JP2005312798A - 化粧用スポンジとその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】3次元網目構造のポリウレタン樹脂からなる化粧用スポンジであって、最大長さが200μm未満の網目(A)と最大長さが200μm以上の網目(B)とが混在しており、かつ前記網目(A)の数が前記網目(B)の数よりも多いことを特徴する化粧用スポンジ;または3次元網目構造のポリウレタン樹脂からなる化粧用スポンジであって、最大長さが40μm未満の網目の数が、全網目数の50%以上であることを特徴とする化粧用スポンジ。
【選択図】 なし
Description
ポリウレタン樹脂の発泡体を製造する方法としては、水に分散させた水系ポリウレタン樹脂を用いた方法が知られている。
例えば、ポリウレタン樹脂を水で凝固する、いわゆる湿式法によれば、3次元網目構造の網目が膜で塞がれたような形態の多孔質体が形成されることは知られており、特許文献1には、ポリウレタン系のジメチルホルムアミド(DMF)溶液に、孔を形成するためのポリビニルアルコール、メチルセルロースおよび高分子多糖類を添加し、水中凝固させた後、ポリビニルアルコール、メチルセルロースおよび高分子多糖類を洗い流すことによってポリウレタン樹脂の多孔質体が得られることが記載されている。
そして、このような「膜なしフォーム」の製造方法として例えば特許文献2には、細胞状のポリウレタン樹脂を熱処理することにより、細胞膜の少なくとも一部を揮発させる方法が記載されている。
さらに、非特許文献1や特許文献2に記載された「膜なしフォーム」は、膜の少なくとも一部が除去されたものであるため、化粧ノリの観点からは一応のレべルの化粧用スポンジが得られる可能性はあるものの、骨格同士の間隔等が適切に制御されていないために、柔軟性、肌触りの点から化粧用スポンジとして使用できるものではない。
第1の発明は、3次元網目構造のポリウレタン樹脂からなる化粧用スポンジであって、
最大長さが200μm未満の網目(A)と最大長さが200μm以上の網目(B)とが混在しており、かつ前記網目(A)の数が前記網目(B)の数よりも多いことを特徴する化粧用スポンジである。
第2の発明は、最大長さが40μm未満の網目の数が、全網目数の50%以上であることを特徴とする第1の発明の化粧用スポンジである。
第3の発明は、網目を形成する柱の直径が40μm未満の網目の数が、全網目数の50%以上であることを特徴とする第2の発明の化粧用スポンジである。
第4の発明は、3次元網目構造のポリウレタン樹脂からなる化粧用スポンジであって、最大長さが40μm未満の網目の数が、全網目数の50%以上であることを特徴とする化粧用スポンジである。
第5の発明は、網目を形成する柱の直径が40μm未満の網目の数が、全網目数の50%以上であることを特徴とする第4の発明の化粧用スポンジである。
第6の発明は、前記ポリウレタン樹脂は、水凝固性であって、水および/またはアルコールを含んだ場合の膨潤度が、5%以下であることを特徴とする第2〜5の発明のいずれかの化粧用スポンジである。
第7の発明は、前記ポリウレタン樹脂を構成するポリオール成分は、ポリエーテルポリオールを含むことを特徴とする前記第1〜6のいずれかの発明の化粧用スポンジである。
第8の発明は、水溶解性の無機微粒子とポリウレタン樹脂と溶媒とを含有する分散液を調製し混練する工程と、
混練された分散液を脱泡する工程と、
脱泡された分散液を成形し、ポリウレタン樹脂成形体を製造する工程と、
ポリウレタン樹脂成形体に含まれる溶媒を水中で脱溶媒、凝固する工程と、
凝固されたポリウレタン樹脂成形体から無機微粒子を水抽出して除去する工程とを有する化粧用スポンジの製造方法であって、
前記無機微粒子として、50質量%以上の粒子の粒子径が50μm未満である微粒子(C)と、50質量%以上の粒子の粒子径が50〜500μmである微粒子(D)とを含有する無機微粒子を用いることを特徴とする化粧用スポンジの製造方法である。
第9の発明は、水溶解性の無機微粒子とポリウレタン樹脂と溶媒とを含有する分散液を調製し混練する工程と、
