JP2004099458A - 粉末化粧料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】50〜500μmの大きさの塊状ゲルを含有することを特徴とする粉末化粧料。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、50〜500μmの大きさの塊状ゲルを含有する粉末化粧料に関するものであり、更に詳細には、化粧料塗布時の滑らかさと弾力感に優れ、且つ、肌への付着性に優れながら、だま付き現象(化粧料が塊となって肌に付く現象)が無く、均一な化粧膜を形成できる優れた粉末化粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
粉末化粧料は、白粉、ファンデーション、頬紅等のメーキャップ化粧料やベビーパウダーに応用されている化粧料剤型である。その主構成成分は粉体であり、塗布時にフワフワとした粉感を感じ、滑らかな使用感に優れた化粧料である。しかしながら、従来の粉末化粧料は、油剤を多量に配合することができないため、肌への付着性に劣る化粧料剤型でもあった。このため、粉末化粧料の肌への付着性を向上させ、均一な化粧膜を形成させる技術が各種検討されている。
【0003】
例えば、パルミトオレイン酸等の液状脂肪酸を配合させることにより、粉末の分散性を高め、外観色の均一性や色むらを防止する技術(特許文献1参照)や、デンプンのアルケニルコハク酸エステルの金属塩とN−アシルリジン及びオルガノポリシロキサンエラストマー粉末を併用することにより軽いタッチの滑らかな使用感で、肌への密着性を向上させる技術(特許文献2参照)等が挙げられる。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−259418号公報
【特許文献2】
特開2000−63229号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、粉末化粧料に液状脂肪酸等の油剤を配合するだけでは、肌への付着性はある程度高まるものの、粉末化粧料の優れた使用感である滑らかさが劣り、配合する油剤が多くなると、だま付き現象を生じ、均一な化粧膜を形成することは困難であった。また、粉末化粧料にデンプンのアルケニルコハク酸エステルの金属塩とN−アシルリジン及びオルガノポリシロキサンエラストマー粉末を併用した場合、粉末化粧料特有の優れた使用感を残しながら、肌への付着性をある程度向上させることができるが、化粧料塗布時の弾力感や、肌への付着性は満足できる水準ではなかった。このため、粉末化粧料の優れた使用感である、化粧料塗布時の滑らかさと弾力感を失うことなく、肌への付着性に優れ、均一な化粧膜を形成できる優れた粉末化粧料の開発が望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる実情に鑑み、本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、化粧料塗布動作で崩れる程度の硬さの塊状ゲルを、粉末中にある範囲の大きさで分散させることにより、塗布時に油感を感じることなく、滑らかで弾力感を感じ、塗布完了時には、肌上に均一な化粧膜を形成することができることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
すなわち、本発明は、50〜500μmの大きさの塊状ゲルを含有することを特徴とする粉末化粧料を提供するものである。また、前記塊状ゲルを5〜15質量%含有することを特徴とする前記粉末化粧料、前記塊状ゲルがシリコーンゲルであることを特徴とする前記粉末化粧料を提供するものである。更に、粉末中にラウロイル−L−リジンを10〜90質量%含有することを特徴とする前記粉末化粧料、また更に、粉末中に球状粉体を1〜30質量%含有することを特徴とする前記粉末化粧料を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の粉末化粧料は、50〜500μmの大きさの塊状ゲルを含有するものであり、ゲルを粉末中に、50〜500μmの大きさで分散させたものである。
本発明に用いられる塊状ゲルは、油のゲルであり、指又はパフ等の小道具により、肌上に塗布することで、ゲルが崩れる程度の硬さを有するものである。
【0009】
本発明の粉末化粧料において、ゲルは粉末中に、50〜500μmの大きさで塊状に分散されていることが必須であり、更には50〜200μmの大きさで分散されていることが好ましい。ゲルの大きさが、500μmを超えると、だま付きを生じることにより、均一な化粧膜を得ることができない。またゲルの大きさが、50μm未満であると、塗布時の滑らかさと弾力感が劣り、好ましくない。尚、本発明において、塊状ゲルの大きさは、粉末化粧料をエタノール中に分散し、光学顕微鏡にて50倍で観察したときの差し渡し径として、評価した。また、本発明において塊状ゲルの形状は、一定の形状を有しない不定形である。
【0010】
