JP2004143675A - 土留め用ライナプレートの支持装置及びそれを用いた土留め方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】廃棄コンクリート等の産業廃棄物を全く排出させないとともに、設置及び撤去等の作業性を向上させ得る土留め用ライナプレートの支持装置及びそれを用いた土留め方法を提供する。
【解決手段】地面の穴掘削の際に複数の土留め用ライナプレート10を上層側から下層側に向けて順次連結しながら穴掘削を行なうにあたり、掘削開始時の浅い掘削穴Hに最上層のライナプレート10aを装着させ、穴Hの周囲の地盤を利用してその下層側に連結されるライナプレートを垂下状に支持しつつ該ライナプレート10に脱着可能に固定されることを特徴とする土留め用ライナプレートの支持装置12から構成される。所要作業後にライナプレート支持装置12を回収して再利用することができ、産業廃棄物の排出をなくすことができる。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、鉄塔や高層建築物等の基礎を施工する際等に用いられるライナプレートの支持装置及びそれを用いた土留め方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の立坑の施工時の土留め方法として、ライナープレートを用いたものがある。この従来の土留め方法では、施工坑径に応じた深さ約0.5mの穴を掘削し、複数のライナープレートを連結して、筒状のライナープレート組立体を形成する。そして、ライナープレート組立体と周りの地山との間に土を埋め戻したり、モルタルグラウトにより裏込め材の充填を行ない、裏込め材の充填が完了したら、2段目の複数のライナープレートを根継できるように約0.5m掘下げ、ライナープレートを組み立てて筒状ライナープレートを形成し、このライナープレート組立体と上段のライナープレート組立体とを連結するものであった。そして、以下同様の工程を繰り返しながら、所定深さまで掘削していくものであった。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一方、図10に示すように、上記の従来の土留め方法では、下段に連結されるライナープレートを吊支状に支持するために、穴口側のライナープレートの外周側に固定用コンクリートを打設していた。固定用コンクリートは、施工性や安全性を確保するために、連結されたライナープレートの自重等に十分耐え得る支持強度を有する必要がある。従って、例えば、掘削する穴が、直径2〜6m程度の円形で、深さ10m程度の場合には、固定用コンクリートは、例えば、縦方向の厚さが30cm以上、横方向の張り出し幅が50cm以上の大きさで穴口側のライナープレートの外面側にドーナツ状に設けられる必要があった。
【特許文献1】特開平5−295979号公報(段落番号[0013]〜[0014]、図5ないし図7)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の土留め方法では、所要の作業後にライナープレートを取り外して穴を埋め戻す際には、固定用コンクリートを埋め殺ししていたが、近時の環境問題の要請による法規制から固定用コンクリートは産業廃棄物とされ、このため、この固定用コンクリートを撤去しなければならならなくなった。しかしながら、固定用コンクリートの体積及び重量が非常に大きいことから、自然分解しにくいコンクリート廃棄物が大量に排出されるので、撤去したコンクリートを廃棄するには専門業者に委託せざるを得ず、廃棄コストが非常に高くなるものであった。さらに、廃棄されるコンクリートの増大に伴って、廃棄場所の不足や廃棄場周辺の環境の悪化、不法投棄等の様々な問題が生じていた。また、固定用コンクリートを撤去する際には、コンクリートの破砕や、掘り起こし、運搬等の作業に大きな労力がかかっていた。一方で、固定用コンクリートを打設する作業も重労働であるとともに、打設したコンクリートが固まるまで養生期間をおく必要があり施工に長い期間を要するものであった。
【0005】
