JP7368089B2 - マルチコアファイバ、光コネクタ、ファンイン/ファンアウトデバイス - Google Patents

マルチコアファイバ、光コネクタ、ファンイン/ファンアウトデバイス Download PDF

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Description

本発明は、複数のコアを備えたマルチコアファイバに関する。また、そのようなマルチコアファイバを備えた光コネクタ及びファンイン/ファンアウトデバイスに関する。
光通信の分野においては、複数のコアを備えたマルチコアファイバが広く利用されている。MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)を用いる光通信では、結合型のマルチコアファイバが用いられるのに対して、それ以外の光通信では、非結合型のマルチコアファイバが用いられる。非結合型のマルチコアファイバにおいては、コア間クロストークの低減が重要な課題となる。マルチコアファイバを開示した文献としては、例えば、特許文献1が挙げられる。
特許第3993198号
従来のマルチコアファイバにおいては、他の光ファイバとの接続損失の増大を抑えながら、コア間クロストークの低減を図ること、或いは、コア間クロストークの増大を抑えながら他の光ファイバとの接続損失の低減を図ることが困難であるという問題があった。従来のマルチコアファイバを備えた光コネクタ及びファンイン/ファンアウトデバイスにおいても、同様の問題があった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、他の光ファイバとの接続損失の増大を抑えながら、コア間クロストークの低減を図ること、或いは、コア間クロストークの増大を抑えながら他の光ファイバとの接続損失の低減を図ることが可能なマルチコアファイバ、光コネクタ、又はファンイン/ファンアウトデバイスを実現することにある。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るマルチコアファイバは、複数のコアを備えたマルチコアファイバにおいて、当該マルチコアファイバの一方又は両方の端部における上記コアのモードフィールド径は、当該マルチコアファイバの中間部における上記コアのモードフィールド径よりも大きく、上記コアのモードフィールド径は、上記端部と上記中間部との境界において上記コアの軸方向に対して滑らかに変化する。
本発明の一態様に係るマルチコアファイバにおいては、上記中間部における上記コアのモードフィールドが、波長1310nmにおいて8.2μmよりも小さいという条件、又は、波長1550nmにおいて9.6μmよりも小さいという条件の少なくとも一方を満たす、ことが好ましい。
本発明の一態様に係るマルチコアファイバにおいては、上記中間部における上記コアのモードフィールドが、波長1310nmにおいて5.5μm以下であるという条件、又は、波長1550nmにおいて6.3μm以下であるという条件の少なくとも一方を満たす、ことが好ましい。
本発明の一態様に係るマルチコアファイバにおいては、上記端部における上記コアのモードフィールド径が、波長1310nmにおいて7.0μm以上であるという条件、又は、波長1550nmにおいて7.9μm以上であるという条件の少なくとも一方を満たす、ことが好ましい。
本発明の一態様に係るマルチコアファイバにおいては、ファイバ長2kmあたりの合計クロストークが-30dB以下である、ことが好ましい。
本発明の一態様に係るマルチコアファイバにおいては、上記端部における上記コアのモードフィールド径と上記中間部における上記コアのモードフィールド径との差が1.6μm以上である、ことが好ましい。
本発明の一態様に係るマルチコアファイバにおいては、クラッド径が177.5μm未満であり、上記コアの配置が正方格子配置であり、上記コアの個数が8個又は12個である、ことが好ましい。
本発明の一態様に係るマルチコアファイバにおいては、クラッド径が155.3μm未満であり、上記コアの配置が六方最密配置であり、上記コアの個数が12個である、ことが好ましい。
本発明の一態様に係るマルチコアファイバにおいては、クラッド径が125μm以下であり、上記複数のコアの個数が12である、ことが好ましい。
本発明の一態様に係るマルチコアファイバにおいては、クラッド径が150μm以下であり、上記複数のコアの個数が16である、ことが好ましい。
本発明の一態様に係るマルチコアファイバにおいては、クラッド径が80μm以下であり、上記複数のコアの数が4である、ことが好ましい。
本発明の一態様に係るマルチコアファイバにおいては、上記マルチコアファイバの中心軸に近いコアのモードフィールド径が、当該マルチコアファイバの中心軸から遠いコアのモードフィールド径よりも小さい、ことが好ましい。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るマルチコアファイバは、複数のコアと、上記複数のコアの各々の側面を覆うクラッドと、を備えたマルチコアファイバにおいて、当該マルチコアファイバは、一方の端部を含む第1区間と、他方の端部を含む第2区間と、上記第1区間及び上記第2区間以外の第3区間と、を含み、上記クラッドは、少なくとも上記第1区間及び上記第2区間の一方又は両方において上記コアの側面を覆う内側クラッドと、上記内側クラッドの側面を覆い、上記コアの側面において上記内側クラッドに覆われていない領域が存在する場合には更に当該領域を覆う外側クラッドと、を含み、上記コアには、アップドーパントである第1ドーパントが少なくとも添加されており、上記内側クラッドには、上記第1ドーパントの熱拡散を促進する第2ドーパントが少なくとも添加されており、上記外側クラッドには、当該第2ドーパントが添加されていない。
本発明の一態様に係るマルチコアファイバにおいては、上記内側クラッドには、第3ドーパントが更に添加されており、上記第2ドーパントがダウンドーパントであり、且つ、上記第3ドーパントがアップドーパントであるか、又は、上記第2ドーパントがアップドーパントであり、且つ、上記第3ドーパントがダウンドーパントであり、上記内側クラッドの上記内側クラッドの側面を覆う外側クラッドに対する比屈折率差が-0.1%以上+0.1%以下である、ことが好ましい。
本発明の一態様に係るマルチコアファイバにおいては、上記内側クラッドは、上記マルチコアファイバの中心軸に近いコアの側面を覆う第1内側クラッドと、当該マルチコアファイバの中心軸から遠いコアの側面を覆う第2内側クラッドとにより構成され、
上記第1内側クラッド及び上記第2内側クラッドの少なくとも何れか一方には、第3ドーパントが更に添加されており、上記第2ドーパントがダウンドーパントであり、且つ、上記第3ドーパントがアップドーパントであるか、又は、上記第2ドーパントがアップドーパントであり、且つ、上記第3ドーパントがダウンドーパントである、ことが好ましい。
本発明の一態様に係るマルチコアファイバにおいては、上記内側クラッドは、上記マルチコアファイバの中心軸に近いコアの側面を覆う第1内側クラッドと、当該マルチコアファイバの中心軸から遠いコアの側面を覆う第2内側クラッドとにより構成され、上記第1内側クラッド及び上記第2内側クラッドの少なくとも何れか一方には、第3ドーパントが更に添加されており、上記第2ドーパントがダウンドーパントであり、且つ、上記第3ドーパントがアップドーパントであるか、又は、上記第2ドーパントがアップドーパントであり、且つ、上記第3ドーパントがダウンドーパントであり、(1)上記第1内側クラッドに上記第3ドーパントが添加されている場合、上記第1内側クラッドの側面を覆い、且つ、側面を上記外側クラッドにより覆われ、且つ、屈折率が上記第1内側クラッド及び上記外側クラッドより低い第1低屈折率層を更に備え、(2)上記第2内側クラッドに上記第3ドーパントが添加されている場合、上記第2内側クラッドの側面を覆い、且つ、側面を上記外側クラッドにより覆われ、且つ、屈折率が上記第2内側クラッド及び上記外側クラッドより低い第2低屈折率層を更に備え、(3)上記第1内側クラッド及び上記第2内側クラッドに上記第3ドーパントが添加されている場合、上記第1内側クラッドの側面を覆い、且つ、側面を上記外側クラッドにより覆われ、且つ、屈折率が上記内側クラッド及び上記外側クラッドより低い第1低屈折率層と、上記第2内側クラッドの側面を覆い、且つ、側面を上記外側クラッドに覆われ、且つ、屈折率が上記第2内側クラッド及び上記外側クラッドより低い第2低屈折率層と、を更に備えている、ことが好ましい。
本発明の一態様に係るマルチコアファイバにおいては、上記マルチコアファイバの中心軸に近いコアの側面を覆う内側クラッドにおける上記第2ドーパントの濃度が、当該マルチコアファイバの中心軸から遠いコアの側面を覆う内側クラッドにおける上記第2ドーパントの濃度よりも低い、ことが好ましい。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るマルチコアファイバは、複数のコアと、上記複数のコアの各々の側面を覆うクラッドと、を備えたマルチコアファイバにおいて、当該マルチコアファイバは、一方の端部を含む第1区間と、他方の端部を含む第2区間と、上記第1区間及び上記第2区間以外の第3区間と、を含み、上記クラッドは、少なくとも上記第1区間及び上記第2区間の一方又は両方において上記コアの側面を覆う内側クラッドと、上記内側クラッドの側面を覆い、上記コアの側面において上記内側クラッドに覆われていない領域が存在する場合には更に当該領域を覆う外側クラッドと、を含み、上記コアには、ドーパントが添加されておらず、もしくは、ダウンドーパントが添加されており、上記クラッドには、ダウンドーパントである第1ドーパントが少なくとも添加されており、上記内側クラッドには、上記第1ドーパントの熱拡散を促進する第2ドーパントが少なくとも添加されている。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る光コネクタは、上記マルチコアファイバを備えている。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るファンイン/ファンアウトデバイスは、上記マルチコアファイバを備えている。
本発明の一態様に係るマルチコアファイバ、光コネクタ、又はファンイン/ファンアウトデバイスによれば、他の光ファイバとの接続損失の増大を抑えながら、コア間クロストークの低減を図ること、或いは、コア間クロストークの増大を抑えながら他の光ファイバとの接続損失の低減を図ることができる。
本発明の一実施形態に係るマルチコアファイバであって、端部を熱コア拡大する前のマルチコアファイバの構造を示す図である。(a)は、そのマルチコアファイバの側面図であり、(b)~(d)は、そのマルチコアファイバの断面図である。 本発明の一実施形態に係るマルチコアファイバであって、端部を熱コア拡大した後のマルチコアファイバの構造を示す図である。(a)は、そのマルチコアファイバの側面図であり、(b)~(d)は、そのマルチコアファイバの断面図である。 マルチコアファイバの断面図である。(a)は、コア配置が六方最密配置である場合の断面図であり、(b)は、コア配置が単リング配置である場合の断面図であり、(c)は、コア配置が正方格子配置である場合の断面図である。 コア間クロストークのモードフィールド径依存性を示すグラフである。 2つのコアの軸ずれ量が0μmである場合に関して、接続損失のモードフィールド径依存性を示すグラフでる。 接続損失の軸ずれ量依存性を示すグラフである。 波長1.55μmにおける2コア間クロストークのコア間距離依存性を示すグラフである。 波長1.55μmにおける被覆への吸収損失のクラッド厚依存性を示すグラフである。 六方最密配置、単リング配置、正方格子配置のそれぞれについて、収容可能なコア数mをクラッド径の関数として表したグラフである。 破断確率の曲げ直径依存性を示すグラフである。 波長1360nmにおける2コア間クロストークのコア間距離依存性を示すグラフである。 波長1360nmにおける被覆への吸収損失のクラッド厚依存性を示すグラフである。 マルチコアファイバの断面図である。(a)、(b)、及び(d)は、コア配置が正方格子配置である場合の断面図である。(b)は、コア配置が六方最密配置である場合の断面図である。 (a)は、マルチコアファイバにシングルモードファイバを融着接続する際の接続損失の加熱時間(放電時間)依存性を示したグラフである。(b)は、マルチコアファイバ同士を融着接続する際の接続損失の軸ずれ量依存性を示したグラフである。 マルチコアファイバを含む光コネクタの構成を示す模式図である。 マルチコアファイバを含むファンイン/ファンアウトデバイスの構成を示す模式図である。 (a)は、各内側クラッドに同じ濃度のドーパントを添加した場合に得られる、接続損失の回転角度ずれ依存性を示すグラフである。(b)は、内層のコアを覆う内側クラッドに添加するドーパントの濃度を外層のコアを覆う内側クラッドに添加するドーパントの濃度よりも低くした場合に得られる、接続損失の回転角度ずれ依存性を示すグラフである。 第4の変形例に係るマルチコアファイバ1の屈折率分布を示すグラフである。 第5の変形例に係るマルチコアファイバ1の屈折率分布を示すグラフである。