本発明に用いられる塊状ゲルは、肌上に塗布することで、ゲルが崩れる程度の硬さを有するものであれば、特に限定されないが、油剤をゲル化剤にてゲル化させた油のゲルである。具体的には、部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物、パルミチン酸デキストリン等のデキストリン脂肪酸エステル、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト等の有機変性粘土鉱物等のゲル化剤を用いて油剤をゲル化させたものである。
【0011】
本発明に用いられるゲルは、前記ゲル化剤と油剤をディスパーミキサー、ローラー等の通常公知の混合機にて、均一に混合、分散することにより調製される。尚、前記ゲルのゲル化剤と油剤の含有量は、肌上に塗布することで、ゲルが崩れる程度の硬さに調製できる比率であるが、概ねゲル中にゲル化剤は0.1〜30質量%(以下、単に「%」と略す。)が好ましい。
【0012】
前記ゲルに用いられる油剤は、通常化粧料に使用されるものであれば、特に限定されず、固体、半固体、液状の油剤の何れでも良いが、より均一な化粧膜を形成させるためには、主骨格油剤としては液体油が好ましい。具体的には、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の動植物由来の油脂類、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、2−エチルヘキサン酸セチル、ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸−2−エチルヘキシル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸−2−エチルヘキシル、パルミチン酸−2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、12−ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸ジペンタエリスリトール、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸−2−オクチルドデシル、ミリスチン酸−2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、リンゴ酸ジイソステアリル、ロジン酸ペンタエリスリトール、アセトグリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、2−ヘプチルウンデカン酸ジグリセリル、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリル等のエステル類、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステアリル・2−オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・オクチルドデシル)等のアミノ酸系油剤、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール等の高級アルコール類、低重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、アルコキシ変性ポリシロキサン、フッ素変性シリコーン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等のシリコーン類、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体類、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、パラ−メトキシハイドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩、パラアミノ安息香酸(以後、PABAと略す)、エチルジヒドロキシプロピルPABA、グリセリルPABA、サリチル酸ホモメンチル、メチル−O−アミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、オクチルジメチルPABA、サリチル酸オクチル、2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−硫酸、サリチル酸トリエタノールアミン、3−(4−メチルベンジリデン)カンフル、2,4−ジヒドロキシベンゾフェニン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−N−オクトキシベンゾフェノン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、4−(3,4−ジメトキシフェニルメチレン)−2,5−ジオキソ−1−イミダゾリジンプロピオン酸−2−エチルヘキシル等の油溶性紫外線吸収剤類等が挙げられ、これらを一種又は二種以上組み合わせて用いることができる。
【0013】
