JP2000073602A - 二重殻タンクの内槽側板構築法 - Google Patents

二重殻タンクの内槽側板構築法

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JP2000073602A
JP2000073602A JP10248616A JP24861698A JP2000073602A JP 2000073602 A JP2000073602 A JP 2000073602A JP 10248616 A JP10248616 A JP 10248616A JP 24861698 A JP24861698 A JP 24861698A JP 2000073602 A JP2000073602 A JP 2000073602A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 足場取付用治具を用いた足場や繁雑で大が
かりな組枠した足場を使用することなく、設置が簡単容
易で使用し易いゴンドラを用いて、作業能率良くかつ経
済的に構築できる二重殻タンクの内槽側板構築法を提供
する。 【解決手段】 外槽屋根の外周縁内側下部に円周方向
に沿って外側レールを設け、この外側レールに内外槽間
に配置する外側ゴンドラを円周方向に走行自在で垂直方
向に上下動可能に吊り下げて設置し、かつ外槽屋根に懸
架した内槽屋根の外周縁内側下部に円周方向に沿って内
側レールを設け、この内側レールに内槽側板より内側に
位置する内側ゴンドラを円周方向に走行自在で垂直方向
に上下動可能に吊り下げて設置して、上記外側ゴンドラ
と上記内側ゴンドラを利用して内槽側板の組立てと溶接
と検査とを施工する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、LNGなどの低
温液化ガス等を貯蔵する二重殻タンクの内槽側板構築法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】低温液化ガス等を貯蔵する二重殻タンク
1を、従来例の構築法を示す図6に基づいて説明する。
二重殻タンク1は、円形平板状の外槽底板2、円筒状の
外槽側板3、ドーム状の外槽屋根4を備えてなる外槽5
の一重殻と、その外槽5の外槽底板2上に敷設した底部
保冷層6の上に設けた円形平板状の内槽底板7、円筒状
の内槽側板8、ドーム状の内槽屋根9を備えてなる内槽
10の一重殻とを組合わせた二重殻の内外槽5、10で
形成している。
【0003】この二重殻タンク1の構築法には、内槽1
0の構築に先行して外槽屋根4を備えてなる外槽5を構
築し、その構築した外槽5の中で、内槽10を構築する
外槽先行型工法の構築法がある。この外槽先行型工法の
一例概要を、図6を参照して説明する。なお、図6は、
揚重機13、ブラケット足場14、枠組足場15を利用
して、内槽側板8を組立てている構築途上の工程を示し
ている。
【0004】まず円盤状基礎の上に配設する円形平板状
の外槽底板2、その外槽底板2の外周部に立設する円筒
状の外槽側板3を施工する。次いでドーム状の内槽屋根
9(内槽側板8との接続部を構成するナックルプレート
9Nを含む)と、その内槽屋根9の上に連結材11を介
して載置するドーム状の外槽屋根4とを外槽5内の底部
で組立て、その組立を終えた内外槽屋根4、9を、空気
圧を利用して持ち上げるエアレイジング工法、またはジ
ャッキを利用して持ち上げるジャッキアップ工法などで
持ち上げ、内槽屋根9を連結材11で吊り下げた外槽屋
根4を外槽側板3の上部へ取付けて、内槽10の構築に
先行して先ず外槽5を構築する。そして外槽5内の外槽
底板2上に、底部保冷層6を敷設し、その上に内槽底板
7を配設する。
【0005】次いで外槽側板3の内側面に、円周方向に
沿って複数段のブラケット足場14を取り付け、さらに
施工される内槽側板8より内側の内槽底板7上に、円周
方向に沿って枠組足場15を立設する。そして外槽屋根
4の内部に設けたリング状のレール12に走行型の揚重
機13を取付け、この揚重機13で側板片8Pを吊り揚
げ、さらに上記ブラケット足場14及び枠組足場15を
