JP7364074B2 - ジオポリマー硬化体の製造方法及びジオポリマー組成物の製造方法 - Google Patents

ジオポリマー硬化体の製造方法及びジオポリマー組成物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ジオポリマー硬化体の製造方法及びジオポリマー組成物の製造方法に関する。
近年、地球温暖化対策として、コンクリートに配合される材料についてもその製造過程において極力二酸化炭素(CO)を排出しないものの使用が検討されている。この点について、従来、コンクリートに配合されるセメントとしては、ポルトランドセメントが主に用いられているが、その製造過程において、大量の二酸化炭素(CO)を発生させることが課題となっている。そのため、ポルトランドセメントを用いないでコンクリートを製造する技術の一つとして、ジオポリマーが注目されている。
ジオポリマーは、バインダーとしてケイ酸の縮重合体を利用することで、粉体同士が接合した構造をとることが知られている。このジオポリマーに用いられる配合物は、主として非晶質のケイ酸アルミニウムを主成分とした粉体とアルカリ金属溶液である。前記粉体としては、カオリン、粘土、フライアッシュ、シリカフューム、高炉スラグ微粉末等が用いられ、前記アルカリ金属溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水ガラス、あるいはケイ酸カリウムなどが用いられている。これらに加えて、混和剤を前記アルカリ金属溶液に適宜に混合して硬化させることで、ポルトランドセメントを使用したモルタルと同様の硬化体が得られる。また骨材としてさらに粗骨材も加えることで、コンクリートと同様の硬化体が得られるのである。
従来のジオポリマー研究において、前記粉体としてはフライアッシュと高炉スラグ微粉末を混合したものが多く見られる。ここで前記のフライアッシュや高炉スラグ微粉末は、燃焼炉や高炉から副生物として大量に得られるものであり、これらを使用することは資源の有効利用の観点からも望ましい。しかしながら、ジオポリマーの研究において、骨材は、砂、砂利、砕石といった天然物が利用されており、高炉スラグ細骨材のような副生物を用いている研究例は、ほとんどない。従って、高炉スラグ細骨材を用いたジオポリマー組成物の凝結時間、当該ジオポリマー組成物から製造されたジオポリマー硬化体の強度、凍結融解抵抗性への影響を調査している研究は少ない。
このような背景から、以下に示すようなジオポリマー組成物を製造する方法や、ジオポリマー混和剤等が提案されている。例えば、特許文献1には、フライアッシュと高炉スラグとから構成されるフィラーとアルカリ溶液と骨材とを混練し、これを養生して硬化させるというジオポリマー組成物の製造方法が開示されている。特許文献1に記載されたこの方法では、フライアッシュに対して高炉スラグ微粉末を10%以上配合したジオポリマー組成物を提案している。
また、特許文献2には、オキシアルキレンアルキルエーテル系化合物からなる収縮低減剤と、脂肪族オキシカルボン酸系化合物からなる収縮低減助剤とを組み合わせたジオポリマー用混和剤が開示されている。この特許文献2に開示された混和剤は、フライアッシュと高炉スラグ微粉末を粉体として用いて、凝結時間の調整、流動性および乾燥収縮を改善するためのジオポリマー用添加剤である。
特許第6408454号公報 特開2017-202964号公報
しかしながら、上記従来技術には以下の問題がある。特許文献1では、フライアッシュに対する高炉スラグ微粉末の配合量が少なく、フライアッシュに対して高炉スラグ微粉末を30体積%までの配合結果しかない。さらに、特許文献1に記載されたジオポリマー組成物を製造する方法は、細骨材として天然砂のみを用いた開発となっている。このように、特許文献1に記載されたジオポリマー組成物を製造する方法において、フライアッシュに対して30体積%を超える高炉スラグ微粉末を配合し、さらに高炉スラグ細骨材を使用する場合には、高炉スラグ微粉末とアルカリ溶液の反応が増えて、ジオポリマー組成物の流動性が著しく低下し、施工性が困難になることが懸念される。
特許文献2では、いくつかの収縮低減助剤を提案して、ジオポリマーモルタルの乾燥収縮低減効果が得られることを開示している。ここではジオポリマー硬化体の骨材としては細骨材に川砂を、そして、粗骨材としては石灰砕石を使用した例が一例、示されている。
特許文献1、2では細骨材として天然の砂を使用しているが、天然物を使用することは、環境への影響が懸念されるところである。このような観点で細骨材として砂に代替する物が検討されてきている。そのような代替物の一つとして高炉スラグ細骨材を使用することが考えられる。しかしながら、高炉スラグ細骨材は、高炉スラグ微粉末の成分と同様であるため、アルカリ金属溶液と反応して硬化が促進するおそれがある。更には細骨材として高炉スラグ細骨材を使用することにより、ジオポリマー組成物の流動性が低下し、また、エントラップエアーが入りやすくなり、ブリージングが発生する。
本発明は、従来技術が抱えている上述した実情に鑑みて開発したものであり、その目的とするところは、骨材として、高炉スラグ細骨材を多量に使用した場合でもジオポリマー組成物の流動性の低下を防ぐことができる他、乾燥収縮の少ないジオポリマー硬化体を得ることができるジオポリマー硬化体の製造方法、ジオポリマー硬化体、さらにはジオポリマー組成物とその製造方法を提案することにある。
