JP4003065B2 - 高吸水性多孔質体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性樹脂にポリカプロラクトンオリゴマーを配合してなる高い吸水性能を有する吸水性多孔質体およびその製造法に関するものである。又熱可塑性樹脂にポリカプロラクトンオリゴマーと活性炭を配合してなる高い吸水性能を有し、かつ吸水性能の維持に優れた吸水性多孔質体およびその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、樹脂に塩化ナトリウムなどの水溶性塩類(特開昭56−50936)や尿素(特開昭63−46239)などの溶出可能な物質を混合し、成形後にその物質を水などの溶媒で抽出して得られる、多数の微細な連続気孔を有する吸水性多孔質体については知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような吸水性多孔質体は、吸水ローラーおよび各種液切りローラーとして、プリント基板の製造や写真の自動現像機その他各方面に応用されるようになったが、その用途の広がりと共にその吸水性能の更なる向上が望まれるようになった。
【0004】
又このような吸水性多孔質体を吸水ローラーや液切りローラーとして使用する場合、使用と共にその吸水性能の低下は避けられず、一定の期間使用後新品と交換せざるを得ないのが現状である。この吸水性能の持続がもう一つの技術的課題であった。
【0005】
本発明者らは、この吸水性能の向上およびその吸水性能の維持について鋭意研究の結果、分子内に親水基を多く持つ可塑剤であるポリカプロラクトンオリゴマーに着目し、これを熱可塑性樹脂に配合することにより極めて高い吸水性能を持つ吸水性多孔質体の得られることを見出した。更にこれに活性炭を配合することにより、その高い吸水性能を長期間持続できることを見出し、本発明に到達したものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、熱可塑性樹脂にポリカプロラクトンオリゴマー、またはポリカプロラクトンオリゴマーと活性炭を配合した高吸水性多孔質体である。特に熱可塑性樹脂に水溶性塩類と、ポリカプロラクトンオリゴマーまたはポリカプロラクトンオリゴマーと活性炭を混合し、必要に応じて可塑剤などの添加剤を加えて加熱成形後、成形体から水溶性塩類を溶出する高吸水性多孔質体の製造法およびこのようにして得られた高吸水性多孔質体である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる熱可塑性樹脂には、一般に使用されている各種の熱可塑性樹脂を使用することができる。例えばポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、酢酸セルロース等を挙げることができるが、特に塩化ビニルが望ましい。
【0008】
本発明に使用されるポリカプロラクトンオリゴマーは、ε−カプロラクトンの開環重合によって得られる低重合度のポリマーである。ポリカプロラクトンジオール、ポリカプロラクトントリオール等各種のタイプのものが市販されているが、それらのいずれでもよい。その重合度は3〜20のものが使用できるが、好ましくは3〜10、さらに好ましくは5〜8のものを使用するのが望ましい。ポリカプロラクトンオリゴマーの重合度は低い方が吸水性能の向上に効果があるが、成形後水溶性塩類を溶出する際に、一緒に一部が溶出して失われやすい。重合度の高いものは溶出し難いが、吸水性能の改善効果が低くなる。
【0009】
ポリカプロラクトンオリゴマーの熱可塑性樹脂に対する配合量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して5〜50重量部、好ましくは10〜30重量部である。ポリカプロラクトンオリゴマーの配合量が5重量部より少ないと、吸水性能の向上が見られず、逆に50重量部より多いと得られる多孔質体の強度が低くなり実用性に劣る。
