JP7361363B2 - 化粧用組成物及び化粧品 - Google Patents

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特許法第30条第2項適用 集会名:カバーマーク「シルキーフィット」 プレスお試し会 開催日:令和1年(2019年)5月10日 開催場所:東京都中央区銀座4-8-10 PIAS GINZA 11階 集会名:カバーマーク「シルキーフィット」発表会 開催日:令和1年(2019年)5月13日、14日 開催場所:東京都港区虎ノ門1-23-4 アンダーズ東京 (虎の門ヒルズ51階 Tokyoスタジオ)
本発明は、例えばパウダーファンデーションなどの化粧用組成物、及び、該化粧用組成物を備える化粧品に関する。
従来、光散乱性を有する球状粉体を配合した、ファンデーションなどの化粧用組成物が知られている。この種の化粧用組成物は、光散乱性を有する球状粉体のぼかし効果によって、毛穴等の凹部を目立たなくすることができる。即ち、毛穴のカバー性能を発揮する。しかしながら、球状粉体は肌へ定着しにくいため、この種の化粧用組成物は、時間の経過に伴って化粧崩れが生じやすく、経時的に毛穴が目立つという問題を有する。
これに関連して、毛穴等の凹部のカバー性能を発揮する化粧用組成物としては、例えば、平均一次粒径が100nm未満の所定量の酸化チタン及び/又は酸化亜鉛の粉体と、平均一次粒子径が0.1~20μmの所定量の球状シリコーンエラストマー粉体とを配合した化粧用組成物が知られている(特許文献1)。
また、毛穴等の凹部のカバー性能を持続的に発揮する化粧用組成物としては、例えば、平均粒子径が1~30μmの所定量のポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末と、所定量の水素添加リン脂質処理粉体とを配合した化粧用組成物が知られている(特許文献2)。
しかしながら、特許文献1に記載された化粧用組成物は、肌における毛穴等の凹部をカバーする性能を有するものの、その性能を持続させることが困難である。即ち、皮脂の影響による化粧崩れに伴って、毛穴のカバー性能が持続しにくい。
また、特許文献2に記載された化粧用組成物は、肌における毛穴等の凹部をカバーする性能を持続的に発揮できるものの、使用感の点において不十分である。
そこで、皮脂が分泌されても毛穴のカバー性能を持続的に発揮できること、及び、良好な使用感を有することの両方を実現できる化粧用組成物が要望されている。
特許第5782256号公報 特許第5409046号公報
本発明は、上記問題点等に鑑み、毛穴等の凹部を良好にカバーする性能を持続的に発揮でき、且つ、良好な使用感を有する化粧用組成物、及び、該化粧用組成物を備えた化粧品を提供することを課題とする。
本発明に係る化粧用組成物は、球状粉体と、皮脂固化粉体とを含み、
前記皮脂固化粉体の粒子は、基材粒子と、該基材粒子に付着した酸化亜鉛とを含有することを特徴とする。
本発明に係る化粧品は、上記の化粧用組成物と、前記化粧用組成物を肌に塗布するためのスポンジと、を備えることを特徴とする。
本発明に係る化粧品においては、前記スポンジの表層部の少なくとも一部は、発泡ポリウレタン樹脂製であることが好ましい。
本発明の化粧用組成物及び化粧品は、毛穴等の凹部を良好にカバーする性能を持続的に発揮でき、且つ、良好な使用感を有する。
毛穴のカバー性能の評価結果を表す写真。
本発明に係る化粧用組成物の一実施形態について以下に説明する。
本実施形態の化粧用組成物は、例えば、固形ファンデーションである。以下、化粧用組成物としての固形ファンデーションについて、詳しく説明する。
本実施形態の化粧用組成物は、球状粉体と、皮脂固化粉体と、液状油とを含み、該皮脂固化粉体の粒子は、基材粒子と、該基材粒子に付着した酸化亜鉛とを含有する。
本実施形態の化粧用組成物は、可視光を散乱させやすい球状粉体を含む。そして、塗布時に毛穴等の凹部に球状粉体が入り込む。毛穴等の凹部は、その凹部の周囲よりも可視光を反射しにくいため、暗く目立ちやすい。これに対して、球状粉体の粒子形状が球状であるため、球状粉体を含む化粧用組成物は、肌の上を転がるように伸びて、広がり、なめらかな使用感を付与できる。また、塗布において球状粉体が伸びて、広がりやすいことから、毛穴等の凹部に球状粉体が入り込みやすい。その結果、球状粉体が入り込んだ凹部からの可視光の反射量が増加する。これによって、凹部の見え方が明るくなり、また、光散乱によって凹凸の境界線をぼかすことができる。そのため、毛穴等の凹部を目立たなくさせることができる。