発明者らは、従来技術が抱えている前述した課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、原料として高炉スラグ細骨材を含む骨材と高炉スラグ微粉末を含む粉体とアルカリ金属溶液とグルコン酸と水とを混合することにより、高炉スラグ細骨材が多量に配合されたフレッシュ性状に優れたジオポリマー組成物を製造することができ、さらに上記ジオポリマー組成物を養生することによりコンクリートと同様の性質を有し、乾燥収縮性に優れたジオポリマー硬化体を製造できることを知見し、本発明を開発した。
本発明は、上記知見に基づきなされたものであり、その要旨は以下のとおりである。すなわち、本発明は以下に掲げる(1)及び(2)を提案する。
(1)高炉スラグ細骨材を含む骨材と、高炉スラグ微粉末を含む粉体と、アルカリ金属溶液と、グルコン酸と、水とを混練してジオポリマー組成物を製造する第1工程と、前記第1工程において製造されたジオポリマー組成物を養生する第2工程を含むジオポリマー硬化体の製造方法であって、前記ジオポリマー組成物に含まれる前記高炉スラグ細骨材の単位量が406~1412kg/mであることを特徴とする、ジオポリマー硬化体の製造方法。
なお、本発明にかかるジオポリマー硬化体の製造方法は、
(a)前記粉体は、フライアッシュを、前記高炉スラグ微粉末と前記フライアッシュとの体積比で10:90~100:0の割合で含むものであること、
(b)前記骨材中の細骨材として、前記高炉スラグ細骨材を前記細骨材中に50体積%以上含むこと、などがより好ましい解決手段になり得るものと考えられる
(2)高炉スラグ細骨材を含む骨材と、高炉スラグ微粉末を含む粉体と、アルカリ金属溶液と、グルコン酸と、水とを混練してジオポリマー組成物を製造するジオポリマー組成物の製造方法であって、前記ジオポリマー組成物に含まれる前記高炉スラグ細骨材の単位量が406~1412kg/mであることを特徴とするジオポリマー組成物の製造方法である
本発明によれば、ジオポリマー組成物に骨材として高炉スラグ細骨材を50体積%以上の割合で用いることができ、かつ、ジオポリマーの弱点といわれている乾燥収縮を小さくすることができる配合を作ることができた。また、本発明のジオポリマー硬化体の製造方法は、通常のジオポリマーで用いられる山砂、川砂、海砂や砕石工場で製造される砕砂等の天然の細骨材の使用を抑えられる。そのため、本発明のジオポリマー硬化体の製造方法により得られるジオポリマー硬化体は環境によりやさしいジオポリマー硬化体となった。
本発明の実施形態にかかるジオポリマー硬化体の製造方法を説明するためのフロー図である。 本発明の実施形態にかかるジオポリマー硬化体の製造方法を説明するためフロー図である。
〔第1実施形態〕
図1及び図2は、この実施形態にかかるジオポリマー硬化体の製造方法を示すフロー図である。図1は、ジオポリマー硬化体の前駆体となるジオポリマー組成物が粗骨材を含まない場合のジオポリマー硬化体の製造方法の基本構成フロー図であり、図2は、ジオポリマー硬化体の前駆体となるジオポリマー組成物が粗骨材を含む場合のジオポリマー硬化体の製造方法の基本構成フロー図である。図1及び図2に示されるように、この実施形態のジオポリマー硬化体の製造方法100は、高炉スラグ細骨材を含む骨材と、高炉スラグ微粉末を含む粉体と、アルカリ金属溶液と、グルコン酸と、水とを混練してジオポリマー組成物を製造する第1工程101と、前記第1工程において製造されたジオポリマー組成物を養生する第2工程102を含む。以下、各工程について説明する。
<ジオポリマー組成物を製造する第1工程>
この実施形態でジオポリマー硬化体の製造方法は、高炉スラグ細骨材を含む骨材と、高炉スラグ微粉末を含む粉体、あるいは更にフライアッシュを含む粉体と、アルカリ金属溶液と、グルコン酸と、水とを混練してジオポリマー組成物を製造する第1工程を含む。この実施形態のジオポリマー硬化体の製造方法により製造されるジオポリマー硬化体は、ジオポリマー組成物を養生して得られる。すなわち、第1工程において製造されるジオポリマー組成物は、ジオポリマー硬化体の前駆体である。ここで、ジオポリマーとは、高炉スラグ微粉末やフライアッシュなどのアルミナシリカ粉末と、ケイ酸ナトリウム水溶液や水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリシリカ溶液との反応によって得られる非晶質のポリマーの総称である。
第1工程において製造されるジオポリマー組成物の原料は、主として高炉スラグ微粉末(GGBF)を含む粉体、あるいは更にフライアッシュ(FA)を含む粉体、アルカリ溶液、グルコン酸、高炉スラグ細骨材(BFS)を含む骨材である。以下、第1工程において製造されるジオポリマー組成物に含まれる各成分について説明する。
(粉体)
粉体には、アルカリ溶液に溶解するケイ酸、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化カルシウムを含むものがよい。粉体の主成分は、アルカリの存在下においてジオポリマーの生成反応を示すガラス質(非晶質)を含んでいる。粉体の主成分として含まれているケイ素(Si)、アルミニウム(Al)は、アルカリ溶液に含まれているアルカリによって粉体から溶出し、脱水反応を伴う縮重合反応等を経由して、ケイ素(Si)-ケイ素(Si)縮合体であるジオポリマーを形成する。
粉体は、主成分として高炉スラグ微粉末(GGBF)を含む。すなわち、粉体には、高炉で溶銑を製造する際に副生される高炉水砕スラグを加工して得られる高炉スラグ微粉末を利用できる。あるいは上記粉体には、更に火力発電所において副生されるフライアッシュ(FA)やシリカフューム(SF)を加えてもよい。具体的に、上記高炉スラグ微粉末としては、JIS A 6206:2013に規定される規格品を使用することができる。また、上記フライアッシュ(FA)としては、例えば、JIS A 6201:2015に規定される規格品を使用することができる。
