JP3890666B2 - 逆打ち工法における構真柱と本体鉄骨との接合方法および接合構造 - Google Patents
逆打ち工法における構真柱と本体鉄骨との接合方法および接合構造 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、逆打ち工法において地中に打設される構真柱の上端部に地上柱を立設する際に、これら構真柱と地上柱との間に介在させる本体鉄骨を構真柱に接続するための構真柱と本体鉄骨との接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年ではビルの地下階を構築する際、逆打ち工法により施工するケースが多くなっている。この逆打ち工法に関しては、例えば特開平5−214736号公報(Int.Cl.E02D 29/00 ),特開平6−81356号公報(Int.Cl.E02D 29/04 ),特開平7−102584号公報(Int.Cl.E02D 29/045),特開平8−158387号公報(Int.Cl.E02D 29/045)等によって各種の提案がなされている。即ち、上記逆打ち工法は、まず地中に杭穴を掘削して構真柱を挿入し、該構真柱の下端部を打設コンクリートで固定した後、地面を掘削して地下階を下方に向かって構築すると共に、上記構真柱の上端部に接続した本体鉄骨に対し地上柱を立設し、地下階と地上階の工事の同時進行を可能として、工期の短縮化を達成できるようになっている。
【0003】
上記本体鉄骨は、構真柱と地上柱との間に介在され、地上柱を接続するベースプレートが設けられるとともに、また1階の床面を構成する梁を接続するためのブラケット等が突設される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる従来の逆打ち工法にあっては、構真柱の上端部に予め工場等で本体鉄骨を溶接したものを現場に搬入し、該本体鉄骨が一体化された構真柱を杭穴に打設するようになっている。ところで、上記構真柱が杭穴内に挿入された際に高い鉛直精度が要求されるのは勿論のこと、上記本体鉄骨には地上柱が接続される関係上、特に厳しい建込み精度、例えば上下位置精度,鉛直精度、水平建込み位置精度および回転精度等が要求される。
【0005】
ところが、構真柱が長尺であるため、その建込み精度を確保しずらい上に、構真柱に上記本体鉄骨が接続された状態では更に長尺化されるため、建込み精度の確保が著しく困難になってしまう。更には、上記本体鉄骨に梁接続用のブラケットが取付けられる場合は、杭穴内に該ブラケット部分が挿入されねばならず、該杭穴径に応じて該ブラケットの長さに制約を受けるという課題があった。
【0006】
そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑みて、構真柱と本体鉄骨とを分離して構真柱のみを先行して建込み、該構真柱を固定した後に現場で本体鉄骨を接続することにより、該構真柱および本体鉄骨の建込み精度を向上することができる逆打ち工法における構真柱と本体鉄骨との接合方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために請求項1に示す本発明の逆打ち工法における構真柱と本体鉄骨との接合方法は、地中に構真柱を打設した後、地面を掘削して地下階を下方に向かって構築すると共に、上記構真柱の上端部に接続した本体鉄骨に対し地上柱を立設し、地下階と地上階との工事を同時に進行するようにした逆打ち工法において、上記構真柱を打設する際、上記本体鉄骨を分離した状態で該構真柱を予め掘削した杭穴内に挿入し、この杭穴内にコンクリートを打設して上記構真柱の下端部を固定した後、構真柱の上端部が所定高さまで突出するように地面を掘削し、この掘削面を作業床として構真柱の上端部に、下面から上記構真柱と同形状の取付部が垂設されたベースプレートの上記取付部を上記構真柱の上端に突合わせ、上記取付部と上記構真柱に跨って、上記取付部および上記構真柱に対応する位置にそれぞれ上下方向に長穴となるルーズホールが形成された連結板を配置し、上記取付部および上記構真柱をそれぞれ貫通するように上記ルーズホールに挿通したボルトにナットを締付けて、上記ベースプレートを上記構真柱に固定し、このベースプレートに上記本体鉄骨の下端を固定することにより、上記構真柱に上記本体鉄骨を接続することを特徴とする。