ところが、毛穴の中には皮脂腺が多いため、経時的に分泌される皮脂によって、化粧塗膜の乱れ(ヨレ、ハガレ)が生じ、球状粉体が毛穴から出ていくという現象が起こり得る。これに対して、本実施形態の化粧用組成物には、皮脂固化粉体も配合されている。皮脂固化粉体は、皮脂を固化できるため、皮脂の影響による化粧塗膜の乱れを抑制できることから、球状粉体が毛穴に入り込んだ状態を保ちやすい。よって、本実施形態の化粧用組成物によれば、皮脂による化粧崩れを抑制して、毛穴等の凹部のカバー性能を持続的に発揮できる。また、球状粉体も配合されているため、きしみ感が抑えられたなめらかな使用感を実現できる。
上記の球状粉体や皮脂固化粉体を含む本実施形態の化粧用組成物は、上記の粉体同士を付着させるための液状油をさらに含む。これにより、化粧用組成物は、固形化された状態を保ちやすい。また、液状油の粘度は、後述するように比較的低いため、粉体同士が軟凝集状態を形成できる。従って、肌に塗布されたときに、粉体の分散性が良好であり、化粧用組成物のノビや広がりが向上する。これにより、球状粉体が肌の毛穴等の凹部に入り込みやすくなり、カバー性能をより十分に実現できる。
上記の球状粉体は、球状の粒子を含む。本明細書において球状とは、真球状又は長球状(回転楕円体状)を示す。球状の粒子は、表面に凹凸を有してもよい。以下、球状粉体を単にA成分と称する場合がある。
球状粉体の粒子が長球状である場合、長径/短径の比、すなわち楕円率は、通常、1.5以下である。
球状粉体の粒子の平均粒子径(平均直径)は、特に限定されないが、通常、3μm以上20μm以下である。
球状粉体の各粒子の材質は、無機物であってもよく、樹脂(高分子化合物)であってもよい。換言すると、球状粉体は、球状無機粉体であってもよく、球状樹脂粉体であってもよい。
肌に塗布された時に乾燥感のない使用感を付与できるという点で、球状粉体は、球状樹脂粉体を含むこと、又は、球状樹脂粉体であることが好ましい。
球状無機粉体としては、化粧用組成物に一般的に配合され得るものであれば特に制限されず、例えば、球状シリカ粉体、球状炭酸カルシウム粉体、球状アルミナ粉体、球状硫酸バリウム粉体などが挙げられる。
球状樹脂粉体としては、化粧用組成物に一般的に配合され得るものであれば特に制限されず、例えば、球状シリコーン樹脂粉体、球状ポリウレタン樹脂粉体、球状ポリアミド樹脂粉体、球状アクリル樹脂粉体(球状ポリメチルメタクリレート樹脂粉体など)、球状ポリスチレン樹脂粉体、球状ポリエチレン樹脂粉体、球状ポリエステル樹脂粉体、球状ビニル樹脂粉体、球状フッ素樹脂粉体、球状セルロース系樹脂粉体などが挙げられる。
球状粉体は、上記の各種粉体の2種以上の混合物であってもよい。球状粉体としては、球状樹脂粉体が好ましく、球状シリコーン樹脂粉体と球状ポリウレタン樹脂粉体とを含む2種類以上の混合樹脂粉体、又は、球状シリコーン樹脂粉体と球状ポリウレタン樹脂粉体と球状ポリアミド樹脂粉体とを含む3種類以上の混合樹脂粉体がより好ましい。
なお、球状シリコーン樹脂粉体としては、フェニル変性球状シリコーン樹脂粉体が好ましい。
上記のごとき混合樹脂粉体によって、毛穴等の凹部のカバー性能だけでなく、乾燥感のないなめらかな使用感も実現できる。
球状シリコーン樹脂粉体の平均粒子径(平均直径)は、3μm以上12μm以下であることが好ましく、球状ポリウレタン樹脂粉体の平均粒子径(平均直径)は、12μm以上20μm以下であることが好ましく、球状ポリアミド樹脂粉体の平均粒子径(平均直径)は、3μm以上12μm以下であることが好ましい。
上記のごとき球状粉体の平均粒子径は、例えば、レーザー回折/散乱法等によって測定することができる。レーザー回折/散乱法で測定された体積基準粒度分布からメジアン径を算出して、そのメジアン径を平均粒子径として採用する。
本実施形態の化粧用組成物は、上記の球状粉体を10質量%以上含むことが好ましく、15質量%以上含むことがより好ましく、20質量%以上含むことがさらに好ましい。また、上記の球状粉体を40質量%以下含むことが好ましく、35質量%以下含むことがより好ましく、30質量%以下含むことがさらに好ましい。これにより、塗布時におけるノビや広がりをより良好にすることができ、なめらかな使用感を付与することができる。また、毛穴等の凹部のカバー性能を発揮させつつ、化粧塗膜をより十分に肌に定着させることができる。
上記の球状粉体において、球状シリコーン樹脂粉体及び球状ポリアミド樹脂粉体の総量に対する球状ポリウレタン樹脂粉体の質量比は、0.2以上1.0以下であることが好ましく、0.2以上0.5以下であることがより好ましい。これにより、塗布時におけるノビや広がりをより良好にすることができ、なめらかな使用感を付与することができる。また、毛穴等の凹部のカバー性能を発揮させつつ、化粧塗膜をより十分に肌に定着させることができる。
上記の球状粉体としては、市販されている製品を用いることができる。
上記の皮脂固化粉体は、基材となる粉体と、該粉体に付着した酸化亜鉛とを含有する。換言すると、皮脂固化粉体の粒子は、基材粒子と、該基材粒子に付着した酸化亜鉛とを含有する。