ジオポリマー組成物に含まれる粉体の配合量は、粗骨材を使用しない場合、高炉スラグ微粉末(GGBF)とフライアッシュ(FA)との合計で500~900kg/mに調整することが好ましい。粉体の配合量(単位量)が500kg/m以上であれば、乾燥収縮が少ないジオポリマー硬化体を製造するために必要なジオポリマー組成物を製造することができるため好ましい。粉体の配合量が900kg/m以下であれば、未反応の粉体が発生することないため好ましい。また、上記粉体の配合量は、粗骨材を使用する場合、高炉スラグ微粉末(GGBF)とフライアッシュ(FA)との合計で200~600kg/mに調整することが好ましい。なお、粉体に含まれる高炉スラグ微粉末(GGBF)とフライアッシュ(FA)との配合割合は、ジオポリマー組成物の凝結開始時間及び凝結終結時間を確保するために適宜設定される。本発明では、高炉スラグ微粉末(GGBF)とフライアッシュ(FA)の体積比や細骨材中の高炉スラグ細骨材の体積比等を最適化することで、好適なジオポリマー硬化体を得るが、それぞれの材料の体積比の計算は、配合表の単位体積質量をそれぞれの材料の密度で割っておこなうことができる。ここで密度とは、高炉スラグ微粉末(GGBF)とフライアッシュ(FA)はJIS R 5201:2015に規定される密度であり、細骨材はJIS A 1109:2020に規定される密度である。
また、第1工程において使用される粉体は、高炉スラグ微粉末(GGBF)を含む粉体、あるいは更にフライアッシュ(FA)を含む粉体を主成分とするものであるが、本発明の目的に反しない範囲で粘土鉱物の焼成物であるメタカオリン、もみ殻灰、油ヤシの搾りかすを焼成したパームアッシュ、廃ガラス、都市ごみ焼却灰、下水道汚泥の焼却灰等の産業副産物を他の成分として含めることができる。このように、第1工程において製造されるジオポリマー組成物は、高炉スラグ微粉末を含む粉体、あるいは更にフライアッシュ(FA)を含む粉体を主成分としているため、セメントコンクリートと比較すると、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)の量が多く、カルシウム(Ca)が少ないという特徴を有している。
(アルカリ溶液)
アルカリ溶液は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水ガラスまたはケイ酸カリウムとの化合物を含む水溶液が望ましい。ジオポリマーは、アルカリ源によって硬化するため、カリウムまたはナトリウムを含むアルカリ金属化合物を使用する必要がある。アルカリ金属化合物の量は、粉体中の高炉スラグ微粉末、フライアッシュおよびシリカフュームに含まれるケイ素(Si)の物質量とアルカリ溶液中のアルカリ金属(例えば、Na、K)の物質量との比(モル比)が1.0~6.0となるように調整するのが好ましい。その理由は、ケイ素(Si)の物質量とアルカリ金属の物質量との比(モル比)が1.0以上であれば、ケイ素(Si)の重合反応が十分に進行し、ケイ素(Si)の物質量とアルカリ金属の物質量との比(モル比)が6.0以下であれば、ジオポリマー組成物を養生して得られるジオポリマー硬化体が初期材齢であっても十分な強度を確保できるためである。
第1工程においてジオポリマー組成物を製造する際に使用されるアルカリ溶液の濃度は、ジオポリマー組成物に含まれる水分量、アルカリ(OH)の物質量を勘案して適宜設定することができる。例えば、アルカリ溶液として水酸化ナトリウム水溶液(密度1.5g/cm)を採択した場合には、水酸化ナトリウム水溶液の濃度を48質量%に設定することができる。単位水量は、アルカリ溶液、グルコン酸溶液に含まれる水分、ケイ素(Si)の縮合重合反応に伴い生成する水分を勘案して定めることができる。
単位水量は、必要な強度によって変動するが、粗骨材を使用しない場合は、100~300kg/mの範囲で調整するのが望ましい。また、粗骨材を使用する場合は、単位水量は60~200kg/mの範囲で調整するのが望ましい。単位水量は、アルカリ溶液、グルコン酸溶液に含まれる水分を勘案して定めることができる。単位水量がそれぞれの範囲の下限値以上であれば、ジオポリマー組成物の流動性を確保することができるため好ましい。また、単位水量がそれぞれの範囲の上限値以下であれば、乾燥収縮を抑えることができる。
(骨材)
ジオポリマー組成物に含まれる骨材は、高炉スラグ細骨材を含む。骨材は、高炉スラグ細骨材以外の細骨材を含んでいてもよい。骨材は、さらに粗骨材を含んでいてもよい。第1工程において製造されるジオポリマー組成物の原料である骨材としては、高炉スラグ細骨材を含む骨材が使用される。その粒度はJIS A 5011-1:2018の規格に適合するように調整したものが望ましい。骨材が高炉スラグ細骨材を含むことにより、ジオポリマー硬化体の乾燥収縮を低減する効果が期待できるからである。更には、骨材が細骨材として、細骨材に高炉スラグ細骨材が50体積%以上含まれていることが好ましい。