また、請求項2に示す本発明の逆打ち工法における構真柱と本体鉄骨との接合方法は、上記連結板を、上記取付部および上記構真柱のそれぞれのウエブ両面間およびフランジ両面間に跨って配置し、上記連結板には上記ルーズホールが上記ウエブおよび上記フランジの両面で対応するように複数形成され、上記ボルトを、上記ウエブおよび上記フランジを貫通してそれぞれ対応するルーズホール間に挿通させてナットを締付けることを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に示す本発明の逆打ち工法における構真柱と本体鉄骨との接合方法は、上記構真柱を上記杭穴に挿入する際、該構真柱の上端部に吊下げ治具を着脱可能に取付けた状態で、該吊下げ治具を位置決め架台を介して上下位置調整可能に杭穴上端部に支持し、構真柱の高さを調整した状態で杭穴に構真柱固定用のコンクリートを打設した後、吊下げ治具を取外して構真柱上端部に位置調整可能なベースプレートを取付け、該ベースプレートに上記本体鉄骨を接続することを特徴とする。
【0009】
更に、請求項4に示す本発明の逆打ち工法における構真柱と本体鉄骨との接合方法は、上記構真柱を予め長めに形成しておき、該構真柱を上記杭穴内に挿入して下端部をコンクリートで固定した後、該構真柱の上端部を所定の高さ位置で切断し、切断した上端部にベースプレートを固定すると共に、該ベースプレートに上記本体鉄骨を接続することを特徴とする。
また、請求項5に示す本発明の逆打ち工法における構真柱と本体鉄骨との接合構造は、上記本体鉄骨を分離した状態で該構真柱を予め掘削した杭穴内に挿入し、この杭穴内にコンクリートを打設して上記構真柱の下端部を固定した後、構真柱の上端部が所定高さまで突出するように地面を掘削し、この掘削面を作業床として上記構真柱の上端部に、下面から上記構真柱と同形状の取付部が垂設されたベースプレートの上記取付部を上記構真柱の上端に突合わせ、上記取付部と上記構真柱に跨って、上記取付部および上記構真柱に対応する位置にそれぞれ上下方向に長穴となるルーズホールが形成された連結板を配置し、上記取付部および上記構真柱をそれぞれ貫通するように上記ルーズホールに挿通したボルトにナットを締付けて、上記ベースプレートを上記構真柱に固定し、このベースプレートに上記本体鉄骨の下端を固定することにより、上記構真柱に上記本体鉄骨を接続してなることを特徴とする。
【0010】
以上述べた本発明の作用を述べると、請求項1、2、および5では、本体鉄骨を分離した状態で構真柱を予め掘削した杭穴内に挿入して、該構真柱を本体鉄骨に先行して杭穴内に固定し、該構真柱が固定された段階で地面を掘削して、該構真柱の上端部に上記本体鉄骨を現場作業によってベースプレートおよび連結板により接続するようにしていて、その際、連結板に設けたルーズホールによりベースプレートの高さおよび傾きを微調整できるので、該本体鉄骨の上下位置とか鉛直性、水平位置精度および回転位置等を細かく測定しつつ建込むことができる。このため、構真柱の建込み精度のみならず、本体鉄骨の建込み精度を著しく向上することができ、延いては該本体鉄骨上に構築される地上階の建込み精度を向上できるようになる。また、上記本体鉄骨は地面を掘削した状態で接続されるため、該本体鉄骨から梁接続用のブラケットが大きく突設される場合にも、該ブラケットが杭穴と干渉することがなく、該ブラケットの長さを任意に設定することができる。
【0011】
また、請求項3では、構真柱を杭穴内に固定する際、構真柱は吊下げ治具および位置決め架台を介して高さ調整されるため、該構真柱の上下方向の建込み精度を正確に出すことができる。そして、構真柱を固定した後に上記吊下げ治具を取外して、該構真柱上端部に本体鉄骨を接続するためのベースプレートを取付けるのであるが、該ベースプレートは位置調整が可能となっているため、該ベースプレートの高さおよび傾き等を現場で微調整することにより、該ベースプレートに接続される本体鉄骨の建込み精度を著しく高くできる。
【0012】
更に、請求項4では、長めに形成した構真柱を杭穴内に固定した後、該構真柱の上端部を切断して、この上端部に本体鉄骨を接続するためのベースプレートを固定するようにしていて、構真柱の上端部に固定するベースプレートの高さおよび傾きを正確に設定することができ、延いては上記ベースプレートを介して接続される上記本体鉄骨の建込み精度を著しく高くできる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。図1から図3は本発明の逆打ち工法における構真柱と本体鉄骨との接合方法の一実施形態を示し、図1は構真柱を打設して本体鉄骨を接続する過程を順を追って示す説明図、図2は本体鉄骨を接続するためのベースプレートを示す図、図3は逆打ち工法により構築される躯体骨組みを示す説明図である。
