発明の第1実施形態に係る伸縮性基板の製造方法を示す断面図である。 図4は、本発明の第2実施形態に係る伸縮性基板を示す平面図である。 図5は、本発明の第2実施形態に係る伸縮性基板の幅方向に沿って切断した断面図である。 図6(A)は、図4のVIA-VIA線に沿った断面図であり、図6(B)は、図4のVIB-VIB線に沿った断面図である。 図7(A)〜図7(C)は、本発明の第2実施形態に係る伸縮性基板の製造方法を示す断面図である。 図8は、本発明の第2実施形態に係る伸縮性基板を示す平面図であり、伸縮性基板をY方向に沿って伸張させた状態を示す。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
図1は本発明の第1実施形態に係る外部回路同士を接続する伸縮性基板を示す斜視図、
図2は本発明の第1実施形態に係る伸縮性基板の幅方向に沿って切断した断面図である。
図1に示す伸縮性基板10は、例えば、リジッド基板やフレキシブルプリント配線板(FPC)等の外部回路200同士を電気的に接続する伸縮性を有する配線基板である。このような伸縮性基板10は、特に限定しないが、例えば、産業用ロボット等の可動部、屈曲部や、ラップトップ型のパーソナルコンピュータの内部配線といった屈曲性、伸縮性が必要な箇所に適用される。このような伸縮性基板10は、図2に示すように、伸縮性基材20と、第1の樹脂部30と、第2の樹脂部40と、導体部50と、第3の樹脂部60と、を備えている。
伸縮性基材20は、伸縮性を有する矩形状に形成された板状部材である。この伸縮性基材20は、例えば、弾性体シート(エラストマーシート)や繊維からなる布帛を用いることができる。エラストマーとしては、例えば、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、又はフッ素ゴム等を用いることができる。なお、その他のエラストマー材料を用いてもよい。
伸縮性基材20のヤング率としては、0.1〜35MPaであることが好ましい。また、伸縮性基材20の最大伸度としては、5〜50%であることが好ましい。なお、最大伸度とは、各構成において弾性変形可能な伸び率の最大値のことを言う。また、伸縮性基材20の破断伸度としては、50%以上であることが好ましい。また、伸縮性基材20の厚みとしては、20〜300μmであることが好ましい。
第1の樹脂部30は、伸縮性基材20(具体的には、主面201)上に層状に設けられている。第1の樹脂部30も、伸縮性基材20と同様、伸縮性を有している。このような第1の樹脂部30を構成する材料としては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、シリコン樹脂を例示することができる。
第1の樹脂部30のヤング率としては、伸縮性基材20のヤング率以下であることが好ましく、伸縮性基材20と導体部50との間の緩和層としての機能を高める観点から、伸縮性基材20のヤング率よりも低いことがより好ましい。このような第1の樹脂部30のヤング率としては、0.1〜10MPaであることが好ましい。また、第1の樹脂部30の破断伸度としては、50%以上であることが好ましい。また、第1の樹脂部30の厚みとしては、10〜50μmであることが好ましい。
第2の樹脂部40は、第1の樹脂部30上に層状に設けられている。第2の樹脂部40も、伸縮性基材20と同様、伸縮性を有していることが好ましい。このような第2の樹脂部40を構成する材料としては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、シリコーンゴム樹脂を例示することができる。
第2の樹脂部40のヤング率としては、第1の樹脂部30のヤング率よりも高いことが好ましく、導体部50のヤング率よりも低いことがより好ましい。なお、第2の樹脂部40のヤング率は、伸縮性基材20のヤング率よりも高くてもよいし、伸縮性基材20のヤング率よりも低くてもよいし、伸縮性基材20のヤング率と同じであってもよい。このような第2の樹脂部40のヤング率としては、5〜100MPaであることが好ましい。また、第2の樹脂部40の最大伸度としては、5〜50%であることが好ましい。また、第2の樹脂部40の破断伸度としては、50%以上であることが好ましい。また、第2の樹脂部40の厚みとしては、5〜20μm程度であることが好ましい。
第2の樹脂部40には、直線パターンや曲線パターン等の任意のパターンから構成される導体部50が形成されている。この導体部50は、第2の樹脂部40上に、当該第2の樹脂部40から突出するように設けられている。