ジオポリマー組成物に含まれる骨材の配合量は、なるべく骨材容積率(ジオポリマー組成物の体積に占める骨材の体積)が高くなるように調整するのが望ましい。例えば、ジオポリマー組成物に粗骨材を配合しない場合は、骨材容積率は40%以上が望ましい。また、ジオポリマー組成物に粗骨材を配合する場合、骨材容積率は60%以上が望ましい。乾燥収縮量に大きな影響を与えるのは、ジオポリマー硬化体であるため、骨材容積率を高くすることで、ジオポリマー硬化体の量が少なくなり、乾燥収縮量を小さくすることができる。一般的にジオポリマー硬化体の乾燥収縮量を小さくする方法の一つとして、粗骨材容積率を高くすることが挙げられる。また、粗骨材は一般的に安く購入することができ、粗骨材容積率(ジオポリマー組成物の体積に占める粗骨材の体積)を高くすることは、ジオポリマー組成物成分を混錬して得られる混錬物の価格を抑えることにもつながり、より経済的であり、好ましい。
細骨材の吸水率は、3.5%以下であることが好ましい。細骨材の吸水率が3.5%以下であれば、第1工程において製造されるジオポリマー組成物の品質を均一に保持することができるため好ましい。同様の理由から、細骨材の表乾密度は、2.5g/cm以上であることが望ましい。
粗骨材としては、高炉スラグ粗骨材、一般的にコンクリートに利用される天然の粗骨材、または、それぞれをJIS規格の粒度に収まるように粒度を調整した粗骨材を利用してもよい。例えば、粗骨材としてはJIS A1110:2020に規定された天然の骨材を用いることができる。この粗骨材の吸水率は、上記細骨材が採択された同様の理由から3.0%以下であることが望ましい。また、粗骨材の表乾密度は2.5g/cm以上であることが望ましい。
(グルコン酸)
さらに、この実施形態のジオポリマー硬化体の製造方法の第1工程で製造されるジオポリマー組成物は、その流動性を確保し硬化を遅延させる目的で、混和剤としてグルコン酸を含む。すなわち、本実施形態のジオポリマー硬化体の製造方法は、ジオポリマー硬化体の前駆体であるジオポリマー組成物の原料としてグルコン酸を含有している点に技術的特徴を有している。グルコン酸は、脂肪族のオキシカルボン酸であり、ジオポリマー組成物の硬化遅延効果を有している。
第1工程で製造されるジオポリマー組成物には、高炉スラグ微粉末(GGBF)を含む粉体、あるいは更にフライアッシュ(FA)を含む粉体と高炉スラグ細骨材が原料として含まれている。このため、従来の混和剤を添加しただけでは、粉体と高炉スラグ細骨材とに含まれるケイ素(Si)及びアルミニウム(Al)とアルカリ溶液中のアルカリとの反応が増えてジオポリマーが多量に生成し、ジオポリマー組成物の流動性が著しく低下する。流動性が低下したジオポリマー組成物の施工性は著しく低下する。その結果、流動性が低下したジオポリマー組成物を用いて、所望のジオポリマー硬化体を製造することは困難となる。
この点、この実施形態に係るジオポリマー硬化体の製造方法では、第1工程で製造されるジオポリマー組成物に脂肪族のオキシカルボン酸であるグルコン酸を混和剤として添加することによってジオポリマー組成物の流動性を改善することができる。ジオポリマー組成物に含まれるグルコン酸は、第1工程で製造されるジオポリマー組成物に含まれている高炉スラグ微粉末から供給されるカルシウムイオン(Ca2+)をキレート化してイオン封鎖することによって、アルカリ溶液中のアルカリとの反応を抑制するものと考えられる。その結果、ジオポリマー組成物の流動性を確保することができ、ジオポリマー組成物の硬化を遅延させることができる。
グルコン酸として、グルコン酸水溶液(密度1.8g/cm、質量パーセント濃度50%)を採択し、ジオポリマー組成物の成分として配合する場合には、上記グルコン酸水溶液を0.1~60kg/mで使用することが望ましい。その理由は、ジオポリマー組成物の材料コストが高くなることや、ジオポリマー組成物の水分量が増加し、ジオポリマー組成物の硬化遅延の影響が出るからである。なお、上記グルコン酸の使用量は、より好ましくは1~40kg/mであり、より好ましくは2~40kg/mである。
(混錬)
混錬(工程)は、上記各種材料を各種機械式のミキサに入れて攪拌、混合することにより行われる。混錬に使用するミキサは、上記各種材料を十分に撹拌することにより、ケイ素(Si)及びアルミニウム(Al)の縮合重合反応を進行させてジオポリマー組成物を製造することができるものであれば、特に限定されない。例えば、混錬に使用するミキサとしては、セメントコンクリートと同様のモルタルミキサ(JIS R5201準拠)やパン型ミキサ、強制二軸式ミキサ等を使用することができる。
例えば、この混錬工程の処理としては、活性フィラーである高炉スラグ微粉末(GGBF)を含む粉体、あるいは更にフライアッシュ(FA)を含む粉体と高炉スラグ細骨材を含む骨材とを上記ミキサに投入し、これらの混合物を予め空練りした後に、アルカリ溶液を添加する条件下において行うことが好ましい。また、混錬を低速度及び高速度の2段階の速度で行ってもよい。
<ジオポリマー組成物を養生する第2工程>
この実施形態のジオポリマー硬化体の製造方法では、第1工程において製造されたジオポリマー組成物を養生する第2工程を含む。その理由は、ジオポリマー組成物を養生することにより、ジオポリマー組成物中に含まれるケイ素(Si)及びアルミニウム(Al)とアルカリ溶液に含まれるアルカリとの反応が十分に進行する結果、ジオポリマー硬化体が製造されるからである。上記ジオポリマー組成物を養生する第2工程は、常温養生、または蒸気養生で行うことが好ましい。常温養生は、気中養生(例えば、温度20℃、湿度60%RH)であっても、水中養生(例えば、温度20℃)であってもよい。一方、蒸気養生は、所定の温度、所定の湿度に保持することができる装置を用いて行うことが好ましい。なお、ジオポリマー硬化体の初期強度を増加させることを目的として、前置き養生としての気中養生と60~80℃の蒸気により熱を与える蒸気養生とを組み合わせて施してもよい。
