JP7374469B2 - 杭基礎、ベース部材及び杭基礎の施工方法 - Google Patents

杭基礎、ベース部材及び杭基礎の施工方法 Download PDF

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Description

本発明は杭基礎、ベース部材及び杭基礎の施工方法に関する。
構造物を地表に立設するための基礎の一つに、杭基礎がある。杭基礎は、地盤に杭を打ち込んで構造物を支える基礎である。杭基礎を用いた基礎工法の一つに、ピンファンデーション工法がある。ピンファンデーション工法では、鋼管(ピン)を地盤に対して斜めに打ち込んでその支持力によって構造物を支える。
特許文献1には、3本の鋼管と中央縦管とを溶接することで固定した建設工事用の支持具が開示されている。3本の鋼管には、杭としてのアンカー管が挿入される。特許文献2には、複数の杭が挿通される成形品である杭基礎用のベース部材が開示されている。ベース部材は、地表に設置され、杭及び支柱が挿入された後、支柱がベース部材に固定される。
特表2003-526747号公報 特開2017-206816号公報
近年、国内において、台風や豪雨、地震といった災害が頻発している。これら災害の際には、数百~数千軒を超えるような多数の仮設住宅が速やかに必要となる場合がある。現在、仮設住宅は、コンクリートや木杭等を用いて基礎から組み立てる組立ハウスが主流であり、多くの人手や重機を必要とする。また、仮設住宅はあくまでも仮の住宅であるため、数年の使用の後に解体されるが、現在の基礎構造は解体後に再利用されずに廃棄されている。
また、災害時にトレーラーハウスが仮設住宅として提供される場合がある。トレーラーハウスは、牽引車により完成品を現地へ輸送可能であるため、上記の組立ハウス型の仮設住宅と比べて設置時の人手や費用が少なく、工期も短いというメリットがある。しかしながら、トレーラーハウスをそのまま設置するには、コンクリートの基礎打ちがなされた地盤など、整地された強固な地盤が必要であり、災害後にこのような地盤を有する土地を速やかに確保することは困難である。また、法整備上、トレーラーハウスは基礎を有さないため、安全上の問題等から仮設住宅として認められていない地域も多い。
そこで、本発明は、施工にかかる費用を抑えつつ、短い工期で構造物を設置できる杭基礎、ベース部材及び杭基礎の施工方法を提供することを目的とする。
本発明の杭基礎は、中央筒部と、前記中央筒部に対してそれぞれねじれの位置関係にある複数のガイド筒部と、が一体化されたベース部材と、前記中央筒部に挿通可能な支柱と、前記複数のガイド筒部にそれぞれ挿通可能な複数の杭と、を備え、前記中央筒部は、前記中央筒部を径方向に貫通する複数の貫通孔を有し、前記支柱は、前記貫通孔に挿通されるドリルにより穿孔可能な肉厚を有する金属管を含む、杭基礎である。
このような杭基礎によれば、支柱は、ベース部材に挿通された後、ベース部材の貫通孔に挿通されるドリルにより穿孔することができるため、予め支柱に穿孔する必要がない。このため、杭基礎を設置する地表の形状に応じて、現地で支柱を切断したり、支柱の埋込み量を調節したりすることで、支柱の高さを容易に調節したうえで、任意の長さの支柱をベース部材に固定することができる。したがって、施工にかかる費用を抑えつつ、短い工期で構造物を設置できる。
好ましくは、前記ベース部材は、単一部材である。このような構成によれば、中央筒部及び複数のガイド筒部を独立した別の部材として溶接等により接合する場合よりも、ベース部材の強度を向上させることができる。
好ましくは、前記ベース部材は、前記中央筒部を径方向の一方側と他方側に分割した2個の分割部材であり、前記2個の分割部材は、それぞれ前記貫通孔を有し、前記2個の分割部材を連結させる連結具をさらに備える。このような構成によれば、ベース部材を単一部材とする場合よりも部材1つの重量が軽くなり、作業員が人力で容易に運ぶことができる。したがって、杭基礎の施工の工期を短縮することができる。
好ましくは、前記2個の分割部材は、互いに同じ形状を有する。このような構成によれば、分割部材を製造するための鋳型や金型等の点数を少なくでき、鋳型や金型等の大きさも小さくできる。このため、製造コストを削減することができる。
本発明のベース部材は、杭基礎の一部材として用いられるベース部材であって、支柱が挿通される中央筒部と、前記中央筒部と一体化され、複数の杭が挿通されるガイド筒部と、を備え、前記複数のガイド筒部は、前記中央筒部に対してそれぞれねじれの位置関係にあり、前記中央筒部は、前記中央筒部を径方向に貫通する貫通孔を有し、前記中央筒部には、前記貫通孔に挿通されるドリルにより穿孔可能な肉厚を有する金属管を含む前記支柱が挿通される、ベース部材である。
このような構成によれば、ベース部材には、ベース部材の貫通孔に挿通されるドリルにより穿孔することができる支柱が挿通されるため、予め支柱に穿孔する必要がない。このため、ベース部材を用いる杭基礎を設置する地表の形状に応じて、現地で支柱を切断したり、支柱の埋込み量を調節したりすることで、支柱の高さを容易に調節したうえで、任意の長さの支柱をベース部材に固定することができる。したがって、施工にかかる費用を抑えつつ、短い工期で構造物を設置できる。
本発明の杭基礎の施工方法は、支柱が挿通される中央筒部と、前記中央筒部に対してそれぞれねじれの位置関係にあり、複数の杭が挿通されるガイド筒部と、が一体化されたベース部材を用いる杭基礎の施工方法であって、前記支柱及び前記複数の杭が挿通されている状態の前記ベース部材を準備する準備工程と、前記中央筒部を径方向に貫通する貫通孔を介して、ドリルにより前記中央筒部に挿通されている前記支柱に穿孔する穿孔工程と、前記穿孔工程により穿孔した前記支柱の孔へ、前記貫通孔を介してボルトを挿入し、前記中央筒部に前記支柱を固定する固定工程と、を備える、杭基礎の施工方法である。
