JP5567918B2 - ライナープレート立坑用天蓋の取付構造および取付方法 - Google Patents

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Description

この発明は、集水井に好適に利用されるライナープレート立坑の天端開口部を覆う天蓋の取付構造および取付方法の技術分野に属し、更に言えば、クレーン等の重機を用いることなく人力で取り付け可能なライナープレート立坑用天蓋の取付構造および取付方法に関する。
前記ライナープレート立坑は、地すべり抑制工として、山間部の地盤が不安定な場所に円筒形の集水井として設置されることが多い。このライナープレート立坑は、直径が3.0m又は3.5mで、深さが10m〜50m程度の大きさの円筒形が主流であり、内部には点検のための梯子、天端開口部(頂部)には安全性を目的とした天蓋が載置される。
前記天蓋は、従来、例えば特許文献1の図6と図9(符号6参照)に示したように、天蓋を覆う大きさで位置ずれ防止も兼ねるリング状のフレーム枠と、同フレーム枠内に縦横に張設された補強フレームとからなる骨組にエキスパンドメタルを取り付けた一枚板状で実施されている。前記天蓋の重量は通常、500kg以上もあるので、ライナープレート立坑の天端開口部に設置(載置)する際にはクレーン等の重機を用いていた。
前記ライナープレート立坑(集水井)は、地すべりが発生する虞のある山林の斜面を掘削して構築されるのが一般的である。
よって、山林の傾斜に伴ない必然的に勾配があるので、構築作業を行う際、構築場所によってはクレーン等の重機を安定した状態で駆動できず、地面を均す作業を強いられる場合があった。この作業は時には大掛かりな作業となる場合があった。
また、現場で組み立てるライナープレートとは違い、天蓋は2分割か、せいぜい3分割されたタイプのものしかなく、構築現場へ搬入するのに難渋することもあった。構築現場が山奥の場合は尚更である。特に、構築して年数が経過し、劣化等した天蓋のみを取り替える場合は、搬入路が既に消失していることもあり、天蓋のみを取り替えるために重機を搬入する作業が難渋をきわめ、危険を伴うこともあった。このため、重機を搬入するための搬入路を設けるために費用が嵩むので、費用対効果が悪いという問題もあった。
さらに、ライナープレート立坑に用いるライナープレートは通常、板厚が2.7mm〜7.0mmの薄板で構成される。よって、設置場所周辺に地盤のすべり移動があると地すべりの影響を受け、ライナープレート立坑の平面形状が徐々に楕円に変形することがある。従来の天蓋はこの点を考慮していないため、既設のライナープレート立坑が当該変形をしている場合、新たな天蓋への交換に際し、形状が一致せず設置が困難なことがあった。
仮に、人力でも運搬、施工可能な重量からなる多分割した分割パネルを組み合わせて天蓋を形成することができれば、天蓋の取付作業に重機は無用となり、そのために地面を均す必要もない。前記多分割した分割パネルであれば、構築現場に搬入する作業も楽に行える。天蓋のみを取り替える場合にあっては重機を搬入する必要もなくなる。よって、上記諸問題は一度に解決する。
しかしながら、天蓋は、直径が3.0m又は3.5mで、深さが10m〜50m程度の大きさのライナープレート立坑(集水井)の天端開口部に取り付けるものであり、多分割した分割パネルを用いる場合、安全上、万が一にでも落下させてはならない。
天蓋を人力で施工可能とするためには、天蓋を細分化し重量を軽くして、人力で運搬、施工可能な形状・重量としたい。しかし、単純に天蓋を細分化した場合、細分化された構成部材を取り付け作業中に立坑へ落下させないように、立坑内部で作業員が構成部材を支えながら作業しなければならなくなる。立坑への天蓋の取り付けは、立坑内部の掘削に必要な機材の出し入れがなくなる立坑掘削完了後に行われる。前記のような立坑内部での天蓋取り付け作業は、深さが10m〜50m程度の立坑上部での作業となるので大変危険である。よって、安全な立坑外部からの取り付け作業が可能な天蓋の構造としたい。
したがって、天蓋の構成部材を人力で運搬、施工可能な形状・重量とし、かつ安全な取り付け作業を可能とするには、細分化された構成部材を立坑外部から取り付け可能にしなければならない。
上記のように、人力でも運搬、施工可能な重量からなる多分割した分割パネルを組み合わせて天蓋を形成する技術が非常に有益であることは当業者に自明であるものの、安全性を考慮し、2分割か、せいぜい3分割されたタイプの天蓋しかなく、多分割した分割パネルを組み合わせて天蓋を形成する技術は未だ開発されていないのが実情である。
ところで、特許文献2には、多分割構造の作業床(上部作業床20、中間部作業床60)が開示されている。特許文献3には、多分割構造の覆工部が開示されている。
特開平8−184094号公報 特開平10−266228号公報 特開2006−265878号公報
前記特許文献2に係る上部作業床20は、支持部材を用いることなく、先ず作業床本体21をライナープレート7aの上下接続部に共締めして取り付け、当該作業床本体21の中央の開口部25に掘削時用蓋体22、23等を取り付けて形成されている(段落[0012]、[0013]参照)。
よって、この上部作業床20は、支持部材を用いることなく作業床本体21を取り付ける構成であるが故に、当該作業床本体21は、外周部にライナープレート7aの上下接続部に共締めされるフランジ部26(図3参照)を備えた鋼材製の円形枠組体上に金網27を張設してなる大掛かりな構造となり(図5参照)、当該作業床本体21を所定位置に設置するには重機を必要としていた。
このように、特許文献2に係る上部作業床20は、人力で取り付けることを目的としておらず、天蓋を多分割構造に形成し、天蓋を構成する各分割パネルを人力でライナープレート立坑の天端開口部に取り付ける技術には何ら参考にならない。
一方、特許文献2に係る前記中間部作業床60は、略三角枠体状の支持具75を支持部材として用い、当該支持具75の上に4つの部分床体61〜64を取り付けて形成されている(図9、図10参照)。よって、前記上部作業床20の構成部材(特には作業床本体21)と比して、中間部作業床60の構成部材(部分床体61〜64)は細分化できる。
しかしながら、前記支持具75は、ライナープレートの内周面に所定の間隔で多数(図示例では8個)取り付ける必要がある上に、各支持具75は、その上下の取付板部76、77を上下段のライナープレート7aの下側フランジ部の上にそれぞれ重ねてボルト締めしなければならず、取り付け作業が煩雑で手間がかかり、大変煩わしかった(段落[0022]の1〜9行目参照)。
また、前記上部作業床20の場合と比して細分化できるとは言え、個々の部分床体61〜64は人力で運搬、施工可能な形状・重量ではなく、これらを所定位置に設置するにはやはり重機を必要としていた。
このように、特許文献2に係る中間部作業床60は、前記上部作業床20と比して、支持具75を用いる点、構成部材を細分化できる点は注目できるものの、人力で合理的に施工するにはまだまだ課題も多い。
前記特許文献3について、第1の実施の形態に係る覆工部1は、前記特許文献2に係る上部作業床20の場合と同様に、支持部材を用いることなく前記作業床本体21と類似する形状で実施されている(図4参照)。よって、やはり重機が必要となり人力のみで取り付けることを目的としておらず、天蓋を多分割構造に形成し、天蓋を構成する各分割パネルを人力でライナープレート立坑の天端開口部に取り付ける技術には何ら参考にならない。
また、第2の実施の形態に係る覆工部は、第1の実施の形態に係る覆工部1を半割部材31、31に2分割したに過ぎず(図8参照)、やはり重機が必要となり人力のみで取り付けることを目的としていない。よって、天蓋を多分割構造に形成し、天蓋を構成する各分割パネルを人力でライナープレート立坑の天端開口部に取り付ける技術には何ら参考にならない。
したがって、本発明の目的は、人力で運搬、施工可能な重量で構成したレール部材、及び多分割(少なくとも6分割)された分割パネルを用い、前記レール部材をライナープレート立坑の中央部を横断するように人力で容易に架け渡すことができ、各分割パネルをレール部材上に安全、確実、且つ合理的に取り付けてライナープレート立坑の天端開口部を覆う天蓋を形成することができる、至便性、施工性、経済性、及び安全性に非常に優れたライナープレート立坑用天蓋の取付構造および取付方法を提供することにある。
