JP6985547B1 - グラウト材料、グラウトモルタル組成物及び硬化体 - Google Patents

グラウト材料、グラウトモルタル組成物及び硬化体 Download PDF

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Abstract

【課題】流動性が高く、自己治癒効果をより高めることができるグラウト材料、グラウトモルタル組成物及び硬化体を提供する。【解決手段】セメント、膨張材、ガス発泡物質、減水剤、細骨材からなるグラウト材料であって、SO3の量が0.5質量%以上10.0質量%以下、MgOの量が0.1質量%以上3.0質量%以下である、グラウト材料。【選択図】なし

Description

本発明は、土木・建築業界において使用されるグラウト材料、グラウトモルタル組成物及びグラウトモルタル組成物を用いてなる硬化体に関する。
グラウト材料は、モルタル、コンクリートの作業性や充填性を改善し、グラウト工事を円滑に行うために使用されている。
主な用途としては、地下構造物の施工、橋梁支承部の据付け、各種機械類の据付け、耐震補強における壁、柱の間隙充填等であり、構造物の間隙を充填して一体化するために、(1)充填箇所および充填方法等に応じた所要の流動性、(2)充填後にブリーディング、沈下および空隙を発生させない無収縮性、(3)構造物の使用条件に応じた所要の各種強度などが要求される(例えば、非特許文献1参照)。
セメント硬化体は、セメントの水和又は乾燥に伴って体積が減少することから、ひび割れが発生したり、既存構造体との付着性能が低下したりする危険性がある。ひび割れの発生は美観を損ねるばかりか、構造物の安定性、防水性及び水密性に悪影響を与える危険性がある。
そのため、セメントの収縮を補償し、ひび割れ発生抑制や、構造体との付着性能を保持する目的で、使用される膨張材としては、例えば、3CaO・3Al・CaSO(アウイン)、CaSO及びCaOを主成分とするカルシウムサルホアルミネート系(アウイン系膨張材)、遊離石灰を主成分とする石灰系(石灰系膨張材)のほか、遊離石灰−水硬性物質−セッコウ類を含有してなる膨張材等がある。
セメント、膨張材の他、特定の減水剤を組み合せることにより、温度依存性が少なく、流動性・充填性保持効果が著しく高く、長期に亘り強度増進効果を付与したグラウト材料が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
さらに、優れた流動性、泡発生の抑制、最適な長さ変化率、体積膨張率を保持した高強度グラウト材料が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、従来のグラウト材料は、流動性が低く、硬化体にひび割れが発生し、またひび割れ発生後も、自己治癒効果が低い課題がある。
特許3894780号公報 国際公開第2007/029399パンフレット
新セメント・コンクリート用混和材料、304−307頁、笠井芳夫・坂井悦郎著、技術書院、平成19年1月15発行
そこで、本発明は、流動性が高く、自己治癒効果をより高めることができるグラウト材料、グラウトモルタル組成物及び硬化体を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明者らは、上記課題を解決すべく、種々の努力を重ねた結果、特定量のSO、MgOを含有することで、流動性が高く、自己治癒効果をより高めることができ、耐久性が向上できることを知見し、本発明を完成するに至った。本発明の要旨は、以下のとおりである。
[1]セメント、膨張材、ガス発泡物質、減水剤、細骨材からなるグラウト材料であって、SOの量が0.5質量%以上10.0質量%以下、MgOの量が0.1質量%以上3.0質量%以下である、グラウト材料。
[2]前記膨張材は、テルネサイトを含有し、前記テルネサイトの含有量は、前記膨張材100質量部に対して、0.05質量部以上20質量部以下である、[1]に記載のグラウト材料。
[3]さらに急硬材を含有し、前記急硬材は、カルシウムアルミネートを含有し、前記カルシウムアルミネートがCaO/Alモル比1.2以上3.0以下であり、前記カルシウムアルミネートの含有割合は、前記セメント100質量部に対して、2質量部以上20質量部以下である、[1]又は[2]に記載のグラウト材料。