混練された分散液を脱泡する工程と、
脱泡された分散液を成形し、ポリウレタン樹脂成形体を製造する工程と、
ポリウレタン樹脂成形体に含まれる溶媒を水中で脱溶媒、凝固する工程と、
凝固されたポリウレタン樹脂成形体から無機微粒子を水抽出して除去する工程とを有する化粧用スポンジの製造方法であって、
前記無機微粒子として、50質量%以上の粒子の粒子径が50μm未満である微粒子(C)からなる無機微粒子を用いることを特徴とする化粧用スポンジの製造方法である。
[第1の実施形態]
本実施形態の化粧用スポンジは、3次元網目構造のポリウレタン樹脂からなる化粧用スポンジであって、最大長さが200μm未満の網目(A)と最大長さが200μm以上の網目(B)とが混在しており、かつ前記網目(A)の数が前記網目(B)の数よりも多いことを特徴する。
その結果、耐候性、耐油性、耐水性に優れ、肌触りが良好で、柔軟性、化粧ノリが良好な化粧用スポンジが得られる。また、含みのある化粧用スポンジが得られる。なお、ここで「含み」とは固形ファンデーション等を保持する特性をいう。さらに、本実施形態においては、網目(B)の作用により、固形ファンデーションを多く含むことができるので、ファンデーションを付けた後、付け足さずに継続してファンデーションを塗ることができる。すなわち特に含み、及び化粧ノリが良好である。
当該実施形態の化粧用スポンジは特に固形ファンデーション用として好適であるがリキッド用としてもよい。
また、この化粧用スポンジは、ポリウレタン樹脂の構造が3次元網目構造であるので、例えばこの化粧用スポンジを固形ファンデーション用のパフとしてファンデーションと接触させた場合、ファンデーションが十分にパフ中に進入する。その結果化粧ノリと含みの良好な化粧用スポンジが得られる。
なお、この際、最大長さが200μm以上の網目(B)の部分は、ファンデーションを十分に保持、格納する作用を奏し、最大長さが200μm未満の網目(A)の部分は、保持、格納されたファンデーションを肌の上に薄く持続的に伸ばす作用を果たすと推測される。そのため、このようなパフは、単に化粧ノリ(ある程度ファンデーションを含み、かつ薄くのばす作用)が良好なだけでなく、「含みのある(固形ファンデーションを多く含み、ぬる際の継続性がある)」ものとなる。また、化粧用スポンジ自体の弾力が適度で、伸び、柔軟性、ぬめり感などの肌触りも良好なものとなる。
網目(A)の数と網目(B)の数との割合は、網目(A)の数が多ければよいが、特に好ましくは、両網目(A)、(B)の効果のバランスの点から、全網目数のうち、網目(A)の数が70%以上、好ましくは80%以上であり、網目(A)の数の割合の上限値は特に限定するものではない。網目(B)の数は30%未満、好ましくは20%未満であり、網目(B)の数の下限値は特に限定するものではない。
網目(B’)の様に、網目(B)の最大長さの上限を500μmとすることにより、より化粧ノリに優れた化粧用スポンジ(パフ)が得られる。
また、網目(A)の最大長さの下限値は特に限定するものではないが、例えば0.1μm以上とされる。
この様に、大きな網目と小さな網目とがランダムに混在し、さらに、小さな網目の数の方が多いと、弾力が適度で化粧ノリが非常に優れるうえ、含みがあり、肌触り(ぬめり感)にも優れたものとなり、より好ましい。
例えば、化粧材料や化粧料を溶解させたり、分散させたりするのに水やアルコールは必要不可欠のものであり、化粧用スポンジやパフに水やアルコールの浸入は、日常的である。
また、化粧用スポンジやパフを何度か使用すると汚れ等を排除するため洗浄、洗濯することがある。洗浄、洗濯の際には、当然に水の浸入がみられる。よって、水やアルコールの浸入がみられた後に、膨潤が大きいと、たとえば、化粧用スポンジやパフが、元のコンパクトケースや収納ケースに格納できないなどの不都合が生じるおそれがある。
そのため、水および/またはアルコールによる膨潤の非常に少ない化粧用スポンジであることが好ましい。
その結果、水および/またはアルコールによる膨潤を特に抑えることができる。
