JP7363200B2 - 液体吐出装置 - Google Patents
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Description
図1に示すように、複合機11は、液体吐出装置12と、液体吐出装置12上に配置されて液体吐出装置12の上側を覆う画像読取装置13とを備え、全体として略直方体状をなしている。
図3に示すように、印刷などにより液体吐出ヘッド32で消費される液体は、液体収容部18からインク供給チューブ34を通じて液体吐出ヘッド32に供給される。液体収容部18とインク供給チューブ34との流路経路上の間には、液漏れ抑制機構LSが設けられている。液漏れ抑制機構LSは、印刷が行われるときの液体吐出装置12の姿勢である図3に示す第1姿勢Aから、液体吐出装置12を運搬又は収納などを目的として非印刷時に筐体20を90度倒置させるなどの姿勢へ変えても、液体吐出ヘッド32のノズル31からの液漏れを抑制する。
にするために、ノズル31の開口部の直径(例えば、20μm)よりも小さい15μm程度に設定することが好ましい。
図7に示すように、本実施形態においては、インクタンク45は4つ設けられているが、図の簡略化のために1つのインクタンク45を図示している。収容量が多いブラック用の第1液体収容部18Aは液体の収容量が多いことを除いては、複数設けられたインクタンク45の各構成と略同じであるため、1つのインクタンク45を説明して他のインクタンク45の説明を省略する。
て、液体吐出ヘッド32のノズル31に向かって流れる。液体が流れる方向を下流といい、これと反対の方向を上流という。
の液面がフィルター112の高さを超えることはなく、空気室81に蓄えられていた空気がフィルター112の表面を覆った状態が保たれる。
まず、液体収容部18の液体導出部62からフィルター室111の上流側接続部63までの流路である上流側供給路61について説明する。
る。この理由については後で説明する。
次に、図14、図15を参照して、フィルター室111と空気室81を繋ぐ流路である第1流路71(図8、図9参照)及び第2流路101(図8、図9参照)について説明する。図14は液体吐出装置12が、第1姿勢Aにおける流路内のインクの状態を示し、図15は液体吐出装置12が、第1姿勢Aから第2姿勢Bとなったときの流路内のインクの状態を示している。
図16に示すように、第1流路71は、第1フィルター室115(表側)の第1流路導入口72と第1空気室82(表側)の第1流路導出口73を繋ぐことにより、第1フィルター室115と第1空気室82(表側)を連通している。第2姿勢Bとなったときに、第
1フィルター室115と連通する第1流路71へと繋がる第1流路導入口72は、堀部75と同じ高さであり、フィルター112の面の高さよりも1段低く構成されている。
最後に、フィルター室111の下流側接続部122から液体吐出ヘッド32までの流路である下流側供給路121について説明する。
図2に示すように、液体吐出装置12における生産工場の製造ラインにおいて、液体吐出装置12の組立が終了したときには、インクタンク45は、インクが全く充填されておらず、空気で満たされている状態である。ユーザーは、液体吐出装置12をはじめて使用
するとき、操作レバー42を操作してキャップを外し、液体収容部18が上部に有する注入口24(図3参照)からインクタンク45にインクを注入する。
、-500Pa~-1kPa程度の負圧が好ましい。本実施形態のように、液体収容部18内の各液面L1に対して、液体吐出ヘッド32のノズル形成面30の高さが高ければ、ノズル31における水頭圧は負圧となる。
、図4に示すように、液体収容部18の液面L1と液体吐出ヘッド32のノズル31の開口との間の水頭差が大きくなる第2姿勢B(図4参照)であっても、バブルポイント圧に相当する圧力が減圧されるので、ノズル31に液漏れが発生するほどの水頭圧がかからない。よって、液体吐出ヘッド32のノズル31からインクが漏れることを防止できる。
83で複数の小部屋に区切ることによって、液体の大きな動きを抑えて、大きな波が発生しないような構成になっている。液体吐出装置12が運搬中に振動するときにインクに発生する波を壁部83に当てることでインクの波を抑制する。インクが波で泡立ってしまうと体積が増えるため、フィルター室111との接続流路である第2流路101に対して、泡状のインクが侵入やすくなるが、分割壁88によってインクの泡立ちが抑えられる。すなわち、壁部83の作用によって、フィルター室111との接続流路である第2流路101に対して、泡状のインクが侵入することを防ぐことができる。
(1)液体吐出装置12の姿勢が第1姿勢Aから第2姿勢Bに変更されると、フィルター112よりも上方位置にあった第1フィルター室115の液体は、重力の影響によって下方の第2流路101から第2流路導入口102を通じて空気室81と移動する。移動した液体の体積と同じ体積の空気が第1流路71から第1流路導出口73を通じて第1フィルター室115に入り、フィルター112の表面が空気で覆われる。つまり、フィルター室111のインクの液面がフィルター112の上面と同じかフィルター112の上面よりも下がる。フィルター112には多数の細孔113による毛管が存在する。フィルター112の表面が空気で覆われると、インクの表面張力が細孔113による毛管にインクのメニスカスを形成することで水頭圧に抗するバブルポイント圧が発生する。フィルター112はバブルポイント圧が水頭圧より大きくなるように設定されているので、液体収容部18の液面L1とノズル31との間の水頭差の割にノズル31に作用する実質的な水頭圧が小さく抑えられる。そのため、液体収容部18とノズル31との水頭差が大きくなる第2姿勢Bであっても、液体吐出ヘッド32のノズル31からインクが漏れることを防止できる。