上記背景技術の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係るライナープレート立坑用天蓋の取付構造は、ライナープレート立坑用天蓋の取付構造において、
前記天蓋は、人力で運搬、施工可能な重量からなる、レール部材及び少なくとも6分割された複数の分割パネルからなり、
前記レール部材は、載置部を両端部に備えた複数本の梁材からなり、ライナープレート立坑の天端に架け渡されていること、
前記複数の分割パネルは、フレーム枠を備える天井部材からなり、
前記複数の分割パネルの内、少なくとも2つの分割パネルは、前記フレーム枠が前記レール部材の隣り合う2本の梁材に跨るように設けられていること、
前記レール部材の両外側の立坑開口部位にはそれぞれ、前記ライナープレート立坑の天端と前記レール部材の梁材とに載るフレーム枠を備えた前記複数の分割パネルの残分が取り付けられることにより、ライナープレート立坑の天端開口部を覆う天蓋が取り付けられていることを特徴とする。
請求項2に記載した発明に係るライナープレート立坑用天蓋の取付構造は、ライナープレート立坑用天蓋の取付構造において、前記天蓋は、人力で運搬、施工可能な重量からなる、レール部材及び縦横に6分割された分割パネルからなり、
前記レール部材は、載置部を両端部に備えた2本の梁材からなり、ライナープレート立坑の天端に架け渡されていること、
前記6つの分割パネルは、フレーム枠を備える天井部材からなり、
前記6つの分割パネルの内、2つの分割パネルは、前記フレーム枠が前記レール部材の2本の梁材に跨るように設けられていること、
前記レール部材の両外側の立坑開口部位にはそれぞれ、前記ライナープレート立坑の天端と前記レール部材の梁材とに載るフレーム枠を備えた2つの分割パネルが取り付けられることにより、ライナープレート立坑の天端開口部を覆う天蓋が取り付けられていることを特徴とする。
請求項3に記載した発明に係るライナープレート立坑用天蓋の取付構造は、ライナープレート立坑用天蓋の取付構造において、前記天蓋は、人力で運搬、施工可能な重量からなる、レール部材及び縦横に8分割された分割パネルからなり、
前記レール部材は、載置部を両端部に備えた3本の梁材からなり、ライナープレート立坑の天端に架け渡されていること、
前記8つの分割パネルは、フレーム枠を備える天井部材からなり、
前記8つの分割パネルの内、4つの分割パネルは、前記フレーム枠が前記レール部材の隣り合う2本の梁材に跨るように2つの分割パネルが設けられ、更に隣り合う2本の梁材に跨るように2つの分割パネルが設けられていること、
前記レール部材の両外側の立坑開口部位にはそれぞれ、前記ライナープレート立坑の天端と前記レール部材の梁材とに載るフレーム枠を備えた2つの分割パネルが取り付けられることにより、ライナープレート立坑の天端開口部を覆う天蓋が取り付けられていることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、請求項1〜3のいずれか一に記載したライナープレート立坑用天蓋の取付構造において、前記レール部材を構成する複数本の梁材のうち隣り合う2本の梁材は間隔保持部材で連結されていることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、請求項4に記載したライナープレート立坑用天蓋の取付構造において、前記間隔保持部材は、前記梁材の両端部におけるライナープレート立坑の天端近傍位置に設けられていることを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、請求項1〜5のいずれか一に記載したライナープレート立坑用天蓋の取付構造において、前記天蓋は、前記レール部材の梁軸と直交する方向のライナープレート立坑の中心線上で左右対称に2分割され、さらに当該各梁軸上で上下方向に3分割以上されたにほぼ等しい形状の分割パネルからなることを特徴とする。
請求項7に記載した発明は、請求項1〜6のいずれか一に記載したライナープレート立坑用天蓋の取付構造において、前記分割パネルのフレーム枠は、水平部と同水平部の内側に屈曲して垂れ下がる垂下部とで断面L字状に形成されていることを特徴とする。
請求項8に記載した発明は、請求項7に記載したライナープレート立坑用天蓋の取付構造において、前記分割パネルのフレーム枠のうち、ライナープレート立坑の天端に載るフレーム枠には、その垂下部に、先端をライナープレート立坑の内壁面へ向けたストッパーが設けられていることを特徴とする。
請求項9に記載した発明は、請求項1〜8のいずれか一に記載したライナープレート立坑用天蓋の取付構造において、前記分割パネルのフレーム枠のうち、前記レール部材の梁材に載るフレーム枠は当該梁材とボルト接合されていることを特徴とする。
請求項10に記載した発明は、請求項1〜9のいずれか一に記載したライナープレート立坑用天蓋の取付構造において、前記レール部材の梁材は、2つの溝形鋼のウエブ同士を接合してなる鋼材、又は2つの山形鋼を接合することで断面T字形となる鋼材、又はT鋼材、又はH形鋼であることを特徴とする。
請求項11に記載した発明は、請求項1〜10のいずれか一に記載したライナープレート立坑用天蓋の取付構造において、前記レール部材の隣り合う2本の梁材にフレーム枠が跨るように設けられた分割パネルの前記フレーム枠、又は隣り合う2本の梁材を連結する前記間隔保持部材に、当該間隔保持部材とフレーム枠との干渉防止用の切欠部が設けられていることを特徴とする。
請求項12に記載した発明は、請求項1〜11のいずれか一に記載したライナープレート立坑用天蓋の取付構造において、前記天井部材は、エキスパンドメタル、又は複数枚敷き並べた足場板からなることを特徴とする。
請求項13に記載した発明に係るライナープレート立坑用天蓋の取付方法は、ライナープレート立坑用天蓋の取付方法において、
前記天蓋は、人力で運搬、施工可能な重量からなる、レール部材及び少なくとも6分割された複数の分割パネルからなり、
前記レール部材は、載置部を両端部に有する複数本の梁材からなり、ライナープレート立坑の天端に架け渡すこと、
前記複数の分割パネルは、フレーム枠を有する天井部材からなり、
前記複数の分割パネルの内、少なくとも2つの分割パネルは、前記フレーム枠を前記レール部材の隣り合う2本の梁材に跨るように取り付けること、
前記レール部材上に取り付けた分割パネルを作業足場に利用して、前記レール部材の両外側の立坑開口部位にそれぞれ、前記ライナープレート立坑の天端と前記レール部材の梁材とに載るフレーム枠を有する残りの分割パネルを取り付けることにより、ライナープレート立坑の天端開口部を覆う天蓋を取り付けることを特徴とする。
請求項14に記載した発明は、請求項13に記載したライナープレート立坑用天蓋の取付方法において、前記レール部材は、前記複数本の梁材をそれぞれライナープレート立坑の天端に架け渡し、隣り合う2本の梁材同士を間隔保持部材で連結して組み立てることを特徴とする。
本発明に係るライナープレート立坑用天蓋の取付構造および取付方法によれば、従来の2〜3分割タイプの天蓋と比して、以下の作用効果を奏する。
1)ライナープレート立坑の中央部を横断するように人力で架け渡したレール部材は、その両端に設けた掛止部、及びその内側に設けた載置部により、同立坑の天端に嵌め合う構成で確実に設置できる。また、前記分割パネルはそれぞれ、前記レール部材にボルト接合により安全、確実、且つ合理的に人力で取り付けてライナープレート立坑の天端開口部を覆う天蓋を形成することができる。
さらに、前記ライナープレート立坑の天端と、レール部材及び分割パネルとの当接部に着目すると、前記レール部材の両端部に設けた載置部及び各分割パネルにおける天端に載るフレーム枠は、ライナープレート立坑(天端)の平面形状の経時的な変形(主に楕円形)に十分対応できるような余裕のある寸法で実施している。
よって、天蓋を構成する前記レール部材はもとより、各分割パネルは、万が一にでも落下する虞がない。したがって、安全性に非常に優れている。
