JP6826786B1 - 配線基板及び配線基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

配線基板は、第1面及び第1面の反対側に位置する第2面を含み、伸縮性を有する基材と、基材の第1面側に位置する配線と、基材の第1面と配線との間に位置し、基材よりも小さい弾性係数を有する応力緩和層と、を備える。

Description

本開示の実施形態は、伸縮性を有する基材と、配線とを備える配線基板及びその製造方法に関する。
近年、伸縮性などの変形性を有する電子デバイスの研究がおこなわれている。例えば、伸縮性を有する基材に伸縮性を有する銀配線を形成したものや、伸縮性を有する基材に馬蹄形の配線を形成したものが知られている(例えば特許文献1参照)。また、特許文献2は、基材と、基材に設けられた配線と、を備え、伸縮性を有する配線基板を開示している。特許文献2においては、予め伸長させた状態の基材に回路を設け、回路を形成した後に基材を弛緩させる、という製造方法を採用している。
特開2013−187308号公報 特開2007−281406号公報
伸縮性を有する基材が変形し、内部に応力が生じている場合、基材に加えられる外力が一定の場合であっても、基材に経時的な変形が生じることがある。この場合、基材の経時的な変形に起因して配線も変形し、配線の抵抗値などが変化してしまうことが考えられる。
本開示の実施形態は、このような課題を効果的に解決し得る配線基板及び配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
本開示の一実施形態は、第1面及び前記第1面の反対側に位置する第2面を含み、伸縮性を有する基材と、前記基材の前記第1面側に位置する配線と、前記基材の前記第1面と前記配線との間に位置し、前記基材よりも小さい弾性係数を有する応力緩和層と、を備える、配線基板である。
本開示の一実施形態による配線基板は、前記基材よりも大きい弾性係数を有する補強部材を備えていてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記配線は、前記基材の前記第1面の法線方向に沿って見た場合に前記補強部材と重なる端部を有していてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板は、前記基材の前記第1面の法線方向に沿って見た場合に前記補強部材と重なり、前記配線に電気的に接続される電子部品を更に備えていてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記基材及び前記応力緩和層は、同一のエラストマーを主成分として含んでいてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記基材は、シリコーンゴムを主成分として含んでいてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板は、支持基板を更に備えていてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記支持基板は、前記基材よりも大きい弾性係数を有し、前記配線を支持していてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記支持基板は、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリカーボネート、アクリル樹脂、又はポリエチレンテレフタラートを含んでいてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記配線は、前記配線が延びる方向に並ぶ複数の山部及び谷部を含む蛇腹形状部を有していてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記応力緩和層は、前記配線の前記蛇腹形状部の山部及び谷部の振幅の0.5倍以上の厚みを有していてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記応力緩和層は、前記配線の前記蛇腹形状部の山部の曲率半径の0.5倍以上の厚みを有していてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記基材の前記第1面のうち前記配線の前記蛇腹形状部に重なる部分に現れる山部及び谷部の振幅が、前記配線の前記蛇腹形状部の山部及び谷部の振幅よりも小さくてもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記基材の前記第1面のうち前記配線の前記蛇腹形状部に重なる部分に現れる山部及び谷部の振幅が、前記配線の前記蛇腹形状部の山部及び谷部の振幅の0.5倍以下であってもよい。
本開示の一実施形態による配線基板において、前記基材の前記第1面のうち前記配線の前記蛇腹形状部に重なる部分に現れる山部及び谷部の周期が、前記配線の前記蛇腹形状部の山部及び谷部の周期よりも小さくてもよい。
本開示の一実施形態は、第1面及び前記第1面の反対側に位置する第2面を含み、伸縮性を有する基材と、前記基材の前記第1面側に位置し、前記基材よりも小さい弾性係数を有する応力緩和層と、を含む積層体を準備する工程と、前記積層体に、少なくとも前記基材の第1面の面内方向の1つである第1方向において張力を加えて、前記積層体を伸長させる伸長工程と、前記伸長工程によって伸長した状態の前記積層体の前記応力緩和層上に配線を設ける配線形成工程と、前記積層体から張力を取り除く収縮工程と、を備える、配線基板の製造方法である。
本開示の実施形態によれば、配線に経時的な変形が生じることを抑制することができる。
一実施の形態に係る配線基板を示す平面図である。 図1の配線基板のA−A線に沿った断面図である。 図2の配線基板を拡大して示す断面図である。 配線基板の断面図のその他の例である。 配線基板の断面図のその他の例である。 配線基板の断面図のその他の例である。 配線基板の製造方法を説明するための図である。 比較の形態に係る配線基板を示す断面図である。 図8に示す比較の形態に係る配線基板に生じる経時的な変形の一例を示す断面図である。 第1の変形例に係る配線基板を示す断面図である。 図10の配線基板を拡大して示す断面図である。 第1の変形例に係る配線基板の製造方法を説明するための図である。 第2の変形例に係る配線基板を示す断面図である。 第3の変形例に係る配線基板を示す断面図である。 第4の変形例に係る配線基板を示す断面図である。 第5の変形例に係る配線基板を示す断面図である。 第6の変形例に係る配線基板を示す断面図である。
以下、本開示の実施形態に係る配線基板の構成及びその製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は本開示の実施形態の一例であって、本開示はこれらの実施形態に限定して解釈されるものではない。また、本明細書において、「基板」、「基材」、「シート」や「フィルム」など用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。例えば、「基板」は、基材、シートやフィルムと呼ばれ得るような部材も含む概念である。更に、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」や「直交」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。また、本実施形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図面の寸法比率は説明の都合上実際の比率とは異なる場合や、構成の一部が図面から省略される場合がある。
以下、図1乃至図7を参照して、本開示の一実施の形態について説明する。
(配線基板)
まず、本実施の形態に係る配線基板10について説明する。図1は、配線基板10を示す平面図である。図2は、図1の配線基板10のA−A線に沿った断面図である。
図1に示す配線基板10は、基材20、配線52及び応力緩和層30を少なくとも備える。以下、配線基板10の各構成要素について説明する。
〔基材〕
基材20は、少なくとも1つの方向において伸縮性を有するよう構成された部材である。基材20は、配線52側に位置する第1面21と、第1面21の反対側に位置する第2面22と、を含む。図1に示す例において、基材20は、第1面21の法線方向に沿って見た場合に、第1方向D1に延びる一対の辺と、第2方向D2に延びる一対の辺とを含む四角形状を有する。第1方向D1と第2方向D2とは、図1に示すように互いに直交していてもよく、図示はしないが直交していなくてもよい。以下の説明において、第1面21の法線方向に沿って配線基板10又は配線基板10の構成要素を見ることを、単に「平面視」とも称する。本実施の形態において、基材20は、少なくとも第1方向D1において伸縮性を有する。基材20は第1方向D1以外の方向においても伸縮性を有していてもよい。
基材20の厚みは、例えば10μm以上10mm以下であり、より好ましくは20μm以上3mm以下である。基材20の厚みを10μm以上にすることにより、基材20の耐久性を確保することができる。また、基材20の厚みを10mm以下にすることにより、配線基板10の装着快適性を確保することができる。なお、基材20の厚みを小さくしすぎると、基材20の伸縮性が損なわれる場合がある。
なお、基材20の伸縮性とは、基材20が伸び縮みすることができる性質、すなわち、常態である非伸長状態から伸長することができ、この伸長状態から解放したときに復元することができる性質をいう。以下の説明において、伸長状態から解放したときに復元することができる性質のことを、復元性とも称する。非伸長状態とは、引張応力が加えられていない時の基材20の状態である。本実施形態において、伸縮可能な基材は、好ましくは、破壊されることなく非伸長状態から1%以上伸長することができ、より好ましくは20%以上伸長することができ、更に好ましくは75%以上伸長することができる。このような能力を有する基材20を用いることにより、配線基板10が全体に伸縮性を有することができる。さらに、人の腕などの身体の一部に取り付けるという、高い伸縮が必要な製品や用途において、配線基板10を使用することができる。一般に、人の脇の下に取り付ける製品には、垂直方向において72%、水平方向において27%の伸縮性が必要であると言われている。また、人の膝、肘、臀部、足首、脇部に取り付ける製品には、垂直方向において26%以上42%以下の伸縮性が必要であると言われている。また、人のその他の部位に取り付ける製品には、20%未満の伸縮性が必要であると言われている。
