JP4230423B2 - 押出発泡成形体及びその製造方法 - Google Patents

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この発明は、熱膨張性マイクロカプセルを用いた押出発泡成形体の製造方法に関する。
従来、熱可塑性樹脂を押出発泡して押出発泡成形体を製造する場合、前記熱可塑性樹脂に、炭酸アンモニウム、アジド化合物、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、液化炭酸ガス等の発泡剤を含有せしめたものを押出機で押出して押出発泡する手法が知られている(例えば特許文献1、2参照)。
特開平10−87867号公報(請求項1、請求項7) 特開2002−194173号公報(請求項1、請求項5)
しかしながら、従来技術のような発泡剤による加熱発泡を利用した押出発泡では、混練工程中での真空ポンプを用いた脱気により押出装置の上部位置に設けられた脱気孔から発泡ガスの一部が外部に抜け出てしまうために、安定した状態で押出発泡を行うのが難しく、得られた押出発泡成形体も発泡倍率等にバラツキを生じやすく、安定した品質の押出発泡成形体を製造するのが困難であった。
そこで、本発明者は、液状ガス等を内包したポリマー殻体からなる熱膨張性マイクロカプセルを熱可塑性樹脂に混合してなる組成物を加熱混練した後、該混練組成物を押出機で押出して押出発泡成形することを試みた。この製法によれば、押出発泡成形体を製造することはできたものの、混練工程において、熱膨張性マイクロカプセルの殻体が混練部のスクリューやシリンダーとの接触によって容易に破壊されてしまい、このために十分な発泡を行わせることができず、所望の発泡倍率が得られないという問題があった。また、このような混練部のスクリューとの接触によって熱膨張性マイクロカプセルの殻体が破壊されるという状況は、組成物が木粉等のセルロース材料を含有した構成である場合や、混練を2軸押出機で行う場合に特に顕著であった。
この発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、熱膨張性マイクロカプセルが混練工程において破壊されることがなくて、発泡倍率等にバラツキを生じ難く安定した品質の押出発泡成形体を製造することのできる押出発泡成形体の製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]膨張性マイクロカプセルと、熱可塑性樹脂とを含有してなる組成物を所定の混練温度で加熱混練する工程と、前記熱膨張性マイクロカプセルの膨張温度と同等の押出温度又は該膨張温度よりも高い押出温度に設定された押出ダイより前記混練組成物を押出して押出発泡成形する工程とを包含し、前記熱膨張性マイクロカプセルは、前記所定の混練温度では軟化又は破壊されることがなく、前記所定の混練温度よりも高い押出温度において軟化又は破壊される性質を備えた保護皮膜層でポリマー殻の表面をコーティングされた熱膨張性マイクロカプセルであることを特徴とする押出発泡成形体の製造方法。
[2]膨張性マイクロカプセルと、熱可塑性樹脂とを含有してなる組成物を125℃〜170℃の混練温度で加熱混練する工程と、150〜250℃の範囲の温度であって且つ前記混練温度よりも高い押出温度に設定された押出ダイより前記混練組成物を押出して押出発泡成形する工程とを包含し、前記熱膨張性マイクロカプセルは、前記混練温度では軟化又は破壊されることがなく、前記混練温度よりも高い押出温度において軟化又は破壊される性質を備えた保護皮膜層でポリマー殻の表面をコーティングされた熱膨張性マイクロカプセルであることを特徴とする押出発泡成形体の製造方法。
[3]液状の熱硬化性樹脂が半硬化した半硬化物からなる保護皮膜層でポリマー殻の表面をコーティングされた熱膨張性マイクロカプセルと、熱可塑性樹脂とを含有してなる組成物を加熱混練する工程と、前記熱膨張性マイクロカプセルの膨張温度と同等の押出温度又は該膨張温度よりも高い押出温度に設定された押出ダイより前記混練組成物を押出して押出発泡成形する工程とを包含することを特徴とする押出発泡成形体の製造方法。
[4]120℃の粘度が1.6〜3.5mPa・sであり、180℃の粘度が0.5〜1.5mPa・sである液状物質からなる保護皮膜層でポリマー殻の表面をコーティングされた熱膨張性マイクロカプセルと、熱可塑性樹脂とを含有してなる組成物を加熱混練する工程と、前記熱膨張性マイクロカプセルの膨張温度と同等の押出温度又は該膨張温度よりも高い押出温度に設定された押出ダイより前記混練組成物を押出して押出発泡成形する工程とを包含することを特徴とする押出発泡成形体の製造方法。