される。そのため、液体吐出装置12の使用状態である第1姿勢Aにおいて、空気室81に空気を蓄えやすい。常に空気室81に空気が蓄えられていることにより、第2姿勢Bになったときに、フィルター112の表面を空気で覆うことができるため、液体吐出ヘッド32のノズル31からインクが漏れることを安定して防止できる。また、第1姿勢Aにおいて複数の流路71,101にインクが溜まらない。例えば、第1姿勢Aにおいて複数の流路71,101の一部にインクが溜まる構成であると、複数の流路71,101の一部に溜まっていた、例えば顔料が沈降するなどの古いインクが、第2姿勢Bから第1姿勢Aに戻った後に混入する虞がある。しかし、第1姿勢Aにおいて複数の流路71,101の一部にインクが溜まりにくい構成なので、上記問題も回避できる。
びフィルター112の上面を塞ぐことを抑制できる。
・インクタンク45のフィルター室111内にフィルター112を設けたが、インクタンク45の外に、フィルター112を含む液漏れ抑制機構LSを設けてもよい。液漏れ抑制機構LSは、水頭圧によってインクの移動が起こらない程度のバブルポイント圧を発生させられればよいため、必ずしもキャリッジ33から最も遠い位置にあるインクタンク45内に搭載する必要はない。
・各インクタンク45からの各供給流路51の途中に、複数の個所にフィルター112を含む液漏れ抑制機構LSを設けてもよい。その各々の液漏れ抑制機構LSにおいてフィルター112の上流側に複数の流路を備え、その複数の流路を別々の空気室81に繋げてもよいし、同じインクタンクから複数の供給流路が延びていれば、複数の供給流路にそれぞれ接続されるその複数の流路を繋ぐ空気室81は、1つであってもよい。
・空気室81と供給流路51とを接続する流路の数は2つに限定されず、3つ以上でもよい。
・第1姿勢Aにおいて、空気室81とフィルター室111を繋ぐ複数の流路のうちの少なくとも1つがフィルター112よりも低い位置又はフィルター112と同じ高さの位置で供給流路51に接続されていてもよい。
クが漏れることを防止できる。
・空気室81の分割壁88は第2姿勢Bとなったときに水平となるよう構成されていたが、水平でなく、水平に対して角度が付いていてもよい。ただし、角度が大きくなると波立ち防止や泡立ち防止の効果は少なくなる。
・第1空気室82と第2空気室86とは、第1貫通孔84と、第2貫通孔85との2つの貫通孔で連通しているが、その数は限定されず、形状も限定されない。インクと空気の移動ができる程度の貫通孔の大きさであればよい。
・下部連通孔67の流路断面積(大きさ)は、下部流路66の最小流路断面積の例えば1/20~1/2の範囲内の値としているが、形状、大きさは限定されない、ただし、インクの初期充填と意図しないインク移動の抑制の両立には適度な大きさがあるので、両立できる適度な大きさを設定するのが好ましい。
機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属、金属融液、のような流状体を含むものとする。液体は、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体吐出装置の具体例としては、例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造等に用いられる電極材や色材等の材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を吐出する装置がある。液体吐出装置は、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を吐出する装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を吐出する装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。液体吐出装置は、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を吐出する装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ、光学レンズ、などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に吐出する装置であってもよい。液体吐出装置12は、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を吐出する装置であってもよい。
(A)液体吐出装置は、液体を吐出する液体吐出ヘッドと、前記液体を収容する液体収容部と、前記液体吐出ヘッドと前記液体収容部とを連通する供給流路と、前記供給流路に複数の流路で接続される空気室と、を備え、前記供給流路はフィルターを有し、前記複数の流路はそれぞれ、前記供給流路において前記フィルターより上流側に接続され、使用時の姿勢である第1姿勢において、前記空気室は前記フィルターよりも高い位置に位置する。
この構成によれば、第1姿勢において、空気室はフィルターを有する供給流路の鉛直上