また、非伸長状態にある基材20の形状と、非伸長状態から伸長された後に再び非伸長状態に戻ったときの基材20の形状との差が小さいことが好ましい。この差のことを、以下の説明において形状変化とも称する。基材20の形状変化は、例えば面積比で20%以下、より好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下である。形状変化の小さい基材20を用いることにより、後述する山部や谷部の形成が容易になる。
基材20の伸縮性を表すパラメータの例として、基材20の弾性係数を挙げることができる。基材20の弾性係数は、例えば10MPa以下であり、より好ましくは1MPa以下である。このような弾性係数を有する基材20を用いることにより、配線基板10全体に伸縮性を持たせることができる。以下の説明において、基材20の弾性係数のことを、第1の弾性係数とも称する。基材20の第1の弾性係数は、1kPa以上であってもよい。
基材20の第1の弾性係数を算出する方法としては、基材20のサンプルを用いて、JIS K6251に準拠して引張試験を実施するという方法を採用することができる。また、基材20のサンプルの弾性係数を、ISO14577に準拠してナノインデンテーション法によって測定するという方法を採用することもできる。ナノインデンテーション法において用いる測定器としては、ナノインデンターを用いることができる。基材20のサンプルを準備する方法としては、配線基板10から基材20の一部をサンプルとして取り出す方法や、配線基板10を構成する前の基材20の一部をサンプルとして取り出す方法が考えられる。その他にも、基材20の第1の弾性係数を算出する方法として、基材20を構成する材料を分析し、材料の既存のデータベースに基づいて基材20の第1の弾性係数を算出するという方法を採用することもできる。なお、本願における弾性係数は、25℃の環境下における弾性係数である。
基材20の伸縮性を表すパラメータのその他の例として、基材20の曲げ剛性を挙げることができる。曲げ剛性は、対象となる部材の断面二次モーメントと、対象となる部材を構成する材料の弾性係数との積であり、単位はN・m又はPa・mである。基材20の断面二次モーメントは、配線基板10の伸縮方向に直交する平面によって、基材20のうち配線52と重なっている部分を切断した場合の断面に基づいて算出される。
基材20は、エラストマーを主成分として含んでいてもよい。また、基材20は、織物、編物、不織布などの布を主成分として含んでいてもよい。なお「主成分」とは、対象となる構成要素において51重量%以上を占める成分である。エラストマーとしては、一般的な熱可塑性エラストマーおよび熱硬化性エラストマーを用いることができ、具体的には、ポリウレタン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ニトリル系エラストマー、オレフィン系エラストマー、塩ビ系エラストマー、エステル系エラストマー、アミド系エラストマー、1,2−BR系エラストマー、フッ素系エラストマー、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、ポリスチレンブタジエン、ポリクロロプレン等を用いることができる。機械的強度や耐磨耗性を考慮すると、ウレタン系エラストマーを用いることが好ましい。また、基材20が、ポリジメチルシロキサンなどのシリコーンを含んでいてもよい。シリコーンは、耐熱性・耐薬品性・難燃性に優れており、基材20の材料として好ましい。
〔配線〕
配線52は、導電性を有し、平面視において細長い形状を有する部材である。図1に示す例において、配線52は、基材20の第1面21の面内方向の1つである第1方向D1に延びている。
本実施の形態において、配線52は、基材20の第1面21側に位置している。図2に示すように、基材20の第1面21と配線52との間には応力緩和層30が位置している。
配線52の材料としては、後述する蛇腹形状部の解消及び生成を利用して基材20の伸長及び収縮に追従することができる材料が用いられる。配線52の材料は、それ自体が伸縮性を有していてもよく、伸縮性を有していなくてもよい。
配線52に用いられ得る、それ自体は伸縮性を有さない材料としては、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、白金、クロム等の金属や、これらの金属を含む合金が挙げられる。配線52の材料自体が伸縮性を有さない場合、配線52としては、金属膜を用いることができる。
配線52に用いられる材料自体が伸縮性を有する場合、材料の伸縮性は、例えば、基材20の伸縮性と同様である。配線52に用いられ得る、それ自体が伸縮性を有する材料としては、例えば、導電性粒子およびエラストマーを含有する導電性組成物が挙げられる。導電性粒子としては、配線に使用できるものであればよく、例えば、金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、白金、カーボン等の粒子が挙げられる。中でも、銀粒子が好ましく用いられる。
好ましくは、配線52は、変形に対する耐性を有する構造を備える。例えば、配線52は、ベース材と、ベース材の中に分散された複数の導電性粒子とを有する。この場合、ベース材として、樹脂などの変形可能な材料を用いることにより、基材20の伸縮に応じて配線52も変形することができる。また、変形が生じた場合であっても複数の導電性粒子の間の接触が維持されるように導電性粒子の分布や形状を設定することにより、配線52の導電性を維持することができる。
配線52のベース材を構成する材料としては、一般的な熱可塑性エラストマーおよび熱硬化性エラストマーを用いることができ、例えば、スチレン系エラストマー、アクリル系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、ポリブタジエン、ポリクロロプレン等を用いることができる。中でも、ウレタン系、シリコーン系構造を含む樹脂やゴムが、その伸縮性や耐久性などの面から好ましく用いられる。また、配線52の導電性粒子を構成する材料としては、例えば銀、銅、金、ニッケル、パラジウム、白金、カーボン等の粒子を用いることができる。中でも、銀粒子が好ましく用いられる。
配線52の厚みは、基材20の伸縮に耐え得る厚みであればよく、配線52の材料等に応じて適宜選択される。
例えば、配線52の材料が伸縮性を有さない場合、配線52の厚みは、25nm以上100μm以下の範囲内とすることができ、50nm以上50μm以下の範囲内であることが好ましく、100nm以上5μm以下の範囲内であることがより好ましい。
また、配線52の材料が伸縮性を有する場合、配線52の厚みは、5μm以上60μm以下の範囲内とすることができ、10μm以上50μm以下の範囲内であることが好ましく、20μm以上40μm以下の範囲内であることがより好ましい。
配線52の幅は、配線52に求められる電気抵抗値に応じて適宜選択される。配線52の幅は、例えば1μm以上であり、好ましくは50μm以上である。また、配線52の幅は、例えば10mm以下であり、好ましくは1mm以下である。
配線52の形成方法は、材料等に応じて適宜選択される。例えば、基材20を含む後述する伸縮性積層体38上または後述する支持基板40上に蒸着法やスパッタリング法、金属箔の積層等により金属膜を形成した後、フォトリソグラフィ法により金属膜をパターニングする方法が挙げられる。伸縮性積層体38上または後述する支持基板40上に金属箔を積層する場合、伸縮性積層体38または支持基板40と金属箔との間に接着層などが介在されていてもよい。また、配線52の材料自体が伸縮性を有する場合、例えば、伸縮性積層体38上または支持基板40上に一般的な印刷法により上記の導電性粒子およびエラストマーを含有する導電性組成物をパターン状に印刷する方法が挙げられる。これらの方法のうち、材料効率がよく安価に製作できる印刷法が好ましく用いられ得る。
〔応力緩和層〕
応力緩和層30は、基材20に生じる変形が配線52に及ぼす影響を緩和するために基材20の第1面21と配線52との間に設けられている層である。図1に示す例において、応力緩和層30は、基材20の第1面21の全域にわたって設けられている。なお、図示はしないが、応力緩和層30は、配線52と平面視において重ならない領域には設けられていなくてもよい。
応力緩和層30は、基材20の第1の弾性係数よりも小さい弾性係数を有する。応力緩和層30の弾性係数は、例えば2MPa以下であり、0.1MPa以下であってもよく、0.07MPa以下であってもよく、0.05MPa以下であってもよく、0.03MPa以下であってもよい。応力緩和層30が小さい弾性係数を有することにより、変形に対する応力緩和層30の復元性を低くすることができる。例えば、応力緩和層30自体は、後述する伸長工程から解放したときに復元できる程度の復元性を有していなくてもよい。この場合であっても、基材20が復元性を有しているので、基材20及び応力緩和層30を含む積層体全体としては、元の寸法に復元することができる。応力緩和層30の復元性が低いことにより、基材20の経時的な変形に起因して配線52が変形することを抑制することができる。以下の説明において、応力緩和層30の弾性係数のことを、第2の弾性係数とも称する。
応力緩和層30は、エラストマーを主成分として含んでいてもよい。例えば、応力緩和層30は、基材20に主成分として含まれるエラストマーと同一のエラストマーを主成分として含んでいてもよい。応力緩和層30のエラストマーとしては、基材20のエラストマーとして例示したものを用いることができる。
応力緩和層30の弾性係数は、基材20の弾性係数に対して相対的に定められていてもよい。例えば、応力緩和層30の弾性係数は、基材20の弾性係数の0.7倍以下であってもよく、0.5倍以下であってもよく、0.3倍以下であってもよく、0.1倍以下であってもよい。また、応力緩和層30の弾性係数は、基材20の弾性係数の0.01倍以上であってもよく、0.03倍以上であってもよく、0.05倍以上であってもよく、0.1倍以上であってもよく、0.3倍以上であってもよく、0.5倍以上であってもよい。基材20の弾性係数に対する応力緩和層30の弾性係数の比率の範囲は、上述の上限値のいずれかと下限値のいずれかとの組み合わせによって定められてもよい。例えば、応力緩和層30の弾性係数は、基材20の弾性係数の0.01倍以上0.7倍以下であってもよく、0.01倍以上0.5倍以下であってもよく、0.01倍以上0.3倍以下であってもよく、0.03倍以上0.7倍以下であってもよく、0.05倍以上0.7倍以下であってもよく、0.1倍以上0.7倍以下であってもよく、0.3倍以上0.7倍以下であってもよく、0.5倍以上0.7倍以下であってもよい。