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その1つの目的は、廃棄コンクリート等の産業廃棄物を全く排出させないとともに、設置及び撤去等の作業性を向上させ得る土留め用ライナプレートの支持装置及びそれを用いた土留め方法を提供することにある。さらに、他の目的は、ライナプレートを十分な強度で確実に支持することにより、施工性及び安全性を確保できる土留め用ライナプレートの支持装置及びそれを用いた土留め方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、地面の穴掘削の際に複数の土留め用ライナプレート10を上層側から下層側に向けて順次連結しながら穴掘削を行なうにあたり、掘削開始時の浅い掘削穴Hに最上層のライナプレート10aを装着させ、穴Hの周囲の地盤を利用してその下層側に連結されるライナプレート10を垂下状に支持しつつ該ライナプレート10に脱着可能に固定されることを特徴とする土留め用ライナプレートの支持装置12から構成される。支持装置12は脱着可能であるので所要作業後にライナプレート10から離脱回収して再利用することができる。
【0007】
また、支持装置12は、最上層のライナプレート10aに連結され少なくともライナプレート10が配置される縦方向と交差するように屈曲して地面側に伸びる支持板22を含むこととしてもよい。支持板22は、三角形、四角形、五角形、その他多角形や、半円状、円弧状、穴周囲を囲むようなドーナツ型等、その他任意形状で形成される。
【0008】
また、支持装置12は、支持板22と最上層のライナプレート10aとの屈曲連結状態を補強する補強手段を有することとしてもよい。なお、補強手段は、支持板22のライナプレートを支持する強度が十分である場合には設けなくてもよく、また、補強リブ部材28と地上側立体補強構造体30とのいずれか一方だけを設けることとしても良い。
【0009】
また、補強手段は、最上層のライナプレート10aの面に沿って縦方向に配置され上部が支持板22と最上層ライナプレート10aとともに結合される状態で連結される補強リブ部材28を含むこととしてもよい。
【0010】
また、補強手段は、最上層のライナプレート10aに縦方向直状に延長しかつ支持板22にL字状に配置された地上側ライナプレート40と、地上側ライナプレート40と支持板22間に介在して両方に連結されこれら地上側ライナプレート40と支持板22とを一体的に固定させる固定部材42と、を含む地上側立体補強構造体30を備えたこととしても良い。
【0011】
また、地面側に伸びて配置された支持板22の端部側を地面に対して固定させる打ち込み固定手段46が設けられたこととしてもよい。打ち込み固定手段46は、1本または複数本の杭体から構成すると好適である。
【0012】
また、支持装置12は、ライナプレート10の周囲に間欠状に複数個配置された支持ユニット20からなることとしてもよい。
【0013】
さらに、地面の穴掘削の際に複数の土留め用ライナプレート10を上層側から下層側に向けて順次連結しながら穴掘削を行なうにあたり、掘削開始時の浅い掘削穴に最上層のライナプレート10aを装着させ、下層側のライナプレート10を垂下支持させるように穴の周囲の地盤を利用してライナプレートの支持装置12を最上層のライナプレート10aに脱着可能に取り付け、掘削終了し所要の作業を終えて穴を埋め戻す際に、支持装置12を最上層のライナプレートから離脱回収させることを特徴とする土留め方法から構成される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の土留め用ライナプレートの支持装置の実施形態について説明する。本発明の土留め用ライナプレートの支持装置(以下「ライナプレート支持装置」という)は、例えば、立坑の施工や、送電線用鉄塔や高層建築等の構築物の基礎工等において、地面の穴掘削時の土留め用仮設材として用いられるライナプレートの地上側における吊支状支持装置であり、支持すべきライナプレートに脱着可能に連結されて所要作業終了後に穴を埋め戻す際には該装置を回収して、再利用可能な点が主な特徴点である。
【0015】
図1ないし図9は、本発明のライナプレートの支持装置の一実施形態を示している。この実施形態において、ライナプレートの支持装置12は、図1に示すように、穴掘削の際に上層側から下層側に連結される土留め用のライナプレートの最上層のライナプレートに脱着可能に固定されて該ライナプレートを垂下状に支持する。厳密には掘進が進むにしたがって下層側に連設したライナプレートは土圧により沈降方向に対する支持力が働くので下層側に連設したすべてのライナプレートの全荷重を吊支するのではなく、吊支状に支持するものである。