[4]前記細骨材の含有割合は、前記セメント100質量部に対して、40質量部以上300質量部以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載のグラウト材料。
[5]さらに亜硝酸塩を含有し、前記亜硝酸塩の含有割合は、セメント100質量部に対して、2質量部以上20質量部以下である、[1]〜[4]のいずれかに記載のグラウト材料。
[6][1]〜[5]のいずれかに記載のグラウトモルタル材料と水とを含有するグラウトモルタル組成物。
[7][6]に記載のグラウトモルタル組成物を用いてなる硬化体。
本発明によれば、流動性が高く、自己治癒効果をより高めることができるグラウト材料、グラウトモルタル組成物及び硬化体を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書における部や質量%は特に規定しない限り質量基準である。
また、本明細書でいうグラウトモルタルとは、粗骨材のないペースト、細骨材を含有するモルタルを総称するものである。
本発明のグラウト材料は、セメント、膨張材、ガス発泡物質、減水剤、細骨材を含有してなるものであり、SOの量が0.5質量%以上10.0質量%以下、MgOの量が0.1質量%以上3.0質量%以下である。
本発明におけるグラウト材料は、含有するSO、MgOの量に着目し、SO、MgOの量がグラウト材料の流動性、自己治癒効果に影響することを突き止めた。すなわち、グラウト材料に含まれるSOの量が0.5質量%未満、MgOの量が0.1質量%未満であると、流動性が低下し、自己治癒効果が低くなってしまう。また、SOの量が10.0質量%、MgOの量が3.0質量%を超えると、流動性が低下し、自己治癒効果の低下をもたらしてしまう。
グラウト材料に含まれるSOの量は、流動性を高め、自己治癒効果を向上させる観点から、0.5質量%以上であることが好ましく、0.7質量%以上であることがより好ましく、0.8質量%以上であることがさらに好ましい。また、グラウト材料に含まれるSOの量は、同様の観点から、10.0質量%以下であることが求められるが、8.0質量%以下であることが好ましく、6.0質量%以下であることがさらに好ましい。
グラウト材料に含まれるMgOの量は、流動性を高め、自己治癒効果を向上させる観点から、0.1質量%以上であることが好ましく、0.15質量%以上であることがより好ましく、0.2質量%以上であることがさらに好ましい。また、グラウト材料に含まれるMgOの量は、同様の観点から、3.0質量%以下であることが好ましく、2.0質量%以下であることがより好ましく、1.0質量%以下であることがさらに好ましい。
グラウト材料に含まれるSO、MgO量の量は、例えば、グラウト材料を作製する際にSO、MgOを含有する混和剤を添加して調整することができる。また、SO、MgO量は、蛍光X線回折法(XRF)で測定することができる。
本発明で使用するセメントとは、特に限定されるものではなく、普通、早強、超早強、低熱および中庸熱等の各種セメント、これらのセメントに、高炉スラグやフライアッシュやシリカフュームなどを混合した各種混合セメント、都市ゴミ焼却灰や下水汚泥焼却灰を原料として製造された環境調和型セメント(エコセメント)、市販されている微粒子セメントなどが挙げられ、各種セメントや各種混合セメントを微粉末化して使用することも可能である。また、通常セメントに使用されている成分(例えばセッコウ等)量を増減して調整されたものも使用可能である。
本発明では、高い流動性、塩害抵抗性や鉄筋との付着強度、防錆の観点から、普通ポルトランドセメントや早強ポルトランドセメントを選定することが好ましい。
本発明で使用するセメントは、製造コストや強度発現性の観点から、セメントのブレーン比表面積値は、2,500cm/g以上7,000cm/g以下であることが好ましく、2,750cm/g以上6,000cm/g以下であることがより好ましく、3,000cm/g以上4,500cm/g以下であることがさらに好ましい。
ブレーン比表面積値は、JIS R 5201(セメントの物理試験方法)に準拠して求められる。
本発明で使用する膨張材は、特に限定されるものではなく、膨張性水和物を生成させ、ブリーディングを抑制するものであれば、いかなるものでも使用可能である。