(マルチコアファイバの構造)
本発明の一実施形態に係るマルチコアファイバの構造について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、端部を熱コア拡大する前のマルチコアファイバ1の構造を示し、図2は、端部を熱コア拡大した後のマルチコアファイバ1の構造を示す。
まず、端部を熱コア拡大する前のマルチコアファイバ1の構造について、図1を参照して説明する。図1の(a)は、端部を熱コア拡大する前のマルチコアファイバ1の側面図である。図1の(b)、(c)、及び(d)は、端部を熱コア拡大する前のマルチコアファイバ1の断面図である。なお、図1の(b)に示すAA’断面は、マルチコアファイバ1の長手軸に直交する断面のうち、図1の(a)に示すAA’線を含む断面である。図1の(c)に示すCC’断面は、マルチコアファイバ1の長手軸に直交する断面のうち、図1の(a)に示すCC’線を含む断面である。図1の(d)に示すBB’断面は、マルチコアファイバ1の長手軸に直交する断面のうち、図1の(a)に示すBB’線を含む断面である。
図1に示すように、マルチコアファイバ1は、コア群11と、クラッド12と、を備えている。コア群11は、m個(mは2以上の自然数)のコア11a1~11amにより構成されている。クラッド12は、m個の内側クラッド12a1~12amと、m個の内側クラッド12b1~12bmと、外側クラッド12cと、により構成されている。これらの構造は、マルチコアファイバ1の基材に各種ドーパントを添加することによって形成されている。本実施形態においては、マルチコアファイバ1の基材として、石英ガラスを用いている。
なお、図1においては、コア数mが2である場合を例としてマルチコアファイバ1の構造を示しているが、これに限定されない。すなわち、コア数mは、3以上であってもよい。なお、コア数mが3以上の場合のコア11a1~11amの配置については、参照する図面を代えて後述する。
コア11ai(iは1以上m以下の自然数)は、マルチコアファイバ1の長手方向に延在する円柱状の領域である。コア11aiの断面の外周は、半径R1の円によって近似することができる。この半径R1のことを、以下、「コア径」と記載する。コア11a1~11amの屈折率n1は、マルチコアファイバ1の基材の屈折率n0よりも高い。
コア11aiは、マルチコアファイバ1の基材に第1ドーパントを添加することによって形成されている。第1ドーパントは、アップドーパントである。ただし、後述する通り、第1ドーパントは、ダウンドーパントであってもよい。ここで、アップドーパントとは、マルチコアファイバ1の基材の屈折率を上昇させる作用を有するドーパントのことを指す。第1ドーパントとして利用可能なアップドーパントとしては、例えば、ゲルマニウム(Ge)、リン(P)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、酸化ゲルマニウム(GeO)、塩素(Cl)、又はこれらの混合物が挙げられる。本実施形態においては、第1ドーパントとして、ゲルマニウムを用いている。また、本実施形態においては、コア11aiには、第1ドーパントとして少なくとも1種類の第1ドーパントが添加されているが、2種類以上のドーパントが添加されていてもよい。また、本実施形態においては、コア11aiには、少なくともアップドーパントである第1ドーパントが添加されているが、これに限定されない。すなわち、コア11aiには、第1ドーパントが添加されていなくてもよく、後述するダウンドーパントである第1ドーパントが添加されていてもよい。なお、この場合、当該コア11aiの周囲に存在する後述の内側クラッド12aiまたは内側クラッド12biには、コアに熱拡散するドーパントが少なくとも添加されている。
なお、マルチコアファイバ1は、非結合型のマルチコアファイバである。ここで、マルチコアファイバ1が非結合型であるとは、m個のコア11a1~11amから任意に選択された2つのコア11ai,11aj(jは1以上m以下のiとは異なる自然数)について、コア11aiの導波モードとコア11ajの導波モードとの間の相互作用が十分に小さいこと(例えば、コア11aiとコア11ajとの間のクロストークが-30dB以下であること)を指す。これは、m個のコア11a1~11amを用いてm個の光信号を独立に伝送し得ること意味する。
内側クラッド12ai(iは1以上m以下の自然数)は、マルチコアファイバ1の長手方向に延在する円筒状の領域であり、マルチコアファイバ1の一方の端部を含む区間Ia(特許請求の範囲における「第1区間」の一例)において、対応するコア11aiの側面を覆っている。内側クラッド12aiの断面の外周は、半径R2の円によって近似することができる。この半径R2のことを、以下、「内側クラッド径」と記載する。内側クラッド12aiの屈折率n2は、マルチコアファイバ1の基材の屈折率n0と同一又は実質的に同一である。
内側クラッド12bi(iは1以上m以下の自然数)は、マルチコアファイバ1の長手方向に延在する円筒状の領域であり、マルチコアファイバ1の他方の端部を含む区間Ib(特許請求の範囲における「第2区間」の一例)において、対応するコア11aiの側面を覆っている。内側クラッド12biの断面も、内側クラッド12aiの断面と同様、半径R2の円によって近似することができる。内側クラッド12biの屈折率n2は、マルチコアファイバ1の基材の屈折率n0と同一又は実質的に同一である。
内側クラッド12ai及び内側クラッド12biは、マルチコアファイバ1の基材に第2ドーパント及び第3ドーパントを共添加することによって形成されている。第2ドーパントは、熱拡散促進ドーパントである。ここで、熱拡散促進ドーパントとは、コア11aiに添加された第1ドーパントの熱拡散を促進する作用を有するドーパントのことを指す。第2ドーパントは、アップドーパント又はダウンドーパントであり得る。ここで、アップドーパントとは、マルチコアファイバ1の基材の屈折率を上昇させる作用を有するドーパントのことを指し、ダウンドーパントとは、マルチコアファイバ1の基材の屈折率を低下させる作用を有するドーパントのことを指す。第3ドーパントは、アップドーパント又はダウンドーパントである。第2ドーパントが、ダウンドーパントである場合、第3ドーパントとして、アップドーパントが選択される。逆に、第2ドーパントが、アップドーパントである場合、第3ドーパントとして、ダウンドーパントが選択される。内側クラッド12ai及び内側クラッド12biにおける第3ドーパントの添加量は、第3ドーパントによる屈折率上昇量が第2ドーパントによる屈折率低下量を抑制あるいは相殺するように、又は、第3ドーパントによる屈折率低下量が第2ドーパントによる屈折率上昇量を抑制あるいは相殺するように設定されている。一例と挙げると、内側クラッド12ai及び内側クラッド12biにおける第3ドーパントの添加量は、内側クラッド12aiの外側クラッド12cに対する比屈折率差が-0.1%以上+0.1%以下になるように設定されている。内側クラッド12ai及び内側クラッド12biの屈折率n2がマルチコアファイバ1の基材の屈折率n0と同一又は実質的に同一であるのは、このためである。なお、第3ドーパントは、マルチコアファイバ1の基材の屈折率を上昇又は低下させる作用に加えて、コア11aiに添加された第1ドーパントの熱拡散を促進する作用を有していてもよい。この場合、第3ドーパントの作用によって、コア11aiに添加された第1ドーパントの熱拡散が更に促進される。また、本実施形態においては、内側クラッド12ai及び内側クラッド12biには第2ドーパント及び第3ドーパントが共添加されているが、これに限定されない。すなわち、内側クラッド12aiまたは内側クラッド12biには1種類のドーパントのみが添加されていてもよく、例えば、第2ドーパントもしくは第3ドーパントのみが添加されていてもよい。
第2ドーパントとして利用可能な熱拡散促進ドーパントとしては、例えば、アルミニウム(Al)、フッ素(F)、又はこれらの混合物が挙げられる。第2ドーパントがマルチコアファイバ1の基材の屈折率を低下させる作用を有している場合、第3ドーパントとして利用可能なドーパントとしては、例えば、アップドーパントであるゲルマニウム(Ge)、リン(P)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、酸化ゲルマニウム(GeO)、塩素(Cl)、又はこれらの混合物が挙げられる。逆に、第2ドーパントがマルチコアファイバ1の基材の屈折率を上昇させる作用を有している場合、第3ドーパントとして利用可能なドーパントとしては、例えば、ダウンドーパントであるフッ素(F)、ホウ素(B)、又はこれらの混合物が挙げられる。本実施形態においては、第2ドーパントとして、マルチコアファイバ1の基材の屈折率を低下させる作用を有するフッ素を用いている。また、本実施形態においては、第3ドーパントとして、アップドーパントであるゲルマニウム及びリンの混合物を用いている。
外側クラッド12cは、クラッド12から内側クラッド12a1~12am及び内側クラッド12b1~12bmを除いた領域であり、マルチコアファイバ1の区間Ia及び区間Ibを除く区間Ic(特許請求の範囲における「第3区間」の一例)において、コア11a1~11amの側面を覆っている。外側クラッド12cの断面の外周は、半径R3の円によって近似することができる。この半径R3のことを、以下、「外側クラッド径」又は「クラッド径」と記載する。外側クラッド12cについては、ドーパントの意図的な添加が行われていない。このため、外側クラッド12cの屈折率は、マルチコアファイバ1の基材の屈折率n0と同一又は実質的に同一である。
マルチコアファイバ1の端部を加熱すると、マルチコアファイバ1の端部において熱コア拡大が生じる。ここで、熱コア拡大とは、コア11aiに添加された第1ドーパントの熱拡散により、コア11aiのモードフィールド径が拡大することを指す。なお、コア11aiのモードフィールド径とは、コア11aiを導波される基本モード光のモードフィールド径のことを指す。マルチコアファイバ1の端部において熱コア拡大が生じると、マルチコアファイバ1の端部における各コア11aiのモードフィールド径が、マルチコアファイバ1の端部以外の部分(以下、「中間部」と記載する)におけるコア11aiのモードフィールド径よりも大きくなる。ここで、マルチコアファイバ1の端部、すなわち、モードフィールド径の拡大が生じる区間は、区間Ia,Ibのうち少なくとも一部の区間を指し、(1)上述した区間Ia,Ibに包含される、区間Ia,Ibよりも短い区間であってもよいし、(2)上述した区間Ia,Ibを包含する、区間Ia,Ibよりも長い区間であってもよい。同様に、マルチコアファイバ1の中間部、すなわち、モードフィールド径の拡大が生じない区間は、区間Icのうち少なくとも一部の区間を指し、(1)上述した区間Icに包含される、区間Icよりも短い区間であってもよいし、(2)上述した区間Icを包含する、区間Icよりも長い区間であってもよい。なお、マルチコアファイバ1の端部を加熱する目的としては、例えば、マルチコアファイバ1の端部を他の光ファイバの端部に融着することが挙げられる。ただし、マルチコアファイバ1の端部を加熱する目的は、これに限定されるものではない。