また、前記レール部材を構成する複数本の梁材を間隔保持部材で連結して実施すれば、梁材同士の間隔を一定に保持できるので、安全性をさらに向上させることができる。
2)天蓋を構成するレール部材(溝形鋼、間隔保持部材)はもとより、各分割パネルを人力でも運搬可能な重量で実施できるので、当該天蓋の構成部材を構築現場へ楽に搬入できることは勿論のこと、重機を一切使用することなく人力でライナープレート立坑の天端開口部に天蓋を取り付けることができる。
また、ライナープレート立坑(天蓋含む。)を構築して年数が経過し、劣化等した天蓋のみを取り替える作業でも、重機は一切無用となり、搬入路が既に消失している場合に難渋をきわめた重機の搬入作業や、重機を安定して駆動させるために行う地面を均す作業も無用となる。したがって、至便性、施工性、及び経済性に非常に優れている。
実施例1に係るライナープレート立坑用天蓋の取付構造を示した平面図である。 Aは、図1のX部を拡大して示した平面図であり、Bは、Aを概略的に示した立面図であり、Cは、Bに係る梁材の構成を示した側面図である。 Aは、図1のA−A線断面図であり、Bは、図1のB−B線断面図であり、Cは、図1のC−C線断面図であり、Dは、図1のD−D線断面図である。 A、Bは、実施例1に係る分割パネルを示した平面図である。 A、Bは、実施例1に係る分割パネルを示した平面図である。 A、Bは、実施例1に係る分割パネルを示した平面図である。 実施例1に係る分割パネルを示した底面側斜視図である。 実施例1に係る分割パネルを示した底面側斜視図である。 実施例1に係る分割パネルを示した底面側斜視図である。 実施例1に係るライナープレート立坑用天蓋の取付方法について、ライナープレート立坑の天端にレール部材を架け渡した状態を示した斜視図である。 図10に係るレール部材に分割パネルを取り付ける状態を示した斜視図である。 図10に係るレール部材に分割パネルを取り付けた状態を示した斜視図である。 図12に係る分割パネルとレール部材との取り合いを部分的に拡大して示した斜視図である。 図10に係るレール部材にさらに分割パネルを取り付けた状態を示した斜視図である。 図10に係るレール部材にさらに分割パネルを取り付けた状態を示した斜視図である。 図10に係るレール部材にさらに分割パネルを取り付けて天蓋を形成した状態を示した斜視図である。 図16に係る天蓋に開閉扉を取り付けた状態を示した斜視図である。 実施例2に係るライナープレート立坑用天蓋の取付構造を示した平面図である。 実施例2に係るライナープレート立坑用天蓋の取付構造のバリエーションを示した平面図である。 実施例3に係るライナープレート立坑用天蓋の取付構造を示した平面図である。 実施例3に係るライナープレート立坑用天蓋の取付方法について、ライナープレート立坑の天端に架け渡したレール部材に、分割パネルを取り付けた状態を示した平面図である。 図21に係るレール部材にさらに分割パネルを取り付けた状態を示した平面図である。 図21に係るレール部材にさらに分割パネルを取り付けた状態を示した平面図である。
本発明に係るライナープレート立坑用天蓋の取付構造および取付方法の実施例を、以下、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係るライナープレート立坑用天蓋10の取付構造を示している。
図示例に係る天蓋10は、人力で運搬、施工可能な重量からなる、レール部材1及び少なくとも6分割された複数の分割パネル3〜8(図示例では6つ)で構成されている。
前記レール部材1は、載置部12aを両端部に備えた複数本(図示例では2本)の梁材12が間隔保持部材13で連結されて、ライナープレート立坑20の天端20aの上面に架け渡されている(図10、図2B参照)。ちなみに、図中の符号12bはレール部材1の両端に形成した掛止部を示している。
前記6つの分割パネル3〜8は、フレーム枠3a〜8aを備える天井部材3b〜8bからなる(図1、図4〜図6参照)。この分割パネル3〜8は、図1に係る天蓋10について、前記レール部材1の梁軸と直交する方向のライナープレート立坑20の中心線上で左右対称に2分割され、さらに当該各梁軸上で上下方向に3分割されたにほぼ等しい形状で実施されている。
図示例に係るライナープレート立坑20は、直径が3.0mで、深さが10m〜50m程度の大きさの円筒形状で実施される。
ちなみに、図中の符号18はアングル材等の補強フレームを示している。図10〜図17に係るライナープレート立坑20については、図示の便宜上、ライナープレート内側の波線は省略している。
先ず、前記レール部材1について説明する。
前記レール部材1を構成する2本の梁材12、12はそれぞれ、図2、図10等に示したように、縦断面形状が同形・同大(一例としてフランジ長50mm、ウエブ長100mm)の2本の溝形鋼2、2のウエブ同士を当接させ、当該溝形鋼2、2の両端部に設けた接合片2a、2a同士のボルト孔2b、2bの位置合わせを行い、当該一致したボルト孔2b、2bにボルト15を通しナット16をねじ込むことにより、合成H形鋼に形成して実施している。ちなみに、図10中の符号2cは、溝形鋼2の上フランジに設けたボルト孔を示している。このボルト孔2cは、分割パネル3〜8のフレーム枠3a〜8aとボルト接合するために所要のピッチで設けられている。
前記梁材12を、2本の溝形鋼2、2を抱き合わせて合成H形鋼に形成するのは、部材の軽量化を図るためである。よって、人力で運搬、施工可能な重量(例えば60kg程度)のH形鋼を利用する場合は、そのまま梁材12として実施できる。前記梁材12は、2つの山形鋼を抱き合わせて断面T字形となる鋼材、或いはT鋼材でも同様に実施できる。
人力で施工可能な重量としては、たとえば2人で運搬・施工するのであれば、一つの部材の重量が60kg程度より軽いことが望ましい。ただし、3人または4人で運搬・施工するのであれば、3人または4人で運搬・施工可能な重量であればよい。その場合は一つの部材の重量が60kgより重くてもよいので、本発明では、3人または4人で運搬・施工する場合も考慮して、単に人力で運搬・施工可能な重量と表現する。
また、前記梁材12(溝形鋼2、2)は、その両端部における前記ライナープレート20の天端20aに載せる部位(載置部12a)を切り欠いて実施している。載置部12aを切り欠いて実施するのは、当該梁材12の上面に載せる分割パネル3〜8の段差を解消できる。
なお、載置部12aの肉厚は6mm程度で実施されているが勿論これに限定されず、梁材12をライナープレート20の天端20a上に恒久的に架け渡すことができるのは勿論のこと、作業足場に利用できる十分な剛性を有することを条件に適宜設計変更可能である。載置部12a(切欠部)の軸方向長さは、ライナープレート立坑20の平面形状の経時的な変形(主に楕円形)に十分対応できるように、天端20aの幅(60mm程度)より十分に長い150mm程度で実施している。
また、ライナープレート20が、設置時から年数を経過し平面形状が楕円化している場合であって、新たな天蓋への交換として天蓋10を用いる際にも、載置部12aの長さが十分に長いため、天端20aの楕円化による変位に対応でき、容易に取り付けられる。
上記構成の梁材12、12が、図1等に示したように、ライナープレート立坑20の中心を通る水平線に対しほぼ対称な配置で設けられている。前記梁材12を構成する溝形鋼2、2は、ライナープレート立坑20の平面形状に倣い、図2A等に示したように、前記水平線に近い内側の溝形鋼2の長さ(一例として3007mm)を、外側の溝形鋼2の長さ(一例として2977mm)より若干長くして実施しているがこれに限定されず、同形・同大の一対の溝形鋼2、2でも実施できる。
前記2本の梁材12、12の両端部には、間隔保持部材13が連結されている。
前記間隔保持部材13の使用本数、設置部位はもちろん図示例に限定されないが、作業員による現場(ライナープレート立坑20周辺)での組立作業を考慮すると、梁材12、12の両端部に1本ずつ計2本設けるのが合理的である。
