JP7193437B2 - ジオポリマー組成物 - Google Patents

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Description

特許法第30条第2項適用 A. コンクリート工学年次論文集 第41巻(2019)(令和1年6月5日頒布) B. コンクリート工学年次大会2019(札幌)(令和1年7月12日開催)にて口頭発表を行った資料 C. 令和元年度 土木学会全国大会in四国 第74回年次学術講演会 講演概要集(令和1年8月1日頒布) D. 令和元年度 土木学会全国大会in四国(令和1年9月3日開催)にて口頭発表を行った資料 E. 第63回粘土科学討論会 講演要旨集(令和1年9月10日頒布) F. 第63回粘土科学討論会(令和1年9月11日開催)にて公開したポスター
本発明は、ジオポリマー組成物に関する。
近年の各種産業における排出CO削減の要請に対し、製造時に多くのCOが排出されるポルトランドセメント等の代替となる技術が求められている。このような技術として、ジオポリマー法を用いた技術が注目されている。ジオポリマー法とは、副産物として発生する製鉄スラグや発電フライアッシュ、下水汚泥等にアルカリを添加し反応活性化させ、縮合反応によりポリマー化させて硬化体(ジオポリマー硬化体)を製造するものである。
ジオポリマー硬化体は、ポルトランドセメント等を用いたセメント硬化体よりも安価であり、また高い耐酸性・酸劣化耐性を有する利点がある。このようなジオポリマー硬化体の用途拡大のため、補修材等として利用できる常温硬化型ジオポリマー組成物に関する技術の開発が望まれる。
特許第5091519号公報 特許第6058474号公報
特許文献1に開示された技術は、フライアッシュなどのフィラーやアルカリ活性剤等を原料としたジオポリマー組成物によって、化学的に安定で強度の高い構造体を得ることができるものである。しかし、特許文献1に開示されたジオポリマー組成物は、蒸気養生等の加熱養生を行わなければ、十分に強度の高い構造体を得ることができない。
特許文献2に開示された技術は、粉体原料としての高炉スラグの割合を増大させたジオポリマー組成物の凝結時間を遅延させる技術であり、水ガラスを使用せず、シリカフューム等の粉体を添加するものである。しかし、特許文献2に開示されたジオポリマー組成物は、常温硬化が可能なものではない。つまり、常温硬化が可能なジオポリマー組成物として、実用可能なものは未だ開示されていない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、常温硬化が可能なジオポリマー組成物を提供することを目的とする。
本発明は、粉体原料としての高炉スラグ微粉末及びフライアッシュと、細骨材と、シリカフュームと、アルカリ源としての水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムと、水と、を含み、前記高炉スラグ微粉末の前記粉体原料に対する容量比:BFS/Pが35~80%であり、前記シリカフュームに含まれるケイ素の前記アルカリ源に対するモル比:Si/Aが0.05~0.35であり、前記アルカリ源の前記水に対するモル比:A/Wが0.1~0.3である、ジオポリマー組成物に関する。
前記水の前記粉体原料に対する体積比:W/Pが0.6~1.0であり、JIS R 5201「セメントの物理試験方法」によるモルタルのフロー試験に準拠して行う、15回の落下運動を与えた後のフロー値が120mm以上であることが好ましい。
前記水の前記粉体原料に対する体積比:W/Pが1.0~1.8であり、JIS R 5201「セメントの物理試験方法」によるモルタルのフロー試験に準拠して行う、15回の落下運動を与えた後のフロー値が180mm以上であることが好ましい。
前記アルカリ源として水酸化カリウムを用いることが好ましい。
グルコン酸ナトリウムを含み、前記グルコン酸ナトリウムの前記粉体原料に対する重量比が1.0重量%以下であることが好ましい。
また、本発明は、粉体原料としての高炉スラグ微粉末及びフライアッシュと、細骨材と、シリカフュームと、を含み、前記高炉スラグ微粉末の前記粉体原料に対する容量比:BFS/Pが35~80%であり、前記粉体原料と、前記細骨材と、前記シリカフュームとを粉体混合してなる、ジオポリマー組成物の製造に用いる、プレミックスジオポリマー組成物に関する。