導体部50は、導電性粒子がバインダ中に分散されることで構成されている。この導体部50も、伸縮性基材20と同様、伸縮性を有していることが好ましい。ここでは、導体部50に含まれるバインダが伸縮性を有する材料により構成されることで、導体部50に伸縮性が付与されている。このようなバインダとしては、エラストマーを用いることが好ましく、例えば、アクリルゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、これらの2種以上の複合体等を用いることができる。導電性粒子としては、金、銀、白金、ルテニウム、鉛、錫、亜鉛、ビスマス等の金属又はこれらの合金からなる金属材料、若しくは、カーボン等の非金属材料を用いることができる。導電性粒子の形状としては、片鱗状又は不定状とされた形状であることが好ましい。
このような導体部50は、導電性ペーストを塗布して硬化させることで形成されている。導電性ペーストの具体例としては、導電性粒子、バインダ、水もしくは溶剤、及び各種添加剤を混合して構成する導電性ペーストを例示することができる。導電性ペーストに含まれる溶剤としては、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、シクロヘキサノン、イソホロン、テルピネオールを例示することができる。
導体部50のヤング率は、伸縮性基材20のヤング率よりも高くてもよいし、伸縮性基材20のヤング率よりも低くてもよいし、伸縮性基材20のヤング率と同じであってもよい。このような導体部50のヤング率としては、10〜200MPaであることが好ましい。また、導体部50の最大伸度としては、5〜50%であることが好ましい。また、導体部50の破断伸度としては、10〜100%であることが好ましい。また、導体部50の厚みとしては、1〜20μmであることが好ましい。
次に、本実施形態における伸縮性基板10の製造方法について、図3(A)〜図3(D)を参照しながら説明する。図3(A)〜図3(D)は本発明の第1実施形態に係る伸縮性基板の製造方法を示す断面図である。
まず、図3(A)に示すように、伸縮性基材20を準備する(第1の工程)。ここでは、伸縮性基材20として、エラストマーからなる弾性体シートを用いた。次に、図3(B)に示すように、伸縮性基材20上に第1の樹脂部30を構成する第1の樹脂材料100を配置する(第2の工程)。第1の樹脂材料100としては、上述の第1の樹脂部30を構成する材料を用いる。第1の樹脂材料100を伸縮性基材20上に配置する方法としては、スクリーン印刷法、スプレーコート法、バーコート法、ディップ法、インクジェット法等の種々の塗布方法を採用することができる。
次に、第1の樹脂材料100を硬化させ、第1の樹脂部30を形成する(第3の工程)。第1の樹脂材料100の硬化方法としては、紫外線、赤外線レーザ光等のエネルギ線照射、加熱、加熱冷却、乾燥等を採用することができる。
次に、図3(C)に示すように、第1の樹脂部30上に第2の樹脂部40を構成する第2の樹脂材料110を配置する(第4の工程)。第2の樹脂材料110としては、第2の樹脂部40を構成する樹脂材料を用いる。第2の樹脂材料110を第1の樹脂部30上に配置する方法としては、第1の樹脂材料100を伸縮性基材20上に配置する方法と同様の方法を用いることができる。
次に、第2の樹脂材料110を硬化させ、第2の樹脂部40を形成する(第5の工程)。第2の樹脂材料110の硬化方法としては、第1の樹脂材料100の硬化方法と同様の方法を用いることができる。
次に、図3(D)に示すように、第2の樹脂部40上に所定のパターンで構成された導体部50を形成する(第6の工程)。この導体部50は、例えば、上述の導電性ペーストを第2の樹脂部40上に塗布し、当該導電性ペーストを硬化させることで形成することができる。導電性ペーストを塗布する方法としては、スクリーン印刷法、スプレーコート法、バーコート法、ディップ法、インクジェット法等の種々の塗布方法を採用することができる。また、導電性ペーストを硬化させる方法としては、紫外線、赤外線レーザ光等のエネルギ線照射、加熱、加熱冷却、乾燥等を採用することができる。以上により、伸縮性基板10を得ることができる。
本実施形態の伸縮性基板10は、以下の効果を奏する。
