JP2014051634A - ポリウレタン連続気孔多孔質体の製造方法、ポリウレタン連続気孔多孔質体及びスワブ - Google Patents

ポリウレタン連続気孔多孔質体の製造方法、ポリウレタン連続気孔多孔質体及びスワブ Download PDF

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Abstract

【課題】微細な気孔を主体としかつ吸液性に優れた多孔質体を、気孔生成剤を使用せずに製造できるポリウレタン連続気孔多孔質体の製造方法、この製造方法により製造でき、気孔が微細であってかつ吸液性に優れたポリウレタン連続気孔多孔質体、及び前記の連続気孔多孔質体を用いたスワブを提供する。
【解決手段】水と、ポリウレタンが可溶な有機溶媒Aと、ポリウレタンを膨潤させる有機溶媒Bとを含む混合溶媒に、ポリウレタンを主成分とする樹脂を溶解しポリウレタン溶液を得る工程、該ポリウレタン溶液を冷却して混合溶媒中にポリウレタン成形体を析出させる工程、及び、前記ポリウレタン成形体から混合溶媒を除去する工程からなることを特徴とするポリウレタン連続気孔多孔質体の製造方法この製造方法により製造でき、気孔が微細であってかつ吸液性に優れたポリウレタン連続気孔多孔質体、及び前記の連続気孔多孔質体を用いたスワブ。
【選択図】図1

Description

本発明は、ポリウレタンを主成分とする連続気孔多孔質体の製造方法、及び前記製造方法により製造することができるポリウレタン連続気孔多孔質体に関する。本発明は又、前記ポリウレタン連続気孔多孔質体を用いたスワブ(清拭材)に関する。
連続気孔多孔質体とは、三次元方向に連続している気泡(気孔)を含む樹脂多孔質体を言う。ポリウレタンからなる連続気孔多孔質体(以後、「ポリウレタン連続気孔多孔質体」と言う)は軽量であり、かつ液体を吸収・貯蔵する、液体や気体を通過する、音を吸収する、固体を選別除去する、衝撃を吸収する等の機能を有する。そこでインクロール、浸透印、筆ペン、フィルター、化粧用スポンジ等に使用されている。
ポリウレタン連続気孔多孔質体の製造方法としては、例えば化学反応法を挙げることができる。化学反応法とは、ポリウレタンの生成反応と同時にガスを樹脂中に包含させ気孔を生成させる方法である。化学反応法としては、ポリウレタン生成の反応熱によって気化するような低沸点化合物を使用する方法(物理的方法)、イソシアネートと水の反応で発生する二酸化炭素を発泡剤として利用する方法(化学的方法)等を挙げることができる。しかし、化学反応法では、気孔径(以後、「セル径」と言うことがある)が均一でかつ平均径200μm以下の気孔を主体とする多孔質体を得ることは困難であり、微細な水滴を効率良く吸い取る連続気孔多孔質体(スポンジ)の作製には適用できない。
連続気孔多孔質体の製造方法としては溶出法も挙げることができる。溶出法とは、水またはその他の溶剤で溶解除去できる粉末や粒子(気孔生成剤)を樹脂に混和した後溶出して気孔を形成させる方法であり、例えば特許文献1等で開示されている。
溶出法の特殊なケースとして、樹脂及び水等と相溶性のある溶剤との混練物に気孔生成剤を混和した後、貧溶媒により樹脂を凝固させるとともに気孔生成剤を溶出して気孔を形成させる方法も知られている(特許文献2、3等)。例えば、特許文献3にはジメチルホルムアミド(DMF)等の溶剤に溶解したポリウレタンと水溶性の気孔生成剤の混合物を凝固液中で凝固させて所望の形状にした後、気孔生成剤を溶出させて連続気孔多孔質体(弾性体)を製造する方法が記載されている。この方法によれば、瞬時に吸水する等の優れた性質を有する連続気孔多孔質体を大量に安いコストで安定的に製造することが可能であり、製造された連続気孔多孔質体は、吸水ローラーや、付着した水を吸取るためのスワブとしての用途に適している。
しかし、上記のような溶出法では、溶出された気孔生成剤が排水中に残存する。そこで排水の処理が求められ、この理由からもコストが増大する。従って、平均径1〜20μm程度の微細な気孔を主体とする連続気孔多孔質体を、気孔生成剤を使用せずに製造する方法の開発が望まれていた。
又、溶出法により平均1〜20μm程度の微細な気孔を主体とする連続気孔多孔質体(気泡構造)を得るためには、平均粒径1〜20μm程度の微細な気孔生成剤が必要である。しかし、このような微細な気孔生成剤を得るためコスト高となる問題があった。例えば、平均粒径1〜20μm程度の食塩を水溶液から析出して得る場合は、析出前の温度、濃度、種になる苦汁などを厳密に管理する必要がありコスト高になる。又、微細な気孔生成剤を、粒子の粉砕又は分級・篩により得る場合は、専用の微粉砕機・分級機等が必要となり設備や加工(粉砕や分級等)のコストが増大する。
特開昭52−32971号公報 特開昭58−189242号公報 特開2006−152202号公報
本発明は、溶媒に可溶性のポリウレタンを主成分とする連続気孔多孔質体であって、微細な気孔を主体としかつ吸液性に優れた多孔質体を、気孔生成剤を使用せずに製造できるポリウレタン連続気孔多孔質体の製造方法を提供することを課題とする。
本発明は又、溶媒に可溶性のポリウレタンを主成分とし、気孔が微細であってかつ吸液性に優れたポリウレタン連続気孔多孔質体を提供することを課題とする。
本発明はさらに、前記の吸液性に優れた連続気孔多孔質体を用いたスワブを提供することを課題とする。
前記課題を解決するために本発明者が検討した結果、水と、ポリウレタンが可溶な有機溶媒と、ポリウレタンを膨潤させる有機溶媒とを含む混合溶媒に、ポリウレタンを主成分とする樹脂を溶解した後、冷却して樹脂の成形体を析出させ、その成形体から前記溶媒を除去する方法により、平均径(平均セル径)が1〜20μm程度の微細な気孔を主体としかつ吸液性に優れたポリウレタン連続気孔多孔質体が得られることを見出し、本発明を完成した。すなわち、前記課題は、以下に述べる構成からなる発明により解決される。
本発明の第1の態様は、
水と、ポリウレタンが可溶な有機溶媒Aと、ポリウレタンを膨潤させる有機溶媒Bとを含む混合溶媒に、ポリウレタンを主成分とする樹脂を溶解しポリウレタン溶液を得る工程、該ポリウレタン溶液を冷却して混合溶媒中にポリウレタン成形体を析出させる工程、及び、前記ポリウレタン成形体から混合溶媒を除去する工程からなることを特徴とするポリウレタン連続気孔多孔質体の製造方法(請求項1)である。
