JP3576399B2 - ガスタービン用燃料制御弁の点検方法及び点検用装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【従来の技術】
図8はガスタービンプラントの一般的な側面図、図9はその平面図である。図8において30はガスタービンであり、支柱31で囲まれた建屋内に設置されている。32は天井クレーンであり、ガスタービンの部品、例えばロータ40等を懸吊し、運搬するための設備である。33は歩廊であり、ガスタービン30の周囲で2階床を構成している。34は1階の床である。更に、図9に示すようにガスタービン30の歩廊33には開口部、即ち搬入口35が開口しており、2階から1階床34へ天井クレーン32を用いて部品の搬入、搬出が出来るようになっている。更に、ガスタービン30の側部にはラック36が設けられており、後述するようにラック36は燃料系配管に設けられた燃料制御弁を囲み、1階床34から歩廊33に立設され、歩廊33に燃料制御弁を点検するための複数の開口を有している。なお、41はガスタービン30に直結されている発電機である。
【0002】
図10は上記に説明のガスタービンプラントの斜視図である。図示のようにガスタービン30の上方には天井クレーン32が走行しており、天井クレーン32を用いてガスタービン30の部品を1階床34から搬入口34を通って吊り上げ、搬入することができ、又、逆に分解、点検時にガスタービンの部品を搬入口34から1階床34へ吊り下げ、搬出することができる。ガスタービン30には隣接してラック36が設けられており、ラック36は1階床34に配設されている燃料系配管42に設けられている燃料系の弁(放出弁、圧力調節弁、流量調節弁、遮断弁等からなり、以下制御弁と呼ぶ)を囲んで立設され、歩廊33の床面に複数の開口を有している。
【0003】
上記のような構成のガスタービンプラントにおいて、制御弁43の点検、分解は燃料系に係るものであり、運転に支障がないように迅速、適切に点検、取替えを実施しなければならない。制御弁43を取外し、分解、点検を行う場合には、従来は制御弁43を燃料系配管42から取外し、これを台車に搭載して人手により台車を押して部品搬出入エリアまで運搬し、発電所外の弁メーカへトラックで運搬して搬入し、弁メーカの工場で分解、点検を行い、再びトラックで発電所に持込んで、上記と同様に台車で運搬し、燃料系配管42に取付けている。
【0004】
又、制御弁43の取外し、運搬の他の方法としては、図10に示すように、ガスタービンの構造部品を主に搬送するための天井クレーン32を用い、燃料系配管42から取外した制御弁43をラック36の開口から吊り上げて搬入口34まで運び、搬入口34から1階床34へ吊り下し、1階床34で待機している台車51に搭載する。この台車51を搬出入エリアまで人手により運んで、上記と同様に発電所外の弁メーカに運び、ここで分解、点検を行い、再び発電所内へ戻し、上記と逆の操作で天井クレーン32により吊り上げて燃料系配管42の上部よりラック36の開口内へ下し、取付けを行う方法がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように従来のガスタービン用燃料制御弁の点検方法は、制御弁一式を燃料系配管から取外し、これを直接台車に搭載するか、あるいは天井クレーンにより台車に搭載し、発電所内の搬出入エリアまで運搬してトラックに積替え、発電所外の弁メーカへ搬入して、ここで分解、点検を行い、再度発電所に持込んで上記と同様に台車で運搬し、燃料系配管の正規位置へ組込む手順で行っている。しかし、弁メーカへの搬出、弁メーカからの搬入は時間的な損失となり、又輸送上の振動等による機能低下、等の問題がある。そこで近年では発電所内に制御弁の分解、点検を行う検査場所を設け、燃料系配管から取外した制御弁を発電所外へ運搬せずに発電所内の点検場所に持ち込んで分解、点検するように改善がなされている。このような改善に加え、発電所内の検査場所までの運搬、検査場所での点検を効率良く行い、燃料系の制御弁の現場における点検作業をより一層容易に行い、安全に行うための改善が近年、特に要望が高まっている。