【0016】
図1は、掘削穴H内に複数段に縦にライナプレート10を直列状に装着し、地上側にさらに1個の地上側ライナプレート40を設置した状態を示している。ライナプレート10は、図1、図9に示すように、地面に掘削した穴に装着され、穴掘削の進行に伴って、複数の層状に上層側から下層側に順次連結していくことにより掘削穴の土留めを行なう土留め手段であり、本実施形態では、複数のプレート片11を左右に連結して短円筒状に組み付けて1個のライナプレート10が構成される。ライナプレートどうしは10a、10b、10c...のように上下方向に層を成すように連結されて掘削穴Hの近傍まで連設したライナプレート全体枠を形成している。
【0017】
プレート片11は、図7、図8に示すように、薄い鋼板を波付け加工して縦方向に凹凸が交互に繰り返されるように形成された横長略矩形状の基板14と、基板14の四辺に設けられ複数のボルト用孔16が穿孔されたフランジ18と、を有している。プレート片11は、長手方向に沿って円弧状に湾曲して設けられており、複数個のプレート片11を円周方向に連結していくことにより設定された径の大型の帯板筒状の1つのライナプレートが形成される。そして、円筒のライナプレートの下層側に他のライナプレートがボルト・ナット連結されることにより縦方向に直状に連結されて、図9に示すような大型の円筒状のライナプレート全体枠が構築される。なお、ライナプレート10を縦方向に連結する際には、ライナプレートの土圧に対する強度を維持するために縦方向のフランジが各ライナプレートの層ごとに互い違いになるように連結される。これらの土留め用のライナプレートの最上層側、すなわち、掘削穴の開口側に、ライナプレート支持装置12が配置されている。
【0018】
ライナプレート支持装置12は、最上層のライナプレートに脱着可能に固定されて、穴Hの開口側の周囲の地盤を利用して下層側に連結されるライナプレートを垂下状に支持するライナプレートの支持手段である。この実施形態において、ライナプレート支持装置12は、図1、図2に示すように、最上層のライナプレート10aの円周に間欠状に等間隔で配置された5個の垂下支持ユニット20からなり、これらのユニットがそれぞれ最上層のライナプレート10aに脱着可能に固定されている。ライナプレートの支持装置は、この実施形態のように、最上層のライナプレートの周囲に分散して配置させる構成のみに限らず、例えばライナプレートの周囲に連続するドーナツ状に形成してもよい。本実施形態においては、一つの支持ユニット20をライナプレート支持装置として、以下説明する。
【0019】
図3の実施形態において、ライナプレート支持装置(各々の支持ユニット)12は、支持板22と、支持板22を補強する補強手段と、を有している。支持板22は、最上層のライナプレート10aに着脱可能に連結され、ライナプレートから外側に張り出し状に屈曲して地面側に伸びて掘削穴の周囲の地面に係止されることにより下層側に連結されるライナプレートを垂下状に支持する。この実施形態において、支持板22は、掘削穴Hの縁部地面上に載置され、一端側を最上層のライナプレート10aの上部フランジ18上面に配置させるとともに、他端側は掘削穴Hの縁部地面上に穴Hから外側に向かうように載置されている。図4、図5にも示すように、支持板22は、例えば、平面視横長矩形状に形成された鉄板等の金属平板からなり、4個の連結孔24が穿孔されている。これらの4個の連結孔24のうち、内側の2個は円孔に形成されているが、外側の2個は長孔として形成されており、これによって、支持板22は、曲率の異なる種々のライナプレートと連結できるようにしている。なお、連結孔の個数は任意でよく、全ての連結孔を長孔にすることとしても良い。支持板22は、その下面に最上層のライナプレート10aの上辺側フランジの一部を密着させて、連結孔24と、該ライナプレート10aのフランジのボルト用孔と、を位置合わせした状態でボルト・ナット連結されて着脱可能に固定される。
【0020】
図3、図4において、補強手段は、支持板22と最上層のライナプレート10aとの屈曲連結状態を補強することによりライナプレート支持装置12のライナプレート全体枠の支持強度を向上させる補強手段である。この実施形態において、補強手段は、補強リブ部材28と、地上側立体補強構造体30と、を有している。
