JP4118912B2 - 分散補償光ファイバの接続構造 - Google Patents

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Description

本発明は、シングルモード光ファイバと分散補償光ファイバとの接続構造、特に負の分散スロープを有する分散補償光ファイバとの接続構造に関する。
従来、1.3μm用シングルモード光ファイバなどのシングルモード光ファイバと、その波長分散を補償する分散補償光ファイバとを組み合わせた伝送路が実用化されている。
前記シングルモード光ファイバは有効コア断面積(Aeff)が比較的大きいため、非線形効果が抑制されるが、1.55μm帯などを使用波長帯とすると波長分散が大きくなるため、これを前記分散補償光ファイバにて補償することにより、低損失の伝送路を構築することができる。
特許第2951562号(特許文献1)においては、通常のシングルモード光ファイバと、その波長分散を補償するいわゆるW型と呼ばれる屈折率分布形状を備えた分散補償光ファイバとの間に中間光ファイバを介在させて接続する構造が開示されている。
この構造においては、中間光ファイバのモードフィールド径が分散補償光ファイバのモードフィールド径と実質的に同じ値とされている。また、この中間光ファイバのシングルモード光ファイバ側のモードフィールド径は、シングルモード光ファイバのモードフィールド径に合うように拡大されている。
その結果、中間光ファイバと分散補償光ファイバおよびシングルモード光ファイバとの接続損失が低減される。モードフィールド径の拡大は、中間光ファイバの端部を加熱して、そのコアに添加されているゲルマニウムなどのドーパントを拡散させることによって行う。
近年、波長多重伝送などの発達により、シングルモード光ファイバの波長分散のみならず、分散スロープも補償可能な分散補償光ファイバが開発されている。
分散スロープは波長を横軸、波長分散を縦軸にとったときのグラフの傾きであって、通常のシングルモード光ファイバは正の分散スロープを備えている。したがって、負の分散スロープを備えた分散補償光ファイバによって前記シングルモード光ファイバの分散スロープを補償すると、比較的広い波長帯域において平坦な波長分散特性が得られる。
ここで、本明細書において通常のシングルモード光ファイバとは、1.3μm用シングルモード光ファイバ、分散シフト光ファイバのように通常、光信号を伝搬する目的で用いられているものとする。
また、分散補償光ファイバもシングルモード伝搬可能なものが好ましい。
特許第2951562号公報
しかしながら、このような負の分散スロープを備えた分散補償光ファイバは、従来提案されていた波長分散のみを補償するタイプの分散補償光ファイバと屈折率分布形状などが異なり、特許第2951562号に開示されているようにモードフィールド径を基準として接続構造を構成しても十分に接続損失を低減することができなかった。特に融着接続を行うと、接続損失の増大が顕著となる傾向があった。
また、分散補償光ファイバには、その中で発生する非線形効果による伝送品質の劣化を防ぐために、有効コア断面積を拡大したものが提供されている。この有効コア断面積を拡大した分散補償光ファイバにおいては、さらに融着接続による接続損失の増大が大きくなる傾向があった。
本発明は前記事情に鑑てなされたもので、負の分散スロープを備えた分散スロープ補償型の分散補償光ファイバと接続用光ファイバなどの他の光ファイバとを低損失で接続できる構造を提供することを課題とする。
さらには、この接続用光ファイバの一方の端部に負の分散スロープを備えた分散補償光ファイバを接続し、他方の端部にこの分散補償光ファイバによって分散スロープが補償されるシングルモード光ファイバを接続した場合に低損失で接続できる構造を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために本発明者らが鋭意検討した結果、融着接続後のニアフィールドパターンが、負の分散スロープを備えた分散補償光ファイバの融着接続後のニアフィールドパターンと整合する様な光ファイバを用いることにより、この光ファイバと分散補償光ファイバとの接続損失を確実に低減することができることがわかった。
すなわち、第1ないし第8の発明は、負の分散スロープを備えた分散補償光ファイバと、該分散補償光ファイバとニアフィールドパターンが異なる接続用光ファイバとを融着接続し、これら光ファイバの融着接続後のニアフィールドパターンを整合してなる分散補償光ファイバの接続構造であって、前記接続用光ファイバとして、未接続の状態で、前記分散補償光ファイバの融着接続後のニアフィールドパターンと、当該接続用光ファイバの融着接続後のニアフィールドパターンとの重なり積分から求められる使用波長における理論的接続損失が、0.3dB以下となる接続用光ファイバを用い、未接続の状態の前記接続用光ファイバの有効コア断面積が、未接続の状態の前記分散補償光ファイバの有効コア断面積よりも大きく、未接続の状態の前記接続用光ファイバの有効コア断面積と、未接続の状態の前記分散補償光ファイバの有効コア断面積との差が、1〜35μm2であることをその構成の共通部分とし、さらに、それぞれ下記の構成を備えることを特徴とする。
第1の発明は、上述した分散補償光ファイバの接続構造の構成の共通部分を備え、前記接続用光ファイバは、センタコアと、その外周上に設けられたサイドコアと、その外周上に設けられたクラッドとを備え、センタコア、サイドコア、クラッドの順に屈折率が低くなっている階段型の屈折率分布形状を備え、クラッドを基準にしたセンタコアの比屈折率差が0.5%以上、1.0%以下であり、クラッドを基準にしたサイドコアの比屈折率差が0.07〜0.2%であり、さらに、センタコアの半径に対するサイドコアの半径の比率が2.5〜4.0であることを特徴とする。
第2の発明は、上述した分散補償光ファイバの接続構造の構成の共通部分を備え、前記接続用光ファイバは、センタコアと、その外周上に設けられたサイドコアと、その外周上に設けられたリングコアと、その外周上に設けられたクラッドとを備え、センタコアとリングコアの屈折率がクラッドの屈折率よりも高く、サイドコアの屈折率がクラッドの屈折率以上であって、センタコアとリングコアよりも低い屈折率を有し、クラッドを基準にしたセンタコアの比屈折率差が0.8%以上、1.2%以下であり、クラッドを基準にしたサイドコアの比屈折率差が+0.05〜+0.10%であり、クラッドを基準にしたリングコアの比屈折率差が0.2〜0.4%であり、センタコアの半径に対するサイドコアの半径の比率が3.2〜3.8であり、センタコアの半径に対するリングコアの半径の比率が4.0〜5.0であることを特徴とする。
第3の発明は、上述した分散補償光ファイバの接続構造の構成の共通部分を備え、前記接続用光ファイバが、コアと該コアの外周上に設けられたクラッドとを備え、前記接続用光ファイバのクラッドにフッ素が添加されており、そのフッ素の添加量が0.6重量%以上であることを特徴とする。
第4の発明は、上述した分散補償光ファイバの接続構造の構成の共通部分を備え、前記接続用光ファイバのコアに隣接する外側の層がフッ素添加石英ガラスからなり、そのフッ素の添加量が0.6重量%以上であることを特徴とする。
第5の発明は、上述した分散補償光ファイバの接続構造の構成の共通部分を備え、前記接続用光ファイバが、コアと該コアの外周上に設けられたクラッドとを備え、該クラッドにフッ素が添加されているとともに、前記接続用光ファイバのクラッドが2層以上からなり、当該クラッドの最外層が純粋石英からなることを特徴とする。
第6の発明は、上述した分散補償光ファイバの接続構造の構成の共通部分を備え、前記接続用光ファイバが、コアと該コアの外周上に設けられたクラッドとを備え、該クラッドにフッ素が添加されているとともに、前記接続用光ファイバのクラッドが2層以上からなり、コアに隣接するフッ素添加石英ガラスからなるクラッドの第1層の外径が45〜70μm、クラッドの最外層の外径が125μm程度であることを特徴とする
第7の発明は、上述した分散補償光ファイバの接続構造の構成の共通部分を備え、前記分散補償光ファイバが、センタコアと、該センタコアの外周上に設けられたサイドコアと、該サイドコアの外周上に設けられたリングコアと、該リングコアの外周上に設けられたクラッドとを備え、前記センタコアと前記リングコアの屈折率が前記クラッドよりも高く、前記サイドコアの屈折率が前記クラッドよりも低いものであり、前記分散補償光ファイバが、以下の(a−1)〜(d−1)に示した特性を備えていることを特徴とする。
a−1)使用波長における波長分散値が−60〜−45ps/nm/km、
(b−1)使用波長における分散スロープが−0.180〜−0.135ps/nm2/km、
(c−1)使用波長における有効コア断面積が20〜26μm2
(d−1)使用波長における伝送損失が0.35dB/km以下。
第8の発明は、上述した分散補償光ファイバの接続構造の構成の共通部分を備え、前記分散補償光ファイバが、センタコアと、該センタコアの外周上に設けられたサイドコアと、該サイドコアの外周上に設けられたリングコアと、該リングコアの外周上に設けられたクラッドとを備え、前記センタコアと前記リングコアの屈折率が前記クラッドよりも高く、前記サイドコアの屈折率が前記クラッドよりも低いものであり、前記分散補償光ファイバが、以下の(a−)〜(d−)に示した特性を備えていることを特徴とする。
(a−)使用波長における波長分散値が−45〜−35ps/nm/km、
(b−)使用波長における分散スロープが−0.150〜−0.100ps/nm2/km、