本実施形態では、伸縮性基材20上に導体部50を直接形成するのではなく、伸縮性基材20と導体部50との間に、第1の樹脂部30と第2の樹脂部40とを介在させている。この第1の樹脂部30のヤング率は、伸縮性基材20のヤング率以下となっており、この場合、第1の樹脂部30が、伸縮性基材20の変形に追従する緩和層として機能できる。これによって、伸縮性基材20の変形に導体部50が追従できずに導体部50にクラックが生じてしまうのを抑制することができる。この結果、導体部50の導電性の低下を抑制することができる。
ここで、樹脂組成物(本実施形態では、例えば、第1の樹脂部30、第2の樹脂部40、及び導体部50のバインダ)では、ヤング率が高くなると、それに応じて、破断伸度が低下する傾向にあり、また、剛性が向上する傾向にあり、一方、ヤング率が低くなると、それに応じて、破断伸度が向上する傾向にあり、また、剛性が低下する傾向にある。本実施形態では、第1の樹脂部30を緩和層とするため、当該第1の樹脂部30のヤング率を比較的小さくしているが、これによって、第1の樹脂部30の剛性が低下してしまい、延いては、第1の樹脂部30の耐久性が低下する傾向にある。このような場合に、本実施形態では、第1の樹脂部30上に、第1の樹脂部30よりもヤング率の高い第2の樹脂部40を形成することで、第1の樹脂部30を保護している。これにより、耐久性に劣る第1の樹脂部30が伸縮性基板10の外部に曝されて劣化するのを抑制することができ、伸縮性基板10全体の耐久性の向上を図ることができる。
また、本実施形態では、第2の樹脂部40のヤング率は、導体部50のヤング率よりも低くなっている。このため、第2の樹脂部40も、第1の樹脂部30と同様、伸縮性基材20及び導体部50間の緩和層として機能できる。これにより、伸縮性基材20の変形に導体部50が追従できずに導体部50にクラックが生じてしまうのをさらに抑制することができる。この結果、導体部50の導電性の低下をさらに抑制することができる。
本実施形態における「伸縮性基板10」が本発明における「伸縮性基板」の一例に相当し、本実施形態における「伸縮性基材20」が本発明における「基材」の一例に相当し本実施形態における「第1の樹脂部30」が本発明における「第1の樹脂部」の一例に相当し、本実施形態における「第2の樹脂部40」が本発明における「第2の樹脂部」の一例に相当し、本実施形態における「第3の樹脂部60」が本発明における「第3の樹脂部」の一例に相当する。
<第2実施形態>
図4は本発明の第2実施形態に係る伸縮性基板を示す平面図、図5は本発明の第2実施形態に係る伸縮性基板の幅方向に沿って切断した断面図、図6(A)は図4のVIA-VIA線に沿った断面図、図6(B)は、図4のVIB-VIB線に沿った断面図である。なお、上述の実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略して、上述の実施形態においてした説明を援用する。なお、図4においては、本実施形態の伸縮性基板10Bを分かり易く説明するため、第1の樹脂部30、第2の樹脂部40B、及び第3の樹脂部60(後述)については、図示を省略し、導体部50については、破線により表示した。また、図6(A)及び図6(B)については、本実施形態の伸縮性基板10Bを分かり易く説明するため、第2の樹脂部40B、導体部50、及び第3の樹脂部60については、図示を省略した。
図4に示す伸縮性基板10Bでは、伸縮性基材20Bとして、複数の繊維により構成された織布(布)を用いる。この伸縮性基材20Bは、相互に交差する第1の繊維束21と第2の繊維束22とにより構成されている。第1の繊維束21は、1又は2以上の第1の繊維211を集合させることで構成されている。第1の繊維束21は、図中Y方向(伸縮性基板10Bの伸縮予定方向)に対して傾斜した方向(以下、第1の方向とも言う。)に延在し、複数の第1の繊維束21は、第1の方向に対して交差する方向(以下、第2の方向とも言う。)に並列されている。第2の繊維束22は、1又は2以上の第2の繊維221を集合させることで構成されている。第2の繊維束22は、第2の方向に延在し、複数の第2の繊維束22は、第1の方向に並列されている。伸縮性基材20Bでは、平面視において、複数の第1の繊維束21と、複数の第2の繊維束22とを相互に交差させて織り込むことで構成されている。
第1の繊維211及び第2の繊維221としては、例えば、レーヨン、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ポリウレタン、ビニロン、ポリエチレン、ナフィオン(登録商標)、アラミド、綿等を用いることができる。この第1の繊維211及び第2の繊維221は、伸縮性を有していてもよい。第1の繊維211と、第2の繊維221とは、相互に同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、第1の繊維211の数量と、第2の繊維221の数量とは、相互に同じであってもよいし、異なっていてもよい。