第1工程で製造されたジオポリマー組成物は、モールド(型枠)内に充填される。そのモールド(型枠)内には、ジオポリマー組成物を型枠から取り出し易くするためにワックス等の離型剤を塗布してもよい。型枠としては、コンクリート型枠として従来用いられているものと同様の木材や、鋼等の金属からなるものを用いることができる。離型剤としては、石油ワックス、動植物ワックス、鉱物ワックス、合成ワックス等を例示することができる。
モールド(型枠)に充填されたジオポリマー組成物の養生期間は、ジオポリマー組成物に含まれるケイ素(Si)、アルミニウム(Al)及びカルシウム(Ca)とアルカリ溶液に含まれるアルカリとの反応を十分に進行させた後、ジオポリマー硬化体が生成するように適宜設定される。例えば、上記ジオポリマー組成物の養生期間をジオポリマー組成物の性状に合わせて1日、3日、7日、28日、91日等と設定することができる。ただ、実際の施工や製品製造においては、生産性や工期を考慮して、湿潤養生期間として通常のコンクリートと同じ5~9日間が望ましい。
この実施形態のジオポリマー硬化体の製造方法に含まれる第2工程においてジオポリマー組成物は、硬化してジオポリマー硬化体となる。
以上、第1実施形態のジオポリマー硬化体の製造方法によれば、ジオポリマー硬化体の前駆体であるジオポリマー組成物の流動性(例えば、ジオポリマー組成物が粗骨材を含まない場合はモルタルフロー、ジオポリマー組成物が粗骨材を含む場合はスランプまたはスランプフロー)を向上させ、そのフレッシュ性状を改善することができると共に、乾燥収縮の少ないジオポリマー硬化体の製造が可能である。また、第1実施形態のジオポリマー硬化体の製造方法によれば、通常のジオポリマー硬化体で用いられる天然の細骨材を利用しなくてもよいため自然破壊を招くことがなく、環境によりやさしいジオポリマー硬化体が得られる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係るジオポリマー硬化体の製造方法について説明する。この実施形態に係るジオポリマー硬化体の製造方法は、上記第1実施形態のジオポリマー硬化体の製造方法の第1工程において使用される粉体がフライアッシュを、高炉スラグ微粉末とフライアッシュとを体積比で10:90~100:0の割合で含む点に特徴を有している。
この実施形態のジオポリマー硬化体の製造方法においては、高炉スラグ微粉末とフライアッシュとの配合割合が体積比で10:90であれば、フライアッシュに含まれるケイ素(Si)等の縮合重合反応が促進されるため好ましい。また、高炉スラグ微粉末とフライアッシュとの配合割合が体積比で100:0であれば、高炉スラグ微粉末を多く用いることができ、ジオポリマー硬化体の強度を確保することができるため好ましい。このように、本実施形態のジオポリマー硬化体の製造方法は、第1工程において製造されるジオポリマー組成物がグルコン酸を含んでいるので、粉体として高炉スラグ微粉末を多量に含む粉体を用いてもその流動性を確保することができ、ジオポリマー組成物の急速な硬化を遅延させることができる。そして、本実施形態のジオポリマー硬化体の製造方法は、上記ジオポリマー組成物を養生することにより乾燥収縮の少ないジオポリマー硬化体を得ることができる。
以上、第2実施形態のジオポリマー硬化体の製造方法によれば、フライアッシュを、高炉スラグ微粉末とフライアッシュとを体積比で10:90~100:0の割合で含む粉体を用いることで、ジオポリマー組成物の凝結開始時間及び凝結終結時間を十分に確保することができるとともに施工性に優れたジオポリマー組成物を得ることができ、ひいては、コンクリート二次製品として好ましい品質を示す乾燥収縮の少ないジオポリマー硬化体を製造することができるようになる。
〔第3実施形態〕
次に、この実施施形態に係るジオポリマー硬化体の製造方法について説明する。この実施形態のジオポリマー硬化体の製造方法は、上記実施形態のジオポリマー硬化体の製造方法の第1工程において製造されるジオポリマー組成物に含まれる骨材中の細骨材として、前記高炉スラグ細骨材を前記細骨材中に50体積%以上含む点に特徴を有する。
この実施形態のジオポリマー硬化体の製造方法の第1工程において製造されるジオポリマー組成物の原料である骨材中の細骨材として、前記高炉スラグ細骨材を前記細骨材中に50体積%以上の高炉スラグ細骨材を含むものであれば、乾燥収縮の少ないジオポリマー硬化体を製造することができるため好ましい。上記ジオポリマー組成物に含まれる骨材中の細骨材として、細骨材に50体積%以上の高炉スラグ細骨材を含むものであればよいので、骨材が100体積%の高炉スラグ細骨材であってもよい。また、上記ジオポリマー組成物に含まれる細骨材が50体積%以上の高炉スラグ細骨材を含むものであれば、山砂、海砂、砕石工場で製造される砕砂等の天然砂に代えて、高炉で銑鉄を製造する際に副生される高炉スラグを大量に有効活用することができるため好ましい。
以上、第3実施形態のジオポリマー硬化体の製造方法によれば、第1工程において使用される骨材中の細骨材として、高炉スラグ細骨材を細骨材中に50体積%以上含むことによって、環境によりやさしく、乾燥収縮の少ないジオポリマー硬化体の製造が可能になる。
〔第4実施形態〕