使用して、内槽底板7上の外周部に円筒状の内槽側板8
の最下段側板8Lを立設し、この最下段側板8Lの上に
上段の内槽側板8を順次組立て溶接していく。そして、
最上段側板8Tの組立て溶接を終えた内槽側板8の上
に、外槽屋根4に連結材11を介して懸架しておいた内
槽屋根9を降下させ、内槽側板8と内槽屋根9を結合す
るとともに連結材11を外して内槽10を構築する。こ
のように、内外槽5、10からなる二重殻タンク1を完
成させる工法である。なお、二重殻タンク1の側部及び
屋根部の内外槽間には、内外槽5、10が組立てられた
後に、パーライト粒などの保冷材が充填される。
【0006】また、図示省略するが、内外槽間上部の外
槽屋根にレールを設け、このレールにゴンドラを吊り下
げて設け、かつ内槽側板内側に組枠足場を設けて、この
ゴンドラと組枠足場を利用して内槽側板を施工する従来
技術があり、さらにまた、内外槽間上部の外槽屋根にレ
ールを設け、このレールに懸架したワイヤを内槽側板上
部開口を貫通させ内槽側板内側に吊り足場を設けて、こ
の吊り足場を利用して内槽側板を施工する従来技術もあ
るが、内外槽間及び内槽側板内側の両方それぞれにゴン
ドラを吊り下げて設け、この内外のゴンドラを利用して
内槽側板を施工する従来技術は存在しなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図6に示し上述した外
槽先行型の二重殻タンクの内槽側板構築法においては、
内外槽間のブラケット足場14、及び内槽側板内側の枠
組足場15を作業用の足場に使用して内槽側板8を施工
するため、以下詳述するように多くの手間と繁雑な作業
を必要とした。つまり、内槽側板8の外側に位置するブ
ラケット足場14は、予め外槽側板3の内面にブラケッ
ト足場14を固定するための足場取付用治具16を溶着
によって取り付ける必要があり、この足場取付用治具1
6は数が多いため、取付け取外しの作業が大変で、この
足場取付用治具16の溶着部除去跡の平滑仕上げをする
作業に多大な手間を要し、またこの溶着部除去跡にワレ
などの溶接欠陥が残存していないかどうかを検査するの
にも多大な手間を必要とした。また、内槽側板8の内側
に立設する枠組足場15は、高さが高く大がかりで複雑
なため、組立て解体撤去の作業が繁雑で手間がかかっ
た。なお、上記足場取付治具の治具跡を生じないように
取付ける方法として、溶着によらずに磁石を利用して取
付ける方法も考えられるが、低温二重殻タンクの内槽側
板の場合には、9パーセントニッケル鋼やステンレス鋼
などの低温液体用の金属材料を使用するため、これらの
材料に磁石は付きにくい上に、TIG溶接を施工する場
合には、溶接のアークに対して磁気による悪影響を与え
るため、磁石の利用は好ましくなかった。
【0008】また、図示を省略したが、内外槽間にゴン
ドラを設け、かつ内槽側板内側に枠組足場を設けて内槽
側板を施工する従来技術は、内槽側板内側の枠組足場の
組立て、解体撤去の作業が繁雑で手間がかかった。さら
にまた、図示を省略したが、内外槽間の上部屋根にレー
ルを設け、このレールに懸架したワイヤを内槽側板上部
開口を貫通させて内槽側板内側に垂らし、このワイヤの
先端部に吊り足場を設け、この吊り足場を利用して内槽
側板を施工する従来技術もあるが、この従来技術の施工
法は、上記内槽側板上部開口を閉塞する際には、依然と
してブラケット足場などを必要とするため、このブラケ
ット足場の設置と解体、治具跡の処理などの作業が繁雑
で手間を要した。
【0009】この発明は、上述のような従来技術が有す
る問題点に鑑みてなされたもので、足場取付用治具を用
いた足場や繁雑で大がかりな組枠した足場を使用するこ
となく、設置が簡単容易で使用し易いゴンドラを用い
て、作業能率良くかつ経済的に構築できる二重殻タンク
の内槽側板構築法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に係る二重殻タ
ンクの内槽側板構築法は、内槽の構築に先行して外槽屋
根を備えてなる外槽を構築し、その構築した外槽の中で
内槽を構築する外槽先行型工法の二重殻タンクの内槽側
板構築法であって、外槽屋根の外周縁内側下部に円周方
