JP5197519B2 - 既設タンクのドーム屋根改修方法、および既設タンクのドーム屋根改修構造 - Google Patents

既設タンクのドーム屋根改修方法、および既設タンクのドーム屋根改修構造 Download PDF

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この発明は、タンク内に水が貯留されたままの状態で、そのタンクのドーム屋根を改修する、既設タンクのドーム屋根改修方法、および、そのドーム屋根が改修された、既設タンクのドーム屋根改修構造に関するものである。
従来、水が貯留されるタンクでは、空気中の炭酸ガス(上水用のタンクでは、加えて上水に含まれる塩素イオン)等によって、タンクのコンクリート製ドーム屋根の劣化が進んだ際に、周辺に代替施設がある場合には、タンク内の水を空にした上で、既設のドーム屋根を解体し、新たにドーム屋根を再構築するのが一般的であった。
また、代替施設がない場合には、タンクを利用しながら既設のドーム屋根を修理するか、または、既設のドーム屋根を解体して新設のドーム屋根に取り替える、ウォーターラッピング工法と呼ばれる不断水ドーム屋根改修工法があった(例えば、特許文献1参照)。この工法は、タンク内において、貯留された水の上方に、密閉シートを架設し、さらにその密閉シートの上方に、ドーム屋根からの落下物を受け止める仮設張力構造体を架設し、その後に、既設のドーム屋根を修理したり、また、既設のドーム屋根を解体して新設のドーム屋根に取り替えたりして、ドーム屋根を改修するものであった。
特開2001−171788号公報
ところで、前記従来の不断水ドーム屋根改修工法にあっては、ドーム屋根を新設する場合には、既設のドーム屋根を解体する必要があった。このため、解体に伴うコンクリート片の落下防止のための仮設張力構造体の設置が必要であって、その設置、および既設ドーム屋根の解体のために、長期の日数を必要とし、この工期増しに伴ってコスト増しが発生し好ましくなかった。
この発明は、上記した従来の欠点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、工期の短縮を図ってコストを抑えることができる、既設タンクのドーム屋根改修方法、および既設タンクのドーム屋根改修構造を提供することにある。
この発明に係る既設タンクのドーム屋根改修方法、および既設タンクのドーム屋根改修構造は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係る既設タンクのドーム屋根改修方法は、コンクリート製ドーム屋根を備える既設タンク内に水が貯留された状態で、そのタンクの既設の前記コンクリート製ドーム屋根の上方に、そのコンクリート製ドーム屋根を残したまま、アルミ製ドーム屋根を設置する。そして、前記コンクリート製ドーム屋根と前記タンク内の水面との間を遮断すべく、前記タンク内に遮断膜を搬入し、かつ、その遮断膜を、伸展して前記コンクリート製ドーム屋根の下方に配設する。
この改修方法は、既設のコンクリート製ドーム屋根を残したまま、その上方にアルミ製ドーム屋根を設置するものであり、これにより、既設のコンクリート製ドーム屋根を解体する手間が省け、改修のための工期が短縮される。また、ここで、コンクリート製ドーム屋根の下方には、遮断膜が配設され、この遮断膜により、コンクリート製ドーム屋とタンク内の水面との間が遮断される。このため、コンクリート製ドーム屋根が、例えば空気中の炭酸ガスにより劣化して、そのコンクリート製ドーム屋根を形成するコンクリートの一部が剥落したとしても、その剥落片を遮断膜で受け止めることができる。また、タンク内の水が、塩素イオン等のコンクリートを劣化させる物質を含む場合には、遮断膜により、コンクリート製ドーム屋根の下面への、水からの前記劣化させる物質の供給が断たれる。したがって、既設のコンクリート製ドーム屋根の下面の劣化の進行を抑えたり遅らせたりすることができる。