このような構成によれば、支柱を施工の現場でベース部材に挿通した後、ドリルにより支柱を穿孔することができる。このため、地表の形状に応じて支柱の鉛直方向の高さを調節した後でも、中央筒部に支柱を容易に固定することができる。これにより、施工にかかる費用を抑えつつ、短い工期で構造物を設置できる。
好ましくは、前記ベース部材は、単一部材であり、前記準備工程は、前記中央筒部の軸心方向を鉛直方向にして、前記ベース部材を地面に設置するベース部材設置工程と、前記ベース部材設置工程の後、前記複数の杭を、前記複数のガイド筒部を介してそれぞれ地中に貫入する杭貫入工程と、前記支柱を径方向に切断して、前記支柱の軸心方向の長さを調節する支柱準備工程と、前記杭貫入工程及び前記支柱準備工程の後、前記支柱を、前記中央筒部に挿通する支柱挿通工程と、を有する。このような構成によれば、地表の形状に応じて、支柱を適切な長さに切断することで、支柱の鉛直方向の高さを容易に調節することができる。
好ましくは、前記ベース部材は、前記中央筒部を径方向の一方側と他方側に分割した2個の分割部材であり、前記準備工程は、前記支柱の軸心方向を鉛直方向として前記支柱の一部を地中に貫入する支柱貫入工程と、前記支柱貫入工程の後、前記支柱のうち地上に突出する部分を前記2個の分割部材により前記支柱の径方向の一方側及び他方側からそれぞれ覆った状態で、前記2個の分割部材を連結する、ベース部材設置工程と、前記ベース部材設置工程の後、前記複数の杭を、前記複数のガイド筒部を介してそれぞれ地中に貫入する杭貫入工程と、を有する。
このような構成によれば、支柱を地中に貫入する量により支柱の長さ(高さ)調節を容易に行うことができる。また、2個の分割部材を、支柱の径方向の一方側および他方側からそれぞれ覆うことでベース部材を設置するため、一部に中央筒部の内径よりも大きい外径を有する支柱や、既に構造物を支持している状態の支柱に対しても、ベース部材を設置することができる。このため、施工現場の状況に応じた柔軟な施工が可能となる。
本発明によれば、施工にかかる費用を抑えつつ、短い工期で構造物を設置できる杭基礎、ベース部材及び杭基礎の施工方法を提供することが可能となる。
本発明の第1実施形態に係る杭基礎により支持される構造物を示す模式図である。 本発明の第1実施形態に係るベース部材を斜め上方から見下ろした斜視図である。 図2の矢印III方向から見たベース部材を示す側面図である。 図3に示すベース部材に支柱及び複数の杭が挿通された状態の杭基礎を示す側面図である。 図3の矢印Vで示す切断線上の断面図である。 図2の矢印VI方向から見たベース部材を示す平面図である。 本発明の第1実施形態に係る杭基礎の施工方法についての各工程を示すフローチャートである。 図7の準備工程の詳細を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係る杭基礎の施工方法についての各工程の様子を示す説明図である。 本発明の第1実施形態に係る杭基礎の作用を示す説明図である。 本発明の第2実施形態に係る杭基礎を斜め上方から見下ろした斜視図である。 図11に示す杭基礎のうち一部のベース部材のみを示す斜視図である。 図11の矢印XIII方向から見た杭基礎を示す側面図である。 図11の矢印XIV方向から見た杭基礎のうち一部のベース部材のみを示す平面図である。 本発明の第2実施形態に係る準備工程の詳細を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る杭基礎の施工方法についての各工程の様子を示す説明図である。 本発明の第1実施形態に係る杭基礎により支持される構造物の変形例を示す模式図である。 本発明の変形例に係る支柱が杭基礎に挿通された状態を示す斜視図である。
〔1.第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態に係る杭基礎及び杭基礎の施工方法について、トレーラーハウスを支持する杭基礎を例にとって、図面を参照しながら説明する。なお、本発明において、杭基礎が支持する構造物としては、トレーラーハウスに限られず、コンテナハウス、ユニットハウス、階段、通路又はソーラーパネル用架台など、各種の構造物にも適用することができる。
〔1.1 杭基礎及び構造物の全体像〕
図1は、第1実施形態に係る杭基礎1と、杭基礎1に支持されるトレーラーハウス9を示す模式図である。トレーラーハウス9は、ハウス91と、車輪92と、牽引具93とを有し、複数の杭基礎1(例えば、30個の杭基礎1)に支持される。ハウス91の底部には、ボルトの取付部分(図示省略)が形成されており、ハウス91の底部と杭基礎1の上部とをボルトにより締結することで、トレーラーハウス9は杭基礎1を介して地面G1に固定される。トレーラーハウス9は、杭基礎1により支持されるため、そのまま地面G1に据え置かれる従来の場合と比べて高い安定性を有する。地面G1に固定される前のトレーラーハウス9は、牽引具93を牽引車に接続した状態で、牽引車に牽引されることで移動可能である。
地面G1は、例えば坂道のように水平方向に対して傾斜(傾斜角度An)を有する面である。第1実施形態に係る杭基礎1は、高さ方向(鉛直方向)に対して、後述する高さ調節を容易に行うことが可能である。このため、傾斜を有する地面G1において、斜面上側(図1の左側)に位置する杭基礎1の高さを低く調節し、斜面下側(図1の右側)に位置する杭基礎1の高さを高く調節することで、トレーラーハウス9を水平に設置することができる。
〔1.2 杭基礎の構成〕