(c−)使用波長における有効コア断面積が26〜35μm2
(d−)使用波長における伝送損失が0.25dB/km以下。
の発明は、第1ないし第の何れか一つの発明の分散補償光ファイバの接続構造を備えていることを特徴とする伝送路である。
10の発明は、第1ないし第の何れか一つの発明の分散補償光ファイバの接続構造を備えていることを特徴とする分散補償器である。
11の発明は、第1ないし第の何れか一つの発明の分散補償光ファイバの接続構造を得ることを特徴とする分散補償光ファイバの接続方法である。
本発明においては、負の分散スロープを備えた分散補償光ファイバと融着接続する接続用光ファイバとして、未接続の状態で、前記分散補償光ファイバの融着接続後のニアフィールドパターンと当該接続用光ファイバの融着接続後のニアフィールドパターンとの重なり積分から求められる使用波長における理論的接続損失が0.3dB以下となる接続用光ファイバを用いることにより、負の分散スロープを備えた分散補償光ファイバと接続用光ファイバとを低損失で接続することができる。
その結果、分散補償光ファイバと、この分散補償光ファイバが補償するシングルモード光ファイバとを接続用光ファイバを介して低損失で接続することができる。
また、接続用光ファイバのクラッドにおいて、少なくともコアに隣接する層をフッ素添加石英ガラスから形成することにより、特に有効コア断面積が大きいシングルモード光ファイバとの接続損失をより低減することができる。
以下、本発明の一例を説明する。
なお、本発明において、使用波長は、伝送特性の観点から、好ましくは1.53〜1.63μmの範囲から適当な波長域が選択される。波長多重伝送を行う場合は比較的広い波長域が選択される。
図1は負の分散スロープを備えた分散補償光ファイバの融着接続時のニアフィールドパターンの変化を示したグラフである。ニアフィールドパターンはITUT規格に規定されたG.650に記載の方法によって測定することができる。具体的には、例えばファーフィールドパターンを測定し、この測定結果を逆フーリエ変換してニアフィールドパターンを得ることができる。なお、ニアフィールドパターンは光のパワーの分布によって表される。
このグラフにおいて、横軸は光ファイバの半径であり、縦軸は測定時に観測される光のパワーである。なお、縦軸のスケールはdBmであり、光のパワーで規格化したものである。
グラフ中の0、1000ms(ミリ秒)、1800msは、融着接続時の加熱時間を示している。加熱時間以外の温度などの条件はいずれも一定である。なお、0は融着接続前のニアフィールドパターンである。
このグラフから分かる様に負の分散スロープを備えた分散補償光ファイバは融着接続時の加熱によってニアフィールドパターンが容易に変化する。
通常の光ファイバにおいても、このようなニアフィールドパターンの変化が生じるが、負の分散スロープを備えた分散補償光ファイバは、その変化が顕著である。
図2、図3は負の分散スロープを備えた分散補償光ファイバの屈折率分布形状の例を示した説明図である。
図2はいわゆるW型の屈折率分布形状を示したもので、この屈折率分布形状においては、中心のセンタコア11と、その外周上に同心円状に設けられたサイドコア12とからコア13が構成され、その外周上に同心円状にクラッド15が設けられている。
これらの屈折率の関係は、前記センタコア11の屈折率が前記クラッド15よりも高く、前記サイドコア12の屈折率が前記クラッド15よりも低くなっている。
屈折率は屈折率を上昇させる作用を備えたゲルマニウム、屈折率を下降させる作用を備えたフッ素などのドーパントの添加によって調整される。
例えばセンタコア11はゲルマニウム添加石英ガラスなどからなり、サイドコア12はフッ素添加石英ガラスなどからなり、クラッド15は純粋石英ガラス、またはフッ素添加石英ガラスなどからなる。
そして、クラッド15を基準にしたセンタコア11の比屈折率差Δ1、クラッド15を基準にしたサイドコア12の比屈折率差Δ2、およびセンタコア11の半径r1とサイドコア12の半径r2との比率を調整すると、負の波長分散と負の分散スロープを備えた分散補償光ファイバが得られる。
図3は、いわゆるセグメント付きW型の屈折率分布形状を示したもので、この屈折率分布形状は、中心のセンタコア21と、サイドコア22と、リングコア24とが順次同心円状に設けられたコア23と、その外周上に同心円状に設けられたクラッド25とから構成されている。
センタコア21とリングコア24の屈折率はクラッド25よりも高く、サイドコア22の屈折率はクラッド25よりも低く設定されている。
また、この例において、リングコア24の屈折率はセンタコア21よりも低くなっている。
また、例えばセンタコア21、リングコア24はゲルマニウム添加石英ガラスなどからなり、サイドコア22はフッ素添加石英ガラスなどからなり、クラッド25は純粋石英ガラス、またはフッ素添加石英ガラスなどからなる。
そして、クラッド25を基準にしたセンタコア21の比屈折率差Δ11、クラッド25を基準にしたサイドコア22の比屈折率差Δ12、クラッド25を基準にしたリングコア24の比屈折率差Δ13、センタコア21の半径r11とサイドコア22の半径r12との比率、センタコア21の半径r11とリングコア24の半径r13との比率を調整すると、負の波長分散と負の分散スロープを備えた分散補償光ファイバが得られる。
本発明者らの検討の結果、負の分散スロープを備えた分散補償光ファイバにおいて、加熱によるニアフィールドパターンの変化が顕著である理由は以下の通りである。
負の分散スロープを備えた分散補償光ファイバに限らず、光ファイバのコアには通常ゲルマニウムなどの屈折率を上昇させる作用を備えたドーパントが添加されている。通常ゲルマニウムが好適に用いられるため、以下ゲルマニウムを例として説明する。
また、光ファイバを構成する各層の構成材料のガラス転移点の違いなどに起因して、ファイバ母材から光ファイバを線引きし、これが冷却、固化すると、光ファイバ内(主にコア)に応力が凍結される。これを残留応力という。
ついで、光ファイバを加熱すると、コアに添加されたゲルマニウムがクラッドに向かって拡散する。また、加熱による構成材料の軟化によって残留応力が解放される。
上述のようにゲルマニウムは屈折率を上昇させる作用を備えたものであるため、拡散によりコアの実効的な屈折率が低下する。また、残留応力の解放によってもコアの実効的な屈折率が低下する。その結果、コアへの光の閉じ込めが弱くなり、有効コア断面積が拡大するとともに、ニアフィールドパターンが拡大する。
負の分散スロープを備えた分散補償光ファイバにおいては、図2、図3に示したセンタコア11、21の比屈折率差Δ1、Δ11が、例えば1.0%以上であり、比較的高くなっている。そのため、ファイバ母材から光ファイバを線引きするにおいて、線引き張力を大きくして伝送損失の増加を抑制する必要があり、この張力が残留応力となる。したがって、残留応力が大きい。
また、センタコア11、21の外周上には通常、フッ素が添加されたサイドコア12、22が設けられている。ゲルマニウム添加石英ガラスからなる層に隣接する層にフッ素が添加されていると、ゲルマニウムの拡散が促進される。
そして、融着接続時の加熱によって大きな残留応力が解放され、かつ比較的多量のゲルマニウムの拡散が促進される状態にあるため、実効的な屈折率の低下が大きくなる。
センタコア11、21の実効的な屈折率が低下すると、コア13、23への光の閉じ込めが弱くなり、有効コア断面積とニアフィールドパターンがコア13、23の外側に拡大する。そして、加熱を続け、ニアフィールドパターンの拡大が進行すると、コア13、23を伝搬する伝搬モードのクラッドモードへの結合が生じ、接続損失がさらに大きくなる。
したがって、負の分散スロープを備えた分散補償光ファイバと、これに接続する接続用光ファイバにおいて、融着接続前のモードフィールド径が比較的近い場合であっても、融着接続後には分散補償光ファイバのニアフィールドパターンが大きく変化するため、接続損失が増加してしまう。
そこで、本発明者らは、融着接続後のニアフィールドパターンを整合させることにより、負の分散スロープを備えた分散補償光ファイバと接続用光ファイバとの接続損失を低減することを試みた。
その結果、ニアフィールドパターンが異なる分散補償光ファイバと接続用光ファイバとを接続する場合であっても、以下に示す条件にて融着接続後のニアフィールドパターンを整合させることにより、接続損失が低減できることが明かとなった。
具体的には、分散補償光ファイバの融着接続後のニアフィールドパターンと、接続用光ファイバの融着接続後のニアフィールドパターンとの重なり積分から求められる理論的接続損失が0.3dB以下、好ましくは0.1dB以下となることが推定される接続用光ファイバを用いることにより、低損失の接続を実現できる。理論的接続損失が0.3dBをこえる場合は接続損失が大きくなり、不都合である。なお、理論的接続損失は小さい程好ましいが、後述する分散補償光ファイバが補償するシングルモード光ファイバとの接続損失の観点から、実質的には0.05dB以上である。
また、理論接続損失は、屈折率分布形状、ドーパントの拡散速度、残留応力の大きさなどから推定することができる。実際は予備実験を行って確認することが好ましい。
前記理論的接続損失は以下のようにして求めることができる。
まず、未接続の状態で分散補償光ファイバの一端を融着接続時と同様の条件で加熱する。また、この分散補償光ファイバに接続する接続用光ファイバについても未接続の状態で同様に加熱する。
そして、これら分散補償光ファイバと接続用光ファイバのそれぞれについて、上述のITUT規格に規定された方法により、一端から光を入射し、他方の端部から出射する光のパワーの分布をファーフィールドパターン測定器にて測定し、逆フーリエ変換してニアフィールドパターンを得る。