また、本発明は、ジオポリマー組成物を対象物に被覆する被覆工程と、5~35℃の温度下で養生する養生工程と、を含む、ジオポリマー組成物の施工方法に関する。
本発明によれば、常温硬化が可能なジオポリマー組成物を提供できる。
各実施例に係るジオポリマー組成物の収縮ひずみを示すグラフである。 各実施例に係るジオポリマー組成物の質量変化率を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
<ジオポリマー組成物>
ジオポリマー組成物は、フライアッシュ、高炉スラグ等の粉体原料と骨材、及びアルカリ等を水と混錬して得られる。ジオポリマー組成物は、ジオポリマー組成物に含まれるアルミニウム等の陽イオンがアルカリと反応してケイ酸錯体(SiO)を架橋し、重合することで硬化され、ジオポリマー硬化体が得られる。
従来のジオポリマー組成物は、加熱養生により硬化されるが、本実施形態に係るジオポリマー組成物は、常温養生により硬化できる。また、コテ塗り、吹付等の左官工事における作業性に優れる。
ジオポリマー組成物には、粉体原料としての高炉スラグ微粉末及びフライアッシュと、細骨材と、シリカフュームと、アルカリ源としての水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムと、水と、が含まれる。また、グルコン酸ナトリウム等が含まれていてもよい。以下、各含有成分について説明する。
[粉体原料]
粉体原料は、アルカリに対して活性を有するアルミノシリケート(xMO・yAl・zSiO・nHO、M:アルカリ金属)を成分として含む非晶質無機組成物の粉体である。アルミノシリケートは、アルカリと接触することで、Alイオン、Siイオン等の陽イオンを溶出する。
本実施形態において、粉体原料としては、フライアッシュと、高炉スラグと、が含まれる。なお、粉体原料として、赤泥、長石類、雲母類、沸石類、パーライト、粘土鉱物、カオリン、メタカオリン、下水道汚泥等が含まれていてもよい。
(フライアッシュ(FA))
粉体原料としてのフライアッシュ(以下、「FA」と記載する場合がある)は、石炭火力発電所等で石炭燃焼の際に発生する石炭灰のうち、集塵機により排ガス中から回収される微細な灰である。
FAの主成分は、二酸化ケイ素(SiO)、アルミナ(Al)等である。FAは、JIS A 6201で、粒度やフロー値に基づきI~IV種に規格されている。中でも、粒度が細かく反応性に富むI種やII種に分類されるFAがジオポリマーの原料として適する。
(高炉スラグ(BFS))
粉体原料としての高炉スラグ(以下、「BFS」と記載する場合がある)は、高炉で鉄を精製する際に得られる副産物である。BFSの主成分は、酸化カルシウム(CaO)、二酸化ケイ素(SiO)、アルミナ(Al)等である。BFSは、JIS A 6206に規格されている。
BFSは、非晶質物質であり、BFSに含有されるカルシウム分は、ジオポリマー組成物中で反応し、C-S-H(カルシウムシリケート水和物)が生成されて硬化する。これらの理由から、ジオポリマー組成物に含まれるBFSは反応性に優れる。
BFSを含有するジオポリマー組成物は、FAのみを含有するジオポリマー組成物と比較して凝結時間が短い。従って、粉体原料中のBFSの容量比(後述するBFS置換容量比)を増大させるにつれ、ジオポリマー組成物の凝結速度は上昇する。しかし、BFS置換容量比を増大させるのみでは、ジオポリマー組成物の可使時間の確保が困難である。また、急激な凝結により、形成されるジオポリマー硬化体にひび割れが生じる恐れがある。そこで、本実施形態では、ジオポリマー組成物の硬化に寄与するケイ酸モノマー(Si(OH))を供給するケイ素源として、後述するシリカフュームを用いている。ケイ素源として通常使用されるアルカリケイ酸塩ではなく、シリカフュームを用いることで、ジオポリマー組成物の凝結時間が延伸される。
BFS置換容量比、即ち、BFSの粉体原料全体に対する容量比である、BFS/Pは、35~80%である。BFS置換容量比を35%以上とすることで、ジオポリマー組成物の好ましい常温硬化性が得られる。また、80%以下とすることで、ジオポリマー組成物の可使時間を確保できる。また、ジオポリマー硬化体にひび割れが発生し難い。