杭基礎1について、図2から図6を適宜参照しながら説明する。図2は、ベース部材2を斜め上方から見下ろした斜視図である。図3は、図2の矢印III方向から見たベース部材2を示す側面図である。図4は、図3に示すベース部材2に支柱3及び複数の杭4が挿通された状態の杭基礎1を示す側面図である。図5は、図3の矢印Vで示す切断線上の断面図である。図6は、図2の矢印VI方向から見たベース部材2を示す平面図である。
図4を参照する。杭基礎1は、ベース部材2と、支柱3と、複数の杭4とを備える。杭基礎1は、ベース部材2に支柱3及び複数の杭4が挿通された状態で、支柱3の上部に構造物を支持する。
図2及び図3を参照する。ベース部材2は、中央筒部21と、中央筒部21に対してそれぞれねじれの位置関係にある複数のガイド筒部22a、22b、22c、22dとが一体化された部材である。それぞれのガイド筒部22a、22b、22c、22dは、特に区別しない場合、単に「ガイド筒部22」と称する。本実施形態において、ガイド筒部22及び杭4はそれぞれ4個であるが、本発明の実施においてはこれに限られず、例えば2個又は3個であってもよいし、5個以上であってもよい。
中央筒部21及びガイド筒部22は、それぞれ内部に中空を有する筒である。本実施形態において、中央筒部21及びガイド筒部22の筒の断面形状は円形(図6参照)であるが、多角形状や楕円形状であっても良い。中央筒部21及びガイド筒部22の筒の断面形状は、後述する支柱3及び杭4の断面形状に応じた形状とされる。中央筒部21は、ベース部材2の中央に位置する。中央筒部21の軸心は、ベース部材2の中心線C1と一致する。
ガイド筒部22は、中央筒部21の周方向(すなわち中心線C1の周方向)に沿って等間隔に配置される。本実施形態では、ガイド筒部22は90度の間隔を空けて配置される。ガイド筒部22の軸心は、中央筒部21の軸心に対してねじれの位置関係にある。また、ガイド筒部22の軸心は、中央筒部21の周方向に隣接する他のガイド筒部22の軸心に対しても、互いにねじれの位置関係にある。
具体的には、ガイド筒部22aの軸心A1は、周方向に隣接するガイド筒部22bの軸心A2と互いにねじれの位置関係にあり、ガイド筒部22bの軸心A2は、周方向に隣接するガイド筒部22cの軸心A3と互いにねじれの位置関係にあり、ガイド筒部22cの軸心A3は、周方向に隣接するガイド筒部22dの軸心A4と互いにねじれの位置関係にあり、ガイド筒部22dの軸心A4は、周方向に隣接するガイド筒部22aの軸心A1と互いにねじれの位置関係にある。すなわち、4個のガイド筒部22は、互いにねじれの位置関係となるように中央筒部21の周方向に沿って配置される。
中央筒部21とガイド筒部22aは、軸心A1方向に延びる連結部分23aにおいて連結されることにより、一体化されている。すなわち、連結部分23aにより、中央筒部21とガイド筒部22aの位置関係が固定されている。同様に、中央筒部21とガイド筒部22b、22c、22dは、それぞれ軸心A2、A3、A4方向に延びる連結部分23b、23c、23dにおいて連結されることにより、一体化されている。連結部分23a、23b、23c、23dは、特に区別しない場合、単に「連結部分23」と称する。本実施形態において、それぞれの連結部分23は、中央筒部21の外周面において接続している。しかしながら、複数の連結部分23は、後述する第2実施形態のように互いに離れていてもよい。
本実施形態におけるベース部材2は、鋳造により中央筒部21及び複数のガイド筒部22が一体成形された鋳鋼である。すなわち、ベース部材2は、単一部材である。このように、ベース部材2に単一部材を用いることで、中央筒部21及び複数のガイド筒部22を独立した別の部材として接合する場合よりも、ベース部材2の強度を向上させることができる。また、鋳造により成形するため、複雑な形状であっても容易に成形することができる。
中央筒部21は、軸心方向の端部211、212を有する。端部211は、ベース部材2を地表に設置した際に鉛直方向の上側となる端部である。端部211は上方に開放されており、端部211から支柱3を挿通することができる。本実施形態において、端部212は下方に開放されており、中央筒部21は上方及び下方に開口した筒である。しかしながら、端部212は底面により閉塞されていてもよい。以下、端部211を「上端211」と称し、端部212を「下端212」と称する。
中央筒部21のうち、連結部分23が形成されない周壁には、中央筒部21を径方向に貫通する貫通孔213、214、215が形成されている。貫通孔213は、連結部分23よりも軸心方向一方側(図3の上側)に2個形成されている。換言すれば、貫通孔213は、中央筒部21の周壁のうち、連結部分23と上端211の間に形成されている。貫通孔214は、連結部分23よりも軸心方向一方側であり、貫通孔213よりも軸心方向他方側(図3の下側)に2個形成されている。換言すれば、貫通孔214は、中央筒部21の周壁のうち、連結部分23と貫通孔213の間に形成される。
貫通孔213及び貫通孔214の直径は、例えば15mmである。貫通孔213及び貫通孔214は、中央筒部21に挿通された支柱3を穿孔する際に電動ドリルを案内するためのドリル案内孔として機能する。また、貫通孔213及び貫通孔214は、中央筒部21の外周側からボルトを挿通させるためのボルト案内孔としても機能する。挿通されたボルトは、ナットと締結することでベース部材2と支柱3とを固定する。
貫通孔215は、中央筒部21の周方向に延びる貫通孔であり、中央筒部21の周壁に2個形成されている。貫通孔215は、ベース部材2の軽量化のために設けられる。貫通孔215の大きさとしては、ベース部材2の重量と、要求される中央筒部21の強度に応じて、適宜の大きさが選ばれる。このように中央筒部21に貫通孔215を設けることで、ベース部材2の重量を軽くすることができ、杭基礎1の施工において、ベース部材2を人力で運びやすくすることで、杭基礎1の施工の工期を短縮することができる。