[5]2軸押出機を用いて前記組成物を加熱混練する前項1〜4のいずれか1項に記載の押出発泡成形体の製造方法。
[6]前記組成物は、さらに充填剤を含有している前項1〜5のいずれか1項に記載の押出発泡成形体の製造方法。
[7]前記組成物は、さらにセルロース材料を含有してなり、前記組成物におけるセルロース材料の含有率が10〜80質量%である前項1〜5のいずれか1項に記載の押出発泡成形体の製造方法。
[8]前記組成物は、さらに木粉を含有してなり、前記組成物における木粉の含有率が10〜80質量%である前項1〜5のいずれか1項に記載の押出発泡成形体の製造方法。
[9]前記組成物は、前記熱可塑性樹脂100体積部に対して熱膨張性マイクロカプセル3〜10体積部含有してなる前項1〜8のいずれか1項に記載の押出発泡成形体の製造方法。
[10]前記熱可塑性樹脂としてポリオレフィン樹脂を用いる前項1〜9のいずれか1項に記載の押出発泡成形体の製造方法。
[11]前項1〜10のいずれか1項に記載された製造方法により製造された独立気泡構造の押出発泡成形体。
[1]の発明では、加熱混練工程においては、熱膨張性マイクロカプセルのポリマー殻を被覆した保護皮膜層は軟化又は破壊されることがないので、熱膨張性マイクロカプセルは保護皮膜層によって十分に保護された状態で混練に供され、従って加熱混練工程において熱膨張性マイクロカプセルが破壊されることはない。また、次の押出工程では、熱膨張性マイクロカプセルのポリマー殻を被覆した保護皮膜層は軟化又は破壊されるので、熱膨張性マイクロカプセルはこの押出工程で熱膨張し、十分な発泡を行わせることができる。このように混練工程、押出工程を通じて熱膨張性マイクロカプセルが破壊されることはないので、軽量でかつ所望の発泡倍率に精密に制御された高品質の独立気泡構造の押出発泡成形体を製造することができる。
[2]の発明では、加熱混練工程においては、熱膨張性マイクロカプセルのポリマー殻を被覆した保護皮膜層は軟化又は破壊されることがないので、熱膨張性マイクロカプセルは保護皮膜層によって十分に保護された状態で混練に供され、従って加熱混練工程において熱膨張性マイクロカプセルが破壊されることはない。また、次の押出工程では、熱膨張性マイクロカプセルのポリマー殻を被覆した保護皮膜層は軟化又は破壊されるので、熱膨張性マイクロカプセルはこの押出工程で熱膨張し、十分な発泡を行わせることができる。このように混練工程、押出工程を通じて熱膨張性マイクロカプセルが破壊されることはないので、軽量でかつ所望の発泡倍率に精密に制御された高品質の独立気泡構造の押出発泡成形体を製造することができる。
[3]の発明では、加熱混練工程においては、熱膨張性マイクロカプセルのポリマー殻は、熱硬化性樹脂の半硬化物からなる保護皮膜層で表面をコーティングされているので、熱膨張性マイクロカプセルは十分に保護された状態で混練に供され、従って加熱混練工程において熱膨張性マイクロカプセルが破壊されることはない。また、次の押出工程では、熱膨張性マイクロカプセルのポリマー殻を被覆した熱硬化性樹脂の半硬化物は、熱膨張性マイクロカプセルの膨張によって容易に破壊されるので、熱膨張性マイクロカプセルはこの押出工程で熱膨張し、十分な発泡を行わせることができる。このように混練工程、押出工程を通じて熱膨張性マイクロカプセルが破壊されることはないので、軽量でかつ所望の発泡倍率に精密に制御された高品質の独立気泡構造の押出発泡成形体を製造することができる。
[4]の発明では、加熱混練工程においては、熱膨張性マイクロカプセルのポリマー殻は、120℃の粘度が1.6〜3.5mPa・sである液状物質からなる保護皮膜層で表面をコーティングされているので、熱膨張性マイクロカプセルは十分に保護された状態で混練に供され、従って加熱混練工程において熱膨張性マイクロカプセルが破壊されることはない。また、次の押出工程では、熱膨張性マイクロカプセルのポリマー殻を被覆した液状物質(保護皮膜層)は180℃の粘度が0.5〜1.5mPa・sであり低粘度であるから、熱膨張性マイクロカプセルはこの押出工程で熱膨張し、十分な発泡を行わせることができる。このように混練工程、押出工程を通じて熱膨張性マイクロカプセルが破壊されることはないので、軽量でかつ所望の発泡倍率に精密に制御された高品質の独立気泡構造の押出発泡成形体を製造することができる。