平面視において、相互に交差する第1の繊維束21と第2の繊維束22との間には、矩形状の間隙23が形成されている。この間隙23は、平面視において、相互に隣り合う第1の繊維束21,21と、相互に隣り合う第2の繊維束22,22とによって画定されている。
間隙23は、伸縮性基材20Bの一方の主面201に開口すると共に、伸縮性基材20Bの他方の主面202に開口しており、伸縮性基板20Bの一方の主面201と他方の主面202を連通している。この間隙23は、伸縮性基材20Bを厚さ方向に沿って真直ぐ延在するものでなくてもよく、両方の主面201,202で開口し、両方の主面201,202を連通していればよい。伸縮性基板10Bに変形に応じて、この間隙23が変形することで、伸縮性基材20B全体として伸縮性が発揮される。
第1の樹脂部30は、図5に示すように、伸縮性基材20Bの主面201に貼り付けられている。この第1の樹脂部30は、図6(A)及び図6(B)に示すように、主面201に位置する第1の繊維211及び第2の繊維221と密接しており、一の第1の繊維束21を構成する第1の繊維211同士の間に入り込むと共に、一の第2の繊維束22を構成する第2の繊維221同士の間に入り込んでいる。この第1の樹脂部30は、接触する第1の繊維211及び第2の繊維221の表面近傍に僅かに含浸しているが、第1の繊維211及び第2の繊維221の内部までは含浸していない。すなわち、本実施形態では、第1の繊維211及び第2の繊維221の内部に、第1の樹脂部30が完全に含浸していない。
この第1の樹脂部30は、間隙23を介して隣り合う第1の繊維束21同士の間にブリッジ状に形成されている。同様に、第1の樹脂部30は、間隙23を介して隣り合う第2の繊維束22同士の間にブリッジ状に形成されている。これにより、第1の樹脂部30は、伸縮性基材20Bの主面201に開口する間隙23を覆っている。また、第1の樹脂部30は、間隙23の内部に入り込んでおらず、間隙23の内部は、第1の樹脂部30により満たされていない。なお、第1の樹脂部30は、間隙23の内部を満たしていなければ、間隙23の開口近傍で間隙23の内部に僅かに入り込んでいてもよい。
このような第1の樹脂部30としては、上述の実施形態で説明した第1の樹脂部30と同様の材料を用いることができるが、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル、スチレンブタジエンゴム、シリコン等のホットメルト系の樹脂材料を用いることが好ましい。
第2の樹脂部40Bは、図5に示すように、第1の樹脂部30上に層状に設けられている。この第2の樹脂部40Bの上面には、有底の凹部41が形成されている。
導体部50は、第2の樹脂部40Bに埋設されており、第2の樹脂部40Bの凹部41内に配されている。本実施形態では、第2の樹脂部40Bの上面と導体部50の上面とは、同一平面上に位置しており、導体部50は、第2の樹脂部40Bから突出していない。
第3の樹脂部60は、導体部50を保護するためのオーバーコート層である。この第3の樹脂部60は、導体部50を覆うように第2の樹脂部40B上に設けられている。この第3の樹脂部60も、伸縮性基材20Bと同様、伸縮性を有していることが好ましい。このような第3の樹脂部60を構成する材料としては、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル、シリコン等を例示することができる。
第3の樹脂部60のヤング率としては、第1の樹脂部30のヤング率よりも高いことが好ましく、導体部50のヤング率よりも低いことがより好ましい。このような第3の樹脂部60のヤング率としては、5〜100MPaであることが好ましい。また、第3の樹脂部60の最大伸度としては、10〜50%であることが好ましい。また、第3の樹脂部60の破断伸度としては、50%以上であることが好ましい。また、第3の樹脂部60の厚みとしては、10〜20μmであることが好ましい。
また、第2の樹脂部40Bを構成する材料と、第3の樹脂部60を構成する材料とは、実質的に同一の材料であることが好ましい。この場合、第2の樹脂部40Bの第3の樹脂部60の界面は僅かに視認できる程度であり、第2の樹脂部40Bと第3の樹脂部60とは実質的に一体となっている。