例えば、上記の皮脂固化粉体は、酸化亜鉛粉体以外の無機粉体(基材となる粉体)と、酸化亜鉛とで構成されている。換言すると、上記の皮脂固化粉体の各粒子は、基材粒子である無機粒子と、無機粒子の表面に配置された酸化亜鉛とで構成されている。以下、皮脂固化粉体を単にB成分と称する場合がある。
上記の皮脂固化粉体を構成する酸化亜鉛は、肌の表面に分泌された皮脂に含まれる脂肪酸と反応して金属石鹸を生成することによって、皮脂を固化させる作用を有する。皮脂を固化させる皮脂固化粉体の作用は、酸化亜鉛の粒子が小さく、この粒子の表面積が大きいほど高くなる。
しかしながら、粒子径が小さい微粒子酸化亜鉛が粒子の状態でそのまま肌に接触すると、使用感を悪化させ、きしみ感を与え得る。
そこで、本実施形態の化粧用組成物に含まれる皮脂固化粉体は、酸化亜鉛以外の無機粉体を基材粉体とした、酸化亜鉛粒子との複合体(以下、酸化亜鉛複合化皮脂固化粉体とも称する)であることが好ましい。換言すると、皮脂固化粉体においては、無機粒子の表面に、粒子状の酸化亜鉛が物理的に付着した状態であることが好ましい。
皮脂固化粉体が上記のごとき複合体であることによって、皮脂を固化できる作用を有しつつ、きしみ感を低減でき、なめらかな使用感を付与できる。
上記の酸化亜鉛複合化皮脂固化粉体の各粒子(各複合粒子)を構成する無機粒子としては、化粧用組成物に一般的に用いられるものであれば特に制限されず、例えば、タルク、セリサイト、マイカ、硫酸バリウム、窒化ホウ素、雲母チタン、合成金雲母、カオリン、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、又は、ホウケイ酸化合物などの粒子が挙げられる。
上記の酸化亜鉛複合化皮脂固化粉体は、例えば下記のような方法によって作製される。
一の態様の酸化亜鉛複合化皮脂固化粉体は、例えば、酸化亜鉛以外の無機粉体(基材となる粉体)と、酸化亜鉛粉体(粒子状の酸化亜鉛)とを、乾式又は湿式で混合することによって得ることができる。酸化亜鉛粉体の粒子は、通常、無機粉体の粒子よりも小さい。このようにして得られた皮脂固化粉体では、無機粉体の粒子の表面に、酸化亜鉛の粒子が物理的に付着している。
他の態様の酸化亜鉛複合化皮脂固化粉体は、例えば、特許第5577079号公報に記載の方法で作製される。上記のごとき酸化亜鉛複合化粉体は、基材粒子として中間層及び外層を有し、中間層の両側にそれぞれ複数の外層が配置された構造を有してもよい。中間層及び外層の基材粒子の形状は、通常、板状である。少なくとも中間層と外層との間には、酸化亜鉛粒子がそれぞれ挟み込まれている。中間層は、1つの層であっても複数の層であってもよい。複数の中間層同士の間には、酸化亜鉛粒子が配置されてもよい。また、外層は、1つの層であっても複数の層であってもよい。斯かる方法で作製された酸化亜鉛複合化皮脂固化粉体を使用することによって、皮脂を固化できる作用を有しつつ、より一層きしみ感を低減でき、なめらかな使用感を付与できる。
上記の酸化亜鉛複合化皮脂固化粉体では、無機粉体(基材となる粉体)である中間層及び外層は、タルク、マイカ、セリサイトの粒子で構成されることがより好ましい。これにより、上記のごとく肌において皮脂が分泌されても、塗布された塗膜のヨレやハガレをより抑制できるという利点がある。
これに対して、上記の酸化亜鉛複合化皮脂固化粉体以外に、無機粉体の粒子の表面に、酸化亜鉛を合成しながら析出させる処理を施すことによって、無機粉体の粒子の表面に酸化亜鉛が析出して付着した状態の酸化亜鉛析出皮脂固化粉体を得ることができる。酸化亜鉛析出皮脂固化粉体では、無機粒子の表面に、酸化亜鉛が析出して付着した状態である。
本実施形態において、皮脂固化粉体としては、上記の酸化亜鉛析出皮脂固化粉体がより好ましい。これにより、酸化亜鉛の表面積がより大きくなり、皮脂をより十分に固化できる。
上記の酸化亜鉛析出皮脂固化粉体を構成する無機粒子としては、化粧用組成物に一般的に用いられるものであれば特に制限されず、例えば、タルク、セリサイト、マイカ、硫酸バリウム、窒化ホウ素、雲母チタン、合成金雲母、カオリン、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、又は、ホウケイ酸化合物などの粒子が挙げられる。なかでも、特にタルク、マイカ、セリサイト、又は、球状シリカの粒子がより好ましい。これにより、上記のごとく肌において皮脂が分泌されても、塗布された塗膜のヨレやハガレをより抑制できるという利点がある。
本実施形態の化粧用組成物における上記の皮脂固化粉体の含有量は、特に限定されないが、本実施形態の化粧用組成物は、上記の皮脂固化粉体を0.5質量%以上60質量%以下含むことが好ましく、10質量%以上50質量%以下含むことがより好ましい。これにより、きしみ感が抑制され、なめらかな使用感を付与でき、しかも皮脂による化粧崩れを抑制できる。