【0010】
使用する熱可塑性樹脂に応じて、ポリカプロラクトンオリゴマー以外に通常使用される可塑剤を適量配合するのが望ましい。例えばポリ塩化ビニルの場合には、樹脂100重量部に対してジオクチルフタレート(DOP)等の可塑剤を50〜100重量部配合するのがよい。
【0011】
本発明に使用される水溶性塩類には、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム等各種の水溶性塩類を使用することができる。熱可塑性樹脂100重量部に対する水溶性塩類の配合量は、300〜1000重量部、好ましくは500〜800重量部である。水溶性塩類の配合量が300重量部より少ないと、十分な連続気孔が得られずその吸水性能が低い。逆に水溶性塩類の配合量が1000重量部を超えると、得られる多孔質体の強度が低くなり実用性が低くなる。
【0012】
本発明の高吸水性多孔質体の吸水性能を維持するために、上記の配合組成に更に活性炭を配合することができる。配合する活性炭は粉末状のものが望ましい。活性炭粉末の配合量は熱可塑性樹脂100重量部に対して0.05〜10.0重量部、好ましくは0.5〜5.0重量部である。活性炭粉末の配合量が0.05重量部より少ないと吸水性能の維持効果が低く、逆に10.0重量部より多いと多孔質体の強度が弱くなる。
【0013】
本発明の高吸水性多孔質体の製造法は、まず熱可塑性樹脂に所定比率のポリカプロラクトンオリゴマーまたはポリカプロラクトンオリゴマーと活性炭粉末を配合し、更に所定比率の水溶性塩類と必要に応じて可塑剤その他の添加剤を加えてよく混合する。次にこの混合可塑物を型に入れ加熱成形する。成形物は冷却後型より取り出し、水で水溶性塩類を溶出させた後乾燥し多孔体を得る。
【0014】
【実施例】
次に本発明を実施例に従って更に詳しく説明する。
(実施例1)
塩化ビニル粉末300重量部に対し市販の重合度5のポリカプロラクトンオリゴマーを50重量部、食塩1320重量部、ホワイトカーボン30重量部、ジオクチルフタレート(DOP)200重量部、ポリエチレングリコール150重量部、シクロヘキサン40重量部を混合し、均一になるようロールでよく練り合わせる。このペーストを金属製の管状の型に詰め、150℃の油浴中で20分間加熱した。冷却後内容物を取り出し水中に浸漬し、圧搾を繰り返し食塩を溶出した。塩分を抜いた多孔質体を乾燥し円筒状の吸水性多孔質体を得た。
【0015】
得られた吸水性多孔質体を次の吸水試験法により吸水性能を測定した。
試験を行う吸水性多孔質体を乾燥後、その表面にピペットで純水を1〜2滴滴下し、この水滴が完全に吸水消失するまでの所要時間を測定する。
吸水試験の結果は、水滴を滴下後1秒以下の瞬時に吸水消失する優れた吸水性能を示した。この吸水性多孔質体を吸水ローラーとして実用試験を行ったが、その吸水性能は6ヶ月以上持続した。
【0016】
(実施例2)
塩化ビニル粉末300重量部に対し、市販の重合度8のポリカプロラクトンオリゴマーを80重量部、食塩1320重量部、ホワイトカーボン30重量部、ジオクチルフタレート(DOP)200重量部、ポリエチレングリコール150重量部、シクロヘキサン40重量部を混合し、均一になるようロールでよく練り合わせる。このペーストを金属製の管状の型に詰め、150℃の油浴中で20分間加熱した。冷却後内容物を取り出し水中に浸漬し、圧搾を繰り返し食塩を溶出した。塩分を抜いた多孔質体を乾燥し円筒状の吸水性多孔質体を得た。
【0017】
吸水試験の結果は、水滴を滴下後1秒以下の瞬時に吸水消失する優れた吸水性能を示した。この吸水性多孔質体を吸水ローラーとして実用試験を行ったが、その吸水性能は6ヶ月以上持続した。
【0018】
(実施例3)