応力緩和層30の第2の弾性係数を算出する方法は、応力緩和層30の形態に応じて適宜定められる。例えば、応力緩和層30の第2の弾性係数を算出する方法として、上述の基材20の弾性係数を算出する方法と同様に、応力緩和層30のサンプルを用いて、JIS K6251に準拠して引張試験を実施するという方法を採用することができる。また、応力緩和層30のサンプルの弾性係数を、ISO14577に準拠してナノインデンテーション法によって測定するという方法を採用することもできる。
応力緩和層30の機械特性を表すパラメータのその他の例として、応力緩和層30の硬さを挙げることができる。硬さの測定方法は、対象物の形態や硬さに応じて適宜定められる。例えば、JIS K 6253−1997又はASTM D2240−2005に準拠したタイプAデュロメータ硬さ試験やタイプDデュロメータ硬さ試験を採用することができる。具体的には、応力緩和層30などの測定対象のサンプルに押針を10Nの荷重で接触させ、3秒後の目盛を読み取る。以下の記載において、デュロメータ硬さ試験によって測定された硬さのことを、「デュロメータA5」のように表す。「A」がデュロメータのタイプを表し、「5」が硬さを表している。
応力緩和層30の硬さは、基材20の硬さよりも小さい。応力緩和層30の硬さは、例えばデュロメータA50以下であり、デュロメータA30以下であってもよく、デュロメータA10以下であってもよく、デュロメータA5以下であってもよい。応力緩和層30が小さい硬さを有することにより、変形に対する応力緩和層30の復元性を低くすることができる。
応力緩和層30の厚みは、基材20の伸縮に耐え得る厚みであればよく、応力緩和層30の材料等に応じて適宜選択される。応力緩和層30の厚みは、例えば、0.1μm以上とすることができ、1μm以上であってもよく、10μm以上であってもよい。応力緩和層30の厚みは、後述する接着層60の厚みよりも大きくてもよい。また、応力緩和層30の厚みは、例えば、5mm以下とすることができ、1mm以下であってもよく、500μm以下であってもよく、100μm以下であってもよい。応力緩和層30が薄すぎると、基材20の変形に起因する応力を緩和する効果が十分に得られない場合がある。また、応力緩和層30が厚すぎると、後述する蛇腹形状部55が配線52に形成されにくくなる。
応力緩和層30の厚みは、基材20の厚みに対して相対的に定められていてもよい。例えば、応力緩和層30の厚みは、基材20の厚みの0.5倍以上であってもよく、0.8倍以上であってもよく、1.0倍以上であってもよく、1.2倍以上であってもよく、1.5倍以上であってもよく、2.0倍以上であってもよい。また、応力緩和層30の厚みは、基材20の厚みの3.0倍以下であってもよく、2.5倍以下であってもよく、2.0倍以下であってもよい。
応力緩和層30は、通常、粘着性を有さない。配線基板10は、基材20と後述する支持基板40との間などに位置する接着層を備える場合がある。応力緩和層30は、そのような接着層とは区別される層である。応力緩和層30の粘着力は、例えば0.01N/25mm以下であり、0.005N/25mm以下であってもよく、0.001N/25mm以下であってもよい。
応力緩和層30の粘着力の測定方法としては、応力緩和層30のサンプルを用いて180°剥離試験を実施するという方法を採用することができる。応力緩和層30のサンプルを準備する方法としては、配線基板10から応力緩和層30の一部をサンプルとして取り出す方法や、配線基板10を構成する前の応力緩和層30の一部をサンプルとして取り出す方法が挙げられる。その他にも、応力緩和層30を構成する材料を分析し、材料の既存のデータベースに基づいて応力緩和層30の粘着力を求めるという方法を採用することもできる。180°剥離試験においては、まず、25mm幅の試験片を採取し、試験片の応力緩和層30側の面に、25mm幅のガラス板を貼り合せる。次に、引張試験機を用いて、引張速度:1200mm/分、剥離角:180°、温度:20℃、湿度:50%の条件で、ガラス板に対する粘着力(N/25mm)を測定する。
応力緩和層30は、伸縮性を有していてもよい。応力緩和層30の伸縮性とは、上述の基材20の伸縮性と同様に、応力緩和層30が伸び縮みすることができる性質、すなわち、常態である非伸長状態から伸長することができ、この伸長状態から解放したときに復元することができる性質をいう。本実施形態において、伸縮可能な応力緩和層30は、好ましくは、破壊されることなく非伸長状態から1%以上伸長することができ、より好ましくは20%以上伸長することができる。このような能力を有する応力緩和層30を用いることにより、配線基板10の伸縮性を高めることができる。
また、上述の基材20と同様に、応力緩和層30の形状変化が小さいことが好ましい。応力緩和層30の形状変化は、例えば面積比で20%以下である。形状変化の小さい応力緩和層30を用いることにより、後述する山部や谷部の形成が容易になる。
応力緩和層30の形成方法は、材料等に応じて適宜選択される。例えば、基材20を準備した後、応力緩和層30を構成する材料を塗布法などにより基材20上に設けることにより、基材20の第1面21に応力緩和層30が積層された積層体を得ることができる。また、所定の型の中に、基材20を構成する材料及び応力緩和層30を構成する材料を流し込み、材料を固化させることによって、基材20の第1面21に応力緩和層30が積層された積層体を得ることもできる。
以下の説明において、少なくとも基材20及び応力緩和層30を含み、後述する伸長工程において伸長される積層体のことを、伸縮性積層体とも称する。
次に、配線基板10の断面形状について詳細に説明する。図3は、図2の配線基板10を拡大して示す図である。
後述するように、配線52は、張力を加えられて第1伸長量で伸長された状態の基材20及び応力緩和層30を含む伸縮性積層体38に設けられる。この場合、伸縮性積層体38から張力が取り除かれて伸縮性積層体38が収縮するとき、配線52は、図3に示すように、蛇腹状に変形して蛇腹形状部55を有するようになる。
配線52の蛇腹形状部55は、配線52が延びる第1方向D1方向に沿って並ぶ複数の山部53を含む。山部53は、配線52の表面において第1面21の法線方向に隆起した部分である。図3に示すように、配線52が延びる方向において隣り合う2つの山部53の間には谷部54が存在していてもよい。
配線52の山部53及び谷部54は、配線52が延びる方向に並んでいる。しかしながら、これに限られることはなく、図示はしないが、配線52の山部53及び谷部54が並ぶ方向と、配線52が延びる方向とが一致していなくてもよい。また、図3においては、蛇腹形状部55の複数の山部53及び谷部54が一定の周期で並ぶ例が示されているが、これに限られることはない。図示はしないが、蛇腹形状部55の複数の山部53及び谷部54は、不規則に並んでいてもよい。例えば、隣り合う2つの山部53の間の間隔が一定でなくてもよい。
図3において、符号S1は、第1面21側における配線基板10の表面のうち配線52の蛇腹形状部55に平面視において重なる部分に現れる山部及び谷部の振幅を表す。図3に示す例においては、配線52が配線基板10の表面に位置しているので、振幅S1は、配線52の山部53及び谷部54の振幅である。
振幅S1は、例えば1μm以上であり、より好ましくは10μm以上である。振幅S1を10μm以上とすることにより、伸縮性積層体38の伸長に追従して配線52が変形し易くなる。また、振幅S1は、例えば500μm以下であってもよい。
なお、上述の応力緩和層30は、配線52の山部53及び谷部54の形状が経時的に変化することを抑制するための層であるので、応力緩和層30は、配線52の山部53及び谷部54の振幅S1に対応する厚みを有することが好ましい。例えば、応力緩和層30の厚みは、配線52の山部53及び谷部54の振幅S1の好ましくは0.5倍以上であり、0.7倍以上であってもよく、1.0倍以上であってもよく、1.5倍以上であってもよい。また、応力緩和層30の厚みは、配線52の山部53の曲率半径の好ましくは0.5倍以上であり、0.7倍以上であってもよく、1.0倍以上であってもよく、1.5倍以上であってもよい。
山部及び谷部の振幅は、例えば、山部及び谷部が並ぶ方向における一定の範囲にわたって、隣り合う山部と谷部との間の、伸縮性積層体38の法線方向における距離を測定し、それらの平均を求めることにより算出される。「山部及び谷部が並ぶ方向における一定の範囲」は、例えば10mmである。隣り合う山部と谷部との間の距離を測定する測定器としては、レーザー顕微鏡などを用いた非接触式の測定器を用いてもよく、接触式の測定器を用いてもよい。また、断面写真などの画像に基づいて、隣り合う山部と谷部との間の距離を測定してもよい。
図3において、符号F1は、第1面21側における配線基板10の表面のうち配線52の蛇腹形状部55に平面視において重なる部分に現れる山部及び谷部の周期を表す。図3に示す例においては、配線52が配線基板10の表面に位置しているので、周期F1は、配線52の山部53及び谷部54の周期である。周期F1は、例えば10μm以上であり、より好ましくは100μm以上である。また、周期F1は、例えば100mm以下であり、より好ましくは10mm以下である。山部及び谷部の周期F1は、山部及び谷部が並ぶ方向における一定の範囲にわたって、複数の山部の間隔を測定し、それらの平均を求めることにより算出される。
図3に示すように、基材20の第1面21のうち配線52の蛇腹形状部55に平面視において重なる部分にも、配線52が延びる方向に沿って並ぶ複数の山部23や谷部24が現れてもよい。なお、基材20の第1面21に現れる山部23や谷部24の形状は、経時的に変化し得る。