前記油剤をゲル化させるゲル化剤として用いられる、部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物は、ベンゼンに不溶であるが、自己の質量と同質量以上のベンゼンを含みうる三次元架橋構造を有するオルガノポリシロキサン重合物であり、延び広がりを滑らかにするものである。このような部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物は、オルガノポリシロキサンを架橋結合させて得られる重合物であり、一部に三次元架橋構造を有し、R2SiO単位及びRSiO1.5単位よりなり、R3SiO0.5単位及び/又はSiO2単位を含んでいても良い化合物(但し、各構成単位のRは、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ビニル基等の脂肪族不飽和基等が例示され、同一でも、異なった種類であっても良い。)であり、特公平8−6035号公報等に記載されている化合物が例示できる。
【0014】
前記ゲルにおける、部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物は、前記油剤と混合してゲルを形成させて用いるが、特に油剤として、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン等のシリコーン油を用いたシリコーンゲルが、塗布時の滑らかさと弾力感がより良好になるため、好ましい。このようなシリコーンゲルは、市販品として、KSG−15(部分架橋型メチルポリシロキサン5部と、デカメチルシクロペンタシロキサン95部)、KSG−16(部分架橋型メチルポリシロキサン20〜30部と、ジメチルポリシロキサン70〜80部)、KSG−18(部分架橋型メチルフェニルポリシロキサン10〜20部と、メチルフェニルポリシロキサン80〜90部)〔何れも、信越化学工業社製〕等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。尚、前記市販品のシリコーンゲルは、硬さを調整するために、前記油剤と混合して用いることができる。
【0015】
前記ゲルにおける、デキストリン脂肪酸エステルは、パルチミン酸デキストリン、ステアリン酸デキストリン等が挙げられる。このようなデキストリン脂肪酸エステルは、市販品として、レオパールKL、レオパールTL、レオパールTT〔何れも、千葉製粉社製〕等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。
【0016】
前記ゲルにおける、有機変性粘土鉱物は、粘土鉱物の層間中のカチオンをカチオン性界面活性剤で置換したジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムヘクトライト等であり、層間に油剤を挟み込むことにより、油剤をゲル化させるものである。このような有機変性粘土鉱物は、市販品ゲル化剤として、ベントン38、ベントン27〔何れも、NLインダストリー社製〕等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。
【0017】
本発明の粉末化粧料中における塊状ゲルの含有量は、5〜15%が好ましい。この範囲で含有すると、塗布時の弾力感及び肌への付着性が特に優れる粉末化粧料を得ることができる。
【0018】
本発明の粉末化粧料における前記ゲルを塊状に分散させる粉末は、通常化粧料に使用される粉体あれば、板状、紡錘状、針状等の形状、粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉末類、光輝性粉末類、有機粉末類、色素粉末類、複合粉末類等が挙げられる。具体的には、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、赤色酸化鉄、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、コンジョウ、群青、無水ケイ酸、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、雲母、スメクタイト、ベントナイト、カオリン、合成雲母、合成セリサイト、セリサイト、タルク、炭化珪素、硫酸バリウム、窒化硼素等の無機粉末類、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、酸化鉄被覆雲母、酸化鉄被覆雲母チタン、有機顔料被覆雲母チタン、アルミニウムパウダー等の光輝性粉末類、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン、ポリスチレン、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、デンプン、セルロースパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー等の有機粉末類、タール系色素、天然色素類等が挙げられ、これらを一種又は二種以上組み合わせて用いることができる。また、これら粉末は一種又は二種以上を複合化したものを用いても良く、フッ素化合物、シリコーン系油剤、金属石ケン、ロウ、界面活性剤、油脂、炭化水素等を用いて公知の方法により表面処理を施したものであっても良い。