そして、このようにして得られたニアフィールドパターンを1/2乗すると、電解強度分布を求めることができる。
そして、これらの電解強度を以下の式1に代入すると、これらのニアフィールドパターンの重なり積分から求められる理論的接続損失を算出することができる。
一般にニアフィールドパターンが同じであれば理論的接続損失はゼロであり、ニアフィールドパターンが似ているもの程、理論的接続損失は小さくなる。
Figure 0004118912
式1において、E1(r)とE2(r)は、それぞれ分散補償光ファイバと接続用光ファイバの電解強度である。
なお、接続用光ファイバのニアフィールドパターンは分散補償光ファイバのニアフィールドパターンと比べて加熱によってニアフィールドパターンが大きく変化しにくいものを選択すると好ましい。
この様な接続用光ファイバにおいては、融着接続前のニアフィールドパターンが分散補償光ファイバの融着接続後のニアフィールドパターンに近いもの、または加熱によってコアに添加されたゲルマニウムなどのドーパントが拡散し、ニアフィールドパターンが若干拡大することに鑑み、分散補償光ファイバの融着接続後のニアフィールドパターンよりもやや小さいニアフィールドパターンを備えた接続用光ファイバを選択すると、前記理論的接続損失の条件をより容易に満足することができる。
また、この様な理論的接続損失の条件を容易に満足するために、分散補償光ファイバと接続用光ファイバが以下の条件を満足すると好ましい。
すなわち、未接続の状態の接続用光ファイバの有効コア断面積が、未接続の状態の分散補償光ファイバの有効コア断面積よりも大きいことが好ましい。
その差は例えば1〜35μm2、好ましくは2〜25μm2である。1μm2未満では充分な効果を得ることができず、35μm2をこえると接続損失が大きくなる可能性がある。
また、前記接続用光ファイバの加熱による有効コア断面積の拡大速度が、前記分散補償光ファイバの加熱による有効コア断面積の拡大速度よりも小さいことが好ましい。接続用光ファイバの方が拡大速度が大きいと、ニアフィールドパターンが整合する前にクラッドモードへの結合が生じやすくなり、接続損失が大きくなりやすいためである。
加熱による有効コア断面積の拡大速度は例えば以下の様にして測定することができる。すなわち、所定の加熱温度条件において、加熱時間をパラメータとして、有効コア断面積の大きさを上述の様にファーフィールドパターン測定器によって求める。
そして、この拡大速度は、一定の加熱条件の拡大速度の値を比較したときに、接続用光ファイバの拡大速度に対する分散補償光ファイバの拡大速度の比が1.1〜8.0、好ましくは1.2〜7.0であると好ましい。1.1未満では充分な効果を得ることができず、8.0をこえると接続時の加熱時間の制御が困難となるおそれがある。
なお、拡大速度は加熱条件(特に加熱温度)に大きく依存するため、比較のためには加熱条件が一定の値を比較する必要がある。
また、接続損失低減の観点から、接続用光ファイバは、融着接続時に長時間加熱し、コアに添加されたゲルマニウムなどのドーパントが拡散しても、コアを伝搬する伝搬モードがクラッドモードと結合しにくいものが好ましい。したがって、伝搬モードとクラッドモードとの伝搬定数の差(Δβ)が大きいものを選択すると好ましい。Δβは例えば8000(rad/m)以上、好ましくは9000(rad/m)以上とされる。
接続用光ファイバとしては、例えば、センタコアと、その外周上に設けられたサイドコアと、その外周上に設けられたクラッドとを備え、センタコア、サイドコア、クラッドの順に屈折率が低くなっているいわゆる階段型の屈折率分布形状を備えたものを例示することができる。この階段型の屈折率分布形状において、例えばセンタコアとサイドコアはゲルマニウム添加石英ガラスなどから形成されている。クラッドについては後述する。
接続用光ファイバは分散補償光ファイバに対応して適宜選択されるため、構造パラメータなどの条件は特に限定されないが、クラッドを基準にしたセンタコアの比屈折率差は、加熱によるニアフィールドパターンの変化を抑制する観点から、1.0%以下、実質的には0.5%以上であると好ましい。
また、カットオフ波長の適性化、ニアフィールドパターンの適性化、曲げ損失の低減の観点から、クラッドを基準にしたサイドコアの比屈折率差は0.07〜0.2%が好ましい。
さらに、カットオフ波長の適性化、ニアフィールドパターンの適性化、曲げ損失の低減の観点から、センタコアの半径に対するサイドコアの半径の比率は2.5〜4.0が好ましい。
また、図3に示した屈折率分布形状と類似する屈折率分布形状であって、センタコアと、その外周上に設けられたサイドコアと、その外周上に設けられたリングコアと、その外周上に設けられたクラッドとを備え、センタコアとリングコアの屈折率がクラッドの屈折率よりも高く、サイドコアの屈折率がクラッドの屈折率以上であって、センタコアとリングコアよりも低い屈折率を有するものなどを例示することができる。
この屈折率分布形状において、例えばセンタコアとリングコアはゲルマニウム添加石英ガラス、サイドコアは純粋石英ガラス、ゲルマニウム添加石英ガラス、またはフッ素添加石英ガラスなどから形成されている。クラッドについては後述する。
接続用光ファイバは分散補償光ファイバに対応して適宜選択されるため、構造パラメータなどの条件は特に限定されないが、クラッドを基準にしたセンタコアの比屈折率差は、加熱によるニアフィールドパターンの変化を抑制する観点から、1.2%以下、実質的には0.8%以上であると好ましい。
また、カットオフ波長の適性化、ニアフィールドパターンの適性化、曲げ損失の低減の観点から、クラッドを基準にしたサイドコアの比屈折率差は+0.05〜+0.10%が好ましい。
また、カットオフ波長の適性化、ニアフィールドパターンの適性化、曲げ損失の低減の観点から、クラッドを基準にしたリングコアの比屈折率差は0.2〜0.4%が好ましい。
さらに、カットオフ波長の適性化、ニアフィールドパターンの適性化、曲げ損失の低減の観点から、センタコアの半径に対するサイドコアの半径の比率は3.2〜3.8が好ましい。
また、カットオフ波長の適性化、ニアフィールドパターンの適性化、曲げ損失の低減の観点から、センタコアの半径に対するリングコアの半径の比率は4.0〜5.0が好ましい。
接続用光ファイバと分散補償光ファイバとの融着接続の条件は特に限定しないが、例えば1800〜2300℃、0.8〜3秒程度の条件が好ましい。また、光を入射して光学特性をモニタしながら行うと好ましい。上述の様に拡大速度は同一の加熱条件における値を比較する。
また、接続用光ファイバの一方の端部は分散補償光ファイバと接続されるが、他方の端部は、好ましくはこの分散補償光ファイバによって補償される正の波長分散と分散スロープを備えたシングルモード光ファイバと融着接続される。なお、このときの接続用光ファイバの使用長さは例えば50cm以上、好ましくは20m以下とされる。50cm未満では長さが不十分で融着接続の操作性が低下したり、接続点で生じた損失分に相当する光がコアを伝搬するモードと結合してノイズとなる場合がある。また、20mをこえると伝送特性の観点から不都合となる場合がある。
このシングルモード光ファイバとしては、正の波長分散と分散スロープを有するものであり、使用波長において、有効コア断面積が好ましくは55μm2以上、さらに好ましくは80μm2以上、のものが用いられる。1.3μm用シングルモード光ファイバなどの通常のシングルモード光ファイバや分散シフト光ファイバなどのうち、有効コア断面積が55〜90μm2程度のものを用いることもできるが、有効コア断面積が、例えば100〜150μm2、好ましく120〜140μm2のものが特に好適である。この範囲の有効コア断面積を有するものは非線形効果が発生しにくく、伝送特性の向上に寄与する。
有効コア断面積が大きいシングルモード光ファイバとしては、例えばセンタコアと、その外周上に設けられたこのセンタコアよりも屈折率が低いサイドコアと、その外周上に設けられた、前記サイドコアよりも屈折率が高いクラッドからなる、いわゆるW型の屈折率分布形状などを備えた光ファイバなどを例示することができる。
また、有効コア断面積を拡大するために、クラッドを基準にしたセンタコアの比屈折率差は0.2〜0.25%、クラッドを基準にしたサイドコアの比屈折率差は−0.02〜−0.07%、センタコアの直径に対するサイドコアの直径の比率が3.5〜4.5であると好ましい。
なお、有効コア断面積が55〜90μm2のシングルモード光ファイバあるいは有効コア断面積100〜150μm2のシングルモード光ファイバのいずれを用いるかは、その用途、要求される特性などによって適宜判断される。
また、分散補償光ファイバ、接続用光ファイバ、およびシングルモード光ファイバにおいては、未接続の状態の前記分散補償光ファイバの有効コア断面積をA、未接続の状態の前記接続用光ファイバの有効コア断面積をB、未接続の状態の前記シングルモード光ファイバの有効コア断面積をCとしたとき、
A<B<C
であると好ましい。
また、前記分散補償光ファイバの加熱による有効コア断面積の拡大速度をD、前記接続用光ファイバの加熱による有効コア断面積の拡大速度をE、前記シングルモード光ファイバの加熱による有効コア断面積の拡大速度をFとしたとき、
F<E<D
であると好ましい。なお拡大速度の測定方法は上述の通りである。また、上述の様に拡大速度は同一の加熱条件における値を比較する。