ここで網目を形成する柱の直径とは、図2に符号Dで示すように、各網目における柱(網目の周囲を構成する柱)の直径のうち、最も長い部分をいう。各網目における柱(網目の周囲を構成する柱)は図2に符号A1〜A4で示す様に、例えば網目(あな)1と、これに隣接する網目(あな)2、3、4、5とを区切る部分において、網目1の内周を基準とし、そこから外側に向かって略垂直に切り取ったときに、略円柱状となる範囲である。すなわち、1つの柱の端部と他の1つ以上の柱の端部とが結合した分岐部6、7、8、9は略円柱状ではなく、柱には含まれない。
ここで、ポリウレタン樹脂における3次元網目構造は、無機微粒子を水抽出することで達成ができる。
このとき、3次元網目構造の枠組みは、ランダムな円柱状になる。そして、円柱状の大きさを制御することが好ましい結果・効果があるとの知見に達したものである。
上述の3次元網目構造の網目の最大長さLは、窓で言うと、対角線上の長さであり、円柱状の大きさ(柱の最大直径D)は、窓枠の枠の幅などにあたるものであり、双方を規定することで、弾力が適度で、化粧ノリが非常に優れる上、含みがあり、肌触り(ぬめり感)に優れた水および/またはアルコールによる膨潤を抑えた化粧用スポンジが得られる。
したがって、本特許請求の範囲及び明細書では、円柱状の大きさを制御するために、柱の直径という概念で捕らえ、網目を形成する柱の直径とは、上述の様に、図2に符号Dで示すように、各網目のおける柱の最も長い部分を言う。
まず、縦横50mm×50mm、厚さ6mmにカットした化粧用スポンジを以下の様にそれぞれ水等に浸漬させる。浸漬時間は24時間とする。
試験1)20℃のエチルアルコールを10質量%含む水に浸漬させる(リキッド系の化粧料を使用した場合を想定)。
試験2)20℃の水のみに浸漬させる(パフを水洗や洗濯する場合を想定)。
ついで、縦、横の長さを測定し、それぞれ浸漬前のサイズで除したものを、縦の膨潤率、横の膨潤率とする。
また、
試験3)試験1と同様にして浸漬させた後、20〜40代の女性の手で軽く絞る。
試験4)試験2と同様にして浸漬させた後、20〜40代の女性の手で軽く絞る。
ついで、縦、横の長さを測定し、それぞれ浸漬前のサイズで除したものを、縦の膨潤率、横の膨潤率とする。
なお、試験1〜4について、サンプルはそれぞれ20個とし、測定は、それぞれのサンプルについて5回ずつ行う。測定値はそれらの平均値とする。
膨潤率が10%を超えると、たとえば、元のパフが、コンパクトから、はみでることがある。そして、5%以下であれば、当該問題をほとんど生じないものとすることができる。
そして、詳しくは製造方法の説明の際に後述するが水中で脱溶媒、凝固されたもの(水凝固性)であることが好ましい。
ポリエーテルポリオールとしては、例えばポリテトラメチレンエーテルグリコールを単独で使用してもよいが、ポリテトラメチレンエーテルグリコールとポリエチレングリコールとの共重合体を使用すると、ポリテトラメチレングリコールを単独で使用した場合よりも、耐光性、耐熱性が良好で、さらに、最近の化粧料に含まれることの多い紫外線吸収剤に対する耐久性にも優れた化粧用スポンジが得られる。
第2の実施形態の化粧用スポンジは、3次元網目構造のポリウレタン樹脂からなる化粧用スポンジであって、最大長さが40μm未満の網目の数が、全網目数の50%以上であることを特徴とする。
その結果、耐候性、耐油性、耐水性に優れ、肌触りが良好で、柔軟性、化粧ノリが良好な化粧用スポンジが得られる。さらに、水および/またはアルコールによる膨潤の非常に少ない化粧用スポンジが得られる。
なお、「含み」については第1の実施形態よりもやや低下する傾向があるが、固形ファンデーション用としても実用上問題ない特性が得られる。
本実施形態の化粧用スポンジは、特にリキッドファンデーション用、美容液用として好適であって、弾力が適度で、化粧ノリが良好で、肌触り(ぬめり感)にも優れたものでありながら、元の収納ケースに納めることのできるリキッドタイプの化粧用スポンジとして使用できる。
リキッドファンデーション用であれば、第1の実施形態の様に網目(B)の様に固形ファンデーションを格納する作用を有する部分が存在しなくても化粧ノリ等の点で問題はなく、良好な特性が得られるからである。
