JP2957114B2 - 立坑用の横孔削孔装置 - Google Patents

立坑用の横孔削孔装置

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JP2957114B2
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辰朗 夏目
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、立坑内部から周
囲の地盤に向けて放射状に削孔を行う削孔装置の改良に
関する。
【0002】
【従来の技術】立坑内部から周囲の地盤に向けて放射状
に削孔する機械として、例えば特公平4−35596号
には立坑底部の地山にジャッキを介して支持された作業
台の上に、ターンテーブルを設け、その上に削孔機本体
を配した削孔装置が開示されている。
【0003】この削孔装置は、立坑を掘削して、ライナ
ープレートによる山留めを行った後に、クレーンで立坑
の底に吊り下ろされる。そして、ライナープレートのリ
ブを用いて作業台の位置決めをした後、ジャッキをのば
して地山に作業台を支持する。この状態で、削孔機をタ
ーンテーブルにより所定の角度ずつ旋回させ、放射方向
に削孔する。削孔した孔部にはモルタルを注入を行い、
異径鉄筋などの芯材を圧入する。
【0004】立坑には最終的にコンクリートが打設さ
れ、立坑全体が基礎の躯体を構成するが、これらの芯材
の基端はその際に躯体コンクリートと一体化される。こ
れにより、躯体から周囲の地山に補強材が放射状に突出
した地盤補強型の基礎が形成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この装置は、立坑底部
の地山にジャッキで支持する構造となっていたので、立
坑の底部に近い位置での削孔には適していたが、それよ
り上の位置で地山を削孔したい場合には使用することが
できなかった。
【0006】そのため、立坑全長に渡って周囲の地山に
この種の基礎を設けたい場合は、立坑の掘削とライナー
プレートによる山留めとが一定深さ進むごとに削孔装置
を立坑内に搬入して削孔作業と補強材の施工を行う必要
があった。しかしながら、そのためには、立坑の完成ま
でに削孔装置の立坑への搬入と立坑からの搬出とを何度
も繰り返すことになり、その分立坑工事の進捗が遅くな
るという問題があった。
【0007】これに対して、掘削とライナープレートの
施工がすべて完了した後に、横孔の削孔を行えば、削孔
装置の搬入と搬出が一度で済むので、作業効率上きわめ
て有利である。けれども、上記の削孔装置は立坑の底部
付近でしか削孔作業を行えないため、このような施工方
法を採用することはできなかった。
【0008】この発明は、従来装置の上記問題点を解決
すべくなされたもので、立坑の任意の深さで横孔の削孔
を行える削孔装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、両端
に形成したリブを介して相互に結合するライナープレー
トにより掘削面に山留めを施した立坑に適用される横孔
の削孔装置において、立坑の径より小さな径を有する足
場と、足場から略水平に4方向に延びる伸縮自由な支持
部材と、支持部材を前記リブに係止する部材と、足場の
上に水平旋回可能に支持されたターンテーブルと、ター
ンテーブルに据え付けた削孔機本体とを備えている。
【0010】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記足場の外側に取り外し可能に係止される円弧状
の拡幅部材を備えている。
【0011】請求項3の発明は、請求項1また2の発明
において、前記立坑をその内側に鉄筋コンクリートの基
礎を打設するように構成するとともに、前記足場の径を
この基礎の鉄筋が構成する円の径より小さく設定してい
る。
【0012】
【作用】立坑の径より小さな径を有する足場は、立坑内
に装置を吊り下ろす際のライナープレートと足場の干渉
の機会を低減する。支持部材は足場から略水平4方向に
伸長することで、足場をライナープレートのリブに支持
する。係止部材は伸長した支持部材をライナープレート
のリブに係止することで、足場をライナープレートに固
定する。ターンテーブルは削孔機を足場に旋回自由に支
持する。これにより、ライナープレートのリブの位置に
対応する複数の異なる深さにおいて、任意の旋回角度で
周囲の地山を削孔することが可能になる。
【0013】足場の外側に取り外し可能に係止される円
弧状の拡幅部材は、立坑の径に応じた足場の拡縮を可能
にする。
【0014】また、基礎の鉄筋が構成する円の径より小
径の足場は、足場を利用した基礎の鉄筋の組み立て作業
を可能にする。
【0015】
【発明の実施の形態】図1〜図5を用いてこの発明の実
施の形態を説明する。
【0016】図1に示すように、立坑1にはライナープ
レート2による山留めが施される。ライナープレートは
所定の長さを備え、その両端には円周方向にリブ3が形
成されている。リブ3は数多くのボルト穴を備える。ラ
イナープレート2はリブ3同士を重ねてボルトで締め付
けることで連結され、立坑1の底から開口部に至る円筒
状の山留めを構成する。
【0017】削孔装置はこのライナープレート2の内側
にクレーンによって吊り下ろされる。削孔装置は円形の
足場4と、足場から水平4方向に伸縮する4基の支持部
材5を備える。
【0018】足場4は、梁7を中心に格子状に配置した
小梁17の上にエキスパンドメタルを張った図3に示す
ような略半円形のパネルであり、これらのパネルを図4
に示すようにボルト8を用いて梁6に固定する。このた
めに、梁6にはあらかじめナット18が溶接されてい
る。
【0019】これにより足場4は梁6を中心とした略円