ポリウレタンを主成分とする樹脂(以下、単に「ポリウレタン」と言うことがある)とは、実質的にポリウレタンのみからなるが、本発明の趣旨を損ねない範囲で他の成分が共重合又は混合されてもよい樹脂を意味する。好ましくは、ポリウレタン成分の割合が80質量%以上のものを言う。又、この樹脂は、前記混合溶媒に溶解される必要があるので、有機溶媒に可溶性のポリウレタンである。
ポリウレタンが可溶な有機溶媒Aは、具体的には、径3〜3.5mmのポリウレタン粒子を、当該溶媒に、当該溶媒の沸点より10℃低い温度で、攪拌下に2時間浸漬させたとき、1mmのメッシュを通過しないゲル状物を残存させない有機溶媒と定義される。有機溶媒Aとしては、例えばDMFが挙げられる。
ポリウレタンを膨潤させる有機溶媒Bとは、ポリウレタンを溶解せず、かつ以下に規定する膨潤度が40以上の有機溶媒を言う。膨潤度とは、径3〜3.5mmのポリウレタン粒子を、当該溶媒に30℃で24時間浸漬した後の質量変化を測定したときの、{(浸漬後質量−浸漬前質量)/浸漬前質量}×100、で定義される値を意味する。
この製造方法では、先ず、水と、ポリウレタンが可溶な有機溶媒Aと、ポリウレタンを膨潤させる有機溶媒Bとを含む混合溶媒に、ポリウレタンを溶解する。ポリウレタンの溶解は、水、有機溶媒A、有機溶媒B等を混合して混合溶媒を作製した後、当該混合溶媒にポリウレタンを添加して加熱して行うことができる。溶解を促進するために撹拌を行ってもよい。
混合溶媒にポリウレタンを溶解しポリウレタン溶液を得た後、当該ポリウレタン溶液は冷却される。冷却によりポリウレタンが析出しポリウレタン成形体が、混合溶媒中に生成する。冷却は、好ましくは型内で行われる。型内で冷却することにより所望の形状の成形体を容易に得ることができる。水、有機溶媒A、有機溶媒Bの混合比(溶媒組成)、ポリウレタンを混合溶媒に溶解する温度(加熱温度)及び冷却温度は、ポリウレタンが混合溶媒に溶解し、冷却により成形体が析出し、かつポリウレタン成形体が連続気孔多孔質体となる範囲から選択される。
前記の混合比、加熱温度、冷却温度を適当な範囲に調整することにより、混合溶媒中に生成したポリウレタン成形体を、三次元連続気孔を有し均一な膜厚からなる微細孔の多孔質体とすることができる。ここで、均一な膜厚からなる微細孔の多孔質体とは、平均膜厚みが1〜10μm好ましくは1.5〜7μmの範囲にあり、平均セル径が20μm以下であり、かつ観察したセル中の70%以上の膜厚みが、平均膜厚みの0.5倍〜2.0倍の範囲内にある多孔質体を言う。セルの観察は、後述のようにSEM写真により行う。
しかし、この成形体は前記混合溶媒を含んでおり、温度の上昇により成形体が再溶解することも考えられる。そこで、ポリウレタン成形体から混合溶媒を除去する工程が行われる。混合溶媒をポリウレタン成形体から除去することにより、均一で微細な三次元連続気孔からなるポリウレタン連続気孔多孔質体が得られる。
この発明の方法によれば、気孔生成剤を使用せずに、水、有機溶媒A、有機溶媒Bの混合比、ポリウレタンを混合溶媒に溶解する温度(加熱温度)及び冷却温度を適当な範囲から選択するだけで、均一な膜厚からなる微細孔のポリウレタン多孔質体、すなわち平均膜厚みが1〜10μmの範囲にあり、平均セル径が20μm以下であり、かつ観察したセル膜の70%以上の膜厚みが平均膜厚みの0.5倍〜2.0倍の範囲内にある多孔質体を製造することができる。又、この方法によれば、吸液速度に優れる(後述のエタノール浸透時間が短い)ポリウレタン連続気孔多孔質体を製造することができる。
この発明の方法は、気孔生成剤を使用しないので、気孔生成剤を含む排水の処理に要するコストは不要である。又この発明の方法によれば、微細な気孔生成剤を得るためのコストを要する作業は不要であるので、この点からも製造コストの削減を図ることができる。
本発明は、又、前記の第1の態様の発明であって、前記ポリウレタン成形体から混合溶媒を除去する工程が、混合溶媒中に析出した成形体を、ポリウレタンの非溶媒であって前記混合溶媒を溶解する液体(以下、「非溶媒」と言うことがある)に浸漬して溶媒置換をした後に乾燥する工程であることを特徴とするポリウレタン連続気孔多孔質体の製造方法(請求項2)を提供する。
この方法では、混合溶媒中にポリウレタン成形体を析出させた後、混合溶媒と非溶媒の溶媒置換が行われる。具体的には、混合溶媒を含む当該ポリウレタン成形体を非溶媒に浸漬してポリウレタン成形体中に含まれている混合溶媒を非溶媒と溶媒置換する。溶媒置換の後、非溶媒とポリウレタン成形体を分離し、その後乾燥してポリウレタン成形体中から非溶媒を除去することにより、均一で微細な三次元連続気孔からなるポリウレタン連続気孔多孔質体を得ることができる。乾燥は、減圧下で行うことができる。乾燥の速度を上げるためには減圧で行うことが好ましい。
溶媒置換をより完全に行うために、乾燥の前に、非溶媒への浸漬と非溶媒とポリウレタン成形体との分離を繰り返してもよい。又、この繰り返し毎に非溶媒の種類を変えてもよい。例えば、乾燥を容易にするために、最後の繰り返しには沸点の低い非溶媒を用いてもよい。
本発明は、又、前記の第1の態様の発明であって、有機溶媒AがDMFであることを特徴とするポリウレタン連続気孔多孔質体の製造方法(請求項3)を提供する。有機溶媒Aとしては、DMF、テトラヒドロフラン、1,4ジオキサン、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等を挙げることができ、好ましくはこれらから選択された溶媒を単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。中でも、DMFが、ポリウレタンの溶媒として最も汎用的に使用されており、比較的に安価である点で好ましい。
本発明は、又、前記の請求項3に記載のポリウレタン連続気孔多孔質体の製造方法、すなわち有機溶媒AがDMFである場合であって、水、有機溶媒A及び有機溶媒Bの合計質量に対し、有機溶媒Aは22〜54質量%、有機溶媒Bは38〜69質量%及び水は3〜12質量%であることを特徴とするポリウレタン連続気孔多孔質体の製造方法(請求項4)を提供する。
有機溶媒AがDMFの場合は、水、有機溶媒A、有機溶媒Bの混合割合は、3溶媒の和(水+有機溶媒A+有機溶媒B)を100質量%としたとき、通常、有機溶媒Aは、22〜54質量%が好ましくより好ましくは22〜47質量%であり、有機溶媒Bは、38〜69質量%が好ましくより好ましくは44〜69質量%であり、水は、3〜12質量%が好ましくより好ましくは5〜12質量%である。