図3において、符号S2は、基材20の第1面21において配線52が延びる方向に沿って並ぶ複数の山部23及び谷部24の振幅を表す。基材20の第1面21の山部23及び谷部24の振幅S2は、配線52の蛇腹形状部55の山部53及び谷部54の振幅よりも小さくてもよい。例えば、振幅S2は、振幅S1の0.9倍以下であってもよく、0.7倍以下であってもよく、0.5倍以下であってもよく、0.3倍以下であってもよい。また、振幅S2は、振幅S1の0.1倍以上であってもよく、0.2倍以上であってもよい。なお、「基材20の第1面21の山部23及び谷部24の振幅S2が、配線52の山部53及び谷部54の振幅S1よりも小さい」とは、基材20の第1面21に山部及び谷部が現れない場合を含む概念である。
図3において、符号F23、基材20の第1面21において配線52が延びる方向に沿って並ぶ複数の山部23及び谷部24の周期を表す。基材20の第1面21の山部23及び谷部24の周期F2は、配線52の蛇腹形状部55の山部53及び谷部54の周期F1と同一であってもよい。若しくは、周期F2は、周期F1よりも小さくてもよい。例えば、周期F2は、周期F1の0.9倍以下であってもよく、0.7倍以下であってもよく、0.5倍以下であってもよく、0.3倍以下であってもよい。また、周期F2は、周期F1の0.1倍以上であってもよく、0.2倍以上であってもよい。なお、「基材20の第1面21の山部23及び谷部24の周期F2が、配線52の山部53及び谷部54の周期F1よりも小さい」とは、基材20の第1面21に山部及び谷部が現れない場合を含む概念である。
上述するように、基材20は復元性を有する。このため、図3に示すように基材20の第1面21に山部23や谷部24が現れている場合、基材20には、山部23や谷部24を解消させて元の形状に戻ろうとする復元力が生じている。この場合、山部23や谷部24の形状が基材20の復元力によって経時的に変化することがある。例えば、基材20の第1面21の山部23の振幅S2や幅が経時的に小さくなることがある。
ここで本実施の形態においては、基材20の第1面21と配線52との間に、基材20よりも低い復元性を有する応力緩和層30が設けられている。このため、基材20の第1面21の山部23や谷部24の形状が経時的に変化した場合であっても、その影響が配線52に及ぶことを応力緩和層30によって抑制することができる。これにより、配線52の蛇腹形状部55に経時的な変形が生じることを抑制することができる。
図4は、配線基板10の断面形状のその他の例を示す図である。図4に示すように、配線基板10のうち基材20の第2面22側の表面にも、配線52が延びる方向に沿って並ぶ複数の山部25や谷部26が現れてもよい。図4に示す例において、第2面22側の山部25は、配線52の蛇腹形状部55の谷部54に重なる位置に現れ、第2面22側の谷部26は、配線52の蛇腹形状部55の山部53に平面視において重なる位置に現れている。
図4において、符号S3は、基材20の第2面22側における配線基板10の表面において配線52が延びる方向に沿って並ぶ複数の山部25及び谷部26の振幅を表す。第2面22側の山部25及び谷部26の振幅S3は、第1面21側の山部23及び谷部24の振幅S2と同一であってもよく、異なっていてもよい。例えば、第2面22側の山部25及び谷部26の振幅S3が、第1面21側の山部23及び谷部24の振幅S2よりも小さくてもよい。例えば、振幅S3は、振幅S2の0.9倍以下であってもよく、0.8倍以下であってもよく、0.6倍以下であってもよい。また、振幅S3は、振幅S2の0.1倍以上であってもよく、0.2倍以上であってもよい。なお、「第2面22側の山部25及び谷部26の振幅S3が、第1面21側の山部23及び谷部24の振幅S2よりも小さい」とは、配線基板10の第2面22側の表面に山部及び谷部が現れない場合を含む概念である。
図4において、符号F3は、基材20の第2面22側における配線基板10の表面において配線52が延びる方向に沿って並ぶ複数の山部25及び谷部26の周期を表す。第2面22側の山部25及び谷部26の周期F3は、第1面21側の山部23及び谷部24の周期F2と同一であってもよい。若しくは、周期F3は、周期F2よりも大きくてもよい。例えば、周期F3は、周期F2の1.1倍以上であってもよく、1.2倍以上であってもよく、1.5倍以上であってもよく、2.0倍以上であってもよい。なお、「第2面22側の山部25及び谷部26の周期F3が、第1面21側の山部23及び谷部24の周期F2よりも小さい」とは、配線基板10の第2面22側の表面に山部及び谷部が現れない場合を含む概念である。
図5は、配線基板10の断面図のその他の例を示している。図5に示すように、基材20の第1面21には山部及び谷部が現れていなくてもよい。このような基材20の第1面21は、例えば、後述する収縮工程の完了時には生じていた基材20の第1面21の山部及び谷部が、基材20の経時的な変形によって消滅することによって生じ得る。
図6は、配線基板10の断面図のその他の例を示している。図6に示すように、配線52の蛇腹形状部55において、山部53の幅W11が谷部54の幅W12よりも小さくてもよい。このような山部53は、例えば、基材20の第1面21の山部及び谷部が経時的に変形し、その影響が配線52の蛇腹形状部55に伝わることによって生じ得る。本実施の形態によれば、基材20の第1面21と配線52との間に応力緩和層30を設けることにより、谷部54の幅W12に対する山部53の幅W11の比率が小さくなり過ぎることを抑制することができる。これにより、例えば、山部53の曲率半径が小さくなり過ぎることを抑制することができる。なお、山部53の幅W11及び谷部54の幅W12は、振幅S1の中心における山部53の幅及び谷部54の幅である。山部53の幅W11は、好ましくは、谷部54の幅W12の0.3倍以上であり、0.5倍以上であってもよく、0.7倍以上であってもよい。また、山部53の幅W11は、谷部54の幅W12の0.9倍以下であってもよく、0.8倍以下であってもよく、0.7倍以下であってもよい。
図示はしないが、基材20の第1面21の山部23や谷部24の位置は、配線52の山部53や谷部54の位置からずれていてもよい。ずれ量は、例えば0.1×F1以上であり、0.2×F1以上であってもよい。また、基材20の第2面22の山部25や谷部26の位置は、基材20の第1面21の谷部24や山部23の位置からずれていてもよい。ずれ量は、例えば0.1×F2以上であり、0.2×F2以上であってもよい。
(配線基板の製造方法)
次に、図7(a)〜(c)を参照して、配線基板10の製造方法について説明する。
まず、図7(a)に示すように、基材20及び応力緩和層30を含む伸縮性積層体38を準備する。例えば、まず、基材20を準備する。続いて、基材20の第1面21に、応力緩和層30を構成する材料を塗布し、固化させる。このようにして、伸縮性積層体38を得ることができる。
続いて、図7(b)に示すように、第1方向D1において伸縮性積層体38に張力Tを加えて伸縮性積層体38を伸長させる伸長工程を実施する。伸縮性積層体38全体の伸長率(=(L1−L0)×100/L0)は、例えば10%以上且つ200%以下である。伸長工程は、伸縮性積層体38を加熱した状態で実施してもよく、常温で実施してもよい。伸縮性積層体38を加熱する場合、伸縮性積層体38の温度は例えば50℃以上且つ100℃以下である。
続いて、図7(b)に示すように、張力Tによって伸長した状態の伸縮性積層体38の応力緩和層30に配線52を設ける配線形成工程を実施する。例えば、ベース材及び導電性粒子を含む導電性ペーストを応力緩和層30に印刷する。
その後、図7(c)に示すように、伸縮性積層体38から張力Tを取り除く収縮工程を実施する。これにより、図7(c)において矢印Cで示すように、第1方向D1において伸縮性積層体38が収縮し、伸縮性積層体38の応力緩和層30に設けられている配線52にも変形が生じる。配線52の変形は、上述のように蛇腹形状部55として生じ得る。このようにして、蛇腹形状部が現れている配線基板10を得ることができる。
本実施の形態によれば、配線基板10の配線52が蛇腹形状部55を有している。このため、配線基板10の伸縮性積層体38が伸長する際、配線52は、蛇腹形状部55の起伏を低減するように変形することによって、すなわち蛇腹形状を解消することによって、伸縮性積層体38の伸長に追従することができる。このため、伸縮性積層体38の伸長に伴って配線52の全長が増加することや、配線52の断面積が減少することを抑制することができる。このことにより、配線基板10の伸長に起因して配線52の抵抗値が増加することを抑制することができる。また、配線52にクラックなどの破損が生じてしまうことを抑制することができる。
配線52の蛇腹形状部55によって得られる、配線52の電気抵抗値に関する効果の一例について説明する。ここでは、第1方向D1における張力が伸縮性積層体38に加えられていない第1状態における配線52の電気抵抗値を、第1電気抵抗値と称する。また、第1方向D1において伸縮性積層体38に張力を加えて伸縮性積層体38を第1状態に比べて30%伸長させた第2状態における配線52の抵抗値を、第2電気抵抗値と称する。本実施の形態によれば、配線52に蛇腹形状部55を形成することにより、第1電気抵抗値に対する、第1電気抵抗値と第2電気抵抗値の差の絶対値の比率を、20%以下にすることができ、より好ましくは10%以下にすることができ、更に好ましくは5%以下にすることができる。
また、本実施の形態によれば、基材20の第1面21と配線52との間に、基材20よりも低い復元性を有する応力緩和層30が設けられている。このため、収縮工程の後、基材20の形状が経時的に変化した場合であっても、その影響が配線52に及ぶことを応力緩和層30によって抑制することができる。これにより、配線52の蛇腹形状部55に経時的な変形が生じることを抑制することができる。
ここで比較のため、応力緩和層30が設けられていない場合について考える。例えば図8に示すように、配線52が基材20の第1面21に設けられている場合について考える。この場合、基材20の復元力に起因して基材20の第1面21に生じている山部23の幅が減少すると、配線52の蛇腹形状部55の山部53における曲率半径が小さくなる。この結果、配線52の電気抵抗が増加することが考えられる。また、山部53の曲率半径が小さくなり過ぎると、配線52に断線などの不良が生じることも考えられる。
これに対して、本実施の形態によれば、基材20の第1面21と配線52との間に応力緩和層30を設けることにより、基材20の第1面21の経時的な変形の影響が配線52に及ぶことを抑制することができる。これにより、配線52の電気抵抗が経時的に増加することを抑制することができる。また、配線52に断線などの不良が生じることを抑制することができる。