上述の様に前記分散補償光ファイバと前記接続用光ファイバとを低損失で接続するためには、A<B、かつE<Dである必要がある。ここで、一般的にはA<Cの関係が成り立つ。したがって、前記分散補償光ファイバ、前記接続用光ファイバ、および前記シングルモード光ファイバを全て低損失で接続するためには、B<C、かつF<Eである必要がある。
ここで、BとCとの差は15〜130μm2、好ましくは20〜120μm2とされる。15μm2未満では接続時の加熱条件の制御が困難となり、130μm2をこえると前記接続用光ファイバと前記シングルモード光ファイバとの接続損失を充分に低減することができないおそれがある。
また、Fに対するEの比(E/F)は2〜15、好ましくは2.5〜10とされる。2未満では前記接続用光ファイバと前記シングルモード光ファイバとの接続損失が低減される前に前記接続用光ファイバにおいて、クラッドモードの結合が生じるため、低損失の接続を実現することができないおそれがあり、15をこえると、接続時の加熱時間の制御が困難となるおそれがある。
なお、接続用光ファイバは、上述のニアフィールドパターンの条件を満足するため、ほぼ分散補償光ファイバと同程度の有効コア断面積を有している傾向があり、上述の様に非線形効果抑制型(有効コア断面積拡大型)のシングルモード光ファイバとは、特に有効コア断面積の差が大きい。なお、負の分散スロープを備えた分散補償光ファイバの有効コア断面積は例えば16〜35μm2程度である。
したがって、接続用光ファイバとシングルモード光ファイバとの接続損失を低減するために、シングルモード光ファイバとの融着接続時には、接続用光ファイバを比較的長く加熱して、そのコアに添加されたゲルマニウムなどのドーパントをできるだけ拡散させて有効コア断面積を拡大すると好ましい。
このとき、コアに隣接する外側(コアの外周上)の層がフッ素添加石英ガラスからなる場合、ゲルマニウムなどドーパントの拡散が促進され、速やかに有効コア断面積を拡大することができる。
フッ素の添加量は0.6重量%以上、さらに好ましくは0.9〜1.5重量%の範囲が好ましい。0.6重量%未満では拡散促進効果が得られない。一方、1.5重量%をこえると、分散補償光ファイバとの融着接続においてニアフィールドパターンが変化しやすくなるため、不都合が生じるおそれがある。
しかしながら、ドーパントを添加すると石英ガラスの融点が低下する。そのため長時間の加熱により接続用光ファイバの外形が変形すると不都合である。
そこで、クラッドを二層以上とし、このうち、コアに隣接する層はフッ素添加石英ガラスから形成し、最外層を純粋石英ガラスから形成し、ドーパントの拡散を促すとともに外形の変形を防ぐようにすると好ましい。
クラッドを構成する各層の外径は接続用光ファイバとシングルモード光ファイバの有効コア断面積などによって適宜変更可能であるが、通常はコアに隣接するフッ素添加石英ガラスからなるクラッドの第1層の外径が45〜70μm、クラッドの最外層の外径が125μm程度であると好ましい。
融着接続およびコア径の拡大のための加熱の条件は特に限定しないが、例えば1800〜2300℃、10〜30秒とすると好ましい。
なお、分散補償光ファイバにおいては、有効コア断面積が大きい程伝送特性向上の観点から好ましい。
図2に示したW型の屈折率分布形状を備えた分散補償光ファイバにおいては、有効コア断面積が16μm2以上(実質的には20μm2以下)のものが好ましい。
図3に示したセグメント付きW型の屈折率分布形状を備えた分散補償光ファイバは、前記W型の屈折率分布形状を備えたものよりも有効コア断面積を拡大できる傾向がある。この分散補償光ファイバの有効コア断面積は、好ましくは18μm2以上(実質的には35μm2以下)とされる。
また、本発明に用いる分散補償光ファイバにおいて、分散スロープの値は、波長分散、有効コア断面積などの他の特性などによって変化する。よって、補償するシングルモード光ファイバの波長分散、分散スロープなどにあわせて適宜選択される。
本発明において、具体的には、例えば以下の様な特性を備えた分散補償光ファイバを用いると好ましい。
第1の例の分散補償光ファイバは、図3に示したセグメント付きW型の屈折率分布形状を備え、波長分散値が−60〜−45ps/nm/kmで、分散スロープが−0.180〜−0.135ps/nm2/kmで、有効コア断面積が20〜26μm2で、伝送損失が0.35dB/km以下(実質的には0.25dB/km以上)のものである。
この分散補償光ファイバは波長分散値が大きく、その結果伝送損失が小さいものである。また、分散スロープと有効コア断面積が大きいという特徴も有している。
なお、r12/r11は2.5〜5.0、r13/r11は4.0〜5.5、Δ11は0.8〜1.5%、Δ12は−0.3〜−0.45%、Δ13は0.4〜1.0%の範囲が好ましい。そして、これらの数値範囲から上述の好ましい特性を満足する値を組み合わせて選択すると好ましい。
第2の例の分散補償光ファイバは、図3に示したセグメント付きW型の屈折率分布形状を備え、波長分散値が−45〜−35ps/nm/kmで、分散スロープが−0.150〜−0.100ps/nm2/kmで、有効コア断面積が26〜35μm2で、伝送損失が0.25dB/km以下(実質的には0.20dB/km以上)のものである。
この分散補償光ファイバは波長分散値が第1の例の分散補償光ファイバよりも大きく、その結果、伝送損失がさらに小さいものである。また、分散スロープと有効コア断面積がさらに大きいという特徴も有している。
波長多重伝送においては、伝送損失を小さくかつ有効コア断面積を大きくすることが重要であることから、上記第2の例は好ましく適用され得る。
なお、r12/r11は2.5〜5.0、r13/r11は4.0〜5.5、Δ11は0.8〜1.5%、Δ12は−0.3〜−0.45%、Δ13は0.4〜1.0%の範囲が好ましい。そして、これらの数値範囲から上述の特性を満足させるように値を組み合わせて選択すると好ましい。
第3の例の分散補償光ファイバは、図3に示したセグメント付きW型の屈折率分布形状を備え、波長分散値が−100〜−80ps/nm/kmで、分散スロープが−0.300〜−0.230ps/nm2/kmで、有効コア断面積が18〜24μm2で、伝送損失が0.40dB/km以下(実質的には0.31dB/km以上)のものである。
この分散補償光ファイバは、波長分散値が小さく、その結果伝送損失が比較的大きいものである。また、第1の例の分散補償光ファイバと比較すると、分散スロープと有効コア断面積がやや小さくなる傾向がある。
12/r11は2.5〜4.0、r13/r11は2.7〜8.0、Δ11は1.2〜1.7%、Δ12は−0.25〜−0.45%、Δ13は0.2〜1.1%の範囲が好ましい。そして、これらの数値範囲から上述の好ましい特性を満足する値を組み合わせて選択すると好ましい。
図4は、本発明の接続構造に用いる各光ファイバのニアフィールドパターンの例を示したグラフである。
NO.1は1.3μm用シングルモード光ファイバなどの通常のシングルモード光ファイバ(有効コア断面積80μm2
NO.2は有効コア断面積135μm2のシングルモード光ファイバ
NO.3は融着接続と同様の条件で加熱した分散補償光ファイバ
NO.4は融着接続と同様の条件で加熱した接続用光ファイバのニアフィールドパターンである。
NO.3とNO.4のニアフィールドパターンはよく一致しており、この例の理論的接続損失は0.08dBである。
本発明の接続構造を備えた伝送路においては、分散補償光ファイバとシングルモード光ファイバとを接続用光ファイバを介して低損失で接続することができ、伝送特性の向上を図ることができる。
また、本発明の接続構造は分散補償器に適用することができる。
すなわち、分散補償器は分散補償光ファイバをモジュール化して提供するものである。例えば、直方体形などの筐体内に円筒体に巻き回された分散補償光ファイバを収納したものである。
本発明においては、例えば筐体内の分散補償光ファイバの両端にリードファイバとして接続用光ファイバをそれぞれ融着接続し、これらのリードファイバを筐体に設けられたふたつの孔からそれぞれ引き出した分散補償器を構成することができる。そして、これらの引き出されたリードファイバに伝送路に用いるシングルモード光ファイバを接続することにより、低損失の伝送路を構築することができる。
分散補償器に用いる円筒体と筐体は、例えば、金属、セラミックスなどから形成され、そのサイズなどは分散補償光ファイバの長さなどによって適宜変更可能である。
なお、伝送路や分散補償器においては、分散補償光ファイバ、シングルモード光ファイバ、接続用光ファイバ(リードファイバ)は、石英系ガラスからなる最外層(クラッド)の外周上に、紫外線硬化型樹脂などからなる被覆層が設けられた光ファイバ素線、またはその外周上にさらにナイロンなどからなる被覆層が設けられた光ファイバ心線などの形態で用いられる。
以下、本発明を実施例を示して詳しく説明する。
参考例1)
接続用光ファイバの両端に、負の分散スロープを備えた分散補償光ファイバとこの分散補償光ファイバによって補償されるシングルモード光ファイバとを融着接続し、ニアフィールドパターンと接続損失を測定した。なお、使用波長は1.55μmとし、用いた光ファイバの外径(クラッドの外径)はいずれも約125μmであった。なお、加熱による有効コア断面積の拡大速度は加熱温度に強く依存するため、この参考例1における値は参考値として例示した。なお、加熱条件はほぼ同一である。
分散補償光ファイバは、図3に示したセグメント付きW型の屈折率分布形状を備えたもので、その構造パラメータと特性は以下の通りであった。
また、センタコアとリングコアはゲルマニウム添加石英ガラス製、サイドコアはフッ素添加石英ガラス製、クラッドは純粋石英ガラス製とした。