図示例に係る間隔保持部材13は、一対のアングル材(一例として、長さ900mm程度)を用い、図3A、図13等に示したように、2本の梁材12、12のフランジ部及びウエブ部で形成した対向する溝部にそれぞれ鉛直なリブプレート11が溶接されており、当該リブプレート11、11にアングル材13の両端部を当てがい、ボルト17を通しナットをねじ込んで締結して固定されている。
かくして、同幅のレール部材1が、ライナープレート立坑20の中心を通る水平線に対しほぼ対称な配置に設けられる(図1、図10参照)。
次に、前記分割パネル3、4について説明する。
この分割パネル3、4は同形・同大で、図5、図8に示したように、2本の梁材12、12とライナープレート20の天端20aとに載るほぼ長方形状のフレーム枠3a、4aに、天井部材としてエキスパンドメタル3b、4bを張設して成る。この2つの分割パネル3、4は、前記レール部材1上に敷き並べると、2本の梁材12、12の間に形成された開口部19(図10参照)を覆う大きさで実施される。
前記フレーム枠3a(4a)における2本の梁材12、12に載る部位には、水平部と同水平部の内側に屈曲して垂れ下がる垂下部とで断面L字状に形成されたアングル材が用いられ、同アングル材の水平部が、前記溝形鋼2、2の上フランジ面に載る構成で実施されている(図13等参照)。
ちなみに、図中の符号3c(4c)は、溝形鋼2の上フランジ面とボルト接合するために設けたボルト孔を示している。よって、このボルト孔3c(4c)は、溝形鋼2に設けた前記ボルト孔2cと同一ピッチで設けられている。また、図中の符号3d(4d)は、間隔保持部材13との干渉防止用の切欠部を示している。この切欠部3dは、間隔保持部材13側に設けてもよい。
一方、前記フレーム枠3a(4a)におけるライナープレート20の天端20aに載る部位には、平面方向からみて、当該天端20aの形状に応じて湾曲したアングル材が用いられている。このアングル材は、図3Dに示したように、その水平部を前記天端20aの上面に十分に載る長さとし、その垂下部(の中央部)に、先端をライナープレート立坑20の内壁面へ向けたストッパー21が設けられている。このストッパー21は、分割パネル3(4)が天端20aから外れないように、その先端を、上方に位置する天端20aの内周縁より外側へ突き出る程度の長さ寸法に予め設定している。
次に、前記分割パネル5、6について説明する。
この分割パネル5、6は、前記レール部材1の梁軸と直交する方向のライナープレート
立坑20の中心線に対し、左右にほぼ対称な形状で実施され、図6、図9に示したように、梁材12とライナープレート20の天端20aとに載る、略扇形のフレーム枠5a、6aに天井部材としてエキスパンドメタル5b、6bを張設して成る。この2つの分割パネル5、6は、敷き並べると、前記レール部材1の外側の立坑開口部位9aを覆う大きさで実施される。
前記フレーム枠5a(6a)における梁材12に載る部位には、水平部と同水平部の内側に屈曲して垂れ下がる垂下部とで断面L字状に形成されたアングル材が用いられ、同アングル材の水平部が、前記溝形鋼2の上フランジ面に載る構成で実施されている(図1、図15参照)。
ちなみに、図中の符号5c(6c)は、溝形鋼2の上フランジ面とボルト接合するために設けたボルト孔を示している。よって、このボルト孔5c(6c)は、溝形鋼2に設けた前記ボルト孔2cと同一ピッチで設けられている。
一方、前記フレーム枠5a(6a)におけるライナープレート20の天端20aに載る部位には、平面方向からみて、当該天端20aの形状に応じて湾曲したアングル材が用いられている。このアングル材は、その水平部を前記天端20aの上面に十分に載る長さとし、その垂下部に、先端をライナープレート立坑20の内壁面へ向けたストッパー21が設けられている。このストッパー21は、分割パネル5(6)が天端20aから外れないように、その先端を、上方に位置する天端20aの内周縁より外側へ突き出る程度の長さ寸法に予め設定している。
次に、前記分割パネル7、8について説明する。
この分割パネル7、8は、前記レール部材1の梁軸と直交する方向のライナープレート
立坑20の中心線に対し、左右にほぼ対称な形状で実施され、図4、図7に示したように、梁材12とライナープレート20の天端20aとに載る、略扇形のフレーム枠7a、8aと、開閉扉14の取付用フレーム7d、8dとに、天井部材としてエキスパンドメタル7b、8bを張設して成る。この2つの分割パネル7、8は、敷き並べて前記取付用フレーム7d、8dに開閉扉14を取り付けると、前記レール部材1の外側の立坑開口部位9bを覆う大きさで実施される。
前記フレーム枠7a(8a)における梁材12に載る部位には、水平部と同水平部の内側に屈曲して垂れ下がる垂下部とで断面L字状に形成されたアングル材が用いられ、同アングル材の水平部が、前記溝形鋼2の上フランジ面に載る構成で実施されている(図1、図16参照)。
ちなみに、図中の符号7c(8c)は、溝形鋼2の上フランジ面とボルト接合するために設けたボルト孔を示している。よって、このボルト孔7c(8c)は、溝形鋼2に設けたボルト孔2cと同一ピッチで設けられている。
一方、前記フレーム枠7a(8a)におけるライナープレート20の天端20aに載る部位には、平面方向からみて、当該天端20aの形状に応じて湾曲したアングル材が用いられている。このアングル材は、その水平部を前記天端20aの上面に十分に載る長さとし、その垂下部に、先端をライナープレート立坑20の内壁面へ向けたストッパー21が設けられている。このストッパー21は、分割パネル7(8)が天端20aから外れないように、その先端を、上方に位置する天端20aの内周縁より外側へ突き出る程度の長さ寸法に設定している。
次に、ライナープレート立坑用天蓋の取付方法について説明する。
地すべり抑制工として、上端部を50cm程度露出させて構築したライナープレート立坑20(直径3.0m、深さ10〜50m)の天端20aに天蓋10を取り付けるに際し、先ず、前記天端20aの上面に、前記溝形鋼2を4本架け渡す。溝形鋼2を架け渡す作業は、溝形鋼2の両端部をそれぞれ作業員が持ち、人力で移動させて行う。
前記4本の溝形鋼2は、長短の溝形鋼2、2を2本1組として、それぞれウエブ面が当接する配置とし、ライナープレート立坑20の中心を通る水平線に対称な配置に設ける。ちなみに4本の溝形鋼2のうち、内側に配置する長い方の溝形鋼2、2には、その両端部の対応する部位に、間隔保持部材13を連結するための前記リブプレート11が設けられている。
2本1組とした溝形鋼2はそれぞれ、その両端部に設けた接合片2a、2a同士のボルト孔2b、2bの位置合わせを行い、当該一致したボルト孔2b、2bにボルト15を通しナット16をねじ込むことにより2本の梁材12に形成する。2本の梁材12、12は、その両端部に設けた前記リブプレート11に間隔保持部材13を連結し、もってライナープレート立坑20の中心を通る水平線に対して対称な配置に同幅のレール部材1を組み立てることができる(図1、図10参照)。
次に、前記レール部材1上に前記分割パネル3を取り付ける作業を行う。
この作業は、図11に示したように、前記レール部材1の梁材12、12を構成する内側の溝形鋼2、2に、前記分割パネル3の平行なフレーム枠3aの先端部を跨るように載せる。そして、前傾姿勢の分割パネル3を、天端20aに載る側のフレーム枠3aを把持した作業員が、ライナープレート立坑20の中心部へスライドさせて行う。このスライド作業は、溝形鋼2に載る側のフレーム枠3aの垂下部がガイドレールの役割を果たすのでスムーズに良好に行い得る(図13参照)。
前傾姿勢の分割パネル3のスライド作業は、溝形鋼2に載る側のフレーム枠3aに設けた干渉防止用の切欠部3dが間隔保持部材13の上方を通過するまで行う。そして、分割パネル3を水平姿勢にし、前記切欠部3dを間隔保持部材13に嵌め合わせる。水平姿勢にした分割パネル3は、同分割パネル3に設けたストッパー21の先端が上方に位置する天端20aの内周縁より外側へ突き出る程度に若干手前に引き戻す。そして、この位置で一致するように予め設けられた溝形鋼2のボルト孔2cとフレーム枠3aのボルト孔3cにボルト22を通しあらかじめ溝形鋼2に溶接されたナット23にねじ込んで締結し、もって、前記分割パネル3を前記レール部材1上に取り付ける(図12参照)。
前記分割パネル4も、前記分割パネル3の取付作業と同様の手法で行い、前記レール部材1上に取り付ける(図14参照)。