方に位置し、供給流路と空気室とを繋ぐ複数の流路はフィルターよりも高い位置で供給流路に接続されるため、空気室及び該複数の流路は液体の流路からは外れている。そのため、第1姿勢においては、空気室及び該複数の流路には液体ではなく空気が入っている。また、該複数の流路は、フィルターよりも上流側に接続されている。したがって、第1姿勢から装置が転倒して第2姿勢に変化したとき、供給流路においてフィルターよりも上流側にあった液体は、供給流路においてフィルターより上流側に接続される該複数の流路のうち少なくとも1つを通じて空気室に向かって移動が開始される。空気室及び該複数の流路がフィルターよりも高い位置で供給流路に接続されているため、空気室だけがフィルターの鉛直上方に位置する場合に比べて、空気室へ移動する空気の量は多い。
この構成によれば、第2姿勢において、第2姿勢の状態で液体吐出装置が運搬等で振動するときに液体の移動または液体に発生する波を、空気室を上下に分ける分割壁に当てることで抑制する。第2姿勢において空気室の液体が泡立ってしまうと体積が増え、空気室に溜まる液体の実質的な量が相対的に少なくなり、これに伴い液体収容部とフィルターとの間に空気の層によってできる液面が、想定した液面高さよりも上昇してしまう。この場合、メニスカスが形成されなくなったり、メニスカスが形成されるまでに液体吐出ヘッドから漏れる液体の量が増えてしまったりする不都合が発生する。しかし、空気室の泡立ちを抑制できるので、これらの不都合を極力回避できる。また、供給流路への泡状の液体の侵入を抑制することもできる。
この構成によれば、第2姿勢Bにおいて、分割壁の下方側の空気室に移動した液体はフィルターの上流側に戻る虞が少なく、液体がフィルターの上面を塞ぐ体積を抑制できる。
この構成によれば、第2姿勢Bにおいて、空気室が分割壁で分割された2つの部屋のうち上側の部屋に流入した液体は連通路を通って、分割壁より下にある部屋に移動するため、液体を空気室の下部に集めることができる。
この構成によれば、空気室を分割壁で分けた部屋を壁部で小部屋に区切ることによって、液体吐出装置が運搬等によって振動するときに液体に発生する波を壁部に当てることで液体の大きな動きが抑えられる。このため、空気室内の液体に大きな波が発生しないので、液体の泡立ちが抑えられる。よって、空気室内の液体の泡立ちに起因してフィルターの上流側の面よりも液面が上昇してメニスカスが形成されなくなる頻度を低減したり、メニスカスが形成されるまで液体吐出ヘッドから漏れる液体の量を少なく抑えたりすることができる。また、泡立つ液体が供給流路に侵入することを防ぐことができる。
細孔半径、θ:接触角、γ:液体の表面張力、HP…ホームポジション位置、LS…液漏れ抑制機構
Claims (9)
- 液体を吐出する液体吐出ヘッドと、
前記液体を収容する液体収容部と、
前記液体吐出ヘッドと前記液体収容部とを連通する供給流路と、
前記供給流路から分岐する複数の流路によって、前記供給流路に接続される空気室と、
を備え、
前記供給流路はフィルターを有し、
前記複数の流路はそれぞれ、前記供給流路において前記フィルターより上流側に接続され、
使用時の姿勢である第1姿勢において、前記空気室は前記フィルターよりも高い位置に位置し、空気で満たされていることを特徴とする液体吐出装置。 - 前記複数の流路は、前記第1姿勢において、前記フィルターよりも高い位置で前記供給流路に接続されることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
- 前記液体収容部が前記液体吐出ヘッドよりも高い位置となる第2姿勢において、前記空気室の少なくとも一部は、前記フィルターよりも低い位置に位置することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体吐出装置。
- 前記供給流路はフィルター室を有し、
前記フィルターは前記フィルター室内に設けられ、
前記フィルター室内に、前記フィルターよりも上流であって、かつ、前記第2姿勢となったときに前記フィルターの上流側の面よりも低くなる堀部を設け、
前記複数の流路のうちの少なくとも1つを該堀部に接続することを特徴とする請求項3に記載の液体吐出装置。 - 前記空気室は、前記第2姿勢において前記空気室を上下に分ける分割壁を有することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の液体吐出装置。
- 前記分割壁は前記第2姿勢における前記空気室の液面よりも高い位置に配置されることを特徴とする請求項5に記載の液体吐出装置。
- 前記分割壁は、前記空気室が当該分割壁により分割された2つの部屋を連通する貫通孔を有することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の液体吐出装置。
- 前記空気室は、前記分割壁と交差する方向に突出する壁部を有することを特徴とする請求項5から請求項7のうち何れか一項に記載の液体吐出装置。
- 前記供給流路のうち、前記液体収容部と、供給流路においてフィルターが設置される部分の流路と、を連通する部分の少なくとも一部が、前記第2姿勢において前記フィルターよりも低くなる位置を経由することを特徴とする請求項3から請求項8のうち何れか一項に記載の液体吐出装置。
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