11:1.8μm
12:5.8μm
13:7.1μm
Δ11:1.65%
Δ12:−0.35%
Δ13:0.5%
有効コア断面積:22μm2
モードフィールド径:5.3μm
波長分散:−93ps/nm/km
分散スロープ:−0.28ps/nm2/km
伝送損失:0.33dB/km
カットオフ波長:1.7μm
加熱による有効コア断面積の拡大速度:7.0μm2/sec
接続用光ファイバはセグメント付きW型の屈折率分布形状を備えたもので、融着接続前は分散補償光ファイバと異なるニアフィールドパターンを備えたものを用いた(融着接続前の理論的接続損失は0.7dB)。なおクラッドは1層構造とし、純粋石英ガラスから形成した。この接続用光ファイバの構造パラメータと特性は以下の通りであった。
また、センタコアはゲルマニウム添加石英ガラス製、サイドコアはフッ素とゲルマニウムを共添加した石英ガラス製、リングコアはゲルマニウム添加石英ガラス製とした。

クラッドを基準にしたセンタコアの比屈折率差:1.3%
クラッドを基準にしたサイドコアの比屈折差:0.01%
クラッドを基準にしたリングコアの比屈折差:0.35%
センタコアの半径:1.2μm
サイドコアの半径:8.3μm
リングコアの半径:9.4μm
モードフィールド径:6.2μm
有効コア断面積:24.5μm2
加熱による有効コア断面積の拡大速度:3.0μm2/sec
シングルモード光ファイバは、W型の屈折率分布形状を備えたもので、その構造パラメータと特性は以下の通りであった。
また、センタコアはゲルマニウム添加石英ガラス製、サイドコアはフッ素添加石英ガラス製、クラッドは純粋石英ガラス製とした。

クラッドを基準にしたセンタコアの比屈折率差:0.25%
クラッドを基準にしたサイドコアの比屈折差:−0.05%
センタコアの半径:6.8μm
サイドコアの半径:27μm
モードフィールド径:12.7μm
有効コア断面積:135μm2
波長分散:20ps/nm/km
分散スロープ: 0.06ps/nm2/km
伝送損失:0.19dB/km
カットオフ波長:1.6μm
加熱による有効コア断面積の拡大速度;2.0μm2/sec
分散補償光ファイバとの接続においては融着接続機を用い、約2200℃、2秒間加熱した。分散補償光ファイバの融着接続後のモードフィールド径は5.9μmであった。接続用光ファイバの融着接続後のモードフィールド径は殆ど変化しなかった。
シングルモード光ファイバとの接続においては融着接続機を用いて約2200℃、2秒間の条件で加熱して融着接続した後、接続用光ファイバの端部をさらに30秒間加熱してゲルマニウムを拡散させた。
分散補償光ファイバのニアフィールドパターンと接続用光ファイバのニアフィールドパターンの重なり積分から求められる理論的接続損失は0.11dBであった。接続損失の実測値を表1に示す。
参考例2
他のシングルモードファイバとして、単峰型の屈折率分布形状を備え、以下の構造パラメータを有する光ファイバを用いた。