【0006】
そこで本発明は、ガスタービンプラントの現場において燃料系の制御弁の取外し、運搬、分解、点検、再組立、正規位置への運搬、組込みを容易に、しかも確実に実施でき、制御弁の保守、点検、取替え等を効率良く行うための点検方法及びその点検のための装置を提供することを課題としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は前述の課題を解決するために次の(1)〜(4)の方法、(5),(6)の点検用装置を提供する。
【0008】
(1)ガスタービンの燃料制御弁を燃料系配管より取外し、駆動部、ボンネット及びその他部品に分離し;前記駆動部を天井クレーンで吊るして持ち上げ、前記ボンネット及びその他部品を床面開口部備え付けの吊り具で持ち上げ、それぞれ手押台車に搭載して検査場所まで運搬し;同検査場所において、前記駆動部を前記手押台車から検査用架台に移し替えると共に同駆動部を同架台底面に固定具で固定し;前記ボンネット及びその他部品を前記手押台車より前記検査場の所定場所へ下し、前記駆動部は前記検査用架台上で、前記ボンネット及びその他部品は前記下した検査場所でそれぞれ分解、点検、修理及び再組立され、再組立終了後は前記ボンネット及びその他部品をそのまま手押台車へ搭載し、前記駆動部を前記架台底面の固定具から解放して手押台車に移し替え;前記ボンネット及びその他部品を前記手押台車により取付け位置近辺まで運搬して前記床面開口部備え付けの吊り具により正規取付位置へ吊り下げ、前記駆動部を前記手押台車により取付位置近辺まで運搬し、同位置から前記天井クレーンにより吊り下げ、正規取付位置に下して戻すことを特徴とするガスタービン用燃料制御弁の点検方法。
【0009】
(2)上記(1)の発明において、前記吊り具は移動可能な架台に備え付けられたホイストクレーンであり、同架台は複数の床面開口部で共用して用いられることを特徴とするガスタービン用燃料制御弁の点検方法。
【0010】
(3)上記(1)の発明において、前記吊り具によるボンネット及びその他部品の持ち上げ及び吊り下げは開口部備え付けのチェーンで行なわれることを特徴とするガスタービン用燃料制御弁の点検方法。
【0011】
(4)上記(1)の発明において、前記検査用架台への駆動部の台車から及び前記検査用架台から台車への移し替えは前記検査用架台備え付けの吊り具により行なわれることを特徴とするガスタービン用燃料制御弁の点検方法。
【0012】
(5)上部枠と底面板及び同上部枠と底面板との間を支持する複数の支柱で点検用架台を構成し、前記上部枠には同上部枠から突出するレール及び同レール上を横行すると共に上下動可能な吊り具を装備し、同吊り具は燃料制御弁の駆動部を前記検査用架台内へ取込み、架台外へ取り出しを可能とすると共に、前記底面板は前記駆動部をボルト結合可能とすることを特徴とするガスタービン用燃料制御弁の点検装置。
【0013】
(6)燃料制御弁取付部の床面開口部をまたぐと共に下端に移動可能な車輪を有する複数の脚と、同脚が取付けられた上部枠とからなり、同上部枠には同上部枠外へ突出するレール及び同レール上を横行すると共に上下動可能な吊り具を装備し、同吊り具で燃料制御弁のボンネット及びその他部品を吊り上げて前記床面開口部より外部へ取出し、内部へ取込み可能とすることを特徴とするガスタービン用燃料制御弁の点検装置。
【0014】