また、請求項2に記載の発明に係る既設タンクのドーム屋根改修方法は、請求項1に記載の改修方法において、前記遮断膜を配設するにあたって、前記コンクリート製ドーム屋根に設けた通孔を通じて、支持材を前記アルミ製ドーム屋根と前記遮断膜との間に渡すことで、その支持材で前記遮断膜を吊り下げる。こうして、遮断膜の自重を、支持材を介して新設するアルミ製ドーム屋根で負担させることで、既設のコンクリート製ドーム屋根への負荷を排除あるいは低減することができる。
また、請求項3に記載の発明に係る既設タンクのドーム屋根改修方法は、請求項1または2に記載の改修方法において、前記遮断膜を配設するにあたって、前記コンクリート製ドーム屋根の中央に設けた開口部を通じて、前記遮断膜の中央部分を、前記アルミ製ドーム屋根に取り付ける。こうして、遮断膜の中央側の自重を、新設するアルミ製ドーム屋根で負担させることで、既設のコンクリート製ドーム屋根への負荷を排除あるいは低減することができる。
また、請求項4に記載の発明に係る既設タンクのドーム屋根改修方法は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の改修方法において、前記遮断膜を配設するにあたって、前記遮断膜の周端部分を、前記タンクの側壁に固定する。こうして、遮断膜の周端側の自重を、タンクの側壁で負担させることで、既設のコンクリート製ドーム屋根への負荷を排除あるいは低減することができる。
また、請求項5に記載の発明に係る既設タンクのドーム屋根改修方法は、請求項4に記載の改修方法において、複数のロープを、それぞれ、前記遮断膜の周端部分に間隔をあけて全周に渡って設けた各取付部に取り付けるとともに、前記タンクの側壁に前記取付部に対応して設けた各通孔を通じて前記タンクの外に導いた状態で、それら複数のロープを、前記タンクの外から引っ張ることで、前記遮断膜を伸展する。
また、請求項6に記載の発明に係る既設タンクのドーム屋根改修方法は、請求項3に記載の改修方法において、前記アルミ製ドーム屋根の中央に設けた開口部および前記コンクリート製ドーム屋根の中央に設けた前記開口部から、前記遮断膜を前記タンク内に搬入する。
また、請求項7に記載の発明に係る既設タンクのドーム屋根改修方法は、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の改修方法において、前記アルミ製ドーム屋根と前記コンクリート製ドーム屋根との間に、そのコンクリート製ドーム屋根を点検するための空間部をあけるようにして、前記アルミ製ドーム屋根を設置する。
また、請求項8に記載の発明に係る既設タンクのドーム屋根改修構造は、コンクリート製ドーム屋根を備える既設タンクにおいて、そのタンクの既設の前記コンクリート製ドーム屋根の上方に、そのコンクリート製ドーム屋根を残したまま、アルミ製ドーム屋根が設置される。そして、前記コンクリート製ドーム屋根と前記タンク内の水面との間を遮断すべく、遮断膜が伸展されて前記コンクリート製ドーム屋根の下方に配設される。
この改修構造は、既設のコンクリート製ドーム屋根を残したまま、その上方にアルミ製ドーム屋根を設置するものであり、これにより、既設のコンクリート製ドーム屋根を解体する手間が省け、改修のための工期が短縮される。また、ここで、コンクリート製ドーム屋根の下方には、遮断膜が配設され、この遮断膜により、コンクリート製ドーム屋とタンク内の水面との間が遮断される。このため、コンクリート製ドーム屋根が、例えば空気中の炭酸ガスにより劣化して、そのコンクリート製ドーム屋根を形成するコンクリートの一部が剥落したとしても、その剥落片を遮断膜で受け止めることができる。また、タンク内の水が、塩素イオン等のコンクリートを劣化させる物質を含む場合には、遮断膜により、コンクリート製ドーム屋根の下面への、水からの前記劣化させる物質の供給が断たれる。したがって、既設のコンクリート製ドーム屋根の下面の劣化の進行を抑えたり遅らせたりすることができる。
また、請求項9に記載の発明に係る既設タンクのドーム屋根改修構造は、請求項8に記載の改修構造において、前記コンクリート製ドーム屋根に設けた通孔を通じて、支持材が前記アルミ製ドーム屋根と前記遮断膜との間に渡されて、その支持材で前記遮断膜が吊り下げられる。こうして、遮断膜の自重を、支持材を介してアルミ製ドーム屋根で負担させることで、既設のコンクリート製ドーム屋根への負荷を排除あるいは低減することができる。