クラッドを基準にしたコアの比屈折率差:0.31%
コア半径:4.5μm
モードフィールド径:10.1μm
有効コア断面積:83μm2
波長分散:16.5ps/nm/km
分散スロープ:0.057ps/nm2/km
伝送損失:0.196dB/km
カットオフ波長:1.2μm
加熱による有効コア断面積の拡大速度:1.1μm2/sec
シングルモード光ファイバとの接続においては融着接続機を用い、約2200℃、2秒間加熱した後、接続用光ファイバの端部をさらに20秒間加熱してゲルマニウムを拡散させた。
接続損失の実測値を表1に示す。
参考例3
他のシングルモードファイバとして、単峰型の屈折率分布形状を備え、以下の構造パラメータを有している光ファイバを用いた。

クラッドを基準にしたコアの比屈折率差:0.33%
コア半径:4.78μm
モードフィールド径:10.8μm
有効コア断面積:90μm2
波長分散:18.2ps/nm/km
分散スロープ:0.06ps/nm2/km
伝送損失:0.196dB/km
カットオフ波長:1.34μm
加熱による有効コア断面積の拡大速度:1.1μm2/sec
シングルモード光ファイバとの接続においては融着接続機を用い、約2200℃、2秒間加熱した後、接続用光ファイバの端部をさらに25秒間加熱してゲルマニウムを拡散させた。
接続損失の実測値を表1に示す。
参考例4
他のシングルモードファイバとして、セグメント付きW型の屈折率分布形状を備え、以下の構造パラメータを有している光ファイバを用いた。

クラッドを基準としたセンタコアの比屈折率差:0.5%
クラッドを基準としたサイドコアの比屈折率差:−0.11%
クラッドを基準としたリングコアの比屈折率差:0.18%
センタコア半径:3.5μm
サイドコア半径:5.9μm
リングコア半径:7.9μm
モードフィールド径:8.5μm
有効コア断面積:55μm2
波長分散:3ps/nm/km
分散スロープ:0.05ps/nm2/km
伝送損失:0.210dB/km
カットオフ波長:1.25μm
加熱による有効コア断面積の拡大速度:1.1μm2/sec
シングルモード光ファイバとの接続においては融着接続機を用い、約2200℃、2秒間加熱した後、接続用光ファイバの端部をさらに10秒間加熱してゲルマニウムを拡散させた。
接続損失の実測値を表1に示す。
(実施例
接続用光ファイバの両端に、負の分散スロープを備えた分散補償光ファイバとこの分散補償光ファイバによって補償されるシングルモード光ファイバとを融着接続し、ニアフィールドパターンと接続損失を測定した。なお、使用波長は1.55μmとし、用いた光ファイバの外径(クラッドの外径)はいずれも約125μmであった。なお、加熱による有効コア断面積の拡大速度は加熱温度に強く依存するため、本実施例における値は参考値として例示した。なお、加熱条件はほぼ同一である。
分散補償光ファイバは、図3に示したセグメント付きW型の屈折率分布形状を備えたもので、その構造パラメータと特性は以下の通りであった。
また、センタコアとリングコアはゲルマニウム添加石英ガラス製、サイドコアはフッ素添加石英ガラス製、クラッドはフッ素添加石英ガラス製とした。

11:2.0μm
12:5.7μm
13:6.9μm
Δ11:0.8%
Δ12:−0.37%
Δ13:0.4%
有効コア断面積:29μm2
モードフィールド径:6.1μm
波長分散:−40ps/nm/km
分散スロープ:−0.12ps/nm2/km
伝送損失:0.228dB/km
カットオフ波長:1.5μm
加熱による有効コア断面積の拡大速度:8.3μm2/sec
接続用光ファイバのクラッドは2層構造であり、コアに隣接する第1層は1.2重量%のフッ素を添加した石英ガラスから形成し、その半径は25μmとした。最外層(第2層)は純粋石英ガラスから形成した。
この接続用光ファイバの構造パラメータと特性は以下の通りであった。

クラッドの第1層を基準にしたセンタコアの比屈折率差:1.9%
クラッドの第1層を基準にしたサイドコアの比屈折差:0.05%
クラッドの第1層を基準にしたリングコアの比屈折差:0.38%
センタコアの半径:1.9μm
サイドコアの半径:6.9μm
リングコアの半径:8.5μm
モードフィールド径:6.3μm
有効コア断面積:35μm2
加熱による有効コア断面積の拡大速度:4.3μm2/sec
シングルモード光ファイバは、W型の屈折率分布形状を備えたもので、その構造パラメータと特性は以下の通りであった。
また、センタコアはゲルマニウム添加石英ガラス製、サイドコアはフッ素添加石英ガラス製、クラッドは純粋石英ガラス製とした。

クラッドを基準にしたセンタコアの比屈折率差:0.25%
クラッドを基準にしたサイドコアの比屈折差:−0.05%
センタコアの半径:6.8μm
サイドコアの半径:27μm
モードフィールド径:12.7μm
有効コア断面積:135μm2
波長分散:20ps/nm/km
分散スロープ:0.06ps/nm2/km
伝送損失:0.19dB/km
カットオフ波長:1.6μm
加熱による有効コア断面積の拡大速度;2.0μm2/sec
分散補償光ファイバとの接続においては融着接続機を用い、約2200℃、2秒間加熱した。分散補償光ファイバの融着接続後のモードフィールド径は6.4μmであった。接続用光ファイバの融着接続後のモードフィールド径は殆ど変化しなかった。
シングルモード光ファイバとの接続においては融着接続機を用いて約2200℃、2秒間の条件で加熱して融着接続した後、接続用光ファイバの端部をさらに30秒間加熱してゲルマニウムを拡散させた。
分散補償光ファイバのニアフィールドパターンと接続用光ファイバのニアフィールドパターンの重なり積分から求められる理論的接続損失は0.10dBであった。接続損失の実測値を表1に示す。
(実施例
接続用光ファイバのクラッドの構成を変更した以外は参考例1と同様にして接続構造を構成した。
すなわち、接続用光ファイバのクラッドは2層構造であり、コアに隣接する第1層は1.2重量%のフッ素を添加した石英ガラスから形成し、その半径は25μmとした。最外層(第2層)は純粋石英ガラスから形成した。
この接続用光ファイバの構造パラメータと特性は以下の通りであった。

クラッドの第1層を基準にしたセンタコアの比屈折率差:1.0%
クラッドの第1層を基準にしたサイドコアの比屈折差:0.05%
クラッドの第1層を基準にしたリングコアの比屈折差:0.38%
センタコアの半径:1.8μm
サイドコアの半径:6.7μm
リングコアの半径:8.2μm
モードフィールド径:5.7μm
有効コア断面積:24.7μm2
加熱による有効コア断面積の拡大速度:5.6μm2/sec
分散補償光ファイバの融着接続後のモードフィールド径は5.9μmであった。また、接続用光ファイバの融着接続後のモードフィールド径も変化し、5.9μmであった。
分散補償光ファイバのニアフィールドパターンと接続用光ファイバのニアフィールドパターンの重なり積分から求められる理論的接続損失は0.07dBであった。接続損失の実測値を表1に示す。
(比較例1)
接続用光ファイバの両端に、負の分散スロープを備えた分散補償光ファイバとこの分散補償光ファイバによって補償されるシングルモード光ファイバとを参考例1と同様にして融着接続し、ニアフィールドパターンと接続損失を測定した。
なお、使用波長は1.55μmとし、用いた光ファイバの外径はいずれも約125μmであった。
分散補償光ファイバは、図3に示したセグメント付きW型の屈折率分布形状を備えたもので、その構造パラメータと特性は以下の通りであった。
また、センタコアとリングコアはゲルマニウム添加石英ガラス製、サイドコアはフッ素添加石英ガラス製、クラッドは純粋石英ガラス製とした。