かくして、前記レール部材1に形成された開口部19を、前記分割パネル3、4で覆う取付作業を終了する。
ここで、2本の梁材12、12を間隔保持部材13で連結する意義について説明する。
レール部材1を構成する2本の梁材12、12を間隔保持部材13により連結することで、梁材12、12の間隔を適切に保持することが可能になる。仮に、間隔保持部材13がないまま、梁材12、12をライナープレート立坑20の天端20aにそれぞれ配置した場合は、実施することはできるものの、梁材12の位置修正を行うたびに、配置された間隔が適切かどうかを調整しなければならず、手間がかかる。なぜなら、この梁材12、12の間隔が不適切だと、分割パネル3(4)のフレーム枠3a(4a)は梁材12、12に跨ることができないからである。
また、同様に間隔保持部材13がない場合には、分割パネル3(4)のフレーム枠3a(4a)を梁材12、12に跨らせて、ライナープレート立坑20の中心部へスライドさせる際に、このスライド作業により梁材12、12の位置がずれることがある。そうすると梁材12、12の間隔が拡がり、分割パネル3(4)は梁材12、12の支えを失ってライナープレート立坑20の内部へ落下するおそれがあるので、このような落下を未然に防止するべく、作業員は前記スライド作業を慎重に行う必要がある。
例えば、梁材12、12の位置がずれて分割パネル3(4)が落下することがないように、当該梁材12、12を、ライナープレート立坑20の天端20aにボルトなどで固定することも考えられる。しかし、ライナープレート立坑20が既設で、地盤の変動により平面形状が楕円化している場合は、天端20aの位置も楕円化により変位している。そのため、たとえ梁材12、12と天端20aにボルトなどで固定するボルト孔を設けても、楕円化によりボルト孔がずれてしまうのでボルトでの固定は困難である。
上記の問題は、間隔保持部材13により梁材12、12を適切な間隔に保持することで解消される。間隔保持部材13を用いることで、レール部材1の配置を修正しても常に梁材12、12の間隔は適切に保持される。また、分割パネル3(4)を配置するためのスライド作業においても、間隔保持部材13を用いることで梁材12、12の間隔が適切に保持されるため、分割パネル3(4)がライナープレート立坑20の内部へ落下するおそれは一切ないので、作業員は労せずにスムーズな作業を行い得る。
次に、前記分割パネル5を取り付ける作業を行う。この作業は、前記レール部材1上に設置された分割パネル3を作業足場に利用して行う。
すなわち、前記分割パネル5を、分割パネル3上の作業員と、天端20aの外周部の作業員とで把持し、分割パネル5に設けたストッパー21が天端20aに衝突しないように配慮して、溝形鋼2の上フランジの上面及び天端20aの上面に、前記フレーム枠5aを載せ当該分割パネル5を位置決めする。そして、フレーム枠5aに設けたボルト孔5cと、溝形鋼2の上フランジに設けたボルト孔2cの位置合わせを行い、当該一致したボルト孔5c、2cにボルト22を通しあらかじめ溝形鋼2に溶接されたナット23にねじ込んで締結し(図3C参照)、もって、前記分割パネル5の取付作業を終了する。
前記分割パネル6は、前記レール部材1上に設置された分割パネル4を作業足場に利用し、前記分割パネル5の取付作業と同様の手法で、溝形鋼2の上フランジの上面及び天端20aの上面に取り付ける(図15、図3B参照)。
かくして、前記レール部材1の外側に形成された立坑開口部位9aを分割パネル5、6で覆う取付作業を終了する。
次に、前記分割パネル7を取り付ける作業を行う。この作業も、前記レール部材1上に設置された分割パネル3を作業足場に利用して行う。
すなわち、前記分割パネル7を、分割パネル3上の作業員と、天端20aの外周部の作業員とで把持し、分割パネル7に設けたストッパー21が天端20aに衝突しないように配慮して、溝形鋼2の上フランジの上面及び天端20aの上面に、前記フレーム枠7aを載せ当該分割パネル7を位置決めする。そして、フレーム枠7aに設けたボルト孔7cと、溝形鋼2の上フランジに設けたボルト孔2cの位置合わせを行い、当該一致したボルト孔7c、2cにボルト22を通しあらかじめ溝形鋼2に溶接されたナット23にねじ込んで締結し、もって、前記分割パネル7の取付作業を終了する。
前記分割パネル8は、前記レール部材1上に設置された分割パネル4を作業足場に利用し、前記分割パネル7の取付作業と同様の手法で、溝形鋼2の上フランジの上面及び天端20aの上面に取り付ける(図16参照)。
しかる後、前記分割パネル7、8に設けた取付用フレーム7d、8dに開閉扉14を取り付け、もって、ライナープレート立坑20の天端20aの開口部を覆う天蓋10が取り付けられる(図17参照)。
本実施例に係る開閉扉14は、ライナープレート立坑20の内壁面に沿って設けられるタラップの上端(図示省略)を当該天端20aに掛け止めるために必要な隙間を確保して取り付けられている。
なお、分割パネル3〜8の取付手順はこれに限定されない。例えば、分割パネル5、6の取付作業より先に分割パネル7、8を取り付けてもよい。分割パネル3を取り付けた後に分割パネル5、7を取り付け、分割パネル4を取り付けた後に分割パネル6、8を取り付けることもできる。要するに先ず、作業足場に利用する分割パネル3又は4を取り付けた後は、種々のバリエーションで取付可能である。
したがって、実施例1に係るライナープレート立坑用天蓋10の取付構造及び取付方法によれば、従来の2〜3分割タイプの天蓋と比して、以下の作用効果を奏する。
1)ライナープレート立坑20の中央部を横断するように人力で架け渡したレール部材1は、その両端に設けた掛止部12b、及びその内側に設けた載置部12aにより、同立坑20の天端20aに嵌め合う構成で確実に設置できる。また、前記分割パネル3〜8はそれぞれ、前記レール部材1にボルト接合により安全、確実、且つ合理的に人力で取り付けてライナープレート立坑20の天端開口部20aを覆う天蓋10を形成することができる。
さらに、前記ライナープレート立坑20の天端20aと、レール部材1及び分割パネル3〜8との当接部に着目すると、前記レール部材1の両端部に設けた載置部12a及び各分割パネル3〜8における天端20aに載るフレーム枠3a〜8aは、ライナープレート立坑20(天端20a)の平面形状の経時的な変形(主に楕円形)に十分対応できるような余裕のある寸法で実施している。
よって、天蓋10を構成する前記レール部材1はもとより、各分割パネル3〜8は、万が一にでも落下する虞がない。したがって、安全性に非常に優れている。
また、前記レール部材1を構成する複数本の梁材12、12を間隔保持部材13で連結して実施すれば、梁材12、12同士の間隔を一定に保持できるので、安全性をさらに向上させることができる。
2)天蓋10を構成するレール部材1(溝形鋼2、間隔保持部材13)はもとより、各分割パネル3〜8を人力でも運搬可能な重量で実施できるので、当該天蓋10の構成部材を構築現場へ楽に搬入できることは勿論のこと、重機を一切使用することなくライナープレート立坑20の天端開口部に天蓋10を取り付けることができる。
また、ライナープレート立坑20(天蓋10含む。)を構築して年数が経過し、劣化等した天蓋10のみを取り替える作業でも、重機は一切無用となり、搬入路が既に消失している場合に難渋をきわめた重機の搬入作業や、重機を安定して駆動させるために行う地面を均す作業も無用となる。したがって、至便性、施工性、及び経済性に非常に優れている。
図18は、本発明に係るライナープレート立坑用天蓋10の取付構造および取付方法の異なる実施例を示している。
この実施例2に係るライナープレート立坑20’は、上記実施例1に係るライナープレート20と比して、直径を3.5mで実施している点が相違する。これに伴い、レール部材1を構成する梁材12を2本から3本に増設し、分割パネルの個数も6個から8個に増設する等の設計変更を行っている。
以下に実施例2を説明するが基本的構成については同様なので、実施例1と同様の部材については同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