図5を参照する。2個の貫通孔213は、中央筒部21の径方向一方側及び他方側に、それぞれ中心線C1に対して対称となる位置に配置される。このように2個の貫通孔213が中心線C1を挟んで向かい合う位置に配置されることで、支柱3を電動ドリルにより穿孔した後、1本のボルトを一方の貫通孔213から挿通し、他方の貫通孔213から突出させて、ナットで締結することができる。同様に、2個の貫通孔214は、中央筒部21の径方向一方側及び他方側に、それぞれ中心線C1に対して対称となる位置に配置される。
本実施形態において、貫通孔213は、貫通孔214の真上に形成される。しかしながら、貫通孔213は、貫通孔214の真上でない場所に配置されても良い。例えば、2個の貫通孔214が、それぞれ連結部分23a、23cの上方に形成され、2個の貫通孔213が、それぞれ連結部分23b、23dの上方に形成されても良い。すなわち、貫通孔213と貫通孔214は、互いに90度ずつ異なる角度で配置されても良い。
図4を参照する。支柱3は、金属管31と、取付具32とを有する。金属管31は、本実施形態では鋼管である。金属管31の直径は、例えば80mmから100mmであり、好ましくは89mmである。金属管31は、貫通孔213又は貫通孔214に挿通されるドリルにより穿孔可能な肉厚を有する。ここで、「ドリルにより穿孔可能な肉厚」とは、基礎の施工現場の作業員が手持ち可能な電動ドリルにより、30秒以内、好ましくは10秒以内に穿孔可能な肉厚を意味する。具体的には、鋼管の場合、5mm以下であり、例えば、3mmから4mmまでの肉厚である。支柱3の肉厚は、ドリルによる穿孔時間と、支柱3に要求される強度に応じて、適宜の肉厚が選ばれる。
また、支柱3は、カッターにより切断可能な肉厚及び直径を有する。具体的には、基礎の施工現場の作業員が手持ち可能な電動切断具(例えば、電動カッター、電動ノコギリ等)により、5分以内、好ましくは1分以内に切断可能な肉厚を意味する。
取付具32は、ハウス91の底部にある取付部分とボルトで締結するための取付金具である。取付具32は、金属製の円板部分321と、金属管31に嵌め込まれる嵌込部分322とを有する。円板部分321には、ボルトを締結するための複数の孔323が形成されている。本実施形態において、取付具32と金属管31は別々の部材を一体化したものであるが、取付具32と金属管31は一体形成された単一の部材であってもよい。
図5を参照する。ドリルにより穿孔される前の支柱3は、ベース部材2の中央筒部21の中空部分に挿通される。支柱3は、中央筒部21の中央に位置し、支柱3の軸心は、中央筒部21の軸心と一致する。すなわち、支柱3の軸心は、ベース部材2の中心線C1と一致する。支柱3の外径は、中央筒部21の内径と等しく(又は、中央筒部21の内径よりわずかに小さく)、支柱3が中央筒部21に挿通されると、支柱3の外周面と中央筒部21の内周面は、接触した状態となる。このとき、貫通孔213、214は、支柱3により中央筒部21の内周面側に塞がれた状態となる。
図4を参照する。杭4は、金属管(例えば、鋼管)である。杭4の直径は、例えば40mmから60mmであり、好ましくは49mmである。杭4の肉厚は、例えば2mmから4mmであり、好ましくは3mmである。4個の杭4は、4個のガイド筒部22にそれぞれ挿通される。杭4の外径は、ガイド筒部22の内径と等しく(又は、ガイド筒部22の内径よりわずかに小さく)、杭4がガイド筒部22に挿通されると、杭4の外周面とガイド筒部22の内周面は、接触した状態となる。このように、ガイド筒部22の内周面と接することで、杭4は、ガイド筒部22により地中への貫入角度を固定される。
ガイド筒部22は、それぞれねじれの位置関係にあるため、ガイド筒部22を介して地中に貫入される杭4も、それぞれねじれの位置関係にある。また、杭4は、ガイド筒部22と同じく90度の間隔を空けて配置される。このため、ベース部材2はガイド筒部22により地中へガイドされた杭4によって、バランスよく支持される。
〔1.3 杭基礎の施工方法〕
次に、以上に説明した杭基礎1の施工方法を説明する。杭基礎1は、以下に説明する施工方法を作業員が実行することにより、施工される。図7は、第1実施形態に係る杭基礎1の施工方法についての各工程を示すフローチャートである。図8は、図7の準備工程S11の詳細を示すフローチャートである。図9は、第1実施形態に係る杭基礎1の施工方法についての各工程の様子を示す説明図である。図9において、説明の簡単のため、地面G1は水平面として示す。
図7を参照する。杭基礎1の施工方法では、支柱3及び複数の杭4が挿通されている状態のベース部材2を準備する準備工程S11と、中央筒部21を径方向に貫通する貫通孔213、214を介して、ドリルにより中央筒部21に挿通されている支柱3に穿孔する穿孔工程S12と、穿孔工程S12により穿孔した支柱3の孔へ、貫通孔213、214を介してボルトを挿入し、中央筒部21に支柱3を固定する固定工程S13と、を実行する。
図8を参照する。準備工程S11が開始されると、はじめに、中央筒部21の軸心方向を鉛直方向にして、作業員がベース部材2を地面G1に設置する(ベース部材設置工程S21)。図9(a)は、ベース部材設置工程S21終了後の様子を示す図である。図9(a)に示すように、中央筒部21は、上端211を鉛直方向の上方に向け、下端212を鉛直方向の下方に向け、下端212が地面G1に接する姿勢で、地面G1に設置される。ベース部材2は、作業員による人力で運ばれ、地面G1に設置される。
次に、作業員は、4個の杭4を、4個のガイド筒部22を介してそれぞれ地中に貫入する(杭貫入工程S22)。地中への杭4の貫入は、作業員が手持ち可能な電動ハンマーなどの電動工具を用いて、杭4の上端部を打撃することにより行う。図9(b)は、杭貫入工程S22において、作業員が杭を貫入している様子を示す図である。