中間層及び外層で構成される上記の酸化亜鉛複合化粉体は、例えば、特許第5577079号公報に記載の方法で製造される。具体的には、中間層を構成することとなる粉体(中間層用粉体)と、接着性樹脂粉体と、酸化亜鉛粉体とを混合して撹拌することによって、中間層用粉体の粒子の表面に、接着性樹脂の粒子と酸化亜鉛粒子とを付着させる。次に、接着性樹脂粉体の溶融温度以上に加熱する。加熱した後、室温に冷却する。続いて、外層を構成することとなる粉体(外層用粉体)を加えて、撹拌したあと、再び上記のごとく溶融温度以上で加熱する。そして、室温に冷却することによって、中間層及び外層で構成される上記の酸化亜鉛複合化粉体を作製する。斯かる酸化亜鉛複合化粉体においては、少なくとも中間層と外層との間において、酸化亜鉛粒子が、接着性樹脂を介して中間層及び外層に付着している。
また、上記の酸化亜鉛析出皮脂固化粉体としては、市販されている製品を用いることができ、例えば、製品名「Soin Poudre」(不二化成社製)、又は、製品名「Soin Poudre II」(不二化成社製)などを用いることができる。
本実施形態の化粧用組成物において、上記の皮脂固化粉体(B)に対する上記の球状粉体(A)の質量(A/B)は、0.1以上60.0以下であることが好ましく、0.1以上3.0以下であることがより好ましく、0.3以上2.0以下であることがさらに好ましい。これにより、きしみ感が抑制され、なめらかな使用感を付与でき、しかも、皮脂の影響によって化粧崩れが生じ得る状況でも、毛穴等の凹部のカバー性能を持続的に発揮できる。
本実施形態の化粧用組成物において、球状粉体(A成分)の粒子は、表面処理されていなくてもよく、また、1種又は2種以上の表面処理剤によって表面処理されていてもよい。
また、皮脂固化粉体(B成分)の各粒子、又は、斯かる粉体の基材粒子も、上記と同様である。
表面処理としては、化粧品原料において採用される一般的なものであれば特に限定されず、例えば、シリコーン処理、金属石鹸処理、フッ素処理、アミノ酸処理、セバシン酸処理、レシチン処理、アルギン酸処理などが挙げられる。
本実施形態の化粧用組成物に含まれ得る液状油は、25℃において流動性を有し、且つ、25℃における粘度が特定値以下のものである。斯かる粘度の値は、化粧用組成物に含まれ得る油の全てを混合したものにおける粘度である。以下、液状油を単にC成分と称する場合がある。
上記の液状油の粘度は、特に限定されないが、10mPa・s以上3000mPa・s以下であることが好ましく、10mPa・s以上500mPa・s以下であることがより好ましく、10mPa・s以上100mPa・s以下であることがさらに好ましい。
液状油の粘度が上記の範囲であることによって、粉体同士が軟凝集状態を形成し、肌に塗布されたときに、上記の粉体の分散性が高まる。これにより、塗布時におけるノビ、広がりがより良好になる。従って、球状粉体が肌の毛穴等の凹部により入り込みやすくなり、より一層のカバー性能を実現できる。
なお、粘度の測定条件は、以下の通りである。
(粘度の測定条件)
・測定機器(測定原理):B型粘度計
・測定温度:25℃
・測定時の容器:スクリュー管No.7号
・ロータNo:4
・回転数:12rpm
・回転時間:1分
液状油は、1種の油のみを含んでもよく、2種以上の油を含んでもよい。液状油に含まれ得る油としては、化粧用組成物に一般的に配合されるものであれば特に限定されない。液状油は、室温で流動性を有する油を少なくとも含むが、室温で非流動性の油をさらに含んでもよい。
液状油に含まれ得る油としては、例えば、エステル油、炭化水素油、シリコーン油、液体油脂、固体油脂、ロウ(ワックス)、高級脂肪酸、高級アルコールなどが挙げられる。
エステル油としては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ジ 2-エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、トリ-2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリオクタン、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、2-エチルヘキサン酸セチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパンなどが挙げられる。
炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、重質流動イソパラフィン、オゾケライト、スクワラン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックスなどが挙げられる。