本発明は、又、前記の第1の態様の発明であって、有機溶媒Bの膨潤度が60以上であることを特徴とするポリウレタン連続気孔多孔質体の製造方法(請求項5)を提供する。有機溶媒Bとしては、膨潤度が60以上のものがより好ましい。
本発明の第2の態様は、ポリウレタンを主成分とする樹脂からなる連続気孔多孔質体であって、平均膜厚みが1〜10μmの範囲にあり、平均セル径が20μm以下であり、観察したセル中の70%以上の膜厚みが平均膜厚みの0.5倍〜2.0倍の範囲内にあり、かつエタノール浸透時間が10秒以内であることを特徴とするポリウレタン連続気孔多孔質体(請求項6)である。この多孔質体を構成するポリウレタンを主成分とする樹脂とは、第1の態様の発明に使用されるポリウレタンを主成分とする樹脂と同様なものである。
一般に多孔質体は、各々の気泡(セル)が独立して他の気泡から隔離されている独立気泡を有する多孔質体と、互いのセル間が連続している連続気泡を有する多孔質体に分類されるが、本発明の多孔質体は連続気泡を有する多孔質体である。より詳細には、セルが3次元方向に均等に連続しているとともに、該セルの表面すなわち隣接するセルとの境界は、樹脂の膜及び隣接するセルへの開口部から構成される構造を有する。
又、本発明の多孔質体は、平均膜厚みが1〜10μmの範囲にあり、平均セル径が20μm以下であり、かつ観察したセル中の70%以上の膜厚みが平均膜厚みの0.5倍〜2.0倍の範囲内にあることを特徴とする。
ここで、膜厚み、平均膜厚み、平均セル径は、多孔質体のSEM写真から求めた値である。具体的には、次にようにして測定される。
・試料を切断する。
・切断面のSEM写真を撮る。切断面のSEM写真中の最も明るい部分は、多孔質体を構成する樹脂の切断面であり各セルの輪郭(気孔の周縁部)を示す。本発明の連続気孔多孔質体では各セルの輪郭が明瞭である。
・SEM写真中で、樹脂の切断面(最も明るい部分)が連続的な箇所は気孔の膜の部分であり、断続している箇所は気孔間の開口部である。この樹脂の切断面の厚さを写真上で計測しこの計測値とSEMの倍率から膜厚みを計算することができる。又、樹脂の切断面が形成する図形の大きさを写真上で計測し、この計測値とSEMの倍率よりセル径を計算することができる。
膜厚みは、切断面のSEM写真に対角線を引き、対角線上にある樹脂の切断面のそれぞれの長さを写真上で計測し、その計測値とSEMの倍率から計算した値である。「平均セル径」及び「平均膜厚み」は、対角線の長さL、対角線上にある樹脂の切断面の長さの合計T(T、Lは、写真上の計測値とSEMの倍率から計算した値)、対角線上にある樹脂の切断面の数n、及び対角線上にあるセルの数cから、次の式により計算した値である。
平均膜厚み=T/n
平均セル径=(L−T)/c
なお、対角線の両端部では、切断面やセルがその一部のみ存在する場合があるが、その影響を小さくするため、対角線の長さが150μm以上となるように、SEM写真を撮影することが好ましい。
本発明のポリウレタン連続気孔多孔質体は、さらに、エタノール浸透時間が10秒以内であることを特徴とする。エタノール浸透時間とは、エタノールが連続気孔多孔質体の3mmの厚みへの浸透が完了するまでの時間である。具体的には、ポリウレタン連続気孔多孔質体を短冊状に裁断し、これを垂直に立ててその下端から2mmの位置までをエタノールに浸漬し、エタノールが3mm上昇するまでの時間をエタノール浸透時間と言う。
エタノール浸透時間は、連続気孔多孔質体の吸液性を示す目安となる。すなわち、エタノール浸透時間が短いほど、液滴を瞬時に吸い取る性質、吸液性に優れることを示す。エタノール浸透時間が10秒以内であるとは、エタノール等の液滴を瞬時に吸い取り10秒以内に3mmの厚みを移動できることを示す。
又、エタノール浸透時間が短いことは、気孔が連続気泡(連通)であり、開口部の比率が大きいことを示す。気孔が連続気泡でない場合は、エタノールが多孔質体へ浸透しないのでエタノール浸透時間は非常に長くなる。連続気泡であっても開口部の比率が小さい場合はエタノールが多孔質体へ浸透しにくいので、エタノール浸透時間は長くなる。
本発明のポリウレタン連続気孔多孔質体は、気孔が連続気泡(連通)であるとともに、開口部の比率が大きい多孔質体である。その結果、アルコール等からなる液滴を瞬時に吸い取る性質、吸液性に優れる多孔質体となり、エタノール浸透時間が10秒以内となる。
本発明のポリウレタン連続気孔多孔質体に、高いHLB値を有する界面活性剤を含有させることにより、水、例えば基材付着水を瞬時に吸水する高い吸水性を付与できる。特にHLB値が8.0以上の界面活性剤を含有させた場合優れた吸水性となる。
このポリウレタン連続気孔多孔質体は、前記の第1の態様の発明、すなわち本発明のポリウレタン連続気孔多孔質体の製造方法により製造することができる。第1の態様の発明によれば、均一で微細な三次元連続気孔からなるポリウレタン連続気孔多孔質体が得られるが、本発明者の検討の結果、前記の範囲の平均セル径、平均膜厚み及びエタノール浸透時間を有する新規なポリウレタン連続気孔多孔質体が、第1の態様の発明により得られることが見出された。
本発明は、又、前記の第2の態様の発明であって、見掛け密度が0.20〜0.50g/cmであることを特徴とするポリウレタン連続気孔多孔質体(請求項7)を提供する。
見掛け密度とは、JIS K 7222に準拠して測定される値である。本発明のポリウレタン連続気孔多孔質体の見掛け密度は、好ましくは、0.20〜0.50g/cmである。見掛け密度が0.2g/cm未満であるものは製造し難い。例えば、後述の表3にある実施例4において、大日精化社製ポリウレタンであるレザミンP880を0.45gに減らした場合は見掛け密度を0.22g/cmまで下げることができるが、同じく0.3gに減らすと、析出中に収縮するため見掛け密度は0.57g/cmに増加する。更に、収縮のために安定した形状が得られにくくなる。又、見掛け密度が0.2g/cm未満である多孔質体は、その形状保持性に劣り利用価値が低いものとなる。
一方、見掛け密度が0.50g/cmを超えると、比較例1、2に見られるようにセルが独立して分散する傾向が見られ、エタノール浸透時間が10秒を大きく超えるようになる。
本発明は、又、前記の第2の態様の発明であって、厚みが3mm以上あることを特徴とするポリウレタン連続気孔多孔質体(請求項8)を提供する。