この実施形態は、上記実施形態のジオポリマー硬化体の製造方法によって製造されたジオポリマー硬化体である。すなわち、この実施形態のジオポリマー硬化体は、高炉スラグ微粉末(GGBF)を含む粉体、あるいは更にフライアッシュ(FA)を含む粉体、高炉スラグ細骨材を含む骨材を原料とし、フレッシュ性状(モルタルフロー、スランプまたはスランプフロー等)に優れたジオポリマー組成物を養生させて得られ、乾燥収縮の少ない硬化体であることからコンクリート2次製品の代替品として利用することができる。このため、この実施形態のジオポリマー硬化体は、老朽クリーク法面保護への利用、建築用ブロック/レンガ、漁(藻)礁等水産構造物、重金属汚染土の安定化処理、老朽溜池堤防の改修、刃金土の改修・堤体内止水壁、軟弱地盤対策、箱型基礎工法への利用、軟弱粘土の固化処理に使用することができる。
さらに、この実施形態のジオポリマー硬化体は、耐火性に優れ、アルカリシリカ反応を起こしにくいという特徴を有している。
また、この実施形態でのジオポリマー硬化体は、乾燥収縮がきわめて少ないので、まくらぎ、外溝ブロック、U字溝、歩車境界ブロック、空港駐機場舗装等の建設材料として使用することができる。
以上説明したように、第4実施形態のジオポリマー硬化体によれば、ジオポリマー組成物の原料である骨材には、細骨材として、高炉スラグ細骨材を含む細骨材を採択することによって、ジオポリマー組成物の乾燥収縮を大幅に低減することができるジオポリマー硬化体を製造することができる。
〔第5実施形態〕
第5実施形態に係るジオポリマー組成物の製造方法について説明する。この実施形態のジオポリマー組成物の製造方法は、高炉スラグ細骨材を含む骨材と、高炉スラグ微粉末(GGBF)を含む粉体、あるいは更にフライアッシュ(FA)を含む粉体と、アルカリ金属溶液と、グルコン酸と、水とを混練するジオポリマー組成物の製造方法であることを特徴としている。
この実施形態のジオポリマー組成物の製造方法は、ジオポリマー硬化体の前駆体であるジオポリマー組成物を製造することができる。すなわち、この実施形態のジオポリマー組成物の製造方法は、上記ジオポリマー硬化体の製造方法の第1工程に相当する。ジオポリマー組成物は、混和剤としてグルコン酸を含有しているので、多量の高炉スラグ微粉末を含んだ粉末と、細骨材中に高炉スラグ細骨材を50体積%以上含む骨材を含んだジオポリマー組成物であっても、当該ジオポリマー組成物の流動性を低下させることなく、乾燥収縮の少ないジオポリマー硬化体を製造することができる。
以上説明したように、第5実施形態のジオポリマー組成物の製造方法によれば、ジオポリマー組成物に含まれる骨材中の細骨材として、細骨材中に高炉スラグ細骨材を50体積%以上含む細骨材を採択することによって、ジオポリマー組成物の乾燥収縮を大幅に低減することができるジオポリマー硬化体の前駆体であるジオポリマー組成物を製造することができる。
〔他の実施形態〕
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の技術的範囲で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
(実施例1)
本発明のジオポリマー硬化体の製造方法において、ジオポリマー組成物の原料として使用した材料を表1に示す。表1に示したように、以下の実施例おいて使用するジオポリマー組成物の材料としては、粉体、アルカリ溶液、細骨材、粗骨材、混和剤を使用した。なお、表1に、各材料の名称とともに、その記号ならびに諸物性を示した。粉体の物性については、密度(g/cm)と比表面積(cm/g)を、アルカリ溶液の物性については、密度(g/cm)と質量パーセント濃度(%)、細骨材の物性については、表乾密度(g/cm)と吸水率(%)、混和剤の物性については密度(g/cm)と質量パーセント濃度(%)を示した。
Figure 0007364074000001
実施例1のジオポリマー組成物は、粉体、アルカリ溶液、細骨材、混和剤及び水を含むものである。粉体には、高炉スラグ微粉末(GGBF)とシリカフェーム(SF)の混合材料を使用した。この実施例1においては、高炉スラグ微粉末(GGBF)とフライアッシュ(FA)の体積比を60:40とした。そのフライアッシュ(FA)は、フライアッシュとしての標準的な品質を備えたII種灰を用いた。また、混和剤としては、グルコン酸を採用した。
ジオポリマー組成物の材料の混錬は、JIS R5201に準拠して行った。具体的には、モルタル混錬用のミキサを用い、水、水酸化ナトリウム、グルコン酸をそれぞれ所定量入れ、その後に、高炉スラグ微粉末(GGBF)とフライアッシュ(FA)とを含む粉体とシリカフューム(SF)を入れ、最後に細骨材として高炉スラグ細骨材(BFS)を投入した。ジオポリマー組成物の材料の混錬を所定条件にて行った後、ジオポリマー組成物を得た。さらに、得られたジオポリマー組成物のモルタルフロー値の測定(15打)を行い、ジオポリマー組成物の流動性を評価した。表2にジオポリマー組成物の成分、その配合量、モルタルフロー値の測定結果を示す。なお、得られたジオポリマー組成物のモルタルフロー値の測定は、JIS R5201に準拠して行った。
(比較例1、2)
比較例1は、混和剤であるグルコン酸を添加しないで材料の混錬を行い、比較例2は、グルコン酸に代えてグルコン酸ナトリウムを使用した以外は実施例1と同様にしてジオポリマー組成物を製造した。すなわち、実施例1、比較例1及び2では、混和剤の添加による流動性の改善効果を把握するため、無添加、グルコン酸およびグルコン酸ナトリウムを用いた。表2にジオポリマー組成物の材料、配合量、モルタルフロー値の測定結果を示す。
Figure 0007364074000002
表2から明らかなように、実施例1のジオポリマー組成物(配合(1):グルコン酸添加)のモルタルフロー値(mm)は139mmであり、比較例1のジオポリマー組成物(配合(2):グルコン酸添加なし)のモルタルフロー値(mm)は125mmであり、比較例2のジオポリマー組成物(配合(3):グルコン酸ナトリウム添加)のモルタルフロー値(mm)は119mmであることが判明した。実施例1と比較例1~2との対比から明らかなように、ジオポリマー組成物の材料として、グルコン酸ナトリウムを添加してもジオポリマー組成物の流動性の改善効果は見られなかった。