[5]の発明では、2軸押出機を用いているので2軸スクリューによって熱膨張性マイクロカプセルに対して強い力が負荷されるが、本発明ではこの混練工程において熱膨張性マイクロカプセルのポリマー殻が保護皮膜層で表面をコーティングされているので、このような2軸押出機を用いた場合であっても熱膨張性マイクロカプセルは十分に保護された状態で混練に供され、加熱混練工程において熱膨張性マイクロカプセルが破壊されることはない。
[6]の発明では、組成物は充填剤を含有しているので熱膨張性マイクロカプセルは破壊されやすい環境にあるが、本発明ではこの混練工程において熱膨張性マイクロカプセルのポリマー殻が保護皮膜層で表面をコーティングされているので、このような充填剤を含有した場合であっても熱膨張性マイクロカプセルは十分に保護された状態で混練に供され、加熱混練工程において熱膨張性マイクロカプセルが破壊されることはない。
[7]の発明では、組成物はセルロース材料を含有しているので熱膨張性マイクロカプセルは破壊されやすい環境にあるが、本発明ではこの混練工程において熱膨張性マイクロカプセルのポリマー殻が保護皮膜層で表面をコーティングされているので、このようなセルロース材料を含有した場合であっても熱膨張性マイクロカプセルは十分に保護された状態で混練に供され、加熱混練工程において熱膨張性マイクロカプセルが破壊されることはない。また、組成物はセルロース材料を含有しているので、製造した押出発泡成形体に木質感を付与することができる。
[8]の発明では、組成物は木粉を含有しているので熱膨張性マイクロカプセルは非常に破壊されやすい環境にあるが、本発明ではこの混練工程において熱膨張性マイクロカプセルのポリマー殻が保護皮膜層で表面をコーティングされているので、このような木粉を含有した場合であっても熱膨張性マイクロカプセルは十分に保護された状態で混練に供され、加熱混練工程において熱膨張性マイクロカプセルが破壊されることはない。また、組成物は木粉を含有しているので、製造した押出発泡成形体に木質感を十分に付与することができる。
[9]の発明では、組成物は、熱可塑性樹脂100体積部に対して熱膨張性マイクロカプセル3〜10体積部含有しているから、低比重の独立気泡構造の押出発泡成形体を製造できる。
[10]の発明では、熱可塑性樹脂としてポリオレフィン樹脂を用いるから、成形性を向上させることができる。
[11]の発明では、軽量でかつ所望の発泡倍率に精密に制御された高品質の独立気泡構造からなる押出発泡成形体が提供される。
この発明に係る押出発泡成形体の製造方法は、混練温度では軟化又は破壊されることがなく、前記混練温度よりも高い押出温度において軟化又は破壊される性質を備えた保護皮膜層で表面をコーティングされた熱膨張性マイクロカプセルと、熱可塑性樹脂とを含有してなる組成物を所定の混練温度で加熱混練する工程と、前記熱膨張性マイクロカプセルの膨張温度と同等の押出温度又は該膨張温度よりも高い押出温度に設定された押出ダイより前記混練組成物を押出して押出発泡成形する工程とを包含することを特徴とする。
この製造方法によれば、加熱混練工程においては、熱膨張性マイクロカプセルを被覆した保護皮膜層は軟化又は破壊されることがないので、熱膨張性マイクロカプセルは保護皮膜層によって十分に保護された状態で混練に供され、従って加熱混練工程において熱膨張性マイクロカプセルが破壊されることはない、即ち混練によってスクリュー等と接触しても熱膨張性マイクロカプセルが破壊されることはない。また、次の押出工程では、熱膨張性マイクロカプセルを被覆した保護皮膜層は軟化又は破壊されるので、熱膨張性マイクロカプセルはこの押出工程で熱膨張し、十分な発泡を行わせることができ、これにより軽量でかつ所望の発泡倍率に精密に制御された高品質の独立気泡構造の押出発泡成形体を製造することができる。
前記熱膨張性マイクロカプセルは、液状ガス等を内包したポリマー殻からなる。熱膨張前のカプセルの粒径は5〜20μmであるのが好ましい。この熱膨張性マイクロカプセルは、加熱された際、殻内の内部ガス圧が増大してポリマー殻が軟化膨張して拡径する。熱膨張性マイクロカプセルの膨張温度は、一般に、80〜190℃である。中でも、膨張温度が122〜190℃の熱膨張性マイクロカプセルを用いるのが好ましい。
前記熱膨張性マイクロカプセルの市販品としては、例えば「エクスパンセル930DUX120」(エクスパンセル株式会社製)等が挙げられる。