配線基板10の用途としては、ヘルスケア分野、医療分野、介護分野、エレクトロニクス分野、スポーツ・フィットネス分野、美容分野、モビリティ分野、畜産・ペット分野、アミューズメント分野、ファッション・アパレル分野、セキュリティ分野、ミリタリー分野、流通分野、教育分野、建材・家具・装飾分野、環境エネルギー分野、農林水産分野、ロボット分野などを挙げることができる。例えば、人の腕などの身体の一部に取り付ける製品を、本実施の形態による配線基板10を用いて構成する。配線基板10は伸長することができるので、例えば配線基板10を伸長させた状態で身体に取り付けることにより、配線基板10を身体の一部により密着させることができる。このため、良好な着用感を実現することができる。また、配線基板10が伸長した場合に配線52の電気抵抗値が低下することを抑制することができるので、配線基板10の良好な電気特性を実現することができる。他にも配線基板10は伸長することができるので、人などの生体に限らず曲面や立体形状に沿わせて設置や組込むことが可能である。それらの製品の一例としては、バイタルセンサ、マスク、補聴器、歯ブラシ、絆創膏、湿布、コンタクトレンズ、義手、義足、義眼、カテーテル、ガーゼ、薬液パック、包帯、ディスポーザブル生体電極、おむつ、リハビリ用機器、家電製品、ディスプレイ、サイネージ、パーソナルコンピューター、携帯電話、マウス、スピーカー、スポーツウェア、リストバンド、はちまき、手袋、水着、サポーター、ボール、グローブ、ラケット、クラブ、バット、釣竿、リレーのバトンや器械体操用具、またそのグリップ、身体トレーニング用機器、浮き輪、テント、水着、ゼッケン、ゴールネット、ゴールテープ、薬液浸透美容マスク、電気刺激ダイエット用品、懐炉、付け爪、タトゥー、自動車、飛行機、列車、船舶、自転車、ベビーカー、ドローン、車椅子、などのシート、インパネ、タイヤ、内装、外装、サドル、ハンドル、道路、レール、橋、トンネル、ガスや水道の管、電線、テトラポッド、ロープ首輪、リード、ハーネス、動物用のタグ、ブレスレット、ベルトなど、ゲーム機器、コントローラーなどのハプティクスデバイス、ランチョンマット、チケット、人形、ぬいぐるみ、応援グッズ、帽子、服、メガネ、靴、インソール、靴下、ストッキング、スリッパ、インナーウェア、マフラー、耳あて、鞄、アクセサリー、指輪、時計、ネクタイ、個人ID認識デバイス、ヘルメット、パッケージ、ICタグ、ペットボトル、文具、書籍、ペン、カーペット、ソファ、寝具、照明、ドアノブ、手すり、花瓶、ベッド、マットレス、座布団、カーテン、ドア、窓、天井、壁、床、ワイヤレス給電アンテナ、電池、ビニールハウス、ネット(網)、ロボットハンド、ロボット外装を挙げることができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、必要に応じて図面を参照しながら、変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
(第1の変形例)
上述の実施の形態においては、配線52が伸縮性積層体38に設けられる例を示したが、これに限られることはない。本変形例においては、配線52が支持基板によって支持される例を示す。
図10は、第1の変形例に係る配線基板10の断面図であり、上述の実施の形態における図2に相当する図である。配線基板10は、基材20、応力緩和層30、支持基板40、及び配線52を少なくとも備える。
〔支持基板〕
支持基板40は、基材20よりも低い伸縮性を有するよう構成された部材である。支持基板40は、応力緩和層30側に位置する第2面42と、第2面42の反対側に位置する第1面41と、を含む。図10に示す例において、支持基板40は、その第1面41側において配線52を支持している。また、支持基板40は、その第2面42側において伸縮性積層体38の応力緩和層30に接合されている。例えば、応力緩和層30と支持基板40との間に、接着剤を含む接着層60が設けられていてもよい。接着層60を構成する材料としては、例えばアクリル系接着剤、シリコーン系接着剤等、シロキサン系プライマー、チオール系プライマー等を用いることができる。また液相法だけではなくHMDSO(ヘキサメチルジシロキサン)、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)等の気相法により作製した分子膜を、接着層60として用いてもよい。接着層60の厚みは、例えば5μm以上且つ200μm以下である。接着層60の弾性係数は、応力緩和層30の弾性係数よりも大きくてもよい。
図11は、図10の配線基板10を拡大して示す断面図である。本変形例においては、支持基板40に接合された伸縮性積層体38から張力が取り除かれて伸縮性積層体38が収縮するとき、伸縮性積層体38の応力緩和層30の表面の山部及び谷部と同様の山部及び谷部が支持基板40にも現れる。支持基板40の特性や寸法は、このような山部や谷部が形成され易くなるよう設定されている。例えば、支持基板40は、基材20の第1の弾性係数よりも大きい弾性係数を有する。以下の説明において、支持基板40の弾性係数のことを、第3の弾性係数とも称する。
なお、図示はしないが、支持基板40は、その第2面42側において配線52を支持していてもよい。
支持基板40の第3の弾性係数は、例えば100MPa以上であり、より好ましくは1GPa以上である。また、支持基板40の第3の弾性係数は、基材20の第1の弾性係数の100倍以上50000倍以下であってもよく、好ましくは1000倍以上10000倍以下である。このように支持基板40の第3の弾性係数を設定することにより、山部53及び谷部54の周期F1が小さくなり過ぎることを抑制することができる。また、山部53及び谷部54において局所的な折れ曲がりが生じることを抑制することができる。
なお、支持基板40の弾性係数が低すぎると、配線52の形成工程中に支持基板40が変形し易く、この結果、支持基板40に対する配線52の位置合わせが難しくなる。また、支持基板40の弾性係数が高すぎると、弛緩時の基材20の復元が難しくなり、また基材20の割れや折れが発生し易くなる。
また、支持基板40の厚みは、例えば500nm以上10μm以下であり、より好ましくは1μm以上5μm以下である。支持基板40の厚みが小さすぎると、支持基板40の製造工程や、支持基板40上に配線52などの部材を形成する工程における、支持基板40のハンドリングが難しくなる。支持基板40の厚みが大きすぎると、弛緩時の基材20の復元が難しくなり、目標の基材20の伸縮が得られなくなる。
支持基板40を構成する材料としては、例えば、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、アクリル樹脂等を用いることができる。その中でも、耐久性や耐熱性がよいポリエチレンナフタレートかポリイミドが好ましく用いられ得る。
支持基板40の第3の弾性係数は、基材20の第1の弾性係数の100倍以下であってもよい。支持基板40の第3の弾性係数を算出する方法としては、支持基板40のサンプルを用いて、ASTM D882に準拠して引張試験を実施するという方法を採用することができる。
(配線基板の製造方法)
次に、図12(a)〜(c)を参照して、本変形例に係る配線基板10の製造方法について説明する。
まず、図12(a)に示すように、支持基板40を準備する。続いて、図12(a)に示すように、支持基板40の第1面41に配線52を設ける。例えば、まず、蒸着法、めっき法などによって支持基板40の第1面41に銅層などの金属層を形成する。続いて、フォトリソグラフィ法およびエッチング法を用いて金属層を加工する。これにより、第1面41に配線52を得ることができる。
また、上述の実施の形態の場合と同様に、基材20及び応力緩和層30を含む伸縮性積層体38を準備する。続いて、図12(b)に示すように、第1方向D1において伸縮性積層体38に張力Tを加えて、伸縮性積層体38を伸長させる伸長工程を実施する。続いて、伸長した状態の伸縮性積層体38の応力緩和層30に配線52を設ける配線形成工程を実施する。本変形例の配線形成工程においては、図12(b)に示すように、伸縮性積層体38の応力緩和層30に、配線52が設けられた支持基板40の第2面42を接合させる。この際、応力緩和層30と支持基板40との間に接着層60を設けてもよい。
その後、伸縮性積層体38から張力Tを取り除く収縮工程を実施する。これにより、図12(c)において矢印Cで示すように、第1方向D1において伸縮性積層体38が収縮し、伸縮性積層体38に設けられている支持基板40及び配線52にも変形が生じる。支持基板40及び配線52の変形は、上述のように蛇腹形状部として生じ得る。
本変形例においても、基材20の第1面21と支持基板40及び配線52との間に、基材20よりも低い復元性を有する応力緩和層30が設けられている。このため、収縮工程の後、基材20の形状が経時的に変化した場合であっても、その影響が支持基板40及び配線52に及ぶことを応力緩和層30によって抑制することができる。これにより、配線52の蛇腹形状部55に経時的な変形が生じることを抑制することができる。
(第2の変形例)
図13は、本変形例に係る配線基板10を示す平面図である。図13に示すように、配線基板10は、配線52に電気的に接続された電子部品51を備えていてもよい。若しくは、配線基板10は、電子部品51が搭載されてはいないが、配線52に電気的に接続される電子部品51が搭載され得るように構成されていてもよい。
電子部品51は、配線52に接続される電極を有していてもよい。この場合、配線基板10は、電子部品51の電極に接するとともに配線52に電気的に接続された接続部を有する。接続部は、例えばパッドである。
また、電子部品51は、配線52に接続される電極を有していなくてもよい。例えば、電子部品51は、配線基板10の複数の構成要素のうちの少なくとも1つの構成要素と一体的な部材を含んでいてもよい。このような電子部品51の例として、配線基板10の配線52を構成する導電層と一体的な導電層を含むものや、配線52を構成する導電層とは別の層に位置する導電層を含むものを挙げることができる。例えば、電子部品51は、配線52を構成する導電層よりも平面視において広い幅を有する導電層によって構成されたパッドであってもよい。パッドには、検査用のプローブ、ソフトウェア書き換え用の端子などが接続される。また、電子部品51は、導電層が平面視においてらせん状に延びることによって構成された配線パターンであってもよい。このように、導電層がパターニングされて所定の機能が付与された部分も、電子部品51となり得る。