端部を熱コア拡大した後のマルチコアファイバ1の構造を模式的に表せば、図2のようになる。図2の(a)は、端部を熱コア拡大した後のマルチコアファイバ1の側面図である。図2の(b)、(c)、及び(d)は、端部を熱コア拡大した後のマルチコアファイバ1の断面図である。なお、図2の(b)に示すAA’断面は、マルチコアファイバ1の長手軸に直交する断面のうち、図2の(a)に示すAA’線を含む断面である。図2の(c)に示すCC’断面は、マルチコアファイバ1の長手軸に直交する断面のうち、図2の(a)に示すCC’線を含む断面である。図2の(d)に示すBB’断面は、マルチコアファイバ1の長手軸に直交する断面のうち、図2の(a)に示すBB’線を含む断面である。
端部を熱コア拡大した後のマルチコアファイバ1においては、コア11aiに添加された第1ドーパント、並びに、内側クラッド12ai及び内側クラッド12biに添加された第2ドーパント及び第3ドーパントが熱拡散している。それ故、コア11aiと内側クラッド12aiとの境界、コア11aiと内側クラッド12biとの境界、内側クラッド12aiと外側クラッド12cとの境界、及び、内側クラッド12biと外側クラッド12cとの境界を、一義的に定めることは困難である。このため、図2においては、コア11ai、内側クラッド12ai、内側クラッド12bi、及び外側クラッド12cを図示する代わりに、導波される基本モード光のパワーがコア11aiの中心軸を導波される光のパワーの1/e以上になる領域11ai’を図示している。ここで、eは、自然対数の底である。コア11aiのモードフィールド径とは、領域11ai’の断面の直径のことを指す。また、コア11aiのモードフィールド半径とは、領域11ai’の断面の半径のことを指す。
なお、端部を熱コア拡大した後のマルチコアファイバ1においては、端部と中間部との境界において、各コア11aiのモードフィールド径が該コア11aiの軸方向に対して滑らかに変化する。これに対して、コア径の大きいマルチコアファイバとコア径の小さいマルチコアファイバとを融着接続することにより得られたマルチコアファイバにおいては、融着接続点において、各コアのモードフィールド径が該コアの軸方向に対して不連続に変化する。この点で、端部を熱コア拡大した後のマルチコアファイバ1と、コア径の大きいマルチコアファイバとコア径の小さいマルチコアファイバとを融着接続することにより得られたマルチコアファイバとは、物としての構造が異なる。また、コア径の大きいマルチコアファイバとコア径の小さいマルチコアファイバとを融着接続することにより得られたマルチコアファイバは、内部に融着接続点を含むので、内部の融着接続点において生じ得る損失を免れることが困難である。これに対して、端部を熱コア拡大した後のマルチコアファイバ1は、内部に融着接続点を含む必要がないので、内部の融着接続点において生じ得る損失を免れることが容易となり得る。この点で、端部を熱コア拡大した後のマルチコアファイバ1は、コア径の大きいマルチコアファイバとコア径の小さいマルチコアファイバとを融着接続することにより得られたマルチコアファイバよりも優れている。なお、本実施形態に係るマルチコアファイバ1は、区間Iaを構成するマルチコアファイバと区間Icを構成するマルチコアファイアとを融着接続すると共に、区間Ibを構成するマルチコアファイバと区間Icを構成するマルチコアファイアとを融着接続することによって製造される場合がある(後述する実施例3のマルチコアファイバC参照)。このように製造されたマルチコアファイバ1の内部には、融着接続点が含まれる。しかしながら、これらの融着接続点では、直径の等しいコア同士が結合されることになる。また、区間IbおよびIcの一方又は両方において、端部と中間部との境界から離間された位置に各コア11aiのモードフィールド径の変化が始まる変化開始点が存在している(上記の説明では、各コア11aiのうち全てのコアについて、区間IbおよびIcの一方又は両方において、端部と中間部との境界から離間された位置に上述した変化開始点が存在しているが、各コア11aiのうち少なくとも1つのコアについて、区間IbおよびIcの一方又は両方において、端部と中間部との境界から離間された位置に上述した変化開始点が存在していてもよい。)。したがって、これらの融着接続点において生じ得る損失は、上記の通り、コア径の大きいマルチコアファイバとコア径の小さいマルチコアファイバとを融着接続することにより得られたマルチコアファイバにおいて、直径の異なるコア同士が結合される融着接続点において生じ得る損失よりも小さくなり易い。したがって、このように製造されたマルチコアファイバ1についても、コア径の大きいマルチコアファイバとコア径の小さいマルチコアファイバとを融着接続することにより得られたマルチコアファイバよりも優れている。
なお、図2に示す熱コア拡大後のマルチコアファイバ1を得るために、図1に示す熱コア拡大前のマルチコアファイバ1において、内側クラッド12a1~12am及び内側クラッド12b1~12bmを設けることは、必須ではない。また、熱コア拡大前のマルチコアファイバ1において、コア11a1~11amの周辺に第2ドーパント及び第3ドーパントを添加することは、必須ではない。なぜなら、第2ドーパントまたは第3ドーパントの助けを借りずとも、コア11a1~11amに添加された第1ドーパントは、加熱により拡散するからである。ただし、熱コア拡大前のマルチコアファイバ1において、コア11a1~11amの周辺に第2ドーパント及び第3ドーパントを添加することによって、マルチコアファイバ1の端部における第1ドーパントの熱拡散速度を大きくすることができる。したがって、熱コア拡大前のマルチコアファイバ1において、コア11a1~11amの周辺に第2ドーパント及び第3ドーパントを添加することによって、コア11a1~11amのモードフィールド径を所定の大きさまで拡大するために要する加熱時間を短くすることができる。
(コアの配置)
マルチコアファイバ1において取り得るコア11a1~11amの配置について、図3を参照して説明する。マルチコアファイバ1において取り得るコア11a1~11amの配置としては、例えば、六方最密配置、単リング配置、又は正方格子配置が挙げられる。
図3の(a)は、コア11a1~11amが六方最密配置されたマルチコアファイバ1の断面図である。コア11a1~11amが六方最密配置されている場合、各コア11aiに隣接する隣接コア数は6である。図3の(a)においては、コア数mが7である場合を例示している。この場合、1つのコア11a1が、マルチコアファイバ1の中心に配置され、残り6個のコア11a2~11a7が、コア11a1を中心とする円周上に等間隔配置される。
図3の(b)は、コア11a1~11amが単リング配置されたマルチコアファイバ1の断面図である。コア11a1~11amが単リング配置されている場合、各コア11aiに隣接する隣接コア数は2である。図3の(b)においては、コア数mが9である場合を例示している。この場合、9個のコア11a1~11a9が、マルチコアファイバ1の中心を取り囲む円周上に等間隔配置される。
図3の(c)は、コア11a1~11amが正方格子配置されたマルチコアファイバ1の断面図である。コア11a1~11amが正方格子配置されている場合、各コア11aiに隣接する隣接コア数は4である。図3の(b)においては、コア数mが12である場合を例示している。この場合、内層を構成する4個のコア11a1~11a4と、外層を構成する8個のコア11a5~11a12とが、正方格子の格子点上に配置される。
(コア間クロストークとモードフィールド径との関係)
ここで、マルチコアファイバにおけるコア間クロストークとモードフィールド径との関係について、図4を参照して説明する。ここで、コア間クロストークとは、1つのマルチコアファイバに含まれる複数のコア同士のクロストークのことを指す。図4は、コアの屈折率分布が単峰形であり、コアの理論カットオフ波長が1260nmであり、コア間距離が35μmであるマルチコアファイバにおいて、波長1550nmの光を2km伝送した場合に生じる2コア間のコア間クロストークのモードフィールド径依存性を示すグラフである。なお、図4に示すグラフにおいては、波長1310nmにおけるコアのモードフィールド径を横軸に取っている。
図4によれば、以下のことが分かる。すなわち、コア間クロストークを小さくするためには、コアのモードフィールド径を小さくすればよい。例えば、コアのモードフィールド径をITU-T G.652又はITU-T G.657における規定値8.6μm程度に設定すると、コア間クロストークは-10dB程度の大きな値となる。これに対して、例えば、コアのモードフィールド径を5μm程度に設定すると、コア間クロストークは-70dB程度の小さな値になる。
なお、マルチコアファイバの設計にあたっては、最外層コアを伝搬する光の被覆への吸収も考慮に入れる必要がある。実際、最外層コアから被覆までの距離が近い場合には、最外層コアにおける損失が増大することがある。したがって、最外層コアから被覆までの距離は、最外層コアを伝搬する光の被覆への吸収が十分に小さくなるように設定することが好ましい。
(接続損失とモードフィールド径の関係)
次に、2つの光ファイバのコア同士を接続したときの接続損失とモードフィールド径との関係について、図5及び図6を参照して説明する。
2つの光ファイバのコア同士の接続損失は、下記の式(1)により記述される。ここで、LOSSは、接続損失であり、W1は、光の伝搬方向に対して上流側のコアのモードフィールド半径であり、W2は、光の伝搬方向に対して下流側のコアのモードフィールド半径である。また、dは、2つの光ファイバのコア同士の軸ずれ量である。
Figure 0007368089000001
図5は、上流側のコアの波長1310nmにおけるモードフィールド径(2×W1)が8.6μmであり、2つの光ファイバのコア同士の軸ずれ量dが0μmである場合に関して、波長1310nmにおける接続損失のモードフィールド径(2×W2)依存性を示すグラフでる。
図5によれば、以下のことが分かる。すなわち、下流側のコアのモードフィールド径(2×W2)を小さくすると、2つの光ファイバのコア同士の接続損失が大きくなる。例えば、下流側のコアのモードフィールド径(2×W2)を5μm程度に設定すると、2つの光ファイバのコア同士の軸ずれ量dが0μmであっても、2つの光ファイバのコア同士の波長1310nmにおける接続損失は0.6dB程度の大きな値になる。したがって、接続損失を小さく抑えるためには、下流側のコアのモードフィールド径を、大きな値にすることが好ましい。例えば、波長1310nmにおける接続損失を0.1dB以下に抑えるためには、下流側のコアの波長1310nmにおけるモードフィールド径を、7.0μm以上にすることが好ましい。換言すると、上流側のコアと下流側のコアとのモードフィールド径差を、1.6μm以下にすることが好ましい。
図6は、以下のケ-スにおける接続損失の軸ずれ量d依存性を示すグラフである。
(a)上流側のコアのモードフィールド径(2×W1)が8.6μmであり、下流側のコアのモードフィールド径(2×W2)が8.6μmである場合、
(b)上流側のコアのモードフィールド径(2×W1)が8.6μmであり、下流側のコアのモードフィールド径(2×W2)が5.0μmである場合、
(c)上流側のコアのモードフィールド(2×W1)が5.0μmであり、下流側のコアのモードフィールド径(2×W2)が5.0μmである場合。
図5によれば、以下のことが分かる。すなわち、ケ-ス(b)又は(c)のように下流側のコアのモードフィールド径(2×W2)が小さい値(ここでは、5.0μm)を取る場合には、ケ-ス(a)のように下流側のコアのモードフィールド径(2×W2)が大きい値(ここでは、8.6μm)を取る場合と比べて、軸ずれ量dに対する接続損失の傾きが大きくなる。つまり、接続損失に対する軸ずれ量dのトレランスが小さくなる。逆に、ケ-ス(a)のように下流側のコアのモードフィールド径(2×W2)が大きい値(ここでは、8.6μm)を取る場合には、ケ-ス(b)又は(c)のように下流側のコアのモードフィールド径(2×W2)が小さい値(ここでは、5.0μm)を取る場合と比べて、軸ずれ量dに対する接続損失の傾きが小さくなる。つまり、接続損失に対する軸ずれ量dのトレランスが大きくなる。
(マルチコアファイバの効果)