上記の観点から、BFS/Pは、40~60%であることが好ましい。
[細骨材]
細骨材としては、特に制限されず、コンクリートに用いられる公知の細骨材が用いられる。細骨材は、密度によって軽量骨材、普通骨材、重量骨材等に分類され、ジオポリマー硬化体の用途に応じて適宜選択できる。細骨材としては、例えば珪砂が用いられる。珪砂は、二酸化ケイ素(SiO)を主成分とする砂状物質である。珪砂としては、JIS規格品や、JIS規格に応じて粒度が調整された混合珪砂等が用いられる。
[シリカフューム]
シリカフューム(以下、「SF」と記載する場合がある)は、フェロシリコンや金属シリコン、電解ジルコニア等を製造する際に発生する排ガス中のダストを集塵して得られる副産物である。SFは、二酸化ケイ素(SiO)を主成分として含有する非晶質球状微粒子であり、含有成分等についてJIS A 6207に規格されている。
SFは、ケイ酸モノマーの供給源として用いられる。SFに含有されるSiOがアルカリに徐々に溶解されることで、ジオポリマー組成物の硬化に寄与するケイ酸モノマー(Si(OH))が徐々に生成する。これにより、ケイ素源としてアルカリケイ酸塩を用いる場合と比較し、ジオポリマー組成物の凝結時間を延伸できる。
[アルカリ源]
アルカリ源は、水に溶解して強アルカリ性を示す物質である。本実施形態において、アルカリ源としては、水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムが用いられる。ジオポリマー組成物に含有されるアルカリ源は、粉体原料に含まれるアルミノシリケートと接触して活性化させ、Alイオン、Siイオン等の陽イオンを溶出させる。
従来、ジオポリマー組成物に用いられるアルカリ源としては、ケイ酸ナトリウム(水ガラス)、ケイ酸カリウム等のアルカリケイ酸塩が用いられてきた。アルカリケイ酸塩は、ジオポリマー組成物の硬化に寄与するケイ酸モノマー(Si(OH))の供給源となるためである。しかし、アルカリケイ酸塩を、BFS置換容量比が大きいジオポリマー組成物に用いた場合、ジオポリマー組成物の凝結時間が短く、可使時間が確保できない。また、形成されるジオポリマー硬化体に収縮によるひび割れが発生する問題がある。更に、ジオポリマー組成物が高粘度となるため、現場施工における作業性が悪化する。このため、本実施形態では、アルカリ源としてアルカリケイ酸塩は用いられず、水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムが用いられる。
アルカリ源としては、水酸化カリウムが用いられることがより好ましい。水酸化カリウムが用いられる場合、水酸化ナトリウムが用いられる場合と比較し、ジオポリマー組成物の凝結時間を延伸でき、可使時間を確保できる。また、ジオポリマー組成物の粘性も低くなることから、現場施工における作業性が向上する。また、アルカリ源として水酸化ナトリウムが用いられる場合、Naイオンが硬化物表面に再溶出し、空気中で反応して炭酸ナトリウム等が生成されるエフロレッセンス(白華現象)が起こる場合がある。しかし、水酸化カリウムが用いられる場合、上記エフロレッセンスが起こりにくい。
(グルコン酸ナトリウム)
グルコン酸ナトリウムは、凝結遅延剤として用いられる。ジオポリマー組成物にグルコン酸ナトリウムが含まれることで、ジオポリマー組成物の凝結が遅延され、可使時間を延伸できるため、好ましい作業性が得られる。グルコン酸ナトリウムは、粉体原料に対して重量比で1.0%未満含まれることが好ましい。
[その他の成分]
本実施形態に係るジオポリマー組成物には、上記以外の成分が含まれていてもよい。上記以外の成分としては、特に制限されないが、例えば、流動化剤、収縮低減材、防錆剤、防水材、消泡剤、粉塵低減剤、顔料等、コンクリートに用いられる従来公知の成分が挙げられる。
本実施形態に係るジオポリマー組成物において、SFに含まれるケイ素の、アルカリ源に対するモル比Si/Aは、0.05~0.35である。Si/Aを0.05以上とすることで、ジオポリマー硬化体の収縮を低減できる。また、ジオポリマー硬化体の好ましい耐熱性が得られる。Si/Aを0.35以下とすることで、ジオポリマー組成物の流動を抑制できるため、コテ塗り等の現場施工に用いやすい性状となる。
上記の観点から、Si/Aは、0.075~0.325とすることが好ましく、0.075~0.275とすることがより好ましい。