前記保護皮膜層としては、例えば、(a)液状の熱硬化性樹脂が半硬化した半硬化物、(b)120℃の粘度が1.6〜3.5mPa・sであり、180℃の粘度が0.5〜1.5mPa・sである液状物質等を例示できる。
前記保護皮膜層として、液状の熱硬化性樹脂が半硬化した半硬化物を用いる場合には、加熱混練工程においては、熱膨張性マイクロカプセルは、熱硬化性樹脂の半硬化物からなる保護皮膜層で表面をコーティングされているので、熱膨張性マイクロカプセルは十分に保護された状態で混練に供される一方、次の押出工程では、熱膨張性マイクロカプセルを被覆した熱硬化性樹脂の半硬化物は、熱膨張性マイクロカプセルの膨張(殻内の内部ガス圧の増大による膨張)によって容易に破壊されるので、熱膨張性マイクロカプセルはこの押出工程で熱膨張し、十分な発泡を行わせることができる。なお、保護皮膜層として熱硬化性樹脂の完全硬化物を用いるとこの完全硬化物によって熱膨張性マイクロカプセルの膨張が抑制又は阻止されてしまい十分な発泡を実現することができない。
このような熱硬化性樹脂の半硬化物で熱膨張性マイクロカプセルの表面をコーティングする方法としては、例えば、液状の熱硬化性樹脂に熱膨張性マイクロカプセルを浸漬した後、該カプセルを取り出して加熱することによって熱膨張性マイクロカプセルの外周面に付着した膜状の熱硬化性樹脂を半硬化させる方法等が挙げられる。
このような半硬化物を形成するのに用いられる熱硬化性樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えばウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。
前記半硬化物のゲル分率は5〜95%であるのが好ましい。5%未満では保護皮膜効果が充分に得られないので好ましくないし、一方95%を超えると半硬化物が破壊され難くなって熱膨張性マイクロカプセルの膨張が抑制されるので好ましくない。中でも10〜80%であるのがより好ましく、特に好適なのは15〜65%である。なお、前記ゲル分率は、ソックスレー抽出器を用いたアセトン抽出試験(ASTM D494)により求められる値であり、下式で算出される。
ゲル分率(%)=(抽出後の試料残渣の質量/採取試料の質量)×100
前記ソックスレー抽出器を用いたアセトン抽出試験は、次のようにして行う。即ち、まず半硬化物(試料)を減圧によって恒量になるまで乾燥させた後、ソックスレー抽出器内にアセトン溶媒と共に入れ、サイホン作用が1時間当たり15〜30回起こるように加熱を調整して、16時間アセトンで抽出する。抽出操作後の試料残渣を乾燥剤上で24時間真空乾燥して秤量する。
また、前記保護皮膜層として、120℃の粘度が1.6〜3.5mPa・sであり、180℃の粘度が0.5〜1.5mPa・sである液状物質を用いる場合には、加熱混練工程においては、熱膨張性マイクロカプセルは高粘度の液状物質(保護皮膜層)で十分に保護された状態で混練に供される一方、次の押出工程では、熱膨張性マイクロカプセルを被覆した液状物質(保護皮膜層)は180℃の粘度が0.5〜1.5mPa・sであり低粘度になるからカプセルの殻内の内部ガス圧の増大による膨張を十分に許容し、従って熱膨張性マイクロカプセルはこの押出工程で熱膨張し、十分な発泡を行わせることができる。
前記120℃の粘度が1.6〜3.5mPa・sであり、180℃の粘度が0.5〜1.5mPa・sである液状物質としては、例えばシリコーンオイル等のオイル、グリスなどを例示できる。
前記液状物質の120℃の粘度は2.0〜2.8mPa・sであるのが好ましい。また、前記液状物質の180℃の粘度は0.9〜1.2mPa・sであるのが好ましい。
このような液状物質で熱膨張性マイクロカプセルの表面をコーティングする方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、前記液状物質に熱膨張性マイクロカプセルを浸漬したのち該カプセルを取り出す方法、熱膨張性マイクロカプセルにスプレー法等により前記液状物質を塗布する方法等が挙げられる。
前記熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えばポリオレフィン樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。