【0019】
本発明の粉末化粧料として、粉末中にラウロイル−L−リジンを含有することにより、塊状ゲルと粉体との濡れを抑制し、経時的安定性を向上させることができる。前記ラウロイル−L−リジンは、撥水撥油性の粉体であり、その形状は平均粒径が1〜200μmの板状であることが好ましい。このようなラウロイル−L−リジンは、市販品として、アミホープLL〔味の素社製〕等が挙げられる。また、これらラウロイル−L−リジンは、フッ素化合物、シリコーン系油剤、金属石ケン、ロウ、界面活性剤、油脂、炭化水素等を用いて公知の方法により表面処理を施したものであっても良い。
【0020】
本発明の粉末化粧料におけるラウロイル−L−リジンの含有量は、10〜90%が好ましい。この範囲で用いると、塗布時の滑らかさ及び経時安定性(経時的に粉体とゲルが濡れることを抑制する)が特に優れた粉末化粧料を得ることができる。
【0021】
本発明の粉末化粧料として、粉末中に球状粉体を含有することにより、粉体同士の凝集を防止することができ、塗布時の滑らかさがより良好となる。前記球状粉体は、形状が球状、略球状、楕円状であれば何れの粉体でも良く、平均粒子径は1〜200μmが好ましい。前記球状粉体は、具体的には、無水ケイ酸、酸化アルミニウム、ナイロンパウダー等のポリアミド樹脂、ポリメタクリル酸メチル等のポリアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダーやポリメチルシルセスキオキサンパウダー等のシリコーン樹脂、ポリエチレン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、スチレン−アクリル樹脂等が挙げられ、これらを一種又は二種以上組み合わせて用いることができる。また、これら球状粉体は一種又は二種以上を複合化したものを用いても良く、フッ素化合物、シリコーン系油剤、金属石ケン、ロウ、界面活性剤、油脂、炭化水素等を用いて公知の方法により表面処理を施したものであっても良い。
【0022】
本発明の粉末化粧料における球状粉体の含有量は、1〜30%が好ましい。この範囲で用いると、塗布時の滑らかさが特に優れた粉末化粧料を得ることができる。
【0023】
本発明の粉末化粧料には、前記必須成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、水性成分、紫外線吸収剤、グリセリン、タンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン等の保湿剤、α−トコフェロール、アスコルビン酸等の酸化防止剤、ビタミン類、消炎剤、生薬等の美容成分、パラオキシ安息香酸エステル,フェノキシエタノール等の防腐剤、香料等を適宜配合することができる。
【0024】
本発明の粉末化粧料は、ベビーパウダー、タルカムパウダー、白粉、頬紅、アイシャドウ、口紅、アイブロウ、ファンデーション、コンシーラ等に適用可能であるが、白粉、頬紅、アイシャドウ、口紅、アイブロウ、ファンデーション、コンシーラ等のメーキャップ化粧料であると本発明の効果がより顕著に発揮される。
【0025】
本発明の粉末化粧料の製造方法は、粉末中にゲルを50〜500μmの大きさの塊状に分散できる方法であれば特に限定されないが、例えば、粉末をスーパーミキサー等の粉体分散機により、混合分散後、ゲルを添加し、混合条件を調整し、ゲルの大きさを50〜500μmの塊状に調製する方法等が挙げられる。
【0026】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
実施例1〜12及び比較例1〜4:粉末状白粉
下記表1〜3に示す組成の粉末状白粉を以下に示す製造方法により調製し、「塊状ゲルの大きさ」、「塗布時の滑らかさ」、「塗布時の弾力感」、「肌への付着性」、「均一な化粧膜」の各項目別に、以下に示す評価方法により評価し、結果を表1〜3に併せて示した。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
(製造方法)
1.成分1〜6をスーパーミキサーにて混合分散する。
2.成分7〜11をデスパーミキサーにより混合し、ゲルを調製する。
(必要に応じて、加熱する。)
3.〔1〕に〔2〕を加えて、ゲルの大きさが50〜500μmになるまで攪拌する。
尚、比較例1〜3においては、ゲルの大きさが50μm以上にならなかった。
更に、比較例4においては、ゲルの大きさが50〜500μmになった後も攪拌を続け、大きさを5〜25μmに調整した。
4.〔3〕を容器に充填して粉末状白粉を得た。
【0031】
評価方法:塊状ゲルの大きさ
実施例及び比較例の粉末状白粉をエタノール中に分散し、光学顕微鏡にて50倍で観察し、評価した。更に、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置 LA−910〔堀場製作所社製〕により、実施例及び比較例の粉末化粧料の粒度分布を以下に示す条件で測定した。
測定条件:乾式ユニット使用
透過光:97%、ふるい:117、相対屈折率:1.56、
圧縮空気:M(5kg/cm2)、取り込み回数:10
【0032】
