JP2007146525A - 円筒形貯槽の側板取替補修方法 - Google Patents

円筒形貯槽の側板取替補修方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 円筒形貯槽の側板を取替える際に、簡単で着脱自在構造の足場装置を使用して、作業能率良く所定範囲の側板最上段を取替えることができる円筒形貯槽の側板取替補修方法を提供する。
【解決手段】 円筒形貯槽の側板を取替える際に、側板最上部のトップアングル4に懸架するように貯槽の内外それぞれに隔離して、垂直部材8aと水平部材8bと曲り部材8cとからなる着脱自在の吊型で枠体8構造の足場装置7を設け、この足場装置7を使用して取替え作業を行う。
【選択図】 図1a

Description

この発明は、円筒形貯槽の周壁、つまり側板が腐食などによって損傷した際に、その箇所を切断除去し新規側板を取り付けて修復する側板取替補修方法に関するものである。
円筒形の鋼製の側板周壁を有する大型の貯槽は、建設後長い年月を経過すると、殊に側板は板厚が薄く屋根荷重と風雨の当りが強くかかるため、腐食などによって損傷が激しく、取替え補修をする必要が生じている。
従来一般の円筒形貯槽の側板の取替は、図示は省略するが、まず円筒形貯槽の側板周壁の外周全体に、地面から屋根部までに至る高い総足場を仮設している。
この足場上で作業者が、側板周壁をガス切断等で切断してブロック化し、そのブロック化した側板周壁を吊下げ装置やクレーン等の重機で降下し解体し、新規の側板を上記クレーン等の重機で吊り上げて取付けている。
また、上記のような総足場を使用しないで円筒形貯槽の側板を取替える手順としては、図4a〜図4cに示すように、(a)吊りゴンドラ装置を使用して円周方向に沿ってブラケット足場を設置し、(b)このブラケット足場を使用して補強リング及び補強縦ステーを設置し、取替える側板を切断して取出し、新規側板を設置し、溶接及び検査を行い、(c)最後に吊りゴンドラを使用して、最下部のブラケット足場の治具跡の修復及び検査を行っている。
図4a〜図4cにおいて、21は貯槽本体、22は屋根板、23は側板、24はコーナー部のトップアングルである。
トップアングル24又は新規レールをガイドにしてゴンドラ25を架設し、このゴンドラ25を使って上部ブラケット足場26と下部ブラケット足場27を取付ける。29は取替える側板を示す。
図4bに示すように、30は新規の側板、31はクレーンである。
図4cに示すように、ゴンドラ25を使用して下部ブラケット足場27の撤去と治具跡の修復及び検査を行う。
図4bに示す作業の際には、図5に示すように、上部ブラケット足場26aが設置された取替える側板29を切断除去した後に、上部ブラケット足場26bが設置された新規の側板30をクレーン31によって搬入する。
円筒形貯槽の側板を取替える従来技術の発明技術には、例えば特開平8−270226号公報に開示されている「タンク側板取替工法」がある。
この発明技術は、クレーン車が使用できない場所において、タンク側板の損傷部分を更新する場合の側板取替工法であり、タンク本体側板更新部分より若干上部内面に補強リングを水平に固着し、さらに縦通し部材にホースシュウで固定した後、屋根上に設けた側板吊揚げ治具を使用して、側板を下段から順次取替え更新するようにしたものである。
また、円筒形貯槽の側板を作業性良く解体補修できるようにした従来技術が、例えば、特開平10−131520号公報の「貯槽の解体工法」に開示されている。
この発明は、総足場やクレーン等の重機を必要とすることなく、解体する貯槽のウィンドガーダーを側板から切断分離し、解体用の作業足場に有効利用し、順次下降させ移動しながら上方から下方に向けて解体するように形成したものである。
さらに、円筒形貯槽の側板を作業能率良く解体補修できるようにした従来技術が、例えば、特開平10−153000号公報の「円筒形貯槽の解体工法とゴンドラ装置」に開示されている。