膨張材として遊離石灰、遊離マグネシア、カルシウムフェライト、エトリンガイト系、石灰系、エトリンガイト−石灰複合系を含むものが知られ特に限定されるものではないが、長期安定性の観点から、遊離石灰を含むものが好ましい。遊離石灰を含むものとしては、例えば、遊離石灰−無水セッコウ系、遊離石灰−水硬性化合物系、ならびに、遊離石灰−水硬性化合物−無水セッコウ系などが挙げられる。
本発明で使用する膨張材は、テルネサイトを含有することが好ましい。テルネサイトは、5CaO・2SiO・SOで表される鉱物であり、水硬反応を促進する。又、テルネサイト自体はほとんど反応しないためフィラーのような役割を果たして、流動性保持性を良好にすると推定される。そのため、高温時でも流動性の保持効果を保つことができる。
テルネサイトの含有量は、膨張材100質量部に対して、0.05質量部以上20質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上18質量部以下であることがより好ましく、0.5質量部以上15質量部以下であることがさらに好ましい。テルネサイトの含有量が上記範囲内であることで、硬化促進と流動性保持性をともに良好にすることができる。
本発明では、膨張性能が良好なことから、遊離石灰−水硬性化合物−無水セッコウ系を用いることが好ましく、特に遊離石灰の含有量が40質量%を超えるものが好ましい。
ここで、水硬性化合物としては、例えば、アウイン、カルシウムフェライト、カルシウムアルミノフェライト、カルシウムシリケート、カルシウムアルミネートなどの1種または2種以上が挙げられる。本発明では、膨張材としては、市販の膨張材や静的破砕材が利用できる。
膨張材や静的破砕材は各社より市販されており、その代表例としては、例えば、デンカ社製「デンカCSA♯20」、「デンカパワーCSA」、太平洋マテリアル社製「エクスパン」、「ハイパーエクスパン」、「N−EX」、「ブライスター」やこれらの粉砕品などが挙げられる。
本発明で使用する膨張材の粒度は、特に限定されるものではないが、ブレーン比表面積値で2,000cm/g以上25,000cm/g以下の範囲のものが好ましく、2,200cm/g以上15,000cm/g以下のものがより好ましく、2,400cm/g以上10,000cm/g以下のものがさらに好ましい。膨張材のブレーン比表面積値が上記下限値以上であることで、ブリーディングを抑制することができる。また、膨張材のブレーン比表面積値が上記上限値以下であることで、十分な膨張性を得ることができる。
本発明で使用する膨張材の含有割合は、セメント100質量部に対して、0.5質量部以上20質量部以下が好ましく、1.0質量部以上18質量部以下がより好ましく、2質量部以上15質量部以下がさらに好ましい。膨張材の含有割合が上記下限値以上であることで、ひび割れ抑制効果を得やすくなる。膨張材の含有割合が上記上限値以下であることで、強度発現性が良好となる。膨張材の含有割合が上記範囲内であることで、本発明の効果を満たすグラウト材料、即ち、流動性を高め、自己治癒効果を向上させるグラウトモルタル材料とすることが容易になる。
本発明のグラウト材料は、セメント、膨張材、ガス発泡物質、減水剤、細骨材とともに、凝結を促進し、短期での強度増進を図るの観点から、急硬材を含有させることが可能である。
本発明に使用する急硬材としては、凝結を促進し、短期での強度増進を図るものであれば、特に限定されるものではない。急硬材は、凝結を促進するものとして、ギ酸カルシウムに代表される有機酸のカルシウム塩、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、チオシアン酸塩、アミン類、無水マレイン酸、水ガラスに代表される珪酸塩、硫酸アルミニウム、及び、ミョウバンに代表されるアルミニウム塩、カルシウムアルミネート(アルミン酸カルシウム)、アルミン酸塩等が挙げられる。これらの中では、強度発現性の点から、アルミン酸塩が好ましく、カルシウムアルミネート(CA)を含むことが好ましい。カルシウムアルミネートは、石膏と併用することで強度発現性が良好となる観点でより好ましい。石膏の使用量は、カルシウムアルミネート100質量部に対して、80質量部以上250質量部以下であることが好ましく、90質量部以上220質量部以下であることがより好ましく、100質量部以上200質量部以下であることがさらに好ましい。石膏の含有割合が上記下限値以上であることで、早期硬化性を得やすくなる。また、石膏の含有割合が上記上限値以下であることで、強度発現性、自己治癒効果が良好となる。石膏の含有割合が上記範囲内であることで、本発明の効果を満たす補修モルタル材料の早期硬化性、自己治癒効果を向上させるグラウト材料とすることが容易になる。