電子部品51は、能動部品であってもよく、受動部品であってもよく、機構部品であってもよい。電子部品51の例としては、トランジスタ、LSI(Large-Scale Integration)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)、リレー、LED、OLED、LCDなどの発光素子、センサ、ブザー等の発音部品、振動を発する振動部品、冷却発熱をコントロールするペルチェ素子や電熱線などの冷発熱部品、抵抗器、キャパシタ、インダクタ、圧電素子、スイッチ、コネクタなどを挙げることができる。電子部品51の上述の例のうち、センサが好ましく用いられる。センサとしては、例えば、温度センサ、圧力センサ、光センサ、光電センサ、近接センサ、せん断力センサ、生体センサ、レーザーセンサ、マイクロ波センサ、湿度センサ、歪みセンサ、ジャイロセンサ、加速度センサ、変位センサ、磁気センサ、ガスセンサ、GPSセンサ、超音波センサ、臭いセンサ、脳波センサ、電流センサ、振動センサ、脈波センサ、心電センサ、光度センサ等を挙げることができる。これらのセンサのうち、生体センサが特に好ましい。生体センサは、心拍や脈拍、心電、血圧、体温、血中酸素濃度等の生体情報を測定することができる。
次に、電極を有さない電子部品51の用途について説明する。例えば、上述のパッドは、検査用のプローブ、ソフトウェア書き換え用の端子などが接続される部分として機能し得る。また、らせん状に延びることによって構成された配線パターンは、アンテナなどとして機能し得る。
(第3の変形例)
図14は、本変形例に係る配線基板10を示す平面図である。配線基板10は、補強部材70を備えていてもよい。補強部材70は、配線基板10を伸縮させる際に電子部品51に応力が加わることを抑制するための部材である。補強部材70は、基材20の第1面21の法線方向に沿って見た場合に電子部品51に少なくとも部分的に平面視において重なるよう配置されている。また、補強部材70は基材20よりも大きい弾性係数を有する。
補強部材70の弾性係数は、例えば1GPa以上であり、より好ましくは10GPa以上である。補強部材70の弾性係数は、基材20の弾性係数の100倍以上であってもよく、1000倍以上であってもよい。配線基板10がこのような補強部材70を備えることにより、伸縮性積層体38のうち補強部材70と平面視において重なる部分が伸縮することを抑制することができる。これにより、伸縮性積層体38を、伸縮が生じやすい部分と、伸縮が生じにくい部分とに区画することができる。補強部材70の弾性係数は、500GPa以下であってもよい。また、補強部材70の弾性係数は、基材20の弾性係数の500000倍以下であってもよい。
補強部材70の弾性係数を算出する方法は、補強部材70の形態に応じて適宜定められる。例えば、補強部材70の弾性係数を算出する方法としては、上述の支持基板40の弾性係数を算出する方法を用いることができる。
また、補強部材70は、基材20の曲げ剛性よりも大きい曲げ剛性を有していてもよい。補強部材70の曲げ剛性は、基材20の曲げ剛性の100倍以上であってもよく、1000倍以上であってもよい。
補強部材70を構成する材料の例としては、金属材料を含む金属層や、一般的な熱可塑性エラストマー、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系、ポリエステル系、エポキシ系、ビニルエーテル系、ポリエン・チオール系、シリコーン系等のオリゴマー、ポリマー等を挙げることができる。金属材料の例としては、銅、アルミニウム、ステンレス鋼等を挙げることができる。補強部材70の厚みは、例えば10μm以上である。上述の材料のうち、金属層は、弾性率が大きくエッチング加工などにより微細加工可能であり、より好ましい。
補強部材70は、基材20に主成分として含まれるエラストマーと同一のエラストマーを主成分として含んでいてもよい。補強部材70のエラストマーとしては、基材20のエラストマーとして例示したものを用いることができる。
補強部材70を構成する材料として、オリゴマー又はポリマーを用いる場合、補強部材70は、透明性を有していてもよい。また、補強部材70は、遮光性、例えば紫外線を遮蔽する特性を有していてもよい。例えば、補強部材70は黒色であってもよい。また、補強部材70の色と伸縮性積層体38の基材20や応力緩和層30の色とが同一であってもよい。
補強部材70は、伸縮性積層体38を伸長させる伸長工程の前に伸縮性積層体38に設けられてもよく、若しくは、伸長工程によって伸縮性積層体38が伸長している間に伸縮性積層体38に設けられてもよい。
図14に示すように、補強部材70は、応力緩和層30の配線52側の表面と同一平面上に位置する表面を有していてもよい。このような補強部材70は、例えば、所定の支持面の上に部分的に補強部材70を設け、続いて、補強部材70の面上及び支持面上に、応力緩和層30を構成する材料を塗布し、続いて、応力緩和層30の面上に、基材20を構成する材料を塗布することによって作製され得る。
図14に示すように、配線52は、基材20の第1面21の法線方向に沿って見た場合に補強部材70と平面視において重なる端部を有していてもよい。これにより、配線52の端部の近傍において、すなわち配線52と電子部品51とが接続されている部分の近傍において、伸縮性積層体38の伸縮に起因する応力が生じることを抑制することができる。
(第4の変形例)
図15は、本変形例に係る配線基板10を示す平面図である。図15に示すように、補強部材70の表面のうち配線52側に位置する表面が応力緩和層30によって覆われていてもよい。このような補強部材70は、例えば、まず、基材20を準備し、続いて、基材20の第1面21上に部分的に補強部材70を設け、続いて、補強部材70の面上及び基材20の第1面21上に、応力緩和層30を構成する材料を塗布することによって作製され得る。
(第5の変形例)
図16は、本変形例に係る配線基板10を示す平面図である。図16に示すように、配線基板10は、配線52上に位置する保護層58を備えていてもよい。保護層58は、平面視において配線52と同一の形状を有していてもよい。例えば、保護層58は、平面視において配線52と同一の方向に延び、配線52と同一の幅を有していてもよい。また、保護層58は、配線52の上面及び側面を覆うよう、配線52上及び配線52の周囲に位置していてもよい。
保護層58は、好ましくは、配線52よりも小さい弾性係数を有する。配線52上や配線52の周囲に位置する保護層58は、基材20の第1面21の法線方向における山部及び谷部が基材20の第1面21の面内方向に沿って繰り返し現れる蛇腹形状部を有していてもよい。
また、保護層58の弾性係数は、好ましくは、伸縮性を有する基材20の弾性係数よりも大きい。すなわち、保護層58は、配線52と基材20の中間の弾性係数を有することが好ましい。基材20の第1面21側の領域のうち配線52が設けられている領域に、配線52よりも柔らかくて変形しやすく、且つ基材20よりも硬くて変形しにくい保護層58が位置していることにより、応力集中を低減することができる。
また、配線基板10が支持基板40を有する場合には、保護層58の弾性係数は、支持基板40の弾性係数よりも小さくてもよく、支持基板40の弾性係数と同一であってもよく、支持基板40の弾性係数よりも大きくてもよい。中でも、保護層58の弾性係数は、支持基板40の弾性係数よりも小さいことが好ましい。基材20の第1面21側の領域のうち配線52が設けられている領域に、配線52および支持基板40よりも柔らかく変形しやすい保護層58が位置していることにより、応力集中を低減することができる。
具体的には、保護層58の弾性係数は、配線52の弾性係数の1倍未満とすることができ、好ましくは0.9倍以下であり、より好ましくは0.1倍以下であり、さらに好ましくは0.05倍以下である。また、保護層58の弾性係数は、配線52の弾性係数の0.001倍以上とすることができ、好ましくは0.01倍以上である。
また、保護層58の弾性係数は、伸縮性を有する基材20の弾性係数の1倍超とすることができ、好ましくは1.1倍以上であり、より好ましくは2倍以上である。また、保護層58の弾性係数は、伸縮性を有する基材の弾性係数の100倍以下とすることができ、好ましくは10倍以下である。
保護層58の弾性係数が小さすぎても大きすぎても、応力集中を低減することが困難になる場合があるからである。
また、保護層58の弾性係数は、例えば、1GPa以下とすることができ、好ましくは100MPa以下であり、より好ましくは10MPa以下である。また、保護層58の弾性係数は、例えば、10kPa以上とすることができ、好ましくは1MPa以上である。保護層58の弾性係数が小さすぎても大きすぎても、応力集中を低減することが困難になる場合があるからである。
保護層58の弾性係数の測定方法としては、基材20の場合と同様に、保護層58のサンプルを用いて、JIS K6251に準拠して引張試験を実施するという方法を採用することができる。また、保護層58の弾性係数を求める方法としては、基材20の場合と同様に、ISO14577に準拠してナノインデーション法による測定方法を採用することもできる。保護層58のサンプルを準備する方法としては、配線基板10から保護層58の一部をサンプルとして取り出す方法や、配線基板10を構成する前の保護層58の一部をサンプルとして取り出す方法が挙げられる。その他にも、保護層58の弾性係数を求める方法として、保護層58を構成する材料を分析し、材料の既存のデータベースに基づいて保護層58の弾性係数を求めるという方法を採用することもできる。
保護層58の材料は、上述の弾性係数を有するものであればよく、伸縮性を有していてもよく、伸縮性を有していなくてもよい。中でも、保護層58の材料は伸縮性を有することが好ましい。保護層58が伸縮性を有する材料を含む場合には、変形に対する耐性を有することができるからである。
保護層58に用いられる伸縮性を有さない材料としては、例えば、樹脂を挙げることができる。樹脂としては、一般的な樹脂を用いることができ、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等のいずれも用いることができる。また、保護層58が樹脂を含む場合、保護層58としては、樹脂基材を用いることもできる。
保護層58に用いられる伸縮性を有する材料の伸縮性としては、基材20の伸縮性と同様とすることができる。