向に沿って外側レールを設け、この外側レールに内外槽
間に配設する外側ゴンドラを円周方向に走行自在で垂直
方向に上下動可能に吊り下げて設置し、かつ外槽屋根に
懸架した内槽屋根の外周縁内側下部に円周方向に沿って
内側レールを設け、この内側レールに内槽側板より内側
に位置する内側ゴンドラを円周方向に走行自在で垂直方
向に上下動可能に吊り下げて設置して、上記外側ゴンド
ラと上記内側ゴンドラを利用して内槽側板の組立てと溶
接と検査とを施工するものである。
【0011】また、上記二重殻タンクの内槽側板構築法
に使用する上記外側ゴンドラ及び上記内側ゴンドラに、
該外側ゴンドラ及び内側ゴンドラのそれぞれを内槽側板
に仮止め接続する吸着接続具をそれぞれ個別に設けたも
のである。
【0012】
【発明の実施の形態】この発明に係る二重殻タンクの内
槽側板構築法の一実施形態例を図1に基づいて説明す
る。この二重殻タンク1の構築法は、前述した外槽先行
型工法の構築法であって、内槽10の構築に先行して外
槽屋根4を備えてなる外槽5を構築し、その構築した外
槽5の中で内槽10を構築する。図1は、外側レール2
2、内側レール32、揚重機13、外側ゴンドラ18、
内側ゴンドラ19を利用して内槽側板8を組立てている
構築途上の工程を示している。図中の符号は、従来の図
6と同じものは同じ符号を付している。
【0013】先行して構築した外槽5の外槽屋根4の外
周縁内側下部に、円周方向に沿ってリング状の外側レー
ル22を設け、かつ外槽屋根4に懸架した内槽屋根9の
外周縁内側下部に、円周方向に沿ってリング状の内側レ
ール32を設け、上記外側レール22には内外槽10,
5間に配置する外側ゴンドラ18を垂直に吊り下げて設
置し、また上記内側レール32には内槽側板8より内側
に位置する内側ゴンドラ19を垂直に吊り下げて設置す
る。この内外のゴンドラ18,19は、各ゴンドラに取
付けたボタン操作等による制御器(図示せず)によっ
て、左右の円周方向に走行させるとともに上下の垂直方
向にも移動しながら、内槽側板8の内外両面側から側板
片8Pを組立てて、溶接作業、検査作業などを行うよう
に形成している。
【0014】内外のゴンドラ18,19を利用して内槽
側板8を構築する工程を、さらに詳細に説明する。外槽
側板3の下部に設けた外槽側板開口部17から、台車な
どを使用して内槽側板片8Pを内外槽間に搬入し、外側
レール22(図6に示し前述したレール12と併用して
もよい)に設置した走行型の揚重機13を使用して側板
片8Pを吊り揚げ、内外槽間を移動して内槽側板8の組
立施工箇所に搬送する。なお、この搬送の際に、上記外
側レール22に吊り下げて設けた外側ゴンドラ18を並
走させ、この側板片8Pが揺れないように補助し誘導し
て、さらに続いて組立ての際の位置決めにも利用するこ
とができる。この内槽側板8の組立施工箇所で、上記内
側ゴンドラ19に乗った作業者が、コ型治具や角矢など
の組立用治具を使用して、内槽側板8上端縁及び隣接す
る内槽側板8の側端縁に、上記側板片8Pの端縁を当て
がって肌合わせと仮組み固定を行う。この仮組固定の際
に必要な組立用治具は、内槽底板7上の低い位置から必
要数量を内側ゴンドラ19に搭載し高い位置まで運ん
で、その都度必要数量を使い切ってしまうため、従来の
足場を使用した時のように、足場上の高い場所に組立用
治具類を運び揚げて仮置きなどして、作業者の邪魔にな
ったりつまずいたりすることがなく、また治具類を高い
所から落下させる心配もないので安全である。
【0015】上記搬入から仮組固定に至る一連の作業を
円周方向に順次繰返して、円周リング状の内槽側板8を
組立てる。次に、上記外側ゴンドラ18を利用して、内
槽側板8の外側から縦方向の溶接及び円周方向の溶接を
行う。この外側の溶接が終わった後に、内側ゴンドラ1
9を利用して上記組立用治具を取外し、次いで内側ゴン
ドラ19を利用して内槽側板8の内側からの溶接を行
う。また、内外のゴンドラ18,19を利用して、内槽
側板8の内外両側から内外両側溶接部の検査を行う。
【0016】上述のように、揚重機13及び内外のゴン
ドラ18,19を並走し連繋させて、内外から内槽側板
8の構築の連繋作業ができるため作業能率が向上する。