本発明の(1)の点検方法では、燃料制御弁は燃料系配管の取付部においてその主要部の駆動部とその基部であるボンネット及びケージ等のその他部品に分離される。駆動部は天井クレーンで吊り上げられ、手押台車に搭載され手押台車を人手で押して発電所内の検査場所まで運搬される。一方、ボンネット及びその他部品は床面開口部に備え付けの吊り具で吊り上げられ、台車に搭載される。吊り具の具体例としては、本発明の(2)の移動可能な架台に取付けられたホイストクレーンや、あるいは(3)の床面開口部備え付けのチェーンにより吊り上げられ、台車に乗せられ検査場所へ運搬される。
【0015】
検査場所においては、まず駆動部は台車から検査用架台に移し替えられる。この移し替えは、検査場に備えられた吊り具を使用するか、又は本発明の(4)の点検用装置の吊り具により架台内に収納される。駆動部は架台の底面へボルト等の固定具で固定され、架台上で分解、点検、修理、再組立がなされる。一方、ボンネット及びその他部品は台車より人手で検査場所の所定の場所に下され、その場所で分解、点検、修理、再組立がなされる。
【0016】
検査場所での再組立が終了すると駆動部は検査用架台の固定具、即ちボルトは外し、検査用架台から上記の収納とは逆の動作で台車に搭載される。又、ボンネット及びその他部品も台車に搭載され、これら台車は人手により燃料制御弁が取付けられている床開口部近辺まで運搬され、駆動部は天井クレーンにより吊り上げられ、床開口部内へ下され、取付部に戻され、更にボンネット及びその他部品は台車から開口部備え付けの前述のようにチェーンか又は本発明の(4)の点検用装置の吊り具により開口部内へ吊り下され、戻される。
【0017】
本発明の(5)の点検用装置は、駆動部を吊り下げることのできる吊り具を有しているので台車から検査用架台内への収納、架台内から台車への移し替えが架台専用の吊り具で可能となり、検査場所での専用設備か不要となる。又、更に駆動部は架台底面にボルトで固定されているので、検査用架台上で分解、点検、修理、再組立が安全、確実になされ、更にこれらの点検作業には備え付けの吊り具を使用し、分解した部品の移動が可能となり、点検作業が大幅に効率化される。
【0018】
本発明の(6)の点検用装置は制御弁取付部の床面開口部の所定位置に点検用装置を移動して所定の開口部をまたいで脚を立設させ、専用の吊り具でボンネット及びその他部品を吊り上げ、開口部より取出すことができるので、台車への積込みが容易になされ、又、点検終了時には移動し、他の場所に保管しておくことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて具体的に説明する。図1は本発明のガスタービン用燃料制御弁の点検方法の工程を示すフローチャートである。図1では制御弁を燃料系配管から外し、駆動部とボンネットとに分離し、これらをそれぞれ発電所内の点検場所まで運ぶ工程を示しており、その具体的な方法は図2〜図7で詳細に後述するが、図1においてまず弁を取外し、検査場所まで搬送する工程について図10を参照しながら説明する。
【0020】
図1において、まず工程(以下符号Pで示す)P1では燃料系配管42に装備されている制御弁43の駆動部をラック36の開口部に備え付けられているチェーン、ワイヤ等でラック36の開口部に吊るすように支持する。次にP2においてP1で吊り下げた状態で制御弁42に付属する付属品、ボルト、ナット等を取外し、更に、制御弁42を駆動部とボンネットに分離する。従って、この状態では駆動部はチェーン等でラック36の開口部に吊り下げて固定された状態となっている。
【0021】
P3において、天井クレーン32をラック36の開口まで移動させ、フック50を下げてラック36の開口からフック50を挿入し、駆動部を吊るし、持ち上げて天井クレーン32を走行させ、台車の待機する所定の場所まで運び、待機している台車51上に搭載する。
【0022】