一般に連続気孔多孔質体は、軽量であり、かつ液体を吸収する、液体を貯蔵する、液・気体を通過する、音を吸収する、固体を選別除去する、衝撃を吸収する等の機能に優れるので、インクロール、浸透印、筆ペン、フィルター、化粧用スポンジ等に使用されている。これらの製品は、立体構造をしており、多孔質体の厚みとして3mm以上が必要である。第1の態様のポリウレタン連続気孔多孔質体の製造方法によれば、ポリウレタン連続気孔多孔質体を膜状ではなく厚みが3mm以上ある成形体として得ることができる。例えば、冷却工程を型内で行うことにより容易に厚みが3mm以上ある成形体として得ることができる。
本発明の第3の態様は、前記の第2の態様のポリウレタン連続気孔多孔質体を用いることを特徴とするスワブ(請求項9)である。
スワブとは、棒状の軸の先端に吸液性の多孔質体からなる先端部を設けた構造のものを言い、例えば工業用の清浄材(清拭材)として用いることができる。棒状の軸を形成する材質としては、金属、木、紙、樹脂等を挙げることができる。先端部としては、例えば、吸液性の多孔質体を球状として軸の先端を覆った形状のものを挙げることができる。
吸液性の多孔質体としては、一般には、布、綿、紙、吸液性の樹脂多孔質体等も使用されているが、本発明の第2の態様のポリウレタン連続気孔多孔質体は、吸液性に優れるので、スワブ、特に工業用の清浄材(清拭材)としてのスワブの先端部として好適に用いられる。第2の態様のポリウレタン連続気孔多孔質体は、ポリウレタンの優れた特徴である耐摩耗性も有するのでこの点からもスワブの先端部に好適である。
本発明の第1の態様のポリウレタン連続気孔多孔質体の製造方法によれば、溶媒に可溶性のポリウレタンを主成分とし、均一な膜厚からなる微細孔を有しかつ吸液性に優れた連続気孔多孔質体を、気孔生成剤を使用しないで、溶媒の組合せのみにより製造することができる。その結果、製造コストの削減も可能となり、又気孔生成剤を含む排液の処理も不要である。
本発明の第2の態様のポリウレタン連続気孔多孔質体は、ポリウレタンを主成分とする多孔質体であって、均一な膜厚からなる微細孔を有しかつ吸液性に優れた多孔質体である。従って、スワブ等、微細な液滴例えばアルコール等の液滴を効率良く吸い取る用途等に好適に用いることができる。さらに、高いHLB値を有する界面活性剤を含有させる等の方法により多孔質体に親水性を付与すれば、優れた吸水性を有するポリウレタン連続気孔多孔質体とすることができ、水滴を効率良く吸い取る用途等に好適に用いることができる。
本発明の第3の態様のスワブは、微細な液滴例えばアルコール等の液滴を効率良く吸い取る性質に優れるものである。又、先端部の多孔質体に親水性を付与すれば、微細な水滴を効率良く吸い取る吸水性に優れたスワブとすることができ、電子工業分野等で好適に用いられる。
実施例1で得られたポリウレタン連続気孔多孔質体のSEM写真である。 実施例2で得られたポリウレタン連続気孔多孔質体のSEM写真である。 実施例3で得られたポリウレタン連続気孔多孔質体のSEM写真である。 実施例4で得られたポリウレタン連続気孔多孔質体のSEM写真である。 実施例5で得られたポリウレタン連続気孔多孔質体のSEM写真である。 実施例6で得られたポリウレタン連続気孔多孔質体のSEM写真である。 実施例7で得られたポリウレタン連続気孔多孔質体のSEM写真である。 実施例8で得られたポリウレタン連続気孔多孔質体のSEM写真である。 実施例9で得られたポリウレタン連続気孔多孔質体のSEM写真である。 実施例10で得られたポリウレタン連続気孔多孔質体のSEM写真である。 実施例11で得られたポリウレタン連続気孔多孔質体のSEM写真である。 実施例12で得られたポリウレタン連続気孔多孔質体のSEM写真である。 実施例13で得られたポリウレタン連続気孔多孔質体のSEM写真である。 実施例14で得られたポリウレタン連続気孔多孔質体のSEM写真である。 比較例1で得られたポリウレタン多孔質体のSEM写真である。 比較例2で得られたポリウレタン多孔質体のSEM写真である。 比較例6で得られたポリウレタン多孔質体のSEM写真である。 比較例8で得られたポリウレタン多孔質体のSEM写真である。 比較例11で得られたポリウレタン多孔質体のSEM写真である。 比較例12で得られたポリウレタン多孔質体のSEM写真である。 比較例13で得られたポリウレタン多孔質体のSEM写真である。 比較例14で得られたポリウレタン多孔質体のSEM写真である。
以下、本発明をその実施の形態に基づいて説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
第1の態様の発明で使用されるポリウレタンは、高分子量ポリオール(長鎖ポリオールと呼ぶ場合もある)と鎖伸長剤(短鎖グリコール、硬化剤と呼ぶ場合もある)からなるポリオール成分とポリイソシアネート化合物を重合反応させて得られる。
高分子量ポリオールとしては、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリマーポリオール等のポリエーテル系ポリオール、アジペート系ポリオール、ポリカプロラクトンポリオール等のポリエステル系ポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール等を挙げることができる。高分子ポリオールの好ましい分子量は500〜10000、より好ましくは500〜3000程度である。
また、鎖伸長剤としては、エチレングリコール、1,4ブタンジオール、1,6ヘキサンジオール、1,5ペンタンジオール、3−メチル−1,5ペンタンジオール、1,3プロパンジオール等を挙げることができる。
ポリイソシアネート化合物としては、メチレンジフェニルジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン1,5−ジイソシアネート、テトラメチレンキシリレンジイソシアネート等の芳香族系イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂環系イソシアネートおよびヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、ノルボルネン・ジイソシアネート等の脂肪族系イソシアネート等を挙げることができる。