次に、本実施形態の伸縮性基板10Bの製造方法について、図7(A)〜図7(C)を参照しながら説明する。図7(A)〜図7(C)は本発明の第2実施形態に係る伸縮性基板の製造方法を示す断面図である。
まず、図7(A)に示すように、転写基材130を準備する。この転写基材130は、第1の樹脂部30、第2の樹脂部40B、導体部50、及び第3の樹脂部60を、伸縮性基材20Bに支持させるまで一時的に支持するための基材である。この転写基材130としては、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)等の樹脂材料から構成される基材を用いることができる。なお、転写基材130を構成する材料は、第1の樹脂部30、第2の樹脂部40B、導体部50、及び第3の樹脂部60を仮に支持できる程度の剛性を有していればよく、その材料は特に上述に限定されず、より安価な材料を採用してもよい。
次に、準備した転写基材130上に第3の樹脂部60を構成する第3の樹脂材料140を配置する。この第3の樹脂材料140としては、第3の樹脂部60を構成する樹脂材料を用いる。第3の樹脂材料140を転写基材130上に配置する方法としては、第1実施形態で説明した第1の樹脂材料100を伸縮性基材20B上に配置する方法と同様の方法を用いることができる。
次に、第3の樹脂材料140を硬化させる。第3の樹脂材料140を硬化させる方法としては、第1実施形態で説明した第1の樹脂材料100の硬化方法と同様の方法を用いる。
次に、第3の樹脂部60上に導体部50を形成する。第3の樹脂部60上に導体部50を形成する方法としては、例えば、第1実施形態と同様、導電性材料120を第3の樹脂部60上に塗布し、導電性材料120を硬化させることで形成することができる。
次に、導体部50を覆うように第3の樹脂部60上に第2の樹脂部40Bを構成する第2の樹脂材料110を配置する。導体部50及び第3の樹脂部60上に第2の樹脂材料110を配置する方法としては、第1実施形態で説明した方法と同様の方法を用いる。
次に、導体部50及び第3の樹脂部60上に配置された第2の樹脂材料110を硬化させる。第2の樹脂材料110の硬化方法としては、第1実施形態で説明した方法と同様の方法を用いる。第2の樹脂材料110が導体部50を覆った状態で硬化されることで、導体部50に面する部分に凹部41が形成される。
次に、第2の樹脂部40B上に第1の樹脂部30を構成する第1の樹脂材料100を配置する。そして、第1の樹脂材料100を硬化させる。第1の樹脂材料100を配置する方法、及び、第1の樹脂材料100の硬化方法としては、第1実施形態で説明した方法を用いる。以上により、転写基材130、第3の樹脂部60、導体部50、第2の樹脂部40B、及び第1の樹脂部30が順に積層された中間体150が得られる(第7の工程)。
次に、図7(B)に示すように、準備した中間体150の第1の樹脂部30を加熱し溶融させた状態で、中間体150のうち第1の樹脂部30を、準備した伸縮性基材20Bに押し付ける(第8の工程)。次に、図7(C)に示すように、第1の樹脂部30を冷却させた後、第3の樹脂部60から転写基材130を剥離する(第9の工程)。これにより、第1の樹脂部30、第2の樹脂部40B、導体部50、及び第3の樹脂部60がこの順で伸縮性基材20B上に転写される。以上により、伸縮性基板10Bを得ることができる。
本実施形態の伸縮性基板10Bは、以下の効果を奏する。図8は本発明の第2実施形態に係る伸縮性基板を示す平面図であり、伸縮性基板をY方向に沿って伸張させた状態を示す。
複数の繊維を織り込むことで構成される織布には、通常、当該繊維間に間隙が形成されており、このような間隙が織布の主面に開口している。この織布に導体部を形成するため、当該織布の主面上に導電性材料を直接印刷すると、主面を構成する繊維上には導電性材料が残存できる一方で、主面に開口する間隙上には導電性材料が残存できない。このため、織布の主面に開口する間隙部分に応じて導体部に多数の欠損部分が生じてしまい、導体部の導電性が著しく低下するおそれがある。
また、織布においては、外力が加えられた際に、繊維間に存在する間隙が変形することで、当該織布の伸縮性が発揮される。この場合に、織布の主面上に流動性の高い導電性材料を直接印刷すると、当該織布の主面に開口する間隙の内部に導電性材料が流入し、当該間隙の内部が導電性材料によって満たされてしまう。これによって、織布の伸縮性が著しく低下してしまうおそれがある。