【0021】
補強リブ部材28は、最上層ライナプレート10aとともに支持板22に連結されることにより、支持板22と最上層ライナプレート10aとの連結部分にかかる荷重を分散し、ライナプレート支持装置12のライナプレート全体枠を支持する強度を向上させる。補強リブ部材28は、支持板22の1つの連結孔24の真下位置に支持板22に対して下向きに直角に屈曲されて、最上層ライナプレート10aの内面に縦方向に沿うように穴内側からあてがい状に配置されて、その上端を支持板22と地上側ライナプレート10aとともに結合させた状態で一体的に連結されている。補強リブ部材28は、例えば、鉄板等の金属板から形成されて、ライナプレートの縦方向幅と略同じ長さで設けられており、ライナプレートの内側の波状の凹凸面に合わせて嵌合状に当接する波状板部32と、波状板部32に固定される直状板部34と、からなる。補強リブ部材28は、支持板22の真下位置に一体的に固定され、かつ最上層ライナプレート10aに内面に密着する波状板部32を設けたことにより、最上層ライナプレートの内側への曲げモーメントに対する押し返し状の抵抗力を大きくし、支持板22との連結部分の支持強度を向上させる。波状板部32の上下端部は、それぞれ内側に向けて直角状に屈曲されて上、下端面を形成しており、この上下端面には、それぞれボルト貫通用の連結孔が穿孔されている。直状板部34は、波状板部32に対向状に配置されて波状板部32の上下端面と溶接等により固定されて、波状板部32を補強している。補強リブ部材28は、その波状板部32を最上層ライナプレート10aの内面に当接した状態で、その上端面と支持板22とで最上層ライナプレート10aの上辺側フランジを挟み込んだ状態でボルト・ナット連結される。一方、補強リブ部材28の下端側は最上層のライナプレート10aとその真下に連結される下層のライナプレート10bとを連結するボルトによって固定される。なお、この実施形態では、各々の支持板22に1個の補強部材を連結しているが、各々の支持板22に複数個の補強リブ部材を連結することとしても良い。
【0022】
地上側立体補強構造体30は、支持板22の地上側に立体的に設けられることによって支持板22と最上層ライナプレート10aとの連結部分にかかる荷重を構造体を構成する各部材に分散し、支持板22のライナプレート全体枠を支持する強度を向上させる。地上側立体補強構造体30は、ライナプレート全体枠の最上層ライナプレート10aからさらに上側に連結される地上側ライナプレート40と、地上側ライナプレート40と支持板22とを一体的に固定する固定部材42と、を有している。図3、図6に示すように、地上側ライナプレート40は、土留め用に用いられるライナプレート10と同一構成で設けられており、地上側で上記したようなプレート片11を円筒状に連結して形成され、その下辺側のフランジと、最上層ライナプレート10aの上辺側のフランジと、で支持板22を挟み込みながらライナプレート全体枠を地上に延長させるように直状に連結される。地上側ライナプレート40は、支持板22に対して直角L字状に配置されることとなり、支持板22が配置されている場所では、最上層のライナプレート10aと支持板22とを連結しているボルト26で支持板22とともに最上層のライナプレート10aと連結される。また、地上側ライナプレート40は、掘削穴内に人や工具等が落下するのを防止し、地上及び穴内の作業者の安全を確保する。
【0023】
固定部材42は、図3、図4に示すように、例えば、直角三角形状に形成されており、支持板22と地上側ライナプレートとの間に介在してその両方を一体的に固定している。固定部材42は、略直角三角形状のフレーム体からなり、支持板22と地上側ライナプレート40との間にそれぞれに直交状に配置されて直角L字辺を当接させた状態で、それぞれと連結されている。固定部材42は、図6にも示すように、支持板22の左右に対して補強リブ部材28の配置位置と同じ位置に配置されており、穴側から見た際に補強リブ部材28と直線状になる位置で立設されている。固定部材42は、例えば、3個のアングル材を直角三角形に組付けたものから形成されており、支持板22に当接して固定される横辺と、地上側ライナプレートに当接状に配置される縦辺と、支持板22と地上側ライナプレートの間に渡架状に配置される斜辺と、を有している。