ポリウレタンを製造するための重合方法としては、ワンショット法とプレポリマー法に分けられる。さらに、特殊な場合として溶液重合からポリウレタンを得る方法もある。大量生産ではワンショット法が優れているが、構造を明確にして特徴を出そうとする場合においてはプレポリマー法も使われている。いずれも連続重合法、バッチ法が可能である。
ポリウレタンを膨潤させる有機溶媒Bとしては、フルフラール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、フルフリルアルコール等を挙げることができる。
前記のように、水、有機溶媒A、有機溶媒Bの混合比、ポリウレタンを混合溶媒に溶解する温度(加熱温度)、冷却温度は、ポリウレタンが混合溶媒に溶解し、冷却により成形体が析出する範囲から選択される。又、この範囲は、混合溶媒に対するポリウレタンの添加量によっても変動する。
又、ポリウレタンを主成分とする樹脂の添加量は、混合溶媒(水+有機溶媒A+有機溶媒B)の全質量の0.063倍(質量比)より大きくかつ0.63倍(質量比)未満が好ましく、より好ましくは0.093倍(質量比)以上で0.32倍(質量比)未満である。0.063倍以下の場合は、混合溶媒中に析出するポリウレタン成形体が形状を保持することが困難なものとなりやすい。一方、0.63倍以上の場合は、ポリウレタン成形体が連続気泡とならず独立気泡となる傾向がある。又、冷却の際に液分離して上澄み液を生じることを防ぐためには、ポリウレタンの量は、3溶媒の和の0.093質量倍以上とすることが好ましい。
混合溶媒にポリウレタンを溶解しポリウレタン溶液を得るときには、加熱することが好ましい。この加熱温度は、通常、40℃から100℃であるが、好ましくは、混合溶媒中の沸点の最も低い溶媒の沸点からマイナス10℃以上でプラス20℃未満の範囲が好ましい。混合溶媒中の沸点の最も低い溶媒の沸点からマイナス10℃より加熱温度が低い場合は、ポリウレタンの溶解に要する時間が長くなる。一方、プラス20℃以上の場合は、低沸点溶媒が、加熱中に沸騰して混合溶媒の組成を保てなくなる場合もあるので好ましくない。
加熱は、ポリウレタンが溶解し均一溶液になるまで行なわれ、具体的な加熱時間は限定されないが通常1〜2時間である。溶解を促進するために攪拌してもよい。
混合溶媒中にポリウレタン成形体を析出させるときの冷却の条件は、混合溶媒の組成や混合溶媒に対する樹脂の質量比に依存する。通常、水が増えると析出しやすくなる傾向があり冷却温度は比較的高くてもよい。又、樹脂の質量比が大きいと析出しやすくなる傾向があり冷却温度は比較的高くてもよい。
冷却温度は、通常、−80℃〜+30℃の範囲から選択されるが、実用的な温度範囲として−20℃〜+30℃が好ましい。冷却時間は5分以上が好ましい。又、生産性の点からは24時間以内が好ましい。析出の確認は、白色固体化しているかいないかを目視で判定して行なう。この際、液分離して上澄み液を生じる場合は、所望の形状や寸法精度が得がたく立体構造を得る目的にとって不適当であるので、上澄み液を生じない条件で行うことが好ましい。前記のように、液分離して上澄み液を生じることを防ぐため、ポリウレタンの量は、3溶媒の和(水+有機溶媒A+有機溶媒B)の0.093質量倍以上とすることが好ましい。
ポリウレタン成形体から混合溶媒を除去する工程を、非溶媒(ポリウレタンの非溶媒であって前記混合溶媒を溶解する液体)に浸漬して溶媒置換をした後に乾燥して行う場合、使用する非溶媒としては、水、メチルアルコールやエチルアルコール等の低級一価アルコール等を挙げることができる。
本発明の製造方法では、気孔生成剤を使用しないので、分離された使用済みの溶媒(排液)は気孔生成剤を含まない。従って、蒸留などによる使用済みの溶媒の再利用は容易である。
[溶媒の膨潤度の測定]
次の1)〜3)の手順により、下記の各種ポリウレタンについて、表1に記載の各種溶媒の膨潤度を測定した。
1)ポリウレタン連続気孔多孔質体を構成するポリウレタンの径3〜3.5mmの粒子を作製しその重量を小数点下2桁まで測定する。測定値を浸漬前質量とする。
2)この粒子を、30℃で溶媒に24時間浸漬する。24時間浸漬後、粒子を溶媒より取出し、粒子表面に付着している溶媒を除去した後、重量を小数点下2桁まで測定する。測定値を浸漬後質量とする。
3){(浸漬後質量−浸漬前質量)/浸漬前質量}×100を計算し、その計算値を当該ポリウレタンについての当該溶媒の膨潤度とする。この方法は、JIS K 7114−1995に準拠した方法である。
(各種ポリウレタン)
以下に示す、いずれも大日精化工業社製のポリウレタンを用いた。
・レザミンP880(ポリオール成分が、ポリカーボネートポリオールであるポリウレタン:表1中では「P880(ポリカーボネート)」と表す。)
・レザミンP2275(ポリオール成分が、ポリエーテル系ポリオールであるポリウレタン:表1中では「P2275(ポリエーテル)」と表す。)
・レザミンP1275(ポリオール成分が、アジペート系ポリオールであるポリウレタン:表1中では「P1275(アジペート)」と表す。)
・レザミンP4038(ポリオール成分が、ポリカプロラクトンポリオールであるポリウレタン:表1中では「P4038(カプロラクトン)」と表す。)
表1から明らかなように、アセトン、フルフリルアルコールはいずれのポリウレタンに対しても膨潤度が40以上であり有機溶媒Bとして使用できる。一方、水やプロピレングリコールは、いずれのポリウレタンに対しても膨潤度が0であり有機溶媒Bとはならない。又、プロピレングリコール−α−モノメチルエーテル(PME)は、ポリウレタンの種類が、ポリオール成分がポリカーボネートポリオールであるポリウレタンの場合は、膨潤度が38であり有機溶媒Bとしては不適当であるが、表1中の他の種類のポリウレタンの場合は、有機溶媒Bとして使用できる。
次に、各実施例及び比較例で得られたポリウレタン連続気孔多孔質体の評価方法を示す。
[膜厚み、平均膜厚み、平均セル径]
前記の方法により得た値である。すなわち、試料の切断面のSEM写真を撮り、そのSEM写真に対角線を引き、対角線上にある樹脂の切断面のそれぞれ長さを写真上で計測し、その計測値とSEMの倍率から「膜厚み」を計算した。又、対角線の長さL、対角線上にある樹脂の切断面の長さの合計T(T、Lは、写真上の計測値とSEMの倍率から計算した値)、対角線上にある樹脂の切断面の数n、及び対角線上にあるセルの数cから、次の式により平均膜厚み、平均セル径を計算した。なお、SEM写真は、日本電子社製の走査電子顕微鏡JSM−5500LVを使用して撮影した800倍の写真である。