11:2.0μm
12:5.8μm
13:6.8μm
Δ11:1.0%
Δ12:−0.4%
Δ13:0.9%
有効コア断面積:26μm2
モードフィールド径:6.0μm
波長分散:−54ps/nm/km
分散スロープ:−0.15ps/nm2/km
伝送損失:0.3dB/km
カットオフ波長:1.6μm
加熱による有効コア断面積の拡大速度:8.5μm2/sec
接続用光ファイバは単峰型の屈折率分布形状を備えたもので、融着接続前は分散補償光ファイバと異なるニアフィールドパターンを備えたものを用いた(融着接続前の理論的接続損失は0.6dB)。なお単峰型とは、コアとその外周上に設けられたクラッドからなる2層構造のもので、このコアの屈折率がクラッドの屈折率よりも高くなっているものである。
なおクラッドは2層構造とし、第1層は0.4重量%のフッ素を添加したフッ素添加石英ガラスから形成し、その半径は30μmとした。最外層(第2層)は純粋石英ガラスから形成した。
この接続用光ファイバの構造パラメータと特性は以下の通りであった。
また、コアはゲルマニウム添加石英ガラス製とした。

クラッドの第1層を基準にしたコアの比屈折率差:1.0%
コアの半径:2.4μm
モードフィールド径:6.2μm
有効コア断面積:29μm2
加熱による有効コア断面積の拡大速度:7.2μm2/sec
シングルモード光ファイバは、参考例1と同様のものを用いた。
接続後の分散補償光ファイバのニアフィールドパターンと接続用光ファイバのニアフィールドパターンの重なり積分から求められる理論的接続損失は0.95dBであった。接続損失の実測値を表1に示す。
(比較例2)
接続用光ファイバは単峰型の屈折率分布形状を備えたもので、融着接続前は分散補償光ファイバと異なるニアフィールドパターンを備えたものを用いた(融着接続前の理論的接続損失は0.68dB)。なおクラッドは2層構造とし、第1層は0.3重量%のフッ素を添加したフッ素添加石英ガラスから形成し、その半径は30μmとした。最外層(第2層)は純粋石英ガラスから形成した。
この接続用光ファイバの構造パラメータと特性は以下の通りであった。
また、コアはゲルマニウム添加石英ガラス製とした。

クラッドの第1層を基準にしたコアの比屈折率差:1.2%
コアの半径:3.0μm
モードフィールド径:6.0μm
有効コア断面積:27μm2
加熱による有効コア断面積の拡大速度:7.1μm2/sec

分散補償光ファイバとシングルモード光ファイバは比較例1と同様のものを用いた。
接続後の分散補償光ファイバのニアフィールドパターンと接続用光ファイバのニアフィールドパターンの重なり積分から求められる理論的接続損失は0.90dBであった。接続損失の実測値を表1に示す。
Figure 0004118912
参考例1〜4、及び実施例1、2はそれぞれ比較例1、2と比較される。
参考例1〜4、及び実施例1、2の融着接続前の分散補償光ファイバと接続用光ファイバのモードフィールド径の差は、比較例1、2のそれと比べて大きい。
しかしながら、表1に示されるように、参考例1〜4、及び実施例1、2においては、比較例1、2よりも接続損失を低減することができた。特にクラッドにフッ素を添加した実施例1、2においては、シングルモード光ファイバとの接続損失が大幅に小さくなった。したがって、負の分散スロープを備えた分散補償光ファイバとの接続においては、融着接続後のニアフィールドパターンの整合が重要であることが明かとなった。
なお、比較のために各実施例、参考例、比較例に用いた分散補償光ファイバとシングルモード光ファイバとを直接融着接続したところ、接続損失は1.5dBをこえる値となった。
加熱による分散補償光ファイバのニアフィールドパターンの変化を示したグラフである。 本発明の接続構造に適したシングルモード光ファイバの一例として、W型の屈折率分布形状を示したグラフである。 本発明の接続構造に適した分散補償光ファイバの一例として、セグメントコア付きのW型の屈折率分布形状を示したグラフである。 各種光ファイバのニアフィールドパターンを示したグラフである。
符号の説明
11...センタコア、12...サイドコア、13...コア、15...クラッド、21...センタコア、22...サイドコア、23...コア、24...リングコア、25...クラッド

Claims (11)