カルシウムアルミネートは、カルシア原料とアルミナ原料などを混合して、キルンで焼成し、あるいは、電気炉で溶融し冷却して得られるCaOとAlとを主成分とする水和活性を有する物質の総称であり、結晶質、又は非晶質のいずれであっても使用可能である。硬化時間が早く、初期強度発現性が高い材料である。カルシウムアルミネートの代表的なものとしてはアルミナセメントが挙げられ、通常、市販品が使用できる。例えば、アルミナセメント1号、アルミナセメント2号などが使用できる。なかでも、アルミナセメントよりも短時間で硬化し、その後の初期強度発現性が高い点から、溶融後に急冷した非晶質カルシウムアルミネートが好ましい。
カルシウムアルミネートのなかでも、CaOとAlとのモル比(CaO/Alモル比)は、1.2以上3.0以下であることが好ましく、1.7以上2.5以下であることがより好ましい。モル比が上記範囲内であることで、硬化時間をより短縮して初期強度発現性を高めることができる。
本発明では、カルシウムアルミネート中に含まれる不純物は15質量%以下であることが初期強度発現性の点から好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましい。ここで不純物とは、CaOとAl以外の物質をいう。該不純物が15質量%を超えると硬化に時間を費やし、さらに低温時には固まらない場合がある。不純物の代表例としては、酸化ケイ素や酸化マグネシウムや酸化硫黄が挙げられるが、その他に、有機物、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、酸化チタン、酸化鉄、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、アルカリ金属硫酸塩、該アルカリ土類金属硫酸塩等がCaOやAlの一部に置換又は固溶したものがある。しかし、これらに限定されない。
本発明で使用するカルシウムアルミネートのガラス化率は、反応活性の面で70質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。ガラス化率が70質量%未満であると初期強度発現性が低下する場合がある。カルシウムアルミネートのガラス化率は、反応活性の点で70質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。ガラス化率は、測定サンプルについて、粉末X線回折法により結晶鉱物のメインピーク面積Sを予め測定し、その後1,000℃で2時間加熱後、(1〜10℃)/分の冷却速度で徐冷し、粉末X線回折法による加熱後の結晶鉱物のメインピーク面積Sを求め、これらのS及びSの値を用い、次の式を用いてガラス化率を算出する。
ガラス化率(質量%)=100×(1−S/S
カルシウムアルミネートの粒度は、初期強度発現性の面で、ブレーン比表面積値3,000cm/g以上が好ましく、5,000cm/g以上がより好ましい。カルシウムアルミネートの粒度が上記下限値以上であることで、硬化時間が短くなることで初期強度発現性が良好となり、自己治癒性能が良好となる。
本発明で使用する急硬材の含有割合は、セメント100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下であることが好ましく、3質量部以上25質量部以下であることがより好ましく、5質量部以上20質量部以下であることがさらに好ましい。また、急硬材としてカルシウムアルミネートを含有する場合、カルシウムアルミネートの含有割合は、セメント100質量部に対して、2質量部以上20質量部以下であることが好ましく、3質量部以上18質量部以下であることがより好ましく、4質量部以上15質量部以下であることがさらに好ましい。急硬材の含有割合が上記下限値以上であることで、早期硬化性、ひび割れ抑制効果を得やすくなる。また、急硬材の含有割合が上記上限値以下であることで、強度発現性が良好となる。急硬材の含有割合が上記範囲内であることで、自己治癒効果を向上させることが容易となり、本発明の効果を満たす補修モルタル材料を得られる。