本実施形態に係るジオポリマー組成物において、アルカリ源の水に対するモル比:A/Wは、0.1~0.3である。A/Wを0.1以上とすることで、得られるジオポリマー硬化体のエフロレッセンスを防止できる。また、得られるジオポリマー硬化体の強度を確保できる。A/Wを0.3以下とすることで、ジオポリマー組成物を、現場施工に用いやすい粘性にすることができる。
上記の観点から、A/Wは、0.1~0.275とすることが好ましく、0.125~0.225とすることがより好ましい。
本実施形態に係るジオポリマー組成物を左官工事におけるコテ塗りに用いる場合、水の粉体原料に対する体積比:W/Pは、0.6~1.0であることが好ましく、0.75~0.85であることがより好ましい。同様に、ジオポリマー組成物を左官工事における吹付に用いる場合、W/Pは、1.0~1.8であることが好ましく、1.2~1.4であることがより好ましい。W/Pを上記範囲とすることで、ジオポリマー組成物を左官工事において使用しやすい性状にすることができる。
<ジオポリマー組成物の製造方法>
ジオポリマー組成物の製造方法は、BFS置換容量比が35~80%である、粉体原料としてのBFS及びFAと、細骨材と、シリカフュームとを粉体混合する粉体混合工程と、粉体混合工程の後にアルカリ水溶液を混合して混錬する第1混錬工程と、を含む。なお、第1混錬工程の後に、グルコン酸ナトリウム等の遅延剤や流動化剤等を混合して混錬する、第2混錬工程を設けてもよい。混合及び混錬方法としては特に制限されず、ミキサー等を用いた公知の方法が用いられる。
<プレミックスジオポリマー組成物>
プレミックスジオポリマー組成物は、上記ジオポリマー組成物の製造に用いられる。プレミックスジオポリマー組成物は、BFS置換容量比が35~80%である、粉体原料としての高炉スラグ微粉末及びフライアッシュと、細骨材と、シリカフュームと、を粉体混合して得られる。即ち、プレミックスジオポリマー組成物は、上記ジオポリマー組成物の製造方法の粉体混合工程までが予め行われたものに相当する。このようなプレミックスジオポリマー組成物と、アルカリ水溶液とを混錬することで、上記ジオポリマー組成物を製造できる。これにより、任意の量のジオポリマー組成物を、施工現場で容易に製造できるため、ジオポリマー組成物の可使時間を確保できる。
<ジオポリマー組成物の施工方法>
上記ジオポリマー組成物の施工方法は、ジオポリマー組成物を対象物に被覆する被覆工程と、ジオポリマー組成物を5~35℃の常温で養生する養生工程と、を含む。
被覆工程では、例えば左官工事におけるコテ塗り、吹付等の公知の方法を用い、ジオポリマー組成物を対象物に被覆する。
コテ塗りに用いられるジオポリマー組成物は、JIS R 5201「セメントの物理試験方法」によるモルタルのフロー試験に準拠して行う、15回の落下運動を与えた後のフロー値(以下、「15打フロー値」と記載する場合がある)が120mm以上であることが好ましい。15打フロー値が120mm未満である場合、コテ塗りの際の作業性が悪くなる。また、15打フロー値が200mmを超える場合、壁や天井への施工に際し、ダレが生じる恐れがある。但し、15打フロー値が200mmを超えるジオポリマー組成物を、床への施工に用いるセルフレベリング材として用いることもできる。
吹付は、ジオポリマー組成物を圧縮空気にてノズルまで圧送して、対象物に吹付ける方法である。吹付方法としては、特に制限されず、乾式吹付工法、湿式吹付工法のいずれを用いることもできる。
吹付に用いられるジオポリマー組成物は、15打フロー値が180mm以上であることが好ましい。15打フロー値が180mm未満である場合、ジオポリマー組成物をポンプでノズルまで圧送することが困難となる。
上記15打フロー値は、水の粉体原料に対する体積比:W/Pを変えることで調整可能である。ジオポリマー組成物の15打フロー値を左官工事におけるコテ塗りや吹付に適したものとするため、W/Pを0.6~1.0、又は1.0~1.8とすることが好ましい。
養生工程は、上記被覆工程でジオポリマー組成物が被覆された対象物を、5~35℃程度の常温で、24時間以上養生する工程である。養生方法としては、特に制限されず、例えば封緘養生、気中養生、水中養生等が用いられる。なお、型枠を用いてジオポリマー組成物を充填した場合、常温養生工程の後に脱型を行う。