平均膜厚み=T/n
平均セル径=(L−T)/c
[見掛け密度]
JIS K 7222に準拠して測定した。
[エタノール浸透時間の測定]
エタノール浸透時間は、以下に示す方法で測定した。
得られた多孔質体を短冊状(寸法:2mm×2mm×長さ10mm)に裁断する。これを垂直に立てて、下端から2mmの位置まで25℃のエタノールに浸漬し、エタノールが3mm上昇するまでの時間をストップウォッチで測定する。見分けやすいように、エタノールとしては、次のようにして調整した着色エタノールを用いる。
(着色エタノールの調整)
5gのエチルアルコール(特定アルコール:トレーサブル99 1級:日本アルコール販売株式会社製)に速乾シャチハタ朱の油(シャチハタ社製)を2滴滴下してよく攪拌した。
なお、表中にある「観察」中の「混和状態」及び「析出状態」は、それぞれ、溶解工程における混和状態、及び、冷却工程における成形体の析出状態を示すが、下記の評価基準に基づき、○、△又は×で表した。
1 溶解工程における混和状態(表中の「混和状態」)
○:ポリウレタンが全て溶解しており、均一混和している。
×:ポリウレタンの全てが溶解せず、溶け残りが観察される。
2 冷却工程における成形体の析出状態(表中の「析出状態」)
○:冷却で白い固体(成形体)が析出し、室温にしても溶解しない。
△:冷却で白い固体(成形体)が析出するが、目に見える量の溶媒が分離する(上澄みが生じる)。
×:冷却で白い固体(成形体)が析出するが、室温にすると透明液体に戻る。
以下に示す実施例1〜3及び比較例1〜4により、ポリウレタンが、溶解及び冷却により成形体を析出させる(熱相分離)ための水の添加量範囲を検討した。
実施例1
ポリカーボネート系ポリウレタン(高分子量ポリオール成分がポリカーボネート系ポリオールであるポリウレタンを言う。以下も同様に表す。大日精化工業社製:レザミンP−880)0.6gを、サンプル管瓶(アズワン社製サンプル管No.2:内径16mm、高さ40mm)に入れ、ジメチルホルムアミド1.4g、アセトン2.0g、および水0.2gからなる混合溶媒を加えて攪拌子とマグネティックスターラーを用いて、65℃に加熱しながら攪拌し、1時間後にポリウレタン溶液を得た。攪拌子を除去し、−20℃で24時間冷却すると成形体が析出した。この成形体を取り出し、エタノール10gに浸漬し、3時間毎に二回エタノールを取り換えた。その後18時間エタノールに浸漬してから、その成形体をエタノールから取り出した。その成形体を減圧下、25℃で24時間乾燥してポリウレタン多孔質体(寸法:直径12mm、厚み12mmの略円柱状)を得た。得られた多孔質体のSEM写真を図1に示す。また、得られた多孔質体の平均セル径、平均膜厚み、膜厚みが平均膜厚みの0.5倍〜2.0倍の範囲内にある膜(樹脂の切断面)の割合(%、表中では単に「膜厚割合」と表す。以後の実施例、比較例、表3以後の表でも同様である)、見掛け密度、及びエタノール浸透時間を測定した。その結果を表2に示した。
実施例2、実施例3
混合溶媒をジメチルホルムアミド1.4g、アセトン2.0gおよび水0.3gからなる混合溶媒(実施例2)、又はジメチルホルムアミド1.4g、アセトン2.0gおよび水0.4gからなる混合溶媒(実施例3)に代えた以外は、それぞれ実施例1と同様にして多孔質体を得た。得られた多孔質体のSEM写真をそれぞれ図2、図3に示す。また、平均セル径、平均膜厚み、膜厚割合、見掛け密度、及びエタノール浸透時間の測定結果を表2に示した。
比較例1、比較例2
混合溶媒をジメチルホルムアミド1.4g、アセトン2.0gからなる混合溶媒(比較例1)、又はジメチルホルムアミド1.4g、アセトン2.0g及び水0.1gからなる混合溶媒(比較例2)に代えた以外は、それぞれ実施例1と同様にして多孔質体を得た。得られた多孔質体のSEM写真を図15、図16に示す。又、見掛け密度、及びエタノール浸透時間の測定結果を表2に示す。比較例1、2ではいずれも、SEM写真では、実施例1に較べて巨大な独立気孔が散在しており、エタノール浸透時間も1桁大きくなっている。
比較例3、比較例4
混合溶媒をジメチルホルムアミド1.4g、アセトン2.0g及び水0.5gからなる混合溶媒(比較例3)、又はジメチルホルムアミド1.4g、アセトン2.0g及び水0.6gからなる混合溶媒(比較例4)に代えた以外は、それぞれ実施例1と同様に行ったが、いずれの場合も、ポリウレタンが溶媒に溶解不良で溶け残ったため所望する多孔質体が得られなかった。
実施例3(既出)と以下に示す実施例4及び比較例5、比較例6により、熱相分離するためのアセトンの添加量範囲を検討した。
実施例4
混合溶媒をジメチルホルムアミド1.4g、アセトン3.0g及び水0.4gからなる混合溶媒に代えた以外は、実施例1と同様にして多孔質体を得た。得られた多孔質体のSEM写真を図4に示す。また、平均セル径、平均膜厚み、膜厚割合、見掛け密度、及びエタノール浸透時間の測定結果を表3に示した。
比較例5
混合溶媒をジメチルホルムアミド1.4g及び水0.4gからなる混合溶媒に代えた以外は、実施例1と同様に行ったが、ポリウレタンが溶媒に溶解不良で溶け残ったため所望する多孔質体が得られなかった。
比較例6
混合溶媒をジメチルホルムアミド1.4g、アセトン4.0g及び水0.4gからなる混合溶媒に代えた以外は、実施例1と同様に行った。加熱時に均一溶液が得られ、−20℃で冷却固化したが、室温でエタノール置換を行なう時に透明な液体に変化した。多孔質体は得られたものの図17のSEM写真にみられるように巨大な独立気孔となり、表3に示されているとおり、エタノール浸透時間も18秒であった。また、見掛け密度も実施例に比べて明らかに大きかった。
実施例3(既出)と以下に示す実施例5、実施例6、比較例7及び比較例8により、熱相分離するためのDMFの添加量範囲を検討した。
実施例5
混合溶媒をジメチルホルムアミド1.0g、アセトン2.0g及び水0.4gからなる混合溶媒に代えた以外は、実施例1と同様にして多孔質体を得た。この場合、冷却固化の結果、若干ながら溶媒の分離が見られた。得られた多孔質体のSEM写真を図5に示す。また、平均セル径、平均膜厚み、膜厚割合、見掛け密度、及びエタノール浸透時間の測定結果を表4に示した。
実施例6