本発明で使用するガス発泡物質とは、グラウトモルタル組成物を施工した後、まだ固まらない状態のグラウト材料がブリーディングによる沈下や収縮するのを抑止する目的で用いものをいう。本発明で使用するガス発泡物質としては、水と混練後に気体を発生するものであればよく、特に限定されるものではない。
ガス発泡物質としては、植物油及び鉱物油等の油状物質が挙げられる。また、ガス発泡物質としては、ステアリン酸で表面処理した燐片状のアルミニウム粉末、及びアトマイズ製法で製造したアルミニウム粉末等の粉末物質が挙げられる。また、ガス発泡物質としては、アゾ化合物、ニトロソ化合物及びヒドラジン誘導体等のアルカリ雰囲気下で窒素ガスを発泡する窒素ガス発泡物質が挙げられる。また、ガス発泡物質としては、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム及び過炭酸アンモニウムなどの過炭酸塩、過ホウ酸ナトリウムや過ホウ酸カリウム等の過ホウ酸塩、過マンガン酸ナトリウム及び過マンガン酸カリウムなどの過マンガン酸塩、並びに、過酸化水素等の過酸化物質が挙げられる。
本発明で使用するガス発泡物質としては、沈下抑制効果が大きいことから、ステアリン酸等で表面処理したアルミニウム粉末を用いることが好ましい。
本発明で使用するガス発泡物質として使用する窒素ガス発泡物質は、グラウト材料中に含まれるセメントが、水と共に練混ぜた際に生成するアルカリとの反応により、窒素ガスを発生する化合物を含有するものであり、一酸化炭素、二酸化炭素、及びアンモニアなどのガスを副生してもよい。
本発明で使用する窒素ガス発泡物質としては、構造物と一体化させるために、また、まだ固まらない状態のグラウトモルタルが沈下や収縮するのを抑止するために、さらには、乾燥状態に置かれた際のひび割れ抵抗性を向上させるために使用できるものであれば特に限定されるものではない。
ガス発泡物質の含有割合は、セメント100質量部に対して、0.0001質量部以上1質量部以下が好ましく、0.0005質量部以上0.5質量部以下がより好ましく、0.001質量部以上0.2質量部以下がさらに好ましい。ガス発泡物質の含有割合が上記下限値以上であることで、充分な初期膨張効果を付与することができる。また、ガス発泡物質の含有割合が上記上限値以下であることで、強度発現性が良好となる。
本発明で使用する減水剤は、各材料の分散を助けるとともに、練り上がったグラウトモルタルの流動性を付与する役割を担う。
本発明で使用する減水剤は、特に限定されるものではなく、例えば、ナフタレン系減水剤、メラミン系流減水剤、アミノスルホン酸系減水剤、及びポリカルボン酸系減水剤が挙げられ、本発明ではこれら減水剤のうちの一種又は二種以上が使用可能である。
減水剤の具体例としては、例えば、ナフタレン系減水剤としては、エヌエムビー社製商品名「レオビルドSP−9シリーズ」、花王社製商品名「マイティ2000シリーズ」、及び日本製紙社製商品名「サンフローHS−100」などが挙げられる。メラミン系減水剤としては、日本シーカ社製商品名「シーカメント1000シリーズ」及び日本製紙社製商品名「サンフローHS−40」などが挙げられる。アミノスルホン酸系減水剤としては、藤沢薬品工業社製商品名「パリックFP−200シリーズ」などが挙げられる。ポリカルボン酸系減水剤としては、エヌエムビー社製商品名「レオビルドSP−8シリーズ」、グレースケミカルズ社製商品名「ダーレックススーパー100PHX」、及び竹本油脂社製商品名「チューポールHP−8シリーズ」、「チューポールHP−11シリーズ」などが挙げられる。
減水剤には粉末状のものも存在する。具体的には、ナフタレン系減水剤としては、花王社製商品名「マイティ100」、三洋化成工業社製商品名「三洋レベロンP」、及び第一工業製薬社製商品名「セルフロー110P」などが挙げられる。メラミン系減水剤としては、BASFポゾリス社製「メルメントF10M」などが挙げられる。ポリカルボン酸系減水剤としては、例えば、三菱化成社製商品名「クインフロー750」や花王社製商品名「CAD9000P」などが挙げられる。
減水剤の含有割合は、セメント100質量部に対して、固形分換算で0.1質量部以上2質量部以下が好ましく、0.2質量部以上1.8質量部以下がより好ましく、0.3質量部以上1.0質量部以下がさらに好ましい。減水剤の含有割合が上記下限値以上であることで、十分な流動性を得ることができる。また、減水剤の含有割合が上記上限値以下であることで、材料分離を抑制することができる。