【0014】
即ち、本実施形態が適用される逆打ち工法は図3に示すように、杭10と一体化する構真柱11を地中に打設し、その後に構真柱11が打設された領域の地面GLを掘削して地下階Bを下方へ向かって順次構築すると共に、上記構真柱11の上方に地上柱12を接続して地上階Aを上方へと順次構築していく。上記地下階Bには地下一階BF1が構築され、該地下一階BF1の下層に耐圧盤13が設けられる。ここで、上記構真柱11と上記地上柱12との間には、接続用の本体鉄骨14が介在され、該本体鉄骨14には一階F1の床面FLを構成する梁15を取付けるためのブラケット16が突設される。
【0015】
上記構真柱11の打設および上記本体鉄骨14の接続は、まず図1(a)に示すように杭を打設する位置に杭穴17を掘削し、該杭穴17が所定深さに達した後に、同図(b)に示すように杭用の鉄筋籠18を挿入する。その後、同図(c)に示すように上記杭穴17内に構真柱11を建込む。構真柱11はH型鋼で形成され、上端部には吊下げ治具19が着脱可能に取付けられると共に、該吊下げ治具19は杭穴17の周縁部に設置した位置決め架台20を介して上下位置調整可能に支持される。
【0016】
そして、同図(d)に示すように上記構真柱11の下端部を上記鉄筋籠18内に挿入した状態で、上記位置決め架台20に対する吊下げ治具19の位置を調整して、後述するベースプレート23の配置レベルLが所定高さとなるように位置決めする。このときの構真柱11の建込み精度は、例えば水平度は±10mm,上下位置は±50mm,回転度は0.05rad以下,傾斜度は1/200以下に抑えられる。
【0017】
次に、同図(e)に示すように杭穴17内にトレミー管21を挿入して、コンクリート22を上記鉄筋籠18が埋設される程度の深さに打設して上記杭10を形成する。このとき、上記杭10内に構真柱11の下端部が埋設された状態にある。上記トレミー管21はコンクリート22の打設完了後に取り除かれる。そして、上記コンクリート22の硬化により構真柱11下端部が固定された後、該構真柱11から上記吊下げ治具19を取り外す。
【0018】
その後、同図(f)に示すように地面GLを掘削して、構真柱11の上端部を所定高さまで突出させ、そのときの掘削面Eを作業床として構真柱11の上端部にその後上記本体鉄骨14を接続する。地面GLの掘削時には作業者等の落下防止のため上記杭穴17を埋め戻しておく。上記本体鉄骨14の接続は、同図に示すようにまず構真柱11の上端部に接続用のベースプレート23を取付ける。
【0019】
上記ベースプレート23は図2(a)に示すように正方形状を成し、同図(b),(c)に示すようにその下面中央から上記構真柱11と同形状のH型鋼で形成された短寸の取付部23aが垂設される。そして、上記取付部23aを構真柱11の上端に突合わせ、それぞれのウエブW両面間およびそれぞれのフランジF両面間に跨がって連結板24を配置し、この連結板24を介して上記ベースプレート23を構真柱11に固定する。
【0020】
上記それぞれの連結板24の両端部には、上下方向に長穴となるルーズホール24aが、上記ウエブWおよび上記フランジFの両面で対応するように複数形成される。そして、上記ウエブWおよびフランジFを貫通してそれぞれ対応するルーズホール24a間に図外のボルトを挿通して、それぞれに図外のナットを締付けるようになっている。従って、上記ベースプレート23を構真柱11に取付ける際、上記連結板24のルーズホール24aに対するボルト位置を調節することにより、ベースプレート23の高さ位置および傾斜角を微調整することができる。また、上記ベースプレート23にはその上に上記本体鉄骨14を仮止めするための複数のボルト挿通穴23bおよび空気抜き穴23cが形成されている。
【0021】
そして、構真柱11に上記ベースプレート23を微調整しつつ固定した後、図1(g)に示すように上記本体鉄骨14の下端をベースプレート23上に突合わせ状態で載置する。本体鉄骨14の中央部には、水平方向に一階床面FLの梁15を接続するためのブラケット16が突設されており、かつ、該本体鉄骨14の下端には上記ベースプレート23と略同形状の取付板25が設けられている。同図では建物の周縁部に位置する構真柱11を示す関係上、上記ブラケット16は本体鉄骨14の片側方向に突設された状態を示す。