例えばサブマージ溶接の初層溶接を内槽側板8の外側か
ら施工する際に、外側ゴンドラ18を利用して外側から
初層溶接を行い、その内側で内側ゴンドラ19を利用し
て裏当て作業を並行して行うとともに、裏側からのガウ
ジング作業を遅れて順次行うように各作業を連繋させ、
内外のゴンドラ18,19を移動させながら連続して常
に同じ高さ位置、同じ姿勢で作業することができるの
で、一定の良い条件で安定した作業ができるため、作業
性が良く、溶接部の品質が向上する。
【0017】この内外のゴンドラ18,19を使用する
ことによって、例えば高さ4メートル程度の縦溶接を行
う場合、従来の足場の場合には、高さ4メートルに相当
する足場2段分を昇降するための昇降設備が必要であっ
たのに対して、この内外のゴンドラ18,19を上下動
させながら昇降設備を上り降りすることなく高さ4メー
トルの範囲を連続して施工することができる。
【0018】この発明に係る二重殻タンクの内槽側板構
築法に使用する内外のゴンドラ18,19の実施形態例
を、図2乃至図4に基づいて説明する。
【0019】図2は、内外のゴンドラ18,19を内槽
側板に接続している状態を示し、図3は、図2の接続状
態を解除した状態を示す。垂直に吊り下げた内外のゴン
ドラ18,19の内槽側板8方向位置に、水平方向に張
出し仮止めする吸着接続具21を設ける。また、内外の
ゴンドラ18,19の両側端面から水平方向に張出し、
内槽側板8の表面に接触する振れ止め具23を設ける。
これらの吸着接続具21及び振れ止め具23は、図2に
示すように使用する時には内槽側板8の表面に当たるよ
うに張出し、図3に示すように使用しない時には水平方
向に回動させて収納できるように形成する。
【0020】上記吸着接続具21は、図4及び拡大して
示す図5のように、弾力性を有する合成ゴム等よりなる
吸着盤24と、この吸着盤24と気密に接続する筒体状
のシリンダ室25とから形成し、このシリンダ室25の
筒体内にピストンとピストンロッドを設け、このピスト
ンロッドの先端に操作用のレバー26を連結する。この
吸着接続具21を使用して仮止めする時には、上記レバ
ー26を操作することによって内部のピストンを移動さ
せ、吸着盤24と内槽側板8とで囲繞される閉塞空間の
内部を減圧して、吸着盤24を内槽側板8に強力に密着
させ、また、上記仮止めを解除するときには、レバー2
6を操作して吸着を解除する。この吸着接続具21は、
図のように内外のゴンドラ18,19内部の調整具29
に連結する。この調整具29は、内槽側板8の表面と吸
着接続具21の先端との間の間隔を調整するために、ス
クリュー27とハンドル28とによって伸縮自在構造に
形成する。このハンドル28を回してその先端部のスク
リュー27を回転させ、このスクリュー27に螺着連結
した吸着接続具21を水平方向に伸縮移動させる。ま
た、調整具29の下部は、回転構造の取付具30によっ
て架台に取付け、図3に示し前述したように水平方向に
回動させて内外のゴンドラ18,19内部へ収納する構
造に形成する。なお、吸着接続具21は上記構造に限定
されるものではなく、要は内外のゴンドラ18,19が
内槽側板8に吸着可能な構造であればよい。
【0021】上記のように、外側ゴンドラ18及び内側
ゴンドラ19に、内槽側板8に仮止め接続する吸着接続
具21をそれぞれ設けたので、ゴンドラの仮止め接続が
簡単容易にでき、かつゴンドラの接続解除も簡単容易に
できるため、ゴンドラに乗って作業をする際の作業能率
が向上する。つまり、内槽側板片8Pを肌合わせして仮
組みする際には、内側ゴンドラ19を仮止め接続し、作
業足場が固定され動かない状態で安定した作業ができ
る。次いで、内外から溶接及び検査をする際には、この
仮止め接続を簡単容易に短時間に解除して、内外のゴン
ドラ18,19を移動させながら連続作業をすることが
できるので、作業能率が向上し、かつ作業姿勢なども安
定するため、溶接部の品質向上も図られる。また、吸着
接続具21の接続跡の内槽側板8の表面には、治具跡を
生ずることがなく、低温用材料の溶接に悪影響を及ぼす
磁気も残存しないので、良好な表面状態を保持すること
ができる。