次にP4では、天井クレーン32から吊り下げられ、台車51に搭載された駆動部は台車51により発電所内の検査場所まで運搬される。P5においては検査場所に運搬された駆動部は台車51から別のメインテナンス架台へ移され、架台上に固定される。メインテナンス架台の上部には専用のトロリークレーンが装備されており、台車51上の駆動部はこのトロリークレーン付属のフックに吊下げられ、トロリークレーンによってメインテナンス架台上に移動することができる。P6において、メインテナンス架台上に搭載された駆動部はその底面がボルトによりメインテナンス架台の設置面に固定される。
【0023】
次に、P7においてはメインテナンス架台上に固定された駆動部は架台付属のトロリークレーンを用いて架台上で分解され、修理、点検が行なわれる。分解された構成部品は同じようにトロリークレーンを用いて再び架台上で組立てられる。
【0024】
P2において駆動部とボンネットとに分離された一方のボンネットは、P8においてラック36開口に設けられたチェーンにより吊り上げられ、台車51に搭載され、P9においてボンネットを搭載した台車51は検査場所へ運ばれ、P10において検査場所で分解、修理、点検がなされ、修理、点検が終わると、再び組立てられる。
【0025】
上記のP8〜P10の代わりのボンネットの運搬の別の方法としてP8A,P9A,P10のような方法も行なわれる。即ち、P8Aにおいて、ラック36開口にキャスタ等が取付けられて移動可能な脚立式ホイストを設置し、ホイストでボンネットを吊り上げ、ラック36開口より取出し、脚立式ホイスト上部に設けられたトロリークレーンを用いて台車51に移す。次にP9Aにおいてボンネットを搭載した台車51を検査場所へ運び、P10において、同様に分解、修理、点検がなされ、点検終了後再組立が行なわれる。
【0026】
上記に説明のP1〜P10の各工程によりラック36から取出され、検査場所へ運搬され、検査場所において分解、修理、点検がなされ、再組立された駆動部及びボンネットは上記工程P1〜P10の逆の動作により再びラック36開口内に運ばれ、ラック36開口から吊り下げて燃料系配管42の正規の場所へ戻され、再び取付けられ、保守、点検が終了する。
【0027】
次に上記に説明した点検方法の詳細について図2〜図7により説明する。まず図2は駆動部の側面図であり、燃料系配管42には制御弁43が取付けられており、制御弁43は駆動部43aとその基部のボンネット43bから構成されている。駆動部43aはラック36の開口36a周囲に取付けられているチェーン36bによって両側に吊り下げられるように連結され支持されている。この状態は図1におけるP1に相当している。
【0028】
上記の図2に示す状態において、制御弁43に付属する配管やボルト、ナット類が取外され、更に駆動部43aとボンネット43bとが分離される。両者が分離された状態では駆動部43aはチェーン36bで開口36a周囲から吊り下げられ、支持されているので部品の取外しや、駆動部43aとボンネット43bとの分離が容易になされる。この状態は図1のP2に相当する。
【0029】
図3は駆動部のラックからの取出しを示す図であり、ボンネット43bから分離された駆動部43aは、天井クレーン32のフック50(図10参照)に吊り下げられ、チェーン36bからは取外される。天井クレーン32を操作して駆動部43aはラック36の開口36aより取出され、近くに準備され、待機している台車51上に搭載される。この状態は図1のP3,P4に相当する。
【0030】
図4は検査場所での台車からメインテナンス架台へ移す時の状態を示す図であり、台車51に搭載された駆動部43aは検査場所まで運搬される。検査場所にはメインテナンス架台1が設置されており、メインテナンス架台1は駆動部43aが縦に配置できる高さを有し、4本の支柱1aと上部枠2、架台底板3から構成され、上部枠2にはレール状のトロリークレーン4が突出して取付けられている。
【0031】