マルチコアファイバのコア間クロストークを小さく抑えるためには、前々節において説明したように、マルチコアファイバの各コアのモードフィールド径を小さくすることが好ましい。一方、マルチコアファイバの各コアと他の光ファイバのコアとの接続損失を小さく抑える、或いは、軸ずれ量のトレランスを大きくするためには、前節において説明したように、マルチコアファイバの各コアのモードフィールド径を大きくすることが好ましい。
この相反するともいえる要求に応えるために、本実施形態に係る熱コア拡大後のマルチコアファイバ1においては、各コア11aiについて、端部におけるモードフィールド径を、中間部におけるモードフィールド径よりも大きくする構成を採用している。これにより、(1)端部における各コア11aiのモードフィールド径を小さくすることなく、中間部における各コア11aiのモードフィールド径を小さくすること、或いは、(2)中間部における各コア11aiのモードフィールド径を大きくすることなく、端部における各コア11aiのモードフィールド径を大きくすること、が可能になる。したがって、(1)接続損失の増加、又は、軸ずれ量のトレランスの縮小を抑制しながら、コア間クロストークの減少を図ること、或いは、(2)コア間クロストークの増加を抑制しながら、接続損失の増加、又は、軸ずれ量のトレランスの縮小を図ることが可能になる。さらに、各コア11aiについて、端部を熱コア拡大した後のマルチコアファイバ1においては、端部と中間部との境界において、各コア11aiのモードフィールド径が該コア11aiの軸方向に対して滑らかに変化している。これにより、マルチコアファイバ1の内部の融着接続点において生じ得る損失を免れることが容易となり得る。
例えば、本実施形態に係る熱コア拡大後のマルチコアファイバ1においては、各コア11aiについて、端部における波長1310nmでのモードフィールド径を8.2μmよりも小さくすることなく、中間部における波長1310nmでのモードフィールド径を8.2μmよりも小さくすることができる。これにより、例えば、ITU-T G.652又はITU-T G.657に従うコアを持つマルチコアファイバやシングルモードファイバなど、波長1310nmでのモードフィールド径が8.2μm以上である光ファイバがマルチコアファイバ1に接続される場合に、接続損失の増加、又は、軸ずれ量のトレランスの縮小を抑制しながら、コア間クロストークの減少を図ることができる。なお、波長1310nmでのモードフィールド径が8.2μmとなるコアは、波長1550nmでのモードフィールド径が9.6μm程度となる。したがって、端部における波長1550nmでのモードフィールド径を9.6μmよりも小さくすることなく、中間部における波長1550nmでのモードフィールド径を9.6μmよりも小さくすることによっても、同様の効果が得られる。この熱コア拡大後のマルチコアファイバ1同士を融着接続する場合においても接続損失の増加、又は、軸ずれ量のトレランスの縮小を抑制しながら、コア間クロストークの減少を図ることができる。
更に、本実施形態に係る熱コア拡大後のマルチコアファイバ1においては、各コア11aiについて、端部における波長1310nmでのモードフィールド径を5.5μm以下にすることなく、中間部における波長1310nmでのモードフィールド径を5.5μm以下にすることができる。これにより、例えば、ITU-T G.652又はITU-T
G.657に従うコアを持つマルチコアファイバやシングルモードファイバなど、波長1310nmでのモードフィールド径が8.2μm以上である光ファイバがマルチコアファイバ1に接続される場合に、接続損失の増加、又は、軸ずれ量のトレランスの縮小を抑制しながら、コア間クロストークを-60dB以下にすることができる(図4参照)。なお、波長1310nmでのモードフィールド径が5.5μmとなるコアは、波長1550nmでのモードフィールド径が6.3μm程度となる。したがって、端部における波長1550nmでのモードフィールド径を6.3μm以下にすることなく、中間部における波長1550nmでのモードフィールド径を6.3μm以下にすることによっても、同様の効果が得られる。この熱コア拡大後のマルチコアファイバ1同士を融着接続する場合においても接続損失の増加、又は、軸ずれ量のトレランスの縮小を抑制しながら、コア間クロストークの減少を図ることができる。
或いは、本実施形態に係る熱コア拡大後のマルチコアファイバ1においては、各コア11aiについて、中間部における波長1310nmでのモードフィールド径を7μm以上にすることなく、端部における波長1310nmでのモードフィールド径を7μm以上にすることができる。これにより、例えば、ITU-T G.652又はITU-T G.657に従うコアを持つマルチコアファイバやシングルモードファイバなど、波長1310nmでのモードフィールド径が8.2μm以上である光ファイバがマルチコアファイバ1に接続される場合に、コア間クロストークの増加を抑制しながら、接続損失を0.1dB以下にすることができる(図5参照)。なお、波長1310nmでのモードフィールド径が7μmとなるコアは、波長1550nmでのモードフィールド径が7.9μm程度となる。したがって、中間部における波長1550nmでのモードフィールド径を7.9μm以上にすることなく、端部における波長1550nmでのモードフィールド径を7.9μm以上にすることによっても、同様の効果が得られる。この熱コア拡大後のマルチコアファイバ1同士を融着接続する場合においても接続損失の増加、又は、軸ずれ量のトレランスの縮小を抑制しながら、コア間クロストークの減少を図ることができる。
更に、本実施形態に係る熱コア拡大後のマルチコアファイバ1においては、各コア11aiについて、中間部における波長1550nmでのモードフィールド径を8.8μmよりも大きくすることなく、端部における波長1550nmでのモードフィールド径を8.8μmよりも大きくすることができる。これにより、例えばITU-T G.654に従うコアを持つマルチコアファイバやシングルモードファイバなど、波長1550nmでのモードフィールド径が8.8m以上である光ファイバがマルチコアファイバ1に接続される場合に、コア間クロストークの増加を抑制しながら、接続損失の減少、又は、軸ずれ量のトレランスの拡大を図ることができる。この熱コア拡大後のマルチコアファイバ1同士を融着接続する場合においても接続損失の増加、又は、軸ずれ量のトレランスの縮小を抑制しながら、コア間クロストークの減少を図ることができる。
〔マルチコアファイバの第1の設計例〕
デ-タセンタ内又はデ-タセンタ間のCバンド通信への適用を想定した、マルチコアファイバ1の一設計例について説明する。
まず、各コア11aiについては、マルチコアファイバ1の中間部において、下記の表1に示す光学特性を満たすように設計する。
Figure 0007368089000002
上記の表1において、コアΔは、各コア11aiの外側クラッド12cに対する比屈折率差を表す。また、コア半径は、各コア11aiの半径R1を表す。また、MFD@1.31μmは、各コア11aiの波長1310nmにおけるモードフィールド径を表す。また、MFD@1.55μmは、各コア11aiの波長1550nmにおけるモードフィールド径を表す。また、カットオフ波長は、各コア11aiのカットオフ波長を表す。本設計例においては、中間部における各コア11aiの波長1310nmにおけるモードフィールド径を、ITU-T G.G652又はITU-T G.G657に従うシングルモードファイバのモードフィールド径(8.2μm)よりも小さい、5.5μmとしている点に留意されたい。
各コア11aiが上記の表1を満たすように設計されたマルチコアファイバ1に関して、2コア間クロストークのコア間距離依存性を図7に示し、被覆への吸収損失のクラッド厚依存性を図8に示す。これらは、各コア11aiを伝搬する光の波長を1565nm、マルチコアファイバ1の曲げ半径を500mmと仮定した数値計算の結果である。1565nmは、Cバンドで最も長い波長であり、2コア間クロストークと被覆への吸収損失とが最も大きくなる波長と考えられる。
なお、マルチコアファイバ1を光通信伝送路として用いる場合には、全てのコア11a1~11amを同時に励振する場合が多い。この場合、コア11aiは、コア11aiをのぞくm-1個のコアからクロストークを受けることになる。これを合計クロストークと呼ぶと、合計クロストークは、2コア間クロストークよりも大きくなる。このため、この合計クロストークを用いてマルチコアファイバ1の構造を決める必要がある。
ファイバ長2kmあたりの合計クロストークが-30dB以下になるという条件を満たすコア間距離の下限値、及び、ファイバ長2kmあたりの被覆への吸収損失が0.01dB以下になるという条件を満たすクラッド厚の下限値を、図3に示した各コア配置について求めた結果を下記の表2に示す。
Figure 0007368089000003
上記の表2によれば、以下のことが分かる。すなわち、コア配置が六方最密配置である場合、コア間距離(各コアの中心からそのコアに最も近いコアの中心までの距離)は30.7μm以上であることが好ましい。これにより、ファイバ長2kmあたりの合計クロストークを-30dB以下に抑えることができる。また、コア配置が単リング配置である場合、コア間距離は29.9μm以上であることが好ましい。これにより、ファイバ長2kmあたりの合計クロストークを-30dB以下に抑えることができる。また、コア配置が正方格子配置であり、コア数mが8未満である場合、コア間距離は30.1μm以上であることが好ましい。これにより、ファイバ長2kmあたりの合計クロストークを-30dB以下に抑えることができる。また、コア配置が正方格子配置であり、コア数mが8以上である場合、コア間距離は30.3μm以上であることが好ましい。これにより、ファイバ長2kmあたりの合計クロストークを-30dB以下に抑えることができる。
また、上記の表2によれば、更に以下のことが分かる。すなわち、コア配置が六方最密配置である場合、クラッド厚は24.5μm以上であることが好ましい。これにより、ファイバ長2kmあたりの被覆への吸収損失を0.01dB以下に抑えることができる。また、コア配置が単リング配置である場合、クラッド厚は24.5μm以上であることが好ましい。これにより、ファイバ長2kmあたりの被覆への吸収損失を0.01dB以下に抑えることができる。また、コア配置が正方格子配置である場合、クラッド厚は24.5μm以上であることが好ましい。これにより、ファイバ長2kmあたりの被覆への吸収損失を0.01dB以下に抑えることができる。なお、コアにゲルマニウムが添加された一般的な光ファイバの伝送損失は、1kmあたり0.18~0.30dB程度である。したがって、ファイバ長2kmあたりの0.01dB以下の吸収損失は、伝送損失と比べて無視し得る大きさである。
図9は、六方最密配置、単リング配置、正方格子配置のそれぞれについて、コア間距離及びクラッド厚を上記のように設定したときに、収容可能なコア数mをクラッド径の関数として表したグラフである。
図9によれば、以下のことが分かる。すなわち、コア配置が六方最密配置であり、クラッド径が155.3μm未満である場合、7コア(m=7)又は12コア(m=12)のマルチコアファイバ1を実現することができる。これらのなかで、12コアのマルチコアファイバ1は、合計クロストークを-30dB以下に抑えると共に、被覆への吸収損失を0.01dB以下に抑えながら、コア数mが最大化されている点で、大容量伝送に適した特に好ましいマルチコアファイバであると言える。また、コア配置が単リング配置であり、クラッド径が173.8μm未満である場合、6コア(m=6)、7コア(m=7)、8コア(m=8)、9コア(m=9)、又は10コア(m=10)のマルチコアファイバ1を実現することができる。これらのなかで、10コアのマルチコアファイバ1は、合計クロストークを-30dB以下に抑えると共に、被覆への吸収損失を0.01dB以下に抑えながら、コア数mが最大化されている点で、大容量伝送に適した特に好ましいマルチコアファイバであると言える。また、コア配置が正方格子配置であり、クラッド径が177.5μm未満である場合、4コア(m=4)、6コア(m=6)、8コア(m=8)、又は12コア(m=12)のマルチコアファイバ1を実現することができる。これらのなかで、12コアのマルチコアファイバ1は、合計クロストークを-30dB以下に抑えると共に、被覆への吸収損失を0.01dB以下に抑えながら、コア数mが最大化されている点で、大容量伝送に適した特に好ましいマルチコアファイバであると言える。また、8コアのマルチコアファイバ1は、12コアのマルチコアファイバ1に次いで好ましいマルチコアファイバであると言える。