これに対し、本実施形態の伸縮性基板10Bは、布である伸縮性基材20Bの主面201に第1の樹脂部30を貼り付けており、この第1の樹脂部30上に第2の樹脂部40Bを介して導体部50を形成している。この場合、間隙23を介して隣り合う第1の繊維束21同士(第2の繊維束22同士)の間に第1の樹脂部30がブリッジ状に形成されて間隙23を覆うこととなるため、第1の樹脂部30上に第2の樹脂部40B及び導体部50を形成することができる。このため、主面202に開口する間隙23上においても導体部50に欠損部分が生じない。これによって、導体部50の導電性の低下を抑制することができる。
また、本実施形態では、第1の樹脂部30が間隙23を覆っているだけで、間隙23の内部が第1の樹脂部30によって満たされていない。このため、図8に示すように、伸縮性基板10Bの変形に応じて間隙23が変形できるので、伸縮性基材20B全体として伸縮性を発揮することができる。
ここで、樹脂組成物(本実施形態では、例えば、第1の樹脂部30、第2の樹脂部40B、導体部50のバインダ、及び第3の樹脂部60)では、ヤング率が高くなると、それに応じて、架橋密度が高くなる傾向にあり、また、ガス透過率が低くなる傾向にあり、一方、ヤング率が低くなると、それに応じて、架橋密度が低くなる傾向にあり、また、ガス透過率が高くなる傾向にある。本実施形態では、第1の樹脂部30を緩和層とするため、第1の樹脂部30のヤング率を比較的低くしており、このため、第1の樹脂部30のガス透過率が比較的高くなる傾向にある。
また、本実施形態では、伸縮性基材20Bが布であるため、両方の主面201,202に開口し、両方の主面201,202を連通する間隙23が存在している。このため、伸縮性基材20Bの主面202側から主面201側に向けて、伸縮性基材20B内を空気が通過してしまうことがある。
この場合、仮に、第1の樹脂部30上に直接導体部50を形成した場合、伸縮性基材20B内に侵入した空気が、伸縮性基材20B内を通過して主面201側に達し、さらにガス透過率の高い第1の樹脂部30内に入り込み、さらに第1の樹脂部30内を通過して導体部50に到達してしまう可能性がある。これによって、導体部50が空気によって劣化してしまうおそれがある。
これに対し、本実施形態では、第1の樹脂部30上に第2の樹脂部40Bを形成し、第2の樹脂部40B上に導体部50を形成している。すなわち、第1の樹脂部30と導体部50との間に第2の樹脂部40Bが介在している。この第2の樹脂部40Bのヤング率は、第1の樹脂部30のヤング率よりも高いため、第2の樹脂部40Bのガス透過率は、第1の樹脂部30のガス透過率に比べて低くなる傾向にある。このため、伸縮性基材20B内に空気が侵入し、さらに第1の樹脂部30を通過したとしても、第2の樹脂部40Bが第1の樹脂部30と導体部50との間に介在していることによって、侵入した空気が導体部50に到達し難くなっている。これによって、導体部50が空気によって劣化してしまうのを抑制することができる。
また、本実施形態では、導体部50は、第2の樹脂部40Bに埋設されており、第2の樹脂部40Bの凹部41内に配されている。これにより、第3の樹脂部60の上面を平坦とすることができる。
また、本実施形態では、第3の樹脂部60のヤング率は、第1の樹脂部のヤング率よりも高くなっている。この場合、第3の樹脂部60のガス透過率は、比較的低くなる傾向にあり、このような第3の樹脂部60により導体部50を覆うことで、導体部50が空気によって劣化してしまうのを抑制することができる。
また、本実施形態では、第2の樹脂部40Bを構成する材料と第3の樹脂部60を構成する材料とが実質的に同一の材料となっている。この場合、第2の樹脂部40Bと第3の樹脂部60との界面が殆ど存在せず、第2の樹脂部40Bと第3の樹脂部60とが実質的に一体となっている。このような第2の樹脂部40B及び第3の樹脂部60に導体部50が覆われていることで、導体部50が空気によって劣化してしまうのをさらに抑制することができる。
また、第2の樹脂部40Bのヤング率と第3の樹脂部60のヤング率とが実質的に同一となるため、外力を加えた場合、第2の樹脂部40Bと第3の樹脂部60とにおいて、ほぼ同程度の伸びが生じる。このため、第2の樹脂部40B及び第3の樹脂部60間での剥離が生じ難くなり、伸縮性基板10Bが破壊されるのを抑制することができる。
また、第2の樹脂部40Bを構成する材料と第3の樹脂部60を構成する材料とが実質的に同一の材料である場合、第2の樹脂部40Bを構成する材料の熱膨張係数と第3の樹脂部60を構成する材料の熱膨張係数とが実質的に同一となる。このため、温度雰囲気が変化した場合、すなわち、周囲の温度が上昇/下降した場合に、第2の樹脂部40Bの膨張量/収縮量と、第3の樹脂部60の膨張量/収縮量と、が実質的に同一となるため、伸縮性基板10Bが破壊されるのを抑制することができる。