トロリークレーン4はレール4aとトロリー4b、フック4cからなり、トロリー4bはレール4a上を横行することができる。台車51で運ばれてきた駆動部43aはトロリークレーン4のフック4cで吊り上げられてメインテナンス架台1内に引込まれ、架台底板3上に縦に設置される。この状態が図1のP5に相当する。
【0032】
図5はメインテナンス架台1の詳細な図で、(a)はその斜視図、(b)は底面の側面図である。(a)において、駆動部43aは架台底板3上に配置され、上部枠2と架台底板3は4本の支柱1aで結合されている。駆動部43aの底部は(b)図に示すようにボルト・ナット6で架台底板3に固定されている。この状態が図1のP6に相当する。架台1の上部枠2にはレール4aが一方に突出して取付けられており、レール4aの溝内にトロリー4b及びこれに接続されたチェーン及びフック4cが移動可能に設けられ、トロリークレーン4を構成している。
【0033】
上記の構成のメインテナンス架台1内において、上部のトロリークレーン4を用いて架台底板3に固定された駆動部43aが分解され、適宜分解された部品をメインテナンス架台1の外部に取出し、点検、修理を行い、その後再度トロリークレーン4を用いて架台1内に引込み、組立を行う。この場合の分解作業は駆動部43aがメインテナンス架台1内に立設し、架台底板3に固定されているので分解、組立が容易となり、分解、点検、修理、組立が効率化される。この状態が図1のP7に相当する。
【0034】
図6は駆動部43aと分離されたボンネット43b及びケージ43cが燃料系配管42から取り外され、ラック36から取出される状態を示す図である。図においてボンネット43bはラック36の開口36aに備え付けのチェーン36bで吊り上げられ、又、同様にその内部部品であるケージ43cも順次吊り上げられ、近くに待機している台車51に置かれる。このボンネット43b及びケージ43cを搭載した台車51は検査場所へ運ばれる。この状態が図1のP8、P9に相当する。
【0035】
図7はボンネット43bをラック36内から取出す場合の別の方法を示す図である。図において、ラック36の開口36a周囲には、キャスタ7が底部に付いている脚立式ホイスト5を移動させて開口36aをはさんで配設させる。脚立式ホイスト5の上部にはレール8が取付けられており、図5に示すトロリークレーン4と同様にホイスト9が横行可能に設けられている。
【0036】
上記の脚立式ホイスト5によりボンネット43bやケージ43cは開口36aより吊り上げられ、ホイスト7が横移動し、これら43b,43cは近くに待機している台車51上に搭載され、台車51を検査場所へ運搬して点検が行なわれる。この状態が図1に示すP8A、P9Aに相当する。このような脚立式ホイスト5を用いるとボンネット43bやケージ43cのような制御弁の小物部品を台車51に搭載する場合には、ラック36に備え付けのチェーンのみを用いる場合よりも容易となるものである。
【0037】
以上、図1〜図7により具体的に説明したように、本実施の形態によれば、ガスタービンの燃料系配管42の制御弁43を取外し、検査場所へ運搬し、分解、点検、修理を行い、修理完了後に再び組立てて燃料系配管42の適正個所に組込む検査方法において、天井クレーン32、台車51、メインテナンス架台1を用いて駆動部43aを検査場所へ運搬して検査を実施し、又、台車51あるいは脚立式ホイスト5と台車51とを組合せて用い、ボンネット43bやケージ43cを検査場所へ運搬して検査を行い、検査後のこれら駆動部43aとボンネット43b、ケージ43cとを上記とは逆の工程で燃料系配管42の適正位置へ運搬し、取付けるようにしたので、燃料制御弁43の点検が迅速、確実に行なわれ、検査の効率化がなされるものである。
【0038】
【発明の効果】