図10は、(1)クラッド径が125μmであるマルチコアファイバ1を1%プルーフした場合、(2)クラッド径が150μmであるマルチコアファイバ1を1%プルーフした場合、(3)クラッド径が150μmであるマルチコアファイバ1を1.5%プルーフした場合に得られる、破断確率の曲げ直径依存性を示すグラフである。ただし、破断確率は、クラッド径が125μm、プルーフレベルが1%、曲げ直径が30mmのときの破断確率を1として規格化している。プルーフレベルが等しい(1)の場合と(2)の場合との比較から、クラッド径が大きくなると破断確率が上昇する(機械的信頼性が低下する)ことが分かる。ただし、クラッド径が150μmであるマルチコアファイバ1を1.3%プルーフした場合には、クラッド径が125μmであるマルチコアファイバ1の1%プルーフした場合と同程度かもしくはクラッド径が125μmであるマルチコアファイバ1の1%プルーフした場合以上の信頼性を担保することができる。一般的に使用されるプルーフ機は、クラッド径が125μmである光ファイバを2%プルーフするために、4000gfまでの荷重に対応している。クラッド径が150μmのマルチコアファイバ1の1.3%プルーフは、荷重3740gfで行うことができるので、既存のプルーフ装置でも十分に対応することができる。
〔マルチコアファイバの第2の設計例〕
デ-タセンタ内又はデ-タセンタ間のOバンド通信への適用を想定した、マルチコアファイバ1の第2の設計例について説明する。
まず、各コア11aiについては、マルチコアファイバ1の中間部において、下記の表3に示す光学特性を満たすように設計する。
Figure 0007368089000004
上記表3に記載のコアΔ、コア半径、MFD@1.31μm、MFD@1.55μm、及びカットオフ波長の各々は、それぞれ、上記表1に記載のコアΔ、コア半径、MFD@1.31μm、MFD@1.55μm、及びカットオフ波長の各々と同じものを表す。本設計例においては、中間部における各コア11aiの波長1310nmにおけるモードフィールド径を、5.4μmとしている。
各コア11aiが上記の表2を満たすように設計されたマルチコアファイバ1に関して、2コア間クロストークのコア間距離依存性を図11に示し、被覆への吸収損失のクラッド厚依存性を図12に示す。これらは、各コアaiを伝搬する光の波長を1360nm、マルチコアファイバ1の曲げ半径を500mmと仮定した数値計算の結果である。1360nmは、Oバンドで最も長い波長であり、2コア間クロストークと被覆への吸収損失とが最も大きくなる波長と考えられる。
また、本設計例においても第1の設計例の場合と同様に、合計クロストークを用いてマルチコアファイバ1の構造を決める必要がある。
ファイバ長2kmあたりの合計クロストークが-30dB以下になるという条件を満たすコア間距離の下限値、及び、ファイバ長2kmあたりの被覆への吸収損失が0.01dB以下になるという条件を満たすクラッド厚の下限値を、図3に示した各コア配置について求めた結果を下記の表4に示す。
上述したように、図3の(a)は、コア11a1~11amが六方最密配置されたマルチコアファイバ1の断面図であり、図3の(b)は、コア11a1~11amが単リング配置されたマルチコアファイバ1の断面図であり、図3の(c)は、コア11a1~11amが正方格子配置されたマルチコアファイバ1の断面図である。
Figure 0007368089000005
上記の表4によれば、以下のことが分かる。すなわち、コア配置が六方最密配置である場合、コア間距離(各コアの中心からそのコアに最も近いコアの中心までの距離)は25.5μm以上であることが好ましい。これにより、ファイバ長2kmあたりの合計クロストークを-30dB以下に抑えることができる。また、コア配置が正方格子配置であり、コア数mが8未満である場合、コア間距離は25.0μm以上であることが好ましい。これにより、ファイバ長2kmあたりの合計クロストークを-30dB以下に抑えることができる。また、コア配置が正方格子配置であり、コア数mが8以上である場合、コア間距離は25.5μm以上であることが好ましい。これにより、ファイバ長2kmあたりの合計クロストークを-30dB以下に抑えることができる。また、コア配置が単リング配置である場合、コア間距離は24.7μm以上であることが好ましい。これにより、ファイバ長2kmあたりの合計クロストークを-30dB以下に抑えることができる。
また、上記の表4によれば、更に以下のことが分かる。すなわち、コア配置が六方最密配置である場合、クラッド厚は20.3μm以上であることが好ましい。これにより、ファイバ長2kmあたりの被覆への吸収損失を0.01dB以下に抑えることができる。また、コア配置が正方格子配置である場合、クラッド厚は20.3μm以上であることが好ましい。これにより、ファイバ長2kmあたりの被覆への吸収損失を0.01dB以下に抑えることができる。すなわち、コア配置が六方最密配置である場合、クラッド厚は20.3μm以上であることが好ましい。これにより、ファイバ長2kmあたりの被覆への吸収損失を0.01dB以下に抑えることができる。すなわち、コア配置が単リング配置である場合、クラッド厚は20.3μm以上であることが好ましい。なお、コアにゲルマニウムが添加された一般的な光ファイバの伝送損失は、1kmあたり0.18~0.30dB程度である。したがって、ファイバ長2kmあたりの0.01dB以下の吸収損失は、伝送損失と比べて無視し得る大きさである。
Oバンド通信への適用を想定したマルチコアファイバ1において、コアの配置が正方格子配置であり、クラッド径が80μmである場合、4コア(m=4)のマルチコアファイバ1を実現することができる(図13の(a)参照)。なお、図13の(a)に示したマルチコアファイバ1において、正方格子の格子点上に配置された4つの11a1~11a4の重心は、外側クラッド12cの中心に対して、図13の(a)における下方向に偏心した状態で配置されている。したがって、コア11a1,11a2は、特許請求の範囲における「第1コア」の一例であり、コア11a3,11a4は、特許請求の範囲における「第2コア」の一例である。
また、Oバンド通信への適用を想定したマルチコアファイバ1において、コアの配置が正方格子配置であり、クラッド径が125μm以下である場合、12コア(m=12)のマルチコアファイバ1を実現することができる(図13の(b)参照)。
また、Oバンド通信への適用を想定したマルチコアファイバ1において、コアの配置が六方最密配置であり、クラッド径が125μm以下である場合、12コア(m=12)のマルチコアファイバ1を実現することができる(図13の(c)参照)。
また、Oバンド通信への適用を想定したマルチコアファイバ1において、コアの配置が正方格子配置であり、クラッド径が150μm以下である場合、16コア(m=16)のマルチコアファイバ1を実現することができる(図13の(b)参照)。
なお、本願明細書に記載の80μm、125μm、及び150μmといったクラッド径は、いずれもマルチコアファイバ1の設計時に採用した設計値を意味する。実際に製造されたマルチコアファイバ1のクラッド径は、厳密に上記設計値に一致していなくてもよく、マルチコアファイバ1の製造工程(主に線引き工程)において生じ得る製造交差の範囲内に含まれていればよい。マルチコアファイバ1の製造工程(主に線引き工程)において生じ得る製造交差の範囲の一例としては、上記設計値を基準として±1μmが挙げられる。本願発明の各態様においては、クラッド径が上記設計値を基準として製造交差の範囲内に含まれる場合、そのマルチコアファイバ1のクラッド径は、設計値に略一致していると見做す。
〔実施例1〕
コア数が12、コア配置が正方格子配置、コア間距離が31μm、コア径が2.5μm、内側クラッド径が9μm、クラッド径が150μm、クラッド厚が26.0μmである、ファイバ長2kmのマルチコアファイバAを製造した。内側クラッドは、マルチコアファイバAの全長に亘って設けた。
この際、各コアには、ゲルマニウムを添加した。各コアに添加したゲルマニウムの濃度は10Wt%であった。また、内側クラッドには、フッ素、ゲルマニウム、及びリンを共添加した。内側クラッドに添加したフッ素の濃度は0.3Wt%であり、内側クラッドに添加したゲルマニウムの濃度は1.0Wt%であり、内側クラッドに添加したリンの濃度は0.6Wt%であった。これにより、内側クラッドの外側クラッドに対する比屈折率差は、-0.1%以上+0.1%以下となった。
マルチコアファイバAの光学特性を測定した結果を下記の表5に示す。
Figure 0007368089000006
マルチコアファイバAにおいて、波長1565nmにおけるファイバ長2kmあたりの2コア間クロストークは、-39dBとなった。また、マルチコアファイバAにおいて、波長1565nmにおけるファイバ長2kmあたりの合計クロストークは、-35dBとなった。すなわち、クロストークが十分に小さいマルチコアファイバが得られた。
マルチコアファイバAに、標準マルチコアファイバを融着接続した。ここで、標準マルチコアファイバとは、各コアの構造が、モードフィード径が8.6μmであるITU-T
G.657A1に準拠したシングルモードファイバのコアの構造と同一であり、コア数及びコア配置が、マルチコアファイバAと同一であり、クラッド径が150μmであるマルチコアファイバのことを指す。融着接続には、放電強度一定のアーク放電を用いた。融着接続により、マルチコアファイバ1の端部が加熱され、その結果、マルチコアファイバAの端部における各コアのモードフィールド径が、マルチコアファイバAの中間部における各コアのモードフィールド径よりも大きくなった。これにより、本実施形態に係る熱コア拡大後のマルチコアファイバ1(図2参照)の第1の実施例となるマルチコアファイバA’が得られた。
更に、クロストークの低減効果を確認するために、以下の実験を行った。すなわち、参考例として、コア数が12、コア配置が正方格子配置、コア間距離が31.0μm、コア径が3.8nm、コアΔ(コアのクラッドに対する比屈折率差)が0.365%である標準マルチコアファイバPを製造した。この標準マルチコアファイバPの光学特定を測定した結果、カットオフ波長は1203nm、波長1310nmにおける実効コア断面積Aeffは57.5μm、波長1550nmにおける実効コア断面積Aeffは73.63μm、波長1310nmにおけるモードフィールド径は8.6μm、波長1550nmにおけるモードフィールド径は9.87μmであった。次に、マルチコアファイバ1の実施例として、中間部におけるモードフィールド径を除き、標準マルチコアファイバと同様に構成されたマルチコアファイバQを製造した。このマルチコアファイバQの端部におけるモードフィールド径は、マルチコアファイバPの端部におけるモードフィールド径と一致した。また、このマルチコアファイバQの中間部におけるモードフィールド径(5.5μm)は、マルチコアファイバPの端部におけるモードフィールド径(8.6μm)よりも小さくなった。
これら2つのマルチコアファイバP,Qの各々に関して、曲げ半径を500mmとしたときに得られる、波長1565nmにおける2コア間クロストークの大きさを測定した。その結果、参考例に係るマルチコアファイバPに関して、曲げ半径を500mmとしたときに得られる、波長1565nmにおける2コア間クロストークの大きさは、ファイバ長20mあたり-10.3dBであった。一方、実施例に係るマルチコアファイバQに関して、曲げ半径を500mmとしたときに得られる、波長1565nmにおける2コア間クロストークの大きさは、ファイバ長2000mあたり-38.3dBであった。すなわち、実施例に係るマルチコアファイバQにおいて、顕著なクロストーク低減効果のあることが確かめられた。なお、後述する実施例2及び実施例3についても、同様の実験を行って、同様の結果が得られることが確かめられている。