混合溶媒をジメチルホルムアミド2.1g、アセトン2.0g及び水0.4gからなる混合溶媒に代えた以外は、実施例1と同様にして多孔質体を得た。得られた多孔質体のSEM写真を図6に示す。また、平均セル径、平均膜厚み、膜厚割合、見掛け密度、及びエタノール浸透時間の測定結果を表4に示した。
比較例7
混合溶媒をアセトン2.0g及び水0.4gからなる混合溶媒に代えた以外は、実施例1と同様に行ったが、ポリウレタンが溶媒に溶解不良で溶け残ったため所望する多孔質体が得られなかった。
比較例8
混合溶媒をジメチルホルムアミド2.8g、アセトン2.0g及び水0.4gからなる混合溶媒に代えた以外は、実施例1と同様に行った。加熱時に均一溶液が得られ、−20℃で冷却固化したが、室温でエタノール置換を行なう時に透明な液体に変化した。多孔質体は得られたものの図18のSEM写真にみられるように巨大な独立気孔となり、表4に示されているとおり、エタノール浸透時間も21秒であった。また、見掛け密度も実施例に比べて明らかに大きかった。
表2〜表4の結果より、ポリウレタンがポリカーボネート系ポリウレタンであって有機溶媒AがDMFの場合は、混合溶媒中の各溶媒の組成を、DMF:24〜54質量%、アセトン(有機溶媒B):38〜69質量%、水:3〜12質量%の範囲とすれば、均一な膜厚からなる微細孔のポリウレタン多孔質体、すなわち平均膜厚みが1〜10μmの範囲にあり、平均セル径が20μm以下であり、かつ観察したセル膜の70%以上の膜厚みが平均膜厚みの0.5倍〜2.0倍の範囲内にあるとともに、エタノール浸透時間が10秒以内である(すなわち、吸液性に優れる)ポリウレタン連続気孔多孔質体を製造することができることが示されている。実際は、実施例1〜6では、平均セル径は7μm以下であり、エタノール浸透時間は3秒以下である。
実施例3(既出)と以下に示す実施例7〜10、比較例9、比較例10により、熱相分離するための溶媒膨潤度の範囲を検討した。
実施例7、実施例8、実施例9、実施例10
実施例3におけるポリカーボネート系ポリウレタン(大日精化工業社製 レザミンP880)0.6g及びアセトン2.0gの組み合わせを、
アジペート系ポリウレタン(大日工業社製 P1275)0.6g、プロピレングリコール−α−モノメチルエーテル(PME)2.0g(実施例7)、
カプロラクトン系ポリウレタン(大日精化工業社製 P4038)、PME2.0g(実施例8)、
エーテル系ポリウレタン(大日精化工業社製 P2275)0.6g、PME2.0g(実施例9)又は
ポリカーボネート系ポリウレタン(大日精化工業社製 P880)0.6g、フルフリルアルコール2.0(実施例10)
の組み合わせにそれぞれ代えた以外は、実施例3と同様にして多孔質体を得た。得られた多孔質体のSEM写真をそれぞれ図7、図8、図9及び図10に示す。また、平均セル径、平均膜厚み、膜厚割合、見掛け密度、及びエタノール浸透時間の測定結果を表5に示した。
比較例9、比較例10
実施例3におけるアセトン2.0gの代わりに、プロピレングリコール(PG)2.0g(比較例9)又はPME2.0g(比較例10)をそれぞれ用いた以外は、実施例3と同様に行い、多孔質体を得ようとしたが、ポリウレタンが溶媒に溶解不良で溶け残ったため所望する多孔質体が得られなかった。
表5で示されるように、実施例3、実施例7〜10、比較例9、比較例10の実験結果より、熱相分離するためには、溶媒膨潤度の範囲が40以上であることが必要であり、好ましくは60以上であることが確認された。又、溶媒膨潤度の範囲が40以上であれば、ポリウレタンが、 アジペート系ポリウレタン、カプロラクトン系ポリウレタン、エーテル系ポリウレタンであっても、ポリカーボネート系ポリウレタンの場合と同様に、本発明の効果が達成されることが示されている。
実施例3(既出)と以下に示す実施例11、実施例12及び比較例11〜14により、熱相分離するためのポリウレタンの添加量範囲を実験確認することを検討した。
実施例11、実施例12
ポリカーボネート系ポリウレタン(大日精化工業社製、レザミンP−880)の量を、0.6gから0.45g(実施例11)又は1.2g(実施例12)に代えた以外は、それぞれ実施例1と同様にして多孔質体を得た。実施例11の場合は冷却固化の際に若干の溶媒分離が見られた。得られた多孔質体のSEM写真をそれぞれ図11、図12に示す。また、見掛け密度、及びエタノール浸透時間の測定結果を表6に示した。
比較例11
ポリカーボネート系ポリウレタン(レザミンP−880)の量を、0.6gから0.3gに代えた以外は、実施例1と同様にして多孔質体を得た。この場合、冷却固化の結果、明確に溶媒の分離が見られた。得られた多孔質体のSEM写真を図19に示す。また、見掛け密度、及びエタノール浸透時間の測定結果を表6に示した。得られた多孔質体は、連続気孔多孔質体であるが、表6に示したとおり、略円筒形の直径、特に高さが著しく低い値になり大きな収縮が見られた。
比較例12、比較例13、比較例14
ポリカーボネート系ポリウレタン(レザミンP−880)の量を、0.6gから2.4g(比較例12)、3.9g(比較例13)又は4.5g(比較例14)に代えた以外は、実施例1と同様にして多孔質体を得た。得られた多孔質体は、いずれも独立気泡でありエタノールが浸透しないものであった。SEM写真をそれぞれ図20、図21、図22に示す。また、見掛け密度、及びエタノール浸透時間の測定結果を表6に示した。
表6より、ポリウレタン(ポリカーボネート系:レザミンP−880)の量が混合溶媒(DMF+アセトン+水)の量の0.063倍(質量比)以下である比較例11では、冷却固化の際に成形体の大きな収縮が見られる。一方、0.63倍(質量比)以上である比較例12〜14では、多孔質体は、連続気孔多孔質体とはならず、いずれも独立気泡の多孔質体となり、エタノール等の溶媒を浸透しないものとなった。この結果より、ポリウレタンの量は、混合溶媒(DMF+アセトン+水)の量の0.063倍(質量比)より大きくかつ0.63倍(質量比)未満が好ましいと言える。
以上は有機溶媒Aとして、ジメチルホルムアミドを使用したが、以下の実施例ではジオキサンを使用することを検討した。
実施例13、実施例14
ポリカーボネート系ポリウレタン(レザミンP−880)0.12g、ジオキサン0.25g、アセトン0.75g及び水0.10gを実施例1と同様にして熱で均一溶液にし、−20℃で冷却して相分離をさせた。その時の放置時間を1時間、3時間、5時間、7時間、10時間、18時間、3日、7日と変えて多孔質体を得た。冷却時間1時間から多孔質体を作製することができた。