図18は、実施例2に係るライナープレート立坑用天蓋10’の取付構造を示している。
図示例に係る天蓋10’は、人力で運搬、施工可能な重量からなる、レール部材1’及び8分割された複数の分割パネル24〜31で構成されている。
前記レール部材1’は、載置部12aを両端部に備えた3本の梁材12が間隔保持部材13で連結されて、ライナープレート立坑20’の天端20’aの上面に架け渡されている。ちなみに、図中の符号12bはレール部材1’の両端に形成した掛止部を示している。
前記8つの分割パネル24〜31は、フレーム枠24a〜31aを備える天井部材24b〜31bからなる。この分割パネル24〜31は、天蓋10’について、前記レール部材1’の梁軸と直交する方向のライナープレート立坑20’の中心線上で左右対称に2分割され、さらに当該各梁軸上で上下方向に4分割されたにほぼ等しい形状で実施されている。
先ず、前記レール部材1’について説明する。
前記レール部材1を構成する3本の梁材12はそれぞれ、縦断面形状が同形・同大(一例としてフランジ長50mm、ウエブ長100mm)の2本の溝形鋼2、2のウエブ同士を当接させ、上記実施例1と同様の手法で合成H形鋼に形成して実施している。また、前記梁材12は、その両端に掛止部12bを有し、当該掛止部12bの内側に載置部12aを有する点も上記実施例1と同様である(図2Bを援用して参照)。
上記構成の3本の梁材12が、ライナープレート立坑20の中心を通る水平線に対しほぼ対称な配置で設けられている。すなわち、中央の梁材12は、ライナープレート立坑20の中心を通る水平線上に配置している。前記梁材12を構成する溝形鋼2、2は、ライナープレート立坑20の平面形状に倣い、適宜設計変更する点も上記実施例1と同様である。ちなみに中央の梁材12は、同形同大の溝形鋼2、2を用いている。
前記3本の梁材12は、その両端部における隣り合う2本の梁材12、12同士が間隔保持部材13で連結されている。
かくして、同幅のレール部材1’が、ライナープレート立坑20の中心を通る水平線に対しほぼ対称な配置に設けられる。
次に、前記分割パネル24、25について説明する。
この分割パネル24、25は、前記レール部材1’の梁軸と直交する方向のライナープレート立坑20の中心線に対し、左右にほぼ対称な形状で実施され、2本の梁材12、12とライナープレート20’の天端20’aとに載るほぼ長方形状のフレーム枠24a、25aに、天井部材としてエキスパンドメタル24b、25bを張設して成る。
前記フレーム枠24a(25a)における2本の梁材12、12に載る部位には、水平部と同水平部の内側に屈曲して垂れ下がる垂下部とで断面L字状に形成されたアングル材が用いられ、同アングル材の水平部が、前記溝形鋼2、2の上フランジ面に載る構成で実施されている。当該フレーム枠24a(25a)にも、上記実施例1に係る分割パネル3、4に設けたボルト孔3c(4c)と同様のボルト孔と、間隔保持部材13との干渉防止用の切欠部を有している(図8を援用して参照)。
一方、前記フレーム枠24a(25a)におけるライナープレート20’の天端20’aに載る部位には、平面方向からみて、当該天端20’aの形状に応じて湾曲したアングル材が用いられている。このアングル材は、その水平部を前記天端20’aの上面に十分に載る長さとし、その垂下部(の中央部)に、先端をライナープレート立坑20’の内壁面へ向けたストッパー21が設けられている。
次に、前記分割パネル26、27について説明する。
この分割パネル26、27は、上記分割パネル24、25と同様の構成で実施している。すなわち、前記レール部材1’の梁軸と直交する方向のライナープレート立坑20の中心線に対し、左右にほぼ対称な形状で実施され、2本の梁材12、12とライナープレート20’の天端20’aとに載るほぼ長方形状のフレーム枠26a、27aに、天井部材としてエキスパンドメタル26b、27bを張設して成る。
前記フレーム枠26a(27a)における2本の梁材12、12に載る部位には、水平部と同水平部の内側に屈曲して垂れ下がる垂下部とで断面L字状に形成されたアングル材が用いられ、同アングル材の水平部が、前記溝形鋼2、2の上フランジ面に載る構成で実施されている。当該フレーム枠26a(27a)にも、上記実施例1に係る分割パネル3、4に設けたボルト孔3c(4c)と同様のボルト孔と、間隔保持部材13との干渉防止用の切欠部を有している。
一方、前記フレーム枠26a(27a)におけるライナープレート20’の天端20’aに載る部位には、平面方向からみて、当該天端20’aの形状に応じて湾曲したアングル材が用いられている。このアングル材は、その水平部を前記天端20’aの上面に十分に載る長さとし、その垂下部(の中央部)に、先端をライナープレート立坑20’の内壁面へ向けたストッパー21が設けられている。
次に、前記分割パネル28、29について説明する。
この分割パネル28、29は、前記レール部材1’の梁軸と直交する方向のライナープレート立坑20の中心線に対し、左右にほぼ対称な形状で実施され、梁材12とライナープレート20’の天端20’aとに載る、略扇形のフレーム枠28a、29aに天井部材としてエキスパンドメタル28b、29bを張設して成る。
前記フレーム枠28a(29a)における梁材12に載る部位には、水平部と同水平部の内側に屈曲して垂れ下がる垂下部とで断面L字状に形成されたアングル材が用いられ、同アングル材の水平部が、前記溝形鋼2の上フランジ面に載る構成で実施されている。当該フレーム枠26a(27a)には、上記実施例1に係る分割パネル5、6に設けたボルト孔5c(6c)と同様のボルト孔を有している。
一方、前記フレーム枠28a(29a)におけるライナープレート20’の天端20’aに載る部位には、平面方向からみて、当該天端20’aの形状に応じて湾曲したアングル材が用いられている。このアングル材は、その水平部を前記天端20’aの上面に十分に載る長さとし、その垂下部に、先端をライナープレート立坑20’の内壁面へ向けたストッパー21が設けられている。
次に、前記分割パネル30、31について説明する。
この分割パネル30、31は、前記レール部材1’の梁軸と直交する方向のライナープレート立坑20の中心線に対し、左右にほぼ対称な形状で実施され、梁材12とライナープレート20の天端20aとに載る、略扇形のフレーム枠30a、31aと、開閉扉14の取付用フレーム30d、31dとに、天井部材としてエキスパンドメタル30b、31bを張設して成る。
前記フレーム枠30a(31a)における梁材12に載る部位には、水平部と同水平部の内側に屈曲して垂れ下がる垂下部とで断面L字状に形成されたアングル材が用いられ、同アングル材の水平部が、前記溝形鋼2の上フランジ面に載る構成で実施されている。当該フレーム枠30a(31a)には、上記実施例1に係る分割パネル7、8に設けたボルト孔7c(8c)と同様のボルト孔を有している。
一方、前記フレーム枠30a(31a)におけるライナープレート20’の天端20’aに載る部位には、平面方向からみて、当該天端20’aの形状に応じて湾曲したアングル材が用いられている。このアングル材は、その水平部を前記天端20’aの上面に十分に載る長さとし、その垂下部に、先端をライナープレート立坑20’の内壁面へ向けたストッパー21が設けられている。
次に、ライナープレート立坑用天蓋の取付方法について説明する。
地すべり抑制工として、上端部を50cm程度露出させて構築したライナープレート立坑20’(直径3.5m、深さ10〜50m)の天端20’aに天蓋10’を取り付けるに際し、先ず、前記天端20’aの上面に、前記溝形鋼2を6本架け渡す。溝形鋼2を架け渡す作業は、溝形鋼2の両端部をそれぞれ作業員が持ち、人力で移動させて行う。
前記6本の溝形鋼2は、2本1組として、それぞれウエブ面が当接する配置とし、ライナープレート立坑20の中心を通る水平線に対称な配置に設ける。すなわち、中央の梁材12は、ライナープレート立坑20の中心を通る水平線上に配置する。なお、前記梁材12を構成する溝形鋼2のうち間隔保持部材13を設ける部位には、予めリブプレート11が設けられている(図3Aを援用して参照)。
2本1組とした溝形鋼2を抱き合わせて合成H形鋼の梁材12に構成する手法、及び間隔保持部材13を連結する手法は、上記実施例1と同様である。