前記組成物にセルロース材料を含有せしめる場合、前記組成物におけるセルロース材料の含有率は10〜80質量%とするのが好ましい。10質量%未満では木質感の付与が不十分になるので好ましくない。一方、80質量%を超えると、成形性が低下するので好ましくない。中でも、前記組成物におけるセルロース材料の含有率は30〜75質量%とするのが好ましい。
前記セルロース材料としては、特に限定されるものではないが、例えば木粉、木フレーク、木材繊維、小麦パルプ、紙、その他のセルロース繊維材料等が挙げられる。これらの中でも木粉を用いるのが好ましく、この場合には天然木により近い木質感を付与できる利点がある。
また、前記組成物に充填剤を含有せしめる場合、充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、炭酸バリウム、ケイ酸アルミニウム、硫酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等が挙げられる。
前記組成物は、前記熱可塑性樹脂100体積部に対して熱膨張性マイクロカプセル3〜10体積部含有してなる構成とするのが好ましい。前記下限値を下回ると軽量化が困難になるので好ましくないし、前記上限値を上回ると良好状態に成形できなくなるので好ましくない。
前記組成物には、必要に応じて、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤を含有させても良い。また、前記組成物には、必要に応じて、化学発泡剤等の発泡剤を含有させても良く、このように熱膨張性マイクロカプセルと共に化学発泡剤等の発泡剤を併用した場合には発泡倍率をさらに向上させることができる。
この発明の製造方法において、加熱混練温度は、熱膨張性マイクロカプセルの膨張温度よりも低い温度に設定するのが好ましい。
また、この発明の製造方法において、加熱混練温度は125℃〜170℃の温度に設定されるのが好ましい。また、押出温度は150〜250℃の範囲の温度であって且つ前記加熱混練温度よりも高い温度に設定されるのが好ましい。中でも、前記押出温度は170〜185℃に設定されるのが好ましい。
この発明の製造方法により得られた押出発泡成形体は、軽量で且つ所望の発泡倍率に精密に制御されたものであるから、高品質の発泡成形体であり、例えば人工木材、建築用部材、内装材等として用いられるが、特にこのような用途に限定されない。
次に、この発明の具体的実施例について説明する。
<実施例1>
熱硬化性ウレタン樹脂を容器に入れ、該熱硬化性ウレタン樹脂液中に熱膨張性マイクロカプセル(「エクスパンセル930DUX120」エクスパンセル株式会社製、膨張温度165℃、膨張前のカプセルの粒径10μm)を浸漬した後、該熱膨張性マイクロカプセルを取り出して130〜135℃で1分間加熱することによって、熱膨張性マイクロカプセルの外周面に付着した膜状の熱硬化性樹脂層を半硬化させた。即ち、熱硬化性樹脂の半硬化物からなる保護皮膜層で表面をコーティングされた熱膨張性マイクロカプセルを得た。
次に、図1に示す2軸コニカルスクリュー押出機(1)のホッパーにポリエチレン、木粉(平均粒径74μm)及び前記保護皮膜層で表面をコーティングされた熱膨張性マイクロカプセルを投入した。この時、ポリエチレン100体積部に対して熱膨張性マイクロカプセル5体積部混合されるように供給した。また、組成物における木粉の含有率が50質量%になるように混合した。なお、(3)は脱気ベント口である。
こうして各シリンダー部において2軸コニカルスクリューによる混練を行った。この時、第1シリンダー部(11)の温度を135℃、第2シリンダー部(12)の温度を135℃、第3シリンダー部(13)の温度を140℃、第4シリンダー部(14)の温度を165℃、スクリューの温度を155℃にそれぞれ設定した。また、スクリュー回転数を20回転/分、フィーダー回転数を16回転/分に設定した。
混練後、165℃に設定されたダイ(2)より前記混練組成物を押出して押出発泡成形して独立気泡構造の押出発泡成形体を得た。得られた押出発泡成形体の比重は0.80であった。
<実施例2>
シリコーンオイル(120℃の粘度が2.2mPa・sであり、180℃の粘度が1.0mPa・sである液状物質)を容器に入れ、該オイル液中に熱膨張性マイクロカプセル(「エクスパンセル930DUX120」エクスパンセル株式会社製、膨張温度165℃、膨張前のカプセルの粒径10μm)を浸漬した後、該熱膨張性マイクロカプセルを取り出して、シリコーンオイルからなる保護皮膜層で表面をコーティングされた熱膨張性マイクロカプセルを得た。