形の一体の構造体となる。
【0020】梁6と7はそれぞれ矩形の横断面を備えた
鋼製部材を中心に構成される。支持部材5はこれらの部
材の内側に摺動自由に挿入された、断面の一回り小さな
角型鋼管で構成される。
【0021】支持部材5の先端には係止部材としてリブ
3と重なり合うプレート9が固設される。プレート9に
はリブ3に形成されたボルト穴に対応するボルト穴が形
成される。
【0022】一方、足場4には支持部材5の収縮位置で
プレート9を 収納するための切欠10が形成される。
【0023】足場4にはガイドレール11が円形に配置
される。このガイドレール11上にターンテーブル12
が支持される。ターンテーブル12にはガイドレール1
1上を転動する複数の車輪13によって支持される。タ
ーンテーブル12の上には削孔を行う削孔機本体14が
取り付けられる。削孔機本体14は油圧モータ15によ
り動作する。油圧モータ5を駆動する作動油は立坑1の
外側に配置した油圧ポンプから配管を通じて供給され
る。
【0024】足場4に固定して面積を拡大するために、
削孔装置は図2に示すように取り外し可能な4枚の拡幅
板16を備える。この拡幅板16はリングを4分割した
形状をなし、切欠10によって4つに分割された足場4
の外周面にそれぞれボルトで固定される。
【0025】この削孔装置は地上においてあらかじめ組
み立てられ、立坑1の掘削とライナープレート2による
山留めがすべて完了した後に、クレーンにより立坑1の
内側に吊り下げられる。
【0026】そして、削孔装置をあらかじめ選択された
深さまで吊り下ろした後、足場4に乗った作業員が支持
部材5をそれぞれ伸長させ、先端のプレート9を周囲の
リブ3に重ねて、ボルト穴にボルトを通して締め付け
る。これにより、足場4は4箇所でリブ3に固定され
る。
【0027】この状態で削孔機本体14を駆動し、ライ
ナープレート2の周囲の地山に削孔する。ライナープレ
ート2にはあらかじめ削孔位置に穴をあけておき、削孔
機の刃先がこれらの穴に合うようにターンテーブル11
を回転させて削孔作業を行えば、削孔位置をその場で決
める必要がなく、削孔作業は効率良く行われる。
【0028】また、拡幅板16を取り付け、あるいは取
り外すことで、同一の削孔装置を例えばφ3.0m〜φ
4.5mの範囲の径の異なる立坑に適用可能である。
【0029】立坑の掘削と補強材の施工が完了した後
は、図5に示すようにライナープレート2の内側に鉄筋
20を組立てる。足場4がこれらの鉄筋20が構成する
円の内側に位置するように、足場4の径D1を鉄筋が構
成する円の径D2より小さく設定しておけば、足場4を
をそのまま鉄筋組み立ての作業用足場として使用するこ
とができる。
【0030】鉄筋20の組立終了後は、足場4を引き上
げて、ライナープレート2の内側全体に躯体コンクリー
トを打設する。
【0031】
【発明の効果】この発明は、足場から支持部材を4方向
に伸長させて、ライナープレートのリブに係止するよう
にしたので、横孔削孔のための足場を立坑を保護するラ
イナープレートの任意のリブに支持することができる。
したがって、立坑内の異なる深さにおいて横孔の削孔を
行うことができ、立坑の全長に渡って周囲の地山を補強
したい場合でも、横孔の削孔作業は立坑の掘削とライナ
ープレートの配置がすべて完了した後にまとめて行うこ
とが可能となる。
【0032】また、足場に取り外し可能な 拡幅部材を
備えたので、同一の装置を径の異なる立坑に適用するこ
とが可能となる。
【0033】さらに、足場の径を基礎の鉄筋が構成する
円の径より小さく設定することで、基礎の配筋作業の足
場として利用することがてきる。
【0034】したがって、この発明により地盤補強型基
礎の構築が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による削孔装置の側面図である。
【図2】この発明による削孔装置要部の平面図である。
【図3】この発明による足場の分解平面図である。
【図4】この発明による足場と梁の接合部の拡大断面図
である。
【図5】この発明による足場と躯体の配筋との位置関係
を示す立坑の水平断面図である。
【符号の説明】
1 立坑 2 ライナープレート 3 リブ 4 足場 5 支持部材 9 プレート 11 ガイドレール 12 ターンテーブル 14 削孔機本体 16 拡幅板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E21B 7/04 E21C 11/00 E21D 1/00 - 7/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両端に形成したリブを介して相互に結合
    するライナープレートにより掘削面に山留めを施した立
    坑に適用される横孔の削孔装置において、立坑の径より
    小さな径を有する足場と、足場から略水平に4方向に延
    びる伸縮自由な支持部材と、支持部材を前記リブに係止
    する部材と、足場の上に水平旋回可能に支持されたター
    ンテーブルと、ターンテーブルに据え付けた削孔機本体
    とを備えたことを特徴とする立坑用の横孔削孔装置。
  2. 【請求項2】 前記足場の外側に取り外し可能に係止さ
    れる円弧状の拡幅部材を備えた請求項1に記載の立坑用
    の横孔削孔装置。
  3. 【請求項3】 前記立坑をその内側に鉄筋コンクリート
    の基礎を打設するように構成するとともに、前記足場の
    径をこの基礎の鉄筋が構成する円の径より小さく設定し
    た請求項1または2に記載の立坑用の横孔削孔装置。
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