この発明は、総足場やクレーン等の重機を必要とすることなく、解体する貯槽の側板上端縁にゴンドラ装置を自走可能に懸架し、このゴンドラ装置に作業足場と吊下げ装置を設けて、上方から下方に向って螺旋状に沿って連続して解体するように形成したものである。
特開平8−270226号公報 特開平10−131520号公報 特開平10−153000号公報
従来一般の円筒形貯槽の側板取替は、貯槽の全周に亙って総足場を仮設して側板周壁を切断撤去して解体しなければならないので、大掛かりで部材数の多い複雑な足場を必要とし、総足場の組立て仮設作業及び解体撤去作業が繁雑で、時間もかかり作業能率の低下を余儀なくされ、また貯槽周壁の解体作業と足場の解体撤去作業等が並行するため、作業の安全性にもかなりの配慮が必要となった。一般にはこのように、側板上部の部分取替の場合でも大掛かりな総足場が使用されていた。
また、図4及び図5に示した従来の円筒形貯槽の側板取替は、貯槽の側壁周囲に亙って部材数の多いブラケット足場を取付ける必要があり、このブラケット足場の取付け治具の設置作業及び解体撤去作業が繁雑で時間もかかり作業能率の低下を余儀なくされた。
さらに多くの治具跡が生じ、その修復作業の際には吊りゴンドラが必要とするため、作業能率が低下した。
そして、治具跡に欠陥が残らないように修復するのに多大の労力を要し、その箇所の検査が必要となった。
特開平8−270226号公報の「タンク側板取替工法」は、貯槽の内側に解体用の治具を設ける必要があって、貯槽の外側で解体作業をすることができなかった。
また、特開平10−131520号公報の「貯槽の解体工法」は、貯槽のウィンドガーダーがない貯槽には適用することができなかった。
また、特開平10−153000号公報の「円筒形貯槽の解体工法とゴンドラ装置」は、貯槽の側板上端縁にゴンドラ装置を自走可能に懸架するためにトップアングルなどを連続して走行レールにする必要があり、走行レールの保持とゴンドラ装置の設置と管理に手間がかかり、部分的に側板を取替える場合には向いてはいなかった。
この発明の目的は、上述のような従来技術が有する問題点に鑑みてなされたもので、簡単で着脱自在構造の吊型の足場装置を使用して、作業能率良く所定範囲の側板を取替えることができる円筒形貯槽の側板取替補修方法を提供するものである。
請求項1に係る発明の円筒形貯槽の側板取替補修方法は、円筒形貯槽の側板を取替える際に、側板最上部のトップアングルに懸架するように貯槽の内外それぞれに隔離して垂直部材と水平部材と曲り部材とからなる着脱自在の吊型で枠体構造の足場装置を設け、この足場装置を使用して側板の取替え作業を行うものである。
請求項2に係る発明の円筒形貯槽の側板取替補修方法は円筒形貯槽の側板を取替える際に、側板最上部のトップアングルに懸架するように貯槽の内外それぞれに隔離して垂直部材と水平部材と曲り部材とからなる着脱自在の枠体構造の足場装置を懸架し、この隣接した足場装置間に足場板を配列し手摺を取付けて足場区域を形成し、該足場区域の外面を防炎シートで被覆し、足場板の上面を防炎部材で保護して形成し、取替える側板の所定範囲に縦ステーを設置し、所定一枚目の側板をガス切断し取出し、該取出し部に一枚目の新規側板を挿入し合せて組立て、次いで二枚目の側板を切断し取出し、該取出し部に二枚目の新規側板を挿入し合せて組立てを行い、このように順次複数枚の側板を取替えた後に縦溶接及び水平溶接を行い、該溶接部の検査、及び上記縦ステーを除去した治具跡の補修及び検査を、上記足場装置を使用して行うものである。
請求項1に係る発明の円筒形貯槽の側板取替補修方法は、円筒形貯槽の側板を取替える際に、側板最上部のトップアングルに懸架するように貯槽の内外それぞれに隔離して垂直部材と水平部材と曲り部材とからなる着脱自在の枠体構造の足場装置を設け、この足場装置を使用して側板の取替え作業を行うので、適宜、足場装置の組立て設置と解体撤去を行いながら、取替補修が必要な所定範囲の側板を能率良く安全に取替え補修することができる。