この発明に係る既設タンクのドーム屋根改修方法、および既設タンクのドーム屋根改修構造によれば、既設のコンクリート製ドーム屋根を残したまま、その上方にアルミ製ドーム屋根を設置するとともに、遮断膜によって、既設のコンクリート製ドーム屋根の剥落片を受け止めることで、そのコンクリート製ドーム屋根を解体する必要がなく、その解体の手間を省くことができる。これによって、改修のための工期が短縮されてコストを抑えることができる。
この発明の一実施の形態の、工事着手前の既設タンクを示す模式図である。 同じく、第1工程後を示す模式図である。 同じく、第2工程後を示す模式図である。 同じく、第3工程後を示す模式図である。 同じく、第4工程後を示す模式図である。 同じく、第5工程後を示す模式図である。 同じく、第6工程途中を示す模式図である。 同じく、第7工程後であって、改修されたタンクを示す模式図である。 同じく、人孔部分の要部拡大図である。 同じく、人孔部分の遮断膜を示す模式図である。
以下、この発明に係る既設タンクのドーム屋根改修方法、および既設タンクのドーム屋根改修構造を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図10は、本発明の一実施の形態を示す。図中符号1は、既設タンク(特に、上水用のタンク)であって、ドーム屋根2としてのコンクリート製ドーム屋根21を備える。3は、既設タンク1のドーム屋根改修構造である。
既設タンク1のドーム屋根改修方法は、始めに、コンクリート製ドーム屋根21を備える既設タンク1内に、例えば上水などの水4が貯留された状態で、そのタンク1の既設のコンクリート製ドーム屋根21の上方に、そのコンクリート製ドーム屋根21を残したまま、アルミニウム合金製の部材などを用いたアルミ製ドーム屋根22を設置する。その後、コンクリート製ドーム屋根21とタンク1内の水面4aとの間を遮断すべく、タンク1内に遮断膜5を搬入し、かつ、その遮断膜5を、伸展してコンクリート製ドーム屋根21の下方に(詳しくは、コンクリート製ドーム屋根21の下面に沿うよう)配設する。この際、遮断膜5は、後ほど詳述するように、アルミ製ドーム屋根22に吊り下げ支持される。
ここで、遮断膜5をタンク1内に搬入するには、アルミ製ドーム屋根22の中央(天頂部)に設けた開口部22aおよびコンクリート製ドーム屋根21の中央(天頂部)に設けた開口部21aから搬入する。そして、遮断膜5の伸展は、複数のロープ6、6を、それぞれ、遮断膜5の周端部分5aに間隔をあけて全周に渡って設けた各取付部5bに取り付けるとともに、タンク1の側壁1aに前記取付部5b、5bに対応して設けた各通孔1b、1bを通じてタンク1の外に導いた状態で、それら複数のロープ6、6を、タンク1の外側から引っ張ることで行う。
また、遮断膜5を配設するにあたって、コンクリート製ドーム屋根21に設けた通孔21b、21bを通じて、支持材7、7をアルミ製ドーム屋根22と遮断膜5との間に渡すことで、その支持材7、7で遮断膜5を吊り下げたり、コンクリート製ドーム屋根21の中央に設けた開口部21aを通じて、遮断膜5の中央部分5cを、アルミ製ドーム屋根22に取り付けたり、遮断膜5の周端部分5aを、タンク1の側壁1aに固定したりする。
そこで、ドーム屋根改修構造3は、前記既設タンク1において、そのタンク1の既設のコンクリート製ドーム屋根21の上方に、そのコンクリート製ドーム屋根21を残したまま、アルミ製ドーム屋根22が設置される。そして、コンクリート製ドーム屋根21とタンク1内の水面4aとの間を遮断すべく、遮断膜5が伸展されてコンクリート製ドーム屋根21の下方に(詳しくは、コンクリート製ドーム屋根21の下面に沿うよう)配設される。
なお、新設されるアルミ製ドーム屋根22は、例えば、アルミからなる型材がドームの面に沿う多数の三角形を形成するように組まれた、骨組み構造を有し、その骨組み構造に対し、アルミの板材が張り付けられて形成される。そして、遮断膜5となる膜材は、例えば、ポリエステル繊維等の繊維材に、塩化ビニル樹脂等の合成樹脂材をコーティングして得られるが、膜材の素材は、これに限定されるわけではない。