互いにねじれの位置関係にある軸心A1、A2、A3、A4方向に沿って、それぞれの杭4が地面G1に打設されることにより、ベース部材2はそれぞれの軸心A1、A2、A3、A4方向から杭4により支持される。このため、ベース部材2は、杭4により地面G1に対して固定され、ベース部材2が水平方向および鉛直方向に移動することを防止することができる。これにより、後述する支柱挿通工程S24によりベース部材2に挿通される支柱3を立設するのに十分な支持力を確保することができる。
次に、作業員は、支柱3を径方向に切断して、支柱3の軸心方向の長さを調節する(支柱準備工程S23)。作業員は、手持ちの電動カッターにより、支柱3を径方向に切断することで、軸心方向に所望の長さを有する支柱3を準備する。ここで、支柱3の軸心方向の長さは、後述する支柱挿通工程S24により支柱3を中央筒部21に挿通した後において、支柱3の高さとなる。この点で、支柱準備工程S23は、支柱3の高さを調節する調節工程ともいえる。
次に、作業員は、杭貫入工程S22及び支柱準備工程S23の後、軸心方向の長さを調節した支柱3を、中央筒部21に挿通する(支柱挿通工程S24)。支柱3の外径は、中央筒部21の内径と等しいため、支柱3の外周面と中央筒部21の内周面とが摺接しながら、支柱3は中央筒部21に挿通される。図9(c)は、支柱挿通工程S24終了後の様子を示す。以上により、準備工程S11が終了する。
図7を参照する。準備工程S11の後、穿孔工程S12を行う。穿孔工程S12において、作業員は、手持ちの電動ドリルを貫通孔213から径方向に挿入し、支柱3の周面を穿孔する。同様に、電動ドリルを貫通孔214から径方向に挿入し、支柱3の周面を穿孔する。本実施形態において、2個の貫通孔213、2個の貫通孔214に対し、それぞれ1箇所ずつ支柱3を穿孔する。これにより、支柱3には4個の孔が形成される。支柱3の周面のうち、貫通孔213、214に対応するすべての箇所に孔が形成されると、穿孔工程S12が終了する。図9(d)は、穿孔工程S12において支柱3を穿孔している様子を示す図である。
次に、固定工程S13を行う。固定工程S13が開始されると、2本のボルト51を、それぞれ貫通孔213、214に挿入して、中央筒部21に支柱3を固定する。具体的には、一方の貫通孔213からボルト51を挿入し、穿孔工程S12により穿孔した支柱3の孔を経由して、他方の貫通孔213からボルト51の端部を突出させる。そして、突出したボルト51にナットを締結する。同様に、一方の貫通孔214からボルト51を挿入し、支柱3の孔を経由して他方の貫通孔214からボルトの端部を突出させ、突出したボルト51にナットを締結する。図9(e)は、固定工程S13において中央筒部21及び支柱3にボルト51を挿入している様子を示す図である。ここで、ボルト51の直径は、貫通孔213、214の直径よりも小さく、例えば12mmである。また、ボルト51の長さは、中央筒部21の外径よりも長く、例えば110mmである。
〔1.4 第1実施形態の作用と効果〕
以上のように、第1実施形態に係る杭基礎1は、ベース部材2のガイド筒部22に挿通される複数の杭4によりベース部材2が支持される。また、ベース部材2の中央筒部21に挿通される支柱3は、貫通孔213、214に挿通されるドリルにより穿孔可能な肉厚を有する金属管31を含む。これにより、支柱3を施工の現場でベース部材2に挿通した後、ドリルにより支柱3を穿孔することができる。このような杭基礎1は、整地されていない凹凸を有する地面にトレーラーハウス9を固定する場合に、特に有用である。
図10は、本発明の第1実施形態に係る杭基礎1の作用を示す説明図である。図10において、車輪92は図示省略する。トレーラーハウス9を設置する土地は、高さの異なる地面G2、G3を有する。施工の現場にて、ベース部材設置工程S21及び杭貫入工程S22を実行した後、地面G2、G3のそれぞれからハウス91のボルトの取付部分までの長さ(L1、L2)を測定し、支柱準備工程S23において、支柱3を当該長さに応じた長さに切断する。これにより、地表の形状に応じて支柱3の鉛直方向の高さを容易に調節することができる。
その後、支柱挿通工程S24、穿孔工程S12及び固定工程S13を実行すると、ハウス91のボルトの取付部分までの高さが揃った複数の杭基礎1が地面G2、G3に設置される。その後、トレーラーハウス9を杭基礎1の直上に移動させ、ハウス91の取付部分と取付具32とをボルトで固定することで、複数の杭基礎1が構造物たるトレーラーハウス9を支持する状態になる。
以上の工程は、すべて手持ちの工具で施工が可能であり、大規模な重機を用いる必要がないため、施工にかかる費用を抑えることができる。また、コンクリート基礎を用いないため、施工にかかる期間を短くすることができる。また、複数の杭基礎1により、たとえ図10のように凹凸のある土地や、不陸の土地であったとしても、トレーラーハウス9を地面に固定することができる。このため、トレーラーハウス9を安定して設置するための地盤整備(例えば、地面を均す等の造成作業)を行う必要がなく、仮設住宅としてのトレーラーハウス9を設置するための費用や工期を短縮することができる。
また、トレーラーハウス9がその土地での役割を終えた際には、取付具32とハウス91の取付部分とを締結するボルトを外した後、トレーラーハウス9を牽引車により牽引することで、その土地からトレーラーハウス9を容易に移動することができる。トレーラーハウス9は、その後別の用途(例えば、他の災害時の仮設住宅として用いる等)に再利用することができる。そして、ベース部材2自体には、施工時に穿孔や変形などの加工を行っていないため、支柱3や杭4を抜いた後、ベース部材2も再利用することができる。このため、木杭やコンクリート基礎を用いる従来の仮設住宅の施工と比べ、仮設住宅の解体後の廃棄物の量を低減することができる。このため、廃棄物処理費等を含む解体費用を削減することができる。