シリコーン油としては、例えば、メチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン、アミノ変性オルガノポリシロキサンなどが挙げられる。
液体油脂としては、例えば、アボガド油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、ホホバ油などが挙げられる。
固体油脂としては、例えば、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、硬化ヒマシ油などが挙げられる。
ロウ類としては、例えば、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ラノリンなどが挙げられる。
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、リノール酸などが挙げられる。
高級アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノールなどが挙げられる。
本実施形態の化粧用組成物は、粉体同士の軟凝集状態をより十分に形成させ、また、良好な成型性を付与させるという点で、上記の液状油を5質量%以上15質量%以下含むことが好ましく、5質量%以上10質量%以下含むことがより好ましい。
本実施形態の化粧用組成物において、上記の液状油(C)に対する上記の球状粉体(A)の質量比(A/C)は、1.0以上6.0以下であることが好ましく、1.5以上5.0以下であることがより好ましく、2.0以上4.0以下であることがさらに好ましい。これにより、粉体同士の軟凝集状態をより十分に形成させ、球状粉体による毛穴等の凹部のカバー性能をより一層向上でき、しかも、成型性をより確実に確保できる。
上記の液状油としては、市販されている製品を用いることができる。
本実施形態の化粧用組成物は、球状シリコーン樹脂粉体と、球状ポリウレタン樹脂粉体とを少なくとも含有する混合樹脂粉体を球状粉体として含むことが好ましく、球状シリコーン樹脂粉体と、球状ポリウレタン樹脂粉体と、球状ポリアミド樹脂粉体との混合樹脂粉体を球状粉体として含むことがより好ましい。さらに、本実施形態の化粧用組成物は、タルクの表面に酸化亜鉛が析出した皮脂固化粉体を含み、且つ、粘度が10mPa・s以上100mPa・s以下の液状油を含むことが好ましい。
本実施形態の化粧用組成物は、上述した配合成分の他に、例えば、化粧用組成物に一般的に用いられる粉体、着色剤、保湿剤、界面活性剤、防腐剤、酸化防止剤、香料などを含んでもよい。
上記の粉体(球状粉体や皮脂固化粉体を構成しないもの)としては、化粧用組成物に一般的に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、タルク、セリサイト、マイカ、硫酸バリウム、窒化ホウ素、雲母チタン、合成金雲母、カオリン、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、ホウケイ酸化合物、ベントナイト、ヘクトライト、セルロース、ラウロイルリジンなどが挙げられる。これら粉体の粒子形状は、特に限定されず、例えば棒状、針状、板状、不定形状、燐片状、紡錘状等である。これら粉体の粒子の大きさ、その表面処理についても特に限定されない。このような粉体としては、タルク、マイカ、セリサイト、窒化ホウ素の粉体が好ましい。
本実施形態の化粧用組成物において、水の含有量は、通常、1質量%未満である。本実施形態の化粧用組成物は、通常、固形状であるが、固化されていない粉末状であってもよい。
次に、本実施形態の化粧品について説明する。
本実施形態の化粧品は、上述した化粧用組成物と、該化粧用組成物を肌に塗布するためのスポンジ(パフ)と、を備える。本実施形態の化粧品は、上記の化粧用組成物と、上記のスポンジとを収容する容器をさらに備える。
上記のスポンジは、上記の化粧用組成物を肌に塗布するときに使用される。具体的には、スポンジの一部に化粧用組成物を接触させて、スポンジの一部に化粧用組成物を付着させる。付着した化粧用組成物の一部は、スポンジの気泡に入り込む。このような状態のスポンジを肌に押し当てることによって、化粧用組成物を肌に塗布する。
上記のスポンジの大きさや硬さは、化粧用組成物を肌に塗布するときに支障のない範囲であれば、特に限定されない。
上記のスポンジは、通常、発泡樹脂製である。スポンジの材質としては、例えば、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。換言すると、スポンジとしては、発泡NBR製スポンジ、発泡ポリウレタン樹脂製スポンジ、発泡シリコーン樹脂製スポンジなどが挙げられる。