次に、既設タンク1のドーム屋根改修方法を、具体的に工程を追って順に説明する。図1は、改修前の既設タンク1を示す。この既設タンク1は、円筒形状をしており、その底版1c、側壁1aおよびドーム屋根21は、コンクリート製であり、特に側壁1aは、プレストレストコンクリートからなる。そして、コンクリート製ドーム屋根21の中央には、通気孔21cが設けられている。
第1工程は、図2に示すように、既設タンク1内に水4が貯留された状態で、そのタンク1の既設のコンクリート製ドーム屋根21の上方に、そのコンクリート製ドーム屋根21を残したまま、アルミ製ドーム屋根22を設置する。詳細には、アルミ製ドーム屋根22とコンクリート製ドーム屋根21との間に、そのコンクリート製ドーム屋根21を点検するための空間部2a(つまり、点検するために作業者が入り込める空間部)をあけるようにして、アルミ製ドーム屋根22を設置する。
第2工程は、図3に示すように、既設のコンクリート製ドーム屋根21の通気孔21cから、傘状の防護設備8を閉じた状態で下し、タンク1内で、その傘状の防護設備8を開く。
第3工程は、図4に示すように、既設のコンクリート製ドーム屋根21の通気孔21c部分を拡開して、開口部21aを形成する。このとき、切り取ったコンクリート片を、防護設備8で受け止め、外部に搬出する。そして、タンク1の側壁1aに通孔1b、1bをあける。この通孔1bは、側壁1aにおける、コンクリート製ドーム屋根21の基端部の下方であってその基端部に近接した位置にあけられる。同図に示されるように、作業の都合に合わせて、水面4aの高さ位置を調節する。
第4工程は、図5に示すように、新設されたアルミ製ドーム屋根22の中央部材(天頂部材)を撤去して開口部22aを形成する。そして、遮断膜5を伸展するための複数のロープ6、6を配置する。すなわち、複数のロープ6、6を、コンクリート製ドーム屋根21の開口部21aから、タンク1の側壁1aに設けた各通孔1b、1bを通じて、タンク1の外まで配置する。ここで、アルミ製ドーム屋根22の中央部材(天頂部材)の撤去と、ロープ6、6の配置との順序は特に問わない。
第5工程は、図6に示すように、クレーン9で遮断膜5の中央を吊るようにして、遮断膜5の周端側を、アルミ製ドーム屋根22の中央の開口部22aから内部に進入させ、コンクリート製ドーム屋根21の中央の開口部21aを通じて、遮断膜5の周端部分5aの各取付部5b、5bに、ロープ6、6を、それぞれ取り付ける。
第6工程は、図6および図7に示すように、前記複数のロープ6、6を、側壁1aの各通孔1b、1bを通じてタンク1外に導いた状態で、それら複数のロープ6、6を、タンク1の外から例えばウインチ10により引っ張る。これにより、遮断膜5は、アルミ製ドーム屋根22の中央の開口部22aおよびコンクリート製ドーム21の中央の開口部21aから、タンク1内に搬入され、また、これと同時に、遮断膜5が伸展される。そして、遮断膜5の周端部分5aを、側壁1aに固定するとともに、アルミ製ドーム屋根22の中央部材(天頂部材)を戻して開口部22aを塞ぎ、コンクリート製ドーム屋根21の中央に設けた開口部21aを通じて、遮断膜5の中央部分5cを、アルミ製ドーム屋根22(詳しくは、アルミ製ドーム屋根22の骨組みの接合部)に取り付ける。さらに、コンクリート製ドーム屋根21に設けた複数の通孔21b、21bを通じて、複数の例えばワイヤーからなる支持材7、7をアルミ製ドーム屋根22と遮断膜5との間に渡す。なお、図中符号22bは、アルミ製ドーム屋根22の中央部材(天頂部材)に設けた通気孔であって、この通気孔22bを介して、タンク1内は、外部に通ずることとなる。
第7工程は、図8に示すように、支持材7、7の長さを調節することで、遮断膜5をコンクリート製ドーム屋根21の下面に沿うよう、詳しくは、垂れて遊びを有しつつ前記下面に沿うよう配設する。