〔2.第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。以下の第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
〔2.1 杭基礎の構成〕
図11は、第2実施形態に係る杭基礎1aを斜め上方から見下ろした斜視図である。図12は、図11に示す杭基礎1aのうち一部のベース部材2aのみを示す斜視図である。図13は、図11の矢印XIII方向から見た杭基礎1aを示す側面図である。図14は、図11の矢印XIV方向から見た杭基礎1aのうち一部のベース部材2aのみを示す平面図である。
第1実施形態において、ベース部材2は単一部材である。これに対し、第2実施形態において、ベース部材2aは中央筒部21aを径方向の一方側と他方側に分割した2個の分割部材61である。2個の分割部材61は、互いに同じ形状を有する。また、ベース部材2aは、2個の分割部材61を連結させるための連結具62を有する。
図12及び図13を参照する。図12は、ベース部材2aのうち、1個の分割部材61のみを示す図である。図13は、ベース部材2aに支柱3a及び複数の杭4が挿通された状態の杭基礎1aを示す側面図である。分割部材61は、支柱3aを径方向の一方側から覆う半筒部611を有する。半筒部611は、図14に示すように半円形状を有する。図11に示すように、2個の半筒部611が周方向に組み合されることで、中央筒部21aが形成される。1個の分割部材61は、中央筒部21aとねじれの位置関係にある2個のガイド筒部24と、貫通孔213a、214aを1個ずつ有する。
分割部材61において、貫通孔213aは、連結部分23よりも軸心方向一方側(図13の上側)に1個形成されている。換言すれば、貫通孔213aは、分割部材61の周壁のうち、連結部分23と上端211の間に形成されている。分割部材61において、貫通孔214aは、連結部分23よりも軸心方向他方側(図13の下側)に1個形成されている。換言すれば、貫通孔214aは、分割部材61の周壁のうち、連結部分23と下端212の間に形成される。
連結具62は、図12に示すようにボルトを挿通可能な貫通孔621を有する。連結具62は、分割部材61と一体化されている。2個の分割部材61を径方向の一方側と他方側とで向かい合せると、互いの連結具62の貫通孔621は同じ位置に位置する。そして、2個の分割部材61を組合せた状態で貫通孔621にボルトを挿通してナットを締結することで、2個の分割部材61を連結することができる。
連結具62により2個の分割部材61を連結すると、それぞれの分割部材61に形成されている貫通孔213aが中心線C1を中心に向かい合う。同様に、2個の貫通孔214aも、中心線C1を中心に向かい合う。
ガイド筒部24のうち、連結部分23が形成されない周壁には、軸心方向に延びる形状の貫通孔241が形成されている。貫通孔241は、ベース部材2aの軽量化のために設けられる。貫通孔241の大きさとしては、ベース部材2aの重量と、要求されるガイド筒部24の強度に応じて、適宜の大きさが選ばれる。このようにガイド筒部24に貫通孔241を設けることで、ベース部材2aの重量を軽くすることができ、杭基礎1aの施工において、ベース部材2aを人力で運びやすくすることで、杭基礎1aの施工の工期を短縮することができる。
本実施形態における分割部材61は、鋳造により半筒部611、2個のガイド筒部24及び連結具62が一体成型された鋳鋼である。すなわち、1個の分割部材61は、単一部材である。このように、分割部材61に単一部材を用いることで、半筒部611、2個のガイド筒部24及び連結具62を独立した別の部材として溶接等により接合する場合よりも、分割部材61の強度を向上させることができる。
図13を参照する。第1実施形態に係る支柱3は、中央筒部21に挿通された後、中央筒部21の内部で、地面に設置される。これに対し、第2実施形態に係る支柱3aは、取付具32が接続される端部とは異なる端部33にスパイラル構造を有する杭(スクリュー管又はスパイラル管ともいう)である。支柱3aは、電動ドリルなどの電動工具により、端部33及び端部33側の一部の金属管31を地中に打込み可能である。
以上のように、第2実施形態では、ベース部材2aとして、2個の分割部材61を用いる。このため、ベース部材を単一部材とする場合よりも部材1つの重量が軽くなり、作業員が人力で容易に運ぶことができる。したがって、杭基礎1aの施工の期間を短縮することができる。また、2個の分割部材61は同じ形状を有するため、鋳型や金型等の点数を少なくでき、鋳型や金型等の大きさも小さくできる。このため、製造コストを削減することができる。また、分割部材61を用いることで、後述するように現場の状況に応じた柔軟な施工が可能となる。
〔2.2 杭基礎の施工方法〕
次に、以上に説明した杭基礎1aの施工方法を説明する。杭基礎1aは、以下に説明する施工方法を作業員が実行することにより、施工される。第2実施形態の施工方法は、第1実施形態と、準備工程S11の内容が相違し、その他の点では共通するため、共通点については説明を省略する。図15は、第2実施形態に係る準備工程S11の詳細を示すフローチャートである。図16は、第2実施形態に係る杭基礎1aの施工方法についての各工程の様子を示す説明図である。図16において、説明の簡単のため、地面G1は水平面として示す。
図15を参照する。準備工程S11が開始されると、はじめに、支柱3aの軸心方向を鉛直方向にして、作業員が支柱3aの端部33及び一部の金属管31を地中に貫入する(支柱貫入工程S31)。支柱貫入工程S31において、作業員は、支柱3aの設置場所まで支柱3aを人力で運んだ後、支柱3aの端部33を地面G1に突き刺す。そして、電動ドライバーなどの電動工具を用いて、支柱3aをスパイラル構造に沿う周方向に回転させながら地中に打込む。