【0022】
上記取付板25には、同図(h)に示すように上記ボルト挿通穴23bに対応してボルト挿通穴25aが形成されている。また、上記取付板25の上面には、上記ボルト挿通穴25aと同軸にウエルドナット26aが固定され、上記ボルト挿通穴23b,25aを挿通する仮止めボルト26を該ウエルドナット26aに締付けることにより、ベースプレート23と取付板25とが仮固定される。そして、同図(i)に示すように仮固定された上記ベースプレート23と上記取付板25の周縁部間を溶接27する。その後、同図(j)に示すように上記仮止めボルト26を取外して、上記本体鉄骨14の結合が完了される。
【0023】
従って、本実施形態の構真柱11と本体鉄骨14との接合方法にあっては、本体鉄骨14を分離した状態で構真柱11を杭穴17内に挿入し、該構真柱11の下端部を杭穴17内に打設したコンクリート22に固定し、そして、該構真柱11が固定された段階で地面GLを掘削して、該構真柱11上端部に上記本体鉄骨14を現場作業によって接続するようになっている。このとき、上記構真柱11を杭穴17内に固定する際、構真柱11は吊下げ治具19および位置決め架台20を介して高さ調整されるので、該構真柱11の上下方向の建込み精度を正確に出すことができる。
【0024】
そして、上記構真柱11を固定した後に上記吊下げ治具19を取外して、該構真柱11の上端部に本体鉄骨14を接続するためのベースプレート23を取付けるのであるが、該ベースプレート23はルーズホール24aによって位置調整が可能となっている。このため、ベースプレート23の高さおよび傾き等を現場で微調整することができ、該ベースプレート23に接続される上記本体鉄骨14の建込み精度を著しく高くできる。従って、建込み精度を高く確保できる本体鉄骨14に地上柱12を接続することにより、該地上柱12の建込み精度を高くし、延いては地上階Aを著しく高い精度で構築することができる。
【0025】
また、地面GLを掘削してこの掘削面Eを作業床として上記本体鉄骨14を構真柱11に接続するので、該本体鉄骨14から梁接続用のブラケット16が大きく突設される場合にも、該ブラケット16が杭穴17と干渉することがなく、該ブラケット16の長さを任意に設定することができる。更に、上記本体鉄骨14を構真柱11に接続完了した状態では、ベースプレート23と取付板25が溶接されて、それぞれを上下に貫通するボルト挿通穴23b,25aから仮止めボルト26が取り外された状態にあるので、その後構真柱11の周囲に型枠を設置してコンクリートを打設する際の空気抜き孔として用いることができる。
【0026】
図4,図5は他の実施形態を示し、上記実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べる。図4は構真柱を打設して本体鉄骨を接続する過程を順を追って示す説明図、図5は本体鉄筋を接続するためのベースプレートを示す図である。
【0027】
この実施形態の逆打ち工法における構真柱と本体鉄骨との接合方法にあっては、構真柱11を予め長めに形成しておき、該構真柱11を杭穴17内に挿入して下端部をコンクリート22で固定した後、本体鉄骨14の接続時に構真柱11の上端部を所定の高さ位置で切断するようにしたものである。
【0028】
即ち、この実施形態では図4(a)から(j)は、上記実施形態を示した図1(a)から(j)と略同様の過程よって構真柱11が建込まれる。つまり、杭穴17を掘削し(図4(a))、鉄筋籠18を挿入し(同図(b))、吊下げ治具19を介して構真柱11を位置決め架台20で吊下げ(同図(c))、構真柱11下端部を鉄筋籠18内に挿入し(同図(d))、そして、トレミー管21で杭穴17内にコンクリート22を打設する(同図(e))。このときの構真柱11の建込み精度は、例えば水平度は±10mm,傾斜度は1/200以下に抑えられる。この状態で構真柱11は杭穴17内に立設されるが、ここで本実施形態では、該構真柱11が本体鉄骨14の接続位置より高くなるように長く形成されており、掘削面Eを作業床として構真柱11の上端部を所定高さ位置Hで切断するようになっている。
【0029】