その結果、水および/またはアルコールによる膨潤を特に抑えることができる。
また、ポリウレタン樹脂の好ましい態様も、第1の実施形態と同様である。
次に、本発明の化粧用スポンジの製造方法について具体的に説明する。
(1)まず、水溶解性の無機微粒子(複数の粒子の集合体)とポリウレタン樹脂と溶媒とを含有する分散液を調製し混練する。
ここで、無機微粒子としては、粒子径(粒度分布)の異なる少なくとも2種の微粒子(複数の粒子の集合体)の混合物を使用することが必要である。
粒子径の異なる少なくとも2種の微粒子の混合物を使用すると、後の工程においてこれらの無機微粒子を水抽出することによって、最大長さが一定以上の大きな網目と、一定未満の小さな網目とが混在した3次元網目構造のポリウレタン樹脂を製造することができる。
そして、特に最大長さ40μm未満の網目を50%以上有し、かつ好ましくは網目を形成する柱の直径が40μm未満の網目を50%以上有するポリウレタン樹脂が得られる。その結果、水分および/またはアルコールによる膨潤が少ない化粧用スポンジに適したポリウレタン樹脂を製造することができる。
なお、微粒子(C)の粒子径の下限値は特に限定しないが実質的には0.1μmとされる。
また、ここで粒子径とは、篩分法で測定された粒度分布である。
そして、ここで無機微粒子として、無水硫酸ナトリウムを使用することにより、単に3次元網目構造を形成できるだけでなく、弾力が適度で、肌触りが良好で、化粧ノリにも非常に優れた化粧用スポンジで、水分および/またはアルコールによる膨潤が非常に少ないものを得ることができる。
例えば、無水硫酸ナトリウムの粒子形状は、その製法により、ラグビーボール状のものと任意の形状(不定形)のものとが一般的に流通しているが、50質量%以上の粒子径が50〜500μm、好ましくは100〜250μmである微粒子(D)など、粒子径の大きなものには、ラグビーボール状のものを使用してもよい。
また、50質量%以上の粒子径が50μm未満である微粒子(C)など、粒子径の小さなものは、粒子径の大きなものを乾式粉砕したり、溶剤存在下でビーズミルなどにより湿式粉砕したりすることにより製造してもよい。
また、分散液は、必要に応じて着色剤や界面活性剤を含んでも良いし、さらに、劣化防止剤や公知の抗菌剤を含んだものが好ましい。
また、ここで無機微粒子として、50質量%以上の粒子径が50μm未満である小さな微粒子(C)と、50質量%以上の粒子径が50〜500μm、好ましくは100〜250μmである大きな微粒子(D)との混合物を使用する場合、混合物中におけるこれらの質量割合は、大きな微粒子:小さな微粒子が5:1〜1:2であることが好ましい。
これにより、特に水及び/又はアルコールを含んだ場合の膨潤度が非常に小さいものが得られる。
また、着色剤、界面活性剤、劣化防止剤、公知の抗菌剤などについては、必要に応じて適量添加する。
脱泡の具体的方法としては、分散液中の気泡を取り除ける方法であれば制限はなく、例えば、減圧条件下に放置する方法、遠心分離機などを使用して気泡を強制的に取り除く方法などが挙げられる。
成形の具体的方法としては、押出機を使用し、その成形ダイスより押し出し成形する方法、型を使用して所定の形状に成形する方法がある。型としては、例えば5〜100mm程度の所定の深さの有底の金型や、分散液中のポリウレタン樹脂などが付着しないように表面処理された有底の多孔質のプラスチック型(ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などが好ましい)を使用できる。
無機微粒子を水抽出する具体的方法としては、例えば、常圧ワッシャー、液流染色機、洗濯機などにポリウレタン樹脂成形体を投入し、0〜90℃の水で数10分から3時間程度、攪拌、洗浄する方法が挙げられる。このような方法によれば、ポリウレタン樹脂成形体が、いわゆる揉み洗いされ、ほぼ完全に無機微粒子を水抽出して除去することができる。
本実施形態の製造方法は、第1の製造方法例において、用いる無機微粒子を変更する以外は、同様の操作で行うことができる。