支柱3aのうち地上に突出する部分の軸心方向の長さ(高さ)は、支柱3aを地中に打込みながら調節する。すなわち、軸心方向の長さをより短くしたい場合には、より深く支柱3aを打込むようにする。この点で、支柱貫入工程S31は、支柱3aの高さを調節する調節工程としても機能する。図16(a)は、支柱貫入工程S31終了後の様子を示す図である。
次に、ベース部材設置工程S32を行う。ベース部材設置工程S32が開始されると、作業員は、支柱3aのうち地上に突出する部分を2個の分割部材61により支柱3aの径方向の一方側および他方側からそれぞれ覆う。図16(b)は、支柱3aのうち地上に突出する部分を2個の分割部材61により覆う様子を示す図である。次に、作業員は、連結具62の貫通孔621にボルトを挿通してナットを締結することで、支柱3aを覆った状態で2個の分割部材61を連結する。図16(c)は、2個の分割部材61をボルトで連結した後の様子を示す図である。以上により、ベース部材設置工程S32が終了する。
次に、作業員は、4個の杭4を、4個のガイド筒部24を介してそれぞれ地中に貫入する(杭貫入工程S33)。地中への杭4の貫入は、作業員が手持ち可能な電動ハンマーなどの電動工具を用いて、杭4の上端部を打撃することにより行う。図16(d)は、杭貫入工程S33において、作業員が杭を貫入している様子を示す図である。
以上により、第2実施形態に係る準備工程S11が終了する。その後、第1実施形態と同様に、中央筒部21aを径方向に貫通する貫通孔213a、214aを介して、ドリルにより中央筒部21aに挿通されている支柱3aに穿孔する穿孔工程S12と、穿孔工程S12により穿孔した支柱3aの孔へ、貫通孔213a、214aを介してボルト51を挿入し、中央筒部21aに支柱3aを固定する固定工程S13と、を行う。図16(e)は穿孔工程S12の様子を、図16(f)は固定工程S13の様子を、それぞれ示す図である。
〔2.3 第2実施形態の作用と効果〕
以上のように、第2実施形態では、ベース部材2aとして2個の分割部材61を用い、支柱3aを地中に打込んで、支柱3aのうち地上に突出する部分の長さ調節をした後に、ベース部材2aを設置して、支柱3aに固定する。このため、支柱3aの打込み量により支柱3aの長さ(高さ)調節を容易に行うことができる。また、支柱3aは貫通孔213a、214aに挿通されるドリルにより穿孔可能な肉厚を有する金属管31を含む。したがって、金属管31であればいずれの周面にもドリルにより穿孔可能であるため、支柱3aの打込み量により長さ調節をした後にベース部材2aを設置した場合であっても、支柱3aにドリルにより穿孔した孔を用いて、支柱3aとベース部材2aとの固定を容易に行うことができる。
取付具32の円板部分321の外径は、中央筒部21aの内径よりも大きいため、そのままでは中央筒部21aは図16(a)に示す状態の支柱3aに挿通することはできない。しかしながら、本実施形態では、ベース部材2aを2個の分割部材61とすることで、支柱3aを径方向の一方側および他方側からそれぞれの分割部材61で覆うことができる。このため、取付具32を予め金属管31に固定した状態で用いることができる。これにより、施工の現場における作業数を減らすことができ、施工の期間を短縮することができる。
〔3.変形例〕
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した形態以外にも種々の変更を行うことが可能である。以下、本発明の実施形態に係る変形例について説明する。以下の変形例において、実施形態と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
〔3.1 構造物の変形例〕
上記の第1実施形態及び第2実施形態では、車輪92のついたトレーラーハウス9が複数の杭基礎1により支持される。しかしながら、杭基礎1により支持される構造物はトレーラーハウス9に限られない。図17は、杭基礎1(第1実施形態に係る杭基礎1と同様の杭基礎である)と、杭基礎1に支持されるコンテナハウス9aを示す模式図である。コンテナハウス9aは、ハウス91aを有する。コンテナハウス9aは、例えば既に組み立てられた状態でトラックの荷台等に積載され、設置先へ輸送される。ハウス91aの底部には、ボルトの取付部分(図示省略)が形成されており、ハウス91aの底部と杭基礎1の上部とをボルトにより締結することで、コンテナハウス9aは杭基礎1を介して地面G1に固定される。
〔3.2 取付具の変形例〕
上記の第1実施形態及び第2実施形態に係る取付具32は、円板部分321を有する。しかしながら、本発明の実施は、これに限られない。図18は、変形例に係る支柱3bを示す斜視図である。支柱3bは、円板部分321に代えて金属製の矩形板部分321aを有する点で、第1実施形態に係る支柱3と相違し、その他の点では共通する。このため、図18において、第1実施形態と同じ部分については同じ符号を付し、説明を省略する。なお、図18において、ベース部材2の貫通孔213、214には、既にボルト51がそれぞれ挿通されている状態を示す。矩形板部分321aは、長方形状の板である。矩形板部分323aには、ボルトを締結するための複数の孔323a(図18中には2個)が形成されている。このような支柱3bによっても、構造物を支持することができる。
〔3.3 杭基礎の施工方法の変形例〕
上記の第1実施形態及び第2実施形態では、複数の杭基礎を地面に固定した後、構造物を杭基礎の上部に固定する。しかしながら、上記の第2実施形態に係る2個の分割部材61を有する杭基礎1aであれば、既に構造物が固定された基礎を杭により後から補強するという用途に供することもできる。