発泡NBR製スポンジは、比較的高い耐油性を有する。製法上の特徴によって発泡ニトリルゴム製スポンジの表面には、比較的大きい孔が形成される。また、連続気泡(連続孔)が形成される。
発泡ポリウレタン樹脂製スポンジとしては、例えば、湿式発泡ポリウレタン樹脂製スポンジ又は乾式発泡ポリウレタン樹脂製スポンジが挙げられる。
湿式発泡ポリウレタン樹脂製スポンジは、例えばポリウレタンポリマーをジメチルホルムアミドなどの有機溶媒に溶解させ、ポリビニルアルコールなどの気孔生成剤を配合して撹拌した組成物を、所定の型内に充填してゲル化させ、その後、多量の水で気孔生成剤を溶出させることによって製造される。このようにして製造されたスポンジは、凝集した樹脂による珊瑚状構造を有し、連続気泡(連続孔)が形成され、肌触りが滑らかで感触が良好である。
乾式発泡ポリウレタン樹脂製スポンジは、例えば、2官能以上のポリオールを使用し、発泡剤として水、補助発泡剤としてフロン、ジクロロメタン、炭化水素などの低沸点化合物を使用し、発泡させて製造される。このようにして製造されたスポンジには、比較的大きい孔が形成される。また、連続気泡(連続孔)が形成され、肌に対して比較的硬い感触を有する。
発泡シリコーン樹脂製スポンジは、通常、独立気泡構造を有する。
上記スポンジの表層部の少なくとも一部は、発泡ポリウレタン樹脂製であることが好ましい。上記のスポンジとしては、発泡ポリウレタン樹脂製スポンジが好ましく、湿式発泡ポリウレタン樹脂製スポンジがより好ましい。スポンジが発泡ポリウレタン樹脂製であること、特に、湿式発泡ポリウレタン樹脂製であることによって、上記の化粧用組成物を、より均一に肌へ塗布することができる。詳しくは、化粧用組成物をスポンジに付着させたときに、表面の気泡(孔)が比較的小さいため、化粧用組成物中の球状粉体や皮脂固化粉体などが、スポンジ表面において凝集することが抑制され、より分散した状態となる。このような状態でスポンジを肌に押し当てて、化粧用組成物が肌に塗布される。そのため、肌の表面においてより均一に化粧用組成物が伸びて、広がる。よって、毛穴等の凹部にも、球状粉体や皮脂固化粉体などがより入り込みやすくなり、皮脂によって化粧崩れを生じる状況であっても、より良好なカバー性能を持続的に発揮できる。
なお、上記のスポンジは、複数の層が積層された構造を有してもよい。例えば、2つの発泡ポリウレタン樹脂製スポンジ層の間に、他の発泡樹脂製のスポンジ層(例えば、発泡NBR製スポンジ層)が挟み込まれた構造を有してもよい。
本実施形態の化粧品の容器は、例えば、コンパクトと称される。容器は、鏡を有していてもよい。
続いて、上記の化粧用組成物(固形状のファンデーション)、及び、上記の化粧品の製造方法について説明する。
上記の化粧用組成物は、配合する各成分を混合し、撹拌したうえで、型に入れてプレスすることによって製造できる。
撹拌するための装置、プレスするための装置としては、一般的なものを使用できる。必要に応じて、加温しつつ撹拌してもよい。
上記の化粧用組成物は、通常、ファンデーションなどのメイクアップ化粧料として使用される。上記の化粧用組成物は、ヒトの顔、胴体、四肢などにおける肌に塗布されて使用される。上記の化粧用組成物及び化粧品は、薬事法上の化粧料、医薬部外品、医薬品等の分類には特に拘束されない。
本発明の化粧用組成物及び化粧品は、上記例示の通りであるが、本発明は、上記例示の実施形態に限定されるものではない。また、本発明では、一般の化粧料及び皮膚外用剤等において採用される種々の形態を、本発明の効果を損ねない範囲で採用することができる。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1~10、12~15、参考例11、比較例1~6)
表1又は表2にそれぞれ示す配合処方に従って、各原料を混合することによって、化粧用組成物、具体的にはパウダーファンデーションをそれぞれ製造した。
詳しくは、ヘンシェルミキサーを用いて、各粉体原料と着色剤とを混合した。次に、75℃で混合溶解した液状油を添加して、混練した。続いて、サンプルミルにおいて解砕処理を施した後、解砕処理後の化粧用組成物を型に入れ、プレスすることによって、固形状のファンデーションを製造した。
表1及び表2における各原料の詳細については、下記を参照。
(A成分)「球状粉体」
・A-1 フェニル変性球状シリコーン樹脂粉体:
製品名「KSP-300(平均径5μm)」信越化学工業社製
・A-2 球状シリコーン樹脂粉体:製品名「KSP-100(平均径5μm)」信越化学工業社製
・A-3 球状ポリウレタン樹脂粉体:
製品名「GRANDPEARL GU-1500(平均径15μm)」アイカ工業社製
・A-4 球状ポリアミド樹脂粉体:製品名「GPA-550(平均径5μm)」アイカ工業社製