固定部材42の縦辺は、ライナプレートの縦方向長さと同じ長さで設けられており、縦辺の上端側にライナプレート側に向けて水平に突出している連結片44が設けられている。固定部材42は、支持板22と地上側ライナプレート40との間に立てて配置されて、その横辺と支持板22とをボルト・ナット連結し、縦辺の連結片44と地上側ライナプレート40の上辺側フランジとをボルト・ナット連結して、支持板22と地上側ライナプレート40との両方と固定される。これにより、固定部材42と、支持板22と、地上側ライナプレート40と、が側面視で三角形状に組付け固定され、荷重に対して高い強度の立体構造体を形成される。なお、固定部材42と支持板22との固定手段は、ボルト・ナット連結に限らず例えば溶接等により固定してもよい。また、固定部材42の配置位置は、補強リブ部材28と直線状になる位置に限らず、支持板22上に補強リブ部材28と互い違いになる位置に配置されることとしても良い。この実施形態では、各々の支持板22に1個の固定部材42を連結したが、それに限らず、各々の支持板22に2個、3個、またはそれ以上の複数個の固定部材42を連結させることとしても良い。
【0024】
一方、図3、図4に示すように、支持板22の地面側に伸びて配置された延長端部には、打ち込み固定手段46が設けられている。打ち込み固定手段46は、支持板22の端部側を打ち込み固定することによって、支持板22の地面に対する固定状態を維持し、支持板22の位置ずれや、端部の浮き上がり等を防止して、支持板22に支持される土留め用のライナプレート全体枠を所定位置で安定させる。図5にも示すように、打ち込み固定手段46は、2本の鋼製の頭付杭体からなり、支持板22の2個の隅部付近に穿孔された孔を介して支持板22を垂直に貫通しながら地中に打ち込まれて固定する。
【0025】
次に、ライナプレート支持装置の作用を土留め方法とともに説明する。地面に施工規模に応じた径の円形の穴を、配置する最上層のライナプレート分の深さだけ掘削し、該掘削穴に複数個のプレート片11を連結して形成した最上層のライナプレート10aを装着する。図2に示すように、この最上層のライナプレートの周囲の地面に、複数個(図2においては5個)の支持板22を等間隔に離隔した位置に水平に地面上に配置し、打ち込み固定手段46である杭体を支持板22を貫通させながら地中に打ち込み固定する。図3に示すように、それぞれの支持板22の下側に補強リブ部材28を該ライナプレートの内面側(穴側)に互いの凹凸を嵌合状に合わせながら配置し、補強リブ部材28の上端部を最上層のライナプレートとともに支持板22とボルト・ナット連結する。この際、地上側ライナプレート40を最上層のライナプレート10aの上層に支持板22を挟み込んだ状態で直状に連結する。固定部材42を支持板22の上面側に連結し(予め支持板に固定しておいても良い)、地上側ライナプレート40の上辺側のフランジと固定部材42の上端とをボルト・ナット連結し、地上側ライナプレート40と支持板22とを一体的に固定して、地上側立体補強構造体30を形成する。これらの補強リブ部材28及び地上側立体補強構造体30の補強手段により、支持板22のライナプレート全体枠を支持する支持強度を向上させて、以後の掘削穴内での作業性及び安全性を確保できる。このようにして、支持板22及び補強手段を含む支持装置12でライナプレートを支持した状態で、次の下層のライナプレート分の深さだけ穴を掘削し、下層のライナプレート10bを組み立てて上層のライナプレートと連結する。同様に、穴掘削、ライナプレートの連結、の作業を繰り返してライナプレート全体枠を形成しつつ所要の深さまで土留めを行いながら穴を掘削する。穴掘削後には、例えば、フーチングや柱等の構築物の基礎工等が行われる。それらの作業を終えると、最下層のライナプレートを取り外し、その分だけ穴を埋め戻し、以後同様に、下層側から上層側に向けて1層ごとにライナプレートの取り外し、穴の埋め戻し、の作業を繰り返しながら穴を埋め戻していく。そして、上記と逆の手順で最上層のライナプレートからライナプレート支持装置を離脱させて回収する。これにより、回収したライナプレート支持装置は他の現場で再利用することができるので経済性が良好であるとともに、産業廃棄物を排出することがなく環境保全を図ることができる。
【0026】