【0022】また、振れ止め具23は、図2乃至図4に
示すように、支軸を中心に回動するL字形状に形成し、
内槽側板8に接触する外面先端部には当接部材31を設
け、図2のように振れ止め具23を使用する時には内槽
側板8方向に回動させて、当接部材31を内槽側板8表
面に接触させ、図3及び図4のように振れ止め具23を
使用しない時には、内外のゴンドラ18,19の側面内
側に回動させて収納するように形成する。この振れ止め
具23の外面先端に設ける当接部材31は、弾力性を有
する合成ゴム材、合成樹脂材等を用いて、揺れや振動を
弾力的に吸収させて作業の安定性が得られるように形成
する。この振れ止め具23は、前記した吸着接続具21
と併用し仮止め固定時に使用する場合には、内外のゴン
ドラ18,19の揺れや振動が少なくなるため安定した
作業が可能となる。また、振れ止め具23を吸着接続具
21と別個に単独で使用する場合には、内槽側板8に接
触させ所定の間隔を保持し揺れが吸収されるため、溶接
や検査など移動しながらの円滑な作業が可能となる。な
お、図示は省略するが、振れ止め具23の先端部に上記
当接部材31に代わって回転自在のローラを設けると、
内槽側板に接触させながら長い距離を移動する場合に
は、内槽側板との摩擦抵抗がさらに少なくなるため、よ
り円滑な移動が可能となる。
【0023】
【発明の効果】叙述の説明で明らかなように、この発明
に係る二重殻タンクの内槽側板構築法は、内槽の構築に
先行して外槽屋根を備えてなる外槽を構築し、その構築
した外槽の中で内槽を構築する外槽先行型工法の二重殻
タンクの内槽側板構築法であって、外槽屋根の外周縁内
側下部に円周方向に沿って外側レールを設け、この外側
レールに内外槽間に配置する外側ゴンドラを円周方向に
走行自在で垂直方向に上下動可能に吊り下げて設置し、
かつ外槽屋根に懸架した内槽屋根の外周縁内側下部に円
周方向に沿って内側レールを設け、この内側レールに内
槽側板より内側に位置する内側ゴンドラを円周方向に走
行自在で垂直方向に上下動可能に吊り下げて設置して、
上記外側ゴンドラと上記内側ゴンドラを利用して内槽側
板の組立てと溶接と検査とを施工するので、内外のゴン
ドラを並走又は連繋させて、内外から連繋作業ができる
ため作業能率が向上する。例えば初層溶接時の裏当て作
業やガウジング作業などを順次連繋させ、内外のゴンド
ラを移動させながら連続して常に同じ高さ位置、同じ姿
勢で作業することができるので、一定の良い条件で安定
した作業ができるため、作業性が良く、溶接部の品質が
向上する。また、例えば高さ4メートル程度の縦溶接を
行う場合、従来の足場の場合には、足場2段分を昇降す
る設備が必要であったのに対して、内外のゴンドラを使
用することによって、この2段分の上下範囲をこのゴン
ドラを上下動させて一度に連続して施工することができ
る。
【0024】また、上述のように内槽側板を挟んで内外
のゴンドラを使用するので、内槽の側板片を吊りながら
肌合わせ、仮組み、仮固定する際に必要な組立用治具
は、内外槽間底部及び内槽底部から必要数量を搭載し一
斉に上昇して、内外から一箇所で所定の作業を終了する
ので、組立用治具はその都度必要数量を運んで使い切っ
てしまうため、従来の足場を使用していた時のように、
足場上の高い場所に治具類を運び揚げて仮置きして、作
業者の邪魔になったりつまずいたりすることがなく、ま
た治具類を高い所から落下させる心配もないので安全で
ある。
【0025】また、内槽側板構築後であっても、仕上げ
の再確認や屋根内面下部の点検などの際に、内外のゴン
ドラを使用して上下、斜め、周方向に移動して短時間に
作業ができる。つまり、従来の足場設置期間にとらわれ
ることなく、全工程を通じて屋根近傍及び側板の点検な
どの作業に使用することができる。
【0026】この発明の二重殻タンクの内槽側板構築法
は、上述のように内槽側板を挟んで内外のゴンドラを使
用するので、従来のように内外槽間に繁雑な足場取付治
具を必要とせず、また内槽側板内側に大掛かりな枠組足
場を必要とすることがないため、内外槽間及び内槽内部
に広い空間が確保されるとともに、作業に必要な足場は
この内外のゴンドラによって得られる。また、足場取付