また、本実施形態の伸縮性基板10Bにおいても、上述の第1実施形態で説明した伸縮性基板10Bと同様の作用・効果を得ることができる。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、第1実施形態で説明した伸縮性基板10の製造方法を用いて、第2実施形態で説明した伸縮性基板10Bを製造してもよい。また、第2実施形態で説明した伸縮性基板10Bの製造方法を用いて第1実施形態で説明した伸縮性基板10を製造してもよい。
また、第2実施形態では、伸縮性基材として織布を用いたが、特にこれに限定されず、複数の繊維がランダムに配列された不織布(布)を用いて伸縮性基材を構成してもよい。この場合、不織布を構成する繊維としては、第2実施形態で説明した材料を用いることができる。本例においても、平面視において、相互に隣接する繊維同士の間に形成された間隙が、伸縮性基材の主面上に開口している。このような場合でも、不織布からなる伸縮性基材の主面上に第1の樹脂部を貼り付けて、当該第1の樹脂部上に第2の樹脂部を介して導体部を設けることで、上述の第2実施形態で説明した作用・効果と同様の作用・効果を得ることができる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。以下の実施例及び比較例は、上述した実施形態における伸縮性基板の導電性低下の抑制効果を確認するためのものである。
<実施例1>
実施例1では、伸縮性基材として、ポリエステルからなる繊維によって構成され、ヤング率が28.9MPaある布を準備した。伸縮性基材のヤング率は、万能試験機(引張・圧縮試験機)によって測定した。そして、この布上に、ポリウレタンとスチレンブタジエンゴムからなる樹脂材料を印刷し、当該樹脂材料を硬化させて、ヤング率が1MPaである第1の樹脂部を形成した。そして、第1の樹脂部上に、ポリウレタンからなる樹脂材料を印刷し、当該樹脂材料を硬化させて、ヤング率が15MPaである第2の樹脂部を形成した。そして、第2の樹脂部上に、銀粉とポリエステル樹脂からなる導電性ペーストを塗布し、当該導電性ペーストを硬化させて、ヤング率が80MPaである導体部を形成した。以上により得られた試験サンプルを用いて試験片をJIS K6251に記載されているダンベル状6号の形状に打ち抜き作成し、以下の試験を行った。
≪伸張耐久試験(1)≫
得られた試験片を、当該試験片の全長に対して20%伸張した。そして、試験片の導体部にクラックが生じているか否かを目視により判定した。導体部にクラックが生じていない場合には、結果を「○」として、伸縮性基板の導電性の低下の抑制効果に優れると判定した。一方、導体部にクラックが生じた場合には、結果を「×」として、伸縮性基板の導電性の低下の抑制効果に劣ると判定した。結果を表1に示す。
≪伸張耐久試験(2)≫
得られた試験片に対して、万能試験機を用いて引張り試験を行い、ヤング率を算出した。結果を表1に示す。
<実施例2>
実施例2では、シリコン処理されたPETフィルムからなる転写基材上に、ポリウレタンからなる樹脂材料を印刷し、当該樹脂材料を硬化させて第3の樹脂部を形成した。そして、第3の樹脂部上に導体部を形成した。この導体部は、実施例1と同じ導電性ペーストを第3の樹脂部上に塗布し、硬化させることで形成した。そして、導体部を覆うように第3の樹脂部上に、実施例1と同じ樹脂材料を印刷し、当該樹脂材料を硬化させて第2の樹脂部を形成した。そして、第2の樹脂部上に、実施例1と同じ樹脂材料を印刷し、当該樹脂材料を硬化させて第1の樹脂部を形成した。そして、第1の樹脂部を加熱溶融させて、伸縮性基板に押し付けた。伸縮性基材としては、実施例1で用いた伸縮性基材と同様の布を用いた。そして、第1の樹脂部を冷却し再度硬化させた後、転写基材を第3の樹脂部から剥離させた。以上により試験サンプルを得た。この試験サンプルにおいて、伸縮性基材、第1の樹脂部、第2の樹脂部、及び導体部のそれぞれのヤング率は、実施例1と同じとした。この試験サンプルを用いて試験片を作成し、上述の伸張耐久試験(1)及び伸張耐久試験(2)を行った。結果を表1に示す。
<比較例>
比較例では、伸縮性基材上に、導体部を直接形成した。伸縮性基材としては、実施例1で用いた伸縮性基材と同様の布を用いた。導体部としては、実施例1と同じ導電性ペーストを伸縮性基材上に塗布し、硬化させることで形成した。以上により、試験サンプルを得た。この試験サンプルにおいて、伸縮性基材及び導体部のそれぞれのヤング率は、実施例1と同じとした。この試験サンプルを用いて試験片を作成し、上述の伸張耐久試験(1)及び伸張耐久試験(2)を行った。結果を表1に示す。