〔実施例2〕
第1の実施例と同様、コア数が12、コア配置が正方格子配置、コア間距離が31μm、クラッド径が150μm、クラッド厚が26.0μmである、ファイバ長2kmのマルチコアファイバBを製造した。ただし、マルチコアファイバBにおいては、内側クラッドを設けなかった。すなわち、マルチコアファイバBにおいては、ゲルマニウムが添加されたコアの側面が、ドーパントが添加されていない外側クラッドで直接覆われている。なお、各コアに添加したゲルマニウムの濃度は10Wt%であった。
マルチコアファイバBの光学特性を測定したところ、マルチコアファイバAと同様の結果が得られた。また、2コア間クロストーク及び合計クロストークを測定したところ、マルチコアファイバAと同様の結果が得られた。
マルチコアファイバBに、第1の実施例と同様の方法で、上述した標準マルチコアファイバを融着接続した。融着接続により、マルチコアファイバ1の端部が加熱され、その結果、マルチコアファイバBの端部における各コアのモードフィールド径が、マルチコアファイバBの中間部における各コアのモードフィールド径よりも大きくなった。マルチコアファイバBはコアへのドーパント濃度が標準マルチコアファイバと比べて高いので、標準マルチコアファイバと比べてコア径拡大の効果が大きい。これにより、本実施形態に係る熱コア拡大後のマルチコアファイバ1(図2参照)の第2の実施例となるマルチコアファイバB’が得られた。なお、上述したマルチコアファイバBにおいては、ゲルマニウムが添加されたコアの側面が、ドーパントが添加されていない外側クラッドで直接覆われているがこれに限定されない。すなわち、ゲルマニウムが添加されたコアの側面が、ドーパントが添加されていない内側クラッドで直接覆われていて、さらに、当該内側クラッドの側面がドーパントが添加されていない外側クラッドで直接覆われたマルチコアファイバB’’を製造してもよい。このようなマルチコアファイバB’’の光学特性並びに2コア間クロストーク及び合計クロストークは、上述したマルチコアファイバBの光学特性並びに2コア間クロストーク及び合計クロストークと同様の結果が得られた。また、マルチコアファイバB’’に、第1の実施例と同様の方法により、上述した標準マルチコアファイバとの融着接続によって、熱コア拡大後のマルチコアファイバB’と同様のマルチコアファイバB’’’が得られる。したがって、以下に説明するマルチコアファイバBはマルチコアファイバB’’であってもよく、マルチコアファイバB’はマルチコアファイバB’’’であってもよい。
〔実施例3〕
マルチコアファイバAから、長さ5cmのマルチコアファイバA1、及び、長さ5cmのマルチコアファイバA2を切り出した。そして、マルチコアファイバBの一端にマルチコアファイバA1を融着接続する共に、マルチコアファイバBの他端にマルチコアファイバA2を融着接続することによって、マルチコアファイバCを製造した。マルチコアファイバCは、本実施形態に係る熱コア拡大前のマルチコアファイバ1(図1参照)の一実施例である。
マルチコアファイバCは、マルチコアファイバA1により構成される5cmの区間I1、マルチコアファイバA2により構成される5cmの区間I2、及び、マルチコアファイバBにより構成される2kmの区間I3により構成される。したがって、マルチコアファイバCにおいて生じるクロストークは、マルチコアファイバBにおいて生じるクロストークと同程度である。すなわち、マルチコアファイバCにおいても、波長1565nmにおけるファイバ長2kmあたりの2コア間クロストークは-39dB程度となり、波長1565nmにおけるファイバ長2kmあたりの合計クロストークは-35dB程度となる。
マルチコアファイバCに、第1の実施例と同様の方法で、上述した標準マルチコアファイバを融着接続した。融着接続時の加熱により、マルチコアファイバCの端部における各コアのモードフィールド径が、マルチコアファイバCの中間部における各コアのモードフィールド径よりも大きくなった。これにより、本実施形態に係る熱コア拡大後のマルチコアファイバ1(図2参照)の第3の実施例となるマルチコアファイバC’が得られた。
〔各実施例に係るマルチコアファイバの接続損失〕
図14の(a)は、マルチコアファイバA,B,Cに標準マルチコアファイバを融着接続する際の波長1310nmにおける接続損失の加熱時間(放電時間)依存性を示したグラフである。
図14の(a)から以下のことが分かる。マルチコアファイバA,Cと標準マルチコアファイバとの融着接続では、100s程度の加熱(アーク放電)によって、接続損失を0.1dB以下にすることができる。これは、マルチコアファイバA,Cでは、標準マルチコアファイバと融着接続される端部に熱拡散促進ドーパントである第2ドーパントが添加された内側クラッドが設けられており、コアに添加されたゲルマニウムの熱拡散速度が大きいためであると考えられる。また、マルチコアファイバBと標準マルチコアファイバとの融着接続においても、加熱時間(放電時間)が長くなるほど、接続損失が小さくなることが見て取れる。したがって、マルチコアファイバBと標準マルチコアファイバとの融着接続においても、加熱時間(放電時間)を十分に長くすれば、より正確には、マルチコアファイバA,Cに対する加熱時間よりも長くすれば、接続損失を十分に小さくすることができる。なお、加熱時間が長くなり過ぎると、マルチコアファイバA,B,Cのモードフィールド径が標準マルチコアファイバのモードフィールド径よりも大きくなって、逆に接続損失が増加する場合がある。このため、加熱時間は、これらの点を考慮して適切に決めることが好ましい。
図14の(b)は、マルチコアファイバA同士、マルチコアファイバB同士、マルチコアファイバC同士を融着接続する際の波長1310nmにおける接続損失の軸ずれ量d依存性を示したグラフである。融着接続における加熱時間(放電時間)は100sとした。
図14の(b)から以下のことが分かる。すなわち、各軸ずれ量dに対して、マルチコアファイバA同士及びマルチコアファイバC同士を融着接続する際の接続損失は、マルチコアファイバB同士を融着接続する際の接続損失よりも小さくなる。これは、マルチコアファイバA同士及びマルチコアファイバC同士を融着接続においても、100s程度の加熱(アーク放電)によって、端部におけるモードフィールド径が十分に拡大し、軸ずれに対するトレランスが十分に大きくなったからであると考えられる。なお、マルチコアファイバC同士の融着接続においても、端部におけるモードフィールド径が拡大し、軸ずれに対するトレランスが大きくなるという効果が認められる。ここで、端部に熱拡散促進ドーパントが添加されているマルチコアファイバA、Cの方が、端部に熱拡散促進ドーパントが添加されていないマルチコアファイバBよりも、より顕著な効果が得られる。
なお、マルチコアファイバAは、その製造に際して融着接続を要さず、その内部に融着接続点を含まない。したがって、その製造に関して融着接続工程を要さないというメリットがあり、その光学特性に関して融着接続点における接続損失が生じ難いというメリットがある。また、マルチコアファイバCは、その大部分を占める、マルチコアファイバBにより構成される区間I3において、内側クラッドを含まない。したがって、その製造に際して添加する必要のあるドーパントの量が少なく、その結果として、製造コストを抑え易いというメリットがある。
〔適用例1〕
本実施形態に係るマルチコアファイバ1は、例えば、光コネクタに適用することができる。マルチコアファイバ1を含む光コネクタについて、図15を参照して説明する。図15は、マルチコアファイバ1を含む光コネクタ100の構成を示す模式図である。なお、図15には、光コネクタ100の接続相手となる光コネクタ200の構成も併せて示している。
光コネクタ100は、コネクタ筐体101と、端部を熱コア拡大した後にコネクタ筐体101の内部に引き込まれたマルチコアファイバ1と、コネクタ筐体101の外部においてマルチコアファイバ1の側面を覆うシース102と、を備えている。光コネクタ200は、コネクタ筐体201と、コネクタ筐体201の内部に引き込まれたマルチコアファイバ2と、コネクタ筐体201の外部においてマルチコアファイバ2の側面を覆うシース202と、を備えている。なお、マルチコアファイバ2は、例えば、ITU-T G.657A1に準拠したシングルモードファイバと同一のコア構造を有するマルチコアファイバ(以下、「標準マルチコアファイバ」と記載する)である。コネクタ筐体101とコネクタ筐体201とを機械的に接続すると、マルチコアファイバ1の端面とマルチコアファイバ2の端面とが突き合せられ、その結果、マルチコアファイバ1の各コアとマルチコアファイバ2の各コアとが光学的に接続される。
マルチコアファイバ1の中間部における各コアのモードフィールド径は、マルチコアファイバ1の端部における各コアのモードフィールド径よりも小さくなっている。これにより、マルチコアファイバ1の中間部において生じ得る各種クロストークを小さく抑えることができる。また、マルチコアファイバ1の端部における各コアのモードフィールド径は、マルチコアファイバ2における各コアのモードフィールド径と同程度まで拡大されている。これにより、マルチコアファイバ1とマルチコアファイバ2との接続損失を小さく抑えることができる。
参考例として、熱コア拡大前のマルチコアファイバA(実施例1参照)をマルチコアファイバ1として用いた単芯SC型の光コネクタ100を製造した。そして、この光コネクタ100を、標準マルチコアファイバをマルチコアファイバ2として用いた単芯SC型の光コネクタ100と接続して接続損失を測定した。その結果、接続損失は0.6dB~1dBであった。
また、実施例として、熱コア拡大後のマルチコアファイバA’(実施例1参照)をマルチコアファイバ1として用いた単芯SC型の光コネクタ100を製造した。そして、この光コネクタを、標準マルチコアファイバをマルチコアファイバ2として用いた単芯SC型の光コネクタ100と接続して接続損失を測定した。その結果、接続損失は0.3dB以下であった。
これにより、熱コア拡大後のマルチコアファイバA’を用いた実施例に係る光コネクタ100は、熱コア拡大前のマルチコアファイバAを用いた参考例に係る光コネクタ100と比べて、標準マルチコアファイバを用いた光コネクタとの接続損失を小さく抑えられることが確かめられた。なお、コネクタの形態をSC型からFC型へと変更すれば、接続損失を更に小さく抑えられることが期待される。
なお、ここでは、光コネクタ200に含まれるマルチコアファイバ2として、標準マルチコアファイバを用いることを想定したが、本適用例は、これに限定されない。例えば、光コネクタ200に含まれるマルチコアファイバ2として、光コネクタ100に含まれるマルチコアファイバ1と同様のマルチコアファイバ、すなわち、端部を熱コア拡大されたマルチコアファイバ1を用いてもよい。
〔適用例2〕
本実施形態に係るマルチコアファイバ1は、例えば、ファンイン/ファンアウトデバイスに適用することができる。マルチコアファイバ1を含むファンイン/ファンアウトデバイスについて、図16を参照して説明する。図16の(a)は、マルチコアファイバ1を含む、ファイババンドル型のファンイン/ファンアウトデバイス300Aの構成を示す模式図である。図16の(b)は、マルチコアファイバ1を含む、平面光導波路型のファンイン/ファンアウトデバイス300Bを示す模式図である。
ファイババンドル型のファンイン/ファンアウトデバイス300Aは、図16の(a)に示すように、マルチコアファイバ1と、複数のシングルコアファイバ21~22と、屈折率整合樹脂体(又はキャピラリ)301とを備えている。シングルコアファイバ21~22の個数は、マルチコアファイバ1のコア数と同数、又は、それ以下である。シングルコアファイバ21~22は、それぞれ、マルチコアファイバ1のコアに接続されている。屈折率整合樹脂体301は、マルチコアファイバ1の端部及びシングルコアファイバ21~22の端部を包み込み、マルチコアファイバ1とシングルコアファイバ21~22とを一体化している。なお、シングルコアファイバ21~22は、例えば、ITU-T G.657A1に準拠したシングルモードファイバである。