  1. 負の分散スロープを備えた分散補償光ファイバと、該分散補償光ファイバとニアフィールドパターンが異なる接続用光ファイバとを融着接続し、これら光ファイバの融着接続後のニアフィールドパターンを整合してなる分散補償光ファイバの接続構造であって、
    前記接続用光ファイバとして、未接続の状態で、前記分散補償光ファイバの融着接続後のニアフィールドパターンと、当該接続用光ファイバの融着接続後のニアフィールドパターンとの重なり積分から求められる使用波長における理論的接続損失が、0.3dB以下となる接続用光ファイバを用い、
    未接続の状態の前記接続用光ファイバの有効コア断面積が、未接続の状態の前記分散補償光ファイバの有効コア断面積よりも大きく、
    未接続の状態の前記接続用光ファイバの有効コア断面積と、未接続の状態の前記分散補償光ファイバの有効コア断面積との差が、1〜35μm2であり、
    前記接続用光ファイバは、センタコアと、その外周上に設けられたサイドコアと、その外周上に設けられたクラッドとを備え、センタコア、サイドコア、クラッドの順に屈折率が低くなっている階段型の屈折率分布形状を備え、クラッドを基準にしたセンタコアの比屈折率差が0.5%以上、1.0%以下であり、クラッドを基準にしたサイドコアの比屈折率差が0.07〜0.2%であり、さらに、センタコアの半径に対するサイドコアの半径の比率が2.5〜4.0であることを特徴とする分散補償光ファイバの接続構造。
  2. 負の分散スロープを備えた分散補償光ファイバと、該分散補償光ファイバとニアフィールドパターンが異なる接続用光ファイバとを融着接続し、これら光ファイバの融着接続後のニアフィールドパターンを整合してなる分散補償光ファイバの接続構造であって、
    前記接続用光ファイバとして、未接続の状態で、前記分散補償光ファイバの融着接続後のニアフィールドパターンと、当該接続用光ファイバの融着接続後のニアフィールドパターンとの重なり積分から求められる使用波長における理論的接続損失が、0.3dB以下となる接続用光ファイバを用い、
    未接続の状態の前記接続用光ファイバの有効コア断面積が、未接続の状態の前記分散補償光ファイバの有効コア断面積よりも大きく、
    未接続の状態の前記接続用光ファイバの有効コア断面積と、未接続の状態の前記分散補償光ファイバの有効コア断面積との差が、1〜35μm2であり、
    前記接続用光ファイバは、センタコアと、その外周上に設けられたサイドコアと、その外周上に設けられたリングコアと、その外周上に設けられたクラッドとを備え、センタコアとリングコアの屈折率がクラッドの屈折率よりも高く、サイドコアの屈折率がクラッドの屈折率以上であって、センタコアとリングコアよりも低い屈折率を有し、クラッドを基準にしたセンタコアの比屈折率差が0.8%以上、1.2%以下であり、クラッドを基準にしたサイドコアの比屈折率差が+0.05〜+0.10%であり、クラッドを基準にしたリングコアの比屈折率差が0.2〜0.4%であり、センタコアの半径に対するサイドコアの半径の比率が3.2〜3.8であり、センタコアの半径に対するリングコアの半径の比率が4.0〜5.0であることを特徴とする分散補償光ファイバの接続構造。
  3. 負の分散スロープを備えた分散補償光ファイバと、該分散補償光ファイバとニアフィールドパターンが異なる接続用光ファイバとを融着接続し、これら光ファイバの融着接続後のニアフィールドパターンを整合してなる分散補償光ファイバの接続構造であって、
    前記接続用光ファイバとして、未接続の状態で、前記分散補償光ファイバの融着接続後のニアフィールドパターンと、当該接続用光ファイバの融着接続後のニアフィールドパターンとの重なり積分から求められる使用波長における理論的接続損失が、0.3dB以下となる接続用光ファイバを用い、
    未接続の状態の前記接続用光ファイバの有効コア断面積が、未接続の状態の前記分散補償光ファイバの有効コア断面積よりも大きく、
    未接続の状態の前記接続用光ファイバの有効コア断面積と、未接続の状態の前記分散補償光ファイバの有効コア断面積との差が、1〜35μm2であり、
    前記接続用光ファイバが、コアと該コアの外周上に設けられたクラッドとを備え、
    前記接続用光ファイバのクラッドにフッ素が添加されており、そのフッ素の添加量が0.6重量%以上であることを特徴とする分散補償光ファイバの接続構造。
  4. 負の分散スロープを備えた分散補償光ファイバと、該分散補償光ファイバとニアフィールドパターンが異なる接続用光ファイバとを融着接続し、これら光ファイバの融着接続後のニアフィールドパターンを整合してなる分散補償光ファイバの接続構造であって、
    前記接続用光ファイバとして、未接続の状態で、前記分散補償光ファイバの融着接続後のニアフィールドパターンと、当該接続用光ファイバの融着接続後のニアフィールドパターンとの重なり積分から求められる使用波長における理論的接続損失が、0.3dB以下となる接続用光ファイバを用い、
    未接続の状態の前記接続用光ファイバの有効コア断面積が、未接続の状態の前記分散補償光ファイバの有効コア断面積よりも大きく、
    未接続の状態の前記接続用光ファイバの有効コア断面積と、未接続の状態の前記分散補償光ファイバの有効コア断面積との差が、1〜35μm2であり、
    前記接続用光ファイバのコアに隣接する外側の層がフッ素添加石英ガラスからなり、そのフッ素の添加量が0.6重量%以上であることを特徴とする分散補償光ファイバの接続構造。
  5. 負の分散スロープを備えた分散補償光ファイバと、該分散補償光ファイバとニアフィールドパターンが異なる接続用光ファイバとを融着接続し、これら光ファイバの融着接続後のニアフィールドパターンを整合してなる分散補償光ファイバの接続構造であって、
    前記接続用光ファイバとして、未接続の状態で、前記分散補償光ファイバの融着接続後のニアフィールドパターンと、当該接続用光ファイバの融着接続後のニアフィールドパターンとの重なり積分から求められる使用波長における理論的接続損失が、0.3dB以下となる接続用光ファイバを用い、
    未接続の状態の前記接続用光ファイバの有効コア断面積が、未接続の状態の前記分散補償光ファイバの有効コア断面積よりも大きく、
    未接続の状態の前記接続用光ファイバの有効コア断面積と、未接続の状態の前記分散補償光ファイバの有効コア断面積との差が、1〜35μm2であり、
    前記接続用光ファイバが、コアと該コアの外周上に設けられたクラッドとを備え、該クラッドにフッ素が添加されているとともに、前記接続用光ファイバのクラッドが2層以上からなり、当該クラッドの最外層が純粋石英からなることを特徴とする分散補償光ファイバの接続構造。
  6. 負の分散スロープを備えた分散補償光ファイバと、該分散補償光ファイバとニアフィールドパターンが異なる接続用光ファイバとを融着接続し、これら光ファイバの融着接続後のニアフィールドパターンを整合してなる分散補償光ファイバの接続構造であって、
    前記接続用光ファイバとして、未接続の状態で、前記分散補償光ファイバの融着接続後のニアフィールドパターンと、当該接続用光ファイバの融着接続後のニアフィールドパターンとの重なり積分から求められる使用波長における理論的接続損失が、0.3dB以下となる接続用光ファイバを用い、
    未接続の状態の前記接続用光ファイバの有効コア断面積が、未接続の状態の前記分散補償光ファイバの有効コア断面積よりも大きく、
    未接続の状態の前記接続用光ファイバの有効コア断面積と、未接続の状態の前記分散補償光ファイバの有効コア断面積との差が、1〜35μm2であり、
    前記接続用光ファイバが、コアと該コアの外周上に設けられたクラッドとを備え、該クラッドにフッ素が添加されているとともに、前記接続用光ファイバのクラッドが2層以上からなり、コアに隣接するフッ素添加石英ガラスからなるクラッドの第1層の外径が45〜70μm、クラッドの最外層の外径が125μm程度であることを特徴とする分散補償光ファイバの接続構造。
  7. 負の分散スロープを備えた分散補償光ファイバと、該分散補償光ファイバとニアフィールドパターンが異なる接続用光ファイバとを融着接続し、これら光ファイバの融着接続後のニアフィールドパターンを整合してなる分散補償光ファイバの接続構造であって、
    前記接続用光ファイバとして、未接続の状態で、前記分散補償光ファイバの融着接続後のニアフィールドパターンと、当該接続用光ファイバの融着接続後のニアフィールドパターンとの重なり積分から求められる使用波長における理論的接続損失が、0.3dB以下となる接続用光ファイバを用い、
    未接続の状態の前記接続用光ファイバの有効コア断面積が、未接続の状態の前記分散補償光ファイバの有効コア断面積よりも大きく、
    未接続の状態の前記接続用光ファイバの有効コア断面積と、未接続の状態の前記分散補償光ファイバの有効コア断面積との差が、1〜35μm2であり、
    前記分散補償光ファイバが、センタコアと、該センタコアの外周上に設けられたサイドコアと、該サイドコアの外周上に設けられたリングコアと、該リングコアの外周上に設けられたクラッドとを備え、前記センタコアと前記リングコアの屈折率が前記クラッドよりも高く、前記サイドコアの屈折率が前記クラッドよりも低いものであり、
    前記分散補償光ファイバが、以下の(a−1)〜(d−1)に示した特性を備えていることを特徴とする分散補償光ファイバの接続構造。
    (a−1)使用波長における波長分散値が−60〜−45ps/nm/km、
    (b−1)使用波長における分散スロープが−0.180〜−0.135ps/nm 2 /km、
    (c−1)使用波長における有効コア断面積が20〜26μm 2
    (d−1)使用波長における伝送損失が0.35dB/km以下。
  8. 負の分散スロープを備えた分散補償光ファイバと、該分散補償光ファイバとニアフィールドパターンが異なる接続用光ファイバとを融着接続し、これら光ファイバの融着接続後のニアフィールドパターンを整合してなる分散補償光ファイバの接続構造であって、
    前記接続用光ファイバとして、未接続の状態で、前記分散補償光ファイバの融着接続後のニアフィールドパターンと、当該接続用光ファイバの融着接続後のニアフィールドパターンとの重なり積分から求められる使用波長における理論的接続損失が、0.3dB以下となる接続用光ファイバを用い、
    未接続の状態の前記接続用光ファイバの有効コア断面積が、未接続の状態の前記分散補償光ファイバの有効コア断面積よりも大きく、
    未接続の状態の前記接続用光ファイバの有効コア断面積と、未接続の状態の前記分散補償光ファイバの有効コア断面積との差が、1〜35μm2であり、
    前記分散補償光ファイバが、センタコアと、該センタコアの外周上に設けられたサイドコアと、該サイドコアの外周上に設けられたリングコアと、該リングコアの外周上に設けられたクラッドとを備え、前記センタコアと前記リングコアの屈折率が前記クラッドよりも高く、前記サイドコアの屈折率が前記クラッドよりも低いものであり、
    前記分散補償光ファイバが、以下の(a−2)〜(d−2)に示した特性を備えていることを特徴とする分散補償光ファイバの接続構造。
    (a−2)使用波長における波長分散値が−45〜−35ps/nm/km、
    (b−2)使用波長における分散スロープが−0.150〜−0.100ps/nm 2 /km、
    (c−2)使用波長における有効コア断面積が26〜35μm 2
    (d−2)使用波長における伝送損失が0.25dB/km以下。
  9. 請求項1〜のいずれか一項に記載の分散補償光ファイバの接続構造を備えていることを特徴とする伝送路。
  10. 請求項1〜のいずれか一項に記載の分散補償光ファイバの接続構造を備えていることを特徴とする分散補償器。
  11. 請求項1〜のいずれか一項に記載の分散補償光ファイバの接続構造を得ることを特徴とする分散補償光ファイバの接続方法。
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