かくして、ライナープレート立坑20’の中心を通る水平線に対して対称な配置に3本の梁材12からなる同幅のレール部材1’を組み立てることができる。
次に、前記レール部材1’上に前記分割パネル24を取り付ける作業を行う。
この作業は、前記レール部材1の隣り合う2本の梁材12、12を構成する内側の溝形鋼2、2に、前記分割パネル24の平行なフレーム枠24aの先端部を跨るように載せる。そして、前傾姿勢の分割パネル24を、天端20’aに載る側のフレーム枠24aを把持した作業員が、ライナープレート立坑20’の中心部へスライドさせて行う。このスライド作業は、溝形鋼2に載る側のフレーム枠24aの垂下部がガイドレールの役割を果たすのでスムーズに良好に行い得る(図11〜図13を援用して参照)。
前傾姿勢の分割パネル24のスライド作業は、溝形鋼2に載る側のフレーム枠24aに設けた干渉防止用の切欠部が間隔保持部材13の上方を通過するまで行う。そして、分割パネル24を水平姿勢にし、前記切欠部を間隔保持部材13に嵌め合わせる。水平姿勢にした分割パネル24は、同分割パネル24に設けたストッパー21の先端が上方に位置する天端20a’の内周縁より外側へ突き出る程度に若干手前に引き戻す。そして、この位置で一致するように予め設けられた溝形鋼2のボルト孔2cとフレーム枠24aのボルト孔にボルト22を通しあらかじめ溝形鋼2に溶接されたナット23にねじ込んで締結し、もって、前記分割パネル24を前記レール部材1上に取り付ける。
前記分割パネル25〜27も、前記分割パネル24の取付作業と同様の手法で行い、前記レール部材1上に取り付ける。
かくして、前記レール部材1に形成された開口部を、前記分割パネル24〜27で覆う取付作業を終了する。
次に、前記分割パネル28を取り付ける作業を行う。この作業は、前記レール部材1’上に設置された分割パネル26を作業足場に利用して行う。
すなわち、前記分割パネル28を、分割パネル26上の作業員と、天端20’aの外周部の作業員とで把持し、分割パネル28に設けたストッパー21が天端20’aに衝突しないように配慮して、溝形鋼2の上フランジの上面及び天端20’aの上面に、前記フレーム枠28aを載せ当該分割パネル28を位置決めする。そして、フレーム枠28aに設けたボルト孔と、溝形鋼2の上フランジに設けたボルト孔2cの位置合わせを行い、当該一致したボルト孔にボルト22を通しあらかじめ溝形鋼2に溶接されたナット23にねじ込んで締結し、もって、前記分割パネル28の取付作業を終了する。
前記分割パネル29は、前記レール部材1上に設置された分割パネル27を作業足場に利用し、前記分割パネル28の取付作業と同様の手法で、溝形鋼2の上フランジの上面及び天端20a’の上面に取り付ける。
かくして、前記レール部材1’の外側に形成された立坑開口部位を分割パネル28、29で覆う取付作業を終了する。
次に、前記分割パネル30を取り付ける作業を行う。この作業は、前記レール部材1上に設置された分割パネル24を作業足場に利用して行う。
すなわち、前記分割パネル30を、分割パネル24上の作業員と、天端20’aの外周部の作業員とで把持し、分割パネル30に設けたストッパー21が天端20’aに衝突しないように配慮して、溝形鋼2の上フランジの上面及び天端20’aの上面に、前記フレーム枠30aを載せ当該分割パネル30を位置決めする。そして、フレーム枠30aに設けたボルト孔と、溝形鋼2の上フランジに設けたボルト孔2cの位置合わせを行い、当該一致したボルト孔にボルト22を通しあらかじめ溝形鋼2に溶接されたナット23にねじ込んで締結し、もって、前記分割パネル30の取付作業を終了する。
前記分割パネル31は、前記レール部材1’上に設置された分割パネル25を作業足場に利用し、前記分割パネル30の取付作業と同様の手法で、溝形鋼2の上フランジの上面及び天端20a’の上面に取り付ける。
しかる後、前記分割パネル30、31に設けた取付用フレーム30d、31dに開閉扉14を取り付け、もって、ライナープレート立坑20’の天端20’aの開口部を覆う天蓋10’が取り付けられる。
なお、分割パネル24〜31の取付手順はこれに限定されない。例えば、分割パネル28、29の取付作業より先に分割パネル30、31を取り付けてもよい。分割パネル24を取り付けた後に分割パネル30を取り付け、分割パネル26を取り付けた後に分割パネル28を取り付けることもできる。要するに先ず、作業足場に利用する分割パネル24〜27のいずれかを取り付けた後は、種々のバリエーションで取付可能である。
したがって、実施例2に係るライナープレート立坑用天蓋10’の取付構造及び取付方法によれば、天蓋10’を構成するレール部材1’(溝形鋼2、間隔保持部材13)はもとより、各分割パネル24〜31を人力でも運搬可能な重量で実施できるので、上記実施例1と同様の作用効果を奏する(段落[0046]参照)。
なお、図19は、開閉扉14の取付部位を変更したバリエーションを示している。
図18に係る分割パネル30、31の形状を、図19に係る分割パネル30’、31’の形状に変更することにより、開閉扉14の設置位置を偏倚する等の設計変更は適宜行われるところである。上記実施例1についても同様の技術的思想とする。
図20〜図23は、本発明に係るライナープレート立坑用天蓋10の取付構造および取付方法の異なる実施例を示している。
この実施例3は、上記実施例1に係るレール部材1上に設ける分割パネル3、4の代わりに、フレーム枠を備える天井部材からなる分割パネルとして、断面C形の足場板32を用いる点が上記実施例1と相違する。すなわち、実施例3では、前記足場板32を前記レール部材1上に直接、複数(図示例では12個)敷き並べ、同レール部材1を構成する2本の梁材12、12の間に形成された開口部19を覆う構成で実施している。
その他の4つの分割パネル33〜36は、上記実施例1に係る分割パネル5〜8と同様の構成で実施している。ただし、天井部材に用いるエキスパンドメタル5b〜8bの代わりに足場板32を複数枚敷き並べて構成している点が相違する。
なお、図示例に係る足場板32は、平板部分に多数のバーリング加工を施している(図20参照)。
この実施例3に係るライナープレート立坑用天蓋10の取付方法は、上記実施例1と同様の手法で、前記レール部材1を、ライナープレート立坑20の中心を通る水平線に対しほぼ対称な配置に設ける(図21参照)。なお、2本の梁材12、12を構成する内側の2本の溝形鋼2の上フランジの上面には、前記足場板32とボルト接合するボルト孔2c(図示例では1つの足場板毎に2個の計24個)が所定のピッチで設けられている。
次に、前記レール部材1の2本の梁材12、12上に、前記足場板32を、一側から又は両端部から順にボルト接合により敷き並べ、当該2本の梁材12、12の間に形成された開口部19を覆う(図21〜図22参照)。
その他の4つの分割パネル33〜36は、図22〜図23に示したように、前記レール部材上に設置した足場板32を作業足場に利用して、上記実施例1に係る分割パネル5〜8と同様の手順で取り付ける(段落[0042]〜[0044]参照)。
したがって、実施例3に係るライナープレート立坑用天蓋10の取付構造及び取付方法によれば、天蓋10を構成するレール部材1(溝形鋼2、間隔保持部材13)はもとより、各分割パネル32〜36を人力でも運搬可能な重量で実施できるので、上記実施例1と同様の作用効果を奏する(段落[0046]参照)。
以上に実施例1〜3を図面に基づいて説明したが、本発明は、図示例の実施例の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために言及する。
例えば、上記実施例1に係る分割パネル3〜8について、天井部材に用いるエキスパンドメタル3b〜8bの代わりに足場板32を複数枚敷き並べた構成で実施することも勿論できる。
また、上記実施例1について、分割パネル3と4、5と6、7と8は、必ずしも左右対称な形状である必要はなく、左右非対称な形状であってもよい。この場合はそれに伴い、ライナープレート立坑20の中心を通る水平線に対して対称な配置に梁材12からなるレール部材1を配置する必要もなく、レール部材1の配置が分割パネルの形状に合わせて、ライナープレート立坑20の中心からずれていてもよい。上記実施例2に係る分割パネル24と25、26と27、28と29、30と31についても同様の技術的思想とする。