本発明の土留め用ライナプレートの支持装置及びそれを用いた土留め方法は、上記した実施形態に限定されるものでなく特許請求の範囲に記載した発明の本質を逸脱しない範囲において、任意の改変を加えても良い。例えば、掘削穴は円形に限らず、小判型等に掘削されても良く、掘削穴の形状に合わせて、円弧状や直状等のライナプレートを組み合わせて連結して土留めされる。この場合でも、上記実施形態同様に、上記したような支持板や補強手段等を含む支持装置によりライナプレートを支持する。また、支持ユニットは、上記実施形態では5個としたが、2、3、4個、又は6個以上の複数個配置されることとしても良い。また、地上側ライナプレートは、1層に限らず、2層以上の複数層になるように延長しても良い。
【0027】
【発明の効果】
上記したように、本発明の土留め用ライナプレートの支持装置によれば、地面の穴掘削の際に複数の土留め用ライナプレートを上層側から下層側に向けて順次連結しながら穴掘削を行なうにあたり、掘削開始時の浅い掘削穴に最上層のライナプレートを装着させ、穴の周囲の地盤を利用してその下層側に連結されるライナプレートを垂下状に支持しつつ該ライナプレートに脱着可能に固定される構成としたことから、所要作業後に支持装置を回収して再利用できるので経済性が良好であるとともに廃棄コンクリート等の産業廃棄物を一切排出することがなく環境保全を図ることができる。また、支持装置の設置及び撤去等の作業性が向上し、作業者の労力を軽減できる。
【0028】
また、支持装置は、最上層のライナプレートに連結され少なくともライナプレートが配置される縦方向と交差するように屈曲して地面側に伸びる支持板を含む構成とすることにより、簡単な構造で連設したライナプレートを吊支状に支持することができるとともに支持装置の装着及び離脱を簡単に行うことができ、作業者の労力を軽減し得る。
【0029】
また、支持装置は、支持板と最上層のライナプレートとの屈曲連結状態を補強する補強手段を有する構成とすることにより、連設されるライナプレートを吊支状に支持するのに十分の強度を確保でき、穴掘削または構築物の基礎工等の施工性が良好であるとともに作業者の安全性を確保できる。
【0030】
また、補強手段は、最上層のライナプレートの面に沿って縦方向に配置され上部が支持板と最上層ライナプレートとともに結合される状態で連結される補強リブ部材を含む構成とすることにより、比較的小さな構成で支持板と最上層ライナプレートとの屈曲連結状態の補強を実現できるともに連設したライナプレートを十分な強度で確実に支持して掘削穴内での作業性及び作業者の安全性を確保できる。
【0031】
また、補強手段は、最上層のライナプレートに縦方向直状に延長しかつ支持板にL字状に配置された地上側ライナプレートと、地上側ライナプレートと支持板間に介在して両方に連結されこれら地上側ライナプレートと支持板とを一体的に固定させる固定部材と、を含む地上側立体補強構造体を備えた構成とすることにより、立体的な構造に組付けて支持板とライナプレートとの連結部にかかる荷重を各部材に分散させることにより、支持装置の支持強度を向上させて、掘削穴内での施工性及び作業者の安全性を確保できる。また、支持装置の支持強度を維持しつつ支持装置自体を軽量に構成することができるので、装置の搬送性や施工性が良好である。また、地上側ライナプレートによって、掘削穴内に地上から人、部品、工具、石、またはその他の物が落下するのを防止でき、地上及び掘削穴内の作業者の安全を確保できる。
【0032】
また、地面側に伸びて配置された支持板の端部側を地面に対して固定させる打ち込み固定手段が設けられた構成とすることにより、支持板と地面との固定状態を維持することで、支持されたライナプレート全体の安定状態を維持し、掘削穴内での作業性及び作業者の安全性を確保できる。
【0033】
また、支持装置は、ライナプレートの周囲に間欠状に複数個配置された支持ユニットからなる構成とすることにより、連設したライナプレートを支持する強度を低下させることなく、1ユニットを比較的小さくまとまった構成として製造することができ、これによって、運搬性、設置及び撤去の作業性等を向上させることができる。
【0034】