すなわち、無機微粒子として、前記微粒子(C)からなる無機微粒子を用いる。これにより、3次元網目構造のポリウレタン樹脂からなる化粧用スポンジであって、最大長さが40μm未満の網目の数が、全網目数の50%以上、好ましくは70%以上の化粧用スポンジが得られる。また、網目を形成する柱の直径が40μm未満の網目を50%以上、好ましくは70%以上有する化粧用スポンジが得られる。
また、第1の実施形態において、第2の実施形態と同様の条件を満足すれば、特に水および/またはアルコールによる膨潤の非常に少ない化粧用スポンジが得られる。
また、前記第1の製造方法例、前記第2の製造方法例によれば、それぞれ第1の実施形態、第2の実施形態の化粧用スポンジを簡便に製造することができる。
なお、各例中、「部」とは「質量部」、「%」とは「質量%」のことである。
〔評価方法〕
各例で得られた化粧用スポンジの評価を以下の方法で行い、結果を表1、2にまとめた。
密度の測定はJIS K 6301、引張強度はJIS K 6301 2号型、伸びはJIS K 6301、吸水性試験は、JIS L 1907(滴下法)に従った。
なお、吸水性は、「化粧ノリ」の指標となるものである。
ぬめり感については、感触を相対的に比較した。表中の略号は以下の内容を示す。
◎:ぬめり感があり非常にしっとりとしている
○:ぬめり感がありしっとりしている
△:ぬめり感あり
×:ぬめり感がなく、パサついた感触がある
××:硬くて、こりかたまった感触である
(固形ファンデーション等を含ませるパフを想定)
下記のポリウレタン樹脂、溶媒、無機微粒子を混合して、分散液を調製した。
クリスボン1836P(固形分30%) 100部
(製品名、大日本インキ化学工業(株)製ポリエーテル型ポリウレタン樹脂)
ジメチルホルムアミド 20部
無水硫酸ナトリウム 200部
(80%以上の粒子径が50μm未満、比重2.7)
無水硫酸ナトリウム 200部
(80%以上の粒子径が100μm〜250μmの範囲、比重2.7)
ついで、ポリウレタン樹脂などが付着しないように表面処理された有底の縦200mm×横200mm×高さ30mmプラスチック型に、脱泡された分散液を充填し、ポリウレタン樹脂成形体とし、その後、これを、40℃の温度で、24時間、水中凝固、脱溶媒し、凝固したポリウレタン樹脂成形体を得た。
ついで、このポリウレタン樹脂成形体を、恒温水槽中、30℃の温水にて、2時間、常圧ワッシャーによる揉み洗いをすることで、無水硫酸ナトリウムを抽出し、水中から取り出した後、乾燥機で110℃にて30分乾燥して化粧用スポンジを得た。
その後、化粧用スポンジをスライスして、50mm×50mm×6mmにカットし、固形ファンデーション用のパフとした。この電子顕微鏡写真(倍率50倍、250倍、横断面50倍)をそれぞれ図3〜図5に示す。
(リキッドタイプの化粧用スポンジを想定)
分散液に使用する無機微粒子として、80%以上の粒子径が50μm未満の無水硫酸ナトリウムを200部と、80%以上の粒子径が100μm〜250μmの無水硫酸ナトリウム200部とを使用する代わりに、80%以上の粒子径が50μm未満である無水硫酸ナトリウム(比重2.7)のみを400部使用した以外は、実施例1と同様にして分散液を調製し、その後同様に各工程を行い、化粧用スポンジを得て、さらに50mm×50mm×6mmのリキッドタイプの化粧用のスポンジを得た。この電子顕微鏡写真(倍率50倍、250倍、横断面50倍)をそれぞれ図6〜図8に示す。
(固形ファンデーション等を含ませるパフを想定)
分散液に使用する無機微粒子として、80%以上の粒子径が50μm未満の無水硫酸ナトリウムを200部と、80%以上の粒子径が100μm〜250μmの無水硫酸ナトリウム200部とを使用する代わりに、80%以上の粒子径が100〜250μmである無水硫酸ナトリウム(比重2.7)のみを400部使用した以外は、実施例1と同様にして分散液を調製し、その後同様に各工程を行い、化粧用スポンジを得て、さらに50mm×50mm×6mmの固形ファンデーション用のパフを得た。この電子顕微鏡写真(倍率50倍、250倍、横断面50倍)をそれぞれ図9〜図11に示す。