なお、例えばJIS R 5201に準拠した圧縮強度が材齢3日で25MPa以上、材齢28日で45MPaであることが好ましい。上記により、東京都下水道局が規定する、断面修復材の規定を満たすことができる。
上記ジオポリマー組成物を硬化させて得られるジオポリマー硬化体は、酸、糖、動植物油等、化学的浸食に強く、鉄、ガラス、モルタル下地、アスファルト、発泡スチロール等への付着性に優れる。このため、上記ジオポリマー硬化体は、例えば、軽量ブロックやタイル、煉瓦、歩道板等の目地や目地下地として好ましく用いられる。
上記ジオポリマー組成物は、有機断熱材としての発泡ウレタン、発泡スチロール、フェノールフォーム等の有機物発泡体の表面に施工し、不燃化することができる。又は、上記ジオポリマー組成物にこれらの有機発泡体を混合又は複合して施工することもできる。
同様に、上記ジオポリマー組成物をアスファルトの表面や目地に施工し、防草効果を付与することができる。又は、上記ジオポリマー組成物をアスファルトに複合して複合材として使用することもできる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は本発明に含まれる。
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
[実施例1~29、比較例1~3]
表1、表2に示した配合量で粉体原料、珪砂及びシリカフュームを粉体混合し、アルカリ源と水により得られるアルカリ水溶液を混合して混錬し、更にグルコン酸ナトリウムを混合して混錬して実施例1~29、比較例1~3のジオポリマー組成物を得た。実施例1~9、12~25、比較例1~3に関してはホバートミキサーで混錬し、実施例10、11、26~29に関してはハンドミキサーで混練してジオポリマー組成物を得た。なお、表1、表2中の数字で特に単位の記載が無い数字は、重量(g)を示す。
Figure 0007193437000001
Figure 0007193437000002
表1、表2中の各含有成分としては、以下のものを使用した。
・FA:JIS I種(JIS A 6201) 密度2.40g/cm
・BFS:比表面積4000cm/g、密度2.91g/cm(JIS A 6206)
・珪砂(JIS):強度試験用標準砂(JIS R 5201)
・珪砂(混合珪砂):3号35%、4号30%、6号35%
・シリカフューム:JIS A 6207相当
[評価]
実施例1~29及び比較例1~3のジオポリマー組成物を用い、以下の評価を行った。測定条件は以下の通りである。
《フロー値》
JIS R 5201「セメントの物理試験方法」によるモルタルのフロー試験に準拠して、実施例1~29及び比較例1~3のジオポリマー組成物を作成直後に15回の落下運動を与えた後のフロー値を測定した。結果を表3、表4に示す。
《作業性評価》
練上がり直後の実施例1~29及び比較例1~3のジオポリマー組成物について、左官工事におけるコテ塗りと吹付の作業性を、以下の基準によりそれぞれ評価した。結果を表3、表4に示す。
(コテ塗り)
3:伸びが良好で、コテへの付着が少なく、コテ塗りに適している。
2:コテ塗りが可能である。
1:粘性や硬さが不適であり、コテ塗りが不可。
(吹付)
3:ダレやリバウンドがほとんど発生せず、吹付に適している。
2:多少ダレやリバウンドが発生するが、吹付が可能である。
1:硬さが不適であり、吹付が不可。
実施例1~6のジオポリマー組成物の、練上がり後の経過時間がそれぞれ10分後、20分後、30分後、50分後、60分後であるものについて、左官工事におけるコテ塗りの作業性を評価した。コテ塗りの評価基準は上記と同様である。また、コテ塗りを行った表面の仕上りについて、以下の基準により評価した。結果を表5に示す。
(仕上り)
3:良好
2:可
1:不可(粗い)
《圧縮強度試験》
実施例1~29及び比較例1~3のジオポリマー組成物を、所定の寸法で施工し、常温下でそれぞれ所定の養生条件で1日、3日、4日、7日、28日間、養生した後、圧縮強度を測定した。測定はJIS A 1108に準拠して行った。測定可能な強度を有しないものは、測定不可とした。結果を表3、表4に示す。表3、表4に示した記号と施工寸法及び養生条件との関係は以下の通りである。
(施工寸法)
S:角柱供試体 縦40mm×横40mm×高さ160mm