本発明の(1)ガスタービン用燃料制御弁の点検方法は、ガスタービンの燃料制御弁を燃料系配管より取外し、駆動部、ボンネット及びその他部品に分離し;前記駆動部を天井クレーンで吊るして持ち上げ、前記ボンネット及びその他部品を床面開口部備え付けの吊り具で持ち上げ、それぞれ手押台車に搭載して検査場所まで運搬し;同検査場所において、前記駆動部を前記手押台車から検査用架台に移し替えると共に同駆動部を同架台底面に固定具で固定し;前記ボンネット及びその他部品を前記手押台車より前記検査場の所定場所へ下し、前記駆動部は前記検査用架台上で、前記ボンネット及びその他部品は前記下した検査場所でそれぞれ分解、点検、修理及び再組立され、再組立終了後は前記ボンネット及びその他部品をそのまま手押台車へ搭載し、前記駆動部を前記架台底面の固定具から解放して手押台車に移し替え;前記ボンネット及びその他部品を前記手押台車により取付け位置近辺まで運搬して前記床面開口部備え付けの吊り具により正規取付位置へ吊り下げ、前記駆動部を前記手押台車により取付位置近辺まで運搬し、同位置から前記天井クレーンにより吊り下げ、正規取付位置に下して戻すことを特徴としている。このような点検方法により、燃料制御弁の検査場所への運搬、検査場所での分解、点検、修理及び再組立が迅速、確実になされ、点検作業が著しく効率化される。
【0039】
本発明の(2)は、上記(1)の発明において、前記吊り具は移動可能な架台に備え付けられたホイストクレーンであり、同架台は複数の床面開口部で共用して用いられ、又(3)は前記吊り具によるボンネット及びその他部品の持ち上げ及び吊り下げは開口部備え付けのチェーンで行なわれ、又(4)は前記検査用架台への駆動部の台車から及び前記検査用架台から台車への移し替えは前記検査用架台備え付けの吊り具により行なわれることを特徴としている。これらの吊り具によりボンネット及びその他部品の床面開口からの出し、入れが容易となり、又検査用架台への駆動部の取込みや取り出しが容易となり、上記(1)の効果が一層確実に得られるものである。
【0040】
本発明の(5)の点検装置は、上部枠と底面板及び同上部枠と底面板との間を支持する複数の支柱で点検用架台を構成し、前記上部枠には同上部枠から突出するレール及び同レール上を横行すると共に上下動可能な吊り具を装備し、同吊り具は燃料制御弁の駆動部を前記検査用架台内へ取込み、架台外へ取り出しを可能とすると共に、前記底面板は前記駆動部をボルト結合可能とすることを特徴としている。このような点検装置により、駆動部の台車から検査用架台内への収納、架台内から台車への移し替えが架台専用の吊り具で可能となり、検査場所での専用設備が不要となる。又、更に駆動部は架台底面にボルトで固定されているので、検査用架台上で分解、点検、修理、再組立が安全、確実になされ、更にこれらの点検作業には備え付けの吊り具を使用し、分解した部品の移動が可能となり、燃料制御弁の点検作業が大幅に効率化される。
【0041】
本発明の(6)の点検装置は、燃料制御弁取付部の床面開口部をまたぐと共に下端に移動可能な車輪を有する複数の脚と、同脚が取付けられた上部枠とからなり、同上部枠には同上部枠外へ突出するレール及び同レール上を横行すると共に上下動可能な吊り具を装備し、同吊り具で燃料制御弁のボンネット及びその他部品を吊り上げて前記床面開口部より外部へ取出し、内部へ取込み可能とすることを特徴としている。このような点検装置により制御弁取付部の床面開口部の所定位置に点検用装置を移動して所定の開口部をまたいで脚を立設させ、専用の吊り具でボンネット及びその他部品を吊り上げ、開口部より取出すことができるので、台車への積込みが容易になされ、又、点検終了時には移動し、他の場所に保管しておくことができる。従って、制御弁部品の点検のための取出し、取込み、運搬が大幅に合理化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係るガスタービン用燃料制御弁の点検方法のフローチャートである。
【図2】本発明の実施の一形態に係る制御弁駆動部を取出す場合の側面図である。
【図3】本発明の実施の一形態に係る制御弁駆動部を台車に搭載する場合の説明図である。