請求項2に係る発明の円筒形貯槽の側板取替補修方法は、円筒形貯槽の側板を取替える際に、側板最上部のトップアングルに懸架するように貯槽の内外それぞれに隔離して垂直部材と水平部材と曲り部材とからなる着脱自在の枠体構造の足場装置を懸架し、この隣接した足場装置間に足場板を配列し手摺を取付けて足場区域を形成し、該足場区域の外面を防炎シートで被覆し、足場板の上面を防炎部材で保護して形成し、取替える側板の所定範囲に縦ステーを設置し、所定一枚目の側板をガス切断し取出し、該取出し部に一枚目の新規側板を挿入し合せて組立て、次いで二枚目の側板を切断し取出し、該取出し部に二枚目の新規側板を挿入し合せて組立てを行い、このように順次複数枚の側板を取替えた後に縦溶接及び水平溶接を行い、該溶接部の検査、及び上記縦ステーを除去した治具跡の補修及び検査を、上記足場装置を使用して行うので、簡単な仮設足場装置を使用して、作業能率良く、所定範囲の側板を取替え補修し検査を行うことができる。
また、総足場や大掛かりな解体用足場装置を使用する必要がなく安全作業で短時間に能率良く作業を行うことができ、治具跡の補修及び検査等に多大の配慮と経費を必要とすることがない。
この発明に係る円筒形貯槽の側板取替補修方法を、図1乃至図3に基づいて説明する。
図1aは側板を取替える際に足場装置を架設した状態を、貯槽の外部から見た正面説明図、図1bは図1aの側面図である。
図2は側板を吊上げ取替えている状態を、貯槽の内部から見た説明図である。
図3a〜図3cは、側板を取替える手順を示す正面説明図である。
なお、図示例は屋根がある貯槽の場合を示しているが、屋根のない浮屋根式貯槽の場合には、屋根板を開口することなくトップアングルに直接、足場装置を架設して側板の取替補修を行う。
図1aに示すように、取替えを行う側板6の上方で、貯槽本体1の側板3の屋根板2と側板3の交わるコーナーのトップアングル4の近傍位置に、間隔をおいて屋根板2を切断して複数の屋根外周開口部5(5A,5B)・・・を設ける。
この屋根外周開口部5(5A,5B)に位置するトップアングル4に、足場装置7(7A,7B)・・・を着脱自在に懸架する。
屋根外周開口部5Aには、貯槽外部に設ける足場装置7Aを懸架し、屋根外周開口部5Bには、貯槽内部に設ける足場装置7Bを懸架する。このように内外の足場装置7A,7Bは、懸架位置となる屋根外周開口部5A,5Bが交互となるように設置する。
図1bに示すように、実線に示す足場装置7Aは貯槽の外部に架設し、二点鎖線の足場装置7Bは貯槽の内部に架設する。
足場装置7(7A,7B)は、垂直部材8aと水平部材8bと曲り部材8cとからなる着脱自在構造の枠体8に形成する。
この枠体8の垂直部材8aから水平に張り出す足場受け材9を取り付け、この足場受け材9の下部を傾斜材10で支え、さらに垂直部材8aから側板3に至る間隔部材11を設ける。
この足場装置7(7A,7B)の隣り合った足場受け材9、9間の上部に足場板12をかけ渡して固定し、安全のための手摺り13を取り付ける。
このように、組立てと設置が簡単で自在な足場装置7(7A,7B)を使用して取替側板6の取替えと修復作業を行う。
図2は、貯槽の内部から見た状態で屋根を省略して示している。
貯槽内外の足場装置7A,7Bの上に作業員が載って取替側板6の外周縁を切断した後に、クレーン14で取替側板6を外側に吊り上げている。
この際に、貯槽外部に位置する足場装置7Aは搬出及び搬入の支障にならないように一時的にずらすなどしておき、貯槽内部に位置する足場装置7Bはそのままの状態で搬出及び搬入、位置決めなどの作業に使用する。
クレーン14で取替側板6を外側上方に引き抜き、新規側板を差し込んで貯槽内部の足場装置7Bを使用して位置決め取付けを行い、その後で貯槽外部の足場装置7Aを元の位置に戻して溶接及び検査作業を行う。
図3a〜図3cに基づいて、円筒形貯槽の側板6を取替え補修する手順を説明する。
図3aに示すように、貯槽本体1の取替え補修する側板6の上部に位置する、外周部近傍の屋根板2を切断して隔離した所定位置に複数の屋根外周開口部5を設ける。