(固形ファンデーション等を含ませるパフを想定)
無機微粒子の代わりに、ポリビニールアルコール(比重1.27〜1.31)200部を使用した以外は、実施例1と同様にして分散液を調製し、その後同様に各工程を行い、化粧用スポンジを得て、さらに50mm×50mm×6mmの固形ファンデーション用のパフを得た。この電子顕微鏡写真(倍率50倍、250倍、横断面50倍)をそれぞれ図12〜図14に示す。
(固形ファンデーション等を含ませるパフを想定)
無機微粒子を一切使用しない以外は実施例1と同様にして分散液を調製し、その後同様に各工程を行い、化粧用スポンジを得て、さらに50mm×50mm×6mmの固形ファンデーション用のパフを得た。この電子顕微鏡写真(倍率50倍、250倍、横断面50倍)をそれぞれ図15〜図17に示す。
また、実施例2で得られたスポンジに認められる網目は、最大長さが40μm以下のものが多く、50%以上であり、200μm以上のものはほとんど認められなかった。
一方、比較例1で得られたパフに認められる網目は、最大長さが200μm以上のものが多く認められた。
また、比較例2で得られたパフは3次元網目構造ではなく、膜に大きな孔が存在した構造のものであり、柔軟性はあるもののフワフワしたパサついたものであった。
また、比較例3で得られたパフも3次元網目構造でなく、膜に小さな孔が存在した構造で、非常に硬いものであった。
また、表1に示したように実施例1のパフは、伸びがよく、吸水性、化粧料の吸着性、ぬめり感のいずれもが優れて、膨潤度の評価についてもいずれも5%以下であった。
また、実施例2のスポンジは、吸水性、ぬめり感のいずれもが優れて、膨潤度の評価についてもいずれも5%以下であった。
一方、各比較例のものでは、ぬめり感等がおとり、パフとしての使用には適さないものであった。また、膨潤度が高くて元の収納ケースに納まらないことがあるものもあった。
(固形ファンデーション等を含ませるパフを想定)
ポリウレタン樹脂として、大日本インキ化学工業(株)製のクリスボン8006HV(製品名、ポリエステル型ポリウレタン樹脂、固形分30%)を100部使用した以外は、実施例1と同様にして分散液を調製し、その後同様に各工程を行い、化粧用スポンジを得て、さらに50mm×50mm×6mmのファンデーション用のパフを得た。
これを電子顕微鏡で観察したところ、実施例1の場合と同様に、最大長さが200〜500μm以上の網目と、40μm未満の網目とがほとんどであった3次元網目構造が認められた。また、最大長さが40μm未満の網目の数が、200μm以上の網目の数よりも多かった。
(リキッドタイプの化粧用スポンジを想定)
分散液に使用する無機微粒子として、80%以上の粒子径が50μm未満の無水硫酸ナトリウムを200部と、80%以上の粒子径が100μm〜250μmの無水硫酸ナトリウム200部とを使用する代わりに、80%以上の粒子径が50μm未満の無水硫酸ナトリウム(比重2.7)のみを400部使用した以外は、実施例3と同様にして分散液を調製し、その後同様に各工程を行い、化粧用スポンジを得て、さらに50mm×50mm×6mmのリキッドタイプの化粧用のスポンジを得た。
これを電子顕微鏡で観察したところ、実施例2の場合と同様に、最大長さが40μm以下の網目が主に確認でき、最大長さが200μm以上のものはほとんど認められなかった。
(固形ファンデーション等を含ませるパフを想定)
分散液に使用する無機微粒子として、80%以上の粒子径が50μm未満の無水硫酸ナトリウムを200部と、80%以上の粒子径が100μm〜250μmの無水硫酸ナトリウム200部とを使用する代わりに、80%以上の粒子径が100〜250μmの無水硫酸ナトリウム(比重2.7)のみを400部使用した以外は、実施例3と同様にして分散液を調製し、その後同様に各工程を行い、化粧用スポンジを得て、さらに50mm×50mm×6mmのファンデーション用のパフを得た。
これを電子顕微鏡で観察したところ、比較例1の場合と同様に、最大長さが200μm以上の網目が主に確認でき、最大長さが40μm以下のものはほとんど認められなかった。