本発明で使用する細骨材の化学成分は、CaOの割合が85質量%以上、SiOの割合が0.2質量%以上15質量%以下であることが好ましい。細骨材の化学成分として、CaOの割合及びSiOの割合が上記範囲内であることで、高い流動性、中性化抵抗性や鉄筋との付着強度、防錆に優れるグラウト材料が得られる。
CaOの割合は、87質量%以上であることが好ましく、89質量%以上であることがより好ましく、91質量%以上であることがさらに好ましい。CaOの割合の上限は、特に限定されないが、99質量%以下であることが好ましく、98.5質量%以下であることがより好ましい。
SiOの割合は、0.25質量%以上13質量%以下であることが好ましく、0.3質量%以上11質量%以下であることがより好ましく、0.4質量%以上10質量%以下であることがさらに好ましい。
細骨材の化学成分を上記範囲内及び後述範囲内にするために、珪砂、方解石、変成岩であるスカポライト、火成岩である石英、カリ長石等を混合させて調製する。化学成分は、本発明の範囲に入るよう、蛍光X線回折で確認しながら、各岩を混合し調整する。なお、本発明で使用する細骨材の化学成分は、酸化物換算で計算したものである。
本発明で使用する細骨材としては、通常のセメントモルタルやコンクリートに使用するものと同様の細骨材が使用可能である。即ち、川砂、砕石、砕砂、石灰砂、けい砂、色砂、及び人工軽量骨材等が使用可能であり、これらを組み合わせることも可能である。特に、流動性を高め、自己治癒効果を目的とした用途では、シリカ質のけい砂や石灰砂の使用が好ましく、細骨材の粒度は、JIS6〜8号が好ましい。細骨材の粒度が上記範囲内であることで、十分な流動性及び自己治癒効果が得られる。
細骨材の含有割合は、セメント100質量部に対して、40質量部以上300質量部以下であることが好ましく、45質量部以上275質量部以下であることがより好ましく、50質量部以上250質量部以下であることがさらに好ましい。細骨材の含有割合が上記範囲内であることで、十分な流動性及び自己治癒効果が得られる。
本発明のグラウト材料は、セメント、膨張材、ガス発泡物質、減水剤、細骨材とともに、自己治癒効果を向上させる観点から、亜硝酸塩を含有させることが可能である。亜硝酸塩としては、特に限定されるものではないが、亜硝酸リチウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸カルシウム、亜硝酸マグネシウム、及び亜硝酸バリウムが挙げられ、これらのうち、自己治癒効果に優れ、アルカリ骨材反応に対して影響のない亜硝酸リチウム及び亜硝酸カルシウムが好ましい。亜硝酸塩の形態としては粉体でも溶液でも特に限定されるものではない。
亜硝酸塩の含有割合は、セメント100質量部に対して、2質量部以上20質量部以下が好ましく、5質量部以上18質量部以下がより好ましく、7質量部以上16質量部以下がさらに好ましい。亜硝酸塩の含有割合が上記範囲内であることで、流動性を高め、自己治癒効果を向上させることができる。
本発明のグラウト材料は、セメント、膨張材、ガス発泡物質、減水剤、細骨材とともに、強度発現性の改善や耐酸性の向上、可使時間の確保に加えて、寸法安定性を良好にする観点から、シリカ質微粉末を含有させることが可能である。
シリカ質微粉末としては、高炉水砕スラグ微粉末等の潜在水硬性物質、フライアッシュや、シリカフュームなどのポゾラン物質を挙げることができ、中でも、シリカフュームが好ましい。
シリカフュームの種類は限定されるものではないが、流動性の観点から、不純物としてZrOを10%以下含有するシリカフュームや、酸性シリカフュームの使用がより好ましい。酸性シリカフュームとは、シリカフューム1gを純水100ccに入れて攪拌した時の上澄み液のpHが5.0以下の酸性を示すものをいう。
シリカ質微粉末の粉末度は特に限定されるものではないが、通常、高炉水砕スラグ微粉末とフライアッシュは、ブレーン値で3,000cm/g以上9,000cm/g以下の範囲にあり、シリカフュームは、BET比表面積で2万cm/g以上30万cm/g以下の範囲にある。