そして、現場で切断した上記構真柱11の上端部にベースプレート30を溶接固定する(同図(f))。このときのベースプレート30の取付け精度は、後述の図5(b)に示すように予め設定した配置レベルに対して、上下位置は±3mm,水平度はe1 −e2 =±2mmに抑えられる。次に、上記構真柱11の上方に本体鉄骨14を吊込んで(図4(g))、上記ベースプレート30上に本体鉄骨14の下端部に設けた取付板25を載置し、仮止めボルト26,ウエルドナット26aで仮止めする(同図(h))。そして、上記ベースプレート30と取付板25との周囲を溶接27(同図(i))した後、仮止めボルト26を取外す。
【0030】
この実施形態では上記ベースプレート30は、図5(a)に示すように正方形状を成し、該ベースプレート30を構真柱11の上端面に当接して溶接すると共に、同図(b)に示すようにベースプレート30の下側にはフランジFの中央部との間、および該フランジFの両側との間に掛け渡して補強リブ31を溶接するようになっている。また、上記ベースプレート30には、上記本体鉄骨14を仮止めするための複数のボルト挿通穴30aおよび空気抜き穴30bが形成されている。
【0031】
従って、この実施形態の逆打ち工法における構真柱と本体鉄骨との接合方法にあっては、長めに形成した構真柱11を杭穴17内に固定した後、該構真柱11の上端部を切断して、当該上端部に本体鉄骨14を接続するためのベースプレート30を固定するようになっている。このように、構真柱11の上端部を現場で切断するようにしたので、該構真柱11の建込み精度にかかわらずベースプレート30の高さおよび傾きを正確に設定することができ、上記ベースプレート30上に接続される上記本体鉄骨14の建込み精度を著しく高くして、地上階Aの施工精度を高くすることができる。
【0032】
勿論、この実施形態にあっても上記本体鉄骨14の接続は地面GLを掘削して行われるので、本体鉄骨14から突設されるブラケット16が杭穴17と干渉するのを防止できる。また、ベースプレート30と取付板25とのボルト挿通穴30a,25aを空気抜きとして利用できる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように本願の請求項1、2、および5に係る発明にあっては、本体鉄骨を分離した状態で構真柱を予め掘削した杭穴内に挿入して、該構真柱を本体鉄骨に先行して杭穴内に固定し、該構真柱が固定された段階で地面を掘削して、該構真柱の上端部に上記本体鉄骨を現場作業によってベースプレートおよび連結板により接続するようにし、その際、連結板に設けたルーズホールによりベースプレートの高さおよび傾きを微調整できるので、構真柱の建込み精度のみならず、本体鉄骨の建込み精度を著しく高くすることができる。また、地面を掘削した状態で上記本体鉄骨が構真柱に接続されるので、該本体鉄骨から梁接続用のブラケットが大きく突設される場合にも、該ブラケットが杭穴と干渉することがなく、該ブラケットの長さを任意に設定することができる。
【0034】
また、本発明の請求項3に示す逆打ち工法における構真柱と本体鉄骨との接合方法にあっては、吊下げ治具および位置決め架台を介して構真柱を杭穴内に挿入するようにしたので、これら吊下げ治具および位置決め架台によって構真柱の高さ調整ができ、かつ、構真柱の上端部に取付けられるベースプレートが位置調整可能であるため、該ベースプレートの高さおよび傾き等を現場で微調整できることにより、該ベースプレートに接続される本体鉄骨の建込み精度を著しく高くできる。
【0035】
更に、本発明の請求項4に示す逆打ち工法における構真柱と本体鉄骨との接合方法にあっては、長めに形成した構真柱を杭穴内に固定した後、該構真柱の上端部を切断して本体鉄骨を接続するためのベースプレートを固定するようにしたので、構真柱の上端部に固定するベースプレートの高さおよび傾きを正確に設定することができ、延いては上記ベースプレートを介して接続される上記本体鉄骨の建込み精度を著しく高くできるという各種優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の構真柱を打設して本体鉄骨を接続する過程を(a)から(j)へ順を追って示す説明図である。
【図2】本発明の一実施形態の本体鉄骨を接続するためのベースプレートを、平面視した(a)と、正面視した(b)と、側面視した(c)によってそれぞれ示す図である。