評価方法:「塗布時の滑らかさ」、「塗布時の弾力感」、「肌への付着性」、「均一な化粧膜」
実施例及び比較例の粉末状白粉を化粧品専門パネル30名に、使用してもらい、パネル各人が下記絶対評価にて5段階に評価し評点を付け、粉末状白粉毎にパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。
絶対評価
評価結果 :評点
非常に良い : 5
良い : 4
普通 : 3
やや悪い : 2
悪い : 1
判定基準
評点の平均点 :判定
4.5点以上 : ◎
3.5点〜4.5点未満 : ○
2.5点〜3.5点未満 : △
2.5点未満 : ×
【0033】
表1〜3により明らかなように、本発明品である実施例1〜12の粉末状白粉は、比較例に比べて、「塗布時の滑らかさ」、「塗布時の弾力感」、「肌への付着性」、「均一な化粧膜」の全ての項目に優れた粉末化粧料であった。
一方、比較例1〜3については油剤(又は油ゲル)の大きさが50μm以上にならず、粉体全体が油剤で濡れた時のような感触となり、「塗布時の滑らかさ」、「塗布時の弾力感」に劣っていた。更に、実施例と同じ組成のゲルの大きさを50μm未満に調整した比較例4では、「塗布時の滑らかさ」、「塗布時の弾力感」に劣っていた。
【0034】
塊状ゲルの大きさを比較すると、実施例1及び比較例1の顕微鏡写真を図1及び図2に、実施例1及び比較例2の粒度分布を図3及び図4に示す。この図1及び図2より、比較例1では、大きい塊状ゲルが観察されないが、実施例1では、50〜500μmの塊状ゲルが観察できる。また、実施例1の粒度分布(図3)には、10μmと、100μmを中心に二つの粒度の分布(ピーク)が確認されるが、比較例1の粒度分布(図4)には、100μmの分布が見られなかったことから、実施例1の粒度分布(図3)に見られる100μmを中心としたピークが塊状ゲルと考えられる。
【0035】
実施例13:粉末状ファンデーション
(成分) 質量%
1.シリコーンゲル(注2) 7
2.ジメチルポリシロキサン 1
3.パラオキシ安息香酸エステル 0.1
4.ラウロイル−L−リジン(注1) 40
5.球状ナイロン(粒径8μm) 10
6.タルク 残量
7.酸化チタン 7
8.赤色酸化鉄 0.2
9.黄色酸化鉄 2
10.黒色酸化鉄 0.5
11.群青 0.8
12.ラウリン酸亜鉛 1
13.窒化ホウ素 5
【0036】
(製造方法)
1.成分1〜2をデスパーミキサーにて混合しゲルを調製する。
2.成分3〜13をスーパーミキサーにて混合分散する。
3.〔2〕に〔1〕を加えて、塊状ゲルの大きさが50〜100μmになるまで攪拌する。
4.〔3〕を容器に充填して粉末状ファンデーションを得た。
実施例13の粉末状ファンデーションは、塊状ゲルの大きさが50〜100μmで、「塗布時の滑らかさ」、「塗布時の弾力感」、「肌への付着性」、「均一な化粧膜」の全ての項目に優れた粉末化粧料であった。
【0037】
実施例14:粉末状頬紅
(成分) 質量%
1.シリコーンゲル(注2) 10
2.パラオキシ安息香酸エステル 0.1
3.酸化鉄ベンガラ被覆雲母 10
4.赤色202 0.5
5.群青 1
6.ラウロイル−L−リジン(注1) 30
7.タルク 残量
8.球状ポリスチレン(粒径6μm) 3
【0038】
(製造方法)
1.成分2〜8をスーパーミキサーにて混合分散する。
2.〔1〕に成分1を加えて、塊状ゲルの大きさが50〜150μmになるまで攪拌する。
3.〔2〕を容器に充填して粉末状頬紅を得た。
実施例14の粉末状頬紅は、塊状ゲルの大きさが50〜150μmで、「塗布時の滑らかさ」、「塗布時の弾力感」、「肌への付着性」、「均一な化粧膜」の全ての項目に優れた粉末化粧料であった。
【0039】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の粉末化粧料は、化粧料塗布時の滑らかさと弾力感に優れ、且つ、肌への付着性に優れながら、だま付き現象(化粧料が塊となって肌に付く現象)が無く、均一な化粧膜を形成できる優れた粉末化粧料であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の顕微鏡写真(50倍)である。
【図2】比較例1の顕微鏡写真(50倍)である。
【図3】実施例1の粒度分布である。
【図4】比較例1の粒度分布である。
Claims (5)
- 50〜500μmの大きさの塊状ゲルを含有することを特徴とする粉末化粧料。
- 前記塊状ゲルを5〜15質量%含有することを特徴とする請求項1記載の粉末化粧料。
- 前記塊状ゲルがシリコーンゲルであることを特徴とする請求項1又は2記載の粉末化粧料。
- 更に、粉末中にラウロイル−L−リジンを10〜90質量%含有することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の粉末化粧料。
- 更に、粉末中に球状粉体を1〜30質量%含有することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の粉末化粧料。
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