【図4】本発明の実施の一形態に係る制御弁駆動部を台車からメインテナンス架台へ移す場合の側面図である。
【図5】本発明の実施の一形態に係るメインテナンス架台を示し、(a)は全体の斜視図、(b)は架台底面の側面図である。
【図6】本発明の実施の一形態に係る制御弁ボンネットを台車に搭載する場合の説明図である。
【図7】本発明の実施の一形態に係る制御弁ボンネットを台車に搭載する場合の他の例を示す説明図である。
【図8】ガスタービンの配置を示す一般的な側面図である。
【図9】ガスタービンの配置を示す一般的な平面図である。
【図10】ガスタービンの配置を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 メインテナンス架台
1a 支柱
2 上部枠
3 架台底板
4 トロリークレーン
5 脚立式ホイスト
6 ボルト・ナット
7 キャスタ
8 レール
9 ホイスト
36 ラック
36a 開口
36b チェーン
42 燃料系配管
43a 制御弁
43b ボンネット
43c ケージ
51 台車
Claims (6)
- ガスタービンの燃料制御弁を燃料系配管より取外し、駆動部、ボンネット及びその他部品に分離し;前記駆動部を天井クレーンで吊るして持ち上げ、前記ボンネット及びその他部品を床面開口部備え付けの吊り具で持ち上げ、それぞれ手押台車に搭載して検査場所まで運搬し;同検査場所において、前記駆動部を前記手押台車から検査用架台に移し替えると共に同駆動部を同架台底面に固定具で固定し;前記ボンネット及びその他部品を前記手押台車より前記検査場の所定場所へ下し、前記駆動部は前記検査用架台上で、前記ボンネット及びその他部品は前記下した検査場所でそれぞれ分解、点検、修理及び再組立され、再組立終了後は前記ボンネット及びその他部品をそのまま手押台車へ搭載し、前記駆動部を前記架台底面の固定具から解放して手押台車に移し替え;前記ボンネット及びその他部品を前記手押台車により取付け位置近辺まで運搬して前記床面開口部備え付けの吊り具により正規取付位置へ吊り下げ、前記駆動部を前記手押台車により取付位置近辺まで運搬し、同位置から前記天井クレーンにより吊り下げ、正規取付位置に下して戻すことを特徴とするガスタービン用燃料制御弁の点検方法。
- 前記吊り具は移動可能な架台に備え付けられたホイストクレーンであり、同架台は複数の床面開口部で共用して用いられることを特徴とする請求項1記載のガスタービン用燃料制御弁の点検方法。
- 前記吊り具によるボンネット及びその他部品の持ち上げ及び吊り下げは開口部備え付けのチェーンで行なわれることを特徴とする請求項1記載のガスタービン用燃料制御弁の点検方法。
- 前記検査用架台への駆動部の台車から及び前記検査用架台から台車への移し替えは前記検査用架台備え付けの吊り具により行なわれることを特徴とする請求項1記載のガスタービン用燃料制御弁の点検方法。
- 上部枠と底面板及び同上部枠と底面板との間を支持する複数の支柱で点検用架台を構成し、前記上部枠には同上部枠から突出するレール及び同レール上を横行すると共に上下動可能な吊り具を装備し、同吊り具は燃料制御弁の駆動部を前記検査用架台内へ取込み、架台外へ取り出しを可能とすると共に、前記底面板は前記駆動部をボルト結合可能とすることを特徴とするガスタービン用燃料制御弁の点検装置。
- 燃料制御弁取付部の床面開口部をまたぐと共に下端に移動可能な車輪を有する複数の脚と、同脚が取付けられた上部枠とからなり、同上部枠には同上部枠外へ突出するレール及び同レール上を横行すると共に上下動可能な吊り具を装備し、同吊り具で燃料制御弁のボンネット及びその他部品を吊り上げて前記床面開口部より外部へ取出し、内部へ取込み可能とすることを特徴とするガスタービン用燃料制御弁の点検装置。
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