保護層58に用いられる伸縮性を有する材料としては、例えば、エラストマーを挙げることができる。エラストマーとしては、一般的な熱可塑性エラストマーおよび熱硬化性エラストマーを用いることができ、具体的には、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、アミド系エラストマー、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、ポリスチレンブタジエン、ポリクロロプレン等が挙げられる。保護層58を構成する材料がこれらの樹脂である場合、保護層58は、透明性を有していてもよい。また、保護層58は、遮光性、例えば紫外線を遮蔽する特性を有していてもよい。例えば、保護層58は黒色であってもよい。また保護層58の色と基板の色とが同一であってもよい。保護層58にデザイン性を持たせて加飾の役割を持っていてもよい。
また、保護層58は、配線52に接している場合には、絶縁性を有することが好ましい。樹脂やエラストマーであれば、絶縁性を有する保護層58とすることができる。
(第6の変形例)
図17は、本変形例に係る配線基板10を示す平面図である。図17に示すように、伸縮性積層体38は、基材20の第1面21側に位置する応力緩和層(第1応力緩和層)30に加えて、基材20の第2面22側に位置する応力緩和層(第2応力緩和層)35を更に含んでいてもよい。第2応力緩和層35の弾性係数の範囲は、第1応力緩和層30に関して説明した上述の範囲と同一である。また、第2応力緩和層35の厚みの範囲は、第1応力緩和層30に関して説明した上述の範囲と同一である。
基材20の第2面22側に第2応力緩和層35を設けることにより、基材20の形状が経時的に変化する場合に、その影響が配線基板10の第2応力緩和層35側の表面に現れることを抑制することができる。これにより、例えば配線基板10の第2応力緩和層35側の表面に第2の配線57を形成する場合に、第2の配線57に経時的な変形が生じることを抑制することができる。
なお、上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
次に、本発明を実施例及び比較例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
[実施例1]
(伸縮性基材の準備)
支持台の上に、接着層60として機能する粘着シートを載置した。粘着シートとしては、3M社製の粘着シート8146を用いた。続いて、粘着シート上に2液付加縮合の第1のポリジメチルシロキサン(PDMS−1)を塗布し、PDMS−1を常温で仮硬化させて、PDMS−1の層からなる応力緩和層30を形成した。続いて、応力緩和層30の上に、PDMS−1とは異なる2液付加縮合の第2のポリジメチルシロキサン(PDMS−2)を塗布し、PDMS−2を加熱して硬化させて、PDMS−2の層からなる基材20を形成した。このようにして、基材20及び応力緩和層30を含む伸縮性積層体38を得た。硬化後のPDMS−1の層の厚みは0.5mmであり、硬化後のPDMS−2の層の厚みは1.0mmであった。従って、応力緩和層30の厚みは、基材20の厚みの0.50倍である。
また、PDMS−1の層からなるサンプルを準備し、PDMS−1の層の弾性係数を、JIS K6251に準拠した引張試験により測定した。結果、PDMS−1の層の弾性係数は0.02MPaであった。また、PDMS−1の層の硬さを、JIS K 6253−1997に準拠したタイプAデュロメータ硬さ試験により測定した。結果、PDMS−1の層の硬さはデュロメータA3であった。また、PDMS−2の層からなるサンプルを準備し、PDMS−2の層の弾性係数を、JIS K6251に準拠した引張試験により測定した。結果、PDMS−2の層の弾性係数は0.05MPaであった。従って、応力緩和層30の弾性係数は、基材20の弾性係数の0.40倍である。また、PDMS−2の層の硬さを、JIS K 6253−1997に準拠したタイプAデュロメータ硬さ試験により測定した。結果、PDMS−1の層の硬さはデュロメータA5であった。
(支持基板及び配線の準備)
支持基板40として厚さ2.5μmのポリエチレンテレフタラート(PET)フィルムを準備した。続いて、支持基板40の第1面41に、1μmの厚みを有する銅層を蒸着法により形成した。続いて、フォトリソグラフィ法およびエッチング法を用いて銅層を加工した。これにより、一方向に延びる配線52を得た。配線52の長さは40mmであり、配線52の幅は200μmであった。
続いて、支持基板40に形成した配線52の上に、溶解したウレタン樹脂を含むインキをスクリーン印刷法により塗布して、配線52上に保護層58を形成した。保護層58は、平面視において配線52と同一の形状を有していた。すなわち、保護層58の長さは40mmであり、保護層58の幅は200μmであった。
また、支持基板40の一部分をサンプルとして取り出し、支持基板40の弾性係数を、ASTM D882に準拠した引張試験により測定した。結果、支持基板40の弾性係数は10GPaであった。また、保護層58の一部分をサンプルとして取り出し、保護層58の弾性係数を、ASTM D882に準拠した引張試験により測定した。結果、保護層58の弾性係数は6.2MPaであった。
(伸縮性積層体と支持基板の接合)
接着層60が形成されている伸縮性積層体38に、配線52が延びる方向において張力を加え、伸縮性積層体38及び接着層60を第1方向D1において1000%伸長させた。すなわち、伸縮性積層体38を、元の長さの2倍になるまで伸長させた。続いて、伸縮性積層体38を2倍に伸長させた状態で、配線52及び保護層58が設けられた支持基板40のうち配線52及び保護層58が設けられていない側の面を接着層60に接合させた。
続いて、張力を取り除いて伸長を解放させて、伸縮性積層体38を収縮させた。このようにして、配線基板10を作製した。得られた配線基板10において、支持基板40、支持基板40に設けられている配線52、及び保護層58には、配線52が延びる方向に並ぶ複数の山部及び谷部を含む蛇腹形状部が現れていた。
伸縮性積層体38を収縮させた直後に、複数の山部及び谷部の5周期分にわたって山部及び谷部の曲率半径を測定した。結果、山部の曲率半径の平均値は241μmであり、最大値は273μmであり、最小値は207μmであった。また、谷部の曲率半径の平均値は381μmであり、最大値は493μmであり、最小値は331μmであった。
伸縮性積層体38を収縮させてから常温で24時間経過した後、複数の山部及び谷部の5周期分にわたって山部及び谷部の曲率半径を測定した。結果、山部の曲率半径の平均値は190μmであり、谷部の曲率半径の平均値は397μmであった。従って、24時間経過する前後における山部及び谷部の曲率半径の変化率はそれぞれ−21.2%及び+4.2%であった。
[実施例2]
実施例1の場合と同様に、支持台の上に、接着層60として機能する粘着シートを載置した。続いて、粘着シート上に上述のPDMS−1を塗布し、PDMS−1を常温で仮硬化させて、0.02MPaの弾性係数を有するPDMS−1の層からなる応力緩和層30を形成した。続いて、応力緩和層30の上に、PDMS−1よりも伸縮性を有する第3のポリジメチルシロキサン(PDMS−3)を塗布し、PDMS−3を加熱して硬化させて、PDMS−3の層からなる基材20を形成した。このようにして、基材20及び応力緩和層30を含む伸縮性積層体38を得た。硬化後のPDMS−1の層の厚みは0.5mmであり、硬化後のPDMS−3の層の厚みは0.3mmであった。従って、応力緩和層30の厚みは、基材20の厚みの1.67倍である。
また、PDMS−3の層からなるサンプルを準備し、PDMS−3の層の弾性係数を、JIS K6251に準拠した引張試験により測定した。結果、PDMS−3の層の弾性係数は0.7MPaであった。従って、応力緩和層30の弾性係数は、基材20の弾性係数の0.03倍である。また、PDMS−3の層の硬さを、JIS K 6253−1997に準拠したタイプDデュロメータ硬さ試験により測定した。結果、PDMS−3の層の硬さはデュロメータD30であった。
続いて、実施例1の場合と同様に、伸縮性積層体38を2倍に伸長させた状態で、配線52及び保護層58が設けられた支持基板40のうち配線52及び保護層58が設けられていない側の面を接着層60に接合させた。続いて、張力を取り除いて伸長を解放させて、伸縮性積層体38を収縮させた。このようにして、配線基板10を作製した。
伸縮性積層体38を収縮させた直後に、複数の山部及び谷部の5周期分にわたって山部及び谷部の曲率半径を測定した。結果、山部の曲率半径の平均値は239μmであった。また、谷部の曲率半径の平均値は394μmであった。
伸縮性積層体38を収縮させてから常温で24時間経過した後、複数の山部及び谷部の5周期分にわたって山部及び谷部の曲率半径を測定した。結果、山部の曲率半径の平均値は188μmであり、谷部の曲率半径の平均値は401μmであった。従って、24時間経過する前後における山部及び谷部の曲率半径の変化率はそれぞれ−21.3%及び+1.8%であった。
[実施例3]
PDMS−1の層からなる応力緩和層30の厚みが0.3mmであること以外は、実施例2の場合と同様にして、配線基板10を作製した。本実施例において、従って、応力緩和層30の厚みは、基材20の厚みの1.00倍である。
伸縮性積層体38を収縮させた直後に、複数の山部及び谷部の5周期分にわたって山部及び谷部の曲率半径を測定した。結果、山部の曲率半径の平均値は226μmであった。また、谷部の曲率半径の平均値は388μmであった。
伸縮性積層体38を収縮させてから常温で24時間経過した後、複数の山部及び谷部の5周期分にわたって山部及び谷部の曲率半径を測定した。結果、山部の曲率半径の平均値は142μmであり、谷部の曲率半径の平均値は423μmであった。従って、24時間経過する前後における山部及び谷部の曲率半径の変化率はそれぞれ−37.2%及び+9.0%であった。
[実施例4]
実施例1の場合と同様に、支持台の上に、接着層60として機能する粘着シートを載置した。続いて、粘着シート上に上述のPDMS−1を塗布し、PDMS−1を常温で仮硬化させて、0.02MPaの弾性係数を有するPDMS−1の層からなる応力緩和層30を形成した。続いて、応力緩和層30の上に、PDMS−1よりも伸縮性を有する第4のポリジメチルシロキサン(PDMS−4)を塗布し、PDMS−4を加熱して硬化させて、PDMS−4の層からなる基材20を形成した。このようにして、基材20及び応力緩和層30を含む伸縮性積層体38を得た。硬化後のPDMS−1の層の厚みは0.5mmであり、硬化後のPDMS−4の層の厚みは1.0mmであった。従って、応力緩和層30の厚みは、基材20の厚みの0.50倍である。