1 レール部材
2 溝形鋼
2a 接合片
2b ボルト孔
2c ボルト孔
3〜8 分割パネル
3a〜8a フレーム枠
3b〜8b 天井部材(エキスパンドメタル)
3c〜8c ボルト孔
3d、4d 切欠部
7d、8d 取付用フレーム
9a、9b 立坑開口部位
10 天蓋
11 リブプレート
12 梁材
12a 載置部
12b 掛止部
13 間隔保持部材
14 開閉扉
15 ボルト
16 ナット
17 ボルト
18 補強フレーム
19 開口部
20 ライナープレート立坑
20a 天端
21 ストッパー
22 ボルト
23 ナット
1’ レール部材
10’ 天蓋
20’ ライナープレート立坑
20’a 天端
24〜31 分割パネル
24a〜31a フレーム枠
24b〜31b 天井部材(エキスパンドメタル)
30d、31d 取付用フレーム
32 足場板
33〜36 分割パネル

Claims (14)

  1. ライナープレート立坑用天蓋の取付構造において、
    前記天蓋は、人力で運搬、施工可能な重量からなる、レール部材及び少なくとも6分割された複数の分割パネルからなり、
    前記レール部材は、載置部を両端部に備えた複数本の梁材からなり、ライナープレート立坑の天端に架け渡されていること、
    前記複数の分割パネルは、フレーム枠を備える天井部材からなり、
    前記複数の分割パネルの内、少なくとも2つの分割パネルは、前記フレーム枠が前記レール部材の隣り合う2本の梁材に跨るように設けられていること、
    前記レール部材の両外側の立坑開口部位にはそれぞれ、前記ライナープレート立坑の天端と前記レール部材の梁材とに載るフレーム枠を備えた前記複数の分割パネルの残分が取り付けられることにより、ライナープレート立坑の天端開口部を覆う天蓋が取り付けられていることを特徴とする、ライナープレート立坑用天蓋の取付構造。
  2. ライナープレート立坑用天蓋の取付構造において、
    前記天蓋は、人力で運搬、施工可能な重量からなる、レール部材及び縦横に6分割された分割パネルからなり、
    前記レール部材は、載置部を両端部に備えた2本の梁材からなり、ライナープレート立坑の天端に架け渡されていること、
    前記6つの分割パネルは、フレーム枠を備える天井部材からなり、
    前記6つの分割パネルの内、2つの分割パネルは、前記フレーム枠が前記レール部材の2本の梁材に跨るように設けられていること、
    前記レール部材の両外側の立坑開口部位にはそれぞれ、前記ライナープレート立坑の天端と前記レール部材の梁材とに載るフレーム枠を備えた2つの分割パネルが取り付けられることにより、ライナープレート立坑の天端開口部を覆う天蓋が取り付けられていることを特徴とする、ライナープレート立坑用天蓋の取付構造。
  3. ライナープレート立坑用天蓋の取付構造において、
    前記天蓋は、人力で運搬、施工可能な重量からなる、レール部材及び縦横に8分割された分割パネルからなり、
    前記レール部材は、載置部を両端部に備えた3本の梁材からなり、ライナープレート立坑の天端に架け渡されていること、
    前記8つの分割パネルは、フレーム枠を備える天井部材からなり、
    前記8つの分割パネルの内、4つの分割パネルは、前記フレーム枠が前記レール部材の隣り合う2本の梁材に跨るように2つの分割パネルが設けられ、更に隣り合う2本の梁材に跨るように2つの分割パネルが設けられていること、
    前記レール部材の両外側の立坑開口部位にはそれぞれ、前記ライナープレート立坑の天端と前記レール部材の梁材とに載るフレーム枠を備えた2つの分割パネルが取り付けられることにより、ライナープレート立坑の天端開口部を覆う天蓋が取り付けられていることを特徴とする、ライナープレート立坑用天蓋の取付構造。
  4. 前記レール部材を構成する複数本の梁材のうち隣り合う2本の梁材は間隔保持部材で連結されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載したライナープレート立坑用天蓋の取付構造。
  5. 前記間隔保持部材は、前記梁材の両端部におけるライナープレート立坑の天端近傍位置に設けられていることを特徴とする、請求項4に記載したライナープレート立坑用天蓋の取付構造。
  6. 前記天蓋は、前記レール部材の梁軸と直交する方向のライナープレート立坑の中心線上で左右対称に2分割され、さらに当該各梁軸上で上下方向に3分割以上されたにほぼ等しい形状の分割パネルからなることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一に記載したライナープレート立坑用天蓋の取付構造。
  7. 前記分割パネルのフレーム枠は、水平部と同水平部の内側に屈曲して垂れ下がる垂下部とで断面L字状に形成されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一に記載したライナープレート立坑用天蓋の取付構造。
  8. 前記分割パネルのフレーム枠のうち、ライナープレート立坑の天端に載るフレーム枠には、その垂下部に、先端をライナープレート立坑の内壁面へ向けたストッパーが設けられていることを特徴とする、請求項7に記載したライナープレート立坑用天蓋の取付構造。
  9. 前記分割パネルのフレーム枠のうち、前記レール部材の梁材に載るフレーム枠は当該梁材とボルト接合されていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一に記載したライナープレート立坑用天蓋の取付構造。
  10. 前記レール部材の梁材は、2つの溝形鋼のウエブ同士を接合してなる鋼材、又は2つの山形鋼を接合することで断面T字形となる鋼材、又はT鋼材、又はH形鋼であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一に記載したライナープレート立坑用天蓋の取付構造。
  11. 前記レール部材の隣り合う2本の梁材にフレーム枠が跨るように設けられた分割パネルの前記フレーム枠、又は隣り合う2本の梁材を連結する前記間隔保持部材に、当該間隔保持部材とフレーム枠との干渉防止用の切欠部が設けられていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一に記載したライナープレート立坑用天蓋の取付構造。
  12. 前記天井部材は、エキスパンドメタル、又は複数枚敷き並べた足場板からなることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一に記載したライナープレート立坑用天蓋の取付構造。
  13. ライナープレート立坑用天蓋の取付方法において、
    前記天蓋は、人力で運搬、施工可能な重量からなる、レール部材及び少なくとも6分割された複数の分割パネルからなり、
    前記レール部材は、載置部を両端部に有する複数本の梁材からなり、ライナープレート立坑の天端に架け渡すこと、
    前記複数の分割パネルは、フレーム枠を有する天井部材からなり、
    前記複数の分割パネルの内、少なくとも2つの分割パネルは、前記フレーム枠を前記レール部材の隣り合う2本の梁材に跨るように取り付けること、
    前記レール部材上に取り付けた分割パネルを作業足場に利用して、前記レール部材の両外側の立坑開口部位にそれぞれ、前記ライナープレート立坑の天端と前記レール部材の梁材とに載るフレーム枠を有する残りの分割パネルを取り付けることにより、ライナープレート立坑の天端開口部を覆う天蓋を取り付けることを特徴とする、ライナープレート立坑用天蓋の取付方法。
  14. 前記レール部材は、前記複数本の梁材をそれぞれライナープレート立坑の天端に架け渡し、隣り合う2本の梁材同士を間隔保持部材で連結して組み立てることを特徴とする、請求項13に記載したライナープレート立坑用天蓋の取付方法。
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