シリカ質微粉末の含有割合は、セメント100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下が好ましく、2質量部以上15質量部以下がより好ましく、3質量部以上10質量部以下がさらに好ましい。シリカ質微粉末の含有割合が上記下限値以上であることで、強度発現性の改善、耐酸性の向上、可使時間の確保、及び寸法安定性を良好にすることができる。また、シリカ質微粉末の含有割合が上記上限値以下であることで、流動性を向上させ、自己治癒効果を向上させることができる。
本発明では、性能に悪影響を与えない範囲で、凝結調整剤、AE剤、防錆剤、撥水剤、抗菌剤、着色剤、防凍剤、石灰石微粉末、高炉徐冷スラグ微粉末、下水汚泥焼却灰やその溶融スラグ、都市ゴミ焼却灰やその溶融スラグ、及びパルプスラッジ焼却灰等の混和材料、消泡剤、増粘剤、収縮低減剤、スチールファイバー、ビニロンファイバー、炭素繊維、及びワラストナイト繊維等の繊維物質、ポリマー、ベントナイト、セピオライトなどの粘土鉱物、並びに、ハイドロタルサイトなどのアニオン交換体等のうちの一種又は二種以上を、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で使用することが可能である。
本発明のグラウト材料において、各材料の混合方法は特に限定されるものではなく、それぞれの材料を施工時に混合しても良いし、あらかじめ一部を、あるいは全部を混合しておいても差し支えない。
混合装置としては、既存のいかなる装置、例えば、傾胴ミキサ、オムニミキサ、ヘンシェルミキサ、V型ミキサ、及びナウタミキサなどの使用が可能である。
本発明のグラウトモルタル組成物は、既述の本発明のグラウト材料と水とを含有するものであり、グラウト材料と水とを混錬してなる。
本発明の練り混ぜ水量は、使用する目的・用途や各材料の含有割合によって変化するため特に限定されるものではないが、グラウト材料100質量部に対して、10質量部以上70質量部以下であることが好ましく、14質量部以上65質量部以下であることがより好ましく、16質量部以上60質量部以下であることがさらに好ましい。練り混ぜ水量が上記下限値以上であることで、流動性の低下を抑制し、発熱量が極めて大きくなることを抑制することができる。また、練り混ぜ水量が上記上限値以下であることで、強度発現性を確保することができる。
本発明において、グラウト材料と水との練り混ぜ方法は特に限定されるものではないが、回転数が900rpm以上のハンドミキサ、通常の高速グラウトミキサ、又は二軸型の強制ミキサを使用することが好ましい。
ハンドミキサや高速グラウトミキサでの練り混ぜは、例えば、ペール缶等の容器やミキサにあらかじめ所定の水を入れ、その後ミキサを回転させながらグラウトモルタル組成物を投入し、3分以上練り混ぜることが好ましい。又、強制ミキサでの練り混ぜは、例えば、あらかじめグラウトモルタル組成物をミキサに投入し、ミキサを回転させながら所定の水を投入し、少なくとも4分以上練り混ぜることが好ましい。練り混ぜ時間が所定時間未満では、練り不足のため適切なグラウトモルタルの流動性が得られない場合がある。
練り混ぜられたグラウトモルタルは、通常、手動式注入ガン、ダイヤフラム式手押しポンプ、あるいは、スクイズ式等のモルタルポンプにより施工箇所まで圧送し、充填施工されることで、本発明のグラウトモルタル組成物を用いてなる硬化体となる。
以下、本発明の実験例に基づいて、本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実験例1
セメント100質量部に対して、膨張材11.1質量部、ガス発泡物質0.0025質量部、減水剤0.5質量部を含有し、急硬材、細骨材、亜硝酸塩をセメント100質量部に対して表1に示す質量部を含有するように調製し、グラウト材料を得た。次いで、当該グラウト材料について、蛍光X線回折によりSO含有量を測定し、かつ、蛍光X線回折によりMgO含有量を測定したうえで、その測定値を考慮しながら、最終的なグラウト材料において下記表1に記載のSO含有量及びMgO含有量となるようにSO含有混和剤(材質名:硫酸カリウム)、MgO含有混和剤(材質名:炭酸マグネシウム)を混合し、グラウト材料を調製した。
得られたグラウト材料100質量部に対して、水23質量部で混練しグラウトモルタル組成物を調製した。
調製したグラウトモルタル組成物の流動性、自己治癒効果を測定した。結果を表1に併記する。
<使用材料>
・セメント:試製セメント(セメント工場の調合原料及び化学成分の調整に各種市販の純薬を用いた。)、ブレーン値3,450cm/g