(固形ファンデーション等を含ませるパフを想定)
無機微粒子の代わりに、ポリビニールアルコール(比重1.27〜1.31)200部使用した以外は、実施例3と同様にして分散液を調製し、その後同様に各工程を行い、化粧用スポンジを得て、さらに50mm×50mm×6mmのファンデーション用のパフを得た。
これを電子顕微鏡で観察したところ、比較例2の場合と同様に、このパフは3次元網目構造ではなく、膜に大きな孔が存在した構造のものであった。
(固形ファンデーション等を含ませるパフを想定)
無機微粒子を一切使用しない以外は実施例3と同様にして分散液を調製し、その後同様に各工程を行い、化粧用スポンジを得て、さらに50mm×50mm×6mmのファンデーション用のパフを得た。これを電子顕微鏡で観察したところ、比較例3の場合と同様に、このパフは3次元網目構造でなく、膜に小さな孔が存在した構造のもので、非常に硬いものであった。
また、実施例4の化粧用スポンジは、吸水性、ぬめり感のいずれもが優れ、膨潤度も少なかった。
一方、各比較例のものでは、ぬめり感等がおとり、パフとしての使用には適さないものであった。また、膨潤度が高くて元の収納ケースに納まらないことがあるものもあった。
Claims (9)
- 3次元網目構造のポリウレタン樹脂からなる化粧用スポンジであって、
最大長さが200μm未満の網目(A)と最大長さが200μm以上の網目(B)とが混在しており、かつ前記網目(A)の数が前記網目(B)の数よりも多いことを特徴する化粧用スポンジ。 - 最大長さが40μm未満の網目の数が、全網目数の50%以上であることを特徴とする請求項1に記載の化粧用スポンジ。
- 網目を形成する柱の直径が40μm未満の網目の数が、全網目数の50%以上であることを特徴とする請求項2に記載の化粧用スポンジ。
- 3次元網目構造のポリウレタン樹脂からなる化粧用スポンジであって、最大長さが40μm未満の網目の数が、全網目数の50%以上であることを特徴とする化粧用スポンジ。
- 網目を形成する柱の直径が40μm未満の網目の数が、全網目数の50%以上であることを特徴とする請求項4に記載の化粧用スポンジ。
- 前記ポリウレタン樹脂は、水凝固性であって、水および/またはアルコールを含んだ場合の膨潤度が、5%以下であることを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載の化粧用スポンジ。
- 前記ポリウレタン樹脂を構成するポリオール成分は、ポリエーテルポリオールを含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の化粧用スポンジ。
- 水溶解性の無機微粒子とポリウレタン樹脂と溶媒とを含有する分散液を調製し混練する工程と、
混練された分散液を脱泡する工程と、
脱泡された分散液を成形し、ポリウレタン樹脂成形体を製造する工程と、
ポリウレタン樹脂成形体に含まれる溶媒を水中で脱溶媒、凝固する工程と、
凝固されたポリウレタン樹脂成形体から無機微粒子を水抽出して除去する工程とを有する化粧用スポンジの製造方法であって、
前記無機微粒子として、50質量%以上の粒子の粒子径が50μm未満である微粒子(C)と、50質量%以上の粒子の粒子径が50〜500μmである微粒子(D)とを含有する無機微粒子を用いることを特徴とする化粧用スポンジの製造方法。 - 水溶解性の無機微粒子とポリウレタン樹脂と溶媒とを含有する分散液を調製し混練する工程と、
混練された分散液を脱泡する工程と、
脱泡された分散液を成形し、ポリウレタン樹脂成形体を製造する工程と、
ポリウレタン樹脂成形体に含まれる溶媒を水中で脱溶媒、凝固する工程と、
凝固されたポリウレタン樹脂成形体から無機微粒子を水抽出して除去する工程とを有する化粧用スポンジの製造方法であって、
前記無機微粒子として、50質量%以上の粒子の粒子径が50μm未満である微粒子(C)からなる無機微粒子を用いることを特徴とする化粧用スポンジの製造方法。
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