ファンイン/ファンアウトデバイス300Aにおいては、マルチコアファイバ1の中間部における各コアのモードフィールド径が、各シングルコアファイバ21~22におけるコアのモードフィールド径よりも小さくなっている。これにより、マルチコアファイバ1の中間部において生じ得る各種クロストークを小さく抑えることができる。
また、ファンイン/ファンアウトデバイス300Aにおいては、マルチコアファイバ1の端部における各コアのモードフィールド径が、各シングルコアファイバ21~22におけるコアのモードフィールド径と同程度まで拡大されている。これにより、マルチコアファイバ1とシングルコアファイバ21~22との接続損失を小さく抑えることができる。
平面光導波路型のファンイン/ファンアウトデバイス300Bは、図16の(b)に示すように、マルチコアファイバ1と、複数のシングルコアファイバ21~22と、平面光導波路302と、を備えている。シングルコアファイバ21~22の個数は、マルチコアファイバ1のコア数と同数、又は、それ以下である。マルチコアファイバ1は、平面光導波路302の一方の端面に接続されている。シングルコアファイバ21~22は、それぞれ、平面光導波路302の他方の端面に接続されている。平面光導波路3には、マルチコアファイバ1の各コアと各シングルコアファイバ21~22のコアと繋ぐコアが形成されている。なお、マルチコアファイバ21~22は、例えば、ITU-T.G657A1に準拠したシングルモードファイバである。平面光導波路302は、筐体に収容されることなく、外部に露出している。
ファンイン/ファンアウトデバイス300Bにおいては、マルチコアファイバ1の中間部における各コアのモードフィールド径が、平面光導波路3における各コアのモードフィールド径、及び、各シングルコアファイバ21~22におけるコアのモードフィールド径よりも小さくなっている。これにより、マルチコアファイバ1の中間部において生じ得る各種クロストークを小さく抑えることができる。
また、ファンイン/ファンアウトデバイス300Bにおいては、マルチコアファイバ1の端部における各コアのモードフィールド径が、平面光導波路3における各コアのモードフィールド径、及び、各シングルコアファイバ21~22におけるコアのモードフィールド径と同程度まで拡大されている。これにより、平面光導波路3を介したマルチコアファイバ1とシングルコアファイバ21~22との接続損失を小さく抑えることができる。
〔変形例1〕
本実施形態に係るマルチコアファイバ1においては、内側クラッド12a1~12amにおける各ドーパントの濃度を同じにする構成を採用しているが、これに限定されない。すなわち、内側クラッド12a1~12amにおける各ドーパントの濃度を異ならせる構成を採用してもよい。より具体的に言うと、内側クラッド12a1~12amのうち、マルチコアファイバ1の中心軸Lに近いコアの側面を覆う内側クラッドにおける第2ドーパントの濃度を、内側クラッド12a1~12amのうち、マルチコアファイバ1の中心軸Lから遠いコアの側面を覆う内側クラッドにおける第2ドーパントの濃度よりも低くする構成を採用してもよい。
たとえば、コア11a1~11amのうち、マルチコアファイバ1の中心軸L(図1及び図2参照)に近いコアでは軸ずれ量が小さくなり易いのに対して、コア11a1~11amのうち、マルチコアファイバ1の中心から遠いコアでは軸ずれ量が大きくなり易い。これは、マルチコアファイバ1が中心軸Lを回転軸として微小回転したときに生じる各コア11aiの軸ずれ量は、マルチコアファイバ1の中心軸Lからコア11aiまでの距離riとマルチコアファイバ1の回転角θとの積ri×θに概ね一致するからである。したがって、内側クラッド12a1~12amのうち、マルチコアファイバ1の中心軸Lに近いコアの側面を覆う内側クラッドにおける第2ドーパントの濃度を低くし、内側クラッド12a1~12amのうち、マルチコアファイバ1の中心軸Lから遠いコアの側面を覆う内側クラッドにおける第2ドーパントの濃度を高くすれば、コア11a1~11amの接続損失を均一化し易くなる。第3ドーパントの濃度も、第2ドーパントの濃度と同様に設定すればよい。
図17の(a)は、コア数が12、コア配置が正方格子配置のマルチコアファイバ1(図3の(c)参照)に関して、全てのコア11a1~11a12の周囲(内側クラッド12a1~12a12)において、ゲルマニウム、リン、及びフッ素の重量パーセント濃度をそれぞれ1.0Wt%、0.6Wt%、及び0.3Wt%としたときに得られる、接続損失の回転角度ずれ依存性を示すグラフである。図17の(a)によれば、全てのコア11a1~11a12の周囲における各ドーパントの濃度を同じにした場合、外層のコア11a5~11a12の接続損失の方が内層のコア11a1~11a4の接続損失よりも大きくなることが確かめられる。
図17の(b)は、コア数が12、コア配置が正方格子配置のマルチコアファイバ1(図3の(c)参照)に関して、(1)内層のコア11a1~11a4の周囲(内側クラッド12a1~12a4)において、ゲルマニウム、リン、及びフッ素の重量パーセント濃度をそれぞれ0.5Wt%、0.3Wt%、及び0.1Wt%とし、(2)外層のコア11a5~11a12の周囲(内側クラッド12a5~12a12)において、ゲルマニウム、リン、及びフッ素の重量パーセント濃度をそれぞれ1.0Wt%、0.6Wt%、及び0.3Wt%としたときに得られる、接続損失の回転角度ずれ依存性を示すグラフである。図17の(b)によれば、内層のコア11a1~11a4の周囲における各ドーパントの濃度を、外層のコア11a5~11a12の周囲における各ドーパントの濃度よりも低くした場合、コア11a1~11amの接続損失が均一化されることが確かめられる。
〔変形例2〕
本実施形態に係る熱コア拡大前のマルチコアファイバ1においては、一方の端部を含む区間I1及び他方の端部を含む区間I2の両方に内側クラッド12a1~12am,12b1~12bmを設ける構成を採用しているが、これに限定されない。すなわち、一方の端部を含む区間I1にのみ内側クラッド12a1~12amを設ける構成を採用してもよいし、他方の端部を含む区間I2にのみ内側クラッド12a1~12amを設ける構成を採用してもよい。
また、本実施形態に係る熱コア拡大前のマルチコアファイバ1においては、全てのコア11a1~11amに対して内側クラッド12a1~12am,12b1~12bmを設ける構成を採用しているが、これに限定されない。すなわち、コア11a1~11amのうち、一部のコアに対してのみ内側クラッド12a1~12am,12b1~12bmを設ける構成を採用してもよい。
同様に、本実施形態に係る熱コア拡大後のマルチコアファイバ1においては、両方の端部において各コア11aiのモードフィールド径を拡大する構成を採用しているが、これに限定されない。すなわち、一方の端部のみにおいて各コア11aiのモードフィールド径を拡大する構成を採用してもよいし、他方の端部のみにおいて各コア11aiのモードフィールド径を拡大する構成を採用してもよい。
また、本実施形態に係る熱コア拡大前のマルチコアファイバ1においては、全てのコア11a1~11amの端部において熱コア拡大を図る構成を採用しているが、これに限定されない。すなわち、コア11a1~11amのうち、一部のコアの端部においてのみ熱コア拡大を図る構成を採用してもよい。
〔変形例3〕
本実施形態においては、コアにアップドーパントを添加することによって、コアの屈折率をクラッドの屈折率よりも高くしたマルチコアファイバについて説明したが、本発明の適用範囲は、これに限定されない。すなわち、本発明は、クラッドにダウンドーパント(例えば、フッ素)を添加することによって、クラッドの屈折率をコアの屈折率よりも低くしたマルチコアファイバ(以下、「純石英マルチコアファイバ」と記載する)に対しても適用することが可能である。
例えば、純石英マルチコアファイバの端部を加熱すると、クラッドに添加されたダウンドーパントがコアに熱拡散する。これにより、コアのクラッドに対する比屈折率差が小さくなり、その結果、端部におけるモードフィールド径が拡大する。したがって、本実施形態に係る熱コア拡大後のマルチコアファイバ1は、純石英マルチコアファイバの端部を加熱することによっても実現することができる。
また、熱コア拡大前の純石英マルチコアファイバに対して、以下のようにドーパントを添加すれば、クラッドに添加されたダウンドーパントのコアへの拡散速度を上げることができる。したがって、端部において所定のモードフィールド径を有する純石英マルチコアファイバを、短時間の加熱で得ることができる。
コア:ドーパントを添加しない。
内側クラッド:ダウンドーパント(第1ドーパント)、熱拡散促進ドーパント(第2ドーパント)、及び屈折率調整用ドーパント(第3ドーパント)を添加する。
外側クラッド:ダウンドーパント(第1ドーパント)を添加する。
ここで、熱拡散促進ドーパントとは、クラッド(内側クラッド及び外側クラッド)に添加されたダウンドーパントである第1ドーパントのコアへの拡散を促進するドーパントである。また、屈折率調整用ドーパントとは、内側クラッドに添加された熱拡散促進ドーパントである第2ドーパントによる屈折率変化を抑制あるいは相殺するためのドーパントである。第2ドーパントがアップドーパントである場合、ダウンドーパントが屈折率調整用ドーパントとして選択される。逆に、第2ドーパントがダウンドーパントである場合、アップドーパントが屈折率調整用ドーパントして選択される。熱拡散促進ドーパント、アップドーパント、及びダウンドーパントの例については、上述したとおりである。
〔変形例4〕
(マルチコアファイバの構造)の項に上述したように、内側クラッド12aiに第2ドーパント及び第3ドーパントが共添加されている場合、第3ドーパントの添加量は、内側クラッド12aiの外側クラッド12cに対する比屈折率差が-0.1%以上+0.1%以下になるように設定されている。しかし、本発明の一態様において、しかし、本発明の一態様において、特許請求の範囲に記載の第1内側クラッドの一例である内側クラッド12a1~12a4及び内側クラッド12b1~12b4の、外側クラッド12cに対する比屈折率差は、それぞれ、-0.1%未満であってもよい。ここで、内側クラッド12a1の、外側クラッド12cに対する比屈折率差が-0.1%未満とは、(1)外側クラッド12cの屈折率が、内側クラッド12a1の屈折率より大きく、かつ、(2)内側クラッド12a1と外側クラッド12cと比屈折率差の絶対値が0.1%よりも大きいことを意味する。なお、本願明細書においては、「AのBに対する比屈折率差が-0.1%未満」と記載した場合、(1)Bの屈折率がAの屈折率より大きく、かつ、(2)AとBと比屈折率差の絶対値が0.1%よりも大きいことを意味する。
また、本発明の一態様において、特許請求の範囲に記載の第2内側クラッドの一例である内側クラッド12a5~12a12及び内側クラッド12b5~12b12の、外側クラッド12cに対する比屈折率差は、それぞれ、-0.1%未満であってもよいし、特許請求の範囲に記載の第1内側クラッド及び第2内側クラッドの一例である内側クラッド12a1~12a12及び内側クラッド12b1~12b12の、外側クラッド12cに対する比屈折率差は、それぞれ、-0.1%未満であってもよい。
図18には、変形例4に係るマルチコアファイバ1であって、内側クラッド12aiの、外側クラッド12cに対する比屈折率差(Δt)は、-0.1%未満(例えば-0.3%)であるマルチコアファイバ1の屈折率分布を示す。なお、図18においては、コア11a1、内側クラッド12a1を用いてマルチコアファイバ1の屈折率分布を示している。
なお、例えば、内側クラッド12a1の屈折率は、第2ドーパントと、第2ドーパントを添加することにより生じる屈折率の変化を抑制あるいは相殺するように屈折率を変化させる第3ドーパントとを共添加し、第2ドーパント及び第3ドーパントの各々のドーパント濃度を調整することによって、所望の値にすることができる。
本変形例のマルチコアファイバ1によれば、隣接するコア間(例えばコア11a1とコア11a2との間)におけるクロストークを抑制することができる。したがって、本変形例のマルチコアファイバ1は、(1)変形前の(基準となる)マルチコアファイバ1と同じコア間距離を採用するのであれば、変形前のマルチコアファイバ1と比較してクロストークを抑制することができるし、(2)変形前のマルチコアファイバ1と同じクロストークを実現すればよいのであれば、コア間距離を縮小することにより外側クラッド12cのクラッド径を変化させることなくコア11amの数を増やすことができる。