Figure 2018148150
<実施例、比較例の評価>
表1に示すように、伸縮性基材上に、当該伸縮性基材のヤング率以下のヤング率を有する第1の樹脂部を設け、当該第1の樹脂部上に、当該第1の樹脂部のヤング率よりも高い第2の樹脂部を設け、当該第2の樹脂部上に導体部を設けた実施例1及び実施例2においては、伸縮性基材上に導体部を直接設けた比較例と比較して、クラックが発生しておらず、伸縮性基板を伸張させても、導体部の導電性が低下し難いことが確認できる。
なお、実施例1及び実施例2における伸張耐久試験(2)の結果から、実施例2に係る伸縮性基板のヤング率が、実施例1に係る伸縮性基板のヤング率に対して低いものであったが、その原因としては、実施例1では、伸縮性基材上に第1の樹脂部を構成する樹脂材料を塗布したことで、当該伸縮性基材の主面に開口する間隙に第1の樹脂部が入り込み、当該間隙の内部が第1の樹脂部によって満たされたことで、伸縮性基材の伸縮性が損なわれたためと考えられる。
10…伸縮性基板
20…伸縮性基材
201,202…主面
21…第1の繊維束
211…第1の繊維
22…第2の繊維束
221…第2の繊維
23…間隙
30…第1の樹脂部
40…第2の樹脂部
41…凹部
50…導体部
60…第3の樹脂部
100…第1の樹脂材料
110…第2の樹脂材料
120…導電性材料
130…転写基材
140…第3の樹脂材料
150…中間体

Claims (8)

  1. 伸縮性を有する基材と、
    前記基材上に設けられた第1の樹脂部と、
    前記第1の樹脂部上に設けられた第2の樹脂部と、
    前記第2の樹脂部上に設けられた導体部と、を備え、
    前記第1の樹脂部のヤング率は、前記基材のヤング率以下であり、
    前記第2の樹脂部のヤング率は、前記第1の樹脂部のヤング率よりも高い伸縮性基板。
  2. 請求項1に記載の伸縮性基板であって、
    前記導体部を覆うように前記第2の樹脂部上に設けられた第3の樹脂部をさらに備える伸縮性基板。
  3. 請求項2に記載の伸縮性基板であって、
    前記第3の樹脂部のヤング率は、前記第1の樹脂部のヤング率よりも高い伸縮性基板。
  4. 請求項2又は3に記載の伸縮性基板であって、
    前記第2の樹脂部を構成する材料と前記第3の樹脂部を構成する材料とは、実質的に同一の材料である伸縮性基板。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載の伸縮性基板であって、
    前記第2の樹脂部のヤング率は、前記導体部のヤング率よりも低い伸縮性基板。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載の伸縮性基板であって、
    前記基材は、複数の繊維から構成された布であり、
    前記第1の樹脂部は、前記布の一方の主面に貼り付けられている伸縮性基板。
  7. 伸縮性を有する基材を準備する第1の工程と、
    前記基材上に第1の樹脂材料を配置する第2の工程と、
    前記第1の樹脂材料を硬化して、第1の樹脂部を形成する第3の工程と、
    前記第1の樹脂部上に第2の樹脂材料を配置する第4の工程と、
    前記第2の樹脂材料を硬化して、第2の樹脂部を形成する第5の工程と、
    前記第2の樹脂部上に導体部を形成する第6の工程と、を備え、
    前記第1の樹脂部のヤング率は、前記基材のヤング率以下であり、
    前記第2の樹脂部のヤング率は、前記第1の樹脂部のヤング率よりも高い伸縮性基板の製造方法。
  8. 転写基材、前記転写基材上に設けられた第3の樹脂部、前記第3の樹脂部上に設けられた導体部、前記導体部を覆うように前記第3の樹脂部上に設けられた第2の樹脂部、及び前記第2の樹脂部上に設けられた第1の樹脂部を備える中間体を準備する第7の工程と、
    前記中間体のうち前記第1の樹脂部を、伸縮性を有する基材に押し付ける第8の工程と、
    前記第3の樹脂部から前記転写基材を剥離する第9の工程と、を備え、
    前記第1の樹脂部のヤング率は、前記基材のヤング率以下であり、
    前記第2の樹脂部のヤング率は、前記第1の樹脂部のヤング率よりも高い伸縮性基板の製造方法。
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