記載なし:円柱供試体 直径50mm×高さ100mm
(養生条件)
W:水中養生
記載なし:気中養生
《収縮ひずみ、質量変化率測定》
実施例1~4、6、12、15、16のジオポリマー組成物について、40×40×160mmの寸法で施工し、脱型後すぐに20℃、相対湿度60%の環境下に静置して、所定の日数経過毎に収縮ひずみ及び質量変化率を測定した。測定はJIS A 1129-3に準拠して行った。結果を図1及び図2のグラフに示す。図1のグラフの縦軸は、収縮ひずみ(μm)を示し、図2のグラフの縦軸は、質量変化率(%)を示す。図1及び図2のグラフの横軸は、気中養生した日数を示す。
《硫酸浸漬試験》
実施例1~6のジオポリマー組成物を28日間、気中養生して硬化させて得られたジオポリマー硬化体を、濃度5%の硫酸に28日間浸漬し、硫酸浸漬前後のジオポリマー硬化体の質量変化率を測定した。また、硫酸浸漬前後のジオポリマー硬化体の圧縮強度をそれぞれ測定し、圧縮強度変化率を測定した。結果を表6に示す。
Figure 0007193437000003
Figure 0007193437000004
Figure 0007193437000005
Figure 0007193437000006
表3、表4、表5に示す通り、実施例1~29のジオポリマー組成物は、左官工事におけるコテ塗りや吹付において、好ましい作業性が得られることが確認された。
表3、表4に示す通り、実施例1~29のジオポリマー組成物により得られたジオポリマー硬化体は、比較例1~3のジオポリマー組成物により得られたジオポリマー硬化体と比較して、3日後~4日後以降の圧縮強度が高い。従って、ジオポリマー組成物のBFS置換容量比を35~80%とすることで、好ましい常温硬化性を有するジオポリマー組成物が得られることが確認された。
表6に示す通り、実施例1~6のジオポリマー組成物により得られたジオポリマー硬化体は、好ましい耐酸性を有することが確認された。

Claims (7)

  1. 粉体原料としての高炉スラグ微粉末及びフライアッシュと、
    細骨材と、
    シリカフュームと、
    アルカリ源としての水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムと、
    水と、を含み、
    前記高炉スラグ微粉末の前記粉体原料に対する容量比:BFS/Pが35~80%であり、
    前記シリカフュームに含まれるケイ素の前記アルカリ源に対するモル比:Si/Aが0.05~0.35であり、
    前記アルカリ源の前記水に対するモル比:A/Wが0.1~0.3である、常温養生用のジオポリマー組成物。
  2. 前記水の前記粉体原料に対する体積比:W/Pが0.6~1.0であり、
    JIS R 5201「セメントの物理試験方法」によるモルタルのフロー試験に準拠して行う、15回の落下運動を与えた後のフロー値が120mm以上である、請求項1に記載のジオポリマー組成物。
  3. 前記水の前記粉体原料に対する体積比:W/Pが1.0~1.8であり、
    JIS R 5201「セメントの物理試験方法」によるモルタルのフロー試験に準拠して行う、15回の落下運動を与えた後のフロー値が180mm以上である、請求項1に記載のジオポリマー組成物。
  4. 前記アルカリ源として水酸化カリウムを用いる、請求項1~3いずれかに記載のジオポリマー組成物。
  5. グルコン酸ナトリウムを含み、前記グルコン酸ナトリウムの前記粉体原料に対する重量比が1.0重量%以下である、請求項1~4いずれかに記載のジオポリマー組成物。
  6. 粉体原料としての高炉スラグ微粉末及びフライアッシュと、
    細骨材と、
    シリカフュームと、を含み、
    前記高炉スラグ微粉末の前記粉体原料に対する容量比:BFS/Pが35~80%であり、
    前記粉体原料と、前記細骨材と、前記シリカフュームとを粉体混合してなる、請求項1~5いずれかに記載のジオポリマー組成物の製造に用いる、プレミックスジオポリマー組成物。
  7. 請求項1~5いずれかに記載のジオポリマー組成物を対象物に被覆する被覆工程と、5~35℃の温度下で養生する養生工程と、を含む、ジオポリマー組成物の施工方法。
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