・A-5 球状シリカ粉体:
製品名「サンスフェアNP-100(平均径10μm)」AGCエスアイテック社製
・A-6 球状ポリメチルメタクリレート樹脂粉体:
製品名「GM-0600(平均径6μm)」アイカ工業社製
(B成分)「皮脂固化粉体」
・B-1 製品名「SoinPoudre(平均径8μm)」不二化成社製
タルクの粒子の表面に酸化亜鉛を析出させて作製されたもの
(タルク89質量%、酸化亜鉛11質量%)
・B-2 製品名「FFC-SoinPoudre 2E(平均径8μm)」不二化成社製
タルクの粒子の表面に酸化亜鉛を析出させ、シリコーン処理されて
作製されたもの
(タルク88質量%、酸化亜鉛10質量%、
トリエトキシカプリリルシラン2質量%)
・B-3 製品名「Soin Poudre II(平均径5μm)」不二化成社製
シリカの粒子の表面に酸化亜鉛を析出させて作製されたもの
(シリカ80質量%、酸化亜鉛20質量%)
・B-4 特許第5577079号公報に記載の方法で作製された酸化亜鉛複合化粉体 ピアス社製
具体的には、酸化亜鉛複合化粉体を作製するために、中間層を構成することとなる板状粉体のマイカと、接着性アクリル樹脂としてポリメタクリル酸メチルと、酸化亜鉛粉体とを用いた。また、外層を構成することとなる板状粉体のタルクを用いた。マイカの表面に酸化亜鉛粒子と接着性アクリル樹脂とを付着させ、マイカを両側からタルクで挟み込んだ構造を有する複合化粉体である。皮脂固化粉体における組成は、タルク75質量%、マイカ18.75質量%、酸化亜鉛5質量%、接着性アクリル樹脂1.25質量%である。
[参考b-1]微粒子酸化亜鉛:製品名「MZ-500(平均径25nm)」テイカ社製
[参考b-2]微粒子酸化亜鉛:製品名「FINEX-50(平均径20nm)」堺化学工業社製
・その他配合成分
粉体(シリコーン表面処理タルク、シリコーン表面処理マイカ)
着色剤(酸化チタン、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄)
(C成分)「液状油」
・C-1 パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル(エステル油)
・C-2 トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル(エステル油)
・C-3 2-エチルヘキサン酸セチル(エステル油)
・C-4 リンゴ酸ジイソステアリル(エステル油)
・C-5 メチルフェニルポリシロキサン(シリコーン油)
・C-6 メチルポリシロキサン(10mPa・s)(シリコーン油)
・C-7 メチルポリシロキサン(5000mPa・s)(シリコーン油)
・C-8 重質流動イソパラフィン(炭化水素油)
・C-9 流動パラフィン(炭化水素油)
・C-10 スクワラン(炭化水素油)
(スポンジ)
・SP-1 湿式発泡ポリウレタン製スポンジ
・SP-2 発泡NBR製スポンジ
<毛穴のカバー性能の評価>
各化粧用組成物の0.015gをスポンジ(15mm×20mmの大きさにカットしたもの)に含侵させた。このスポンジをトライボマスターTL201Ts(トリニティーラボ社製)の触覚接触保持具に固定した。スポンジに含侵された各化粧用組成物を、毛穴類似の凹凸が形成された頬部肌模型(品番No.10NS、ハイブリッドゲル硬度0.21S、カラー♯BK、ビューラックス社製)に1回塗布した。塗布条件は、荷重100g、速度15mm/秒、移動距離40mmの条件であった。
次に、デジタルカメラパワーショットG15(キャノン)にて化粧用組成物を塗布した部分を撮影した。MoticImagesPlus2.0S(島津理化社製)によって、塗布した部分の明暗差を自動分割で二値化した。化粧用組成物が付着していない暗い部分の面積(squm)を自動計算することで、カバー性能の測定値を求めた。暗い部分の面積の値が小さいほど、毛穴が目立たない仕上がりになっており、毛穴カバー性能に優れると評価した。なお、暗い部分の面積が2000未満であれば、毛穴カバー性能を実感しやすい。
測定時の様子の例を表す写真を図1に示す。
<皮脂固化性能の評価>
100mLのポリプロピレンカップに、各化粧用組成物5.00gと人工皮脂5.00gと精製水5μLとを精秤した。次に、ディスパー2.5型(プライミクス社製)にて500rpm、10秒間撹拌した。その後、5mLプラ缶No.3-32(馬野化学容器社製)へ満量となるように注ぎ入れた。
33℃条件下で10分間静置した後、25℃条件下で10分間静置した。続いて、速度20mm/分、10秒間の条件で、レオメーターRTC-3002D(レオテック社製)によってφ15mmの球を挿入し、球への応力(g)を測定した。応力の値が大きいほど、皮脂固化性能に優れると評価した。なお、人工皮脂の組成は、オレイン酸13質量%、イソステアリン酸13質量%、パルミチン酸2質量%、スクワラン10質量%、ミリスチン酸オクチルドデシル20質量%、オリーブ油40質量%、コレステロール2質量%である。