また、冷却時間7時間で、非溶媒(溶媒置換をする溶媒)をエタノール(実施例13)又は水(実施例14)の2とおりで行なって得られた多孔質体のSEM写真を、それぞれ図13と図14に示した。平均膜厚み、平均セル径、見掛け密度及びエタノール浸透時間を測定したところ、実施例13(エタノール抽出)ではそれぞれ3.65μm、15.9μm、0.30g/cm、及び4秒であり実施例14(水抽出)ではそれぞれ4.99μm、16.5μm、0.26g/cm、及び4秒であった。
この結果より、有機溶媒Aとしてジオキサンを使用した場合でも、本発明の効果が達成されることが示されている。
実施例15
60℃に保温した内径9mmの棒状プラスチック型中に、実施例3において得られるポリウレタン溶液(熱溶融液)と同じ組成の熱溶融液を注入し、注入時の気泡が消えたところで、−20℃に冷却した。その後、実施例1と同様にして直径7mm、長さ30mmの棒状成形物(棒状スポンジ)を得た。この棒状スポンジを15mm長に切断して、下記の方法によりIPA(イソプロピルアルコール)吸上時間、スピンドルオイル吸上時間を測定し、又表面傷つけ性を評価した。その結果を表7に示す。
[IPA吸上時間]
15mm長の棒状スポンジをスワブとし、その先端部(15mm長に切断した面)を液温25±5℃のイソプロピルアルコールの液面に素早く浸漬し、イソプロピルアルコール吸い上がり面が3mm上昇するまでの時間を測定する。
[スピンドルオイル吸上時間]
15mm長の棒状スポンジの先端部を、液温25±5℃のスピンドルオイル(ISO VG10)の液面に素早く浸漬し、スピンドルオイル吸い上がり面が3mm上昇するまでの時間を測定する。
[表面傷つけ性]
コンパクトディスクの表面を、15mm長の棒状スポンジの先端部で、荷重10g/cmにて2回拭取り、拭取り面を肉眼および走査型電子顕微鏡にて観察して判断する。
比較例15
熱溶融液を、比較例1において得られる熱溶融液と同じ組成の熱溶融液に代えた以外は実施例15と同様にして、直径8.3mmm、長さ15mmの棒状成形物を得た。これを7.5mm長に切断して、上記の方法(実施例15と同じ方法)によりIPA吸上時間とスピンドルオイル吸上時間(3mm高さ)を測定し、又表面傷つけ性を評価した。その結果を表7に示す。
表7に示す「配合」より明らかなように、実施例15で得られたスワブの先端部を構成する連続気孔多孔質体は、本発明の製造方法により得られる多孔質体であり、一方比較例15で得られたスワブの先端部を構成する連続気孔多孔質体は、本発明の製造方法により得られる多孔質体ではない。表7の「物性」の欄に示すIPA吸上高さ、スピンドルオイル吸上高さより明らかなように、実施例15で得られたスワブは優れた吸液性を有するが、比較例15で得られたスワブは吸液性に劣るものであった。
試験例1
実施例15および比較例15にて得たスワブを用いて、ガラス板上のIPA液滴を拭いた。IPA液滴は、実施例15で得られたスワブでは、1〜2秒以内に連続気孔弾性体中に吸い込まれ、ガラス板上のIPA液滴を完全に拭き取ることが出来たが、比較例15のスワブでは、5秒経過後も連続気孔弾性体に吸い込まれず、ガラス板上のIPA液滴を完全に拭き取ることは出来なかった。この結果からも、実施例15で得られたスワブは優れた吸液性を有するが、比較例15で得られたスワブは吸液性に劣ることが示されている。
本発明のポリウレタン連続気孔多孔質体は、吸水ロール、吸水シート等の吸水材、ハードディスク、シリコンウェハ、ガラス基板等を洗浄するための洗浄材、液体フィルター、エアーフィルター等の濾過膜、金属、石材、ガラス、樹脂等の研磨や高精度仕上げ作業用の研磨材、カーケア用品、インクロール、塗布具としての浸透印、筆ペン、化粧用スポンジ等の生活資材等の用途に好適に用いられる。さらに、綿棒や植毛ブラシの代替用途、薬液含浸用素材、清拭材、水処理の微生物担体、導電材を付与した導電スポンジ等としても好適に用いられる。

Claims (9)

  1. 水と、ポリウレタンが可溶な有機溶媒Aと、ポリウレタンを膨潤させる有機溶媒Bとを含む混合溶媒に、ポリウレタンを主成分とする樹脂を溶解しポリウレタン溶液を得る工程、該ポリウレタン溶液を冷却して混合溶媒中にポリウレタン成形体を析出させる工程、及び、前記ポリウレタン成形体から混合溶媒を除去する工程からなることを特徴とするポリウレタン連続気孔多孔質体の製造方法。
  2. 前記ポリウレタン成形体から混合溶媒を除去する工程が、混合溶媒中に析出した成形体を、ポリウレタンの非溶媒であって前記混合溶媒を溶解する液体に浸漬して溶媒置換をした後に乾燥する工程であることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタン連続気孔多孔質体の製造方法。
  3. 有機溶媒Aがジメチルホルムアミドであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のポリウレタン連続気孔多孔質体の製造方法。
  4. 水、有機溶媒A及び有機溶媒Bの合計質量に対し、有機溶媒Aは22〜54質量%、有機溶媒Bは38〜69質量%及び水は3〜12質量%であることを特徴とする請求項3に記載のポリウレタン連続気孔多孔質体の製造方法。
  5. 有機溶媒Bの膨潤度が60以上であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のポリウレタン連続気孔多孔質体の製造方法。
  6. ポリウレタンを主成分とする樹脂からなる連続気孔多孔質体であって、その平均セル径が20μm以下であり、その平均膜厚みが1〜10μmであり、観察したセル中の70%以上の膜厚みが平均膜厚みの0.5倍〜2.0倍の範囲内にあり、かつエタノール浸透時間が10秒以内であることを特徴とするポリウレタン連続気孔多孔質体。
  7. 見掛け密度が0.20〜0.50g/cmであることを特徴とする請求項6に記載のポリウレタン連続気孔多孔質体。
  8. 厚みが3mm以上あることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のポリウレタン連続気孔多孔質体。
  9. 請求項6ないし請求項8のいずれか1項に記載のポリウレタン連続気孔多孔質体を用いることを特徴とするスワブ。
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