また、PDMS−4の層からなるサンプルを準備し、PDMS−4の層の弾性係数を、JIS K6251に準拠した引張試験により測定した。結果、PDMS−4の層の弾性係数は0.08MPaであった。従って、応力緩和層30の弾性係数は、基材20の弾性係数の0.25倍である。また、PDMS−4の層の硬さを、JIS K 6253−1997に準拠したタイプAデュロメータ硬さ試験により測定した。結果、PDMS−4の層の硬さはデュロメータA10であった。
続いて、実施例1の場合と同様に、伸縮性積層体38を2倍に伸長させた状態で、配線52及び保護層58が設けられた支持基板40のうち配線52及び保護層58が設けられていない側の面を接着層60に接合させた。続いて、張力を取り除いて伸長を解放させて、伸縮性積層体38を収縮させた。このようにして、配線基板10を作製した。
伸縮性積層体38を収縮させた直後に、複数の山部及び谷部の5周期分にわたって山部及び谷部の曲率半径を測定した。結果、山部の曲率半径の平均値は245μmであった。また、谷部の曲率半径の平均値は388μmであった。
伸縮性積層体38を収縮させてから常温で24時間経過した後、複数の山部及び谷部の5周期分にわたって山部及び谷部の曲率半径を測定した。結果、山部の曲率半径の平均値は195μmであり、谷部の曲率半径の平均値は397μmであった。従って、24時間経過する前後における山部及び谷部の曲率半径の変化率はそれぞれ−20.4%及び+2.3%であった。
[実施例5]
実施例1の場合と同様に、支持台の上に、接着層60として機能する粘着シートを載置した。続いて、粘着シート上に、シリコーンからなるジェルを塗布し、ジェルからなる応力緩和層30を形成した。続いて、応力緩和層30の上に上述のPDMS−2を塗布し、PDMS−2を加熱して硬化させて、0.05MPaの弾性係数を有するPDMS−2の層からなる基材20を形成した。このようにして、基材20及び応力緩和層30を含む伸縮性積層体38を得た。ジェルの厚みは0.3mmであり、硬化後のPDMS−2の層の厚みは1.0mmであった。従って、応力緩和層30の厚みは、基材20の厚みの0.30倍である。また、シリコーンジェルの層の硬さを、JIS K 6253−1997に準拠したタイプAデュロメータ硬さ試験により測定した。結果、シリコーンジェルの層の硬さはデュロメータA1であった。また、針入度は65であった。
続いて、実施例1の場合と同様に、伸縮性積層体38を2倍に伸長させた状態で、配線52及び保護層58が設けられた支持基板40のうち配線52及び保護層58が設けられていない側の面を接着層60に接合させた。続いて、張力を取り除いて伸長を解放させて、伸縮性積層体38を収縮させた。このようにして、配線基板10を作製した。
伸縮性積層体38を収縮させた直後に、複数の山部及び谷部の5周期分にわたって山部及び谷部の曲率半径を測定した。結果、山部の曲率半径の平均値は220μmであった。また、谷部の曲率半径の平均値は524μmであった。
伸縮性積層体38を収縮させてから常温で24時間経過した後、複数の山部及び谷部の5周期分にわたって山部及び谷部の曲率半径を測定した。結果、山部の曲率半径の平均値は190μmであり、谷部の曲率半径の平均値は533μmであった。従って、24時間経過する前後における山部及び谷部の曲率半径の変化率はそれぞれ−13.6%及び+1.7%であった。
[比較例1]
実施例1の場合と同様に、支持台の上に、接着層60として機能する粘着シートを載置した。続いて、粘着シート上に上述のPDMS−2を塗布し、PDMS−2を硬化させて、0.05MPaの弾性係数を有するPDMS−2の層からなる基材20を形成した。このようにして、基材20を含むが応力緩和層30を含まない伸縮性積層体38を得た。硬化後のPDMS−2の厚みは1.5mmであった。
続いて、実施例1の場合と同様に、伸縮性積層体38を2倍に伸長させた状態で、配線52及び保護層58が設けられた支持基板40のうち配線52及び保護層58が設けられていない側の面を接着層60に接合させた。続いて、張力を取り除いて伸長を解放させて、伸縮性積層体38を収縮させた。このようにして、配線基板10を作製した。
伸縮性積層体38を収縮させた直後に、複数の山部及び谷部の5周期分にわたって山部及び谷部の曲率半径を測定した。結果、山部の曲率半径の平均値は348μmであった。また、谷部の曲率半径の平均値は382μmであった。
伸縮性積層体38を収縮させてから常温で24時間経過した後、複数の山部及び谷部の5周期分にわたって山部及び谷部の曲率半径を測定した。結果、山部の曲率半径の平均値は70μmであり、谷部の曲率半径の平均値は523μmであった。従って、24時間経過する前後における山部及び谷部の曲率半径の変化率はそれぞれ−79.9%及び+36.9%であった。
実施例1〜5によれば、配線52と基材20との間に、基材20よりも低い弾性係数を有する応力緩和層30を設けることにより、配線52の山部及び谷部の曲率半径が経時的に変化することを抑制することができた。
10 配線基板
20 基材
21 第1面
22 第2面
23 山部
24 谷部
25 山部
26 谷部
30 応力緩和層(第1応力緩和層)
35 第2応力緩和層
38 伸縮性積層体
40 支持基板
41 第1面
42 第2面
51 電子部品
52 配線
57 配線(第2の配線)
53 山部
54 谷部
55 蛇腹形状部
70 補強部材
71 第1部分
72 第2部分

Claims (20)

  1. 第1面及び前記第1面の反対側に位置する第2面を含み、伸縮性を有する基材と、
    前記基材の前記第1面側に位置する配線と、
    前記基材の前記第1面と前記配線との間に位置し、前記基材よりも小さい弾性係数を有する応力緩和層と、
    前記基材よりも大きい弾性係数を有し、前記配線を支持する支持基板と、
    を備える、配線基板。
  2. 前記支持基板の弾性係数は、前記基材の弾性係数の100倍以上である、請求項1に記載の配線基板。
  3. 前記応力緩和層と前記支持基板との間に位置し、前記応力緩和層よりも大きい弾性係数を有する接着層を備える、請求項1又は2に記載の配線基板。
  4. 前記基材よりも大きい弾性係数を有する補強部材を備える、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の配線基板。
  5. 前記配線は、前記基材の前記第1面の法線方向に沿って見た場合に前記補強部材と重なる端部を有する、請求項に記載の配線基板。
  6. 前記基材の前記第1面の法線方向に沿って見た場合に前記補強部材と重なり、前記配線に電気的に接続される電子部品を更に備える、請求項又はに記載の配線基板。
  7. 前記基材及び前記応力緩和層は、同一のエラストマーを主成分として含む、請求項1乃至のいずれか一項に記載の配線基板。
  8. 前記基材の前記第2面側に位置する第2の配線と、
    前記基材の前記第2面と前記第2の配線との間に位置し、前記基材よりも小さい弾性係数を有する第2の応力緩和層と、を備える、請求項1乃至のいずれか一項に記載の配線基板。
  9. 前記基材は、シリコーンゴムを主成分として含む、請求項1乃至のいずれか一項に記載の配線基板。
  10. 前記支持基板は、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリカーボネート、アクリル樹脂、又はポリエチレンテレフタラートを含む、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の配線基板。
  11. 前記配線は、前記配線が延びる方向に並ぶ複数の山部及び谷部を含む蛇腹形状部を有する、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の配線基板。
  12. 前記応力緩和層は、前記配線の前記蛇腹形状部の山部及び谷部の振幅の0.5倍以上の厚みを有する、請求項11に記載の配線基板。
  13. 前記応力緩和層は、前記配線の前記蛇腹形状部の山部の曲率半径の0.5倍以上の厚みを有する、請求項11又は12に記載の配線基板。
  14. 前記基材の前記第1面のうち前記配線の前記蛇腹形状部に重なる部分に現れる山部及び谷部の振幅が、前記配線の前記蛇腹形状部の山部及び谷部の振幅よりも小さい、請求項11乃至13のいずれか一項に記載の配線基板。
  15. 前記基材の前記第1面のうち前記配線の前記蛇腹形状部に重なる部分に現れる山部及び谷部の振幅が、前記配線の前記蛇腹形状部の山部及び谷部の振幅の0.5倍以下である、請求項11乃至13のいずれか一項に記載の配線基板。
  16. 前記基材の前記第1面のうち前記配線の前記蛇腹形状部に重なる部分に現れる山部及び谷部の周期が、前記配線の前記蛇腹形状部の山部及び谷部の周期よりも小さい、請求項11乃至15のいずれか一項に記載の配線基板。
  17. 第1面及び前記第1面の反対側に位置する第2面を含み、伸縮性を有する基材と、前記基材の前記第1面側に位置し、前記基材よりも小さい弾性係数を有する応力緩和層と、を含む積層体を準備する工程と、
    前記基材よりも大きい弾性係数を有し、配線が設けられている支持基板を準備する工程と、
    前記積層体に、少なくとも前記基材の第1面の面内方向の1つである第1方向において張力を加えて、前記積層体を伸長させる伸長工程と、
    前記伸長工程によって伸長した状態の前記積層体の前記応力緩和層上に前記支持基板を設ける配線形成工程と、
    前記積層体から張力を取り除く収縮工程と、を備える、配線基板の製造方法。
  18. 前記支持基板の弾性係数は、前記基材の弾性係数の100倍以上である、請求項17に記載の配線基板の製造方法。
  19. 前記配線形成工程は、前記応力緩和層よりも大きい弾性係数を有する接着層を介して前記支持基板を前記応力緩和層上に設ける、請求項17又は18に記載の配線基板の製造方法。
  20. 前記支持基板は、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリカーボネート、アクリル樹脂、又はポリエチレンテレフタラートを含む、請求項17乃至19のいずれか一項に記載の配線基板の製造方法。
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