このようにして、既設タンク1のドーム屋根2が改修されて、ドーム屋根改修構造3が形成される。ここで、タンク1内での作業は、滅菌処理したゴムボートに、滅菌処理したダイバースーツを着用した作業者を配置して行うのが好ましい。
ところで、図1〜図8においては、細部は、省略されているが、実際には、図9に示すように、既設のコンクリート製ドーム屋根21には、タンク1内を点検するための人孔21dが設けられている。この人孔21d部分では、図9および図10に示すように、遮断膜5に、膜材(例えば、遮断膜5と同じ材料の膜材)を筒状に加工した人孔用シャフト5dが、上下に開口するようにして接着等により取り付けられる。なお、図中符号21eは、人孔21dを開閉する蓋である。11は、遮断膜5の周端部分5aを側壁1aに固定するアンカーであり、12は、人孔用シャフト5dの上端部分を人孔21dに固定するアンカーである。また、図示を省略するが、新設するアルミ製ドーム屋根22においても、適宜位置に点検のための人孔が設けられる。
次に、以上の構成からなるドーム屋根改修方法、およびドーム屋根改修構造3の作用効果について説明する。この改修方法および改修構造3は、既設のコンクリート製ドーム屋根21を残したまま、その上方にアルミ製ドーム屋根22を設置するものであり、これにより、既設のコンクリート製ドーム屋根21を解体する手間が省け、改修のための工期が短縮される。また、ここで、コンクリート製ドーム屋根21の下方には、遮断膜5が配設され、この遮断膜5により、コンクリート製ドーム屋21とタンク1内の水面4aとの間が遮断される。このため、コンクリート製ドーム屋根21が、例えば空気中の炭酸ガスにより劣化して、そのコンクリート製ドーム屋根21を形成するコンクリートの一部が剥落したとしても、その剥落片を遮断膜5で受け止めることができる。すなわち、アルミ製ドーム屋根22を設置するとともに、遮断膜5によって、既設のコンクリート製ドーム屋根21の剥落片を受け止めることで、そのコンクリート製ドーム屋根21を解体する必要がなく、その解体の手間を省くことができる。これによって、改修のための工期が短縮されてコストを抑えることができる。
また、タンク1内の水4が、例えばその水4が上水である場合のような、塩素イオン等のコンクリートを劣化させる物質を含む場合には、遮断膜5により、コンクリート製ドーム屋根21の下面への、水4からの前記劣化させる物質の供給が断たれる。したがって、既設のコンクリート製ドーム屋根21の下面の劣化の進行を抑えたり遅らせたりすることができる。
また、遮断膜5の自重を、支持材7、7を介して新設するアルミ製ドーム屋根22で負担させたり、コンクリート製ドーム屋根21の中央の開口部21aを通じて、遮断膜5の中央部分5cを、アルミ製ドーム屋根22に取り付けて、遮断膜5の中央側の自重を、新設するアルミ製ドーム屋根22で負担させたり、遮断膜5の周端部分5aを、タンク1の側壁1aに固定して、遮断膜5の周端側の自重を、側壁1aで負担させたりすることで、既設のコンクリート製ドーム屋根21への負荷を排除あるいは低減することができる。
また、遮断膜5は、コンクリート製ドーム屋根21の下面に沿うよう配置されている。このため、剥落片の落下による衝撃がそれほど高くなく、この遮断膜5で剥落片を容易に受け止めることができる。
また、アルミ製ドーム屋根22とコンクリート製ドーム屋根21との間に、そのコンクリート製ドーム屋根21を点検するための空間部2aがあけられ、これにより、この空間部2aに作業者が入ることで、コンクリート製ドーム屋根21を容易に点検することができる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、タンク1は、上水を貯留するタンクでなくとも、灌漑用水を貯留するタンク、すなわちファームポンドとか、工業用水を貯留するタンクとか、その他のタンクであってもよい。