次いで、図3bに示すように、この屋根外周開口部5のトップアングル4に足場装置7を懸架する。この懸架し隣接した足場装置7相互間に足場板を渡し、さらに手摺りを取付けて必要範囲の足場区域を形成する。なお、図示は省略するが、この足場区域の外面は防炎シートで被覆し、足場板の上面を防炎部材で保護する。
そして、図3cに示すように、この足場装置7の上で取替える側板6の所定範囲に、補強と位置決めを行う縦ステーを設置し、所定一枚目の側板6をガス切断する。
そして、クレーン14を使用して側板6を取り出し、この取出し部に一枚目の新規側板15を挿入する。
次いで、図示はしないが、必要に応じて隣接する二枚目の側板を切断して取出し、この取出し部に二枚目の新規側板を挿入して組立てる。
このように、上記足場装置を使用して、順次複数枚の側板を取替えた後に溶接及び溶接部の検査を行う。次いで縦ステーを除去した治具跡の補修及び検査などを行い、円周方向に沿って連続して取替え補修を行う。
また、下方の側板の取替え補修についても同様にして、この足場装置を下方に接続延長して行う。
上記のように、枠体で吊型構造の足場装置7は、屋根がある場合には屋根外周部の屋根板を開口したトップアングル部へ、屋根がない場合にはトップアングルへ直接、懸架する着脱自在構造であるため、適宜、組立て設置と解体撤去を行いながら順次隣接する側板の取替補修を実施することができる。
この発明に係る円筒形貯槽の側板取替補修方法は、貯槽や建物などの側板や側壁の一部或いは全部を取替補修する場合に、この着脱自在構造の足場装置を使用して簡単かつ安全に解体作業を行うことができるため、種々の建築物等に適用することができる。
この発明に係る側板を取替える状態を示す貯槽の外部から見た正面説明図である。 図1aの側面図を示す。 側板を取替える状態を示す貯槽の内部から見た説明図である。 この発明に係る側板を取替える手順を示す正面説明図である。 図3aに続く手順を示す。 図3bに続く手順を示す。 従来方法による吊りゴンドラ装置及びブラケット足場を使用して側板を取替える手順を示す断面説明図である。 図4aに続く手順を示す。 図4bに続く手順を示す。 図4a〜図4cにおける従来のブラケット足場付き新規側板を取付ける状況を示す斜視説明図である。
符号の説明
1 貯槽本体
2 屋根板
3 側板
4 トップアングル
5,5A,5B 屋根外周開口部
6 取替側板
7,7A,7B 足場装置
8 枠体
8a 垂直部材
8b 水平部材
8c 曲り部材
9 水平受け材
10 傾斜材
11 間隔部材
12 足場板
13 手摺り
14 クレーン
15 新規側板

21 貯槽本体
22 屋根板
23 側板
24 トップアングル
25 ゴンドラ
26 上部ブラケット足場
27 下部ブラケット足場
29 取替側板
30 新規側板
31 クレーン

Claims (2)

  1. 円筒形貯槽の側板を取替える際に、側板最上部のトップアングルに懸架するように貯槽の内外それぞれに隔離して垂直部材と水平部材と曲り部材とからなる着脱自在の枠体構造の足場装置を設け、この足場装置を使用して側板の取替え作業を行うことを特徴とする円筒形貯槽の側板取替補修方法。
  2. 円筒形貯槽の側板を取替える際に、側板最上部のトップアングルに懸架するように貯槽の内外それぞれに隔離して垂直部材と水平部材と曲り部材とからなる着脱自在の枠体構造の足場装置を懸架し、この隣接した足場装置間に足場板を配列し手摺を取付けて足場区域を形成し、該足場区域の外面を防炎シートで被覆し、足場板の上面を防炎部材で保護して形成し、取替える側板の所定範囲に縦ステーを設置し、所定一枚目の側板をガス切断し取出し、該取出し部に一枚目の新規側板を挿入し合せて組立て、次いで二枚目の側板を切断し取出し、該取出し部に二枚目の新規側板を挿入し合せて組立てを行い、このように順次複数枚の側板を取替えた後に縦溶接及び水平溶接を行い、該溶接部の検査、及び上記縦ステーを除去した治具跡の補修及び検査を、上記足場装置を使用して行うことを特徴とする円筒形貯槽の側板取替補修方法。
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