治具の除去跡がなく、この除去跡の平滑処理や検査作業
が必要ないため、内槽側板の構築作業能率が良く、平滑
な側板表面を保持できる。この内槽側板を挟んで設けた
内外のゴンドラを利用して、作業能率良く、より経済的
な内槽側板を構築することができる。また、足場の組立
て、解体除去の作業がないため、工期の短縮が図られ、
一層経済性が向上する。
【0027】また、上記二重殻タンクの内槽側板構築法
に使用する上記外側ゴンドラ及び上記内側ゴンドラそれ
ぞれに、該外側ゴンドラ及び内側ゴンドラを内槽側板に
仮止め接続する吸着接続具をそれぞれ個別に設けたの
で、ゴンドラの仮止め接続が簡単容易にでき、かつゴン
ドラの接続解除も簡単容易にできるため、ゴンドラに乗
って作業をする際の作業能率が向上する。つまり、内槽
側板片を肌合わせして仮組みする際には、内槽側板を挟
んで設けた内外のゴンドラを仮止め接続し動かない状態
で安定作業ができ、次いで溶接及び検査をする際には、
この仮止め接続を簡単容易に解除して移動させながら連
続作業ができるので、作業能率が向上し、かつ溶接部の
品質向上も図られる。また、吸着接続具の接続跡には治
具跡を生ずることがなく、溶接に悪影響を及ぼす磁気も
残存しないので、良好な表面状態を保持することができ
る。
【0028】
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る二重殻タンクの内槽側板構築
法の一実施形態例を示した概要全体側断面説明図であ
る。
【図2】 この発明に係る二重殻タンクの内槽側板構築
法に使用する内外のゴンドラの一実施形態例で、内槽側
板に仮止め接続した状態を示す斜視説明図である。
【図3】 図2の仮止め接続状態を解除した状態を示す
斜視説明図である。
【図4】 内外のゴンドラを内槽側板に仮止め接続した
状態を示す一部を欠除した側面説明図である。
【図5】 内外のゴンドラに設ける吸着接続具を示す側
面説明図である。
【図6】 従来の二重殻タンクの内槽側板構築法を示し
た概要全体側断面説明図である。
【符号の説明】
1 二重殻タンク 2 外槽底板 3 外槽側板 4 外槽屋根 5 外槽 6 底部保冷層 7 内槽底板 8 内槽側板 8L 最下段側板 8T 最上段側板 8P 側板片 9 内槽屋根 9N ナックルプレ
ート 10 内槽 11 連結材 12 レール 13 揚重機 14 ブラケット足場 15 枠組足場 16 足場取付用治具 17 外槽側板開
口部 18 外側ゴンドラ 19 内側ゴンド
ラ 20 ワイヤ 21 吸着接続具 22 外側レール 23 振れ止め具 24 吸着盤 25 シリンダ室 26 レバー 27 スクリュー 28 ハンドル 29 調整具 30 取付具 31 当接部材 32 内側レール

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内槽の構築に先行して外槽屋根を備えて
    なる外槽を構築し、その構築した外槽の中で内槽を構築
    する外槽先行型工法の二重殻タンクの内槽側板構築法で
    あって、外槽屋根の外周縁内側下部に円周方向に沿って
    外側レールを設け、この外側レールに内外槽間に配設す
    る外側ゴンドラを円周方向に走行自在で垂直方向に上下
    動可能に吊り下げて設置し、かつ外槽屋根に懸架した内
    槽屋根の外周縁内側下部に円周方向に沿って内側レール
    を設け、この内側レールに内槽側板より内側に位置する
    内側ゴンドラを円周方向に走行自在で垂直方向に上下動
    可能に吊り下げて設置して、上記外側ゴンドラと上記内
    側ゴンドラを利用して内槽側板の組立てと溶接と検査と
    を施工することを特徴とする二重殻タンクの内槽側板構
    築法。
  2. 【請求項2】 上記外側ゴンドラ及び上記内側ゴンドラ
    に、該外側ゴンドラ及び内側ゴンドラのそれぞれを内槽
    側板に仮止め接続する吸着接続具をそれぞれ個別に設け
    ことを特徴とする請求項1記載の二重殻タンクの内槽側
    板構築法。
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