<使用感の評価>
10名の専門パネルの肌に、各自で、湿式発泡ポリウレタン製スポンジによって各化粧用組成物を塗布した。「肌上でのノビの良さ、なめらかさ、乾燥感のなさ」について、5段階評価してもらった(使用感が非常に悪い:0点~、使用感が非常に良い:5点)。評価平均値を算出して下記の通り判定した。判定結果を下記の表中に記号で表す。
[判定]
◎:評価の平均点が4点以上
〇:評価の平均点が3点以上、4点未満
△:評価の平均点が2点以上、3点未満
×:評価の平均点が2点未満
上記の各性能の評価結果を表1及び表2に示す。毛穴カバー性能及び使用感に関して、以下に説明する。
実施形態に相当する化粧用組成物及び化粧品(実施例1~10)によれば、毛穴をカバーすることができた。一方、比較例1の化粧用組成物及び化粧品では、毛穴をカバーすることが必ずしも十分にはできなかった。これは、比較例1の化粧用組成物に球状粉体が配合されていないためと考えられる。
実施例1~4と比較例1とでは、球状粉体の量による違いを確認できる。球状粉体の量が15質量%以上である実施例1、2、3において、特に毛穴カバー性能が良好であり、使用感の評価も高い。
実施例2、5、6、7では、球状粉体の量が20質量%であり、球状粉体の材質の差による性能の差を確認できる。いずれも良好な毛穴カバー性能を有し、使用感の評価も高い。ただし、実施例7では、球状粉体として球状無機粉体(球状シリカ)の配合量が6質量%と高いため、やや乾燥感を感じるという評価結果であった。
実施例2、8、9、10では、液状油の種類の差による性能の差を確認できる。いずれも良好な毛穴カバー性能を有し、使用感の評価も高い。ただし、実施例10では、液状油の粘度が高いため、ややノビが悪いという評価結果であった。
実施例1~4及び比較例1においては、湿式発泡ポリウレタン製スポンジと発泡NBR製スポンジとによる、毛穴カバー性能の差を確認できる。いずれの場合でも、湿式発泡ポリウレタン製スポンジを使用した方が、極めて毛穴カバー性能が高かった。ただし、発泡NBR製スポンジを使用した場合においても、球状粉体の量が20質量%以上30質量%以下の実施例1、2においては、毛穴カバー性能が良好であった。
また、皮脂固化性能及び使用感に関して、以下に説明する。
実施例2では、皮脂固化粉体であるSoinPoudreの配合量が30質量%であるのに対して、比較例2では、皮脂固化粉体が配合されていない。皮脂固化性能については、実施例2の方が極めて良好であった。
比較例3では、配合した酸化亜鉛の純分量が実施例2と同じであるが、皮脂固化性能が発現しなかった。
比較例4、5、6では、配合した酸化亜鉛の純分量が実施例2よりも大幅に高いが、実施例2よりも皮脂固化性能が低かった。また、きしみ感があり、使用感も良好ではなかった。
参考例11、実施例1~14では、各種の皮脂固化粉体がそれぞれ配合されている。いずれの実施例でも、皮脂固化性能と良好な使用感とを両立できた。
なお、実施例16では、皮脂固化粉体であるSoinPoudreの配合量が実施例2よりもさらに高い。皮脂固化性能が極めて高かったため、ディスパー撹拌時に固化が開始してしまい、プラ缶に注ぐことができず、測定不可能であった。
本発明の化粧用組成物は、例えば、固形ファンデーションであり、肌の見栄えを良くするために、顔などの肌に塗布されて、メイクアップ化粧料として好適に使用される。
本発明の化粧品は、例えば、上記の化粧用組成物を肌に塗布するために好適に使用される。

Claims (4)

  1. 球状樹脂粉体と、皮脂固化粉体と、液状油と、を含み、
    前記皮脂固化粉体の粒子は、基材粒子としてのタルク粒子又はシリカ粒子と、前記基材粒子の表面に析出して付着した酸化亜鉛とを含有し、
    前記球状樹脂粉体を10質量%以上40質量%以下含み、前記皮脂固化粉体を10質量%以上50質量%以下含み、且つ、前記液状油を5質量%以上15質量%以下含み、
    固形状又は粉末状である、化粧用組成物。
  2. 前記液状油は、25℃における粘度が10mPa・s以上3000mPa・s以下である、請求項1に記載の化粧用組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の化粧用組成物と、
    前記化粧用組成物を肌に塗布するためのスポンジと、を備える、化粧品。
  4. 前記スポンジの表層部の少なくとも一部は、発泡ポリウレタン樹脂製である、請求項に記載の化粧品。
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