本変形例のマルチコアファイバ1においては、2つのマルチコアファイバ1同士を加熱による内側クラッド12a1~12a4及び内側クラッド12b1~12b4に添加されていたドーパントの熱拡散の効果が共添加により促進される。したがって、本変形例のマルチコアファイバ1は、より効果的にモードフィールド径の拡大することができ、更に、外側クラッド12cよりも屈折率が低い内側クラッド12a1~12a4及び内側クラッド12b1~12b4によってクロストークを抑制する、又は、コア11amの密度を高めることができる。
本変形例のマルチコアファイバ1であって、波長1.31μmでのモードフィールド径が5.4μmであり、且つ、カットオフ波長が1.26μm以下となるマルチコアファイバ1の屈折分布の一例を表6に示す。
Figure 0007368089000007
〔変形例5〕
また、本発明の一態様において、特許請求の範囲に記載の第1内側クラッドの一例である内側クラッド12a1~12a4及び内側クラッド12b1~12b4の外側には、内側クラッド12a1~12a4及び内側クラッド12b1~12b4の側面を覆い、且つ、側面を外側クラッドにより覆われ、且つ、屈折率が内側クラッド12a1~12a4及び内側クラッド12b1~12b4並びに外側クラッド12cより低い第1低屈折率層が、設けられていてもよい。なお、この場合にも、内側クラッド12ai及び内側クラッド12biの各々には、第2ドーパントと、第3ドーパントとが共添加されている。
また、本発明の一態様において、特許請求の範囲に記載の第2内側クラッドの一例である内側クラッド12a5~12a12及び内側クラッド12b5~12b12の外側には、内側クラッド12a5~12a12及び内側クラッド12b5~12b12の側面を覆い、且つ、側面を外側クラッド12cにより覆われ、且つ、屈折率が内側クラッド12a5~12a12及び内側クラッド12b5~12b12並びに外側クラッド12cより低い第2低屈折率層が設けられていてもよい。
内側クラッド12b1~12b4の外側に低屈折率層(特許請求の範囲に記載の第2低屈折率層の一例)が設けられていてもよいし、内側クラッド12a1~12a4の外側に低屈折率層が設けられており、且つ、内側クラッド12b1~12b4の外側に低屈折率層が設けられていてもよい。また、本発明の一態様は、上述した第1低屈折率層及び第2低屈折率層を備えていてもよい。
図19には、変形例5に係るマルチコアファイバ1であって、内側クラッド12a1と外側クラッド12cとの間に第1低屈折率層13a1が設けられているマルチコアファイバ1の屈折率分布を示す。なお、図19においては、コア11a1、内側クラッド12a1、及び第1低屈折率層13a1を用いてマルチコアファイバ1の屈折率分布を示している。
図19に示すように、内側クラッド12a1の外側に第1低屈折率層13a1を設けることにより、隣接するコア間(例えばコア11a1とコア11a2との間)におけるクロストークを抑制することができる。内側クラッド12a1の屈折率は、上述したように第2ドーパントと第3ドーパントとを共添加し、第2ドーパント及び第3ドーパントの各々のドーパント濃度を調整することによって、所望の値にすることができる。本変形例では、内側クラッド12a1の外側クラッド12cに対する比屈折率差が-0.1%以上0.1%以下となるように内側クラッド12a1の屈折率を調整する。
第1低屈折率層13a1は、ダウンドーパント(例えば、フッ素)を添加することによって、内側クラッド12a1及び外側クラッド12cの各々に対する比屈折率差(Δt)が-0.1%未満(例えば-0.3%)になるように構成されている。また、第1低屈折率層13a1は、ダウンドーパントを添加する代わりに空孔により構成されていてもよい。
本変形例のマルチコアファイバ1は、変形例4に係るマルチコアファイバ1と同様に、(1)変形前の(基準となる)マルチコアファイバ1と同じコア間距離を採用するのであれば、変形前のマルチコアファイバ1と比較してクロストークを抑制することができるし、(2)変形前のマルチコアファイバ1と同じクロストークを実現すればよいのであれば、コア間距離を縮小することにより外側クラッド12cのクラッド径を変化させることなくコア11amの数を増やすことができる。
なお、本変形例のマルチコアファイバ1は、変形例4に係るマルチコアファイバ1と比較して第1低屈折率層13a1を備えているため、内側クラッド径(半径R2)が小さくなる傾向を有する。例えば、変形例4に係るマルチコアファイバ1の例では、半径R2がコア半径(半径R1)の3倍以上4倍以下であるのに対し、本変形例のマルチコアファイバ1の例では、半径R2が半径R1の1.5倍以上2倍以下である。そのため、本変形例のマルチコアファイバ1においては、内側クラッド12a1に添加する第2ドーパントの濃度を高めることによって、熱拡散効果を大きくすることが好ましい。
例えば、内側クラッド12a1に共添加するフッ素、ゲルマニウム、及びリンの重量パーセント濃度を、それぞれ1.2Wt%、2.8Wt%、及び1.0Wt%とすることによって、内側クラッド12a1の外側クラッド12cに対する比屈折率差を-0.1%以上0.1%以下の範囲内に納めることができる。
本変形例のマルチコアファイバ1であって、波長1.31μmでのモードフィールド径が5.4μmであり、且つ、カットオフ波長が1.26μm以下となるマルチコアファイバ1の屈折分布の一例を表7に示す。
Figure 0007368089000008
〔付記事項〕
本発明は上述した実施形態、変形例、又は実施例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態、変形例、又は実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1 マルチコアファイバ
11a1~11am コア
12 クラッド
12a1~12am 内側クラッド
12b1~12bm 内側クラッド
12c 外側クラッド
100 光コネクタ
300A,300B ファンイン/ファンアウトデバイス

Claims (15)

  1. 複数のコアを備えたマルチコアファイバにおいて、
    当該マルチコアファイバの一方又は両方の端部における上記コアのモードフィールド径は、当該マルチコアファイバの中間部における上記コアのモードフィールド径よりも大きく、
    上記コアのモードフィールド径は、上記端部と上記中間部との境界において上記コアの軸方向に対して滑らかに変化
    上記端部は、当該マルチコアファイバの端面を含み、
    上記端部において、上記端面から上記中間部に向かって、上記コアの径は上記端面を起点にしだいに小さくなり、上記コアの側面同士の間隔は上記端面を起点にしだいに広がる、
    ことを特徴とするマルチコアファイバ。
  2. 上記中間部における上記コアのモードフィールドが、波長1310nmにおいて8.2μmよりも小さいという条件、又は、波長1550nmにおいて9.6μmよりも小さいという条件の少なくとも一方を満たす、
    ことを特徴とする請求項1に記載のマルチコアファイバ。
  3. 上記中間部における上記コアのモードフィールドが、波長1310nmにおいて5.5μm以下であるという条件、又は、波長1550nmにおいて6.3μm以下であるという条件の少なくとも一方を満たす、
    ことを特徴とする請求項2に記載のマルチコアファイバ。
  4. 上記端部における上記コアのモードフィールド径が、波長1310nmにおいて7.0μm以上であるという条件、又は、波長1550nmにおいて7.9μm以上であるという条件の少なくとも一方を満たす、
    ことを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載のマルチコアファイバ。
  5. ファイバ長2kmあたりの合計クロストークが-30dB以下である、
    ことを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載のマルチコアファイバ。
  6. 上記端部における上記コアのモードフィールド径と上記中間部における上記コアのモードフィールド径との差が1.6μm以上である、
    ことを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載のマルチコアファイバ。
  7. クラッド径が177.5μm未満であり、上記コアの配置が正方格子配置であり、上記コアの個数が8個又は12個である、
    ことを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載のマルチコアファイバ。
  8. クラッド径が155.3μm未満であり、上記コアの配置が六方最密配置であり、上記コアの個数が12個である、
    ことを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載のマルチコアファイバ。
  9. クラッド径が125μm以下であり、
    上記複数のコアの個数が12である、
    ことを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載のマルチコアファイバ。
  10. クラッド径が150μm以下であり、
    上記複数のコアの個数が16である、
    ことを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載のマルチコアファイバ。
  11. クラッド径が80μm以下であり、
    上記複数のコアの数が4である、
    ことを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載のマルチコアファイバ。
  12. 上記マルチコアファイバの中心軸に近いコアのモードフィールド径が、当該マルチコアファイバの中心軸から遠いコアのモードフィールド径よりも小さい、
    ことを特徴とする請求項1~11の何れか1項に記載のマルチコアファイバ。
  13. 複数のコアと、上記複数のコアの各々の側面を覆うクラッドと、を備えたマルチコアファイバにおいて、
    当該マルチコアファイバの一方又は両方の端部における上記コアのモードフィールド径は、当該マルチコアファイバの中間部における上記コアのモードフィールド径よりも大きく、
    上記コアのモードフィールド径は、上記端部と上記中間部との境界において上記コアの軸方向に対して滑らかに変化し、
    上記複数のコアは、上記マルチコアファイバの中心軸に近いコアと、上記中心軸から遠い複数のコアとにより構成され、
    上記中心軸に近い上記コアのモードフィールド径が、上記中心軸から遠い上記複数のコアの全てのモードフィールド径よりも小さく、
    当該マルチコアファイバは、一方の端部を含む第1区間と、他方の端部を含む第2区間と、上記第1区間及び上記第2区間以外の第3区間と、を含み、
    上記クラッドは、少なくとも上記第1区間及び上記第2区間の一方又は両方において上記複数のコアの側面を覆う内側クラッドと、上記内側クラッドの側面を覆う外側クラッドと、を含み、
    上記コアには、アップドーパントである第1ドーパントが少なくとも添加されており、
    上記内側クラッドには、上記第1ドーパントの熱拡散を促進する第2ドーパントが少なくとも添加されており、
    上記外側クラッドには、当該第2ドーパントが添加されておらず、
    上記中心軸に近い上記コアの側面を覆う内側クラッドにおける上記第2ドーパントの濃度が、上記中心軸から遠い上記複数のコアの各々の側面を覆う全ての内側クラッドにおける上記第2ドーパントの濃度よりも低い、
    ことを特徴とするマルチコアファイバ。
  14. 請求項1~13の何れか1項に記載のマルチコアファイバを備えている、
    ことを特徴とする光コネクタ。
  15. 請求項1~13の何れか1項に記載のマルチコアファイバを備えている、
    ことを特徴とするファンイン/ファンアウトデバイス。
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