すなわち、第2実施形態において、複数の支柱3aを地中に貫入し、その後、ベース部材2aが未設置の状態で、先にトレーラーハウス9を複数の支柱3aの上部に載置し、トレーラーハウス9と複数の支柱3aとをボルトにより締結する。これにより、トレーラーハウス9は複数の支柱3aにより支持される。そして、トレーラーハウス9を支持する複数の支柱3aのうち、一部の支柱3aに対してのみ、2個の分割部材61を用いて上記のベース部材設置工程S32、杭貫入工程S33、穿孔工程S12及び固定工程S13を行い、当該一部の支柱3aを補強する。例えば、特に荷重のかかる支柱3aや、特に地盤が軟弱な位置に貫入される支柱3aに対して、選択的にベース部材2aが設置される。なお、全ての支柱3aに対してベース部材2aが設置されても良い。
また、早急にトレーラーハウス9の設置が必要とされる場合、上記と同様にベース部材2a未設置の状態で、先にトレーラーハウス9を複数の支柱3aにより固定し、仮設住宅として用いる最中に、必要に応じて後から分割部材61及び杭4を用いて補強するという用い方もできる。
このように施工されることにより、現場の状況に応じた柔軟な施工が可能であり、また予め地盤を補強する工事が不要であることから、トレーラーハウス9等の構造物を設置するための工期を短縮することができる。
〔4.その他〕
なお、上述の実施形態及び各種の変形例については、その少なくとも一部を、相互に任意に組み合わせてもよい。また、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1、1a 杭基礎
2、2a ベース部材
21、21a 中央筒部
211 端部(上端)
212 端部(下端)
213 貫通孔
214 貫通孔
215 貫通孔
22、22a、22b、22c、22d、24 ガイド筒部
23、23a、23b、23c、23d 連結部分
3、3a、3b 支柱
31 金属管
32 取付具
321 円板部分
321a 矩形板部分
322 嵌込部分
323、323a 孔
33 端部
4 杭
51 ボルト
61 分割部材
611 半筒部
62 連結具
621 貫通孔
9 トレーラーハウス
9a コンテナハウス
91、91a ハウス
92 車輪
93 牽引具
G1、G2、G3 地面
C1 中心線
A1、A2、A3、A4 (ガイド筒部の)軸心
An 傾斜角度

Claims (8)

  1. 中央筒部と、前記中央筒部に対してそれぞれねじれの位置関係にある複数のガイド筒部と、が一体化されたベース部材と、
    前記中央筒部に挿通可能な支柱と、
    前記複数のガイド筒部にそれぞれ挿通可能な複数の杭と、
    を備え、
    前記中央筒部は、前記中央筒部を径方向に貫通する複数の貫通孔を有し、
    前記支柱は、前記貫通孔に挿通されるドリルにより穿孔可能な肉厚を有する金属管を含み、
    前記ベース部材は、前記中央筒部を径方向の一方側と他方側に分割した2個の分割部材であり、
    前記2個の分割部材は、それぞれ前記貫通孔、及び前記2個の分割部材を連結させる連結具を有し、
    前記2個の分割部材は、互いに同じ形状を有し、
    前記分割部材は、前記支柱を径方向の一方側から覆う半筒部、及び前記複数のガイド筒部の半数の前記ガイド筒部を有し、
    前記2個の分割部材は、それぞれの前記半筒部が、周方向に組み合されることで、前記中央筒部を形成されるように構成され、
    周方向に組み合される2個の前記半筒部は、互いの接触面が噛み合うように構成された凸部及び凹部を有し、
    前記連結具により前記2個の分割部材を連結すると、それぞれの前記分割部材に形成されている前記貫通孔が前記中央筒部の軸線を中心に向かい合うように構成されている、
    杭基礎。
  2. 前記凸部及び前記凹部は、前記半筒部において、前記中央筒部の上側の端部となる領域に配置されている、
    請求項1に記載の杭基礎。
  3. 前記ガイド筒部は、その周壁に軽量化用貫通孔を有する、
    請求項1に記載の杭基礎。
  4. 前記連結具は、ボルトを挿通可能な連結用貫通孔を有し、
    前記2個の分割部材を径方向の一方側と他方側とで向かい合せると、互いの前記連結具の前記連結用貫通孔は同じ位置に位置するように構成されている、
    請求項1に記載の杭基礎。
  5. 前記分割部材は、鋳造により前記半筒部、前記ガイド筒部及び前記連結具が一体成型された鋳鋼である、
    請求項1に記載の杭基礎。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の杭基礎の一部材として用いられるベース部材。
  7. 請求項1~5のいずれか1項に記載の杭基礎の施工方法であって、
    前記支柱及び前記複数の杭が挿通されている状態の前記ベース部材を準備する準備工程と、
    前記中央筒部を径方向に貫通する貫通孔を介して、ドリルにより前記中央筒部に挿通されている前記支柱に穿孔する穿孔工程と、
    前記穿孔工程により穿孔した前記支柱の孔へ、前記貫通孔を介してボルトを挿入し、前記中央筒部に前記支柱を固定する固定工程と、
    を備える、
    杭基礎の施工方法。
  8. 前記準備工程は、
    前記支柱の軸心方向を鉛直方向として前記支柱の一部を地中に貫入する支柱貫入工程と、
    前記支柱貫入工程の後、前記支柱のうち地上に突出する部分を前記2個の分割部材により前記支柱の径方向の一方側及び他方側からそれぞれ覆った状態で、前記2個の分割部材を連結する、ベース部材設置工程と、
    前記ベース部材設置工程の後、前記複数の杭を、前記複数のガイド筒部を介してそれぞれ地中に貫入する杭貫入工程と、
    を有する、
    請求項7に記載の杭基礎の施工方法。
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