さらに、本発明の土留め方法によれば、地面の穴掘削の際に複数の土留め用ライナプレートを上層側から下層側に向けて順次連結しながら穴掘削を行なうにあたり、掘削開始時の浅い掘削穴に最上層のライナプレートを装着させ、下層側のライナプレートを垂下支持させるように穴の周囲の地盤を利用してライナプレートの支持装置を最上層のライナプレートに脱着可能に取り付け、掘削終了し所要の作業を終えて穴を埋め戻す際に、支持装置を最上層のライナプレートから離脱回収させる構成としたことから、支持装置を別の現場でも再利用することができるので経済性が良好であるとともに、コンクリート等の産業廃棄物を排出させることがなく環境の保全を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のライナプレート支持装置の実施形態を示す所要断面説明図である。
【図2】図1の支持装置の平面説明図である。
【図3】図1の一部拡大説明図である。
【図4】支持装置の斜視説明図である。
【図5】図4の支持ユニットの平面説明図である。
【図6】図4の支持ユニットの穴側から見た説明図である
【図7】プレート片の斜視説明図である。
【図8】図7のプレート片の縦断面説明図である。
【図9】図7のプレートを組立てライナプレート全体枠を形成した状態を示す図である。
【図10】従来の土留め方法の断面説明図である。
【符号の説明】
10 ライナプレート
12 ライナプレート支持装置
20 支持ユニット
22 支持板
28 補強リブ部材
30 地上側立体補強構造体
40 地上側ライナプレート
42 固定部材
46 打ち込み固定手段

Claims (8)

  1. 地面の穴掘削の際に複数の土留め用ライナプレートを上層側から下層側に向けて順次連結しながら穴掘削を行なうにあたり、掘削開始時の浅い掘削穴に最上層のライナプレートを装着させ、
    穴の周囲の地盤を利用してその下層側に連結されるライナプレートを垂下状に支持しつつ該ライナプレートに脱着可能に固定されることを特徴とする土留め用ライナプレートの支持装置。
  2. 支持装置は、最上層のライナプレートに連結され少なくともライナプレートが配置される縦方向と交差するように屈曲して地面側に伸びる支持板を含む請求項1記載の土留め用ライナプレートの支持装置。
  3. 支持装置は、支持板と最上層のライナプレートとの屈曲連結状態を補強する補強手段を有することを特徴とする請求項2記載の土留め用ライナプレートの支持装置。
  4. 補強手段は、最上層のライナプレートの面に沿って縦方向に配置され上部が支持板と最上層ライナプレートとともに結合される状態で連結される補強リブ部材を含む請求項3記載の土留め用ライナプレートの支持装置。
  5. 補強手段は、最上層のライナプレートに縦方向直状に延長しかつ支持板にL字状に配置された地上側ライナプレートと、地上側ライナプレートと支持板間に介在して両方に連結されこれら地上側ライナプレートと支持板とを一体的に固定させる固定部材と、を含む地上側立体補強構造体を備えた請求項3または4記載の土留め用ライナプレートの支持装置。
  6. 地面側に伸びて配置された支持板の端部側を地面に対して固定させる打ち込み固定手段が設けられた請求項2ないし5のいずれかに記載の土留め用ライナプレートの支持装置。
  7. 支持装置は、ライナプレートの周囲に間欠状に複数個配置された支持ユニットからなる請求項1ないし6のいずれかに記載の土留め用ライナプレートの支持装置。
  8. 地面の穴掘削の際に複数の土留め用ライナプレートを上層側から下層側に向けて順次連結しながら穴掘削を行なうにあたり、
    掘削開始時の浅い掘削穴に最上層のライナプレートを装着させ、
    下層側のライナプレートを垂下支持させるように穴の周囲の地盤を利用してライナプレートの支持装置を最上層のライナプレートに脱着可能に取り付け、
    掘削終了し所要の作業を終えて穴を埋め戻す際に、支持装置を最上層のライナプレートから離脱回収させることを特徴とする土留め方法。
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JP2014214541A (ja) * 2013-04-26 2014-11-17 Jfe建材株式会社 深礎杭の構築方法および深礎杭
JP2016186160A (ja) * 2015-03-27 2016-10-27 日鐵住金建材株式会社 外側面状ライナープレート
JP2017141669A (ja) * 2017-04-17 2017-08-17 Jfe建材株式会社 深礎杭の構築方法および深礎杭

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