また、支持材7は、ワイヤーでなくとも、線材、棒材、ロープ等、その他の部材からなっていてもよく、また、複数の部材が組み合わされて形成されてもよい。そして、この支持材7をアルミ製ドーム屋根22や遮断膜5に取り付けるにあたっては、支持材7が取り付けられる取付具を、予めアルミ製ドーム屋根22や遮断膜5に取り付けておくのが好ましい。また、支持材7の各端部にフックを設けて、そのフックを前記取付具に掛けるようにしてもよい。また、この支持材7は、長さ調節機能を備えていてもよく、例えば、ターンバックル等の長さ調節装置を備えるものであってもよい。
また、遮断膜5は、コンクリート製ドーム屋根21の下面に沿うよう配設されなくとも、コンクリート製ドーム屋根21とタンク1内の水面4aとの間を遮断できれば、コンクリート製ドーム屋根21の下方のどの位置に配設されても構わない。
また、遮断膜5は、アルミ製ドーム屋根22に吊り下げ支持されなくとも、タンク1の他の部位に支持されてもよい。
1 既設タンク(タンク)
1a 側壁
1b 通孔
2a 空間部
21 コンクリート製ドーム屋根
21a 開口部
21b 通孔
22 アルミ製ドーム屋根
22a 開口部
3 ドーム屋根改修構造
4 水
4a 水面
5 遮断膜
5a 周端部分
5b 取付部
5c 中央部分
6 ロープ
7 支持材

Claims (9)

  1. コンクリート製ドーム屋根を備える既設タンク内に水が貯留された状態で、そのタンクの既設の前記コンクリート製ドーム屋根の上方に、そのコンクリート製ドーム屋根を残したまま、アルミ製ドーム屋根を設置し、
    前記コンクリート製ドーム屋根と前記タンク内の水面との間を遮断すべく、前記タンク内に遮断膜を搬入し、かつ、その遮断膜を、伸展して前記コンクリート製ドーム屋根の下方に配設する、既設タンクのドーム屋根改修方法。
  2. 前記遮断膜を配設するにあたって、前記コンクリート製ドーム屋根に設けた通孔を通じて、支持材を前記アルミ製ドーム屋根と前記遮断膜との間に渡すことで、その支持材で前記遮断膜を吊り下げる、請求項1に記載の既設タンクのドーム屋根改修方法。
  3. 前記遮断膜を配設するにあたって、前記コンクリート製ドーム屋根の中央に設けた開口部を通じて、前記遮断膜の中央部分を、前記アルミ製ドーム屋根に取り付ける、請求項1または2に記載の既設タンクのドーム屋根改修方法。
  4. 前記遮断膜を配設するにあたって、前記遮断膜の周端部分を、前記タンクの側壁に固定する、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の既設タンクのドーム屋根改修方法。
  5. 複数のロープを、それぞれ、前記遮断膜の周端部分に間隔をあけて全周に渡って設けた各取付部に取り付けるとともに、前記タンクの側壁に前記取付部に対応して設けた各通孔を通じて前記タンクの外に導いた状態で、それら複数のロープを、前記タンクの外から引っ張ることで、前記遮断膜を伸展する、請求項4に記載の既設タンクのドーム屋根改修方法。
  6. 前記アルミ製ドーム屋根の中央に設けた開口部および前記コンクリート製ドーム屋根の中央に設けた前記開口部から、前記遮断膜を前記タンク内に搬入する、請求項3に記載の既設タンクのドーム屋根改修方法。
  7. 前記アルミ製ドーム屋根と前記コンクリート製ドーム屋根との間に、そのコンクリート製ドーム屋根を点検するための空間部をあけるようにして、前記アルミ製ドーム屋根を設置する、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の既設タンクのドーム屋根改修方法。
  8. コンクリート製ドーム屋根を備える既設タンクにおいて、そのタンクの既設の前記コンクリート製ドーム屋根の上方に、そのコンクリート製ドーム屋根を残したまま、アルミ製ドーム屋根が設置され、
    前記コンクリート製ドーム屋根と前記タンク内の水面との間を遮断すべく、遮断膜が伸展されて前記コンクリート製ドーム屋根の下方に配設されてなる、既設タンクのドーム屋根改修構造。
  9. 前記コンクリート製ドーム屋根に設けた通孔を通じて、支持材が前記アルミ製ドーム屋根と前記遮断膜との間に渡されて、その支持材で前記遮断膜が吊り下げられる、請求項8に記載の既設タンクのドーム屋根改修構造。
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