塩化ビニル粉末300重量部に対し、市販の重合度5のポリカプロラクトンオリゴマーを50重量部、食塩1320重量部、活性炭粉末1重量部、ジオクチルフタレート(DOP)200重量部、ポリエチレングリコール150重量部、シクロヘキサン40重量部を混合し、均一になるようロールでよく練り合わせる。このペーストを金属製の管状の型に詰め、150℃の油浴中で20分間加熱した。冷却後内容物を取り出し水中に浸漬し、圧搾を繰り返し食塩を溶出した。塩分を抜いた多孔質体を乾燥し円筒状の吸水性多孔質体を得た。
【0019】
吸水試験の結果は、水滴を滴下後1秒以下の瞬時に吸水消失する優れた吸水性能を示した。この吸水性多孔質体を吸水ローラーとして実用試験を行ったが、その吸水性能は1年以上持続した。
【0020】
(実施例4)
塩化ビニル粉末300重量部に対し、市販の重合度5のポリカプロラクトンオリゴマーを50重量部、食塩1320重量部、活性炭粉末5重量部、ジオクチルフタレート(DOP)140重量部、ジブチルフタレート(DBP)70重量部、ポリエチレングリコール150重量部、シクロヘキサン40量部を混合し、均一になるようロールでよく練り合わせる。このペーストを金属製の管状の型に詰め、150℃の油浴中で20分間加熱した。冷却後内容物を取り出し水中に浸漬し、圧搾を繰り返し食塩を溶出した。塩分を抜いた多孔質体を乾燥し円筒状の吸水性多孔質体を得た。
【0021】
吸水試験の結果は、水滴を滴下後1秒以下の瞬時に吸水消失する優れた吸水性能を示した。この吸水性多孔質体を吸水ローラーとして実用試験を行ったが、その吸水性能は1.5年以上持続した。
【0022】
(比較例)
塩化ビニル粉末300重量部に対し、食塩2000重量部、ホワイトカーボン30重量部、ジオクチルフタレート(DOP)260重量部、ポリエチレングリコール160重量部、シクロヘキサン50重量部を混合し、均一になるようロールでよく練り合わせる。このペーストを金属製の管状の型に詰め、150℃の油浴中で20分間加熱した。冷却後内容物を取り出し水中に浸漬し、圧搾を繰り返し食塩を溶出した。塩分を抜いた多孔質体を乾燥し円筒状の吸水性多孔質体を得た。
【0023】
吸水試験の結果は、滴下した水滴が吸水消失するのに10秒以上を要する吸水性能の低いものであった。この吸水性多孔質体を吸水ローラーとして実用試験を行ったが、その吸水性能は6ヶ月で低下しはじめ、新品と交換する必要があった。
【0024】
【発明の効果】
本発明の高吸水性多孔質体は、極めて高い吸水性能を持つので、吸水ローラーおよび各種液切りローラーとして、プリント基板の製造や写真の自動現像機その他各方面に応用することができる。さらに活性炭粉末を配合したものは長期間高い吸水性能を持続するので、ローラーの交換回数が減り実用的なメリットが大きい。

Claims (4)

  1. 熱可塑性樹脂100重量部に対し、水溶性塩類300〜1000重量部重合度3〜20のポリカプロラクトンオリゴマー5〜50重量部を混合して加熱成形後、成形体から水溶性塩類を溶出した高吸水性多孔質体。
  2. 熱可塑性樹脂100重量部に対し、水溶性塩類300〜1000重量部重合度3〜20のポリカプロラクトンオリゴマー5〜50重量部および活性炭0.05〜10.0重量部を混合して加熱成形後、成形体から水溶性塩類を溶出した高吸水性多孔質体。
  3. 熱可塑性樹脂100重量部に対し、水溶性塩類300〜1000重量部重合度3〜20のポリカプロラクトンオリゴマー5〜50重量部を混合して加熱成形後、成形体から水溶性塩類を溶出する高吸水性多孔質体の製造法。
  4. 熱可塑性樹脂100重量部に対し、水溶性塩類300〜1000重量部重合度3〜20のポリカプロラクトンオリゴマー5〜50重量部および活性炭0.05〜10.0重量部を混合して加熱成形後、成形体から水溶性塩類を溶出する高吸水性多孔質体の製造法。
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