・膨張材:CaO原料、Al原料、SiO原料、CaSO原料を配合し、混合粉砕した後1,200℃で焼成してクリンカを合成し、ボールミルを用いてブレーン比表面積で3,000cm/gに粉砕して、作製した。なお、テルネサイトの同定と含有量は、蛍光X線から求めた化学組成と粉末X線回折の同定結果に基づいて計算により求めた。膨張材100質量部に含まれるテルネサイトの含有量を表1に示す。
・ガス発泡物質:ステアリン酸で表面処理した燐片状のアルミニウム粉末、市販品
・減水剤:ナフタレン系減水剤、市販品(第一工業製薬社製「セルフロ−110P」)
・水:水道水
・細骨材:石灰砂、0.6mm下を50%、0.6〜1.2mmを50%混合したものを使用した。
・急硬材A:CaO43%、Al53%となるように調整し、電気炉で溶融・急冷した非晶質カルシウムアルミネート、ガラス化率98%以上、ブレーン比表面積6,050cm/g、カルシウムアルミネート100質量部に石膏を150質量部混合したものを用いた。
・急硬材B:ギ酸カルシウム、試薬
・急硬材C:硝酸カルシウム、試薬
・亜硝酸塩:亜硝酸リチウム水溶液、固形分濃度40%を用い、表1に示す質量部は固形分の量を示す。
<測定項目>
・流動性:JSCE−F 541に準拠し、30℃環境下のJ14漏斗流下値で練混ぜ直後と30分後に測定した。
・自己治癒効果:JISA6206に準拠し鉄筋拘束条件下で10cm×10cm×40cmの形状でグラウト材を打設し、材齢56日後、供試体表面に歪ゲージを取り付け曲げ試験を行い、ひび割れ幅が0.1mmのひび割れが生じた時点で、曲げ試験を終了させた。その後、湿度98質量%、35℃の条件下で28日静置後、湿度60質量%、20℃の条件下で7日静置を5サイクル繰り返えし、ひび割れが閉塞している面積割合(閉塞した面積/ひび割れが生じた面積)を測定し、自己治癒効果を確認した。
Figure 0006985547
表1の結果より、特定量のSO、MgOを含有することで高い流動性、自己治癒効果を示すことを確認した。
本発明のグラウト材料は、特定量のSO、MgOを含有することで高い流動性、自己治癒効果を持つグラウト材料、グラウトモルタル組成物およびそのグラウト方法を提供することが可能となり、橋脚の鋼板巻き立て工法、大型しゅう座の充填工法、補強鉄筋の定着材、その他の間隙充填、コンクリートの断面修復、セルフレベリング床材等、並びに、土木・建築用途等、広範囲に利用できる。

Claims (8)

  1. セメント、膨張材、ガス発泡物質、減水剤、細骨材からなるグラウト材料であって、前記膨張材がテルネサイトを含有するグラウト材料。
  2. SO の量が0.5質量%以上10.0質量%以下、MgOの量が0.1質量%以上3.0質量%以下である、請求項1に記載のグラウト材料。
  3. 前記テルネサイトの含有量は、前記膨張材100質量部に対して、0.05質量部以上20質量部以下である、請求項1又は2に記載のグラウト材料。
  4. さらに急硬材を含有し、
    前記急硬材は、カルシウムアルミネートを含有し、
    前記カルシウムアルミネートがCaO/Alモル比1.2以上3.0以下であり、
    前記カルシウムアルミネートの含有割合は、前記セメント100質量部に対して、2質量部以上20質量部以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のグラウト材料。
  5. 前記細骨材の含有割合は、前記セメント100質量部に対して、40質量部以上300質量部以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載のグラウト材料。
  6. さらに亜硝酸塩を含有し、
    前記亜硝酸塩の含有割合は、セメント100質量部に対して、2質量部以上20質量部以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載のグラウト材料。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載のグラウト材料と水とを含有するグラウトモルタル組成物。
  8. 請求項に記載のグラウトモルタル組成物を用いてなる硬化体。
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