一方、実施例1に示される結果からは、ジオポリマー組成物の材料に混和剤としてグルコン酸を入れると、ジオポリマー組成物のモルタルフローの値(mm)が向上し、フレッシュ性状が改善されることがわかった。このため、以後の実施例のジオポリマー組成物における配合検討では混和剤にはグルコン酸を用いる配合とした。なお、グルコン酸を入れ過ぎると、ジオポリマー組成物の材料コストが高くなることや、グルコン酸を水溶液として添加することにより水分量が増え、ジオポリマー組成物を硬化させる際に硬化遅延の影響も発生するため、表1に示した実施例で使用するグルコン酸を用いる場合には2~40(kg/m)で使用するのが望ましい。
(実施例2~14)
本発明のジオポリマー硬化体の製造方法において、ジオポリマー組成物を構成する粉体に含まれる高炉スラグ微粉末(GGBF)とフライアッシュ(FA)の適正な配合率を検討するために、高炉スラグ微粉末(GGBF)とフライアッシュ(FA)との体積比を変えて混錬を行った。具体的には、粗骨材を使用しない配合において、実施例2においては、粉体に含まれる高炉スラグ微粉末(GGBF)とフライアッシュ(FA)との体積比を100:0、実施例3においては、粉体に含まれる高炉スラグ微粉末(GGBF)とフライアッシュ(FA)との体積比を90:10、実施例4においては、粉体に含まれる高炉スラグ微粉末(GGBF)とフライアッシュ(FA)との体積比を80:20、実施例5においては、粉体に含まれる高炉スラグ微粉末(GGBF)とフライアッシュ(FA)との体積比を70:30、実施例6においては、粉体に含まれる高炉スラグ微粉末(GGBF)とフライアッシュ(FA)との体積比を60:40、実施例7においては、粉体に含まれる高炉スラグ微粉末(GGBF)とフライアッシュ(FA)との体積比を50:50、実施例8においては、粉体に含まれる高炉スラグ微粉末(GGBF)とフライアッシュ(FA)との体積比を40:60、実施例9においては、粉体に含まれる高炉スラグ微粉末(GGBF)とフライアッシュ(FA)との体積比を30:70、実施例10においては、粉体に含まれる高炉スラグ微粉末(GGBF)とフライアッシュ(FA)との体積比を20:80、実施例11においては、粉体に含まれる高炉スラグ微粉末(GGBF)とフライアッシュ(FA)との体積比を10:90に設定した。実施例12においては、粉体に含まれる高炉スラグ微粉末(GGBF)とフライアッシュ(FA)との体積比を100:0、実施例13においては、粉体に含まれる高炉スラグ微粉末(GGBF)とフライアッシュ(FA)との体積比を60:40、実施例14においては、粉体に含まれる高炉スラグ微粉末(GGBF)とフライアッシュ(FA)との体積比を40:60とした。
(比較例3)
比較例3においては、粉体に含まれる高炉スラグ微粉末(GGBF)とフライアッシュ(FA)との体積比を上記実施例2~14の範囲に含まれない体積比に設定した。具体的には、比較例3においては、粉体に含まれる高炉スラグ微粉末(GGBF)とフライアッシュ(FA)との体積比を0:100に設定した。表3にジオポリマー組成物の材料、配合量、ジオポリマー組成物の凝結時間の測定結果を示す。凝結時間の測定は、JIS A1147に準拠して行った。なお、表3において、Sは細骨材であり、実施例2~14のジオポリマー組成物の本配合では、高炉スラグ細骨材を100%配合で用いた。
Figure 0007364074000003
(実施例15~27)
粗骨材を使用する配合において、実施例15においては、粉体に含まれる高炉スラグ微粉末(GGBF)とフライアッシュ(FA)との体積比を100:0、実施例16においては、粉体に含まれる高炉スラグ微粉末(GGBF)とフライアッシュ(FA)との体積比を90:10、実施例17においては、粉体に含まれる高炉スラグ微粉末(GGBF)とフライアッシュ(FA)との体積比を80:20、実施例18においては、粉体に含まれる高炉スラグ微粉末(GGBF)とフライアッシュ(FA)との体積比を70:30、実施例19においては、粉体に含まれる高炉スラグ微粉末(GGBF)とフライアッシュ(FA)との体積比を60:40、実施例20においては、粉体に含まれる高炉スラグ微粉末(GGBF)とフライアッシュ(FA)との体積比を50:50、実施例21においては、粉体に含まれる高炉スラグ微粉末(GGBF)とフライアッシュ(FA)との体積比を40:60、実施例22においては、粉体に含まれる高炉スラグ微粉末(GGBF)とフライアッシュ(FA)との体積比を30:70に設定した。実施例23においては、粉体に含まれる高炉スラグ微粉末(GGBF)とフライアッシュ(FA)との体積比を20:80、実施例24においては、粉体に含まれる高炉スラグ微粉末(GGBF)とフライアッシュ(FA)との体積比を10:90に設定した。実施例25においては、粉体に含まれる高炉スラグ微粉末(GGBF)とフライアッシュ(FA)との体積比を100:0に設定し、実施例26においては、粉体に含まれる高炉スラグ微粉末(GGBF)とフライアッシュ(FA)との体積比を60:40に設定し、実施例27においては、粉体に含まれる高炉スラグ微粉末(GGBF)とフライアッシュ(FA)との体積比を40:60に設定した。混錬後に得られたジオポリマー組成物の凝結時間を測定した。凝結時間の測定は、JIS A1147に準拠して行った。表4に粗骨材を使用した配合のジオポリマー組成物の材料、配合量、ジオポリマー組成物の凝結時間の測定結果を示す。