熱膨張性マイクロカプセルとして、上記シリコーンオイルからなる保護皮膜層で表面をコーティングされた熱膨張性マイクロカプセルを用いた以外は、実施例1と同様にして独立気泡構造の押出発泡成形体を得た。得られた押出発泡成形体の比重は0.98であった。
<比較例1>
熱膨張性マイクロカプセルとして、熱膨張性マイクロカプセル(「エクスパンセル930DUX120」エクスパンセル株式会社製、膨張温度165℃、膨張前のカプセルの粒径10μm)(保護皮膜層なし)を用いた以外は、実施例1と同様にして押出発泡成形体を得た。得られた押出発泡成形体の比重は1.10であり、軽量性に乏しかった。
実施例1、2と比較例1の結果を纏めると表1のようになる。
Figure 0004230423
この発明の製造方法で用いる押出機の一例を示す側面図である。
符号の説明
1…押出機
2…ダイ

Claims (11)

  1. 膨張性マイクロカプセルと、熱可塑性樹脂とを含有してなる組成物を所定の混練温度で加熱混練する工程と、
    前記熱膨張性マイクロカプセルの膨張温度と同等の押出温度又は該膨張温度よりも高い押出温度に設定された押出ダイより前記混練組成物を押出して押出発泡成形する工程とを包含し、
    前記熱膨張性マイクロカプセルは、前記所定の混練温度では軟化又は破壊されることがなく、前記所定の混練温度よりも高い押出温度において軟化又は破壊される性質を備えた保護皮膜層でポリマー殻の表面をコーティングされた熱膨張性マイクロカプセルであることを特徴とする押出発泡成形体の製造方法。
  2. 膨張性マイクロカプセルと、熱可塑性樹脂とを含有してなる組成物を125℃〜170℃の混練温度で加熱混練する工程と、
    150〜250℃の範囲の温度であって且つ前記混練温度よりも高い押出温度に設定された押出ダイより前記混練組成物を押出して押出発泡成形する工程とを包含し、
    前記熱膨張性マイクロカプセルは、前記混練温度では軟化又は破壊されることがなく、前記混練温度よりも高い押出温度において軟化又は破壊される性質を備えた保護皮膜層でポリマー殻の表面をコーティングされた熱膨張性マイクロカプセルであることを特徴とする押出発泡成形体の製造方法。
  3. 液状の熱硬化性樹脂が半硬化した半硬化物からなる保護皮膜層でポリマー殻の表面をコーティングされた熱膨張性マイクロカプセルと、熱可塑性樹脂とを含有してなる組成物を加熱混練する工程と、
    前記熱膨張性マイクロカプセルの膨張温度と同等の押出温度又は該膨張温度よりも高い押出温度に設定された押出ダイより前記混練組成物を押出して押出発泡成形する工程とを包含することを特徴とする押出発泡成形体の製造方法。
  4. 120℃の粘度が1.6〜3.5mPa・sであり、180℃の粘度が0.5〜1.5mPa・sである液状物質からなる保護皮膜層でポリマー殻の表面をコーティングされた熱膨張性マイクロカプセルと、熱可塑性樹脂とを含有してなる組成物を加熱混練する工程と、
    前記熱膨張性マイクロカプセルの膨張温度と同等の押出温度又は該膨張温度よりも高い押出温度に設定された押出ダイより前記混練組成物を押出して押出発泡成形する工程とを包含することを特徴とする押出発泡成形体の製造方法。
  5. 2軸押出機を用いて前記組成物を加熱混練する請求項1〜4のいずれか1項に記載の押出発泡成形体の製造方法。
  6. 前記組成物は、さらに充填剤を含有している請求項1〜5のいずれか1項に記載の押出発泡成形体の製造方法。
  7. 前記組成物は、さらにセルロース材料を含有してなり、前記組成物におけるセルロース材料の含有率が10〜80質量%である請求項1〜5のいずれか1項に記載の押出発泡成形体の製造方法。
  8. 前記組成物は、さらに木粉を含有してなり、前記組成物における木粉の含有率が10〜80質量%である請求項1〜5のいずれか1項に記載の押出発泡成形体の製造方法。
  9. 前記組成物は、前記熱可塑性樹脂100体積部に対して熱膨張性マイクロカプセル3〜10体積部含有してなる請求項1〜8のいずれか1項に記載の押出発泡成形体の製造方法。
  10. 前記熱可塑性樹脂としてポリオレフィン樹脂を用いる請求項1〜9のいずれか1項に記載の押出発泡成形体の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載された製造方法により製造された独立気泡構造の押出発泡成形体。
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