【図3】逆打ち工法により構築される躯体骨組みを示す説明図である。
【図4】本発明の他の実施形態の構真柱を打設して本体鉄骨を接続する過程を(a)から(j)へ順を追って示す説明図である。
【図5】本発明の他の実施形態の本体鉄骨を接続するためのベースプレートを、平面視した(a)と正面視した(b)によってそれぞれ示す図である。
【符号の説明】
10 杭
11 構真柱
12 地上柱
14 本体鉄骨
16 ブラケット
17 杭穴
19 吊下げ治具
20 位置決め架台
22 コンクリート
23,30 ベースプレート
GL 地面
E 掘削面
Claims (5)
- 地中に構真柱を打設した後、地面を掘削して地下階を下方に向かって構築すると共に、上記構真柱の上端部に接続した本体鉄骨に対し地上柱を立設し、地下階と地上階との工事を同時に進行するようにした逆打ち工法において、
上記構真柱を打設する際、上記本体鉄骨を分離した状態で該構真柱を予め掘削した杭穴内に挿入し、この杭穴内にコンクリートを打設して上記構真柱の下端部を固定した後、構真柱の上端部が所定高さまで突出するように地面を掘削し、この掘削面を作業床として構真柱の上端部に、下面から上記構真柱と同形状の取付部が垂設されたベースプレートの上記取付部を上記構真柱の上端に突合わせ、上記取付部と上記構真柱に跨って、上記取付部および上記構真柱に対応する位置にそれぞれ上下方向に長穴となるルーズホールが形成された連結板を配置し、上記取付部および上記構真柱をそれぞれ貫通するように上記ルーズホールに挿通したボルトにナットを締付けて、上記ベースプレートを上記構真柱に固定し、このベースプレートに上記本体鉄骨の下端を固定することにより、上記構真柱に上記本体鉄骨を接続することを特徴とする逆打ち工法における構真柱と本体鉄骨との接合方法。 - 上記連結板を、上記取付部および上記構真柱のそれぞれのウエブ両面間およびフランジ両面間に跨って配置し、上記連結板には上記ルーズホールが上記ウエブおよび上記フランジの両面で対応するように複数形成され、上記ボルトを、上記ウエブおよび上記フランジを貫通してそれぞれ対応するルーズホール間に挿通させて上記ナットを締付けることを特徴とする請求項1記載の逆打ち工法における構真柱と本体鉄骨との接合方法。
- 上記構真柱を上記杭穴に挿入する際、該構真柱の上端部に吊下げ治具を着脱可能に取付けた状態で、該吊下げ治具を位置決め架台を介して上下位置調整可能に杭穴上端部に支持し、構真柱の高さを調整した状態で杭穴に構真柱固定用のコンクリートを打設した後、吊下げ治具を取外して構真柱上端部に位置調整可能なベースプレートを取付け、該ベースプレートに上記本体鉄骨を接続することを特徴とする請求項1又は2に記載の逆打ち工法における構真柱と本体鉄骨との接合方法。
- 上記構真柱は予め長めに形成しておき、該構真柱を上記杭穴内に挿入して下端部をコンクリートで固定した後、該構真柱の上端部を所定の高さ位置で切断し、切断した上端部にベースプレートを固定すると共に、該ベースプレートに上記本体鉄骨を接続することを特徴とする請求項1又は2に記載の逆打ち工法における構真柱と本体鉄骨との接合方法。
- 地中に構真柱を打設した後、地面を掘削して地下階を下方に向かって構築すると共に、上記構真柱の上端部に接続した本体鉄骨に対し地上柱を立設し、地下階と地上階との工事を同時に進行するようにした逆打ち工法における前記構真柱と前記本体鉄骨の接合構造において、
上記本体鉄骨を分離した状態で該構真柱を予め掘削した杭穴内に挿入し、この杭穴内にコンクリートを打設して上記構真柱の下端部を固定した後、構真柱の上端部が所定高さまで突出するように地面を掘削し、この掘削面を作業床として上記構真柱の上端部に、下面から上記構真柱と同形状の取付部が垂設されたベースプレートの上記取付部を上記構真柱の上端に突合わせ、上記取付部と上記構真柱に跨って、上記取付部および上記構真柱に対応する位置にそれぞれ上下方向に長穴となるルーズホールが形成された連結板を配置し、上記取付部および上記構真柱をそれぞれ貫通するように上記ルーズホールに挿通したボルトにナットを締付けて、上記ベースプレートを上記構真柱に固定し、このベースプレートに上記本体鉄骨の下端を固定することにより、上記構真柱に上記本体鉄骨を接続してなることを特徴とする逆打ち工法における構真柱と本体鉄骨との接合構造。
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