(比較例4)
比較例4においては、粉体に含まれる高炉スラグ微粉末(GGBF)とフライアッシュ(FA)との体積比を上記実施例15~27の範囲に含まれない体積比に設定した。具体的には、比較例4においては、粉体に含まれる高炉スラグ微粉末(GGBF)とフライアッシュ(FA)との体積比を0:100に設定した。表4にジオポリマー組成物の材料、配合量、ジオポリマー組成物の凝結時間の測定結果を示す。
Figure 0007364074000004
表3、4によれば、比較例3、4の配合では、ジオポリマー組成物の凝結が遅い結果であり、1日ではジオポリマー組成物の凝結が終結しなかった。したがって、実施例2~27での配合、すなわち、粒子径が0.1mm以下の粉体に高炉スラグ微粉末とフライアッシュを含む粉体を用いることが望ましいことが分かった。
(実施例28~31、比較例5~8)
実施例28~31、比較例5~8では、粗骨材を使用しない配合で、細骨材中の高炉スラグ細骨材の配合比率を変化させてジオポリマー組成物を製造し、当該ジオポリマー組成物を養生させてジオポリマー硬化体を製造したときの乾燥収縮性能の差を調査するための配合試験を行った。実施例28~31においては、高炉スラグ細骨材と砕砂からなる細骨材中に配合された高炉スラグ細骨材の体積割合を50~100%とした。比較例5~8においては、高炉スラグ細骨材と砕砂からなる細骨材中に配合された高炉スラグ細骨材の体積割合を0~45%とした。ジオポリマー組成物の配合とジオポリマー組成物と養生後に製造されたジオポリマー硬化体から算出された乾燥収縮試験の結果を表5に示す。乾燥収縮試験はJIS A1129-3:2010規定されるモルタル及びコンクリートの長さ変化測定方法に準じた方法で実施した。
Figure 0007364074000005
(実施例32~35、比較例9~12)
実施例32~35では、粗骨材を使用した場合で、細骨材中の高炉スラグ細骨材の配合比率を変化させてジオポリマー組成物を製造し、当該ジオポリマー組成物を養生させてジオポリマー硬化体を製造したときの乾燥収縮性能の差を調査するための配合試験を行った。実施例32~35においては、高炉スラグ細骨材と砕砂からなる細骨材中に配合された高炉スラグ細骨材の体積割合を50~100%とした。比較例9~12においては、高炉スラグ細骨材と砕砂からなる細骨材中に配合された高炉スラグ細骨材の体積割合を0~45%とした。ジオポリマー組成物の配合とジオポリマー組成物と養生後に製造されたジオポリマー硬化体から算出された乾燥収縮試験の結果を表6に示す。
Figure 0007364074000006
表5、6によれば、細骨材中の高炉スラグ細骨材の配合率50体積%以上であれば、ジオポリマー組成物の乾燥収縮を大幅に低減できていることがわかった。このように、上記実施例では、高炉スラグ微粉末(GGBF)とフライアッシュ(FA)とを体積比で40:60の割合で含む粉体と高炉スラグ細骨材を50体積%以上含む細骨材を含むジオポリマー組成物を製造した後、養生してジオポリマー硬化体を製造する例を示した。
また、別の観点において、本発明のジオポリマー硬化体の製造方法により製造されたジオポリマー硬化体は、火力発電の副産物であるフライアッシュ、溶鉄製造時の副産物である高炉スラグ微粉末を含有するジオポリマー組成物を使用する。このため、本発明のジオポリマー硬化体の製造方法は、通常のジオポリマーで用いられる細骨材を利用しないため自然破壊をすることなく、より環境にやさしいジオポリマー硬化体を得る方法としても有用である。
本発明のジオポリマー硬化体の製造方法は、ジオポリマー硬化体の前駆体であるジオポリマー組成物の流動性を向上させ、そのフレッシュ性状を改善することができ、かつ、乾燥収縮を大幅に低減することができるジオポリマー硬化体を製造することができる。このため、本発明のジオポリマー硬化体の製造方法は、土木・建設事業、素材産業、環境事業等の産業の発達に寄与することができるので産業上有用である。

Claims (4)

  1. 高炉スラグ細骨材を含む骨材と、高炉スラグ微粉末を含む粉体と、アルカリ金属溶液と、グルコン酸と、水とを混練してジオポリマー組成物を製造する第1工程と、
    前記第1工程において製造されたジオポリマー組成物を養生する第2工程を含むジオポリマー硬化体の製造方法であって、
    前記ジオポリマー組成物に含まれる前記高炉スラグ細骨材の単位量が406~1412kg/mであることを特徴とする、ジオポリマー硬化体の製造方法。
  2. 前記粉体は、フライアッシュを、前記高炉スラグ微粉末と前記フライアッシュとの体積比で10:90~100:0の割合で含むことを特徴とする、請求項1に記載のジオポリマー硬化体の製造方法。
  3. 前記骨材中の細骨材として、前記高炉スラグ細骨材を前記細骨材中に50体積%以上含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載のジオポリマー硬化体の製造方法。
  4. 高炉スラグ細骨材を含む骨材と、高炉スラグ微粉末を含む粉体と、アルカリ金属溶液と、グルコン酸と、水とを混練してジオポリマー組成物を製造するジオポリマー組成物の製造方法であって、
    前記ジオポリマー組成物に含まれる前記高炉スラグ細骨材の単位量が406~1412kg/mであることを特徴とするジオポリマー組成物の製造方法。
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